JP2001248077A - 帽子材料 - Google Patents

帽子材料

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JP2001248077A
JP2001248077A JP2000056674A JP2000056674A JP2001248077A JP 2001248077 A JP2001248077 A JP 2001248077A JP 2000056674 A JP2000056674 A JP 2000056674A JP 2000056674 A JP2000056674 A JP 2000056674A JP 2001248077 A JP2001248077 A JP 2001248077A
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hat material
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fiber
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Akio Futakuchi
昭夫 二口
Yasuharu Murakami
康晴 村上
Sumio Hishinuma
澄男 菱沼
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性のある着臭防止消臭性、抗菌性、防カビ
性および防汚性を同時に有する優れた機能性を有する帽
子類およびその付属品を実現できる帽子材料を提供する
こと。 【解決手段】繊維を主たる構成材としてなる帽子材料で
あり、該繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリ
コーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくと
も1種のバインダーと、光触媒剤を有することを特徴と
する帽子材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帽子材料に関す
る。
【0002】更に詳しくは、従来なかった耐久性のある
着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性な
どの優れた機能性を有する帽子類やその付属品を実現す
る帽子材料に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、生活水準の向上に伴い、健康およ
び衛生に関する意識も高まっており、関連する各分野に
おいて、消臭、抗菌、防カビおよび防汚加工を施した製
品や技術が実用化されている。
【0004】特に、布製品の分野、中でも頭部に着用す
る帽子類やその付属品では、かかる消臭、抗菌、防汚性
のニーズが高いものの、十分な加工技術が開発されてい
ない状況である。
【0005】例えば、汗をかいた後の帽子、キャップ等
をバッグ等に収納した場合、バッグを開けると、汗の臭
いがすることをよく経験するものである。更に、この汗
の臭いがとれず、不快な思いをする場合もある。また、
放置すれば、汚れやカビが発生し衛生上も問題がある。
【0006】また、帽子類の汗の臭い、体臭、タバコ臭
等の消臭のニーズは多い。
【0007】このような問題に対して、これまでの解決
方法は、ほとんどないと言っても過言ではないものであ
り、強いて挙げれば、消臭スプレーを吹きかける等の方
法しかなかったのが現実である。
【0008】しかし、このような消臭スプレーを用いる
方法では臭いは完全には消えないし、繰返し使用したと
しても、根本的な解決にはつながらないものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のとおり、従来の
技術では、繊維布にしみこんだ臭いは消臭できないので
あって、着臭防止は不可能であった。
【0010】本発明は、かかる従来技術の問題点や従来
の帽子類を着用・使用する人達の要請に鑑み、使用に際
して変色や劣化がなく、持続性のある着臭防止消臭効果
があり、更に抗菌、防カビおよび防汚性も同時に満足で
きるという、優れた機能を有する帽子類やその付属品を
実現する帽子材料を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決する本
発明の帽子材料は、以下の(1)〜(10)の構成から
なる。 (1)繊維を主たる構成材料としてなる帽子材料であ
り、該繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリコ
ーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも
1種のバインダーと、光触媒剤を有することを特徴とす
る帽子材料。 (2)該バインダーが、繊維重量に対して0.05〜1
00重量%含まれていることを特徴とする上記(1) 記載
の帽子材料。 (3)該光触媒剤が、チタンとケイ素からなる複合酸化
物であることを特徴とする上記(1) または(2) 記載の帽
子材料。 (4)該光触媒剤が、100〜300m2 /gの比表面
積を有する粒子であることを特徴とする上記(1) 〜(3)
のいずれかに記載の帽子材料。 (5)該光触媒剤の平均一次粒子径が、1〜20nmの
範囲にあることを特徴とする上記(1) 〜(4) のいずれか
に記載の帽子材料。 (6)該光触媒剤が、繊維重量に対して0.05〜30
重量%含まれていることを特徴とする上記(1) 〜(5) の
いずれかに記載の帽子材料。 (7)該バインダーが、ゼオライトを含有するものであ
ることを特徴とする上記(1) 〜(6) のいずれかに記載の
帽子材料。 (8)該ゼオライトが、繊維重量に対して0.01〜1
0重量%含まれていることを特徴とする上記(7) 記載の
帽子材料。 (9)該バインダーが、シランカップリング剤を含有す
るものであることを特徴とする上記(1) 〜(8) のいずれ
かに記載の帽子材料。 (10)該シランカップリング剤が、繊維重量に対して
0.01〜30重量%含まれていることを特徴とする上
記(9) 記載の帽子材料。
【0012】また、本発明は、以下の(10)の帽子類
と、(11)の帽子類の付属品を提供する。 (11)上記(1) 〜(10) のいずれかに記載の帽子材料
を用いてなる帽子類。 (12)上記(1) 〜(10) のいずれかに記載の帽子材料
を用いてなる帽子類の付属品。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明の帽子材
料について説明をする。
【0014】本発明の帽子材料は、繊維を主たる構成材
料としてなるものであり、該繊維表面に、アルキルシリ
ケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂か
ら選ばれた少なくとも1種のバインダーと、光触媒剤を
有するものである。
【0015】本発明において、光触媒剤とは、紫外線に
より励起され、強い酸化力によって有機物を酸化分解す
る特性を有するものであり、具体的には、アナターゼ
型、ルチル型と呼ばれる結晶型の構造をもつものが含ま
れる。
【0016】本発明の帽子材料においては、かかる光触
媒剤が、消臭性、着色物分解除去性(防汚性)、殺菌性
(抗菌、防カビ)を有するということに着目し、これを
帽子材料に付与して生かしたものである。
【0017】かかる光触媒の作用は、皮膚下のエクリン
腺、アポクリン腺から出た水分に、皮膚の周囲にある常
在菌により、汗の臭い(主成分:アンモニアやイソ吉草
酸)が発生し、この臭いに光触媒で励起された・OH基
(水酸基ラジカル)が汗の主成分に触れ、これをCO2
(炭酸ガス)とH2 0(水)に分解して消臭すると考え
られる。
【0018】また、加齢臭(中高年臭)では、主成分の
ノネナールが、老人臭(中高年臭)では、主成分のイン
ドール、スカトールが 、糞尿臭では、主成分のアンモ
ニアが、他の体臭では、主成分のアセトアルデヒド、メ
チルメルカプタンが、タバコ臭では、主成分のニコチン
が、それぞれ同様に光触媒剤で分解することができるも
のである。
【0019】本発明においては、かかる光触媒剤の中で
も、チタンとケイ素からなる複合酸化物を使用するのが
好ましい。
【0020】かかる複合酸化物は、例えば、特公平5−
55184号公報に記載された方法で製造した触媒剤を
用いればよい。一般に、チタンとケイ素からなる二元系
複合酸化物は、例えば、「触媒」(第17巻、No.3、
72頁(1975年、触媒学会発行))に記載されてい
るように、固体酸として知られており、チタンとケイ素
の割合は、酸化物に換算して、酸化チタンが20〜95
モル%、酸化ケイ素が5〜80モル%の範囲にあること
が好ましい。
【0021】かかる光触媒の粒子径は、大きすぎたり、
比表面積が小さすぎたりすると、有機物、特に細菌に対
する分解速度が低下する傾向がある。また、消臭反応
は、上述したように悪臭成分が触媒に吸着し、その後、
紫外線酸化分解を受ける過程を経ると考えられ、悪臭成
分の吸着の良し悪しが、消臭効率に大きく影響を与える
と考えられる。本発明者らの知見によれば、一次粒子径
としては、好ましくは20nm以下、より好ましくは1
〜20nmの範囲内であり、比表面積は100〜300
2 /gであるものが好ましく使用される。
【0022】かかる光触媒剤の繊維構造物に対する付着
量は、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましく
は0.05〜20重量%である。かかる付着量は、プリ
ントやグラビアによる布地に塗布する方法で容易に達成
することができる。この光触媒剤をパディングで含浸す
る方法では、風合いのソフトさの点から、0.08〜1
0重量%の付着量に制御するのが好ましい。
【0023】本発明においては、たとえば上述のように
チタンとケイ素の複合酸化物などからなる光触媒剤を帽
子材料を構成する繊維構造物に付着させるため、アルキ
ルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系
樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーを用いる
ことにより、有機系樹脂特有の光触媒剤の酸化による分
解、着色、臭気の発生を防止することができる。
【0024】この組合せであれば、繊維と光触媒剤を含
むバインダーとの間に過酸化チタン等の無機物の中間層
は不要となり、光触媒剤の洗濯耐久性、製品の風合い、
コスト等が中間層のあるものに比べ飛躍的に改善され
る。
【0025】本発明に用いられるアルキルシリケート
は、主にSi−Oの結合部分と、直鎖または分岐のある
飽和アルキルから成り、その両端にOH基をもつことを
特徴とするものである。すなわち、下記に示される構造
を含むものである。
【0026】OH−(Si−O)n −R−OH 式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のある飽
和アルキル基であり、nは1以上の整数を意味し、好ま
しくは無機性を高めるために1000〜10000の範
囲である。
【0027】かかるアルキル基は、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル等の直鎖または分岐のある飽和ア
ルキルである。
【0028】かかるバインダーの付着量は、繊維に対し
て、塗布法では、好ましくは、0.05〜100重量%
であり、より好ましくは0.05〜30重量%であり、
また、含浸法では、風合いの点から、好ましくは0.0
5〜10重量%の範囲に制御するのがよい。
【0029】また、シリコーン系樹脂としては、シリコ
ーンレジンもしくはシリコーンワニスという分類に属す
る縮合架橋型樹脂を使用することができ、かかる樹脂
は、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン
などの縮合架橋型樹脂を、単独または数種の配合物を縮
合して得ることができるものが含まれる。これらは、3
次元構造の樹脂を形成し、シリコーン樹脂の中でも、最
も耐熱性や耐薬品性に優れたものである。かかる樹脂の
付着量は、繊維に対して、塗布法では、好ましくは0.
05〜100重量%であり、また、含浸法では風合いの
点から、好ましくは0.05〜30重量%の範囲に制御
するのがよい。
【0030】また、フッ素系樹脂としては、ビニルエー
テルおよび/またはビニルエステルとフルオロオレフィ
ン重合性化合物が、非常に優れた特性を持っていて好ま
しく使用される。例えば、ポリフッ化ビニルやポリ四フ
ッ化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエステルやビニルエステル−フルオロオレフィ
ンなどが分解、劣化が少ないので好ましく使用される。
かかる樹脂の付着量はシリコーン系樹脂と同量で好まし
く使用される。
【0031】また、かかるバインダーにゼオライトをさ
らに添加することは、抗菌性能を更に高める効果がある
ので好ましい。
【0032】すなわち、臭い成分の吸着力の向上と構造
物中の無機系成分比を増加させ、光触媒による分解を抑
制する作用がある。かかるゼオライトは、金、白金、
銀、パラジウム等の貴金属を好ましくは0.01〜5重
量%の範囲で担持したものを用いることもでき、これに
より更に抗菌効果が向上する。かかるゼオライトの付着
量は、風合いの点から、繊維に対して、塗布法では好ま
しくは0.01〜10重量%であり、また、含浸法では
好ましくは0.01〜5重量%の範囲に制御するのがよ
い。
【0033】次に、上述のバインダーにカップリング剤
をさらに添加することは、無機物と有機物の接着力を向
上させることができるので好ましい。これにより繊維、
バインダー、光触媒の相互間に化学的結合力が働き、洗
濯耐久性の向上につながる。かかるカップリング剤の付
着量は、繊維に対して、塗布法では好ましくは0.01
〜30重量%であり、また、含浸法では、風合いの点か
ら、好ましくは0.01〜10重量%の範囲に制御する
のがよい。かかるカップリング剤としては、例えば、シ
ランカップリング剤を好ましく用いることができる。
【0034】次いで、かかる光触媒剤とバインダーを含
む加工液を布地中などの繊維表面に固着させるものであ
るが、その方法については、特に限定されるものでない
が、該加工液を布地等に含浸させて、マングルロールで
絞り、ドライ−キュアの工程を経る、いわゆる通常の布
地の樹脂加工に準じて行うのが好ましい。
【0035】ドライ−キュアのそれぞれの温度×時間条
件は、例えば、 ドライ:110〜135℃×1〜3分、 キュア:160〜190℃×1〜3分、 が好ましい条件である。
【0036】なお、プリント、グラビアなどの塗布工程
では、この加工液を糊剤で適当な粘度に調整して、ナイ
フコーターやグラビアロールコーター、印捺などで塗布
した後、170〜200℃×5〜30分の温度条件で固
定する、いわゆる通常のプリント加工、グラビア加工を
好ましく採用することができる。いずれにしても、かか
る加工においては、布帛の有する通気性等の諸特性を保
持させる方向で各種条件が選択されるのがよい。
【0037】本発明の帽子材料は、構成する繊維として
は、合成繊維、天然繊維、あるいはそれらの混合等によ
り使用することができる。
【0038】特に限定されるものではないが、好ましく
は、帽子材料としての平滑性、軽量性、高強力性等の点
から、ポリエステル系繊維またはポリアミド繊維を50
重量%以上含む繊維から構成されているものがよい。
【0039】ここで、ポリエステル系繊維としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレートなどが好ましく使用できる。また、ポ
リアミド繊維としては、ナイロン6、ナイロン66など
が本発明の効果を大きく発揮できるので好ましい。
【0040】繊維の形態、さらには繊維の高次加工品の
形態として、糸の形態、繊維シートの形態としては、特
に限定されるものではないが、紡績糸、フィラメント糸
が好ましく用いられる。フィラメント糸ではストレッチ
性を付与できることから、捲縮加工糸(ウーリー糸、ブ
レリア糸、複合加工糸など)が好ましく使用される。繊
維、糸は、織物、編物、不織布等の形態で帽子材料を構
成することができる。
【0041】また、該合成繊維には、ポリアクリル等の
他の合成繊維、アセテート、レーヨン等の半合成繊維、
あるいは、羊毛、絹、木綿、麻等の天然繊維が含まれて
いてもよい。特に、ポリエステルと綿の混紡糸は、吸汗
性、吸湿性が優れるので、帽子材料として、より好まし
いものである。
【0042】本発明でいう帽子材料とは、帽子類本体や
その付属品を構成する材料をいい、帽子用布地や、更
に、帽子類の付属品として、例えば帽子の中敷き(カラ
ー、びん皮)などの内側に装着される帯状物、紐状物、
糸状物など、繊維から構成されるパーツ等、全て含むも
のである。
【0043】特に、帽子及びその付属品布地としては、
織物、編物の形態が好ましく、また、不織布も使用でき
る。織物で例示すると、糸繊度としては80〜400デ
シテックス、組織は平織、ツイル織物等を好ましく使用
できる。
【0044】本発明において帽子類とは、繊維で構成さ
れるものであれば、特に限定されるものでなく、スポー
ツ帽子(野球帽、テニス帽、ゴルフ帽、サイクリング
帽、スイミングキャップ、スキー帽等)、ハンティング
キャップ、アイビーキャップ、アドベンチャーハット、
イートンキャップ、ウエスタンハット、ウオーワーカー
ズキャップ、烏帽子、オープンクラウンハット、オペラ
ハット、カウボーイハット、角帽、キャップ、サンシェ
イド、シルクハット、スカルキャップ、サンバイザーな
どの帽子類等があり、その付属品とはそれらに付属する
上述のパーツ等をいうものである。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0046】なお、実施例中での品質評価は次の方法を
用いた。また、試料は各帽子材料生地から採取したもの
である。 [A]洗濯 自動反転渦巻き式電気洗濯機VH−3410((株)東
芝製)を用い、市販洗剤0.2%、温度40±2℃、浴
比1:50で5分間強反転で洗濯し、その後、排水、オ
ーバーフローさせながらすすぎを2分間行う操作を2回
繰り返し、これを洗濯1回とした。 [B]検知管法による消臭性評価 試料を10g入れた500mlの容器に初期濃度が20
0ppmになるようにアンモニアガスをいれて密閉し、
1時間放置後、ガス検知管で残留アンモニア濃度を測定
した。
【0047】そして、下記の式に従い、消臭率(%)と
して算出した(臭気A)。
【0048】消臭率(%)=〔1−(ガス検知管測定濃
度)/(初期濃度)〕×100 同様な方法で、アセトアルデヒド200ppm−1時間
後(臭気B)と、メチルメルカプタン60ppm−3時
間後(臭気C)、の残留ガス濃度をそれぞれ測定し、各
気体の消臭率を算出した。 [C]タバコ臭に対する消臭性の臭覚評価 500mlのガラス製三角フラスコを入り口を下にし
て、入り口の直下に発煙している紙巻きタバコを5秒間
置いた後、すばやく三角フラスコを横にして試料3gを
投入し、ガラス栓で密閉した。1時間放置後、ガラス栓
を開け、10人の人に残臭を嗅いでもらい官能評価し
た。そのときの臭気を下記評価点数で評価し、平均値を
算出した。
【0049】 5:強烈な臭い 4:強い臭い 3:楽に感知できる 2:何の臭いかわかる弱い臭い 1:無臭 [D]イソ吉草酸臭による着臭防止性の臭覚評価 0.01%のイソ吉草酸水溶液をマイクロシリンジにて
5μl秤量し、これを10cm×10cmの大きさに切
り取った布帛中央部に5点滴下する。滴下の方法は布帛
中央部に1点、続いて中央部の1点を取り囲むようにち
ょうどサイコロの五の目を成すがごとく4点滴下する。
この布帛を蛍光灯下に3時間放置後、10人の人に布帛
の臭いを嗅いで官能評価した。そのときの臭気を下記評
価点数で評価し、平均値を算出した。
【0050】 5:強烈な臭い 4:強い臭い 3:楽に感知できる 2:何の臭いかわかる弱い臭い 1:無臭 [E]抗菌性評価方法 評価方法は、統一試験法を採用し、試験菌体は黄色ブド
ウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試験布
に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測
し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準にしたがっ
た。log(B/A)>1.5の条件下、log(B/
C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格とした。
【0051】ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収
した菌数であり、Bは無加工品の18時間培養後、分散
回収した菌数であり、Cは加工品の18時間培養後分散
回収した菌数をそれぞれ表す。 [F]防汚性評価方法 手順1:ポリエチレン袋(20リットル)に100℃×
2時間乾燥させた表1に 示す組成の汚染物0.2gと
タテ10cm、ヨコ16cmのサンプルと ICIピリ
ング用ゴム管を1本入れる。20℃×65%RHの空気
で袋を膨らませ(約10リットルにする)、輪ゴムで止
める。
【0052】
【表1】
【0053】手順2:手順1のポリエチレン袋をICI
試験器の箱の中にいれ、1時間回転させる。その後サン
プルを取り出す。
【0054】手順3:処理サンプルを標準洗濯条件で1
回洗濯する。手順1〜3をさらに2回繰り返す。
【0055】手順4:上記のとおり汚染剤付着・洗濯を
10回繰り返したサンプルと未処理のサンプルのL値
(明度)を測色計で測定し、△L値を計算する。
【0056】△L値が小さいほど、汚れがつきにくく、
且つ汚れが落ちやすく、良好なものである。
【0057】実施例1 ポリエステル65%、綿35%の混紡糸45番を経糸に
用い、ポリエステル100%フィラメント糸(167デ
シテックス)を緯糸に用い、経糸密度153本/吋、緯
糸密度110本/吋で2/2ツイル織物に製織した。通
常の加工条件により精練、乾燥、中間セット、染色(分
散染料/蛍光白)を行った。
【0058】次いで、下記の加工剤、使用量で加工液を
調合した。 A、チタンとケイ素の複合酸化物 (濃度20%) 0.7重量% 平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150m2 /gであるチタンとケイ 素の複合酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものを用 いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 0.4重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 1.8重量% C、貴金属担持型ゼオライト(濃度20%) 0.15重量% D、シランカップリング剤(濃度100%) 0.15重量% これに上記染色後の繊維布帛を浸し、マングルロールで
ピックアップ80重量%で絞り、130℃で1.5分乾
燥した後、175℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触
媒を含む布地構造物を得、本体に用いてスポーツ用帽子
に縫製した。この布地について、着臭防止性(消臭
性)、抗菌性、防汚性などの評価をして、結果を表2に
示した。
【0059】実施例2 ポリエステル65%、綿35%の混紡糸45番を経糸に
用い、ポリエステル100%フィラメント糸(83デシ
テックス)を緯糸に用い、経糸密度137本/吋、緯糸
密度86本/吋でポリエステル、綿混紡糸の交織織物に
製織した。通常の加工条件により精練、乾燥、中間セッ
ト、染色(分散染料/蛍光白)を行った。
【0060】次いで、下記の加工剤、使用量で加工液を
調合した。 A、チタンとケイ素の複合酸化物 (濃度20%) 1.2重量% 平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150m2 /gであるチタンとケイ 素の複合酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものを用 いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 0.7重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 2.8重量% C、貴金属担持型ゼオライト(濃度20%) 0.3重量% D、シランカップリング剤(濃度100%) 0.3重量% これに上記染色後の繊維布帛を浸し、マングルロールで
ピックアップ75重量%で絞り、130℃で1.5分乾
燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触
媒を含む布地構造物を得、帽子類として野球帽に縫製し
た。この布地について、着臭防止性(消臭性)、抗菌
性、防汚性などの評価をして、結果を表2に併記した。
【0061】実施例3 上記実施例2のポリエステル /綿混織物の染色したも
のに、下記の加工剤および使用量で加工液を調合した。 A、チタンとケイ素の複合酸化物 (濃度20%) 12.0重量% 平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150m2 /gであるチタンとケイ 素の複合酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものを用 いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 7.0重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 26.0重量% C、貴金属担持型ゼオライト(濃度20%) 2.6重量% D、シランカップリング剤(濃度100%) 2.6重量% かかる加工液:40部に更に糊剤を120部の割合にて
調合し、スクリーンで印捺、プリント加工を行った。印
捺後、120℃で2分乾燥した後、180℃で1分間過
熱蒸気で熱処理し、糊剤を洗浄し、仕上げた。このよう
にして、繊維表面に光触媒を含む布地構造物を得、本体
に用いて帽子に縫製した。この布地について、着臭防止
性(消臭性)、抗菌性、防汚性などの評価をして、結果
を表2に併記した。
【0062】比較例1、比較例2 実施例1、実施例2で用いた、染色上がり時点での繊維
布帛について(それぞれ比較例1、2とした)、着臭防
止消臭性、抗菌性、防汚性などを比較、評価をして、結
果を表2に示した。
【0063】
【表2】
【0064】表2から明らかなように、実施例1〜3の
ものは、比較例1、2のものに比較して、着臭防止性、
消臭性については、極めて優れたレベルの機能を発揮し
ており、しかも、抗菌性、防汚性および耐久性に優れて
いることがわかる。
【0065】さらに、この生地を使用し帽子を作成し、
実着用した結果、生地評価と同様に、極めて優れた着臭
防止、抗菌効果があることを確認できた。
【0066】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によれば、耐久性
のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防
汚性を同時に有する優れた機能性を有する帽子材料を提
供することができる。
【0067】請求項2に係る本発明によれば、特に、本
来の繊維製品の風合いのソフトさを損なうことなく、耐
久性のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性およ
び防汚性を同時に有する優れた機能性を有する帽子材料
を提供することができる。
【0068】請求項3に係る本発明によれば、特に、ア
ルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ
素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーを用
いることにより、有機系樹脂特有の光触媒剤の酸化によ
る分解、着色、臭気の発生を防止することができて、か
つ、耐久性のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ
性および防汚性を同時に有する優れた機能性を有する帽
子材料を提供することができる。
【0069】請求項4に係る本発明によれば、特に、悪
臭成分の吸着が良く、かつ、耐久性のある着臭防止性、
消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する
優れた機能性を有する帽子材料を提供することができ
る。
【0070】請求項5に係る本発明によれば、特に、悪
臭成分の吸着が良く、かつ、耐久性のある着臭防止性、
消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する
優れた機能性を有する帽子材料を提供することができ
る。
【0071】請求項6に係る本発明によれば、特に、本
来の繊維製品の風合いのソフトさを損なうことなく、耐
久性のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性およ
び防汚性を同時に有する優れた機能性を有する帽子材料
を提供することができる。
【0072】請求項7に係る本発明によれば、特に、抗
菌性能が高く、かつ、耐久性のある着臭防止性、消臭
性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する優れ
た機能性を有する帽子材料を提供することができる。
【0073】請求項8に係る本発明によれば、特に、本
来の繊維製品の風合いのソフトさを損なうことなく、特
に、抗菌性能が高く、かつ、耐久性のある着臭防止性、
消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する
優れた機能性を有する帽子材料を提供することができ
る。
【0074】請求項9に係る本発明によれば、無機物と
有機物の接着力を向上させることができ、繊維、バイン
ダー、光触媒の相互間に化学的結合力が働き、特に、洗
濯耐久性が良好な、耐久性のある着臭防止性、消臭性、
抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する優れた機
能性を有する帽子材料を提供することができる。
【0075】請求項10に係る本発明によれば、特に、
本来の繊維製品の風合いのソフトさを損なうことなく、
無機物と有機物の接着力を向上させることができ、繊
維、バインダー、光触媒の相互間に化学的結合力が働く
ことにより洗濯耐久性が良好な、耐久性のある着臭防止
性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有
する優れた機能性を有する帽子材料を提供することがで
きる。
【0076】請求項11に係る本発明によれば、耐久性
のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防
汚性を同時に有する優れた機能性を有する帽子類を提供
することができる。
【0077】請求項12に係る本発明によれば、耐久性
のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防
汚性を同時に有する優れた機能性を有する帽子類の付属
品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/256 Fターム(参考) 4L031 AB31 BA09 BA20 DA12 DA13 4L033 AB01 AB04 AC10 BA94 CA17 CA59 DA06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維を主たる構成材としてなる帽子材料で
    あり、該繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリ
    コーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくと
    も1種のバインダーと、光触媒剤を有することを特徴と
    する帽子材料。
  2. 【請求項2】該バインダーが、繊維重量に対して0.0
    5〜100重量%含まれていることを特徴とする請求項
    1記載の帽子材料。
  3. 【請求項3】該光触媒剤が、チタンとケイ素からなる複
    合酸化物であることを特徴とする請求項1または2記載
    の帽子材料。
  4. 【請求項4】該光触媒剤が、100〜300m2 /gの
    比表面積を有する粒子であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の帽子材料。
  5. 【請求項5】該光触媒剤の平均一次粒子径が、1〜20
    nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の帽子材料。
  6. 【請求項6】該光触媒剤が、繊維重量に対して0.05
    〜30重量%含まれていることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の帽子材料。
  7. 【請求項7】該バインダーが、ゼオライトを含有するも
    のであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の帽子材料。
  8. 【請求項8】該ゼオライトが、繊維重量に対して0.0
    1〜10重量%含まれていることを特徴とする請求項7
    記載の帽子材料。
  9. 【請求項9】該バインダーが、シランカップリング剤を
    含有するものであることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載の帽子材料。
  10. 【請求項10】該シランカップリング剤が、繊維重量に
    対して0.01〜30重量%含まれていることを特徴と
    する請求項9記載の帽子材料。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の帽子
    材料を用いてなる帽子類。
  12. 【請求項12】請求項1〜10のいずれかに記載の帽子
    材料を用いてなる帽子類の付属品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299440A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Tanizawa Seisakusho Ltd 保護帽及びそのライナー用防塵カバー
JP2009084766A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Tokushu Iryo:Kk インナーキャップ
WO2019242070A1 (zh) * 2018-06-20 2019-12-26 南通华润新材料有限公司 一种针织面料的整理工艺

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