JP2001242316A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタおよびその製造方法

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JP2001242316A
JP2001242316A JP2000056063A JP2000056063A JP2001242316A JP 2001242316 A JP2001242316 A JP 2001242316A JP 2000056063 A JP2000056063 A JP 2000056063A JP 2000056063 A JP2000056063 A JP 2000056063A JP 2001242316 A JP2001242316 A JP 2001242316A
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photocatalyst
color filter
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coating
forming
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JP2000056063A
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English (en)
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Hironori Kobayashi
弘典 小林
Masahito Okabe
将人 岡部
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光触媒含有層上にインクジェット
方式で画素部が形成されてなるカラーフィルタにおい
て、カラー液晶表示装置に用いた場合にも、液晶層に悪
影響を及ぼすことのないカラーフィルタを提供すること
を主目的とするものである。 【解決手段】 透明基板と、この透明基板上に設けら
れ、少なくとも光触媒とバインダとを含有し、露光によ
り液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層
である光触媒含有層と、この光触媒含有層上にインクジ
ェット方式により複数色を所定のパターンで、かつ所定
の間隙を有して設けられた画素部とを少なくとも有する
カラーフィルタにおいて、上記画素部間の間隙に被覆部
が形成されていることを特徴とするカラーフィルタを提
供することにより上記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画素部をインクジ
ェット方式で着色することにより得られる、カラー液晶
装置に好適なカラーフィルタおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの発
達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴
い、液晶装置、とりわけカラー液晶装置の需要が増加す
る傾向にある。しかしながら、このカラー液晶装置が高
価であることから、コストダウンの要求が高まってお
り、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対する
コストダウンの要求が高い。
【0003】このようなカラーフィルタにおいては、通
常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色
パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に
対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッ
タとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を
光が通過してカラー表示が行われるものである。
【0004】従来のカラーフィルタの製造方法は、一般
に、R、G、およびBの3色を着色するために同一の工
程を3回繰り返して行っていたため、コスト高になると
いう問題や、工程を繰り返すため歩留まりが低下すると
いう問題があった。このような問題を回避して、カラー
フィルタを安価に得る方法として、インクジェット方式
で着色インクを吹き付けして着色層(画素部)を形成す
る方法が種々提案されている(特開昭59−75205
号公報、特開平9−203803号公報、特開平8−2
30314号公報、および特開平8−227012号公
報)。しかしながら、いずれの方法も工程面および得ら
れるカラーフィルタの品質面で必ずしも満足し得るもの
ではなかった。
【0005】本発明者等は、インクジェット方式で着色
インクを吹き付けして着色層(画素部)を形成する方法
として、光触媒含有層を用いる方法を提案した(特開平
11−337726号公報)。この方法は、露光により
容易に濡れ性の異なるパターンを形成することが可能で
あり、ここに着色層(画素部)を形成することにより、
安価でかつ高品質なカラーフィルタを提供することがで
きるものである。
【0006】しかしながら、このようなカラーフィルタ
は、光触媒を含有する光触媒含有層を有するものである
ことから、このカラーフィルタを用いてカラー液晶表示
装置を形成した場合に、光触媒含有層と液晶とが接触す
る場合がある。このような場合は、光触媒含有層中に含
まれる光触媒の作用により液晶自体が変質する等の問題
が生じる可能性が否定できない。また、光触媒含有層中
に含まれる汚染物質が液晶に溶出して、液晶層の表示品
質が低下することも考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、光触媒含有層上にインクジェ
ット方式で画素部が形成されてなるカラーフィルタにお
いて、カラー液晶表示装置に用いた場合にも、液晶層に
悪影響を及ぼすことのないカラーフィルタを提供するこ
とを主目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、透明基板と、この透明
基板上に設けられ、少なくとも光触媒とバインダとを含
有し、露光により液体との接触角が低下するように濡れ
性が変化する層である光触媒含有層と、この光触媒含有
層上にインクジェット方式により複数色を所定のパター
ンで、かつ所定の間隙を有して設けられた画素部とを少
なくとも有するカラーフィルタにおいて、上記画素部間
の間隙に被覆部が形成されていることを特徴とするカラ
ーフィルタを提供する。
【0009】本発明のカラーフィルタにおいては、上記
画素部間の間隙に被覆部が形成されているので、この部
分において光触媒含有層が露出しておらず、したがって
本発明のカラーフィルタを用いてカラー液晶表示装置を
作製した場合は、液晶層と光触媒含有層とが直接接触す
る可能性が無い。よって、液晶層中の液晶材料が光触媒
により変質するおそれがなく、表示品質の良好なカラー
液晶表示装置を提供することができる。さらに、上述し
たような被覆部が形成されているので、光触媒含有層中
に液晶層に溶出すると液晶層中の液晶材料に対して問題
が生じる液晶層汚染物質が混入されていた場合であって
も、このような液晶層汚染物質が液晶層中に溶出するこ
とがなく、液晶層の表示性能に悪影響を与えるおそれが
ない。また、この画素部間の間隙に被覆部が形成されて
いるので、この部分での凹凸が少なくなり、例えば透明
電極層や配向膜等の比較的膜厚の薄い層を形成する際に
凹凸に起因して生じる問題が少ない。
【0010】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように、上記画素部により構成
される表示領域外側に設けられた光触媒含有層上にも上
記被覆部が形成されていることが好ましい。光触媒含有
層を用いたカラーフィルタにおいては、画素部により構
成される表示領域の外側にも光触媒含有層が形成される
場合がある。このような場合も、上述した液晶材料に対
する悪影響を防止する観点からこの表示領域外側の領域
に存在する光触媒含有層上にも被覆部を形成することが
好ましいからである。
【0011】さらに、上記請求項1または請求項2に記
載のカラーフィルタにおいては、請求項3に記載するよ
うに、上記被覆部の高さが画素部の高さと同一の高さを
有することが好ましい。上記被覆部の形状は、光触媒含
有層が直接液晶層中の液晶材料に接触しない形状であれ
ば特に限定されるものではないが、被覆部が画素部の高
さと同様の高さとなるように形成されれば、画素部によ
り構成される表示領域が平滑な平面となるので、その後
の透明電極層や配向層等の形成が容易となるからであ
る。
【0012】本発明は、上記目的を達成するために請求
項4に記載するように、透明基板と、この透明基板上に
設けられ、少なくとも光触媒とバインダとを含有し、露
光により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化
する層である光触媒含有層と、この光触媒含有層上にイ
ンクジェット方式により複数色を所定のパターンで設け
られた画素部とを少なくとも有するカラーフィルタにお
いて、上記画素部により構成される表示領域外側に設け
られた光触媒含有層上に上記被覆部が形成されているこ
とを特徴とするカラーフィルタを提供する。
【0013】カラーフィルタの種類によっては、画素部
により構成される表示領域においては、光触媒含有層が
液晶層に悪影響を及ぼさないような構成とされている
が、画素部により構成される表示領域の外側に形成され
た光触媒含有層が、液晶層中の液晶材料に悪影響を及ぼ
す可能性がある場合がある。このような場合は、上記表
示領域外側の部分の光触媒含有層上にのみ被覆層を形成
する必要があり、このように表示領域外側の部分にのみ
被覆層を形成することにより、上述したような液晶層中
の液晶材料に対する悪影響を防止することができるので
ある。
【0014】上記請求項1から請求項4までのいずれか
の請求項に記載されたカラーフィルタにおいては、請求
項5に記載するように、上記被覆部が、液晶材料に対し
悪影響を与えない材料により形成されていることが好ま
しい。上記被覆部は、基本的には光触媒含有層と液晶材
料とが直接接触しないように形成されればよく、特に用
いられる材料に制限はないが、この被覆部自体が液晶材
料に対して悪影響を与えてしまっては、被覆部を形成す
