JP2001261263A - エレベータの制振装置 - Google Patents

エレベータの制振装置

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JP2001261263A
JP2001261263A JP2000075892A JP2000075892A JP2001261263A JP 2001261263 A JP2001261263 A JP 2001261263A JP 2000075892 A JP2000075892 A JP 2000075892A JP 2000075892 A JP2000075892 A JP 2000075892A JP 2001261263 A JP2001261263 A JP 2001261263A
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magnetic
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actuator
car frame
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JP2000075892A
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Junichi Higaki
潤一 桧垣
Yoshiaki Yamazaki
芳昭 山崎
Hisao Kuraoka
尚生 倉岡
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータの駆動機構における摩擦の発
生をなくすることにより、長寿命、高信頼性、かつ良好
な制御性能を持ったエレベータにおけるかご室の水平方
向制振装置を提供すること。 【解決手段】 かご室の床下部またはかご枠の下部のい
ずれか一方に磁気アクチュエータを、他方に磁極を取り
付ける。また、かご室の床部およびかご枠の下部に水平
方向の振動を検出する振動センサを設け、この検出信号
を入力信号としてコントローラにより磁気アクチュエー
タを駆動制御し、かご室の水平方向の振動を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エレベータの制
振装置に関し、特に、エレベータのかご室の水平方向の
振動を低減するエレベータの制振装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図16は、例えば、特開平5−3197
39号公報の図5に記載された従来のエレベータの制振
装置を示す正面図である。図16において、1はかご
室、2はかご室1を防振ゴム7、8を介して支持するか
ご枠、10はかご室1、かご枠2を含むかご、4はかご
枠2を吊り下げる主ロープ、3は、かご10の両側に配
設されたかご枠2の昇降を案内する一対のガイドレー
ル、5はかご枠2にガイドローラサスペンション5aを
介して設けられており、かつ、ガイドレール3に係合し
ているガードローラ、すなわち、レール係合子で、図示
のものは向かって左右方向にかご枠2を支持する。な
お、図示しないが、図面における紙面に垂直な方向にも
かご枠2を支持するレール係合子5が前記と同様に設け
られている。
【0003】45はかご10に設けられたかご室の水平
方向の振動を抑制制御する装置(エレベータの制振装
置)である。この制振装置45において、48はサーボ
モータ、48aはサーボモータ48に直結したボールね
じ、48bはボールねじ48aのナット、55はボール
ねじ48aのナット48bに取り付けられたスラスト移
動機構である。56は、かご枠ボールねじ締結器であ
り、かご枠2に取り付けられ、スラスト移動機構55を
介してナット48bからの軸力をかご枠2へ伝達する。
57はボールねじ48aの片端を支持するボールねじ支
えである。58はかご室1の床部に設置された振動セン
サ、59はかご枠2の下部に設置された振動センサ、6
0はサーボモータ48のロータに直結されて回転を検出
するエンコーダである。61は、振動センサ58、5
9、エンコーダ60の情報などをもとにサーボモータ4
8を制御するコントローラである。49は、サーボモー
タ48、ボールねじ48a、ナット48bで構成される
アクチュエータである。なお、アクチュエータ49、コ
ントローラ61により、制御手段が構成される。
【0004】次に動作について説明する。ガイドレール
3は完全に真直なレールであることが理想であるが、現
実には高層ビルの高さに相当する長さのレールを完全に
真直にかつ継目も無く製造し、設置することは不可能で
あり、また、ガイドレール3および高層ビル自体の経年
変化に伴うゆがみが生じる。このため、ガイドレール3
に案内され、上下に高速昇降するかご枠2およびかご室
1には、水平方向に振動を生じる。そこで、この水平方
向の振動を低減させる目的で、ガイドレール3からかご
枠2の間にはガイドローラサスペンション5aに支持さ
れたガイドローラから成るレール係合子5が、かご枠2
の両側上下に合計4個取り付けられている。また、ガイ
ドローラおよびガイドローラサスペンション5aは前後
方向にも取り付けられている。また、かご枠2からかご
室1に伝わる振動は防振ゴム7、8によっても減衰され
る。通常の昇降速度のエレベータならば、これらの二つ
の振動減衰機構(すなわち、ガイドローラサスペンショ
ン5aおよび防振ゴム7、8)により、かご室1に伝わ
る振動レベルを目標値である10〜15Gal以下に抑
えることが可能である。しかし、超高層ビル用のように
最大速度が500M/min以上となる超高速エレベー
タでは、これら振動減衰機構のみでは振動レベルを目標
値以下に低減することは一般に困難となる。このため、
前述の制振装置45などを取り付ける必要が生じてく
る。
【0005】この図16のものでは、従来の前記二つの
振動減衰機構のみでは低減できない振動成分がかご室1
に生じた場合、かご室1の床部に設置された振動センサ
58がかご室1の床部の振動を検出する。さらに、かご
枠2の下部にも同様に設置された振動センサ59がかご
枠2の振動を検出する。コントローラ61は、これらの
振動センサ58、59により計測された加速度あるいは
速度信号に加え、サーボモータ48のエンコーダ60に
より測定される位置または速度信号を入力信号として、
サーボモータ48に制御指令信号Tcを発生する。制御
指令信号Tcはかご室1の床部の振動レベルが低減する
ように、すなわち、振動センサ58、59により計測さ
れる加速度あるいは速度信号の波形に対し反転する波形
信号を出力して、アクチュエータ49を駆動する。そし
て、かご室1の床下部に固定されたサーボモータ48の
ロータが回転することにより、ロータに連結されたボー
ルねじ48aが回転する。一方、ナット48bはスラス
ト移動機構55とかご枠ボールねじ締結器56とを通じ
てかご枠2に固定されている。したがって、サーボモー
タ48が回転することにより、かご室1がかご枠2に対
し相対的に左右に移動する。
【0006】なお、かご室1は主ロープ4に懸架された
かご枠2に防振ゴム7、8、により弾性支持されている
ため、かご室1内の搭乗人数の増減による重量の変化に
応じ、かご枠2とかご室1との相対位置は上下に振動す
る。そのため、かご室1に固定されたサーボモータ48
とかご枠2に固定されたかご枠ボールねじ締結器56と
は相対的に上下に変位することとなる。したがって、直
接にナット48bとかご枠ボールねじ締結器56とを締
結すると、かご室1の重量増減による上下動によりボー
ルねじ48aに直角方向の荷重が加わることになる。ま
た、ボールねじ48aに軸方向以外の外力が加わること
は、機構の安定した動作と寿命の面とから好ましくない
ので、この上下動の動きをボールねじ48aに伝えない
ように、ボールねじ48aの軸方向に剛性が高く、ボー
ルねじ48aの直角方向には自由に動く機構としてスラ
スト移動機構55がナット48bとかご枠ボールねじ締
