JP2001207162A - 撥水撥油防汚処理液、および撥水撥油防汚処理方法 - Google Patents

撥水撥油防汚処理液、および撥水撥油防汚処理方法

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JP2001207162A
JP2001207162A JP2000333623A JP2000333623A JP2001207162A JP 2001207162 A JP2001207162 A JP 2001207162A JP 2000333623 A JP2000333623 A JP 2000333623A JP 2000333623 A JP2000333623 A JP 2000333623A JP 2001207162 A JP2001207162 A JP 2001207162A
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repellent
water
oil
liquid
antifouling treatment
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JP2000333623A
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Hiroaki Yamamoto
博章 山本
Kazutaka Kamiya
和孝 神谷
Mitsuhiro Kawazu
光宏 河津
Mitsuo Asai
光雄 浅井
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 撥水撥油防汚処理液を長期間保存しても、白
濁しない撥水撥油防汚処理液の提供、およびこの処理液
を用いた撥水撥油防汚処理方法を提供する。 【解決手段】 フルオロアルキル基含有シラン化合物
(例えば、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラ
ン)を含むA液と、酸(例えば、濃塩酸)および溶媒
(例えば、i−プロパノール)を含むB液とを混合させ
て使用されることを特徴とする撥水撥油防汚処理液、お
よびこれを用いる処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その表面に撥水・
撥油および防汚性を有する物品の処理に用いられる処理
液、およびその処理方法に関する。特にガラス,セラミ
ックス,プラスチックまたは金属等の物品に好適に使用
される撥水撥油防汚処理液、およびその処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス板やその他の物品の表面に、撥水
性被膜を形成させるための撥水処理液として、フルオロ
アルキルシラン系化合物を含有する撥水処理液が知られ
ている。
【0003】例えば、特開平5−311156号には、
フルオロアルキルシランを1.0〜10重量%、酸触媒
を0.01〜5重量%、水を0.01〜40重量%含有
するアルコール溶液からなる撥水処理液が開示されてい
る。
【0004】また、特開平9−53065号には、フル
オロアルキルシランと親水性有機溶媒とを含有する第1
液と、酸と水を含む第2液とからなる撥水処理液が開示
されている。さらに、前記第1液及び/又は第2液の溶
媒はアルコールであるか、あるいはアルコールを含む溶
媒である撥水処理液も開示されている。
【0005】さらに特開平9−53065号では、上述
の特開平5−311156号において、以下の問題点を
指摘している。すなわち、フルオロアルキルシランの含
有量が増えると、一般に撥水効果は向上する。その一
方、余剰のフルオロアルキルシランの加水分解物と思わ
れる物質が、処理面上に残留し、初期の接触角が著しく
低下することである。さらには、この物質を拭き取る作
業が必要となる。
【0006】この問題を解決するために、特開平9−5
3065号では、フルオロアルキルシランの含有量を1
重量%以下にすることを検討している。しかし、フルオ
ロアルキルシランの含有量を1重量%以下にすると、撥
水処理液の保存時間の経過とともに、撥水効果が低下す
ることが指摘されている。特に有効な酸の量を含有させ
た場合において、保存時間の経過とともに、撥水処理液
の撥水効果の低下が顕著であることも指摘されている。
【0007】さらに、特開平10−219235号に
は、フルオロアルキルシランと親水性有機溶媒とを含有
する第一液と、酸、水および前記親水性有機溶媒および
/または前記親水性有機溶媒よりも高い沸点を有する化
合物とを含有する第二液からなる撥水処理液が開示され
ている。
【0008】またこの特開平10−219235号で
は、フルオロアルキルシランの残留物の拭き取りを、有
機溶媒を要せず、乾式で行う処理方法も提案されてい
る。
【0009】また、特開平9−104861号には、第
1液としてフルオロアルキルシランを含有する撥水処理
液にて処理した後、第2液として低級アルコール−水溶
液で仕上げ処理を行う2液タイプの撥水処理液も開示さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平5−31
1156号では、調製された撥水処理溶液を長期保存す
ると、フルオロアルキルシラン系化合物が反応して、結
果溶液を白濁させることになる。この白濁した溶液を用
いて撥水処理すると、初期の撥水性能が低下してしまう
という不具合があった。
【0011】また上述の特開平9−53065号公報
や、特開平10−219235号公報に開示される処理
液にあっても、調製された撥水処理溶液を長期保存する
と、上述した不具合が発生する。
【0012】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたもので、撥水撥油防汚処理液を長期間保存して
も、白濁することがないような撥水撥油防汚処理液の提
供を目的とする。さらにこの処理液を用いた撥水撥油防
汚処理方法の提供を目的とする。
【0013】また撥水撥油防汚処理液および方法におい
て、フルオロアルキルシランの残留物の少ない、すなわ
ち撥水撥油防汚処理液中に含まれるフルオロアルキル基
含有のシラン化合物の割合が1質量%以下でも、良好な
撥水撥油防汚性能を有する処理液および方法の提供を目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明者らが鋭意研究したところ、以下のこと
を見いだした。つまり、フルオロアルキル基含有のシラ
ン化合物の保存に際して、まず酸および溶媒を含まない
状態で保存することである。このようにして保存する
と、上述したように撥水撥油防汚処理液が白濁すること
がなくなる。つまり、フルオロアルキル基含有のシラン
化合物が加水分解しないようにして、保存すればよいと
いうことである。
【0015】使用に際しては、フルオロアルキル基含有
シラン化合物(A液)と、酸および溶媒を含む液(B
液)とを混合して、撥水撥油防汚処理液(以下、コーテ
ィング液ということがある)を調製すればよい。
【0016】すなわち本発明は、まず処理液の発明とし
て、フルオロアルキル基含有シラン化合物を含むA液
と、酸および溶媒を含むB液とを混合させて使用される
ことを特徴とする撥水撥油防汚処理液である。
【0017】請求項2の発明として、請求項1に記載の
撥水撥油防汚処理液において、前記酸には、塩酸,メタ
ンスルホン酸,およびパラトルエンスルホン酸の少なく
とも1種を含まれる撥水撥油防汚処理液である。
【0018】請求項3の発明として、前記溶媒は、水と
相溶性を有する有機溶媒を含む撥水撥油防汚処理液であ
る。
【0019】請求項4の発明として、請求項1に記載の
撥水撥油防汚処理液において、前記溶媒は、炭素数が1
〜10のアルコールの少なくとも1種が含まれる撥水撥
油防汚処理液である。
【0020】請求項5の発明として、請求項1に記載の
