JP2001248324A - 架構用摩擦接合式エネルギー吸収装置 - Google Patents

架構用摩擦接合式エネルギー吸収装置

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JP2001248324A JP2000058758A JP2000058758A JP2001248324A JP 2001248324 A JP2001248324 A JP 2001248324A JP 2000058758 A JP2000058758 A JP 2000058758A JP 2000058758 A JP2000058758 A JP 2000058758A JP 2001248324 A JP2001248324 A JP 2001248324A
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energy absorbing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板材の枚数が少なくても摩擦面は多くなり、
小型かつ安価なダンパーでありながら広範囲な変形に対
応可能な摩擦ダンパーを提供すること。 【解決手段】 摩擦ダンパー1は、摩擦板材6と滑り板
材7とからなる重ね板構造体5と、それを挟圧する高力
ボルト8とを備える。高力ボルト8はそのヘッド側およ
びナット側にそれぞれ板座金10A,10Bを伴ってお
り、高力ボルト8の挿通する孔(スロット)7aが板材
の長手方向に延びて設けられ高力ボルト8と相対的に変
位することができる滑り板材7が、高力ボルト8に相対
変位不能な摩擦板材6と高力ボルト8のヘッド側の板座
金10Aとの間、及びナット側の板座金10Bとの間に
配置される。摩擦板材や滑り板材の枚数は少ないが摩擦
面を多く確保でき、小規模の地震から大地震に至るまで
エネルギー吸収効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架構用摩擦接合式エ
ネルギー吸収装置に係り、詳しくは、例えばハの字状に
配置された剛性の大きい筋違構造の頂部と剛性の小さな
柱梁架構を形成する梁の略中央部位とを接合し、建物の
減衰性能を向上させることができるようにした摩擦ダン
パーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】剛性の大きい筋違構造と剛性の小さな柱
梁骨組の接合部にダンパーを付加し、建物の減衰性能を
向上させることによって応答低減が図られるようにした
例が多くなってきている。この種のダンパーとしては、
特開平8−193635号公報や特開平11−1901
47号公報等に記載されているような摩擦材を用いた摩
擦ダンパーのほかに、特開平10−96337号公報に
記載された鉛ダンパー、特開平10−299284号公
報に開示された鋼材ダンパー等がある。
【0003】鉛ダンパーは小さな変位を迅速に吸収でき
る利点がある反面、構造が複雑化して高価になることや
熱で溶けだす等の問題を抱えている。鋼材ダンパーは低
降伏点鋼が使用されるなどして、降伏後の大きな塑性変
形を利用して変位を吸収させる場合に好適である。しか
し、小さな変位には鈍感であり、結局は例えば特開平7
−62927号公報に記載されているように、鉛ダンパ
ー等の他種のダンパーと併用しなければ、地震規模の大
小に拘わらず対応させることはできなくなる難点があ
る。
【0004】摩擦ダンパーは剛塑性変形の履歴特性を示
す履歴減衰形ダンパーであり、荷重変形曲線がループを
描くことを利用して振動の減衰を図ろうとするもので、
そのヒステリシスループの面積が一周期の間に吸収する
エネルギーに相当する。この種のダンパーにおいては高
力ボルト式の場合、摩擦力の安定性向上や摩擦面の耐久
性向上さらには摩擦音の抑制等の点から潤滑剤を用いて
敢えて低滑り耐力としたものや、焼結金属シート等の摩
擦材を用いたもの等がある。又、高耐力を目指してアル
ミ溶射摩擦面としたものも提案されているが、脱脂や焼
付きなど解決しなければならない問題が残る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、摩擦ダンパ
ーとして比較的廉価に製造できると共に保守点検も簡便
