JP2001260854A - 制動力配分制御の開始方法 - Google Patents

制動力配分制御の開始方法

Info

Publication number
JP2001260854A
JP2001260854A JP2000074458A JP2000074458A JP2001260854A JP 2001260854 A JP2001260854 A JP 2001260854A JP 2000074458 A JP2000074458 A JP 2000074458A JP 2000074458 A JP2000074458 A JP 2000074458A JP 2001260854 A JP2001260854 A JP 2001260854A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
braking force
wheel
force distribution
hydraulic pressure
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000074458A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4453152B2 (ja
Inventor
Hirahisa Kato
平久 加藤
Kenji Toutsu
憲司 十津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2000074458A priority Critical patent/JP4453152B2/ja
Publication of JP2001260854A publication Critical patent/JP2001260854A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4453152B2 publication Critical patent/JP4453152B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動力配分制御を好適に開始することができ
る制動力配分制御の開始方法を提供する。 【解決手段】 マスタシリンダ液圧Pmcが基準値P0
以上になった時点で、各車輪に対するEBD制御を開始
させる。また、予め定めた基準値P0は、理想的な前後
輪制動力配分線と実際の前後輪制動力配分線とのクロス
点における前輪制動力に相当するマスタシリンダ液圧P
mcであり、予めコンピュータに記憶されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の制動力配分
制御の開始方法に係り、詳しくは制動力配分制御(EB
D制御)を好適に行うことができる制動力配分制御の開
始方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アンチスキッド制御装置を利用し
て、前後の車輪速度差をなくすように前輪と後輪の制動
力配分制御(EBD制御)を行い、理想的な制動力配分
を達成するようにした制動力配分制御(EBD制御)技
術が、例えば特開平9−1187号公報にて提案されて
いる。この制動力配分制御(EBD制御)は、車体減速
度が予め定めた基準値以上になったとき、EBD制御を
開始するようになっている。この車体減速度は、以下の
ように求められていた。つまり、各車輪に設けられた回
転速度センサにて各車輪の車輪速度を求めその各車輪速
度から車体速度を演算する。その演算して求められたそ
の時々の車体速度の変化量から車体減速度を求めるよう
にしている。そして、その時々に求められた車体減速度
が予め定めた基準値とその都度比較され、車体減速度が
予め定めた基準値以上になったときにEBD制御が開始
されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記車体減
速度は、加速度センサを用いて車体減速度を直接検出し
てすることもできる。加速度センサを用いての車体減速
度の演算は、演算処理時間を短くコンピュータの負荷を
軽減することができる点で優れている。
【0004】しかしながら、加速度センサは、走行路面
の傾斜に影響を受けやすい。詳述すると、加速度センサ
は、下り坂では実際の加速度より小さい値に、反対に、
上り坂では実際の加速度より大きい値にとなる。この下
り坂及び上り坂での、加速度センサの誤検出は、該加速
度センサの設置状態に起因する。加速度センサは、水平
走行路面での車両の加速度を検出するため、同加速度セ
ンサは水平走行路面上の車体に対して水平となるように
設置されている。そして、下り坂及び上り坂で車体が傾
