JP2001216632A - 磁気情報記録媒体 - Google Patents
磁気情報記録媒体Info
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Abstract
録媒体であっても、静電気による磁気情報の書き込み、
読みとりエラーや加工時の不具合を防止することができ
る磁気情報記録媒体を提供する。 【解決手段】磁気情報を有する記録基材11上に少なく
とも、磁気情報を記録できる磁気層12、隠蔽層13、
OVD層14を有した情報媒体において、前記隠蔽層1
3が導電性を有しない薄膜で、該薄膜の表面をマット状
としたことを特徴とした磁気情報記録媒体10。
Description
要とするクレジットカードやキャッシュカード等の磁気
情報を有した磁気情報記録媒体に関する。さらに詳しく
は前記情報記録媒体に偽造防止効果を付与するためOV
D画像を形成したOVDを有する磁気情報記録媒体に関
わる。
画像を表現し得る、ホログラムや回折格子、光学特性の
異なる薄膜を重ねることにより、見る角度により色の変
化(カラーシフト)を生じる多層薄膜のようなOVD
(Optical Variable Device )の開発が進められてい
る。
微細な凹凸パターンや、屈折率の異なる縞状パターンな
どの回折構造からなっており、これにより光の回折と干
渉により見る角度(すなわち、ホログラムを支持してい
る角度)に応じて、固有の像や色の変化(カラーシフ
ト)を生じる。一方、多層薄膜は光学特性の異なるセラ
ミックスや金属材料を幾重にも積層した構造でなる。こ
の多層薄膜は構成する材料の光学特性と膜厚により得ら
れる光の干渉作用を利用した表示技術であり、特定の波
長域に反射・透過特性を有しいるため、観察する角度に
よりカラーシフトを生じる。
格子や多層薄膜などの光の干渉を利用した表示技術を総
称してOVDと称することとする。
いった独特な印象を与えるため、優れた装飾効果を有し
ており各種包装材や絵本、カタログ等の一般的な印刷物
に利用されている。さらに、このOVDは高度な製造技
術を要することから有効な偽造防止手段としてクレジッ
トカード、有価証券、証明書類等に形成され使用されて
いる。最近では、OVDの有する装飾効果に着目し媒体
の全面に形成したものも現れてきている。
あるキャッシュカードやクレジットカードは黒色あるい
は茶褐色でなる磁気テープの色を隠蔽し、デザイン制限
ないカードを作ることが試みられてきた。その方法とし
ては、カードの色自体を磁気テープの色と合わせる手法
や白色、黒色あるいは銀色等の隠蔽インキを上から塗布
した後に絵柄の印刷を施す手法が取られている。前者の
場合色が制限されるために、デザインが限定されてしま
うという問題がある。後者の方法ではデザインの幅が広
がるが、その隠蔽および印刷の厚みが厚くなるため、磁
気出力が低下するという問題があった。特に絵柄印刷層
と前述のOVDを形成した場合に、OVD分の厚みが増
すためにより出力が低下し、読みとりエラーを生じやす
いという問題を有していた。具体例を挙げるならば磁気
ストライプを有するクレジットカード等の磁気カードは
磁気テープの性能にもよるが、一般に埋め込まれた磁気
テープとカード表面間との間隔は約6μm程度が限界で
あり、それ以下にしなければならないという問題があ
る。
付与した磁気情報記録媒体は読み取り難い媒体であっ
た。特開平9−29443号公報によれば隠蔽層をAl
やNi等の金属薄膜で形成することにより薄膜化し、光
回折画像(ホログラムや回折格子)を形成しても出力が
低下しない構成が提案されている。しかしながら、この
構成はその情報媒体上に導電体である金属と絶縁体であ
るプラスチック材料を積層した構造であり、電荷のたま