撥水撥油防汚処理液において、前記溶媒は、炭素数が4
〜14のアルカンの少なくとも1種が含まれる撥水撥油
防汚処理液である。
【0021】請求項6の発明として、請求項3に記載の
撥水撥油防汚処理液において、前記溶媒は、さらに水が
含まれる撥水撥油防汚処理液である。
【0022】請求項7の発明として、請求項1に記載の
撥水撥油防汚処理液において、前記フルオロアルキル基
含有シラン化合物は、以下の化学式1によって表される
撥水撥油防汚処理液である。
【化1】 CF3−(CF2n−R−SiXp3-p ・・(1) (ここで、nは0〜12の整数、好ましくは3〜12の
整数、Rは炭素原子数1〜10の二価の有機基(例えば
メチレン基,エチレン基)、または珪素原子および酸素
原子を含む基、Xは、Hまたは炭素原子数1〜4の一価
炭化水素基(例えばアルキル基,シクロアルキル基,ア
リル基)もしくはこれらの基の誘導体から選ばれる置換
基,または水素、pは0,1または2、Yは炭素原子数
が1〜4のアルコキシル基,アシロキシ基,またはハロ
ゲン原子)
【0023】請求項8の発明として請求項1に記載の撥
水撥油防汚処理液において、前記フルオロアルキル基含
有シラン化合物は、前記処理液の0.01〜5質量%の
割合で含まれている撥水撥油防汚処理液である。
【0024】請求項9の発明として、請求項1に記載の
撥水撥油防汚処理液において、前記酸は、前記処理液の
酸濃度が0.0001〜1Nとなるように含まれている
撥水撥油防汚処理液である。
【0025】請求項10の発明として、請求項3に記載
の撥水撥油防汚処理液において、前記アルコールは、前
記処理液の1〜99質量%の割合で含まれている撥水撥
油防汚処理液である。
【0026】請求項11の発明として、請求項4に記載
の撥水撥油防汚処理液において、前記アルカンは、前記
処理液の1〜99質量%の割合で含まれている撥水撥油
防汚処理液である。
【0027】請求項12の発明として、請求項5に記載
の撥水撥油防汚処理液において、前記水は、前記処理液
の0.1〜5質量%の割合で含まれている撥水撥油防汚
処理液である。
【0028】請求項13の発明として、請求項1に記載
の撥水撥油防汚処理液において、前記A液には、さらに
ポリシロキサン化合物またはSiRn(4-n)で表される
加水分解可能なシラン化合物が含まれている撥水撥油防
汚処理液である。(ただし、R;炭素数が1〜5までの
アルキル基,n=0〜3,X;アルコキシル基、ハロゲ
ン、アセトキシル基、またはイソシアネート基)
【0029】また処理方法の発明としては、請求項14
に記載のように、(1)フルオロアルキル基含有シラン
化合物を含むA液を準備する工程、(2)酸および溶媒
とからなるB液を準備する工程、(3)前記A液と、前
記B液を混合して、撥水撥油防汚処理液を調製する工
程、(4)前記撥水撥油防汚処理液を物品表面に塗布す
る工程、を含むことを特徴とする撥水撥油防汚処理方法
である。
【0030】さらに、請求項2から13に記載の処理液
を用いる撥水撥油防汚処理方法である。
【0031】さらに、請求項14に記載の撥水撥油防汚
処理方法において、前記物品は、ガラス,セラミック
ス,プラスチックまたは金属のいずれかである撥水撥油
防汚処理方法である。
【0032】またさらに、請求項14に記載の撥水撥油
防汚処理方法において、前記塗布方法は、手塗り法,デ
ィップコーティング法,フローコーティング法,カーテ
ンコーティング法,スピンコーティング法,スプレーコ
ーティング法,バーコーティング法,ロールコーティン
グ法,または刷毛塗り法である撥水撥油防汚処理方法で
ある。
【0033】さらにまた、撥水撥油防汚処理物品の発明
として、請求項14から27に記載の撥水撥油防汚処理
方法によって、処理されたことを特徴とする撥水撥油防
汚処理物品である。
【0034】また本発明は、請求項29に記載のよう
に、フルオロアルキル基含有シラン化合物を含むA液
と、酸および溶媒を含むB液からなる2液混合型撥水撥
油防汚処理液として把握することもできる。
【0035】さらに、前記2液混合型撥水撥油防汚処理
液において、前記A液は実質的に酸および/または溶媒
を含まず、前記B液は実質的にフルオロアルキル基含有
シラン化合物を含まない2液混合型撥水撥油防汚処理液
として把握することもできる。
【0036】本発明において、A液は実質的に、フルオ
ロアルキル基含有シラン化合物のみよりなることが好ま
しい。
【0037】さらに本発明において、A液は実質的に、
フルオロアルキル基含有シラン化合物および、ポリシロ
キサン化合物またはSiRn(4-n)で表される加水分解
可能なシラン化合物のみよりなっていてもよい。
【0038】本発明に用いられるフルオロアルキル基含
有のシラン化合物としては、フルオロアルキル基を含有
し、かつアルコキシル基,アシロキシ基,または塩素基
を含有するシラン化合物を好ましく使用することがで
き、例えば下記化学式(1)で示される化合物を挙げる
ことができる。これらの中から、単独でまたは複数の物
質を組み合わせて使用することができる。
【0039】
【化1】 CF3−(CF2n−R−SiXp3-p ・・(1) (ここで、nは0〜12の整数、好ましくは3〜12の
整数、Rは炭素原子数1〜10の二価の有機基(例えば
メチレン基,エチレン基),または珪素原子および酸素
原子を含む基、Xは、Hまたは炭素原子数1〜4の一価
炭化水素基(例えばアルキル基,シクロアルキル基,ア
リル基)もしくはこれらの誘導体から選ばれる置換基,
または水素、pは0,1または2、Yは炭素原子数が1
〜4のアルコキシル基,アシロキシ基,またはハロゲン
原子)
【0040】上記化学式(1)の化合物の具体例として
は、次のものを挙げることができる。
【化2】C613CH2CH2Si(OCH33
【化3】C715CH2CH2Si(OCH33
【化4】C817CH2CH2Si(OCH33
【化5】C919CH2CH2Si(OCH33
【化6】C1021CH2CH2Si(OCH33
【化7】C613CH2CH2SiCl3
【化8】C715CH2CH2SiCl3
【化9】C817CH2CH2SiCl3
【化10】C919CH2CH2SiCl3
【化11】C1021CH2CH2SiCl3
【化12】
【化13】C817CH2CH2Si(OC253
【化14】C817CH2CH2Si(OCOCH33
【化15】
【0041】これらの中では、C817CH2CH2Si
(OCH33 (ヘプタデカフルオロデシルトリメトキ
シシラン )および C817CH2CH2Si(CH3
(OCH 32が、特に好ましく用いられる。
【0042】フルオロアルキル基含有シラン化合物は、
処理液の0.01〜5質量%の割合で含まれていること
が好ましい。さらに、1質量%以下の割合で含まれてい
ることが好ましい。この割合でも、良好な撥水撥油防汚
効果を得ることができる。したがって、余剰のフルオロ
アルキルシランの加水分解物が、処理面上に残留するこ
とが少ない。このため、これを拭き取る作業が不要ある
いは軽減される。また、フルオロアルキル基含有シラン
化合物は高価な原料であるので、これが少ない方がコス
トの面でも有利である。
【0043】なお、フルオロアルキル基含有シラン化合
物の処理液に対する割合が小さく、塗布方法が不適切で
あると、撥水撥油防汚性能が不十分になることがある。
したがって、0.1質量%以上の割合で含まれているこ
とが好ましい。
【0044】なおフルオロアルキル基含有のシラン化合
物は、粘性の高いものや固体のものがあり、B液と混合
が容易でない場合がでてくる。したがって本発明では、
粘性の低いフルオロアルキル基含有のシラン化合物を用
いることが好ましい。
【0045】なお本発明による撥水撥油防汚処理物品
は、基本的にフルオロアルキル基含有のシラン化合物の
フルオロアルキル基によって、撥水撥油防汚処理機能を
発現している。つまり撥水性を有していれば、それと同
時に撥油性や防汚性を有していることになる。