くと、加速度センサも水平面に対して傾斜する。その結
果、車両の加減速度によって受ける力も傾斜角度に相対
して変動する。
【0005】従って、下り坂及び上り坂において加速度
センサを用いて車体減速度を求めてEBD制御を開始す
る場合、早期制御開始又は制御開始遅れによる車両不安
定を招来する可能性があった。
【0006】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、下り坂及び上り坂に影
響されることなく、しかも、車体減速に依存しないで制
動力配分制御を好適に開始することができる制動力配分
制御の開始方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、車両の制動時に、前輪
に対すると後輪の微小スリップの発生に基づいて各前後
輪に対して設けたホイールシリンダへのブレーキ液の供
給を液圧制御装置を介して前輪の制動力と後輪の制動力
とを配分調整してその後輪の制動力の増大を抑制するよ
うにした車両の制動力配分制御方法において、ブレーキ
ペダルの操作に基づいて作動する液圧発生装置の発生液
圧が予め定めた基準値以上になったときには、制動力配
分制御を開始するようにしたことを要旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の制動力配分制御の開始方法において、前記予め定めた
基準値は、理想的な前後輪制動力配分線と実際の前後輪
制動力配分線とのクロス点における前輪制動力に相当す
る液圧発生装置の発生液圧であることを要旨とする。
【0009】(作用)請求項1に記載の発明の構成によ
れば、ブレーキペダルの操作に基づいて作動する液圧発
生装置の発生液圧が予め定めた基準値以上になったとき
には、制動力配分制御を開始するようにした。従って、
加速度センサにて検出した車体減速度に基づいて制動力
配分制御の開始条件を判断した従来技術に比べて、路面
の傾斜による影響を受けず、制動力配分制御の早期制御
開始又は制御開始遅れといった不都合を防止することが
できる。その結果、制動力配分制御を好適に開始するこ
とができる。
【0010】請求項2に記載の発明の構成によれば、請
求項1に記載の発明の作用に加えて、予め定めた基準値
は、理想的な制動力配分線と実際の制動力配分線とのク
ロス点における前輪制動力に相当する液圧発生装置の発
生液圧であるため、基準値は車両走行中の他のパラメー
タに影響されず常に一定となるため、制動力配分制御を
簡単且つ確実に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化したブレー
キ液圧制御装置の一実施形態を図面に従って説明する。
【0012】図1は本実施形態のブレーキ液圧制御装置
の回路説明図である。図1に示すように、ブレーキ液圧
制御装置10は、マスタシリンダ11a及びブースタ1
1bから構成された液圧発生装置11と、各車輪(右前
輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)にそ
れぞれ配設されたホイールシリンダ12a〜12dと、
前記液圧発生装置11とホイールシリンダ12a〜12
d間に液圧路を介して接続された液圧制御装置としての
アクチュエータ13と、該アクチュエータ13を制御す
る電子制御装置14とを備えている。
【0013】前記液圧発生装置11は、ブレーキスイッ
チ15を設けたブレーキペダル16により駆動されてい
る。液圧発生装置11は、ブレーキペダル16が踏まれ
ることによって動作し液圧路に液圧を発生するようにな
っている。
【0014】前記アクチュエータ13は、図1に示すよ
うに、マスタシリンダ11aの一方の出力ポートとホイ
ールシリンダ12a,12dの各々とを接続する液圧路
に電磁弁17a〜17dが配設され、これらの電磁弁1
7a〜17dとマスタシリンダ11aとの間にポンプ1
8が配設されている。同様に、マスタシリンダ11aの
他方の出力ポートとホイールシリンダ12b,12cの
各々とを接続する液圧路に電磁弁17e〜17hが配設
され、これらの電磁弁17e〜17hとマスタシリンダ
11aとの間にポンプ19が配設されている。前記ポン
プ18,19は、電動モータ20によって駆動され、上
記の液圧路に所定の圧力に昇圧されたブレーキ液圧を供
給するようになっている。
【0015】前記電磁弁17a,17cは、常開型の電
磁弁であり、その排出側液圧路がそれぞれ右前輪FRの
ホイールシリンダ12aと左後輪RLのホイールシリン
ダ12dに接続されている。また、前記電磁弁17e,
17gは、常開型の電磁弁であり、その排出側液圧路が
それぞれ左前輪FLのホイールシリンダ12bと右後輪
RRのホイールシリンダ12cに接続されている。
