JP2001239171A - 触媒の分離回収方法 - Google Patents
触媒の分離回収方法Info
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Abstract
て得られる反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒
又はその分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イ
ミド系触媒又はその分解生成物を、簡易な手段で効率よ
く分離できる方法を提供する。 【解決手段】 本発明の触媒の分離回収方法では、N−
置換環状イミド系触媒の存在下で反応して得られる反応
生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生
成物とを含む混合物からN−置換環状イミド系触媒又は
その分解生成物を分離回収するに際し、前記混合物を炭
化水素、鎖状エーテル及び水から選択された溶媒を用い
た晶析又はリパルプ操作に付して前記N−置換環状イミ
ド系触媒又はその分解生成物を固体として回収する。
Description
タルイミドなどのN−置換環状イミド系触媒を用いて得
られる反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又は
その分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イミド
系触媒又はその分解生成物を分離回収する方法に関す
る。
置換環状イミド系触媒は、分子状酸素による酸化、カル
ボキシル化、ニトロ化、スルホン化、アシル化、ラジカ
ルカップリング反応などの諸反応を温和な条件下で円滑
に進行させる触媒として注目されている。
特開平9−327626号公報には、N−置換環状イミ
ド系触媒の存在下、炭化水素やアルコールなどの基質を
分子状酸素で酸化して、対応するアルコール、アルデヒ
ド、ケトン、カルボン酸などを製造する方法が開示され
ている。特開平9−278675号公報には、前記N−
置換環状イミド系触媒を用いた共役化合物の酸化方法が
開示されている。特開平10−316610号公報に
は、前記N−置換環状イミド系触媒の存在下、エーテル
類を酸化すると、エステル、酸無水物、ラクトンなどが
生成することが記載されている。WO99/50204
には、前記N−置換環状イミド系触媒及び共酸化剤の存
在下、非芳香族性のエチレン結合を有する化合物を分子
状酸素により酸化して対応するエポキシドを製造する方
法、及び前記N−置換環状イミド系触媒及び共酸化剤の
存在下、ケトンを分子状酸素で酸化して対応するエステ
ル又はラクトンを製造する方法が記載されている。
は、N−置換環状イミド系触媒の存在下、基質を窒素酸
化物と反応させて対応するニトロ化合物を得る方法、及
び前記触媒の存在下、基質を一酸化炭素及び酸素と反応
させて対応するカルボン酸を製造する方法が開示されて
いる。WO99/41219には、N−置換環状イミド
系触媒の存在下、基質を酸素及びビアセチルなどの1,
2−ジカルボニル化合物等と反応させると、温和な条件
下でアシル化反応が進行することが記載されている。日
本化学会1999年春季年会予稿集には、N−ヒドロキ
シフタルイミドを触媒とし、α,β−不飽和エステルと
アルコールと酸素とを反応させると、ラジカルカップリ
ング反応が進行して、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラク
トンが良好な収率で生成することが報告されている。ま
た、同予稿集には、N−ヒドロキシフタルイミドを触媒
とし、アダマンタンなどの炭化水素類を酸素及び二酸化
硫黄と反応させると、対応するスルホン酸が生成するこ
とが報告されている。
酸化反応を初めとする広範な有機合成反応の触媒として
極めて有用であるが、反応終了後における反応生成物と
前記N−置換環状イミド系触媒との分離方法について
は、従来、報告された例は少ない。例えば、特開平10
−114702号公報には、N−置換環状イミド系触媒
を用いて得られた酸化反応混合物から反応生成物と触媒
とを分離するに際し、水性溶媒とこの水性溶媒に対して
分液可能な非水溶性溶媒とを用い、酸化反応生成物を水
性溶媒層に、触媒を非水溶性溶媒層にそれぞれ分配する
方法が提案されている。しかし、この方法では、反応生
成物がアジピン酸などの極性の著しく高い化合物の場合
には極めて有効であるが、極性のさほど高くない反応生
成物と前記触媒とを分離する場合には、必ずしも有用な
方法とは言えない。また、触媒を固体として回収するた
めには、非水溶性溶媒を蒸発させる必要があり、コスト
がかかる。
に用いると、その反応条件等により一部分解する場合が
ある。この触媒の分解生成物は、反応生成物の製品中に
混入すると該製品の品質を低下させる恐れがあるが、従
来、このような分解生成物の分離方法は知られていな
い。
は、N−置換環状イミド系触媒の存在下で反応して得ら
れる反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はそ
の分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イミド系
触媒又はその分解生成物を、簡易な手段で効率よく分離
できる方法を提供することにある。
系触媒の存在下で反応して得られる反応生成物と前記N
−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混
合物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物
を、固体として簡易に回収できる方法を提供することに
ある。
を達成するため触媒及びその分解物の物性について検討
したところ、N−置換環状イミド系触媒やその分解生成
物は中程度の極性を有する溶媒には溶解しやすいが、極
性の非常に低い溶媒や極性の著しく高い溶媒には溶解し
にくいという知見を得た。そこで、さらに検討を重ねた
結果、反応生成物とN−置換環状イミド系触媒又はその
分解生成物とを含む混合物を特定の溶媒を用いた特定の
処理に付すと、前記N−置換環状イミド系触媒又はその
分解生成物を固体として効率よく分離回収できることを
見出し、本発明を完成した。
系触媒の存在下で反応して得られる反応生成物と前記N
−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混
合物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物