結器56との間に取り付けられている。このようにし
て、サーボモータ48、ボールねじ48a等を有する駆
動用のアクチュエータ49は、ボールねじ48aの軸方
向のみに力を発生することができるように構成されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、かご室
1の水平方向の振動を低減する従来のエレベータの制振
装置は、その駆動源としてかご室1の床部とかご枠2の
下部との間の対向空間に、サーボモータ48、ボールね
じ48a、ナット48b、かご枠ボールねじ締結器5
6、スラスト移動機構55から構成されたアクチュエー
タ49を有し、このアクチュエータ49の左右方向の駆
動力によりかご室1をかご枠2に対して相対的に左右に
移動させて、かご室1の水平方向の振動を低減してい
る。また、このときアクチュエータ49の力の駆動機構
としてのボールねじ48aとナット48bとの間に摩擦
力が発生し、この摩擦力とアクチュエータ49の駆動力
との方向が反対になる。したがって、従来のエレベータ
の制振装置は、制御性能が不安定になり易いという問題
点があった。
【0008】また、従来のエレベータの制振装置は、ア
クチュエータ49の駆動機構における摩擦の発生により
温度上昇が生じ、その性能が不安定になったりあるいは
エネルギーを効率的に利用できなくなるという問題があ
った。
【0009】また、従来のエレベータの制振装置は、前
記摩擦の発生により駆動機構に磨耗が生じ、その部品の
寿命が短くなり、その結果定期的な部品の交換やメンテ
ナンスを必要とするという問題があった。
【0010】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、アクチュエータの駆動機構にお
ける摩擦の発生をなくすることにより、長寿命、高信頼
性、かつ良好な制御性能を持ったエレベータにおけるか
ご室の水平方向の制振装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のうち請求項1記載の発明は、かご室の床
下部とこのかご室を防振ゴムを介して支持するかご枠の
下部との対向空間において、かご室またはかご枠のいず
れか一方に固定されたアクチュエータと、前記空間にお
いて、かご室またはかご枠のいずれか他方に固定され、
かつ、前記アクチュエータに駆動電流を流したときに水
平方向の電磁吸引力あるいは電磁反発力を発生させるよ
うに前記アクチュエータに対向して配置された磁極と、
前記かご室の床部の水平方向振動を検出する振動センサ
と、前記各振動センサの検出信号を入力信号として前記
かご室の水平方向の振動を低減するように前記アクチュ
エータを駆動制御するコントローラとを有することを特
徴とする。
【0012】また、本発明のうち請求項2記載の発明
は、請求項1と同様の制振装置を、かご室の天井部とか
ご枠の上部との間の対向空間にも設けたことを特徴とす
るエレベータの制振装置である。
【0013】また、前記アクチュエータは、電磁吸引力
を発生する磁気吸引式のアクチュエータとするのが好ま
しい。
【0014】また、前記磁気吸引式アクチュエータは、
かご室の並進2軸、回転1軸の力を発揮するように、複
数個を組み合わせて配置してもよい。
【0015】また、前記磁気吸引式アクチュエータは、
かご枠の懸架中心点に対し偶力を発揮するように2個組
み合わされたもの2組が直交状に配置されていることに
より、かご室の並進2軸、回転1軸の力を発生するよう
に組み合わせてもよい。
【0016】また、前記コントローラは、前記磁気吸引
式アクチュエータのコイルと前記磁極とのギャップを測
定する変位センサおよび前記振動センサの検出信号を入
力信号として、前記磁気吸引式アクチュエータを駆動す
る制御信号を発生するものである。
【0017】また、前記磁気吸引式アクチュエータは、
環状の鉄心に巻き回されたコイルを有し、このコイルに
駆動電流を流したときに、このコイルに対向するように
配置された磁極を吸引するように構成してもよい。
【0018】また、本発明のうち請求項8記載の発明
は、かご室の床下部とこのかご室を防振ゴムを介して支
持するかご枠の下部との対向空間において、電磁吸引力
と電磁反発力を発生させるように2個の磁気アクチュエ
ータを組み合わせて対を形成するとともに、この対のう
ちの一方の磁気アクチュエータをかご室またはかご枠の
いずれか一方に固定し、この対のうちの他方の磁気アク
チュエータをかご室またはかご枠のいずれか他方に固定
し、さらに、この対を2組として対向状に配置した2対
の磁気アクチュエータと、前記かご室の床部の水平方向
振動を検出する振動センサと、前記各振動センサの検出
信号を入力信号として前記かご室の水平方向の振動を低
減するように前記2対のアクチュエータを駆動制御する
コントローラとを有することを特徴とする。
【0019】また、本発明のうち請求項9記載の発明
は、かご枠の昇降を案内するガイドレールの変位を検出
する変位センサと、前記ガイドレールに対し磁気吸引力
を発生することにより、かご枠を非接触状態に保持する
一組の磁気吸引式アクチュエータと、前記変位センサの
検出信号を入力信号として、前記かご室の水平振動を低
減するように前記アクチュエータに対し制御信号を発生
するコントローラとを有することを特徴とする。
【0020】また、この請求項9記載の制振装置を、請
求項1または2記載の制振装置と併用しても良い。
【0021】また、前記ガイドレールはV字形状であっ
ても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
を実施するための実施の形態1によるエレベータの制振
装置を説明するためのエレベータの正面図、図2はエレ
ベータの制振装置における制御系の概略を示すブロック
図である。なお、前記従来と同一または相当する部分に
は、それぞれ同一符号を付して説明を省略する。
【0023】実施の形態1は、エレベータの制振装置6
5が次のように構成されている点で従来のエレベータの
制振装置45(図16参照)と異なる。図1において、
70a、70bは互いに向き合うようかご枠2に取り付
けられた鉄心、71a、71bはそれぞれ鉄心70a、
70bに巻き回されたコイル、72aおよび72bはそ
れぞれ鉄心70aとコイル71a、および、鉄心70b
とコイル71bからなる磁気アクチュエータである。ま
た、73a、73bは、磁気アクチュエータ72a、7
2bに対向するようかご室の床下部に取り付けられてい
る被吸引用の磁極であって、磁性材料からなる。また、
74aは、鉄心70aの先端部と磁極73aとの間の変
位またはギャップ距離を測定する変位センサであり、7
4bは、鉄心70bの先端部と磁極73bとの間の変位
またはギャップ距離を測定する変位センサである。な
お、従来のものと同様、58はかご室1の床部に設置さ
れた振動センサ、59はかご枠2の下部に設置された振
動センサ、61は振動センサ58、59の情報などを入
力信号として磁気アクチュエータ72a、72bに対し
制御指令を発するコントローラである。なお、上記のよ
うに、磁気アクチュエータ72a、磁極73a、変位セ
ンサ74aと、磁気アクチュエータ72b、磁極73
b、変位センサ74bとは同一の構成であり、取り付け
が対称的となっている。
【0024】次に動作について説明する。500M/m
in以上となる超高速エレベータの昇降時には、ガイド
レール3の継目や曲がりの影響により、ガイドローラサ
スペンション5aや防振ゴム7、8などの振動減衰機構
では低減できない振動成分がかご室1の水平方向に生じ
る。制振装置65はこのような振動を低減するために取
り付けられている。すなわち、ガイドローラサスペンシ
ョン5aや防振ゴム7、8などの従来一般の振動減衰機
構では低減できない振動成分がかご室1の水平方向に生
じた場合、かご室1の床部に設置された振動センサ58
がかご室1の床部の振動を検出する。また、かご枠2の
下部にも同様に設置された振動センサ59がかご枠2の