ることによる上述したような液晶層の表示品質向上効果
が減少してしまうことになるからである。
【0015】また、上記請求項1から請求項5までのい
ずれかの請求項に記載されたカラーフィルタにおいて
は、請求項6に記載するように、上記画素部の臨界表面
張力よりも大きい表面張力を有する塗料を用いて上記被
覆部が形成されていることが好ましい。このように、被
覆部を形成するための被覆部形成用塗料の表面張力が、
画素部の臨界表面張力より大きい場合は、被覆部形成用
塗料が画素部に対して、0度より大きい接触角を有する
ことになる。このため、画素部間に被覆部形成用塗料を
塗布した場合に、画素部表面に濡れ広がることがなく容
易に画素部間にのみ被覆部形成用塗料を塗布することが
できるからである。また、0度より大きい接触角を有す
ることから画素部と同一の高さ以上のレベルまで被覆部
形成用塗料を塗布することができる。したがって、硬化
収縮等を考慮した場合でも得られる被覆部を画素部と同
一平面とすることが容易となり、画素部により構成され
る表示領域を平坦とすることができるからである。
【0016】上記請求項1から請求項6までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項7に記載
するように、上記透明基板上に遮光部が形成されてお
り、この遮光部が形成された透明基板上に上記光触媒含
有層が形成されているカラーフィルタであってもよい。
本発明のカラーフィルタは、遮光部(ブラックマトリッ
クス)がこのようにカラーフィルタ側に形成されたもの
であっても、対向電極基板側に形成されたものであって
も同様の効果を奏し得るからである。
【0017】上記請求項1から請求項7までのいずれか
の請求項に記載されたカラーフィルタにおいては、請求
項8に記載するように、上記光触媒が、酸化チタン(T
iO 2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、
チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タング
ステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および
酸化鉄(Fe23)から選択される1種または2種以上
の物質であることが好ましく、中でも請求項9に記載す
るように酸化チタン(TiO2)であることが好まし
い。これは、酸化チタンのバンドギャップエネルギーが
高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定
で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0018】さらに上記請求項1から請求項9までのい
ずれかの請求項に記載されたカラーフィルタにおいて
は、請求項10に記載するように、上記バインダが、Y
nSiX(4-n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアル
キル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキ
シ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
とが好ましい。光触媒含有層のバインダとしては、光触
媒の作用により容易に分解されない高分子化合物が好ま
しいからである。
【0019】本発明においては、請求項11に記載する
ように、(1)少なくとも光触媒とバインダとを含有
し、露光により液体との接触角が低下するように濡れ性
が変化する層である光触媒含有層を透明基板上に形成す
る工程と、(2)前記透明基板上に設けられた光触媒含
有層上の画素部を形成する部位である画素部形成部に、
エネルギーをパターン照射して画素部用露光部を形成
し、この画素部用露光部をインクジェット方式により複
数色に着色することにより所定のパターンでかつ所定の
間隙を有する画素部を形成する工程と、(3)上記画素
部間の間隙に、被覆部形成用塗料を用いて被覆部を形成
する工程とを少なくとも有することを特徴とするカラー
フィルタの製造方法を提供する。
【0020】このような工程により被覆部を形成するこ
とにより、液晶材料と接触する可能性のある光触媒含有
層が露出している部分を容易に被覆することが可能であ
るので、簡便な工程で高品質なカラー液晶表示装置を得
ることができるカラーフィルタを製造することができ
る。
【0021】上記請求項11に記載の発明においては、
請求項12に記載するように、上記被覆部用塗料を用い
て被覆部を形成する工程が、ノズル吐出方法により被覆
部用塗料を塗布する方法により行われることが好まし
い。このようにノズル吐出方法により被覆部用塗料を塗
布することにより、例えば画素部間の間隙のみ選択的に
塗布することができ、これにより光触媒含有層を露光等
することにより濡れ性の差を設けなくても塗布できる
点、画素部上に被覆部形成用塗料が残存する可能性が低
い点等の利点を有するからである。
【0022】上記請求項11または請求項12に記載の
カラーフィルタの製造方法においては、請求項13に記
載するように、上記被覆部形成用塗料の表面張力が、上
記画素部の臨界表面張力よりも大きいことが好ましい。
被覆部形成用塗料の表面張力が画素部の臨界表面張力よ
りも大きければ、上記請求項6と同様の理由から、画素
間の間隙のみに容易に被覆部形成用塗料を塗布すること
ができるからであり、また画素部により構成される表示
領域を平坦とすることができるからである。
【0023】さらに、上記請求項11から請求項13ま
でのいずれかの請求項に記載された発明においては、請
求項14に記載するように、上記被覆部を形成する工程
の前に、画素部間の間隙に存在する光触媒含有層の臨界
表面張力が画素部の臨界表面張力よりも大きくなるよう
に上記画素部間の間隙を露光する工程を有することが好
ましい。上記画素部間の間隙は凹部であるため、光触媒
含有層上の濡れ性に関係なく被覆部形成用塗料を塗布す
ることは可能である。しかしながら、光触媒含有層の臨
界表面張力が上記画素部の臨界表面張力よりも大きくな
るように露光しておけば、上記被覆部形成用塗料に対す
る濡れ性は画素部と比較して光触媒含有層の方が良好と
なるため、被覆部形成用塗料を画素部間に塗布する際
に、より画素部間の光触媒含有層上に正確に塗布するこ
とが可能となるからである。
【0024】上記請求項11から請求項14までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項15
に記載するように、上記光触媒含有層を透明基板上に形
成する工程に前に、透明基板上に遮光部を形成する工程
を有するものであってもよい。本発明のカラーフィルタ
の製造方法は、遮光部の有無に限定されるものではない
からである。
【0025】さらに、本発明は、請求項16に記載する
ように、請求項1から請求項10までのいずれかの請求
項に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする
カラー液晶表示装置を提供する。このようなカラー液晶
表示装置は、液晶層中の液晶材料に対する光触媒含有層
に起因する悪影響を防止することができるので、表示品
質に優れたカラー液晶表示装置とすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】1.カラーフィルタ 以下、本発明のカラーフィルタについて詳しく説明す
る。本発明のカラーフィルタは、透明基板と、この透明
基板上に設けられ、少なくとも光触媒とバインダとを含
有し、露光により液体との接触角が低下するように濡れ
性が変化する層である光触媒含有層と、この光触媒含有
層上にインクジェット方式により複数色を所定のパター
ンで、かつ所定の間隙を有して設けられた画素部とを少
なくとも有するカラーフィルタにおいて、上記画素部間
の間隙に被覆部が形成されているところに特徴を有する
ものである。
【0027】本発明は、このように画素部間の間隙に被
覆部が形成されているために、以下に示すような効果を
奏するものである。すなわち、カラー液晶表示装置は、
一般にカラーフィルタとこのカラーフィルタに対向電極
基板とを所定の間隔をおいて配置し、カラーフィルタと
対向電極基板との間に液晶材料を密封して液晶層とする
ことにより形成される。このカラーフィルタ側の表面に
は、透明電極層、配向層、保護層等の種々の層が形成さ
れる場合があるが、画素部の間隙上に全く層が形成され
ない場合も考えられる。このような場合は、上述した液
晶層中の液晶材料が光触媒含有層と直接接触することに
なる。液晶材料と光触媒含有層が接触し、かつバックラ
イト等の何らかの光が接触部分に照射されると、光触媒
の作用により液晶層中の液晶材料が変質する可能性があ
り、結果として液晶層の表示品質を低下させることにな
る。このような場合に、被覆部を画素部間の間隙に形成
することにより、液晶材料と光触媒含有層との接触を防
止することができ、上述したような液晶層の表示品質の
低下といった不具合が生じる可能性を低下させることが
できる。
【0028】また、例え画素部間の間隙に透明電極等の
薄膜が形成されている場合であっても、例えば光触媒含
有層中に液晶材料に悪影響を与える液晶汚染物質が含ま
れている場合は、このような薄膜で覆われていたとして
も薄膜を透過して液晶層中の液晶材料中に溶出する可能
性がある。このような場合も液晶層の表示品質を低下さ
せることになる。この場合も被覆部に所定の肉厚をもた
せることにより、光触媒含有層中の液晶汚染物質の液晶
層中への溶出を防止することができ、液晶層の表示品質
の低下といった不具合を防止することができる。
【0029】さらに、画素部間に間隙があるということ
は、画素部により構成される表示領域に凹凸があるとい
うことである。この表示領域には上述したように透明電
極層や配向膜といった所定の機能を有する機能性薄膜を
形成しなければならない場合がある。この際、表示領域
に大きな凹凸があると、このような機能性薄膜の形成が
困難となってしまう可能性がある。この場合に、画素部
間の間隙に被覆部を設けて表示領域全体の凹凸を小さく
し平坦化することにより、機能性薄膜を容易に形成する
ことができるようになる。
【0030】次に、このような本発明のカラーフィルタ
について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、本
発明のカラーフィルタの一例を示すものである。このカ
