JP2001220635A - ニッケルアルミナイド系超耐熱合金 - Google Patents
ニッケルアルミナイド系超耐熱合金Info
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- JP2001220635A JP2001220635A JP2000030493A JP2000030493A JP2001220635A JP 2001220635 A JP2001220635 A JP 2001220635A JP 2000030493 A JP2000030493 A JP 2000030493A JP 2000030493 A JP2000030493 A JP 2000030493A JP 2001220635 A JP2001220635 A JP 2001220635A
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- nickel aluminide
- temperature
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温構造要素として使用される、Ni3Al
系Ni基超耐熱合金について、高温・室温の良好な機械
的諸特性と構造材料に要求される良好な溶接性を具備せ
しめる。 【解決手段】このNi基超耐熱合金は、重量%で、Al
6.0〜9.0%,Cr2.0〜15.0%,Zr0.
5〜3.0%,B0.003%以下,Fe3.0%以
下,残部は実質的にNiからなり、所望によりW0.5
〜5%,C0.3%以下,N0.003〜0.03%の
1種ないし2種以上の元素を含有する組成が与えられ
る。Ni3Al系金属間化合物を主相(体積率70%以
上)とする金属組織を有する。
系Ni基超耐熱合金について、高温・室温の良好な機械
的諸特性と構造材料に要求される良好な溶接性を具備せ
しめる。 【解決手段】このNi基超耐熱合金は、重量%で、Al
6.0〜9.0%,Cr2.0〜15.0%,Zr0.
5〜3.0%,B0.003%以下,Fe3.0%以
下,残部は実質的にNiからなり、所望によりW0.5
〜5%,C0.3%以下,N0.003〜0.03%の
1種ないし2種以上の元素を含有する組成が与えられ
る。Ni3Al系金属間化合物を主相(体積率70%以
上)とする金属組織を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温及び室温域で
の機械強度、耐高温クリープ性等に優れ、かつ構造部材
料として望まれる良好な溶接性等を備えたニッケルアル
ミナイド系超耐熱合金に関する。
の機械強度、耐高温クリープ性等に優れ、かつ構造部材
料として望まれる良好な溶接性等を備えたニッケルアル
ミナイド系超耐熱合金に関する。
【0002】
【従来の技術】Ni3Al(トリニッケルアルミナイ
ド)は、Ni−Al二元状態図において、Ni87wt%
前後(約±4wt%の幅を有する)の領域に現れる面心立
方型結晶構造を有する金属間化合物(融点約1390℃)であ
る。このものは、材料の強さを示す降伏強度が、広い温
度域に亘って温度の上昇と共に増加するという特異な物
性を示す。Ni基超耐熱合金が、高温度域まで高い応力
レベルを維持し得るのは、Ni固溶体中に豊富に分散析
出させたNi3Alのこのような性質に依存している。
ド)は、Ni−Al二元状態図において、Ni87wt%
前後(約±4wt%の幅を有する)の領域に現れる面心立
方型結晶構造を有する金属間化合物(融点約1390℃)であ
る。このものは、材料の強さを示す降伏強度が、広い温
度域に亘って温度の上昇と共に増加するという特異な物
性を示す。Ni基超耐熱合金が、高温度域まで高い応力
レベルを維持し得るのは、Ni固溶体中に豊富に分散析
出させたNi3Alのこのような性質に依存している。
【0003】しかるに、Ni3Al金属間化合物は、低
温だけでなく高温においても極めて脆く、殆ど伸びを示
さず、これがこの種Ni基超耐熱合金の工業的応用の妨
げとなっている。この合金の物性改良についてこれまで
種々の試みがなされ、例えば、特開昭62-93334号公報に
は、Ni3Al基材と、原子%で、第IVB族元素(Zr,Hf)0.