【0046】本発明に用いられる酸は、加水分解反応の
触媒として作用する。その種類としては、特に限定され
ない。塩酸,メタンスルホン酸,p−トルエンスルホン
酸などを用いると、高耐候性を示す撥水防汚性皮膜を得
ることができるので、好適である。
【0047】本発明において、酸の濃度は規定度で表し
て、処理液の0.0001〜1Nで含まれていることが
好ましい。酸濃度が薄く塗布方法が不適切であると、撥
水撥油防汚性能が不十分になることがある。したがっ
て、0.005N以上が好ましい。また酸濃度は濃い方
が、一般的に良好な撥水撥油防汚処理が可能となる。一
方、揮発性である塩酸を用いる場合は、あまり酸濃度が
濃いと、その取り扱いを慎重にする必要がある。したが
って、0.2N以下の酸濃度が好ましい。
【0048】またA液とB液とを加水分解させるため
に、さらにB液には水が0〜5質量%の範囲で添加され
ていてもよい。なお水の割合が多い場合、処理液の組成
によっては、拭き取り性が悪くなることがある。このた
め、2質量%以下が好ましい。
【0049】またB液に含まれる溶媒としては、酸ある
いは水を溶解しやすい溶媒であれば、特に限定されな
い。例えば、炭素数が1〜10までのアルコール系溶
媒、特にエタノール,1-プロパノール,2-プロパノー
ル,n-ブタノール,i-ブタノール,s-ブタノール,t-ブ
タノールなどが、常温における蒸発速度が大きいので好
適に用いられる。またアセトンは、水にどのような割合
でも混合できるので、溶媒として用いることができる。
【0050】また上記アルコール溶媒に代えて、非極性
溶媒を用いてもよい。例えば、炭素数4〜14の炭化水
素を含むアルカンなどの非極性溶媒を用いると、加水分
解されたフルオロアルキルシラン化合物が、物品表面と
反応しやすくなる傾向にあり、好ましい。さらに、上記
アルコール溶媒と非極性溶媒の両方が用いられてもよ
い。
【0051】上述したA液とB液を保存し、流通させる
容器について述べる。まずB液は、酸および溶媒(具体
的にはアルコール、アルカン、さらには水)を含むこと
になる。したがって、容器としては、これらの成分が注
入された状態で、長期間に亘り変質しない材質のものが
好適である。具体的には、高密度ポリエチレン、ポリテ
トラフルオロエチレン(テフロン(商品名))樹脂や、
ガラスなどの材質よりなる容器が挙げられる。これらの
うち、コスト、安全性、加工の容易さから、高密度ポリ
エチレンが最も好適に用いられる。
【0052】また容器の形態としては、密閉性のよいも
のが好ましく、取り扱いの簡便なネジ止め口を有する容
器や、ポリエチレン容器でその口を融着封入できる構造
が好ましい。融着封入できる構造は、液漏れを防ぐこと
ができ、また外気中の水分の影響を防ぐことができるの
で、特に好ましい。
【0053】なおA液はB液に比べて少量でよいので、
1回分の分量をピペット形状の容器に封入する形態が好
ましい。またB液についても、1回分の分量を注入しう
るポリエチレンの容器に、封入する形態が好ましい。こ
のとき、処理液の調整は、B液の容器に直接A液を混合
してもよいし、また混合用の別容器に、A液とB液を入
れて混合してもよい。また混合された処理液の容器に
は、塗布作業を簡便に行えるように、ノズルを取り付け
られるようになっているとよい。
【0054】塗布方法としては、綿布,紙,スポンジな
どにコーティング液をつけ、手でガラスに塗り込む方法
などが簡易であり、好ましく用いられる。また、ディッ
プコーティング法,フローコーティング法,カーテンコ
ーティング法,スピンコーティング法,スプレーコーテ
ィング法,バーコーティング法,ロールコーティング
法,あるいは刷毛塗りコーティング法などの方法でもよ
い。
【0055】本発明によるコーティング液は基本的に、
フルオロアルキル基含有シラン化合物(A液)と、溶媒
に酸触媒を添加し10秒〜60分間撹拌した(B液)と
を、混合しこれを10秒〜60分間撹拌することにより
調製される。
【0056】この調製されたコーティング液の寿命は比
較的に長い。しかし、比較的酸触媒量が少ない場合や水
分量が多い場合は、塗布前のコーティング液中で加水分
解、縮重合反応が進み過ぎるおそれがあるので、調製後
1日以内に塗布した方が好ましい。このコーティング液
を物品表面に塗布した後、室温で10秒〜10分間乾燥
して溶媒を蒸散させることにより、撥水撥油防汚処理物
品が得られる。
【0057】本発明による処理方法では、前記コーティ
ング液を物品表面に塗布し、その塗布したウエットな膜
および基材を、そのまま静置した状態で、室温で乾燥す
ることができる。なお、コーティング液をさらに物品表
面との結合を高めるために、200℃以下程度の加熱処
理を行ってもよい。
【0058】本発明による処理方法は、ガラス,セラミ
ックス,プラスチックあるいは金属等の、透明または不
透明の板状体,棒状体その他の種々の形状の物品に適用
することができる。これらの中で、透明性が特に要求さ
れるような、自動車の窓ガラス,サイドミラー,および
ショーウィンドウのような建築用ガラス板などの物品に
好ましく適用される。
【0059】なお物品の表面に親水性基が少ない場合に
は、親水性化処理を施すことが好ましい。すなわち親水
性化処理は、物品の表面を予め酸素を含むプラズマまた
はコロナ雰囲気で処理したり、あるいは物品表面を酸素
を含む雰囲気中で200〜300nm付近の波長の紫外
線を照射したりして行われる。このような親水性化処理
を行った後に、撥水撥油防汚処理することが好ましい。
【0060】また本発明による撥水撥油防汚処理物品に
おいては、さらなる耐久性改善のため、物品表面に下地
層として金属酸化物層を形成しておいてから、撥水撥油
防汚処理されてもよい。
【0061】なお下地層の形成方法としては、例えば、
ゾルゲル法を用いてシリカを主成分とする金属酸化物層
を形成する方法が挙げられる。さらに、スパッタ法やC
VD法によりシリカ層を形成したり、シリカ−アルミ
ナ,シリカ−チタニア,シリカ−ジルコニア等の金属酸
化物層を形成したりしてもよい。さらにまた、液相成膜
法(LPD法)と呼ばれる、飽和珪フッ化水素酸の溶液
にアンモニアなどを添加してシリカ層を析出させる方法
も挙げることができる。また、下地層の表面形状につい
ては、平滑,凹凸形状,多孔質など、どのような形状で
も構わない。
【0062】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。各実施例および比較例においては、以下のような
薬品および材料を使用した。
【0063】*フルオロアルキル基含有のシラン化合物 ・ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン:CF
3(CF27(CH22Si(OCH33、信越化学工業
製、以下「FAS」と略す。
【0064】*添加剤 ・ポリジメチルシロキサン:「KF96」信越化学工業
製、以下「DMS」と略す。 ・テトラエトキシシラン:Si(OC254、以下
「TEOS」と略す。
【0065】*溶媒 ・アセトン:片山化学工業製 ・i-プロピルアルコール:片山化学工業製、以下「IP
A」と略す。 ・t-ブチルアルコール:片山化学工業製、以下「tBu
OH」と略す。 ・イソアルカン混合体: 「アイソゾール200(商品名)」、(炭化水素の炭素
数が4〜10であり、炭素数8の炭化水素を主成分とし
ている(カタログより)) 「アイソゾール300(商品名)」、(炭化水素の炭素
数が6〜14であり、炭素数12の炭化水素を主成分と
している(カタログより)) いずれも日本石油化学製である。以下、それぞれI20
0、I300と略す。 ・エタノール+n-プロパノール+IPA:ソルミックス
AP−7(商品名)、日本化成製、以下「AP7」と
略す。
【0066】*酸触媒 ・塩酸:濃塩酸(35重量%)、関東化学製 1N、0.1N塩酸、関東化学製 ・シュウ酸:関東化学製 ・p-トルエンスルホン酸:東京化成製、以下「PTS」