【0016】前記電磁弁17b,17dは、常閉型の電
磁弁であり、その排出側液圧路がリザーバ21を介して
前記ポンプ18に接続されている。同様に、前記電磁弁
17f,17hは、常閉型の電磁弁であり、その排出側
液圧路がリザーバ22を介して前記ポンプ19に接続さ
れている。前記リザーバ21,22は、各々ピストンと
スプリングとを備え、前記電磁弁17b,17d,17
f,17hから排出側液圧路を介して環流されるブレー
キ液を収容するとともに、ポンプ18,19の作動時に
ブレーキ液を供給する。
【0017】前記電磁弁17a〜17hは、2ポート2
位置電磁弁であり、ソレノイド非通電時(以下、オフと
称する)において、各ホイールシリンダ12a〜12d
を前記液圧発生装置11及びポンプ18,19と連通さ
せるようになっている。
【0018】また、前記電磁弁17a〜17hは、ソレ
ノイド通電時(以下、オンと称する)において、各ホイ
ールシリンダ12a〜12dを前記液圧発生装置11及
びポンプ18,19と遮断させるとともに、前記リザー
バ21,22と連通させるようになっている。なお、図
1に示すように、液圧路には複数の逆止弁Bが設けら
れ、それらの逆止弁Bはホイールシリンダ12a〜12
d及びリザーバ21,22側から液圧発生装置11側へ
のブレーキ液の流通のみを許容するようになっている。
【0019】そして、電磁弁17a〜17hのソレノイ
ドを前記電子制御装置14にてオン、オフすることによ
ってホイールシリンダ12a〜12dのブレーキ液圧を
増圧、保持、減圧の状態にすること(つまりABS制
御)が可能となる。すなわち、電磁弁17a〜17hの
ソレノイドがオフされたときには、ホイールシリンダ1
2a〜12dに液圧発生装置11及びポンプ18,19
からブレーキ液圧が供給されて増圧される。一方、電磁
弁17a〜17hのソレノイドがオンされたときには、
ホイールシリンダ12a〜12dがリザーバ21,22
に連通されて減圧される。また、電磁弁17a,17
c,17e,17gのソレノイドがオフされ、電磁弁1
7b,17d,17f,17hのソレノイドがオンされ
たときには、ブレーキ液圧が保持される。従って、各電
磁弁17a〜17hのソレノイドへの通電時間を電子制
御装置14にて調整することにより、増圧と保持を組み
合わせたパルス増圧や、減圧と保持を組み合わせたパル
ス減圧を行うことができ、緩やかにブレーキ液圧を増圧
又は減圧するように制御することも可能となる。
【0020】また、選択的に電磁弁17c,17gのソ
レノイドを前記電子制御装置14にてオン、オフするこ
とによってホイールシリンダ12a〜12dのブレーキ
液圧をそれぞれ配分調整すること(つまりEBD制御)
が可能となる。すなわち、電磁弁17a,17eのソレ
ノイドがオフされたままで電磁弁17c,17gのソレ
ノイドがオンされる(本実施形態では、これをEBD制
御開始とする)ときには、後輪RL,RRのホイールシ
リンダ12c,12dは液圧発生装置11及びポンプ1
8,19と遮断される。このとき、後輪RL,RRのホ
イールシリンダ12c,12dにかかるブレーキ液圧
は、前輪FR,FLのホイールシリンダ12a,12b
が液圧発生装置11及びポンプ18,19により増圧又
はリザーバ21,22により減圧されるかどうかに関係
なく、所定値に保持される。
【0021】この状態から電磁弁17d,17hのソレ
ノイドを前記電子制御装置14にてオンすることによっ
て後輪RL,RRのホイールシリンダ12c,12dに
かかるブレーキ液圧はリザーバ21,22により減圧す
ることが可能となる。
【0022】一方、電磁弁17c,17gのソレノイド
がオフされたときには、後輪RL,RRのホイールシリ
ンダ12c,12dは液圧発生装置11及びポンプ1
8,19と導通される。このとき、後輪RL,RRのホ
イールシリンダ12c,12dは液圧発生装置11のマ
スタシリンダ11aからのブレーキ液圧によりそのまま
作用される又はポンプ18,19からのブレーキ液圧に
より増圧される。
【0023】前記電子制御装置14は、図2に示すよう
に、バスを介して相互に接続されたCPU23、ROM
24、RAM25、タイマ(TMR)26、入力ポート
27及び出力ポート28からなるマイクロコンピュータ
29を備えている。前記入力ポート27は、増幅回路3
0a〜30gを介して、各車輪FR,FL,RR,RL
に設けられた車輪速度センサ31a〜31dと、前記ブ
レーキスイッチ15及びマスタシリンダ11a側の液圧
路に設けられた液圧検出センサ32,33と接続されて
いる(図1に参照)。一方、前記出力ポート28は、駆
動回路34aを介して前記電動モータ20と接続され
(図1に参照)、駆動回路34b〜34iを介して前記
