JP2001260806A - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

車両の乗員保護装置

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JP2001260806A
JP2001260806A JP2000080869A JP2000080869A JP2001260806A JP 2001260806 A JP2001260806 A JP 2001260806A JP 2000080869 A JP2000080869 A JP 2000080869A JP 2000080869 A JP2000080869 A JP 2000080869A JP 2001260806 A JP2001260806 A JP 2001260806A
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浩行 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の乗員拘束装置を備えた車両が横転する
際に、前記複数の乗員拘束装置に最適の乗員拘束性能を
発揮させる。 【解決手段】 車両のロール角θおよびロール角速度ω
をパラメータとする二次元マップ上に敷居値ラインSを
設定し、車両の実際のロール角θおよびロール角速度ω
の履歴ラインが前記敷居値ラインSを原点側の非横転領
域から反原点側の横転領域に横切ったときに車両が横転
する可能性が有ると判定する。ロール角速度ωの絶対値
|ω|が大きい状態での急激な横転時にはエアカーテン
およびシートベルトプリテンショナーの両方を作動さ
せ、ロール角速度ωの絶対値|ω|が小さい状態でのゆ
っくりとした横転時にはエアカーテンを不作動にしてシ
ートベルトプリテンショナーだけを作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のロール角お
よびロール角速度に基づいて該車両が横転する可能性の
有無を判定し、横転可能性が有ると判定されたときに乗
員拘束手段を作動させる車両の乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のロール角およびロール角速度をパ
ラメータとする二次元マップ上で、ロール角およびロー
ル角速度が大きいところ(原点から離れた領域)に横転
領域を設定するとともに、ロール角およびロール角速度
が小さいところ(原点を含む領域)に非横転領域を設定
し、センサで検出した実際のロール角およびロール角速
度をマップ上にプロットした履歴ラインが前記非横転領
域から前記横転領域に入ったとき、車両が横転する可能
性が有ると判定してアクティブロールバーを起立させる
ものが、特開平7−164985号公報により公知であ
る。
【0003】またシートベルトプリテンショナーを備え
たシートベルト装置と、エアバッグ装置とを備えた車両
の乗員保護装置において、車速の大小および車両の横転
に応じて出力される4つの敷居値信号に基づいて、前記
シートベルト装置およびエアバッグ装置の作動を選択的
に制御するものが、特公平7−112801号公報によ
り公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両が小さ
いロール角速度でゆっくりと横転する場合には、乗員は
重力でドアガラス側に移動し、逆に車両が大きいロール
角速度で急激に横転する場合には、乗員は慣性で車室側
に取り残されてドアガラスとの距離が増加する。乗員拘
束装置の効果は乗員がドアガラスに接近した位置にある
か否かによって差異が生じるため、複数の乗員拘束装置
を備えた車両では、車両が横転する際のロール角速度に
応じて前記複数の乗員拘束装置の作動を的確に制御し、
最適の乗員拘束性能を発揮させる必要がある。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、複数の乗員拘束装置を備えた車両が横転する際に、
前記複数の乗員拘束装置に最適の乗員拘束性能を発揮さ
せることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、車両のロール
角およびロール角速度をパラメータとする二次元マップ
上に敷居値ラインを設定し、車両の実際のロール角およ
びロール角速度の履歴ラインが前記敷居値ラインの原点
