JP2001227307A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2001227307A
JP2001227307A JP2000036079A JP2000036079A JP2001227307A JP 2001227307 A JP2001227307 A JP 2001227307A JP 2000036079 A JP2000036079 A JP 2000036079A JP 2000036079 A JP2000036079 A JP 2000036079A JP 2001227307 A JP2001227307 A JP 2001227307A
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Takanori Ichinosawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーン部材やハウジング部材等に設計変更を
加えることなく、回動規制手段を設けたことによる回転
アンバランスを無くす。 【解決手段】 ハウジング部材5に一体に結合されるチ
ェーンスプロケット4に複数の貫通孔54を部分的に偏
寄させて形成することで、同スプロケット4の質量分布
を回転軸非対称にする。貫通孔54と回動規制部材9の
回転軸Oに対する配置角を略一致させる。貫通孔54を
設けたことによる慣性モーメントの減少量と回動規制手
段9を設けたことによる慣性モーメントの増加量を略一
致させる。これにより、装置の重心がほぼ回転軸O上に
位置され、回転アンバランスが生じなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
「エンジン」と言うものとする。)の吸気弁や排気弁の
開閉タイミングを運転条件に応じて制御するためのバル
ブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのクランクシャフトと同期回転
するタイミングプーリやチェーンスプロケット等の駆動
力伝達部材と、外周に駆動カムを有するカムシャフトと
の組付角を回動操作することにより、吸気弁や排気弁の
開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング制御装
置が従来より案出されており、この技術は、例えば、特
開平11-132013号公報等に開示されている。
【0003】この公報に記載のバルブタイミング制御装
置は、カムシャフトの端部に一体に取付けたベーン部材
を駆動力伝達部材と一体のハウジング部材の内部に収容
配置すると共に、このハウジング部材の内部に進角油圧
室及び遅角油圧室を設け、この各油圧室に選択的に油圧
を吸排することによってベーン部材をハウジング部材に
対して相対的に回動させ、それにより駆動力伝達部材と
カムシャフトとの回転位相を変化させて吸気弁や排気弁
の開閉タイミングを変更するようになっている。
【0004】このような所謂ベーン式のバルブタイミン
グ制御装置においては、エンジンの回転速度が遅い場合
等の供給油圧が低いときに油圧室内の圧力が吸気弁や排
気弁から受ける反力に負け、ベーン部材がその反力によ
って押し動かされることが知られている。これに対処す
るため上記公報に記載のバルブタイミング制御装置にあ
っては、ベーン部材とハウジング部材に両者の相対位置
を固定する回動規制手段としてのロックピンを設け、こ
のロックピンによって前記ベーン部材の押し戻しを防止
するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロック
ピンによってベーン部材の押し戻しを防止する前記のよ
うなバルブタイミング制御装置においては、ベーン部材
やハウジング部材のロックピン保持部やロックピン嵌合
部の周域が肉盛り等の必要から他の部分に対して異形に
なり、その分質量が部分的に増加する。とりわけ、ロッ
クピンをベーン部材の一部の羽根部に設けるものについ
ては、ロックピンの収容を可能にするために一部の羽根
部の幅を広げざるを得ず、その分大幅な重量増加を来
す。したがって、回転軸に対する重量バランスが崩れ、
円滑な回転が妨げられてしまうという問題がある。特
に、このようなバルブタイミング制御装置では、常にエ
ンジンのクランクシャフトによってハウジング部材やベ
ーン部材が高速回転されるため、重量のアンバランスの
影響が非常に大きい。
【0006】この問題は、バルブタイミング制御装置の
円滑な回転を阻害するだけでなく、バルブタイミング制
御装置を支えるカムシャフトや軸受けにも悪影響を及ぼ
し、エンジンの振動や構成部材の偏摩耗等の原因になる
虞があった。
【0007】現在、この問題の対策としては、ハウジン
グ部材の外周面のうちの、前記の重量増加部分と軸対象
の位置にバランス用の肉盛りを設けることが考えられる
が、この対策の場合、ハウジング部材の外形が大きくな
るうえ全体重量が増加するため、エンジンの小型・軽量
化の観点から好ましくない。
【0008】一方、既に発行されている特開平10−3