りやすい構造のため、加工時に静電気による様々な不具
合を起こすほか、磁気情報を書き込むあるいは読み出す
際に電荷の放電によりエラーを生じやすい構成であっ
た。
に鑑みてなされたもので、装飾性に優れているOVDを
有した磁気情報記録媒体であっても、静電気による磁気
情報の書き込み、読み取りエラーや加工時の不具合を防
止することができる磁気情報記録媒体を提供することを
課題とする。
するためになされた発明であり、OVDを有した磁気情
報媒体において、表面をマット状に設けた隠蔽層を用い
ることで、磁気情報の読み書きに支障をきたすことなく
カード状に設けた磁気媒体を可視的に隠蔽し、デザイン
状の自由度を広げたことを特徴とするものである。
情報を有する記録媒体基材上に少なくとも、磁気情報を
記録できる磁気層、隠蔽層、OVD層を有した情報媒体
において、前記隠蔽層が導電性を有しない薄膜で、該薄
膜の表面をマット状としたことを特徴とした磁気情報記
録媒体である。表面をマット状とすることにより、単に
金属薄膜を設けた場合に比べ金属光沢を抑え、光が散乱
させることで薄膜の厚さを薄くすることができるので書
込、読取エラーが減少する。また白色に近い色調を得ら
れることから、デザインの選択性を広げることができ
る。
層を構成する薄膜が島状構造を有した金属薄膜よりなる
ことを特徴とした請求項1に記載の磁気情報記録媒体で
ある。この薄膜は各々の島は導電性を示すが、島と島の
間が離れているために、膜自体では導電性を示さない性
質を有している。このため電荷がたまり難く、静電気障
害が起こり難くなる。
層を構成する薄膜が金属酸化物等の誘電体薄膜よりなる
ことを特徴とした請求項1に記載の磁気情報記録媒体で
ある。誘電体薄膜が絶縁体であるので請求項2と同様
に、電荷がたまり難く、静電気障害が起こり難くなる。
前記隠蔽層を設ける際、被着表面を熱圧によるエンボス
方式によりマット状に、サンドブラスト法によりマット
状に、無機フィラーや着色顔料などによりマット状にし
たことを特徴とした請求項1に記載の磁気情報記録媒体
である。
て図面を参照して詳細に説明する。
施例を示し、(A)は平面図であり、(B)は(A)の
磁気情報記録媒体のX−X線における断面図である。以
降、これらの図を用いて詳しく説明する。
は、磁気層(12)を有する磁気情報記録媒体基材(1
1)にマット化された隠蔽層(13)、OVD層(1
4)、印刷層(15)、保護層(16)が設けられた形
になり、外見では印刷層に印刷してある『☆』や『ID
CARD』の絵柄や文字およびOVD(14)である
『BANK』のパターンしか確認できない。磁気層は隠
蔽層の下側になっているので見ることができない。
基材(11)としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リスチレン等の合成樹脂のあるいは天然樹脂、紙、合成
紙などを単独で又は組合わせた複合体に磁気情報を読み
書き可能な磁気層を全面或いは一部分に設けた構成であ
り、磁気情報記録媒体基材(11)上にはマット化され
た隠蔽層(13)、OVD層(14)、印刷層(1
5)、保護層(16)が積層されるために、その加工に
耐えうる強度、耐熱性や使用方法に応じた耐性が要求さ
れる。そのために上記の材料に限定されず、加工方法に
応じて適宜選択される。また、その厚みや形状には商品
形態により異なるため特に制限はないが、キャシュカー
ド、クレジットカードのような規格の定められている媒
体であれば、その規格に準じる必要がある。
る層であり導電性のない薄膜でなる。例えば島状構造で
なる金属薄膜やセラミックス材料からなる薄膜が挙げら
れる。以降これらに関してさらに詳しく説明する。島状
構造でなる金属薄膜とは、図6に示すようなサイズ0.
