JP2001240457A - 調湿成形体及びその製造方法 - Google Patents

調湿成形体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001240457A
JP2001240457A JP2000054575A JP2000054575A JP2001240457A JP 2001240457 A JP2001240457 A JP 2001240457A JP 2000054575 A JP2000054575 A JP 2000054575A JP 2000054575 A JP2000054575 A JP 2000054575A JP 2001240457 A JP2001240457 A JP 2001240457A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diatomaceous earth
humidity
moisture
humidity control
calcium silicate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2000054575A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshifumi Teramura
敏史 寺村
Noribumi Isu
紀文 井須
Kenji Inagaki
憲次 稲垣
Katsuhiko Hirabayashi
克彦 平林
Mitsuaki Takagi
光明 高木
Kazuyuki Sugimoto
和行 杉本
Tetsuo Yasuda
哲夫 安田
Masanobu Morikawa
正信 守川
Kantaro Nagasawa
貫太郎 長澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National House Industrial Co Ltd
Clion Co Ltd
Kenzai Gijutsu Kenkyusho KK
Original Assignee
National House Industrial Co Ltd
Clion Co Ltd
Kenzai Gijutsu Kenkyusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National House Industrial Co Ltd, Clion Co Ltd, Kenzai Gijutsu Kenkyusho KK filed Critical National House Industrial Co Ltd
Priority to JP2000054575A priority Critical patent/JP2001240457A/ja
Publication of JP2001240457A publication Critical patent/JP2001240457A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
    • C04B28/186Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type containing formed Ca-silicates before the final hardening step
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00241Physical properties of the materials not provided for elsewhere in C04B2111/00

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 調湿性に優れかつ建材として十分な強度を備
えた調湿成形体を提供する。 【解決手段】 ALCの切削紛と珪藻土の粉砕物との混
合紛粒物に水を加えて均質に混合し、加圧成形した後、
炭酸養生し、乾燥することにより調湿成形体を製造す
る。これにより、中湿域の吸放湿に適したケイ酸カルシ
ウムを起源とする非晶質シリカと炭酸カルシウムとを含
有することにより、この領域の調湿性に優れ、さらに、
高湿域の吸放湿に適した珪藻土を起源とするシリカを含
有することにより、この領域における調湿性に優れる。
それに加えて、調湿成形体は炭酸養生の工程を経て製造
されたので十分な強度を備える。従って、幅広い湿度の
範囲における調湿性に優れかつ建材として十分な強度を
備えることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた調湿性を備
える調湿成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】珪藻土は、単細胞藻類の珪藻遺骸が集積
してできた物質であり、多くの微細な空隙を有する細孔
構造をなす非晶質シリカを備えるので、優れた吸放湿特
性を示す。この珪藻土は、塗り壁材、タイル・レンガ、
石膏ボード等、様々な建材に添加されることでこれらの
建材の吸放湿特性の改善への寄与が期待されている。珪
藻土を利用してこれらの建材自体に調湿性を発現させる
方法として次のようなものが挙げられる。珪藻土粉末
