JP2001221105A - エンジンの内部egr量推定方法と、該内部egr量推定値を用いた可変動弁制御方法、シリンダ吸入空気量算出方法および点火時期制御方法 - Google Patents

エンジンの内部egr量推定方法と、該内部egr量推定値を用いた可変動弁制御方法、シリンダ吸入空気量算出方法および点火時期制御方法

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JP2001221105A JP2000367770A JP2000367770A JP2001221105A JP 2001221105 A JP2001221105 A JP 2001221105A JP 2000367770 A JP2000367770 A JP 2000367770A JP 2000367770 A JP2000367770 A JP 2000367770A JP 2001221105 A JP2001221105 A JP 2001221105A
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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内部EGR量を高精度に推定する。 【解決手段】オーバーラップ無し条件での内部EGR量
の基本値を算出し(S2)、オーバーラップ時は、オー
バーラップ時間とその中心クランク角位置、及び吸気圧
を考慮して算出したオーバーラップによる増量補正分
(S5,S6,S7)を、前記基本値に加算して内部E
GR量を算出し(S8)、算出された目標空気量(S
1)に前記内部EGR量を加算して求めた目標空気量補
正値に対して吸気弁の目標閉時期を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸・排気弁の開閉
時期を任意に可変制御できるエンジンにおいて、内部E
GR量を推定し、また、該推定された内部EGR量を用
いて可変動弁の制御、シリンダ吸入空気量の算出および
点火時期制御を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般のエンジンでは、スロットル弁
の開度によって吸入空気量を制御するが、近年、電磁駆
動式の吸・排気弁を備え、主として吸気弁の閉時期の制
御によって吸入空気量を制御するようにしたものが提案
されている(特開平10−37727号公報参照) 。
【0003】この種の吸入空気量制御では、スロットル
弁を備えない場合は略大気圧に維持される吸気圧力、ま
たスロットル弁を併用する場合はスロットル弁開度に応
じた吸気圧力に対し、吸気弁の閉時期により決定される
有効吸気行程に応じたシリンダ吸入空気の体積量を制御
することで、要求トルクに応じた目標空気量(要求吸入
空気量)を得るように制御することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
に主として吸気弁の閉時期によって吸入空気量を制御す
る場合、燃焼室内の残ガス量(内部EGR量)に加えて
目標空気量相当の新気量がシリンダ内に含まれるピスト
ン位置で吸気弁を閉じるように制御する必要がある。
【0005】前記可変動弁の場合、吸・排気弁のオーバ
ーラップの有無及びオーバーラップ量の変化によって、
内部EGR量は大きく変化する。特に、電磁駆動式など
の開閉の応答性が高い可変動弁の場合は、オーバーラッ
プ期間中は排気弁及び吸気弁が共に略全開状態でオーバ
ーラップするので、内部EGR量の変化が大きい。した
がって、目標空気量に対応した吸気弁の閉時期を、内部
EGR量に対して固定的な補正又は所定の運転状態のみ
を考慮した単純な補正を行なったのでは、良好な吸入空
気量制御ひいてはエンジントルク制御を行えないことが
判明した。また、運転状態に応じて、適度な内部EGR
量を得るべく排気弁の目標閉時期、吸気弁の目標開時期
等を設定し、それに合わせて吸気弁の目標閉時期を補正
したとしても、実際の内部EGR量は、バルブタイミン
グ以外の要因によっても大きく変化するので良好な制御
を行なうことができない。
【0006】以上のことから、可変動弁で応答性良く制
御するためには、過渡的に大きく変化する内部EGR量
を正確に把握することが要求される。また、シリンダ吸
入空気量を高精度にフィードバック制御し、さらにはそ
れによって高精度な空燃比制御を行うこと、その他の目
的でシリンダ吸入空気量を高精度に推定したり、点火時
期を燃焼効率が最適となるように制御するためなどに
も、内部EGR量を正確に把握することが要求される。
【0007】本発明は、このような従来の課題に着目し
てなされたもので、吸・排気弁の開閉時期を可変制御す
るエンジンにおいて、内部EGR量を応答性よく高精度
に推定し、さらには各種エンジン制御を良好に行えるよ
うにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1にか
かるエンジンの内部EGR量推定方法の発明は、排気弁
の開閉時期を可変制御できる可変動弁装置を備えたエン
ジンにおいて、排気弁の閉時期と、吸気弁の開時期と、
エンジン回転速度と、に基づいて、内部EGR量を推定
することを特徴とする。
【0009】請求項1に係る発明によると、排気弁の閉
時期と、吸気弁の開時期とに基づいて吸・排気弁のオー
バーラップ状態と、排気弁閉時のシリンダ内残ガス容積
とが求められ、これらとエンジン回転速度とから排気の
吹き返しの影響などを考慮して、内部EGR量を高精度
に推定することができる。
【0010】また、請求項2に係る発明は、前記内部E
GR量の推定に用いる排気弁の閉時期として、目標値を
用いることを特徴とする。請求項2に係る発明による
と、センサによって排気弁の閉時期を検出する場合に比
較して、制御の目標値を用いることで簡素化できる。
【0011】また、請求項3に係る発明は、排気弁の閉
時期とエンジン回転速度とに基づいて、内部EGR量の
基本値を算出し、排気弁の開期間と吸気弁の開期間とが
オーバーラップしないときは、該基本値をそのまま内部
EGR量として推定し、オーバーラップするときは、該
オーバーラップ状態に応じて前記基本値を補正して内部
EGR量を推定することを特徴とする。
【0012】請求項3に係る発明によると、吸・排気弁
のオーバーラップが無い状態での内部EGR量の基本値
を、排気弁の目標閉時期とエンジン回転速度とに基づい
て算出した上で、オーバーラップがあるときは、吹き返
し等による内部EGR量の増量があるので、該オーバー
ラップ状態に応じて前記基本値を補正することにより、
内部EGR量を推定する。
【0013】このようにすれば、吸・排気弁のオーバー
ラップが無い状態での内部EGR量の基本値は、排気弁
の閉時期により大方は決まるが、エンジン回転速度によ
り多少の変化を伴なうので、該エンジン回転速度も考慮
することにより、高精度に算出され、オーバーラップが
あるときは、該基本値をオーバーラップ状態に応じて補
正することで、高精度に内部EGR量を推定できる。
【0014】また、請求項4に係る発明は、排気弁の開
期間と吸気弁の開期間とがオーバーラップするときに
