JP2001247451A - ゲル状皮膚外用剤及び多価アルコールゲルの製造方法 - Google Patents

ゲル状皮膚外用剤及び多価アルコールゲルの製造方法

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JP2001247451A JP2000061031A JP2000061031A JP2001247451A JP 2001247451 A JP2001247451 A JP 2001247451A JP 2000061031 A JP2000061031 A JP 2000061031A JP 2000061031 A JP2000061031 A JP 2000061031A JP 2001247451 A JP2001247451 A JP 2001247451A
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Eiji Takahashi
栄治 高橋
Koichi Iyanagi
宏一 井柳
Satoshi Negishi
聡 根岸
Tadashiro Hirose
忠城 広瀬
Hidetaka Uehara
秀隆 上原
Kenji Hanabusa
謙二 英
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Nisshin Oillio Group Ltd
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Pola Chemical Industries Inc
Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧料や皮膚外用医薬等の皮膚外用剤として
有用な多価アルコールゲル製剤を提供する。 【解決手段】 一般式(I)に表される化合物であるア
スパラギン酸フェニルアラニン環状ジペプタイド誘導体
を多価アルコールに溶解し、前記多価アルコールと前記
化合物とを含有するゲル状皮膚外用剤を作製する。 【化1】 (但し、式中Rは炭素数6〜22の、直鎖、分岐、及び
環状の少なくともいずれかの構造が含まれるアルキル基
又はアルケニル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料などに好適
なゲル状皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ゲル状の組成物は、溶剤としての効果を
有しながら使用感は非流動性の特性を有し、化粧料など
の皮膚外用剤の分野に於いては、溶液特性を備えた非流
動性組成物という特長を生かし広く利用されている。例
えば、高分子ゲル化剤やベントナイト系の無機ゲル化剤
を用いた水性ゲルは、水の持つ溶剤特性である爽やかさ
を提供するアンダーメークアップ化粧料などの化粧料
や、抗炎症成分を含有させた皮膚外用医薬などに応用さ
れているし、オイルをワックスなどでゲル化させたオイ
ルゲルは、オイルの溶媒としての効果を利用して、例え
ば、油性汚れを落とすクレンジングなどに使用されてい
る。
【0003】しかしながら、アルコール類、取り分け、
多価アルコール類をゲル化させるゲル化剤は未だ知られ
ておらず、化粧料として優れた多価アルコールの溶剤特
性を生かした多価アルコールゲル製剤は全く知られてい
なかった。即ち、この様な多価アルコールゲルが興味深
い特性を有しているであろうことは推測されていて、こ
の様な多価アルコールゲルを作る試みは為されていた
が、その様な手段が得られていないのが現状であった。
従って、この様な多価アルコールゲル製剤が、優れた粉
体分散性を有していることも、有効成分などを経皮吸収
させるのに好適であることも全く知られていなかった。
【0004】一方、前記一般式(I)に表される化合物
は、スクワランやシリコーンなどのオイル類を増粘ゲル
化させる作用を有していることは既に知られているが
(特開平10−226615号)、1,3−ブタンジオ
ール等の多価アルコールを増粘させる作用を有すること
は、全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下為されたものであり、化粧料や皮膚外用医薬等の皮
