JP2001204494A - 糖化ヘモグロビンの測定キット - Google Patents

糖化ヘモグロビンの測定キット

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JP2001204494A
JP2001204494A JP2000054786A JP2000054786A JP2001204494A JP 2001204494 A JP2001204494 A JP 2001204494A JP 2000054786 A JP2000054786 A JP 2000054786A JP 2000054786 A JP2000054786 A JP 2000054786A JP 2001204494 A JP2001204494 A JP 2001204494A
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fructosyl valine
fructosyl
enzyme
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valine
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Koji Hayade
広司 早出
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は糖化ヘモグロビン(ヘモグロビンHA
lc;HbAlc)やその分解産物であるフルクトシル
トシルバリンの新規な測定方法を提供する。 【解決手段】本発明はフルクトシルアミン酸化酵素の反
応条件を鋭意検討した結果、フルクトシルアミン酸化酵
素を用いてフルクトシルバリンを選択的に反応させる以
下のa)〜c)のいずれかの反応条件 d)反応溶液のpHを6以下であること。 e)反応溶液の電解質濃度が200mM以上であること f)a)からb)の組み合わせによる反応条件。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な糖化ヘモグロ
ビン(ヘモグロビンAlc;HbAlc)の測定方法に
関する。より詳細には本発明は臨床検査などの分野で利
用され、HbAlcやその分解産物であるフルクトシル
バリンの測定方法ならびにその方法に基づき構築される
酵素センサーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】蛋白質主鎖および側鎖のアミノ基はグル
コースなどの還元糖の還元末端と非酵素的に結合して、
アマドリ化合物すなわち糖化蛋白質を生ずる。血中にお
いては、ヘモグロビンが糖化されて糖化ヘモグロビン
(グリコヘモグロビン;HbAlc)を生ずることが知
られている。糖尿病患者では健常人に比べてヘモグロビ
ンに対するHbAlcの存在比率が高いこと、およびH
bAlcの血中濃度は過去数週間の血糖値を反映するこ
とから、HbAlc血中濃度は糖尿病の診断および糖尿
病患者の血糖コントロールの指標として、臨床試験にお
いて極めて重要である。
【0003】HbAlcにおいては、ヘモグロビンβ鎖
のN末端のバリンにグルコースが結合していることか
ら、フルクトシルバリンをHbAlcの低分子モデル化
合物として用いることができる。すなわち、フルクトシ
ルバリンを基質とする酵素を用いて、HbAlcをアッ
セイすることが可能である。
【0004】これまでに、種々の菌株からアマドリ化合
物に対して作用する酵素が単離されており、これらの酵
素を用いてグリコアルブミン、HbAlcおよびフルク
トサミン等の糖化蛋白質を分析しうることが示唆されて
いる(特開昭61−268178、特開昭61−280
297、特開平3−155780、特開平5−1921
93、特開平7−289253、特開平8−15467
2、Agric.Biol.Chem.,53(1),
103−110,1989、Agric.Biol.C
hem.,55(2),333−338,1991、
J.Biol.Chem.,269(44),2729
7−27302,1994、Appl.Enviro
n.Microbiol.,61(12),4487−
4489,1995、Biosci.Biotech.
