JP2001256884A - 冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置及びその製造方法 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置及びその製造方法

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JP2001256884A
JP2001256884A JP2000067643A JP2000067643A JP2001256884A JP 2001256884 A JP2001256884 A JP 2001256884A JP 2000067643 A JP2000067643 A JP 2000067643A JP 2000067643 A JP2000067643 A JP 2000067643A JP 2001256884 A JP2001256884 A JP 2001256884A
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Masakazu Muroyama
雅和 室山
Ichiro Saito
一郎 齋藤
Koji Inoue
浩司 井上
Tatsuya Okawa
竜也 大川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡素な構造を有し、しかも、効率良く、且つ、
安定して電子放出領域から電子を放出させ得る冷陰極電
界電子放出素子を提供する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子は、(a)支持体
11上に形成された電子放出領域10、(b)支持体1
1上に形成されたゲート電極支持部13、及び、(c)
ゲート電極支持部13によって支持され、電子放出領域
10の上方に配設された複数の孔部16を有するゲート
電極15から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出素子及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出
表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器に用
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置へ
の移行が検討されている。このような平面型の表示装置
として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッ
センス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィール
ドエミッションディスプレイ)を例示することができ
る。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表
示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジ
ョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課
題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表
示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づ
き固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極
電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合があ
る)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注
目を集めている。
【0003】図37に、電界放出素子を利用した冷陰極
電界電子放出表示装置(以下、表示装置と呼ぶ場合があ
る)の構成例を示す。図示した電界放出素子は、円錐形
の電子放出部を有する、所謂スピント(Spindt)
型電界放出素子と呼ばれるタイプの電界放出素子であ
る。この電界放出素子は、支持体311上に形成された
カソード電極層312と、支持体311及びカソード電
極層312上に形成された絶縁層313と、絶縁層31
3上に形成されたゲート電極315と、ゲート電極31
5及び絶縁層313に設けられた開口部317と、開口
部317の底部に位置するカソード電極層312上に形
成された円錐形の電子放出部300から構成されてい
る。尚、1つの電子放出部300に対応して、1つの開
口部317が設けられている。一般に、カソード電極層
312とゲート電極315とは、これらの両電極の射影
像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成され
ており、これらの両電極の射影像が重複する部分に相当
する領域(1画素分の領域に相当する。この領域を、以
下、重複領域と呼ぶ)に、通常、複数の電界放出素子が
配列されている。更に、かかる重複領域が、カソードパ
ネルCPの有効領域(実際の表示画面として機能する領
域)内に、通常、2次元マトリクス状に配列されてい
る。
【0004】一方、アノードパネルAPは、透明基板2
0と、基板20上に所定のパターンに従って形成された
蛍光体層21と、基板20及び蛍光体層21上に形成さ
れたアノード電極23から構成されている。1画素は、
カソードパネルCP側のカソード電極層312とゲート
電極315との重複領域に所定数配列された電界放出素
子の一群と、これらの電界放出素子の一群に対面したア
ノードパネルAP側の蛍光体層21によって構成されて
いる。有効領域には、かかる画素が、例えば数十万〜数
百万個ものオーダーにて配列されている。
【0005】アノードパネルAPとカソードパネルCP
とを、電界放出素子と蛍光体層21とが対向するように
配置し、周縁部において枠体(図示せず)を介して接合
した後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠
体とによって囲まれた空間を真空にすることによって、
表示装置を作製する。
【0006】表示装置の作動においては、相対的な負電
圧を走査回路(図示せず)からカソード電極層312に
印加し、相対的に正電圧を制御回路(図示せず)からゲ
ート電極315に印加し、ゲート電極315よりも更に
高い正電圧を加速電源(図示せず)からアノード電極2
3に印加する。かかる表示装置において表示を行う場
合、例えば、カソード電極層312に走査回路から走査
信号を入力し、ゲート電極315に制御回路からビデオ
信号を入力する。カソード電極層312とゲート電極3
15との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量
子トンネル効果に基づき電子放出部300から電子が放
出され、この電子がアノード電極23に引き付けられ、
蛍光体層21に衝突する。その結果、蛍光体層21が励
起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つま
り、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極31
5に印加される電圧、及びカソード電極層312を通じ
て電子放出部300に印加される電圧によって制御され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる表示装置の構成
において、低い駆動電圧で大きな放出電子電流を得るた
めには、電子放出部の先端部を鋭く尖らせることが有効
であり、この観点から、上述のスピント型電界放出素子
の電子放出部300は優れた性能を有していると云え
る。しかしながら、円錐形の電子放出部300の形成に
は高度な加工技術を要し、場合によっては数千万個以上
にも及ぶ電子放出部300を有効領域の全域に亙って均
一に形成することは、有効領域の面積が増大するにつれ
て困難となりつつある。
【0008】また、ゲート電極315が電子放出部30
0の上端の周囲に配置された構造を有しているので、即
ち、ゲート電極315に設けられた1つの開口部317
に1つの電子放出部300が対応した構造を有している
ので、Z軸(アノードパネルAPに向かう方向)に沿っ
て高強度の電界が得られ難く、効率良く電子放出部30
0から電子を放出させることが困難である。
【0009】図38に模式的な一部断面図を示すよう
な、所謂平面型の電界放出素子も公知である。この電界
放出素子は、支持体311上に形成されたストライプ状
のカソード電極層312と、支持体311及びカソード
電極層312上に形成された絶縁層313と、絶縁層3
13上に形成されたゲート電極315と、ゲート電極3
15及び絶縁層313を貫通した開口部317から構成
され、開口部317の底部に露出したカソード電極層3
12から電子が放出される。即ち、開口部317の底部
に露出したカソード電極層312の表面が電子放出部3
01に相当する。従来の平面型の電界放出素子も、ゲー
ト電極315に設けられた1つの開口部317に1つの
電子放出部301が対応した構造を有しているので、電
子放出部301であるカソード電極層312の露出表面
全体に亙って電界強度を高くすることが難しく、効率良
く電子放出部301から電子を放出させることが困難で
ある。
【0010】更には、カソード電極層312とゲート電
極315との間には、例えば、比誘電率が約4のSiO
2から成る絶縁層313が形成されているので、カソー
ド電極層312とゲート電極315との間に大きな配線
容量(浮遊容量)が存在し、かかる配線容量が、駆動信
号の遅延を引き起こしたり、表示装置における電気回
路、制御回路の負担を増加させるといった問題もある。
【0011】従って、本発明の第1の目的は、簡素な構
造を有し、しかも、効率良く、且つ、安定して電子放出
領域から電子を放出させることができ、表示装置の製造
歩留りの低下や製造コストの上昇を招くことにない冷陰
極電界電子放出素子、及び、かかる冷陰極電界電子放出
素子を組み込んだ冷陰極電界電子放出表示装置、並び
に、簡素化され、大きなプロセスマージンを有する製造
プロセスにより、簡素な構造を有し、しかも、効率良
く、且つ、安定して電子放出領域から電子を放出させる
ことができ、表示装置の製造歩留りの低下や製造コスト
の上昇を招くことにない冷陰極電界電子放出素子あるい
は冷陰極電界電子放出表示装置を製造することを可能と
する方法を提供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、配線容量に
よって駆動信号の遅延が引き起こされることの少ない電
子放出領域を有する冷陰極電界電子放出素子、及び、か
かる冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ冷陰極電界電
子放出表示装置、並びに、これらの製造方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の冷陰極電界電子放出素子は、(a)
支持体上に形成された電子放出領域、(b)支持体上に
形成されたゲート電極支持部、及び、(c)ゲート電極
支持部によって支持され、電子放出領域の上方に配設さ
れた複数の孔部を有するゲート電極、から成ることを特
徴とする。
【0014】上記の第1の目的を達成するための本発明
の冷陰極電界電子放出表示装置は、本発明の冷陰極電界
電子放出素子が組み込まれた冷陰極電界電子放出表示装
置である。即ち、本発明の冷陰極電界電子放出表示装置
は、複数の画素から構成され、各画素は、冷陰極電界電
子放出素子と、冷陰極電界電子放出素子に対向して基板
上に設けられたアノード電極及び蛍光体層から構成さ
れ、冷陰極電界電子放出素子は、(a)支持体上に形成
された電子放出領域、(b)支持体上に形成されたゲー
ト電極支持部、及び、(c)ゲート電極支持部によって
支持され、電子放出領域の上方に配設された複数の孔部
を有するゲート電極、を備えていることを特徴とする。
【0015】本発明の冷陰極電界電子放出素子あるいは
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、1つの電子放
出領域の上方に複数の孔部を有するゲート電極が配設さ
れているので、電子放出領域近傍に高強度の電界を形成
することが可能となり、簡素な構造を有するにも拘わら
ず、効率良く、且つ、安定して電子放出領域から電子を
放出させることが可能となる。
【0016】本発明の冷陰極電界電子放出素子にあって
は、カソード電極層それ自体から電子を放出させる形態
とすることができる。即ち、 電子放出領域は、第1の方向に延びたストライプ状
のカソード電極層から構成され、 ゲート電極は、第1の方向とは異なる第2の方向に
延びたストライプ状の導電材料層若しくは導電材料箔か
ら構成され、 カソード電極層の射影像と導電材料層若しくは導電
材料箔の射影像の重複する重複領域に対応するカソード
電極層若しくは導電材料箔の部分の表面が、電子放出領
域に相当し、 該重複領域に対応する導電材料層若しくは導電材料
箔の部分が、ゲート電極に相当する形態とすることがで
きる。尚、係る形態を便宜上、本発明の第1の形態に係
る冷陰極電界電子放出素子と呼ぶ。本発明の第1の形態
に係る冷陰極電界電子放出素子を、本発明の冷陰極電界
電子放出表示装置に適用することができる。
【0017】本発明の第1の形態に係る冷陰極電界電子
放出素子、あるいは、かかる冷陰極電界電子放出素子を
組み込んだ本発明の冷陰極電界電子放出表示装置におい
ては、ゲート電極支持部は絶縁層から成り、絶縁層に設
けられた開口部の上方に複数の孔部を有するゲート電極
が位置し、開口部の底部に電子放出領域が位置する構成
とすることができる。あるいは又、ゲート電極支持部
は、カソード電極層と平行に延びる隔壁から成る構成と
することができる。これらの構成にすることによって、
即ち、1つの電子放出領域に対応して1つの開口部(あ
るいは隔壁で挟まれた空間)と複数の孔部を設けること
によって、ゲート電極の下方には、従来の冷陰極電界電
子放出素子や冷陰極電界電子放出表示装置よりも大きな
空間が形成され、重複領域において、空間を占める誘電
体材料(絶縁層)の割合が少なくなり、あるいは、ゲー
ト電極の下方を誘電体材料が占めることが無くなるの
で、配線容量の低減を図ることができ、上記の第2の目
的を達成することが可能となる。
【0018】あるいは又、本発明の冷陰極電界電子放出
素子にあっては、カソード電極層上に設けられた電子放
出部から電子を放出させる形態とすることもできる。即
ち、 電子放出領域は、第1の方向に延びたストライプ状
のカソード電極層上に形成された電子放出部から構成さ
れ、 ゲート電極は、第1の方向とは異なる第2の方向に
延びたストライプ状の導電材料層若しくは導電材料箔か
ら構成され、 カソード電極層の射影像と導電材料層若しくは導電
材料箔の射影像の重複する重複領域に対応するカソード
電極層の部分の表面に、電子放出部が設けられており、 該重複領域に対応する導電材料層若しくは導電材料
箔の部分が、ゲート電極に相当する形態とすることがで
きる。尚、係る形態を便宜上、本発明の第2の形態に係
る冷陰極電界電子放出素子と呼ぶ。本発明の第2の形態
に係る冷陰極電界電子放出素子を、本発明の冷陰極電界
電子放出表示装置に適用することができる。
【0019】本発明の第2の形態に係る冷陰極電界電子
放出素子、あるいは、かかる冷陰極電界電子放出素子を
組み込んだ本発明の冷陰極電界電子放出表示装置におい
ても、ゲート電極支持部は絶縁層から成り、絶縁層に設
けられた開口部の上方に複数の孔部を有するゲート電極
が位置し、開口部の底部に電子放出領域が位置する構成
とすることができる。この場合、開口部の底部に位置す
る電子放出領域は、1又は複数の電子放出部から構成さ
れている構成とすることができる。あるいは又、ゲート
電極支持部は、カソード電極層と平行に延びる隔壁から
成る構成とすることができる。これらの構成にすること
によって、即ち、1つの電子放出領域に対応して1つの
開口部(あるいは隔壁で挟まれた空間)と複数の孔部を
設けることによって、重複領域において、ゲート電極の
下方には、従来の冷陰極電界電子放出素子や冷陰極電界
電子放出表示装置よりも大きな空間が形成され、空間を
占める誘電体材料(絶縁層)の割合が少なくなり、ある
いは、ゲート電極の下方を誘電体材料が占めることが無
くなるので、配線容量の低減を図ることができ、上記の
第2の目的を達成することが可能となる。ここで、開口
部の底部に位置する電子放出領域が複数の電子放出部か
ら構成されている場合、電子放出部はゲート電極に設け
られた孔部の真下に位置してもよいし、真下に位置する
ものと真下に位置しないものとが混在していてもよい
し、真下に位置していなくともよい。孔部の大きさと電
子放出部の大きさとは、等しくも、等しくなくともよ
い。電子放出部は、開口部の底部に位置すればよく、開
口部の底部の一部を示占めていても、全てを占めていて
もよいし、重複領域以外の領域に位置するカソード電極
層の部分の表面に形成されていてもよい。
【0020】本発明の第2の形態に係る冷陰極電界電子
放出素子、あるいは、かかる冷陰極電界電子放出素子を
組み込んだ本発明の冷陰極電界電子放出表示装置におい
ては、冷陰極電界電子放出素子の動作安定化、電子放出
特性の均一化のために、カソード電極層と電子放出部と
の間に抵抗体層を設けてもよい。抵抗体層を構成する材
料として、シリコンカーバイド(SiC)といったカー
ボン系材料、SiN、SiCN、アモルファスシリコン
等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タ
ンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示する
ことができ、抵抗体層の形成方法として、スパッタ法
や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができ
る。抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好ましく
は数MΩのオーダーとすればよい。
【0021】本発明の冷陰極電界電子放出表示装置にお
いては、ゲート電極はストライプ状の導電材料箔から構
成され、ストライプ状の導電材料箔の両端部は、支持体
の周辺部に固定されている構成とすることもできる。こ
のような構造を採用することで、ストライプ状の導電材
料箔を電子放出領域の上方に確実に張架できるだけでな
く、ゲート電極と電子放出領域との間の距離の均一化を
図ることができる。
【0022】本発明の冷陰極電界電子放出表示装置にお
いて、1画素は、例えば、カソード電極層の射影像と導
電材料層若しくは導電材料箔の射影像の重複する重複領
域に対応するカソード電極層の部分と導電材料層若しく
は導電材料箔の部分(ゲート電極が相当する)と、重複
領域に対応したアノードパネル側の蛍光体層とアノード
電極とによって構成されている。有効領域には、かかる
画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列
されている。
【0023】上記の第1及び第2の目的を達成するため
の本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の
製造方法は、(A)支持体上に電子放出領域を形成する
工程と、(B)全面に絶縁層を形成する工程と、(C)
複数の孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形成する
工程と、(D)ゲート電極の下に位置する絶縁層に、該
複数の孔部に連通する開口部を形成し、開口部の底部に
電子放出領域を露出させる工程、から成ることを特徴と
する。
【0024】上記の第1及び第2の目的を達成するため
の本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装
置の製造方法においては、本発明の第1の態様に係る冷
陰極電界電子放出素子の製造方法が適用されている。即
ち、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示
装置の製造方法は、アノード電極及び蛍光体層が形成さ
れた基板と、冷陰極電界電子放出素子が形成された支持
体とを、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが対向す
るように配置し、基板と支持体とを周縁部において接合
する冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、
冷陰極電界電子放出素子を、(A)支持体上に電子放出
領域を形成する工程と、(B)全面に絶縁層を形成する
工程と、(C)複数の孔部を有するゲート電極を、絶縁
層上に形成する工程と、(D)ゲート電極の下に位置す
る絶縁層に、該複数の孔部に連通する開口部を形成し、
開口部の底部に電子放出領域を露出させる工程、に基づ
き形成することを特徴とする。
【0025】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法若しくは冷陰極電界電子放出表示装
置の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第1
の態様に係る製造方法と呼ぶ)においては、開口部の底
部に露出したカソード電極層の部分が電子放出領域に相
当する構成とすることができる。即ち、前記工程(A)
は、支持体上に、第1の方向に延びるストライプ状のカ
ソード電極層を形成する工程から成り、前記工程(C)
は、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライ
プ状の導電材料層から構成され、複数の孔部を有するゲ
ート電極を、絶縁層上に形成する工程から成り、開口部
の底部に露出したカソード電極層の表面が電子放出領域
に相当する構成とすることができる。このような構成
を、便宜上、本発明の第1Aの態様に係る方法と呼ぶ。
尚、絶縁層は、具体的には、支持体上及びカソード電極
層上に形成される。ここで、第1の方向に延びるストラ
イプ状のカソード電極層を形成する工程は、カソード電
極用導電材料層を形成した後、カソード電極用導電材料
層をパターニングする工程から構成されていてもよい
し、例えば、スクリーン印刷法に基づき、カソード電極
用導電材料を用いて直接、第1の方向に延びるストライ
プ状のカソード電極層を形成する工程から構成されてい
てもよい。
【0026】あるいは又、本発明の第1の態様に係る製
造方法においては、開口部の底部に露出したカソード電
極層上に電子放出領域を形成した構成とすることができ
る。即ち、前記工程(A)は、支持体上に、第1の方向
に延びるストライプ状のカソード電極層を形成し、次い
で、カソード電極層上に、電子放出領域を構成する電子
放出部を形成する工程から成り、前記工程(C)は、第
1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状の
導電材料層から構成され、複数の孔部を有するゲート電
極を、絶縁層上に形成する工程から成る構成とすること
ができる。このような構成を、便宜上、本発明の第1B
の態様に係る方法と呼ぶ。尚、カソード電極層の全面の
上に電子放出部が形成されていてもよいし、カソード電
極層の一部分の上に電子放出部が形成されていてもよ
い。絶縁層は、具体的には、前者の場合、支持体上及び
電子放出部上に形成され、後者の場合、支持体上、カソ
ード電極層上及び電子放出部上に形成される。ここで、
第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極層を形
成する工程は、カソード電極用導電材料層を形成した
後、カソード電極用導電材料層をパターニングする工程
から構成されていてもよいし、例えば、スクリーン印刷
法に基づき、カソード電極用導電材料を用いて直接、第
1の方向に延びるストライプ状のカソード電極層を形成
する工程から構成されていてもよい。
【0027】あるいは又、本発明の第1の態様に係る製
造方法においては、前記工程(A)は、支持体上にカソ
ード電極用導電材料層を形成し、次いで、該カソード電
極用導電材料層上に電子放出領域を構成する電子放出部
を形成した後、該カソード電極用導電材料層をパターニ
ングし、以て、第1の方向に延びるストライプ状のカソ
ード電極層を形成する工程から成り、前記工程(C)
は、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライ
プ状の導電材料層から構成され、複数の孔部を有するゲ
ート電極を、絶縁層上に形成する工程から成る構成とす
ることができる。このような構成を、便宜上、本発明の
第1Cの態様に係る方法と呼ぶ。尚、カソード電極層の
全面の上に電子放出部が形成されていてもよいし、カソ
ード電極層の一部分の上に電子放出部が形成されていて
もよい。絶縁層は、具体的には、前者の場合、支持体上
及び電子放出部上に形成され、後者の場合、支持体上、
カソード電極層上及び電子放出部上に形成される。
【0028】上記の第1の目的及び第2の目的を達成す
るための本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出
素子の製造方法は、(A)支持体上に、ストライプ状の
カソード電極層を形成する工程と、(B)全面に絶縁層
を形成する工程と、(C)複数の孔部を有するゲート電
極を、絶縁層上に形成する工程と、(D)ゲート電極の
下に位置する絶縁層に、該複数の孔部に連通する開口部
を形成し、開口部の底部にカソード電極層を露出させる
工程と、(E)開口部の底部に露出したカソード電極層
上に、電子放出部を形成する工程、から成ることを特徴
とする。尚、絶縁層は、具体的には、支持体上及びカソ
ード電極層上に形成される。本発明の第2の態様に係る
冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法においても同様
である。
【0029】上記の第1の目的及び第2の目的を達成す
るための本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置の製造方法においては、本発明の第2の態様に
係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法が適用されてい
る。即ち、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放
出表示装置の製造方法は、アノード電極及び蛍光体層が
形成された基板と、冷陰極電界電子放出素子が形成され
た支持体とを、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが
対向するように配置し、基板と支持体とを周縁部におい
て接合する冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であ
って、冷陰極電界電子放出素子を、(A)支持体上に、
ストライプ状のカソード電極層を形成する工程と、
(B)全面に絶縁層を形成する工程と、(C)複数の孔
部を有するゲート電極を、絶縁層上に形成する工程と、
(D)ゲート電極の下に位置する絶縁層に、該複数の孔
部に連通する開口部を形成し、開口部の底部にカソード
電極層を露出させる工程と、(E)開口部の底部に露出
したカソード電極層上に、電子放出部を形成する工程、
に基づき形成することを特徴とする。
【0030】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法若しくは冷陰極電界電子放出表示装
置の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第2
の態様に係る製造方法と呼ぶ)においては、前記工程
(C)は、ストライプ状のカソード電極層の延びる第1
の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状の導
電材料層から構成され、複数の孔部を有するゲート電極
を、絶縁層上に形成する工程から成る構成とすることが
できる。
【0031】上記の第1の目的及び第2の目的を達成す
るための本発明の第3の態様に係る冷陰極電界電子放出
素子の製造方法は、(A)支持体上に、ストライプ状の
カソード電極層を形成する工程と、(B)全面に絶縁層
を形成する工程と、(C)複数の孔部を有するゲート電
極を、絶縁層上に形成する工程と、(D)各孔部の下に
位置する絶縁層に貫通孔を形成し、貫通孔の底部にカソ
ード電極層を露出させる工程と、(E)貫通孔の底部に
露出したカソード電極層上に、電子放出部を形成する工
程と、(F)隣接する貫通孔の間の絶縁層を除去するこ
とによって絶縁層に開口部を形成し、以て、絶縁層に設
けられた開口部の上方に複数の孔部を有するゲート電極
を位置させ、開口部の底部に複数の電子放出部から成る
電子放出領域を位置させる工程、から成ることを特徴と
する。尚、絶縁層は、具体的には、支持体上及びカソー
ド電極層上に形成される。本発明の第3の態様に係る冷
陰極電界電子放出表示装置の製造方法においても同様で
ある。
【0032】上記の第1の目的及び第2の目的を達成す