と略す。 ・メタンスルホン酸:東京化成製、以下「MS」と略
す。 ・硝酸:1N硝酸、関東化学製 ・オレイン酸:東京化成製
【0067】なお、本明細書における酸濃度は、添加し
た酸の乖離度を100%とした場合の水素イオンのモル
数を、前記処理液に含まれる全ての化合物の混合前の体
積の総和で除した値である。
【0068】*基板 ・ガラス基板:フロート法によるソーダ石灰珪酸塩ガラ
ス組成のガラス板(サイズ:150×150×3mm)
【0069】*撥水撥油防汚性能の評価方法 [水の接触角]撥水撥油防汚処理物品の性能を評価する
ために、代表的特性として水の接触角を測定した。接触
角計(CA−DT、協和界面科学(株)製)を用い、2
mgの質量の水滴を処理物品の表面に滴下し、そのとき
の静的接触角として測定した。この接触角の値が大きい
ほど、静的な撥水性が優れていることを表している。
【0070】[耐侯性]処理物品に紫外線を照射して、
耐候性を調べた。処理物品に、耐紫外線試験機(「アイ
スーパーUVテスター W−13」、岩崎電気製)を用
い、紫外線強度76±2mW/cm2 とし、ブラックパ
ネル温度48±2℃、照射20時間、暗黒4時間のサイ
クルで、 1時間毎に30秒間イオン交換水シャワーリン
グし、合計200時間紫外線を照射した。そして照射後
に、上述した方法によって、処理物品の水の接触角を測
定した。
【0071】[実施例1-1]この実施例1-1は、FASの
みからなるA液と、塩酸(触媒)とアルコールのみから
なるB液の場合である。以下の手順により実施される。 (1)フルオロアルキルシラン基含有化合物として、F
AS 5gを用意し、A液とする。 (2)酸触媒としての濃塩酸5gをi-プロパノール90
gに溶解し混合し、B液とする。 (3)上記A液とB液を混合し、約5分後に放置し、コ
ーティング液を得た。 (4)洗浄したガラス基板上に、綿布に上記コーティン
グ液を1mlをつけ、塗り込んだ。 (5)過剰に付着したコーティング液を、新しい綿布で
拭き取り、処理ガラスを得た。
【0072】得られた撥水性ガラスの水の初期接触角は
109度、耐侯性試験後の水の接触角は95度であっ
た。なお、A液、B液のそれぞれの混合比は、質量%に
て表1に示した。また、初期接触角および耐侯性試験後
の接触角を表1に合わせて示した。ただし表の中の(%)
は、(mass %)を表す(以下の全ての表で同じ)。
【0073】この処理ガラスを摺動往復摩耗試験機(新
東科学(株)製)に取り付けて、乾布にて荷重0.3k
g/cm2 の条件で、その表面を5000回往復摺動し
て、その耐摩耗性を調べた。その後上述した方法によっ
て、処理ガラスの水の接触角を測定した。摩耗試験後の
接触角は101度であった
【0074】なおこの上記A液およびB液を、室温で1
ヶ月間放置した。しかしA液およびB液とも、それぞれ
外観上の変化はなかった。さらに、このA液およびB液
を混合したが、白濁は起きなかった。さらにこれを用い
て同様の撥水処理を行ったが、撥水性能は変わらなかっ
た。
【0075】また以下のいずれの実施例においても、A
液およびB液を室温にて放置したが、ともにそれぞれ外
観上の変化はなかった。さらに、このA液およびB液を
混合したが、白濁は起きなかった。
【0076】この実施例1-1より明らかなように、本発
明による処理液を構成するB液は、酸触媒とアルコール
溶媒とからなっていればよいことが分かる。
【0077】
【表1】 ---------------------------------------------------------------------- A液 | B液 | 初期 耐候後 例 FAS | 酸触媒 水 IPA アセトン AP7 tBuOH I300 I200 | CA CA (%) | (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) | (°) (°) ---------------------------------------------------------------------- 1-1 5.0 | c-HCl 5.0 − 90.0 − − − − − | 109.0 95.0 ---------------------------------------------------------------------- 2-1 5.0 | c-HCl 1.0 − − − 54.0 − 40.0 − | 109.4 96.2 2-2 1.0 | c-HCl 1.0 − − − 58.0 − 40.0 − | 109.4 95.8 2-3 0.5 | c-HCl 1.0 − − − 58.5 − 40.0 − | 109.2 94.2 2-4 0.1 | c-HCl 1.0 − − − 58.9 − 40.0 − | 107.6 93.8 2-5 0.05| c-HCl 1.0 − − − 58.95 − 40.0 − | 107.8 94.0 2-6 0.02| c-HCl 1.0 − − − 58.98 − 40.0 − | 107.2 93.7 2-7 0.01| c-HCl 1.0 − − − 58.99 − 40.0 − | 107.3 93.0 ---------------------------------------------------------------------- 3-1 1.0 | c-HCl 5.0 − − − 54.0 − 40.0 − | 109.2 96.6 | 0.38N | 3-2 1.0 | c-HCl 1.0 − − − 58.0 − 40.0 − | 109.4 95.8 | 0.075N | 3-3 1.0 |1N-HCl 1.0 − − − 58.0 − 40.0 − | 108.9 93.0 | 0.0077N | 3-4 1.0 |.1N-HCl 1.0 − − − 58.0 − 40.0 − | 107.5 93.7 | 0.00077N | ---------------------------------------------------------------------- 4-1 1.0 |シュウ酸 0.1 − − − 58.9 − 40.0 − | 107.2 80.0 4-2 1.0 |PTS 0.18 − − − 58.82 − 40.0 − | 108.2 93.6 4-3 1.0 | MS 0.09 − − − 58.91 − 40.0 − | 109.2 93.3 4-4 1.0 |1N-HNO3 1.0 − − − 58.0 − 40.0 − | 108.1 83.3 ----------------------------------------------------------------------
【0078】[実施例2-1〜2-7]実施例2-1〜2-7は、実
施例1-1において、B液に含まれる溶媒の種類をi-プロ
パノールから「AP−7」と「アイソゾール 300」
に変更し、さらに「FAS」の量を変化させた例であ
る。それぞれの混合比は、質量%にて表1に示した。ま
た、初期接触角および耐侯性試験後の接触角を表1に合
わせて示した。いずれの場合も、初期接触角および耐侯
性試験後の接触角は良好であった。
【0079】この実施例から明らかなように、「FA
S」の含まれる割合が、処理液の1質量%以下でも、良
好な撥水撥油防汚効果を得ることができる。これらの場
合、余剰の「FAS」の加水分解物の残留が、処理面上
にほとんど認められないか、ごく少量であった。このた
め、これを拭き取る作業が、不要あるいは軽減すること
ができた。
【0080】[実施例3-1〜3-4]実施例3-1〜3-4は、実
施例2-2を基本として、塩酸濃度を変化させた例であ
る。具体的には、酸濃度を0.00077Nから0.3
8Nに変化させている。いずれの場合も、初期接触角お
よび耐侯性試験後の接触角は良好であった。なおこの実
施例において、コーティング液としての酸の規定数
[N]を、上述した方法にて算出し、併せて表1に示し
