JP2001263406A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

Info

Publication number
JP2001263406A
JP2001263406A JP2000081452A JP2000081452A JP2001263406A JP 2001263406 A JP2001263406 A JP 2001263406A JP 2000081452 A JP2000081452 A JP 2000081452A JP 2000081452 A JP2000081452 A JP 2000081452A JP 2001263406 A JP2001263406 A JP 2001263406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
chamber
front fork
damper
spring force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000081452A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4955138B2 (ja
Inventor
Tadashi Hara
正 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2000081452A priority Critical patent/JP4955138B2/ja
Publication of JP2001263406A publication Critical patent/JP2001263406A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4955138B2 publication Critical patent/JP4955138B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮位置に依存するのはもちろんのこと、高
速で圧縮作動するときのばね力をいたずらに高くしない
ようにして、自動二輪車におけるハンドル操作に影響を
与えないようにする。 【解決手段】 圧縮作動時にダンパによって所定の減衰
力を発生しながら油面Oを境にするガス室Gを収縮させ
てばね力を発揮する一方で、油面Oを境にする油溜り室
とダンパにおけるリザーバ室Rとの連通を許容しながら
油溜り室からの高速油がリザーバ室Rに流入することを
阻止する制御手段10を有すると共に、リザーバ室Rに
おける油圧の上昇時に収縮してばね力を発揮する気室A
を有してなるフロントフォークにおいて、制御手段10
がダンパを構成するシリンダ4における上端ヘッド部の
外周に介装された状態で外周側端を撓み端にする環状リ
ーフバルブ11を有してなると共に、この環状リーフバ
ルブ11における背面側の内周側端が上記の上端ヘッド
部の外周に介装された環状サポート12に担持されてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フロントフォー
クに関し、特に、圧縮作動時におけるばね力を圧縮位置
だけでなく圧縮速度にも依存して高くし得るようにした
フロントフォークの改良に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】たとえば、自動二輪車における
前輪側に架装されて走行中の路面振動を吸収することで
乗り心地を良好に保つように機能するフロントフォーク
の中には、圧縮作動時におけるばね力を圧縮位置だけで
なく圧縮速度にも依存して高くし得るとしたものがあ
る。
【0003】たとえば、図4に示すフロントフォーク
は、大径のアウターチューブ1が車体側チューブとされ
るのに対して、小径のインナーチューブ2が車軸側チュ
ーブとされる倒立型に設定されており、内部に収装され
た懸架ばね3でインナーチューブ2がアウターチューブ
1内から抜け出るようになる伸長方向に附勢されると共
に、内部にダンパを収装し、かつ、外部にエアばねを有
してなるとしている。
【0004】このとき、アウターチューブ1の内周側に
は、油面Oを境にするガス室Gと油溜り室(符示せず)
が設けられてなるとしている。
【0005】一方、ダンパは、図示するところでは、イ
ンナーチューブ2の内周との間にリザーバ室Rとされる
筒状の隙間を有してインナーチューブ2の軸芯部に固定
状態に立設されるシリンダ4と、アウターチューブ1の
軸芯部に固定状態に垂設されて基端側がシリンダ4内に
