JP2001205815A - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置Info
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Abstract
密度に配設することのできるインクジェット式記録ヘッ
ド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置を
提供する。 【解決手段】 少なくとも単結晶シリコンからなるシリ
コン層を有しノズル開口21に連通する圧力発生室12
が画成される流路形成基板10と、前記圧力発生室12
の一部を構成する振動板を介して前記圧力発生室12に
対向する領域に設けられて前記圧力発生室12内に圧力
変化を生じさせる圧電素子300とを具備するインクジ
ェット式記録ヘッドにおいて、前記流路形成基板10の
前記圧電素子300側に接合される接合基板20を有
し、前記ノズル開口21を前記接合基板20に設ける。
Description
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
ッドでは、基板の圧電素子とは反対側の面からエッチン
グすることなどにより厚さ方向に貫通して圧力発生室を
形成しているため、寸法精度の高い圧力発生室を比較的
容易且つ高密度に配設することができる。
うなインクジェット式記録ヘッドでは、圧力発生室を形
成する基板として、例えば、直径が6〜12インチ程度
の比較的大きなものを用いようとする場合、ハンドリン
グ等の問題により基板の厚さを厚くせざるを得ず、それ
に伴い圧力発生室の深さも深くなってしまう。そのた
め、各圧力発生室を区画する隔壁の厚さを厚くしない
と、十分な剛性が得られず、クロストークが発生し、所
望の吐出特性が得られない等という問題がある。また、
隔壁の厚さを厚くすると、高い配列密度でノズルを並べ
られないため、高解像度の印字品質を達成できないとい
う問題がある。
剛性を向上すると共に圧力発生室を高密度に配設するこ
とのできるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェ
ット式記録装置を提供することを課題とする。
明の第1の態様は、少なくとも単結晶シリコンからなる
シリコン層を有しノズル開口に連通する圧力発生室が画
成される流路形成基板と、前記圧力発生室の一部を構成
する振動板を介して前記圧力発生室に対向する領域に設
けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電
素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおい
て、前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合される接
合基板を有し、前記ノズル開口が前記接合基板に設けら
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
通することなく圧力発生室を形成しても、容易にノズル
開口を形成することができる。したがって、圧力発生室
を比較的浅く形成することができ、各圧力発生室を区画
する隔壁の剛性が向上する。
て、前記接合基板には集積回路が一体的に形成されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
合される接合基板に集積回路を一体的に形成することに
より、製造工程を簡略化できると共に部品点数を削減で
き、コストを低減することができる。
において、前記接合基板が、前記圧電素子に対向する領
域に、その運動を阻害しない程度の空間を確保した状態
で当該空間を密封可能な圧電素子保持部を有する封止板
であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
る圧電素子の破壊が防止される。
において、前記集積回路が、前記圧電素子を駆動するた
めの駆動回路であることを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドにある。
るための駆動回路を比較的容易に形成することができ
る。
において、前記集積回路が、ヘッドの温度を検出する温
度検出手段又は前記温度を制御する温度制御回路である
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
温度制御回路を比較的容易に形成することができる。
において、前記集積回路が、前記ノズル開口から吐出さ
れるインク滴の吐出回数を検出する吐出回数検出手段で
あることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
を比較的容易に形成することができる。
て、前記集積回路が、前記圧電素子保持部の湿度を検出
する湿度検出手段の制御を行う湿度制御回路であること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
較的容易に形成することができる。
態様において、前記集積回路が前記接合基板の前記流路
形成基板との接合面とは反対側の面に設けられているこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
集積回路の配線を取り出すことができる。
の態様において、前記集積回路が前記接合基板の前記流
路形成基板との接合面側に設けられ、前記圧電素子と前
記集積回路とがフリップチップ実装によって電気的に接
続されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
合基板とを接合することにより、集積回路と圧電素子と
を直接接続することができる。
いて、前記流路形成基板には、前記集積回路と外部配線
とを接続する接続配線が形成され、前記集積回路と前記
接続配線とがフリップチップ実装によって電気的に接続
されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ドにある。
接合基板とを接合することにより、集積回路と接続配線
とを直接接続することができる。
態様において、前記集積回路と前記圧電素子又は前記接