振動を検出する。そして、これらの振動センサ58、5
9により計測された加速度あるいは速度信号および変位
センサ74a、74bより検出された変位信号を入力信
号として、コントローラ61が磁気アクチュエータ72
a、72bに対し制御指令信号Tcを発生する。制御指
令信号Tcは、かご室1の床部の振動レベルが低減する
ように、すなわち、かご室1の床部の振動を打ち消す方
向にかご室1をかご枠2に対し移動するように、磁気ア
クチュエータ72a、72bを駆動する。磁気アクチュ
エータ72a、72bの駆動は、鉄心70a、70bに
巻き回されたコイル71a、71bに駆動電流を流し、
磁極73a、73bに対して吸引力を発生させることに
より行われる。なお、この吸引力が発生したとき、磁極
73a、73bがかご室1の床下部に取り付けられてい
るため、かご室1がかご枠2に対し相対的に図面上にお
いて左または右に移動する。
【0025】図2に示すブロック図は以上の動作を説明
したものである。ガイドレール3の変位による外乱は、
振動センサ58、59、変位センサ74a、74bの情
報として検出される。そして、コントローラ61は、こ
れらのセンサ信号を入力信号とし、かご10の振動を低
減するようにアクチュエータ72a、72bに制御指令
信号Tcを出力する。
【0026】なお、変位センサ74a、74bの情報に
は、ガイドレール3の変位による外乱情報以外には、磁
気アクチュエータ72a、72bの駆動力が非線形性を
有することにより発生するずれ分の情報も含まれてい
る。したがって、この変位センサ74a、74bは、ガ
イドレール3の変位による外乱の検出と、磁気アクチュ
エータ72a、72bの駆動力の非線形性を補償するギ
ャップセンサとしての機能を有することになる。
【0027】ところで、かご室1は主ロープ4に懸架さ
れたかご枠2に防振ゴム7、8により弾性支持されてい
るため、かご室1内の搭乗人数の増減による重量の変化
に応じ、かご枠2とかご室1との相対位置は上下に振動
する。この結果、かご室1に固定された磁気アクチュエ
ータ72a、72bとかご枠2に固定された磁極73
a、73bとは相対的に上下に変位する。しかし、磁気
アクチュエータ72a、72bと磁極73a、73bの
ギャップ距離は変化しない、また、非接触で摩擦が発生
しない構造である。このため、磁気アクチュエータ72
a、72bの性能は、搭乗人数の増減などによるかご室
1の重量変化に影響されることはない。
【0028】実施の形態2.次に実施の形態2について
図3に基づき説明する。図3は実施の形態2に係る制振
装置を備えたエレベータの底面図である。なお、図3に
おいては、前記従来例または実施の形態1と同一または
相当する部分にそれぞれ同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0029】この実施の形態2は、かご室1の床下部と
かご枠2の下部との間に、実施の形態1における磁気ア
クチュエータ、磁極、変位センサと同じ構成のもの8個
それぞれを、図3に示すように、X軸(ガイドレール3
の中心点を結ぶ線)とY軸(かご室1の左右方向中心
線)により区分けされる各区域に、X軸およびY軸に対
し対称的に配置したものである。図3において、58X
はかご室1の床部に設置されたX方向の振動センサであ
り、また、58Yはかご室1の床部に設置されたY方向
の振動センサであり、59Xはかご枠2に設置されたX
方向の振動センサであり、59Yはかご枠2に設置され
たY方向の振動センサであり、これらはいずれも前述の
実施の形態1の場合と同様に取り付けられている。ま
た、72aおよび72cは、かご室1に取り付けられた
磁極73aまたは73cに対し吸引力を発生し、かご室
1の−X方向に駆動力を発生する磁気アクチュエータで
あり、72bおよび72dは、かご室1の床下部に取り
付けられた磁極73bまたは73dに吸引力を発生し、
+X方向に駆動力を発生する磁気アクチュエータであ
り、これらアクチュエータ72a、72b、72c、7
2dは、いずれも前述の実施の形態1の場合と同様にか
ご枠2の下部に取り付けられている。同様に、72Aお
よび72Bは、かご室1の床下部に取り付けられた磁極
73Aまたは73Bに対し吸引力を発生し、かご室1の
−Y方向に駆動力を発生する磁気アクチュエータであ
り、73Cおよび73Dは、かご室1に取り付けられた
磁極73Cまたは73Dに対し吸引力を発生し、かご室
1の+Y方向に駆動力を発生する磁気アクチュエータで
あり、これらアクチュエータ72A、72B、72C、
72Dも、いずれも前述の実施の形態1の場合と同様に
かご枠2の下部に取り付けられている。
【0030】また、74a、74b、74c、74d
は、磁気アクチュエータ72a、72b、72c、72
dの各鉄心の先端部と磁極73a、73b、73c、7
3dとの間の変位またはギャップ距離を測定する変位セ
ンサであり、74A、74B、74C、74Dは、磁気
アクチュエータ72A、72B、72C、72Dの各鉄
心の先端部と磁極73A、73B、73C、73Dとの
間の変位またはギャップ距離を測定する変位センサであ
る。
【0031】このように構成された実施の形態2の制振
装置では、エレベータの超高速昇降時に、ガイドローラ
サスペンション5aや防振ゴム7、8などの従来一般の
振動減衰機構では低減できない振動成分がかご室1のX
方向に生じた場合、実施の形態1で説明した方法でX方
向の振動を低減することができる。すなわち、振動セン
サ58Xがかご室1の床部におけるX方向の振動を検出
し、振動センサ59Xがかご枠2の下部におけるX方向
の振動を検出する。これらの振動センサ58X、59X
により計測される加速度あるいは速度信号に加えて、変
位センサ74a、74b、74c、74dにより検出さ
れる変位信号をもとにコントローラ61が制御指令信号
Tcを発生する。そして、この制御指令信号Tcによ
り、かご室1の床部の振動レベルが低減するように磁気
アクチュエータ72a、72b、72c、72dが駆動
される。例えば、かご室1を−X方向に移動させる場合
は磁気アクチュエータ72aと72cとにより駆動力を
発生させ、+X方向に移動させる場合は磁気アクチュエ
ータ72b、72dにより駆動力を発生させる。このよ
うにして駆動力が発生すると、かご室1とかご枠2とは
相対的に図の紙面上において左右に移動し、かご室1の
X方向の振動が低減される。
【0032】また、かご室1のY方向に振動が生じた場
合、同様にY方向の振動が低減される。すなわち、振動
センサ58Yがかご室1の床部におけるY方向の振動を
検出し、振動センサ59Yがかご枠2の下部におけるY
方向の振動を検出する。これらの振動センサ58Y、5
9Yにより計測される加速度あるいは速度信号に加え
て、変位センサ74A、74B、74C、74Dにより
検出される変位信号を入力信号として、コントローラ6
1が制御指令信号Tcを発生する。そして、この制御指
令信号Tcにより、かご室1の床部の振動レベルが低減
するように磁気アクチュエータ72A、72B、72
C、72Dが駆動される。例えば、かご室1を−Y方向
に移動させる場合は磁気アクチュエータ72Aおよび7
2Bにより駆動力を発生させ、+Y方向に移動させる場
合は磁気アクチュエータ72Cおよび72Dにより駆動
力を発生させる。このようにして駆動力が発生すると、
かご室1をかご枠2に対し前後方向(すなわち、図面に
おける上下方向)に相対的に移動し、かご室1のY方向
の振動が低減される。
【0033】また、かご室1のZ方向の軸を中心とする
回転運動の振動が生じると、振動センサ58X、59
X、58Y、59Y、変位センサ74a、74b、74
c、74d、磁気アクチュエータ72a、72b、72
c、72d、磁極73a、73b、73c、73dを組
み合わせて駆動することにより、この振動を低減するこ
とができる。例えば、かご室1をZ方向の軸に対し+方
向回り(図4における時計方向回り)に移動させる場合
は磁気アクチュエータ72aおよび72dに駆動力を発
生させ、また、かご室1をZ方向の軸に対し−方向回り