側の非横転領域から反原点側の横転領域に横切ったとき
に車両が横転する可能性が有ると判定して複数の乗員拘
束手段を作動させ得る車両の乗員保護装置であって、車
両が横転する可能性が有ると判定されたときのロール角
速度に応じて前記複数の乗員拘束手段を選択的に作動さ
せることを特徴とする車両の乗員保護装置が提案され
る。
【0007】上記構成によれば、車両が小さいロール角
速度でゆっくりと横転して乗員がドアガラスに接近する
場合と、車両が大きいロール角速度で急激に横転して乗
員ガドアガラスから離れる場合とで、複数の乗員拘束手
段の作動および不作動を切り換えて最適の乗員拘束性能
を発揮させることができる。
【0008】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記複数の乗員拘束手段は、
シートベルトプリテンショナーおよびエアカーテンであ
り、ロール角速度が小さい領域ではシートベルトプリテ
ンショナーおよびエアカーテンのうちのシートベルトプ
リテンショナーを作動させ、ロール角速度が大きい領域
ではシートベルトプリテンショナーおよびエアカーテン
の両方を作動させることを特徴とする車両の乗員保護装
置が提案される。
【0009】上記構成によれば、ロール角速度が小さい
ために車両がゆっくりと横転して乗員がドアガラスに接
近する場合には、ドアガラスに沿って展開するエアカー
テンが作動しないので該エアカーテンが乗員と干渉する
のを防止することができ、しかも車両がゆっくりと横転
するのでシートベルトプリテンショナーで乗員を充分に
拘束することができる。またロール角速度が大きいため
に車両が急激に横転して乗員がドアガラスから離れる場
合には、乗員と干渉することなくエアカーテンを作動さ
せ、かつシートベルトプリテンショナーを作動させるこ
とにより、エアカーテンおよびシートベルトプリテンシ
ョナーの両方によって乗員を確実に拘束することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】図1〜図9は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は車両の横転の種類を示す図、図2はロール角
θおよびロール角速度ωと車両の横転可能性との関係を
説明する図、図3は車両の横転可能性の有無を判定する
ためのマップ、図4はシートベルトプリテンショナーお
よびエアカーテンの制御系のブロック図、図5は横加速
度Gyからロール角θの初期値θiを算出する手法の説
明図、図6は履歴ラインが横転領域にあるか非横転領域
にあるかを判定する手法を示す図、図7は作用を説明す
るフローチャート、図8はエアカーテンの作動領域およ
び不作動領域を示すマップ、図9は車両のロール角速度
ωと乗員の挙動との関係を示す図である。
【0012】図1は車両の横転の種類を原因別に分類し
て示すものである。車両の横転の種類は、横転に至る過
程における車両挙動に応じて「単純回転」、「単純回転
+横滑り速度」および「発散」に分類され、「単純回
転」型の横転は、更に「フリップオーバー」、「クライ
ムオーバー」および「フォールオーバー」に細分類され
る。「単純回転+横滑り速度」型の横転の代表的なもの
は「トリップオーバー」と呼ばれ、また「発散」型の横
転の代表的なものは「ターンオーバー」と呼ばれる。
【0013】「フリップオーバー」は、車両の左右一方
の車輪が障害物に乗り上げて発生する横転である。「ク
ライムオーバー」は、底部を障害物に乗り上げてタイヤ
が路面から浮き上がった車両が側方に倒れて発生する横
転である。「フォールオーバー」は、車両の左右一方の
車輪が路肩を踏み外して落下する横転である。「トリッ
プオーバー」は、車両が横滑りして左右一方のタイヤが
縁石等に衝突したときに、この縁石を支点とするロール
モーメントにより発生する横転である。「ターンオーバ
ー」は、ダブルレーンチェンジやトリプルレーンチェン
ジを行うべく、あるいはS字路を通過すべくステアリン
グホイールを左右に交互に操作したような場合に、その
ステアリングホイールの操作の周波数が車両のサスペン
ションの固有振動の周波数に接近していると、車両のロ
ール角が共振により発散して発生する横転である。
【0014】図2は車両の横転可能性を判定するための
二次元マップの一部(第1象限)を示すもので、縦軸の
ロール角θは正値(原点の上側)が右ロール角に対応
し、横軸のロール角速度ωは正値(原点の右側)が右ロ