2〜1.5%,Al17〜20%,Cr4.5〜8%,B0.05〜0.2%,Fe9〜1
6%,希土類元素(Ce等)0.001〜0.004%,残部Niからな
る、高温強度,延性,熱間加工性等を改善されたNi基合
金、特公昭63-66374号公報には、Ni3Al系金属間化合物
に、重量%で、Mo0.01〜2.0%,B0.05〜3.0%,Zr0.5〜
4.0%等を添加して常温延性および強度を改善したニッ
ケルアルミナイド系合金が開示されている。
温だけでなく高温においても極めて脆く、殆ど伸びを示
さず、これがこの種Ni基超耐熱合金の工業的応用の妨
げとなっている。この合金の物性改良についてこれまで
種々の試みがなされ、例えば、特開昭62-93334号公報に
は、Ni3Al基材と、原子%で、第IVB族元素(Zr,Hf)0.
2〜1.5%,Al17〜20%,Cr4.5〜8%,B0.05〜0.2%,Fe9〜1
6%,希土類元素(Ce等)0.001〜0.004%,残部Niからな
る、高温強度,延性,熱間加工性等を改善されたNi基合
金、特公昭63-66374号公報には、Ni3Al系金属間化合物
に、重量%で、Mo0.01〜2.0%,B0.05〜3.0%,Zr0.5〜
4.0%等を添加して常温延性および強度を改善したニッ
ケルアルミナイド系合金が開示されている。
【0004】また、特開昭63-266036号公報には、原子
%で、Ni75.4〜79%,Al7〜12%,B0.5%以下,C≦0.9
%,Hf0.5〜4%,Fe4.5〜11%,Mo,W,Nb,Zr等≦3%を含
有し、金属組織が主としてNi3Alからなる、常温延性,
強度を改善されたNi基合金、特開平4-501440号公報に
は、原子%で、Al15〜18.5%,Cr6〜10%,Zr0.05〜0.35
%,B0.08〜0.30%を含有する、高温延性,加工性,強度等
を改良されたニッケルアルミナイド系合金、特許第2599
236号公報には、重量%で、第IVb族元素(Hf,Zr)<1
%,Fe14.5〜17.5%,希土類元素(Ce,Y,La等)≦0.01%,
B0.01〜0.05%,Mo≦4%,残部Ni3Alからなる高温加工の
可能なニッケルアルミナイド系合金が開示されている。
%で、Ni75.4〜79%,Al7〜12%,B0.5%以下,C≦0.9
%,Hf0.5〜4%,Fe4.5〜11%,Mo,W,Nb,Zr等≦3%を含
有し、金属組織が主としてNi3Alからなる、常温延性,
強度を改善されたNi基合金、特開平4-501440号公報に
は、原子%で、Al15〜18.5%,Cr6〜10%,Zr0.05〜0.35
%,B0.08〜0.30%を含有する、高温延性,加工性,強度等
を改良されたニッケルアルミナイド系合金、特許第2599
236号公報には、重量%で、第IVb族元素(Hf,Zr)<1
%,Fe14.5〜17.5%,希土類元素(Ce,Y,La等)≦0.01%,
B0.01〜0.05%,Mo≦4%,残部Ni3Alからなる高温加工の
可能なニッケルアルミナイド系合金が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のニッケルアルミ
ナイド系合金は、1050℃を超える高温域においても
卓抜した耐酸化性を示す。しかし、高温強度およびクリ
ープ破断強度は急激に低下する。本発明は、このような
高温使用環境における耐酸化性のみならず、強度および
耐クリープ特性等に優れ、しかも良好な溶接性を具備
し、例えば鋼材加熱炉内に配設されるラジアントチュー
ブ,加熱炉内搬送ロールを構成するドライロール、石油
化学工業分野の反応炉内に設置される反応管等、各種分
野における構造部材料としての工業的応用を可能とす
る、改良されたニッケルアルミナイド系超耐熱合金を提
供するものである。
ナイド系合金は、1050℃を超える高温域においても
卓抜した耐酸化性を示す。しかし、高温強度およびクリ
ープ破断強度は急激に低下する。本発明は、このような
高温使用環境における耐酸化性のみならず、強度および
耐クリープ特性等に優れ、しかも良好な溶接性を具備
し、例えば鋼材加熱炉内に配設されるラジアントチュー
ブ,加熱炉内搬送ロールを構成するドライロール、石油
化学工業分野の反応炉内に設置される反応管等、各種分
野における構造部材料としての工業的応用を可能とす
る、改良されたニッケルアルミナイド系超耐熱合金を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のニッケルアルミ
ナイド系超耐熱合金は、重量%で、Al:6.0〜9.