(図4における反時計方向回り)に移動させる場合は、
X軸とY軸との交点であるZ点(このZ点はかご枠2の
懸架中心点でもある)に対し対角線上に配置された磁気
アクチュエータ72bおよび72cに駆動力を発生させ
る。このようにして磁気アクチュエータ72a、72
b、72c、72dに駆動力を発生させると、かご室1
をかご枠2に対し図の面内において相対的に回転駆動さ
れ、かご室1の回転運動の振動を低減することができ
る。
【0034】以上説明したように、本実施の形態2で
は、磁気アクチュエータ72a〜72d、72A〜72
DをX方向およびY方向の並進2軸、並びに、Z方向の
回転1軸の力を発揮するように動作させることにより、
かご室1のX方向およびY方向の振動低減とZ方向の軸
周りのかご室1の振動低減を行うことができるため、超
高速昇降時にも乗り心地のよいエレベータを提供でき
る。
【0035】実施の形態3.次に実施の形態3について
図4に基づき説明する。図4は実施の形態3に係る制振
装置を備えたエレベータの底面図である。なお、図4に
おいては、前記従来例、実施の形態1または実施の形態
2と同一または相当する部分にそれぞれ同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0036】この実施の形態3は、かご室1の床下部と
かご枠2の下部との間に、実施の形態1におけるものと
同じ構成である磁気アクチュエータ、磁極、変位センサ
を、図4に示すようにX軸およびY軸上にそれぞれ対称
的に4個配置したものである。すなわち、X軸上には、
磁気アクチュエータ72a、72b、磁極73a、73
b、変位センサ74a、74bがそれぞれ対称的に配置
されている。また、Y軸上には、磁気アクチュエータ7
2C、72D、磁極73C、73D、変位センサ74
C、74Dがそれぞれ対称的に配置されている。このよ
うに構成すると、X方向およびY方向のかご室1の振動
を低減できる。すなわち、エレベータの超高速昇降時
に、ガイドローラサスペンション5aや防振ゴム7、8
などの従来一般の振動減衰機構では低減できない振動成
分がかご室1のX方向に生じた場合、実施の形態1で説
明した方法で振動を低減することができる。例えば、か
ご室1を−X方向に移動させるときは磁気アクチュエー
タ72a、+X方向に移動させるときは磁気アクチュエ
ータ72bにより駆動力を発生させる。この駆動力によ
り、かご室1をかご枠2に対し左右に相対的に移動し、
かご室1のX方向の振動を低減することができる。
【0037】また、かご室1のY方向に振動が生じた場
合、かご室1を+Y方向に移動させるときは磁気アクチ
ュエータ72C、−Y方向に移動させるときは磁気アク
チュエータ72Dにより駆動力を発生させる。このよう
に駆動力を発生させることにより、かご室1をかご枠2
に対し前後方向(図面における上下方向)に移動し、か
ご室1のY方向の振動を低減することができる。
【0038】以上説明した実施の形態3では、磁気アク
チュエータ72a、72b、72A、72BをX方向お
よびY方向の並進2軸の力を発揮するように動作させる
ことにより、磁気アクチュエータを4個としてかご室1
のX方向およびY方向の振動を低減することができるの
で、省スペース、省電力、低コスト化が可能となる。
【0039】実施の形態4.次に実施の形態4について
図5および図6に基づき説明する。図5は実施の形態4
に係る制振装置を備えたエレベータの底面図、図6はこ
のエレベータの制振装置における制御系の概略を示すブ
ロック図である。なお、図5および図6においては、前
記従来例、実施の形態1または実施の形態2と同一また
は相当する部分にそれぞれ同一の符号を付し、その説明
を省略する。
【0040】この実施の形態4は、かご室1の床下部と
かご枠2の下部との間に、実施の形態1における磁気ア
クチュエータ、磁極、変位センサと同じものをそれぞれ
4個を配置している。すなわち、図5に示すように、X
軸およびY軸と略45度をなす4個所の位置に、Z点を
挟んで対称的に、かつ、吸引力がこれら軸と略45度の
方向となるように、磁気アクチュエータ72a、72
b、72c、72d、磁極73a、73b、73c、7
3dおよび変位センサ74a、74b、74c、74d
を配置している。
【0041】したがって、ガイドローラサスペンション
5aや防振ゴム7、8などの従来一般の振動減衰機構で
は低減できない振動成分がかご室1のX方向に生じた場
合であって、かご室1を−X方向に移動させるときは、
磁気アクチュエータ72aおよび72cに駆動力を発生
させ、また、かご室1を+X方向に移動させるときは、
磁気アクチュエータ72bおよび72dに駆動力を発生
させて、かご室1をかご枠2に対し図において左右に相
対的に移動させ、このように移動させることによりかご
室1の振動を低減することができる。また、かご室1の
Y方向に振動が生じた場合であって、かご室1を+Y方
向に移動させるときは、磁気アクチュエータ72cおよ
び72dに駆動力を発生させ、かご室1を−Y方向に移
動させるときは、磁気アクチュエータ72aおよび72
bに駆動力を発生させて、かご室1をかご枠2に対し前
後(図面における上下)に移動させ、このように移動さ
せることによりかご室1の振動を低減する。
【0042】また、かご室1のZ方向の軸周りに回転運
動の振動が生じた場合であって、かご室1をZ方向の軸
の+方向回り(図面上の時計方向回り)に回転移動させ
るときは、磁気アクチュエータ72aおよび72dに駆
動力を発生させることにより、また、かご室1をZ方向
の軸の−方向回り(図面上の反時計方向回り)に回転移
動させるときは、磁気アクチュエータ72bおよび72
cに駆動力を発生させることにより、かご室1をかご枠
2に対し面内方向に相対的に回転し、かご室1の回転振
動を低減することができる。
【0043】図6に示すブロック図は以上の動作を説明
したものである。振動センサ58X、58Y、59X、
59Y、変位センサ74a、74b、74c、74dの
信号から、かご室1のX方向、Y方向、Z方向の軸周り
の加速度、速度、変位の信号が生成される。そして、こ
れら各信号からかご室1を駆動するためのX方向、Y方
向およびZ方向の成分の演算を行い、各符号が図の条件
のときにパワーアンプにより磁気アクチュエータ72
a、72b、72c、72dに制御指令信号Tcを出力
し、かご室1の制振を行っている。
【0044】以上説明したように、この実施の形態4で
は、磁気アクチュエータ72a〜72dをX方向および
Y方向の並進2軸、並びに、Z方向の回転1軸の力を発
揮するように動作させることにより、かご室1のX方向
およびY方向の振動低減およびZ方向の軸周りの振動低
減を磁気アクチュエータ4個で実現することができるの
で、省スペース、低コスト化を図ったエレベータの制振
装置を得ることができる。
【0045】実施の形態5.次に実施の形態5について
図7に基づき説明する。図7は実施の形態5に係る制振
装置を説明するためのエレベータの正面図である。な
お、図7において、前記従来例または実施の形態1と同
一または相当する部分にそれぞれ同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0046】この実施の形態5は、エレベータの制振装
置65をかご室1の上下に、すなわち、かご室1の床部
とかご枠2の下部との対向空間およびかご室1の天井部
とかご枠2の上部との対向空間それぞれに、取り付けた
ものである。下方の制振装置65は実施の形態1と全く
同じであり、また、上方の制振装置65は、下方の制振
装置65と同じものを対称的に取り付けたものである。
すなわち、上方の制振装置65も、下方の制振装置65
と同様に、鉄心70c、70dおよびコイル、71c、
71dを備えた磁気アクチュエータ72c、72dと、
磁極73c、73dと、変位センサ74c、74dと、
かご室1の天井部に設置された振動センサ58と、かご
枠2の上部に設置された振動センサ59等から構成され