た。
【0081】この実施例から明らかなように、広範囲な
酸濃度において、良好な撥水撥油防汚処理が可能なこと
が分かる。
【0082】[実施例4-1〜4-4]実施例4-1〜4-4は、実
施例2-2を基本として、酸触媒の種類を変更させた例で
ある。いずれの場合も、初期接触角は良好であった。な
お耐侯性試験後の接触角は、シュウ酸と1N硝酸の場合
でやや小さい数値であった。
【0083】この実施例から明らかなように、種々の酸
触媒においても、良好な撥水撥油防汚処理が可能なこと
が分かる。
【0084】種々の酸触媒のうち、塩酸,メタンスルホ
ン酸,パラトルエンスルホン酸が、特に好ましく用いら
れる。
【0085】[実施例5-1〜5-4]実施例5-1〜5-4は、実
施例4-3を基本とし、すなわち酸触媒としてMSを用
い、さらに水の濃度を変化させた例である。いずれの場
合も、初期接触角および耐侯性試験後の接触角は良好で
あった(表2参照)。
【0086】この実施例から明らかなように、B液には
溶媒としてさらに水が含まれていても、良好な撥水撥油
防汚処理が可能なことが分かる。
【0087】
【表2】 ---------------------------------------------------------------------- A液 | B液 | 初期 UV後 例 FAS | 酸触媒 水 IPA アセトン AP7 tBuOH I300 I200 | CA CA (%) | (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) | (°) (°) ---------------------------------------------------------------------- 5-1 1.0 | MS 0.12 − − − 58.88 − 40.0 − |108.3 95.3 5-2 1.0 | MS 0.12 1.0 − − 57.88 − 40.0 − |108.6 95.1 5-3 1.0 | MS 0.12 2.0 − − 56.88 − 40.0 − |107.9 94.8 5-4 1.0 | MS 0.12 4.0 − − 54.88 − 40.0 − |108.5 95.0 ---------------------------------------------------------------------- 6-1 1.0 |PTS 0.25 − 58.75 − − − 40.0 − |108.3 95.5 6-2 1.0 |PTS 0.25 − − 58.75 − − 40.0 − |107.8 96.3 6-3 1.0 |PTS 0.25 − − − 58.75 − 40.0 − |108.6 95.9 6-4 1.0 |PTS 0.25 − − − − 58.75 40.0 − |108.7 96.0 ---------------------------------------------------------------------- 7-1 5.0 |c-HCl 5.0 − − − 50.0 − 40.0 − |107.8 97.0 7-2 5.0 |c-HCl 5.0 − − − 50.0 − − 40.0|108.4 96.4 ---------------------------------------------------------------------- 8-1 1.0 | MS 0.12 − − − 93.88 − 5.0 − |107.5 96.6 8-2 1.0 | MS 0.12 − − − 88.88 − 10.0 − |109.4 96.8 8-3 1.0 | MS 0.12 − − − 78.88 − 20.0 − |109.2 95.5 8-4 1.0 | MS 0.12 − − − 58.88 − 40.0 − |108.3 95.3 8-5 1.0 | MS 0.12 − − − 18.88 − 80.0 − |107.6 96.0 8-6 1.0 | MS 0.12 − − − 8.88 − 90.0 − |109.4 95.9 8-7 1.0 | MS 0.12 − − − 3.88 − 95.0 − |107.9 96.0 ----------------------------------------------------------------------
【0088】[実施例6-1〜6-4]実施例6-1〜6-4は、実
施例4-2を基本とし、すなわち酸触媒としてPTSを用
い、さらにB液に含まれる溶媒を「アイソゾール 30
0」と、アセトンおよび種々のアルコールの組み合わせ
とした例である。いずれの場合も、初期接触角および耐
侯性試験後の接触角は良好であった(表2参照)。
【0089】この実施例から明らかなように、B液にお
いて溶媒として、アルカンとアセトンおよび種々の炭素
数を持つアルコールの組み合わせでも、良好な撥水撥油
防汚処理が可能なことが分かる。
【0090】[実施例7-1〜7-2]実施例7-1〜7-2は、B
液に含まれる溶媒において、「アイソゾール 300」
と「200」のアルカンの種類を比較した例である。な
おB液には「AP7」も含まれている。いずれの場合
も、初期接触角および耐侯性試験後の接触角は良好であ
った(表2参照)。
【0091】この実施例から明らかなように、B液にお
いて溶媒として、アルカンの種類が変わっても、良好な
撥水撥油防汚処理が可能なことが分かる。
【0092】[実施例8-1〜8-7]実施例8-1〜8-7は、実
施例5-1を基本として、B液に含まれる溶媒において、
アルカンである「アイソゾール 300」と、アルコー
ルである「AP7」の混合の割合を変化させた例であ
る。いずれの場合も、初期接触角および耐侯性試験後の
接触角は良好であった(表2参照)。
【0093】この実施例から明らかなように、B液にお
いて溶媒として、アルカンとアルコールの混合の割合が
変わっても、良好な撥水撥油防汚処理が可能なことが分
かる。
【0094】[実施例9-1〜9-2]以上の実施例では、い
ずれもA液は「FAS」のみであった。この実施例にお
いては、A液にさらにポリジメチルシロキサンやテトラ
エトキシシランを添加した。なお酸触媒はMSとした。
いずれの場合も、初期接触角および耐侯性試験後の接触
角は良好であった(表3参照)。
【0095】この実施例9-1は、前記A液に、さらにポ
リシロキサン化合物の一例としてポリジメチルシロキサ
ンを添加したものである。このとき、処理基板の表面に
直径5mmの水滴を乗せ、基板を傾けていき、水滴が転
がり始める角度を転落角として評価した。この実施例で
は、8.5度と良好であった。比較のために上述した実
施例5-1の転落角は、12.3度であった。この結果よ
り、処理液にポリジメチルシロキサンを添加すると、水
滴の転落がさらに容易になることがわかった。
【0096】また実施例9-2は、前記A液に、SiRn
(4-n)で表される加水分解可能なシラン化合物の一例と
してテトラエトキシシランを添加したものである。テト
ラエトキシシランを添加すると、SiO2膜を同時形成
することができる。この基板を上述した耐摩耗試験にか
けたところ、摩耗試験後の接触角は、103.1度と良
好であった。比較のために上述した実施例5-1の摩耗試
験後の接触角は、92.3度であった。この結果より、
このため得られた撥水撥油防汚処理膜は、耐久性(耐摩
耗性)に優れていることがわかった。
【0097】