ラーフィルタは、透明基板1とその一表面上に形成され
た光触媒含有層2と、光触媒含有層2上に形成された画
素部3とから概略構成されてなるものであり、上記透明
基板1上であって上記画素部3の間に位置する部分およ
び画素部から構成される表示領域Aの外側の部分には遮
光部4が形成されている。上記画素部3は、光触媒含有
層2上に所定のパターンで所定の間隙を有しつつ形成さ
れており、この間隙には被覆部5が形成され、さらに画
素部3により構成される表示領域Aの外側の部分に存在
する光触媒含有層2上にも被覆部5が形成されている。
以下、これら各構成について個々に説明する。
【0031】(被覆部)上述したように、本発明の特徴
は、図1に示すように画素部3の間隙に被覆部5が形成
されている点にあるが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えば図1に示すように、画素部3により構
成される表示領域Aの外側にまで光触媒含有層2が形成
されている場合は、被覆部5が上記画素部3間のみなら
ず、表示領域Aの外側に形成された光触媒含有層上にも
形成されていることが好ましい。
【0032】このように、光触媒含有層が表示領域の外
側に形成されている場合に、このようなカラーフィルタ
を用いてカラー液晶表示装置を形成すると、表示領域外
側において液晶層中の液晶材料と光触媒含有層とが接触
することになり、光触媒の作用により液晶材料が劣化
し、液晶層の表示品質の低下をもたらす可能性があるか
らである。
【0033】さらに、本発明は上記光触媒含有層が上記
表示領域外側に形成されている場合に、被覆部がこの表
示領域外側に形成された光触媒含有層上にのみ形成され
たカラーフィルタをも含むものである。例えば、画素部
が画素部間の間隙を有さずに表示領域全面にわたって形
成されている場合や、画素部および遮光部の両者が光触
媒含有層上に形成されており、表示領域においては光触
媒含有層が外側に露出されない場合、さらには、表示領
域においては透明電極や配向層等が形成されるため光触
媒含有層は露出しないが、表示領域外側にはこれらの層
が形成されないため、光触媒含有層が露出してしまう場
合等においては、表示領域外側に形成された光触媒含有
層上にのみ被覆部を形成する必要が生じる必要があるか
らである。
【0034】本発明において被覆部は、原則的には光触
媒含有層が露出しないように被覆することができる形状
であれば、特にその形状は限定されるものではい。しか
しながら、被覆部が画素部間に形成された場合は、この
画素部間間隙に形成された被覆部の高さを画素部の高さ
と同一の高さとなるように形成すれば、画素部により構
成される表示領域を平坦とすることができる。このよう
に表示領域を平坦とすることができれば、その後に表示
領域に対して透明電極層や配向層等を形成する場合に、
容易に形成することができる。したがって、画素部間の
間隙に形成された被覆部の高さは、画素部の高さと同一
となるように形成されることが好ましい。
【0035】なおここでいう同一の高さとは、±0.3
μm以内の高さの差を有することを意味する。
【0036】本発明における被覆部を形成する材料は、
光触媒含有層を被覆することができる材料であれば特に
限定されるものではなく、いかなる材料をも用いること
ができる。しかしながら、この被覆部が液晶層中の液晶
材料に直接接触する場合もあり、この際この被覆部が液
晶材料に対して悪影響を及ぼす材料であると、得られる
カラー液晶表示装置の表示品質を低下させることにな
る。したがって、被覆部を形成する材料としては、液晶
材料に対して悪影響を与えない材料により形成されてい
ることが好ましい。
【0037】このような液晶材料に悪影響を与えない材
料としては、イオン性の有機物・無機物を含まない材料
を挙げることができる。
【0038】また、本発明における被覆部を形成する材
料は、その被覆部を形成する際に用いられる被覆部形成
用塗料の表面張力が、画素部の臨界表面張力よりも大き
い表面張力を有するものであることが好ましい。これは
以下の理由によるものである。
【0039】すなわち、画素部間の間隙に被覆部を形成
する場合は、画素部間の間隙の凹部に被覆部形成用塗料
を付着させて形成することができるので、その表面張力
は特に限定されるものではい。しかしながら、画素部間
に存在する光触媒含有層上に被覆部形成用塗料を精度良
く塗布するのであるから、被覆部形成用塗料の画素部に
対する接触角が、光触媒含有層上の接触角より大きい、
すなわち光触媒含有層上の方がより濡れ性が良好な方が
塗布が容易であることは明らかである。この際、被覆部
形成用塗料の表面張力が画素部の臨界表面張力以下の表
面張力である場合は、被覆部形成用塗料の画素部に対す
る接触角は0度となってしまう。これでは、光触媒含有
層上の接触角よりも大きい接触角とすることは不可能と
なってしまう。一方、被覆部形成用塗料の表面張力が、
画素部の臨界表面張力より大きい表面張力を有する場合
は、被覆部形成用塗料の画素部上での接触角は少なくと
も0度を超える角度を有する。被覆部形成用塗料が画素
部に対して0度を超える接触角を有するのであれば、光
触媒含有層を露光等することにより臨界表面張力を大き
くすることにより、被覆部形成用塗料の光触媒含有層上
の接触角を画素部上の接触角よりも小さくすることが可
能となり、上述したように被覆部形成用塗料を精度良く
光触媒含有層上に塗布することが可能となる。このよう
な理由から、被覆部形成用塗料の表面張力が、画素部の
臨界表面張力よりも大きい方が好ましいのである。
【0040】また、上述したように、表示領域を平坦と
するためには被覆部は画素部と同様の高さを有すること
が好ましいが、このように被覆部の高さを画素部の高さ
と同じ高さとするためには、硬化収縮等の関係から一般
的には被覆部形成用塗料を塗布するに際して、画素部よ
り高くなるように画素部間に被覆部形成用塗料を塗布す
る必要がある。この際、被覆部形成用塗料の表面張力が
画素部の臨界表面張力より大きくなければ、画素部に対
する被覆部形成用塗料の接触角は0度となり、画素部よ
り高くなるように画素部間に被覆部形成用塗料を付着さ
せることはできない。この点からも、被覆部形成用塗料
の表面張力が画素部の臨界表面張力よりも大きい方が好
ましい。
【0041】本発明における具体的な被覆部形成用塗料
の表面張力としては、一般的な画素部の臨界表面張力が
20mN/m〜50mN/m程度であることから、好ま
しくは21〜70mN/mの範囲内、特に好ましくは3
0〜70mN/mの範囲内、最も好ましくは50〜70
mN/mの範囲内となるものである。
【0042】このような被覆部形成用塗料の表面張力
は、塗料の溶媒や組成を選択することにより調整するこ
とができる。
【0043】(透明基板)図1にも示すように、本発明
のカラーフィルタは、透明基板1上に光触媒含有層2、
画素部3、および上述した被覆部5が少なくとも形成さ
れてなるものであるが、このような透明基板としては、
従来よりカラーフィルタに用いられているものであれば
特に限定されるものではない。例えば、石英ガラス、パ
イレックスガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な
リジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板
等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いること
ができる。この中で特にコーニング社製7059ガラス
は、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温
加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアル
カリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アク
ティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用の
カラーフィルタに適している。本発明において、透明基
板は通常透明なものを用いるが、反射性の基板や白色に
着色した基板でも用いることは可能である。また、透明
基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア
性付与その他の目的の表面処理を施したものを用いても
よい。
【0044】(光触媒含有層)本発明のカラーフィルタ
は、図1にも示すように、上記透明基板1上に光触媒含
有層2が形成されている。このような本発明に用いられ
る光触媒含有層は、少なくとも光触媒とバインダとを有
し、露光により液体との接触角が低下するように濡れ性
が変化する層である。本発明における光触媒含有層は、
特に限定させるものではないが、主として画素部を形成
するために用いられる層である。すなわち、上記光触媒
含有層は、露光により液体との接触角が低下するように
濡れ性が変化するものであるので、例えば画素部を形成
する部分にのみ露光するようにパターン露光を行うこと
により、容易に画素部を形成する部分の濡れ性を低下さ
せ、液体との接触角の小さい親インク性領域とすること
ができる。したがって、このように親インク性領域とし
た部分にインクジェット方式でインクを塗布することに
より、露光されていない撥インク性領域との濡れ性の差
により容易に画素部を形成する部位にのみ画素部形成用
のインクを塗布することができる。この後、塗布したイ
ンクを硬化させることにより容易に画素部を形成するこ
とができる。このように、光触媒含有層を用いて画素部
を形成することにより、製造コストを大幅に削減させる
ことができ、最終製品となるカラー液晶表示装置等のコ
ストを大幅に低減させることができるのである。
【0045】ここで、親インク性領域とは、液体との接
触角が小さい領域であり、画素部を形成するインクジェ
ット用インク等に対する濡れ性の良好な領域をいうこと
とする。また、撥インク性領域とは、液体との接触角が
大きい領域領域であり、画素部を形成するインクジェッ
ト用インク等に対する濡れ性が悪い領域をいうこととす
る。
【0046】上記光触媒含有層は、露光していない部分
においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が
10度以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体と