ール角速度に対応する。この二次元マップには右下がり
の直線よりなる敷居値ラインSが設定されており、敷居
値ラインSの原点側、つまりロール角θおよびロール角
速度ωが小さい領域が非横転領域とされ、敷居値ライン
Sの反原点側、つまりロール角θおよびロール角速度ω
が大きい領域が横転領域とされる。そして車両の実際の
ロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラインH1〜H
3が敷居値ラインSを原点側の非横転領域から反原点側
の横転領域に横切ると、車両の横転可能性が有ると判定
される。
【0015】履歴ラインH1は、ロール角θおよびロー
ル角速度ωが共に0の状態(原点)から、ロール角速度
ωをほぼ0に保持したままロール角θだけをゆっくりと
増加させた場合であり、敷居値ラインSが縦軸と交わる
切片であるa点においてロール角θが臨界ロール角θC
RTに達したときに車両の横転可能性が有ると判定され
る。このときローリングの支点となるロール方向外側の
タイヤを通る鉛直線上に車両の重心位置CGがあり、こ
の状態が車両の横転についての静的な安定限界となる。
臨界ロール角θCRTの値は車両の形状や積載状態によ
って異なるが、一般的に50°程度である。
【0016】尚、ロール角θが0であっても、大きいロ
ール角速度ωが作用していれば車両が横転する可能性が
ある。このときのロール角速度ωを臨界ロール角速度ω
CRTとする。
【0017】車両がロール角θの方向と同方向のロール
角速度ωを持つ場合には、このロール角速度ωによって
横転が助長されるため、ロール角θが臨界ロール角θC
RTより小さい状態であっても横転が発生することにな
る。例えば、ロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラ
インがH2で示される場合、履歴ラインH2が敷居値ラ
インSを原点側から反原点側に横切るb点において車両
の横転可能性が有ると判定される。このときのロール角
θは前記臨界ロール角θCRTよりも小さい値となる。
【0018】またロール角θおよびロール角速度ωの履
歴ラインがH3で示される場合には、正値のロール角速
度ωが速やかに増加から減少に転じ、更に負値へと移行
するために履歴ラインH3が敷居値ラインSを横切るこ
とがなく、従って車両の横転可能性が無いと判定され
る。
【0019】図3は車両の横転可能性を判定するための
二次元マップの全体を示すものである。2本の敷居値ラ
インS,Sは第1象限および第3象限に設定されてお
り、それらの敷居値ラインS,Sは初期状態において原
点を中心とする点対称である。ロール角θが正でロール
角速度ωが負である第2象限と、ロール角θが負でロー
ル角速度ωが正である第4象限とに横転領域が設定され
ていないのは、ロール角θの方向と逆方向のロール角速
度ωが発生している状態では車両の横転が発生しないか
らである。
【0020】図3には、図1で説明した種々の横転の種
類に対応するロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラ
インH4〜H8が示される。
【0021】履歴ラインH4は、「フリップオーバ
ー」、「クライムオーバー」、「フォールオーバー」等
の「単純回転」型の横転に対応するもので、ロール角θ
の絶対値およびロール角速度ωの絶対値が単純に増加し
て横転に至っている。
【0022】履歴ラインH5は、「トリップオーバー」
と呼ばれる「単純回転+横滑り速度」型の横転に対応す
るもので、車両が横滑りする過程でタイヤが縁石等に衝
突して発生するロールモーメントによりロール角速度ω
が急激に増加して横転に至っている。
【0023】履歴ラインH6,H7は、「ターンオーバ
ー」と呼ばれる「発散」型の横転に対応するものであ
る。履歴ラインH6はダブルレーンチェンジでの横転を
示すもので、最初のレーンチェンジで右にロールした車
両が次のレーンチェンジで左にロールする過程でロール
角θの絶対値が発散し、第3象限の敷居値ラインSを越
えて横転に至っている。履歴ラインH7はトリプルレー
ンチェンジでの横転を示すもので、最初のレーンチェン
ジで右にロールした車両が次のレーンチェンジで左にロ
ールし、続くレーンチェンジで再度右にロールする過程
でロール角θの絶対値が発散し、第1象限の敷居値ライ
ンSを越えて横転に至っている。
【0024】履歴ラインH8は、敷居値ラインSを越え
る前にロール角θが原点に向かって収束するので、この