【表3】 ---------------------------------------------------------------------- A液 | B液 | 初期 UV後 転落 摩耗後 例 FAS 添加剤 | 酸触媒 AP7 I300| CA CA 角度 CA (%) (%) | (%) (%) (%)| (°) (°) (°) (°) ---------------------------------------------------------------------- 9-1 0.5 DMS 0.2 |MS 0.12 58.88 40.0| 108.3 95.3 8.5 − 9-2 0.5 TEOS 0.2 |MS 0.12 58.88 40.0| 108.3 95.3 − 103.1 ----------------------------------------------------------------------
【0098】[実施例10-1〜10-4]上記実施例4-1〜4-4
では、B液に含まれる「AP7」と「アイソゾール 3
00」の組み合わせ溶媒において、酸触媒の種類を変化
させた。この実施例10-1〜10-4は、B液に含まれる「A
P7」と「アイソゾール 300」の組み合わせた溶媒
において、酸触媒の種類を変更させた例である。いずれ
の場合も、初期接触角は良好であった。なお耐侯性試験
後の接触角は、1N塩酸と1N硝酸の場合でやや小さい
数値であった(表4参照)。
【0099】この実施例から明らかなように、「AP
7」と「アイソゾール 300」の組み合わせた溶媒に
おいても、種々の酸でも、良好な撥水撥油防汚処理が可
能なことが分かる。
【0100】
【表4】 ---------------------------------------------------------------------- A液 | B液 | 初期 UV後 例 FAS | 酸触媒 水 IPA アセトン AP7 tBuOH I300 I200 | CA CA (%)| (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) | (°) (°) ---------------------------------------------------------------------- 10-1 1.0| c-HCl 1.0 − − − − 50.0 48.0 − |109.2 89.5 10-2 1.0| 1N-HCl 1.0 − − − − 50.0 48.0 − |107.6 85.5 10-3 1.0|1N-HNO3 1.0 − − − − 50.0 48.0 − |108.1 83.3 10-4 1.0| PTS 0.18 − − − − 49.8 48.0 − |108.2 91.6 10-5 1.0| MS 0.09 − − − − 49.91 48.0 − |109.0 91.0 ---------------------------------------------------------------------- 11-1 1.0| オレイン酸 0.1 1.0 − − − 49.9 48.0 − |107.2 80.0 11-2 1.0| PTS 0.18 1.0 − − − 48.8 48.0 − |108.1 91.5 11-3 1.0| MS 0.09 1.0 − − − 48.81 48.0 − |109.2 91.3 ---------------------------------------------------------------------- 12-1 1.0| 1N-HCl 1.0 − 48.0 − − − 50.0 − |107.9 92.3 12-2 1.0| 1N-HCl 1.0 − − 48.0 − − 50.0 − |106.8 89.8 12-3 1.0| 1N-HCl 1.0 − − − − 48.0 50.0 − |106.3 92.9 ---------------------------------------------------------------------- 13-1 1.0| 1N-HCl 1.0 − 48.0 − − − − 50.0|110.9 92.2 13-2 1.0| 1N-HCl 1.0 − − 48.0 − − − 50.0|105.1 91.5 13-3 1.0| 1N-HCl 1.0 − − − − 48.0 − 50.0|105.9 91.5 ----------------------------------------------------------------------
【0101】[実施例11-1〜11-4]上記実施例5-1〜5-4
では、酸触媒としてMSを用い、さらに水の濃度を変化
させた。この実施例11-1〜11-4では、B液に含まれる
「AP7」と「tBuOH」の組み合わせた溶媒におい
ては、基本的に水分を含まない酸に水分を添加した例で
ある。いずれの場合も、初期接触角は良好であった。な
お耐侯性試験後の接触角は、オレイン酸の場合でやや小
さい数値であった(表4参照)。
【0102】この実施例から明らかなように、B液にお
いて、基本的に水分を含まない酸に水分を添加しても、
良好な撥水撥油防汚処理が可能なことが分かる。
【0103】[実施例12-1〜12-3]上記実施例6-1〜6-4
では、酸触媒を「PTS」とし、B液に含まれる溶媒を
「アイソゾール 300」と、アセトンおよび種々のア
ルコールの組み合わせとした。この実施例12-1〜12-3で
は、酸触媒を1N塩酸とし、B液に含まれる溶媒を「ア
イソゾール 300」と、アセトンおよび種々のアルコ
ールの組み合わせとした例である。いずれの場合も、初
期接触角および耐侯性試験後の接触角は良好であった
(表4参照)。
【0104】この実施例から明らかなように、B液にお
ける溶媒として、「アイソゾール300」と、アセトン
および種々のアルコールを組み合わせても、良好な撥水
撥油防汚処理が可能なことが分かる。
【0105】[実施例13-1〜13-3]この実施例13-1〜13
-3は、上記実施例12-1〜12-3において、B液に含まれる
「アイソゾール 300」を「アイソゾール 200」
とした例である。いずれの場合も、初期接触角および耐
侯性試験後の接触角は良好であった(表4参照)。
【0106】この実施例から明らかなように、B液にお
ける溶媒として、「アイソゾール200」と、アセトン
および種々のアルコールを組み合わせても、良好な撥水
撥油防汚処理が可能なことが分かる。
【0107】[実施例14-1〜14-2]この実施例14-1〜14
-2は、上記実施例4-2と4-3において、B液に含まれる溶
媒で「AP7」をIPAとし、「アイソゾール 30
0」との割合を変更した例である。いずれの場合も、初
期接触角および耐侯性試験後の接触角は良好であった
(表5参照)。
【0108】
【表5】 ---------------------------------------------------------------------- A液 | B液 | 初期 UV後 例 FAS | 酸触媒 水 IPA アセトン AP7 tBuOH I300 I200| CA CA (%) | (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) | (°) (°) ---------------------------------------------------------------------- 14-1 1.0 |PTS 0.18 − 48.82 − − − 50.0 − |107.1 94.5 14-2 1.0 | MS 0.09 − 48.91 − − − 50.0 − |108.5 95.6 ---------------------------------------------------------------------- 15-1 5.0 | c-HCl 5.0 − − − 40.0 − 50.0 − |108.8 95.6 15-2 5.0 | c-HCl 1.0 − − − 43.0 − 50.0 − |109.0 95.4 15-3 5.0 | c-HCl 0.1 − − − 43.9 − 50.0 − |109.4 -- 15-4 5.0 |1N-HCl 1.0 − − − 44.0 − 50.0 − |109.7 95.1 ---------------------------------------------------------------------- 16-1 5.0 |1N-HCl 1.0 − − − 44.0 − 50.0 − |109.7 95.1 16-2 2.0 |1N-HCl 1.0 − − − 47.0 − 50.0 − |108.7 92.8 16-3 1.0 |1N-HCl 1.0 − − − 48.0 − 50.0 − |108.0 92.8 ----------------------------------------------------------------------