の接触角が10度以上、特に表面張力20mN/mの液
体との接触角が10度以上であることが好ましい。これ
は、露光していない部分は、本発明においては撥インク
性が要求される部分であることから、液体との接触角が
小さい場合は、撥インク性が十分でなく、上記画素部を
形成するためのインクジェット用インクが画素部を形成
しない領域に残存する可能性が生じ、精度良く画素部を
形成することができないからである。
【0047】また、上記光触媒含有層は、露光すると液
体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体
との接触角が10度未満、好ましくは表面張力50mN
/mの液体との接触角が10度以下、特に表面張力60
mN/mの液体との接触角が10度以下となるような層
であることが好ましい。露光した部分の液体との接触角
が高いと、露光した部分における画素部形成用のインク
ジェット方式のインク等の広がりが劣る可能性があり、
画素部での色抜け等が生じる可能性があるからである。
また、被覆部形成用塗料を塗布する場合においても、露
光した部分における液体との接触角が低い方が、被覆部
形成用塗料の塗布が容易であるからである。
【0048】なお、ここでいう液体との接触角は、種々
の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協
和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイク
ロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果
から、もしくはその結果をグラフにして得たものであ
る。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する
液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を
用いた。
【0049】本発明に用いられる光触媒含有層は、少な
くとも光触媒とバインダとから構成されているものであ
るが、これは、このような構成とすると、バインダの種
類を選択することにより、露光前の臨界表面張力を小さ
くし、露光後の臨界表面張力を大きくする等の調整が容
易に行うことができるからである。具体的には、光触媒
により、バインダの一部である有機基や添加剤の酸化、
分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させて親
インク性とし、非露光部との濡れ性に大きな差を生じさ
せることができるのである。このように光触媒含有層が
バインダを有することにより、画素部を形成するインク
ジェット方式のインクとの露光部での受容性(親インク
性)ないしは未露光部での反撥性(撥インク性)を高め
ることによって、品質の良好でかつコスト的にも有利な
カラーフィルタを得ることができるのである。
【0050】また、本発明においては、この光触媒含有
層がさらにフッ素を含有し、かつこの光触媒含有層表面
のフッ素含有量が、光触媒含有層に対して露光等を行っ
た際に、上記光触媒の作用により露光前に比較して低下
するように上記光触媒含有層が形成されていてもよい。
【0051】このような特徴を有するカラーフィルタに
おいては、パターン露光することにより、容易にフッ素
の含有量の少ない部分からなるパターンを形成すること
ができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギー
を有するものであり、このためフッ素を多く含有する物
質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがっ
て、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に
比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は
大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部
分はフッ素含有量の多い部分に比較して親インク性領域
となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比
較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形
成することは、撥インク性域内に親インク性領域のパタ
ーンを形成することとなる。
【0052】したがって、このような光触媒含有層を用
いた場合は、パターン露光することにより、撥インク性
領域内に親インク性領域のパターンを容易に形成するこ
とができるので、この親インク性領域のみに画素部等を
形成することが容易に可能となり、品質の良好なカラー
フィルタとすることができる。また、露光により親イン
ク性領域とすることができるので、被覆部を形成するに
際して露光することにより、容易にかつ正確に画素部間
の間隙の光触媒含有層上に被覆部形成用塗料を塗布する
ことができる。
【0053】上述したような、フッ素を含む光触媒含有
層中に含まれるフッ素の含有量は、露光されて形成され
たフッ素含有量が低い親インク性領域におけるフッ素含
有量は、露光されていない部分のフッ素含有量を100
とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好まし
くは1以下であることが好ましい。
【0054】このような範囲内とすることにより、露光
部分と未露光部分との親インク性に大きな違いを生じさ
せることができる。したがって、このような光触媒含有
層に画素部等を形成することにより、フッ素含有量が低
下した親インク性領域のみに正確に画素部や被覆部等を
形成することが可能となり、精度良くカラーフィルタを
得ることができるからである。なお、この低下率は重量
を基準としたものである。
【0055】このような光触媒含有層中のフッ素含有量
の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いるこ
とが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Phot
oelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscop
y for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線
分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測
定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0056】本発明で使用する光触媒としては、光半導
体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化
亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(W
3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(F
23)を挙げることができ、これらから選択して1種
または2種以上を混合して用いることができる。
【0057】本発明においては、特に酸化チタンが、バ
ンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性も
なく、入手も容易であることから好適に使用される。酸
化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明で
はいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸
化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波
長が380nm以下にある。
【0058】このようなアナターゼ型酸化チタンとして
は、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0059】光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効
果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が
好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好
ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された
光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光
触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心
線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の
撥インク性が低下し、また露光部の親インク性の発現が
不十分となるため好ましくない。
【0060】本発明のカラーフィルタにおいては、上述
したように光触媒含有層表面にフッ素を含有させ、この
光触媒含有層表面にパターン露光することにより光触媒
含有層表面のフッ素含有量を低下させ、これにより撥イ
ンク性領域中に親インク性領域のパターンを形成し、こ
こに画素部や被覆部等を形成して得られるカラーフィル
タであってもよい。この場合であっても、光触媒として
上述したような二酸化チタンを用いることが好ましい
が、このように二酸化チタンを用いた場合の、光触媒含
有層中に含まれるフッ素の含有量としては、X線光電子
分光法で分析して定量化すると、チタン(Ti)元素を
100とした場合に、フッ素(F)元素が500以上、
このましくは800以上、特に好ましくは1200以上
となる比率でフッ素(F)元素が光触媒含有層表面に含
まれていることが好ましい。
【0061】フッ素(F)が光触媒含有層にこの程度含
まれることにより、光触媒含有層上における臨界表面張
力を十分低くすることが可能となることから表面におけ
る撥インク性を確保でき、これによりパターン露光して
フッ素含有量を減少させたパターン部分における表面の
親インク性領域との濡れ性の差異を大きくすることがで
き、最終的に得られるカラーフィルタの品質を向上させ
ることができるからである。
【0062】さらに、このようなカラーフィルタにおい
