JP2001222803A - 磁気変換素子および薄膜磁気ヘッド - Google Patents

磁気変換素子および薄膜磁気ヘッド

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JP2001222803A
JP2001222803A JP2000032674A JP2000032674A JP2001222803A JP 2001222803 A JP2001222803 A JP 2001222803A JP 2000032674 A JP2000032674 A JP 2000032674A JP 2000032674 A JP2000032674 A JP 2000032674A JP 2001222803 A JP2001222803 A JP 2001222803A
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Satoru Araki
悟 荒木
Yoshihiro Tsuchiya
芳弘 土屋
Masashi Sano
正志 佐野
Takumi Uesugi
卓己 上杉
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗変化率および抵抗変化量が大きく、かつ
特性の安定性の良好な磁気変換素子および薄膜磁気ヘッ
ドを提供する。 【解決手段】 MR素子の積層体20は、下地層21の
上に反強磁性層22,強磁性層23,第1非磁性層2
4,第1軟磁性層25,第2軟磁性層26,第2非磁性
層27,高抵抗層28を順次積層することにより構成さ
れる。強磁性層23の磁化の向きは反強磁性層22との
交換結合により固定され、第1軟磁性層24および第2
軟磁性層25の磁化の向きは外部磁場により変化し、そ
の相対角度に応じて積層体20の電気抵抗が変化する。
高抵抗層28は、第2非磁性層27よりも大きな電気抵
抗を有している。第2軟磁性層26の第1非磁性層と反
対の側に第2非磁性層27および高抵抗層28を設ける
ことにより、抵抗変化率および抵抗変化量を大きくで
き、さらに特性の安定性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気変換素子およ
びそれを用いた薄膜磁気ヘッドに関するものであり、よ
り詳細には、より大きな抵抗変化率および抵抗変化量を
得ることができ、特性の安定性も高い磁気変換素子およ
びそれを用いた薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスクなどの面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、磁気変換素子の一つ
である磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresisti
ve)素子と記す。)を有する再生ヘッドと、誘導型磁気
変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型
薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】MR素子としては、異方性磁気抵抗効果
(AMR(Anisotropic Magnetoresistive)効果)を示
す磁性膜(AMR膜)を用いたAMR素子と、巨大磁気
抵抗効果(GMR(Giant Magnetoresistive)効果)を
示す磁性膜(GMR膜)を用いたGMR素子などがあ
る。
【0004】AMR素子を用いた再生ヘッドはAMRヘ
ッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGMR
ヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1G
bit/inch2 超える再生ヘッドとして利用され、
GMRヘッドは、面記録密度が3Gbit/inch2
を超える再生ヘッドとして利用されている。
【0005】ところで、GMR膜としては、「多層型
(アンチフェロ型)」、「誘導フェリ型」、「グラニュ
ラ型」、「スピンバルブ型」等が提案されている。これ
らの中で、比較的構成が単純で、弱い磁場でも大きな抵
抗変化を示し、量産に好ましいと考えられるGMR膜
は、スピンバルブ型である。
【0006】図20は、一般のスピンバルブ型GMR膜
(以下、スピンバルブ膜と記す)の構成を表すものであ
る。図中符号Sで示した面は磁気記録媒体と対向する面
に対応する。このスピンバルブ膜は、下地層801の上
に、軟磁性層802、非磁性層803、強磁性層80
4、反強磁性層805および保護層806をこの順に積
層して構成したものである。このスピンバルブ膜では、
強磁性層804の磁化Mpの向きが反強磁性層805と
の交換結合により固定され、軟磁性層802の磁化Mf
の向きが外部磁場によって自由に変化し、その相対角度
に応じて抵抗が変化するようになっている。
【0007】近年、20Gbit/inch2 を越える
超高密度磁気記録を可能にするため、スピンバルブ膜の
電気抵抗の変化率(以下、抵抗変化率とする。)をより
大きくすることが望まれている。また、薄膜磁気ヘッド
の出力を大きくするためには、スピンバルブ膜の抵抗の
変化量(以下、抵抗変化量とする。)を大きくすること
が望まれている。軟磁性層の厚さを薄くすると、抵抗変
化率および抵抗変化量を大きくすることができるが、出
力のばらつきや対称性などの特性が安定しないという問
題がある。
【0008】そこで、文献“CoFe specular spin valve
s with a nano oxide layer", 1999Digests of INTERMA
G 99, published on May 18, 1999(以下、文献1とす
る。)には、スピンバルブ膜の強磁性層にNOLと呼ば
れる酸化膜を挿入することにより抵抗変化率を大きくす
ることが提案されている。また、例えば、文献“スピン
フィルタースピンバルブヘッドの電磁変換特性”日本応
用磁気学会学術講演会講演概要集・第402頁(以下、
文献2とする。)には、軟磁性層の非磁性層と反対の側
にCu(銅)からなるバックレイヤー層を設けることが
提案されている。同様に、米国特許公報第5,422,
571号(以下、文献3とする。)には、軟磁性層の非
磁性層と反対の側に非磁性金属からなるバックレイヤー
層を設けることが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
文献1には、NOLと呼ばれる酸化膜の材質、厚さおよ
び挿入位置などの具体的な条件および抵抗変化率以外の
特性については何の記載もなく、検討が必要である。ま
た、上記の文献2および文献3に記載された方法では、
抵抗変化量を十分に大きくすることができないという問
題がある。
【0010】本発明は、かかる問題点に鑑みて成された
もので、その目的は、大きな抵抗変化率および抵抗変化
量を得ることができ、かつ、特性の安定性も高い磁気変
換素子およびそれを用いた薄膜磁気ヘッドを提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気変換素
子は、一対の対向する面を有する第1非磁性層と、この
第1非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層と、第
1非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層と、この
強磁性層の第1非磁性層と反対の側に形成された反強磁
性層と、軟磁性層の第1非磁性層と反対の側に形成され
た第2非磁性層とを備えた磁気変換素子であって、第2
非磁性層の軟磁性層と反対の側に隣接して、比抵抗が2
00μΩ・cm以上の材料からなる高抵抗層を有するこ
とを特徴とするものである。
【0012】本発明による磁気変換素子では、第2非磁
性層の軟磁性層と反対の側に隣接して比抵抗が200μ
Ω・cm以上の材料からなる高抵抗層を設けたため、抵
抗変化率および抵抗変化量が大きくなり、かつ、特性の
安定性も高くなる。
【0013】なお、高抵抗層は、Al(アルミニウ
ム),Cr(クロム),Ti(チタン),Ru(ルテニ
ウム),Mn(マンガン),Rh(ロジウム),Ag
(銀),Pd(パラジウム),Ni(ニッケル),Cu
(銅),Co(コバルト),Fe(鉄),Re(レニウ
ム)およびTa( タンタル) からなる群のうちの少なく
とも1種と、O(酸素)およびN(窒素)からなる群の
うちの少なくとも1種とを含むことが好ましい。中で
も、高抵抗層が、Al,Cr,Ti,Ru,Mnおよび
Rhからなる群のうちの少なくとも1種を含むことがさ
らに好ましい。
【0014】また、高抵抗層の厚さは、0.5nm以上
30nm以下であることが好ましい。また、第2非磁性
層は、Au(金),Ag(銀),Cu,Ru,Rh,R
e,Pt(白金)およびW(タングステン)からなる群
のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。更に、第
2非磁性層の厚さは、0.5nm以上2nm以下である
ことが好ましい。
【0015】また、強磁性層は、互いに反対向きの2つ
の磁化が併存しうるよう構成されていることが好まし
い。更に、強磁性層は、強磁性内側層と、強磁性外側層
と、これら2つの層に挟まれた結合層とを含んで構成さ
れていることが好ましい。加えて、強磁性層に、磁性を
有し、かつ、強磁性層の少なくとも一部よりも大きな電
気抵抗を有する強磁性層内層を設けることがより好まし
い。また、軟磁性層の厚さは、1nm以上6nm以下で
あることが好ましい。
【0016】また、本発明による薄膜磁気ヘッドは、上
述した磁気変換素子を有することを特徴とするものであ
る。
【0017】また、本発明による他の薄膜磁気ヘッドで
は、一対の磁性層の間に一対のギャップ層をそれぞれ介
して磁気変換素子が設けられた薄膜磁気ヘッドであっ