るための本発明の第3の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置の製造方法においては、本発明の第3の態様に
係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法が適用されてい
る。即ち、本発明の第3の態様に係る冷陰極電界電子放
出表示装置の製造方法は、アノード電極及び蛍光体層が
形成された基板と、冷陰極電界電子放出素子が形成され
た支持体とを、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが
対向するように配置し、基板と支持体とを周縁部におい
て接合する冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であ
って、冷陰極電界電子放出素子を、(A)支持体上に、
ストライプ状のカソード電極層を形成する工程と、
(B)全面に絶縁層を形成する工程と、(C)複数の孔
部を有するゲート電極を、絶縁層上に形成する工程と、
(D)各孔部の下に位置する絶縁層に貫通孔を形成し、
貫通孔の底部にカソード電極層を露出させる工程と、
(E)貫通孔の底部に露出したカソード電極層上に、電
子放出部を形成する工程と、(F)隣接する貫通孔の間
の絶縁層を除去することによって絶縁層に開口部を形成
し、以て、絶縁層に設けられた開口部の上方に複数の孔
部を有するゲート電極を位置させ、開口部の底部に複数
の電子放出部から成る電子放出領域を位置させる工程、
に基づき形成することを特徴とする。
【0033】本発明の第3の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法若しくは冷陰極電界電子放出表示装
置の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第3
の態様に係る製造方法と呼ぶ)においては、前記工程
(C)は、ストライプ状のカソード電極層の延びる第1
の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状の導
電材料層から構成され、複数の孔部を有するゲート電極
を、絶縁層上に形成する工程から成る構成とすることが
できる。
【0034】上記の第1の目的及び第2の目的を達成す
るための本発明の第4の態様に係る冷陰極電界電子放出
素子の製造方法は、(A)支持体上に電子放出領域を形
成し、併せて、支持体上にゲート電極支持部を形成する
工程と、(B)複数の孔部が形成されたストライプ状の
導電材料箔を、複数の孔部が電子放出領域の上方に位置
するように、ゲート電極支持部によって支持された状態
に配設し、以て、ストライプ状の導電材料箔から構成さ
れ、複数の孔部を有するゲート電極を電子放出領域の上
方に位置させる工程、から成ることを特徴とする。
【0035】上記の第1の目的及び第2の目的を達成す
るための本発明の第4の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置の製造方法においては、本発明の第4の態様に
係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法が適用されてい
る。即ち、本発明の第4の態様に係る冷陰極電界電子放
出表示装置の製造方法は、アノード電極及び蛍光体層が
形成された基板と、冷陰極電界電子放出素子が形成され
た支持体とを、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが
対向するように配置し、基板と支持体とを周縁部におい
て接合する冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であ
って、冷陰極電界電子放出素子を、(A)支持体上に電
子放出領域を形成し、併せて、支持体上にゲート電極支
持部を形成する工程と、(B)複数の孔部が形成された
ストライプ状の導電材料箔を、複数の孔部が電子放出領
域の上方に位置するように、ゲート電極支持部によって
支持された状態に配設し、以て、ストライプ状の導電材
料箔から構成され、複数の孔部を有するゲート電極を電
子放出領域の上方に位置させる工程、に基づき形成する
ことを特徴とする。
【0036】本発明の第4の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法若しくは冷陰極電界電子放出表示装
置の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第4
の態様に係る製造方法と呼ぶ)においては、複数の孔部
が形成されたストライプ状の導電材料箔をゲート電極支
持部によって支持された状態に配設する具体的な方法と
して、予め支持体やゲート電極支持部に金属層を形成し
ておき、ストライプ状の導電材料箔を張架した状態で、
例えば、スポット溶接法や超音波溶接法にて、かかる金
属層に溶接する方法や、ロウ付けする方法、ハンダ付け
する方法、ストライプ状の導電材料箔を支持体やゲート
電極支持部に無機系接着剤や有機系接着剤を用いて接着
する方法を挙げることができる。
【0037】本発明の第4の態様に係る製造方法におい
ては、前記工程(A)は、支持体上に、第1の方向に延
びるストライプ状のカソード電極層を形成する工程と、
開口部を有する絶縁層を全面に形成し、以て、電子放出
領域に相当するカソード電極層の表面を開口部の底部に
露出させる工程、から成り、絶縁層がゲート電極支持部
に相当し、ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向と
は異なる第2の方向に延びる構成とすることができる。
このような構成を、便宜上、本発明の第4Aの態様に係
る方法と呼ぶ。尚、絶縁層は、具体的には、支持体上及
びカソード電極層上に形成される。ここで、第1の方向
に延びるストライプ状のカソード電極層を形成する工程
は、カソード電極用導電材料層を形成した後、カソード
電極用導電材料層をパターニングする工程から構成され
ていてもよいし、例えば、スクリーン印刷法に基づき、
カソード電極用導電材料を用いて直接、第1の方向に延
びるストライプ状のカソード電極層を形成する工程から
構成されていてもよい。開口部を有する絶縁層を全面に
形成する工程は、絶縁層を形成した後、開口部を形成す
る工程から構成してもよいし、絶縁層の形成時、同時に
開口部を形成する工程から構成してもよい。
【0038】あるいは又、本発明の第4の態様に係る製
造方法においては、前記工程(A)は、支持体上に、第
1の方向に延びるストライプ状のカソード電極層を形成
する工程と、カソード電極層上に、電子放出領域を構成
する電子放出部を形成する工程と、開口部を有する絶縁
層を全面に形成し、以て、電子放出領域を開口部の底部
に露出させる工程、から成り、絶縁層がゲート電極支持
部に相当し、ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向
とは異なる第2の方向に延びる構成とすることができ
る。このような構成を、便宜上、本発明の第4Bの態様
に係る方法と呼ぶ。尚、カソード電極層の全面の上に電
子放出部が形成されていてもよいし、カソード電極層の
一部分の上に電子放出部が形成されていてもよい。絶縁
層は、具体的には、前者の場合、支持体上及び電子放出
部上に形成され、後者の場合、支持体上、カソード電極
層上及び電子放出部上に形成される。ここで、第1の方
向に延びるストライプ状のカソード電極層を形成する工
程は、カソード電極用導電材料層を形成した後、カソー
ド電極用導電材料層をパターニングする工程から構成さ
れていてもよいし、例えば、スクリーン印刷法に基づ
き、カソード電極用導電材料を用いて直接、第1の方向
に延びるストライプ状のカソード電極層を形成する工程
から構成されていてもよい。開口部を有する絶縁層を全
面に形成する工程は、絶縁層を形成した後、開口部を形
成する工程から構成してもよいし、絶縁層の形成時、同
時に開口部を形成する工程から構成してもよい。
【0039】あるいは又、本発明の第4の態様に係る製
造方法においては、前記工程(A)は、支持体上に、カ
ソード電極用導電材料層を形成する工程と、該カソード
電極用導電材料層上に、電子放出領域を構成する電子放
出部を形成する工程と、該カソード電極用導電材料層を
パターニングし、以て、第1の方向に延びるストライプ
状のカソード電極層を形成する工程と、開口部を有する
絶縁層を全面に形成し、以て、電子放出部を開口部の底
部に露出させる工程、から成り、絶縁層がゲート電極支
持部に相当し、ストライプ状の導電材料箔は、第1の方
向とは異なる第2の方向に延びる構成とすることができ
る。このような構成を、便宜上、本発明の第4Cの態様
に係る方法と呼ぶ。尚、カソード電極層の全面の上に電
子放出部が形成されていてもよいし、カソード電極層の
一部分の上に電子放出部が形成されていてもよい。絶縁
層は、具体的には、前者の場合、支持体上及び電子放出
部上に形成され、後者の場合、支持体上、カソード電極
層上及び電子放出部上に形成される。開口部を有する絶
縁層を全面に形成する工程は、絶縁層を形成した後、開
口部を形成する工程から構成してもよいし、絶縁層の形
成時、同時に開口部を形成する工程から構成してもよ
い。
【0040】更には、本発明の第4の態様に係る製造方
法においては、前記(A)の工程は、支持体上に、スト
ライプ状のカソード電極層を形成する工程と、開口部を
有する絶縁層を全面に形成する工程と、開口部の底部に
露出したカソード電極層上に、電子放出領域を構成する
電子放出部を形成する工程、から成り、絶縁層がゲート
電極支持部に相当し、ストライプ状の導電材料箔は、第
1の方向とは異なる第2の方向に延びる構成としてもよ
い。このような構成を、便宜上、本発明の第4Dの態様
に係る方法と呼ぶ。尚、絶縁層は、具体的には、支持体
上及びカソード電極層上に形成される。開口部を有する
絶縁層を全面に形成する工程は、絶縁層を形成した後、
開口部を形成する工程から構成してもよいし、絶縁層の
形成時、同時に開口部を形成する工程から構成してもよ
い。
【0041】あるいは又、本発明の第4の態様に係る製
造方法においては、前記工程(A)における電子放出領
域を形成する工程は、支持体上に、その表面が電子放出
領域に相当する、第1の方向に延びるストライプ状のカ
ソード電極層を形成する工程から成り、前記工程(A)
におけるゲート電極支持部を形成する工程は、カソード
電極層と平行に延びる隔壁から成るゲート電極支持部を
形成する工程から成り、ストライプ状の導電材料箔は、
第1の方向とは異なる第2の方向に延びる構成とするこ
ともできる。このような構成を、便宜上、本発明の第4
Eの態様に係る方法と呼ぶ。ここで、第1の方向に延び
るストライプ状のカソード電極層を形成する工程は、カ
ソード電極用導電材料層を形成した後、カソード電極用
導電材料層をパターニングする工程から構成されていて
もよいし、例えば、スクリーン印刷法に基づき、カソー
ド電極用導電材料を用いて直接、第1の方向に延びるス
トライプ状のカソード電極層を形成する工程から構成さ
れていてもよい。また、第1の方向に延びるストライプ
状のカソード電極層を形成する工程と、ゲート電極支持
部を形成する工程とは、どちらを先に行ってもよい。
【0042】更には、本発明の第4の態様に係る製造方
法においては、前記工程(A)における電子放出領域を
形成する工程は、支持体上に、第1の方向に延びるスト
ライプ状のカソード電極層を形成し、次いで、カソード
電極層上に、電子放出領域を構成する電子放出部を形成
する工程から成り、前記工程(A)におけるゲート電極
支持部を形成する工程は、カソード電極層と平行に延び
る隔壁から成るゲート電極支持部を形成する工程から成
り、ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異な
る第2の方向に延びる構成とすることもできる。このよ
うな構成を、便宜上、本発明の第4Fの態様に係る方法
と呼ぶ。ここで、第1の方向に延びるストライプ状のカ
ソード電極層を形成する工程は、カソード電極用導電材
料層を形成した後、カソード電極用導電材料層をパター
ニングする工程から構成されていてもよいし、例えば、
スクリーン印刷法に基づき、カソード電極用導電材料を
用いて直接、第1の方向に延びるストライプ状のカソー
ド電極層を形成する工程から構成されていてもよい。ま
た、第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極層
を形成する工程と、ゲート電極支持部を形成する工程と
は、どちらを先に行ってもよい。
【0043】あるいは又、本発明の第4の態様に係る製
造方法においては、前記工程(A)における電子放出領
域を形成する工程は、支持体上にカソード電極用導電材
料層を形成し、次いで、該カソード電極用導電材料層上
に電子放出領域を構成する電子放出部を形成した後、該
カソード電極用導電材料層をパターニングし、以て、第
1の方向に延びるストライプ状のカソード電極層を形成
する工程から成り、前記工程(A)におけるゲート電極
支持部を形成する工程は、カソード電極層と平行に延び
る隔壁から成るゲート電極支持部を形成する工程から成
り、ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異な
る第2の方向に延びる構成とすることもできる。このよ
うな構成を、便宜上、本発明の第4Gの態様に係る方法
と呼ぶ。ここで、電子放出部を形成し、第1の方向に延
びるストライプ状のカソード電極層を形成する工程と、
ゲート電極支持部を形成する工程とは、どちらを先に行
ってもよい。
【0044】本発明の第1の態様〜第4の態様に係る製
造方法にあっては、1つの電子放出領域の上方に複数の
孔部を有するゲート電極が配設されているので、電子放
出領域の広い部分に亙って、電子放出領域近傍に高強度
の電界を形成することができる。その結果、簡素な構造
を有するにも拘わらず、効率良く、且つ、安定して電子
放出領域から電子を放出させることが可能になる。ま
た、従来の冷陰極電界電子放出素子や冷陰極電界電子放
出表示装置と異なり、複数の孔部を有するゲート電極に
対して1つの電子放出領域を形成すればよいので、製造
プロセスを簡素化することができ、しかも、プロセスマ
ージンが大きくなる。更には、複数の孔部を有するゲー
ト電極の下に位置する絶縁層に開口部を形成し、あるい
は又、隔壁を設けるので、ゲート電極の下方には、従来
の冷陰極電界電子放出素子や冷陰極電界電子放出表示装
置よりも大きな空間が形成され、空間を占める誘電体材
料(絶縁層)の割合が少なくなり、あるいは、ゲート電
極の下方を誘電体材料が占めることが無くなるので、配
線容量の低減を図ることができる。
【0045】本発明の冷陰極電界電子放出素子及び冷陰
極電界電子放出表示装置、並びに、本発明の第1の態様
〜第4の態様に係る製造方法(以下、これらを総称し
て、単に本発明と呼ぶ場合がある)において、電子放出
領域がカソード電極層から構成されている場合、かかる
カソード電極層を構成する材料として、タングステン
(W)やタンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン
(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ある
いはこれらの合金や化合物(例えばTiN等の窒化物
や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシ
リサイド)、あるいはダイヤモンド等の半導体、炭素薄
膜を例示することができる。かかるカソード電極層の厚
さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは0.
1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる
範囲に限定するものではない。カソード電極層の形成方
法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸
着法といった蒸着法、スパッタ法、CVD法やイオンプ
レーティング法とエッチング法との組合せ、スクリーン
印刷法、メッキ法等を挙げることができる。スクリーン
印刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状のカソ
ード電極層を形成することが可能である。
【0046】あるいは又、電子放出領域がカソード電極
層から構成されている場合、あるいは、電子放出部が平
面状の場合、かかるカソード電極層や電子放出部を、導
電性微粒子を分散させた導電性ペーストを用いて形成す
ることもできる。導電性微粒子としては、グラファイト
粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロンチウム粉末、金
属粉末の少なくとも一種を混合したグラファイト粉末;
窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等の不純物を含むダ
イヤモンド粒子又はダイヤモンドライク・カーボン粉
末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;(Sr,Ba,C
a)CO3粉末;シリコン・カーバイド粉末を例示する
ことができる。特に、導電性微粒子としてグラファイト
粉末を選択することが、閾値電界の低減や電子放出部の
耐久性の観点から好ましい。導電性微粒子の形状を、球
状、鱗片状の他、あらゆる定形形状や不定形形状とする
ことができる。また、導電性微粒子の粒径は、カソード
電極層の厚さやパターン幅以下であればよい。粒径が小
さい方が、単位面積当たりの放出電子数を増大させるこ
とができるが、あまり小さ過ぎるとカソード電極層の導
電性が劣化する虞がある。よって、好ましい粒径の範囲
はおおよそ0.01〜4.0μmである。かかる導電性
微粒子をガラス成分その他の適当なバインダ(結合剤)
と混合して導電性ペーストを調製し、この導電性ペース
を用いてスクリーン印刷法により所望のパターンを形成
し、パターンを焼成することによって、電子放出領域と
して機能するカソード電極層や電子放出部を形成するこ
とができる。あるいは、スピンコーティング法とエッチ
ング技術の組み合わせにより、電子放出領域として機能
するカソード電極層や電子放出部を形成することもでき
る。
【0047】また、電子放出部がカソード電極層上に形
成されている場合、かかるカソード電極層やカソード電
極用導電材料層を構成する材料として、タングステン
(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデ
ン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、
銅(Cu)等の金属、これらの金属元素を含む合金ある
いは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、M
oSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)、あ
るいはシリコン(Si)等の半導体、ITO(インジウ
ム錫酸化物)を例示することができる。カソード電極層
の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラ
メント蒸着法といった蒸着法、スパッタ法、CVD法や
イオンプレーティング法とエッチング法との組合せ、ス
クリーン印刷法、メッキ法等を挙げることができる。ス
クリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ
状のカソード電極層を形成することが可能である。
【0048】本発明において、電子放出部として、所謂
スピント型の冷陰極電界電子放出素子を構成する電子放
出部(電子放出部の形状が円錐形の冷陰極電界電子放出
素子)、平面型の冷陰極電界電子放出素子(電子放出領
域が略平面である形式の冷陰極電界電子放出素子)、ク
ラウン型の冷陰極電界電子放出素子(王冠状の電子放出
部がカソード電極層の表面に形成され、あるいは又、ク
レータ状の電子放出部がカソード電極層の表面にカソー
ド電極層と一体的に形成された形式の冷陰極電界電子放
出素子)を構成する電子放出部を挙げることができる。
【0049】本発明において、ゲート電極や導電材料
層、導電材料箔を構成する材料として、モリブデン(M
o)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(C
r)、コバルト(Co)、タングステン(W)、ジルコ
ニウム(Zr)、タンタル(Ta)、鉄(Fe)、銅
(Cu)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、白
金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群から選択された
少なくとも1種類の金属、これらの金属元素を含む合金
あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WS
2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイ
ド)、あるいはシリコン(Si)等の半導体、ITO
(インジウム錫酸化物)を例示することができる。導電
材料層の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱
フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタ法、CV
D法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合
せ、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げることができ
る。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、スト
ライプ状の導電材料層を形成することが可能である。あ
るいは又、導電材料箔として、予め多数の孔部が形成さ
れた上述の金属材料、合金材料、金属化合物材料から作
製されたストライプ状の箔(薄板)を用いることが好ま
しい。
【0050】本発明の第1の態様〜第3の態様に係る製
造方法において、絶縁層上に複数の孔部を有するゲート
電極を形成する方法として、絶縁層上にゲート電極を構
成するための導電材料層を形成した後、導電材料層上に
パターニングされた第1のマスク材料層を形成し、かか
る第1のマスク材料層をエッチング用マスクとして用い
て導電材料層をエッチングすることによって導電材料層
をパターニングした後、第1のマスク材料層を除去し、
次いで、導電材料層及び絶縁層上にパターニングされた
第2のマスク材料層を形成し、かかる第2のマスク材料
層をエッチング用マスクとして用いて導電材料層をエッ
チングして複数の孔部を形成する方法、導電材料層上に
パターニングされたマスク材料層を形成し、かかるマス
ク材料層をエッチング用マスクとして用いて導電材料層
をエッチングすることによって導電材料層をパターニン
グし、複数の孔部を有するストライプ状の導電材料層を
形成する方法、あるいは又、例えば、スクリーン印刷法
やメッキ法によって孔部を有するゲート電極を直接形成
する方法を例示することができる。これらの場合、ゲー
ト電極に形成された孔部に連通する開口部を絶縁層に形
成する方法は、かかる第2のマスク材料層をエッチング
用マスクとして用いて絶縁層をエッチングする方法とし
てもよいし、ゲート電極に形成された孔部をエッチング
用マスクとして用いて絶縁層をエッチングする方法とし
てもよい。尚、本発明においては、孔部と開口部とは、
多数の孔部に対応して1つの開口部が形成された関係、
即ち、多対一にある。
【0051】本発明において、開口部や孔部の平面形状
(支持体表面と平行な仮想平面でこれらの開口部や孔部
を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角
形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の
形状とすることができる。開口部の形成、貫通孔の間の
絶縁層の除去は、例えば、等方性エッチング法、異方性
エッチング法と等方性エッチング法の組合せによって行
うことができる。孔部の開口率(ゲート電極単位面積当
たりの孔部の面積)は、ゲート電極の機械的強度と、得
られる電界強度を考慮し、冷陰極電界電子放出表示装置
の動作特性試験、シミュレーション等に基づき決定すれ
ばよい。
【0052】絶縁層の構成材料として、SiO2、Si
N、SiON、ガラスペースト硬化物を単独あるいは適
宜組み合わせて使用することができる。絶縁層の形成に
は、CVD法、塗布法、スパッタ法、スクリーン印刷法
等の公知のプロセスが利用できる。
【0053】隔壁は、隣り合うストライプ状のカソード
電極層の間の領域、あるいは、複数のカソード電極層を
一群のカソード電極群としたとき、隣り合うカソード電
極群の間の領域に形成すればよい。隔壁の構成材料とし
て、従来公知の絶縁材料を使用することができ、例え
ば、広く用いられている低融点ガラスにアルミナ等の金
属酸化物を混合した材料を用いることができる。隔壁の
形成方法として、スクリーン印刷法、サンドブラスト
法、ドライフィルム法、感光法を例示することができ
る。ドライフィルム法とは、支持体上に感光性フィルム
をラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部
位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口
部に隔壁形成用の材料を埋め込み、焼成する方法であ
る。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開
口部に埋め込まれた隔壁形成用の材料が残り、隔壁とな
る。感光法とは、支持体上に感光性を有する隔壁形成用
の材料層を形成し、露光及び現像によってこの材料層を
パターニングした後、焼成を行う方法である。
【0054】カソード電極層の延びる第1の方向と導電
材料層若しくは導電材料箔の延びる第2の方向とが成す
角度(より正確には、カソード電極層の射影像の延びる
第1の方向と導電材料層若しくは導電材料箔の射影像の
延びる第2の方向とが成す角度)は、平行でない限り、
本質的には任意であるが、冷陰極電界電子放出素子や冷
陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点
からは90度であることが好ましい。尚、カソード電極
層と導電材料層若しくは導電材料箔の射影像が重複する
重複領域(1画素分の領域に相当する)に、電子放出領
域(1又は複数の電子放出部から構成される場合もあ
る)が位置する。更に、かかる重複領域が、カソードパ
ネルの有効領域(実際の表示画面として機能する領域)
内に、通常、2次元マトリクス状に配列されている。
【0055】本発明の冷陰極電界電子放出素子、冷陰極
電界電子放出表示装置、若しくはそれらの製造方法にお
いて、支持体は、少なくとも表面が絶縁性部材より構成
されていればよく、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成さ
れたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された
石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げ
ることができる。基板も、支持体と同様の構成とするこ
とができる。
【0056】本発明の第1の態様〜第4の態様に係る冷
陰極電界電子放出表示装置の製造方法において、基板と
支持体とを周縁部において接合する場合、接合は接着層
を用いて行ってもよいし、あるいはガラスやセラミック
等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して行
ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体
の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用す
る場合に比べ、基板と支持体との間の対向距離をより長
く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料と
しては、フリットガラスが一般的であるが、融点が12
0〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよ
い。かかる低融点金属材料として、In(インジウム:
融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;S
80Ag 20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5
(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はん
だ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5
5 .5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5
1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はん