を塗り壁材に混合して左官工法により壁面に施工する方
法、珪藻土単独或いは粘土等と混合したものを成形し
てから焼成することでタイル・レンガ状にする方法、
珪藻土をセメントに混合する方法、珪藻土粉末と石膏
とを混合して石膏ボードにする方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各々の方法では以下に示すような問題点があった。
の方法では、壁材の施工後に収縮割れが発生したり、壁
材が振動に追随できずひび割れが発生したりする。ま
た、左官工法では接着工法に比して工期が長くなる。
【0004】の方法では、800℃前後の温度で焼成
するため、珪藻土の細孔構造が変化してしまい吸放湿特
性が著しく低下する。さらに、タイルの製造において8
00℃前後という焼成温度は比較的低いものであり、十
分な焼成がなされずタイルの強度が極めて低くなってし
まう。また、珪藻土は焼成によって赤褐色を呈するた
め、色彩の多様化が困難である。
【0005】の方法では、例えば、ポルトランドセメ
ント等の水硬性原料に珪藻土粉末を混合した混合原料を
使用してコンクリートを製造することになるが、このよ
うな方法では、非晶質シリカを主成分とする珪藻土は、
セメント中のアルカリ成分とポゾラン反応を起してしま
うので、珪藻土中の細孔構造が崩れてしまい調湿性を十
分に発揮することができない。
【0006】の方法では、熱や化学反応に起因する細
孔構造の破壊が起こらないので、珪藻土が本来有する吸
放湿特性を損うことはないが、石膏自身の調湿性は低い
ものであり、石膏ボードに十分な調湿性を発現させるに
は、珪藻土の添加量を多くする必要がある。しかし、珪
藻土の大量添加は石膏ボードの強度を著しく低下させて
しまう。また、石膏ボードは、その表面に密着させるボ
ード用原紙によってその強度を補っているが、吸放湿の
繰り返しにより、このボード用原紙が剥がれてしまう危
険性もある。
【0007】このように、珪藻土を用いた調湿成形体に
は様々な問題点があり、特に、調湿性の向上と強度の確
保とを両立させることは極めて困難であった。本発明
は、上記事情に鑑みてなされたもので、調湿性に優れか
つ建材として十分な強度を備えた調湿成形体の提供を目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記目的
を達成するため、請求項1の発明に係る調湿成形体は、
シリカと炭酸カルシウムとを主成分とする調湿成形体で
あって、その成形体中に珪藻土を成因とするシリカ成分
を1〜30重量%含有している構成としており、特に、
主成分がケイ酸カルシウム化合物又は/及び水酸化カル
シウムの粉粒体に珪藻土の粉粒体を混合してなる混合粉
粒体を加圧成形し、炭酸ガスによって反応硬化させるこ
とで、珪藻土を成因とするシリカ成分が1〜30重量%
含有している構成とする(請求項2の発明)。
【0009】このような調湿成形体は、ケイ酸カルシウ
ム化合物又は/及び水酸化カルシウムを主成分とする粉
粒体と、これに対して2〜30重量%となる珪藻土の粉
粒体とを混合して成形し、炭酸ガスによって反応硬化さ
せることにより製造できる(請求項3の発明)。
【0010】また、このとき、ケイ酸カルシウム化合物
を主成分とする粉粒体として、軽量気泡コンクリート粒
子を用いるものであってもよい(請求項4の発明)。さ
らに、この製造方法において、炭酸ガスの濃度が3%以
上の雰囲気で反応硬化させることが好ましい(請求項5
の発明)。
【0011】本発明に係る調湿成形体によれば、製造工
程において、珪藻土に熱や化学反応を起因とする細孔構
造の破壊が生じないので、珪藻土の吸放湿特性が損われ
ず、成形体全体として優れた調湿性を発揮する。また、
炭酸ガスを用いて反応硬化させることによって、調湿成
形体中に炭酸カルシウムが生成するから、これが調湿成
形体を構成する粒子間の結合を強化して十分な強度を備
えることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の調湿成形体における原料
の主成分であるケイ酸カルシウム化合物は、トバモライ
ト、ゾノトライト、フォシャジャイト、ヒブレンタイ
ト、CSH等のケイ酸カルシウム水和物ならびにウォラ
ストナイト、セメント鉱物γ−C2S、スラグ等のケイ
酸カルシウムを主成分に含むものである。
【0013】また、これらを含む原料を具体的に示す
と、水和合成又は水熱合成したケイ酸カルシウム水和
物、普通・早強・中庸・白色等のポルトランドセメン
ト、及び、これらを成分に含むコンクリート・軽量気泡
コンクリート(ALC)などが挙げられる。また、これ
らの破砕材・切削屑等の廃材を用いてもよい。そして、
調湿成形体の原料には、これらを単独で又は2種以上の
混合物として使用できる。
【0014】また、調湿成形体の原料として、水酸化カ
ルシウムを単独又は上記ケイ酸カルシウム化合物と混合
して使用することができる。水酸化カルシウムを含む場
合に、原料としては酸化カルシウムを使用し、上記ケイ
酸カルシウム化合物原料と混合し、加水によって水酸化
カルシウムとすることで水酸化カルシウムを得るように
してもよい。
【0015】また、ケイ酸カルシウム化合物を主成分と
する原料を粉粒体とするときにおける粒径は、その後の
工程である加圧成形・炭酸養生を経て製造された調湿成
形体の物性への影響を鑑みて、粒径を1mm〜0.1μ