て、磁気変換素子は、一対の対向する面を有する第1非
磁性層と、この第1非磁性層の一方の面側に形成された
軟磁性層と、第1非磁性層の他方の面側に形成された強
磁性層と、この強磁性層の第1非磁性層と反対の側に形
成された反強磁性層と、軟磁性層の第1非磁性層と反対
の側に形成された第2非磁性層とを有すると共に、一対
のギャップ層の一方は、第2非磁性層に隣接し、かつ2
00μΩ・cm以上の比抵抗を有する材料により構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態] <MR素子および薄膜磁気ヘッドの構成>最初に、図1
ないし図7を参照して、本発明の第1の実施の形態に係
る磁気変換素子の一具体例であるMR素子およびそれを
用いた薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。
【0019】図1は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ド100を備えたアクチュエータアーム200の構成を
表すものである。このアクチュエータアーム200は、
例えば、図示しないハードディスク装置などで用いられ
るものであり、薄膜磁気ヘッド100が形成されたスラ
イダ210を有している。このスライダ210は、例え
ば、支軸220により回転可能に支持された腕部230
の先端に搭載されている。この腕部230は、例えば、
図示しないボイスコイルモータの駆動力により回転する
ようになっており、これによりスライダ210がハード
ディスクなどの磁気記録媒体300の記録面(図1にお
いては記録面の下面)に沿ってトラックラインを横切る
方向xに移動するようになっている。なお、磁気記録媒
体300は、例えば、スライダ210がトラックライン
を横切る方向xに対してほぼ直交する方向zに回転する
ようになっており、このような磁気記録媒体300の回
転およびスライダ210の移動により磁気記録媒体30
0に情報が記録され、または記録された情報が読み出さ
れるようになっている。
【0020】図2は、図1に示したスライダ210の構
成を表すものである。このスライダ210は、例えば、
Al2 3 ・TiC(アルティック)よりなるブロック
状の基体211を有している。この基体211は、例え
ば、ほぼ六面体状に形成されており、そのうちの一面が
磁気記録媒体300(図1参照)の記録面に近接して対
向するように配置されている。この磁気記録媒体300
の記録面と対向する面はエアベアリング面(ABS)2
11aと呼ばれ、磁気記録媒体300が回転する際に
は、磁気記録媒体300の記録面とエアベアリング面2
11aとの間に生じる空気流により、スライダ210が
記録面との対向方向yにおいて記録面から離れるように
微少量移動し、エアベアリング面211aと磁気記録媒
体300との間に一定の隙間ができるようになってい
る。基体211のエアベアリング面211aに対する一
側面(図2においては左側の側面)には、薄膜磁気ヘッ
ド100が設けられている。
【0021】図3は、薄膜磁気ヘッド100の構成を分
解して表すものである。また、図4は、図3に示した矢
印IV方向から見た平面構造を表し、図5は、図4に示
したV−V線に沿った矢視方向の断面構造を表し、図6
は、図4に示したVI−VI線に沿った矢視方向すなわ
ち図5に示したVI−VI線に沿った矢視方向の断面構
造を表し、図7は、図6に示した構造の一部を取り出し
て表すものである。この薄膜磁気ヘッド100は、磁気
記録媒体300に記録された磁気情報を再生する再生ヘ
ッド部101と、磁気記録媒体300のトラックライン
に磁気情報を記録する記録ヘッド部102とが一体に構
成されたものである。
【0022】図3および図5に示したように、再生ヘッ
ド部101は、例えば、基体211の上に、絶縁層1
1,第1磁性層12,第1ギャップ層13,第2ギャッ
プ層14および第2磁性層15がエアベアリング面21
1aの側においてこの順に積層された構造を有してい
る。絶縁層11は、例えば、積層方向の厚さ(以下、単
に厚さと記す)が2μm〜10μmであり、Al2 3
(酸化アルミニウム)により構成されている。第1磁性
層12は、例えば、厚さが1μm〜3μmであり、Ni
Fe(ニッケル鉄合金)などの磁性材料により構成され
ている。第1ギャップ層13および第2ギャップ層14
は、例えば、厚さがそれぞれ10nm〜100nmであ
り、Al2 3 またはAlN(チッ化アルミニウム)に
よりそれぞれ構成されている。第2磁性層15は、例え
ば、厚さが1μm〜4μmであり、NiFeなどの磁性
材料により構成されている。第1磁性層12および第2
磁性層15は、後述する積層体20への外部磁場の影響
を弱めるためのものである。また、第2磁性層15は、
記録ヘッド部102の下部磁極としての機能も兼ね備え
ている。
【0023】また、第1ギャップ層13と第2ギャップ
層14との間には、スピンバルブ膜である積層体20を
含むMR素子110が埋設されている。この再生ヘッド
部101は、磁気記録媒体300からの信号磁界に応じ
て積層体20における電気抵抗が変化することを利用し
て、磁気記録媒体300に記録された情報を読み出すよ
うになっている。
【0024】この積層体20は、例えば、図6および図
7に示したように、第1ギャップ層13の上に、下地層
21,反強磁性層22,強磁性層23,第1非磁性層2
4,第1軟磁性層25,第2軟磁性層26,第2非磁性
層27および高抵抗層28がこの順に積層された構造を
有している。下地層21は、例えば、厚さが5nmであ
り、Taにより構成されている。なお、下地層21は、
例えば厚さ3nmのTa膜と、厚さ2nmのNiFe膜
とをこの順に積層して構成されていても良い。
【0025】反強磁性層22は、例えば、厚さが5nm
〜30nmであり、Pt,Ru,Rh,Pd,Ni,A
u,Ag,Cu,Ir(イリジウム),CrおよびFe
からなる群のうちの少なくとも1種MI と、Mnとを含
む反強磁性材料により構成されている。このうちMnの
含有量は45原子%以上95原子%以下、その他の元素
I の含有量は5原子%以上65原子%以下であること
が好ましい。この反強磁性材料には、熱処理しなくても
反強磁性を示し、強磁性材料との間に交換結合磁界を誘
起する非熱処理系反強磁性材料と、熱処理により反強磁
性を示すようになる熱処理系反強磁性材料とがある。こ
の反強磁性層22は、そのどちらにより構成されていて
もよい。
【0026】なお、非熱処理系反強磁性材料にはγ相を
有するMn合金などがあり、具体的には、RuRhMn
(ルテニウムロジウムマンガン合金),FeMn(鉄マ
ンガン合金)あるいはIrMn(イリジウムマンガン合
金)などがある。熱処理系反強磁性材料には規則結晶構
造を有するMn合金などがあり、具体的には、PtMn
(白金マンガン合金),NiMn(ニッケルマンガン合
金)およびPtRhMn(白金ロジウムマンガン合金)
などがある。
【0027】強磁性層23は、例えば、厚さが2nm〜
4.5nmであり、CoおよびFeからなる群のうちの
少なくともCoを含む磁性材料により構成されている。
この強磁性層23では、磁性材料の(111)面が積層
方向に配向していることが好ましい。なお、この強磁性
層23はピンド層とも言われ、強磁性層23と反強磁性
層22との界面における交換結合により、磁化の向きが
固定されている。ちなみに、本実施の形態ではy方向に
固定されている。
【0028】第1非磁性層24は、例えば、厚さが1.
8nm〜3.0nmであり、Au,Ag,Cu,Ru,
Rh,Re,PtおよびWからなる群のうち少なくとも
1種を80質量%以上含む非磁性材料により構成されて
いる。この第1非磁性層24は、第1軟磁性層25およ
び第2軟磁性層26をできるだけ強磁性層23および反
強磁性層22から磁気的に隔離するためのものである。
【0029】第1軟磁性層25は、例えば、厚さが0.
5nm〜3nmであり、Ni,CoおよびFeからなる
群のうちの少なくともCoを含む磁性材料により構成さ
れている。具体的には、(111)面が積層方向に配向
しているCox Fey Ni100-(x+y) により構成される
ことが好ましい。式中、x,yはそれぞれ原子%で70
≦x≦100、0≦y≦25の範囲内である。第2軟磁
性層26は、例えば、厚さが1nm〜3nmであり、N
i,Co,Fe,Ta,Cr,Rh,MoおよびNbか
らなる群のうちの少なくともNiを含む磁性材料により
構成されている。具体的には、[Nix Coy Fe
100-(x+y) 100-Z II Zにより構成されることが好ま
しい。式中、MIIはTa,Cr,Rh,MoおよびNb
のうちの少なくとも1種を表し、x,y,zはそれぞれ
原子%で75≦x≦90、0≦y≦15、0≦z≦15
の範囲内である。
【0030】なお、これら第1軟磁性層25および第2
軟磁性層26は共にフリー層とも言われる軟磁性層を構
成しており、本発明における「軟磁性層」の一具体例に
対応している。この軟磁性層では、磁気記録媒体300
からの信号磁界に応じて磁界の向きが変化するようにな
っている。軟磁性層の厚さ、すなわち第1軟磁性層25
および第2軟磁性層26の厚さの合計は、例えば、1n
m以上6nm以下であることが好ましく、3nm以下で
あればより好ましい。軟磁性層の厚さが薄すぎると、薄
膜磁気ヘッド100の出力の非対称性やノイズなどの特
性が劣化し、厚すぎると、抵抗変化率および抵抗変化量
が小さくなるからである。
【0031】第2非磁性層27は、例えば、Au,A
g,Cu,Ru,Rh,Re,PtおよびWからなる群
のうち少なくとも1種を80質量%以上含んで構成され
ており、その厚さは0.5nm以上2nm以下であるこ
とが好ましく、1.5nm以下であればより好ましい。
【0032】高抵抗層28は、第2非磁性層27に隣接
して設けられており、200μΩ・cm以上の比抵抗を
有する材料により構成されている。これにより、この高