場合には車両が横転に至ることはない。
【0025】図4は、車両の横転時に乗員拘束手段とし
ての公知のシートベルトプリテンショナー11およびエ
アカーテン12を作動させるための制御系の一例を示す
ものである。シートベルトプリテンショナー11はシー
トベルトのウエビングの張力を増加させて乗員を拘束す
るものであり、エアカーテン12はドアガラスの内面に
沿ってカーテン状のエアバッグを展開して乗員の頭部を
保護するものである。
【0026】車両の横転可能性の有無を判定すべく、電
子制御ユニットUには、車体左右方向の加速度である横
加速度Gyを検出する横加速度センサ15からの信号
と、車両のロール角速度ωを検出するロール角速度セン
サ16からの信号とが入力される。電子制御ユニットU
は、ロール角速度ωと、横加速度Gyおよびロール角速
度ωから算出した車両のロール角θとをパラメータとす
る前記マップに基づいて車両の横転可能性の有無を判定
するとともに、そのときのロール角速度ωの値に基づい
てシートベルトプリテンショナー11およびエアカーテ
ン12を作動を制御する。
【0027】図4および図5に示すように、車体に固定
した横加速度センサ15はイグニッションスイッチをO
Nしたときの横加速度Gyを出力する。イグニッション
スイッチをONしたとき車両は停止状態にあるため、車
両の旋回に伴う遠心力に起因する横加速度を検出するこ
となく、重力加速度G=1の車体左右方向の成分だけを
横加速度Gyとして検出する。従って、前記横加速度G
yを用いて、車両のロール角θの初期値θiを、θi=
sin -1Gyにより算出することができる。
【0028】以上のようにしてイグニッションスイッチ
をONしたときの横加速度センサ15の出力に基づいて
車両のロール角θの初期値θiが算出されると、この初
期値θiにロール角θの変動分を加算することにより車
両のロール角θが算出される。即ち、イグニッションス
イッチをONした時点から、ロール角速度センサ16が
出力するロール角速度ωの積分値∫ωdtをロール角θ
の変動分として前記初期値θiに加算することにより、
車両のロール角θが算出される。
【0029】横加速度センサ15は、車両の自由落下時
には横加速度Gyを検出できず、また車両の旋回に伴う
遠心力に起因する横加速度を、重力加速度Gの車体左右
方向の成分である横加速度Gyと識別できずに誤検出し
てしまうというデメリットを持つが、この横加速度セン
サ15が出力する横加速度Gyをイグニッションスイッ
チをONした時点での車両のロール角θの初期値θiの
算出にだけ使用し、その後の車両のロール角θの算出に
はロール角速度センサ16が出力するロール角速度ωの
積分値∫ωdtを使用することにより、上記デメリット
を解消して正確なロール角θを算出することができる。
【0030】而して、上述のようにして算出した車両の
ロール角θと、ロール角速度センサ16が出力するロー
ル角速度ωとが成す座標点の軌跡である履歴ラインを図
6に示すマップ上に描き、その履歴ラインが敷居値ライ
ンS,Sを原点側から反原点側に横切ったときに、車両
が横転する可能性が有ると判定される。
【0031】図8に示すように、敷居値ラインSは、エ
アカーテン不作動領域S1とエアカーテン作動領域S2
とに分離される。エアカーテン不作動領域S1はロール
角速度ωの絶対値|ω|が敷居値ωs未満の領域であっ
て、この領域では左右方向のロール角速度ωが小さいた
めに車両はゆっくりと横転する。一方、エアカーテン作
動領域S2はロール角速度ωの絶対値|ω|が敷居値ω
s以上の領域であって、この領域では左右方向のロール
角速度ωが大きいために車両は急激に横転する。車両の
履歴ラインがエアカーテン不作動領域S1を非横転領域
側から横転領域側に横切るとシートベルトプリテンショ
ナー11だけが作動してエアカーテン12は不作動にな
り、車両の履歴ラインがエアカーテン作動領域S2を非
横転領域側から横転領域側に横切るとシートベルトプリ
テンショナー11およびエアカーテン12の両方が作動
する。
【0032】尚、エアカーテン12が作動するか否かは
履歴ラインがエアカーテン不作動領域S1を横切るか、
エアカーテン作動領域S2を横切るかだけによって決ま
り、横切った後の履歴ラインの挙動には影響を受けな
い。例えば、図8にH9で示す履歴ラインの場合、その
履歴ラインH9は先ずエアカーテン不作動領域S1をp
点で横切るためにシートベルトプリテンショナー11が
作動する。その後、ロール角速度ωの増加により履歴ラ