続配線とが、異方性導電材によって接続されていること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
素子又は接続配線とを比較的容易に且つ確実に接続する
ことができる。
れかの態様において、前記接合基板が、単結晶シリコン
基板からなることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
回路を比較的容易に一体的に精度良く形成することがで
きる。
れかの態様において、前記圧力発生室が前記流路形成基
板の一方面側に当該流路形成基板を貫通することなく形
成され、且つ前記圧力発生室にインクを供給するリザー
バが前記流路形成基板の他方面側に形成されていること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
較的浅く形成することができ、各圧力発生室を区画する
隔壁の剛性が向上する。また、圧力発生室の容積に対し
て、十分に大きい体積のリザーバが設けられ、リザーバ
内のインク自体によって内部圧力の変化が吸収される。
おいて、前記リザーバが前記圧力発生室に直接連通して
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
圧力発生室に直接インクが供給される。
おいて、前記流路形成基板の一方面側には、前記圧力発
生室の長手方向一端部に連通するインク連通路が形成さ
れ、前記リザーバが、前記インク連通路に連通されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
ンク連通路を介して各圧力発生室にインクが供給される
ため、リザーバとインク連通路との連通部の断面積がば
らついても狭隘部でインクの抵抗を制御でき、各圧力発
生室間でのインク吐出特性のばらつきを低減できる。
おいて、前記インク連通路が前記圧力発生室毎に設けら
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
圧力発生室毎に設けられたインク連通路を介して各圧力
発生室にインクが供給される。
おいて、前記インク連通路が前記圧力発生室の並設方向
に亘って連続的に設けられていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
通するインク連通路を介して各圧力発生室にインクが供
給される。
何れかの態様において、前記圧力発生室の前記リザーバ
とは反対側の長手方向端部側に、前記圧力発生室と前記
ノズル開口とを連通するノズル連通路が設けられている
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
ザーバから安定してインクが供給され、且つノズル開口
からインクが良好に吐出される。
おいて、前記ノズル連通路が、前記振動板を除去するこ
とにより形成されていることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
容易に形成することができる。
の態様において、前記ノズル連通路の内面が、接着剤で
覆われていることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
通過するインクによる振動板の剥がれが防止される。
れかの態様において、前記流路形成基板が、前記シリコ
ン層のみからなることを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドにある。
リコン層のみで画成される。
れかの態様において、前記流路形成基板が、絶縁体層の
両面にシリコン層を有するSOI基板からなることを特
徴するインクジェット式記録ヘッドにある。
リザーバ等のパターニングを比較的容易に精度良く行う
ことができる。
れかの態様において、前記流路形成基板が少なくともボ
ロンドープポリシリコン層の両面にシリコン層を有する
基板からなることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
リザーバ等のパターニングを比較的容易に精度良く行う
ことができる。
れかの態様において、前記流路形成基板を構成するシリ
コン層の面方位が、(100)面であることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
ングによっても、リザーバ等を高精度に形成することが
できる。
おいて、前記圧力発生室の横断面が略三角形状を有する
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
の隔壁の強度が著しく向上するため、圧力発生室を高密
度に配設することができ、且つクロストークを防止でき
る。
れかの態様において、前記圧力発生室が異方性エッチン
グにより形成され、前記振動板及び前記圧電素子を構成
する各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたも
のであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量且つ比
較的容易に製造することができる。
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
吐出特性を向上すると共に高密度化したインクジェット
式記録装置を実現することができる。
て詳細に説明する。
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドの圧力発
生室の長手方向における断面図及び平面図である。
れる流路形成基板10は、例えば、150μm〜1mm
の厚さを有し、面方位(100)のシリコン単結晶基板
からなり、その一方面側の表層部分には、異方性エッチ
ングにより複数の隔壁11によって区画された圧力発生
室12が形成されている。
には、後述するリザーバ15と圧力発生室12とを接続
するための中継室であるインク連通部13が圧力発生室
12よりも幅の狭い狭隘部14を介して連通されてい
る。また、これらインク連通部13及び狭隘部14は、
圧力発生室12と共に異方性エッチングによって形成さ
れている。なお、狭隘部14は、圧力発生室12のイン
クの流出入を制御するためのものである。
ング又はドライエッチングの何れの方法を用いてもよい