02〜1μmの粒子が間隔0.001〜0.5μm程度
で各々が孤立した島状に形成された薄膜であり、島同士
が離れているため、薄膜全体では導電性を示さない。ま
た、その間隔も非常に小さいため、膜全体では光を反射
する特性を示し、磁気層(12)を隠蔽することが可能
となる。
オンプレーティング等の薄膜形成法により直接形成する
方法(特公平6−6783号公報)があり、Sn、Sn
−Al合金、Sn−Si合金、Ti、Cr、Fe、N
i、Co、Si、Ge等が挙げられるが、融点の低い金
属や貴金属が加工に適しており、Sn、Sn−Al合
金、Sn−Si合金が好ましい。
しては、Alのような島状構造の蒸着が難しい材料であ
っても、一旦連続した薄膜を形成した後、島状構造とな
るようにエッチングにより部分的に薄膜を除去し製造す
ることも可能である。これら以外の方法であっても各々
が独立した島構造の薄膜が形成できる公知の手法であれ
ば利用可能であり、限定されるものではない。
を用いた隠蔽層は例えばTiO2 、Si2 O3 、Si
O、SiO2 、Fe2 O3 、ZnS、MgO、Al2 O
3 、AlF3 のセラミックス材料が挙げられる。これら
材料は色調や光透過性の程度から様々ではあるが200
Å〜10000Åの範囲にて公知の真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティング等の薄膜形成法で設けら
れる。
よる不具合を生じにくい媒体が得られるが、いずれも透
明性が高く隠蔽性に劣る。しかしながらTiO2 、Si
2 O 3 、ZnS等の材料はプラスチック材料と屈折率が
異なるため、プラスッチック材料と積層した場合、その
境界で光を反射する特性を有している。この特性を利用
し薄膜を形成する面を予め細かく荒らしておき光の反射
面積をより多くし、更に反射光を散乱させることによ
り、白色の隠蔽層を得ることが可能である。
の一実施例を示す断面図であり、隠蔽層(13)を表面
性の荒い面に形成した例を示す断面図であり、隠蔽層
(13)面上で光が反射、散乱し磁気層(12)を隠蔽
することができる。
録媒体を作製する隠蔽層転写箔(20)を示す。図のよ
うに、隠蔽層転写箔の支持体(21)に剥離し易いプラ
スチック材料にて剥離層(22)を塗布し、前述のセラ
ミック材料にて蒸着させ、表面をマット化させた隠蔽層
(23)、接着層(24)を設けた後、磁気情報記録媒
体基材に転写させて図1に示す磁気情報記録媒体を作製
することができる。
ーや着色顔料等の粒子を混入することにより表面を粗面
化するとともに隠蔽効果を向上させることも可能であ
る。以上は一実施例であり、表面の粗面化された面に薄
膜を形成する方法であれば、これらに限定されるもので
はない。また、この手法は隠蔽力を向上し白色化或いは
着色する効果があり、前述の島構造を有する金属薄膜に
も適用可能である。更に隠蔽性を高めるため隠蔽用の印
刷を施したり、基材の色を磁気層の色と合わせることに
より、磁気層を目立ち難くした上で、隠蔽層を設けるこ
とも可能である。
り隠蔽されないようにOVD層より上になるようにした
ほうがよい。したがって、図1においては、印刷層は
(15)は保護層(16)とOVD層(14)の間に設
けてある。しかし、OVD層が透明で印刷層の絵柄、文
字等が判読できるならば、OVD層(14)と隠蔽層
(13)の間に印刷層が有っても構わない。
は、『IDCARD』や『☆』の印刷で示した部分が印
刷層であり、文字や記号あるいはキャラクター等絵柄の
目視確認可能な情報や背景が印刷される。この印刷層は
公知の材料・印刷方法にて設けられるが、印刷層(1
5)は磁気層(12)の上になるので、厚く形成すると
磁気出力の低下の原因となるため1〜3μm程度で設け
ることが好ましい。なお、印刷層(15)は必須構成要
件ではなく、用途によって必要な場合に設ければ良い。
する。OVD層(14)は前述した光の干渉を利用した
OVD画像を形成する層であり、立体画像の表現や見る
角度により色が変化するカラーシフトを生じる表示体を
形成する層である。その中でホログラムや回折格子のご
ときOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターン
として平面に記録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を
記録する体積型が挙げられる。
法により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマス
ターホログラムを作製し、これから電気メッキ法により
凹凸パターンを複製したニッケル製のプレス版を複製
し、このプレス版をホログラム形成層上に加熱押圧する
という周知の方法により大量複製が行われている。この
タイプのホログラムは、レリーフ型ホログラムと称され
ている。
感光性樹脂などの記録材を用いて、体積方向に干渉縞を
記録する体積型ホログラムと称されるものもある。この
型のホログラムではリップマンホログラムと呼ばれるも
