JP2001205040A

JP2001205040A - 排気類の殺菌・脱臭装置

Info

Publication number: JP2001205040A
Application number: JP2000015348A
Authority: JP
Inventors: Haruo Abukawa; 東雄虻川
Original assignee: Toko Tekko KK
Current assignee: Toko Tekko KK
Priority date: 2000-01-25
Filing date: 2000-01-25
Publication date: 2001-07-31

Abstract

(57)【要約】【課題】生ゴミ、食品廃棄物、家畜・ペット類の***
物等の有機物系悪臭・異臭成分を含む排気類の殺菌・脱
臭装置を提供すること。【解決手段】有機物系悪臭・異臭成分を含む排気類の
取り入れ口を備え、臭気分解微生物の吸着せしめられた
吸着体からなる生物フィルタを配置した生物フィルタ室
と、該生物フィルタ室を通過した排気を取り入れる取り
入れ部を備え、光触媒の付着せしめられた光触媒フィル
タおよび紫外線照射手段を配置した光触媒フィルタ室
と、を前後に組み合わせた排気類の殺菌・脱臭装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生ゴミ処理装置、
堆肥製造装置、汚物処理装置、食品廃棄物等の保管装置
等から発生するアンモニア臭、腐敗臭その他有機物系の
異臭・悪臭を含む排気類を通過せしめて殺菌脱臭するた
めの排気類の殺菌脱臭装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】日常の社会活動を維持する上において、
生ゴミや家畜・ペット類の***物、食品廃棄物等（以
下、有機物系廃棄物ともいう）は、不可避的に発生し、
その処分を経済的かつ確実に行うことは極めて重要であ
る。

【０００３】このような有機物系廃棄物の処理は、市区
町村等地方自治体でも持て余しており、各戸での処理が
できれば社会資本の有効利用にもつながる。また、この
ような有機物系廃棄物は、堆肥や良質の有機肥料に改変
することが可能であり、一般家庭や商店など小形事業所
においても，コンポストや生ゴミ処理装置などの使用が
推奨されている。

【０００４】かかるコンポストや生ゴミ処理装置などの
使用は、有機物系廃棄物の発生場所付近で行われる。し
たがって、輸送コストや取扱い者の労力等が節減可能で
ある利点を考慮し、さらに良質の有機肥料が得られるた
め、ガーデニングや家庭菜園等での消費も可能であるた
め普及しつつある。しかしながら、このような処理の問
題点は、処理過程において有機物の発酵、熟成に伴い周
辺に悪臭・異臭を拡散する可能性が高いことである。

【０００５】この種のコンポストや生ゴミ処理装置に限
定されず、その他の堆肥製造装置、汚物処理装置、食品
廃棄物等の保管装置等を含む有機物系悪臭・異臭成分を
含む排気の発生源は、周辺に不快感を与えることにな
り、その弊害防止や生ゴミ処理等の普及のために適切な
対策が求められている。

【０００６】なお、この種の有機物系廃棄物の処理装置
類にあっては、臭気のみでなく黴菌や大腸菌等の細菌・
バクテリア類の繁殖および拡散も懸念され、その対策も
必要となる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解消し、生ゴミ、食品廃棄物、家畜・ペット類の排
泄物等の有機物系悪臭・異臭成分を含む排気類の殺菌・
脱臭装置を提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の課題は、有機物
系悪臭・異臭成分を含む排気類の取り入れ口１４を備
え、臭気分解微生物の吸着せしめられた吸着体からなる
生物フィルタ１２を配置した生物フィルタ室１０と、該
生物フィルタ室１０を通過した排気を取り入れる取り入
れ部を備え、光触媒の付着せしめられた光触媒フィルタ
２２および紫外線照射手段２４を配置した光触媒フィル
タ室２０と、を前後に組み合わせた排気類の殺菌・脱臭
装置によって解決される。

【０００９】また、本発明にかかる前記生物フィルタ室
１０または光触媒フィルタ室２０から吐き出される排気
に対して、オゾンシャワー室３０を付加してオゾン水シ
ャワー３２を浴びせることによってさら殺菌効果を高め
ることができる。

【００１０】この場合、生物（バイオ）フィルタ１２
は、臭気分解微生物を多孔質物体、例えば多孔質セラミ
ック、天然ゼオライト、人工ゼオライト、プラスチック
製メッシュ材、プラスチック製フェルト等に吸着させた
ものである。臭気分解微生物の種類は、処理対象となる
悪臭・異臭成分によって異なるため、多くの微生物の中
から適宜選択して採用することが望ましい。また、この
種微生物類は、乾燥を嫌うものが多いため、上方より水
または温水のシャワーを常時または適時作動させる、下
方より水蒸気を発生せしめておく、等の適宜手段を併用
して多湿状態に保持する必要がある。

