JP2001253950A - 樹脂パイプ、及び該樹脂パイプを用いた感光ドラム - Google Patents

樹脂パイプ、及び該樹脂パイプを用いた感光ドラム

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JP2001253950A
JP2001253950A JP2000395541A JP2000395541A JP2001253950A JP 2001253950 A JP2001253950 A JP 2001253950A JP 2000395541 A JP2000395541 A JP 2000395541A JP 2000395541 A JP2000395541 A JP 2000395541A JP 2001253950 A JP2001253950 A JP 2001253950A
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resin
resin pipe
photosensitive drum
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pipe
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Munenori Iizuka
宗紀 飯塚
Kunio Machida
邦郎 町田
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱型が容易で、作業性よく製造でき、寸法精
度の高い、感光ドラム用の基体等として好適な樹脂パイ
プ及び該樹脂パイプを具備してなる感光ドラムを得るこ
とを目的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
する樹脂組成物を射出成形して得られる樹脂パイプであ
り、内周面に成形後の脱型を容易ならしめるためのテー
パが設けられた樹脂パイプにおいて、上記テーパの傾斜
角度θが0.5×10-3<tanθ<3.5×10-3
関係を満足するものである樹脂パイプ及び該樹脂パイプ
を具備してなる感光ドラムを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂パイプ、特に
複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真装置に
用いられる感光ドラム用の基体として好適に用いられる
樹脂パイプに関し、更に詳述すると、内周面に設けられ
たテーパの傾斜角度θが適正化され、脱型が容易で作業
性よく製造でき、物性にバラツキがない樹脂パイプ及び
該樹脂パイプを具備した感光ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】複写
機、ファクシミリ、プリンター等における静電記録プロ
セスでは、まず、感光ドラムの表面を一様に帯電させ、
この感光ドラム表面に光学系から映像を投射して光の当
たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形
成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナー
の静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙,OH
P,印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリ
ントする方法が採られている。
【0003】このような静電記録プロセスに用いられる
感光ドラムとしては、図3に示した構造のものが一般に
用いられている。
【0004】即ち、良導電性を有する円筒状基体21の
両端にフランジ22a,22bを嵌合固定すると共に、
該円筒状基体21の外周面に感光層23を形成したもの
が一般に用いられており、通常、この感光ドラムは、図
3に示されているように、静電記録装置の本体aに設け
られた支持軸24,24が両フランジ22a,22bに
設けられた軸孔25,25に挿入されて回転自在に支持
され、一方のフランジ22bに形成された駆動用ギア2
6にモータ等の駆動源と連結されたギア27を歯合さ
せ、回転駆動されるようになっている。
【0005】このような感光ドラムに使用される円筒状
基体について、出願人は、先に特定のポリアミド樹脂を
含有する導電性樹脂組成物にて形成された感光ドラムを
提案している(特願平11−241247号)。
【0006】この感光ドラムは、射出成形が容易で、平
面平滑性や機械的強度に優れた組成物にて形成された円
筒状基体を具備してなるので、軽量で、強度に優れると
いう優れた特性を有するものである。
【0007】ところで、上述した円筒状基体等の樹脂パ
イプは、通常、キャビティの外側にゲートを設けたサイ
ドゲート方式による金型を使用した射出成形により製造
されている。この射出成形は、例えば、図4に示される
ような射出成形金型30を使用して行なわれる。
【0008】この金型30は、内部に円柱状中空部を有
する金型本体31と、この金型本体31の一端面に当接
し、上記中空部の一端開口部を閉塞する金型補助部材3
2と、上記中空部にその他端開口部より軸方向に移動可
能に挿入される先端部を有するコア33とを具備してな
るもので、上記金型本体31とコア33の外周面との間
に形成される円筒状キャビティ34内に射出材料をゲー
ト(図示せず)を通じて導入し、樹脂パイプを製造する
ものである。
【0009】しかしながら、この方法では、樹脂パイプ
が縮径し、コアの外周面との密着性が高くなり、コアの
抜き出し作業が困難になる場合がある。
【0010】そこで、このような脱型時の問題を解決す
るために、成形物たる円筒状基体の内周面にテーパを設
け、脱型性を容易ならしめようとする提案がある。
【0011】しかしながら、この提案でもテーパの傾斜
角度が急になると、基体の両端部の肉厚の差が著しく、
成形後の樹脂収縮により、寸法精度が安定しないという
問題が生じる上、物性にバラツキが生じ、導電性が低下
し、電気特性も低下するため、感光ドラム用基体として
適さないものになってしまう場合がある。また、テーパ
の傾斜角度が少ないと、脱型が困難になり、改良の意味
がない。
【0012】このようなテーパの傾斜角度に基づく問題
は、樹脂パイプとして上記導電性樹脂組成物を用いる場
合にも発生し得、脱型の困難性、強度の低下や成形後の
樹脂の収縮等による寸法精度の低下が起こる上、物性の
バラツキが感光ドラムとしての印字性能に悪影響を及ぼ
す原因になり得る。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、樹脂パイプ、特に複写機、ファクシミリ、プリンタ
ー等の電子写真装置に用いられる感光ドラム用の基体と
して好適に用いることができ、脱型が容易で作業性よく
製造でき、物性にバラツキがない樹脂パイプ及び該樹脂
パイプを具備してなる感光ドラムを確実に得ることを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、射出成形によって形成され、そのパイプの内周面に
成形後の脱型を容易ならしめるためのテーパを設けてな
る樹脂パイプにおいて、上記テーパの傾斜角度θを0.