を分離回収する方法であって、前記混合物を、炭化水
素、鎖状エーテル及び水から選択された溶媒を用いた晶
析又はリパルプ操作に付して前記N−置換環状イミド系
触媒又はその分解生成物を固体として回収する触媒の分
離回収方法を提供する。
ド系触媒としては、下記式(1)
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1及
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、上記式中に示されるN−置換
環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよ
い)で表されるイミド化合物が挙げられる。
ちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素
が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直
鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアル
キル基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素
数1〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、
例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程
度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程
度の低級アルコキシ基が含まれる。
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程
度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含
まれる。
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
ていてもよい。また、前記式(1)において、R1及び
R2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は
非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又
は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度
であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化
水素環である場合が多い。このような環には、例えば、
非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を
有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環
などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環な
ど)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの
置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、
ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していても
よい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、
芳香族性環で構成される場合が多い。前記環は、アルキ
ル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子など
の置換基を有していてもよい。前記式(1)において、
Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示し、窒素原子Nと
Xとの結合は単結合又は二重結合である。
合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香
族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状
イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例
えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場
合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子
を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていても
よい。また、R1及びR2が互いに結合して二重結合を形
成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミ
ド基が形成されていてもよい。さらに、R1及びR2が互
いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成す
る場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含ん
で前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
れる化合物が含まれる。
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式
(1f)中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。R1、
R2、Xは前記に同じ。式(1c)のベンゼン環には、式
(1c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又
は2個形成されていてもよい)
は、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭
素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基
には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度の
ハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシ
カルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程
度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、ア
シル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1
〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3
〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級ア
ルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子で
ある場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環
としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環
と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12
員環が好ましい。
て、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロ
フタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサ
ンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イ
ミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N
−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロ
キシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げら
れる。
のイミド化反応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキ
シルアミンNH2OHとを反応させ、酸無水物基の開環
及び閉環を経てイミド化する方法により調製できる。
酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカル
ボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカル
ボン酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性
環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環
式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テト
ラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリ
メット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族
多価カルボン酸無水物が含まれる。
カルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物、な
かでも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−
ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−ヒドロキシフタ
ル酸イミド等が含まれる。
系触媒を用いて得られる反応生成物としては、前記触媒
を利用した反応で生成する化合物であればよく、例え
ば、酸化反応生成物(例えば、アルコール、アルデヒ
ド、ケトン、カルボン酸、エポキシ化合物、ラクトン、
酸無水物、アセタール等)、カルボキシル化反応生成物
(カルボン酸)、ニトロ化反応生成物(ニトロ化合
物)、スルホン化反応生成物(スルホン酸)、アシル化
反応生成物(アルデヒド、ケトン)、ラジカルカップリ
ング反応生成物(ラクトン、その他の化合物)などが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。前記各
反応生成物(アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボ
ン酸など)は、それぞれ、脂肪族化合物、脂環式化合
物、芳香族化合物及び複素環式化合物の何れであっても
よい。また、アルコールにはモノオール、ジオール及び
多価アルコールが含まれ、カルボン酸には、モノカルボ
ン酸、ジカルボン酸及び多価カルボン酸が含まれる。な
お、反応生成物の具体的な例としては、従来技術の項に
示した先行文献に記載されている反応生成物等が挙げら
れる。
系触媒の分解生成物としては、上記の各反応中にN−置
換環状イミド系触媒が分解又は変性して生じた化合物で
あれば特に限定されず、反応の種類や反応条件等により
異なるが、例えば、下記式(2)で表されるN−無置換
環状イミド化合物、下記式(3)で表される環状酸無水
物、種々の開環化合物などが挙げられる。
イミド化合物は前記N−置換環状イミド系触媒が反応系
中で還元されて生成したとみられる化合物であり、その
代表的な例としてフタル酸イミドなどが例示される。ま
た、上記式(3)で表される環状酸無水物は前記N−置
換環状イミド系触媒が反応系中で加水分解された化合物
やその誘導体が脱水などを伴い閉環して生成したと推測
される化合物であり、この代表例として無水フタル酸な
どが例示される。また、前記開環化合物としては、フタ
ル酸等のジカルボン酸類、及びその誘導体などが挙げら
れる。
前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを
含む混合物を、炭化水素、鎖状エーテル及び水から選択
された溶媒を用いた晶析又はリパルプ操作に付して前記
N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を固体と
して回収する点にある。以下、N−置換環状イミド系触
媒とその分解生成物とを、「N−置換環状イミド系触媒
等」と総称する場合がある。また、本明細書では、「晶
析」を狭義の晶析だけでなく「沈殿」をも含む広い意味
に用いる。
には、前記溶媒として炭化水素又は鎖状エーテルを用い
るのが好ましく、反応生成物が極性の高い化合物(水溶
性化合物)である場合には、前記溶媒として水を用いる
のが好ましい。
には、反応生成物及びN−置換環状イミド系触媒等は、
それぞれ2種以上含まれていてもよい。また、該混合液