【0109】[実施例15-1〜15-4]上記実施例3-1〜3-4
では、「FAS」の濃度が1.0質量%の場合におい
て、塩酸濃度を変化させたが、この実施例15-1〜15-4で
は、「FAS」の濃度を5.0質量%としたの場合にお
いて、塩酸濃度を変化させた例である。いずれの場合
も、初期接触角および耐侯性試験後の接触角は良好であ
った(表5参照)。
【0110】この実施例から明らかなように、広範囲な
酸濃度において、良好な撥水撥油防汚処理が可能なこと
が分かる。
【0111】[実施例16-1〜16-3]上記実施例2-1〜2-7
では、濃塩酸の濃度が1.0質量%の場合において、
「FAS」を変化させたが、この実施例16-1〜16-3で
は、酸触媒を1N塩酸で濃度を1.0質量%としたの場
合において、「FAS」濃度を変化させた例である。い
ずれの場合も、初期接触角および耐侯性試験後の接触角
は良好であった(表5参照)。
【0112】この実施例から明らかなように、広範囲な
「FAS」濃度において、良好な撥水撥油防汚処理が可
能なことが分かる。
【0113】[実施例17-1]実施例1-1において、B液
に含まれる溶媒の種類を「i-プロパノール」、から「ア
イソゾール 300」に変更し、さらに酸を「濃塩酸」
から「メタンスルホン酸」に変更した。それぞれの混合
比は、質量%にて表6に示した。また、初期接触角およ
び耐侯性試験後の接触角を表6に合わせて示した。いず
れの場合も、初期接触角および耐侯性試験後の接触角は
良好であった。
【0114】この実施例17-1より明らかなように、本発
明による処理液を構成するB液は、酸触媒とアルカン溶
媒とからなっていればよいことが分かる。
【0115】
【表6】 ---------------------------------------------------------------------- A液 | B液 | 初期 耐候後 例 FAS | 酸触媒 水 IPA アセトン AP7 tBuOH I300 I200 | CA CA (%) | (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) | (°) (°) ---------------------------------------------------------------------- 17-1 5.0 | MS 0.12 − − − − − 94.88 − | 108.4 95.2 ----------------------------------------------------------------------
【0116】以上述べてきた実施例より明らかなよう
に、B液に含まれる溶媒として、水と相容性を有するア
ルコールを少なくとも1種、含むことが好ましい。ま
た、アルカンはアルコールに可溶なので、溶媒にアルカ
ンを含ませる場合は、アルコールと共に用いられること
が好ましい。
【0117】以上の実施例では、基板にガラス基板を用
いた例であったが、同様の処理液を用いて、セラミック
ス,プラスチックまたは金属からなる物品を処理して
も、同様の撥水撥油防汚効果が得られた。
【0118】[比較例1] (1)フルオロアルキルシラン基含有化合物として、F
AS 5gをi-プロパノール45gに溶解し、a液とす
る。 (2)濃塩酸5gをi-プロパノール45gに溶解し混合
し、b液とする。 (3)上記a液とb液を混合し、約5分後に放置し、コ
ーティング液を得た。 (4)洗浄したガラス基板上に、綿布に上記コーティン
グ液を1mlをつけ、塗り込んだ。 (5)過剰に付着したコーティング液を新しい綿布で拭
き取り、処理ガラスを得た。 得られた撥水性ガラスの水の接触角は109度、耐侯性
試験後の水の接触角は94度であった。
【0119】なおこの上記a液およびb液を、室温で1
ヶ月間放置した。この場合、a液は白濁していた。この
a液およびb液を混合し、同様に処理を行った。撥水性
能について、初期の接触角は109度であり、実施例1
と比べ変わらなかった。しかし、耐侯性試験後の接触角
は75度と低い値を示した。
【0120】
【発明の効果】以上詳細に説明してきたように、本発明
では、フルオロアルキル基含有のシラン化合物の保存に
際して、まず酸および溶媒を含まない状態で保存するこ
とを特徴としている。このようにして保存すると、上述
したように撥水撥油防汚処理液が白濁することがなくな
るという効果を奏する。
【0121】また本発明の撥水撥油防汚処理液では、フ
ルオロアルキル基含有シラン化合物の処理液中の割合が
1質量%以下でも、良好な撥水撥油防汚効果を得ること
ができる。したがって、余剰のフルオロアルキルシラン
の加水分解物が、処理面上に残留することが少ないとい
う効果を奏する。このため、これを拭き取る作業が不要
あるいは軽減されるという波及効果もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/04 C08L 83/04 C09K 3/00 112 C09K 3/00 112F (72)発明者 神谷 和孝 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 河津 光宏 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 浅井 光雄 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオロアルキル基含有シラン化合物を
    含むA液と、酸および溶媒を含むB液とを混合させて使
    用されることを特徴とする撥水撥油防汚処理液。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撥水撥油防汚処理液に
    おいて、 前記酸には、塩酸,メタンスルホン酸,およびパラトル
    エンスルホン酸の少なくとも1種が含まれる撥水撥油防
    汚処理液。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の撥水撥油防汚処理液に
    おいて、 前記溶媒は、水と相溶性を有する有機溶媒を含む撥水撥
    油防汚処理液。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の撥水撥油防汚処理液に
    おいて、 前記溶媒は、炭素数が1〜10のアルコールの少なくと
    も1種が含まれる撥水撥油防汚処理液。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の撥水撥油防汚処理液に
    おいて、 前記溶媒は、炭素数が4〜14のアルカンの少なくとも
    1種が含まれる撥水撥油防汚処理液。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の撥水撥油防汚処理液に
    おいて、 前記溶媒は、さらに水が含まれる撥水撥油防汚処理液。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の撥水撥油防汚処理液に
    おいて、 前記フルオロアルキル基含有シラン化合物は、以下の化