は、前記オーバーラップ状態に応じて設定したオーバー
ラップ補正量を前記基本値に加算して内部EGR量の推
定値を算出することを特徴とする。請求項4に係る発明
によると、前記基本値は吸・排気弁のオーバーラップが
無い状態での内部EGR量として算出され、オーバーラ
ップ補正量は、オーバーラップ状態に応じた影響分が設
定されるので、これらを加算して容易に内部EGR量を
推定することができる。
【0015】また、請求項5に係る発明は、排気弁の開
期間と吸気弁の開期間とがオーバーラップするときに
は、排気上死点と排気弁の閉時期との間隔が増大するに
したがって、前記基本値を増大することを特徴とする。
請求項5に係る発明によると、内部EGR量の基本値
は、吸・排気弁のオーバーラップが無い状態でシリンダ
内に残留する既燃ガス量であり、該既燃ガス量は、排気
弁の閉時期におけるピストン位置で定まるシリンダ容積
が最小となる排気上死点で最小となり、排気上死点から
の間隔が増大してシリンダ容積が増大するにしたがって
増大する。
【0016】したがって、上記特性に合わせて基本値を
設定することで適正に基本値を設定できる。また、請求
項6に係る発明は、排気弁の開期間と吸気弁の開期間と
がオーバーラップするときには、排気弁の閉時期が排気
上死点前にあるときは、エンジン回転速度が大きいとき
ほど、前記基本値を増大することを特徴とする。
【0017】請求項6に係る発明によると、同一ピスト
ン位置でも排気弁の閉時期が排気上死点前にあるとき
は、残留ガスがやや圧縮された状態で排気弁が閉じ、エ
ンジン回転速度が大きいときほど慣性により圧縮度合い
が増大して残ガス量(内部EGR量)が増大する。そこ
で、上記傾向にしたがって基本値を排気弁の閉時期が排
気上死点前にあるときは、エンジン回転速度が大きいと
きほど、前記基本値を増大することにより、基本値を適
正値に設定することができる。
【0018】また、請求項7に係る発明は、排気弁の開
期間と吸気弁の開期間とがオーバーラップするときに
は、排気弁の閉時期が排気上死点後にあるときは、エン
ジン回転速度が大きいときほど、前記基本値を減少する
ことを特徴とする。同一ピストン位置でも排気弁の閉時
期が排気上死点後にあるときは、一旦排気通路に排出し
た排気をシリンダ内に引き戻す状態で排気弁が閉じるの
で、排気の戻りに遅れを生じる分、残留ガス量つまり内
部EGR量は減少する。そして、その傾向は、エンジン
回転速度Neが大きいときほど慣性が大きくなって、強
められる。
【0019】そこで、上記傾向にしたがって基本値を排
気弁の閉時期が排気上死点後にあるときは、エンジン回
転速度が大きいときほど、前記基本値を減少することに
より、基本値を適正値に設定することができる。また、
請求項8に係る発明は、排気弁の開期間と吸気弁の開期
間とのオーバーラップ量が増大するほど前記オーバーラ
ップ補正量を増大することにより、内部EGR量の推定
値を増大することを特徴とする。
【0020】請求項8に係る発明によると、基本的に吸
・排気弁のオーバーラップ量が増大するほど、オーバラ
ップ中に排気のシリンダ内へ戻り量が増大して内部EG
R量が増大するので、この傾向に応じてオーバーラップ
補正量を増大することにより、内部EGR量の推定値を
適正に増大できる。
【0021】また、請求項9に係る発明は、排気弁の閉
時期が排気上死点後にあるときは、該閉時期の排気上死
点からの遅角量が増大するにしたがって、前記オーバー
ラップ補正量を減少することにより、内部EGR量の推
定値を減少することを特徴とする。請求項9に係る発明
によると、排気弁の閉時期が排気上死点後にあるときの
オーバーラップ中はピストンが下降しているため、該閉
時期が排気上死点から離れるほどシリンダ内の吸入負圧
が発達して吸気ポート内の吸気負圧との差圧が小さくな
って、排気が吸気ポートへ吹き返しされにくくなり、ま
た、非オーバーラップ時と比較したときの排気のシリン
ダ内への戻り量の差も小さくなる。つまりオーバーラッ
プによる内部EGR量の増量分は、排気弁の閉時期が排
気上死点から離れるに従って減少する。
【0022】そこで、排気弁閉時期の排気上死点からの
遅角量が増大するにしたがって、前記オーバーラップ補
正量を減少することにより、内部EGR量の推定値を適
正値に算出することができる。また、請求項10に係る
発明は、吸気負圧の絶対値が増大するにしたがって、前
記オーバーラップ補正量を増加することにより、内部E
GR量の推定値を増大することを特徴とする。
【0023】請求項10に係る発明によると、吸気負圧
の絶対値が増大するにしたがって、排気圧との差圧が増
大するので、オーバラップ中にシリンダ内に戻されまた
は吸気ポートへの吹き返し後にシリンダ内に吸入される
排気の量が増大する。そこで、吸気負圧の絶対値が増大
するにしたがって、前記オーバーラップ補正量を増加す
ることにより、内部EGR量の推定値を適正に増大でき
る。
【0024】また、請求項11に係る発明は、前記オー
バーラップ量により決定した基本補正値を、吸気圧と前
記排気弁の閉時期とに基づいて決定した吸気圧補正量を
用いて補正することにより、前記オーバーラップ補正量
を算出することを特徴とする。請求項11に係る発明に
よると、既述のオーバーラップ量に応じた内部EGR量
の特性に基づいて決定した基本補正値を、既述の吸気圧
と前記排気弁の閉時期に応じた特性に基づいて決定した
吸気圧補正量を用いて補正することにより、前記オーバ
ーラップ補正量を適正値に算出することができる。
【0025】また、請求項12に係る発明は、前記オー
バーラップ量は、オーバーラップ量相当のクランク角期
間を時間換算した値を用いることを特徴とする。請求項
12に係る発明によると、吸・排気弁のオーバーラップ
による内部EGR量の変化は、オーバーラップされてい
る時間の間に生じるものであるから、オーバーラップ量
相当のクランク角期間を時間換算した値を用いることに
より、オーバーラップの基本補正値を適正値に算出する
ことができる。
【0026】また、請求項13に係る発明は、前記オー
バーラップ量に基づいて中間値を決定し、排気弁の閉時
期が排気上死点前にあるときは、前記基本補正値を前記
中間値に一致して設定し、前記排気弁の閉時期が排気上
死点後にあるときは、該閉時期が該排気上死点からの遅
角量と比例する減少補正量を、前記中間値から減算した
値に前記基本補正値を設定することを特徴とする。
【0027】請求項13に係る発明によると、既述した
ように、オーバーラップ量の増大に応じて内部EGR量
は増大し、かつ、排気弁の閉時期が排気上死点前にある
ときは、オーバーラップ中吸気ポートへの吹き返しが支
配的となるので、排気弁閉時期によらず内部EGR量の
増量分は略一定となり、一方、排気弁の閉時期が排気上
死点後にあるときは、排気上死点からの遅角量が増大す
るにしたがって、オーバーラップ中の内部EGR量の増
量分が減少する。
【0028】そこで、オーバーラップ量の増大に応じて
設定した中間値を、排気弁の閉時期が排気上死点前にあ
るときは、そのまま基本補正値として設定し、排気弁の
閉時期が排気上死点後にあるときは、該閉時期が該排気
上死点からの遅角量と比例する減少補正量を、前記中間