ては、パターン露光して形成される親インク領域におけ
るフッ素含有量が、チタン(Ti)元素を100とした
場合にフッ素(F)元素が50以下、好ましくは20以
下、特に好ましくは10以下となる比率で含まれている
ことが好ましい。
【0063】光触媒含有層中のフッ素の含有率をこの程
度低減することができれば、画素部等を形成するために
は十分な親インク性を得ることができ、上記未露光部の
撥インク性との濡れ性の差異により、画素部等を精度良
く形成することが可能となり、品質の良好なカラーフィ
ルタを得ることができる。
【0064】本発明において、光触媒含有層に使用する
バインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解
されないような高い結合エネルギーを有するものが好ま
しく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまた
はアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強
度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や
撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポ
リシロキサン等を挙げることができる。
【0065】上記の(1)の場合、一般式: YnSiX(4-n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
とが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は
1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示
されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0066】具体的には、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n
−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−
ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシ
ラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシ
シラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリ
クロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n
−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポ
キシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラ
ン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェ
ニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テ
トラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエト
キシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリク
ロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメト
キシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイ
ソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシ
ラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt
−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシ
ラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
t−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;お
よび、それらの部分加水分解物;および、それらの混合
物を使用することができる。
【0067】また、バインダとして、特にフルオロアル
キル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いること
ができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの
1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合
物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤と
して知られたものを使用することができる。
【0068】CF3(CF23CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF25CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF29CH2CH2Si(OC
33;(CF32CF(CF24CH2CH2Si(O
CH33;(CF32CF(CF26CH2CH2Si
(OCH33;(CF32CF(CF28CH2CH2
i(OCH33;CF3(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF25(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF27(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OC
32;CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OC
32;(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH
3(OCH32;(CF32CF(CF26CH2CH2
Si CH3(OCH32;(CF32CF(CF28
CH2CH2Si CH3(OCH32;CF3(C64
24SiCH3(OCH32;CF3(CF23(C6
4)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF25
(C64)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF
27(C64)C24SiCH3(OCH32;CF
3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si(OC
33
【0069】上記のようなフルオロアルキル基を含有す
るポリシロキサンをバインダとして用いることにより、
光触媒含有層の非露光部の撥インク性が大きく向上し、
画素部形成用のインクジェット方式用インクの付着を妨
げる機能を発現する。
【0070】また、上記の(2)の反応性シリコーンと
しては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げ
ることができる。
【0071】
【化1】
【0072】ただし、nは2以上の整数であり、R1
2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメ
チル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好
ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好
ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少
なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0073】また、上記のオルガノポリシロキサンとと
もに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしな
い安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合して
もよい。
【0074】本発明において光触媒含有層には上記の光
触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることが
できる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKK
OLBL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素
系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子
(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ
化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネ
オス(株)製フタージェントF−200、F251、ダ
イキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、
スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等
のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤
を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもで
きる。
【0075】また、光触媒含有層には上記の界面活性剤
の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0076】光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜
60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定
することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.