挿通されるロッド5と、シリンダ4内に摺動可能に収装
されてこのシリンダ4内に上方油室R1と下方油室R2
を区画しながらロッド5の基端に連設されるピストン6
とを有してなる。
【0006】そして、このダンパにあっては、ピストン
6が上方油室R1と下方油室R2との間における油の通
過を許容して所定の伸側減衰力を発生する伸側減衰バル
ブ6aと、この伸側減衰バルブ6aに並列する伸側チェ
ック弁6bとを有してなる。
【0007】また、このダンパにあっては、インナーチ
ューブ2のボトム部であってシリンダ4の下端を閉塞す
るベース部2aにリザーバ室Rと下方油室R2との間に
おける油の通過を許容して所定の圧側減衰力を発生する
圧側減衰バルブ2bと、この圧側減衰バルブ2bに並列
する圧側チェック弁2cとを有してなる。
【0008】また、エアばねは、低圧タンク構造に形成
されていて、ハウジングH内にフリーピストンFで区画
された気室Aと油室R3とを有してなり、油室R3が上
記したリザーバ室Rに連通されてなるとしている。
【0009】ちなみに、エアばねは、図示するところで
は、いわゆる別タンク構造に設定されていて、フロント
フォークの外部に配在されているが、その機能するとこ
ろを勘案すれば、上記したダンパにおけるリザーバ室R
に配在されていても同じである。
【0010】ところで、このフロントフォークにあって
は、上記のリザーバ室Rとその上方となるアウターチュ
ーブ1の内周側となる油溜り室とは、制御手段10を介
しての連通が許容されてなるとしている。
【0011】ちなみに、この制御手段10は、図示する
ところでは、ダンパを構成するシリンダ4における上端
ヘッド部の外周側に膨出してリザーバ室Rと油溜り室と
を区画する隔壁部4aに配在されてなるとしている。
【0012】そして、この制御手段10は、油溜り室か
らの油がリザーバ室Rに向けて中低速で通過することを
許容するが、高速で通過することを阻止するように設定
されている。
【0013】ちなみに、この制御手段10は、リザーバ
室Rからの油が油溜り室に向けて通過する際には、速度
に関係なく通過し得るように設定されてなるとしてい
る。
【0014】その結果、この従来例とされるフロントフ
ォークにあっては、その伸縮作動時にダンパによって所
定の減衰力が発生される一方で、圧縮作動時には、以下
のようにしてばね力を発生することになる。
【0015】すなわち、まず、フロントフォークが中低
速で圧縮作動するときには、ダンパから排出される油が
リザーバ室Rに流出すると共にインナーチューブ2がア
ウターチューブ1内に没入することで、油溜り室の油面
Oが上昇することになり、この油面Oを境にするガス室
Gが収縮される。
【0016】このとき、油溜り室から制御手段10を介
してリザーバ室Rに流入する油の速度は遅く、したがっ
て、制御手段10による抵抗が小さいから、油溜り室に
おけるガス室Gの収縮に圧力バランスするようにリザー
バ室Rにおける気室Aも収縮される。
【0017】それゆえ、たとえば、自動二輪車が平坦路
を走行するなどして、フロントフォークが中低速で圧縮
作動する場合に、自動二輪車における乗り心地を良好に
維持し得ることになる。
【0018】そして、フロントフォークが大きいストロ
ークで圧縮作動するときには、ダンパが大きく圧縮され
て高い減衰力が発生される一方で、インナーチューブ2
がアウターチューブ1内に大きいストロークで没入され
ることで、ガス室Gと気室Aが圧力バランスしながら大
きく収縮されることになり、自動二輪車における、たと
えば、ノーズダイブ現象があらかじめ阻止されることに
なる。
【0019】つぎに、フロントフォークが高速で圧縮作
動するときには、制御手段10があることで、ガス室G
と気室Aとが言わば分断される状態になる。
【0020】その結果、気室Aは、ダンパから排出され
る油で収縮してばね力を上昇させ、このときのばね力が
ダンパおけるロッド反力になる。
【0021】一方、このとき、ガス室Gは、インナーチ
ューブ2のアウターチューブ1内への没入によって収縮
されてばね力を上昇させ、このときのばね力がフロント
フォークにおけるチューブ反力になる。
【0022】それゆえ、フロントフォークが高速で圧縮
作動するときには、上記したロッド反力とチューブ反力
とが合成された反力となって、懸架ばね3のばね力と協
働してフロントフォークが高速で圧縮作動するときの反
力になる。
【0023】その結果、たとえば、自動二輪車がジャン
プした後に着地するときに、いたずらな前輪側の沈み込
み、すなわち、極端なノーズダイブ現象やフロントフォ
ークにおけるいわゆる底着きをあらかじめ阻止し得るこ
とになる。
【0024】しかしながら、上記したフロントフォーク