0%,Cr:2.0〜15.0%,Zr:0.5〜3.
0%,B :0.003%以下,Fe:3.0%以下,
残部は実質的にNiからなり、Ni3 Al系金属間化合
物を主相とする金属組織を有している。
ナイド系超耐熱合金は、重量%で、Al:6.0〜9.
0%,Cr:2.0〜15.0%,Zr:0.5〜3.
0%,B :0.003%以下,Fe:3.0%以下,
残部は実質的にNiからなり、Ni3 Al系金属間化合
物を主相とする金属組織を有している。
【0007】本発明のニッケルアルミナイド系合金は、
所望により、上記諸元素と共に、0.5〜5%のW、
0.3%以下のC、0.003〜0.03%のN、から
選ばれる1種ないし2種以上の元素を含有する化学組成
が与えられる。
所望により、上記諸元素と共に、0.5〜5%のW、
0.3%以下のC、0.003〜0.03%のN、から
選ばれる1種ないし2種以上の元素を含有する化学組成
が与えられる。
【0008】本発明合金の金属組織の主相であるNi3
Al系金属間化合物は、所謂LI2型の規則格子を形成
し、AlとNiとが面心立方格子の規則的位置に配列し
た構造を有する。
Al系金属間化合物は、所謂LI2型の規則格子を形成
し、AlとNiとが面心立方格子の規則的位置に配列し
た構造を有する。
【0009】本発明合金の金属組織について、「Ni3
Al系金属間化合物を主相とする」とは、Ni3Al系
金属間化合物の単一相からなる組織、またはNi3Al
系金属間化合物と母相であるNi固溶体との混合相(こ
れにNi5Zr晶出相が混在する場合もある)からなる
組織を有することを意味している。Ni3Al系金属間
化合物の物性に基づく高温特性を十分に発現させるため
に、その金属組織に占めるNi3Al系金属間化合物の
比率(面積率)は70%以上である。
Al系金属間化合物を主相とする」とは、Ni3Al系
金属間化合物の単一相からなる組織、またはNi3Al
系金属間化合物と母相であるNi固溶体との混合相(こ
れにNi5Zr晶出相が混在する場合もある)からなる
組織を有することを意味している。Ni3Al系金属間
化合物の物性に基づく高温特性を十分に発現させるため
に、その金属組織に占めるNi3Al系金属間化合物の
比率(面積率)は70%以上である。
【0010】本発明のニッケルアルミナイド系合金の成
分限定理由は次のとおりである。元素含有量の表示は、
すべて重量基準である。 Al:6.0〜9.0% Alは、Niと共にNi3Al金属間化合物を形成する
基本元素である。含有量が6.0%に満たないとNi3
Al相の生成が不足し、高温強度を得ることができな
い。他方9.0%を越えると、他の元素と関連してクリ
ープ破断寿命を確保し得なくなる。
分限定理由は次のとおりである。元素含有量の表示は、
すべて重量基準である。 Al:6.0〜9.0% Alは、Niと共にNi3Al金属間化合物を形成する
基本元素である。含有量が6.0%に満たないとNi3
Al相の生成が不足し、高温強度を得ることができな
い。他方9.0%を越えると、他の元素と関連してクリ
ープ破断寿命を確保し得なくなる。
【0011】Cr:2.0〜15.0% Crは室温域での引張強度と耐力値を高める。この効果
は2.0%以上の含有により現れる。しかし、過度に増
量すると、室温延性を損なうので15.0%を越えては
ならない。好ましくは4.0〜8.0%である。
は2.0%以上の含有により現れる。しかし、過度に増
量すると、室温延性を損なうので15.0%を越えては
ならない。好ましくは4.0〜8.0%である。
【0012】Zr:0.5〜3.0% Zrはデンドライト粒界にNi5Zrを形成し、高温域
(約1100℃以上)での強度(引張強度,0.2%耐
力)を高め、かつ延性の向上に寄与する。また、約11
00℃を超える高温域におけるクリープ破断寿命の顕著
な改善効果を示す。これらの効果を得るために、0.5
%以上を必要とする。増量により効果を増すが、3.0
%を超えると効果はほぼ飽和するので、これを上限とす
る。
(約1100℃以上)での強度(引張強度,0.2%耐
力)を高め、かつ延性の向上に寄与する。また、約11
00℃を超える高温域におけるクリープ破断寿命の顕著
な改善効果を示す。これらの効果を得るために、0.5
%以上を必要とする。増量により効果を増すが、3.0
%を超えると効果はほぼ飽和するので、これを上限とす
る。
【0013】B:0.003%以下 Bは、粒界に偏析して室温引張りにおける破断伸びを高
めると共に、高温域におけるクリープ破断寿命の増大に
奏効する。しかし、0.003%を超えると、溶接割れ
感受性が高くなり、溶着金属に割れを生じ易くなる。こ
のため、0.003%を上限とする。好ましくは、0.