Biochem.,59(3),487−491,19
95、J.Biol.Chem.,270(1),21
8−224,1995、J.Biol.Chem.,2
71(51),32803−32809,1996、
J.Biol.Chem.,272(6),3437−
3443,1997)。
【0005】しかし、これまでに報告されているフルク
トシルアミン酸化酵素を用いて、糖化ヘモグロビンに存
在し、糖化ヘモグロビン含量の指標となるフルクトシル
アミン化合物である’フルクトシルバリンと、糖化アル
ブミンの主な分解産物として知られるフルクトシルアミ
ン化合物であるフルクトシルリジンとを区別することは
困難であった。
【0006】これはこれまでに報告されているフルクト
シルアミン酸化酵素の基質特異性に起因するものであ
る。したがって、フルクトシルアミン酸化酵素をフルク
トシルバリンに選択的に反応させることが期待されてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は糖化ヘモグロ
ビン(ヘモグロビンHAlc;HbAlc)やその分解
産物であるフルクトシルトシルバリンの新規な測定方法
ならびにその方法に基づき構築される分析キットおよび
酵素センサーシステムを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はフルクトシルア
ミン酸化酵素の反応条件を鋭意検討した結果、フルクト
シルアミン酸化酵素を用いてフルクトシルバリンを選択
的に反応させる条件を見出した。
【0009】すなわち、フルクトシルバリンとフルクト
シルリジンを同等、あるいはフルクトシルリジンをより
選択的に基質とするフルクトシルアミン酸化酵素の基質
特異性をフルクトシルバリンに選択的に反応させるため
の以下のa)〜c)のいずれかの反応条件 a)反応溶液のpHを6以下であること。 b)反応溶液の電解質濃度が200mM以上であること c)a)からb)の組み合わせによる反応条件 を提供する。本発明はまた、HbAlc分解して得られ
るフルクトシルバリンあるいはフルクトシルバリンを上
記反応条件のもとでフルクトシルアミン酸化酵素と反応
させることにより測定することを特徴とする測定方法を
提供する。
【0010】本発明はまた、上記記載の方法を実施する
ためのフルクトシルバリン測定キットを提供する。
【0011】本発明はまた、上記記載の方法でフルクト
シルバリンを測定することを実施するための糖化ヘモグ
ロビンの測定キットを提供する。
【0012】本発明はさらに本発明の測定方法に基づき
構築されるHbAlcあるいはフルクトシルバリン計測
用の酵素センサーシステムを提供する。
【0013】本発明はさらに本発明のHbAlcあるい
はフルクトシルバリンの測定方法ならびに分析キットに
おいてそのフルクトシルアミン酸化酵素がPichia
sp.N1−1株由来のフルクトシルアミン酸化酵素
であるものを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の方法において用いるフル
クトシルアミン酸化酵素は本発明を達成できるものであ
れば特に限定されるものではない。例えば、フルクトシ
ルアミン酸化酵素を産生する微生物を用いて製造するこ
とができる。その様な微生物の例としては、Pichi
a sp.N1−1株(FERM P−17326)が
挙げられる。微生物をフルクトシルバリンを含む適当な
天然または合成培地で培養する。フルクトシルバリンを
唯一の窒素源とする培地を用いて、フルクトシルバリン
酸化酵素を誘導することにより、酵素の収率を高めるこ
とが好ましい。フルクトシルバリンを唯一の窒素源とす
る培地としては、最少培地(例えばM9S)にフルクト
シルバリンを添加したものが挙げられる。培養液から遠
心分離などで菌体を回収した後、菌体をフレンチプレス
などで破砕する。これを超遠心分離し、フルクトシルバ
リン酸化酵素を含む水溶性画分を得ることができる。得
られた水溶性画分を、イオン交換クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィー、HPLCなどによ
り精製することにより、フルクトシルアミン酸化酵素を
調製する。本発明におけるフルクトシルバリンあるい
は、HbAlcを酵素的あるいは化学的に分解し生成し
たフルクトシルバリンを測定する方法は、以下に示す
a)〜c)の条件のもとでフルクトシルアミン酸化酵素
をこれらの基質に作用させる。フルクトシルバリンを同
条件下で特異的に酸化するフルクトシルアミン酸化酵素
としては上記で調製したPichia sp.N1−1
由来フルクトシルアミン酸化酵素などを使用することが
できる。 a)反応溶液のpHを6以下であること。 b)反応溶液の電解質の濃度が200mM以上であるこ
と c)a)からb)の組み合わせによる反応条件
【0015】フルクトシルアミン酵素の基質選択性は、
反応溶液のpHが7近辺では、図1に示されるように、
フルクトシルリジンを基質とした時の酵素活性に対する
フルクトシルバリンを基質とした時の酵素活性の比は2
以下であり、この2基質を区別する観点において実用上
問題がある。しかしpHの低下とともにフルクトシルバ
リンに対する反応比が向上し、pH6以下、好ましくは
pH5.5以下、より好ましくはpH5.0以下では比
活性は2以上となり、実用上十分に利用でき、フルクト
シルバリンに対する選択性が高くなる。
【0016】さらにフルクトシルアミン酸化酵素の基質
選択性は、反応溶液中の電解質濃度が図2および3に示
すように、200mM以下では、フルクトシルリジンを
基質とした時の酵素活性に対するフルクトシルバリンを
基質とした時の酵素活性の比は2以下であり、この2基
質を区別する観点において実用上問題がある。しかし、
反応溶液中の電解質濃度の増加とともに反応比が向上
し、反応溶液の電解質濃度が200mM以上、好ましく
は300mM以上、より好ましくは400mM以上では
比活性は2以上となり、実用上十分に利用でき、フルク
トシルバリンに対する選択性が高くなる。
【0017】酵素活性の測定 フルクトシルアミン酸化酵素活性は、酵素反応により消
費される酸素の量または発生する過酸化水素の量を定量
することにより測定することができる。当該技術分野に
おいては、酸素および過酸化水素を定量する種々の方法
が知られている。例えば、恒温セルにフルクトシルバリ
ン酸化酵素およびメディエーターを含む緩衝液を入れて
一定温度に維持し、ここにフルクトシルバリンを含む試
料を加え、酸化還元色素の呈色反応をモニターすること
により、フルクトシルアミン酸化酵素の活性を測定する
ことができる。あるいは、ペルオキシダーゼを用いて発
生する過酸化水素を定量することができる。このような
測定系としては、ペルオキシダーゼ〜4−アミノアンチ
ピリン系が知られており、種々の実験書(例えば生物工
学実験書 社団法人生物工学会編、培風館平成4年)に
記載されている。
【0018】さらに同様にしてフルクトシルアミン酸化
酵素の電子受容体として酸素ではなく、種々の人工電子
メディエーターを利用することができる。メディエータ
ーとしては、フェリシアン化カリウム、フェロセン、オ
スミウム誘導体、フェナジンメトサルフェートなどを用
いることができる。
【0019】アッセイキット 別の観点においては、本発明は、上記方法を実施するた
めのフルクトシルバリンアッセイキットを特徴とする。
本発明のフルクトシルバリンアッセイキットは、本発明
に従うフルクトシルバリン酸化酵素の測定条件を備えた
反応液を少なくとも1回のアッセイに十分な量で含む。
典型的には、キットは、フルクトシルアミン酸化酵素と
本発明の条件にしたがったアッセイに必要な緩衝液、適
当なメディエーター、および必要な場合にはペルオキシ
ダーゼ等の酵素、キャリブレーションカーブ作製のため
のフルクトシルバリンもしくはその誘導体の標準溶液、
ならびに使用の指針を含む。本発明に従うフルクトシル
バリン分析キットは種々の形態で、例えば、凍結乾燥さ
れた試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として
提供することができる。
【0020】さらに別の観点においては、本発明はHb
Alcアッセイキットを特徴とする。HbAlcを酵素
的または化学的に分解することによりフルクトシルバリ
ンが生成し、これを本発明のフルクトシルバリン分析キ
ットを用いて定量することによりHbAlcをアッセイ
することができる。したがって、本発明のHbAlcア
ッセイキットは、上述のフルクトシルバリンアッセイキ
ットにさらに加水分解試薬または蛋白質分解酵素を含
む。
【0021】酵素センサーシステム 別の観点においては、本発明は、フルクトシルバリン計
測用センサーシステムおよびHbAlc計測用センサー
システムを特徴とする。本発明のセンサーシステムを用
いて、本発明の反応条件下でフルクトシルアミン酸化酵
素の作用により消費される酸素または発生する過酸化水
素を計測することにより、基質であるフルクトシルバリ
ンの濃度を決定することができる。酸素または過酸化水
素を測定する種々のセンサー系が当該技術分野において
知られている。電極としては、酸素電極、カーボン電
極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明
の酵素を固定化する。固定化方法としては、架橋試薬を
用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透
析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマ
ー、酸化還元ポリマーなどがあり、これらを組み合わせ
て用いてもよい。
【0022】酸素電極を用いる場合には、電極表面に酵
素を固定化して、緩衝液中に挿入して一定温度に保持す
る。ここに試料を加えて電流の減少値を測定する。
【0023】カーボン電極、金電極、白金電極などを用
いてアンペロメトリック系で測定する場合には、作用電
極として酵素を固定化したこれらの電極を用い、対極
(例えば白金電極)および参照電極(例えばAg/Ag
Cl電極)とともに、メディエーターを含む緩衝液中に
挿入して一定温度に保持する。作用電極に一定の電圧を
印加し、試料を加えて電流の増加値を測定する。メディ
エーターとしては、フェリシアン化カリウム、フェロセ
ン、オスミウム誘導体、フェナジンメトサルフェートな
どを用いることができる。
【0024】あるいは同様の酵素電極を本発明の反応条
件のもとで酵素反応の結果生成する過酸化水素を測定す
ることによっても分析に用いることができる。すなわ
ち、作用電極として酵素を固定化したこれらの電極を用
い、対極(例えば白金電極)および参照電極(例えばA
g/AgCl電極)とともに、本発明の条件下の緩衝液
中に挿入して一定温度に保持する。作用電極に一定の電
圧を印加し、試料を加えて酵素反応の結果生じる過酸化
水素に起因する電流の増加値を測定する。図5に、フル
クトシルアミン酸化酵素と白金電極を組み合わせた酵素
センサーシステムの概略図を示す。
【0025】さらにカーボン電極、金電極、白金電極な
どを用いてアンペロメトリック系で測定する方法とし
て、固定化電子メディエータを用いる系がある。すなわ
ち、作用電極として酵素およびフェリシアン化カリウ
ム、フェロセン、オスミウム誘導体、フェナジンメトサ
ルフェートなどの電子メディエータを吸着あるいは共有
結合法により高分子マトリックスに固定化したこれらの
電極を用い、対極(例えば白金電極)および参照電極
(例えばAg/AgCl電極)とともに、緩衝液中に挿
入して一定温度に保持する。作用電極に一定の電圧を印
加し、試料を加えて電流の増加値を測定する。
【0026】いずれの電極を用いる場合にも、標準濃度
のフルクトシルバリン溶液により作製したキャリブレー
ションカーブに従い、試料中のフルクトシルバリン濃度
を求めることができる。HbAlc計測用センサーシス
テムとして用いる場合は、上述のフルクトシルバリン計
測用センサーシステムに、さらに蛋白質分解酵素(例え
ばプロテアーゼ)を固定化した膜などを組み合わせて、
複合センサーシステムを構築する。このような、複数の
酵素の組み合わせによる連続的反応を用いる複合センサ
ーシステムの構造は、当該技術分野においてよく知られ
ており、例えばBiosensors−Fundame
ntal and Applications−Ant
hony P.F.Tuner,Isao Karub
e and GerogeS.Wilson,Oxfo
rd University Press 1987に
記載されている。
【0027】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。実施例1 最少培地(NaHPO 6%,KHPO 0.
3 %,NaCl 3%,MgSO 0.01%,C
aCl 0.01%,D−グルコース1%)150m
lに、窒素源として終濃度0.52%のフルクトシルバ
リンを添加した培地で培養した。この培地を用いて、P
ichia sp.N1−1を培養し、得られた菌体を
10mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)を用いて洗浄す
る。この菌体を酵素Zymolyaseによって消化し
細胞を破砕する。この破砕液を超遠心分離(4000r
pm、20min)の後、その上清を凍結乾燥し、濃縮
する。この酵素濃縮液を酵素試料として用いる。あるい
はさらに陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製し
た酵素標品を用いることもできる。このようにして得ら
れたフルクトシルアミン酸化酵素(FAO)を用いて、
フルクトシルバリンの選択性のpH依存性を以下のよう
に検討した。緩衝溶液としてはpH4.9〜8.2に調
整した0.5MのMcIlvaine緩衝溶液を用い
た。活性測定はフルクトシルアミン類の酸化に基づき発
生する過酸化水素をペルオキシダーゼ〜4−アミノアン
チピリン系で測定した。基質としてフルクトシルバリン
とフルクトシルリジンを用いたときの酵素活性のpH依
存性を図1に示す。本緩衝液中においてはpH7.0以
上ではフルクトシルリジンに対する酵素活性のフルクト
シルバリンに対する酵素活性の比は1.5以下であっ
た。しかしpHの低下とともにフルクトシルバリンに対
する反応比が向上し、pH4.9においてはフルクトシ
ルリジンに対する酵素活性のフルクトシルバリンに対す
る酵素活性の比は5となり、フルクトシルバリンに対し
て選択性が高くなった。実施例2 実施例1と同様にPichia sp.N1−1由来F
AOを用いてFAOの選択性の緩衝溶液濃度の依存性を
検討した。緩衝溶液としてはpH7.0に調整した5m
M〜500mMのリン酸カリウム緩衝溶液を用いた。活
性測定はフルクトシルアミン類の酸化に基づき発生する
過酸化水素をペルオキシダーゼ〜4−アミノアンチピリ
ン系で測定した。基質としてフルクトシルバリンとフル
クトシルリジンを用いたときの酵素活性の緩衝溶液濃度
依存性を図2に示す。本緩衝液中においては5mM〜1
00mM付近では、フルクトシルリジンを基質とした時
の酵素活性に対するフルクトシルバリンを基質とした時
の酵素活性の比は1.5以下であった。しかし緩衝溶液
の濃度の増加とともににフルクトシルバリンに対する反
応比が向上し、500mMにおいてはフルクトシルリジ
ンに対する酵素活性のフルクトシルバリンに対する酵素
活性の比は8.5となり、フルクトシルバリンに対して
選択性が高くなった。実施例3 実施例1と同様にPichia sp.N1−1由来F
AOを用いてFAOの選択性の緩衝溶液中のNaCl濃
度の依存性を検討した。緩衝溶液としてはpH7.0に
調整した10mMのリン酸カリウム緩衝溶液を用い、N
aCl濃度は0〜1000mMの間で検討した。活性測
定はフルクトシルアミン類の酸化に基づき発生する過酸
化水素をペルオキシダーゼ〜4−アミノアンチピリン系
で測定した。基質としてフルクトシルバリンとフルクト
シルリジンを用いたときの酵素活性の緩衝溶液中のNa
Cl濃度依存性を図3に示す。本緩衝液中においてはN
aCl濃度0mM〜50mM付近ではフルクトシルリジ
ンを基質とした時の酵素活性に対するフルクトシルバリ
ンを基質とした時の酵素活性の比1.5以下であった。
しかし緩衝溶液中のNaClの濃度の増加とともににフ
ルクトシルバリンに対する反応比が向上し、NaCl濃
度500mMにおいてはフルクトシルリジンに対する酵
素活性のフルクトシルバリンに対する酵素活性の比は3
となり、フルクトシルバリンに対して選択性が高くなっ
た。実施例4 実施例2と同様にFusallium oxyspor
um f.sp.fragariae(IFO 311
80)由来FAOを用いてFAOの選択性の緩衝溶液濃
度の依存性を検討した。IFO31180は最少培地
(NaHPO6%,KHPO 0.3 %,N
aCl 3%,MgSO 0.01%,CaCl
0.01%,D−グルコース1%)150mlに、窒素
源として終濃度0.52%のフルクトシルリジンを添加
した培地で培養した。えられた菌体を洗浄後、ガラスビ
ーズで破砕した。この破砕液を遠心分離(5000g、
20min)によって調製した上清を10mMリン酸緩
衝溶液(pH7.0)で一晩透析の後、凍結乾燥により
濃縮した。このようにして調製した酵素濃縮液を酵素試
料として用いた。緩衝溶液としてはpH7.0に調整し
た5mM〜500mMのリン酸カリウム緩衝溶液を用い
た。活性測定はフルクトシルアミン類の酸化に基づき発
生する過酸化水素をペルオキシダーゼ〜4−アミノアン
チピリン系で測定した。基質としてフルクトシルバリン
とフルクトシルリジンを用いたときの酵素活性の緩衝溶
液濃度依存性を図4に示す。本緩衝液中においては5m
M〜50mM付近ではフルクトシルリジンを基質とした
時の酵素活性に対するフルクトシルバリンを基質とした
時の酵素活性の比は1.5以下であった。しかし緩衝溶
液の濃度の増加とともににフルクトシルバリンに対する
反応比が向上し、500mMにおいてはフルクトシルリ
ジンに対する酵素活性のフルクトシルバリンに対する酵
素活性の比は8.5となり、フルクトシルバリンに対し
て選択性が高くなった。実施例5 実施例1と同様にPichia sp.N1−1由来F
AOを調製して、同酵素を用いたフルクトシルアミン類
計測用の酵素センサーシステムを構築した。センサーシ
ステムの構成図を図5に示す。同酵素を0.03U含む
50μリットルのリン酸緩衝液をろ紙に含浸させ、これ
を直径3ミリメートルのBAS社製の白金電極上に装着
し、これを透析膜で覆った。本酵素センサーを500m
Mリン酸緩衝溶液pH7.0あるいは10mMリン酸緩
衝溶液pH7.0に浸漬した。測定は、フルクトシルバ
リンあるいはフルクトシルリジン1mM添加時の酵素セ
ンサーの信号を25℃で、印加電位600mV vs
Ag/AgClとしてフルクトシルアミン類の酸化によ
り生じた過酸化水素を測定した。FAOの選択性の緩衝
溶液濃度の依存性を検討した。緩衝溶液としてはpH
7.0に調整した10mリン酸カリウム緩衝溶液を用い
たときにはフルクトシルリジンを基質とした時の酵素活
性に対するフルクトシルバリンを基質とした時の酵素活
性の比は1.0であった。しかし500mMにおいては
フルクトシルリジンに対する酵素活性のフルクトシルバ
リンに対する酵素活性の比は4.5となり、フルクトシ
ルバリンに対して選択性が高くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は酵素としてPichia sp.N1−1由
来フルクトシルアミン酸化酵素を用いたときの、フルク
トシルバリンへの酵素反応の選択性のpH依存性
【図2】は酵素としてPichia sp.N1−1由
来フルクトシルアミン酸化酵素を用いたときの、フルク
トシルバリンへの酵素反応の選択性のリン酸緩衝溶液濃
度依存性
【図3】は酵素としてPichia sp.N1−1由
来フルクトシルアミン酸化酵素を用いたときの、フルク
トシルバリンへの酵素反応の選択性のNaCl濃度依存
【図4】は酵素としてFusallium IFO31
180 フルクトシルアミン酸化酵素を用いたときの、
フルクトシルバリンへの酵素反応の選択性ののリン酸緩
衝液濃度依存性
【図5】は酵素としてPichia sp.N1−1由
来フルクトシルアミン酸化酵素を用いて構築した酵素セ
ンサーシステム構成図

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルクトシルバリンの測定方法であり、フ
    ルクトシルバリンを以下のa)〜c)のいずれかの条件
    のもとでフルクトシルアミン酸化酵素を作用させること
    を特徴とするフルクトシルバリンの測定方法。 a)反応溶液のpHを6以下であること。 b)反応溶液の電解質濃度が200mM以上であること c)a)からb)の組み合わせによる反応条件
  2. 【請求項2】糖化ヘモグロビン(ヘモグロビンAlc;
    HbAlc)の測定方法であり、試料中のHbAlcを
    分解して生成させたフルクトシルバリンを請求項1記載
    の方法で定量することを含む方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法を実施するためフルク
    トシルバリン測定キット。
  4. 【請求項4】請求項1記載の方法を実施するための糖化
    ヘモグロビンの測定キット。
  5. 【請求項5】pH6以下で電解質濃度200mM以上で
    あり、Pichia sp.N1−1由来のフルクトシ
    ルアミン酸化酵素を含むフルクトシルバリン測定キッ
    ト。
  6. 【請求項6】請求項1記載の方法を含むフルクトシルバ
    リン測定用酵素センサーシステム。
  7. 【請求項7】請求項1記載の方法を含む糖化ヘモグロビ
    ンの測定用酵素センサーシステム。
  8. 【請求項8】請求項1から7において酵素がPichi
    a sp.N1−1由来のフルクトシルバリン酸化酵素
    であるもの。
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