だ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)
系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜
C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫
−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等
のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示する
ことができる。
【0057】基板と支持体と枠体の三者を接合する場
合、三者を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段
階で基板又は支持体のいずれか一方と枠体とを接合し、
第2段階で基板又は支持体の他方と枠体とを接合しても
よい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰
囲気中で行えば、基板と支持体と枠体と接着層とにより
囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、
三者の接合終了後、基板と支持体と枠体と接着層とによ
って囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。
接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧
/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成す
る気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律
表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガ
スであってもよい。
【0058】接合後に排気を行う場合、排気は、基板及
び/又は支持体に予め接続されたチップ管を通じて行う
ことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用い
て構成され、基板及び/又は支持体の無効領域(即ち、
表示画面として機能する有効領域以外の領域)に設けら
れた貫通部の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点
金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達し
た後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行
う前に、表示装置全体を一旦加熱してから降温させる
と、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留
ガスを排気により空間外へ除去することができるので好
適である。
【0059】アノード電極の構成材料は、冷陰極電界電
子放出表示装置の構成によって選択すればよい。即ち、
冷陰極電界電子放出表示装置が透過型(アノードパネル
が表示面に相当する)であって、且つ、基板上にアノー
ド電極と蛍光体層がこの順に積層されている場合には、
基板は元より、アノード電極自身も透明である必要があ
り、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料を
用いる。一方、冷陰極電界電子放出表示装置が反射型
(カソードパネルが表示面に相当する)である場合、及
び、透過型であっても基板上に蛍光体層とアノード電極
とがこの順に積層されている場合には、ITOの他、カ
ソード電極層やゲート電極に関連して上述した材料を適
宜選択して用いることができる。
【0060】蛍光体層を構成する蛍光体として、高速電
子励起用蛍光体や低速電子励起用蛍光体を用いることが
できる。冷陰極電界電子放出表示装置が単色表示装置で
ある場合、蛍光体層は特にパターニングされていなくと
もよい。また、冷陰極電界電子放出表示装置がカラー表
示装置である場合、ストライプ状又はドット状にパター
ニングされた赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色に
対応する蛍光体層を交互に配置することが好ましい。
尚、パターニングされた蛍光体層間の隙間は、表示画面
のコントラスト向上を目的としたブラックマトリクスで
埋め込まれていてもよい。
【0061】アノード電極と蛍光体層の構成例として、
(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極
の上に蛍光体層を形成する構成、(2)基板上に、蛍光
体層を形成し、蛍光体層上にアノード電極を形成する構
成、を挙げることができる。尚、(1)の構成におい
て、蛍光体層の上に、アノード電極と導通した所謂メタ
ルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成にお
いて、アノード電極の上にメタルバック膜を形成しても
よい。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態に基づき本発明を説明する。
【0063】(実施の形態1)実施の形態1は、第1の
形態に係る冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素
子と呼ぶ)、即ち、カソード電極層それ自体から電子を
放出させる形態であって平面型の電界放出素子、本発明
の第1の形態に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以
下、表示装置と呼ぶ)、及び、本発明の第1の態様に係
る製造方法、より具体的には、第1Aの態様に係る製造
方法に関する。
【0064】実施の形態1の電界放出素子の模式的な一
部断面図を図1の(A)に示し、一部を切り欠いた模式
的な斜視図を図1の(B)に示す。また、実施の形態1
の表示装置の模式的な一部端面図を図2に示す。
【0065】実施の形態1の電界放出素子は、例えばガ
ラスから成る支持体11上に形成された電子放出領域1
0、支持体11上に形成されたゲート電極支持部、及
び、ゲート電極支持部によって支持され、電子放出領域
10の上方に配設された複数の孔部16を有するゲート
電極15から成る。ここで、電子放出領域10は、第1
の方向(図1の(A)の紙面垂直方向)に延びたストラ
イプ状のカソード電極層12から構成されている。ま
た、ゲート電極15は、第1の方向とは異なる第2の方
向(図1の(A)の紙面左右方向)に延びたストライプ
状の導電材料層14から構成されている。尚、カソード
電極層12の射影像と導電材料層14の射影像の重複す
る重複領域に対応するカソード電極層12の部分の表面
が電子放出領域10に相当し、この重複領域に対応する
導電材料層14の部分がゲート電極15に相当する。ま
た、ゲート電極支持部は絶縁層13から成り、絶縁層1
3に設けられた1つの開口部17の上方に複数の孔部1
6を有するゲート電極15が位置し、開口部17の底部
に電子放出領域10が位置する。カソード電極層12は
カーボンから成り、導電材料層14はクロム(Cr)か
ら成り、絶縁層13はSiO2から成る。
【0066】実施の形態1の表示装置は、図2に示すよ
うに、複数の電界放出素子が支持体11上に形成されて
成るカソードパネルCP、並びに、基板20と、電界放
出素子から放出された電子によって発光する蛍光体層2
1と、電子を蛍光体層21に向かって誘導するためのア
ノード電極23から成るアノードパネルAPが真空空間
を挟んで対向配置された構成を有する。アノードパネル
APにおいては、基板20上に所定のパターンに従って
蛍光体層21が形成され、隣り合う蛍光体層21の間の
隙間はブラックマトリクス22で埋め込まれ、蛍光体層
21からブラックマトリクス22上に亙ってアノード電
極23が設けられている。カラー表示装置を想定して蛍
光体層21が赤(R)、緑(G)、青(B)の発光色を
呈する蛍光体粒子のそれぞれから成る場合、重複領域は
1サブピクセル分の領域に相当する。尚、ブラックマト
リクス22を省略することもできる。また、単色表示装
置を想定した場合、蛍光体層21は必ずしも所定のパタ
ーンに従って設けられている必要はない。図示したアノ
ード電極23は、通常、アルミニウム等の光反射性導電
膜を用いて構成されるが、ITO等の透明導電膜から成
るアノード電極を基板20と蛍光体層21の間に設けて
もよく、あるいは、基板20と蛍光体層21の間に設け
られた透明導電膜と、蛍光体層21からブラックマトリ
クス22上に亙って設けられた光反射性導電膜との双方
から成るアノード電極を設けてもよい。カソードパネル
CPとアノードパネルAPとは、周縁部において枠体
(図示せず)を介して接合されている。図2において
は、重複領域に1つの電子放出領域を図示したが、本発
明の表示装置においては、電子放出領域の数はこれに限
定するものではなく、複数とすることもできる。
【0067】実施の形態1の表示装置においては、走査
信号に従って走査回路24から相対的な負電圧をカソー
ド電極層12に印加し、ビデオ信号に従って制御回路2
5から相対的な正電圧をゲート電極15に印加し、ゲー
ト電極15よりも更に高い正電圧を加速電源26からア
ノード電極23に印加する。カソード電極層12とゲー
ト電極15との間の電位差に基づいて生ずる電界によ
り、電子放出領域10に相当するカソード電極層12の
表面から電子が量子トンネル効果に基づき放出される。
この電子が、アノード電極23に引き付けられて蛍光体
層21に衝突すると、蛍光体層21が発光し、所望の画
像を得ることができる。
【0068】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図3を参照して、実施の形態1の電界放出素子及び表
示装置の製造方法を説明する。
【0069】[工程−100]先ず、支持体11上に電
子放出領域10を形成する。具体的には、支持体11上
に、カーボンから成るカソード電極用導電材料層をスパ
ッタ法にて形成した後、リソグラフィ技術及びドライエ
ッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパタ
ーニングする。これによって、第1の方向に延びるスト
ライプ状のカソード電極層12を支持体11上に形成す
ることができる(図3の(A)参照)。尚、カソード電
極層12は、図3の紙面垂直方向に延びている。カソー
ド電極用導電材料層のスパッタ法に基づく形成条件を以
下の表1に例示し、カソード電極用導電材料層のドライ
エッチング条件を以下の表2に例示する。
【0070】[表1] [カソード電極用導電材料層の成膜条件] ターゲット :炭素 Ar流量 :100SCCM 圧力 :5×10-3Pa DCパワー :2kW スパッタ温度:25゜C
【0071】[表2] [カソード電極用導電材料層のエッチング条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 Cl2流量 :100SCCM 圧力 :0.7Pa RFパワー :0.8kW(13.56MHz) エッチング温度:0゜C
【0072】[工程−110]次に、全面に絶縁層13
を形成する。具体的には、カソード電極層12及び支持
体11上に、例えば、以下の表3に例示する条件のCV
D法にてSiO2から成る絶縁層13を形成する。尚、
絶縁層13を、スクリーン印刷法に基づきガラスペース
トから形成することもできる。
【0073】[表3] [絶縁層の成膜条件] TEOS流量:800SCCM O2流量 :600SCCM 圧力 :1.1kPa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) 成膜温度 :400゜C
【0074】[工程−120]その後、複数の孔部16
を有するゲート電極15を、絶縁層13上に形成する。
具体的には、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる
ストライプ状の導電材料層14から構成され、複数の孔
部16を有するゲート電極15を、絶縁層13上に形成
する。即ち、先ず、全面にクロム(Cr)から成る導電
材料層14を以下の表4に例示する条件のスパッタ法に
て形成した後(図3の(B)参照)、リソグラフィ技術
及びドライエッチング技術(条件は以下の表5を参照)
に基づき導電材料層14をパターニングする。これによ
って、第2の方向に延び、多数の孔部16が設けられた
ストライプ状の導電材料層14(一部分がゲート電極1
5に相当する)を形成することができる(図3の(C)
参照)。尚、導電材料層14は、図3の紙面左右方向に
延びている。例えばスクリーン印刷法にて、多数の孔部
16が設けられたストライプ状の導電材料層14を絶縁
層13上に、直接形成することもできる。
【0075】[表4] [ゲート電極用導電材料層の成膜条件] ターゲット :Cr Ar流量 :100SCCM 圧力 :5Pa DCパワー :2kW スパッタ温度:200゜C
【0076】[表5] [ゲート電極用導電材料層のエッチング条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 Cl2流量 :100SCCM 圧力 :0.7Pa RFパワー :0.8kW(13.56MHz) エッチング温度:60゜C
【0077】[工程−130]次に、ゲート電極15の
下に位置する絶縁層13に、複数の孔部16に連通する
開口部17を形成し、開口部17の底部に電子放出領域
10を露出させる。開口部17は、例えば、導電材料層
14及び絶縁層13の上にエッチング用マスク(図示せ
ず)を形成した後、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェッ
トエッチングを行うことによって形成することができ
る。あるいは又、孔部16の直下の絶縁層13の部分を
RIE法にてエッチングして、絶縁層13に貫通穴を形
成した後、重複領域における隣接した貫通穴の間の絶縁
層13の部分を等方的なエッチングによって除去しても
よい。開口部17の底部に露出したカソード電極層12
の表面が電子放出領域10に相当する。等方的なエッチ
ングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを
主エッチング種として利用するドライエッチング、ある
いは、エッチング液を利用するウェットエッチングによ
り行うことができる。エッチング液として、例えば、4
9%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液
を用いることができる。
【0078】[工程−140]その後、エッチング用マ
スクを除去すると、図1に示した電界放出素子を得るこ
とができる。
【0079】[工程−150]かかる電界放出素子が多
数形成されたカソードパネルCPとアノードパネルAP
と組み合わせると、図2に示す表示装置を構成すること
ができる。具体的には、例えば、セラミックスやガラス
から作製された高さ約1mmの枠体(図示せず)を用意
し、枠体とアノードパネルAPとカソードパネルCPと
を例えばフリットガラスを用いて貼り合わせ、フリット
ガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分焼成
すればよい。その後、表示装置の内部を10-4Pa程度
の真空度となるまで排気し、適当な方法で封止する。あ
るいは又、例えば、枠体とアノードパネルAPとカソー
ドパネルCPとの貼り合わせを高真空雰囲気中で行って
もよい。あるいは又、枠体を用いること無く、アノード
パネルAPとカソードパネルCPを貼り合わせてもよ
い。
【0080】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1の変形である。実施の形態2の電界放出素子が実
施の形態1の電界放出素子と相違する点は、図4の
(A)に模式的な一部断面図を示すように、開口部17
の底部に露出したカソード電極層12の表面(電子放出
領域に相当する)に、微小凹凸部12Aが形成されてい
る点にある。また、実施の形態2においては、カソード
電極層12をタングステン(W)から構成した。その他
の構成は、実施の形態1の電界放出素子と同様である。
以下、実施の形態2の電界放出素子の製造方法を説明す
る。
【0081】[工程−200]先ず、実施の形態1の
[工程−100]〜[工程−120]と略同様にして、
支持体11上に電子放出領域10を形成し、全面に絶縁
層13を形成した後、複数の孔部16を有するゲート電
極15を絶縁層13上に形成する。即ち、例えばガラス
基板から成る支持体11の上に、スパッタ法により厚さ
約0.2μmのタングステン層を成膜し、通常の手順に
従ってこのタングステン層をストライプ状にパターニン
グし、カソード電極層12を形成する。次に、支持体1
1及びカソード電極層12上に絶縁層13を形成する。
絶縁層13は、例えば表3に例示したTEOS(テトラ
エトキシシラン)を原料ガスとして用いるCVD法によ
り形成することができる。更に、この絶縁層13の上
に、例えば厚さ約0.2μmのクロム(Cr)から成る
導電材料層14を成膜し、ストライプ状にパターニング
して、複数の孔部16を有するゲート電極15を形成す
る。ここまでのプロセスが終了した状態は、実質的に、
図3の(C)に示したと同様である。
【0082】[工程−210]次に、実施の形態1の
[工程−130]と同様にして、ゲート電極15の下に
位置する絶縁層13に、複数の孔部16に連通する開口
部17を形成し、開口部17の底部に電子放出領域10
を露出させる。その後、開口部17の底部に露出したカ
ソード電極層12の部分に、微小凹凸部12Aを形成す
る。微小凹凸部12Aの形成に際しては、エッチングガ
スとしてSF6を用い、カソード電極層12を構成する
タングステンの結晶粒と粒界との間でエッチング速度の
差が大きくなるような条件を設定してRIE法に基づく
ドライエッチングを行う。その結果、タングステンの結
晶粒径をほぼ反映した寸法を有する微小凹凸部12Aを
形成することができる。
【0083】[工程−220]その後、実施の形態1の
[工程−140]と同様の工程を実行することによっ
て、電界放出素子を得ることができ、更に、実施の形態
1の[工程−150]と同様の工程を実行することによ
って、表示装置を組み立てることができる。
【0084】実施の形態2の電界放出素子の構成におい
ては、カソード電極層12の微小凹凸部12A、より具
体的には微小凹凸部12Aの凸部に、ゲート電極15か
ら大きな電界が加わる。このとき凸部に集中する電界
は、カソード電極層12の表面が平滑である場合に比べ
て大きいため、凸部からは量子トンネル効果によって電
子が効率良く放出される。従って、開口部17の底部に
単に平滑なカソード電極層12が露出している実施の形
態1の電界放出素子に比べて、表示装置に組み込まれた
場合の輝度の向上を図ることができる。それ故、実施の
形態2の電界放出素子によれば、ゲート電極15とカソ
ード電極層12との間の電位差が比較的小さくても、十
分な放出電子電流密度を得ることができ、表示画面の高
輝度化が達成される。あるいは、実施の形態2の電界放
出素子は、同じ輝度を達成するために必要なゲート電圧
が低くて済み、以て、低消費電力化を達成することが可
能である。
【0085】尚、絶縁層13を等方的にエッチングする
ことによって開口部17を形成し、しかる後に異方性エ
ッチングを行ってカソード電極層12に微小凹凸部12
Aを形成したが、開口部17を形成するためのエッチン
グによって、微小凹凸部12Aを同時に形成することも
可能である。即ち、絶縁層13をエッチングする際に、
ある程度のイオンスパッタ作用が期待できる異方的なエ
ッチング条件を採用し、垂直壁を有する開口部17が形
成された後もエッチングを継続することにより、開口部
17の底部に露出したカソード電極層12の部分に微小
凹凸部12Aを形成することができる。その後、絶縁層
13の等方性エッチングを行えばよい。
【0086】また、実施の形態1の[工程−100]と
同様の工程において、支持体11上に、タングステンか
ら成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成
した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に
基づきカソード電極用導電材料層をパターニングし、次
いで、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部1
2Aを形成した後、実施の形態1の[工程−110]〜
[工程−140]と同様の工程を実行することによっ
て、図4の(A)に示したと同様の電界放出素子を作製
することもできる。更には、実施の形態1の[工程−1
50]と同様の工程を実行することによって、表示装置
を組み立てることができる。
【0087】あるいは又、実施の形態1の[工程−10
0]と同様の工程において、支持体11上に、タングス
テンから成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法に
て形成した後、カソード電極用導電材料層の表面に微小
凹凸部12Aを形成し、次いで、リソグラフィ技術及び
ドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料
層をパターニングした後、実施の形態1の[工程−11
0]〜[工程−140]と同様の工程を実行することに
よって、図4の(A)に示したと同様の電界放出素子を
作製することもできる。更には、実施の形態1の[工程
−150]と同様の工程を実行することによって、表示
装置を組み立てることができる。
【0088】図4の(B)には、図4の(A)に示した
電界放出素子の変形例を示す。図4の(B)に示す電界
放出素子においては、微小凹凸部12Aの先端部の平均
高さ位置が、絶縁層13の下面位置よりも支持体11側
に存在している(即ち、下がっている)。かかる電界放
出素子を形成するには、[工程−210]におけるドラ
イエッチングの継続時間を延長すればよい。このような
構成によれば、開口部17の中央部近傍の電界強度を一
層高めることができる。
【0089】(実施の形態3)実施の形態3は、実施の
形態2の変形である。実施の形態3の電界放出素子が実
施の形態2の電界放出素子と相違する点は、図5に模式
的な一部断面図を示すように、電子放出領域に相当する
カソード電極層12の表面(より具体的には、少なくと
も微小凹凸部12A上)に被覆層12Bが形成されてい
る点にある。
【0090】この被覆層12Bは、カソード電極層12
を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成
することが好ましく、どのような材料を選択するかは、
カソード電極層12を構成する材料の仕事関数、ゲート
電極15とカソード電極層12との間の電位差、要求さ
れる放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すれば
よい。通常の電界放出素子におけるカソード電極層12
を構成する代表的な材料として、タングステン(Φ=
4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.87e
V)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95eV)、ア
ルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=4.6e
V)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム(Φ=4.
5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例示すること
ができる。被覆層12Bは、これらの材料よりも小さな
仕事関数を有していることが好ましく、その値は概ね3
eV以下であることが好ましい。かかる材料として、ダ
イヤモンド(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14e
V)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、Ba
O(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25
〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から被覆層12Bを構成すること
が、一層好ましい。尚、被覆層12Bを構成する材料
は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0091】特に好ましい被覆層12Bの構成材料とし
て、ダイヤモンド、中でもアモルファスダイヤモンドを
挙げることができる。被覆層12Bをアモルファスダイ
ヤモンドを用いて構成した場合には、5×107V/m
以下の電界強度にて、通常の表示装置に必要な放出電子
電流密度を得ることができる。また、アモルファスダイ
ヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出領域から
得られる放出電子電流を均一化することができ、よっ
て、表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制
が可能となる。更に、アモルファスダイヤモンドは、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命
化を図ることができる。
【0092】被覆層12Bの厚さは、微小凹凸部12A
を反映し得る程度に選択する。これは、被覆層12Bに
よって微小凹凸部12Aの凹部が埋め込まれ、電子放出
層の表面が平滑化されてしまっては、微小凹凸部12A
を設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹凸
部12Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部12Aが
電子放出層の結晶粒径を反映して形成されている場合に
は、被覆層12Bの厚さを概ね30〜100nm程度に
選択することが好ましい。また、微小凹凸部12Aの先
端部の平均高さ位置を絶縁層の下面位置よりも下げる場
合には、厳密には、被覆層12Bの先端部の平均高さ位
置を絶縁層の下面位置よりも下げることが、一層好まし
い。
【0093】具体的には、実施の形態2の[工程−21
0]の後、全面に例えばCVD法によりアモルファスダ
イヤモンドから成る被覆層12Bを形成すればよい。
尚、被覆層12Bは、導電材料層14及び絶縁層13の
上に形成されたエッチング用マスク(図示せず)の上に
も堆積するが、この堆積部分はエッチング用マスクの除
去時、同時に除去される。原料ガスとして例えばCH4
/H2混合ガスや、CO/H2混合ガスを使用したCVD
法に基づき被覆層12Bを形成することができ、それぞ
れ炭素を含む化合物の熱分解によってアモルファスダイ
ヤモンドから成る被覆層12Bが形成される。
【0094】その後、実施の形態1の[工程−140]
と同様の工程を実行することによって、電界放出素子を
得ることができ、更に、実施の形態1の[工程−15
0]と同様の工程を実行することによって、表示装置を
組み立てることができる。
【0095】あるいは又、実施の形態1の[工程−10
0]と同様の工程において、支持体11上に、タングス
テンから成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法に
て形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング
技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニング
し、その後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹
凸部12Aを形成し、次いで、被覆層12Bを形成した
後、実施の形態1の[工程−110]〜[工程−14
0]と同様の工程を実行することによって、図5に示す
電界放出素子を作製することもできる。更には、実施の
形態1の[工程−150]と同様の工程を実行すること
によって、表示装置を組み立てることができる。
【0096】あるいは又、実施の形態1の[工程−10
0]と同様の工程において、支持体11上に、タングス
テンから成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法に
て形成した後、カソード電極用導電材料層の表面に微小
凹凸部12Aを形成し、次いで、被覆層12Bを形成し
た後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基
づき被覆層12B、カソード電極用導電材料層をパター
ニングした後、実施の形態1の[工程−110]〜[工
程−140]と同様の工程を実行することによって、図
5に示す電界放出素子を作製することもできる。更に
は、実施の形態1の[工程−150]と同様の工程を実
行することによって、表示装置を組み立てることができ