には、反応生成物及びN−置換環状イミド系触媒等のほ
か、反応原料や反応溶媒、N−置換環状イミド系触媒と
組み合わせて用いられる金属化合物等の助触媒や反応促
進剤、精製工程で用いられる溶媒等が含まれていてもよ
い。前記混合物は、反応終了時の反応混合物であっても
よく、また該反応混合物に濾過、濃縮、希釈、液性調
整、抽出、洗浄、晶析、乾燥等の慣用の分離精製操作を
施した後の混合液であってもよい。
用いる炭化水素としては、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタ
ン、2−エチルヘキサン、デカンなどの脂肪族炭化水
素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン
などの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素などが挙げら
れる。また、鎖状エーテルとしては、例えば、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチル
エーテル、ジブチルエーテル、アニソールなどが挙げら
れる。これらの溶媒は単独又は2種以上を組み合わせて
使用できる。これらのなかでも、特に好ましい溶媒に
は、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の
脂環式炭化水素、t−ブチルメチルエーテルなどの鎖状
エーテル類、及びこれらの混合溶媒などが含まれる。
素、鎖状エーテル又は水の使用量は、操作の種類(リパ
ルプ又は晶析)、反応生成物の種類や含有量、触媒の種
類や含有量等によって異なるが、前記混合物中に含まれ
るN−置換環状イミド系触媒及びその分解生成物100
重量部に対して、例えば50〜100000重量部程度
の範囲で適宜選択できる。
は、分離効率を損なわない範囲で前記炭化水素、鎖状エ
ーテル及び水以外の溶媒が含まれていてもよい。例え
ば、反応溶媒や、本発明の晶析又はリパルプ操作の前の
段階でなされた抽出、晶析等の操作に用いられた溶媒な
どが前記工程液中に含まれていてもよく、また、分離性
を高めるため、前記炭化水素、鎖状エーテル又は水とと
もに他の溶媒(例えば、炭化水素や鎖状エーテルに対し
ては、これらと相溶する有機溶媒、水に対しては水溶性
溶媒)を添加して晶析やリパルプ操作を行ってもよい。
プロピオン酸などの有機酸;アセトニトリル、プロピオ
ニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;N,N−
ジメチルホルムアミドなどのアミド類;クロロホルム、
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベン
ゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素;ニトロベンゼン、ニトロメタンなどのニトロ化
合物;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息
香酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどの環状エーテル類;メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;アセ
トン、エチルメチルケトンなどのケトン類等が挙げられ
る。
生成物とを効率よく分離するためには、前記晶析又はリ
パルプ操作中の工程液の炭化水素、鎖状エーテル又は水
の量(総量)は、前記工程液中の溶媒(揮発成分)全体
の例えば50重量%以上、特に70重量%以上(とりわ
け90重量%以上)であるのが好ましい。
が、通常、−10℃〜+150℃程度、好ましくは0〜
+100℃程度の範囲である。上記処理はバッチ式、連
続式等の何れの方式で行うこともできる。処理は1回で
も複数回でもよく、複数回行う場合には異なる処理を2
種以上組み合わせてもよい。晶析は溶液の冷却及び/又
は濃縮により行うことができる。リパルプは固体と溶媒
との混合物を攪拌等することにより行うことができる。
晶析又はリパルプにより得られた固体は、濾過、遠心分
離などの慣用の固液分離操作を利用することにより分離
できる。分離されたN−置換環状イミド系触媒等は、そ
のまま、或いは適宜な再生処理を施した後、触媒として
再利用できる。また、N−置換環状イミド系触媒等を除
去した後の濾液(又は母液)を、慣用の分離精製手段、
例えば、濃縮、晶析、再結晶、抽出、蒸留、カラムクロ
マトグラフィー等に付すことにより、反応生成物を単離
することができる。
炭化水素、鎖状エーテル又は水を反応溶媒(又は過剰量
の反応成分)として用い、反応中の系の組成変化等によ
り、又は反応終了後の冷却若しくは濃縮によりN−置換
環状イミド系触媒等を晶析させる態様、(ii)反応混合
液に、必要に応じて、濾過、濃縮、乾固、液性調整、抽
出、洗浄、晶析などの適宜な処理を施した後、炭化水
素、鎖状エーテル又は水を加えて、N−置換環状イミド
系触媒等を晶析又はリパルプする態様などが含まれる。
ると、例えば、酸化反応などの反応混合液から沈殿物を
濾去し、濾液を濃縮した後、残渣(濃縮液)に炭化水素
若しくは鎖状エーテル(生成物が非極性化合物の場合)
又は水(生成物が極性化合物の場合)を加えてN−置換
環状イミド系触媒等を晶析又はリパルプすることによ
り、該N−置換環状イミド系触媒等を固体として回収す
ることができる。また、酸化反応などの反応混合液を濃
縮した後、水を加えて、反応生成物及びN−置換環状イ
ミド系触媒等を晶析させ、得られた結晶に炭化水素又は
鎖状エーテルを加えてN−置換環状イミド系触媒等を晶
析又はリパルプすることにより、該N−置換環状イミド
系触媒等を固体として回収することができる。
触媒の存在下で反応して得られる反応生成物と前記N−
置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合
物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物
を、簡易な手段で効率よく分離できる。また、前記混合
物から、N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物
を、簡易に固体として回収することができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
オートクレーブに、シクロヘキサン50g(0.594
モル)、N−ヒドロキシフタルイミド9.692g
(0.059モル)、酢酸コバルト(II)四水和物0.