mの範囲内とするのが望ましい。粒径が1mm以上の場
合には、加圧成形しても空隙が大きくなり、炭酸化反応
後の強度が低くなる。一方、0.1μm以下の場合に
は、加圧成形物が緻密になりすぎ、炭酸化反応の際に材
料内部まで炭酸ガスが浸透せず表層部のみが硬化して十
分な強度が得られないからである。
【0016】これらケイ酸カルシウム化合物を含む原料
のうち、特に好ましいものは、トバモライトを主成分と
したALCである。ALCは多孔性であり、粉粒体とし
た場合、その粒径にもよるが、40〜80%の空隙を有
する。この空隙は加圧成形において減少するが、それで
も25〜60%の空隙が残存するので、炭酸養生する際
に炭酸ガスが材料内部まで効率的に進行する。また、A
LCの主成分であるトバモライトは、他のケイ酸カルシ
ウムとは異なり、炭酸養生による比表面積の増加が著し
く、それ自身が吸放湿性能の優れた材質になる。ケイ酸
カルシウムは炭酸化によって炭酸カルシウムと非晶質シ
リカに変化し、特にALCのトバモライトでは、この非
晶質シリカ、カルサイトおよび非常に微細な細孔を持つ
炭酸カルシウム結晶バテライトが生成するため、著しい
比表面積増大があり、吸放湿性能の優れた材質となると
思われる。
【0017】本発明では上記した原料に加えて、さらに
珪藻土を原料として用いる。珪藻土は、主成分が非晶質
シリカであり、元来多くの微細な空隙を有する細孔構造
を備えており、優れた吸放湿性能を示す。珪藻土は、製
造後の調湿成形体中においても細孔構造を維持すること
で調湿性を向上させる。また、珪藻土に、極めて微細な
細孔構造を備えるクリストバライトを含有するもの(産
出地によってその含有量は異なる)を用いることで、さ
らなる調湿性の向上が可能となる。
【0018】発明者らの研究によれば、珪藻土を成因と
するシリカ成分が1〜30重量%となるようにされてい
ることが必要である。そのシリカ成分が1重量%では珪
藻土を入れた効果が発揮できず、高湿域での調湿性の向
上は望めない。その一方、30重量%を越えると、珪藻
土は調湿成形体中において他の原料に対する結合力が弱
いので、調湿成形体の強度が低下するためである。よ
り、好ましくは珪藻土を成因とするシリカ成分が1.8
〜28重量%の範囲となるようにすることがよい。
【0019】珪藻土を成因とするシリカ成分が上述の範
囲になるようにするには、炭酸硬化反応の重量増加を考
慮すると、原料段階で、ケイ酸カルシウム化合物又は/
及び水酸化カルシウムを主成分とする粉粒体に対して珪
藻土が2〜30重量%ととなるように添加することにな
る。また、添加する珪藻土の粒径は特に限定はないが、
10mm〜1μmの範囲とするのが好ましい。珪藻土の
粒径が10mm以上では局所的に脆弱な部分が存在して
全体の強度が低下する傾向を呈するからであり、1μm
以下だと調湿成形体が粉っぽくなるため、商品性が低下
するからである。とりわけ、珪藻土の粒径を5mm以下
とした場合に強度を著しく高くできる。
【0020】そして、上記したこれらの原料を混合して
混合粉粒体とする。尚、この混合粉粒体には、脆性改
善、強度増加、意匠性付加を目的として種々の繊維、骨
材、顔料を添加してもよい。ただし、その添加量はそれ
ぞれ10%以内に抑えるのが望ましい。加圧成形は、混
合粉粒体を乾燥あるいは含水状態さらには水性スラリー
の状態で成形型に入れ、加圧下で成形するようにして行
い、これにより加圧成形体を得る。
【0021】加圧成形は、特に限定はないが、押出成
形、抄造プレス成形、脱水プレス成形、紛体プレス成
形、連続プレス成形等が適用できる。ただし、加圧成形
体は、その後の工程における取り扱い上の便宜も考慮す
ると、曲げ強さで0.2MPa以上の強度があるのが望
ましい。しかし、加圧成形体の強度が上記した強度
(0.2MPa)以上にならない場合は、後述する炭酸
養生における炭酸化反応を加圧成形と同時に完全に又は
一部行い加圧成形体の取り扱いに必要な強度を確保する
ことが望ましい。混合粉粒体を含水状態又は水性スラリ
ーの状態で加圧成形する場合において、それに含まれて
いる水分が加圧成形の工程において成形型へ流し込むた
めに必要な流動性の確保、加圧成形体におけるバインダ
ーとしての役割、及び後述する炭酸養生における炭酸化
反応の促進に寄与する。また、混合粉粒体を乾燥した粉
粒体のままの状態で加圧成形する場合においては、加圧
成形工程後の成形体に噴霧等により水分を与えることに
より炭酸養生における炭酸化反応を促進させることにな
り好ましい。
【0022】炭酸養生は、加圧成形体を容器中に密閉
し、炭酸ガス濃度を3%以上の雰囲気に保持して加圧成
形体を炭酸化することにより行い、これにより炭酸硬化
体が得られる。ここで、炭酸ガス濃度は、高ければ高い
ほど急速に反応が進むため可能な限り高濃度にするのが
望ましい。炭酸ガス濃度が3%以下では、炭酸化が著し
く遅くなり1週間以上かかるため工業的でない。また、
このときの容器中の温度は、特に限定しないが、材料中
の水分が存在する状態、すなわち0℃以上100℃以下
が好ましい。炭酸養生において、特に炭酸化反応が促進
するのは30〜80℃であるが、炭酸化反応は発熱を伴
ない、加圧成形体の温度は上昇するため、開始時におけ
る容器内の温度はおおよそ60℃以下とするのが望まし
い。また、炭酸養生中の圧力も反応速度に大きく影響す
る。圧力が高ければ高いほど反応が促進するが、工業的
には2MPa以下で行うのが好ましい。