る。
【0097】あるいは又、被覆層を構成する材料とし
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極層を構
成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよ
うな材料を適宜選択することもできる。即ち、銀(A
g)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト
(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ
(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル
(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)
等の金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等
の半導体;ダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミ
ニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベ
リリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化
マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化
バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等
の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、被
覆層を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必
要はない。
【0098】尚、実施の形態1にて説明した電界放出素
子の電子放出領域10(あるいはカソード電極層12の
表面)に被覆層を形成してもよい。この場合には、実施
の形態1の[工程−130]の後、開口部17の底部に
露出したカソード電極層12の表面に被覆層12Bを形
成すればよく、あるいは又、実施の形態1の[工程−1
00]において、例えば、支持体11上にカソード電極
用導電材料層を形成した後、カソード電極用導電材料層
上に被覆層12Bを形成し、次いで、リソグラフィ技術
及びドライエッチング技術に基づきこれらの層をパター
ニングすればよい。
【0099】(実施の形態4)実施の形態4も実施の形
態1の変形である。実施の形態4の電界放出素子が実施
の形態1の電界放出素子と相違する点は、電子を放出す
る複数の***部と、各***部に囲まれた凹部とを有する
カソード電極層が、支持体上に備えられている点にあ
る。即ち、図6の(A)に電界放出素子の模式的な一部
断面図を示すように、電子放出領域は、複数の***部1
12Aと、各***部112Aに囲まれた凹部112Bと
から成り、これらはカソード電極層112に一体に設け
られている。尚、絶縁層13、及び、複数の孔部16が
設けられたゲート電極15を取り除いた模式的な斜視図
を図6の(B)に示す。
【0100】凹部の形状は特に限定されないが、典型的
には略球面を成す。これは、実施の形態4、あるいは後
述する実施の形態5〜実施の形態7の電界放出素子の製
造方法において球体が使用され、凹部112Bが球体の
形状の一部を反映して形成されることと関連している。
従って、凹部112Bが略球面を成す場合、凹部112
Bを囲む***部112Aは円環状となり、この場合の凹
部112Bと***部112Aとは、全体としてクレータ
あるいはカルデラのような形状を呈する。***部112
Aは電子を放出する部分であるため、電子放出効率を高
める観点からは、その先端部112Cが先鋭であること
が特に好ましい。***部112Aの先端部112Cのプ
ロファイルは、不規則な凹凸を有していても、あるいは
滑らかであってもよい。1画素内における***部112
Aの配置は規則的であってもランダムであってもよい。
尚、凹部112Bは、凹部112Bの周方向に沿って連
続した***部112Aにより囲まれていてもよいし、場
合によっては、凹部112Bの周方向に沿って不連続な
***部112Aにより囲まれていてもよい。
【0101】実施の形態4の電界放出素子の製造方法に
おいても、第1の方向に延びるストライプ状のカソード
電極層を支持体上に形成するが、かかる工程は、より具
体的には、複数の球体を被覆したカソード電極層(第1
の方向に延び、ストライプ状である)を支持体上に形成
する工程と、球体を除去することによって、球体を被覆
したカソード電極層の部分を除去し、以て、電子を放出
する複数の***部と、各***部に囲まれ、且つ、球体の
形状の一部を反映した凹部とを有するカソード電極層を
形成する工程、から成る。
【0102】球体の状態変化及び/又は化学変化によっ
て、球体を除去することが好ましい。ここで、球体の状
態変化及び/又は化学変化とは、膨張、昇華、発泡、ガ
ス発生、分解、燃焼、炭化等の変化若しくはこれらの組
合せを意味する。例えば、球体が有機材料から成る場
合、球体を燃焼させることによって除去することが一層
好ましい。尚、球体の除去と球体を被覆するカソード電
極層の部分の除去、あるいは、球体の除去と球体を被覆
するカソード電極層、絶縁層及び導電材料層の部分の除
去は、必ずしも同時に起こらなくてもよい。例えば、球
体を被覆するカソード電極層の部分、あるいはこれに加
えて絶縁層や導電材料層の部分を除去した後に球体の一
部が残存している場合、残存した球体の除去を後から行
えばよい。
【0103】特に、球体が有機材料から成る場合、球体
を例えば燃焼させると、例えば、一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気が発生し、球体近傍の閉鎖空間の圧力が高ま
り、球体近傍のカソード電極層は或る耐圧限界を超えた
時点で破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆
するカソード電極層の部分が飛散し、***部及び凹部が
形成され、しかも、球体が除去される。あるいは又、球
体を例えば燃焼させると、同様の機構に基づき、カソー
ド電極層と絶縁層と導電材料層は或る耐圧限界を超えた
時点で破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆
するカソード電極層と絶縁層と導電材料層の部分が飛散
し、***部及び凹部と同時に貫通穴が形成され、しか
も、球体が除去される。即ち、球体を除去する以前には
絶縁層及び導電材料層には貫通穴が存在せず、球体の除
去に伴って貫通穴が形成される。このとき、球体の燃焼
の初期過程は閉鎖空間内で進行するため、球体の一部は
炭化する可能性もある。球体を被覆するカソード電極層
の部分の厚さを、破裂によって飛散し得る程度に薄くす
ることが好ましい。あるいは又、球体を被覆するカソー
ド電極層、絶縁層及び導電材料層の部分の厚さを、破裂
によって飛散し得る程度に薄くすることが好ましく、特
に、絶縁層については、球体を被覆していない部分の厚
さを球体の直径と同程度にすることが好適である。
【0104】後述する実施の形態6においても、球体の
状態変化及び/又は化学変化によって球体を除去するこ
とができるが、カソード電極層の破裂を伴わないので、
外力によって除去を行う方が簡便な場合もある。また、
後述する実施の形態7では、球体を除去する前の時点で
既に貫通穴が完成されているが、貫通穴の大きさが球体
の直径よりも大きい場合には、球体を外力によって除去
することができる。ここで、外力とは、空気又は不活性
ガスの吹付け圧力、洗浄液の吹付け圧力、磁気吸引力、
静電気力、遠心力等の物理的な力である。尚、後述する
実施の形態6、実施の形態7においては、実施の形態4
と異なり、球体を被覆する部分のカソード電極層、ある
いは、場合によっては、更に絶縁層や導電材料層を飛散
させる必要がないので、カソード電極層、絶縁層あるい
は導電材料層の残渣が発生し難いという利点がある。
【0105】後述する実施の形態6、実施の形態7で使
用される球体は、少なくとも表面が、カソード電極層、
構成に依っては絶縁層や導電材料層を構成する材料の各
界面張力(表面張力)に比べて、大きな界面張力を有す
る材料から構成されていることが好ましい。これによ
り、実施の形態7では、カソード電極層、絶縁層及び導
電材料層は球体の少なくとも頂部を被覆することがなく
なり、貫通穴が最初から絶縁層及び導電材料層に形成さ
れた状態が得られる。貫通穴の直径がどの程度になるか
は、例えば、カソード電極層、絶縁層や導電材料層を構
成する材料の厚さと球体の直径との関係や、カソード電
極層、絶縁層や導電材料層の形成方法、これらの層を構
成する材料の界面張力(表面張力)等に依存する。
【0106】後述する実施の形態6、実施の形態7にお
いて、球体は、少なくとも表面が界面張力に関する上述
の条件を満たしていればよい。つまり、カソード電極
層、絶縁層及び導電材料層の各界面張力よりも大きな界
面張力を有している部分は、球体の表面のみであっても
全体であってもよく、また、球体の表面及び/又は全体
の構成材料は、無機材料、有機材料、あるいは無機材料
と有機材料の組合せのいずれであってもよい。実施の形
態6、実施の形態7において、カソード電極層や導電材
料層が通常の金属系材料から構成され、絶縁層がガラス
等の酸化シリコン系材料から構成される場合、金属系材
料の表面には吸着水分に由来する水酸基、絶縁層の表面
にはSi−O結合のダングリング・ボンドと吸着水分と
に由来する水酸基が存在し、親水性の高い状態にあるの
が普通である。従って、疎水性の表面処理層を有する球
体を用いることが、特に有効である。疎水性の表面処理
層の構成材料として、フッ素系樹脂、例えばポリテトラ
フルオロエチレンを挙げることができる。球体が疎水性
の表面処理層を有する場合、疎水性の表面処理層の内側
の部分を芯材と称することにすると、芯材の構成材料
は、ガラス、セラミックス、フッ素系樹脂以外の高分子
材料のいずれであってもよい。
【0107】球体を構成する有機材料は特に限定されな
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重合度が
極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多い高分
子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体
の除去時、カソード電極層や絶縁層、導電材料層に悪影
響が及ぶ虞がある。それ故、これらに対する悪影響が生
じる虞のない温度にて燃焼若しくは炭化させることが可
能な高分子材料を選択することが好ましい。特に、絶縁
層をガラスペーストのような、後工程において焼成を要
する材料を用いて形成する場合には、工数をなるべく減
少させる観点から、ガラスペーストの焼成温度にて燃焼
若しくは炭化可能な高分子材料を選択することが好適で
ある。ガラスペーストの典型的な焼成温度は約530゜
Cなので、かかる高分子材料の燃焼温度は350〜50
0゜C程度であることが好ましい。代表的な高分子材料
として、スチレン系、ウレタン系、アクリル系、ビニル
系、ジビニルベンゼン系、メラミン系、ホルムアルデヒ
ド系、ポリメチレン系のホモポリマー又は共重合体を挙
げることができる。あるいは又、球体として、支持体上
での確実な配置を確保するために、付着力を有する固着
タイプの球体を使用することもできる。固着タイプの球
体として、アクリル系樹脂から成る球体を例示すること
ができる。
【0108】あるいは又、例えば、塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを球体として使用することができる。実施の形態
4において、かかる加熱膨張型マイクロスフェアを用
い、熱膨張型マイクロスフェアを加熱すると、外殻のポ
リマーが軟化し、しかも、内包されたイソブタンがガス
化して膨張する結果、粒径が膨張前と比較して約4倍程
度の真球の中空体が形成される。その結果、実施の形態
4において、電子を放出する***部、及び、***部に囲
まれ、且つ、球体の形状の一部を反映した凹部を、カソ
ード電極層に形成することができる。また、かかる凹部
や***部に加え、導電材料層及び絶縁層を貫通した貫通
穴を形成することもできる。尚、熱膨張型マイクロスフ
ェアの加熱による膨張も、本明細書においては、球体の
除去という概念に包含する。その後、熱膨張型マイクロ
スフェアを適切な溶剤を用いて取り除けばよい。
【0109】実施の形態4においては、支持体上に複数
の球体を配置した後、球体を被覆するカソード電極層を
形成すればよい。この場合においては、あるいは又、後
述する実施の形態6、実施の形態7においては、支持体
上への複数の球体の配置方法として、球体を支持体上に
散布する乾式法を挙げることができる。球体の散布に
は、例えば、液晶表示装置の製造分野において、パネル
間隔を一定に維持するためのスペーサを散布する技術を
応用することができる。具体的には、圧搾気体で球体を
ノズルから噴射する、所謂スプレーガンを用いることが
できる。尚、球体をノズルから噴射する際、球体を揮発
性の溶剤中に分散させた状態としてもよい。あるいは、
静電粉体塗装の分野で通常使用されている装置や方法を
利用して球体を散布することもできる。例えば、コロナ
放電を利用した静電粉体吹付けガンにより負に帯電させ
た球体を、接地した支持体に向かって吹き付けることが
できる。使用する球体は、後述するように非常に小さい
ため、支持体上に散布されると支持体の表面に例えば静
電気力によって付着し、以降の工程においても容易に支
持体から脱落することはない。支持体上に複数の球体の
配置した後、球体を加圧すれば、支持体上の複数の球体
の重なりを解消することができ、球体を支持体上で単層
に密に配置することができる。
【0110】あるいは、後述する実施の形態5のよう
に、球体とカソード電極材料とを分散媒中に分散させて
成る組成物から成る組成物層を支持体上に形成し、以
て、支持体上に複数の球体を配置し、カソード電極材料
から成るカソード電極層で球体を被覆した後、分散媒を
除去することもできる。組成物の性状としては、スラリ
ーやペーストが可能であり、これらの所望の性状に応
じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択すればよい。組成物
層を支持体上に形成する方法としては、スクリーン印刷
法が好適である。カソード電極材料は、典型的には、分
散媒中における沈降速度が球体よりも遅い微粒子である
ことが好適である。かかる微粒子を構成する材料とし
て、カーボン、バリウム、ストロンチウム、鉄を挙げる
ことができる。分散媒を除去した後、必要に応じてカソ
ード電極層の焼成を行う。組成物層を支持体上に形成す
る方法としては、噴霧法、滴下法、スピンコーティング
法、スクリーン印刷法を挙げることができる。尚、球体
が配置されると共に、カソード電極材料から成るカソー
ド電極層で球体が被覆されるが、組成物層の形成方法に
依っては、かかるカソード電極層のパターニングを行う
必要がある。
【0111】あるいは、後述する実施の形態6、実施の
形態7にあっては、球体を分散媒中に分散させて成る組
成物から成る組成物層を支持体上に形成し、以て、支持
体上に複数の球体を配置した後、分散媒を除去すること
ができる。組成物の性状としては、スラリーやペースト
が可能であり、これらの所望の性状に応じ、分散媒の組
成や粘度を適宜選択すればよい。典型的には、イソプロ
ピルアルコール等の有機溶媒を分散媒として用い、蒸発
により分散媒を除去することができる。組成物層を支持
体上に形成する方法としては、噴霧法、滴下法、スピン
コーティング法、スクリーン印刷法を挙げることができ
る。
【0112】ところで、導電材料層とカソード電極層は
互いに異なる方向(例えば、ストライプ状の導電材料層
の射影像とストライプ状のカソード電極層の射影像とが
成す角度が90度)に延びており、且つ、例えばストラ
イプ状にパターニングされており、重複領域に位置する
***部から電子が放出される。従って、***部は、機能
上、重複領域にのみ存在すればよい。但し、たとえ重複
領域以外の領域に***部及び凹部が存在していたとして
も、このような***部及び凹部は絶縁層に被覆されたま
ま、何ら電子を放出するといった機能を果たさない。従
って、球体を全面に配置しても何ら問題は生じない。
【0113】これに対して、球体を被覆したカソード電
極層、絶縁層及びゲート電極(導電材料層の一部が相当
する)の各部分を除去する場合、個々の球体の配置位置
と貫通穴の形成位置とが一対一に対応するため、重複領
域以外の領域にも貫通穴が形成される。以下、重複領域
以外の領域に形成される貫通穴を「無効貫通穴」と呼
び、電子放出に寄与する本来の貫通穴と区別する。とこ
ろで、重複領域以外の領域に無効貫通穴が形成されたと
しても、この無効貫通穴は電界放出素子として何ら機能
せず、重複領域に形成される電界放出素子の動作に何ら
悪影響を及ぼさない。なぜなら、無効貫通穴の底部に隆
起部及び凹部が露出していても、無効貫通穴の上端部に
導電材料層が形成されていないからであり、あるいは
又、無効貫通穴の上端部に導電材料層が形成されていて
も底部に***部及び凹部が露出していないか、あるい
は、無効貫通穴の底部に***部及び凹部が露出しておら
ず、しかも、上端部に導電材料層が形成されておらず、
単に支持体の表面が露出しているか、のいずれかである
からである。従って、球体を全面に配置しても何ら問題
は生じない。尚、重複領域とそれ以外の領域との境界線
上に形成された孔は、貫通穴に含まれる。
【0114】球体の直径は、所望の貫通穴の直径、凹部
の直径、電界放出素子を用いて構成される表示装置の表
示画面寸法、画素数、重複領域の寸法、1画素を構成す
べき電界放出素子の個数に応じて選択することができる
が、0.1〜10μmの範囲で選択することが好まし
い。例えば、液晶表示装置のスペーサとして市販されて
いる球体は、粒径分布が1〜3%と良好なので、これを
利用することが好適である。球体の形状は真球であるこ
とが理想的ではあるが、必ずしも真球である必要はな
い。また、電界放出素子の製造方法に依っては、上述し
たように、球体の配置された場所に貫通穴か無効貫通穴
のいずれかが形成され得るが、支持体上には球体を10
0〜5000個/mm2程度の密度で配置することが好
適である。例えば球体を約1000個/mm2の密度で
支持体上に配置すると、例えば重複領域の寸法を仮に
0.5mm×0.2mmとした場合、この重複領域内に
約100個の球体が存在し、約100個の***部が形成
されることになる。1つの重複領域にこの程度の個数の
***部が形成されていれば、球体の粒径分布や真球度の
ばらつきに起因する凹部の直径のばらつきはほぼ平均化
され、実用上の1画素(又は1サブピクセル)当たりの
放出電子電流密度や輝度はほぼ均一となる。
【0115】実施の形態4あるいは後述する実施の形態
5〜実施の形態7においては、球体の形状の一部が電子
放出部を構成する凹部の形状に反映される。***部の先
端部のプロファイルは、不規則な凹凸を有していても、
あるいは滑らかであってもよいが、特に、実施の形態4
や実施の形態5においては、この先端部はカソード電極
層の破断により形成されるため、***部の先端部が不規
則形状となり易い。破断により***部に先端部が先鋭化
すると、先端部が高効率の電子放出部として機能し得る
ので、好都合である。実施の形態4〜実施の形態7にお
いては、凹部を囲む***部はいずれも概ね円環状とな
り、この場合の凹部と***部とは、全体としてクレータ
あるいはカルデラのような形状を呈する。
【0116】支持体上における***部の配置は規則的で
あってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依
存する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用した場合、
支持体上における***部の配置はランダムとなる。尚、
凹部の周方向に沿って連続した***部により凹部が囲ま
れていてもよいし、場合によっては、凹部の周方向に沿
って不連続な***部により凹部が囲まれていてもよい。
【0117】実施の形態4〜実施の形態7において、絶
縁層を形成した後、絶縁層に開口部を形成する場合、隆
起部の先端部に損傷が生じないように、***部を得た
後、保護層を形成し、開口部の形成後、保護層を取り除
く構成とすることもできる。保護層を構成する材料とし
て、クロムを例示することができる。
【0118】以下、図7〜図9を参照して、実施の形態
4の電界放出素子の製造方法を説明するが、図7の
(A)、図8の(A)及び図9は模式的な一部断面図で
あり、図7の(B)及び図8の(B)は、図7の(A)
及び図8の(A)よりも広い範囲を模式的に示す一部斜
視図である。
【0119】[工程−400]先ず、複数の球体30を
被覆したカソード電極層112を支持体11上に形成す
る。具体的には、先ず、例えばガラス基板から成る支持
体11上の全面に、球体30を配置する。球体30は、
例えばポリメチレン系の高分子材料から成り、平均直径
約0.3μm、粒径分布1%未満である。球体30を、
スプレーガンを用い、支持体11上におおよそ1000
万個/mm2の密度でランダムに配置する。スプレーガ
ンを用いた散布は、球体を揮発性溶剤と混合して噴霧す
る方式、あるいは粉末状態のままノズルから噴射する方
式のいずれでもよい。配置された球体30は、静電気力
で支持体11上に保持されている。この状態を図7の
(A)及び(B)に示す。
【0120】[工程−410]次に、球体30及び支持
体11上にカソード電極層112を形成する。カソード
電極層112を形成した状態を、図8の(A)及び
(B)に示す。カソード電極層112は、例えばカーボ
ンペーストをストライプ状にスクリーン印刷することに
よって形成することができる。このとき、球体30は支
持体11上の全面に配置されているので、球体30の中
には、図8の(B)に示すように、カソード電極層11
2で被覆されないものも当然存在する。次に、カソード
電極層112に含まれる水分や溶剤を除去し、且つ、カ
ソード電極層112を平坦化するために、例えば150
゜Cにてカソード電極層112を乾燥する。この温度で
は、球体30は何ら状態変化及び/又は化学変化を起こ
さない。尚、上述のようなカーボンペーストを用いたス
クリーン印刷に替えて、カソード電極層112を構成す
るカソード電極用導電材料層を全面に形成し、このカソ
ード電極用導電材料層を通常のリソグラフィ技術とドラ
イエッチング技術を用いてパターニングし、ストライプ
状のカソード電極層112を形成することもできる。リ
ソグラフィ技術を適用する場合、通常、レジスト膜をス
ピンコーティング法により形成するが、スピンコーティ
ング時の支持体11の回転数が500rpm程度、回転
時間が数秒間程度であれば、球体30は脱落したり変位
することなく、支持体11上に保持され得る。
【0121】[工程−420]次に、球体30を除去す
ることによって、球体30を被覆したカソード電極層1
12の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の***
部112Aと、各***部112Aに囲まれ、且つ、球体
30の形状の一部を反映した凹部112Bとを有するカ
ソード電極層112を形成する。この状態を、図9の
(A)及び図6の(B)に示す。具体的には、カソード
電極層112の焼成を兼ね、約530゜Cにて加熱を行
うことにより球体30を燃焼させる。球体30の燃焼に
伴って球体30が閉じ込められていた閉鎖空間の圧力が
上昇し、球体30を被覆するカソード電極層112の部
分が或る耐圧限界を超えた時点で破裂して除去される。
その結果、支持体11上に形成されたカソード電極層1
12の一部分に、***部112A及び凹部112Bが形
成される。尚、球体を除去した後に、球体の一部分が残
渣として残る場合には、使用する球体を構成する材料に
もよるが、適切な洗浄液を用いて残渣を除去すればよ
い。
【0122】[工程−430]その後、カソード電極層
112及び支持体11上に絶縁層13を形成する。具体
的には、例えば、ガラスペーストを全面に約5μmの厚
さにスクリーン印刷する。次に、絶縁層13に含まれる
水分や溶剤を除去し、且つ、絶縁層13を平坦化するた
めに、例えば150゜Cにて絶縁層13を乾燥する。上
述のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替
えて、例えばプラズマCVD法によりSiO2膜を形成
してもよい。
【0123】[工程−440]次に、絶縁層13上に、
複数の孔部16を有するゲート電極15を形成する(図
9の(B)参照)。ゲート電極15(導電材料層の一部
が相当する)は、例えばカーボンペーストをストライプ
状にスクリーン印刷することによって形成することがで
きる。このときのストライプ状の導電材料層(ゲート電
極15)の射影像の延びる方向は、カソード電極層11
2の射影像の延びる方向と90度の角度を成している。
次に、ゲート電極15に含まれる水分や溶剤を除去し、
且つ、ゲート電極15を平坦化するために、例えば15
0゜Cにてゲート電極15を乾燥した後、ゲート電極1
5及び絶縁層13を構成する材料を焼成する。尚、カー
ボンペーストを用いたスクリーン印刷に替えて、ゲート
電極15を構成する導電材料層を絶縁層13の全面に形
成し、次いで、導電材料層を通常のリソグラフィ技術と
ドライエッチング技術を用いてパターニングしてもよ
い。
【0124】[工程−450]その後、ゲート電極15
の射影像とカソード電極層112の射影像とが重複する
重複領域において、絶縁層13に、複数の孔部16に連
通する開口部17を形成し、以て、開口部17の底部に
複数の複数の***部112A及び凹部112Bを露出さ
せる。開口部17の形成は、通常のリソグラフィ技術に
よるレジストマスクの形成と、レジストマスクを用いた
エッチング技術により行うことができる。但し、カソー
ド電極層112に対して十分に高いエッチング選択比が
確保できる条件でエッチングを行うことが好ましい。あ
るいは又、***部112Aを形成した後、例えば、クロ
ムから成る保護層を形成しておき、開口部17を形成し
た後、保護層を取り除くことが好ましい。その後、レジ
ストマスクを除去する。こうして、図6の(A)に示し
た電界放出素子を得ることができる。
【0125】[工程−460]その後、実施の形態1の
[工程−150]と同様の工程を実行することによっ
て、表示装置を組み立てることができる。
【0126】尚、実施の形態4の製造方法の変形例とし
て、[工程−410]の後、[工程−430]〜[工程
−450]を実行し、次いで、[工程−420]を実行
してもよい。この場合、球体の燃焼とゲート電極15及
び絶縁層13を構成する材料の焼成を同時に行えばよ
い。
【0127】あるいは又、[工程−410]の後、[工
程−430]を実行し、更に、[工程−440]と同様
の工程において、孔部を有していないストライプ状の導
電材料層を絶縁層上に形成した後、[工程−420]を
実行する。これによって、球体30を被覆したカソード
電極層112、絶縁層13及びゲート電極15(導電材
料層の一部が相当する)の各部分が除去され、以て、ゲ
ート電極15及び絶縁層13を貫通した貫通穴が形成さ
れると共に、電子を放出する***部112Aと、***部
112Aに囲まれ、且つ、球体30の形状の一部を反映
した凹部112Bとから成る電子放出部を、貫通穴の底
部に位置するカソード電極層112に形成することがで
きる。即ち、球体30の燃焼に伴って球体30が閉じ込
められている閉鎖空間の圧力が上昇し、球体を被覆する
部分のカソード電極層112と絶縁層13と導電材料層
とが或る耐圧限界を超えた時点で破裂し、***部112
A及び凹部112Bと同時に貫通穴が形成され、しか
も、球体30が除去される。貫通穴は、ゲート電極15
及び絶縁層13を貫通し、且つ、球体30の形状の一部
を反映している。また、貫通穴の底部には、電子を放出
する***部112A、及び、***部112Aに囲まれ、
且つ、球体30の形状の一部を反映した凹部112Bが
残る。その後、重複領域における隣接した貫通穴の間の
絶縁層13を除去することによって絶縁層13に開口部
17を形成すればよい。
【0128】(実施の形態5)実施の形態5は、実施の
形態4の変形である。実施の形態5の製造方法を、図1
0を参照して説明するが、支持体11上に複数の球体3
0を配置する工程が、球体30とカソード電極材料とを
分散媒中に分散させて成る組成物から成る組成物層31
を支持体11上に形成し、以て、支持体11上に複数の
球体30を配置し、カソード電極材料から成るカソード
電極層112で球体を被覆した後、分散媒を除去する工
程から成る、即ち、湿式法から成る点が実施の形態4の
製造方法と相違する。
【0129】[工程−500]先ず、支持体11上に複
数の球体30を配置する。具体的には、球体30とカソ
ード電極材料31Bとを分散媒31A中に分散させて成
る組成物から成る組成物層31を支持体11上に形成す
る。即ち、例えば、イソプロピルアルコールを分散媒3
1Aとして使用し、平均直径約0.3μmのポリメチレ
ン系の高分子材料から成る球体30と、平均直径約0.