のが一般に使用されており、これは感光性樹脂の屈折率
を体積方向に変化させ、反射型ホログラムとしたもので
ある。
ム画像とは異なり、微小なエリアに複数種類の単純な回
折格子を配置して画素とし、画像を表現するグレーティ
ングイメージ、ピクセルグラムといった回折格子画像も
また、レリーフ型ホログラムと同様な方法で大量複製が
行われ、一方、ホログラムや回折格子と手法が異なり、
光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を積層
し、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる
多層膜方式もその例である。これら、OVDの中でも量
産性やコストを考慮した場合には、レリーフ型ホログラ
ム(回折格子)や多層薄膜方式のものが好ましい。以
降、これらを利用した磁気情報記録媒体に関して詳しく
説明する。
明の磁気情報記録媒体の実施例を説明する断面図を示
す。図3は、レリーフ型のホログラムや回折格子をOV
Dとして用いた例であり、磁気層(32)を有する磁気
情報記録媒体基材(31)上に、マット化された隠蔽層
(33)、OVD層(34)、印刷層(35)、保護層
(36)が設けられた構成になっている。この場合、O
VD層(34)はOVD形成層(34a)およびOVD
効果層(34b)から成っており、OVD効果層(34
b)はより回折効率が得られるよう光を反射する高屈折
材料薄膜や金属薄膜によりなる。
を生じる多層膜構成の断面図を示したもので、OVD層
(44)は光学特性の異なる薄膜(44a、44b,4
4c)の多層膜構成となっている。このようにOVD層
の構成はOVD形成方法により異なり、その形態により
複数の材料を積層した構成となる。それゆえ、その構成
は図3や図4に限定されるものではなく、一実施例であ
る。
述したように微細な凹凸パターンを有するプレス版を加
熱しOVD形成層(34a)に押し当て、そのパターン
を複製する方式である。それゆえ、OVD形成層(34
a)は熱による成形性が良好で、プレスムラが生じ難
く、明るい再生像が得られる材料であって、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂な
どの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは、ラ
ジカル重合性不飽和基を有する紫外線や電子線硬化性樹
脂を単独あるい複合して用いることができる。また、上
記以外ものでも、OVDレリーフパターンを形成可能な
材料であれば適宜使用可能である。
子)を用いた場合、その回折効率を高めるためOVD形
成層(34a)で使用される高分子材料と屈折率の異な
る反射層(OVD効果層(34b))を設けることが好
ましい。このOVD効果層(34b)を設けることによ
り、回折効率が向上し、より鮮明な画像や色の変化をも
たらす。用いる材料としては、屈折率の異なるTi
O2、Si2 O3 、SiO、Fe2 O3 、ZnS、など
の高屈折率材料やより反射効果の高いSn、Al等の島
状構造薄膜が挙げられ、これら材料を単独あるいは積層
して使用できる。これらの層は前述したように、導電性
を示さない材料が用いられ、これらに限定されるもので
はない。これらの材料は真空蒸着法、スパッタリング等
の公知の薄膜形成技術やエッチング法にて形成され、そ
の膜厚は用途によって異なるが、100Å〜10000
Å程度で形成される。
構成する材料としては、その屈折率が、OVD形成層
(34a)で使用される高分子材料(屈折率n=1.3
〜1.5)よりも高く、導電性を示さない材料であれ
ば、上記の無機材料以外の有機系、有機無機複合体、有
機系材料に無機系フィラーを分散したものであっても使
用可能である。これらの材料はグラビアコート、ダイコ
ート、スクリーン印刷等の公知のコーティング法、や印
刷法にて0.1μm〜10μm程度形成される。さらに
は、上記以外の材料であっても反射性を有した材料であ
れば、適宜使用することが可能である。
れるOVD層(44)は、前述したように、異なる光学
特性を有する多層薄膜層(44a、44b、44c)か
らなり、金属薄膜、セラミックス薄膜またはそれらを併
設してなる複合薄膜として積層形成される。例えば屈折
率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈
折率の薄膜を組み合わせても良く、また特定の組み合わ
せを交互に積層するようにしてもよい。それらの組み合
わせにより、所望の多層薄膜を得ることができる。
どの材料が用いられ、おおよそ2以上の高屈折率材料と
屈折率が1.5程度の低屈折率材料を所定の膜厚で積層
したものである。以下に用いられる材料の一例を挙げ
る。まず、セラミックスとしては、Sb2 O3 (3.0
=屈折率n:以下同じ)、Fe2 O3 (2.7)、Ti
O2 (2.6)、CdS(2.6)、CeO2 (2.
3)、ZnS(2.3)、PbCl2 (2.3)、Cd
O(2.2)、Sb2 O3 (2.0)、WO3 (2.