において、制御手段10の構成如何では、すなわち、制
御手段10がオリフィス制御に設定される場合には、特
に、高速での圧縮作動時におけるばね力が急激に高くな
り過ぎる不具合がある。
【0025】その結果、たとえば、自動二輪車が荒地を
高速走行するなどでフロントフォークが高速で圧縮作動
しているときに、前輪が路面突起を乗り上げるような場
合には、きわめて高いばね力になり、このことがハンド
ルを突き上げる状態になり、したがって、ハンドル操作
をし辛くすることになる危惧がある。
【0026】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、伸縮位置
に依存するのはもちろんのこと、高速で圧縮作動すると
きのばね力をいたずらに高くしないようにして、自動二
輪車におけるハンドル操作に影響を与えないようにし、
その汎用性の向上を期待するのに最適となるフロントフ
ォークを提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明によるフロントフォークの構成を、基
本的には、車体側チューブと車軸側チューブとの間にお
ける伸縮作動時に内部に収装されたダンパによって所定
の減衰力を発生すると共に、圧縮作動時に油面を境にす
るガス室を収縮させてばね力を発揮する一方で、油面を
境にする油溜り室とダンパにおけるリザーバ室との連通
を許容しながら油溜り室からの高速油がリザーバ室に流
入することを阻止する制御手段を有すると共に、リザー
バ室における油圧の上昇時に収縮してばね力を発揮する
気室を有してなるフロントフォークにおいて、制御手段
がダンパを構成するシリンダにおける上端ヘッド部の外
周に介装された状態で外周側端を撓み端にする環状リー
フバルブを有してなると共に、この環状リーフバルブに
おける背面側の内周側端が上記の上端ヘッド部の外周に
介装された環状サポートに担持されてなるとする。
【0028】そして、上記した構成において、環状サポ
ートは、弾性体で形成されて環状リーフバルブの開弁時
に環状リーフバルブにおける内周側端の下降を可能にす
るとしても良い。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、図示した実施の形態に基
づいて、この発明を説明するが、この発明の一実施の形
態による図1および図2に示すフロントフォークにあっ
ても、基本的には、前記した図4に示すフロントフォー
クと同様に構成されている。
【0030】それゆえ、図示する実施の形態において、
その構成が図4に示すフロントフォークにおける場合と
同様となるところについては、要する場合を除き、各図
中に同一の符号を付するのみとしてその詳しい説明を省
略し、以下には、この発明において特徴となるところを
中心に説明する。
【0031】すなわち、まず、この発明によるフロント
フォークにあって、図示するところでは、気室Aがフロ
ントフォークの内部に配在されてなるとしており、さら
に詳しくは、ダンパを構成するシリンダ4の外周に介装
された状態でリザーバ室Rに臨在されてなるとしてい
る。
【0032】このとき、気室Aは、所定の機械的強度を
有しながら伸縮性に富む弾性体たるベローズ21からな
るとしており、このベローズ21の上下端がダンパを構
成するシリンダ4の外周に締付バンド22の利用下に定
着されてなるとし、その結果、シリンダ4の、すなわ
ち、ダンパの外周にこれを取り巻くように配在されてな
るとしている。
【0033】なお、この気室Aは、その機能するところ
を勘案すると、図示するところに代えて、図示しない
が、ベローズがインナーチューブ2の内周に定着された
態様に形成されるとしても良く、また、後述する制御手
段10に干渉しない限りにおいて、独立する収縮性の袋
状に形成されながらリザーバ室Rに遊動状態に収装され
てなるとしても良く、さらには、前記した従来例の場合
のように、別タンク構造に設定されて、フロントフォー
クの外部に配在されているとしても良い。
【0034】ところで、フロントフォークを構成するア
ウターチューブ1の内周側に油溜り室と油面Oを境にし
て形成されるガス室Gと上記した気室Aとを比較する
と、容積的には、ガス室Gが気室Aより大きくなるよう
に設定されていて、たとえば、フロントフォークの最伸
長時に、気室Aの容積が60ccになるのに対して、ガ
ス室Gの容積が1000ccになるとし、このとき、気
室Aとガス室Gの圧力が98KPa(キロパスカル)に
なるとしている。
【0035】ちなみに、ダンパを構成するロッド5の断
面積を1cmとするときに、インナーチューブ2側の