が、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチン
グ(ハーフエッチング)することにより圧力発生室12
は浅く形成されており、その深さは、ハーフエッチング
のエッチング時間によって調整することができる。
を各圧力発生室12毎に設けるようにしたが、これに限
定されず、例えば、図2(c)に示すように、全部の各
圧力発生室12に狭隘部14を介して連通するインク連
通部13Aとしてもよく、この場合、このインク連通部
13Aが後述するリザーバ15の一部を構成するように
してもよい。
各インク連通部13に連通し、各圧力発生室12にイン
クを供給するリザーバ15が形成されている。このリザ
ーバ15は、流路形成基板10の他方面側から、所定の
マスクを用いて異方性エッチング、本実施形態では、ウ
ェットエッチングによって形成されている。このリザー
バ15は、本実施形態では、ウェットエッチングによっ
て形成されているため、流路形成基板10の他方面側ほ
ど開口面積が大きくなる形状を有し、インクを供給する
すべての圧力発生室12の容積に対して、それよりも十
分に大きい容積となっている。
として面方位(100)のシリコン単結晶基板を用いて
いるため、ウェットエッチングによってもリザーバ15
等を精度よく形成することができる。
所定の集積回路、本実施形態では、圧電素子300を駆
動するための駆動回路16が圧力発生室12の並設方向
に亘って一体的に形成されている。
ば、酸化ジルコニウム(ZrO2)等の絶縁層からな
る、厚さ1〜2μmの弾性膜50が設けられている。こ
の弾性膜50は、その一方の面で圧力発生室12の一壁
面を構成している。
2に相対向する領域には、厚さが例えば、約0.5μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70,及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る弾性膜とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
流路形成基板10に一体的に設けられた駆動回路16と
の間には、それぞれリード電極90が弾性膜50上に延
設されており、各リード電極90と駆動回路16とは、
弾性膜50の駆動回路16に対向する領域に設けられた
接続孔51を介して、それぞれ電気的に接続されてい
る。
ク連通部13とは反対側の端部近傍には、弾性膜50及
び下電極膜60を除去することにより、後述するノズル
開口21に連通するノズル連通孔52が、各圧力発生室
12毎に設けられている。
50及び下電極膜60上には、図1及び図2に示すよう
に、各圧力発生室12にノズル連通孔52を介して連通
するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が
設けられている。このノズルプレート20は、例えば、
単結晶シリコン基板からなり、圧電素子300に対向す
る領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空
間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保
持部22が設けられており、圧電素子300は、この圧
電素子保持部22内に密封されている。
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
50及び下電極膜60上に接着剤等によって固着される
が、その際、弾性膜50及び下電極膜60に形成された
ノズル連通孔52の内面がこの接着剤で覆われるように
するのが好ましい。これにより、インク連通孔52の内
面が保護され、弾性膜50又は下電極膜60の剥がれ等
を防止することができる。
21が穿設されたノズルプレート20を流路形成基板1
0の圧電素子300側に設けるようにしたので、圧力発
生室12は流路形成基板10を貫通することなく形成さ
れていてもよい。したがって、圧力発生室12を比較的
薄く形成して各圧力発生室12を区画する隔壁11の剛
性を高めることができ、複数の圧力発生室12を高密度
に配列することができる。さらに、隔壁11のコンプラ
イアンスが小さくなり、インクの吐出特性が向上する。
くできるため、大きなサイズのウェハとしても取り扱い
が容易となる。したがって、ウェハ一枚当たりのチップ
の取り数を増加することができ、製造コストを低減する
ことができる。また、チップサイズを大きくできるの
で、長尺のヘッドも製造することができる。さらには、
流路形成基板の反りの発生も抑えられ、他の部材と接合
する際に位置合わせが容易となり、接合後も、圧電素子
の特性変化が抑えられてインク吐出特性が安定する。
0の一方面側の表層部に圧力発生室12を形成し、他方
面側に各圧力発生室12に連通するリザーバ15を形成
するようにした。これにより、各圧力発生室12の容積
に対して、リザーバ15の容積を十分に大きく形成する
ことができ、リザーバ15内のインク自体にコンプライ
アンスを持たせることができる。したがって、別途、リ
ザーバ15内の圧力変化を吸収するための基板等を設け
る必要がなく、構造を簡略化して製造コストを低減する
ことができる。
ッドの製造方法は、特に限定されないが、以下に説明す
るような工程で形成することができる。
基板10となるシリコン単結晶板の一方面側に、例え
ば、酸化シリコンからなる所定形状のマスクを用いて異
方性エッチングすることにより圧力発生室12、インク
連通部13及び狭隘部14を形成する。なお、圧電素子
を駆動するための駆動回路16は、流路形成基板10に
例えば、半導体プロセスによって予め一体的に形成され
ている。
基板10に形成された圧力発生室12、インク連通部1
3及び狭隘部14に犠牲層100を充填する。例えば、
本実施形態では、流路形成基板10の全面に亘って犠牲
層100を圧力発生室12等の深さと略同一厚さで形成
した後、圧力発生室12、インク連通部13及び狭隘部
14以外の犠牲層100をケミカル・メカニカル・ポリ
ッシュ(CMP)により除去することにより形成した。
定されないが、例えば、ポリシリコン又はリンドープ酸
化シリコン(PSG)等を用いればよく、本実施形態で
は、エッチングレートが比較的速いPSGを用いた。
されず、例えば1μm以下の超微粒子をヘリウム(H