膚外用剤として有用な多価アルコールゲル製剤を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この様な状況に鑑みて、
本発明者らは、多価アルコールをゲル化しうるゲル化剤
を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、一般式(I)に表
される化合物がその様な作用を有することを見いだし、
発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、一般式
(I)に表される化合物と多価アルコールとを含有する
ゲル状の皮膚外用剤を提供するものである。
【0007】
【化2】 (但し、式中Rは炭素数6〜22の、直鎖、分岐、及び
環状の少なくとも何れかの構造が含まれるアルキル基又
はアルケニル基を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明で使用される、一般
式(I)に表される化合物及び多価アルコール、につい
て詳しく説明するとともに、多価アルコールゲルの製造
方法及びゲル状皮膚外用剤、について詳しく説明する。
【0009】<発明の詳細な説明> (1)本発明のゲル状皮膚外用剤の必須成分である一般
式(I)に表される化合物 本発明のゲル状皮膚外用剤は、一般式(I)に表される
化合物を含有することを特徴とする。
【0010】一般式(I)に表される化合物は、アスパ
ラギン酸誘導体とフェニルアラニンとが2つのペプチド
結合によって環状ペプチド構造を形成する分子構造のも
のである。前記アスパラギン酸誘導体は、炭素数6〜2
2の直鎖、分岐、及び環状の少なくとも何れかの構造の
アルキル基(飽和炭化水素基)又はアルケニル基(1以
上の炭素間二重結合を有する不飽和炭化水素基)を有す
るアルコールが、アスパラギン酸のβ−カルボキシル基
にエステル結合した分子構造のものである。
【0011】前記アスパラギン酸及びフェニルアラニン
は、L体であっても良いし、又はD体であっても良い
し、又は、ラセミ体等の異性体の混合体であっても良
い。また、前記アルキル基又はアルケニル基は、ジメチ
ルオクチル基、ラウリル基、ステアリル基、オレイル
基、イソオクチル基、及びシクロヘキシル基等を好まし
くは例示できるが、炭素数が6〜22であれば特に限定
されず、構造異性や立体異性等の異性構造において特定
の異性構造のみからなるアルキル基又はアルケニル基で
あっても良いし、又は、複数の異性構造が混在するアル
キル基又はアルケニル基であっても良い。
【0012】一般式(I)に表される化合物としては、
例えば、シクロ(L−β−ジメチルオクチルアスパラギ
ル−L−フェニルアラニル)(化合物1)、シクロ(L
−β−ラウリルアスパラギル−L−フェニルアラニル)
(化合物2)、シクロ(L−β−ステアリルアスパラギ
ル−L−フェニルアラニル)(化合物3)、シクロ(L
−β−オレイルアスパラギル−L−フェニルアラニル)
(化合物4)、シクロ(L−β−イソオクチルアスパラ
ギル−L−フェニルアラニル)(化合物5)、シクロ
(L−β−シクロヘキシルアスパラギル−L−フェニル
アラニル)(化合物6)、及びシクロ(L−β−ベヘニ
ルアスパラギル−L−フェニルアラニル)等が好ましく
例示できる。これらの内、特に好ましいものは化合物1
〜3である。中でも化合物1が、生成したゲルの特性か
ら最も好ましい。
【0013】前記一般式(I)に表される化合物の製造
方法は、特に制限されないが、例えば、特開平10−2
26615号公報に記載されている方法によって、又は
それに準じて作製することができる。本発明に於いて
は、これらの一般式(I)に表される化合物は、唯1種
でも含有させることができるし、2種以上を組み合わせ
て含有させることもできる。その好ましい含有量は、総
量でゲル状皮膚外用剤全量に対して、0.1〜10重量
%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。こ
れは、前記化合物が少なすぎると多価アルコールゲルの
ゲル特性を損なう場合があり、前記化合物が多すぎても
効果は頭打ちになり、ゲル状皮膚外用剤の処方の自由度
を損なう場合があるからである。