電磁弁17a〜17hと接続されている。また、前記R
OM24は、制動力配分制御(以下、EBD制御とい
う)のプログラムを記憶し、CPU23は、図示しない
イグニッションスイッチがオンになったときにプログラ
ムを実行し、RAM25は、プログラムの実行に必要な
変数データを一時的に記憶するようになっている。そし
て、本実施形態では、電子制御装置14は、前記車輪速
度センサ31a〜31dと、ブレーキスイッチ15及び
液圧検出センサ32,33からの出力信号に基づいて前
記電動モータ20と電磁弁17a〜17hを制御してい
る。
【0024】なお、本実施形態では、車両のエンジンが
かけられる(つまりイグニッションスイッチがオンされ
る)と、電子制御装置14のCPU23は、プログラム
を実行し、以下のような処理がエンジンが停止される
(つまりイグニッションスイッチがオフされる)まで繰
り返し行うようになっている。図3はその処理のフロー
チャートである。
【0025】図3に示すように、イグニッションスイッ
チがオンされるとき処理がスタートされる。そして、ま
ず最初にステップ101でマイクロコンピュータ29が
初期化され、各種の演算値、制御の基準車速となる推定
車体速度Vso、車輪速度Vw及び車輪加速度DVw等
の初期設定が行われる。
【0026】次に、ステップ102においては、車輪速
度センサ31a〜31dからの出力信号により各車輪F
R,FL,RR,RLの車輪速度Vwを演算しその演算
値を前記RAM25に記憶させる。続いてステップ10
3においては、ステップ102で演算された各車輪F
R,FL,RR,RLの車輪速度Vwの演算値に基づい
て各車輪FR,FL,RR,RLの車輪加速度DVwを
演算しその演算値をRAM25に記憶させる。
【0027】次のステップ104では、EBD制御中か
どうかを判断し、制御中の場合には後述するステップ1
06へジャンプし、制御中でない(制御前)場合にはス
テップ105に進む。ステップ105では、各車輪F
R,FL,RR,RLに対してEBD制御を開始させる
(つまりEBD制御の開始条件が成立する)かどうかを
判断する。EBD制御の開始条件が成立する場合には、
ステップ106へ進む。EBD制御の開始条件が成立し
ない場合には、ステップ112へジャンプする。
【0028】ここで、EBD制御開始条件について説明
する。本実施形態では、EBD制御開始条件をマスタシ
リンダ11aの発生液圧(以下、マスタシリンダ液圧と
いう)Pmcが予め定めた基準値P0以上になった時を
開始条件としている。尚、本実施形態では、マスタシリ
ンダ液圧Pmcは、後述するステップ113で求めるよ
うにしている。
【0029】詳述すると、図6は車輪の前後輪制動力配
分線図である。図6において、破線L1は車両の理想的
な前後輪制動力配分線を示す。つまり、この理想的な前
後輪制動力配分線L1に基づいて前輪FL,FRの制動
力(前輪制動力)Mfと後輪RL,RRの制動力(後輪
制動力)Mrを配分制御すれば、理想的な車両の制動力
が得られ制動効率が高められるとともに、車両安定性が
保つことができる。しかしながら、前記アクチュエータ
13の性能上、実際の前後輪制動力配分線L2は、図6
に実線で示すように線形となる。
【0030】その結果、実際の前後輪制動力配分線L2
と理想的な前後輪制動力配分線L1とが交差するクロス
点Kが存在する。そして、そのクロス点Kの左側範囲に
おいては、図6に示すように、同じ大きさの前輪制動力
Mf(1)に対して実際の後輪制動力Mr(j1)が理想の
後輪制動力Mr(r1)より小さくなっている。すなわち、
Mr(j1)<Mr(r1)となる。
【0031】反対に、クロス点Kの右側範囲において
は、同じ大きさの前輪制動力Mf(2)に対して実際の
後輪制動力Mr(j2)が理想の後輪制動力Mr(r2)より大
きくなっている。すなわち、Mr(j2)>Mr(r2)とな
る。
【0032】ところで、クロス点Kの右側範囲は、実際
の後輪制動力Mr(j2)が理想の後輪制動力Mr(r2)より
大きくなるため、車両の安定性を図る上で好ましくな
い。つまり、制動時において、クロス点Kの右側範囲に
ある場合に車両の安定性を図るために、実際の後輪制動
力Mr(j2)が理想の後輪制動力Mr(r2)より大きくなら
ないように制動力配分制御する必要が生じる。詳述する
と、前輪制動力Mfがクロス点Kに対応する前輪制動力
Mf(0)まで上昇したときに制動力配分制御を開始す
る必要があることがわかる。
【0033】この前輪制動力Mfはマスタシリンダ液圧
Pmcに相対するものであるため、クロス点Kにおける
前輪制動力Mf(0)に対応するマスタシリンダ液圧P
mcを事前に求めることができる。そして、本実施形態
では、このクロス点Kの前輪制動力Mf(0)に相当す