e)等のガスの圧力によって高速で基板に衝突させるこ
とにより成膜するいわゆるガスデポジション法あるいは
ジェットモールディング法と呼ばれる方法を用いてもよ
い。この方法では、圧力発生室12、インク連通部13
及び狭隘部14に対応する領域のみに犠牲層100を部
分的に形成することができる。
基板10及び犠牲層100上に弾性膜50を形成する。
また、本実施形態では、流路形成基板10の他方面側
に、リザーバ15を形成する際のマスクとなる保護膜5
5を形成する。例えば、本実施形態では、流路形成基板
10の両面にジルコニウム層を形成後、例えば、500
〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウムか
らなる弾性膜50及び保護膜55とした。
は、特に限定されず、リザーバ15を形成する工程及び
犠牲層100を除去する工程でエッチングされない材料
であればよい。また、これら弾性膜50及び保護膜55
は、異なる材料で形成するようにしてもよい。さらに、
保護膜55は、リザーバ15を形成する前であれば、何
れの工程で形成してもよい。
50上に圧電素子300を形成する。
まず、図3(d)に示すように、スパッタリングで下電
極膜60を流路形成基板10の圧力発生室12側に全面
に亘って形成すると共に所定形状にパターニングする。
この下電極膜60の材料としては、白金、イリジウム等
が好適である。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル
法で成膜する後述の圧電体層70は、成膜後に大気雰囲
気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度
で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわ
ち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲
気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体
層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた
場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ないこ
とが望ましく、これらの理由から白金、イリジウムが好
適である。
70を成膜する。例えば、本実施形態では、金属有機物
を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲ
ル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からな
る圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて
形成した。圧電体層70の材料としては、PZT系の材
料がインクジェット式記録ヘッドに使用する場合には好
適である。なお、この圧電体層70の成膜方法は、特に
限定されず、例えば、スパッタリング法又はMOD法
(有機金属熱塗布分解法)等のスピンコート法により成
膜してもよい。
法もしくはMOD法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前
駆体膜を形成後、アルカリ水溶液中での高圧処理法にて
低温で結晶成長させる方法を用いてもよい。
体層70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体層70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多
くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態
では、白金をスパッタリングにより成膜している。
層70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電素子
300のパターニングを行う。また、本実施形態では、
同時に、駆動回路16に対向する領域の弾性膜50を除
去することにより、各圧電素子300との接続部となる
接続孔51を形成すると共に、圧力発生室12の長手方
向のインク連通部13とは反対側の端部近傍の弾性膜5
0及び下電極膜60をパターニングしてノズル連通孔5
2を形成する。
極90を流路形成基板10の全面に亘って形成すると共
に、各圧電素子300毎にパターニングし、接続孔51
を介して、各圧電素子300の上電極膜80と駆動回路
16とをそれぞれ電気的に接続する。
基板10の圧力発生室12とは反対側の面に設けられた
保護膜55のリザーバ15となる領域をパターニングに
より除去して開口部56を形成すると共に、この開口部
56からインク連通部13に達するまで異方性エッチン
グ(ウェットエッチング)することにより、リザーバ1
5を形成する。なお、本実施形態では、圧電素子300
を形成後にリザーバ15を形成するようにしたが、これ
に限定されず、何れの工程で形成してもよい。
15からウェットエッチング又は蒸気によるエッチング
によって犠牲層100を除去する。本実施形態では、犠
牲層100の材料として、PSGを用いているため、弗
酸水溶液によってエッチングした。なお、ポリシリコン
を用いた場合には、弗酸及び硝酸の混合水溶液、あるい
は水酸化カリウム水溶液によってエッチングすることが
できる。
圧電素子300が形成され、その後、図5(c)に示す
ように、流路形成基板10の圧電素子300側にノズル
開口21が穿設されたノズルプレート20を接着剤等に
よって固定する。
記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からリザ
ーバ15にインクを取り込み、リザーバ15からノズル
開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回
路16からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応す
るそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧
を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70
をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の
圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
及び狭隘部14を介して各圧力発生室12とリザーバ1
5とを連通するようにしたが、これに限定されず、例え
ば、図6に示すように、各圧力発生室12とリザーバ1
5とを直接連通するようにしてもよい。
発生室12よりも細い幅で形成して、圧力発生室12の
インクの流出入を制御するようにしたが、これに限定さ
れず、例えば、図7に示すように、圧力発生室12と同
一幅として、深さを調整した狭隘部14Aとしてもよ
い。
インクジェット式記録ヘッドの断面図である。
いた例であり、図8に示すように、絶縁層111と、こ
の絶縁層111の両側に設けられた第1及び第2のシリ
コン層112,113とからなるSOI基板を流路形成
基板10Aとして用いた例である。
膜厚の薄い第1のシリコン層112を絶縁層111に達
するまでエッチングして圧力発生室12、インク連通部
13及び狭隘部14を形成し、第2のシリコン層113
を絶縁層111に達するまでエッチングしてリザーバ1
5を形成すると共に、絶縁層111のリザーバ15の底
面に対応する部分に貫通部111aを形成した以外は、
実施形態1と同様である。
勿論、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
インクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、
図10は、インクジェット式記録ヘッドの1つの圧力発
生室の長手方向における断面構造を示す図及びそのA−
A’断面図である。
成基板を用いた他の例であり、図示するように、流路形
成基板10Bは、ポリシリコン層111Aと、このポリ
シリコン層111Aの両面に設けられた第1及び第2の
シリコン層112,113とからなる。
シリコン層、本実施形態では第1のシリコン層112に
は、例えば、異方性エッチングすることにより複数の隔
壁11により区画された圧力発生室12が幅方向に並設
されている。また、各圧力発生室12の長手方向一端部
には、インク連通部13が形成され、各圧力発生室12
の長手方向一端部とそれぞれ狭隘部14を介して連通し
ている。
は、第2のシリコン層113には、この第2のシリコン
層113を厚さ方向に貫通して、インク連通部13に連
通するリザーバ15が形成されている。また、ポリシリ
コン層111Aとの接合面側の圧力発生室12、インク
連通部13及び狭隘部19に対向する領域で、且つリザ
ーバ15が連通される部分を除く領域には、ボロンがド
ーピングされたボロンドープシリコン層113aが形成
されている。
第1及び第2のシリコン層112,113は、本実施形
態では、それぞれ面方位(100)のシリコン単結晶基
板からなる。このため、圧力発生室12の幅方向側面1
2aが、圧電素子300側ほど幅狭となるように傾斜す
る傾斜面となっており、圧力発生室12内の流路抵抗が
抑えられている。
12,113に挟持されているポリシリコン層111A
には、本実施形態では、所定の領域にボロンをドーピン
グしたボロンドープポリシリコン層111aが形成され
ており、このボロンドープポリシリコン層111aによ
り第1のシリコン層112に形成する圧力発生室12の
エッチング選択性を持たせている。すなわち、第1及び
第2のシリコン層112,113との間には、実質的に
ボロンドープポリシリコン層111aのみが挟持されて
いることになる。なお、このポリシリコン層111Aと
第1のシリコン層112との間に酸化シリコン層を設け
るようにしてもよく、これにより、高精度なポリシリコ
ン層111Aのエッチング選択性を得ることができる。
のシリコン層112の表面には、第1のシリコン層11
2を予め熱酸化することにより形成した保護膜55Aが
形成され、この保護膜55A上に、上述の実施形態と同
様に、弾性膜50を介して、下電極膜60、圧電体膜7
0及び上電極膜80からなる圧電素子300が形成され
ている。
0側、本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60上
には、上述の実施形態と同様、ノズルプレート20が接
合されている。
勿論、上述の実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
Bを構成する第1及び第2のシリコン層112,113
は、それぞれ面方位(100)のシリコン単結晶基板か
らなるが、これに限定されず、例えば、面方位(10
0)及び面方位(110)のシリコン単結晶基板であっ
てもよいし、それぞれ面方位(110)のシリコン単結
晶基板であってもよい。
113が、それぞれ面方位(110)のシリコン単結晶
基板からなる場合には、図11に示すように、圧力発生
室12、インク連通部13及び狭隘部14の内側面(1
2a)は、流路形成基板10Bの表面に対して略垂直な
面で形成される。また、この構成の場合、狭隘部14の
流路抵抗は、例えば、その幅を調整することにより制御
することができる。
駆動ICの形成位置は、特に限定されず、上述の実施形
態と同様に、流路形成基板10B又はノズルプレート2
0に一体的に設けるようにすればよい。
るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であ
り、図13は、図12の断面図である。
面方位(100)のシリコン単結晶基板を用い、犠牲層
を用いることなく圧力発生室を形成した例であり、図示
するように、この流路形成基板10の一方面側には、複
数の隔壁11により区画された断面が略三角形状の圧力
発生室12が幅方向に並設され、その長手方向一端部近
傍には、流路形成基板10をその他方面側から異方性エ
ッチングすることにより、各圧力発生室12の共通のイ
ンク室となるリザーバ15が形成されている。
0を介して下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜8
0からなる圧電素子300が形成されている。また、本
実施形態では、弾性膜50は、各圧力発生室15に対向
する領域に流路形成基板10側に突出する突出部50a