値から減算して基本補正値として設定することで、基本
補正値を適正値に算出することができる。
【0029】また、請求項14に係る発明は、吸気圧と
排気弁の閉時期に応じた吸気圧補正量として吸気圧補正
係数を決定し、前記基本補正値に該吸気圧補正係数を乗
じて前記オーバーラップ補正量を算出することを特徴と
する。請求項14に係る発明によると、既述の吸気圧と
排気弁の閉時期に応じたオーバーラップ中の内部EGR
量の変化に基づいて吸気圧補正係数を決定し、前記基本
補正値に該吸気圧補正係数を乗じることで、オーバーラ
ップ補正量を容易に適正値に算出することができる。
【0030】また、請求項15に係る発明は、吸気負圧
の絶対値が増大するにしたがって前記吸気圧補正量を増
大し、排気弁の閉時期が排気上死点後にあり、かつ、吸
気負圧の絶対値が所定値より高いときは、該閉時期の該
排気上死点からの遅角量に応じて前記吸気圧補正量を増
大することを特徴とする。
【0031】請求項15に係る発明によると、既述のよ
うに吸気負圧の絶対値が増大するにしたがってオーバー
ラップ中の内部EGR量が増大するので吸気圧補正量を
増大する一方、排気弁閉時期が排気上死点から離れるほ
どオーバーラップの有無によるシリンダ内の圧力の差が
小さくなるので排気の戻り量の増量分が減少する傾向が
あるが、吸気負圧の絶対値が所定以上増大すると、やは
りオーバーラップの有無によるシリンダ内の圧力の差が
大きくなって増量分が大きく維持されるので、吸気負圧
の絶対値が小さいときより、吸気圧補正量を増大する。
【0032】これにより、吸気圧に応じて高精度に吸気
圧補正量が設定されるので、オーバーラップ補正量を適
正値に算出することができる。また、請求項16に係る
可変動弁の制御方法の発明は、吸気弁および排気弁の開
閉時期を可変制御できる可変動弁装置を備えたエンジン
において、前記請求項1〜請求項15のいずれか1つに
記載された内部EGR量の推定方法を用いて内部EGR
量を推定し、エンジンの運転状態に基づいて目標空気量
を算出し、前記内部EGR量の推定値と前記目標空気量
の算出値とに基づいて、吸気弁の目標閉時期を算出し、
該算出された目標閉時期となるように吸気弁の閉時期を
制御することを特徴とする。
【0033】請求項16に係る発明によると、既述のよ
うにして高精度に推定された内部EGR量と、エンジン
運転状態毎に算出した目標空気量とに基づいて、吸気弁
の目標閉時期が算出され、該目標閉時期となるように吸
気弁の閉時期が制御される。このようにすれば、エンジ
ン運転状態に応じて吸・排気弁のオーバーラップの有
無、オーバーラップ量の変化等により大きく変化する内
部EGR量を逐次高精度に推定しつつ吸気弁の閉時期を
補正制御するので、目標吸入空気量に見合った新気量が
得られ、高精度なトルク制御を行える。
【0034】また、請求項17に係るエンジンのシリン
ダ吸入空気量算出方法の発明は、前記請求項1〜請求項
15のいずれか1つに記載された内部EGR量の推定方
法を用いて内部EGR量を推定し、該内部EGR量の推
定値を用いてシリンダに吸入される空気量を算出するこ
とを特徴とする。請求項17に係る発明によると、既述
のようにして高精度に推定された内部EGR量を用いる
ことにより、シリンダに吸入される全ガス量から内部E
GR量を減算した量であるシリンダ吸入空気量を高精度
に算出することができる。
【0035】また、請求項18に係る発明は、前記内部
EGR量の推定値と、吸気弁閉時期から算出されるシリ
ンダ容積とに基づいてシリンダ内の体積空気量を算出す
ると共に、吸気マニホールド内の質量空気量を算出し、
該シリンダ内の体積空気量と吸気マニホールド内の質量
空気量および吸気マニホールド容積とに基づいてシリン
ダに吸入される質量空気量を算出することを特徴とす
る。
【0036】請求項18に係る発明によると、吸気弁閉
時期からシリンダ容積すなわちシリンダに吸入される全
体積ガス量が算出され、該全体積ガス量から前記内部E
GR量(体積)の推定値を減算することでシリンダに吸入
される体積空気量が算出される。吸気マニホールド内の
圧力、温度と、吸気行程終了時のシリンダ内の圧力、温
度が等しいと仮定すれば、吸気マニホールド内の質量空
気量を吸気マニホールド容積で除算した吸気マニホール
ド内の空気密度とシリンダ内の空気密度が等しいので、
この関係を用いてシリンダに吸入される質量空気量を算
出することができる。
【0037】また、請求項19に係る発明は、前記吸気
マニホールド内の質量空気量は、該吸気マニホールド内
の質量空気の流入量と流出量の収支計算を行って算出す
ることを特徴とする。請求項19に係る発明によると、
エアフローメータなどで検出される吸気マニホールド内
への質量空気の流入量と、シリンダに吸入される質量空
気量として逐次算出される吸気マニホールド内からの質
量空気の流出量と、の収支計算を行うことで、吸気マニ
ホールド内の質量空気量を逐次高精度に算出することが
できる。
【0038】また、請求項20に係るエンジンの点火時
期制御方法の発明は、前記請求項1〜請求項15のいず
れか1つに記載された内部EGR量の推定方法を用いて
内部EGR量を推定し、該内部EGR量の推定値を用い
て点火時期を制御することを特徴とする。請求項20に
係る発明によると、既述のようにして高精度に推定され
た内部EGR量を用いることにより、燃焼状態を高精度
に把握して点火時期を適正に制御することができる。
【0039】また、請求項21に係る発明は、前記内部
EGR量の推定値に基づいてシリンダ内の全ガス量に対
する残ガス量の質量比である残ガス率を算出し、該残ガ
ス率に基づいて燃焼速度を算出し、該燃焼速度に基づい
て点火開始から燃焼圧力がピークとなるまでの燃焼反応
時間を算出し、該燃焼反応時間に基づいてMBT(最大
トルク発生点火時期)を算出して、該MBTとなるよう
に点火時期を制御することを特徴とする。
【0040】請求項21に係る発明によると、内部EG
R量に基づいて算出した残ガス率により燃焼速度を高精
度に推定でき、以って、過渡時にもMBTを正確に算出
して、最適な点火時期制御を行え、ひいては燃費を向上
できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の一実施形態を示す可変動弁
エンジンのシステム図である。エンジン1の各気筒のピ
ストン2により画成される燃焼室3には、点火栓4を囲
むように、電磁駆動式の吸気弁5及び排気弁6を備えて
いる。7は吸気通路、8は排気通路である。
【0042】吸気弁5及び排気弁6の電磁駆動装置(可
変動弁装置)の基本構造を図2に示す。弁体20の弁軸
21にプレート状の可動子22が取付けられており、こ
の可動子22はスプリング23,24により中立位置に
付勢されている。この可動子22の下側に開弁用電磁コ
イル25が配置され、上側に閉弁用電磁コイル26が配
置されている。
【0043】そして、エンジン1の始動前にこれら開弁
用電磁コイル25及び閉弁用電磁コイル26を交互に通
電して可動子22を共振させ、振幅が十分大きくなった
ところで、いずれかの電磁コイルに可動子22を吸着保
持する。その後は、閉弁から開弁させる際は、可動子2
2を吸着している上側の閉弁用電磁コイル26への通電
を停止した後、スプリング23の付勢力で可動子22を
下方に移動させ、下側の開弁用電磁コイル25に十分接
近したところから該開弁用電磁コイル25を通電して可
動子22を吸着することにより、弁体20をリフトさせ
て開弁させる。
【0044】逆に、開弁から閉弁させる際は、可動子2
2を吸着している下側の開弁用電磁コイル25への通電
を停止した後、スプリング24の付勢力で可動子22を
上方へ移動させ、上側の閉弁用電磁コイル26に十分接
近したところから該閉弁用電磁コイル26を通電して、
可動子22を吸着することにより、弁体20をシート部
に着座させて閉弁させる。
【0045】なお、本実施形態では、可変動弁装置とし
て、電磁駆動式のものを用いたが、油圧駆動式のもの等
を用いることもできる。図1に戻って、吸気通路7に
は、マニホールド部の上流に、吸入空気量を検出するエ
アフロメータ9、開度を電子制御されるスロットル弁1
0が設けられ、各気筒毎の吸気ポート部分に、電磁式の
燃料噴射弁11が設けられている。
【0046】ここにおいて、吸気弁5、排気弁6、スロ
ットル弁10、燃料噴射弁11及び点火栓4の作動は、
コントロールユニット12により制御され、このコント
ロールユニット12には、エンジン回転に同期してクラ
ンク角信号を出力しこれによりエンジン回転速度を検出
可能なクランク角センサ13、アクセル開度(アクセル
ペダルの踏込み量)を検出するアクセルペダルセンサ1
4等から、信号が入力されている。
【0047】そして、アクセル開度,エンジン回転速度
等のエンジンの運転条件に基づいて目標トルクが得られ
るように主として吸気弁5の閉時期の制御によって吸入
空気量が制御される。また、排気エミッション特にNO
x排出量低減のため、運転条件に応じて適度な内部EG
R量に制御されるように、排気弁6の閉時期と吸気弁5
の開時期と(さらには、排気弁6の開時期)が制御され
るが、実際には、内部EGR量はこれらのバルブタイミ
ング以外の要因によっても変化するので、運転状態毎に
内部EGR量を推定し、該推定された内部EGR量に応
じて吸気弁5の閉時期を補正制御する。
【0048】また、前記各種センサ類により検出された
値に基づいて、吸入空気量が検出され、該吸入空気量に
基づいて前記燃料噴射弁9からの燃料噴射量が制御され
る。以下に、本発明に係る内部EGR量の推定に基づく
第1の実施形態として、吸気弁の閉時期制御の実施形態
を、図に基づいて説明する。図3は、メインルーチンの
フローチャートである。
【0049】ステップ1では、アクセルペダルセンサ1
4によって検出されたアクセル開度及びクランク角セン
サ13によって検出されたエンジン回転速度等を読み込
み、これらの運転状態パラメータに基づいて、要求トル
クに見合った目標空気量FQH0EMを算出する。ステ
ップ2では、内部EGR量の吸・排気弁のオーバーラッ
プが無い状態における基本値EVEGR0を算出する。
該算出は、図4のサブルーチンに従って行なわれる。即
ち、ステップ21,22でエンジン回転速度Neと排気
弁の目標閉時期(EVC)を読み込み、ステップ23で
これらに基づいて、図7に示すような特性データに基づ
いて作成されたマップテーブルを検索して、内部EGR
量の基本値EVEGR0を、前記目標空気量FQH0E
Mに対するEGR率として算出する。該基本値EVEG
R0は、吸・排気弁のオーバーラップが無い状態でシリ
ンダ内に残留する既燃ガス量であるから、排気弁の閉時
期EVCにおけるピストン位置で定まるシリンダ容積が
小さいほど少なくなり、図7に示すように排気上死点で
最小となるが、同一ピストン位置でもEVCが排気上死
点前にあるとき(以下適宜BTDCという)は、残ガス
がやや圧縮された状態で排気弁が閉じるのに対し、EV
Cが排気上死点後にあるとき(以下適宜ATDCとい
う)は、一旦排気通路に排出した排気をシリンダ内に引
き戻す状態で排気弁6が閉じるので、排気の戻りに遅れ
を生じる分、残ガス量つまり内部EGR量は減少する。
またその傾向は、慣性によるものであるため、エンジン
回転速度Neによっても変化し、エンジン回転速度Ne
が大きいときほど慣性が大きくなって、内部EGR量に
及ぼす影響が大きくなる。特に、排気弁の閉時期EVC
がATDCにあるときは排気の流れが変換するため慣性
の影響が大きいので、エンジン回転速度Neの増大によ
る内部EGR量の減少量が大きくなる。また、排気上死
点から離れたところでは、ピストンスピードが大きいの
でエンジン回転速度Neの変化による内部EGR量の変
化量が増大する。
【0050】図3に戻って、ステップ3では、排気弁6
の目標閉時期EVCと吸気弁5の目標開時期IVOとが
オーバーラップしているか否かを判定する。そして、オ
ーバーラップしていないと判定されたときには、ステッ
プ4へ進んでオーバーラップによる内部EGR量の補正
量OLEGR1を0にセットする。これにより、内部E
GR量は、前記基本値EVEGR0に決定される。
【0051】また、ステップ3で吸・排気弁がオーバー
ラップしていると判定された場合は、ステップ5へ進ん
で、該オーバーラップ時の基本補正値OLEGR0を算
出する。該算出は、図5のサブルーチンに従って行なわ
れる。即ち、図5のステップ31,32,33でエンジ
ン回転速度Ne、排気弁6の目標閉時期EVC、吸気弁
5の目標開時期IVOを順次読み込み、ステップ34
で、これらの入力値に基づいて、次式によりオーバーラ
ップ量(クランク角期間)をオーバーラップ時間OLT
IMEに換算する。
【0052】OLTIME=(EVC−IVO)/Ne 次いで、ステップ35では、前記オーバーラップ時間O
LTIMEに基づいて、予めオーバーラップ時間OLT
IMEに対応して設定された値OLEGC0をマップテ
ーブルから検索する。ここで、オーバーラップ時間OL
TIMEの増大によって内部EGR量が増大するので、
前記値OLEGC0は、オーバーラップ時間OLTIM
Eの増大に応じて増大して設定されている。
【0053】ステップ36では、排気弁6の目標閉時期
EVCがBTDCにあるかATDCにあるかを判別す
る。ステップ36で、EVCがBTDCにあると判定さ
れたときは、ステップ37へ進んで、前記ステップ35
で検索された値OLEGC0を、そのままオーバーラッ
プ時の基本補正値OLEGR0として設定する。
【0054】また、ステップ36でEVCがATDCに
あると判定されたときは、ステップ38へ進んで、前記
の検索値OLEGC0を目標閉時期EVCに応じて次式
のように補正した値を、オーバーラップ時の基本補正値
OLEGR0として設定する。OLEGR0=OLEG
C0−EVC(上死点後の遅角量)×定数即ち、内部E
GR量の基本値に対する吸・排気弁のオーバーラップ時
における変化量(増量)は、オーバーラップ量(時間)
が同一でも、排気弁の閉時期EVCによって吹き返しの
影響度が異なることなどによって異なる。図8は、エン
ジン回転速度Ne、吸気圧一定の条件で、複数のオーバ
ーラップ量(時間)について、EVCによる内部EGR
量の増量分の変化を示したものである。図示のように、
EVCがBTDCにあると判定されたときは、オーバー
ラップによる内部EGR量の増量はEVCによらず略一
定に維持される。これは、EVCがBTDCにあるとき
は、オーバーラップ中にシリンダ内の既燃ガスは、排気
ポートへの掃気よりも低圧側の吸気ポート側への吹き返
しの方が支配的になっていき、該吹き返された既燃ガス
がその後の吸気行程で再度吸い込まれるためEGR率と
して略一定になるからである。したがって、前記ステッ
プ37のように、EVC(上死点前の進角量)による補
正は行わない。
【0055】一方、EVCがATDCにあると判定され
た場合は、オーバーラップ中はピストンが下降している
ため、吸気ポート側への吹き返し量は減少し、かつ、E
VCが上死点から離れるほどシリンダ内の吸入負圧が発
達して吸気ポート内の吸気負圧との差圧が小さくなるの
で、吹き返しされにくくなる。また、オーバーラップ時
は非オーバーラップ時と比較すると、吸気弁が開いてシ
リンダ内に吸気負圧が伝達されることにより排気ポート
からシリンダへの排気の戻り量が増大し(掃気効率が低
下する)、その分内部EGR量が増大するが、この増量
分は、オーバーラップ期間が上死点付近にあるときは大
きいが、オーバーラップ期間が上死点から離れるに従っ
て小さくなると考えられる。即ち、オーバーラップ期間
が上死点に近いときには、吸気弁が開かれない非オーバ
ーラップ時と比較して、シリンダ内が吸気負圧を受ける
影響が大きいので、排気の戻りによる内部EGR量の増
量分は大きい。これに対し、オーバーラップ期間が上死
点から離れているときは、この期間に吸気弁が開かれな
い非オーバーラップ条件でピストン下降により増大する
シリンダ内の吸入負圧と、オーバーラップにより吸気ポ
ートからシリンダに伝わる吸気負圧との差が小さくなる
ため、排気の戻り量は、オーバーラップ時と非オーバー
ラップ時とで、差が小さくなる。つまりオーバーラップ
による排気の戻りによる内部EGR量の増量分は、オー
バーラップ期間(又はEVC)が上死点から離れるに従
って減少する。
【0056】以上のような理由で、図8に示すように、
EVCがATDCにあるときは、オーバーラップによる
内部EGR量の増量は、EVCが上死点から離れるに従
って減少する。したがって、前記ステップ38のよう
に、EVC(上死点後の遅角量)に比例する減量補正を
行なう。
【0057】図3に戻って、ステップ6では、前記のよ
うにして算出されたオーバーラップ時の基本補正値OL
EGR0を吸気圧(ブースト圧)に応じて補正するため
の補正係数OLEGCBを算出する。即ち、前記基本補
正値OLEGR0は、吸気圧一定(−50mmHg)の条件で
のオーバーラップ時の内部EGR量増量分として算出さ
れたが、オーバーラップ量(時間)、EVCが同一であ
っても吸気圧が変化すると、それによってオーバーラッ
プ時の吹き返し量等が変化するので、該吸気圧に応じた
補正を行なう必要がある。即ち、スロットル弁を備えず
吸気圧が略大気圧一定で制御される場合は、補正の必要
はないが、ブレーキ用のバキューム圧や蒸発燃料、ブロ
ーバイガスの吸気系への吸引負圧を必要とする場合に
は、前記スロットル弁10の開度を適度に絞って所定の
吸気圧に制御した上で、吸気弁5の閉時期による吸入空
気量制御を行う場合には、前記吸気圧に応じた補正が必
要である。
【0058】該吸気圧に応じた補正係数OLEGCBの
算出は、図6のサブルーチンに従って行なわれる。即
ち、ステップ41では前記スロットル弁開度制御による
吸気圧制御において算出される目標吸気圧を読み込み、
ステップ42では、排気弁6の目標閉時期EVCを読み
込み、ステップ43ではこれらに基づいて、図9に示す
ような特性データに基づいて作成されたマップテーブル
を検索して、吸気圧に応じた補正係数OLEGCBを検
索する。図9は、吸気圧(負圧)=−50mmHg時での内部
EGR量の増量分に対する吸気圧=−100mmHg、−300mm
Hg時での内部EGR量の増量分の倍率を示したものであ
る(オーバーラップ量[クランク角]を20°、40°とした
4通りのデータ)。図示のように、吸気圧=−100mmHg
のときは、EVC(オーバーラップ期間の中心)の変化
によらず、略2倍で一定であるのに対し、吸気圧=−30
0mmHgのときは、EVCがBTDCにあるときは、3〜
4倍程度で略一定であるが、ATDCにあるときは、上
死点から離れるほど比例的に倍率が増大する。これは、
吸気圧一定(−50mmHg)の条件でEVCがATDCにあ
るときは、既述したように上死点から離れるほどオーバ
ーラップの有無によるシリンダ内の圧力の差が小さくな
るので排気の戻り量の増量分が減少する傾向があるが、
吸気負圧が−300mmHg程度まで増大すると、やはりオー
バーラップの有無によるシリンダ内の圧力の差が大きく
なるため増量分が大きく維持されるので、−50mmHg時に
対して倍率が大きくなると考えられるためである。
【0059】図3に戻って、ステップ7では、ステップ
5で算出した基本補正値OLEGR0に、ステップ6で
算出した吸気圧に応じた補正係数OLEGCBを乗じ
て、最終的なオーバーラップ時の内部EGR量の補正量
OLEGR1を算出する。そして、ステップ8では、ス
テップ2で算出された内部EGR量の基本値EVEGR
0に、上記のようにして算出されたオーバーラップ時の
補正量OLEGR1を加算して増量補正することによ
り、最終的な内部EGR量EGRREMを推定演算する
(次式参照)。
【0060】EGRREM=EVEGR0+OLEGR 以上のように本発明に係る推定方法を用いることによ
り、内部EGR量を高精度に推定することができる。次
いでステップ9では、ステップ1で算出した目標空気量
FQH0EMを、前記内部EGR量に基づいて補正する
ことにより、目標空気量補正値HQHOFMを算出する
(次式参照)。なお、この補正は、目標空気量自体を変
更するわけではなく、内部EGR量によって目標空気量
(新気量)を得るための吸気弁閉時期が変わることに応
じた便宜上の補正である。つまり、目標空気量に内部E
GR量を加算したシリンダ内の総ガス量を目標空気量と
して算出したものである。
【0061】 HQHOFM=FQH0EM×(1+EGRREM) ステップ10では、前記目標空気量補正値HQHOFM
に基づいて、吸気弁5の目標閉時期IVCを算出する。
これにより、前記目標閉時期IVCに応じた制御信号が
前記電磁駆動装置に出力され、吸気弁5が目標閉時期I
VCで閉弁するように制御される。
【0062】このようにすれば、エンジン運転状態に応
じて吸・排気弁のオーバーラップの有無、オーバーラッ
プ量の変化等により大きく変化する内部EGR量を逐次
高精度に推定しつつ吸気弁の閉時期を補正制御するの
で、目標吸入空気量に見合った新気量が得られ、高精度
なトルク制御を行える。次に、上記のようにして、前記
図3のステップ8までに示した本発明に係る推定方法に
よって算出された内部EGR量に基づいて、シリンダ吸
入空気量を高精度に検出する第2の実施形態について説
明する。システム構成については、図1に示したものと
同様であるので説明を省略するが、燃料噴射弁11によ
る燃料噴射量は、基本的には、エアフローメータ9によ
り計測される吸入空気量(質量流量)Qaに基づいて後
述のごとく算出されるシリンダ吸入空気量(シリンダ部
空気質量)Ccに対し、所望の空燃比となるように制御
する。
【0063】以下、上記燃料噴射量等の制御のための第
2の実施形態に係るシリンダ吸入空気量(シリンダ部空
気質量)Ccの算出について、図10の全体ブロック
図、図11〜図15の各ルーチンのフローチャート等に
より、詳細に説明する。ここで、図1中に示すように、
エアフローメータ14により計測される吸入空気量(質
量流量)をQa(kg/h)とするが、1/3600を
乗じて、(g/msec)として扱う。
【0064】また、吸気マニホールド部の圧力をPm
(Pa)、容積をVm(m3 ;一定)、空気質量をCm
(g)、温度をTm(K)とする。また、シリンダ部の
圧力をPc(Pa)、容積をVc(m3)、空気質量を
Cc(g)、温度をTc(K)とする。更に、シリンダ
内新気割合をη(%)とする。
【0065】また、吸気マニホールド部とシリンダ部と
で、Pm=Pc、Tm=Tc(圧力及び温度は変化しな
い)と仮定する。図11は吸気マニホールド部流入空気
量算出ルーチンのフローチャートであり、所定時間Δt
(例えば1msec)毎に実行される。ステップ51で
は、エアフローメータ14の出力より吸入空気量Qa
(質量流量;g/msec)を計測する。
【0066】ステップ52では、吸入空気量Qaの積分
計算により、所定時間Δt毎にマニホールド部へ流入す
る空気量Ca(空気質量;g)=Qa・Δtを算出す
る。図12はシリンダ部空気体積量算出ルーチンのフロ
ーチャートであり、所定時間Δt毎に実行される。ステ
ップ61では、吸気弁5の閉時期IVC、吸気弁5の開
時期IVO、排気弁6の閉時期EVCを検出する。尚、
これらは吸気弁5及び排気弁6に対しリフトセンサを設
けて直接的に検出してもよいが、第1の実施形態と同
様、コントロールユニット12での制御上の指令値(目
標値)を用いることで簡素化できる。
【0067】ステップ62では、吸気弁5の閉時期IV
Cから、その時のシリンダ容積を算出し、目標Vc(m
3)とする。ステップ63では、吸気弁5の開時期IV
O、排気弁6の閉時期EVC、エンジン回転速度Neに
基づいて、第1の実施形態で説明した方法によって、内
部EGR量X(v)(前述の内部EGR量EGRREMに
相当)を推定算出する。
【0068】ステップ64では、前記目標Vc(シリン
ダ容積)と、前記内部EGR量X(v)である残ガス量と
に基づいて、次式によりシリンダ内新気割合η(%)を
算出する。 η=(シリンダ容積Vc−残ガス量)/シリンダ容積V
c すなわち、吸気弁5の開時期IVOと排気弁6の閉時期
EVCとにより、オーバーラップ量が定まり、オーバー
ラップ量が多くなる程、残ガス量(内部EGR量)が大
となるので、オーバーラップ量に基づく上式により、シ
リンダ内新気割合ηを求める。また、可変動弁エンジン
では、オーバーラップ量の制御により内部EGRを自在
に制御できるので、一般にはEGR装置(外部EGR)
は設けないが、設ける場合は、前記残ガス量として、前
記内部EGR量に外部EGR量を加算した値を用いて、
シリンダ内新気割合ηを求める。
【0069】ステップ65では、目標Vc(吸入容積)
にシリンダ内新気割合ηを乗じて、目標空気量相当の実
Vc(m3)=Vc・ηを算出する。この実Vc(m3
は、シリンダ吸入空気量(体積量)に相当する。なお、
外部EGR量=0のときは、吸入容積Vcから内部EG
R量を減算しても、実Vcを求めることもできる。ステ
ップ66では、次式のごとく、実Vc(m3)にエンジ
ン回転速度Ne(rpm)を乗じて、Vc変化速度(体
積流量;m3/msec)を算出する。
【0070】Vc変化速度=実Vc・Ne・K ここで、Kは単位を揃えるための定数で、K=(1/3
0)×(1/1000)である。1/30は、Ne(r
pm)をNe(180deg/sec)に変換するため
のものであり、1/1000は、Vc(m3/sec)
をVc(m3/msec)に変換するためのものであ
る。
【0071】また、一部気筒の稼働を停止させる制御を
行う場合は、次式による。 Vc変化速度=実Vc・Ne・K・n/N n/Nは一部気筒の稼働を停止させる場合の稼働率であ
り、Nは気筒数、nはそのうちの稼働気筒数である。従
って、例えば4気筒エンジンで、1気筒の稼働を停止さ
せている場合は、n/N=3/4となる。尚、特定気筒
の稼働を停止させる場合は、当該気筒の吸気弁及び排気
弁を全閉状態に保持した上で、燃料カットを行う。
【0072】ステップ67では、Vc変化速度(体積流
量;m3/msec)の積分計算により、単位時間(1
msec)あたりにシリンダに吸入される空気量である
シリンダ部空気体積量Vc(m3)=Vc変化速度・Δ
tを算出する。図13は連続計算(マニホールド部吸気
収支計算及びシリンダ部空気質量算出)ルーチンのフロ
ーチャートであり、所定時間Δt毎に繰り返し実行され
る。
【0073】ステップ71では、マニホールド部吸気収
支計算(マニホールド部空気質量Cmの収支計算)のた
め、次式のごとく、マニホールド部空気質量の前回値C
m(n-1) に、図10のルーチンで求めたマニホールド部
へ流入する空気質量Ca(=Qa・Δt)を加算し、ま
た、マニホールド部からシリンダ部へ流出するシリンダ
吸入空気量であるシリンダ部空気質量Cc(n) を減算し
て、マニホールド部空気質量Cm(n) (g)を算出す
る。
【0074】Cm(n) =Cm(n-1) +Ca−Cc(n) ここで用いるCc(n) は前回のルーチンで次のステップ
72により算出されたCcである。ステップ72では、
シリンダ吸入空気量(シリンダ部空気質量Cc)の算出
のため、次式のごとく、図11のルーチンで求めたシリ
ンダ部空気体積量Vcに、マニホールド部空気質量Cm
を掛算し、また、マニホールド部容積Vm(一定値)で
除算して、シリンダ部空気質量Cc(g)を求める。
【0075】 Cc=Vc・Cm/Vm ・・・(1) この(1)式は、次のように求められる。気体の状態方
程式P・V=C・R・Tより、C=P・V/(R・T)
であるので、シリンダ部について、 Cc=Pc・Vc/(R・Tc) ・・・(2) となる。
【0076】ここで、Pc=Pm、Tc=Tmと仮定す
るので、 Cc=Pm・Vc/(R・Tm) ・・・(3) となる。一方、気体の状態方程式P・V=C・R・Tよ
り、P/(R・T)=C/Vであるので、マニホールド
部について、 Pm/(R・Tm)=Cm/Vm ・・・(4) となる。
【0077】この(4)式を(3)式に代入すれば、 Cc=Vc・〔Pm/(R・Tm)〕=Vc・〔Cm/
Vm〕 となり、上記(1)式が得られる。以上のように、ステ
ップ71,72を繰り返し実行することにより、すなわ
ち図10に示すように連続計算することにより、シリン
ダ吸入空気量であるシリンダ部空気質量Cc(g)を求
めて、出力することができる。尚、ステップ71,72
の処理順序は逆でもよい。
【0078】図14は、後処理ルーチンのフローチャー
トである。ステップ81では、次式のごとく、シリンダ
部空気質量Cc(g)を加重平均処理して、Cck
(g)を算出する。 Cck=Cck×(1−M)+Cc×M Mは加重平均定数であり、0<M<1である。
【0079】ステップ82では、加重平均処理後のシリ
ンダ部空気質量Cck(g)をサイクル周期に対応させ
るため、エンジン回転数Ne(rpm)を用いて、 Cck(g/cycle )=Cck/(120/Ne) により、1サイクル(2回転=720deg)毎のシリンダ部
空気質量(g/cycle)に変換する。
【0080】尚、加重平均処理は、スロットル弁が大き
く開いている(全開)時等の吸気の脈動が大きいときに
限定して行うと、制御精度と制御応答性を両立させるこ
とができる。図15はこの場合の後処理ルーチンのフロ
ーチャートである。ステップ85でシリンダ部空気質量
Cc(g)の変化量ΔCcを算出する。続いてステップ
86でこの変化量ΔCcが所定範囲内(所定値Aより大
きく所定値Bより小さい)か否かを判定する。所定範囲
内の場合は、加重平均処理をする必要ないので、ステッ
プ87でCck(g)=Cc(g)とした後、ステップ
82で図14のステップ82と同じに1サイクル(2回
転=720deg)毎のシリンダ部空気質量Cck(g/cycl
e )に変換する。変化量ΔCcが所定範囲外である場合
は、ステップ81で図14のステップ81と同じにシリ
ンダ部空気質量Cc(g)を加重平均処理してCck
(g)を算出し、ステップ82へ進む。
【0081】以上のようなシリンダ吸入空気量(シリン
ダ部空気質量Cc,Cck)の算出により、すなわち、
マニホールド部空気質量Cmの収支計算を行いつつ、マ
ニホールド部空気質量Cmとシリンダ容積Vcとに基づ
いてシリンダ吸入空気量(シリンダ部空気質量)Ccを
算出するに際し、内部EGR量の推定値を用いること
で、シリンダ吸入空気量を正確に求めることができる。
【0082】よって、可変動弁エンジンでのシリンダ吸
入空気量の算出精度を大幅に向上させることができ、燃
料噴射量制御においては、空燃比制御精度が向上し、こ
れにより排気性能及び運転性能が大幅に向上する。ま
た、圧力センサや温度センサを一切設けることなく実施
できるので、コストアップを招くこともない。
【0083】次に、内部EGR量の推定算出を行って、
最適な点火時期制御を行う第3の実施形態について説明
する。図16は、該第3の実施形態の制御ブロック図を
示す。内部EGR量演算部では、既述のように排気弁閉
時期EVC、吸気弁開時期IVO、エンジン回転速度N
eとに基づいて内部EGR量(体積量)X(v)を、推定
演算する。
【0084】残ガス率演算部では、前記内部EGR量に
外部EGRを行う場合は外部EGR量を加算して残ガス
量(体積量)をEGRガスの密度ρを用いて残ガス量
(質量)X(g)に換算し、該残ガス量(質量)X(g)をシ
リンダ内総ガス量(質量)Vc(g)で除算した残ガス率
ζを算出する。ここで、シリンダ内総ガス量(質量)
は、前記残ガス量(質量)X(g)に、第2の実施形態で
示したように算出されるシリンダ部空気質量Cc(g)を
加算して算出される。
【0085】燃焼速度演算部では、前記残ガス率ζに基
づいて燃焼速度Bvを算出する。ここで、残ガス率ζが
大きいときほど、燃焼速度Bvは小さい値に算出され
る。燃焼反応時間演算部では、前記燃焼速度Bvに基づ
いて点火時期から燃焼圧力がピークとなるまでの燃焼反
応時間Btを算出する。MBT演算部では、前記燃焼反
応時間Btに基づいて、MBT(最大トルク発生点火時
期)を算出する。具体的には、燃焼反応時間Btをエン
ジン回転速度Neに基づいてクランク角期間に換算した
上で、圧縮上死点よりやや遅角側の所定クランク角位置
で燃焼圧力がピークとなるように、該所定クランク角位
置から前記燃焼反応時間Bt相当のクランク角期間だけ
進角側のクランク角位置を、MBTとして算出する。
【0086】このようにすれば、内部EGR量に基づい
て燃焼速度を高精度に推定して、過渡時にもMBTを正
確に算出して、最適な点火時期制御を行え、ひいては燃
費を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の各実施形態に共通する可変動弁の制
御装置を備えたエンジンのシステム図。
【図2】 同じく吸・排気弁の電磁駆動装置の基本構造
図。
【図3】 第1の実施形態における吸気弁の目標閉時期
設定ルーチンのフローチャート。
【図4】 同じく内部EGR量の基本値を算出するサブ
ルーチンのフローチャート。
【図5】 同じく内部EGR量のオーバーラップによる
基本補正値を算出するサブルーチンのフローチャート。
【図6】 前記基本補正値の吸気圧による補正係数を算
出するサブルーチンのフローチャート。
【図7】 前記内部EGR量の基本値の特性を示す図。
【図8】 前記オーバーラップによる基本補正値の特性
を示す図。
【図9】 前記基本補正値の吸気圧による影響を示す
図。
【図10】 第2の実施形態の制御ブロック図
【図11】 同じくマニホールド部流入空気量算出ルー
チンのフローチャート
【図12】 同じくシリンダ容積算出ルーチンのフロー
チャート
【図13】 同じく連続計算(マニホールド部吸気収支
計算及びシリンダ吸入空気量算出)ルーチンのフローチ
ャート
【図14】 同じく後処理ルーチンのフローチャート
【図15】 同じく後処理ルーチンの他の例のフローチ
ャート
【図16】 第3の実施形態の制御ブロック図
【符号の説明】
1 エンジン 4 点火栓 5 電磁駆動式の吸気弁 6 電磁駆動式の排気弁 7 吸気通路 8 排気通路 9 エアフローメータ 10 電制スロットル弁 11 燃料噴射弁 12 コントロールユニット 13 クランク角センサ 14 アクセルペダルセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 301 F02D 41/02 301E 41/04 320 41/04 320 43/00 301 43/00 301B 301N 301Z F02P 5/15 F02P 5/15 G

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気弁の閉時期を可変制御できる可変動弁
    装置を備えたエンジンにおいて、排気弁の閉時期と、吸
    気弁の開時期と、エンジン回転速度と、に基づいて、内
    部EGR量を推定することを特徴とするエンジンの内部
    EGR量推定方法。
  2. 【請求項2】前記内部EGR量の推定に用いる排気弁の
    閉時期として、目標値を用いることを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンの内部EGR量推定方法。
  3. 【請求項3】排気弁の閉時期とエンジン回転速度とに基
    づいて、内部EGR量の基本値を算出し、排気弁の開期
    間と吸気弁の開期間とがオーバーラップしないときは、
    該基本値をそのまま内部EGR量として推定し、オーバ
    ーラップするときは、該オーバーラップ状態に応じて前
    記基本値を補正して内部EGR量を推定することを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの内部E
    GR量推定方法。
  4. 【請求項4】排気弁の開期間と吸気弁の開期間とがオー