るマスタシリンダ液圧Pmcを基準値P0としている。
つまり、マスタシリンダ液圧Pmcが基準値P0以上に
なることは、図6に示すように、前輪制動力Mfがクロ
ス点Kに到達し、同クロス点Kの右側範囲に移行するこ
とを意味する。そして、この基準値P0を事前にROM
24に記憶しておき、マスタシリンダ液圧Pmcが基準
値P0以上になったとき、ステップ106に移りEBD
制御を開始させるようにしている。
【0034】なお、車両の発進段階又は正常走行中にお
いてはブレーキペダルが踏まれていないことからステッ
プ104及びステップ105の条件が揃えていないた
め、前記の処理はステップ104及びステップ105か
らステップ106へ進まずステップ112へジャンプす
る。
【0035】ステップ112では、4つの車輪に対して
同じ処理を完了したかどうかを判断する。なお、ここで
言う処理は、4つの車輪に対する車輪速度Vw及び車輪
加速度DVwの演算処理である。そして、すべての車輪
に対する処理が完了していない場合には、ステップ10
2に戻って処理しなかった車輪に対して同じ処理を繰り
返す。また、すべての車輪に対する処理が完了した場合
には、ステップ113で前記液圧検出センサ32,33
にて前記EBD制御の開始条件の基準となるマスタシリ
ンダ11aの発生液圧Pmcを検出する。
【0036】次にステップ114で後述する演算方法に
て推定車体速度Vsoを演算する。その後、1演算処理
サイクルが終了し再びステップ102に戻って次の演算
処理サイクルを開始する。
【0037】上記推定車体速度Vsoは、図4のフロー
チャートで示す方法に従って求められる。詳述すると、
まずステップ201において、演算処理サイクル(本実
施形態では1演算処理サイクルが6ms)毎に各車輪F
L,FR,RL,RRの車輪速度の中から最大の車輪速
度を求め、その最大の車輪速度を4輪による推定車体速
度Vwo(n)すなわち第1推定車体速度とする。ここ
で、(n)あるいは後述の(n−1)は添字で、演算処
理サイクルが第n回目あるいは第n−1回目であること
を表わし、nは自然数である。次に、ステップ202に
おいては前記ステップ113で検出したマスタシリンダ
液圧Pmcに基づいて推定車体減速度αDWを演算す
る。
【0038】次に、ステップ203で推定車体速度の下
限値すなわち第2推定車体速度を演算する。ここでは、
前回の演算処理サイクル時の推定車体速度Vso(n-1)
から前記ステップ202の演算結果であるαDWと1演
算処理サイクルの時間tとの積を減じた値(つまり、V
so(n-1)−αDW・t)を演算値とする。次に、ステ
ップ204において、ステップ201で求めた今回の4
輪による推定車体速度すなわち第1推定車体速度Vwo
(n)と、ステップ203で求めた推定車体速度の下限値
すなわち第2推定車体速度Vso(n-1)−αDW・tと
の大小比較を行い、第1推定車体速度Vwo(n)が第2
推定車体速度Vso(n-1)−αDW・tより大きければ
ステップ205に進み、その第1推定車体速度Vwo
(n)を今回の演算処理サイクルの推定車体速度Vsoと
する。すなわち、Vso=Vwo(n)とする。一方、ス
テップ204での比較結果として、第1推定車体速度V
wo(n )が第2推定車体速度Vso(n-1)−αDW・tよ
り小さいか等しければステップ206に進み、その第2
推定車体速度Vso(n-1)−αDW・tを今回の演算処
理サイクルの推定車体速度Vsoとする。すなわち、V
so=Vso(n-1)−αDW・tとしている。
【0039】やがて、車両の正常走行中においてブレー
キペダル16が踏まれ、ステップ105において、前回
目(例えば第n−1回目、nは自然数である)の演算処
理サイクルにおけるステップ113で検出したマスタシ
リンダ液圧Pmcに基づいてEBD制御の開始条件が成
立した(つまり、マスタシリンダ液圧Pmcは基準値P
0以上である。Pmc≧P0)と判断されると、ステッ
プ106へ進む。
【0040】ステップ106において、前記車輪加速度
DVwが所定のしきい値以上であるかどうか、車輪速度
Vwと推定車体速度Vsoとに基づいて求められるスリ
ップ率が所定のしきい値以上であるかどうかによって車
輪毎に各ホイールシリンダ12a〜12dに対する制御
モードの選択を行う。つまり、その時の各車輪FL,F
R,RL,RRの車輪加速度DVw及び車輪速度Vwに
よって、個々車輪FL,FR,RL,RRのホイールシ
リンダ12a〜12dに対する制御モードを選択するよ
うになる。しかも、選択された個々車輪FL,FR,R
L,RRの制御モードに基づいて各車輪FL,FR,R
L,RRのホイールシリンダ12a〜12dに対して減
圧、パルス増圧又は保持の出力処理の行う。
【0041】例えば、右前輪FRの車輪加速度DVw及