受圧面積(図1中に符号Dで示す)は、ロッド5の断面
積を除いて、10cmとなるように設定されている。
【0036】なお、図示するところでは、ダンパは、圧
縮作動時にロッド5の侵入体積分に相当する量の油をシ
リンダ4に開穿の孔4b(図2参照)を介してリザーバ
室Rに排出し、伸長作動時にロッド5の退出体積分に相
当する量の油を同じく上記の孔4bを介してリザーバ室
Rから吸入するように設定されている。
【0037】つぎに、制御手段10は、図示するところ
では、ダンパを構成するシリンダ4の上端に上方に向け
て連設されている筒体7の外周とこの筒体7の外周が対
向するインナーチューブ2の内周との間に位置決められ
ていて、上方の油溜り室と下方のリザーバ室Rとを分断
するように配在されてなるとしている。
【0038】すなわち、この制御手段10は、図3に示
すように、ダンパを構成するシリンダ4における上端ヘ
ッド部の外周に介装された状態で外周側端を撓み端にす
る環状リーフバルブ11を有してなると共に、この環状
リーフバルブ11における背面側の内周側端が上記の上
端ヘッド部の外周に介装された環状サポート12に担持
されてなるとしている。
【0039】そして、環状リーフバルブ11は、同じく
シリンダ4における上端ヘッド部の外周に介装されてそ
の外周がインナーチューブ2の内周に通路となる僅かな
隙間(符示せず)を有して摺接する環状バルブシート部
材13の下端面に隣接してなるとしている。
【0040】このとき、環状リーフバルブ11は、環状
バルブシート部材13の下端面に外周側端を撓み端にし
ながら、内周側端を固定側端にして、環状バルブシート
部材13に開穿されて油溜り室とリザーバ室Rの連通を
許容する通孔13aの下流側端を開閉可能に閉塞するよ
うに配在されてなるとしている。
【0041】また、環状サポート12は、シリンダ4の
上端部外周にフランジ4cを有して形成される段差部
(符示せず)に係止されるとしており、環状バルブシー
ト部材13は、筒体7における下端側の外周に形成され
た螺条7aに螺合する固定ナット14で所定位置に定着
されるとしている。
【0042】そして、環状バルブシート部材13の上端
には、上記したポート13aの上流側端を閉塞しないよ
うに配慮されて環状ばねシート15が載置されており、
この環状ばねシート15の上端に懸架ばね3の下端が係
止されるとしている。
【0043】ちなみに、このことからすれば、環状バル
ブシート部材13は、懸架ばね3の附勢力で所定位置に
定着されることになるから、この環状バルブシート部材
13を所定位置に定着するについて、上記の固定ナット
14を不要にし、さらには、筒体7における下端側の外
周への螺条7aの形成も不要になると言い得る。
【0044】のみならず、固定ナット14を利用せずし
て環状バルブシート部材13を定着させる場合には、こ
の環状バルブシート部材13の撤去が容易になり、それ
ゆえ、環状リーフバルブ11を撓み剛性の異なるものに
容易に変換し得ることになり、したがって、環状リーフ
バルブ11で得られるバルブ特性を任意に選択し得るこ
とになる点で有利となる。
【0045】そしてまた、上記の環状バルブシート部材
13の外周には、横向きに、すなわち、インナーチュー
ブ2の内周に向けて開口する凹状溝13bが形成されて
いて、この凹状溝13b内に環状に形成されたチェック
弁16が上下方向に移動可能にしながら凹状溝13bに
おけるいわゆる内底との間に通路となる適宜の間隔(符
示せず)を有する状態に収装されてなるとしている。
【0046】そしてさらに、このチェック弁16は、図
示する状態のとき、すなわち、凹状溝13b内で下降し
ているとき、油溜り室からの油がこの凹状溝13b内を
通路にしてリザーバ室Rに流出することを阻止するとし
ている。
【0047】そして、このチェック弁16は、図示しな
いが、凹状溝13b内で上昇しているときに、リザーバ
室Rからの油がこの凹状溝13b内を通路にして油溜り
室に戻ることを可能にするとしている。
【0048】なお、前記した筒体7は、図示するところ
では、フロントフォークの最圧縮時に作動するオイルロ
ック構造を構成するオイルロックケースとされていて、
このオイルロックケースたる筒体7の内周側には、多く
の場合にダンパを構成するロッド5の上端たる先端側に
固定状態に保持されているオイルロックピース8が出没
可能に嵌挿されるとしている(図1中の仮想線図参
照)。
【0049】それゆえ、この制御手段10にあっては、
フロントフォークの中低速での圧縮作動時には、油溜り
室にある油が環状リーフバルブ11を開弁してリザーバ
室Rに流出することを許容することになる。
【0050】それに対して、この制御手段10にあって