001〜0.002%である。
めると共に、高温域におけるクリープ破断寿命の増大に
奏効する。しかし、0.003%を超えると、溶接割れ
感受性が高くなり、溶着金属に割れを生じ易くなる。こ
のため、0.003%を上限とする。好ましくは、0.
001〜0.002%である。
【0014】本発明の合金は所望により以下の元素が含
有される。 W:0.5〜5.0% Wは、高温クリープ破断強度を高めるのに有効な元素で
ある。この効果は0.5%以上の添加により得られる。
増量により効果を増すが、5.0%を越えて多量添加す
ると、高温引張延性の著しい低下をきたし、またクリー
プ破断寿命も低下する。好ましくは、1.0〜4.0%
である。
有される。 W:0.5〜5.0% Wは、高温クリープ破断強度を高めるのに有効な元素で
ある。この効果は0.5%以上の添加により得られる。
増量により効果を増すが、5.0%を越えて多量添加す
ると、高温引張延性の著しい低下をきたし、またクリー
プ破断寿命も低下する。好ましくは、1.0〜4.0%
である。
【0015】N:0.003〜0.03% Nは、Bと同様に室温での引張延性の改善に奏効する。
この効果は0.003%以上の添加により現れる。増量
に伴って効果を増すが、0.03%までの含有量で十分
である。また、これを超える添加歩留まりを得ることは
困難であり、合金の溶製操業における経済性が損なわれ
る。好ましくは、0.004〜0.02%である。
この効果は0.003%以上の添加により現れる。増量
に伴って効果を増すが、0.03%までの含有量で十分
である。また、これを超える添加歩留まりを得ることは
困難であり、合金の溶製操業における経済性が損なわれ
る。好ましくは、0.004〜0.02%である。
【0016】C:0.3%以下 Cは、前記Bと同様に粒界に析出して粒界を強化し、特
に高温での引張延性を高める効果を有する。この効果は
0.3%以下において得られ、これを越えると常温延性
を阻害する。好ましくは、0.01〜0.1%である。
に高温での引張延性を高める効果を有する。この効果は
0.3%以下において得られ、これを越えると常温延性
を阻害する。好ましくは、0.01〜0.1%である。
【0017】Fe:3.0%以下 Feは、本発明にいて必須の元素ではない。その増加に
伴い高温強度の低下をみる。3.0%を超えるとその悪
影響を無視できなくなる。このため、3.0%を上限と
する。好ましくは1.0%以下である。
伴い高温強度の低下をみる。3.0%を超えるとその悪
影響を無視できなくなる。このため、3.0%を上限と
する。好ましくは1.0%以下である。
【0018】本発明のニッケルアルミナイド系合金は、
鋳造合金として各種構造部材の製造に供される。例え
ば、遠心力鋳造を適用し、ラジアントチューブ、加熱炉
用ハースロールのスリーブ(ロール胴部材)、石油化学
用反応管等として、これらの用途に要求される機械的諸
特性を充足し、かつ配管構築・部材の組付け等に必要な
溶接性の要求等を満たすことができる。このほか、本発
明合金の粉末を肉盛材料としてクラッド構造の形成に利
用することも可能である。その肉盛施工は、例えばプラ
ズマ・パウダー・ウェエルディング(ppw)法等を適
用して効率よく行うことができる。
鋳造合金として各種構造部材の製造に供される。例え
ば、遠心力鋳造を適用し、ラジアントチューブ、加熱炉
用ハースロールのスリーブ(ロール胴部材)、石油化学
用反応管等として、これらの用途に要求される機械的諸
特性を充足し、かつ配管構築・部材の組付け等に必要な
溶接性の要求等を満たすことができる。このほか、本発
明合金の粉末を肉盛材料としてクラッド構造の形成に利
用することも可能である。その肉盛施工は、例えばプラ
ズマ・パウダー・ウェエルディング(ppw)法等を適