ている。また、この上方の制振装置65も下方の制振装
置65と同様に動作する。したがって、実施の形態1で
説明した方法で、図におけるY方向の軸周りの回転が発
生することもなく(すなわち、かご室1が上下に振れる
こともなく)、かご室1のX方向の振動低減が実現でき
るので、乗り心地のよいエレベータを提供できる。
【0047】実施の形態6.次に実施の形態6について
図8に基づき説明する。図8は実施の形態6に係る制振
装置を備えたエレベータの底面図である。なお、図8に
おいて、前記従来例または実施の形態1と同一または相
当する部分にそれぞれ同一の符号を付し、その説明を省
略する。
【0048】この実施の形態6に係る制振装置は、かご
室1の床下部とかご枠2の下部との間に設ける磁気アク
チュエータの構造を簡略化したものである。図8におい
て、75は、8角形の環状に形成されてかご枠2の下部
に取り付けられた鉄心、76は、鉄心75の内周側にお
いて、鉄心75の8角形に対応するように8角形の環状
に形成されてかご室1の床下部に取り付けられた磁極、
77a〜77hは、鉄心75の各片部に巻き回されたコ
イルである。また、78a〜78hは、鉄心75の各片
部と磁極76の対向する片部との変位またはギャップ距
離を測定する変位センサである。この構成においては、
磁気アクチュエータは鉄心75およびコイル77a〜7
7hからなる単一の構成とされている。
【0049】このように構成された制振装置において、
例えば、エレベータの超高速昇降時にかご室1のX方向
の振動を低減するために、かご室1をかご枠2に対し+
X方向に引っ張る駆動力を発生させる場合は、鉄心75
におけるX軸上の+側位置にある片に巻き回されたコイ
ル77cに駆動電流を流し、対向する磁極76を吸引す
る。また、かご室1をかご枠2に対し−X方向に引っ張
る駆動力を発生させる場合は、鉄心75におけるX軸上
の−側位置にある片に巻き回されたコイル77gに駆動
電流を流し、対向する磁極76を吸引する。
【0050】また、かご室1のY方向の振動を低減する
ために、かご室1をかご枠2に対し+Y方向に駆動力を
発生させる場合は、鉄心75におけるY軸上の+側位置
にある片に巻き回されたコイル77aに駆動電流を流
し、対向する磁極76を吸引する。また、かご室1をか
ご枠2に対し−Y方向に引っ張る駆動力を発生させる場
合は、鉄心75におけるY軸上の−側位置にある片に巻
き回されたコイル77eに駆動電流を流し、対向する磁
極76を吸引する。さらに、かご室1をかご枠2に対し
X方向またはY方向と45度を成す方向に引っ張る駆動
力を発生させる場合は、上記と同様の要領により、コイ
ル77b、77d、77fまたは77hに駆動電流を流
せば良い。
【0051】以上説明したように、本実施の形態6で
は、環状の鉄心75およびコイル77a〜77hからな
る単一の構成とされ磁気アクチュエータをX方向および
Y方向の並進2軸の力を発揮するように動作させること
により、かご室1のX方向およびY方向の振動低減を行
うことができるので、構造が簡単で取り付け易く、低コ
ストでメンテナンスが楽なエレベータを提供できる。
【0052】実施の形態7.次に実施の形態7について
図9に基づき説明する。図9は実施の形態7に係る制振
装置を備えたエレベータの底面図である。なお、図9に
おいて、前記従来例、実施の形態1または実施の形態2
と同一または相当する部分にそれぞれ同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0053】この実施の形態7に係る制振装置は、かご
室1の床下部とかご枠2の下部との間に、実施の形態1
におけるものと同じ構成である磁気アクチュエータ72
a、72b、72c、72d、72A、72B、72
C、72Dと、変位センサ74a、74b、74c、7
4d、74A、74B、74C、74Dとを、図4に示
すように略X軸および略Y軸上の4個所に各2個を一対
として配置したものである。また、各配置場所におい
て、この一対の磁気アクチュエータ72aと72A、7
2bと72B、72cと72C、72dと72Dは、配
置されている場所の軸と直交する方向で互いのコイルの
先端同志が互いに向き合うように配置されている。例え
ば、略Y軸の+側においては、磁気アクチュエータ72
aのコイルの先端と磁気アクチュエータ72Aのコイル
の先端とがX方向で向き合うように配置されている。ま
た、これら磁気アクチュエータのうち、磁気アクチュエ
ータ72a、72b、72c、72dはかご枠2の下部
に取り付けられ、磁気アクチュエータ72A、72B、
72C、72Dはかご室1の床下部に取り付けられてい
る。また、これら一対の磁気アクチュエータは、その駆
動電流の方向の組み合わせにより磁気吸引力と磁気反発
力が発生される。
【0054】したがって、この実施の形態7において、
かご室1を−X方向に移動させるように駆動力を発生さ
せる場合は、アクチュエータ72aと72A、72bと
72Bの間にそれぞれ吸引力を発生させる。また、かご
室1を+X方向に移動させるように駆動力を発生させる
場合は、アクチュエータ72aと72A、72bと72
Bの間に反発力を発生させる。このように駆動すること
により、かご室1をかご枠2に対し左右に移動させて、
かご室1のX方向の振動を低減することができる。
【0055】また、かご室1のY方向の振動低減をする
場合は、磁気アクチュエータ72cと72C、72dと
72Dの間に磁気吸引力あるいは反発力を発生させるこ
とで、かご室1をかご枠2に対し前後方向(図9におけ
る上下方向)に移動し、かご室1のY方向の振動を低減
することができる。
【0056】また、かご室1をZ方向の軸の+方向回り
(図9における時計方向回り)に回転駆動する場合は、
磁気アクチュエータ72aと72Aの間に磁気吸引力を
発生させ、72bと72Bの間に磁気反発力を発生させ
る。また、かご室1をZ方向の軸の−方向回り(図9に
おける反時計方向回り)に駆動力を発生させる場合は、
磁気アクチュエータ72aと72Aの間に磁気反発力を
発生させ、72bと72Bの間に磁気吸引力を発生させ
る。
【0057】以上説明したように、この実施の形態7で
は、磁気アクチュエータ72a〜72d、72A〜72
DをX方向およびY方向の並進2軸、並びに、Z方向の
回転1軸の力を発揮するように動作させることにより、
かご室1のX方向およびY方向の振動低減およびZ方向
の軸周りの振動低減を実現することができる。
【0058】実施の形態8.次に実施の形態8について
図10〜図12に基づき説明する。図10は実施の形態
8に係る制振装置を備えたエレベータの斜視図、図11
は図10におけるA部拡大図(左側磁気ガイド装置周り
の拡大図)、図12は図10におけるB部拡大図(右側
磁気ガイド装置周りの拡大図)である。なお、これら図
において、前記従来例または実施の形態1と同一または
相当する部分にそれぞれ同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0059】この実施の形態8に係る制振装置は、実施
の形態1におけるレール係合子5を磁気ガイド装置に変
更することにより、ガイドレール3とかご枠2との間の
振動を低減して、かご室1の水平方向の振動を低減した
ものである。図10〜図12において、80a〜80c
および80A〜80Cはかご枠2に取り付けられた鉄
心、81a〜81cおよび81A〜81Cは鉄心80a
〜80c、80A〜80Cに巻き回されたコイル、82
a〜82cおよび82A〜82Cは鉄心80a〜80
c、80A〜80Cとコイル81a〜81c、81A〜
81Cとからなる磁気アクチュエータであり、左右のガ
イドレール3の凸部の3方向を挟みこむように向き合わ
せている。84a〜84c、84A〜84Cは変位セン
サであり、ガイドレール3と磁気アクチュエータ82a
〜82c、82A〜82Cとの間の変位を測定するもの
である。磁気アクチュエータ82a、82b、82cと
変位センサ84a、84b、84cと左側ガイドレール