【0014】(2)本発明のゲル状皮膚外用剤の必須成
分である多価アルコール 本発明のゲル状皮膚外用剤は多価アルコールを含有する
ことを特徴とする。本発明で使用できる多価アルコール
としては、一分子内に2個以上の水酸基を有し、炭素、
水素、及び酸素のみを構成原子とする水溶性成分であっ
て、化粧料や皮膚外用医薬等の皮膚外用剤で一般的に使
用されているものであれば特段の限定無く使用すること
ができる。
【0015】本発明で使用できる多価アルコールとして
は、例えば、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、
ポリプロピレングリコール、マルチトール、ソルビトー
ル、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,
2−ペンタンジオール及びグリセリンが好ましく例示で
き、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,
2−ペンタンジオール及びグリセリンが特に好ましく例
示できる。これらは、唯一種を用いることもできるし、
二種以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0016】ゲル状皮膚外用剤中の多価アルコールの含
有量は、少なすぎるとゲルが硬すぎて使用性を損なう場
合があり、多すぎるとゲル状皮膚外用剤から多価アルコ
ールが分離するなどゲル状皮膚外用剤のゲル特性や安定
性を損なう場合がある。ゲル状皮膚外用剤における多価
アルコールの好ましい含有量は、前記化合物の種類や多
価アルコールの種類によって異なるが、概ね総量でゲル
状皮膚外用剤に対して40〜70重量%であり、更に好
ましくは45〜60重量%である。多価アルコールの含
有量が前記範囲内であれば、前記化合物や多価アルコー
ルの種類に関わらず、良好なゲル特性を有するゲル状皮
膚外用剤を得ることができる。
【0017】(3)本発明の多価アルコールゲルの製造
方法及びゲル状皮膚外用剤 前記多価アルコールに前記化合物を加えるとともに溶解
させて多価アルコール溶液とし、この多価アルコール溶
液が増粘、ゲル化することによって、多価アルコールゲ
ルを得ることができる。この多価アルコールゲルは、多
価アルコールの優れた皮膚浸透性や、前記化合物の多価
アルコールゲル形成能力、及び前記化合物及び多価アル
コールの高い安全性などの面から、皮膚外用剤に適用す
ることができる。なお、本発明で言う、皮膚外用剤と
は、貼る又は塗るなどして皮膚に外用で適用される組成
物の総称を意味し、例えば、化粧料、皮膚外用医薬、皮
膚外用消毒薬、皮膚外用殺菌薬などが例示でき、本発明
のゲル状皮膚外用剤は、特に化粧料や皮膚外用医薬に適
用することが好ましい。
【0018】多価アルコールゲルの製造では、前記化合
物を加熱条件下の多価アルコール中で溶解することが好
ましい。加熱条件下で前記化合物を溶解する場合では、
室温の多価アルコール中に分散した後に多価アルコール
を加熱しても良いし、所定温度に加熱されている多価ア
ルコール中に前記化合物を分散しても良い。
【0019】加熱条件下で前記化合物を溶解する場合で
は、多価アルコールの好ましい温度は80〜95℃であ
る。この範囲よりも温度が低すぎると、前記化合物の溶
解が速やかに進行せず多価アルコールゲルが均一なゲル
特性を示さない場合があり、前記範囲よりも温度が高す
ぎると、前記ゲル状皮膚外用剤の製造において任意に配
合される成分等に悪影響を及ぼす場合がある。
【0020】また、多価アルコールゲルの製造では、多
価アルコールゲルのゲル特性が増粘時における物理的衝
撃の有無によって大きく変化することがないので、前記
化合物の多価アルコール溶液を撹拌しながら増粘してゲ
ル化しても良いし、又は前記化合物の多価アルコール溶
液を静置状態で増粘してゲル化しても良い。
【0021】前記多価アルコールを皮膚外用剤に適用す
る場合では、このゲル状皮膚外用剤は、多価アルコール
ゲルのゲル特性を損ねない範囲で、前記皮膚外用剤で通
常使用される任意成分を含有することができるるととも
に、この任意成分を常法に従って処理することにより製
造することができる。
【0022】この様な任意成分としては、例えば、ワセ
