JP2001238593A - 香辛性材料から発酵食品の製造方法 - Google Patents

香辛性材料から発酵食品の製造方法

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JP2001238593A
JP2001238593A JP2000058205A JP2000058205A JP2001238593A JP 2001238593 A JP2001238593 A JP 2001238593A JP 2000058205 A JP2000058205 A JP 2000058205A JP 2000058205 A JP2000058205 A JP 2000058205A JP 2001238593 A JP2001238593 A JP 2001238593A
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fermentation
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Toshihiko Osawa
俊彦 大澤
Goro Inoue
五郎 井上
Isao Okunishi
勲 奥西
Yoko Mori
森  陽子
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Food Marketing Research & Information Center
KINJIRUSHI WASABI KK
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Food Marketing Research & Information Center
KINJIRUSHI WASABI KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 食品として不適な香辛性材料が本来保有する
成分の大量摂取を容易にする発酵食品の提供。 【解決手段】 香辛料およびハーブ類からなる香辛性材
料を乳酸菌、麹菌および酵母菌の群から選ばれる一種以
上の菌株により発酵させる。発酵に引き続き、必要に応
じて熟成、味付けすることもできる。発酵前に、穀類、
野菜類、魚介類、果実類および乳製品の群から選ばれる
一種以上を添加できる。また、発酵途中に、発酵済みあ
るいは未発酵の穀類、野菜類、魚介類、果実類および乳
製品の群から選ばれる一種以上を添加できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種香辛料、ハーブ
類等の香辛性材料を発酵処理してこれら材料に抗酸化性
を付与し、かつ、これら材料に存在する特有の刺激臭、
苦味、辛味等を除去するとともに、繊維質を軟化し、食
味を改善して該材料の本来的に保有している成分の大量
摂取を容易にする発酵食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、本わさび、西洋わさび、から
し、にんにく、しょうが、とうがらし、さんしょう、こ
しょう等の香辛料、および各種ハーブ類等の香辛性材料
はそれぞれ特有な刺激臭、苦味、辛味あるいは硬い繊維
質等を有しており、このため、従来では薬味として、あ
るいは風味付けとしてしか利用されておらず、したがっ
て、消費量が少ないのみならず、廃棄物とされるような
未利用部分が多かった。
【0003】ところで、上述香辛性材料の刺激臭、苦
味、辛味等を除去する方法として、従来、ウコン、にん
にく、とうがらし等を乳酸菌、紅麹、あるいは酵母等の
菌株を用いて発酵させることが行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらはいず
れも香辛料あるいは薬味として用いるための香辛性材料
の改善に焦点をあて、この目的のために発酵という技術
を利用したに過ぎず、発酵により香辛性材料を食品化
し、消費量の拡大を図るものではなかった。
【0005】特に、本わさび、西洋わさび、からし、し
ょうが、ハーブ類等、通常薬味として食されている香辛
性材料については、上述のような発酵という手段は行な
われることはなかった。
【0006】たとえば、西洋わさびについて例示する
と、これは粉わさび等、加工わさび製品の原料として従
来から利用されているものの、これを発酵手段により処
理することについては全く考えられておらず、特に側根
と呼ばれる部位については上述原料としては不適である
ため廃棄されている現状であった。
【0007】しかも、上述西洋わさびは加熱処理しても
硬い繊維質が多く存在し、口中に噛みだまりとして残る
のみならず、辛味のもととなる配糖体が多量に含まれる
ため苦味を強く感じ、薬味として少量摂取する以外に食
品としての利用は不適であった。
【0008】本発明者らはこのような現状の中で鋭意研
究の結果、抗菌性の強い西洋わさび等の香辛性材料を発
酵させることによりこれら材料中に存在する刺激臭、繊
維質、苦味、辛味等の問題を解消するとともに、これら