抵抗層28は、積層体20中を移動する電子の少なくと
も一部を反射して、積層体20の抵抗変化率および抵抗
変化量を大きくできるようになっている。具体的には、
この高抵抗層28は、Al,Cr,Ti,Ru,Mn,
Rh,Ag,Pd,Ni,Cu,Co,Fe,Reおよ
びTaからなる金属元素群のうちの少なくとも1種と、
OおよびNからなる群のうちの少なくとも1種とを含ん
で構成されていることが好ましい。電気抵抗が大きく、
熱的にも安定しているからである。中でも、高抵抗層2
8を構成する金属元素としては、イオン化エネルギーの
大きいものが好ましい。より高い熱安定性を得ることが
できるからである。上述した金属元素群の中では、より
先に記載した金属元素の方がイオン化エネルギーが大き
く、特にAl,Cr,Ti,Ru,MnおよびRhから
なる群のうちの少なくとも1種を含むように高抵抗層2
8を構成することが好ましい。高抵抗層28の厚さは、
0.5nm以上30nm以下であることが好ましい。高
抵抗層28の厚さがこの範囲にあれば、移動する電子の
反射効率が最も高くなるからである。なお、上述した高
抵抗層28の比抵抗は、常温(20℃)での値である。
【0033】下地層21,反強磁性層22,強磁性層2
3,第1非磁性層24,第1軟磁性層25,第2軟磁性
層26,第2非磁性層27および高抵抗層28を第1ギ
ャップ層13の側からこの順で積層したのは、高抵抗層
28の表面粗さが比較的粗いことから、高抵抗層28上
に積層される層をなるべく少なくするためである。
【0034】積層体20の両側、すなわち積層方向に対
して垂直な方向の両側には、磁区制御膜30a,30b
がそれぞれ設けられており、第1軟磁性層25および第
2軟磁性層26の磁化の向きを揃え、単磁区化していわ
ゆるバルクハウゼンノイズの発生を抑えるようになって
いる。この磁区制御膜30aは、磁区制御用強磁性膜3
1aと磁区制御用反強磁性膜32aとを第1ギャップ層
13の側から順に積層した構造とされている。磁区制御
膜30bも磁区制御膜30aと同一の構成とされてい
る。これら磁区制御用強磁性膜31a,31bの磁化の
向きは、磁区制御用強磁性膜31a,31bと磁区制御
用反強磁性膜32a,32bとのそれぞれの界面におけ
る交換結合によってそれぞれ固定されている。これによ
り、例えば図7に示したように、磁区制御用強磁性膜3
1a,31bの近傍では第1軟磁性層25および第2軟
磁性層26に対するバイアス磁界Hbがx方向に発生し
ている。
【0035】磁区制御用強磁性膜31a,31bは、例
えば、それぞれ厚さが10nm〜50nmである。ま
た、磁区制御用強磁性膜31a,31bは、例えば、N
iFe、または、Ni,FeおよびCoからなる磁性材
料などにより構成されている。この場合、NiFeとC
oとの積層膜としても良い。磁区制御用反強磁性膜32
a,32bは、例えば、それぞれ厚さが5nm〜30n
mであり、反強磁性材料により構成されている。この反
強磁性材料は、非熱処理系反強磁性材料でも熱処理系反
強磁性材料でも良いが、非熱処理系反強磁性材料が好ま
しい。更に、これら磁区制御膜30a,30bは、例え
ばCoPtあるいはCoPtCrなどの硬質磁性材料に
より構成してもよい。
【0036】これら磁区制御膜30a,30bの上に
は、TaとAuとの積層膜、TiWとTaとの積層膜、
あるいはTiN(窒化チタン)とTaとの積層膜などよ
りなるリード層33a,33bがそれぞれ設けられてお
り、磁区制御膜30a,30bを介して積層体20に電
流を流すことができるようになっている。
【0037】記録ヘッド部102は、例えば、図3およ
び図5に示したように、第2磁性層15の上に、Al2
3 などの絶縁膜よりなる厚さ0.1μm〜0.5μm
の記録ギャップ層41を有している。この記録ギャップ
層41は、後述する薄膜コイル43,45の中心部に対
応する位置に開口部41aを有している。この記録ギャ
ップ層41の上には、スロートハイトを決定する厚さ
1.0μm〜5.0μmのフォトレジスト層42を介し
て、厚さ1μm〜3μmの薄膜コイル43およびこれを
覆うフォトレジスト層44がそれぞれ形成されている。
このフォトレジスト層44の上には、厚さ1μm〜3μ
mの薄膜コイル45およびこれを覆うフォトレジスト層
46がそれぞれ形成されている。なお、本実施の形態で
は薄膜コイルが2層積層された例を示したが、薄膜コイ
ルの積層数は1層または3層以上であってもよい。
【0038】記録ギャップ層41およびフォトレジスト
層42,44,46の上には、例えば、NiFeまたは
FeN(窒化鉄)などの高飽和磁束密度を有する磁性材
料よりなる厚さ約3μmの上部磁極47が形成されてい
る。この上部磁極47は、薄膜コイル43,45の中心
部に対応して設けられた記録ギャップ層41の開口部4
1aを介して、第2磁性層15と接触しており、磁気的
に連結している。この上部磁極47の上には、図3ない
し図6では図示しないが、例えば、Al2 3よりなる
厚さ20μm〜30μmのオーバーコート層(図13
(B)におけるオーバーコート層48)が全体を覆うよ
うに形成されている。これにより、この記録ヘッド部1
02は、薄膜コイル43,45に流れる電流によって下
部磁極である第2磁性層15と上部磁極47との間に磁
束を生じ、記録ギャップ層41の近傍に生ずる磁束によ
って磁気記録媒体300を磁化し、情報を記録するよう
になっている。
【0039】<MR素子および薄膜磁気ヘッドの動作>
次に、このように構成されたMR素子110および薄膜
磁気ヘッド100による再生動作について、図6および
図7を中心に参照して説明する。
【0040】この薄膜磁気ヘッド100では、再生ヘッ
ド部101により磁気記録媒体300に記録された情報
を読み出す。再生ヘッド部101では、積層体20の強
磁性層23と反強磁性層22との界面での交換結合によ
る交換結合磁界により、例えば、強磁性層23の磁化M
pの向きがy方向に固定されている。また、磁区制御膜
30a,30bの発生するバイアス磁界Hbにより、第
1軟磁性層25,第2軟磁性層26の磁化Mfはバイア
ス磁界Hbの方向(ここではx方向)に揃えられる。な
お、バイアス磁界Hbと強磁性層23の磁化Mpの向き
は互いにほぼ直交している。
【0041】情報を読み出す際には、積層体20に、リ
ード層33a,33bを通じて定常電流である検出電流
(センス電流)が例えばバイアス磁界Hbの方向に流さ
れる。その際、磁気記録媒体300からの信号磁界を受
けると、第1軟磁性層25および第2軟磁性層26にお
ける磁化Mfの向きが変化する。強磁性層23の磁化M
pの向きは、反強磁性層22により固定されているの
で、磁気記録媒体300からの信号磁界を受けても変化
しない。第1軟磁性層25および第2軟磁性層26にお
ける磁化Mfの向きが変化すると、積層体20を流れる
電流は、第1軟磁性層25および第2軟磁性層26の磁
化Mfの向きと強磁性層23の磁化Mpの向きとの相対
角度に応じた抵抗を受ける。これは、非磁性層と磁性層
との界面における電子の散乱の度合いが磁性層の磁化方
向に依存するという「スピン依存散乱」と呼ばれる現象
によるものである。この積層体20の抵抗の変化量は電
圧の変化量として検出され、磁気記録媒体300に記録
された情報が読み出される。
【0042】ここでは、第2軟磁性層26の第1非磁性
層24と反対の側に、第2非磁性層27およびこの第2
非磁性層27に隣接して高抵抗層28が設けられている
ので、安定した特性が得られると共に、抵抗変化率およ
び抵抗変化量が改善される。
【0043】<MR素子および薄膜磁気ヘッドの製造方
法>続いて、図8ないし図13を参照して、MR素子1
10および薄膜磁気ヘッド100の製造方法について説
明する。なお、図8,図12および図13は、図4にお
けるV−V線に沿った断面構造を表している。また、図
9ないし図11は、図4におけるVI−VI線に沿った
断面構造を表している。
【0044】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図8に示したように、例えば、Al2 3 ・TiCより
なる基体211の一側面上に、スパッタリング法によ
り、絶縁層11を構成の欄で述べた材料を用いて形成す
る。次に、この絶縁層11の上に、例えば、めっき法に
より、第1磁性層12を構成の欄で述べた材料を用いて
形成する。続いて、この第1磁性層12の上に、例え
ば、スパッタリング法により、第1ギャップ層13を構
成の欄で述べた材料を用いて形成する。そののち、この
第1ギャップ層13の上に、積層体20を形成する。
【0045】ここで、積層体20の形成工程について詳
説する。ここでは、まず、図9(A)に示したように、
第1ギャップ層13の上に、例えばスパッタリング法に
より、下地層21,反強磁性層22,強磁性層23,第
1非磁性層24,第1軟磁性層25,第2軟磁性層26
および第2非磁性層27をそれぞれ構成の欄で説明した
材料を用いて順次成膜する。その際、反強磁性層22を
非熱処理系反強磁性材料により構成する場合には、例え
ば、y方向(図7)に磁場を印加した状態で反強磁性層
22を形成する。これにより、強磁性層23の磁化の方
向は、反強磁性層22との交換結合によって印加磁場の
方向yに固定される。なお、この成膜作業は、図示しな
い真空チャンバ内で行う。
【0046】続いて、図9(B)に示したように、第2
非磁性層27の上に、例えばスパッタリング法により、
Al,Cr,Ti,Ru,Mn,Rh,Ag,Pd,N
i,Cu,Co,Fe,ReおよびTaからなる群のう
ちの少なくとも1種を含む金属層28aを成膜する。次
に、図示しない真空チャンバ内に酸素ガスおよび窒素ガ
スのうちの少なくとも一方を導入し、この雰囲気に、金
属層28aを所定時間さらすことにより、構成の欄で述
べた構造の高抵抗層28を形成する。これにより、図9
(C)に示したような積層膜20aが形成される。
【0047】そののち、図10(A)に示したように、
積層膜20aの上に、積層体20の形成予定領域に対応
してフォトレジスト膜401を選択的に形成する。な
お、このフォトレジスト膜401は、後述するリフトオ
フを容易に行うことができるように、例えば、積層膜2
0aとの界面に溝を形成し、断面形状をT型とすること
が好ましい。フォトレジスト膜401を形成したのち、
例えば、イオンミリング法により、フォトレジスト膜4
01をマスクとして、積層膜20aをエッチングする。
これにより、図10(B)に示したような積層体20が
形成される。
【0048】積層体20を形成したのち、図11(A)
に示したように、例えば、スパッタリング法により、積
層体20の両側に、磁区制御用強磁性膜31a,31b
および磁区制御用反強磁性膜32a,32bをそれぞれ
順次形成する。その際、磁区制御用反強磁性膜32a,
32bを非熱処理系反強磁性材料により構成する場合に
は、例えば、x方向に磁場を印加した状態で磁区制御用
反強磁性膜32a,32bをそれぞれ形成する。これに
より、磁区制御用強磁性膜31a,31bの磁化の方向
は、磁区制御用反強磁性膜32a,32bとの交換結合
によって印加磁場の方向xに固定される。
【0049】磁区制御膜30a,30bをそれぞれ形成
したのち、同じく図11(A)に示したように、例え
ば、スパッタリング法により、磁区制御用反強磁性膜3
2a,32bの上に、リード層33a,33bをそれぞ
れ形成する。そののち、例えば、リフトオフ処理によっ
て、フォトレジスト膜401とその上に積層されている
堆積物402(磁区制御用強磁性膜、磁区制御用反強磁
性膜およびリード層の各材料)を除去する。
【0050】リフトオフ処理を行ったのち、図11
(B)および図12(A)に示したように、例えば、ス
パッタリング法により、第1ギャップ層13および積層
体20を覆うように、第2ギャップ層14を構成の欄で
説明した材料を用いて形成する。これにより、積層体2
0は第1ギャップ層13と第2ギャップ層14との間に
埋設される。そののち、第2ギャップ層14の上に、例
えば、スパッタリング法により、第2磁性層15を構成
の欄で説明した材料を用いて形成する。
【0051】第2磁性層15を形成したのち、図12
(B)に示したように、例えば、スパッタリング法によ
り、第2磁性層15の上に、記録ギャップ層41を構成
の欄で説明した材料を用いて形成し、この記録ギャップ
層41の上に、フォトレジスト層42を所定のパターン
に形成する。フォトレジスト層42を形成したのち、こ
のフォトレジスト層42の上に、薄膜コイル43を構成
の欄で説明した材料を用いて形成し、この薄膜コイル4
3を覆うようにフォトレジスト層44を所定のパターン
に形成する。フォトレジスト層44を形成したのち、こ
のフォトレジスト層44の上に、薄膜コイル45を構成
の欄で説明した材料を用いて形成し、この薄膜コイル4
5を覆うようにフォトレジスト層46を所定のパターン
に形成する。
【0052】フォトレジスト層46を形成したのち、図
13(A)に示したように、例えば、薄膜コイル43,
45の中心部に対応する位置において、記録ギャップ層
41を部分的にエッチングし、磁路形成のための開口部
41aを形成する。そののち、例えば、記録ギャップ層
41、開口部41a、フォトレジスト層42,44,4
6の上に上部磁極47を構成の欄で説明した材料を用い
て形成する。上部磁極47を形成したのち、例えば、こ
の上部磁極47をマスクとして、イオンミリングによ
り、記録ギャップ層41および第2磁性層15を選択的
にエッチングする。そののち、図13(B)に示したよ
うに、上部磁極47の上に、オーバーコート層48を構
成の欄で説明した材料を用いて形成する。
【0053】オーバーコート層48を形成したのち、例
えば、積層体20の強磁性層23および磁区制御用強磁
性膜31a,31bを熱処理系反強磁性材料によりそれ
ぞれ構成する場合には、それらの磁界の方向を固定する
ための反強磁性化処理を行う。具体的には、反強磁性層
22と強磁性層23とのブロッキング温度(界面で交換
結合が生じうる温度)が磁区制御用反強磁性膜32a,
32bと磁区制御用強磁性膜31a,31bとのブロッ
キング温度よりも高い場合には、磁界発生装置等を利用
して例えばy方向に磁場を印加した状態で、反強磁性層
22と強磁性層23とのブロッキング温度での加熱を行
う。これにより、強磁性層23の磁化の方向は、反強磁
性層22との交換結合によって印加磁場の方向yに固定
される。続いて、薄膜磁気ヘッド100を磁区制御用反
強磁性膜32a,32bと磁区制御用強磁性膜31a,
31bとのブロッキング温度まで冷却し、例えばx方向
に磁場を印加する。これにより、磁区制御用強磁性膜3
1a,31bの磁化の方向は、磁区制御用反強磁性膜3
2a,32bとの交換結合によって印加磁場の方向xに
それぞれ固定される。
【0054】なお、反強磁性層22と強磁性層23との
ブロッキング温度が磁区制御用反強磁性膜32a,32
bと磁区制御用強磁性膜31a,31bとのブロッキン
グ温度よりも低い場合には、上の作業順序は逆になる。
また、反強磁性層22または磁区制御用反強磁性膜32
a,32bを非熱処理系反強磁性材料により構成する場
合には、この熱処理を行う必要がない。更に、ここでは
オーバーコート層48を形成したのちに反強磁性化のた
めの熱処理を行うようにしたが、強磁性層23および反
強磁性層22を成膜したのちオーバーコート層48を形
成する前に行うようにしてもよく、また磁区制御膜30
a,30bを成膜したのちオーバーコート層48を形成
する前に行うようにしてもよい。
【0055】最後に、例えば、スライダの機械加工によ
り、エアベアリング面を形成し、図3ないし図7に示し
た薄膜磁気ヘッド100が完成する。
【0056】<第1の実施の形態による効果>このよう
に本実施の形態によれば、第2軟磁性層26の第1非磁
性層24と反対の側に、第2非磁性層27およびこの第
2非磁性層27に隣接して高抵抗層28を設けるように
したので、安定した特性が得られると共に、抵抗変化率
および抵抗変化量を大きくすることができる。よって、
例えば20Gbit/inch2 を越える高密度記録へ
の対応が可能となる。
【0057】特に、高抵抗層28が、Al,Cr,T
i,Ru,Mn,Rh,Ag,Pd,Ni,Cu,C
o,Fe,ReおよびTaからなる群のうちの少なくと
も1種とOおよびNからなる群のうちの少なくとも1種
とを含むようにすれば、高い熱安定性を得ることができ
る。中でも、高抵抗層28が、Al,Cr,Ti,R
u,MnおよびRhからなる群のうちの少なくとも1種
を含むようにすれば、より一層熱安定性を向上させるこ
とができる。
【0058】更に、高抵抗層28の厚さを1nm以上3
0nm以下とすれば、抵抗変化率および抵抗変化量が更
に大きくなる。
【0059】また、第2非磁性層27がAu,Ag,C
u,Ru,Rh,Re,PtおよびWからなる群のうち
少なくとも一つを含み、その含有量を80質量%以上と
し、その厚さを0.5nm以上2nm以下とすれば、軟
磁性層(第1軟磁性層25および第2軟磁性層26)の
厚さを薄くしても、出力の非対称性などの特性の劣化を
防止でき、安定した特性を得ることができる。
【0060】[第1の実施の形態の変形例]また、図1
4を参照して、第1の実施の形態の変形例について説明
する。
【0061】図14は、変形例における積層体20の構
成を表すものである。第1の実施の形態では、第1ギャ
ップ層13の側から反強磁性層22,強磁性層23,第
1非磁性層24,第1軟磁性層25,第2軟磁性層2
6,第2非磁性層27および高抵抗層28をこの順に積
層して積層体20を構成する場合について説明したが、
第1ギャップ層13の側から高抵抗層28,第2非磁性
層27,第2軟磁性層26,第1軟磁性層25,第1非
磁性層24,強磁性層23および反強磁性層22をこの
順に積層して積層体20を構成するようにしてもよい。
この場合、第1の実施の形態における下地層21は不要
であり、反強磁性層22の上には例えば厚さ5nmのT
aよりなる保護層29が設けられることが好ましい。更
に、この場合、第2非磁性層27を第1ギャップ層13
に隣接して設け、第1ギャップ層13を200μΩ・c
m以上の比抵抗を有する材料により構成し、第1ギャッ
プ層13が高抵抗層の機能も持つようにしてもよい。
【0062】[第2の実施の形態]更に、図15を参照
して、第2の実施の形態について説明する。本実施の形
態は、再生ヘッド部501における積層体50および第
2ギャップ層514の構成が異なることを除き、第1の
実施の形態と同一の構成を有している。よって、ここで
は、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な
説明を省略する。
【0063】図15は、第2の実施の形態における薄膜
磁気ヘッドの断面構成を表すものであり、図4における
IV−IV矢視断面構造を表している。この再生ヘッド
部501の積層体50は、高抵抗層28を備えないこと
を除き第1の実施の形態の積層体20と同一の構成を有
している。また、再生ヘッド部501の第2ギャップ層
514は、積層体50の第2非磁性層27に隣接すると
共に積層体50に対応して第2非磁性層27と第2磁性
層15との間に設けられており、第1の実施の形態にお
ける第2ギャップ層14(図11)および高抵抗層28
の機能を共に兼ね備えている。すなわち、この第2のギ
ャップ層514は、第1の実施の形態における高抵抗層
28と同様に、200μΩ・cm以上の比抵抗を有する
材料により構成されている。具体的には、この高抵抗層
28は、Al,Cr,Ti,Ru,Mn,Rh,Ag,
Pd,Ni,Cu,Co,Fe,ReおよびTaからな
る金属元素群のうちの少なくとも1種と、OおよびNか
らなる群のうちの少なくとも1種とを含んで構成されて
いることが好ましく、特には、Al,Cr,Ti,R
u,MnおよびRhからなる群のうち少なくとも1種を
含んでいることが好ましい。
【0064】このような構成を有する再生ヘッド部50
1は、例えば次のようにして製造することができる。
【0065】まず、第1の実施の形態と同様にして、基
板211の一側面上に、絶縁層11,第1磁性層12お
よび第1ギャップ層13を順次形成し、その上に、下地
層21,反強磁性層22,強磁性層23,第1非磁性層
24,第1軟磁性層25,第2軟磁性層26および第2
非磁性層27を順次成膜する。次いで、第2非磁性層2
7の上に、例えばスパッタリング法により第2ギャップ
層514を成膜したのち、第1の実施の形態と同様にし
て第2ギャップ層514から下地層21までを選択的に
除去し成形する。続いて、第1の実施の形態と同様にし
て磁区制御用強磁性膜31a,31b,磁区制御用反強
磁性膜32a,32b,リード層33a,33bおよび
第2磁性層15を順次形成する。これにより、図15に
示した再生ヘッド部501が形成される。
【0066】このように本実施の形態によれば、第2非
磁性層27に隣接して第2ギャップ層514を設けると
共に、第2ギャップ層514を200μΩ・cm以上の
比抵抗を有する材料により構成するようにしたので、第
1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】なお、本実施の形態においても、第1の実
施の形態の変形例と同様に、第1ギャップ層13の側か
ら第2非磁性層27,第2軟磁性層26,第1軟磁性層
25,第1非磁性層24,強磁性層23および反強磁性
層22をこの順で積層して積層体50を構成するように
してもよい。この場合、第2非磁性層27を第1ギャッ
プ層13に隣接して設けると共に、第1ギャップ層13
を200μΩ・cm以上の比抵抗を有する材料により構
成し、高抵抗層の機能も持たせるようにする。
【0068】[第3の実施の形態]更に、図16を参照
して、本発明の第3の実施の形態について説明する。本
実施の形態は、積層体60における強磁性層63の構成
が異なることを除き、第1の実施の形態と同一の構成を
有している。よって、ここでは、同一の構成要素には同
一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0069】図16は、本実施の形態における積層体6
0の構成を表すものである。この積層体60の強磁性層
63は、強磁性外側層631、結合層632および強磁
性内側層633を反強磁性層22の側からこの順に積層
した構造を有している。強磁性外側層631および強磁
性内側層633は、CoおよびFeからなる群のうちの
少なくともCoを含む磁性材料により構成されている。
特に、この磁性材料の(111)面は積層方向に配向し
ていることが好ましい。これら強磁性外側層631と強
磁性内側層633とを合わせた厚さは、例えば、3nm
〜5nmである。
【0070】強磁性外側層631と強磁性内側層633
との間に介在する結合層632は、例えば、厚さが0.
2nm〜1.2nmであり、Ru、Rh、Re、Crお
よびZrからなる群のうちの少なくとも1種を含む非磁
性材料により構成されている。この結合層632は、強
磁性外側層631と強磁性内側層633との間に反強磁
***換結合を生じさせ、強磁性外側層631の磁化Mp
と強磁性内側層633の磁化Mpcとを互いに反対向き
にするためのものである。すなわち、強磁性層63は、
互いに反対向きの2つの磁化が併存するようになってい
る。このような層構造は、シンセティック構造と呼ばれ
る。ちなみに、本明細書において「磁化が互いに反対向
き」と言うのは、磁化の向きが180°異なる場合のみ
を言うのではなく、2つの磁化の向きが180°±20
°異なる場合を含めて言う。
【0071】ここでは、強磁性外側層631の磁化Mp
の向きは、強磁性外側層631と反強磁性層22との界
面における交換結合により固定されており、強磁性内側
層633の磁化Mpcの向きは強磁性外側層631の磁
化Mpと反対向きに固定されている。
【0072】この積層体60は、第1の実施の形態とほ
ぼ同様にして製造することができる。また、本実施の形
態では、第1の実施の形態と同様にして、磁気記録媒体
300に記録された情報を読み出す。ここでは、強磁性
層63に、2つの反対向きの磁化が併存しうるようにな
っているので、強磁性層63の作る磁界の第1軟磁性層
25および第2軟磁性層26に与える影響が小さくな
り、出力電圧波形の非対称性が改善される。
【0073】このように、本実施の形態によれば、第1
の実施の形態において説明した効果に加えて、強磁性層
63をシンセティック構造とするようにしたので、出力
電圧波形の非対称性を改善し、特性の安定性を向上する
ことができる。
【0074】なお、本実施の形態においても、第1の実
施の形態の変形例と同様に、第1ギャップ層13の側か
ら、高抵抗層28,第2非磁性層27,第2軟磁性層2
6,第1軟磁性層25,第1非磁性層24,強磁性層6
3,反強磁性層22および保護層29をこの順で積層し
て積層体60を構成するようにしても良い。また、第2
の実施の形態と同様に、第2非磁性層27に隣接して第
2ギャップ層14または第1ギャップ層13を設け、第
2ギャップ層14または第1ギャップ層13を高抵抗層
として機能させるようにしてもよい。
【0075】更に、強磁性層63に代えて、または、強
磁性層63と共に、軟磁性層(第1軟磁性層25および
第2軟磁性層26)をシンセティック構造としても良
い。この場合、第1軟磁性層25または第2軟磁性層2
6のいずれか一方(または両方)に結合層を設けてもよ
く、両者の界面に設けても良い。
【0076】[第4の実施の形態]更に、図17を参照
して、本発明の第4の実施の形態について説明する。本
実施の形態は、積層体70の強磁性体73における強磁
性内側層733の構成を除き、第3の実施の形態と同一
の構成を有している。よって、ここでは、同一の構成要
素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0077】図17は、本実施の形態における積層体7
0の構成を表すものである。積層体70は、強磁性内側
層733は、積層方向において結合層632の側に位置
する内側第1層733aと、第1非磁性層24の側に位
置する内側第2層733bとに分割されている。これら
内側第1層733aと内側第2層733bとの間には、
磁性を有し且つ強磁性内側層733よりも電気抵抗が大
きい強磁性層内層730が形成されている。この強磁性
層内層730は、検出電流が積層体70を流れる際に、
電子の少なくとも一部を反射して電子の移動する経路を
制限することにより、積層体70の抵抗変化率および抵
抗変化量を大きくするためのものである。
【0078】この強磁性層内層730は磁性を有してい
るため、強磁性層内層730を挟んで対向する内側第1
層733aと内側第2層733bとの磁化Mpcは、同
方向、例えばy方向に固定されている。なお、強磁性層
内層730の磁化も、内側第1層733aおよび内側第
2層733bの磁化Mpcと同方向に固定されている。
ちなみに、本明細書において「磁化が同方向」と言うの
は、磁化の向きが1°の違いもなく同一である場合のみ
を言うのではなく、2つの磁化の向きが0°±20°の
範囲内である場合を含めて言う。
【0079】この強磁性層内層730は、例えば、酸化
物,窒化物および酸化窒化物のうちの少なくとも1種を
含むことが好ましい。磁気的に安定であり、出力変動を
少なくすることができるからである。また、この強磁性
層内層730は、例えば、強磁性内側層733と構成元
素の一部が共通していることが好ましい。具体的には、
Ni,Co,Fe,Ta,Cr,Rh,MoおよびNb
からなる群のうちの少なくともNiと、OおよびNから
なる群のうちの少なくとも1種とを含むことが好まし
い。例えば、強磁性内側層733の一部を酸化、窒化、
あるいは酸化および窒化することにより形成するように
すれば、良好な強磁性層内層730を容易に得ることが
できるからである。強磁性層内層730の厚さは、例え
ば、0.5nm以上1.0nm以下であることが好まし
い。厚すぎると内側第1層733aと内側第2層733
bとの磁気的な結合が弱くなると共に、耐熱性も大きく
低下してしまい、大きな抵抗変化率を得ることができ
ず、薄すぎると電子の移動経路を十分に制限することが
できず、やはり大きな抵抗変化率を得ることができない
からである。
【0080】この積層体70は、例えば次のようにして
製造することができる。まず、第1の実施の形態と同様
にして、下地層21,反強磁性層22,強磁性外側層6
31,結合層632,内側第1層733aを成膜する。
続いて、内側第1層733aの一部を酸化、窒化、また
は酸化および窒化することにより、強磁性層内層730
を形成する。その上に、第1の実施の形態と同様にし
て、内側第2層733b,第1非磁性層24,第1軟磁
性層25,第2軟磁性層26,第2非磁性層27および
高抵抗層28を成膜する。これにより、図17に示した
積層体70が形成される。
【0081】このように、本実施の形態によれば、第1
の実施の形態および第3の実施の形態の効果に加えて、
強磁性層73の中に強磁性層内層730を設けたので、
積層体70の中を電流が流れる際に、この強磁性層内層
730により電子の少なくとも一部を反射して電子の移
動経路を制限することができ、抵抗変化率および抵抗変
化量をより一層大きくすることができる。
【0082】なお、本実施の形態においても、第1の実
施の形態の変形例のように、第1ギャップ層13の側か
ら、下地層21,高抵抗層28,第2非磁性層27,第
2軟磁性層26,第1軟磁性層25,第1非磁性層2
4,強磁性層73,反強磁性層22および保護層29を
この順で積層するようにしても良い。また、第2の実施
の形態と同様に、第2非磁性層27に隣接して第2ギャ
ップ層14または第1ギャップ層13を設け、第2ギャ
ップ層14または第1ギャップ層13を高抵抗層として
機能させるようにしてもよい。
【0083】更に、第1軟磁性層25の中に、その第1
軟磁性層25よりも抵抗が大きくかつ磁性を有する層内
層を設けるようにしてもよい。この場合、層内層は、第
1軟磁性層25と構成元素が一部共通していることが好
ましい。また、この場合、酸素、窒素または酸素および
窒素を含むことが好ましい。磁気的に安定である上、第
1軟磁性層25を酸化、窒化、または酸化および窒化す
ることにより、容易に層内層を形成することができるか
らである。なお、この層内層は、第2軟磁性層26に設
けても良いし、第1軟磁性層25と第2軟磁性層26と
の間に設けても良い。
【0084】加えて、強磁性層73に代えて、または強
磁性層73と共に、軟磁性層(第1軟磁性層25および
第2軟磁性層26)をシンセティック構造としても良
い。この場合、第1軟磁性層25または第2軟磁性層2
6のどちらか(または両方)に結合層を設けても良い
し、両者の界面に設けても良い。更にまた、上記実施の
形態では、結合層632と共に強磁性層内層730を設
ける場合について説明したが、結合層632を設けずに
強磁性層内層730のみを設けるようにしてもよい。
【0085】
【実施例】また、本発明の具体的な実施例について詳細
に説明する。
【0086】[実施例1−1〜1−12]実施例1−1
〜1−12として、図7に示した積層体20を、表1に
示したように第2非磁性層27および高抵抗層28の厚
さおよび材質を変えて作製した。まず、表面にAl2
3 膜が形成されたAl2 3 ・TiCよりなる絶縁性基
板の上に、厚さ3nmのTa膜と厚さ2nmのNiFe
膜を順次成膜することにより、下地層21を形成した。
次いで、この下地層21の上に、PtMnを用いて15
nmの反強磁性層22を成膜し、その上に、CoFeを
用いて厚さ2nmの強磁性層23を成膜し、その上に、
Cuを用いて厚さ2.1nmの第1非磁性層24を成膜
し、その上に、CoFeを用いて厚さ1nmの第1軟磁
性層25を成膜し、その上に、NiFeを用いて厚さ
1.5nmの第2軟磁性層26を成膜し、その上に、表
1に示した材料を用いて表1に示した厚さの第2非磁性
層27を成膜した。各層の成膜はスパッタリング法によ
り行った。
【0087】続いて、第2非磁性層27の上に、スパッ
タリング法により表1に示した金属の層を成膜し、その
金属層を酸化することにより、表1に示した厚さの高抵
抗層28を形成した。なお、高抵抗層28の厚さは、透
過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Micr
oscope)により測定した。そののち、ここでは熱処理系
反強磁性材料(PtMn)を用いて反強磁性層22を形
成するようにしたので、熱処理による反強磁性処理を行
った。
【0088】
【表1】
【0089】このようにして作製した実施例1−1〜1
−12の積層体20について、真空中において250℃
で2時間の熱処理を行ったのち、抵抗値および抵抗変化
量を測定し、更に、抵抗変化量を抵抗値で割って100
を掛けることにより抵抗変化率を求めた。それらの結果
を表1にそれぞれ示す。
【0090】本実施例に対する比較例1−1として、高
抵抗層28を設けないことを除き、実施例1−2と同一
の条件で積層体を作製した。また、比較例1−2とし
て、高抵抗層28を、酸化、窒化、あるいは酸化および
窒化を行わないAlにより構成したことを除き、実施例
1−2と同一の条件で積層体を作製した。これら比較例
1−1〜1−2についても、本実施例と同様にして、抵
抗値、抵抗変化量および抵抗変化率をそれぞれ調べた。
その結果も表1に合わせてそれぞれ示す。
【0091】表1から分かるように、本実施例によれ
ば、抵抗変化率は9.1%以上および抵抗変化量は1.
9Ω以上であり、高抵抗層28を設けていない比較例1
−1よりも大きな値を得ることができた。また、高抵抗
層28の代わりに電気抵抗の小さいAl層を設けた比較
例1−2では、比較例1−1とほぼ同等の結果しか得ら
れなかった。すなわち、高抵抗層28を設けることによ
り、抵抗変化率および抵抗変化量を大きくすることがで
きることが分かった。特に、実施例1−1〜1−10で
は、実施例1−11および実施例1−12よりも大きな
抵抗変化率および抵抗変化量が得られていることから、
第2非磁性層27の厚さを0.5nm以上2nm以下と
すれば、特に大きな抵抗変化率および抵抗変化量が得ら
れることが分かった。特に、実施例1−1〜1−10で
は、2Ωを越える抵抗変化量が得られており、薄膜磁気
ヘッドとしたときに大きな出力が得られることも分かっ
た。
【0092】[実施例2−1〜2−7]実施例2−1〜
2−7として、図16に示した積層体60を、表2に示
したように強磁性外側層631,強磁性内側層633お
よび第2非磁性層27の厚さならびに高抵抗層28の含
有金属および厚さを変えて作製した。まず、実施例1−
1〜1−12と同様にして、下地層21および反強磁性
膜22を順次成膜した。次いで、反強磁性層22の上
に、スパッタリング法により、CoFeを用いて表2に
示した厚さの強磁性外側層631を形成し、その上に、
Ruを用いて厚さ0.8nmの結合層632を形成し、
その上に、CoFeを用いて表2に示した厚さの強磁性
内側層633を成膜した。続いて、強磁性内側層633
の上に、実施例1−1〜1−12と同様に、第1軟磁性
層25および第2軟磁性層26を順次成膜し、その上
に、Cuを用いて表2に示した厚さの第2非磁性層27
を成膜し、その上に、表2に示した金属層を酸化するこ
とにより表2に示した厚さの高抵抗層28を形成した。
そののち、熱処理による反強磁性処理を行った。
【0093】
【表2】
【0094】このようにして作製した実施例2−1〜2
−7の積層体60について、実施例1−1〜1−12と
同様にして抵抗変化率、抵抗値および抵抗変化量を調べ
た。それらの結果を表2にそれぞれ示す。なお、本実施
例に対する比較例2−1として、高抵抗層28を設けな
いことを除き、実施例2−1と同一の条件で積層体を作
製した。また、比較例2−2として、比較例2−1と強
磁性外側層および強磁性内側層の厚さだけが異なる積層
体を作製した。これらの比較例についても、本実施例と
同様にしてその抵抗変化率、抵抗値および抵抗変化量を
調べた。それらの結果も、表2に合わせてそれぞれ示
す。
【0095】表2から分かるように、本実施例によれ
ば、抵抗変化率は12.4%以上および抵抗変化量は
2.2Ω以上であり、比較例2−1〜2−2よりも大き
な値を得ることができた。すなわち、強磁性層63をシ
ンセティックピン構造とした積層体60においても、高
抵抗層28を設けることによって抵抗変化率および抵抗
変化量を大きくできることが分かった。
【0096】[実施例3−1〜3−8]実施例3−1〜
3−8として、図17に示した積層体70を、表3に示
したように強磁性外側層631,内側第1層733a,
内側第2層733bおよび第2非磁性層27の厚さ、な
らびに高抵抗層28の含有金属および厚さを変えて作製
した。まず、実施例1−1〜1−12と同様にして、絶
縁性基板の上に、下地層21および反強磁性膜22を順
次成膜した。次いで、反強磁性層22の上に、スパッタ
リング法により、CoFeを用いて表3に示した厚さの
強磁性外側層631を成膜し、その上に、Ruを用いて
厚さ0.8nmの結合層632を成膜し、その上に、C
oFeを用いて内側第1層733a成膜した。なお、内
側第1層733aの厚さは、後の酸化処理により酸化さ
れて強磁性層内層730となる分を予め加味して、酸化
処理後の厚さが表3に示した厚さになるようにした。
【0097】続いて、内側第1層733aを酸化するこ
とにより、厚さ1nmの強磁性層内層730を形成し
た。強磁性層内層730の厚さは、透過型電子顕微鏡に
より測定した。そののち、強磁性層内層730の上に、
スパッタリング法によりCoFeを用いて内側第2層7
33bを形成し、その上に、実施例1−1〜1−12と
同様にして、第1非磁性層24,第1軟磁性層25およ
び第2軟磁性層26を順次成膜し、その上に、Cuを用
いて表3に示した厚さの第2非磁性層27を成膜し、そ
の上に、表3に示した金属の層を酸化することにより表
3に示した厚さの高抵抗層28を形成した。そののち、
熱処理による反強磁性処理をそれぞれ行った。
【0098】
【表3】
【0099】このようにして作製した実施例3−1〜3
−8の積層体70について、実施例1−1〜1−12と
同様にして抵抗変化率、抵抗値および抵抗変化量を調べ
た。それらの結果を表3にそれぞれ示す。なお、本実施
例に対する比較例3−1として、高抵抗層28を設けな
いことを除き、実施例3−1〜3−3と同一の条件で積
層体を作製した。また、比較例3−2として、比較例3
−1と強磁性外側層の厚さだけが異なる積層体を作製し
た。これら比較例3−1および3−2についても、本実
施例と同様にしてその抵抗変化率、抵抗値および抵抗変
化量を調べた。それらの結果も、表3に合わせてそれぞ
れ示す。
【0100】表3から分かるように、本実施例によれ
ば、抵抗変化率は13.3%以上および抵抗変化量は
2.5Ω以上であり、比較例3−1〜3−2よりも大き
な値を得ることができた。すなわち、強磁性層73をシ
ンセティック構造とし、かつ、強磁性層内層730を備
えた積層体70においても、高抵抗層28を設けること
により、抵抗変化率および抵抗変化量を大きくできるこ
とが分かった。また、本実施例によれば、実施例1−1
〜1−12よりも大きな抵抗変化率および抵抗変化量が
得られた。すなわち、強磁性層内層730を設けるよう
にすれば、抵抗変化率および抵抗変化量を更に大きくで
きることが分かった。
【0101】[実施例4−1〜4−10]実施例4−1
〜4−8として、図17に示した積層体70を、実施例
3−1〜3−8と同様にして、表4に示したように強磁
性外側層631,内側第1層733a,内側第2層73
3bおよび第2非磁性層27の厚さ、ならびに高抵抗層
28の含有金属および厚さを変えて作製した。また、実
施例4−9として、実施例2−7と同様にして図16に
示した積層体60を作製し、実施例4−10として、実
施例1−7と同様にして図7に示した積層体20を作製
した。このように作製した実施例4−1〜4−10の積
層体について、真空中において250℃で2時間の熱処
理を行ったのち、抵抗変化率、抵抗値および抵抗変化量
を測定し、これを初期特性値とした。次いで、これら積
層体について、真空中における250℃での熱処理を更
に50時間行ったのちの抵抗変化率、抵抗値および抵抗
変化量を測定した。それらの結果を表5にそれぞれ示
す。
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】また、比較例4−1として、比較例3−1
と同様にして積層体を作製し、比較例4−2として、比
較例2−1と同様にして積層体を作製し、比較例4−3
として、比較例1−1と同様にして積層体を作製した。
これら比較例4−1〜4−3についても、本実施例と同
様、抵抗変化率、抵抗値、抵抗変化量を測定した。それ
らの結果も表5に合わせてそれぞれ示す。
【0105】更に、比較例4−4として、文献“CoFe s
pecular spin valves with a nanooxide layer", 1999
Digests of INTERMAG 99, published on May 18, 1999
の記載内容に従って、図18に示した積層体80を作製
した。まず、表面にAl2 3 膜が形成されたAl2
3 ・TiCよりなる絶縁性基板の上に、厚さ3nmのT
a膜および厚さ2nmのNiFe膜を順次成膜して下地
層81を形成し、その上に、IrMnを用いて8nmの
反強磁性層82を成膜した。なお、IrMnは非熱処理
系反強磁性材料なので、反強磁性層82の成膜は、磁場
を印加しながら行った。次いで、反強磁性層82の上に
CoFeを用いて厚さ1nmの金属層を成膜し、その金
属層を酸化することにより厚さ1nmの強磁性層内層8
3を形成した。続いて、その上に、CoFeを用いて厚
さ1nmの強磁性層84を成膜し、その上に、Cuを用
いて厚さ2.4nmの非磁性層85を成膜し、その上
に、CoFeを用いて厚さ3nmの軟磁性層86を成膜
した。なお、軟磁性層86の厚さは、後の酸化処理によ
り酸化膜となる分を予め加味して、酸化処理後の厚さが
3nmになるようにした。次いで、軟磁性層86の表面
を酸化して、CoFeOからなる酸化膜87を形成し、
その上に、Taを用いて厚さ5nmの保護層88を成膜
した。強磁性層内層83および酸化膜87を除き、成膜
はスパッタリング法を用いて行った。
【0106】加えて、比較例4−5として、文献“スピ
ンフィルタースピンバルブヘッドの電磁変換特性”日本
応用磁気学会学術講演会講演概要集、第402頁の記載
内容に従って、図19に示した積層体90を作製した。
まず、表面にAl2 3 膜が形成されたAl2 3 ・T
iCよりなる絶縁性基板の上に、厚さ3nmのTa膜お
よび厚さ2nmのNiFe膜を順次成膜して下地層91
を形成し、その上に、PtMnを用いて25nmの反強
磁性層92を成膜し、その上に、CoFeを用いて厚さ
1nmの強磁性外側層931を成膜した。強磁性外側層
931の上に、Ruを用いて厚さ0.85nmの結合層
932を成膜し、その上に、CoFeを用いて強磁性外
側層933を成膜し、その上に、Cuを用いて厚さ2.
4nmの非磁性層94を成膜した。非磁性層94の上
に、CoFeを用いて厚さ1nmの第1軟磁性層95を
成膜し、その上に、NiFeを用いて厚さ2nmの第2
軟磁性層96を成膜し、その上に、Cuを用いて厚さ1
nmの第2非磁性層97を成膜し、その上に、Taを用
いて厚さ3nmの保護層98を成膜した。強磁性層内層
83および酸化膜87を除き、成膜は、スパッタリング
法を用いて行った。また、熱処理系反強磁性材料(Ir
Mn)を用いて反強磁性層92を形成するようにしたの
で、成膜ののち熱処理により反強磁性処理をそれぞれ行
った。
【0107】これら比較例4−4および4−5について
も、本実施例と同様、抵抗変化率、抵抗値および抵抗変
化量を測定した。それらの結果も合わせてそれぞれ示
す。
【0108】表5から分かるように、本実施例の50時
間加熱後の抵抗変化率は10.5%以上および抵抗変化
量は2.1%以上であり、比較例4−1〜4−5よりも
大きな値を示した。すなわち、本実施例によれば、高い
熱安定性が得られることが分かった。
【0109】また、上述した実施例のうち実施例4−
1,4−9,4−10について、上記実施の形態で説明
したような薄膜ヘッドを作製し、その特性をそれぞれ測
定した。それらの結果を表6にそれぞれ示す。なお、作
製した薄膜ヘッドにおける積層体50,60,70のト
ラック幅、抵抗およびMR高さはそれぞれ表6に示した
通りである。また、薄膜ヘッドの特性としては、ヘッド
出力,規格化出力,非対称性および出力変動値(CO
V:Covarient)をそれぞれ求めた。このうち
規格化出力はトラック幅の単位長さにおけるヘッド出力
である。出力変動値は記録と再生を100回繰り返し、
その時のヘッド出力値のばらつきの標準偏差σ(シグ
マ)をヘッド出力の平均値で割ることによりそれぞれ求
めた。また、非対称性を評価するための定数であるアシ
ンメトリーAsymは、薄膜磁気ヘッドの電圧出力にお
けるプラスのピーク電圧の絶対値V1と、マイナスのピ
ーク電圧の絶対値V2とから、以下の数1式により求め
た。
【0110】
【数1】Asym(%)=(V1−V2)/(V1+V
2)×100
【0111】
【表6】
【0112】また、比較例4−2,4−3についても同
様にして薄膜ヘッドを作製し、その特性を調べた。それ
らの結果も表6にそれぞれ示す。なお、作製した薄膜ヘ
ッドにおける積層体のトラック幅、抵抗およびMR高さ
はそれぞれ表6に示した通りである。
【0113】表6から分かるように、本実施例によれば
5000μVを越える規格化ヘッド出力を得ることがで
きた。また、非対称性も0により近く、出力変動値も
1.0を下回る小さな値を得ることができた。すなわ
ち、本実施例によれば、大きな出力が得られると共に、
安定した出力波形を得ることができることが分かった。
また、特に、シンセティック構造を有する実施例4−1
および実施例4−9では、出力の非対称性が良好である
ことが分かった。更に、シンセティック構造であって強
磁性層内層730を有する実施例4−1では、特に大き
な規格化出力を得ることができることが分かった。
【0114】なお、上記実施例では、いくつかの例を挙
げて具体的に説明したが、他の構成を有する積層体につ
いても、軟磁性層の強磁性層側と反対の側に非磁性層お
よび高抵抗層をこの順で設けるようにすれば、同様の結
果を得ることができる。
【0115】以上、いくつかの実施の形態および実施例
を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の
形態および実施例に限定されるものではなく、種々の変
形が可能である。例えば、軟磁性層が第1軟磁性層と第
2軟磁性層との2層構造を有する場合について説明した
が、軟磁性層は単層構造とされていてもよく、また3層
以上の積層構造であっても良い。
【0116】また、図6に示した磁区制御膜30a,3
0bとしては、磁区制御用強磁性膜31a,31bと磁
区制御用反強磁性膜32a,32bに代えて、硬磁性材
料(ハードマグネット)を用いてもよい。この場合に
は、TiW(チタンタングステン合金)層とCoPt
(コバルト白金合金)層との積層膜、あるいはTiW層
とCoCrPt(コバルトクロム白金合金)層との積層
膜などを用いることができる。
【0117】また、上記の実施の形態では、反強磁性層
22および磁区制御用反強磁性層32a,32bを、い
ずれも、熱処理系反強磁性材料により形成したが、反強
磁性層22を熱処理系反強磁性材料により形成し、磁区
制御用反強磁性層32a,32bを非熱処理系反強磁性
材料により形成しても良い。また、反強磁性層22を非
熱処理系反強磁性材料により形成し、磁区制御用反強磁
性層32a,32bを熱処理系反強磁性材料により形成
しても良い。あるいは、反強磁性層22および磁区制御
用反強磁性層32a,32bを、いずれも、非熱処理系
反強磁性材料により形成しても良い。
【0118】更に、上記実施の形態では、本発明の磁気
変換素子を複合型薄膜磁気ヘッドに用いる場合について
説明したが、再生専用の薄膜磁気ヘッドに用いることも
可能である。また、記録ヘッド部と再生ヘッド部の積層
順序を逆にしても良い。
【0119】加えて、本発明の磁気変換素子の構成は、
トンネル接合型磁気抵抗効果膜(TMR膜)に適用して
も良い。更にまた、本発明の磁気変換素子は、上記実施
の形態で説明した薄膜磁気ヘッドのほかに、例えば、磁
気信号を検知するセンサ(加速度センサなど)や、磁気
信号を記憶するメモリ等に適用することも可能である。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項10のいずれか1に記載の磁気変換素子または請求
項11記載の薄膜磁気ヘッドによれば、第2非磁性層の
軟磁性層と反対の側に隣接して比抵抗が200μΩ・c
m以上の材料からなる高抵抗層を設けるようにしたの
で、また、請求項12記載の薄膜磁気ヘッドによれば、
第2非磁性層に隣接して一方のギャップ層を設け、この
ギャップ層が比抵抗200μΩ・cm以上の材料により
構成されるようにしたので、特性の安定性を向上しつ
つ、抵抗変化率および抵抗変化量を大きくすることがで
き、更に、高い熱安定性も得ることができるという効果
を奏する。
【0121】特に、請求項2ないし請求項10のいずれ
か1に記載の磁気変換素子または請求項11記載の薄膜
磁気ヘッドによれば、高抵抗層が、Al,Cr,Ti,
Ru,Mn,Rh,Ag,Pd,Ni,Cu,Co,F
e,ReおよびTaからなる群のうちの少なくとも1種
と、OおよびNからなる群のうちの少なくとも1種とを
含むようにしたので、熱安定性を更に向上することがで
きるという効果を奏する。
【0122】また、請求項7ないし請求項10のいずれ