【００１１】光触媒フィルタ２２を形成する主成分の光
触媒は、太陽光や紫外線の照射を受けて励起されると、
活性酸素を発生して強い酸化・還元反応を起こし、抗
菌、抗ウィルス、消臭、汚損源有機物の分解、大気中NO
X の分解等の機能を発揮する。このような光触媒として
は、酸化チタン（TiO₂) が好ましく採用可能であるが、
これに限定されるものではなく、本発明においては同様
の機能を有する各種素材を利用することができる。

【００１２】光触媒の付着せしめられたフィルタ２２と
しては、金属製網目状体、天然繊維および合成繊維等の
網目状体などに対して、酸化チタン溶液をスプレー付着
せしめ、加熱硬化処理等を施したものを使用することが
できる。耐久性等を考慮すれば金属製網目状体、特にス
テンレス製金網とすることが望ましい。なお、酸化チタ
ンは、チタンホワイトとも称されており、塗料やプラス
チック類に対する白色顔料となるものである。

【００１３】紫外線照射手段２４としては、大きな発熱
を伴うことなしに上述の光触媒を励起するに適する波長
の紫外線を発生するものが望ましい。かかる紫外線発生
手段としては、低圧水銀蒸気内での放電を利用して直
接、または蛍光物質による変換作用を経て所望波長の紫
外線を発生する低圧水銀ランプが知られている。

【００１４】この場合、各フィルタ１２、２２の寸法お
よび段数のような構成要素の構成、前述の各フィルタ室
１０、２０の設置数などは、適用される装置類の処理対
象の種類、処理容量、設置場所等を考慮して設定するこ
とが望ましい。

【００１５】本発明にかかる排気類の殺菌・脱臭装置に
よれば、コンポスト、生ゴミ処理装置等の各種有機物系
排気発生設備に対して容易に適用可能に形成されてい
る。したがって、各種設備類から吐き出される有機質系
の悪臭・異臭を含む排気は、生物（バイオ）フィルタ１
２に吸着されている微生物による分解作用と、紫外線に
よって励起された光触媒によるに消臭、殺菌、抗菌、抗
ウィルス等の作用と、を重畳して受けることになる。

【００１６】したがって、通過排気中に含まれる悪臭・
異臭等は分解およびまたは脱臭され、さらに大腸菌その
他細菌類に対する抗菌・殺菌作用、黴菌・バクテリア等
に対する防黴・分解作用等々の効果を発揮する。なお、
ここに示したような抗菌・殺菌作用、黴・バクテリア等
に対する防黴・分解作用等々の効果に関しては、良く知
られているオゾン雰囲気を併用する方法や先に処理され
た排気類がオゾン水のシャワー中を通過するように構成
する等の手法を併用することにより、抗菌・殺菌等の効
果をさらに高めることも可能である。

【００１７】このような諸効果が得られる結果、本発明
にかかる排気類の殺菌・脱臭装置は、前述のような悪臭
・異臭を含む排気を発生する各種設備の利用場所におけ
る空気浄化に資することになり、これにより精神面、健
康面、衛生面等の全ての点において望ましい環境を得る
ことができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、添付図を参照しながら本発
明の実施の形態について説明する。図１は、本発明にか
かる排気類の殺菌・脱臭装置の構成例を示す断面構成図
である。本殺菌・脱臭装置は、臭気分解微生物を吸着し
た生物（バイオ）フィルタ室１０と、光触媒を付着せし
められた網状体からなる光触媒フィルタ室２０と、を併
置し、生物（バイオ）フィルタ室１０を通過した排気が
光触媒フィルタ室２０を通過するように構成される。

【００１９】生物フィルタ室１０内部には、５段の生物
フィルタ１２が配設されている。この生物フィルタ１２
は、臭気分解微生物を多孔質の適宜物質、例えば人工セ
ラミック、天然ゼオライト、人工ゼオライト、プラスチ
ックメッシュ体、プラスチック繊維によるフェルト等に
吸着せしめた素材を、プラスチックあるいは金属等のフ
ィルタ枠体に収納したものとして形成することができ
る。