0)、SiO(2.0)、Si2 O3 (2.5)、In
2 O3 (2.0)、PbO(2.6)、Ta2 O
3 (2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2 (2.
0)、MgO(1.6)、SiO2 (1.5)、MgF
2 (1.4)、CeF3 (1.6)、CaF2 (1.3
〜1.4)、AlF3 (1.6)、Al2 O3 (1.
6)、GaO(1.7)等が挙げられ、金属材料として
は金属単体もしくは合金の島状構造を有した薄膜、例え
ばAl、Sn、Sn−Al等が挙げられる。
リエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.4
9)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメ
チルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン
(1.60)等が使用可能である。これらの高屈折率材
料もしくは30%〜60%透過性を有する島状構造の金
属薄膜より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくと
も一種選択し、所定の厚さで交互に積層させる事によ
り、特定の波長の可視光に対する吸収あるいは反射を示
すものである。なお、金属から構成される薄膜は、構成
材料の状態や形成条件などにより、屈折率などの光学特
性が変わってくるため、本発明の実施例では一定の条件
における値を用いている。
率等の光学特性や耐候性、耐薬品性、層間密着性などに
基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層薄膜を形
成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜
厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚(=n・d、
n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真
空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出法や
CVD法などの化学的気相析出法を用いることができ
る。
しては、公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、ス
クリーン印刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビ
ア法、ロールコート法等などの塗布方法等を用いること
ができる。なお、本発明ではセラミックス・金属のみを
開示しているが、セラミックス・金属と同等、あるいは
類似する屈折率と反射率を有するものであれば、用いる
ことが可能である。
ば、その層厚が50〜20000Åの範囲であり、また
薄膜の層構成は上記した高屈折率の材料もしくは金属材
料からなる薄膜、例えばZnS、TiO2 、ZrO2 、
In2 O3 、SnO、ITO、CeO2 、ZnO、Ta
2 O3 、Al、Snなどと、上記した低屈折率の材料か
らなる薄膜、例えばMgF2 、SiO2 、CaF2 、M
gO、Al2 O3 などとの組み合わせであり、それらを
交互に積層し、その積層数が2層以上であり、好ましく
は2層〜9層であるものが挙げられる。尚、用いられる
材料、組み合わせにより多層膜の光学特性が異なるた
め、これに限定されるものではない。
VD層や印刷層を外傷から保護する役割を持つもので、
必要に応じて形成される。使用される樹脂としては、例
えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル樹
脂−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、メラ
ミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リイミド樹脂等の従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、紫外線または電子線硬化樹脂を単独或いは、混合物
して用いられる。
の印字痕防止のために、樹脂を架橋する硬化剤、ポリエ
チレンワッス、カルナバワックス、シリコンワックス等
のワックス類、或いは炭酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、シリカ、アルミナ、タルク等の体質顔料、シリコ−
ン油脂等の油脂類を透明性が損なわれない範囲で添加す
ることができる。この剥離保護層に用いる樹脂は、例え
ばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルコーター
法等の既知の塗布手段およびオフセット印刷法、フレキ
ソ印刷法等の印刷手段により塗工する。
して、磁気層/マット化された隠蔽層/OVD層/印刷
層/保護層を積層した構成は、一例であり、商品の形態
あるいは製造方法により各層の上に接着層や印刷層を適
宜設けることは可能である。また、その積層する順もこ
れに示した限りでなく、例えば隠蔽層上に印刷層を有す
る構成やOVD効果層が隠蔽層を兼ねる構成であっても
よい。一方、偽造防止を向上させるべく蛍光発色インキ