材料に抗酸化性を付与し、上記香辛性材料を薬味として
の利用のみならず、これら材料の本来的に保有する成分
の食品としての利用を開発し、未利用資源の新規用途開
発にもつながることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】本発明の目的は刺激臭があり、硬い繊維質
や独特の苦味、辛味等を多く含む香辛料やハーブ類等の
香辛性材料を発酵処理して上述刺激臭、苦味等を除去す
るとともに、繊維質を軟化し、かつ抗酸化性を付与し、
食味を改善してこれら材料の本来的に保有している成分
の大量摂取を容易にし、上述の公知技術に存する欠点を
改良した香辛性材料からの発酵食品の製造方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、香辛料およびハーブ類からなる香
辛性材料を乳酸菌、麹菌および酵母菌の群から選択され
た一種または複数種の菌株により発酵させることを特徴
とする。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0012】本発明に用いられる香辛性材料は各種香辛
料およびハーブ類を含む。香辛料としては、本わさび、
西洋わさび、からし、にんにく、しょうが、とうがら
し、さんしょう、こしょう等が挙げられる。また、ハー
ブ類としてはオールスパイス、アニス、バジル、クミ
ン、シナモン、カルダモン、フェンネル、メース、マジ
ュラム、ナツメグ、ペパーミント、タラゴン、ペイ、キ
ャラウェイ、クローブ、コリアンダー、ローズマリー、
セージ、タイム、パプリカ、サフラン、スターアニス、
アロエ・ベラ等が挙げられる。
【0013】これら香辛性材料のうち、本わさび、西洋
わさび、からし、にんにく等の材料は後述の発酵処理の
際、菌株の生育を阻害するような成分を生じる酵素を保
有するため、発酵に先だって熱処理を施してこれら酵素
を失活させる必要がある。この熱処理は70℃〜140
℃の温度で、5分以上行なう。加熱方法としては加圧蒸
煮、蒸煮、煮込み、焼成、電磁波加熱、ジュール加熱等
が採用される。
【0014】なお、上述香辛性材料のうち、しょうが、
とうがらし、さんしょう、こしょう、ハーブ類等につい
ては、上述のような菌株の生育を阻害する成分を発生す
る酵素を保有しないため、後述の発酵に先立って熱処理
を施して酵素を失活することを要しない。
【0015】上述の香辛性材料は加熱処理の後、あるい
は加熱処理せずに細かく裁断し、あるいはすりつぶし、
菌株が繁殖しやすく、生育しやすい環境をつくった後、
乳酸菌、麹菌あるいは酵母菌の一種または複数種が接種
されて発酵に供される。
【0016】上述乳酸菌としては、例えば、Lactobacil
lus plantarum, Lactobacilluscasei, Lactobacillus r
hamnosus, Enterococcus faecalis, Leuconostoc sp.,L
actobacillus sake, Streptococcus lactis, Bifidobac
terium adolescntis,Bifidobacterium infantis等が挙
げられ、これらを単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて使用に供される。
【0017】また、麹菌としては、例えば、Aspergillu
s oryzae, Aspergillus saitoi,Aspergillus sojae, As
pergillus awamori等が挙げられ、これらを上述と同
様、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用され
る。
【0018】さらに、酵母菌としては、例えば、Candid
a etchellsii, Candida versatilis, Saccharomyces ce
revisiae, Saccharomyces rouxii等が挙げられ、これら
を上述と同様、単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用される。
【0019】乳酸菌の接種条件は接種量が1/10〜1
/1000、培養温度が10〜37℃、培養時間が1日
〜2週間であることが好ましい。また、接種後、よく攪
拌することが好ましく、これにより、乳酸菌が均一に生
育しやすくなり、大量生育に有効である。
【0020】麹菌の接種条件は任意の接種量のもとに培
養温度が10〜30℃、培養時間が3日〜2週間であ
る。麹菌による発酵は発酵すべき香辛性材料の種類によ
っては長期間にわたって行なう。これにより、香辛性材
料の硬い繊維が軟化し、かつ苦味が取り除かれ、独特の
風味を有する新しい食品素材が得られる。
【0021】酵母菌の接種条件は接種量が1/10〜1
/1000、培養温度が10℃〜30℃、培養時間が1
日〜10日間であることが望ましい。また、香辛性材料
の種類によっては、酵母による発酵を助けるために、グ
ルコース等の炭素源を数%程度添加しておくことも有効