05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0077】上記光触媒含有層は、光触媒とバインダを
必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布
液を調製し、この塗布液を塗布することにより形成する
ことができる。使用する溶剤としては、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好まし
い。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコ
ート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法
により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型
の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理
を行うことにより光触媒含有層を形成することかでき
る。
【0078】(画素部)本発明のカラーフィルタは、図
1にも示すように、上記光触媒含有層2上に、インクジ
ェット方式により複数色、通常は赤(R)、緑(G)、
および青(B)の3色を所定のパターンで、かつ所定の
間隙を有するように画素部3が形成される。
【0079】ここで所定のパターンとは、カラーフィル
タにおいて通常用いられるパターンであり、具体的に
は、モザイク状、トライアングル状、ストライプ状等の
パターンを挙げることができる。また、ここでいう所定
の間隔とは1〜100μm程度の間隔をいう。
【0080】このような画素部を形成するインクジェッ
ト方式のインクとしては、大きく水性、油性に分類され
るが、本発明においてはいずれのインクであっても用い
ることができるが、表面張力の関係から水をベースとし
た水性のインクが好ましい。
【0081】本発明で用いられる水性インクには、溶媒
として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒
を用いることがきる。一方、油性インクにはへッドのつ
まり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが
好ましく用いられる。このようなインクジェット方式の
インクに用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く
用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に
可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その
他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整
剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整
剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0082】また、通常のインクジェット方式のインク
は適性粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できない
が、インク中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒さ
せることで着色剤自身に定着能を持たせることができ
る。このようなインクも本発明においては用いることが
できる。さらに、所謂ホットメルトインクやUV硬化性
インクを用いることもできる。
【0083】本発明においては、中でもUV硬化性イン
クを用いることが好ましい。UV硬化性インクを用いる
ことにより、インクジェット方式により着色して画素部
を形成後、UVを照射することにより、素早くインクを
硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることがで
きる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造する
ことができるからである。
【0084】このようなUV硬化性インクは、プレポリ
マー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするも
のである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリ
レート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレー
ト、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、
シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特
に限定することなく用いることができる。
【0085】モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル
等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマ
ー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸
エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリス
トールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマー
を用いることができる。上記プレポリマー及びモノマー
は単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
【0086】光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエ
ーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェ
ニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチ
オキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピ
ルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置
換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケト
ン等の中から所望の硬化特性、記録特性が得られるもの
を選択して用いることができる。その他必要に応じて脂
肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサン
ソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
【0087】このような画素部の形成方法は、まず上述
したように上記光触媒含有層に対して、形成される画素
部のパターンと同じパターンの親インク性領域を形成す
るように、パターン露光が施される。次いで、この親イ
ンク性領域にインクジェット方式により画素部形成用の
インクを塗布する。そして、この画素部形成用インクを
硬化させることにより、画素部を形成することができる
のである。
【0088】(遮光部)本発明のカラーフィルタは、遮
光部が形成されたものもしくは形成されないもののいず
れをも含むものである。例えば図1は、遮光部4が形成
された例を示すものであり、透明基板1上に遮光部4が
形成され、さらに遮光部4を覆うように光触媒含有層2
が形成されている。この際遮光部4は、表示領域A内の
画素部3間に形成される表示領域内遮光部4aと、画素
部3により形成される表示領域A外側に形成される表示
領域外遮光部4bとが通常形成される。
【0089】本発明のカラーフィルタは、図1に示すよ
うに遮光部4が透明基板1上に形成されたものに限定さ
れるものでなく、遮光部が光触媒含有層上に形成された
場合をも含むものである。このように遮光部が光触媒含
有層上に形成されている場合は、通常画素部から形成さ
れる表示領域においては画素部と遮光部により光触媒含
有層は露出することがない。このような場合は、上述し
たように、表示領域外側に形成された光触媒含有層上に
のみ被覆部を形成するようにしてもよい。
【0090】図1に示すように、透明基板1上に遮光部
4が形成されこの遮光部4を覆うように光触媒含有層が
形成される場合の遮光部は、これに限定されるものでは
ないが、通常スパッタリング法、真空蒸着法等により厚
み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形
成し、この薄膜をパターニングすることにより形成され
る。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通
常のパターニング方法を用いることができる。
【0091】また、光触媒含有層上に画素部と同様に濡
れ性の差を利用して遮光部を形成する場合の遮光部は、
これに限定されるものではないが、樹脂バインダ中にカ
ーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮
光性粒子を含有させた層により形成される。この場合に
用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等
の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹
脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例え
ば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用
いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとし
ては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができ
る。
【0092】(その他)本発明のカラーフィルタには、
必要に応じて他の部材が形成されていてもよく、具体的
には、透明電極層、配向層、保護層、スペーサとして機
能する柱状部材等が形成されていてもよい。
【0093】2.カラーフィルタの製造方法 次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明
する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、(1)少
なくとも光触媒とバインダとを含有し、露光により液体
との接触角が低下するように濡れ性が変化する層である
光触媒含有層を透明基板上に形成する工程と、(2)前
記透明基板上に設けられた光触媒含有層上の画素部を形
成する部位である画素部形成部に、エネルギーをパター
ン照射して画素部用露光部を形成し、この画素部用露光
部をインクジェット方式により複数色に着色することに
より所定のパターンでかつ所定の間隙を有する画素部を
形成する工程と、(3)上記画素部間の間隙に、被覆部
形成用塗料を用いて被覆部を形成する工程とを少なくと
も有することを特徴とするものである。以下、上記各工
程について説明する。
【0094】図2は、本発明のカラーフィルタの製造方
法の一例における各工程を説明するためのものである。
この例においては、まず、従来の方法により透明基板1
上に遮光部4(表示領域内遮光部4aおよび表示領域外
遮光部4b)が形成される。この遮光部4の製造方法は
特に限定されるものではなく、例えば、上述したように
スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜
2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄
膜をパターニングすることにより形成する方法等を挙げ
ることができる。
【0095】次いで、この遮光部4が形成された透明基
板1に光触媒含有層2が形成される(図2(a))。こ
の光触媒含有層2の形成は、上述したような光触媒とバ
インダとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分
散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布した後、加水
分解、重縮合反応を進行させてバインダ中に光触媒を強
固に固定することにより形成される。使用する溶剤とし
ては、エタノール、イソプロルパノール等のアルコール
系の有機溶剤が好ましく、塗布はスピンコート、スプレ
ーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコー
ト等の公知の塗布方法により行うことかできる。
【0096】このようにして光触媒含有層2が形成され
た透明基板1に対して、紫外光等の光6をフォトマスク
7によりパターン照射する。これにより、光触媒含有層
2上の画素部が形成される部位である画素部形成部を、
光触媒含有層2内の光触媒の作用により親インク性領域
とした画素部用露光部8が形成される(図2(b))。
なお、パターン照射の種類はフォトマスクによるものに
限定されるものでなく、レーザ等を用いた描画照射等に
よるものであってもよい。
【0097】このようにして形成された画素部用露光部
8内に、インクジェット装置等を用いて、画素部形成用
のインクを噴射して、それぞれ赤、緑、および青に着色
する。この際、画素部用露光部8内は上述したように露
光により液体との接触角の小さい親インク性領域となっ
ているため、インクジェット装置から噴出された画素部
形成用インクは、画素部用露光部8内に均一に広がる。
また、露光が行われていない光触媒含有層の領域は、撥
インク性領域となっているため、インクはこの領域では
はじかれて除去されることになる。
【0098】本発明に用いられるインクジェット装置と
しては、特に限定されるものではないが、帯電したイン
クを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素
子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加
熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各種
の方法を用いたインクジェット装置を用いることができ
る。
【0099】このようにして画素部用露光部8内に付着
したインクを固化させることにより画素部3が形成され
る(図2(c))。本発明において、インクの固化は用
いるインクの種類により種々の方法により行われる。例
えば、水溶性のインクであれば加熱等することにより水
を除去して固化が行われる。
【0100】このインクの固化工程を考慮すると、本発
明に用いられるインクの種類としては、インクがUV硬
化性インクであることが好ましい。これは、UV硬化性
インクであればUVを照射することにより、素早くイン
クを固化することができるので、カラーフィルタの製造
時間を短縮することができるからである。
【0101】上述したように、画素部用露光部8内のイ
ンクは均一に広がっているため、このようにインクを固
化した場合、色抜けや色むらのない画素部3を形成する
ことができる。
【0102】次いで、この画素部3が形成された面全面
に露光を行う。これにより、光触媒含有層2が露出して
いる部分、すなわち画素部3間および表示領域外の光触
媒含有層2が露光されて親インク性領域である被覆部用
露光部9となる(図2(d))。
【0103】ここでこの被覆部用露光部9は、その臨界
表面張力が画素部の臨界表面張力よりも大きくなるよう
に露光されることが好ましい。すなわち、光触媒含有層
である被覆部用露光部9の臨界表面張力が画素部3上の
臨界表面張力よりも大きくなるように露光しておけば、
後述する被覆部形成用塗料に対する濡れ性は画素部3と
比較して被覆部用露光部9の方が良好となるため、被覆
部形成用塗料を画素部3間に塗布する際に、画素部3間
の光触媒含有層上により正確に塗布することが可能とな
るからである。
【0104】そして、この被覆部用露光部9内に、イン
クジェット装置10を用いて、被覆部形成用塗料11
を、画素部3間の間隙および表示領域外の被覆部用露光
部9上に付着させる。この際、被覆部用露光部9内は上
述したように露光により液体との接触角の小さい親イン
ク性領域となっているため、画素部3の形成の場合と同
様に被覆部形成用塗料11は、被覆部用露光部9内に均
一に広がる。
【0105】この被覆部形成用塗料11の塗布方法は、
上述したようなインクジェット方式に限定されるもので
なく、通常用いられるディップコート等の種々の方法に
より濡れ性の差を利用して塗布するようにしてもよい。
しかしながら、例えば画素部間の間隙のみ選択的に塗布
することができ、これにより光触媒含有層を露光等する
ことにより濡れ性の差を設けなくても塗布できる点、画
素部上に被覆部形成用塗料が残存する可能性が低い点等
の理由から、ノズル吐出による方法を用いることが好ま
しい。このようなノズル吐出方法としては、例えばマイ
クロシリンジ、ディスペンサー、インクジェット、針先
より被覆部形成用塗料を電界などの外部刺激により飛ば
す方法、外部刺激により振動するピエゾ素子などの振動
素子を用いて素子より被覆部形成用塗料を飛ばす方法、
針先に付着させた被覆部形成用塗料を光触媒含有層表面
に付着させる方法等を用いることができるが、中でもイ
ンクジェット方式で行うことが量産可能であるためコス
ト面で有利である等の理由で好ましい。
【0106】また、用いられる被覆部形成用塗料11の
表面張力は、上記画素部3の臨界表面張力より大きいこ
とが好ましい。これは、上述したように、上記被覆部形
成用塗料11の表面張力が、画素部3の臨界表面張力よ
り大きい場合は、被覆部形成用塗料11が画素部3に対
して、0度より大きい接触角を有することになる。この
ため、画素部3間の被覆部用露光部9に被覆部形成用塗
料11を付着させた場合に、画素部3の表面、すなわち
画素部3上であって遮光部4と重ならずバックライトが
通過する部分にまで濡れ広がることがない。これによ
り、画素部3の表示性能に悪影響を与えることなく、容
易に画素部3間にのみ被覆部形成用塗料11を塗布する
ことができるようになる等の理由によるものである。
【0107】そして、この被覆部形成用塗料11を硬化
させることにより、画素部3間および表示領域外側の光
触媒含有層2上に被覆部5が設けられる(図2
(e))。
【0108】なお、ここでの硬化工程を考慮すると、上
記画素部3と同様に被覆部5に用いられる被覆部形成用
塗料11もUV硬化型塗料であることが好ましい。
【0109】図2では、遮光部4を形成する例を示した
が、本発明のカラーフィルタの製造方法はこれに限定さ
れるものでなく、上記遮光部4を形成する工程がない製
造方法、すなわち遮光部を有さないカラーフィルタの製
造方法であってもよい。
【0110】また、上記図2に示す例では、画素部を形
成した後、露光することにより被覆部用露光部9を形成
し、ここに被覆部5を形成するようにしたが、本発明は
これに限定されるものでなく、上記露光を行わない製造
方法であってもよい。すなわち、画素部間の光触媒含有
層上に被覆部を形成する場合、画素部間は凹部となって
いることから(例えば図2(c)参照)、この凹部にイ
ンクジェット方式等でインクを付着させることにより被
覆部を形成することも可能である。この場合は、必ずし
も光触媒含有層を露光させる必要性はない。しかしなが
ら、濡れ性の差を設けておいた方が、被覆部の形成が容
易である点等を考慮すると、上記図2に示す例のよう
に、光触媒含有層の臨界表面張力が画素部の臨界表面張
力よりも大きくなるように露光することが好ましい。
【0111】3.カラー液晶表示装置 このようにして得られたカラーフィルタと、このカラー
フィルタに対向する対向電極基板とを組み合わせ、この
間に液晶化合物を封入することによりカラー液晶表示装
置が形成される。このようにして得られるカラー液晶表
示装置は、本発明のカラーフィルタが有する利点、すな
わち、液晶層中の液晶材料に悪影響を与えず、表示品質
の高いものであった。
【0112】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0113】例えば、上述した説明では、光触媒含有層
の濡れ性を変化させる際に露光により変化させている
が、ここでいう露光とは可視光の露光のみを示すもので
はなく、光触媒含有層の濡れ性を変化させることができ
るエネルギーの照射の全てを含む意味である。
【0114】例えば、光触媒含有層中の光触媒が酸化チ
タンの場合は、紫外光を含む光であり、このような紫外
光を含む光の光源としては、例えば、水銀ランプ、メタ
ルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等
を挙げることができる。また、光触媒含有層に対し、光
触媒反応開始エネルギーを加え、この光触媒反応開始エ
ネルギーが加えられた領域内に反応速度増加エネルギー
を加えることにより露光を行うようにしてもよい。この
場合の光触媒反応開始エネルギーとしては、光触媒反応
を開始させることができるエネルギーであれば特に限定
されるものではないが、中でも二酸化チタンの触媒反応
を開始させる紫外光を含む光であることが好ましい。具
体的には、400nm以下の範囲、好ましくは380n
m以下の範囲の紫外光が含まれる光が好ましい。また、
反応速度増加エネルギーとしては熱エネルギーを用いる
ことが好ましく、このような熱エネルギーを加える方法
としては、赤外線レーザによる方法や感熱ヘッドによる
方法等を挙げることができる。
【0115】
【実施例】イソプロピルアルコール3g、フルオロアル
キルシラン(トーケムプロダクツ(株)製;MF−16
0E(商品名)、N−[3−(トリメトキシシリル)プ
ロピル]−N−エチルパーフルオロオクタンスルホンア
ミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)0.07
g、酸化チタンゾル(石原産業(株)製;STK−01
(商品名))3g、シリカゾル(日本合成ゴム(株)
製;グラスカHPC7002(商品名))0.6g、お
よびアルキルアルコキシシラン(日本合成ゴム(株)
製;HPC402H(商品名))0.2gを混合し、1
00℃で20分間撹拌した。この溶液を厚さ0.7mm
のブラックマトリックス付き無アルカリガラス基板上に
スピンコーティング法によりコートし、20分間150
℃で加熱後、厚さ0.15μmの光触媒含有層を得た。
【0116】この光触媒含有層表面にフォトマスクを介
して超高圧水銀ランプにより 70mW/cm2(35
6nm)の照度で3分間紫外線照射を行い濡れ性を変化
させた。未露光部および露光部の水に対する接触角を接
触角測定器(協和界面科学社製 CA−Z型)により測
定した結果、未露光部では70度であり、露光部では9
度であった。
【0117】次に、インクジェット装置を用いて、以下
の組成の画素部形成用インクを露光部に滴下した後、8
0℃で加熱した。各インクの組成は以下の通りである。
【0118】(赤色用インク) ・顔料(C. I. Pigment Red 177)5g ・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート)20g ・重合開始剤(イルガキュア369、チバスペシャリテ