や赤外線インキや液晶高分子等にて潜像を付与した構成
も付け加えることも可能である。
場合、図5に示すOVD転写箔(50)を用い、粘着層
(52)を介して磁気情報記録媒体基材に転写させても
良い。OVD転写箔は、OVD転写箔支持体(51)上
に剥離性を有する保護層(56)、印刷層(55)、O
VD層(54)、マット化された隠蔽層(53)、粘着
層(52)が積層された構成になっている。これらの材
料及び作成方法は前述したものを利用することが可能で
ある。このOVD転写箔を磁気情報記録媒体基材に粘着
層を介して転写させれば、上記の磁気情報記録媒体が容
易に作製することができる。
し表、裏面のどちらか一方、或いは両方に設けても良
い。
明する。
報記録媒体の一実施例を説明する。まず、厚み760μ
mの塩化ビニルからなる磁気情報記録媒体基材(31)
に磁気層(32)として650Oeの磁気テープを熱圧
により埋め込んだ磁気テープ入りカードを用いて試作を
行なった。磁気情報記録媒体基材(31)の表面にSn
を島状構造で500Å蒸着し表面をマット化した後、以
下の組成でなるOVD形成層(34a)をグラビア法で
1μm、OVD効果層(34b)としてTiO2 を真空
蒸着にて500Å成形した後、ロールエンボス法を用い
て140℃に熱したレリーフレインボーホログラムのス
タンパーを押し当て、レインボーホログラムパターンを
形成した。更に絵柄を1μm程度で印刷を施した。その
後、保護層(36)として以下の組成からなる紫外線硬
化材料を2μm塗布し、紫外線を照射して硬化せしめ
た。
では磁気層が確認されず、わずか500ÅのSn蒸着に
て隠蔽可能であった。また磁気出力も、その磁気テープ
とカード表面との間隔が5.0μm程度であるため良好
な出力が得られた。また、積み重ねた状態で電荷をため
ることもなく、電気を急激に放電することもないので、
作業がしやすく、磁気情報の数十回書込読出を行っても
エラーは生じなかった。
報記録媒体の一実施例を説明する。OVD層(44)と
して多層薄膜にした以外は実施例と同様な方法で実施例
2の磁気カードを得た。
Å、SiO2 −5800Å、ZnS−950Åを順に形
成してOVD層(44)とした。
では磁気層が確認されず、わずか500ÅのSn蒸着に
て隠蔽可能であった。また磁気出力も、その磁気テープ
とカード表面との間隔が5.0μm程度であるため良好
な出力が得られた。また、積み重ねた状態で電荷をため
ることもなく、電気を急激に放電することもないので、
作業がしやすく、磁気情報の数十回書込読出を行っても
エラーは生じなかった。一方、本実施例では多層薄膜の
OVD層が形成されているため、見る角度により色が変
化する装飾性の高いカードが得られた。
録媒体は導電性を示さないマット化された薄膜にて磁気
層を隠蔽することで、OVDが形成されているにもかか
わらず、十分な磁気出力が得られるとともに、取り扱い
時の不具合や、磁気情報の書込読出時にもエラーを生じ
ない媒体を提供することができる。すなわち、外見では
磁気層が確認されず、隠蔽可能であり、積み重ねた状態
で電荷をためることも、静電気をを急激に放電すること
もないので、作業がしやすく、磁気情報の書込読出時に
エラーを生じることのない磁気情報記録媒体である。
(A)は平面図、(B)はXーX線部に於ける断面図で
ある。
る為の隠蔽層転写箔の構成断面図である。
レリーフ型OVDを用いた時の構成断面図である。
多層薄膜型OVDを用いた時の構成断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】磁気情報を有する記録基材上に少なくと
も、磁気情報を記録できる磁気層、隠蔽層、OVD層を
有した情報媒体において、 前記隠蔽層が導電性を有しない薄膜で、該薄膜の表面を
マット状としたことを特徴とした磁気情報記録媒体。 - 【請求項2】前記隠蔽層を構成する薄膜が島状構造を有
した金属薄膜よりなることを特徴とした請求項1に記載
の磁気情報記録媒体。 - 【請求項3】前記隠蔽層を構成する薄膜が金属酸化物等
の誘電体薄膜よりなることを特徴とした請求項1に記載
の磁気情報記録媒体。 - 【請求項4】前記隠蔽層を設ける際、被着表面を熱圧に
よるエンボス方式によりマット状としたことを特徴とし
た請求項1に記載の磁気情報記録媒体。 - 【請求項5】前記隠蔽層を設ける際、被着表面をサンド
ブラスト法によりマット状としたことを特徴とした請求
項1に記載の磁気情報記録媒体。 - 【請求項6】前記隠蔽層を設ける際、被着表面を無機フ
ィラーや着色顔料などによりマット状としたことを特徴
とした請求項1に記載の磁気情報記録媒体。
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2000023013A JP2001216632A (ja) | 2000-01-31 | 2000-01-31 | 磁気情報記録媒体 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2001216632A (ja) |
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- 2000-01-31 JP JP2000023013A patent/JP2001216632A/ja active Pending
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