リンやマイクロクリスタリンワックス等のような炭化水
素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリ
ーブ油等のトリグリセライド類、セタノール、オレイル
アルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレ
イン酸等の脂肪酸、非イオン界面活性剤、アニオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノ
ール等の一価アルコール、カーボポール等の増粘剤、防
腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類、植物抽
出物等が好ましく例示できる。また、ゲル状皮膚外用剤
の塗布時における感触の改良や、植物抽出物用の溶媒等
として、グリセリンや1,3−ブタンジオール等の多価
アルコール類をゲル状皮膚外用剤にさらに配合しても良
い。
【0023】また、前記ゲル状皮膚外用剤は、水を含ま
ないことが好ましいが、ゲル状皮膚外用剤のゲル特性等
を損なわない範囲であれば水が含まれても良い。ゲル状
皮膚外用剤に許容される含水量は、前記化合物の種類や
多価アルコールの種類によって異なるが、概ね20重量
%までと思われる。20重量%よりもより多くの水がゲ
ル状皮膚外用剤に含まれると、前記化合物や多価アルコ
ールの種類によっては、水や多価アルコールの分離など
により、ゲル状皮膚外用剤のゲル特性や安定性が損なわ
れる場合がある。含水量が少ないほど、良好なゲル特性
や安定性を示すゲル状皮膚外用剤を得ることができる。
【0024】前記ゲル状皮膚外用剤を化粧料とする場合
では、この場合における化粧料の種類は特に限定される
ものではなく、例えば、多価アルコールの優れた皮膚浸
透性や保湿性等を生かした美肌用などの基礎化粧料や、
メーキャップ化粧料の化粧のりを良くするためのアンダ
ーメーキャップ化粧料や、多価アルコールの優れた粉体
分散性を生かしたクレンジングゲル(ファンデーション
落とし用)等を例示することができる。また、前記ゲル
状皮膚外用剤に粉体を含有させた場合では、新規使用感
を有するファンデーションを作ることができるので好ま
しい。
【0025】前記粉体としては、タルク、セリサイト、
マイカ、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、メチルシ
ロキサン網状重合体、アクリル樹脂球、ナイロン繊維な
どの体質粉体や、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸
化ジルコニウム、群青、紺青などの色調調整用着色粉体
等が例示できる。これらは、シリコーンやアミノ酸、燐
脂質などで表面を処理されていても良い。これら粉体の
好ましい含有量は総量でゲル状皮膚外用剤に対して10
〜50重量%である。この様に粉体を含有させる場合で
は、界面活性剤としては、親油性のもののみを使用し、
その含有量も0.1〜2重量%程度に抑えることが好ま
しい。これは、化粧崩れを防ぎ、優れた使用感を有する
メークアップ化粧料を提供できるからである。
【0026】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明について更
に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ
限定されないことは言うまでもない。なお、以下の実施
例では、前記一般式(I)に表される化合物として、 化合物1:シクロ(L−β−ジメチルオクチルアスパラ
ギル−L−フェニルアラニル) 化合物2:シクロ(L−β−ラウリルアスパラギル−L
−フェニルアラニル) 化合物3:シクロ(L−β−ステアリルアスパラギル−
L−フェニルアラニル) 化合物4:シクロ(L−β−オレイルアスパラギル−L
−フェニルアラニル) 化合物5:シクロ(L−β−イソオクチルアスパラギル
−L−フェニルアラニル) 化合物6:シクロ(L−β−シクロヘキシルアスパラギ
ル−L−フェニルアラニル) を使用するものとする。これらの化合物は、例えば、以
下に示すプロセスによって製造することができる。すな
わち、エタノールに塩化水素を飽和に吹き込み、これに