か1に記載の磁気変換素子または請求項11記載の薄膜
磁気ヘッドによれば、強磁性層が強磁性内側層と強磁性
外側層とこれらに挟まれた結合層とをふくむようにした
ので、また、請求項8ないし請求項10のいずれか1に
記載の磁気変換素子または請求項11記載の薄膜磁気ヘ
ッドによれば、強磁性層に互いに反対向きの2つの磁化
が併存するようにしたので、出力の対象性を向上させる
ことができるという効果を奏する。
【0123】更に、請求項9または請求項10に記載の
磁気変換素子または請求項11記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、強磁性層内に、磁性を有し、かつ強磁性層の少
なくとも一部よりも大きな電気抵抗を有する強磁性層内
層を設けるようにしたので、抵抗変化率および抵抗変化
量をより一層大きくすることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気変換素子
を含む薄膜磁気ヘッドを備えたアクチュエータアームの
構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示したアクチュエータアームにおけるス
ライダの構成を表す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成
を表す分解斜視図である。
【図4】図3に示した薄膜磁気ヘッドのIV矢視方向か
ら見た構造を表す平面図である。
【図5】図3に示した薄膜磁気ヘッドの図4におけるV
−V線に沿った矢視方向の構造を表す断面図である。
【図6】図3に示した薄膜磁気ヘッドの図4におけるV
I−VI線に沿った矢視方向の構造、すなわち図5にお
けるVI−VI線に沿った矢視方向の構造を表す断面図
である。
【図7】図6に示した磁気変換素子における積層体の構
成を表す斜視図である。
【図8】図7に示した積層体を用いたMR素子における
外部磁界と電気抵抗の関係を表す特性図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図10】図9に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図11】図10に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図12】図11に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図14】第1の実施の形態の変形例に係る磁気変換素
子における積層体の構成を表す斜視図である。
【図15】第2の実施の形態に係る磁気変換素子におけ
る再生ヘッド部の積層体の構成を表す断面図である。
【図16】第3の実施の形態に係る磁気変換素子におけ
る積層体の構成を表す斜視図である。
【図17】第4の実施の形態に係る磁気変換素子におけ
る積層体の構成を表す斜視図である。
【図18】比較例に係る積層体の構成を表す斜視図であ
る。
【図19】比較例に係る積層体の構成を表す斜視図であ
る。
【図20】従来の磁気変換素子における積層体の構成を
表す斜視図である。
【符号の説明】
11…絶縁層、12…第1磁性層、13…第1ギャップ
層、14,514…第2ギャップ層、15…第2磁性
層、20,50,60,70…積層体、21…下地層、
22…反強磁性層、23…強磁性層、24…第1非磁性
層、25…第1軟磁性層、26…第2軟磁性層、27…
第2非磁性層、28…高抵抗層、29…保護層、30
a,30b…磁区制御膜、31a,31b…磁区制御用
強磁性膜、32a,32b…磁区制御用反強磁性膜、3
3a,33b…リード層、41…記録ギャップ層、4
2,44,46…フォトレジスト層、43,45…薄膜
コイル、47…上部磁極、48…オーバーコート層、6
3…強磁性層、631…強磁性外側層、632…結合
層、633…強磁性内側層、73…強磁性層、733a
…内側第1層、733b…内側第2層、730…層内
層、100…薄膜磁気ヘッド、101…再生ヘッド部、
102…記録ヘッド部、110…MR素子(磁気変換素
子)、200…アクチュエータアーム、210…スライ
ダ、211…基体、211a…エアベアリング面、22
0…支軸、230…腕部、300…記録媒体、401…
フォトレジスト膜、402…堆積物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 正志 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 上杉 卓己 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA03 BA04 BA05 BB12 DA07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の対向する面を有する第1非磁性層
    と、 この第1非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層
    と、 前記第1非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層
    と、 この強磁性層の前記第1非磁性層と反対の側に形成され
    た反強磁性層と、 前記軟磁性層の前記第1非磁性層と反対の側に形成され
    た第2非磁性層とを備えた磁気変換素子であって、 前記第2非磁性層の前記軟磁性層と反対の側に隣接し
    て、比抵抗が200μΩ・cm以上の材料からなる高抵
    抗層を有することを特徴とする磁気変換素子。
  2. 【請求項2】 前記高抵抗層は、アルミニウム(A
    l),クロム(Cr),チタン(Ti),ルテニウム
    (Ru),マンガン(Mn),ロジウム(Rh),銀
    (Ag),パラジウム(Pd),ニッケル(Ni),銅
    (Cu),コバルト(Co),鉄(Fe),レニウム
    (Re)およびタンタル(Ta)からなる群のうちの少
    なくとも1種と、酸素(O)および窒素(N)からなる
    群のうちの少なくとも1種とを含むことを特徴とする請
    求項1記載の磁気変換素子。
  3. 【請求項3】 前記高抵抗層は、アルミニウム,クロ
    ム,チタン,ルテニウム,マンガンおよびロジウムから
    なる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の磁気変換素子。
  4. 【請求項4】 前記高抵抗層の厚さは、0.5nm以上
    30nm以下であることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれか1に記載の磁気変換素子。
  5. 【請求項5】 前記第2非磁性層は、金(Au),銀,
    銅,ルテニウム,ロジウム,レニウム,白金(Pt)お
    よびタングステン(W)からなる群のうち少なくとも1
    種を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
    ずれか1に記載の磁気変換素子。
  6. 【請求項6】 前記第2非磁性層の厚さは、0.5nm
    以上2nm以下であることを特徴とする請求項1ないし
    請求項5のいずれか1に記載の磁気変換素子。
  7. 【請求項7】 前記強磁性層は、強磁性内側層と、強磁
    性外側層と、これらに挟まれた結合層とを含むことを特
    徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1に記載の
    磁気変換素子。
  8. 【請求項8】 前記強磁性層は、互いに反対向きの2つ
    の磁化が併存しうるよう構成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項7のいずれか1に記載の磁気変
    換素子。
  9. 【請求項9】 前記強磁性層の中に、磁性を有し、前記
    強磁性層の少なくとも一部よりも大きな電気抵抗を有す
    る強磁性層内層が設けられていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項8のいずれか1に記載の磁気変換素
    子。
  10. 【請求項10】 前記軟磁性層の厚さは、1nm以上6
    nm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求9
    のいずれか1に記載の磁気変換素子。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10のいずれか
    1に記載の磁気変換素子を有することを特徴とする薄膜
    磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 一対の磁性層の間に一対のギャップ層
    をそれぞれ介して磁気変換素子が設けられた薄膜磁気ヘ
    ッドであって、 前記磁気変換素子は、 一対の対向する面を有する第1非磁性層と、 この第1非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層
    と、 前記第1非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層
    と、 この強磁性層の前記第1非磁性層と反対の側に形成され
    た反強磁性層と、 前記軟磁性層の前記第1非磁性層と反対の側に形成され
    た第2非磁性層とを有すると共に、 前記一対のギャップ層の一方は、前記第2非磁性層に隣
    接し、かつ200μΩ・cm以上の比抵抗を有する材料
    により構成されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
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