用して効率よく行うことができる。
【0019】
【実施例】(1)供試材の製造 (1.1)ニッケルアルミナイド系合金の溶製 高周波溶解炉により、アルミナるつぼ(内径145×高さ2
56,mm)を使用し、アルゴン雰囲気下に合金を溶製す
る。最初にニッケルを加熱溶融し、溶け落ち段階でアル
ミニウムを添加して昇温する。これに所定の合金元素を
添加し、温度調整を行った後、取鍋に出湯した。溶解重
量は16kgである。
56,mm)を使用し、アルゴン雰囲気下に合金を溶製す
る。最初にニッケルを加熱溶融し、溶け落ち段階でアル
ミニウムを添加して昇温する。これに所定の合金元素を
添加し、温度調整を行った後、取鍋に出湯した。溶解重
量は16kgである。
【0020】(1.2)鋳造 金型遠心力鋳造(大気雰囲気)により、管状供試材(外
径137×肉厚19×長さ270,mm)を得た。管状供試材
(鋳造まま)は、外側面から指向性凝固による柱状晶と
内面側の一部粒状晶からなるマクロ組織が観察される。
径137×肉厚19×長さ270,mm)を得た。管状供試材
(鋳造まま)は、外側面から指向性凝固による柱状晶と
内面側の一部粒状晶からなるマクロ組織が観察される。
【0021】表1に各供試材の化学組成を示す。各供試
材より試験片を調製し各物性を測定した。表2にビッカ
ース硬度Hv(荷重 98N)および常温引張り特性、表3
に高温引張り特性(試験温度:1100℃)、高温クリープ
試験結果(試験温度:1100℃,荷重:30MPa)および溶
接性試験結果をそれぞれ示す。
材より試験片を調製し各物性を測定した。表2にビッカ
ース硬度Hv(荷重 98N)および常温引張り特性、表3
に高温引張り特性(試験温度:1100℃)、高温クリープ
試験結果(試験温度:1100℃,荷重:30MPa)および溶
接性試験結果をそれぞれ示す。
【0022】表3における溶接性試験は、供試材から切
出した板状体を試験材とし、板面上にTIG溶接を施工
するビード・オン・プレート法(溶接電流120A)に
より行い、溶接後のクラックの有無(ダイチェック)に
より溶接性を評価したものである。表3「溶接性」欄の
記号は下記の評価を意味している。 〇…溶接性良好(クラックなし) ×…クラックの発生顕著
出した板状体を試験材とし、板面上にTIG溶接を施工
するビード・オン・プレート法(溶接電流120A)に
より行い、溶接後のクラックの有無(ダイチェック)に
より溶接性を評価したものである。表3「溶接性」欄の
記号は下記の評価を意味している。 〇…溶接性良好(クラックなし) ×…クラックの発生顕著
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表中、比較例No.101〜111は、本発明に類
似する組成を有しているが、いずれかの元素の含有量
(下線付記)が本発明の規定から逸脱している例であ
る。比較例No.112(0.5%C-0.25%Si-0.4%Mn-30%Cr-48%Ni
-13%W-0.2%Al-Fe)は、析出強化と固溶強化とを利用
し、約1200℃の各種加熱炉用部材として広く実用さ
れている高Ni-Cr系耐熱合金である。発明例の合金は、
室温および高温域における硬度,強度,延性、並びに高温
クリープ特性に優れ、しかも良好な溶接性を備えてい
る。その溶接性は高Ni-Cr系耐熱合金(No.112)と同等
である。
似する組成を有しているが、いずれかの元素の含有量
(下線付記)が本発明の規定から逸脱している例であ
る。比較例No.112(0.5%C-0.25%Si-0.4%Mn-30%Cr-48%Ni
-13%W-0.2%Al-Fe)は、析出強化と固溶強化とを利用
し、約1200℃の各種加熱炉用部材として広く実用さ
れている高Ni-Cr系耐熱合金である。発明例の合金は、