05μmのカーボン粒子をカソード電極材料31Bとし
て分散媒31A中に分散させて成る組成物を支持体11
上にストライプ状にスクリーン印刷し、組成物層31を
形成する。図10の(A)には、組成物層31の形成直
後の状態を示す。
【0130】[工程−510]支持体11に保持された
組成物層31中では、間もなく球体30が沈降して支持
体11上に配置されると共に、球体30から支持体11
上に亙ってカソード電極材料31Bが沈降し、カソード
電極材料31Bから成るカソード電極層112が形成さ
れる。これによって、支持体11上に複数の球体30を
配置し、カソード電極材料から成るカソード電極層11
2で球体30を被覆することができる。この状態を、図
10の(B)に示す。
【0131】[工程−520]その後、分散媒31Aを
例えば蒸発させることによって除去する。この状態を、
図10の(C)に示す。
【0132】[工程−530]次いで、実施の形態4の
[工程−420]〜[工程−450]と同様の工程、あ
るいは、実施の形態4の製造方法の変形例を実行するこ
とによって、図6に示したと同様の電界放出素子を完成
することができる。かかる電界放出素子が多数形成され
たカソードパネルCPを、実施の形態1の[工程−15
0]で述べたと同様に、アノードパネルAPと組み合わ
せ、表示装置を得ることができる。
【0133】(実施の形態6)実施の形態6も実施の形
態4の変形である。実施の形態6の電界放出素子の製造
方法においても、第1の方向に延びるストライプ状のカ
ソード電極層を支持体上に形成するが、かかる工程は、
より具体的には、支持体上に複数の球体を配置する工程
と、電子を放出する複数の***部と、各***部に囲ま
れ、且つ、球体の形状の一部を反映した凹部とを有し、
各***部が球体の周囲に形成されたカソード電極層を、
支持体上に設ける工程と、球体を除去する工程、から成
る。支持体上への複数の球体の配置は、球体の散布によ
って行う。また、球体は疎水性の表面処理層を有する。
以下、実施の形態6を、図11を参照して説明する。
【0134】[工程−600]先ず、支持体11上に複
数の球体130を配置する。具体的には、ガラス基板か
ら成る支持体11上の全面に、複数の球体130を配置
する。この球体130は、例えばジビニルベンゼン系の
高分子材料から成る芯材130Aをポリテトラフルオロ
エチレン系樹脂から成る表面処理層130Bで被覆して
成り、平均直径約0.3μm、粒径分布1%未満であ
る。球体130を、スプレーガンを用い、支持体11上
におおよそ500万個/mm2の密度でランダムに配置
する。配置された球体130は、静電気力で支持体11
上に吸着されている。ここまでのプロセスが終了した状
態を、図11の(A)に示す。
【0135】[工程−610]次に、電子を放出する複
数の***部112Aと、各***部112Aに囲まれ、且
つ、球体130の形状の一部を反映した凹部112Bと
を有し、各***部112Aが球体130の周囲に形成さ
れたカソード電極層112を、支持体11上に設ける。
具体的には、実施の形態4で述べたと同様に、例えばカ
ーボンペーストをストライプ状にスクリーン印刷する
が、実施の形態6では、球体130の表面が表面処理層
130Bにより疎水性を帯びているために、球体130
の上にスクリーン印刷されたカーボンペーストは直ちに
弾かれて落下し、球体130の周囲に堆積して***部1
12Aが形成される。***部112Aの先端部112C
は、実施の形態4の場合ほど先鋭とはならない。球体1
30と支持体11との間に入り込んだカソード電極層1
12の部分が、凹部112Bとなる。図11の(B)で
は、カソード電極層112と球体130との間に隙間が
存在するように図示されているが、カソード電極層11
2と球体130とは接触している場合もある。その後、
カソード電極層112を例えば150゜Cにて乾燥させ
る。ここまでのプロセスが終了した状態を、図11の
(B)に示す。
【0136】[工程−620]次に、球体130に外力
を与えることによって、支持体11上から球体130を
除去する。具体的な除去方法としては、洗浄や圧搾気体
の吹付けを挙げることができる。ここまでのプロセスが
終了した状態を、図11の(C)に示す。尚、球体の除
去は、球体の状態変化及び/又は化学変化に基づいて、
より具体的には、例えば、燃焼によって球体を除去する
ことも可能である。以下に説明する実施の形態7におい
ても同様である。
【0137】[工程−630]その後、実施の形態4の
[工程−430]〜[工程−450]を実行することに
よって、図6に示したと略同様の電界放出素子を得るこ
とができる。更に、実施の形態1の[工程−150]と
同様の工程を実行することによって、表示装置を組み立
てることができる。
【0138】尚、実施の形態6の製造方法の変形例とし
て、[工程−610]の後、実施の形態4の[工程−4
30]〜[工程−450]を実行し、次いで、[工程−
620]を実行してもよい。
【0139】(実施の形態7)実施の形態7も実施の形
態4の変形である。実施の形態7の電界放出素子の製造
方法においても、第1の方向に延びるストライプ状のカ
ソード電極層を支持体上に形成するが、かかる工程は、
より具体的には、支持体上に複数の球体を配置する工程
と、電子を放出する複数の***部と、各***部に囲ま
れ、且つ、球体の形状の一部を反映した凹部とを有し、
各***部が球体の周囲に形成されたカソード電極層を支
持体上に設ける工程、から成る。尚、全面に絶縁層を設
ける際、球体の上方に貫通穴が形成された絶縁層を、カ
ソード電極層及び支持体上に設ける。球体の除去は、開
口部の形成後に行う。実施の形態7の電界放出素子の製
造方法においては、支持体上への複数の球体の配置は、
球体の散布によって行う。また、球体は疎水性の表面処
理層を有する。以下、実施の形態7を、図12及び図1
3を参照して説明する。尚、図12及び図13において
は、1つの球体の近傍の部分のみを図示した。
【0140】[工程−700]先ず、支持体11上に複
数の球体130を配置する。具体的には、実施の形態6
の[工程−600]と同様の工程を実行する。
【0141】[工程−710]その後、電子を放出する
複数の***部112Aと、各***部112Aに囲まれ、
且つ、球体130の形状の一部を反映した凹部112B
とを有し、各***部112Aが球体130の周囲に形成
されたカソード電極層112を、支持体11上に設け
る。具体的には、実施の形態6の[工程−610]と同
様の工程を実行する。
【0142】[工程−720]次に、球体の上方に貫通
穴32が形成された絶縁層113を、カソード電極層1
12及び支持体11上に設ける。具体的には、例えば、
ガラスペーストを全面に約5μmの厚さにスクリーン印
刷する。ガラスペーストを用いたスクリーン印刷は、実
施の形態4と同様に行うことができるが、球体130の
表面が表面処理層130Bにより疎水性を帯びているた
めに、球体130の上にスクリーン印刷されたガラスペ
ーストは直ちに弾かれて落下し、自らの表面張力により
絶縁層113の球体130の上の部分は収縮する。その
結果、球体130の頂部は絶縁層113に覆われること
なく、貫通穴32内に露出する。この状態を図12の
(A)に示す。図示した例では、貫通穴32の上端部の
直径は球体130の直径よりも大きいが、表面処理層1
30Bの界面張力が、ガラスペーストの界面張力、ある
いは実施の形態6の[工程−610]で用いたカーボン
ペーストの界面張力よりも小さい場合には、貫通穴32
の直径が小さくなる傾向にある。逆に、表面処理層13
0Bの界面張力が、ガラスペーストやカーボンペースト
の界面張力よりも著しく大きい場合には、貫通穴32の
直径は大きくなり易い。その後、絶縁層113を例えば
150゜Cにて乾燥させる。
【0143】[工程−730]次に、貫通穴32と連通
する孔部116を有するゲート電極115(導電材料層
の一部が相当する)を絶縁層113上に形成する。具体
的には、例えば、カーボンペーストをストライプ状にス
クリーン印刷する。カーボンペーストを用いたスクリー
ン印刷は、実施の形態4と同様に行えばよいが、球体1
30の表面が表面処理層130Bにより疎水性を帯びて
いるために、球体130の上にスクリーン印刷されたカ
ーボンペーストは直ちに弾かれて、自らの表面張力によ
り収縮し、絶縁層113の表面のみに付着した状態とな
る。このとき、ゲート電極115は、図示するように、
絶縁層113の開口端部から貫通穴32内へ若干回り込
むように形成されることもある。その後、ゲート電極1
15を例えば150゜Cにて乾燥させる。ここまでのプ
ロセスが終了した状態を、図12の(B)に示す。
【0144】[工程−740]次に、貫通穴32の底部
に露出した球体130を除去する。具体的には、カソー
ド電極層112と絶縁層113とゲート電極115の焼
成を兼ね、ガラスペーストの典型的な焼成温度である約
530゜Cにて加熱を行うことにより、球体130を燃
焼させる。このとき、実施の形態4と異なり、絶縁層1
13及びゲート電極115には貫通穴32及び孔部11
6が最初から形成されているので、カソード電極層11
2や絶縁層113、ゲート電極115の一部が飛散する
ことはなく、球体130は速やかに除去される。尚、貫
通穴32の上端部の直径が球体130の直径よりも大き
い場合、球体130を燃焼させなくとも、例えば、洗浄
や圧搾気体の吹付け等の外力によって球体130を除去
することが可能である。ここまでのプロセスが終了した
状態を、図13の(A)に示す。
【0145】[工程−750]その後、貫通穴32の側
壁面に相当する絶縁層113の一部を等方的にエッチン
グすることによって重複領域における隣接した貫通穴3
2の間の絶縁層113を除去し、開口部17を形成する
と、図13の(B)に示す電界放出素子を完成すること
ができる。ここでは、ゲート電極115の端部が下方を
向いているが、このことは、開口部17内の電界強度を
高める上で好ましい。尚、図13の(B)には、開口部
17の側壁近傍に位置する1つの***部112A及び凹
部112Bのみを表示した。
【0146】その後、実施の形態1の[工程−150]
と同様の工程を実行することによって、表示装置を組み
立てることができる。
【0147】(実施の形態8)実施の形態8は、第2の
形態に係る電界放出素子、即ち、カソード電極層上に設
けられた電子放出部から電子放出する形態であって平面
型の電界放出素子、本発明の第2の形態に係る表示装
置、及び、本発明の第1の態様に係る製造方法、より具
体的には、第1Bの態様に係る製造方法に関する。
【0148】実施の形態8の電界放出素子の模式的な一
部断面図を図14の(A)に示し、一部を切り欠いた模
式的な斜視図を図14の(B)に示す。尚、実施の形態
8の表示装置は、電界放出素子の構造が異なる点を除
き、実質的には実施の形態1にて説明した表示装置と同
様の表示装置である。
【0149】実施の形態8の電界放出素子も、例えばガ
ラスから成る支持体11上に形成された電子放出領域2
10、支持体11上に形成されたゲート電極支持部、及
び、ゲート電極支持部によって支持され、電子放出領域
210の上方に配設された複数の孔部16を有するゲー
ト電極15から成る。ここで、電子放出領域210は、
第1の方向(図14の(A)の紙面垂直方向)に延びた
ストライプ状のカソード電極層212上に形成された電
子放出部から構成されている。また、ゲート電極15
は、第1の方向とは異なる第2の方向(図14の(A)
の紙面左右方向)に延びたストライプ状の導電材料層1
4から構成されている。尚、カソード電極層212の射
影像と導電材料層14の射影像の重複する重複領域に対
応するカソード電極層212の部分の表面に電子放出領
域210が設けられており、重複領域に対応する導電材
料層14の部分がゲート電極15に相当する。また、ゲ
ート電極支持部は絶縁層13から成り、絶縁層13に設
けられた1つの開口部17の上方に複数の孔部16を有
するゲート電極15が位置し、開口部17の底部に電子
放出領域210が位置する。カソード電極層212及び
導電材料層14はクロムから成る。電子放出領域210
は、具体的には、グラファイト粉末から成る電子放出層
41から構成されている。また、電界放出素子の動作安
定化、電子放出特性の均一化のために、カソード電極層
212と電子放出層41との間にSiCから成る抵抗体
層40が設けられている。実施の形態8においては、カ
ソード電極層212の表面の全域に亙って、抵抗体層4
0及び電子放出層41が形成されている。また、1つの
開口部17の底部に位置する電子放出領域は、1つの電
子放出部から構成されている。
【0150】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図15を参照して、実施の形態8の電界放出素子の製
造方法を説明する。
【0151】[工程−800]先ず、実施の形態1の
[工程−100]と同様にして、支持体11上に、クロ
ム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をスパッ
タ法にて形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパター
ニングする。これによって、第1の方向に延びるストラ
イプ状のカソード電極層212を支持体11上に形成す
ることができる(図15の(A)参照)。尚、カソード
電極層212は、図15の紙面垂直方向に延びている。
カソード電極用導電材料層のスパッタ法に基づく形成条
件、ドライエッチング条件は、表4、表5に例示したと
同様とすることができる。
【0152】[工程−810]次に、カソード電極層2
12上に、電子放出領域210を構成する電子放出部を
形成する。具体的には、先ず、全面にスパッタ法にてS
iCから成る抵抗体層40を形成し、次いで、抵抗体層
40の上にグラファイト粉末塗料から成る電子放出層4
1をスピンコーティング法にて形成し、電子放出層41
を乾燥させる。その後、電子放出層41及び抵抗体層4
0を公知の方法に基づきパターニングする(図15の
(B)参照)。電子放出部は、電子放出層41から構成
される。
【0153】[工程−820]次に、全面に絶縁層13
を形成する。具体的には、電子放出層41及び支持体1
1上に、例えば、スパッタ法にてSiO2から成る絶縁
層13を形成する。尚、絶縁層13を、ガラスペースト
をスクリーン印刷する方法や、SiO2層をCVD法に
て形成する方法に基づき形成することもできる。
【0154】[工程−830]その後、複数の孔部16
を有するゲート電極15を、絶縁層13上に形成する。
具体的には、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる
ストライプ状の導電材料層14から構成され、複数の孔
部16を有するゲート電極15を、絶縁層13上に形成
する(図15の(C)参照)。具体的には、実施の形態
1の[工程−120]と同様の工程を実行する。尚、導
電材料層14は、図15の紙面左右方向に延びている。
【0155】[工程−840]次に、ゲート電極15の
下に位置する絶縁層13に、複数の孔部16に連通する
開口部17を形成し、開口部17の底部に電子放出領域
210を露出させる。開口部17は、例えば、導電材料
層14及び絶縁層13の上にエッチング用マスク(図示
せず)を形成した後、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェ
ットエッチングを行うことによって形成することができ
る。あるいは又、孔部16の直下の絶縁層13の部分を
RIE法にてエッチングして、絶縁層13に貫通穴を形
成した後、重複領域における隣接した貫通穴の間の絶縁
層13の部分を等方的なエッチングによって除去しても
よい。開口部17の底部に露出したカソード電極層21
2の表面に設けられた電子放出層41が電子放出部に相
当し、且つ、電子放出領域210に相当する。
【0156】[工程−850]その後、エッチング用マ
スクを除去し、電子放出層41中の有機溶剤を除去する
ために、400゜C、30分の熱処理を施す。こうし
て、図14に示した電界放出素子を得ることができる。
【0157】[工程−860]以降、実施の形態1の
[工程−150]と同様の工程を実行することによっ
て、表示装置を組み立てることができる。
【0158】(実施の形態9)実施の形態9は、実施の
形態8の変形である。実施の形態9においては、電界放
出素子を、第1Cの態様に係る製造方法にて製造する。
【0159】実施の形態9の電界放出素子の模式的な一
部断面図を図16の(A)に示し、一部を切り欠いた模
式的な斜視図を図16の(B)に示すが、実施の形態9
の電界放出素子、表示装置の構造は、実質的に、実施の
形態8にて説明した電界放出素子、表示装置と同様であ
る。
【0160】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図17を参照して、実施の形態9の電界放出素子の製
造方法を説明する。
【0161】[工程−900]先ず、支持体11上にカ
ソード電極用導電材料層を形成する。具体的には、支持
体11の全面にレジスト材料層(図示せず)を形成した
後、カソード電極層を形成すべき部分のレジスト材料層
を除去する。その後、実施の形態1の[工程−100]
と同様にして、全面に、クロム(Cr)から成るカソー
ド電極用導電材料層をスパッタ法にて形成する。更に、
実施の形態8の[工程−810]と同様にして、全面に
スパッタ法にてSiCから成る抵抗体層40を形成し、
次いで、抵抗体層40の上にグラファイト粉末塗料層を
スピンコーティング法にて形成し、グラファイト粉末塗
料層を乾燥させる。その後、剥離液を用いてレジスト材
料層を除去すると、レジスト材料層上に形成されたカソ
ード電極用導電材料層、抵抗体層40及びグラファイト
粉末塗料層も除去される。こうして、カソード電極用導
電材料層上に電子放出領域210を構成する電子放出部
(グラファイトから成る電子放出層41から構成され
る)を形成した後、カソード電極用導電材料層をパター
ニングし、以て、第1の方向に延びるストライプ状のカ
ソード電極層212を形成することができる(図17の
(A)参照)。
【0162】[工程−910]次に、実施の形態8の
[工程−820]と同様にして、全面に絶縁層13を形
成した後、実施の形態8の[工程−830]と同様にし
て、複数の孔部16を有するゲート電極15を、絶縁層
13上に形成する。具体的には、第1の方向とは異なる
第2の方向に延びるストライプ状の導電材料層14から
構成され、複数の孔部16を有するゲート電極15を、
絶縁層13上に形成する(図17の(B)参照)。
【0163】[工程−920]次に、実施の形態8の
[工程−840]と同様にして、ゲート電極15の下に
位置する絶縁層13に、複数の孔部16に連通する開口
部17を形成し、開口部17の底部に電子放出領域10
を露出させる。開口部17の底部に露出したカソード電
極層212の表面に設けられた電子放出層41が電子放
出部に相当し、且つ、電子放出領域210に相当する。
その後、実施の形態8の[工程−850]と同様の工程
を実行することによって、図16に示した電界放出素子
を得ることができる。
【0164】[工程−930]以降、実施の形態1の
[工程−150]と同様の工程を実行することによっ
て、表示装置を組み立てることができる。
【0165】(実施の形態10)実施の形態10も実施
の形態8の変形に関する。実施の形態8においては、電
子放出部をグラファイト粉末から成る電子放出層41か
ら構成した。一方、実施の形態10においては、電子放
出部をCVD法に基づき形成された炭素薄膜から構成す
る。実施の形態10の電界放出素子を、第1Bの態様に
係る製造方法に基づき製造する。
【0166】電子放出部を炭素薄膜から構成すること
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、106ボルト/cm程度の強度を有する電界)中に
置かれた状態とすればよい。
【0167】ところで、レジスト層をエッチング用マス
クとして使用し、酸素ガスを用いてダイヤモンド薄膜の
ような炭素薄膜のプラズマエッチングを行った場合、エ
ッチング反応系における反応副生成物として(CH)x
系あるいは(CF)x系等の炭素系ポリマーが堆積性物
質として生成する。一般に、プラズマエッチングにおい
て堆積性物質がエッチング反応系に生成した場合、この
堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト層の側壁
面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積して所謂
側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性加工によ
って得られる形状の達成に寄与する。しかしながら、酸
素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合には、炭
素系ポリマーから成る側壁保護膜は、生成しても、直ち
に酸素ガスによって除去されてしまう。また、酸素ガス
をエッチング用ガスとして使用した場合には、レジスト
層の消耗も激しい。これらの理由により、従来のダイヤ
モンド薄膜の酸素プラズマ加工においては、ダイヤモン
ド薄膜のマスクの寸法に対する寸法変換差が大きく、異
方性加工も困難な場合が多い。
【0168】このような問題を解決するために、実施の
形態10においては、カソード電極層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成し、炭素薄膜選択成長領域上に炭素
薄膜から成る電子放出部を形成する構成とした。即ち、
実施の形態10の電界放出素子の製造においては、支持
体上にカソード電極層を形成した後、カソード電極層の
表面に炭素薄膜選択成長領域を形成し、その後、炭素薄
膜選択成長領域上に炭素薄膜(電子放出部に相当する)
を形成する。尚、カソード電極層の表面に炭素薄膜選択
成長領域を形成する工程を、炭素薄膜選択成長領域形成
工程と呼ぶ。
【0169】ここで、炭素薄膜選択成長領域は、表面に
金属粒子が付着したカソード電極層の部分、若しくは、
表面に金属薄膜が形成されたカソード電極層の部分であ
ることが好ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域における
炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭
素薄膜選択成長領域の表面には、硫黄(S)、ホウ素
(B)又はリン(P)が付着していることが望ましく、
これらの物質は一種の触媒としての作用を果たすと考え
られ、これによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上
させることができる。尚、炭素薄膜選択成長領域は、開
口部の底部に位置するカソード電極層の部分の表面に形
成されていればよく、開口部の底部に位置するカソード
電極層の部分から開口部の底部以外のカソード電極層の
部分の表面に延在するように形成されていてもよい。ま
た、炭素薄膜選択成長領域は、開口部の底部に位置する
カソード電極層の部分の表面の全面に形成されていて
も、部分的に形成されていてもよい。
【0170】炭素薄膜選択成長領域形成工程は、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極層の部分の表
面(以下、単にカソード電極層の表面と呼ぶ場合があ
る)に、金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形
成する工程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、
若しくは、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極層
の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ま
しい。また、この場合、炭素薄膜選択成長領域における
炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭
素薄膜選択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素
(B)又はリン(P)を付着させることが望ましく、こ
れによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させるこ
とができる。炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ
素又はリンを付着させる方法としては、例えば、硫黄、
ホウ素又はリンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄
膜選択成長領域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処
理を化合物層に施すことによって化合物層を構成する化
合物を分解させ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、
ホウ素又はリンを残す方法を挙げることができる。硫黄
を含む化合物としてチオナフテン、チオフテン、チオフ
ェンを例示することができる。ホウ素を含む化合物とし
て、トリフェニルボランを例示することができる。リン
を含む化合物として、トリフェニルフォスフィンを例示
することができる。
【0171】あるいは又、炭素薄膜選択成長領域におけ
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極層の表面に、金属粒子を付着させ、若しく
は、金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金
属薄膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去
することが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜
の表面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気
におけるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズ
マ法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴
プラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
【0172】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極層の表面に金属粒子を付着させる方法として、例
えば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極
層の領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)
で被覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層を炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極層の部分の表
面に形成した後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方法を
挙げることができる。あるいは又、カソード電極層の表
面に金属粒子を付着させる工程として、例えば、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極層の領域以外
の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被覆した状
態で、金属粒子を構成する金属原子を含む金属化合物粒
子をカソード電極層の表面に付着させた後、金属化合物
粒子を加熱することによって分解し、以て、表面に金属
粒子が付着したカソード電極層の部分から成る炭素薄膜
選択成長領域を得る方法を挙げることができる。この場
合、具体的には、溶媒と金属化合物粒子から成る層を炭
素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極層の部分
の表面に形成した後、溶媒を除去し、金属化合物粒子を
残す方法を例示することができる。金属化合物粒子は、
金属粒子を構成する金属のハロゲン化物(例えば、ヨウ
化物、塩化物、臭化物等)、酸化物、水酸化物及び有機
金属から成る群から選択された少なくとも1種類の材料
から成ることが好ましい。尚、これらの方法において
は、適切な段階で、炭素薄膜選択成長領域を形成すべき
カソード電極層の領域以外の領域を被覆した材料(例え
ば、マスク層)を除去する。
【0173】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極層の表面に金属薄膜を形成する方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極層
の領域以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電
解メッキ法、無電解メッキ法、MOCVD法を含む化学
的気相成長法(CVD法、Chemical Vapor Deposition
法)、物理的気相成長法(PVD法、Physical Vapor D
eposition 法)等の公知の方法を挙げることができる。
尚、物理的気相成長法として、(a)電子ビーム加熱
法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着等の各種真空蒸着法、
(b)プラズマ蒸着法、(c)2極スパッタ法、直流ス
パッタ法、直流マグネトロンスパッタ法、高周波スパッ
タ法、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ
法、バイアススパッタ法等の各種スパッタ法、(d)D
C(direct current)法、RF法、多陰極法、活性化反応
法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応
性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティン
グ法を挙げることができる。
【0174】ここで、金属粒子あるいは金属薄膜は、モ
リブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステ
ン(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、
鉄(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Z