は、フロントフォークの高速での圧縮作動時には、油溜
り室にある油が環状リーフバルブ11を開弁してもリザ
ーバ室Rに十分に流出し得ず、すなわち、この制御手段
10が油溜り室とリザーバ室Rとの連通を阻止すること
になる。
【0051】このとき、この発明では、環状リーフバル
ブ11の外周端が撓むことでいわゆる流路抵抗を発生さ
せるとするから、オリフィスによる絞りで流路抵抗を発
生させる場合に比較して、流路抵抗の急激な立ち上がり
を阻止できることになる。
【0052】なお、極めて短時間に連続して大きいスト
ロークの圧縮作動が繰り返されるなどで、リザーバ室R
に蓄圧が招来されるような場合には、速度に関係なくし
て、リザーバ室R側が言わば高圧側になるときにチェッ
ク弁16が上昇して、リザーバ室Rにおける蓄圧を油溜
り室に解放させることになる。
【0053】以上のように形成されたフロントフォーク
にあっては、その伸縮作動時にダンパによる減衰力の発
生が可能とされる一方で、圧縮作動時には、その速度に
よって、以下のように作動することになる。
【0054】すなわち、まず、フロントフォークが高速
で圧縮作動するときには、油溜り室からの油が制御手段
10を介してリザーバ室Rに流出するのが思うに任せな
くなり、したがって、制御手段10が言わば絞り抵抗に
なり、油溜り室がリザーバ室と分断される状態になる。
【0055】その結果、リザーバ室Rに配在されている
気室Aは、圧縮作動するダンパから排出される油のリザ
ーバ室Rへの流出のみで、すなわち、リザーバ室Rにお
ける油圧の上昇のみで収縮してばね力を上昇させること
になり、このときのばね力がダンパおけるロッド反力に
なる。
【0056】一方、油溜り室と油面Oを境にするガス室
Gは、インナーチューブ2のアウターチューブ1内への
没入によってのみ、すなわち、油面Oが上昇することの
みで収縮されてばね力を上昇させることになり、このと
きのばね力がフロントフォークにおけるチューブ反力に
なる。
【0057】その結果、フロントフォークが高速で圧縮
作動するときには、上記したロッド反力とチューブ反力
とが合成された反力となって、懸架ばね3のばね力と協
働してフロントフォークが圧縮作動するときの反力にな
る。
【0058】ところで、上記のロッド反力とチューブ反
力は、以下のようになる。
【0059】すなわち、フロントフォークが高速で圧縮
したときには、制御手段10の絞り抵抗が大きくガス室
Gと気室Aとが分断されることから、ガス室Gの容積が
1000ccから100ccになると共に気室Aの容積
が60ccから30ccになると仮定する場合には、ガ
ス室Gにおける圧縮比は、1000cc/100cc=
10になり、気室Aにおける圧縮比は、60cc/30
cc=2になる。
【0060】それゆえ、上記のチューブ反力は、10c
×10×98KPa=980N(ニュートン)にな
り、上記のロッド反力は、1cm×2×98KPa=
19.6Nになり、その合計の999.6Nが懸架ばね
3のばね力と協働する反力になる。
【0061】つぎに、フロントフォークが中低速で圧縮
作動するときには、圧縮作動するダンパから排出される
油がリザーバ室Rに流出すると共にインナーチューブ2
がアウターチューブ1内に没入することで、油面Oが上
昇して、この油面Oを境にするガス室Gが収縮される。
【0062】このとき、油溜り室からの油がリザーバ室
に流出する速度も遅くなり、したがって、制御手段10
における絞り抵抗が小さいから、ガス室Gの収縮に圧力
バランスするように気室Aも収縮される。
【0063】そして、このときのばね力たる反力は、以
下のようになる。
【0064】すなわち、フロントフォークが中低速で圧
縮したときには、制御手段10の絞り抵抗が小さいこと
から、ガス室Gと気室Aが圧力バランスして収縮にする
ことになり、圧縮比が、(1000cc+60cc)/
(100cc+30cc)≒8.2になり、したがっ
て、このときの反力は、(10cm+1cm)×
8.2×98KPa=883.96Nになり、この反力
が懸架ばね3のばね力と協働する反力になる。
【0065】以上からすれば、フロントフォークが高速
で圧縮作動する場合には、フロントフォークが中低速で
圧縮作動する場合に比較して、言わば高い反力、すなわ
ち、ばね力を発生することになる。
【0066】その結果、このフロントフォークが架装さ
れている自動二輪車が平坦路を通常走行している場合に
は、路面振動を吸収して自動二輪車における乗り心地を
良好に維持する一方で、急ブレーキ操作などでノーズダ
イブ現象が招来される場合には、高いばね力によって車
体姿勢を適正に維持し得ることになる。