な手段である。さらに、香辛性材料をあらかじめアミラ
ーゼ等の酵素により前処理しておくことも発酵を助ける
手段として好ましい。
【0022】2種類以上の菌を共発酵させる場合、乳酸
菌の発酵は香辛性材料の腐敗を抑える目的で発酵の初期
に行なうことが望ましい。この乳酸菌発酵において、上
記材料に適当量加水することも発酵を良好に進める一つ
の手法である。また、この乳酸菌発酵により、材料のp
H値を3.5〜5.5に調整することで、雑菌の繁殖を抑
え、麹菌、酵母菌の生育を良好とすることができる。た
だし、麹菌はpHが3.5以下では生育が困難になる。
【0023】得られた発酵生成物は水もしくはアルコー
ル溶液で抽出することにより、あるいは抽出物を乾燥、
粉末化することにより、食品あるいは食品素材とする
が、発酵生成物を抽出せずにそのまま食品あるいは食品
素材とすることもでき、さらに乾燥、粉末化して食品あ
るいは食品素材とすることもできる。ここで用いられる
アルコールとしては、メタナール、エタノール、イソブ
タノール、イソアミルアルコール等が挙げられる。
【0024】上述の発酵によって得られた食品あるいは
食品素材は抗酸化性を呈し、解毒代謝作用を有する食品
または食品素材、あるいは抗アレルギー食品または食品
素材として広く利用され、未利用資源の新規用途開発に
よる消費量拡大に期待される。
【0025】さらに、本発明では、上述の香辛性材料に
大豆、米、麦等の穀類、白菜、キャベツ、ブロッコリー
等の野菜類、魚介類、果実類、乳製品等を単独で、ある
いは二種類以上を組み合わせて添加混合して発酵させ、
必要に応じて熟成し、味つけして所望の発酵食品を製造
することもできる。この場合も、乳酸菌は材料の腐敗を
抑えるので、発酵の初期に使用することが望ましく、そ
の後に麹菌や酵母菌を作用させることにより良好な発酵
菌叢が得られる。
【0026】これにより、香辛性材料が発酵されるとと
もに、穀類、野菜類、魚介類、果実類、乳製品の発酵も
同時に進行する。このとき、発酵に用いた材料、菌株か
らプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等の酵素がつ
くられ、これら酵素が上記香辛性材料の酵素分解を促
し、材料を熟成させ、旨みを呈する。
【0027】また、本発明では香辛性材料を発酵の後、
次いでこれに上述と同様の未発酵の穀類、野菜類、魚介
類、果実類、乳製品等を単独で、あるいは二種類以上を
組み合わせて添加混合し、所望の菌株を用いて発酵およ
び/または熟成し、必要に応じて味付けして所望の発酵
食品を製造することもできる。
【0028】さらにまた、本発明では、香辛性材料を発
酵の後、次いで、これに発酵済の穀類、野菜類、魚介
類、果実類、乳製品等を単独で、あるいは二種以上を組
み合わせて添加混合し、発酵および/または熟成し、必
要に応じて味付けして所望の発酵食品を製造することも
できる。
【0029】上述本発明において、発酵が進んだ後、上
澄みが生じる場合にはこれを採取して調味料、あるいは
酒として利用してもよい。本発明における熟成期間は食
材に応じて任意であるが、味付けに塩を用いる場合には
数カ月単位の長い期間の方が塩慣れを進行する上で好ま
しい。
【0030】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳
述に述べるが、本発明はこれら実施例によって制限され
るものではない。
【0031】実施例1 西洋わさび側根を約10〜20mm幅に裁断し、この1
00gを家庭用蒸し器で20分間蒸して加熱処理し、次
いでこれを磨り潰した後、1/100量の乳酸菌を作用
させて37℃の温度で一晩発酵させ、その後、米麹1/
1000量を混合して30℃の温度で6日間発酵処理
し、発酵試料No.1を得た。さらに、比較のために、上述
の発酵を行なわない試料を比較試料とした。これら試料
をそれぞれ5g採取し、一般に行なわれている次のTB
A法に従い、抗酸化性測定を行なった。
【0032】TBA法 (1)まず上記各試料に50%エタノールを試料の2.5
倍量加え、ホモジナイズ後、12,000rpm で10分間
遠心分離し、上澄液を試料とする。液体サンプルについ
ては液体部分を遠心分離して固形分を除去したものを試
料とする。
【0033】(2)上記試料120ulに水840ul
および50mM AAPH(2、2′−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ジハイドロクロライド)120ul
を添加混合し、さらにリノール酸120ulを添加混合
し、よく攪拌して反応液とする。なお、コントロールと
して5%エタノールを使用した。
【0034】(3)この反応液を37℃の温度で24時
間保温する。
【0035】(4)反応停止剤 5mM エチレンジア
ミン四酢酸(ジナトリウム ジハイドロジエン エチレ
ンジアミン テトラアセテート ジハイドレート)、5
0uMBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を150
ul加え、攪拌する。
【0036】(5)反応液96ul、30mM BHT
4ul、2.8%TCA(トリクロロ酢酸)100ul
を加え、さらに1%TBA(チオバルビツール酸)10
0ulを加える。
【0037】(6)100℃で15分間煮沸する
【0038】(7)氷冷後、4℃、5000rpm で5分
間遠心分離する。
【0039】(8)上澄液の吸光度を吸収波長540n
mで測定する。実験結果については、吸光度が高い方が
酸化が進んでいることを意味する。
【0040】抗酸化性測定結果は次のとおりである。 発酵試料 No.1: 0.01 比 較 試 料: 0.09 コントロール : 0.10 (コントロールとして50%エタノールを使用)
【0041】上述測定結果から発酵試料No.1については
脂質の酸化がほとんど見られず(発色が見られない)、
抗酸化性が相当に強いことを示したが、比較試料につい
ては、コントロールと同等の発色を示し、抗酸化性が低
かった。
【0042】次いで、発酵試料No.1を裏ごしして、食品
素材とし、ほんだしと合わせて汁をつくり、これに豆
腐、わかめを加えて味噌汁食品とした。また、発酵試料
No.1を水抽出して粉末化し、小麦粉と混ぜて天ぷら粉と
して利用した。さらに、発酵試料No.1を水抽出したもの
にりんご果汁を加えて飲料とした。
【0043】これら食品はすべて高抗酸化性を呈するも
のであり、これを食べ続けることで成人病の予防、老化
の予防につながるものと考えられる。
【0044】実施例2 西洋わさびを約10〜20mm幅に裁断し、この100
gを家庭用蒸し器で20分間蒸して加熱処理した後、磨
り潰した。これに発酵菌種として乳酸菌を1/100量
接種して37℃の温度で3日間発酵させたものを発酵試
料No.2とし、1/1000量の麹を接種して30℃の温
度で6日間発酵させたものを発酵試料No.3とし、1/1
00量の乳酸菌を接種し、37℃の温度で一晩培養の
後、さらに1/1000量の麹を植えつけ30℃の温度
で6日間発酵させたものを発酵試料No.4とした。
【0045】これら発酵試料No.2、3および4からそれ
ぞれ5gを採取し、これら試料にそれぞれ実施例1と同
様にして50%エタノールを試料の2.5倍量を加えて抽
出し、12,000rpm で10分間遠心分離し、得られた
上澄液について実施例1と同様にしてTBA法により抗
酸化性測定を行なった。
【0046】測定結果は次のとおりである。 発酵試料No.2: 0.054 発酵試料No.3: 0.003 発酵試料No.4: 0.001 コントロール: 0.082(実施例1と同じ)
【0047】上述の測定結果から、乳酸菌のみ、および
麹菌のみでは抗酸化性の増強はやや弱いが、両者を組み
合わせて発酵させることにより、さらに抗酸化性が高ま
ることが明らかである。
【0048】実施例3 〔西洋わさび、味噌風仕込み食品の製造〕香辛性材料と
して西洋わさび1kgおよびとうがらし0.1kgの組み合わ
せを家庭用蒸し器で20分間加熱処理の後、磨り潰して
1/100量の乳酸菌を作用させ、37℃の温度で一晩
発酵させた。次いで、これに米麹1/1000量を混合
し、30℃で6日間発酵を行なった。
【0049】得られた発酵生成物にさらに大豆500
g、米麹500gおよび塩150gを添加、混合し、よ
く練って仕込んだ後、半年間熟成させ、西洋わさび味噌
風仕込み食品を得た。
【0050】得られた食品は西洋わさびの硬い繊維感が
なく、配糖体の苦味も感じない。もちろん、わさび独特
の刺激臭も感じず、良好に食することができた。また、
通常の味噌とは違い、スッキリとした風味をもってい
た。
【0051】実施例4 〔にんにく、味噌風仕込み食品の製造〕香辛性材料とし
てしょうが1kgおよびにんにく0.5kg、こしょう0.1kg
の組み合わせを家庭用蒸し器で20分間加熱処理の後、
磨り潰して実施例3と同様にして発酵処理を行なった。
【0052】さらに、得られた発酵生成物に実施例3と
同様にして大豆500g、米麹500g、塩150gを
仕込み、熟成してにんにく味噌風仕込み食品を得た。
【0053】得られた食品はしょうがの硬い繊維が軟化
し、舌を刺す辛味が減少しており、スッキリとした風味
を持つ食品となった。
【0054】実施例5 〔からし、しょう油風仕込み調味料〕香辛性材料として
からし種子1kgを家庭用蒸し器で20分間加熱処理した
後、磨り潰して実施例3と同様にして発酵処理を行なっ
た。
【0055】得られた発酵生成物に大豆250g、米麹
250g、塩200gを添加し、よく練って仕込んだ
後、半年間熟成させた。さらに、これに水1kgおよび炒
めた小麦250gを加え、からし、しょう油風仕込み調
味料を得た。
【0056】得られた食品はからしの苦味を感じず、か
らし風味のしょう油風調味液となった。
【0057】実施例6 〔沢わさび酒の製造〕香辛性材料として沢わさび350
gを家庭用蒸し器で20分間加熱処理し、これに麹を加
えて糖を作った。さらに、これに2倍量の水を加え、乳
酸菌を1/100量作用させ、一晩発酵した。その後、
酵母菌を1/20量加え、20℃の温度で3日間発酵さ
せ、発酵生成物を濾過し、さわやかな風味を持つ独特の
アルコールができた。辛味、苦味は感じず、良好な風味
であった。
【0058】実施例7 西洋わさび350gに等量の水を加えて磨り潰し、10
0mgのアミラーゼ粉末を加え、60℃で5時間ゆっく
りと攪拌しながら酵素反応を起こした。次に、50mg
のグルクザイムを加えて55℃の温度で攪拌し、10時
間後、乳酸菌を1/1000量接種し、30℃で一晩培
養した。その後、酵母菌を1/50量添加し、30℃で
30時間培養した。得られた発酵生成物を濾過し、西洋
わさびの風味を持つ独特のアルコールができた。辛味、
苦味は感じず、良好な風味であった。
【0059】以上の実施例を総括すると、材料として刺
激臭の強い、苦味や辛味のある、かつ硬い繊維を有する
香辛性材料を用いるにもかかわらず、発酵処理により、
得られた食品はいずれも抗酸化性を呈するのみならず、
刺激臭のない、硬い繊維の軟化された、しかも苦味や辛
味のない、今までに存在しない風味をもったものであっ
た。
【0060】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は刺激臭の強い、
苦味や辛味のある、しかも硬い繊維質を有し、食品とし
て不適な香辛性材料に菌株を接種して発酵することによ
り、これら材料に抗酸化性を付与するのみならず、これ
ら材料に存在する特有の刺激臭、苦味、辛味等を除去す
るとともに、繊維質を軟化し、食味を改善して該材料の
本来的に保有している成分の大量摂取を容易にする発酵
食品を得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 五郎 愛知県春日井市中央台2−2−2 226− 402 (72)発明者 奥西 勲 愛知県名古屋市守山区苗代1丁目12番22号 アメニティー小幡南503 (72)発明者 森 陽子 愛知県海部郡八開村大字江西字宮東27 Fターム(参考) 4B016 LC02 LG05 LG16 LK11 LK12 LK16 LK17 LK18 4B047 LB07 LG43 LG44 LG45 LG46 LG47 LG48 LP19 4B069 DA01 DB04 HA01 HA11 HA18 HA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 香辛料およびハーブ類からなる香辛性材
    料を乳酸菌、麹菌および酵母菌の群から選択された一種
    または複数種の菌株により発酵させることを特徴とする
    発酵食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、香辛性材料に穀類、
    野菜類、魚介類、果実類および乳製品の群から選択され
    た一種または複数種を添加して発酵させ、必要に応じて
    熟成および味付けするようにした請求項1に記載の発酵
    食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、香辛性材料を発酵の
    後、次いで、これに穀類、野菜類、魚介類、果実類およ
    び乳製品の群から選択された一種または複数種を添加し
    て発酵および/または熟成し、必要に応じて味付けする
    ようにした請求項1に記載の発酵食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、香辛性材料を発酵の
    後、次いで、これに発酵済の穀類、野菜類、魚介類、果
    実類および乳製品の群から選択された一種または複数種
    を添加し、発酵および/または熟成し、必要に応じて味
    付けするようにした請求項1に記載の発酵食品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、香辛性材料が熱処理
    した後に発酵に供される請求項1に記載の発酵食品の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、熱処理すべき材料が
    本わさび、西洋わさび、からし、またはにんにくである
    請求項5に記載の発酵食品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1において、香辛性材料が熱処理
    せずに発酵に供される請求項1に記載の発酵食品の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、熱処理を要しない材
    料がしょうが、とうがらし、さんしょう、こしょうまた
    はハーブ類である請求項7に記載の発酵食品の製造方
    法。
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Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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