インH9はq点で敷居値ωs以上になるが、この場合に
はエアカーテン12が作動することはない。
【0033】上記作用を、図6および図7に基づいて更
に説明する。
【0034】先ず、ステップS1で横加速度Gyおよび
ロール角速度ωを読み込み、ステップS2で横加速度G
yに応じてマップ上の敷居値ラインS,Sを確定する。
敷居値ラインS,Sは、マップの縦軸の切片である臨界
ロール角θCRTと横軸の切片である臨界ロール角速度
ωCRTとが決まれば確定する。本実施例では横加速度
Gyによって車両の横転が助長されるときには、臨界ロ
ール角θCRTおよび臨界ロール角速度ωCRTが共に
減少して敷居値ラインS,Sが原点に近づく方向に移動
し、横加速度Gyによって車両の横転が抑制されるとき
には、臨界ロール角θCRTおよび臨界ロール角速度ω
CRTが共に増加して敷居値ラインS,Sが原点から遠
ざかる方向に移動する。これにより、車両の横加速度G
yに応じた適切な横転領域および非横転領域を設定する
ことができる。
【0035】尚、第1象限の敷居値ラインSが原点から
遠ざかる方向に移動するときには第3象限の敷居値ライ
ンSは原点に近づく方向に移動し、第1象限の敷居値ラ
インSが原点に近づく方向に移動するときには第3象限
の敷居値ラインSは原点から遠ざかる方向に移動する。
【0036】臨界ロール角θCRTおよび臨界ロール角
速度ωCRTが決まると、敷居値ラインS,Sの方程式
は、 θ=−(θCRT/ωCRT)ω±θCRT で与えられる(図3参照)。
【0037】続いて、現在のロール角θ1およびロール
角速度ω1の成す座標点Pが横転領域にあるか非横転領
域にあるかを判定する。即ち、ステップS3で、上記敷
居値ラインSの方程式のωに現在のロール角速度ω1の
値を代入して判定値θ2を算出する。判定値θ2は直線
ω=ω1と敷居値ラインSとの交点Qのθ座標である。
続くステップS4で、判定値θ2と現在のロール角θ1
とを比較し、|θ2|<|θ1|が成立していれば、ス
テップS5で現在のロール角θ1およびロール角速度ω
1の成す座標点Pが横転領域にあると判定される。図6
には、座標点Pが横転領域にある場合(|θ2|<|θ
1|)が示されている。
【0038】続くステップS6で、履歴ラインが敷居値
ラインS,Sを横切ったときのロール角速度ωの絶対値
|ω|が敷居値ωs以上であれば、ステップS7でエア
カーテン作動領域にあると判定してシートベルトプリテ
ンショナー11およびエアカーテン12の両方を作動さ
せる。また前記ステップS6で、履歴ラインが敷居値ラ
インS,Sを横切ったときのロール角速度ωの絶対値|
ω|が敷居値ωs未満であれば、ステップS8でエアカ
ーテン不作動領域にあると判定してシートベルトプリテ
ンショナー11だけを作動させてエアカーテン12を不
作動とする。
【0039】また前記ステップS4で、|θ2|<|θ
1|が成立しなければ、ステップS9で現在のロール角
θ1およびロール角速度ω1の成す座標点Pが非横転領
域にあると判定し、シートベルトプリテンショナー11
およびエアカーテン12の両方を不作動とする。
【0040】図9(A)に示すように、ロール角速度ω
の絶対値|ω|が小さいために車両がゆっくりと横転す
る場合には、乗員が重力でドアガラスに接近するため、
エアカーテン12を展開すると乗員と干渉する虞がある
が、エアカーテン12を不作動とすることにより上記問
題を解消することができる。このとき作動する乗員拘束
手段はシートベルトプリテンショナー11だけである
が、車両がゆっくりと横転するためにシートベルトプリ
テンショナー11だけで充分な拘束力を確保することが
できる。
【0041】また図9(B)に示すように、ロール角速
度ωの絶対値|ω|が大きいために車両が急激に横転す
る場合には、乗員が慣性で元の位置に取り残されるため
にドアガラスとの距離が一時的に増加する。従って、エ
アカーテン12を展開しても乗員と干渉する虞はなく、
エアカーテン12およびシートベルトプリテンショナー
11の両方の作動により急激な横転に耐えるだけの充分
な拘束力を確保することができる。
【0042】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0043】例えば、請求項1に記載された発明の乗員
拘束手段は実施例のシートベルトプリテンショナー11
およびエアカーテン12に限定されるものでなく、ステ