アスパラギン酸を加えて撹拌、反応させてアスパラギン
酸ジエステルとし、このアスパラギン酸ジエステルに、
予めベンジルオキシカルボニル基でアミノ基を保護した
フェニルアラニンを、ジシクロヘキシルカルボジイミド
の存在下で縮合させて、直鎖ジペプチドとする。この直
鎖ジペプチドを接触還元し、その後加熱閉環し、シクロ
(L−β−エチルアスパラギル−L−フェニルアラニ
ル)を得る。この閉環体に、前記一般式(I)中Rに相
当する炭素数6〜22のアルコールを加え、パラトルエ
ンスルホン酸存在下、減圧しながら120℃に加熱し、
反応物質を融解して反応させるフュージョン反応を行
う。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィ
ー(クロロホルム−メタノール混液系)で精製すること
によって、一般式(I)に表される化合物を得る。以下
に、化合物1〜化合物6の製造例を示す。
【0027】(製造例1)化合物1の製造 L−アスパラギン酸6gをエタノール100mLに懸濁
し、この懸濁液を0℃に冷却し、乾燥塩化水素ガスを吹
き込み、室温に戻して4時間撹拌した。この液を濃縮
し、冷却してL−アスパラギン酸ジエチル塩酸塩を沈殿
として得た。前記塩酸塩をエタノール、及びエーテルで
洗浄し、水酸化ナトリウムを入れたデシケータで減圧に
保ち、エタノールとジエチルエーテルの混液から再結晶
し、L−アスパラギン酸ジエチル3gを得た。一方で、
約4規定の水酸化ナトリウム水溶液50mLとジクロロメ
タン50mLの混液にL−フェニルアラニン9gを加え、
これに撹拌しながら、塩化ベンジルオキシカルボニル1
0mLを加え、L−フェニルアラニンのアミノ基にベンジ
ルオキシカルボニル基を室温にて導入し、L−ベンジル
オキシカルボニルフェニルアラニン9gを得た。前述し
た操作により得られたL−アスパラギン酸ジエチル1.
5gとL−ベンジルオキシカルボニルフェニルアラニン
3gを、ジシクロヘキシルカルボジイミド2gの存在下、
酢酸エチル100mLを溶媒として室温で縮合させ、L−
ジエチルアスパラギル−L−ベンジルオキシカルボニル
フェニルアラニル3gを得た。これに、メタノール10
0mLを溶媒とし、2%パラジウムカーボンを触媒として
水素ガスを吹き込んで室温で接触還元し、L−ジエチル
アスパラギル−L−フェニルアラニル1gを得た。これ
をメシチレン中で加熱し、メシチレン還流下で閉環させ
シクロ(L−β−エチルアスパラギル−L−フェニルア
ラニル)0.5gを得た。これに、ジメチルオクチルアル
コール0.3gと、触媒量のパラトルエンスルホン酸を加
え、120℃以上で減圧下、フュージョン反応を行っ
た。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:メタノール=100:0〜6:4)
で精製し、化合物1を0.1g得た。 (製造例2)化合物2の製造 ジメチルオクチルアルコールをラウリルアルコールに代
え、前記製造例1と同様に操作し、化合物2を得た。 (製造例3)化合物3の製造 ジメチルオクチルアルコールをステアリルアルコールに
代え、前記製造例1と同様に操作し、化合物3を得た。 (製造例4)化合物4の製造 ジメチルオクチルアルコールをオレイルアルコールに代
え、前記製造例1と同様に操作し、化合物4を得た。 (製造例5)化合物5の製造 ジメチルオクチルアルコールをイソオクチルアルコール
に代え、前記製造例1と同様に操作し、化合物5を得
た。 (製造例6)化合物6の製造 ジメチルオクチルアルコールをシクロヘキシルアルコー
ルに代え、前記製造例1と同様に操作し、化合物6を得
た。
【0028】<実施例1〜6>実施例1〜6では、前記
化合物1〜6を使用し、以下に示す処方に従って、ゲル
状皮膚外用剤であるゲル状化粧料(アンダーメークアッ
プ化粧料)を作製した。即ち、処方成分を80℃で加熱
混合し、攪拌冷却してゲル状アンダーメークアップ化粧
料を得た。このものは固形白粉をきれいにのせるのに有
用なアンダーメークアップ化粧料であった。 (実施例1〜6の処方) 一般式(I)の化合物* 4 重量部 カルボキシメチルセルロース 9 重量部 トリグリセリンジイソステアレート 1.4重量部 1,3−ブタンジオール 85.6重量部 *詳細は表1に記す。