3とで左側磁気ガイド装置85aを構成している。ま
た、磁気アクチュエータ82A、82B、82Cと変位
センサ84A、84B、84Cと右側ガイドレール3と
で右側磁気ガイド装置85Aを構成している。なお、か
ご室1の床下部とかご枠2の下部との間には、実施の形
態2の場合と同一の制振装置(図3参照)が装備されて
いる。
【0060】次に、エレベータのかご枠2をX方向に支
持する方法について説明する。かご枠2の上部は複数本
(図面では3本)の主ロープ4により支持されている。
また、かご枠2の下部において、磁気アクチュエータ8
2aと82Aにあらかじめ駆動電流を流し、左右のガイ
ドレールとの間に吸引力を発生させ、かご枠2を中立位
置に非接触状態に支持しておく。そして、エレベータの
超高速昇降時に左側のガイドレール3の継目や曲がりの
影響により、磁気アクチュエータ82aと左側ガイドレ
ール3の変位とが近づいた場合は、変位センサ84aに
より検出され、磁気アクチュエータ82aの駆動電流を
小さくするとともに、磁気アクチュエータ82Aの駆動
電流を大きくし、かご枠2を右方向に移動させ、かご枠
2とガイドレール3との間を非接触状態に保持しながら
エレベータを昇降させる。逆に、磁気アクチュエータ8
2Aと右のガイドレール3の変位とが近づいた場合は、
変位センサ84Aにより検出され、磁気アクチュエータ
82Aの駆動電流を小さくするとともに、磁気アクチュ
エータ82aの駆動電流を大きくし、かご枠2を左方向
に移動させ、かご枠2とガイドレール3との間を非接触
状態に保持しながらエレベータを昇降させる。
【0061】Y方向の支持は、同様にして、左側ガイド
レールにおいては磁気アクチュエータ82bと82cの
対で、また、右側ガイドレールにおいては磁気アクチュ
エータ82Bと82Cの対でそれぞれ非接触状態を保持
してエレベータを昇降する。
【0062】また、Z方向の軸周りの支持についても、
同様にして、磁気アクチュエータ82bと82Cの対、
82Bと82cの対でかご枠2とガイドレール3との間
を非接触状態に支持してエレベータを昇降する。
【0063】上記のようにこの実施の形態では、エレベ
ータの超高速昇降時に、かご枠2の下部左右を磁気ガイ
ド装置85a、85Aにより非接触で支持しているの
で、ガイドレール3の継目や曲がりの影響によりによる
振動がかご枠2に入力されにくい。仮に、ガイドレール
3の継目や曲がりが大きかったり、主ロープ4からの振
動がかご枠2に伝達された場合においても、かご室1と
かご枠2との間の制振装置(図3参照)により、実施の
形態2で説明した要領でかご室1の振動を抑えることが
できる。したがって、実施の形態8は、以上のような動
作を行うことにより、超高速昇降時において、更なる乗
り心地のよいエレベータを提供することができる。
【0064】実施の形態9.次に実施の形態9について
図13〜図15に基づき説明する。図13は実施の形態
9に係るエレベータの斜視図、図14は図13における
C部拡大図、図15は図13におけるD部拡大図であ
る。なお、これら図において、前記従来例または実施の
形態1および8と同一または相当する部分にそれぞれ同
一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】この実施の形態9に係る制振装置は、実施
の形態1におけるガイドレール3をV字形状とするとと
もに、レール係合子5を磁気ガイド装置に変更すること
により、ガイドレール3とかご枠2との間の振動を低減
して、かご室1の振動を軽減したものである。図13〜
図15において、ガイドレール3はV字形状であり、左
側のガイドレール3の2つの面に対向する形で磁気アク
チュエータ82b、82cと変位センサ84b、84c
がかご枠2に取り付けられ、左側磁気ガイド装置85a
を構成している。同様に、右側ガイドレール3の2つの
面に対向する形で磁気アクチュエータ82B、82Cと
変位センサ84B、84Cがかご枠2に取り付けられ、
右側磁気ガイド装置85Aを構成している。なお、かご
室1の床下部とかご枠2の下部との間には、実施の形態
2の場合と同一の制振装置(図3参照)が装備されてい
る。
【0066】次に、エレベータのかご枠2をX方向に支
持する方法について説明する。かご枠2の上部は複数本
(この実施の形態では3本)の主ロープ4により支持さ
れている。また、かご枠2の下部において、磁気アクチ
ュエータ82b、82c、82B、82Cにあらかじめ
駆動電流を流し、左右のガイドレール3との間に吸引力
を発生させ、かご枠2を中立位置に非接触状態に支持す
る。そして、エレベータの超高速昇降時に左側のガイド
レール3の継目や曲がりの影響により、磁気アクチュエ
ータ82b、82cと左側ガイドレール3の変位とが近
づいた場合は、変位センサ84b、84cにより検出さ
れ、磁気アクチュエータ82b、82cの駆動電流を小
さくするとともに、磁気アクチュエータ82B、82C
の駆動電流を大きくし、かご枠2を右方向に移動させ、
かご枠2とガイドレール3との間を非接触状態に保持し
ながらエレベータを昇降させる。逆に、磁気アクチュエ
ータ82B、82Cと右側ガイドレール3の変位とが近
づいた場合は、変位センサ84B、84Cにより検出さ
れ、磁気アクチュエータ82B、82Cの駆動電流を小
さくするとともに、磁気アクチュエータ82b、82c
の駆動電流を大きくし、かご枠2を左方向に移動させ、
かご枠2とガイドレール3との間を非接触状態に保持し
ながらエレベータを昇降させる。
【0067】Y方向の支持は、同様にして行う。すなわ
ち、エレベータの超高速昇降時に左側のガイドレール3
の継目や曲がりの影響により、磁気アクチュエータ82
b、82Bと左側のガイドレール3の変位とが近づいた
場合は、変位センサ84b、84Bにより検出され、磁
気アクチュエータ82bと82Bの駆動電流を小さくす
るとともに、磁気アクチュエータ82cと82Cの駆動
電流を大きくして、かご枠2を+Y方向に移動させ、か
ご枠2と左側のガイドレール3との間を非接触状態に保
持しながらエレベータを昇降させる。逆に、磁気アクチ
ュエータ82c、82Cと右側のガイドレール3の変位
とが近づいた場合は、変位センサ84c、84Cにより
検出され、磁気アクチュエータ82cと82Cの駆動電
流を小さくするとともに、磁気アクチュエータ82bと
82Bの駆動電流を大きくし、かご枠2を−Y方向に移
動させ、かご枠2とガイドレール3との間を非接触状態
に保持しながらエレベータを昇降させる。
【0068】また、Z方向の軸周りの支持についても、
同様にして、磁気アクチュエータ82bと82Cの組、
82Bと82cの組でかご枠2とガイドレール3との間
を非接触状態に支持してエレベータを昇降する。
【0069】上記のようにこの実施の形態では、エレベ
ータの超高速昇降時に、かご枠2の下部左右を、磁気ガ
イド装置85a、85Aにより非接触で支持しているの
で、ガイドレール3の継目や曲がりの影響によりによる
振動がかご枠2に入力されにくい。仮に、ガイドレール
3の継目や曲がりが大きかったり、主ロープ4からの振
動がかぎ枠2に伝達された場合においても、かご室1と
かご枠2間の制振装置(図3参照)により、実施の形態
2で説明した要領でかご室1の振動を抑えることができ
る。
【0070】このように本実施の形態では、ガイドレー
ル3をV次形状にすることで材料を少なくすることがで
き、左右の磁気ガイド装置85a、85Aをそれぞれ磁
気アクチュエータ2個で構成することができるため、低
コストで高性能なエレベータの制振装置を得ることがで
きる。
【0071】なお、この発明は、次のように変更して具
体化することも可能である。 (1) 実施の形態1〜5において、磁気アクチュエー
タと磁極との位置関係は、図示のものに限定されるもの
ではなく、それぞれを逆にしたものであっても良く、上
記と同様の方法で磁気吸引力を発生することができ、か
ご室1の振動を低減することができる。
【0072】(2) 実施の形態1〜6において、磁気