    バーラップするときには、前記オーバーラップ状態に応
    じて設定したオーバーラップ補正量を前記基本値に加算
    して内部EGR量の推定値を算出することを特徴とする
    請求項3に記載のエンジンの内部EGR量推定方法。
  5. 【請求項5】排気弁の開期間と吸気弁の開期間とがオー
    バーラップするときには、排気上死点と排気弁の閉時期
    との間隔が増大するにしたがって、前記基本値を増大す
    ることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のエ
    ンジンの内部EGR量推定方法。
  6. 【請求項6】排気弁の開期間と吸気弁の開期間とがオー
    バーラップするときには、排気弁の閉時期が排気上死点
    前にあるときは、エンジン回転速度が大きいときほど、
    前記基本値を増大することを特徴とする請求項3〜請求
    項5のいずれか1つに記載のエンジンの内部EGR量推
    定方法。
  7. 【請求項7】排気弁の開期間と吸気弁の開期間とがオー
    バーラップするときには、排気弁の閉時期が排気上死点
    後にあるときは、エンジン回転速度が大きいときほど、
    前記基本値を減少することを特徴とする請求項3〜請求
    項6のいずれか1つに記載のエンジンの内部EGR量推
    定方法。
  8. 【請求項8】排気弁の開期間と吸気弁の開期間とのオー
    バーラップ量が増大するほど前記オーバーラップ補正量
    を増大することにより、内部EGR量の推定値を増大す
    ることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか1つ
    に記載のエンジンの内部EGR量推定方法。
  9. 【請求項9】排気弁の閉時期が排気上死点後にあるとき
    は、該閉時期の排気上死点からの遅角量が増大するにし
    たがって、前記オーバーラップ補正量を減少することに
    より、内部EGR量の推定値を減少することを特徴とす
    る請求項4〜請求項8のいずれか1つに記載のエンジン
    の内部EGR量推定方法。
  10. 【請求項10】吸気負圧の絶対値が増大するにしたがっ
    て、前記オーバーラップ補正量を増加することにより、
    内部EGR量の推定値を増大することを特徴とする請求
    項8または請求項9に記載のエンジンの内部EGR量推
    定方法。
  11. 【請求項11】前記オーバーラップ量により決定した基
    本補正値を、吸気圧と前記排気弁の閉時期とに基づいて
    決定した吸気圧補正量を用いて補正することにより、前
    記オーバーラップ補正量を算出することを特徴とする請
    求項8〜請求項10のいずれか1つに記載のエンジンの
    内部EGR量推定方法。
  12. 【請求項12】前記オーバーラップ量は、オーバーラッ
    プ量相当のクランク角期間を時間換算した値を用いるこ
    とを特徴とする請求項4〜請求項11のいずれか1つに
    記載のエンジンの内部EGR量推定方法。
  13. 【請求項13】前記オーバーラップ量に基づいて中間値
    を決定し、排気弁の閉時期が排気上死点前にあるとき
    は、前記基本補正値を前記中間値に一致して設定し、前
    記排気弁の閉時期が排気上死点後にあるときは、該閉時
    期が該排気上死点からの遅角量と比例する減少補正量
    を、前記中間値から減算した値に前記基本補正値を設定
    することを特徴とする請求項11または請求項12に記
    載のエンジンの内部EGR量推定方法。
  14. 【請求項14】吸気圧、排気弁の閉時期およびオーバー
    ラップ量に応じた吸気圧補正量として吸気圧補正係数を
    決定し、前記基本補正値に該吸気圧補正係数を乗じて前
    記オーバーラップ補正量を算出することを特徴とする請
    求項11〜請求項13のいずれか1つに記載のエンジン
    の内部EGR量推定方法。
  15. 【請求項15】吸気負圧の絶対値が増大するにしたがっ
    て前記吸気圧補正量を増大し、排気弁の閉時期が排気上
    死点後にあり、かつ、吸気負圧の絶対値が所定値より高
    いときは、該閉時期の該排気上死点からの遅角量に応じ
    て前記吸気圧補正量を増大することを特徴とする請求項
    11〜請求項14にいずれか1つに記載のエンジンの内
    部EGR量推定方法。
  16. 【請求項16】吸気弁および排気弁の開閉時期を可変制
    御できる可変動弁装置を備えたエンジンにおいて、前記
    請求項1〜請求項15のいずれか1つに記載された内部
    EGR量の推定方法を用いて内部EGR量を推定し、エ
    ンジンの運転状態に基づいて目標空気量を算出し、前記
    内部EGR量の推定値と前記目標空気量の算出値とに基
    づいて、吸気弁の目標閉時期を算出し、該算出された目
    標閉時期となるように吸気弁の閉時期を制御することを
    特徴とする可変動弁の制御方法。
  17. 【請求項17】前記請求項1〜請求項15のいずれか1
    つに記載された内部EGR量の推定方法を用いて内部E
    GR量を推定し、該内部EGR量の推定値を用いてシリ
    ンダに吸入される空気量を算出することを特徴とするエ
    ンジンのシリンダ吸入空気量算出方法。
  18. 【請求項18】前記内部EGR量の推定値と、吸気弁閉
    時期から算出されるシリンダ容積とに基づいてシリンダ
    内の体積空気量を算出すると共に、吸気マニホールド内
    の質量空気量を算出し、該シリンダ内の体積空気量と吸
    気マニホールド内の質量空気量および吸気マニホールド
    容積とに基づいてシリンダに吸入される質量空気量を算
    出することを特徴とする請求項17に記載のエンジンの
    シリンダ吸入空気量算出方法。
  19. 【請求項19】前記吸気マニホールド内の質量空気量
    は、該吸気マニホールド内への質量空気の流入量と流出
    量の収支計算を行って算出することを特徴とする請求項
    18に記載のエンジンのシリンダ吸入空気量算出方法。
  20. 【請求項20】前記請求項1〜請求項15のいずれか1
    つに記載された内部EGR量の推定方法を用いて内部E
    GR量を推定し、該内部EGR量の推定値を用いて点火
    時期を制御することを特徴とするエンジンの点火時期制
    御方法。
  21. 【請求項21】前記内部EGR量の推定値に基づいてシ
    リンダ内の全ガス量に対する残ガス量の質量比である残
    ガス率を算出し、該残ガス率に基づいて燃焼速度を算出
    し、該燃焼速度に基づいて点火開始から燃焼圧力がピー
    クとなるまでの燃焼反応時間を算出し、該燃焼反応時間
    に基づいてMBT(最大トルク発生点火時期)を算出し
    て、該MBTとなるように点火時期を制御することを特
    徴とする請求項20に記載のエンジンの点火時期制御方
    法。
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