が圧力発生室15の長手方向に沿って形成されている。
0側、本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60上
には、上述の実施形態と同様、ノズルプレート20が接
合されている。
録ヘッドの製造方法、特に、流路形成基板10に圧力発
生室12を形成するプロセスについて図14及び図15
を参照しながら説明する。
に、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10の各
圧力発生室12が形成される領域に、圧力発生室12よ
りも狭い幅で、例えば、深さが約50〜100μmの略
長方形の溝部120を形成する。この溝部120の幅
は、約0.1〜3μm程度であることが好ましく、本実
施形態では、約1μmの幅で形成した。なお、この溝部
120の形成方法は、特に限定されず、例えば、ドライ
エッチング等で形成すればよい。
に、流路形成基板10の両面にそれぞれ、弾性膜50及
び保護膜55を形成する。
に形成される弾性膜50は、その一部は溝部120内に
入り込んで形成されるため、弾性膜50の各圧力発生室
12に対向する領域には、溝部120と略同形状で流路
形成基板10側に突出する突出部50aが形成される。
うに、下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80を
順次積層及びパターニングして圧電素子300を形成す
る。
単結晶基板をアルカリ溶液等により異方性エッチングし
て、圧力発生室12等を形成する。
−B’断面図である(b)に示すように、各圧力発生室
12の長手方向一端部となる領域の下電極膜60及び弾
性膜50を除去して、ノズル開口21に連通するノズル
連通孔52を形成する。これにより、流路形成基板10
の表面及び溝部120の長手方向一端部が露出される。
また、同時に、リザーバ15が形成される領域の保護膜
55を除去して開口部56を形成する。
面図である(d)に示すように、ノズル連通孔52を介
して流路形成基板10を、例えば、KOH等のアルカリ
溶液で異方性エッチングすることにより圧力発生室12
を形成する。ここで、異方性エッチングの際、アルカリ
溶液は、ノズル連通孔52を介して溝部120に流れ込
み、流路形成基板10は、この溝部120から徐々に浸
食されて圧力発生室12が形成される。また、流路形成
基板10は、結晶面方位(100)のシリコン単結晶基
板であるため、圧力発生室12の内側面は、流路形成基
板10の表面に対して、約54°傾斜した(111)面
で形成される。すなわち、この(111)面は、圧力発
生室12の実質的な底面であると共に、異方性エッチン
グの際のエッチングストップ面となり、圧力発生室12
はその横断面が略三角形状となるよう形成される。
後、図15(e)及びそのC−C’断面図である(f)
に示すように、流路形成基板10の圧電素子300とは
反対側の面から、保護膜55をマスクとしてエッチング
することにより、すなわち、開口部56を介して流路形
成基板10を異方性エッチングすることにより、圧力発
生室12に連通するリザーバ15を形成する。
12を横断面が略三角形状となるように形成するように
したので、各圧力発生室12間の隔壁11の強度が著し
く増加する。したがって、圧力発生室12を高密度に配
設しても、クロストークが発生することが無く、インク
吐出特性を良好に保持することができる。
って貫通すること無く圧力発生室12を形成することが
できるため、本実施形態では、流路形成基板10の厚さ
を220μm程度としたが、それよりも厚いものであっ
てもよい。したがって、流路形成基板10を形成するウ
ェハを比較的大径としても、容易に取り扱うことができ
てコストダウンを図ることができる。
も、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
力発生室12に対応する部分に突出部50aが形成され
ているが、この突出部50aは、例えば、圧力発生室1
2のエッチングと同時に除去するようにしてもよい。さ
らに、例えば、図16に示すように、弾性膜50上に、
酸化ジルコニウム等からなる第2の弾性膜50Aを設け
ておき、圧力発生室12を異方性エッチングで形成する
際に、圧力発生室12に対向する領域の弾性膜50を完
全に除去するようにしてもよい。
るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。
駆動回路をノズルプレートに一体的に設けた例であり、
図17に示すように、ノズルプレート20Aの流路形成
基板10との接合面側の圧電素子保持部22以外の領
域、本実施形態では、流路形成基板10の一端部近傍に
駆動回路16Aが一体的に形成されている。
0の上電極膜80とは、リード電極90を介して接続さ
れている。例えば、本実施形態では、リード電極90
は、上電極膜80上から弾性膜50上を下電極膜60と
は不連続の不連続下電極膜61近傍まで延設されてお
り、その端部と駆動回路16Aとが、異方性導電材(A
FC)等からなる接続層110を介して電気的に接続さ
れている以外、実施形態1と同様である。
に、流路形成基板10上には、圧力発生室12の並設方
向の端部近傍に、駆動回路16AとFPC等の外部配線
120とを接続する接続配線130が形成されており、
駆動回路16Aと接続配線130とが、リード電極90
と同様に、接続層110を介して電気的に接続されてい
る。
論、上述の実施形態と同様の効果が得られる。また、本
実施形態では、ノズルプレート20と流路形成基板10
とを接合することにより、リード電極90及び接続配線
130と駆動回路16Aとを電気的に接続することがで
きるため、接続配線130の本数を低減することがで
き、ノズル開口21を増やして高密度に配設しても、F
PC等で取り出すことができる。
板10の圧電素子300側に接合される接合基板に複数
の駆動回路16Aを設け、流路形成基板10の各駆動回
路16Aの両側に対応する領域に、それぞれ圧力発生室
12及び圧電素子300の列を設けるようにしてもよ
い。このような構成とすれば、高密度に配設した圧電素
子300からの配線をFPC等の外部配線120によっ
て容易に取り出すことができる。
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