アクチュエータは、磁極に対し磁気吸引力を発生するも
のに限定されることはなく、磁気反発力を発生するよう
に構成したものであっても良く、この場合、作動させる
磁気アクチュエータや、磁気アクチュエータの位置関係
を変更することにより、磁気反発力を発生し、かご室1
の振動を低減することができる。
【0073】(3) 実施の形態1〜9においては、振
動センサをかご室1の床部(実施の形態5ではかご室1
の天井部もある。以下この段落において床部と称する場
合は、実施の形態5については床部と天井部のことを意
味する。)およびかご枠2の下部(実施の形態5ではか
ご枠2の上部もある。以下この段落において下部と称す
る場合は、実施の形態5については下部と上部のことを
意味する。)の双方に設置しているが、基本的に、振動
センサはかご室1の床部の振動を検出するものであれば
良い。この意味からすると、実施の形態1〜9におい
て、かご枠2の下部に設置する振動センサーを省略する
ことができる。すなわち、かご室1の床部に設置する振
動センサと併用してかご枠2の下部に振動センサを設置
することは、振動制御性能を向上させるためのより多く
の情報を得ることに意義があるが、振動制御性能におけ
る若干の低下を許容できる場合には、このかご枠2の下
部に設置する振動センサを廃止し、かご室1の床部のみ
に振動センサを設置するように構成しても良い。また、
逆に、かご室1の床部に設置する振動センサを廃止し、
かご枠2の下部にのみ振動センサを設置し、この振動セ
ンサにより、かご室1の床部の振動を推定計測するよう
に構成することもできる。
【0074】(4) 実施の形態1〜9において、変位
センサは同一軸方向に複数設けられているが(たとえ
ば、実施の形態2では、X方向に74a、74b、74
c、74dの4個)、これらは全部設ける必要はなく、
少なくともいずれか一つを設けるようにすれば良い。
【0075】(5) 実施の形態8および9において、
かご室1の床下部とかご枠2の下部との対向空間部に設
ける水平方向の制振装置は、実施の形態2のものに限定
されるものではなく、他の実施の形態に係るものを用い
ても良い。
【0076】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。請求項
1〜7および10,11記載の発明によれば、かご室の
床下部とこのかご室を防振ゴムを介して支持するかご枠
の下部との対向空間において、かご室またはかご枠のい
ずれか一方に固定されたアクチュエータと、前記空間に
おいて、かご室またはかご枠のいずれか他方に固定さ
れ、かつ、前記アクチュエータに駆動電流を流したとき
に水平方向の電磁吸引力あるいは電磁反発力を発生させ
るように前記アクチュエータに対向して配置された磁極
と、前記かご室の床部の水平方向振動を検出する振動セ
ンサと、前記各振動センサの検出信号を入力信号として
前記かご室の水平方向の振動を低減するように前記アク
チュエータを駆動制御するコントローラとを有するの
で、非接触で摩擦や磨耗が発生しない構造であり、経年
変化による磁気アクチュエータの性能の低下が少ない。
この結果、良好な制御特性を持ち、メンテナンスが楽
で、信頼性の高いエレベータの水平方向の制振装置を得
ることができる。
【0077】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1の発明のような制振装置がかご室の天井部とかご枠
の上部との間の対向空間にも設けられているので、かご
室が回転することなく水平方向の振動を低減することが
できる。
【0078】また、請求項4記載の発明によれば、前記
磁気吸引式アクチュエータは、かご室の並進2軸、回転
1軸の力を発揮するように、複数個を組み合わせて配置
されているため、エレベータの振動低減を効果的に行え
るエレベータの制振装置を得ることができる。
【0079】また、請求項5記載の発明によれば、前記
磁気吸引式アクチュエータは、かご枠の懸架中心点に対
し偶力を発揮するように2個組み合わされたもの2組が
直交状に配置されていることにより、かご室の並進2
軸、回転1軸の力を発生するように組み合わされている
ため、部品点数が少なくて、低コスト化が可能なエレベ
ータの制振装置を得ることができる。
【0080】また、請求項6記載の発明によれば、前記
コントローラは、前記磁気吸引式アクチュエータのコイ
ルと前記磁極とのギャップを測定する変位センサおよび
前記振動センサの検出信号を入力信号として、前記磁気
吸引式アクチュエータを駆動する制御信号を発生するた
め、磁気吸引式アクチュエータの特性を最適にし、制御
特性が良いエレベータの制振装置が得られる。
【0081】また、請求項7記載の発明によれば、前記
磁気吸引式アクチュエータは、環状の鉄心に巻き回され
たコイルを有し、このコイルに駆動電流を流したとき
に、このコイルに対向するように配置された磁極を吸引
するように構成されているので、構造が簡単で取り付け
易い。したがって、低コスト、かつ、メンテナンスが楽
で信頼性の高いエレベータの制振装置を得ることができ
る。
【0082】また、請求項8記載の発明によれば、かご
室の床下部とこのかご室を防振ゴムを介して支持するか
ご枠の下部との対向空間において、電磁吸引力と電磁反
発力を発生させるように2個の磁気アクチュエータを組
み合わせて対を形成するとともに、この対のうちの一方
の磁気アクチュエータをかご室またはかご枠のいずれか
一方に固定し、この対のうちの他方の磁気アクチュエー
タをかご室またはかご枠のいずれか他方に固定し、さら
に、この対を2組として対向状に配置した2対の磁気ア
クチュエータと、前記かご室の床部の水平方向振動を検
出する振動センサと、前記各振動センサの検出信号を入
力信号として前記かご室の水平方向の振動を低減するよ
うに前記2対のアクチュエータを駆動制御するコントロ
ーラとを有するので、非接触で摩擦や磨耗が発生しない
構造であり、経年変化により磁気アクチュエータの性能
が変化することが少ない。この結果、良好な制御特性を
持ち、メンテナンスが楽で、信頼性の高いエレベータの
水平方向の制振装置を得ることができる。
【0083】また、請求項9記載の発明によれば、エレ
ベータの両側に配設されたかご枠の昇降を案内するガイ
ドレール、このガイドレールに対し磁気吸引力を発生す
ることにより、かご枠を非接触状態に保持する1組の磁
気吸引式アクチュエータを備えた磁気ガイド装置と、前
記ガイドレールの変位を検出する変位センサと、この変
位センサの検出信号を入力信号として、前記かご室の水
平振動を低減するように前記1組のアクチュエータに対
し制御信号を発生するコントローラとを有するので、ガ
イドレール3の精度を落して安価なものとすることがで
き、さらに、超高速昇降が可能でかつ乗り心地のよいエ
レベータの制振装置を得ることができる。
【0084】また、請求項10記載の発明によれば、請
求項1または2記載の制振装置と請求項9記載の制振装
置を併用するので、さらに超高速昇降が可能でかつ乗り
心地のよいエレベータの制振装置を得ることができる。
【0085】また、請求項11記載の発明によれば、前
記ガイドレールをV字形状とするので、さらに低コスト
化を実現したエレベータの制振装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る制振装置を備え
たエレベータの正面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係るエレベータの制
振装置における制御系の概略を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態2に係る制振装置を備え
たエレベータの底面図である。
【図4】 本発明の実施の形態3に係る制振装置を備え
たエレベータの底面図である。
【図5】 本発明の実施の形態4に係る制振装置を備え
たエレベータの底面図である。
【図6】 本発明の実施の形態4に係るエレベータの制