【0067】また、たとえば、自動二輪車が悪路を高速
走行している時に路面突起を乗り上げたり、ジャンプし
た後に着地するときに、いたずらな前輪側の沈み込み、
すなわち、極端なノーズダイブ現象やフロントフォーク
におけるいわゆる底着きをあらかじめ阻止し得ることに
なる。
【0068】そして、このフロントフォークにあって
は、自動二輪車の車体姿勢を適正に維持すべくばね力が
高くなるのは、言わば一時的な状況であり、したがっ
て、いわゆる内圧の継続する高圧化を招来しないので、
乗り心地の悪化を招かないのはもちろんのこと、シール
の耐久性を低下させる惧れもない。
【0069】ところで、前記したところは、環状サポー
ト12が剛体で形成されていて、環状バルブシート部材
13の内周側端との間に環状リーフバルブ11の内周側
端を言わば固定状態に挟持するとしているが、これに代
えて、環状サポート13がゴムなどの弾性体で形成され
て環状リーフバルブ11における内周側端の下降を可能
にするとしても良い。
【0070】そして、このように設定する場合には、同
じ速度でフロントフォークが圧縮作動するとしても、そ
の位置によってバルブ特性を変化させる、すなわち、バ
ルブ特性を表示する線形においてその傾斜度合いなどを
変化させることが可能になる点で有利となる。
【0071】また、前記したところでは、フロントフォ
ークは、倒立型に設定されてなるとしたが、アウターチ
ューブ1が車軸側チューブとされインナーチューブ2が
車体側チューブとされる正立型に設定されてなるとして
も、前記したところと同様の作用効果を望めることにな
るのはもちろんである。
【0072】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、フ
ロントフォークの伸縮作動時にダンパで減衰力が発生さ
れる一方で、フロントフォークの圧縮作動時に、その圧
縮位置に依存するだけでなく圧縮速度にも依存して、所
定の反力たるばね力を得られるのはもちろんのこと、特
に、高速での圧縮作動時にいたずらにばね力を高くしな
いから、たとえば、自動二輪車が悪路を高速走行してい
る時に路面突起を乗り上げたり、ジャンプした後に着地
するときに、いたずらな前輪側の沈み込み、すなわち、
極端なノーズダイブ現象やフロントフォークにおけるい
わゆる底着きをあらかじめ阻止し得ることになる。
【0073】このとき、上記したばね力を高くする状況
は、言わば一時的な状況であり、したがって、いわゆる
内圧の継続する高圧化を招来することがなく、したがっ
て、乗り心地の悪化を招かないのはもちろんのこと、シ
ールの耐久性を低下させる惧れもない。
【0074】また、この発明にあっては、環状リーフバ
ルブの内周側端を担持する環状サポートがゴムなどの弾
性体で形成されて環状リーフバルブにおける内周側端の
下降を可能にする場合には、と同じ速度でフロントフォ
ークが圧縮作動するとしても、その位置によってバルブ
特性を変化させる、すなわち、バルブ特性を表示する線
形においてその傾斜度合いなどを変化させることが可能
になる点で有利となる。
【0075】そして、この発明にあっては、環状リーフ
バルブを下端面に隣接させる環状バルブシート部材が固
定ナットの螺合によらずして、すなわち、懸架ばねの附
勢力で所定位置に定着されるとする場合には、環状バル
ブシート部材の所定位置への定着に固定ナットを不要に
し、さらには、この固定ナットを螺合させるべく筒体に
おける下端側の外周への螺条の形成も不要になる点で有
利となる。
【0076】のみならず、固定ナットを利用せずして環
状バルブシート部材を定着させることから、環状バルブ
シート部材の撤去が容易になり、それゆえ、環状リーフ
バルブを撓み剛性の異なるものに容易に変換し得ること
になり、したがって、環状リーフバルブで得られるバル
ブ特性を任意に選択し得る点で有利となる。
【0077】その結果、この発明によれば、伸縮位置に
依存するのはもちろんのこと、高速で圧縮作動するとき
のばね力をいたずらに高くしないようにして、自動二輪
車におけるハンドル操作に影響を与えないようにし、そ
の汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるフロントフォークの中間部を示
す部分縦断面図である。
【図2】この発明によるフロントフォークの下端部を示
す部分縦断面図である。
【図3】図1中の制御手段部分を拡大して示す部分断面
図である。
【図4】従来例としてのフロントフォークを原理的に示
す縦断面図である。
【符号の説明】