5×10-3<tanθ<3.5×10-3の関係を満足す
るものに調整することにより、金型からの脱型が容易
で、作業性よく製造し得、物性にバラツキがなく、特に
感光ドラム用基体として優れた印字性能を確実に付与で
きることを見出した。
【0015】また、円筒状基体の外周面に感光層を塗工
形成してなる感光ドラムにおいて、上記円筒状基体とし
て上記本発明の樹脂パイプを用いたことを特徴とする感
光ドラムは、上記作業性等の利点が活かされ、物性にバ
ラツキのない高性能な感光ドラムになり得ることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
【0016】従って、本発明は、熱可塑性樹脂又は熱可
塑性樹脂を基材とする樹脂組成物を射出成形して得られ
る樹脂パイプであり、内周面に成形後の脱型を容易なら
しめるためのテーパが設けられた樹脂パイプにおいて、
上記テーパの傾斜角度θが0.5×10-3<tanθ<
3.5×10-3の関係を満足するものであることを特徴
とする樹脂パイプを提供する。
【0017】また、本発明は、円筒状基体の外周面に感
光層を塗工形成してなる感光ドラムにおいて、上記円筒
状基体として上記本発明の樹脂パイプを用いたことを特
徴とする感光ドラムを提供する。
【0018】以下、本発明につき、図1,2を参照して
更に詳しく説明する。本発明の樹脂パイプ1は、図1に
示すように、内周面2に成形後の脱型を容易ならしめる
ためのテーパ3が設けられ、このテーパ3の傾斜角度θ
に基づくtanθが後述するように適正化されたもので
ある。
【0019】本発明の樹脂パイプ1は、射出成形によっ
て得られるが、射出成形材料としては、熱可塑性樹脂又
は熱可塑性樹脂を基材とする樹脂組成物を使用する。こ
こで、樹脂成分としては、射出成形可能な樹脂であれ
ば、特に制限されるものではなく、射出成形法によりパ
イプ状に成形、製造する樹脂パイプの用途等に応じて適
宜選択し得る。
【0020】本発明において、樹脂パイプを感光ドラム
用基体とする場合には、感光層を形成するのに適してい
る平面平滑状を有し、かつ機械的強度を有する優れた樹
脂パイプが得られることから、各種ナイロン樹脂等のポ
リアミド樹脂が好ましく用いられる。中でも、メタキシ
リレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド
樹脂、ε−カプロラクタムから得られるポリアミド樹
脂、ポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とを
ブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種
が特に好ましく用いられる。
【0021】ここで、上記メタキシリレンジアミンとア
ジピン酸との重縮合反応によって製造されるポリアミド
樹脂は一般にナイロンMXD6と呼ばれるものであり、
また、ε−カプロラクタムを開環重合反応することによ
って得られるポリアミド樹脂は一般にナイロン6と称さ
れるものである。
【0022】また、本発明のポリアミド樹脂と吸水率が
0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、
以下の理由から好適に使用することができる。
【0023】即ち、これまでにポリアミド樹脂をベース
とした導電性樹脂で円筒状基体を形成することが提案さ
れているが、これらポリアミド樹脂(PA)は、PA6
6やPA6などのように吸水性が高く、吸水率(AST
M−D 570に準拠)としては、PA66が約0.6
〜3%、PA6が約0.7〜1.8%と他の樹脂に比べ
て比較的高くなっている。このため製品の寸法精度保持
の面で問題が生じる場合があり、30℃〜、90%RH
〜などの高温高湿条件下においては、2〜3時間程度さ
らされた状態でも、吸水により寸法の膨張が起こる場合
がある。このため、感光体の機能に影響を与え、結果と
して画像品質に重大な影響を与える場合がある。
【0024】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、ポリア
ミド樹脂のように吸水性の高い樹脂に対して、吸水率が
0.3%以下の樹脂をブレンドし、アロイ化したものを
基材として用いたもので、吸水率を低くし、高温高湿環
境下においても寸法変化の少ない性質を付与することが
できる。
【0025】上記ブレンドするポリアミド樹脂として
は、公知のものを使用でき、具体的には、ナイロンMX
D6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12、ナイロン1212、及びこれらの共重合物などの