【００２０】この生物フィルタ１２の段数は説明の便宜
上５段としているが、現実の装置にあっては、殺菌・脱
臭の対象となる臭気の種類、濃度、処理容量等を勘案し
て決定されるべきものである。また、吸着せしめる微生
物の種類、その吸着密度等についても適宜変更する必要
がある。

【００２１】生物フィルタ室１０の下端には排気取り入
れ口１４があり、殺菌・脱臭の対象となる臭気を含む排
気は押し込み用のブロア１６によって生物フィルタ室に
導入される。このようにして生物フィルタ室１０に取り
入れられた排気は、最下段側から上方に向けて上昇す
る。その間、排気中の悪臭・異臭をもたらす成分は各生
物フィルタ１２の臭気分解微生物によって分解される。
なお、ここでは処理する排気の流れを下方から上方に流
動するように構成しているが、この流れ方向は、上方か
ら下方または横方向としてもよい。

【００２２】生物フィルタ室１０の天井部には、水また
は温水を適時間隔で間欠的に、あるいは常時少量ずつ噴
霧する噴霧手段（シャワー）１８が２基設けられてい
る。この噴霧手段１８は臭気分解微生物の乾燥を防ぎ、
長期にわたり微生物の活性を維持するために必要とな
る。したがって、この噴霧手段の噴霧する液体には微生
物の種類に応じて所要成分を付加することもできる。こ
の場合、生物フィルタ室１０の底部に排水装置を配設す
る必要がある。

【００２３】光触媒フィルタ室２０には、光触媒の付着
せしめられた光触媒フィルタ２２と紫外線照射手段２４
が交互に配設されている。これらは、本実施例では４段
の光触媒フィルタ２２と、それぞれのフィルタの間に各
々２個の紫外線発生手段２４とが交互に配設されてい
る。これらの設置段数、設置個数は、排気に含まれる成
分の種類、用途・容量（通過風量）等によって適宜変更
されるものである。

【００２４】この光触媒フィルタ２２は、本実施例で
は、ステンレス鋼製の金網に酸化チタン（TiO₂）溶液を
スプレーし乾燥硬化せしめたものを使用している。しか
し、この光触媒フィルタは金網に限定されるものではな
く、共に商標であるナイロン繊維やケブラー繊維のよう
な強固なプラスチック製網状体とすることができる。ま
た、耐久性では若干問題はあるが、天然繊維の網目状体
を光触媒フィルタとして利用することも可能である。

【００２５】いずれにしても，光触媒そのものは触媒作
用をしているに過ぎないため、長期使用が可能である。
しかし、空気流中の塵埃が付着するため、光触媒フィル
タ室２０内に装着したまま、あるいは必要に応じて取り
外して洗浄や空気吹き（エアーブロー）その他の手段に
より清掃が可能であるものが望ましい。

【００２６】紫外線照射手段２４は、本発明にかかる排
気類の殺菌・脱臭装置にあっては所望波長の紫外線を少
ない発熱で発生せしめる、直管形蛍光ランプと同様の構
造を有する紫外線発生用低圧水銀ランプ（以下、紫外線
ランプと略記する）を採用した。紫外線ランプは、蛍光
ランプと同様の構成を有し、水銀蒸気内の放電に際して
発生する紫外線を直接、あるいはこの紫外線を刺激線と
して所望波長の紫外線を発生する蛍光物質を介して発生
せしめている。

【００２７】この光触媒フィルタ室２０では、生物フィ
ルタ室１０を通過した排気を上方から取り込み、最上部
から下方に向けて流動せしめつつ殺菌・脱臭を行う構造
である。この光触媒フィルタ室２０で殺菌作用を受けた
排気は、下方の排気吐き出し口２６から外部に排出され
る。また、排気吐き出し口２６内部には、吸引用のブロ
ア２８を配設して、生物フィルタ室１０側のブロア１６
と同期せしめて運用し、所望流速となるように制御する
ことが望ましい。なお、ここでは処理する排気の流れを
上方から下方に流動するように構成しているが、この流
れ方向は下方から上方、左右または右左の横方向として
もよい。

【００２８】図１に示す構成例では、生物フィルタ室１
０と光触媒フィルタ室２０との２段構成としており、脱
臭作用は主として前者で、また殺菌作用は主として後者
で行われるように構成している。したがって、両フィル
タ１０、２０の順序は入れ換えても差し支えない。

【００２９】また、図２（Ａ）に示すように生物フィル
タ室１０および１０’を両端に配し、光触媒フィルタ室
２０を中央に置く構成、または同図（Ｂ）のように光触
媒フィルタ室２０を複数室として両端に配し、生物フィ
ルタ室１０を光触媒フィルタのサンドイッチ状となるよ
うに配列することも可能である。