1 アウターチューブ 2 インナーチューブ 2a ベース部 2b 圧側減衰バルブ 2c 圧側チェック弁 3 懸架ばね 4 ダンパを構成するシリンダ 4a 隔壁部 4b 孔 5 ダンパを構成するロッド 6 ダンパを構成するピストン 6a 伸側減衰バルブ 6b 伸側チェック弁 7 筒体 7a 内側空部 8 オイルロックピース 10 制御手段 11 環状リーフバルブ 12 環状サポート 13 環状バルブシート部材 13a 通孔 14 固定ナット 15 環状ばねシート 16 チェック弁 16a 切欠 21 ベローズ 22 締付バンド A 気室 G ガス室 O 油面 R リザーバ室 R1 上方油室 R2 下方油室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側チューブと車軸側チューブとの間
    における伸縮作動時に内部に収装されたダンパによって
    所定の減衰力を発生すると共に、圧縮作動時に油面を境
    にするガス室を収縮させてばね力を発揮する一方で、油
    面を境にする油溜り室とダンパにおけるリザーバ室との
    連通を許容しながら油溜り室からの高速油がリザーバ室
    に流入することを阻止する制御手段を有すると共に、リ
    ザーバ室における油圧の上昇時に収縮してばね力を発揮
    する気室を有してなるフロントフォークにおいて、制御
    手段がダンパを構成するシリンダにおける上端ヘッド部
    の外周に介装された状態で外周側端を撓み端にする環状
    リーフバルブを有してなると共に、この環状リーフバル
    ブにおける背面側の内周側端が上記の上端ヘッド部の外
    周に介装された環状サポートに担持されてなることを特
    徴とするフロントフォーク
JP2000081452A 2000-03-23 2000-03-23 フロントフォーク Expired - Fee Related JP4955138B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081452A JP4955138B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 フロントフォーク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081452A JP4955138B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 フロントフォーク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001263406A true JP2001263406A (ja) 2001-09-26
JP4955138B2 JP4955138B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=18598387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000081452A Expired - Fee Related JP4955138B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 フロントフォーク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4955138B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006095032A1 (es) * 2005-03-04 2006-09-14 Juan Lorenzo Real Rebollo Sistema de suspensión para horquillas delanteras de motocicletas
WO2013161641A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 カヤバ工業株式会社 懸架装置
JP2017015191A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 緩衝器及びフロントフォーク

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02135734U (ja) * 1989-04-18 1990-11-13

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02135734U (ja) * 1989-04-18 1990-11-13