他のポリアミド樹脂を挙げることができ、特に制限され
るものではない。
【0026】また、上記ポリアミドに対してブレンドす
る吸水率が0.3%以下の樹脂(以下、ブレンド用樹脂
という)としては、PP(ポリプロピレン)、PPE
(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレン
スルフィド)等を挙げることができ、好ましくはPP
S、PPEが、更に好ましくはPPEを挙げることがで
きる。
【0027】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂を得るに
は、上記ブレンド用樹脂をそのブレンド比がPA66な
どのポリアミド樹脂に対して、通常1〜70質量%、好
ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質
量%になるように配合することにより得ることができ
る。
【0028】上記ブレンドに際しては、更にポリアミド
樹脂とブレンド樹脂との相溶性を向上させて分散性を高
め、強度などの機械特性や、吸水性、耐薬品性を向上さ
せるために、両方の樹脂成分に対して親和性の高い相溶
化剤を適宜用いることができる。相溶化剤としては、例
えば、PA−PP系に対しては、マレイン酸変性ポリプ
ロピレン(マレイン酸変性PP)、PA−PPS系やP
A−PPE系に対しては、エポキシ変性ポリスチレン
(エポキシ変性PS)−ポリメチルメタクリレート(P
MMA)共重合体などを挙げることができる。
【0029】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とのブレンドしたアロイ系樹脂は、上述し
たように、樹脂成分として他のポリアミド樹脂を単独で
使用した成形品に比べて優れた寸法安定性を有する。こ
の点について比較した参考例を下記表に示す。下記表1
に示された吸水率と寸法変化は、50℃−95%RH環
境下の高温高湿槽に24時間放置前後の差を測定したも
ので、ポリアミド樹脂に吸水率の低い樹脂をブレンドす
ることで、成形品の高温高湿環境下での吸水率、寸法変
化が飛躍的に改善されることが認められる。
【0030】
【表1】
【0031】また、本発明においては、複数の樹脂を混
合した成形材料としてもよく、上記ナイロンMXD6、
ナイロン6、ポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の
樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なく
とも1種を他の樹脂とを混合して用いてもよい。この場
合、他の樹脂としては、特に制限されるものではない
が、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイ
ロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン
1212、及びこれらの共重合物などの他のポリアミド
樹脂を挙げることができる。これら他の樹脂を混合する
場合、その混合割合は、特に制限されるものではない
が、組成物を構成する樹脂成分中の他のポリアミド樹脂
に対して上記ナイロンMXD6、ナイロン6、ポリアミ
ド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドした
アロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種又はこれらの
混合物が、少なくとも30〜100質量%、特に40〜
100質量%になるように調製することが好ましい。
【0032】また、樹脂パイプを導電性が要求される用
途に用いる場合には、上記熱可塑性樹脂に導電剤を添加
して導電性を付与した導電性樹脂組成物とすることがで
きる。
【0033】この場合、導電剤としては、上記樹脂中に
均一に分散させることが可能なものであればいずれのも
のでもよく、例えばカーボンブラック、グラファイト、
アルミニウム,銅,ニッケル等の金属粉、導電性ガラス
粉などが挙げられるが、特にカーボンブラックを用いる
ことが好ましい。導電剤の添加量は、特に制限されるも
のではないが、感光ドラム用基体とする場合には、組成
物の5〜30質量%、特に5〜20質量%とすることが
好ましく、これにより樹脂パイプの表面抵抗値(AST
M−D257に準じて測定)を106Ω/□(オーム/
スクエア)以下、特に105Ω/□以下であることが推
奨される。
【0034】更に、上記熱可塑性樹脂には、補強や増量
の目的で、各種繊維等の無機充填材を配合することがで