び車輪速度Vwによって右前輪FRの制御モードが減圧
モードに選択された場合、その後の制御処理が右前輪F
Rのホイールシリンダ12aに対して減圧出力させるよ
うに行う。同様に、右後輪RRの車輪加速度DVw及び
車輪速度Vwによって右後輪RRの制御モードがパルス
増圧モードに選択された場合、その後の制御処理が右後
輪RRのホイールシリンダ12cに対してパルス増圧出
力させるように行う。
【0042】そして、ステップ107において、ステッ
プ106で車輪毎に選択された制御モードが減圧モード
であるかどうかについて判断し、選択された制御モード
が減圧モードである場合には、ステップ108で減圧出
力処理を行う。また、減圧モードでない場合には、ステ
ップ109でパルス増圧モードであるかどうかを判断
し、パルス増圧モードである場合には、ステップ110
においてパルス増圧出力処理を行い、パルス増圧モード
でない場合には、ステップ111でパルス保持出力処理
を行う。
【0043】図5はEBD制御の推移を示すグラフであ
る。図5に示すように、時刻t0(Pmc=P0であっ
て、EBD制御開始時刻)以降において前輪FL,FR
のホイールシリンダ12a,12bにかかる前輪ブレー
キ液圧Pwc(z)を続けて増圧させる(Pwc(z)=Pm
c)に対し、後輪RL,RRのホイールシリンダ12
c,12dにかかる後輪ブレーキ液圧Pwc(kj)は、後
輪RL,RRのホイールシリンダ12c,12dにかか
るブレーキ液圧の理想値Pwc(kr)に近づくようにパル
ス増圧されている。
【0044】そして、ステップ108,ステップ110
又はステップ111での処理が終わったらステップ11
2へ進む。ステップ112では、4つの車輪FL,F
R,RL,RRに対してすべての処理を完了したかどう
かを判断する。なお、ここで言う処理は、4つの車輪F
L,FR,RL,RRに対する減圧、増圧、保持等の出
力処理である。そして、ステップ112以降の処理は上
記で説明したとおりに行う。
【0045】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、液圧検出センサ32,33にて
検出したマスタシリンダ液圧Pmcが基準値P0以上に
なった時点で、各車輪FL,FR,RL,RRに対する
EBD制御を開始させるようにした。
【0046】従って、加速度センサにて検出した車体減
速度に基づいてEBD制御の開始条件を判断した従来技
術に比べて、路面の傾斜による影響を受けず、EBD制
御の早期制御開始又は制御開始遅れといった不都合を防
止することができる。その結果、ブレーキ液圧制御装置
10によるEBD制御を好適に開始することができる。
【0047】(2)本実施形態では、予め定めた基準値
P0は、理想的な前後輪制動力配分線と実際の前後輪制
動力配分線とのクロス点における前輪制動力に相当する
マスタシリンダ液圧Pmcである。
【0048】従って、基準値P0は車両走行中の他のパ
ラメータに影響されず常に一定となるため、ブレーキ液
圧制御装置10によるEBD制御を簡単且つ確実に行う
ことができる。
【0049】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。 ○上記実施形態では、液圧検出センサ32,33にて検
出したマスタシリンダ液圧Pmcが基準値P0以上にな
った時点で、各車輪FL,FR,RL,RRに対するE
BD制御を開始させるようにしたが、マスタシリンダ1
1a(又はブレーキペダル16)にストロークセンサ
(図示せず)を設ける。そして、そのストロークセンサ
の検出値が予め設定した所定値以上になったかどうかを
各車輪FL,FR,RL,RRに対するEBD制御の開
始条件にして実施してもよい。この場合、上記実施形態
の(1)〜(3)の効果と同様な効果を得ることができ
る。
【0050】○上記実施形態では、ステップ113にお
いて、EBD制御開始判定のためのマスタシリンダ液圧
Pmcを求めたが、これに限定されるものではなく、例
えばステップ104とステップ105の間でマスタシリ
ンダ液圧Pmcを求めて実施してもよい。
【0051】次に、以上の実施形態及び別例から把握す
ることができる請求項以外の技術的思想を、その効果と
ともに以下に記載する。 (イ)車両の制動時に、各前後輪に対して設けたホイー
ルシリンダへのブレーキ液の供給をそれぞれ制御し前輪
の制動力と後輪の制動力との配分を調整して前輪と後輪
の車輪速度差をなくすように車両を制動するようにした
制動力配分制御の開始方法において、ブレーキペダルに
基づいて液圧を供給する液圧発生装置にストロークセン
サを設け、該ストロークセンサの検出値が予め設定した
所定値以上になったときに制動力配分制御を開始させる