【0023】さらに、炭酸養生において炭酸化反応を効
率的に行うには、容器内への炭酸ガスの流入に先立ち予
め容器内を真空にする真空工程を設けることで、加圧成
形体中の空気を抜く。この工程の後に高濃度の炭酸ガス
を容器内へ流入させるといった方法が適用できる。
【0024】尚、炭酸養生に使用する炭酸ガスとして
は、市販のガスの他にボイラー等の排ガスを利用するこ
とができる。排ガスを利用する場合には、脱硫、脱硝、
集塵をしたものを使用するのが好ましい。そして、炭酸
養生により得られた炭酸硬化体は、必要に応じて乾燥さ
せることで、調湿成形体が得られる。
【0025】
【実施例】以下、上記実施形態に基づいて製造した本発
明の実施例を説明する。本実施例に係る調湿成形体は、
ALCの切削紛と珪藻土の粉砕物とを原料に用いて製造
した。これらの原料を混合したものを混合粉粒体とし、
混合粉粒体中に含有する珪藻土の割合を表1に示すよう
にして、実施例1〜7の調湿成形体を製造した。
【0026】
【表1】
【0027】ALC切削紛は、周知のALCを粒径が
0.5mm以下となるように造粒したものを用いた。ま
た、珪藻土は稚内産のものを用い、各実施例について粒
径を表1に示す値に造粒した。この混合粉粒体に水を加
えて均質に混合してから、型枠に流し込み、20MPa
の圧力でプレス成形し成形体を得た。尚、型枠は、縦×
横が300mm×300mmの正方形筒状のものを用
い、成形体の厚さが8mmとなるように各実施例をプレ
ス成形した。
【0028】続いて、この成形体を炭酸養生した。炭酸
養生は、成形体を密閉容器の中に入れ、真空ポンプで容
器内の脱気をした後、市販の炭酸ガスを密閉容器内に導
入し、0.5MPaの圧力で2時間保持して行った。こ
の後、炭酸養生した成形体を105℃で乾燥させること
で各実施例の調湿成形体を製造した。
【0029】製造後の各実施例における珪藻土の含有率
は、炭酸化による重量増加分を加味すると、表1に示す
値となる。尚、上記実施例と同様にして比較例を製造し
た。比較例は、混合粉粒体に含まれる珪藻土の割合また
は混合する珪藻土の粒径を表1に示すように変えて製造
したものである。
【0030】このように製造した実施例及び比較例につ
いて、調湿性能の評価及び曲げ強度の測定を行った。 [調湿性能]調湿性能の評価は、各実施例及び各比較例
について縦×横のサイズを100mm×100mmとし
た調湿試験片を用意し、この調湿試験片の6面のうち1
00mm×100mmの大きさの1面以外の他の5面を
アルミテープで覆い、この1面のみから吸放湿させるよ
うにする。そして、この試験片を恒温恒湿槽内に密閉
し、温度を23℃に保ち、相対湿度53%〜75%の中
湿域と相対湿度75%〜93%の高湿域とにおいて、調
湿試験片の重量変化から吸放湿量を測定した。
【0031】中湿域の測定を以下のようにして行った。
まず、吸放湿量の測定に先立ち、調湿試験片を相対湿度
を53%に保持して2週間以上静置させることで十分に
吸湿させてそれ以上重量変化が起こらない平衡含湿状態
とした。次に、平衡含湿状態から槽内の相対湿度を75
%として24時間保持し、この間の増加した重量から吸
湿量を測定した。吸湿量を測定した後、相対湿度を53
%として24時間保持し、この間の減少した重量から放
湿量を測定した。
【0032】また、高湿域の測定も上記の中湿域の測定
と同様にして行った。まず、調湿試験片を相対湿度を7
5%に保持して2週間以上静置させて平衡含湿状態とし
てから、槽内の相対湿度を93%として24時間保持し
て吸湿量を測定し、この後、相対湿度を75%として2
4時間保持して放湿量を測定した。このようにして得ら
れた吸放湿量を表1に示した。
【0033】[曲げ強度]一方、曲げ強度の測定は、J
IS規格R1601の「3点曲げ強度試験方法」に準ず
る方法で行った。但し、試験片については各実施例及び
各比較例のものを縦×横を25mm×100mm(厚さ
8mm)とした強度試験片を用いた。そして、軸状の支
点を2本用意し、所定間隔を開けて平行に並べ、強度試
験片の長手方向で両支点を橋渡すようにして置き、支点
間の中央の1点に荷重をかけて行った。このとき、両支
点間の間隔(スパン)は80mm、載荷速度は0.1m
m/min.として測定し、得られた結果を表1に示し
た。尚、この曲げ強度測定は、インストロン試験機を用
いて行った。
【0034】これらの結果から、珪藻土を含有しない比
較例1に比べて、中湿域、高湿域の双方の範囲で、調湿
性の向上が見られた。特に、高湿域の範囲では調湿性の
向上が顕著である。これは、比較例1にも含まれるケイ
酸カルシウムを起源とする非晶質シリカと炭酸カルシウ
ムが中湿域の調湿性に優れ、珪藻土が高湿域の調湿性に
優れるからであると考えられるからであり、各実施例に
おいて、珪藻土の添加量に比例して高湿域の調湿性が著
しく向上していることからも裏付けられる。それと同時
に、本実施例における強度は、建築材料として十分な強
度も備えていることが判明した。尚、珪藻土の含有率が
10%のものについて珪藻土の粒径を変えて製造した試
験によれば、粒径を5mm以下とすれば、調湿成形体の
強度を著しく高くすることができることが判明した(実
施例3、6、7参照)。表1には示していないが、粒径
が5〜10mmの範囲の珪藻土を使用した場合には曲げ
強度において多少劣るものの十分な調湿性が得られた。