0411号公報には、ベーン部材の羽根部との間で進角
油圧室や遅角油圧室を隔成するハウジング部材の仕切壁
に肉抜き部分を設け、これによって装置全体の軽量化と
回転モーメントの減少を図るバルブタイミング制御装置
の技術が示されており、また、特開平10−31792
0号公報や同11−101108号公報には、ハウジン
グ部材の外周面の仕切壁対応部に肉抜き部分を設けるこ
とによって同様に軽量化と回転モーメントの減少を図る
ようにしたものが示されている。
【0009】これらの技術は、軽量化や回転モーメント
の減少を図るうえでは確かに有効ではあるが、実際に
は、ハウジング部材は既に限界まで軽量化され、肉厚も
相当に薄くなっており、充分な肉抜きを設けることは難
しい。つまり、上記のいずれの技術の場合にも、ハウジ
ング部材に設ける肉抜きを大きくしようとすると、仕切
壁のサイズによって制限を受け、この仕切壁のサイズを
大きくしようとすると、ベーン部材の回動範囲を狭くせ
ざるを得ず、これらがネックになって実際に充分な肉抜
きを設けることは至難である。
【0010】ところで、前記のロックピンの追加に伴な
う回転アンバランスの問題を解消する対策として、ハウ
ジング部材に肉抜き部分を設ける前記公報に記載の技術
を利用することも考えられるが、ハウジング部材に肉抜
き設ける場合にはやはり前述同様に仕切壁のサイズの問
題がネックになり、その実現は難しい。
【0011】そこで本発明は、このような問題を解決す
るためになされたものであり、ベーン部材やハウジング
部材等に設計変更を加えることなく、回動規制手段を設
けたことに伴なう回転アンバランスを無くすことができ
る内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供しようと
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランクシャ
フトによって駆動される駆動力伝達部材と、外周に機関
弁を作動させるための駆動カムを有する一方で前記駆動
力伝達部材が必要に応じて相対回転できるように組み付
けられ、前記駆動力伝達部材から動力を伝達されて従動
回転するカムシャフトと、前記駆動力伝達部材と前記カ
ムシャフトのいずれか一方と一体化されて回転するハウ
ジング部材と、前記ハウジング部材内に収容され、前記
駆動力伝達部材と前記カムシャフトの他方と一体化され
て回転するベーン部材と、前記ハウジング部材内に設け
られ、油圧によって前記ベーン部材を回動させる進角油
圧室及び遅角油圧室と、前記進角油圧室及び遅角油圧室
に連通し、これらの油圧室に選択的に油圧を吸排する油
圧吸排手段と、前記ベーン部材とハウジング部材の間に
設けられ、内燃機関の運転状態に応じて前記ベーン部材
とハウジング部材との相対回動を規制する回動規制手段
と、を備える内燃機関のバルブタイミング制御装置にお
いて、前記駆動力伝達部材の質量分布が回転軸非対称に
なるように前記駆動力伝達部材に軽量部を設け、該軽量
部と前記回動規制手段の回転軸に対する配置角を略一致
させるようにした。
【0013】この発明の場合、回動規制手段を設けたこ
とに伴なう回転軸回りの部分的な重量増加は、駆動力伝
達部材の軽量部による部分的な重量減少によって相殺さ
れる。したがって、装置の重心を回転軸に近づけること
が可能になる。
【0014】請求項2に記載の発明は、前記軽量部を設
けたことによる前記駆動力伝達部材の慣性モーメントの
減少量と、前記回動規制手段を設けたことによる慣性モ
ーメントの増加量とを略一致させるようにした。
【0015】この発明の場合、回動規制手段を設けたこ
とによる慣性モーメントの増加分が、軽量部を設けたこ
とによる駆動力伝達部材の慣性モーメントの減少分によ
って相殺される。したがって、装置の重心はほぼ回転軸
上に位置されることとなる。
【0016】請求項3に記載の発明は、前記軽量部を、
前記駆動力伝達部材の回転軸に垂直な平面に設けられた
貫通孔によって構成するようにした。この発明によれ
ば、軽量部を駆動力伝達部材に簡単な孔あけ加工によっ
て形成することが可能になる。
【0017】請求項4に記載の発明は、前記軽量部を、
前記駆動力伝達部材の回転軸に垂直な平面に設けられ、
同平面の一般部よりも薄肉に形成された薄肉部によって
構成するようにした。この発明の場合、軽量部が駆動力
伝達部材の壁を完全に貫通する構造でないことから、駆
動力伝達部材の剛性低下が生じにくくなる。
【0018】請求項5に記載の発明は、前記貫通孔若し
くは薄肉部を、ほぼ同一形状に複数個設けるようにし
た。この発明の場合、貫通孔や薄肉部を一つ大きく形成
するのに比較して形成が容易になるうえ、貫通孔や薄肉
部の形成位置や個数を変更することで容易に回転バラン
スの調整を行うことが可能になる。
【0019】請求項6に記載の発明は、前記駆動力伝達
部材を、前記ハウジング部材とベーン部材のうちの前記
回動規制手段の付加に伴なって重量増加する部材に対し
て比重の大きい部材で形成するようにした。
【0020】この発明の場合、駆動力伝達部材の比重が
大きいことから、同じ容積だけ肉抜き加工した場合であ
っても大きく質量を減少させることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0022】図1〜図5は本発明の一実施形態を示すも
のであり、図2において、1は、エンジンのカムシャフ
トである。このカムシャフト1は、図外のシリンダヘッ
ドに軸受を介して回転自在に支持されると共に、その基
幹部外周に、機関弁としての吸気弁を開閉するための図
外の駆動カムが設けられている。本発明にかかるバルブ
タイミング制御装置2はこのカムシャフト1の一端側に
設けられている。
【0023】バルブタイミング制御装置1は、図2及び
図3に示すように、タイミングチェーン3を介してクラ
ンクシャフト(図示せず。)によって回転駆動される駆
動力伝達部材としてのチェーンスプロケット4と、この
チェーンスプロケット4の前端部に一体に結合されたハ
ウジング部材5と、一端部に前記チェーンスプロケット
4とハウジング部材5が必要に応じて回動できるように
組み付けられた前記カムシャフト1と、このカムシャフ
ト1の一端にスリーブ6と共に一体に組み付けられ前記
ハウジング部材5の内部に回動自在に収容されたベーン
部材7と、このベーン部材7をエンジンの運転状態に応
じて油圧によって正逆回転させる油圧吸排手段8と、前
記カムシャフト1に作用する正の回転変動トルクに伴な
うベーン部材7の戻りを運転状態に応じて規制する回動
規制手段9とを備えている。
【0024】前記ハウジング部材5は、略円筒状のハウ
ジング本体10と、このハウジング本体10の前後の端
面にボルト11によって結合されたフロントカバー12
及びリアカバー13を備えており、ハウジング本体10
の内周面には、図3に示すように、90°間隔で断面台
形状の仕切壁14が4つ突設されている。尚、図2中1
5a,15bは、チェーンスプロケット4、リアカバー
13、ハウジング本体10の三者間と、ハウジング本体
10とフロントカバー12の間を夫々位置決めする位置
決めピンである。
【0025】一方、前記ベーン部材7は、カムシャフト
1にスリーブ6と共にボルト(図示せず。)結合される
略円柱状の胴部16と、この胴部16の外周面に90°
間隔で放射状に突設された4つの羽根部17…を備えて
おり、胴部16はハウジング部材10の軸心位置に配置
され、各羽根部17はハウジング部材5の隣接する仕切
壁14,14間に配置されている。そして、ベーン部材
7の各羽根部17の一方側の側面とそれに対峙する仕切
壁14の間は進角油圧室18とされ、各羽根部17の他
方側の側面とそれに対峙する仕切壁14の間は遅角油圧
室19とされている。したがって、この装置においては
進角油圧室18と遅角油圧室19の対が計4組設けられ
ている。尚、各羽根部17と仕切壁14の先端部には、
ばね付勢されたシール部材20が夫々装着され、隣接す
る油圧室18,19間の液密が図られている。
【0026】また、ベーン部材7の胴部16の前面側に
は円形状の凹部21が設けられており、前記各進角油圧
室18に連通する第1径方向孔22の端部と、各遅角油
圧室19に連通する第2径方向孔23の端部がこの凹部
21の内周面に夫々開口している。第1径方向孔22と
第2径方向孔23の各端部は、凹部21内の軸方向にオ
フセットした位置に開口している。
【0027】そして、前記ベーン部材7の凹部21に
は、エンジンの図外のフロントカバーに延設された円柱
状の軸部材24が相対回動可能に嵌合されており、後に
詳述するが、この軸部材24を通して進角油圧室18と
遅角油圧室19に対する作動油の吸排が行われるように
なっている。
【0028】前記油圧吸排手段8は、図2に示すように
進角油圧室18に対して油圧を吸排する第1油圧通路2
5と、遅角油圧室19に対して油圧を吸排する第2油圧
通路26の2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路2
5,26には、供給通路27とドレン通路28が夫々通
路切換用の電磁切換弁29を介して接続されている。前
記供給通路27には、オイルパン30内の油を圧送する
オイルポンプ31が設けられており、ドレン通路28の
端部は前記オイルパン30内に連通している。また、電
磁切換弁29はコントローラ32によって制御される
が、このコントローラ32には、エンジンの運転状態を
示す各種信号が入力されるようになっている。
【0029】図3,図4中の33は、ハウジング部材5
の外周面に軸方向に沿って複数形成されたクランク角判
定用のフェーズ溝であり、このフェーズ溝33は、ハウ
ジング部材5の外周上に一定角度ピッチ毎に配列数を変
えて配置され、一定クランク角毎に発生パルスが変化す
るようになっている。そして、ハウジング部材5に近接
した位置には、磁気検出素子等の図外のパルス検出装置
が配置されており、この検出装置によって発生パルスを
検出することによりクランク角を検出できるようになっ
ている。この検出信号は前記のコントローラ32に入力
される。
【0030】第1油圧通路25は、エンジンのフロント
カバー12から前記軸部材24の軸心方向に沿って形成
された第1の軸孔34と、この第1の軸孔34に交差す
るように軸部材24の先端部近傍に形成された第1の径
方向孔35と、第1の径方向孔35に連通するように軸
部材24の外周面に形成された第1の環状溝36と、こ
の第1の環状溝36と各進角油圧室18を連通するベー
ン部材7の前記第1径方向孔22と、によって構成され
ている。そして、第2油圧通路26は、同様に軸部材2
4の軸心方向に沿って形成された第2の軸孔37と、こ
の軸孔37に交差する第2の径方向孔38と、軸部材2
4の外周面に形成されて第2の径方向孔38に連通する
第2の環状溝39と、この第2の環状溝39と各遅角油
圧室19を連通するベーン部材7の第2径方向孔23
と、によって構成されている。尚、この実施形態の場
合、第2の軸孔37の先端部はベーン部材7の凹部21
内に向かって開口しているが、この先端部は開口させず
閉塞するようにしても良い。
【0031】したがって、ハウジング部材5の内部の進
角油圧室18と遅角油圧室19には、軸部材24からベ
ーン部材7にかけて形成された第1油圧通路25と第2
油圧通路26を通して作動油が選択的に吸排される。
【0032】また、回動規制手段9は、エンジン始動時
等のベーン部材7が遅角側に回動制御されるときにハウ
ジング部材5とベーン部材7の相対的な回動を機械的に
ロックするものであり、ベーン部材7に放射方向に沿っ
て進退自在に収容支持されたロックピン40と、このロ
ックピン40を突出方向(径方向外側)に付勢するばね
部材41と、ハウジング部材5の内周面に形成され、ベ
ーン部材7がハウジング部材5に対して遅角方向に最大
に変位した位置でロックピン40の先端が嵌合される嵌
合穴42とを備えている。
【0033】ロックピン40は、ベーン部材7の4つ羽
根部17…のうちの一つに収容配置されている。より詳
しくは、図3に示すように、ベーン部材7の一つの羽根
部17は進角油圧室18側に向かって段差状に膨出して
おり、この膨出部43の外面に放射方向に沿ってシリン
ダ穴44が形成され、そのシリンダ穴44にカラー45
を介してロックピン40が摺動自在に収容されている。
カラー45はベーン部材7よりも硬い材質の材料によっ
て形成され、シリンダ穴44の開口部側に偏寄するよう
に圧入固定されている。尚、ハウジング部材5には、ベ
ーン部材7が遅角方向(進角油圧室18方向)に最大に
変位したときにベーン部材7の膨出部43に対して設定
微小隙間dをもって対峙するように膨出部43に対応し
た段差部46が設けられている。
【0034】そして、ロックピン40は、全体がほぼ有
底円筒状に形成されており、シリンダ穴44に収容され
る基端部の外周には、前記カラー45の端面に当接可能
なストッパフランジ47が延設されている。このストッ
パフランジ47はカラー45の端面に当接することによ
ってロックピン40の突出方向の変位を規制し、それに
よってベーン部材7から同ピン40が抜脱するのを防止
すると共に、ベーン部材7が進角側に回動したときにロ
ックピン40の先端がハウジング部材5の内周面に接触
するのを防止する。
【0035】また、ロックピン40は先端部を残し中空
に形成されているが、この中空部48には同ピン40を
突出方向に付勢する前記ばね部材41が配置されてい
る。そして、シリンダ穴44から突出するロックピン4
0の先端部は裁頭円錐状に形成されており、その先端面
には後述する油圧を受けるための窪み49が形成されて
いる。ロックピン40は前記の中空部48と窪み49に
よって軽量化も図られている。尚、ベーン部材7の胴部
16には、図2に示すようにシリンダ穴44の底部と装
置外部を連通する通気孔50が形成され、シリンダ穴4
4の底部が大気圧に維持されるようになっている。
【0036】一方、ロックピン40の先端の嵌合される
嵌合穴42はハウジング部材5(ハウジング本体10)
に直接形成されているのではなく、硬質材料からなる別
体のプラグ51に形成されている。このプラグ51はハ
ウジング部材5の前記段差部46に径方向に沿うように
嵌着固定されている。そして、プラグ51の嵌合穴42
はロックピン40の先端部が嵌合できるように先開きの
カップ状に形成されており、この嵌合穴42には段差部
46と膨出部43の隙間dと嵌合穴42の底部とを連通
する油圧導入溝52が形成されている。したがって、嵌
合穴42の底部はこの油圧導入溝52と隙間dを通して
常時進角油圧室18と導通している。
【0037】また、ハウジング部材5の段差部46は、
ベーン部材7の羽根部17の変位する一般部の内周面か
ら軸心方向に向かって立ち上がっているが、その立ち上
がり壁は前記嵌合穴42の配設位置に向かって緩やかな
テーパ面53となっている。したがって、ベーン部材7
が進角側(遅角油圧室19側)から遅角側(進角油圧室
18側)に向かって変位する場合であっても、ロックピ
ン40は前記テーパ面53にガイドされてスムーズに後
退方向に押し縮められ、嵌合穴42の穴縁を乗り越えて
最終的に嵌合穴42に嵌合される。
【0038】ここで、このバルブタイミング制御装置は
上述のようにベーン部材7とハウジング部材5の間に回