ようにしたことを特徴とする制動力配分制御の開始方
法。
【0052】従って、制動力配分制御を好適に開始する
ことができる。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、制動力配分制御を好適に開始することが
できる。
【0054】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、制動力配分制御を簡単且
つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ液圧制御装置の全体構成
図。
【図2】図1の電子制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】制動力配分制御の概要を示すフローチャート。
【図4】図3に示される推定車体速度演算の詳細を示す
フローチャート。
【図5】制動力配分制御における前後輪のホイールシリ
ンダ液圧の関係を示すグラフ。
【図6】車輪の前後輪制動力配分線図。
【符号の説明】
10…ブレーキ液圧制御装置、11…液圧発生装置、1
1a…液圧発生装置を構成するマスタシリンダ、12a
〜12d…ホイールシリンダ、13…液圧制御装置とし
てのアクチュエータ、14…電子制御装置、31a〜3
1d…車輪速度センサ、32,33…液圧検出センサ。
フロントページの続き Fターム(参考) 3D045 BB37 CC02 EE06 EE21 GG28 3D046 BB26 BB31 BB32 CC02 DD02 EE01 FF09 HH16 HH26 HH36 JJ01 JJ11 JJ16 JJ21 KK12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の制動時に、前輪に対すると後輪の
    微小スリップの発生に基づいて各前後輪に対して設けた
    ホイールシリンダへのブレーキ液の供給を液圧制御装置
    を介して前輪の制動力と後輪の制動力とを配分調整して
    その後輪の制動力の増大を抑制するようにした車両の制
    動力配分制御方法において、 ブレーキペダルの操作に基づいて作動する液圧発生装置
    の発生液圧が予め定めた基準値以上になったときには、
    制動力配分制御を開始するようにしたことを特徴とする
    制動力配分制御の開始方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の制動力配分制御の開始
    方法において、 前記予め定めた基準値は、理想的な前後輪制動力配分線
    と実際の前後輪制動力配分線とのクロス点における前輪
    制動力に相当する液圧発生装置の発生液圧であることを
    特徴とする制動力配分制御の開始方法。
JP2000074458A 2000-03-16 2000-03-16 制動力配分制御の開始方法 Expired - Fee Related JP4453152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000074458A JP4453152B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 制動力配分制御の開始方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000074458A JP4453152B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 制動力配分制御の開始方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001260854A true JP2001260854A (ja) 2001-09-26
JP4453152B2 JP4453152B2 (ja) 2010-04-21

Family

ID=18592505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000074458A Expired - Fee Related JP4453152B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 制動力配分制御の開始方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4453152B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018154143A (ja) * 2017-03-15 2018-10-04 トヨタ自動車株式会社 四輪駆動車両の制御装置