【0035】このように、本実施例に係る調湿成形体に
よれば、ケイ酸カルシウム化合物を主成分とするALC
と珪藻土との粉粒体を混合してから製造しており、製造
工程において、珪藻土に熱や化学反応を起因とする細孔
構造の破壊が生じないので、珪藻土の吸放湿特性が損わ
れない。さらに、炭酸養生によって、調湿成形体中に炭
酸カルシウム及びシリカゲルが生成する。
【0036】これにより、調湿成形体には、珪藻土を起
源とする非晶質シリカを含有すると共に、ケイ酸カルシ
ウムを起源とする非晶質シリカと炭酸カルシウムとを含
有し、これらは、いずれも良好な吸放湿性能を示す。そ
れに加えて、炭酸カルシウムが調湿成形体を構成する粒
子間の結合を強化する。
【0037】従って、本発明によれば、調湿性に優れか
つ建材として十分な強度を備えることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C04B 111:72 C04B 111:72 (72)発明者 寺村 敏史 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材テクノ研究所内 (72)発明者 井須 紀文 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材テクノ研究所内 (72)発明者 稲垣 憲次 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材テクノ研究所内 (72)発明者 平林 克彦 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材テクノ研究所内 (72)発明者 高木 光明 大阪府豊中町新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 杉本 和行 大阪府豊中町新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 安田 哲夫 大阪府豊中町新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 守川 正信 大阪府豊中町新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 長澤 貫太郎 大阪府豊中町新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PA03 PA05 PA14 PA30 PC11 PE03 PE07 RA02 4G054 AA01 BA32 BA62

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカと炭酸カルシウムとを主成分とす
    る調湿成形体であって、その成形体中に珪藻土を成因と
    するシリカ成分を1〜30重量%含有していることを特
    徴とする調湿成形体。
  2. 【請求項2】 主成分がケイ酸カルシウム化合物又は/
    及び水酸化カルシウムの粉粒体に珪藻土の粉粒体を混合
    してなる混合粉粒体を加圧成形し、炭酸ガスによって反
    応硬化させることで、珪藻土を成因とするシリカ成分が
    1〜30重量%含有されていることを特徴とする調湿成
    形体。
  3. 【請求項3】 ケイ酸カルシウム化合物又は/及び水酸
    化カルシウムを主成分とする粉粒体と、これに対して2
    〜30重量%となる珪藻土の粉粒体と混合して加圧成形
    し、炭酸ガスによって反応硬化させることを特徴とする
    調湿成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ケイ酸カルシウム化合物を主成分と
    する粉粒体が軽量気泡コンクリート粒子であることを特
    徴とする請求項3に記載の調湿成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記炭酸ガスの濃度が3%以上の雰囲気
    で反応硬化させることを特徴とする請求項3または請求
    項4に記載の調湿成形体の製造方法。
JP2000054575A 2000-02-29 2000-02-29 調湿成形体及びその製造方法 Abandoned JP2001240457A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000054575A JP2001240457A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 調湿成形体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000054575A JP2001240457A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 調湿成形体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001240457A true JP2001240457A (ja) 2001-09-04

Family