きる。この無機充填材としては、カーボン繊維,導電性
ウィスカー,導電性ガラス繊維等の導電性繊維やウィス
カー,ガラス繊維等の非導電性繊維などを用いることが
できる。この場合、上記導電性繊維は、導電剤としても
作用することができ、導電性繊維を用いることにより、
上記導電剤の使用量を減らすことができる。
【0035】これら充填材の配合量は、樹脂パイプに求
められる強度、用いる充填材の種類や繊維の長さ,径な
どに応じて適宜選定され、特に制限されるものではない
が、通常は組成物の1〜30質量%、より好ましくは5
〜25質量%、更に好ましくは10〜25質量%とする
ことが好ましい。この場合、このような充填材の添加に
より、表面平滑性を低下させることなく成形物の強度や
剛性を効果的に向上させることができる。
【0036】なお、成形材料の熱可塑性樹脂には、必要
に応じて上記導電剤及び充填材の他に、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、シリコーン、二硫化モリブ
デン(MoS2)、各種金属石鹸等の公知の添加剤を適
量添加することができる。また、通常用いられるシラン
カップリング剤やチタネートカップリング剤などを用い
て、導電剤、充填材に表面処理を施してもよい。
【0037】次に、本発明の樹脂パイプの製造方法につ
いて、図1を参照して説明する。図1は樹脂パイプ1を
製造する射出成形金型10を示し、この射出成形金型1
0は、内部に円柱状中空部を有する金型本体11と、こ
の金型本体11の一端面に当接し、上記中空部の一端開
口部を閉塞する金型補助部材12と、上記中空部にその
他端開口部より軸方向に移動可能に挿入される先端部を
有するコア13とを具備してなるものである。
【0038】本発明の樹脂パイプは、上記金型10の金
型本体11の中空部にコア13を挿入し、上記金型補助
部材12で中空部の一端開口部を閉塞すると共に、上記
コア13の先端部が該中空部の他端部に当接するまで押
込み樹脂パイプ用キャビティ16を形成し、このキャビ
ティ16内に上記材料を導入することにより製造される
ものである。
【0039】本発明の樹脂パイプ1は、内周面に脱型を
容易ならしめるべくテーパが設けられ、このテーパの傾
斜角度をθとした場合、tanθが適正化されているの
で、上記射出成形金型で製造する場合、脱型性が良好で
優れた成形性が付与されるものである。
【0040】本発明において、樹脂パイプのテーパのt
anθは、0.5×10-3<tanθ<3.5×1
-3、特に1.0×10-3<tanθ<2.5×10-3
の範囲内にあることを要件とする。tanθが多すぎる
と、テーパが急すぎて、成形品物性の長さ方向の均一性
に支障をきたし、導電性、強度が低下し、収縮率に偏り
が発生し、特に感光ドラム用基体として使用する場合、
電気特性、寸法精度に悪影響を与える。tanθが少な
すぎると、テーパが足りず、脱型に対する改良効果が達
成されず、成形物の脱型が困難となり、成形性に悪影響
を与える。なお、図中、テーパの傾斜角度θは内周面が
傾斜していることを明確にしただけのもので、実際の傾
斜角度θを正確に示すものではない。本発明の傾斜角度
θは、上述したように上記tanθの範囲内にある。
【0041】本発明の樹脂パイプを製造する上記金型1
0において、該樹脂パイプの内周面の傾斜角度に関わる
のはコア13の外周面15であるが、上記tanθを満
たす樹脂パイプの内周面の傾斜角度θと同様の傾斜角度
θにすればよく、傾斜角度の設定は容易に行なうことが
できる。
【0042】なお、上記金型10には、通常の射出成形
金型と同様にして、射出成形材料をキャビティ内に供給
するためのスプルー,ゲートや、脱型の際に成形物を取
り出すための脱型ピン等がそれぞれ設けられているが、
図示は省略する。
【0043】本発明の樹脂パイプを得るには、まず、上
記キャビティ16内に上記熱可塑性樹脂等の射出成形材
料をスプルー、ゲートを通じて導入し、樹脂パイプ用キ
ャビティ16内に材料を供給する。ここで、成形温度、
射出圧力などの成形条件としては、用いる成形材料など
に応じた通常の条件とすることができる。
【0044】上記射出成形された樹脂パイプは、射出成
形終了後、金型から脱型されるが、この脱型は、まず、
上記金型補助部材12を外側方向に引き出し、該部材1
2と連結しているコア13を金型本体11から抜去する
ことによって行なうことができる。
【0045】この時、上記金型10で成形される本発明
の樹脂パイプには、コア13の傾斜角度によってその内
周面に脱型を容易ならしめるテーパが設けられ、かつこ
のテーパの傾斜角度θが本発明のtanθになるように