00を駆動するための駆動回路16又は16Aを流路形
成基板10又はノズルプレート20Aに一体的に設ける
ようにしたが、別途、流路形成基板10の近傍に設け、
例えば、ワイヤボンディング等により圧電素子300と
電気的に接続するようにしてもよい。
力発生室が流路形成基板を貫通することなく形成された
例を説明したが、勿論、圧力発生室は流路形成基板を貫
通していてもよい。図20にその一例を示す。
流路形成基板10の圧電素子300とは反対側の面には
封止基板140が接合され、この封止基板140によっ
て圧力発生室12の一面が形成されている。また、この
封止基板140上には、圧力発生室12にインクを供給
するためのリザーバ15Aが形成されるリザーバ形成基
板150が接合されており、圧力発生室12とリザーバ
15Aとが封止基板140の圧力発生室12に対向する
領域に設けられた貫通孔141を介して連通されてい
る。
止膜161及び固定板162とからなるコンプライアン
ス基板160が接合されている。封止膜161は、剛性
が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜161
によってリザーバ15Aの一方面が封止されている。ま
た、固定板162は、金属等の硬質の材料で形成され
る。この固定板162のリザーバ15Aに対向する領域
は、厚さ方向に完全に除去された開口部163となって
いるため、リザーバ15Aの一方面は可撓性を有する封
止膜161のみで封止され、内部圧力の変化によって変
形可能な可撓部164となっている。
央部外側のコンプライアンス基板160上には、リザー
バ15Aにインクを供給するためのインク導入口165
が形成され、リザーバ形成基板150には、インク導入
口165とリザーバ15Aの側壁とを連通するインク導
入路151が設けられている。
ソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型のイン
クジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定
されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付す
る等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式
記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図21
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
形成基板の圧電素子側に設けられた接合基板にノズル開
口を設けるようにしたので、圧力発生室が流路形成基板
を貫通することなく形成されていてもよい。したがっ
て、圧力発生室を比較的薄く形成できるため、各圧力発
生室を区画する隔壁の剛性を高めることができる。これ
により、複数の圧力発生室を高密度に配列することがで
きる。また、接合基板が複数の役割を兼ねるため部品点
数を低減することができ、コストを削減することができ
る。
録ヘッドの概略を示す斜視図である。
録ヘッドを示す図であり、図1の断面図及び平面図であ
る。
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
録ヘッドの変形例を示す断面図である。
録ヘッドの変形例を示す断面図である。
録ヘッドを示す断面図である。
録ヘッドの概略を示す斜視図である。
記録ヘッドを示す断面図である。
記録ヘッドの変形例を示す断面図である。
記録ヘッドの概略を示す斜視図である。
記録ヘッドを示す断面図である。
記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
記録ヘッドの変形例を示す断面図である。
記録ヘッドを示す断面図である。
記録ヘッドの概略を示す上面図である。
記録ヘッドの変形例を示す上面図である。
式記録ヘッドを示す断面図である。
記録装置の概略図である。
17)
は、第2のシリコン層113には、この第2のシリコン
層113を厚さ方向に貫通して、インク連通部13に連
通するリザーバ15が形成されている。また、ポリシリ
コン層111Aとの接合面側の圧力発生室12、インク
連通部13及び狭隘部14に対向する領域で、且つリザ
ーバ15が連通される部分を除く領域には、ボロンがド
ーピングされたボロンドープシリコン層113aが形成
されている。
0の上電極膜80とは、リード電極90を介して接続さ
れている。例えば、本実施形態では、リード電極90
は、上電極膜80上から弾性膜50上を下電極膜60と
は不連続の不連続下電極膜61近傍まで延設されてお
り、その端部と駆動回路16Aとが、異方性導電材(A
CF)等からなる接続層110を介して電気的に接続さ
れている以外、実施形態1と同様である。
Claims (27)
- 【請求項1】 少なくとも単結晶シリコンからなるシリ
コン層を有しノズル開口に連通する圧力発生室が画成さ
れる流路形成基板と、前記圧力発生室の一部を構成する
振動板を介して前記圧力発生室に対向する領域に設けら
れて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子
とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合される接合基
板を有し、前記ノズル開口が前記接合基板に設けられて
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1において、前記接合基板には集
積回路が一体的に形成されていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記接合基板
が、前記圧電素子に対向する領域に、その運動を阻害し
ない程度の空間を確保した状態で当該空間を密封可能な
圧電素子保持部を有する封止板であることを特徴とする
インクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項4】 請求項2又は3において、前記集積回路
が、前記圧電素子を駆動するための駆動回路であること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項2又は3において、前記集積回路