【0029】
【表1】
【0030】一方、一般式(I)の化合物1を無機ゲル
化剤であるベントナイトに置換してもゲル状化粧料は得
られなかった。これより、本発明の必須成分である一般
式(I)に表される化合物は、多価アルコールをゲル化
しうる希有なゲル化剤であることがわかる。
【0031】<実施例7〜11>実施例7〜11では、
一般式(I)に表される化合物として前記化合物1を使
用するとともに、下記表2に示す多価アルコールのそれ
ぞれを使用した以外は、実施例1〜6と同様にゲル状化
粧料を作製し、アンダーメークアップ化粧料を得た。こ
れらも実施例1〜6の化粧料同様、優れた化粧持ち効果
を有していた。 (実施例7〜11の処方) 化合物1 4 重量部 カルボキシメチルセルロース 9 重量部 トリグリセリンジイソステアレート 1.4重量部 多価アルコール** 85.6重量部 **詳細は表2に記す。
【0032】
【表2】
【0033】<実施例12〜17>実施例12〜17で
は、前記化合物1〜6を使用し、下記に示す処方に従っ
て、ゲル状皮膚外用剤であるファンデーションを作製し
た。即ち、処方成分を80℃で加熱混合し、金皿に充填
し、冷却してファンデーションを得た。そして、これら
のファンデーションについては、感触及び化粧持ちにつ
いて評価した。これらのファンデーションにおける専門
パネラーの評価結果を表3に示す。なお、前記ファンデ
ーションの感触はさっぱり感(爽やかさ)について、化
粧持ちについては化粧後3時間の崩れ具合を見て、+
+:非常に好ましい、+:好ましい、±:やや好まし
い、−:好ましくないの基準で判定した。 (実施例12〜17の処方) 一般式(I)の化合物*** 2 重量部 1,3−ブタンジオール 58.19重量部 タルク 10 重量部 二酸化チタン 15 重量部 酸化鉄 3 重量部 酸化亜鉛 1 重量部 煙霧状シリカゲル 1.4 重量部 トリグリセリンジイソステアレート 1.4 重量部 カルボキシメチルセルロース 9 重量部 ベントナイト 0.01重量部 ***詳細は表3に記す。
【0034】
【表3】
【0035】これらのファンデーションは、何れもさっ
ぱりした感触を有しながら優れた化粧持ちを有するもの
であった。一方、参考例として、従来の水性ゲル化粧
料、オイルゲル化粧料を作製し同様の基準で評価した。
これらの処方と評価結果を下記に示す。これらより、本
発明の化粧料は優れた化粧特性を有することがわかる。
これは、本発明の多価アルコールゲルによって初めて具
現化された特性である。
【0036】 (参考例1:水性ゲルファンデーション) カルボキシビニルポリマー 0.5重量部 水酸化カリウム 0.3重量部 タルク 10 重量部 二酸化チタン 15 重量部 酸化鉄 3 重量部 酸化亜鉛 1 重量部 煙霧状シリカゲル 1.4重量部 1,3−ブタンジオール 5 重量部 水 63.8重量部 使用感の評価+〜++、化粧持ちの評価− このファンデーションは製造直後に凝集を認め、1日後
に分離。
【0037】 (参考例2:オイルゲルファンデーション) ポリエチレン 5 重量部 モクロウ 10 重量部 マイクロクリスタリンワックス 5 重量部 スクワラン 10 重量部 オレイン酸オクチルドデシル 10 重量部 ひまし油 29.6重量部 タルク 10 重量部 二酸化チタン 15 重量部 酸化鉄 3 重量部 酸化亜鉛 1 重量部 煙霧状シリカゲル 1.4重量部 使用感の評価±、化粧持ちの評価+
【0038】<実施例18>実施例18では、下記に示
す処方に従って、本発明のゲル状皮膚外用剤である皮膚
外用医薬(抗真菌剤)を作製した。このものは皮膚内へ
の浸透力に優れ、優れた治療効果を有していた。 (実施例18の処方) 化合物1 4 重量部 カルボキシメチルセルロース 9 重量部 トリグリセリンジイソステアレート 1.4重量部 プロピレングリコール 84.6重量部 ブテナフィン 1 重量部
【0039】<実施例19>実施例19では、下記に示
す処方に従って、皮膚外用医薬(抗炎症剤)を作製し
た。このものは皮膚浸透力に優れていた。 (実施例19の処方) 化合物1 4 重量部 カルボキシメチルセルロース 9 重量部 トリグリセリンジイソステアレート 1.4重量部 プロピレングリコール 84.6重量部 スプロフェン 1 重量部