296g(0.0012モル)及びアセトニトリル40
0gを入れ、窒素加圧下(33kgf/cm 2;3.2
4MPa)、攪拌しながら加熱昇温した。75℃で安定
したところで、40kgf/cm2(3.92MPa)
の圧力下、空気を流通させ、4時間反応させた。系内を
窒素で置換し、冷却した。反応混合液をガスクロマトグ
ラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析し
た結果、シクロヘキサンの転化率19.5%で、シクロ
ヘキサノンが収率14.5%(選択率74.4%)、シ
クロヘキサノールが収率1.6%(選択率8.2%)で
生成していた。また、反応混合液中には、触媒として用
いたN−ヒドロキシフタルイミドが9.080g、N−
ヒドロキシフタルイミドの変質物であるフタルイミドが
0.109g、同じくN−ヒドロキシフタルイミドの変
質物である無水フタル酸が0.138g存在していた。
この反応混合液を濾過して不溶物を取り除いた後、濾液
を濃縮してシクロヘキサン及びアセトニトリルを留去し
た。濃縮残渣にシクロヘキサン100mlを加え、1時
間攪拌した後、濾過することにより、触媒及びその分解
生成物(N−ヒドロキシフタルイミド、フタルイミド及
び無水フタル酸)を固体として回収した。濾液には、触
媒及びその分解生成物は含まれていなかった。
ロキシフタルイミド5.36g(32.8ミリモル)、
バナジウムアセチルアセトナト[V(acac)3]
0.11g(0.328ミリモル)、酢酸150ml、
及びクロロベンゼン150mlの混合液を1気圧(0.
101MPa)の酸素雰囲気下、85℃で20時間攪拌
した。反応終了後、反応混合液をガスクロマトグラフィ
ー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、アダマンタノールの転化率95.6%で、アダマン
タンジオールが収率50.5%(選択率52.8%)、
アダマンタントリオールが収率40.7%(選択率4
2.6%)で生成していた。また、反応混合液中には、
触媒として用いたN−ヒドロキシフタルイミドが1.8
5g、フタルイミドが1.51g、無水フタル酸が0.
40g含まれていた。反応混合液を濃縮し、水1.2L
を加え、50℃で2時間攪拌し、冷却した後、不溶物を
濾過することにより、触媒及びその分解生成物を固体と
して回収した。この濾液を酢酸エチル3Lで3回抽出し
た。この抽出液を170gまで濃縮し、結晶を濾過する
ことにより11.2gのアダマンタンジオールを得た。
結晶中に触媒及びその分解生成物は含まれていなかっ
た。また、抽残液を100gまで濃縮し、アセトン20
0gを加え、結晶を濾過することにより9.9gのアダ
マンタントリオールを得た。結晶中に触媒及びその分解
生成物は含まれていなかった。
シフタルイミド3.25g(20ミリモル)、V2O5
0.183g(0.1ミリモル)、アニソール240m
l、及び酢酸60mlの混合液を1気圧(0.101M
Pa)の酸素雰囲気下、85℃で3時間攪拌した。反応
終了後、反応混合液をガスクロマトグラフィー及び高速
液体クロマトグラフィーにより分析したところ、アダマ
ンタンの転化率13.0%で、アダマンタノールが収率
11.3%(選択率86.9%)、アダマンタノンが収
率0.9%(選択率6.9%)で生成していた。また、
反応混合液中には、触媒として用いたN−ヒドロキシフ
タルイミドが2.12g、フタルイミドが0.68g、
無水フタル酸が0.18g含まれていた。反応混合液を
濃縮し、ヘキサン400mlを加え、50℃で2時間攪
拌し、冷却した後、不溶物を濾過することにより、触媒
及びその分解生成物を固体として回収した。濾液には触
媒及びその分解生成物は含まれていなかった。
Claims (1)
- 【請求項1】 N−置換環状イミド系触媒の存在下で反
応して得られる反応生成物と前記N−置換環状イミド系
触媒又はその分解生成物とを含む混合物からN−置換環
状イミド系触媒又はその分解生成物を分離回収する方法
であって、前記混合物を、炭化水素、鎖状エーテル及び
水から選択された溶媒を用いた晶析又はリパルプ操作に
付して前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成
物を固体として回収する触媒の分離回収方法。
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