適正化されているので、内周面2を構成する樹脂とコア
13とが密着しているような場合でも、コア13の引き
抜きをスムーズに行うことができる。
【0046】本発明の樹脂パイプは、コアを取り出した
後、更に、所定の位置に取りつけた脱型ピン(図示せ
ず)で成形されたパイプ1の外周面を押圧して、剥離
し、金型から脱型して取り出すことができる。
【0047】従って、本発明の樹脂パイプは、構造上、
脱型作業を効率良く行うことができ、作業性よく製造で
きるものである。
【0048】上記金型から取り出した樹脂パイプに対し
ては、更にアニール処理を施すことができ、このアニー
ル処理は、寸法安定性の向上に有効である。
【0049】本発明の樹脂パイプは、上述したような射
出成形方法で得られ、内周面の傾斜角度θに対応して長
軸方向に肉厚が変化するものであるが、tanθが調整
されているので脱型後に収縮等による寸法精度の低下が
起こらない上、物性が安定しているものである。
【0050】本発明の樹脂パイプは、成形性が良好で、
肉厚差による寸法精度の低下や、物性のバラツキがない
ので、感光ドラム用等の高寸法精度、導電性が要求され
る円筒状基体として好適に使用できる。
【0051】ここで、本発明の樹脂パイプを感光ドラム
用基体として使用する場合、その外周面は、平面平滑状
であることが推奨され、その表面粗さは、中心線平均粗
さ(Ra)で0.8μm以下、特に0.2μm以下、最
大高さ(Rmax)で1.6μm以下、特に0.8μm
以下、10点平均粗さ(Rz)で1.6μm以下、特に
0.8μm以下とすることが好ましく、(Ra)、(R
max)、(Rz)が大きすぎると、円筒状基体表面の
凹凸が感光層上に現れて、これが画像不良の原因となる
場合がある。なお、導電性樹脂組成物の樹脂成分として
上記メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られ
るポリアミド樹脂、ε−カプロラクタムから得られるポ
リアミド樹脂、ポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下
の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少な
くとも1種を用いることにより、補強用の無機充填材を
添加した場合でも、このような表面粗さを容易に達成す
ることができる。
【0052】また、本発明の樹脂パイプを感光ドラム用
基体として使用する場合には、公知の感光ドラム用基体
と同様に、外周面に感光層を形成して使用できる。本発
明の樹脂パイプに感光層を形成する場合には、公知の方
法に従い、感光層剤をバインダーと共に有機溶媒に溶解
した液体を樹脂パイプの外周面に塗布し、所定温度で所
定時間、加熱乾燥して溶媒を除去することにより形成す
ることができる。
【0053】ここで、図2に本発明の一実施例に係る感
光ドラムの概略断面図を示す。この図2を用いて説明す
ると、本発明の樹脂パイプを感光ドラム用基体として使
用する場合、本発明の樹脂パイプ1には、その外周面に
感光層3が形成されると共に、その両端面には、別体に
形成したフランジ1a,1bを嵌着固定して使用するこ
とができる。
【0054】ここで、上記フランジ1a,1bは、上記
樹脂パイプ1の肉厚差による内径の大小に対応する径を
有しており、図2中では、内径の大きい左側の端部に嵌
合するフランジ1aが大径、右側に嵌合するフランジ1
bが小径になっている。なお、図2において、上記フラ
ンジの嵌合部分以外は、図3に示す従来と同様の構成に
することができるので、同一の参照符号を付し、説明は
省略する。
【0055】本発明の感光ドラムは、本発明の樹脂パイ
プを感光ドラム用基体として使用したものであるが、樹
脂パイプ以外の構成は、適宜変更することが可能であ
り、例えば、フランジ1b(小径)を基体の樹脂パイプ
又は駆動用ギア等と一体成形したものを使用することが
できる。特に、上記補強用の無機充填材を添加すること
により、強度,剛性に優れた成形物を得ることができる
ので、フランジと共に、駆動用ギア26を一体に成形し
たものの取付けに有利である。
【0056】本発明の樹脂パイプは、導電性の差異等の
物性のバラツキがないので、感光ドラム用基体として使
用した場合、帯電性が良好で、優れた印字性能を付与で
きるものである。
【0057】
【実施例】以下、実施例,比較例を示し、本発明をより
具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限される
ものではない。
【0058】〔実施例1、比較例1,2〕下記に示す組
成の導電性樹脂組成物を常法に従って調製し、金型にて