【0040】<実施例20>実施例20では、下記に示
す処方に従って、皮膚外用医薬(ステロイド剤)を作製
した。このものは優れた経皮吸収性を示した。 (実施例20の処方) 化合物1 4 重量部 カルボキシメチルセルロース 9 重量部 トリグリセリンジイソステアレート 1.4重量部 プロピレングリコール 84.6重量部 エストラジオール 1 重量部
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、化粧料や皮膚外用医薬
等の皮膚外用剤として有用な多価アルコールゲル製剤を
提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/22 A61K 47/22 (72)発明者 井柳 宏一 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560番地ポー ラ化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 根岸 聡 東京都世田谷区上用賀6−20−4−608 (72)発明者 広瀬 忠城 神奈川県横浜市緑区十日市場町841−4− 402 (72)発明者 上原 秀隆 神奈川県横須賀市野比3−1−6−402 (72)発明者 英 謙二 長野県上田市常田3丁目15番1号信州大学 繊維学部内 Fターム(参考) 4C076 AA09 BB31 DD18P DD38 DD46 EE33 FF35 4C083 AB032 AB052 AB172 AB212 AB232 AB242 AB432 AB442 AC111 AC112 AC121 AC122 AC392 AC422 AD272 CC12 DD41 EE01 EE07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)に表されるアスパラギン酸
    フェニルアラニン環状ジペプタイド誘導体の1種乃至は
    2種以上と多価アルコールとを含有するゲル状皮膚外用
    剤。 【化1】 (但し、式中Rは炭素数6〜22の、直鎖、分岐、及び
    環状の少なくとも何れかの構造が含まれるアルキル基又
    はアルケニル基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記誘導体は、前記一般式(I)中のR
    が、ジメチルオクチル基、ラウリル基、ステアリル基、
    オレイル基、イソオクチル基、及びシクロヘキシル基の
    何れかである誘導体から選ばれる1種乃至は2種以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載のゲル状皮膚外用
    剤。
  3. 【請求項3】 前記多価アルコールが、1,3−ブタン
    ジオール、イソプレングリコール、プロピレングリコー
    ル、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオー
    ル及びグリセリンから選ばれる1種乃至は2種以上であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載のゲル状皮膚外用
    剤。
  4. 【請求項4】 更に、粉体を含有することを特徴とす
    る、請求項1〜3何れか1項に記載のゲル状皮膚外用
    剤。
  5. 【請求項5】 化粧料であることを特徴とする、請求項
    1に記載のゲル状皮膚外用剤。
  6. 【請求項6】 前記誘導体の含有量が、総量で皮膚外用
    剤に対して0.1〜10重量%であることを特徴とす
    る、請求項1に記載のゲル状皮膚外用剤。
  7. 【請求項7】 前記多価アルコールの含有量が、総量で
    皮膚外用剤に対して40〜70重量%であることを特徴
    とする、請求項1に記載のゲル状皮膚外用剤。
  8. 【請求項8】 多価アルコールに前記一般式(I)に表
    される化合物を加えてゲル化することを特徴とする、多
    価アルコールゲルの製造方法。
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