n)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属
から構成されていることが好ましい。
【0175】炭素薄膜として、グラファイト薄膜、アモ
ルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄
膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げることができる。炭
素薄膜の形成方法として、マイクロ波プラズマ法、トラ
ンス結合型プラズマ法、誘導結合型プラズマ法、電子サ
イクロトロン共鳴プラズマ法、RFプラズマ法等に基づ
くCVD法を例示することができる。炭素薄膜の形態に
は、薄膜状はもとより、炭素のウィスカー、炭素のナノ
チューブ(中空及び中実を含む)が包含される。
【0176】尚、カソード電極層の構造としては、導電
材料層の1層構成とすることもできるし、下層導電材料
層、下層導電材料層上に形成された抵抗体層、抵抗体層
上に形成された上層導電材料層の3層構成とすることも
できる。後者の場合、上層導電材料層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成する。このように、抵抗体層を設け
ることによって、電子放出領域における電子放出特性の
均一化を図ることができる。
【0177】実施の形態10の電界放出素子の模式的な
一部断面図を図18に示す。この電界放出素子において
は、カソード電極層212の表面に炭素薄膜選択成長領
域50が形成されており、炭素薄膜選択成長領域50上
に炭素薄膜52から成る電子放出部が形成されている。
炭素薄膜選択成長領域50は、具体的には、表面にニッ
ケル(Ni)から成る金属粒子51が付着したカソード
電極層212の部分である。その他の構成は、実施の形
態1にて説明した電界放出素子と同様であり、また、実
施の形態10の表示装置も、電界放出素子の構造が相違
する点を除き、実施の形態1にて説明した表示装置と実
質的に同じである。尚、図18の(A)に示す例では、
開口部17の底部に、炭素薄膜52から成る電子放出部
が複数設けられており、図18の(B)に示す例では、
開口部17の底部に、炭素薄膜52から成る電子放出部
が1つ設けられている。図18の(C)に示す例では、
真下に、炭素薄膜52が存在せず、カソード電極層21
2が位置している孔部16が存在する。
【0178】以下、実施の形態10の電界放出素子の製
造方法について、図19及び図20を参照して説明す
る。
【0179】[工程−1000]先ず、例えばガラス基
板から成る支持体11上にカソード電極用導電材料層を
形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びRIE法
に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングする
ことによって、ストライプ状のカソード電極層212を
支持体11上に形成する(図19の(A)参照)。スト
ライプ状のカソード電極層212は、図面の紙面左右方
向に延びている。カソード電極用導電材料層は、例えば
スパッタ法により形成された厚さ約0.2μmのクロム
(Cr)層から成る。スパッタ法によるクロム層の成膜
条件は表4に例示したと同様とすればよく、クロム層の
エッチング条件は表5に例示したと同様とすればよい。
【0180】[工程−1010]その後、カソード電極
層212の表面に炭素薄膜選択成長領域50を形成す
る。具体的には、先ず、レジスト材料層をスピンコーテ
ィング法にて全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基
づき、炭素薄膜選択成長領域50を形成すべきカソード
電極層212の部分の表面が露出したマスク層53を形
成する(図19の(B)参照)。次に、露出したカソー
ド電極層212の表面を含むマスク層53上に、金属粒
子を付着させる。具体的には、ニッケル(Ni)微粒子
をポリシロキサン溶液中に分散させた溶液(溶媒として
イソプロピルアルコールを使用)をスピンコーティング
法にて全面に塗布し、溶媒と金属粒子から成る層を炭素
薄膜選択成長領域50を形成すべきカソード電極層21
2の部分の表面に形成する。その後、マスク層53を除
去し、400゜C程度に加熱することによって溶媒を除
去し、露出したカソード電極層212の表面に金属粒子
51を残すことで、炭素薄膜選択成長領域50を得るこ
とができる(図20の(A)参照)。尚、ポリシロキサ
ンは、露出したカソード電極層212の表面に金属粒子
51を固定させる機能(所謂、接着機能)を有する。
【0181】[工程−1020]その後、炭素薄膜選択
成長領域50上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜52を
形成し、電子放出部を得る。この状態を図20の(B)
に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭素薄膜
52の成膜条件を、以下の表6に例示する。従来の炭素
薄膜52の成膜条件においては、900゜C程度の成膜
温度が必要とされたが、実施の形態10においては、成
膜温度500゜Cで安定した成膜を達成することができ
た。
【0182】[表6] [炭素薄膜の成膜条件] 使用ガス :CH4/H2=100/10SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー:500W(13.56MHz) 成膜温度 :500゜C
【0183】[工程−1030]以降、実施の形態1の
[工程−120]〜[工程−140]と同様の工程を実
行することで、図18に示した電界放出素子を得ること
ができる。更に、実施の形態1の[工程−150]と同
様の工程を実行することによって、表示装置を組み立て
ることができる。
【0184】尚、実施の形態10の電界放出素子の製造
方法を変形して、実施の形態10の電界放出素子を、第
1Cの態様に係る製造方法に基づき製造することもでき
る。この場合には、[工程−1000]と同様の工程に
おいて、カソード電極用導電材料層を支持体上に形成
し、カソード電極用導電材料層をパターニングすること
なく、[工程−1010]と同様に、カソード電極用導
電材料層上に、炭素薄膜選択成長領域50を形成する。
そして、[工程−1020]と同様に、炭素薄膜選択成
長領域50上に炭素薄膜52を形成した後、カソード電
極用導電材料層をパターニングすることによって、スト
ライプ状のカソード電極層212を支持体11上に形成
すればよい。
【0185】(実施の形態11)実施の形態10にて説
明した電界放出素子の製造方法にあっては、炭素薄膜選
択成長領域50を形成すべきカソード電極層212の部
分の表面に金属粒子51を付着させた。一方、実施の形
態11においては、炭素薄膜選択成長領域形成工程は、
カソード電極層の表面の一部にチタン(Ti)から成る
金属薄膜をスパッタ法に基づき形成する工程から成る。
以下、実施の形態11の電界放出素子の製造方法を説明
する。
【0186】[工程−1100]先ず、実施の形態10
の[工程−1000]と同様にして、例えばガラス基板
から成る支持体11上にカソード電極層212を形成す
る。
【0187】[工程−1110]その後、実施の形態1
0の[工程−1010]と同様にして、カソード電極層
212の表面が露出したマスク層53を形成する。次
に、露出したカソード電極層212の表面を含むマスク
層53上に、以下の表7に例示する条件のスパッタ法に
て金属薄膜54を形成した後、マスク層53を除去する
(図21の(A)参照)。こうして、表面に金属薄膜5
4が形成されたカソード電極層212の部分である炭素
薄膜選択成長領域50を得ることができる。
【0188】[表7] [金属薄膜の成膜条件] ターゲット :Ti プロセスガス:Ar=100sccm DCパワー :4kW 圧力 :0.4Pa 基板加熱温度:150゜C 膜厚 :30nm
【0189】[工程−1120]その後、実施の形態1
0の[工程−1020]と同様にして、炭素薄膜選択成
長領域50上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜52を形
成し、電子放出部を得る(図21の(B)参照)。次い
で、実施の形態10の[工程−1030]と同様にし
て、電界放出素子を完成することができ、更には、表示
装置の組み立てを行うことができる。
【0190】(実施の形態12)実施の形態12は、実
施の形態10にて説明した電界放出素子の製造方法の変
形である。実施の形態10にて説明した電界放出素子の
製造方法にあっては、炭素薄膜選択成長領域50を形成
すべきカソード電極層212の部分の表面に金属粒子5
1を付着させた後、直ちに、炭素薄膜52を形成しない
と、金属粒子51の表面が自然酸化され、炭素薄膜52
の形成が困難となる場合がある。実施の形態12におい
ては、炭素薄膜選択成長領域50を形成すべきカソード
電極層212の部分の表面に、金属粒子51を付着させ
た後、金属粒子51の表面の金属酸化物(所謂、自然酸
化膜)を除去する。尚、金属粒子の表面の金属酸化物
を、プラズマ還元処理若しくは洗浄処理によって除去す
る。
【0191】[工程−1200]先ず、実施の形態10
の[工程−1000]と同様にして、例えばガラス基板
から成る支持体11上にカソード電極層212を形成す
る。
【0192】[工程−1210]その後、実施の形態1
0の[工程−1010]と同様にして、カソード電極層
212の表面が露出したマスク層53を形成する。次
に、露出したカソード電極層212の表面を含むマスク
層53上に、金属粒子を付着させる。具体的には、モリ
ブデン(Mo)微粒子をポリシロキサン溶液中に分散さ
せた溶液(溶媒としてイソプロピルアルコールを使用)
をスピンコーティング法にて全面に塗布し、炭素薄膜選
択成長領域50を形成すべきカソード電極層212の部
分の表面に溶媒と金属粒子から成る層を形成する。その
後、マスク層53を除去し、400゜C程度に加熱する
ことによって溶媒を十分に除去し、露出したカソード電
極層212の表面に金属粒子51を残すことで、炭素薄
膜選択成長領域50を得ることができる。
【0193】[工程−1220]次に、金属粒子51の
表面の金属酸化物(自然酸化膜)を、以下の表8に例示
するプラズマ還元処理に基づき除去する。あるいは又、
例えば50%フッ酸水溶液と純水の1:49(容積比)
混合液を用いて、金属粒子51の表面の金属酸化物(自
然酸化膜)を除去することもできる。
【0194】[表8] 使用ガス :H2=100SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー:600W(13.56MHz) 処理温度 :400゜C
【0195】[工程−1230]その後、炭素薄膜選択
成長領域50上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜52を
形成し、電子放出部を得る。マイクロ波プラズマCVD
法に基づく炭素薄膜52の成膜条件を、以下の表9に例
示する。実施の形態12においては、成膜温度400゜
Cで安定した成膜を達成することができた。
【0196】 [表9] [炭素薄膜の成膜条件] 使用ガス :CH4/H2=100/10SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー :500W(13.56MHz) 成膜温度 :400゜C
【0197】[工程−1240]次いで、実施の形態1
0の[工程−1030]と同様にして、電界放出素子を
完成することができ、更には、表示装置の組み立てを行
うことができる。
【0198】(実施の形態13)実施の形態13も、実
施の形態10にて説明した電界放出素子の製造方法の変
形である。実施の形態10にて説明した電界放出素子の
製造方法にあっては、炭素薄膜選択成長領域50を形成
すべきカソード電極層212の部分の表面に金属粒子5
1を付着させた。一方、実施の形態13においては、炭
素薄膜選択成長領域50を形成すべきカソード電極層2
12の部分の表面に、コバルト(Co)から成る金属粒
子51を付着させた後、更に、硫黄(S)を付着させ
る。以下、実施の形態13の電界放出素子の製造方法及
び表示装置の製造方法を説明する。
【0199】[工程−1300]先ず、実施の形態10
の[工程−1000]と同様にして、例えばガラス基板
から成る支持体11上にカソード電極層212を形成す
る。
【0200】[工程−1310]その後、実施の形態1
0の[工程−1010]と同様にして、カソード電極層
212の表面が露出したマスク層53を形成する。次
に、露出したカソード電極層212の表面を含むマスク
層53上に、金属粒子を付着させる。具体的には、実施
の形態10と同様に、コバルト(Co)微粒子をポリシ
ロキサン溶液中に分散させた溶液をスピンコーティング
法にて全面に塗布し、溶媒と金属粒子から成る層を炭素
薄膜選択成長領域50を形成すべきカソード電極層21
2の部分の表面に形成する。その後、チオナフテン溶液
をスピンコーティング法にて全面に塗布する。次いで、
マスク層53を除去し、加熱処理(例えば、300゜
C、30分)を施すことによって溶媒を十分に除去し、
露出したカソード電極層212の表面に金属粒子51を
残すことで、炭素薄膜選択成長領域50を得ることがで
き、しかも、炭素薄膜選択成長領域50の表面に硫黄
(S)を付着させることができる。これによって、炭素
薄膜の選択成長性を一層向上させることができる。尚、
コバルト(Co)微粒子をポリシロキサン溶液中に分散
させた溶液の塗布、乾燥(加熱)、チオナフテン溶液の
塗布、乾燥(加熱)の順に実行し、露出したカソード電
極層212の表面に金属粒子51を残し、硫黄(S)が
付着した炭素薄膜選択成長領域50を得ることもでき
る。また、その後、実施の形態12の[工程−122
0]と同様にして、金属粒子51の表面の金属酸化物
(自然酸化膜)を除去してもよい。
【0201】[工程−1320]その後、実施の形態1
2の[工程−1230]と同様にして、炭素薄膜選択成
長領域50上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜52を形
成し、電子放出部を得る。次いで、実施の形態10の
[工程−1030]と同様にして、電界放出素子を完成
することができ、更には、表示装置の組み立てを行うこ
とができる。
【0202】(実施の形態14)実施の形態14も、実
施の形態10にて説明した電界放出素子の製造方法の変
形である。実施の形態10にて説明した電界放出素子の
製造方法の製造方法にあっては、炭素薄膜選択成長領域
50を形成すべきカソード電極層212の部分の表面に
金属粒子51を付着させた。一方、実施の形態14にお
いては、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電
極層の部分の表面に金属粒子を付着させる工程は、金属
粒子を構成する金属原子を含む金属化合物粒子を炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極層の部分の表
面に付着させた後、金属化合物粒子を加熱することによ
って分解し、以て、表面に金属粒子が付着したカソード
電極層の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を得る工程
から成る。具体的には、溶媒と金属化合物粒子(実施の
形態14においてはヨウ化銅)から成る層を炭素薄膜選
択成長領域を形成すべきカソード電極層の部分の表面に
形成した後、溶媒を除去し、金属化合物粒子を残した
後、金属化合物粒子(ヨウ化銅粒子)を加熱することに
よって分解し、以て、表面に金属粒子(銅粒子)が付着
したカソード電極層の部分から成る炭素薄膜選択成長領
域を得る。以下、実施の形態14の電界放出素子の製造
方法及び表示装置の製造方法を説明する。
【0203】[工程−1400]先ず、実施の形態10
の[工程−1000]と同様にして、例えばガラス基板
から成る支持体11上にカソード電極層212を形成す
る。
【0204】[工程−1410]その後、実施の形態1
0の[工程−1010]と同様にして、カソード電極層
212の表面が露出したマスク層53を形成する。次
に、露出したカソード電極層212の表面を含むマスク
層53上に、金属粒子を付着させる。具体的には、実施
の形態10と同様に、ヨウ化銅微粒子をポリシロキサン
溶液中に分散させた溶液をスピンコーティング法にて全
面に塗布し、溶媒と金属化合物粒子(ヨウ化銅粒子)か
ら成る層を炭素薄膜選択成長領域50を形成すべきカソ
ード電極層212の部分の表面に形成する。その後、マ
スク層53を除去し、400゜Cの加熱処理を施すこと
によって溶媒を十分に除去し、且つ、ヨウ化銅を熱分解
させ、露出したカソード電極層212の表面に金属粒子
(銅粒子)51を析出させることで、炭素薄膜選択成長
領域50を得ることができる。
【0205】[工程−1420]その後、実施の形態1
2の[工程−1230]と同様にして、炭素薄膜選択成
長領域50上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜52を形
成し、電子放出部を得る。次いで、実施の形態10の
[工程−1030]と同様にして、電界放出素子を完成
することができる。更に、実施の形態1の[工程−15
0]と同様にして、表示装置の組み立てを行う。
【0206】尚、実施の形態14においても、ヨウ化銅
微粒子をポリシロキサン溶液中に分散させた溶液をスピ
ンコーティング法にて全面に塗布した後、例えばチオナ
フテン溶液をスピンコーティング法にて全面に塗布し、
加熱処理を施すことによって溶媒を十分に除去し、且
つ、ヨウ化銅を熱分解させてもよい。これによって、炭
素薄膜選択成長領域50の表面に硫黄(S)を付着させ
ることができる。また、実施の形態12の[工程−12
20]と同様にして、金属粒子51の表面の金属酸化物
(自然酸化膜)を除去してもよい。
【0207】(実施の形態15)実施の形態15は、第
2の形態に係る電界放出素子、本発明の第2の形態に係
る表示装置、及び、本発明の第2の態様に係る製造方法
に関する。実施の形態15の電界放出素子は、実質的に
は、図18に示した実施の形態10の電界放出素子の構
造と同様の構造を有する。また、実施の形態15の表示
装置は、電界放出素子の構造が異なることを除き、実質
的には実施の形態1にて説明した表示装置と同様の構造
を有する。
【0208】実施の形態15が実施の形態10と相違す
る点は、電界放出素子の製造方法にあり、実施の形態1
5においては、本発明の第2の態様に係る製造方法に基
づき製造される。以下、支持体等の模式的な一部断面図
である図22を参照して、実施の形態15の電界放出素
子の製造方法を説明する。
【0209】[工程−1500]先ず、支持体11上
に、ストライプ状のカソード電極層212を形成する。
具体的には、実施の形態10の[工程−1000]と同
様の工程を実行すればよい。
【0210】[工程−1510]その後、カソード電極
層212の表面に炭素薄膜選択成長領域50を形成す
る。具体的には、実施の形態10の[工程−1010]
と同様の工程を実行すればよい。こうして、図22の
(A)に示す構造を得ることができる。
【0211】[工程−1520]次に、全面に絶縁層1
3を形成する。具体的には、実施の形態1の[工程−1
10]と同様の工程を実行すればよい。
【0212】[工程−1530]その後、複数の孔部1
6を有するゲート電極15を、絶縁層13上に形成す
る。具体的には、実施の形態1の[工程−120]と同
様の工程を実行すればよい。こうして、図22の(B)
に示す構造を得ることができる。
【0213】[工程−1540]次いで、ゲート電極1
5の下に位置する絶縁層13に、複数の孔部16に連通
する開口部17を形成し、開口部17の底部にカソード
電極層212(より具体的には、炭素薄膜選択成長領域
50)を露出させる(図22の(C)参照)。具体的に
は、実施の形態1の[工程−130]と同様の工程を実
行すればよい。
【0214】[工程−1550]その後、開口部17の
底部に露出したカソード電極層212上(より具体的に
は、炭素薄膜選択成長領域50上)に、炭素薄膜52か
ら成る電子放出部を形成する。炭素薄膜52の形成は、
具体的には、実施の形態10の[工程−1020]と同
様とすればよい。こうして、図18の(A)に示したと
同様の構造を有する電界放出素子を得ることができる。
【0215】[工程−1560]以降、実施の形態1の
[工程−150]と同様の工程を実行することによっ
て、表示装置を組み立てることができる。
【0216】尚、[工程−1510]において、炭素薄
膜選択成長領域50の形成領域を図23に示すようにす
れば、図18の(B)に示した構造を有する電界放出素
子を得ることができる。ここで、図23中、点線は、後
の工程で形成される開口部17の側壁部の位置を示す。
また、図18の(A)に示した例においては、各電子放
出部はゲート電極15に設けられた孔部16の真下に位
置しているが、各電子放出部は、ゲート電極15に設け
られた孔部16の真下に位置するものと真下に位置しな
いものとが混在していてもよいし、真下に位置していな
くともよい。ゲート電極15に設けられた孔部16の真
下には、カソード電極層212のみが露出していてもよ
い。
【0217】(実施の形態16)実施の形態16は、第
2の形態に係る電界放出素子、本発明の第2の形態に係
る表示装置、及び、本発明の第3の態様に係る製造方法
に関する。実施の形態16の電界放出素子は、実質的に
は、図18に示した実施の形態10の電界放出素子と同
様の構造を有する。また、実施の形態16の表示装置
は、電界放出素子の構造が異なることを除き、実質的に
は実施の形態1にて説明した表示装置と同様の構造を有
する。
【0218】実施の形態16が実施の形態10と相違す
る点は、電界放出素子の製造方法にあり、実施の形態1
6においては、本発明の第3の態様に係る製造方法に基
づき製造される。以下、支持体等の模式的な一部断面図
である図24〜図26を参照して、実施の形態16の電
界放出素子の製造方法を説明する。尚、図24及び図2
5においては、1つの貫通穴55の近傍のみを図示す
る。
【0219】[工程−1600]先ず、支持体11上
に、ストライプ状のカソード電極層212を形成する。
具体的には、実施の形態10の[工程−1000]と同
様の工程を実行すればよい。
【0220】[工程−1610]その後、全面に、具体
的には、支持体11上及びカソード電極層212上に絶
縁層13を形成する。具体的には、実施の形態1の[工
程−110]と同様の工程を実行すればよい。
【0221】[工程−1620]次いで、複数の孔部1
6を有するゲート電極15を、絶縁層13上に形成す
る。具体的には、実施の形態1の[工程−120]と同
様の工程を実行すればよい。
【0222】[工程−1630]その後、各孔部16の
直下の絶縁層13の部分を、以下の表10に例示する条
件のRIE法に基づきエッチングして、各孔部16の下
に位置する絶縁層13に貫通穴55を形成し、貫通穴5
5の底部にカソード電極層212を露出させる。こうし
て、図24の(A)に示す構造を得ることができる。
尚、ストライプ状のカソード電極層212は、図面の左
右方向に延び、ストライプ状のゲート電極15(導電材
料層の一部が相当する)は図面の紙面垂直方向に延びて
いる。孔部16及び貫通穴55の平面形状は、例えば直
径1μm〜30μmの円形である。これらの孔部16及
び貫通穴55を、例えば、1画素領域(重複領域)に1
個〜3000個程度形成すればよい。
【0223】[表10] [絶縁層のエッチング条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 C48流量 :30SCCM CO流量 :70SCCM Ar流量 :300SCCM 圧力 :7.3Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) エッチング温度:室温
【0224】[工程−1640]次に、貫通穴55の底
部に露出したカソード電極層212上に、電子放出部を
形成する。具体的には、先ず、貫通穴55の底部に位置
するカソード電極層212の表面に炭素薄膜選択成長領
域50を形成する。そのために、先ず、貫通穴55の底
部の中央部にカソード電極層212の表面が露出したマ
スク層56を形成する(図24の(B)参照)。具体的
には、レジスト材料層をスピンコーティング法にて孔部
16及び貫通穴55内を含む全面に成膜した後、リソグ
ラフィ技術に基づき、貫通穴55の底部の中央部に位置
するレジスト材料層に孔部を形成することによって、マ
スク層56を得ることができる。実施の形態16におい
ては、マスク層56は、貫通穴55の底部に位置するカ
ソード電極層212の一部分、貫通穴55の側壁、孔部
16の側壁、ゲート電極15及び絶縁層13を被覆して
いる。これによって、次の工程で、貫通穴55の底部の
中央部に位置するカソード電極層212の表面に炭素薄
膜選択成長領域を形成するが、カソード電極層212と
ゲート電極15とが金属粒子によって短絡することを確
実に防止し得る。
【0225】次に、露出したカソード電極層212の表
面を含むマスク層56上に、金属粒子を付着させる。具
体的には、ニッケル(Ni)微粒子をポリシロキサン溶
液中に分散させた溶液(溶媒としてイソプロピルアルコ
ールを使用)をスピンコーティング法にて全面に塗布
し、炭素薄膜選択成長領域50を形成すべきカソード電
極層212の部分の表面に溶媒と金属粒子から成る層を
形成する。その後、マスク層56を除去し、400゜C
程度に加熱することによって溶媒を除去し、露出したカ
ソード電極層212の表面に金属粒子51を残すこと
で、炭素薄膜選択成長領域50を得ることができる(図
25の(A)参照)。尚、ポリシロキサンは、露出した
カソード電極層212の表面に金属粒子51を固定させ
る機能(所謂、接着機能)を有する。
【0226】[工程−1650]その後、炭素薄膜選択
成長領域50上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜52を
形成し、電子放出部を得る。この状態を図25の(B)
及び図26の(A)に示す。図26の(A)は、図25
の(B)よりも広い領域を示している。マイクロ波プラ
ズマCVD法に基づく炭素薄膜52の成膜条件は、表6
に例示したと同様の条件とすればよい。
【0227】[工程−1660]次いで、重複領域にお
ける隣接した貫通穴55の間の絶縁層13を除去するこ
とによって絶縁層13に開口部17を形成し、以て、絶
縁層13に設けられた開口部17の上方に複数の孔部1
6を有するゲート電極15を位置させ、開口部17の底
部に複数の電子放出部(具体的には、炭素薄膜52)か
ら成る電子放出部を位置させる。開口部17の形成は、
絶縁層13の等方的なエッチングにより行うことができ
る。こうして、図26の(B)に示す電界放出素子を得
ることができる。
【0228】[工程−1670]以降、実施の形態1の
[工程−150]と同様の工程を実行することによっ
て、表示装置を組み立てることができる。
【0229】尚、実施の形態16の電界放出素子の製造
方法においても、金属粒子の代わりに、実施の形態11
と同様に金属薄膜を形成してもよい。また、金属粒子を
付着させた後、あるいは又、金属薄膜を形成した後、実
施の形態12の[工程−1220]と同様にして、金属
粒子や金属薄膜の表面の金属酸化物(自然酸化膜)を除
去してもよいし、実施の形態13の[工程−1310]
にて説明したと同様に、例えばチオナフテン溶液をスピ
ンコーティング法にて全面に塗布した後、加熱処理を施
すことによって、炭素薄膜選択成長領域50の表面に硫
黄(S)を付着させてもよい。また、実施の形態14と
同様にして、金属化合物粒子を付着させた後、あるいは
又、金属化合物薄膜を形成した後、金属化合物粒子や金
属化合物薄膜を熱分解し、カソード電極の表面に金属粒
子が付着して成り、あるいは又、金属薄膜が形成されて
成る炭素薄膜選択成長領域を得てもよい。
【0230】(実施の形態17)実施の形態17は、第
2の形態に係る電界放出素子、本発明の第2の形態に係
る表示装置、及び、本発明の第3の態様に係る製造方法
に関する。実施の形態17の電界放出素子を構成する電
子放出部の構造は、所謂スピント型である。また、実施
の形態17の表示装置は、電界放出素子の構造が異なる
ことを除き、実質的には実施の形態1にて説明した表示
装置と同様の表示装置である。スピント型の電子放出部
の製造方法は、基本的には、円錐形の電子放出部60を
金属材料の垂直蒸着により形成する方法である。即ち、
貫通孔61に対して蒸着粒子は垂直に入射するが、貫通
孔61の付近に形成されるオーバーハング状の堆積物に
よる遮蔽効果を利用して、貫通孔61の底部に到達する
蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放
出部60を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオ
ーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲ
ート電極15上に剥離層62を予め形成しておく方法に
ついて、支持体等の模式的な一部断面図である図27〜
図29を参照して説明する。尚、図27及び図28にお
いては、1つの貫通孔61の近傍のみを図示する。
【0231】[工程−1700]先ず、例えばガラス基
板から成る支持体11上にニオブ(Nb)から成るスト
ライプ状のカソード電極層212を形成した後、全面に
SiO2から成る絶縁層13を形成し、更に、複数の孔
部16を有するゲート電極15を絶縁層13上に形成す
る。ゲート電極15の形成は、例えば、スパッタ法、リ
ソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき行う
ことができる。次に、孔部16の下に位置する絶縁層1
3に貫通孔61をRIE法にて形成し、貫通孔61の底
部にカソード電極層212を露出させる(図27の
(A)参照)。
【0232】[工程−1710]次に、貫通孔61の底
部に露出したカソード電極層212上に、電子放出部6
0を形成する。具体的には、アルミニウムを斜め蒸着す
ることにより、剥離層62を形成する。このとき、支持
体11の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく
選択することにより、貫通孔61の底部にアルミニウム
を殆ど堆積させることなく、ゲート電極15及び絶縁層
13上に剥離層62を形成することができる。この剥離
層62は、貫通孔61の開口端部から庇状に張り出して
おり、これにより貫通孔61が実質的に縮径される(図
27の(B)参照)。