    学式1によって表される撥水撥油防汚処理液。 【化1】 CF3−(CF2n−R−SiXp3-p ・・(1) (ここで、nは0〜12の整数、好ましくは3〜12の
    整数、Rは炭素原子数1〜10の二価の有機基(例えば
    メチレン基,エチレン基)、または珪素原子および酸素
    原子を含む基、Xは、Hまたは炭素原子数1〜4の一価
    炭化水素基(例えばアルキル基,シクロアルキル基,ア
    リル基)もしくはこれらの基の誘導体から選ばれる置換
    基,または水素、pは0,1または2、Yは炭素原子数
    が1〜4のアルコキシル基,アシロキシ基,またはハロ
    ゲン原子)
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の撥水撥油防汚処理液に
    おいて、 前記フルオロアルキル基含有シラン化合物は、前記処理
    液の0.01〜5質量%の割合で含まれている撥水撥油
    防汚処理液。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の撥水撥油防汚処理液に
    おいて、 前記酸は、前記処理液の酸濃度が0.0001〜1Nと
    なるように含まれている撥水撥油防汚処理液。
  10. 【請求項10】 請求項4に記載の撥水撥油防汚処理液
    において、 前記アルコールは、前記処理液の1〜99質量%の割合
    で含まれている撥水撥油防汚処理液。
  11. 【請求項11】 請求項5に記載の撥水撥油防汚処理液
    において、 前記アルカンは、前記処理液の1〜99質量%の割合で
    含まれている撥水撥油防汚処理液。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載の撥水撥油防汚処理液
    において、 前記水は、前記処理液の0.1〜5質量%の割合で含ま
    れている撥水撥油防汚処理液。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の撥水撥油防汚処理液
    において、 前記A液には、さらにポリシロキサン化合物またはSi
    n(4-n)で表される加水分解可能なシラン化合物が含
    まれている撥水撥油防汚処理液。(ただし、R;炭素数
    が1〜5までのアルキル基,n=0〜3,X;アルコキ
    シル基、ハロゲン、アセトキシル基、またはイソシアネ
    ート基)
  14. 【請求項14】(1)フルオロアルキル基含有シラン化
    合物を含むA液を準備する工程、(2)酸および溶媒と
    からなるB液を準備する工程、(3)前記A液と、前記
    B液を混合して、撥水撥油防汚処理液を調製する工程、
    (4)前記撥水撥油防汚処理液を物品表面に塗布する工
    程、を含むことを特徴とする撥水撥油防汚処理方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸、およびパラトルエ
    ンスルホン酸の少なくとも1種を含む撥水撥油防汚処理
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記溶媒は、水と相溶性を有する有機溶媒を含む撥水撥
    油防汚処理方法。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、前記溶媒は、炭素数が1〜10のアルコ
    ールの少なくとも1種を含む撥水撥油防汚処理方法。
  18. 【請求項18】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記溶媒は、炭素数が4〜14のアルカンの少なくとも
    1種を含む撥水撥油防汚処理方法。
  19. 【請求項19】 請求項16に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記溶媒は、さらに水を含む撥水撥油防汚処理方法。
  20. 【請求項20】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記フルオロアルキル基含有シラン化合物は、以下の化
    学式1によって表される撥水撥油防汚処理方法。 【化1】 CF3−(CF2n−R−SiXp3-p ・・(1) (ここで、nは0〜12の整数、好ましくは3〜12の
    整数、Rは炭素原子数1〜10の二価の有機基(例えば
    メチレン基、エチレン基)、または珪素原子および酸素
    原子を含む基、Xは、Hまたは炭素原子数1〜4の一価
    炭化水素基(例えばアルキル基、シクロアルキル基、ア
    リル基)もしくはこれらの誘導体から選ばれる置換基、
    または水素、pは0、1または2、Yは炭素原子数が1
    〜4のアルコキシル基、アシロキシ基、またはハロゲン
    原子)
  21. 【請求項21】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記フルオロアルキル基含有シラン化合物を、前記処理
    液において0.01〜5質量%の割合となるように、前
    記A液に含ませている撥水撥油防汚処理方法。
  22. 【請求項22】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記酸を、前記処理液の酸濃度が0.0001〜1Nと
    なるように、前記B液に含ませている撥水撥油防汚処理
    方法。
  23. 【請求項23】 請求項17に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記アルコールを、前記処理液において1〜99質量%
    の割合となるように、前記B液に含ませている撥水撥油
    防汚処理方法。
  24. 【請求項24】 請求項18に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記アルカンを、前記処理液において1〜99質量%の
    割合となるように、前記B液に含ませている撥水撥油防
    汚処理方法。
  25. 【請求項25】 請求項19に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記水を、前記処理液において0.1〜5質量%の割合
    となるように、前記B液に含ませている撥水撥油防汚処
    理方法。
  26. 【請求項26】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記物品は、ガラス,セラミックス,プラスチックまた
    は金属のいずれかである撥水撥油防汚処理方法。
  27. 【請求項27】 請求項14に記載の撥水撥油防汚処理
    方法において、 前記塗布方法は、手塗り法,ディップコーティング法,
    フローコーティング法,カーテンコーティング法,スピ
    ンコーティング法,スプレーコーティング法,バーコー
    ティング法,ロールコーティング法,または刷毛塗り法
    である撥水撥油防汚処理方法。
  28. 【請求項28】 請求項14から27に記載の撥水撥油
    防汚処理方法によって、処理されたことを特徴とする撥
    水撥油防汚処理物品。
  29. 【請求項29】 フルオロアルキル基含有シラン化合物
    を含むA液と、酸および溶媒を含むB液からなる2液混
    合型撥水撥油防汚処理液。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の2液混合型撥水撥
    油防汚処理液において、 前記A液は実質的に酸および/または溶媒を含まず、前
    記B液は実質的にフルオロアルキル基含有シラン化合物
    を含まない2液混合型撥水撥油防汚処理液。
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