アリングホイール、ダッシュボード、シート等に設けら
れたエアバッグ装置や、シートベルトのウエビングが膨
張するエアベルト装置等を含むものとする。また請求項
2に記載された発明におけるエアカーテンには、ドアガ
ラスの内面に沿って円筒状のバッグを展開する、所謂イ
ンフレータブルチューブも含まれるものとする。また車
両のロール角θの初期値θiを、重力加速度Gの車体上
下方向の成分である上下加速度Gzを用いて、θi=co
s -1Gzにより算出することができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、車両が小さいロール角速度でゆっくりと横転
して乗員がドアガラスに接近する場合と、車両が大きい
ロール角速度で急激に横転して乗員ガドアガラスから離
れる場合とで、複数の乗員拘束手段の作動および不作動
を切り換えて最適の乗員拘束性能を発揮させることがで
きる。
【0045】また請求項2に記載された発明によれば、
ロール角速度が小さいために車両がゆっくりと横転して
乗員がドアガラスに接近する場合には、ドアガラスに沿
って展開するエアカーテンが作動しないので該エアカー
テンが乗員と干渉するのを防止することができ、しかも
車両がゆっくりと横転するのでシートベルトプリテンシ
ョナーで乗員を充分に拘束することができる。またロー
ル角速度が大きいために車両が急激に横転して乗員がド
アガラスから離れる場合には、乗員と干渉することなく
エアカーテンを作動させ、かつシートベルトプリテンシ
ョナーを作動させることにより、エアカーテンおよびシ
ートベルトプリテンショナーの両方によって乗員を確実
に拘束することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の横転の種類を示す図
【図2】ロール角θおよびロール角速度ωと車両の横転
可能性との関係を説明する図
【図3】車両の横転可能性の有無を判定するためのマッ
【図4】シートベルトプリテンショナーおよびエアカー
テンの制御系のブロック図
【図5】横加速度度Gyからロール角θの初期値θiを
算出する手法の説明図
【図6】履歴ラインが横転領域にあるか非横転領域にあ
るかを判定する手法を示す図
【図7】作用を説明するフローチャート
【図8】エアカーテンの作動領域および不作動領域を示
すマップ
【図9】車両のロール角速度ωと乗員の挙動との関係を
示す図
【符号の説明】
S 敷居値ライン θ ロール角 ω ロール角速度 11 シートベルトプリテンショナー(乗員拘束
手段) 12 エアカーテン(乗員拘束手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高畠 理 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D018 MA00 3D054 AA07 CC50 EE09 EE36 FF20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のロール角(θ)およびロール角速
    度(ω)をパラメータとする二次元マップ上に敷居値ラ
    イン(S)を設定し、車両の実際のロール角(θ)およ
    びロール角速度(ω)の履歴ラインが前記敷居値ライン
    (S)の原点側の非横転領域から反原点側の横転領域に
    横切ったときに車両が横転する可能性が有ると判定して
    複数の乗員拘束手段を作動させ得る車両の乗員保護装置
    であって、 車両が横転する可能性が有ると判定されたときのロール
    角速度(ω)に応じて前記複数の乗員拘束手段を選択的
    に作動させることを特徴とする車両の乗員保護装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の乗員拘束手段は、シートベル
    トプリテンショナー(11)およびエアカーテン(1
    2)であり、ロール角速度(ω)が小さい領域ではシー
    トベルトプリテンショナー(11)およびエアカーテン
    (12)のうちのシートベルトプリテンショナー(1
    1)を作動させ、ロール角速度(ω)が大きい領域では
    シートベルトプリテンショナー(11)およびエアカー
    テン(12)の両方を作動させることを特徴とする、請
    求項1に記載の車両の乗員保護装置。
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