ID=18575810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000054575A Abandoned JP2001240457A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 調湿成形体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001240457A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004143019A (ja) * 2002-10-28 2004-05-20 Shimizu Corp セメント硬化材、セメント硬化体、コンクリート打込み型枠およびコンクリート構造物
JP2004269282A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Sekisui Chem Co Ltd 硬化体組成物、無機質硬化体及び炭酸化硬化体
JP2005187324A (ja) * 2003-01-15 2005-07-14 Sekisui Chem Co Ltd 炭酸化硬化体
JP2007031267A (ja) * 2005-06-20 2007-02-08 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 水硬性組成物及び調湿建材の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004143019A (ja) * 2002-10-28 2004-05-20 Shimizu Corp セメント硬化材、セメント硬化体、コンクリート打込み型枠およびコンクリート構造物
JP2005187324A (ja) * 2003-01-15 2005-07-14 Sekisui Chem Co Ltd 炭酸化硬化体
JP2004269282A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Sekisui Chem Co Ltd 硬化体組成物、無機質硬化体及び炭酸化硬化体
JP2007031267A (ja) * 2005-06-20 2007-02-08 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 水硬性組成物及び調湿建材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6370876B2 (ja) 気泡複合材料、生産方法、およびその使用
CN112794666B (zh) 一种铁尾矿免烧陶粒及其制备方法
JPH0543666B2 (ja)
CN104150948A (zh) 一种具有调湿功能的复合轻质陶瓷生态建材及其制备方法
JP4677899B2 (ja) フライアッシュからの物品の製造
EA013946B1 (ru) Композиционные материалы на основе природных алюмосиликатов и наполнителей, смешиваемых в щелочной среде, и технологический процесс их производства
CN111003991A (zh) 轻质高强硅酸盐陶粒混凝土
CN103864373B (zh) 一种复合蒸压加气混凝土砌块的制备方法
JP3386225B2 (ja) 炭酸硬化成形体及びその前駆体をそれぞれ製造する方法並びに前記成形体からなる吸放湿材
CN113264751A (zh) 一种以镁质固碳产物为原料的多孔材料及其制备方法
JP3391544B2 (ja) 調湿材料とその製造法
CN110963759A (zh) 高含泥骨料的抗渗混凝土
JP2001240457A (ja) 調湿成形体及びその製造方法
CN111377635B (zh) 一种混凝土改性再生骨料及其改性方法和其在水泥基透水材料中的应用
CN112125620B (zh) 一种以砂光粉为原料的加气混凝土砌块及其制备方法
CN108358560A (zh) 一种透水路面砖
CN114180709A (zh) 一种利用铸造粘土废砂制作多孔型蒸养除磷生物滤料的方法
JP2006001795A (ja) 建築材料及び建築材料の製造方法
JP2006001794A (ja) 吸放湿性建築材料及び吸放湿性建築材料の製造方法
JP5449389B2 (ja) 調湿建材及びその製造方法
JP2002029804A (ja) 調湿建材
CN104016647B (zh) 一种复合蒸压加气混凝土砌块墙体的建筑方法
CN114014620B (zh) 一种轻质骨料及其制备方法与应用
JP2005306665A (ja) 建築材料及び建築材料の製造方法
JPH08198648A (ja) 石炭灰質固化物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061018

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20070924

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A762 Written abandonment of application

Effective date: 20081015

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762