が、ヘッドの温度を検出する温度検出手段又は前記温度
を制御する温度制御回路であることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッド。 - 【請求項6】 請求項2又は3において、前記集積回路
が、前記ノズル開口から吐出されるインク滴の吐出回数
を検出する吐出回数検出手段であることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項7】 請求項3において、前記集積回路が、前
記圧電素子保持部の湿度を検出する湿度検出手段の制御
を行う湿度制御回路であることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッド。 - 【請求項8】 請求項2〜7の何れかにおいて、前記集
積回路が前記接合基板の前記流路形成基板との接合面と
は反対側の面に設けられていることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッド。 - 【請求項9】 請求項2〜7の何れかにおいて、前記集
積回路が前記接合基板の前記流路形成基板との接合面側
に設けられ、前記圧電素子と前記集積回路とがフリップ
チップ実装によって電気的に接続されていることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項10】 請求項9において、前記流路形成基板
には、前記集積回路と外部配線とを接続する接続配線が
形成され、前記集積回路と前記接続配線とがフリップチ
ップ実装によって電気的に接続されていることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項11】 請求項9又は10において、前記集積
回路と前記圧電素子又は前記接続配線とが、異方性導電
材によって接続されていることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッド。 - 【請求項12】 請求項1〜11の何れかにおいて、前
記接合基板が、単結晶シリコン基板からなることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項13】 請求項1〜12の何れかにおいて、前
記圧力発生室が前記流路形成基板の一方面側に当該流路
形成基板を貫通することなく形成され、且つ前記圧力発
生室にインクを供給するリザーバが前記流路形成基板の
他方面側に形成されていることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッド。 - 【請求項14】 請求項13において、前記リザーバが
前記圧力発生室に直接連通していることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項15】 請求項13において、前記流路形成基
板の一方面側には、前記圧力発生室の長手方向一端部に
連通するインク連通路が形成され、前記リザーバが、前
記インク連通路に連通されていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッド。 - 【請求項16】 請求項15において、前記インク連通
路が前記圧力発生室毎に設けられていることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項17】 請求項15において、前記インク連通
路が前記圧力発生室の並設方向に亘って連続的に設けら
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項18】 請求項13〜17の何れかにおいて、
前記圧力発生室の前記リザーバとは反対側の長手方向端
部側に、前記圧力発生室と前記ノズル開口とを連通する
ノズル連通路が設けられていることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッド。 - 【請求項19】 請求項18において、前記ノズル連通
路が、前記振動板を除去することにより形成されている
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項20】 請求項18又は19において、前記ノ
ズル連通路の内面が、接着剤で覆われていることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項21】 請求項1〜20の何れかにおいて、前
記流路形成基板が、前記シリコン層のみからなることを
特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項22】 請求項1〜20の何れかにおいて、前
記流路形成基板が、絶縁体層の両面にシリコン層を有す
るSOI基板からなることを特徴するインクジェット式
記録ヘッド。 - 【請求項23】 請求項1〜20の何れかにおいて、前
記流路形成基板が少なくともボロンドープポリシリコン
層の両面にシリコン層を有する基板からなることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項24】 請求項1〜23の何れかにおいて、前
記流路形成基板を構成するシリコン層の面方位が、(1
00)面であることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項25】 請求項24において、前記圧力発生室
の横断面が略三角形状を有することを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッド。 - 【請求項26】 請求項1〜25の何れかにおいて、前
記圧力発生室が異方性エッチングにより形成され、前記
振動板及び前記圧電素子を構成する各層が成膜及びリソ
グラフィ法により形成されたものであることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項27】 請求項1〜26の何れかのインクジェ
ット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジ
ェット式記録装置。
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