外径30mm、長さ230mmで、内周面の傾斜角度θ
についてtanθが表2に示す値になる感光ドラム用円
筒状基体を射出成形法により成形し、脱型性、物性につ
いて評価した。なお、いずれもコアを変えた以外は同一
の金型を用い、同一の成形条件で成形を行った。
【0059】導電性組成物組成 ナイロン66(三菱エンプラ製「ノバミッド」)50質
量% C/B(ライオン製「ケッチェンブラック」)15質量
% チタン酸カリウムウィスカ繊維(大塚化学製「デントー
ル」)15質量% ナイロンMXD6(三菱エンプラ製「レニー」)20質
量% 得られた円筒状基体を120℃の条件下に60分間放置
し、放冷後両端部(一方をA側、他方をB側とする)の
表面抵抗値(ASTM−D257に準じて測定)、外径
をそれぞれ測定し、これら測定値を基に総合評価を行っ
た。結果を表2に併記する。
【0060】
【表2】
【0061】表2の結果より、本発明の樹脂パイプは脱
型が良好である上、肉厚の違いによる表面抵抗値が少な
く、両端部の外径寸法に変化はなく、寸法精度が高いも
のであった。これに対し、比較例1のtanθが少ない
パイプは、脱型が不能になり、また比較例2のtanθ
が多いパイプは、成形性は良好であったが、表面抵抗値
にバラツキがあり、両端部の外径寸法に差が発生し、寸
法精度に問題を生じるものであった。
【0062】
【発明の効果】本発明の樹脂パイプは、脱型を容易なら
しめるテーパの傾斜角度θに基づくtanθが適正化さ
れているので、脱型が容易で、成形性に優れる上、寸法
安定性に優れ、物性のバラツキがなく、特に感光ドラム
用基体として好適に用いることができ、また本発明の感
光ドラムによれば、上記作業性等の樹脂パイプの利点が
活かされた高性能な感光ドラムになり得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂パイプの一成形例を示す概略断面
図である。
【図2】本発明の感光ドラムを示す概略断面図である。
【図3】従来の感光ドラムの一例を示す概略断面図であ
る。
【図4】従来の樹脂パイプの一成形例を示す概略断面図
である。
【符号の説明】
1 樹脂パイプ 2 内周面 3 テーパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 77/00 C08L 101:00) 101:00) B29K 77:00 B29K 77:00 105:16 105:16 B29L 23:00 B29L 23:00 F16L 9/00 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
    する樹脂組成物を射出成形して得られる樹脂パイプであ
    り、内周面に成形後の脱型を容易ならしめるためのテー
    パが設けられた樹脂パイプにおいて、上記テーパの傾斜
    角度θが0.5×10-3<tanθ<3.5×10-3
    関係を満足するものであることを特徴とする樹脂パイ
    プ。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂に導電剤を混合分散した導
    電性樹脂組成物を射出成形した導電性の樹脂パイプであ
    る請求項1記載の樹脂パイプ。
  3. 【請求項3】 樹脂成分としてメタキシリレンジアミン
    とアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、ε−カプ
    ロラクタムから得られるポリアミド樹脂、ポリアミド樹
    脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロ
    イ系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有してなるも
    のである請求項1又は2記載の樹脂パイプ。
  4. 【請求項4】 補強用無機充填材を混合分散したもので
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂パイプ。
  5. 【請求項5】 樹脂パイプが感光ドラム用の基体である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂パイプ。
  6. 【請求項6】 円筒状基体の外周面に感光層を塗工形成
    してなる感光ドラムにおいて、上記円筒状基体として上
    記請求項1〜5のいずれか1項に記載の基体を用いたこ
    とを特徴とする感光ドラム。
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