【0233】次に、全面に例えばモリブデン(Mo)を
垂直蒸着する。このとき、図28の(A)に示すよう
に、剥離層62上でオーバーハング形状を有するモリブ
デンから成る導電体層63が成長するに伴い、貫通孔6
1の実質的な直径が次第に縮小されるので、貫通孔61
の底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に貫通
孔61の中央付近を通過するものに限られるようにな
る。その結果、貫通孔61の底部には円錐形の堆積物が
形成され、この円錐形のモリブデンから成る堆積物が電
子放出部60となる。
【0234】その後、電気化学的プロセス及び湿式プロ
セスによって剥離層62をゲート電極15の表面から剥
離し、ゲート電極15の上方の導電体層63を選択的に
除去する。その結果、図28の(B)及び図29の
(A)に示すように、貫通孔61の底部に位置するカソ
ード電極層212上に円錐形の電子放出部60を残すこ
とができる。尚、図29の(A)は、図28の(B)よ
りも広い領域を示している。
【0235】[工程−1720]次に、重複領域におけ
る隣接した貫通孔61の間の絶縁層13を等方的なエッ
チングによって除去することにより、絶縁層13に開口
部17を形成し、以て、絶縁層13に設けられた開口部
17の上方に複数の孔部16を有するゲート電極15を
位置させ、開口部17の底部に複数の電子放出部60か
ら成る電子放出領域を位置させる(図29の(B)参
照)。
【0236】(実施の形態18)実施の形態18も、第
2の形態に係る電界放出素子、本発明の第2の形態に係
る表示装置、及び、本発明の第3の態様に係る製造方法
に関する。実施の形態18の電界放出素子を構成する電
子放出部の構造は、所謂王冠型である。また、実施の形
態18の表示装置は、電界放出素子の構造が異なること
を除き、実質的には実施の形態1にて説明した表示装置
と同様の表示装置である。以下、実施の形態18の電界
放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部断面図
である図30〜図33を参照して説明する。尚、図30
及び図31においては、2つの貫通孔71の近傍のみを
図示する。
【0237】[工程−1800]先ず、例えばガラス基
板から成る支持体11上に、ストライプのカソード電極
層212を形成する。カソード電極層212は、例えば
支持体11上にITO膜をスパッタリング法により約
0.2μmの厚さに全面に亙って成膜した後、ITO膜
をパターニングすることにより形成することができる。
尚、カソード電極層212は、単一の材料層であっても
よく、複数の材料層を積層することによって構成するこ
ともできる。例えば、後の工程で形成される各電子放出
部の電子放出特性のばらつきをカバーするために、カソ
ード電極層212の表層部を残部よりも電気抵抗率の高
い材料で構成することができる。次に、カソード電極層
212及び支持体11上に絶縁層13を形成する。ここ
では、一例としてガラスペーストを全面に約3μmの厚
さにスクリーン印刷する。次に、絶縁層13に含まれる
水分や溶剤を除去し、且つ、絶縁層13を平坦化するた
めに、例えば100゜C、10分間の仮焼成、及び50
0゜C、20分間の本焼成といった2段階の焼成を行
う。尚、上述のようなガラスペーストを用いたスクリー
ン印刷に替えて、例えばプラズマCVD法によりSiO
2膜を形成してもよい。
【0238】次に、絶縁層13上に、複数の孔部16を
有するゲート電極15(ストライプ状の導電材料層の一
部が相当する)を形成する(図30の(A)参照)。導
電材料層は、例えば、絶縁層13上に厚さ約20nmの
クロム(Cr)膜と厚さ0.2μmの金(Au)膜を電
子ビーム蒸着法によりこの順に全面成膜し、続いてこの
積層膜をパターニングすることにより形成することがで
きる。尚、クロム膜は、絶縁層13に対する金膜の密着
性の不足を補うために形成される。導電材料層の射影像
の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極層212
の射影像の延びる方向と90度を成す。
【0239】[工程−1810]次に、例えばフォトレ
ジスト材料から成るエッチング用マスクを用いて絶縁層
13をフッ素系ガスを用いたRIE法に基づくエッチン
グを行い、絶縁層13に貫通孔71を形成し、貫通孔7
1の底部にカソード電極層212を露出させる(図30
の(B)参照)。貫通孔71の直径を約2〜50μmと
する。
【0240】[工程−1820]次に、エッチング用マ
スクを除去し、ゲート電極15及び絶縁層13上、並び
に貫通孔71の側壁面上に剥離層72を形成する(図3
1の(A)参照)。かかる剥離層72を形成するには、
例えば、フォトレジスト材料をスピンコーティング法に
より全面に塗布し、貫通孔71の底部の一部分のみを除
去するようなパターニングを行う。この時点で、貫通孔
71の実質的な直径は、約1〜20μmに縮径される。
【0241】[工程−1830]次に、図31の(B)
に示すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物
層73を形成する。ここで使用する組成物原料は、例え
ば、導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子
を60重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重
量%含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、
10秒間の条件で全面にスピンコーティングする。貫通
孔71内における導電性組成物層73の表面は、組成物
原料の表面張力に起因して、貫通孔71の側壁面に沿っ
て迫り上がり、貫通孔71の中央部に向かって窪む。こ
の後、導電性組成物層73に含まれる水分を除去するた
めの仮焼成を、例えば大気中、400゜Cで30分間行
う。
【0242】導電性粒子として、黒鉛等のカーボン系材
料の他、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタ
ル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ク
ロム(Cr)等の高融点金属、あるいはITO(インジ
ウム・錫酸化物)等の透明導電材料の粒子を使用するこ
とができる。バインダとして、ガラス以外にも、汎用樹
脂を使用することもできる。汎用樹脂として、塩化ビニ
ル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロ
ースエステル樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂や、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬
化性樹脂を例示することができる。
【0243】尚、導電性粒子の粒径が電子放出部の寸法
に比べて十分に小さいことが要求される。導電性粒子の
形状は、球形、多面体、板状、針状、柱状、不定形等、
特に限られない。寸法や形状の異なる導電性粒子を混合
して使用しても構わない。
【0244】組成物原料において、バインダは、(1)
それ自身が導電性粒子の分散媒であってもよいし、
(2)導電性粒子を被覆していてもよいし、(3)適当
な溶媒に分散あるいは溶解されることによって、導電性
粒子の分散媒を構成してもよい。(3)のケースの典型
例は水ガラスであり、日本工業規格(JIS)K140
8に規定される1号乃至4号、又はこれらの同等品を使
用することができる。1号乃至4号は、水ガラスの構成
成分である酸化ナトリウム(Na2O)1モルに対する
酸化珪素(SiO2)のモル数(約2〜4モル)の違い
に基づく4段階の等級であり、それぞれ粘度が大きく異
なる。従って、リフトオフ・プロセスで水ガラスを使用
する際には、水ガラスに分散させる導電性粒子の種類や
含有量、剥離層72との親和性、貫通孔71のアスペク
ト比等の諸条件を考慮して、最適な等級の水ガラスを選
択するか、又は、これらの等級と同等の水ガラスを調製
して使用することが好ましい。
【0245】バインダは一般に導電性に劣るので、導電
性組成物中の導電性粒子の含有量に対してバインダの含
有量が多過ぎると、形成される電子放出部の電気抵抗値
が上昇し、電子放出が円滑に行われなくなる虞がある。
従って、例えば水ガラス中に導電性粒子としてカーボン
系材料粒子を分散させて成る組成物原料を例にとると、
組成物原料の全重量に占めるカーボン系材料粒子の割合
は、電子放出部の電気抵抗値、組成物原料の粘度、導電
性粒子同士の接着性等の特性を考慮し、概ね30〜95
重量%の範囲に選択することが好ましい。カーボン系材
料粒子の割合をかかる範囲内に選択することにより、形
成される電子放出部の電気抵抗値を十分に下げると共
に、カーボン系材料粒子同士の接着性を良好に保つこと
が可能となる。但し、導電性粒子としてカーボン系材料
粒子にアルミナ粒子を混合して用いた場合には、導電性
粒子同士の接着性が低下する傾向があるので、アルミナ
粒子の含量に応じてカーボン系材料粒子の割合を高める
ことが好ましく、60重量%以上とすることが特に好ま
しい。尚、組成物原料には、導電性粒子の分散状態を安
定化させるための分散剤や、pH調整剤、乾燥剤、硬化
剤、防腐剤等の添加剤が含まれていてもよい。尚、導電
性粒子を結合剤(バインダ)の被膜で覆った粉体を、適
当な分散媒中に分散させて成る組成物原料を用いてもよ
い。
【0246】一例として、王冠状の電子放出部の直径を
概ね1〜20μmとし、導電性粒子としてカーボン系材
料粒子を使用した場合、カーボン系材料粒子の粒径は概
ね0.1μm〜1μmの範囲とすることが好ましい。カ
ーボン系材料粒子の粒径をかかる範囲に選択することに
より、王冠状の電子放出部の縁部に十分に高い機械的強
度が備わり、且つ、カソード電極層に対する電子放出部
の密着性が良好となる。
【0247】[工程−1840]次に、図31の(C)
に示すように、剥離層72を除去する。剥離は、2重量
%の水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬するこ
とにより行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離
を行ってもよい。これにより、剥離層72と共に剥離層
72上の導電性組成物層73の部分が除去され、貫通孔
71の底部に露出したカソード電極層212上の導電性
組成物層73の部分のみが残される。この残存した部分
が電子放出部70となる。電子放出部70の形状は、表
面が貫通孔71の中央部に向かって窪み、王冠状とな
る。[工程−1840]が終了した時点における状態
を、図32に示す。図32の(B)は、電界放出素子の
一部を示す模式的な斜視図であり、図32の(A)は図
32の(B)のA−A線断面図である。図32の(B)
では、電子放出部70の全体が見えるように、絶縁層1
3とゲート電極15との一部を破断している。尚、1つ
の電子放出領域には、5〜100個程度の電子放出部7
0を設けることで十分である。尚、導電性粒子の粒径が
電子放出部の表面に確実に露出するように、電子放出部
の表面に露出したバインダをエッチングによって除去し
てもよい。
【0248】[工程−1850]次に、電子放出部70
の焼成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、30
分間の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含ま
れるバインダの種類に応じて選択すればよい。例えば、
バインダが水ガラスのような無機材料である場合には、
無機材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。バイ
ンダが熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂を硬
化し得る温度で熱処理を行えばよい。但し、導電性粒子
同士の密着性を保つために、熱硬化性樹脂が過度に分解
したり炭化する虞のない温度で熱処理を行うことが好適
である。いずれのバインダを用いるにしても、熱処理温
度は、ゲート電極やカソード電極層、絶縁層に損傷や欠
陥が生じない温度とする必要がある。熱処理雰囲気は、
ゲート電極やカソード電極層の電気抵抗率が酸化によっ
て上昇したり、あるいはゲート電極やカソード電極層に
欠陥や損傷が生ずることのないよう、不活性ガス雰囲気
とすることが好ましい。尚、バインダとして熱可塑性樹
脂を使用した場合には、熱処理を必要としない場合があ
る。
【0249】[工程−1860]次に、重複領域におけ
る隣接した貫通孔71の間の絶縁層13を等方的なエッ
チングによって除去することにより、絶縁層13に開口
部17を形成し、以て、絶縁層13に設けられた開口部
17の上方に複数の孔部16を有するゲート電極15を
位置させ、開口部17の底部に複数の電子放出部70か
ら成る電子放出領域を位置させる(図33参照)。
【0250】(実施の形態19)実施の形態19は、実
施の形態1の電界放出素子の変形である。実施の形態1
9が実施の形態1と相違する点は、実施の形態19の電
界放出素子が、本発明の第4の態様、具体的には、第4
Aの態様に係る製造方法に基づき作製されている点にあ
る。また、導電材料箔14Aは、絶縁層13の頂面に、
熱硬化性接着剤(例えばエポキシ系接着剤)にて固定さ
れている。あるいは又、図34に、支持体11の端部近
傍の模式的な一部断面図を示すように、ストライプ状の
導電材料箔14Aの両端部は、支持体11の周辺部に固
定されている構造とすることもできる。より具体的に
は、例えば、支持体11の周辺部に突起部18を予め形
成しておき、この突起部18の頂面に導電材料箔14A
を構成する材料と同じ材料の薄膜19を形成しておく。
そして、ストライプ状の導電材料箔14Aを張架した状
態で、かかる薄膜19に、例えばレーザを用いて溶接す
る。尚、突起部18は、例えば、絶縁層13の形成と同
時に形成することができる。
【0251】以下、実施の形態19の電界放出素子の製
造方法を説明する。
【0252】[工程−1900]先ず、実施の形態1の
[工程−100]と同様にして、支持体11上に、第1
の方向に延びるストライプ状のカソード電極層12(C
rから成る)を形成する。
【0253】[工程−1910]次いで、実施の形態1
の[工程−110]と同様にして、全面に絶縁層13を
形成する。その後、リソグラフィ技術及びエッチング技
術を用いて絶縁層13に開口部17を形成する。あるい
は、例えば、スクリーン印刷法にて、絶縁層13を形成
する際、併せて、開口部17を形成してもよい。こうし
て、開口部17の底部に電子放出領域10に相当するカ
ソード電極層12の表面を露出させることができる。こ
こで、絶縁層13がゲート電極支持部に相当する。
【0254】[工程−1920]その後、複数の孔部1
6が形成されたストライプ状の導電材料箔14Aを、複
数の孔部16が電子放出領域10の上方に位置するよう
に、ゲート電極支持部である絶縁層13によって支持さ
れた状態に配設し、しかも、第1の方向とは異なる第2
の方向にストライプ状の導電材料箔14Aを配置し、以
て、ストライプ状の導電材料箔14Aから構成され、複
数の孔部16を有するゲート電極15を電子放出領域1
0の上方に位置させる。タングステン(W)から成るス
トライプ状の導電材料箔14Aの配設方法は、上述のと
おりとすればよい。
【0255】[工程−1930]こうして、図1に示し
たと同様の電界放出素子を得ることができる。その後、
実施の形態1の[工程−150]と同様の工程を実行す
ることによって、表示装置を組み立てることができる。
【0256】尚、実施の形態2と同様に、電子放出領域
に相当するカソード電極層12の表面に微小凹凸部12
Aを形成してもよい。あるいは又、実施の形態3と同様
に、電子放出領域に相当するカソード電極層12の表面
(微小凹凸部12Aが形成されている場合を含む)に被
覆層12Bを形成してもよい。更には、実施の形態4〜
実施の形態7と同様に、電子を放出する複数の***部
と、各***部に囲まれた凹部とを有するカソード電極層
が、支持体上に備えられている構成とすることもでき
る。
【0257】(実施の形態20)実施の形態20は、実
施の形態19の電界放出素子の変形である。実施の形態
20における電界放出素子は、図35の(A)に模式的
な一部断面図を示すように、実施の形態19と異なり、
カソード電極層12とカソード電極層12との間に隔壁
13Aが設けられている。カソード電極層12、導電材
料箔14A及びゲート電極15、並びに、隔壁13Aの
模式的な配置図を、図35の(B)に示す。
【0258】そして、導電材料箔14Aは、隔壁13A
の頂面に、熱硬化性接着剤(例えばエポキシ系接着剤)
にて固定されている。あるいは又、図34に模式的な一
部断面図を示したと同様に、ストライプ状の導電材料箔
14Aの両端部は、支持体11の周辺部に固定されてい
る構造とすることもできる。より具体的には、例えば、
支持体11の周辺部に突起部18を予め形成しておき、
この突起部18の頂面に導電材料箔14Aを構成する材
料と同じ材料の薄膜19を形成しておく。そして、スト
ライプ状の導電材料箔14Aを張架した状態で、かかる
薄膜19に、例えばレーザを用いて溶接する。
【0259】実施の形態20の表示装置も、電界放出素
子の構造が異なる点を除き、実質的には、図2に示した
と同様の構造を有する。
【0260】実施の形態20の電界放出素子は、以下に
説明する第4Eの態様に係る製造方法にて製造すること
ができる。
【0261】[工程−2000]先ず、支持体11上に
ゲート電極支持部を構成する隔壁13Aを、例えば、サ
ンドブラスト法に基づき形成する。
【0262】[工程−2010]その後、支持体11上
に電子放出領域10を形成する。具体的には、全面に、
スピンコーティング法にてレジスト材料から成るマスク
層を形成し、隔壁13Aと隔壁13Aとの間のカソード
電極層を形成すべき領域の部分のマスク層を除去する。
その後、実施の形態1の[工程−100]と同様にし
て、クロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層
をスパッタ法にて全面に形成した後、マスク層を除去す
る。これによって、マスク層上に形成されたカソード電
極用導電材料層も除去され、隔壁13Aと隔壁13Aと
の間のカソード電極層12が残される。
【0263】[工程−2020]その後、複数の孔部1
6が形成されたストライプ状の導電材料箔14Aを、複
数の孔部16が電子放出領域10の上方に位置するよう
に、ゲート電極支持部である隔壁13Aによって支持さ
れた状態に配設し、以て、ストライプ状の導電材料箔1
4Aから構成され、複数の孔部16を有するゲート電極
15を電子放出領域10の上方に位置させる。ストライ
プ状の導電材料箔14Aの配設方法は、上述のとおりと
すればよい。
【0264】[工程−2030]こうして、図1に示し
たと同様の電界放出素子を得ることができる。その後、
実施の形態1の[工程−150]と同様の工程を実行す
ることによって、表示装置を組み立てることができる。
【0265】尚、実施の形態2と同様に、電子放出領域
に相当するカソード電極層12の表面に微小凹凸部12
Aを形成してもよい。あるいは又、実施の形態3と同様
に、電子放出領域に相当するカソード電極層12の表面
(微小凹凸部12Aが形成されている場合を含む)に被
覆層12を形成してもよい。更には、実施の形態4〜実
施の形態7と同様に、電子を放出する複数の***部と、
各***部に囲まれた凹部とを有するカソード電極層が、
支持体上に備えられている構成とすることもできる。
【0266】(実施の形態21)実施の形態21は、実
施の形態8の変形である。実施の形態21が実施の形態
8と相違する点は、実施の形態21の電界放出素子が、
本発明の第4の態様、具体的には、第4Bの態様に係る
製造方法に基づき作製されている点にある。また、導電
材料箔14Aは、絶縁層13の頂面に、熱硬化性接着剤
にて固定されている。あるいは又、図34に模式的な一
部断面図を示したと同様に、ストライプ状の導電材料箔
14Aの両端部は、支持体11の周辺部に固定されてい
る構造とすることもできる。
【0267】以下、実施の形態21の電界放出素子の製
造方法を説明する。
【0268】[工程−2100]先ず、実施の形態8の
[工程−800]と同様にして、支持体11上に、クロ
ム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をスパッ
タ法にて形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパター
ニングする。これによって、第1の方向に延びるストラ
イプ状のカソード電極層212を支持体11上に形成す
ることができる。
【0269】[工程−2110]次に、カソード電極層
212上に、電子放出領域210を構成する電子放出部
を形成する。具体的には、先ず、全面にスパッタ法にて
SiCから成る抵抗体層40を形成し、次いで、抵抗体
層40の上にグラファイト粉末塗料から成る電子放出層
41をスピンコーティング法にて形成し、電子放出層4
1を乾燥させる。その後、電子放出層41及び抵抗体層
40を公知の方法に基づきパターニングする。電子放出
部は、電子放出層41から構成される。
【0270】[工程−2120]次に、全面に絶縁層1
3を形成する。具体的には、電子放出層41及び支持体
11上に、例えば、スパッタ法にてSiO2から成る絶
縁層13を形成する。その後、絶縁層13に開口部17
を形成し、以て、開口部17の底部に電子放出領域を露
出させる。残された絶縁層13が、ゲート電極支持部に
相当する。次いで、電子放出層41中の有機溶剤を除去
するために、400゜C、30分の熱処理を施す。尚、
開口部17を有する絶縁層13を、ガラスペーストをス
クリーン印刷することによって形成することもできる。
【0271】[工程−2130]その後、複数の孔部1
6が形成されたストライプ状の導電材料箔14Aを、複
数の孔部16が電子放出領域の上方に位置するように、
ゲート電極支持部である絶縁層13によって支持された
状態に配設し、しかも、第1の方向とは異なる第2の方
向にストライプ状の導電材料箔14Aを配置し、以て、
ストライプ状の導電材料箔14Aから構成され、複数の
孔部16を有するゲート電極15を電子放出領域10の
上方に位置させる。タングステン(W)から成るストラ
イプ状の導電材料箔14Aの配設方法は、上述のとおり
とすればよい。
【0272】[工程−2140]こうして、図14に示
したと同様の電界放出素子を得ることができる。その
後、実施の形態1の[工程−150]と同様の工程を実
行することによって、表示装置を組み立てることができ
る。
【0273】尚、実施の形態21の電界放出素子を、第
4Bの態様に係る製造方法に基づき作製する代わりに、
第4Cの態様に係る製造方法に基づき作製することもで
きる。この場合には、[工程−2100]において、支
持体11上に、クロム(Cr)から成るカソード電極用
導電材料層をスパッタ法にて形成した後、カソード電極
用導電材料層をパターニングすることなく、[工程−2
110]と同様にして、カソード電極用導電材料層上に
電子放出領域210を構成する電子放出部を形成した
後、カソード電極用導電材料層をパターニングし、第1
の方向に延びるストライプ状のカソード電極層212を
支持体11上に形成すればよい。
【0274】更には、実施の形態21の電界放出素子
を、第4Bの態様に係る製造方法に基づき作製する代わ
りに、第4Dの態様に係る製造方法に基づき作製するこ
ともできる。この場合には、[工程−2100]におい
て、支持体11上に、クロム(Cr)から成るカソード
電極層を形成した後、[工程−2120]を実行し、次
いで、[工程−2110]と同様にして、カソード電極
層上に電子放出領域210を構成する電子放出部を形成
すればよい。
【0275】実施の形態21の電界放出素子に対して、
実施の形態10〜実施の形態14にて説明した電界放出
素子の構成を適用することもできる。即ち、電子放出層
41及び抵抗体層40の形成に代えて、炭素薄膜選択成
長領域50及び炭素薄膜52の形成を行ってもよい。こ
れらの場合、炭素薄膜選択成長領域50及び炭素薄膜5
2を有する電界放出素子は、第4Bの態様、第4Cの態
様あるいは第4Dの態様に係る製造方法にて作製するこ
とができる。
【0276】(実施の形態22)実施の形態22は、実
施の形態21の電界放出素子の変形である。実施の形態
22における電界放出素子は、実施の形態21と異な
り、カソード電極層212とカソード電極層212との
間に隔壁13Aが設けられている。カソード電極層21
2、導電材料箔14A及びゲート電極15、並びに、隔
壁13Aの模式的な配置は、図35の(B)に示したと
同様である。
【0277】そして、導電材料箔14Aは、隔壁13A
の頂面に、熱硬化性接着剤にて固定されている。あるい
は又、図34に模式的な一部断面図を示したと同様に、
ストライプ状の導電材料箔14Aの両端部は、支持体1
1の周辺部に固定されている構造とすることもできる。
【0278】実施の形態22の表示装置も、電界放出素
子の構造が異なる点を除き、実質的には、図2に示した
と同様の構造を有する。
【0279】実施の形態22電界放出素子は、以下に説
明する第4Fの態様に係る製造方法にて製造することが
できる。
【0280】[工程−2200]先ず、支持体11上に
ゲート電極支持部を構成する隔壁13Aを、例えば、サ
ンドブラスト法に基づき形成する。
【0281】[工程−2210]その後、支持体11上
にカソード電極層212及び電子放出領域10を形成す
る。具体的には、全面に、スピンコーティング法にてレ
ジスト材料から成るマスク層を形成し、隔壁13Aと隔
壁13Aとの間のカソード電極層を形成すべき領域の部
分のマスク層を除去する。その後、実施の形態21の
[工程−2100]と同様にして、クロム(Cr)から
成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法にて全面に
形成した後、マスク層を除去する。これによって、マス
ク層上に形成されたカソード電極用導電材料層も除去さ
れ、隔壁13Aと隔壁13Aとの間のカソード電極層2
12が残される。
【0282】[工程−2220]次に、カソード電極層
212上に、電子放出領域210を構成する電子放出部
を形成する。具体的には、全面に、スピンコーティング
法にてレジスト材料から成るマスク層を形成し、隔壁1
3Aと隔壁13Aとの間の電子放出部を形成すべき領域
の部分のマスク層を除去する。そして、全面にスパッタ
法にてSiCから成る抵抗体層40を形成し、次いで、
抵抗体層40の上にグラファイト粉末塗料から成る電子
放出層41をスピンコーティング法にて形成し、電子放
出層41を乾燥させる。その後、マスク層を除去する。
これによって、マスク層上に形成された電子放出層41
及び抵抗体層40も除去され、隔壁13Aと隔壁13A
との間の電子放出部が残される。
【0283】[工程−2230]その後、複数の孔部1
6が形成されたストライプ状の導電材料箔14Aを、複
数の孔部16が電子放出領域の上方に位置するように、
ゲート電極支持部である隔壁13Aによって支持された
状態に配設し、しかも、第1の方向とは異なる第2の方
向にストライプ状の導電材料箔14Aを配置し、以て、
ストライプ状の導電材料箔14Aから構成され、複数の
孔部16を有するゲート電極15を電子放出領域10の
上方に位置させる。タングステン(W)から成るストラ
イプ状の導電材料箔14Aの配設方法は、上述のとおり
とすればよい。
【0284】[工程−2240]こうして、図14に示
したと同様の電界放出素子を得ることができる。その
後、実施の形態1の[工程−150]と同様の工程を実
行することによって、表示装置を組み立てることができ
る。
【0285】尚、実施の形態22の電界放出素子を、第
4Fの態様に係る製造方法に基づき作製する代わりに、
第4Gの態様に係る製造方法に基づき作製することもで
きる。この場合には、[工程−2210]において、全
面に、スピンコーティング法にてレジスト材料から成る
マスク層を形成し、隔壁13Aと隔壁13Aとの間のカ
ソード電極層を形成すべき領域の部分のマスク層を除去
する。そして、クロム(Cr)から成るカソード電極用
導電材料層をスパッタ法にて全面に形成し、次いで、全
面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層40を形成
し、更に、抵抗体層40の上にグラファイト粉末塗料か
ら成る電子放出層41をスピンコーティング法にて形成
し、電子放出層41を乾燥させる。その後、マスク層を
除去する。これによって、マスク層上に形成された電子
放出層41及び抵抗体層40、カソード電極用導電材料
層も除去され、隔壁13Aと隔壁13Aとの間の電子放
出部及びカソード電極層212が残される。
【0286】実施の形態22の電界放出素子に対して、
実施の形態10〜実施の形態14にて説明した電界放出
素子の構成を適用することもできる。即ち、電子放出層
41及び抵抗体層40の形成に代えて、炭素薄膜選択成
長領域50及び炭素薄膜52の形成を行ってもよい。こ
れらの場合、炭素薄膜選択成長領域50及び炭素薄膜5
2を有する電界放出素子は、第4Fの態様あるいは第4
Gの態様に係る製造方法にて作製することができる。
【0287】実施の形態19〜実施の形態22にて説明
した電界放出素子においては、絶縁層13あるいは隔壁
13Aの高さを表示装置全体に亙って一定としてもよい
が、導電材料箔14Aの張架方向に沿った表示装置の中
央部における絶縁層13あるいは隔壁13Aの高さを、
表示装置の周辺部における絶縁層13あるいは隔壁13
Aよりも高くすることが、導電材料箔14Aの張架状態
を安定に保持するといった観点から好ましい。あるいは
又、表示装置の中央部に、導電材料箔14Aを支持する
ために、絶縁層13あるいは隔壁13Aよりも高い支持
部材を配置することが望ましい。これらの場合、ゲート
電極と電子放出領域あるいは電子放出部との間の距離が
表示装置の周辺部から中央部に向かって変化するが、例
えばカソード電極層に印加する電圧を表示装置における
カソード電極層の位置によって変えれば、電子放出部あ
るいは電子放出領域からの電子の放出量(放出電子電
流)を表示装置のどの位置にカソード電極層が位置する
かに拘わらず、一定とすることができる。
【0288】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。電界放出素子の構造、電界放出素子の製造方法にお
ける加工条件や使用した材料等の詳細事項、電界放出素
子を適用した表示装置の構造の細部は例示であり、適宜
変更、選択、組合せが可能である。電子放出部がカソー
ド電極層上に設けられた構造の電界放出素子において