振装置の駆動方法を示すブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態5に係る制振装置を備え
たエレベータの正面図である。
【図8】 本発明の実施の形態6に係る制振装置を備え
たエレベータの底面図である。
【図9】 本発明の実施の形態7に係る制振装置を備え
たエレベータの底面図である。
【図10】 本発明の実施の形態8に係る制振装置を備
えたエレベータの斜視図である。
【図11】 図10におけるA部拡大図である。
【図12】 図10におけるB部拡大図である。
【図13】 本発明の実施の形態9に係る制振装置を備
えたエレベータの斜視図である。
【図14】 図13におけるC部拡大図である。
【図15】 図13におけるD部拡大図である。
【図16】 従来の制振装置を備えたエレベータの正面
図である。
【符号の説明】
1 かご室、2 かご枠、3 ガイドレール、4 主ロ
ープ、7、8 防振ゴム、10 かご、58、59 振
動センサ、61 コントローラ、65 制振装置、70
a〜70d 鉄心、71a〜71d コイル、72a〜
72d、72A〜72D 磁気アクチュエータ、73a
〜73d、73A〜73D 磁極、74a〜74d、7
4A〜74D 変位センサ、75 鉄心、76 磁極、
77a〜77h コイル、78a〜78h 変位セン
サ、80a〜80c、80A〜80C 鉄心、81a〜
81c、81A〜81C コイル、82a〜82c、8
2A〜82C 磁気アクチュエータ、84a〜84c、
84A〜84C 変位センサ、85a、85A 磁気ガ
イド装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉岡 尚生 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3F306 AA12 CA27 CB03 CB50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 かご室の床下部とこのかご室を防振ゴム
    を介して支持するかご枠の下部との対向空間において、
    かご室またはかご枠のいずれか一方に固定されたアクチ
    ュエータと、 前記空間において、かご室またはかご枠のいずれか他方
    に固定され、かつ、前記アクチュエータに駆動電流を流
    したときに水平方向の電磁吸引力あるいは電磁反発力を
    発生させるように前記アクチュエータに対向して配置さ
    れた磁極と、 前記かご室の床部の水平方向振動を検出する振動センサ
    と、 前記各振動センサの検出信号を入力信号として前記かご
    室の水平方向の振動を低減するように前記アクチュエー
    タを駆動制御するコントローラとを有することを特徴と
    するエレベータの制振装置。
  2. 【請求項2】 かご室の床下部とこのかご室を防振ゴム
    を介して支持するかご枠の下部との対向空間および前記
    かご室の天井上部と前記かご枠の上部との対向空間それ
    ぞれにおいて、かご室またはかご枠のいずれか一方に固
    定されたアクチュエータと、 前記各空間において、かご室またはかご枠のいずれか他
    方に固定され、かつ、前記アクチュエータに駆動電流を
    流したときに水平方向の電磁吸引力あるいは電磁反発力
    を発生させるように前記アクチュエータに対向して配置
    された磁極と、 前記かご室の床部および天井部の水平方向振動を検出す
    る振動センサと、 前記各振動センサの検出信号を入力信号として前記かご
    室の水平方向の振動を低減するように前記アクチュエー
    タを駆動制御するコントローラとを有することを特徴と
    するエレベータの制振装置。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータは、電磁吸引力を発
    生する磁気吸引式アクチュエータであることを特徴とす
    る請求項1または2記載のエレベータの制振装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気吸引式アクチュエータは、かご
    室の並進2軸、回転1軸の力を発揮するように、複数個
    が組み合わされて配置されてなることを特徴とする請求
    項3記載のエレベータの制振装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気吸引式アクチュエータは、かご
    枠の懸架中心点に対し偶力を発揮するように2個組み合
    わされたもの2組が直交状に配置されていることによ
    り、かご室の並進2軸、回転1軸の力を発生するように
    組み合わされていることを特徴とする請求項3記載のエ
    レベータの制振装置。
  6. 【請求項6】 前記コントローラは、前記磁気吸引式ア
    クチュエータのコイルと前記磁極とのギャップを測定す
    る変位センサおよび前記振動センサの検出信号を入力信
    号として、前記磁気吸引式アクチュエータを駆動する制
    御信号を発生することを特徴とする請求項3記載のエレ
    ベータの制振装置。
  7. 【請求項7】 前記磁気吸引式アクチュエータは、環状
    の鉄心に巻き回されたコイルを有し、このコイルに駆動
    電流を流したときに、このコイルに対向するように配置
    された磁極を吸引するように構成されていることを特徴
    とする請求項3記載のエレベータの制振装置。
  8. 【請求項8】 かご室の床下部とこのかご室を防振ゴム
    を介して支持するかご枠の下部との対向空間において、
    電磁吸引力と電磁反発力を発生させるように2個の磁気
    アクチュエータを組み合わせて対を形成するとともに、
    この対のうち一方の磁気アクチュエータをかご室または
    かご枠のいずれか一方に固定し、この対のうち他方の磁
    気アクチュエータをかご室またはかご枠のいずれか他方
    に固定し、さらに、この対を2組として対向状に配置し
    た2対の磁気アクチュエータと、 前記かご室の床部の水平方向振動を検出する振動センサ
    と、 前記各振動センサの検出信号を入力信号として前記かご
    室の水平方向の振動を低減するように前記2対のアクチ
    ュエータを駆動制御するコントローラとを有することを
    特徴とするエレベータの制振装置。
  9. 【請求項9】 エレベータの両側に配設されたかご枠の
    昇降を案内するガイドレール、このガイドレールに対し
    磁気吸引力を発生することにより、かご枠を非接触状態
    に保持する1組の磁気吸引式アクチュエータを備えた磁
    気ガイド装置と、 前記ガイドレールの変位を検出する変位センサと、 この変位センサの検出信号を入力信号として、前記かご
    室の水平振動を低減するように前記1組のアクチュエー
    タに対し制御信号を発生するコントローラとを有するこ
    とを特徴とするエレベータの制振装置。
  10. 【請求項10】 エレベータの両側に配設されたかご枠
    の昇降を案内するガイドレール、このガイドレールに対
    し磁気吸引力を発生することにより、かご枠を非接触状
    態に保持する1組の磁気吸引式アクチュエータを備えた
    磁気ガイド装置と、 前記ガイドレールの変位を検出する変位センサと、 この変位センサの検出信号を入力信号として、前記かご
    室の水平振動を低減するように前記1組のアクチュエー
    タに対し制御信号を発生するコントローラとを有するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のエレベータの制
    振装置。
  11. 【請求項11】 前記ガイドレールはV字形状であるこ
    とを特徴とする請求項9または10記載のエレベータ制
    振装置。
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