【００３０】さらに、図３に示すように、図１、図２等
の最終フィルタ室から吐き出される排気に対して、付加
的処理室３０としてオゾンシャワー室を配設し、例えば
オゾン水シャワー３２を生成しておき、そのシャワー浴
により排気の殺菌作用を補足することもできる。

【００３１】また、このオゾン水シャワー室を光触媒フ
ィルタ室２０に配設することもできるが、生物フィルタ
１２に吸着された微生物に悪影響を与えないようにオゾ
ン水が生物フィルタ室１０に飛散しない構成とする必要
がある。なお、この場合、付加的処理室３０の底部、光
触媒フィルタ室２０の底部には排水装置を配設する必要
がある。

【００３２】

【発明の効果】本発明にかかる排気類の殺菌・脱臭装置
は、コンポスト、生ゴミ処理装置等の各種有機物系排気
発生設備に対して容易に適用可能に形成されている。し
たがって、本発明にかかる装置によれば各種設備類から
吐き出される有機質系の悪臭・異臭を含む排気に対し
て、生物（バイオ）フィルタに吸着されている微生物に
より各種臭気の分解消臭作用が行われ、また、紫外線に
よって励起された光触媒によるに消臭、殺菌、抗菌、抗
ウィルス等の作用が行われる。

【００３３】また、このような殺菌・脱臭作用が期待で
きる結果、コンポスト、生ゴミ処理装置等の各種有機物
系排気発生設備等が手軽に利用できることになり、生ゴ
ミ、家畜・ペット類の***物などの自家処理が可能とな
る。このように手軽な有機廃棄物処理が可能であること
から、生ゴミ等の自治体による生ゴミ等の処理量が低減
され、土壌改良に有効な有機肥料の生産を助長する効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる排気類の殺菌・脱臭装置の構成
例を示す側断面図である。

【図２】本発明にかかる排気類の殺菌・脱臭装置の他の
構成例を示す説明図である。

【図３】本発明にかかる排気類の殺菌・脱臭装置のさら
に他の構成例を示す説明図である。

【符号の説明】

１０生物（バイオ）フィルタ室１２生物フィルタ１４排気取り入れ口１６ブロア（押し込み）１８シャワーオゾンシャワー室１８２０光触媒フィルタ室２２光触媒フィルタ２４紫外線照射手段２６排気吐き出し口２８ブロア（吸引）３０付加的処理室（オゾンシャワー室）３２オゾン水シャワー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ０１Ｄ 53/86 Ｂ０１Ｄ 53/36 ＪＨＦターム(参考） 4C058 AA27 BB02 BB06 BB09 CC08 EE26 JJ30 4C080 AA07 AA10 BB02 BB05 CC04 CC08 CC13 CC14 CC15 KK08 MM02 MM08 MM33 QQ11 4D002 AA13 AA40 AB02 BA02 BA04 BA05 BA07 BA09 BA17 BA20 CA07 DA11 DA21 DA35 DA45 DA51 EA07 EA09 GA03 GB01 HA01 4D048 AA22 AB03 BA07X BA07Y BA41X BA41Y BB07 CC32 CC38 CC40 CD02 CD05 CD08 CD10 EA01

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】有機物系悪臭・異臭成分等を含む排気類
の取り入れ口を備え、臭気分解微生物の吸着せしめられ
た吸着体からなる生物フィルタを配置した生物フィルタ
室と、該生物フィルタ室を通過した排気を取り入れる取
り入れ部を備え、光触媒の付着せしめられた光触媒フィ
ルタおよび紫外線照射手段を配置した光触媒フィルタ室
と、を前後に組み合わせたことを特徴とする、排気類の
殺菌・脱臭装置。
【請求項２】前記光触媒が、酸化チタンであることを
特徴とする、請求項１に記載の排気類の殺菌・脱臭装
置。
【請求項３】前記紫外線発生手段が、低圧水銀放電ラ
ンプであることを特徴とする、請求項１または２のいず
れかに記載の排気類の殺菌・脱臭装置。
【請求項４】前記生物フィルタ室または前記光触媒フ
ィルタ室から吐き出される排気に対して、オゾンシャワ
ー室を付加してオゾン水シャワーを浴びせることを特徴
とする、請求項１ないし３のいずれかに記載の排気類の
殺菌・脱臭装置。