となるものに、摩擦板材と滑り板材とを高力ボルトで挟
圧し、両板間に発生する摩擦力によりダンパー機能を発
揮させるようにした摩擦接合式エネルギー吸収装置があ
る。
【0006】図8は特開平11−190147号公報等
に記載されたものと同じ趣旨の摩擦接合式エネルギー吸
収装置を示したもので、2枚の摩擦板材31,31とそ
れらに挟まれた1枚の滑り板材32とからなっている。
摩擦板材31は高力ボルト33に対して相対的に変位す
ることができない板材で、高力ボルト33の軸部が挿通
するに十分な程度の小さい孔31aを有するにとどま
る。一方、滑り板材32には、高力ボルトが挿通すると
共に高力ボルトに相対変位可能とするため長手方向に延
びるスロット32aが備えられている。
【0007】いま、この摩擦ダンパーに作用した引張力
Fが両板間に生じる摩擦力を超えた場合に、高力ボルト
33の軸部は左端に当接するまでスロット32a内を移
動することができる。勿論、圧縮力が作用した場合には
右端に当接するまで変位することができ、結局ダンパー
はスロットの長さから高力ボルトの径を差し引いた長さ
を最大とする伸縮が実現される。それ故スロットの寸法
選定によっては、中小の地震から大地震までそのエネル
ギーを吸収させることができるようになる利点がある。
【0008】この種の摩擦接合式エネルギー吸収装置に
おいては、摩擦力は図8の(b)に表された上側の摩擦
板材の下面と滑り板材の上面、滑り板材の下面と下側の
摩擦板材の上面の符号41,42の箇所において発生す
ることになる。図3の(b)は引張と圧縮の繰り返し荷
重に対する摩擦ダンパーの伸縮量を示したもので、この
例では±15mmまで略20kNの耐力を持続しながら
エネルギーを吸収していることが分かる。
【0009】ところで、この種のダンパーの耐力を増大
させたい場合、最も簡単には高力ボルトの本数を増やせ
ばよい。しかし、ボルト数を増やすことなく耐力を大き
くしようとすれば、締付け力を大きくするか摩擦特性の
良好な特殊な鋼板もしくは特殊な表面処理が要求される
ことになる。
【0010】尚、図9のように摩擦板材および滑り板材
を各1枚追加すれば、符号41ないし44で与えた4箇
所の接触面で摩擦力を発生させることができる。これに
よっても、実質的にダンパーの耐力倍増が実現されるこ
とになるが、このように摩擦面を増やして耐力を増大さ
せるには摩擦板材と滑り板材の枚数増加が余儀なくされ
る。
【0011】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、その目的は、摩擦板材や滑り板材の枚数が少なく
ても摩擦面を多く確保でき、これによって小型かつ安価
なダンパーでありながら中小規模の地震から大地震に至
るまで広範囲に対応可能な耐力を備えることができるよ
うにした架構用摩擦接合式エネルギー吸収装置を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、相互に面接触
する滑り板材と摩擦板材とからなる重ね板構造体と、そ
の各板材を貫く孔に挿通されて前記重ね板構造体を挟圧
する高力ボルトとを備え、滑り板材が摩擦板材との間で
発生する摩擦力に抗して変位することによりエネルギー
を吸収し、鉄骨構造物の減衰性能を発揮させることがで
きるようになっている架構用のエネルギー吸収装置に適
用される。その特徴とするところは、図1を参照して、
高力ボルト8はそのヘッド側およびナット側にそれぞれ
板座金10A,10Bを伴い、高力ボルト8の挿通する
孔(スロット)7aが板材の長手方向に延びてその高力
ボルト8に相対変位可能な滑り板材7が、高力ボルト8
に相対変位不可能な摩擦板材6と高力ボルト8のヘッド
側もしくはナット側の板座金10A,10Bとの間に配
置されていることである。
【0013】図7を参照して、摩擦板材が複数枚設けら
れると共に、その摩擦板材6A,6Bの間に滑り板材7
と同じ構造の副滑り板材7Cを介在させるようにしてお
いてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る架構用摩擦
接合式エネルギー吸収装置を、図面に基づいて詳細に説
明する。図1は重ね板構造体を高力ボルトによって挟圧
した摩擦ダンパー1の平面図および断面図を示し、図2
のように、剛性の大きい例えばハの字状に配置された筋
違構造2の頂部と剛性の小さな柱梁架構3の上側に位置
する梁3aの略中央部位との接合部に適用される。
【0015】このダンパーは、小さな地震から規模の大
きなものまでそのエネルギーを簡易な構造によって吸収
しようとするもので、これによって建物の減衰性能を発
揮させることができるようになっている。尚、筋違構造
2は地震や風等により建築物に入る水平力に対する抵抗
要素として採用されているものであることは述べるまで
もない。
【0016】図1を参照して、本摩擦ダンパーを構成す
る重ね板構造体5は摩擦板材6に滑り板材7を圧接させ
たもので、両板材が相対的に変位したときその圧接面に
摩擦力を発生させ、重ね板構造体5に作用する引張力お
よび圧縮力を吸収させることができるようになってい
る。
【0017】その重ね板構造体5のそれぞれの板材とし
ては磨耗特性の良好な高強度鋼板が使用され、後述する
図3に示すような安定した履歴特性と大きな累積滑り量
を得ることができる。これらの板材にはそれぞれを貫く
ように孔6a,7aが設けられ、高力ボルト8を通して
ナット9が締められると、滑り板材7が摩擦板材6に圧
接された状態に保持される。
【0018】摩擦板材6は高力ボルト8に対して相対的
に変位しないようになっており、そのため上記した孔6
aはボルトの軸部が挿通できる程度の丸孔である。一
方、滑り板材7は高力ボルト8に対して相対的に変位で
きるように、ボルトのための挿通孔は板材の長手方向に
延びるスロット7aとなっている。
【0019】上記した高力ボルト8は図1の例では1本
のみ使用されているが、そのヘッド側およびナット側に
は平面形が例えば矩形をなす板座金10A,10Bを伴
っており、高力ボルトによる挟圧力を重ね板構造体に確
実かつ均等に及ぼすことができるように配慮されてい
る。尚、各板座金は次に述べるように摩擦力を発生させ
るためのものでもあるので、所要の摩擦力を発揮するに
十分な接触面積を備えた寸法に選定される。
【0020】本例においては、図1の(b)から分かる
ように、摩擦板材6が1枚であり、滑り板材7は2枚採
用されている。板材が合計3枚である点では従来技術の
項で説明した摩擦ダンパー(図8を参照)と異なるとこ
ろがない。しかし、注目すべきは、滑り板材7が摩擦板
材6とヘッド側もしくはナット側の各板座金10A,1
0Bとの間に配置されていることである。因みに、高力
ボルト8には所定のトルクが与えられ、重ね板構造体5
には設計上の耐力が発揮されるように予め調整されるこ
とは言うまでもない。
【0021】その結果、ヘッド側の板座金10Aと上側
の滑り板材7Aとの接触面11、その滑り板材7Aと摩
擦板材6との接触面12、その摩擦板材6と下側の滑り
板材7Bとの接触面13、その滑り板材7Bとナット側
の板座金10Bとの接触面14のそれぞれに、摩擦面を
与えておくことができる。即ち、図8に比べれば2倍の
数の摩擦面を得ることができる。
【0022】さらに述べれば、本例と同じく4箇所の摩
擦面が得られる図9の例と対比すれば分かるように、板
材の枚数が少ないだけでなく次に述べるボルト17も短
いもので済むという利点がある。
【0023】図1中で与えられた符号の15,16はピ
ン継手であり、ボルト17により滑り板材7A,7Bと
接続されるピン継手15には、対面する滑り板材の間に
突入する接続用舌片15aが設けられ、ボルト18によ
り摩擦板材6と接続されるピン継手16には摩擦板材の
端部を挿入させることができる切欠き16aが形成され
ている。何れの側のピン継手を筋違構造の頂部と接合し
なければならないというものではないが、各ピン継手1
5,16を図示のごとくクレビス構造としておけば、梁
3aの中央部位や筋違構造2の頂部に取りつけられたガ
セットプレート19,20(図2を参照)と簡単にピン
結合することができる。
【0024】このような構造の摩擦接合式エネルギー吸
収装置は、そのピン間距離Lが例えば450mmといっ
た長さであり、柱間隔が例えば6mの柱梁架構の上側の
梁の略中央に設置されることになる。図1の(b)にお
いて、滑り板材のスロット7aの長さが46mm、高力
ボルトが16mmφとすれば、本摩擦ダンパーは引張と
圧縮の合計で30mmの伸縮が可能となる。
【0025】図3の(a)は、本摩擦ダンパーに引張と
圧縮の繰り返し荷重が作用した場合の重ね板構造体の変
形量を示す。これは変位速度を6.0cm/秒とした場
合の例であるが、荷重が作用し始めたときは板材の接触
面に静摩擦が働く関係上、例えば80kNの大きな力に
抗しながら変位することになり、逆荷重(揺れ戻しによ
る)に対してもそれに近い力を発揮している。
【0026】その間の滑り板材の変位量は±数mm程度
であるが、その後も繰り返される荷重に対しては動摩擦
状態におかれるため摩擦力は半減するものの、±5mm
から±15mmの変位に対して常に40kNもの耐力が
発揮されていることを知ることができる。
【0027】これは、同じ寸法の摩擦ダンパーである図
8の従来例の場合の図3の(b)に示した耐力の略2倍
を示している。即ち、摩擦面の数が倍増すれば耐力も比
例的に増加していることがデータの上からも読み取るこ
とができる。尚、ダンパーの伸縮する状態を模式的に表
すと、弾性域にある間は柱梁架構3が図4のように揺れ
かつ戻される。
【0028】このようなダンパーは、建物の架構のうち
筋違構造が適用されているところでは原則的に全部採用
されることになる関係上、1つの鉄骨建築物に採用され
る数は無視できるものでない。ましてや、さらなる耐力
の増大を狙って図5に示したように1つの架構に複数個
使用する場合には、より一層多くのダンパーを準備して
おかなければならなくなる。そのうえ一旦大地震(例え
ば震度6以上)に遭遇すると、次回に備えて所要耐力の
保持確認も必要となる。
【0029】ところが、本摩擦ダンパーの使用個数が多
くなっても、鋼板を重ね合わせた簡素な構造で安価であ
り又小型化が可能ゆえに、建築費の大幅な高騰を招くほ
どのものでない。一方、耐力の保持確認は高力ボルトの
トルクチェック等でよいことから、メンテナンス作業は
例えば鉛ダンパーと鋼材ダンパーの組み合わせダンパー
に比較すれば格段に簡便なものとなる。尚、本摩擦ダン
パーは筋違構造のみならず、柱梁架構にPC板等の耐震
壁が採用されている場合にも、そのパネルと梁との間に
図2や図5と同じ要領で使用することができる。
【0030】ところで、図1の(b)においては、高力
ボルト8のねじ部先端がナット9から僅かに出た程度に
描かれている。しかし、実際にはボルトの軸力の抜けを
小さくしておく配慮が必要があり、図示しないが、高力
ボルトを長締めボルトとしておくことが好ましい。因み
に、継手も図1に表されたクレビス構造のピン継手1
5,16に限らず、例えば摩擦接合継手といった公知の
他の種の継手も適宜採用できることは述べるまでもな
い。
【0031】図6は高力ボルト8,8を板材の長手方向
に複数本使用した例である。この場合には、滑り板材7
に設けられるスロット7aも摩擦板材6の丸孔6aもボ
ルトの本数に合わせて設けられることは言うまでもな
い。摩擦ダンパーの呼び長さLは例えば570mmとい
ったように図1の450mmよりは多少長くなるが、適
用される架構の大きさに比べれば無視し得る程度の増加
に過ぎない。
【0032】尚、図示しないがボルトを板材の幅方向に
2本配置したり、長手方向に配列されたボルト列8X
(図6を参照)を例えば2列並行して設置することもで
きる。何れにして、ボルトの本数に比例した大きさの動
的滑り耐力を備えさせておくことができる。言い替えれ
ば、本摩擦ダンパーがエネルギー吸収装置として要求さ
れる滑り耐力に対して摩擦面数を増やすことにより、一
摩擦面当たりの滑り耐力を小さく抑えておくことができ
る。その結果、一摩擦面で高耐力を期待する場合に比べ
れば、焼付き等の発生も可及的に少なくすることができ
る。
【0033】図6の例においてはスロットをより長くし
ておくことも可能であり、その場合には累積滑り量を大
きく確保できる利点がある。この場合、言うまでもない
が摩擦面の耐久性や安定性も向上する。因みに、板座金
はボルトそれぞれに設けられているが、板座金を1枚に
して2つのボルト孔を形成してもよく、その場合にはダ
ンパーの構成部品点数の抑制も図られる。
【0034】図7は、摩擦板材6と滑り板材7を各1枚
増やした例である。即ち、図1における摩擦板材6を平
行な2枚の摩擦板材6A,6Aに置き換え、その間に滑
り板材と同じ構造の副滑り板材7Cを介在させた多重積
層構造となっている。これは図9を改良したダンパーと
いうことができ、板材は合計5枚であるが図7に示すよ
うに接触面12と13の間に符号21,22で表した接
触面が追加されることになる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から分かるように、本発明に
よれば、鋼板を重ねた簡素な構成であるにも拘わらず規
模の小さい地震時の小さな変形量から大地震による大き
な変形に至るまでを、1つのダンパーで対応してエネル
ギー吸収できるようになる。安価に製作できることは言
うまでもないが、メンテナンスも容易であり、その上、
ダンパー機能も検査しやすい。
【0036】滑り耐力は同種従来例に比べて必然的に高
くなる。従って、1つの摩擦面当たりの耐力負担量を少
なくしておくこともできるため、摩擦面の耐久性を上げ
てダンパーとしての安定性を高く保っておくことも容易
となる。このようなダンパーを剛性の大きい筋違構造や
耐震壁と剛性の小さな鉄骨柱梁骨組の接合部に適用して
地震入力エネルギーを吸収させれば、鉄骨構造物の変形
抑制効果が飛躍的に増大する。又、応力制限機構として
の観点からは、骨組や筋違の損傷を可及的に防止するこ
ともできる。
【0037】摩擦板材を2枚もしくはそれ以上使用する
場合には、その摩擦板材の間に副滑り板材を介在させる
ことにより、摩擦面を簡単に増やすことができる。逆に
言えば、各面での滑り耐力を小さく抑え、焼付き等のト
ラブルの発生も可及的に少なくしておくことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る架構用摩擦接合式エネルギー吸
収装置である摩擦ダンパーを示し、(a)は平面図、
(b)は(a)におけるB−B線断面図。
【図2】 剛性の小さな柱梁架構と剛性の大きい筋違構
造との接合部に適用された摩擦ダンパーの装着状態説明
図。
【図3】 摩擦ダンパーの長手方向に作用する荷重とそ
れによる変形量の関係を表し、(a)は本発明に係るダ
ンパーの計測データ、(b)は同じ寸法を持つ従来技術
におけるダンパーの計測データ。
【図4】 剛性の低い柱梁架構が剛性の高い筋違に対し
て変形する間に摩擦ダンパーが伸縮作動している様子を
示す模式図。
【図5】 1つの架構に2つのダンパーが採用されてい
る場合の取付図。
【図6】 ボルトが長手方向において直列に配置されて
いる摩擦ダンパーであって、(a)は平面図、(b)は
断面図。
【図7】 重ね板構造体を構成する摩擦板材と滑り板材
をそれぞれ1枚追加したダンパーであって、(a)は平
面図、(b)は断面図。
【図8】 重ね板構造体からなる摩擦ダンパーの従来例
を示し、(a)は平面図、(b)は断面図。
【図9】 摩擦板材と滑り板材をそれぞれ1枚増やした
従来技術におけるダンパーの断面図。
【符号の説明】
1…摩擦ダンパー、5…重ね板構造体、6,6A…摩擦
板材、6a…丸孔、7,7A,7B…滑り板材、7C…
副滑り板材、7a…スロット、8…高力ボルト、10
A,10B…板座金。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に面接触する滑り板材と摩擦板材と
    からなる重ね板構造体と、該各板材を貫く孔に挿通され
    て前記重ね板構造体を挟圧する高力ボルトとを備え、前
    記滑り板材が摩擦板材との間で発生する摩擦力に抗して
    変位することによりエネルギーを吸収し、鉄骨構造物の
    減衰性能を発揮させることができるようになっている架
    構用のエネルギー吸収装置において、前記高力ボルトは
    そのヘッド側およびナット側にそれぞれ板座金を伴い、
    高力ボルトの挿通する孔が板材の長手方向に延びて該高
    力ボルトに相対変位可能な滑り板材が、前記高力ボルト
    に相対変位不可能な摩擦板材と前記高力ボルトのヘッド
    側もしくはナット側の板座金との間に配置されているこ
    とを特徴とする架構用摩擦接合式エネルギー吸収装置。
  2. 【請求項2】 前記摩擦板材が複数枚設けられ、該摩擦
    板材の間には前記滑り板材と同じ構造の副滑り板材が介
    在されていることを特徴とする請求項1に記載された架
    構用摩擦接合式エネルギー吸収装置。
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