は、各電子放出部からの電子放出特性の均一化を図るた
めに、カソード電極層と電子放出部との間に抵抗体層を
形成してもよい。孔部16の平面形状は円形に限定され
ない。導電材料層14に設けられた孔部16の形状の変
形例を図36の(A)、(B)、(C)及び(D)に例
示するが、導電材料箔14Aにも同様の孔部を形成する
ことができる。
【0289】電子放出領域として、表面伝導型電子放出
素子と通称される素子から電子放出領域を構成すること
もできる。この表面伝導型電子放出素子は、例えばガラ
スから成る支持体上に酸化錫(SnO2)、金(A
u)、酸化インジウム(In23)/酸化錫(Sn
2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の導電
材料から成り、微小面積を有し、所定の間隔(ギャッ
プ)を開けて配された一対の電極がマトリクス状に形成
されて成る。それぞれの電極の上には炭素薄膜が形成さ
れている。そして、一対の電極の内の一方の電極に行方
向配線が接続され、一対の電極の内の他方の電極に列方
向配線が接続された構成を有する。一対の電極に電圧を
印加することによって、ギャップを挟んで向かい合った
炭素薄膜に電界が加わり、炭素薄膜から電子が放出され
る。かかる電子をアノードパネル上の蛍光体層に衝突さ
せることによって、蛍光体層が励起されて発光し、所望
の画像を得ることができる。
【0290】
【発明の効果】本発明の冷陰極電界電子放出素子あるい
は冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、電子放出領
域近傍に高強度の電界を形成することが可能となり、簡
素な構造を有するにも拘わらず、効率良く、且つ、安定
して電子放出領域から電子を放出させることが可能とな
る。また、1つの電子放出領域に対応して1つの開口部
(あるいは隔壁で挟まれた空間)と複数の孔部を設ける
ことによって、ゲート電極の下方には、従来の冷陰極電
界電子放出素子や冷陰極電界電子放出表示装置よりも大
きな空間が形成され、配線容量の低減を図ることができ
る結果、表示装置における電気回路、制御回路の負担を
低減させることが可能となる。更には、複数の孔部を有
するゲート電極に対して1つの電子放出領域を形成すれ
ばよいので、製造プロセスを簡素化することができ、し
かも、プロセスマージンが大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素子
の模式的な一部断面図、及び、その一部を切り欠いた模
式的な斜視図である。
【図2】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示
装置の模式的な一部端面図である。
【図3】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図4】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出素子
の模式的な一部断面図である。
【図5】発明の実施の形態3の冷陰極電界電子放出素子
の模式的な一部断面図である。
【図6】発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出素子
の模式的な一部断面図、並びに、絶縁層及び複数の孔部
が設けられたゲート電極を取り除いた模式的な斜視図で
ある。
【図7】発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図8】図7に引き続き、発明の実施の形態4の冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図9】図8に引き続き、発明の実施の形態4の冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図10】発明の実施の形態5の冷陰極電界電子放出素
子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部
端面図である。
【図11】発明の実施の形態6の冷陰極電界電子放出素
子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部
端面図である。
【図12】発明の実施の形態7の冷陰極電界電子放出素
子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部
端面図である。
【図13】図12に引き続き、発明の実施の形態7の冷
陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図14】発明の実施の形態8の冷陰極電界電子放出素
子の模式的な一部断面図、及び、その一部を切り欠いた
模式的な斜視図である。
【図15】発明の実施の形態8の冷陰極電界電子放出素
子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部
端面図である。
【図16】発明の実施の形態9の冷陰極電界電子放出素
子の模式的な一部断面図、及び、その一部を切り欠いた
模式的な斜視図である。
【図17】発明の実施の形態9の冷陰極電界電子放出素
子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部
端面図である。
【図18】発明の実施の形態10の電界放出素子の模式
的な一部断面図である。
【図19】発明の実施の形態10の冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図20】図19に引き続き、発明の実施の形態10の
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図21】発明の実施の形態11の冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図22】発明の実施の形態15の冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図23】発明の実施の形態15の冷陰極電界電子放出
素子の変形例の模式的な一部断面図である。
【図24】発明の実施の形態16の冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図25】図24に引き続き、発明の実施の形態16の
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図26】図25に引き続き、発明の実施の形態16の
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図27】発明の実施の形態17の冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図28】図27に引き続き、発明の実施の形態17の
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図29】図28に引き続き、発明の実施の形態17の
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図30】発明の実施の形態18の冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図31】図30に引き続き、発明の実施の形態18の
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図32】図31に引き続き、発明の実施の形態18の
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図33】図32に引き続き、発明の実施の形態18の
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図34】ストライプ状の導電材料箔の両端部が支持体
の周辺部に固定されている構造を模式的に示す図であ
る。
【図35】発明の実施の形態20の電界放出素子の模式
的な一部断面図、並びに、カソード電極層、導電材料
箔、ゲート電極、及び隔壁の模式的な配置図である。
【図36】ゲート電極の有する複数の孔部を示す模式的
な平面図である。
【図37】スピント型冷陰極電界電子放出素子を備えた
従来の冷陰極電界電子放出表示装置の構成例を示す模式
図である。
【図38】平面型冷陰極電界電子放出素子を備えた従来
の冷陰極電界電子放出表示装置の構成例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
10,210・・・電子放出領域、11・・・支持体、
12,112・・・カソード電極層、112A・・・隆
起部、112B・・・凹部、112C・・・先端部、1
3,113・・・絶縁層、13A・・・隔壁、14・・
・導電材料層、14A・・・導電材料箔、15,115
・・・ゲート電極、16,116・・・孔部、17・・
・開口部、18・・・突起部、19・・・薄膜、20・
・・基板、21・・・蛍光体層、22・・・ブラックマ
トリクス、23・・・アノード電極、24・・・走査回
路、25・・・制御回路、26・・・加速電源、30,
130・・・球体、130A・・・芯材、130B・・
・表面処理層、31・・・組成物層、31A・・・分散
媒、31B・・・カソード電極材料、32,55・・・
貫通穴、40・・・抵抗体層、41・・・電子放出層、
50・・・炭素薄膜選択成長領域、51・・・金属粒
子、52・・・炭素薄膜、53,56・・・マスク層、
54・・・金属薄膜、60,70・・・電子放出部、6
1,71・・・貫通孔、62,72・・・剥離層、63
・・・導電体層、73・・・導電性組成物層、CP・・
・カソードパネル、AP・・・アノードパネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 浩司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大川 竜也 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C031 DD17 5C036 EF01 EF06 EG12 EG15 EH01 EH05

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)支持体上に形成された電子放出領
    域、 (b)支持体上に形成されたゲート電極支持部、及び、 (c)ゲート電極支持部によって支持され、電子放出領
    域の上方に配設された複数の孔部を有するゲート電極、
    から成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子。
  2. 【請求項2】電子放出領域は、第1の方向に延びたスト
    ライプ状のカソード電極層から構成され、 ゲート電極は、第1の方向とは異なる第2の方向に延び
    たストライプ状の導電材料層若しくは導電材料箔から構
    成され、 カソード電極層の射影像と導電材料層若しくは導電材料
    箔の射影像の重複する重複領域に対応するカソード電極
    層の部分の表面が、電子放出領域に相当し、 該重複領域に対応する導電材料層若しくは導電材料箔の
    部分が、ゲート電極に相当することを特徴とする請求項
    1に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  3. 【請求項3】ゲート電極支持部は絶縁層から成り、絶縁
    層に設けられた開口部の上方に複数の孔部を有するゲー
    ト電極が位置し、開口部の底部に電子放出領域が位置す
    ることを特徴とする請求項2に記載の冷陰極電界電子放
    出素子。
  4. 【請求項4】ゲート電極支持部は、カソード電極層と平
    行に延びる隔壁から成ることを特徴とする請求項2に記
    載の冷陰極電界電子放出素子。
  5. 【請求項5】電子放出領域は、第1の方向に延びたスト
    ライプ状のカソード電極層上に形成された電子放出部か
    ら構成され、 ゲート電極は、第1の方向とは異なる第2の方向に延び
    たストライプ状の導電材料層若しくは導電材料箔から構
    成され、 カソード電極層の射影像と導電材料層若しくは導電材料
    箔の射影像の重複する重複領域に対応するカソード電極
    層の部分の表面に、電子放出部が設けられており、 該重複領域に対応する導電材料層若しくは導電材料箔の
    部分が、ゲート電極に相当することを特徴とする請求項
    1に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  6. 【請求項6】ゲート電極支持部は絶縁層から成り、絶縁
    層に設けられた開口部の上方に複数の孔部を有するゲー
    ト電極が位置し、開口部の底部に電子放出領域が位置す
    ることを特徴とする請求項5に記載の冷陰極電界電子放
    出素子。
  7. 【請求項7】開口部の底部に位置する電子放出領域は、
    1又は複数の電子放出部から構成されていることを特徴
    とする請求項6に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  8. 【請求項8】ゲート電極支持部は、カソード電極層と平
    行に延びる隔壁から成ることを特徴とする請求項5に記
    載の冷陰極電界電子放出素子。
  9. 【請求項9】(A)支持体上に電子放出領域を形成する
    工程と、 (B)全面に絶縁層を形成する工程と、 (C)複数の孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形
    成する工程と、 (D)ゲート電極の下に位置する絶縁層に、該複数の孔
    部に連通する開口部を形成し、開口部の底部に電子放出
    領域を露出させる工程、から成ることを特徴とする冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記工程(A)は、支持体上に、第1の
    方向に延びるストライプ状のカソード電極層を形成する
    工程から成り、 前記工程(C)は、第1の方向とは異なる第2の方向に
    延びるストライプ状の導電材料層から構成され、複数の
    孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形成する工程か
    ら成り、 開口部の底部に露出したカソード電極層の表面が電子放
    出領域に相当することを特徴とする請求項9に記載の冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】前記工程(A)は、支持体上に、第1の
    方向に延びるストライプ状のカソード電極層を形成し、
    次いで、カソード電極層上に、電子放出領域を構成する
    電子放出部を形成する工程から成り、 前記工程(C)は、第1の方向とは異なる第2の方向に
    延びるストライプ状の導電材料層から構成され、複数の
    孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形成する工程か
    ら成ることを特徴とする請求項9に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】前記工程(A)は、支持体上にカソード
    電極用導電材料層を形成し、次いで、該カソード電極用
    導電材料層上に電子放出領域を構成する電子放出部を形
    成した後、該カソード電極用導電材料層をパターニング
    し、以て、第1の方向に延びるストライプ状のカソード
    電極層を形成する工程から成り、 前記工程(C)は、第1の方向とは異なる第2の方向に
    延びるストライプ状の導電材料層から構成され、複数の
    孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形成する工程か
    ら成ることを特徴とする請求項9に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  13. 【請求項13】(A)支持体上に、ストライプ状のカソ
    ード電極層を形成する工程と、 (B)全面に絶縁層を形成する工程と、 (C)複数の孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形
    成する工程と、 (D)ゲート電極の下に位置する絶縁層に、該複数の孔
    部に連通する開口部を形成し、開口部の底部にカソード
    電極層を露出させる工程と、 (E)開口部の底部に露出したカソード電極層上に、電
    子放出部を形成する工程、から成ることを特徴とする冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】前記工程(C)は、ストライプ状のカソ
    ード電極層の延びる第1の方向とは異なる第2の方向に
    延びるストライプ状の導電材料層から構成され、複数の
    孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形成する工程か
    ら成ることを特徴とする請求項13に記載の冷陰極電界
    電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】(A)支持体上に、ストライプ状のカソ
    ード電極層を形成する工程と、 (B)全面に絶縁層を形成する工程と、 (C)複数の孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形
    成する工程と、 (D)各孔部の下に位置する絶縁層に貫通孔を形成し、
    貫通孔の底部にカソード電極層を露出させる工程と、 (E)貫通孔の底部に露出したカソード電極層上に、電
    子放出部を形成する工程と、 (F)隣接する貫通孔の間の絶縁層を除去することによ
    って絶縁層に開口部を形成し、以て、絶縁層に設けられ
    た開口部の上方に複数の孔部を有するゲート電極を位置
    させ、開口部の底部に複数の電子放出部から成る電子放
    出領域を位置させる工程、から成ることを特徴とする冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】前記工程(C)は、ストライプ状のカソ
    ード電極層の延びる第1の方向とは異なる第2の方向に
    延びるストライプ状の導電材料層から構成され、複数の
    孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形成する工程か
    ら成ることを特徴とする請求項15に記載の冷陰極電界
    電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】(A)支持体上に電子放出領域を形成
    し、併せて、支持体上にゲート電極支持部を形成する工
    程と、 (B)複数の孔部が形成されたストライプ状の導電材料
    箔を、複数の孔部が電子放出領域の上方に位置するよう
    に、ゲート電極支持部によって支持された状態に配設
    し、以て、ストライプ状の導電材料箔から構成され、複
    数の孔部を有するゲート電極を電子放出領域の上方に位
    置させる工程、から成ることを特徴とする冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  18. 【請求項18】前記工程(A)は、 支持体上に、第1の方向に延びるストライプ状のカソー
    ド電極層を形成する工程と、 開口部を有する絶縁層を全面に形成し、以て、電子放出
    領域に相当するカソード電極層の表面を開口部の底部に
    露出させる工程、から成り、 絶縁層がゲート電極支持部に相当し、 ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異なる第
    2の方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  19. 【請求項19】前記工程(A)は、 支持体上に、第1の方向に延びるストライプ状のカソー
    ド電極層を形成する工程と、 カソード電極層上に、電子放出領域を構成する電子放出
    部を形成する工程と、 開口部を有する絶縁層を全面に形成し、以て、電子放出
    領域を開口部の底部に露出させる工程、から成り、 絶縁層がゲート電極支持部に相当し、 ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異なる第
    2の方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】前記工程(A)は、 支持体上に、カソード電極用導電材料層を形成する工程
    と、 該カソード電極用導電材料層上に、電子放出領域を構成
    する電子放出部を形成する工程と、 該カソード電極用導電材料層をパターニングし、以て、
    第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極層を形
    成する工程と、 開口部を有する絶縁層を全面に形成し、以て、電子放出
    部を開口部の底部に露出させる工程、から成り、 絶縁層がゲート電極支持部に相当し、 ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異なる第
    2の方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  21. 【請求項21】前記(A)の工程は、 支持体上に、ストライプ状のカソード電極層を形成する
    工程と、 開口部を有する絶縁層を全面に形成する工程と、 開口部の底部に露出したカソード電極層上に、電子放出
    領域を構成する電子放出部を形成する工程、から成り、 絶縁層がゲート電極支持部に相当し、 ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異なる第
    2の方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  22. 【請求項22】前記工程(A)における電子放出領域を
    形成する工程は、支持体上に、その表面が電子放出領域
    に相当する、第1の方向に延びるストライプ状のカソー
    ド電極層を形成する工程から成り、 前記工程(A)におけるゲート電極支持部を形成する工
    程は、カソード電極層と平行に延びる隔壁から成るゲー
    ト電極支持部を形成する工程から成り、 ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異なる第
    2の方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  23. 【請求項23】前記工程(A)における電子放出領域を
    形成する工程は、支持体上に、第1の方向に延びるスト
    ライプ状のカソード電極層を形成し、次いで、カソード
    電極層上に、電子放出領域を構成する電子放出部を形成
    する工程から成り、 前記工程(A)におけるゲート電極支持部を形成する工
    程は、カソード電極層と平行に延びる隔壁から成るゲー
    ト電極支持部を形成する工程から成り、 ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異なる第
    2の方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  24. 【請求項24】前記工程(A)における電子放出領域を
    形成する工程は、支持体上にカソード電極用導電材料層
    を形成し、次いで、該カソード電極用導電材料層上に電
    子放出領域を構成する電子放出部を形成した後、該カソ
    ード電極用導電材料層をパターニングし、以て、第1の
    方向に延びるストライプ状のカソード電極層を形成する
    工程から成り、 前記工程(A)におけるゲート電極支持部を形成する工
    程は、カソード電極層と平行に延びる隔壁から成るゲー
    ト電極支持部を形成する工程から成り、 ストライプ状の導電材料箔は、第1の方向とは異なる第
    2の方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  25. 【請求項25】複数の画素から構成され、 各画素は、冷陰極電界電子放出素子と、冷陰極電界電子
    放出素子に対向して基板上に設けられたアノード電極及
    び蛍光体層から構成され、 冷陰極電界電子放出素子は、 (a)支持体上に形成された電子放出領域、 (b)支持体上に形成されたゲート電極支持部、及び、 (c)ゲート電極支持部によって支持され、電子放出領
    域の上方に配設された複数の孔部を有するゲート電極、
    を備えていることを特徴とする冷陰極電界電子放出表示
    装置。
  26. 【請求項26】ゲート電極支持部は絶縁層から成り、絶
    縁層に設けられた開口部の上方に複数の孔部を有するゲ
    ート電極が位置し、開口部の底部に電子放出領域が位置
    することを特徴とする請求項25に記載の冷陰極電界電
    子放出表示装置。
  27. 【請求項27】ゲート電極支持部は、カソード電極層と
    平行に延びる隔壁から成ることを特徴とする請求項25
    に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
  28. 【請求項28】ゲート電極はストライプ状の導電材料箔
    から構成され、 ストライプ状の導電材料箔の両端部は、支持体の周辺部
    に固定されていることを特徴とする請求項25に記載の
    冷陰極電界電子放出表示装置。
  29. 【請求項29】アノード電極及び蛍光体層が形成された
    基板と、冷陰極電界電子放出素子が形成された支持体と
    を、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが対向するよ
    うに配置し、基板と支持体とを周縁部において接合する
    冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子を、 (A)支持体上に電子放出領域を形成する工程と、 (B)全面に絶縁層を形成する工程と、 (C)複数の孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形
    成する工程と、 (D)ゲート電極の下に位置する絶縁層に、該複数の孔
    部に連通する開口部を形成し、開口部の底部に電子放出
    領域を露出させる工程、に基づき形成することを特徴と
    する冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  30. 【請求項30】アノード電極及び蛍光体層が形成された
    基板と、冷陰極電界電子放出素子が形成された支持体と
    を、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが対向するよ
    うに配置し、基板と支持体とを周縁部において接合する
    冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子を、 (A)支持体上に、ストライプ状のカソード電極層を形
    成する工程と、 (B)全面に絶縁層を形成する工程と、 (C)複数の孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形
    成する工程と、 (D)ゲート電極の下に位置する絶縁層に、該複数の孔
    部に連通する開口部を形成し、開口部の底部にカソード
    電極層を露出させる工程と、 (E)開口部の底部に露出したカソード電極層上に、電
    子放出部を形成する工程、に基づき形成することを特徴
    とする冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  31. 【請求項31】アノード電極及び蛍光体層が形成された
    基板と、冷陰極電界電子放出素子が形成された支持体と
    を、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが対向するよ
    うに配置し、基板と支持体とを周縁部において接合する
    冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子を、 (A)支持体上に、ストライプ状のカソード電極層を形
    成する工程と、 (B)全面に絶縁層を形成する工程と、 (C)複数の孔部を有するゲート電極を、絶縁層上に形
    成する工程と、 (D)各孔部の下に位置する絶縁層に貫通孔を形成し、
    貫通孔の底部にカソード電極層を露出させる工程と、 (E)貫通孔の底部に露出したカソード電極層上に、電
    子放出部を形成する工程と、 (F)隣接する貫通孔の間の絶縁層を除去することによ
    って絶縁層に開口部を形成し、以て、絶縁層に設けられ
    た開口部の上方に複数の孔部を有するゲート電極を位置
    させ、開口部の底部に複数の電子放出部から成る電子放
    出領域を位置させる工程、に基づき形成することを特徴
    とする冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  32. 【請求項32】アノード電極及び蛍光体層が形成された
    基板と、冷陰極電界電子放出素子が形成された支持体と
    を、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが対向するよ
    うに配置し、基板と支持体とを周縁部において接合する
    冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子を、 (A)支持体上に電子放出領域を形成し、併せて、支持
    体上にゲート電極支持部を形成する工程と、 (B)複数の孔部が形成されたストライプ状の導電材料
    箔を、複数の孔部が電子放出領域の上方に位置するよう
    に、ゲート電極支持部によって支持された状態に配設
    し、以て、ストライプ状の導電材料箔から構成され、複
    数の孔部を有するゲート電極を電子放出領域の上方に位
    置させる工程、に基づき形成することを特徴とする冷陰
    極電界電子放出表示装置の製造方法。
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