室温および高温域における硬度,強度,延性、並びに高温
クリープ特性に優れ、しかも良好な溶接性を備えてい
る。その溶接性は高Ni-Cr系耐熱合金(No.112)と同等
である。
【0027】他方、比較例においては、本発明の成分元
素のいずれかを含有しないか又は含有量が不足もしくは
過剰であることに起因して、発明例のように室温・高温
域での機械的特性のすべてを具備するものはなく、かつ
溶接性に劣っている。なお、No.112(高Ni-Cr耐熱合
金)は、良好な溶接性を有しているが、高温域での引張
強度,クリープ破断寿命等が低く、発明材の材料特性に
及ばない。
素のいずれかを含有しないか又は含有量が不足もしくは
過剰であることに起因して、発明例のように室温・高温
域での機械的特性のすべてを具備するものはなく、かつ
溶接性に劣っている。なお、No.112(高Ni-Cr耐熱合
金)は、良好な溶接性を有しているが、高温域での引張
強度,クリープ破断寿命等が低く、発明材の材料特性に
及ばない。
【0028】
【発明の効果】本発明のニッケルアルミナイド系超耐熱
合金は、室温・高温における良好な機械強度・延性、耐
高温クリープ特性等を有すると共に、改良された溶接性
を具備している。従って、例えば鋼材加熱炉内に配設さ
れるラジアントチューブ、加熱炉内搬送ロール、あるい
は石油化学工業における反応管等の構成材料として適用
することができ、ニッケルアルミナイド系合金の工学的
応用の拡大・多様化を可能にするものである。
合金は、室温・高温における良好な機械強度・延性、耐
高温クリープ特性等を有すると共に、改良された溶接性
を具備している。従って、例えば鋼材加熱炉内に配設さ
れるラジアントチューブ、加熱炉内搬送ロール、あるい
は石油化学工業における反応管等の構成材料として適用
することができ、ニッケルアルミナイド系合金の工学的
応用の拡大・多様化を可能にするものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 Al:6.0〜9.0%, Cr:2.0〜15.0%, Zr:0.5〜3.0%, B :0.003%以下, Fe:3.0%以下, 残部は実質的にNiからなり、Ni3 Al系金属間化合
物を主相とする金属組織を有する高温強度,耐高温クリ
ープ性,溶接性等にすぐれたニッケルアルミナイド系超
耐熱合金。 - 【請求項2】 重量%で、 Al:6.0〜9.0%, Cr:2.0〜15.0%, Zr:0.5〜3.0%, B :0.003%以下, W :0.5〜5%, Fe:3.0%以下, 残部は実質的にNiからなり、Ni3 Al系金属間化合
物を主相とする金属組織を有する高温強度,耐高温クリ
ープ性,溶接性等にすぐれたニッケルアルミナイド系超
耐熱合金。 - 【請求項3】 重量%で、 Al:6.0〜9.0%, Cr:2.0〜15.0%, Zr:0.5〜3.0%, B :0.003%以下, C :0.3%以下及び/又はN:0.003〜0.0
3%、 Fe:3.0%以下,を含有し、残部は実質的にNiか
らなり、Ni3 Al系金属間化合物を主相とする金属組
織を有する高温強度,耐高温クリープ性,溶接性等にす
ぐれたニッケルアルミナイド系超耐熱合金。 - 【請求項4】 重量%で、 Al:6.0〜9.0%, Cr:2.0〜15.0%, Zr:0.5〜3.0%, B :0.003%以下, W :0.5〜5%, C :0.3%以下及び/又はN:0.003〜0.0
3%、 Fe:3.0%以下, 残部は実質的にNiからなり、Ni3 Al系金属間化合
物を主相とする金属組織を有する高温強度,耐高温クリ
ープ性,溶接性等にすぐれたニッケルアルミナイド系超
耐熱合金。
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