ィケミカルズ社製)5g ・UV硬化樹脂(ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、日本化薬社製)70g (青色用インク) ・顔料(C. I. Pigment Blue 15 + C. I. Pigment Viole
t 23)5g ・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート)20g ・重合開始剤(イルガキュア369、チバスペシャリテ
ィケミカルズ社製)5g ・UV硬化樹脂(ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、日本化薬社製)70g (緑色用インク) ・顔料(C. I. Pigment Green 36)5g ・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート)20g ・重合開始剤(イルガキュア369、チバスペシャリテ
ィケミカルズ社製)5g ・UV硬化樹脂(ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、日本化薬社製)70g
【0119】次に、UV照射を行い、画素部を硬化さ
せ、また画素部間に露出する光触媒含有層の濡れ性を変
化させた。次いで、200℃で加熱処理し画素部の硬化
を促進させて画素部の硬化を終了した。画素部の臨界表
面張力、および画素部間の光触媒含有層の臨界表面張力
(露光後)を以下に示す。
【0120】・画素部(赤) 36mN/m ・画素部(青) 37mN/m ・画素部(緑) 37mN/m ・画素部間光触媒含有層(露光後) 69mN/m
【0121】次いで、インクジェット装置を用いて以下
に示す組成を有する被覆部形成用塗料を画素部間間隙の
光触媒含有層、および表示領域外側の光触媒含有層上に
塗布した。
【0122】(被覆部形成用塗料組成) ・UV硬化樹脂(ビームセット267(アクリル系樹
脂)、荒川化学工業社製)100g ・硬化開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリテ
ィケミカルズ社製)50g 塗布後、UV照射を施した後、200℃で熱処理を行う
ことにより、被覆部を形成した。
【0123】得られたカラーフィルタを用いたカラー液
晶表示装置は良好な表示品質を有するものであった。
【0124】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタにおいては、上
記画素部間の間隙に被覆部が形成されているので、この
部分において光触媒含有層が露出しておらず、したがっ
て本発明のカラーフィルタを用いてカラー液晶表示装置
を作製した場合は、液晶層中の液晶材料と光触媒含有層
とが直接接触する可能性が無いため、液晶層中の液晶材
料が光触媒により変質するおそれがなく、表示品質の良
好なカラー液晶表示装置を提供することができる。さら
に、上述したような被覆部が形成されているので、光触
媒含有層中に液晶層に溶出すると液晶層中の液晶材料に
対して問題が生じる液晶層汚染物質が混入されていた場
合であっても、このような液晶層汚染物質が液晶層中に
混入することがなく、液晶材料による表示性能に悪影響
を与えるおそれがない。また、この画素部間の間隙に被
覆部が形成されているので、この部分での凹凸が少なく
なり、例えば透明電極層や配向膜等の比較的膜厚の薄い
層を形成する際に凹凸に起因して生じる問題が少ないと
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面
図である。
【図2】本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を説
明するための工程図である。
【符号の説明】
1…透明基板 2…光触媒含有層 3…画素部 4…遮光部 5…被覆部 11…被覆部形成用塗料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA24 FB01 2H025 AA00 AB13 AC01 BC14 BC43 CC12 DA03 DA36 DA40 EA01 EA03 FA03 FA39 2H048 BA02 BA11 BA16 BA17 BA29 BA64 BB02 BB14 BB28 BB44 2H091 FA02Y FA34Y FA41Z FB06 FC23 FD12 GA01 LA15 LA30

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、この透明基板上に設けら
    れ、少なくとも光触媒とバインダとを含有し、露光によ
    り液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層
    である光触媒含有層と、この光触媒含有層上にインクジ
    ェット方式により複数色を所定のパターンで、かつ所定
    の間隙を有して設けられた画素部とを少なくとも有する
    カラーフィルタにおいて、前記画素部間の間隙に被覆部
    が形成されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記画素部により構成される表示領域外
    側に設けられた光触媒含有層上に前記被覆部が形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のカラーフィル
    タ。
  3. 【請求項3】 前記被覆部の高さが画素部の高さと同一
    の高さを有することを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 透明基板と、この透明基板上に設けら
    れ、少なくとも光触媒とバインダとを含有し、露光によ
    り液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層
    である光触媒含有層と、この光触媒含有層上にインクジ
    ェット方式により複数色を所定のパターンで設けられた
    画素部とを少なくとも有するカラーフィルタにおいて、
    前記画素部により構成される表示領域外側に設けられた
    光触媒含有層上に前記被覆部が形成されていることを特
    徴とするカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記被覆部が、液晶材料に対し悪影響を
    与えない材料により形成されていることを特徴とする請
    求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカ
    ラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記画素部の臨界表面張力よりも大きい
    表面張力を有する塗料を用いて前記被覆部が形成されて
    いることを特徴とする請求項1から請求項5までのいず
    れかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  7. 【請求項7】 前記透明基板上に遮光部が形成されてお
    り、この遮光部が形成された透明基板上に前記光触媒含
    有層が形成されていることを特徴とする請求項1記載か
    ら請求項6までのいずれかの請求項に記載のカラーフィ
    ルタ。
  8. 【請求項8】 前記光触媒が、酸化チタン(Ti
    2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チ
    タン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングス
    テン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸
    化鉄(Fe23)から選択される1種または2種以上の
    物質であることを特徴とする請求項1から請求項7まで
    のいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  9. 【請求項9】 前記光触媒が酸化チタン(TiO2)で
    あることを特徴とする請求項8記載のカラーフィルタ。
  10. 【請求項10】 前記バインダが、YnSiX(4-n)(こ
    こで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル
    基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、X
    はアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3ま
    での整数である。)で示される珪素化合物の1種または
    2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物で
    あるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請
    求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載のカ
    ラーフィルタ。
  11. 【請求項11】 (1)少なくとも光触媒とバインダと
    を含有し、露光により液体との接触角が低下するように
    濡れ性が変化する層である光触媒含有層を透明基板上に
    形成する工程と、(2)前記透明基板上に設けられた光
    触媒含有層上の画素部を形成する部位である画素部形成
    部に、エネルギーをパターン照射して画素部用露光部を
    形成し、この画素部用露光部をインクジェット方式によ
    り複数色に着色することにより所定のパターンでかつ所
    定の間隙を有する画素部を形成する工程と、(3)前記
    画素部間の間隙に、被覆部形成用塗料を用いて被覆部を
    形成する工程とを少なくとも有することを特徴とするカ
    ラーフィルタの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記被覆部用塗料を用いて被覆部を形
    成する工程が、ノズル吐出方法により被覆部用塗料を塗
    布する方法により行われることを特徴とする請求項11
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記被覆部形成用塗料の表面張力が、
    前記画素部の臨界表面張力よりも大きいことを特徴とす
    る請求項11または請求項12記載のカラーフィルタの
    製造方法。
  14. 【請求項14】 前記被覆部を形成する工程の前に、画
    素部間の間隙に存在する光触媒含有層の臨界表面張力が
    画素部の臨界表面張力よりも大きくなるように前記画素
    部間の間隙を露光する工程を有することを特徴とする請
    求項11から請求項13までのいずれかの請求項に記載
    のカラーフィルタの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記光触媒含有層を透明基板上に形成
    する工程に前に、透明基板上に遮光部を形成する工程を
    有することを特徴とする請求項11から請求項14まで
    のいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項10までのいずれ
    かの請求項に記載のカラーフィルタを具備することを特
    徴とするカラー液晶表示装置。
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