動規制手段9を設けたことから、ベーン部材7の膨出部
43とハウジング部材5の段差部46の分だけ部分的に
質量が増加し、その結果、ベーン部材7とハウジング部
材5の回転軸O回りの質量分布は均一ではなく回動規制
手段9の設置側に大きく偏寄している。
【0039】このバルブタイミング制御装置2において
は、このベーン部材7とハウジング部材5の質量分布の
不均一を相殺するため、ハウジング部材5の後端面に結
合されるチェーンスプロケット4に貫通孔54を形成
し、それによってチェーンスプロケット4に部分的に軽
量部を設けるようにしている。
【0040】この実施形態の場合、貫通孔54は、図1
に示すように略長方形状のものがチェーンスプロケット
4の円周方向に沿って三つ設けられており、その配置は
同図中の右斜め上側に偏っている。この貫通孔54は、
図5に示すように一様厚みのチェーンスプロケット4を
軸方向に貫通するように(回転軸Oに垂直な平面を貫通
するように)形成されているため、チェーンスプロケッ
ト4の重心位置は回転軸Oに対して図1中の左斜め下側
に偏っている。即ち、チェーンスプロケット4は貫通孔
54が設けられた分だけチェーンスプロケット4の右斜
め上側が軽くなっている。
【0041】前記貫通孔54は、チェーンスプロケット
4を図4に示すようにハウジング部材5に結合したとき
に、前記回動規制手段9を設けたことによるベーン部材
7とハウジング部材5の回転軸O回りの質量分布の不均
一を相殺するように設けられている。詳しくは、三つの
貫通孔54,54,54のうちの中央のものが回動規制
手段9の配設位置にほぼ対応する位置にくるようにチェ
ーンスプロケット4をハウジング部材5に取り付け、ベ
ーン部材7に膨出部43を設けたことによる質量増加分
とハウジング部材5に段差部46を設けたことによる質
量増加分を貫通孔54の質量減少分で相殺している。
【0042】また、この実施形態においては、回転軸O
から貫通孔54までの距離も正確に設定し、ベーン部材
7とハウジング部材5に膨出部43と段差部46を設け
たことによる慣性モーメントの増加分を、チェーンスプ
ロケット4に貫通孔54を設けたことによる慣性モーメ
ントの減少分でほぼ完全に相殺するようになっている。
【0043】さらに説明すると、回転軸Oから貫通孔5
4までの距離は、その距離を広げるほど、つまりチェー
ンスプロケット4の外周側に貫通孔54を近づけるほど
その影響力は大きくなる。したがって、貫通孔54によ
る減少質量をma、回転軸Oから貫通孔54の中心まで
の距離をlaとしたときのma×la2なる慣性モーメ
ントの減少量と、ベーン部材7の膨出部43とハウジン
グ部材5の段差部46による慣性モーメントの増加量と
を合致させることにより、バルブタイミング制御装置2
の重心と回転軸Oとをほぼ一致させることができる。
【0044】また、この実施形態の場合、ハウジング部
材5とベーン部材7はアルミニウム合金によって形成さ
れ、チェーンスプロケット4はアルミニウム合金よりも
比重の重い鉄系の材料によって形成されている。したが
って、比重の大きいチェーンスプロケット4に形成した
貫通孔54が装置全体に与える効果が非常に大きくな
り、貫通孔54の開口面積や設置数を最小にしてチェー
ンスプロケット4の強度低下を最小限に抑えることが可
能になっている。
【0045】また、上述したように、この実施形態の場
合、ハウジング部材5(ハウジング本体10)の外周面
にフェーズ溝33が形成されているが、このフェーズ溝
33の配置数は、回動規制手段9の配設位置に対応する
部分が最大になるように設定されている。つまり、この
実施形態においては、図3及び図4に示すように約90
°の間隔でハウジング部材5の外周面のフェーズ溝33
の配列数を1,2,4,2と変化させているが、配列数
が4つになる部分がほぼ回動規制手段9の配設位置にく
るように設定されている。したがって、ハウジング部材
5は回動規制手段に対応する部分がこのフェーズ溝33
によっても部分的に軽量化されている。
【0046】つづいて、この実施形態の作用について説
明する。
【0047】かかる構造において、エンジン始動時でオ
イルポンプ31から作動油が充分に供給されないとき
や、電磁切換弁29の操作によって遅角油圧室19に高
圧の作動油が供給されたときには、ベーン部材7がハウ
ジング部材5に対して図3に示す最遅角位置にあり、回
動規制手段9のロックピン40はこのときばね部材41
の付勢力と遠心力を受けその先端部が嵌合穴42に嵌合
し、ベーン部材7とハウジング部材5を機械的に連結し
ている。このため、図外のクランクシャフトからタイミ
ングチェーン3を介してチェーンスプロケット4に入力
された回転駆動力は、最遅角状態で機械的に連結された
ハウジング部材5とベーン部材7を介してカムシャフト
1に伝達され、図外の駆動カムを介して吸気弁を遅角タ
イミングで開閉する。尚、このときベーン部材7の膨出
部43の側面はこれに対峙する仕切壁14の側面に当接
せずに僅かに離間した状態に維持されている。
【0048】そして、ベーン部材7がこのように最遅角
側に回動変位しているときには、上述のようにロックピ
ン40が嵌合穴42に嵌合してハウジング部材5とベー
ン部材7を機械的に結合するため、吸気弁からカムシャ
フト1に正または負の変動トルクが入力されてもベーン
部材7はハウジング部材5に対して相対回動することが
なく、したがって、ベーン部材7の膨出部43や羽根部
17が仕切壁14に衝突して打音等を発生する不具合は
生じない。
【0049】また、この状態からコントローラ32によ
る電磁切換弁29の制御によって進角油圧室18が供給
通路27に連通し、遅角油圧室19がドレン通路28に
連通するようになると、進角油圧室18には高圧の作動
油が導入され、このときロックピン40の先端側(嵌合
穴42の底部)にも膨出部43と段差部46の隙間dと
油圧導入溝52を介してその高圧の作動油が導入され
る。これにより、ロックピン40は作動油の圧力を受け
て後退方向の押圧力を受けることとなり、この押圧力が
ロックピン40に作用する遠心力とばね部材41の付勢
力に抗してロックピン40をベーン部材7のシリンダ穴
44内に押し込めるようになる。これによってロックピ
ン40の先端部がハウジング部材5側の嵌合穴42から
完全に離脱し、ロックピン40によるハウジング部材5
とベーン部材7の機械的な回動規制は解除されるように
なる。
【0050】一方、ベーン部材7の各羽根部17は進角
油圧室18と遅角油圧室19の差圧を受け、ベーン部材
7全体はハウジング部材5に対して進角方向(遅角油圧
室19方向)に回動し、最進角位置で停止する。これに
より、チェーンスプロケット4とカムシャフト1が相対
回動し、チェーンスプロケット4に対するカムシャフト
1の回転位相が進角側に制御される。
【0051】こうして、チェーンスプロケット4に対す
るカムシャフト1の回転位相が進角側に制御されている
間、進角油圧室18にはオイルポンプ31の高圧が作用
しつづけるため、ロックピン40はこの圧力によってシ
リンダ穴44内に後退した状態に維持される。
【0052】つづいて、この状態からコントローラ32
による電磁切換弁29の制御によって遅角油圧室19が
供給通路27に、進角油圧室18がドレン通路28に夫
々連通するようになると、遅角油圧室19に高圧の作動
油が導入されると共に進角油圧室18の作動油がオイル
パン30内に排出される。
【0053】これにより、ベーン部材7の各羽根部17
には遅角油圧室19と進角油圧室18の差圧が作用し、
ベーン部材7全体はこの差圧を受けてハウジング部材5
に対して遅角方向(進角油圧室18方向)に回動するよ
うになる。このとき、ロックピン40の先端部の臨む進
角油圧室18は大気圧とされるためにロックピン40は
遠心力とばね部材41の付勢力を受けて突出するように
なるが、ロックピン40の突出高さはストッパフランジ
47とカラー45の当接によって規制されるため、ベー
ン部材7はロックピン40がテーパ面53の位置に達す
るまでは同ピン40の先端部をハウジング部材5に対し
非接触に維持して回動する。
【0054】そして、ハウジング部材5に対するベーン
部材7の回動が進み、ロックピン40の先端部がテーパ
面53に接すると、ロックピン40はそのテーパ面53
に徐々にガイドされて段差部46に乗り上げ、嵌合穴4
2の穴縁を乗り越えて同穴42に嵌合される。この結
果、ベーン部材7は最遅角位置で再度ハウジング部材5
に機械的に連結され、チェーンスプロケット4に対する
カムシャフト1の回転位相は遅角側に制御されることと
なる。
【0055】また、以上では最遅角と最進角の状態のバ
ルブタイミング制御について説明したが、ベーン部材7
が最遅角位置と最進角位置の間の任意の位置にあるとき
に電磁切換弁で第1油圧通路25と第2油圧通路26を
共に閉塞するようにすれば、吸気弁をベーン部材7の回
動位置に応じた任意のバルブタイミングで開閉すること
ができる。尚、このときに、進角油圧室18は密閉状態
に維持されているためにロックピン40の先端部には油
圧が作用し、ロックピン40によるベーン部材7とハウ
ジング部材5の係合は解除されている。
【0056】以上のように、このバルブタイミング制御
装置2はエンジンのクランクシャフトによって高速回転
され、大抵の場合その高速回転中にバルブタイミングの
制御を行うため、装置2の重心が回転軸Oに対して偏心
していることは好ましくない。しかし、この実施形態の
バルブタイミング制御装置2は、チェーンスプロケット
4の回転軸Oと垂直な平面に複数の貫通孔54を円周方
向の一部に編寄させて設けることによって同スプロケッ
ト4の質量分布を回転軸非対称にし、さらにこの貫通孔
54の配置角度と回動規制手段9の配置角度を略一致さ
せ、かつ、貫通孔54によるスプロケット4の慣性モー
メントの減少量が、ベーン部材7とハウジング部材5に
膨出部43と段差部46を設けたことによる慣性モーメ
ントの増加量と一致するように設定してあるため、装置
2の重心がほぼ回転軸O上に位置され、回転アンバラン
スはほとんど生じることがない。
【0057】したがって、この装置2においてはベーン
部材7やハウジング部材5に何ら手を加えなくても回転
バランスを適正に保つことができる。ただし、この実施
形態においては、ハウジング部材7の外周上のフェーズ
溝33の配置数が最大になる部分がほぼ回動規制手段9
の配設位置にくるように設定してあるため、フェーズ溝
33も回転バランスの調整に寄与している。この実施形
態のようにフェーズ溝33の配置を工夫するようにすれ
ば、チェーンスプロケット4に対する部分的な肉抜き量
(加工量)を少なくし、同スプロケット4の剛性低下を
より少なくすることができる。
【0058】尚、本発明の実施形態は以上で説明したも
のに限るものではなく、チェーンスプロケット4等の駆
動力伝達部材に軽量部を設ける手段として貫通孔54を
形成するのに代えて図6に示すようにスプロケット4等
の表裏両面、若しくは、片側面に薄肉部55を設けるよ
うにしても良い。このように薄肉部55を設けることで
軽量部を構成するようにした場合には、貫通孔54を設
ける場合に比較してチェースプロケット4等の駆動伝達
部材の剛性低下を少なくし、変形の少ない構造とするこ
とができるという利点がある。ただし、上述実施形態の
ように貫通孔54によって軽量部を構成する場合には、
加工が容易である分製造コストの低減を図ることができ
るという利点がある。
【0059】また、上述した実施形態ではチェーンスプ
ロケット4に略長方形状の貫通孔54を円周方向の一部
に編寄させて複数形成したが、貫通孔154は図7に示
すようにチェーンスプロケット4上に一つだけ形成する
ようにしても良い。この場合には、貫通孔154の数を
少なくすることができる分、製造が容易になるという利
点がある。
【0060】さらに、図8に示すようにチェーンスプロ
ケット4に形成する貫通孔254を略長方形状ではなく
円形状に形成するようにしても良い。上述した実施形態
のものについても言えることであるが、貫通孔254
(54)を一つでなく同形状のものを複数形成するよう
にした場合には、形成する貫通孔254(54)の数や
配置を変更することによって微妙なバランス調整や設計
変更に容易に対応することができるという有利な効果が
得られる。特に,図8に示したもののように複数形成す
る貫通孔254を円形にする場合には、チェーンスプロ
ケット4にボルト結合用の挿通孔56を穿設する際に、
同時に貫通孔254をボール盤等によって容易に形成す
ることができるという利点がある。したがって、既存の
チェーンスプロケット4に簡単な孔あけ加工を施すだけ
で本願の装置を得ることができる。
【0061】また、以上ではチェーンスプロケット4に
貫通孔54や薄肉部55を設けることによって軽量部を
構成する例について説明したが、チェーンスプロケット
4に比重の小さい材料を部分的に設けることによって軽
量部を構成するようにしても良い。そして、チェーンス
プロケット4等の駆動力伝達部材に部分的に軽量部を設
けることに加え、ハウジング部材5の内部のレイアウト
を変更することによって装置の回転バランスをとるよう
にしても良いのは勿論である。
【0062】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、
回動規制手段を設けたことに伴なう回転軸回りの部分的
な重量増加を、駆動力伝達部材の軽量部による部分的な
重量減少によって相殺し、ベーン部材やハウジング部材
等に何ら設計変更を加えることなく、装置の重心を回転
軸に近づけることができるため、装置の大型化や重量増
加等の不具合を招くことなく回転軸に対する重量バラン
スを良好にし、装置作動の安定性を高め、かつ、振動騒
音の発生や軸受等の構成部品の早期摩耗を未然に防止す
ることができる。さらに、本発明においては、既に限界
近くまで軽量化されたハウジング部材に肉抜き加工する
必要がないため、ハウジング部材の必要強度を保つこと
ができる。
【0063】請求項2に記載の発明は、回動規制手段を
設けたことによる慣性モーメントの増加分を、軽量部を
設けたことによる駆動力伝達部材の慣性モーメントの減
少分によって相殺することができるため、回動規制手段
を設けたことによる回転アンバランスをほぼ完全に無く
すことができる。
【0064】請求項3に記載の発明は、軽量部を、駆動
力伝達部材の回転軸に垂直な平面に設けられた貫通孔に
よって構成するようにしたため、軽量部を駆動力伝達部
材に簡単な孔あけ加工によって形成することができ、低
コストでの製造が可能になるという利点がある。
【0065】請求項4に記載の発明は、軽量部を、駆動
力伝達部材の回転軸に垂直な平面に設けられ、同平面の
一般部よりも薄肉に形成された薄肉部によって構成する
ようにしたため、駆動力伝達部材の剛性低下を招くこと
なく装置の回転アンバランスを無くすことができる。
【0066】請求項5に記載の発明は、貫通孔若しくは
薄肉部を、ほぼ同一形状に複数個設けるようにしたた
め、加工が容易になり低コストでの製造が可能になると
共に、貫通孔や薄肉部の形成位置や個数の変更によって
容易に回転バランスの調整や設計変更に対応することが
できる。
【0067】請求項6に記載の発明は、駆動力伝達部材
を、ハウジング部材とベーン部材のうちの回動規制手段
の付加に伴なって重量増加する部材に対して比重の大き
い部材で形成するようにしたため、駆動力伝達部材に対
する僅かな肉抜き加工によって確実に回転バランスを調
整することができる。また、駆動力伝達部材はチェーン
やベルトによって駆動され、高強度を要求されるが、駆
動力伝達部材を鉄等の比重が大きく高強度の材料によっ
て形成し、ハウジング部材やベーン部材をアルミ等の比
重の小さい材料によって形成することで、駆動力伝達部
材の充分な強度確保と装置全体の軽量化の両立をも同時
に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すチェーンスプロケッ
トの図2のA矢視に対応の正面図。
【図2】同実施形態を示す図3のC−C線に沿う断面
図。
【図3】同実施形態を示す図2のB−B線に沿う断面
図。
【図4】同実施形態を示す要部の斜視図。
【図5】同実施形態を示す図1のD−D線に沿う断面
図。
【図6】本発明の他の実施形態を示す図1のD−D線に
沿う断面に対応の断面図。
【図7】本発明のさらに他の実施形態を示すチェーンス
プロケットの図2のA矢視に対応の正面図。
【図8】本発明のさらに別の実施形態を示すチェーンス
プロケットの図2のA矢視に対応の正面図。
【符号の説明】
1…カムシャフト 2…バルブタイミング制御装置 4…チェーンスプロケット(駆動力伝達部材) 5…ハウジング部材 7…ベーン部材 8…油圧吸排手段 9…回動規制手段 18…進角油圧室 19…遅角油圧室 54…貫通穴(軽量部) 55…薄肉部(軽量部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフトによって駆
    動される駆動力伝達部材と、 外周に機関弁を作動させるための駆動カムを有する一方
    で前記駆動力伝達部材が必要に応じて相対回転できるよ
    うに組み付けられ、前記駆動力伝達部材から動力を伝達
    されて従動回転するカムシャフトと、 前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトのいずれか一方
    と一体化されて回転するハウジング部材と、 前記ハウジング部材内に収容され、前記駆動力伝達部材
    と前記カムシャフトの他方と一体化されて回転するベー
    ン部材と、 前記ハウジング部材内に設けられ、油圧によって前記ベ
    ーン部材を回動させる進角油圧室及び遅角油圧室と、 前記進角油圧室及び遅角油圧室に連通し、これらの油圧
    室に選択的に油圧を吸排する油圧吸排手段と、 前記ベーン部材とハウジング部材の間に設けられ、内燃
    機関の運転状態に応じて前記ベーン部材とハウジング部
    材との相対回動を規制する回動規制手段と、を備える内
    燃機関のバルブタイミング制御装置において、 前記駆動力伝達部材の質量分布が回転軸非対称になるよ
    うに前記駆動力伝達部材に軽量部を設け、該軽量部と前
    記回動規制手段の回転軸に対する配置角を略一致させた
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記軽量部を設けたことによる前記駆動
    力伝達部材の慣性モーメントの減少量と、前記回動規制
    手段を設けたことによる慣性モーメントの増加量とを略
    一致させたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関
    のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記軽量部を、前記駆動力伝達部材の回
    転軸に垂直な平面に設けられた貫通孔によって構成した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の
    バルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記軽量部を、前記駆動力伝達部材の回
    転軸に垂直な平面に設けられ、同平面の一般部よりも薄
    肉に形成された薄肉部によって構成したことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミン
    グ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記貫通孔若しくは薄肉部を、ほぼ同一
    形状に複数個設けたことを特徴とする請求項3又は4に
    記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動力伝達部材を、前記ハウジング
    部材とベーン部材のうちの前記回動規制手段の付加に伴
    なって重量増加する部材に対して比重の大きい部材で形
    成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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