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006095032A1 (es) * 2005-03-04 2006-09-14 Juan Lorenzo Real Rebollo Sistema de suspensión para horquillas delanteras de motocicletas
ES2259912A1 (es) * 2005-03-04 2006-10-16 Juan Lorenzo Real Rebollo Sistema de suspension para horquillas delanteras de motocicletas.
WO2013161641A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 カヤバ工業株式会社 懸架装置
JP2013242035A (ja) * 2012-04-27 2013-12-05 Kyb Co Ltd 懸架装置
CN104246284A (zh) * 2012-04-27 2014-12-24 萱场工业株式会社 悬架装置
TWI501884B (zh) * 2012-04-27 2015-10-01 Kayaba Industry Co Ltd Suspension device
US9156327B2 (en) 2012-04-27 2015-10-13 Kayaba Industry Co., Ltd. Suspension device
JP2017015191A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 緩衝器及びフロントフォーク

Also Published As

Publication number Publication date
JP4955138B2 (ja) 2012-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5827871B2 (ja) 油圧緩衝器
CN111108302B (zh) 前叉及前叉的制造方法
JP2000027921A (ja) フロントフォーク
US6739609B2 (en) Front fork
JP4902497B2 (ja) 油圧緩衝器
US20140182984A1 (en) Shock absorber, front fork, and saddle-ride type vehicle
JP5809536B2 (ja) 車両用緩衝器
JP2001263406A (ja) フロントフォーク
JP6630201B2 (ja) 緩衝器
JP4869718B2 (ja) 油圧緩衝器の減衰力発生装置
JP6357067B2 (ja) フロントフォーク
JP3661833B2 (ja) フロントフォーク
KR101263457B1 (ko) 감쇠력 가변형 쇽 업소버
JP5764021B2 (ja) 緩衝装置
JPH08142630A (ja) セルフポンピング式ショックアブソーバ
JPH02109713A (ja) サスペンション装置
JP2000310270A (ja) オイルロック構造
JP4761475B2 (ja) フロントフォーク
JPH0245288A (ja) リアクッションユニット
JP2006183690A (ja) 自動二輪車等のフロントフォーク
JP2003269521A (ja) 自動二輪車のフロントフォーク
WO2019082610A1 (ja) フロントフォーク
JP2006183688A (ja) 自動二輪車等のフロントフォーク
JP2007022499A (ja) 液圧緩衝装置
JP2008032059A (ja) フロントフォーク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090423

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100514

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110404

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110408

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20110708

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120315

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees