JP2001200045A - ポリエステル製造用触媒及びそれを用いるポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステル製造用触媒及びそれを用いるポリエステルの製造方法

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JP2001200045A
JP2001200045A JP2000007289A JP2000007289A JP2001200045A JP 2001200045 A JP2001200045 A JP 2001200045A JP 2000007289 A JP2000007289 A JP 2000007289A JP 2000007289 A JP2000007289 A JP 2000007289A JP 2001200045 A JP2001200045 A JP 2001200045A
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Masatoshi Aoyama
雅俊 青山
Kenichi Tsutsumi
賢一 堤
Keisuke Honda
圭介 本田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形加工性及び耐熱性に優れ、繊維用、フィル
ム用、ボトル用等の成形体の製造において口金汚れ、濾
圧上昇、糸切れなどの問題が解消されたポリエステルを
製造するためのポリエステル製造用触媒及びポリエステ
ルの製造方法を提供する。 【解決手段】主たる成分が酸化チタンであり、分子量が
500〜100000(g/mol)であるチタン化合
物であることを特徴とするポリエステル製造用触媒及び
それを用いたポリエステルの製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形加工性及び耐熱
性に優れたポリエステルを与えるポリエステル製造用触
媒及びそれを用いるポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは、その優れた性質のゆえ
に、繊維用、フィルム用、ボトル用をはじめ広く種々の
分野で用いられている。なかでもポリエチレンテレフタ
レ−トは機械的強度、化学特性、寸法安定性などに優
れ、好適に使用されている。
【0003】一般にポリエチレンテレフタレートは、テ
レフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレン
グリコールから製造されるが、高分子量のポリマを製造
する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモ
ン化合物が広く用いられている。しかしながら、アンチ
モン化合物を含有するポリマは以下に述べるような幾つ
かの好ましくない特性を有している。
【0004】例えば、アンチモン触媒を使用して得られ
たポリエステルを溶融紡糸して繊維とするときに、アン
チモン触媒の残査が口金孔周りに堆積することが知られ
ている。この堆積が進行するとフィラメントに欠点が生
じる原因となるため、適時除去する必要が生じる。アン
チモン触媒残査の堆積が生じるのは、ポリマー中のアン
チモン化合物が口金近傍で変成し、一部が気化、散逸し
た後、アンチモンを主体とする成分が口金に残るためで
あると考えられている。
【0005】また、ポリマー中のアンチモン触媒残査は
比較的大きな粒子状となりやすく、異物となって成形加
工時のフィルターの濾圧上昇、紡糸の際の糸切れあるい
は製膜時のフィルム破れの原因になるなどの好ましくな
い特性を有している。
【0006】上記のような背景からアンチモン含有量が
極めて少ないか、あるいは含有しないポリエステルが求
められている。
【0007】アンチモン系化合物以外の重縮合触媒とし
ては、一般にアルコキシチタンのようなチタン系化合物
が活性の高い化合物として知られている。また最近では
例えばWO95/18839等には、主たる金属元素が
チタン及びケイ素からなる特殊なチタン系化合物も提案
されている。しかしながら、単に触媒組成をこのような
チタン系組成としたのみでは、上記したようなアンチモ
ン触媒に起因する課題は解消されるものの、ポリマーの
耐熱性が低下し、該ポリマーの成形加工時の操業性が低
下するという別の課題が発生するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のポリエステルの製造におけるチタン系化合物触媒の有
する問題点を解消し、成形加工性及び耐熱性に優れたポ
リエステル組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、主たる成分が酸化チタンであり、分子量が500〜
100000(g/mol)であるチタン化合物である
ことを特徴とするポリエステル製造用触媒ならびに該化
合物を用いるポリエステルの製造方法により達成され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルはジカルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまた
はそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーで
あって、繊維、フィルム、ボトル等の成形品として用い
ることが可能なものであれば特に限定はない。
【0011】このようなポリエステルとして具体的に
は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメ
チレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2
−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシ
レート、ポリプロピレンテレフタレートなどが挙げられ
る。本発明は、なかでも最も汎用的に用いられているポ
リエチレンテレフタレートまたはエチレンテレフタレー
トを主体としたポリエステル共重合体において好適であ
る。
【0012】また、これらのポリエステルには、共重合
成分としてアジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フ
タル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸などのジカ
ルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、ポリエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレン
グリコールなどのジオキシ化合物、p−(β−オキシエ
トキシ)安息香酸などのオキシカルボン酸およびそのエ
ステル形成性誘導体などを共重合してもよい。
【0013】本発明のチタン化合物は、主たる成分が酸
化チタンであり、分子量が500〜100000(g/
mol)であるチタン化合物からなる。すなわち、テト
ラブチルチタネートなどの従来から知られているチタン
系のポリエステル製造用触媒のように、1分子中のチタ
ン原子が一つである単分子状のチタン化合物ではなく、
ある程度の大きさを有する分子が一つの触媒として機能
することが必要である。このような形態を有することに
よって、従来の単分子状のチタン化合物では達成できな
かった高度なポリエステルの耐熱性が得られる。この理
由は明確ではないが、触媒がある程度の大きさとなるこ
とで、触媒活性が温和になり、ポリエステルの分解に対
する活性も抑制されるためではないかと推定される。一
方、チタン化合物の分子量が大きすぎると、触媒活性は
大きく低下し、また、異物が生成しやすくなるため好ま
しくない。本発明のチタン化合物の分子量は1000〜
50000(g/mol)がより好ましく、1500〜
20000(g/mol)がさらに好ましく、2000
〜10000(g/mol)が特に好ましい。
【0014】また、本発明のチタン化合物は、チタン原
子換算でポリエステルに対して0.5〜300ppmと
なるように添加することが、得られるポリエステルの耐
熱性の点で好ましく、より好ましくは2〜200pp
m、さらに好ましくは3〜100ppm、特に好ましく
は3〜50ppmである。
【0015】本発明のチタン化合物の製造方法は、特に
限定されないが、例えば、チタンのアルコキシド化合物
を原料として、加水分解反応により製造する方法におい
て、この加水分解の速度を制御することによって得られ
る。具体的には、例えば主原料であるチタンアルコキシ
ド化合物に対して、ケイ素やジルコニウム等の少量の他
の金属アルコキシド化合物や多価アルコール化合物を共
存させ、両者の共沈法、部分加水分解法、配位化学ゾル
・ゲル法等によって合成することができる。ここで共沈
法とは2種あるいはそれ以上の成分を含有する所定の組
成の溶液を調製し、その組成のまま加水分解反応を進行
させる方法である。また、部分加水分解法とは、一方の
成分をあらかじめ加水分解した状態としておき、そこへ
もう一方の成分を加えさらに加水分解を進行させる方法
である。また、配位化学ゾル・ゲル法とは、チタンアル
コキシド原料とともに分子内に官能基を複数持つ多価ア
ルコール化合物等を共存させ、両者の間であらかじめ反
応物を形成させることによって、その後の加水分解反応
の速度を制御しようとするものである。以上のような化
合物の合成方法は、例えば、上野ら、「金属アルコキシ
ドを用いる触媒調製」、アイピーシー(1993)等に
記載されている。
【0016】上記した化合物の製造に用いるチタンアル
コキシドとしては、例えば、チタンイソプロピレート、
チタンエチレートまたはチタン−tert−ブチレート
などが挙げられる。また、反応を行う溶媒としては、例
えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール等が挙げられる。
【0017】ここで、多価アルコール化合物を共存させ
る合成方法は比較的加水分解速度を制御しやすいため好
ましい。用いる多価アルコール化合物としては、例え
ば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタジオール1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオールなどのジオール類や、グリセロー
ル、プロパントリオール、ヘキサントリオール、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル等の3価以上のアルコール類が挙げられる。チタン化
合物の安定性の点でジオール類が好ましく、特に炭素数
が5以上のジオール類が好ましい。
【0018】さらに、この製造方法において得られる酸
化チタンについては、多価アルコールをチタン原子に対
してモル比率(多価アルコール/チタン)で0.1〜1
0となるように多価アルコール化合物を含有していると
得られるポリエステルの耐熱性が良好となり好ましい。
より好ましくはモル比率(多価アルコール/チタン)が
0.5〜5、特に好ましくは0.7〜1.2である。
【0019】本発明のポリエステル製造用触媒の使用に
おいては併せてリン化合物を用いると得られるポリマー
の耐熱性がより向上するため好ましい。リン化合物は得
られるポリマー中において、チタン原子に対するリン原
子のモル比率がTi/P=0.1〜20の比率となるよ
うに添加することが好ましい。より好ましくはTi/P
=0.2〜10、さらに好ましくはTi/P=0.3〜
5である。
【0020】このようなリン化合物としては特に限定さ
れないが、例えば、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び
これらの低級アルキルエステルやフェニルエステルが挙
げられるが特に限定はない。具体的には、例えば、リン
酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ
フェニル、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、メチルホス
ホン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、メ
チルホスホン酸メチルエステル、フェニルホスホン酸エ
チルエステル、ベンジルホスホン酸フェニルエステル、
ホスホノ酢酸エチルエステル等が挙げられる。
【0021】本発明のポリエステルの製造においては、
チタン化合物やリン化合物と併せてアルカリ土類金属化
合物やコバルト化合物などを添加しても良い。
【0022】ここで、アルカリ土類金属化合物及び/ま
たはコバルト化合物の添加量はその合計量として金属原
子換算でポリエステルに対して5〜300ppmである
とポリマーの耐熱性や色調が良好となり好ましい。より
好ましくは5〜150ppm、さらに好ましくは10〜
100ppmである。
【0023】なかでもコバルト化合物はポリエステルの
色調が特に良好となるため好ましい。コバルト化合物の
添加量は、金属原子換算で得られるポリエステルに対し
て5〜250ppmとなるように添加することが好まし
く、より好ましくは5〜120ppm、さらに好ましく
は10〜80ppmである。また、チタン化合物とコバ
ルト原子のモル比(Ti/Co)で0.3〜20とする
と、ポリエステルの耐熱性がとくに良好となり好まし
い。
【0024】このようなアルカリ土類金属化合物やコバ
ルト化合物としては、特に限定されないが、例えば、各
アルカリ土類金属の塩化物、酢酸塩、炭酸塩等、また、
塩化コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、コバルト
アセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、酢酸コバ
ルト4水塩等が挙げられる。
【0025】本発明で製造されるポリエステルは、成形
加工工程での各種ガイド、ローラー等の接触物との摩擦
を低減し工程通過性を向上させたり、製品の色調を調製
する目的で各種の従来公知の粒子を含有していてもよ
い。
【0026】粒子の種類は特に限定されず、従来公知の
粒子のいずれでも用いることができる。具体的には、例
えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等
の無機粒子や、架橋ポリスチレン等の有機高分子粒子を
用いることができる。これらの粒子の中でも二酸化チタ
ン粒子は、ポリマー中での分散性が良好で、比較的低コ
ストであることから好ましい。
【0027】これらの粒子は、湿式、乾式の種々の方法
で製造され、必要に応じて、粉砕、分級等の前処理を施
された上で、ポリエステルの反応系に添加される。ポリ
エステル反応系への粒子の添加は、重縮合反応が始まる
以前の任意の段階で良いが、実質的にエステル化反応ま
たはエステル交換反応を完結させた後に添加するとポリ
マー中での粒子の分散性が良好となるため好ましい。
【0028】ここで、粒子のポリマーに対する添加量や
粒子径は、適用する用途によって変わり、特に限定され
ないが、ポリエステル組成物に対し0.001〜20重
量%、平均粒子径として0.05〜5μmの範囲である
と、工程通過性や色調が特に良好となり好ましい。
【0029】本発明のポリエステルの製造方法につい
て、ポリエチレンテレフタレートを例にとって説明す
る。
【0030】繊維やフィルム等に使用するポリエチレン
テレフタレートは通常、次のいずれかのプロセスで製造
される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリ
コールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子
量体またはオリゴマーを得、さらにその後の重縮合反応
によって高分子量ポリマを得るプロセス、(2)ジメチ
ルテレフタレート(DMT)とエチレングリコールを原
料とし、エステル交換反応によって低分子量体またはオ
リゴマーを得、さらにその後の重縮合反応によって高分
子量ポリマを得るプロセスである。ここで一般にはエス
テル化は無触媒で反応を進行させ、一方、エステル交換
反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネ
シウム、亜鉛、リチウム等の化合物を触媒に用いて進行
させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、
該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物
を添加することが行われる。
【0031】本発明のポリエステル製造用触媒は、重縮
合触媒だけでなく、エステル化反応やエステル交換反応
の触媒としても用いることができる。エステル化反応や
エステル交換反応の触媒として用いる場合には、(1)
または(2)の一連の反応の開始前に添加する。このと
き、引き続き重縮合触媒として作用させる場合には、必
要に応じて、重縮合反応が実質的に開始される前までの
任意の時期に本発明のポリエステル製造用触媒を追加添
加しても良い。また、本発明のポリエステル製造用触媒
を主として重縮合反応として用いる場合には、重縮合反
応が実質的に開始される前までの任意の時期に添加すれ
ば良い。また、リン化合物は(1)または(2)の前半
の反応が実質的に完結した段階かそれより以降の任意の
時期に添加することが好ましい。
【0032】また、本発明のポリエステル製造用触媒
は、固体あるいは液体のまま反応系に添加しても良い
が、例えばもともと室温での形態が固体状態の場合、従
来公知の湿式あるいは乾式の粉砕処理を施した後に粉末
状態で添加したり、エチレングリコール等に分散したス
ラリーとして添加する、あるいはさらに、水、有機溶媒
または両者の混合物に溶解し、溶液とした後、反応系に
添加すると反応系中での分散が均一に進みやすく好まし
い。特に、水、有機溶媒または両者の混合物に溶解し、
溶液とした後、反応系に添加するとポリマー中で異物と
なりにくく好ましい。
【0033】また上記の反応は回分式、半回分式あるい
は連続式等の形式で実施されるが、本発明の製造方法は
そのいずれの形式にも適用し得る。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測
定した。 (1)ポリエステルの固有粘度[η] オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定し
た。 (2)ポリエステル中のチタン、ケイ素、リン、アルカ
リ土類金属、コバルト等の含有量 リン、アルカリ土類金属、コバルトの含有量は蛍光X
線、チタン、ケイ素を含むそれ以外の金属含有量につい
てはICP(誘導結合型プラズマ)発光分析により求め
た。
【0035】なお、対象となるポリエステル組成物が二
酸化チタン粒子や酸化ケイ素粒子を含有している場合、
本発明の触媒残渣である主たる金属元素がチタン及びケ
イ素からなる複核酸化物の含有量を確認するためには、
粒子の影響を除去するために次の前処理をした上で蛍光
X線またはICP発光分析を行う。すなわち、ポリエス
テル組成物をオルソクロロフェノールに溶解し、遠心分
離器で粒子を沈降させる。その後、傾斜法で上澄み液の
みを回収し、アセトン添加によりポリマーを再析出、濾
過、洗浄して粒子を除去したポリマーとする。遠心分離
の際、ポリマー溶液の粘度が高い場合にはクロロホルム
をさらに加えて該ポリマー溶液の粘性を調製することも
できる。以上の前処理を施して得られた粒子を除去した
ポリマーについて金属分析を行う。 (3)ポリエステル組成物の色調 スガ試験機(株)社製の色差計(SMカラーコンピュー
タ型式SM−3)を用いて、ハンター値(L、a、b
値)として測定した。
【0036】ポリマー色調としてはb値が5以下である
ことが好ましく、より好ましくは4以下、特に好ましく
は2以下である。 (4)ポリエステル組成物のカルボキシル末端基量 Mauriceらの方法[Anal.Chim.Act
a,22,p363(1960)]によった。
【0037】末端基量としては30当量/ton未満で
あることが好ましく、さらには25当量/ton以下で
ある。 (5)ポリエステル組成物の耐熱性 ポリエステル組成物のペレットを予め150℃、133
Pa以下の減圧下で10時間乾燥した後、試験管に適量
を仕込む。この試験管内部を窒素パージした後、予め3
00℃に昇温したシリコーンオイルバスに浸漬、保持す
る。内容物全体が溶解した時点及びそれから8時間経過
したポリマーをサンプリングし、それぞれの固有粘度
[IV]0、[IV]1としたとき、次の式1で示され
る値を耐熱性の指標とした。
【0038】 (耐熱性指標)={[IV]0−[IV]1}/[IV]0 …(式1) 耐熱性の指標が0.55未満を1級、0.55以上0.
60未満を2級、0.60以上0.65未満を3級、
0.65以上を4級とした。1〜3級のポリマーは成形
加工時の重合度低下が少なく好ましい。 (6)チタン化合物の分子量 GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を
用いて得られるポリスチレン換算の重量平均分子量を該
チタン化合物の分子量とした。 実施例1 チタンテトライソプロピレートと1,6−ヘキサンジオ
ールをチタン原子に対するジオールのモル比率が1.0
となるように混合する。この混合溶液10部にエタノー
ル20部を加え、60〜70℃で3時間攪拌したもの
に、2部の水を含むエタノール3部をゆっくりと滴下、
90〜100℃に加熱して透明なゲルを得た。このゲル
をさらに同温度で15時間放置し熟成させた。このエタ
ノール液中に含まれるゲルの重量平均分子量をGPCで
測定したところ、ポリスチレン換算で5000g/mo
lであった。
【0039】一方、高純度テレフタル酸とエチレングリ
コールから常法に従って製造した、触媒を含有しない低
重合体を250℃で溶融、撹拌し、該溶融物に、リン酸
をリン原子換算で得られるポリエステルに対して30p
pmとなるように添加した。その後、酢酸コバルト4水
塩をコバルト原子換算で50ppmとなるように添加
し、さらにその後、先に調製したチタン化合物のエタノ
ール液を最終的に得られるポリエステル中でのチタン化
合物の含有量がチタン原子換算で20ppmとなるよう
に添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しな
がら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温す
るとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最
終圧力到達までの時間はともに70分とした。所定の攪
拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻
し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直
ちにカッティングしてポリエステルのペレットを得た。
なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は
2時間50分であった。
【0040】得られたポリマーの固有粘度は0.65、
カルボキシル末端基量15当量/ton、ポリマーの色
調はL=60、b=2.0、耐熱性指標0.51であっ
た。またICP発光分析から、チタン原子の含有量が2
0ppmであることを確認した。このように色調、耐熱
性良好なポリエステルのペレットを得た。
【0041】このペレットを乾燥した後、エクストルー
ダ型紡糸機に供給し、紡糸温度295℃で溶融紡糸し
た。このときフィルターとして絶対濾過精度10μmの
金属不織布を使用し、口金は0.6mmφの丸孔を用い
た。口金から吐出した糸を長さ30cm、内径25cm
φ、温度300℃の加熱筒で徐冷後、チムニー冷却風を
当てて冷却固化し、給油した後、引き取り速度550m
/分で引き取った。この未延伸糸を延伸温度95℃で延
伸糸の伸度が14〜15%となるように適宜延伸倍率を
変更しながら延伸した後、熱処理温度220℃、リラッ
クス率2.0%で熱処理し延伸糸を得た。
【0042】溶融紡糸工程においては、紡糸時の濾圧上
昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとん
どなく成形加工性の良好なポリマーであった。 実施例2〜6、比較例1〜3 触媒化合物の種類、添加量、併用する化合物の種類、添
加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリマーを
重合し、溶融紡糸を行った。結果を表1及び表2に示し
た。
【0043】なお、実施例3のポリエステルは直接重合
法においてエステル化反応開始前に本発明のチタン化合
物を添加し、エステル化反応及び重縮合反応にわたって
触媒として使用して得られたポリマーである。
【0044】本発明のものは色調、耐熱性及び溶融紡糸
挙動が良好であったが、本発明外のものは、色調や耐熱
性が劣ったり、溶融紡糸工程において濾圧上昇が顕著と
なったり、糸切れが多く発生した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明のポリエステル製造用触媒を用い
て得られるポリエステルは、成形加工性及び耐熱性に優
れ、繊維用、フイルム用、ボトル用等の成形体の製造に
おいて口金汚れ、濾圧上昇、糸切れなどの問題が解消さ
れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AB07 AC01 AC02 AE01 AE02 AE03 BA03 BA05 BA08 BD07A CB06A CC06A CG25X HA01 HA02 HB01 HB02 JA091 JA231 JB131 JC481 JC571 JC581 JE241 JF321 KB18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主たる成分が酸化チタンであり、分子量が
    500〜100000(g/mol)であるチタン化合
    物であることを特徴とするポリエステル製造用触媒。
  2. 【請求項2】チタン原子に対して多価アルコール化合物
    をモル比率(多価アルコール/チタン)で0.1〜10
    となるように含有していることを特徴とする請求項1記
    載のポリエステル製造用触媒。
  3. 【請求項3】ポリエステルを製造するに際して、請求項
    1または2記載のポリエステル製造用触媒を用い、該触
    媒に対するリン化合物をチタン原子に対するリン原子の
    モル比率(Ti/P)として0.1〜20となるように
    添加することを特徴とするのポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】ポリエステル製造用触媒を、あらかじめ、
    水、有機溶媒または両者の混合物に溶解した後、反応系
    に添加することを特徴とする請求項3記載のポリエステ
    ルの製造方法。
JP2000007289A 2000-01-17 2000-01-17 ポリエステル製造用触媒及びそれを用いるポリエステルの製造方法 Pending JP2001200045A (ja)

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