CN108688632A (zh) * 2017-03-30 2018-10-23 丰田自动车株式会社 四轮驱动车辆的控制装置
WO2019181577A1 (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 株式会社アドヴィックス 車両の制動制御装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018154143A (ja) * 2017-03-15 2018-10-04 トヨタ自動車株式会社 四輪駆動車両の制御装置
CN108621787A (zh) * 2017-03-15 2018-10-09 丰田自动车株式会社 四轮驱动车辆的控制装置
US10807590B2 (en) 2017-03-15 2020-10-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for four-wheel drive vehicle
CN108621787B (zh) * 2017-03-15 2021-01-15 丰田自动车株式会社 四轮驱动车辆的控制装置
CN108688632A (zh) * 2017-03-30 2018-10-23 丰田自动车株式会社 四轮驱动车辆的控制装置
WO2019181577A1 (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 株式会社アドヴィックス 車両の制動制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4453152B2 (ja) 2010-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1134831A (ja) ブレーキ制御装置
US6334655B2 (en) Braking control apparatus for vehicles
JPH09286323A (ja) 制動圧力制御装置
JP4543484B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP2001260854A (ja) 制動力配分制御の開始方法
JP3522157B2 (ja) 車両の制動操作状態判定手段及び該制動操作状態判定手段を備えた前後制動力配分制御装置
JP4590676B2 (ja) 車両の制動力配分制御方法
JP4849139B2 (ja) 制動力配分制御装置
JPH11129884A (ja) アンチスキッド制御装置
JP2004196245A (ja) 車両用アンチロック制御装置
JP3114525B2 (ja) 車輌の挙動制御装置
JP4586228B2 (ja) 制動力配分制御の終了方法
US6685279B2 (en) Brake control system
JPH11208434A (ja) 車両の制動制御装置
WO1996009947A1 (fr) Dispositif de freinage anti-blocage
JP4560850B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP4449117B2 (ja) 制動力配分制御装置
JP3913992B2 (ja) 自動二輪車のアンチロックブレーキ制御方法
JPH11208433A (ja) 車両の制動制御装置
JPH11129883A (ja) アンチスキッド制御装置
JPH1076929A (ja) アンチスキッド制御装置
JP4421854B2 (ja) 車両のアンチロックブレーキ制御装置
KR100247263B1 (ko) 차륜 속도 센서의 실패에 대하여 채택되는 차량의 안정성 제어 장치
JP3275373B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH08310375A (ja) アンチスキッド制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070222

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080603

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100112

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100125

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140212

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees