JP2001198449A - 水熱反応方法および装置 - Google Patents

水熱反応方法および装置

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JP2001198449A
JP2001198449A JP2000152768A JP2000152768A JP2001198449A JP 2001198449 A JP2001198449 A JP 2001198449A JP 2000152768 A JP2000152768 A JP 2000152768A JP 2000152768 A JP2000152768 A JP 2000152768A JP 2001198449 A JP2001198449 A JP 2001198449A
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hydrothermal
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JP2000152768A
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David A Hazlebeck
エー ハズルベック ダビッド
W Oodowei David
ダブリュー オードウェイ ダビッド
Yasuhiko Hatake
康彦 畠
Kenzo Hori
謙三 堀
Satoru Nakayama
哲 中山
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Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
General Atomics Corp
Original Assignee
Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
General Atomics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の阻害物質を効率よく分離して、高温で
効率よく窒素化合物を分解することができる水熱反応方
法および装置を提案する。 【解決手段】 水熱反応器1に窒素化合物を含む被反応
物2と酸化剤4を供給して、臨界または亜臨界状態で水
熱反応を行い、窒素化合物を分解し、反応物を不溶化装
置7に導入して触媒の阻害物質を不溶化し、不溶化した
阻害物質を分離器11で分離したのち、反応物を触媒反
応器14に導入して反応物に含まれるアンモニアおよび
/またはN2Oを分解して処理物21を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物分解、エネ
ルギー生成または化学物質製造を行うための水熱反応方
法および装置、特に窒素化合物を含有する被反応物につ
き水の超臨界または亜臨界状態下で水熱反応を行うのに
好適な水熱反応方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水熱反応は水の超臨界または亜臨界状態
で、被反応物を酸化反応や加水分解反応させて廃棄物を
分解したり、エネルギーを生成したり、化学物質を製造
したりする方法である。このうち特に有機物を含む被反
応物と酸化剤を水の超臨界または亜臨界状態で反応させ
ることにより酸化反応を生じさせ、被反応物中の有機物
を短時間でほぼ完全に分解する水熱反応が注目されてい
る。
【0003】水熱反応により被反応物中の有機物を酸化
分解する場合、被反応物、酸化剤および水を加圧、加熱
し反応器へ供給して反応させる。この場合、被反応物に
予め適性量の水を含む場合は、水を供給する必要はな
い。反応の結果有機物は酸化分解され、水と二酸化炭素
からなる高温高圧の流体と、乾燥またはスラリー状態の
灰分や塩類等の固体を含む反応生成物が得られる。反応
生成物は例えば冷却後に減圧され、液分とガス分に分離
される。その際固体はフィルタ等により減圧弁の前で分
離されたり、または減圧後に分離される。また、高温高
圧状態において固体状で存在する塩類は、冷却した段階
で液相の水に溶解するため、固体として分離する機構は
必要ない場合がある。
【0004】このような水熱反応で酸化分解する際、被
反応物中に窒素化合物、特にアンモニア性窒素または有
機性窒素が含まれる場合、その分解過程で生成するアン
モニアの反応速度が低いので、このアンモニアを高効率
で分解して窒素までに転換するためには、酸化分解温度
を高温にし、また反応時間を長くする必要がある。これ
を実現するには反応器の材質としてより耐熱性の高い材
料を用い、また反応器の大型化を図る必要があり、シス
テムの大型化、高価格化を招く。また、アンモニアの分
解反応の副産物として亜酸化窒素N2Oが生成する。一
般に反応温度を高くしていくとN2Oは減少する傾向に
あるが、一般的な水熱反応条件下でこれを高効率に減少
させるのは困難である。なお、N2Oは排出基準は設け
られていないが、温暖化係数が高いガスであるため、そ
の、排出量を低減することが望ましい。従って、アンモ
ニアの分解率を高め、なおかつ副産物N2Oの分解率も
高めることは困難とされていた。
【0005】従来このような窒素化合物を含む被反応物
を水熱条件下で酸化分解させる方法として、アンモニア
の分解率を高めるために触媒を用いる方法が提案されて
いる(ig. Z. Yi. Ding, E. F. Gloyna Texas Uni
v.)。これは例えばMnO2/CeO2を触媒として用い
ることにより410℃〜470℃、27MPaの条件で
触媒が無い条件では殆ど分解しないNH3を、触媒を通
すことにより約40%分解することを確認している。こ
のように、水熱反応に触媒を組合わせる事により低温
で、および/または小型の反応器で窒素化合物を含む被
反応物を酸化分解する事は可能であるが、被反応物に触
媒を劣化させる物質が存在し、あるいは反応過程で劣化
物質が生成する場合は、触媒能力を低減させるので実際
の使用は困難である。
【0006】特開平11−156379号には、アンモ
ニア分解の副産物であるN2Oを触媒分解するために、
反応生成物を冷却したのち、気液分離し、そのガス分を
再加熱して触媒分解する方法が提案されている。これは
気液分離することにより、触媒の阻害物質である水、S
Ox等を液相に、またN2Oをガス相に分離して触媒分
解能力の劣化を防いでいる。しかしながらこの方法で
は、気液分離後のガスを再加熱する必要があり、再加熱
用のエネルギーもしくは、再加熱機構(熱交換器を含
む)が必要となり、システムが高価、複雑になる欠点を
有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、小型
の装置を使用して、比較的低温かつ短時間に窒素化合物
を含有する被反応物を水熱反応により分解し、触媒の阻
害物質を効率よく分離して、高温で効率よく窒素化合物
を分解し、アンモニアおよび/またはN2Oを含まない
処理物を効率よく得ることができる水熱反応方法および
装置を提案することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次の水熱反応方
法および装置である。 (1) 窒素化合物を含有する被反応物を水の超臨界ま
た亜臨界状態で水熱反応を行う水熱反応工程と、反応物
から触媒の阻害物質を臨界温度以上において不溶化した
状態で分離する阻害物質分離工程と、阻害物質を分離し
た反応物を触媒と接触させてアンモニアおよび/または
2Oを分解する触媒反応工程とを含む水熱反応方法。 (2) 反応物中の阻害物質を不溶化させる不溶化工程
を阻害物質分離工程以前に含む上記(1)の方法。 (3) 窒素化合物を含有する被反応物を水の超臨界ま
た亜臨界状態で水熱反応を行う水熱反応器と、反応物か
ら触媒の阻害物質を臨界温度以上において不溶化した状
態で分離する阻害物質分離器と、阻害物質を分離した反
応物を触媒と接触させてアンモニアおよび/またはN2
Oを分解する触媒反応器とを含む水熱反応装置。 (4) 反応物から阻害物質を不溶化させる不溶化装置
を含む上記(3)の装置。
【0009】本発明において水熱反応とは、超臨界また
は亜臨界状態の高温高圧の水の存在下に被反応物を酸化
反応等させることを意味する。ここで超臨界状態とは3
74℃以上、22MPa以上の状態である。また亜臨界
状態とは例えば374℃以上、2.5MPa以上22M
Pa未満あるいは374℃以下、22MPa以上の状
態、あるいは374℃以下、22MPa未満であっても
臨界点に近い高温高圧状態をいうが、374℃以上、
2.5MPa以上22MPa未満の状態が好ましい。
【0010】被反応物は水の超臨界または亜臨界状態で
酸化反応、加水分解反応等の水熱反応の対象となる物質
であって、窒素化合物、特にアンモニア性窒素、有機性
窒素等の水熱反応によりアンモニアを生成する窒素化合
物を含むものである。具体的な被反応物としては、電子
部品工場等から排出される排液や、有機性排水処理工程
で生成する余剰汚泥などがあげられる。このような被反
応物は酸化剤と混合した状態で反応器に導入され、水熱
反応を受ける。酸化剤としては、過酸化水素等の過酸化
物、空気等の酸素含有ガスなどがあげられる。
【0011】被反応物が有機物と酸化剤を含む場合、こ
れらは別々にあるいは混合して反応器に供給して水熱反
応が行われる。このような水熱反応系は被反応物のほか
に水が存在し、さらに必要により触媒や中和剤等が添加
される場合があるが、これらも被反応物と混合して、あ
るいは別々に反応器に供給することができる。酸化剤と
しては空気等の酸素含有ガスを使用可能である。
【0012】本発明で用いられる水熱反応器は超臨界ま
たは亜臨界状態で水熱反応を行うように、耐熱、耐圧容
器で形成される。反応熱により超臨界または亜臨界状態
に達しない場合には外部に加熱手段を設けることができ
る。このような水熱反応器により超臨界または亜臨界状
態で水熱反応を行うと、通常被反応物の有機物は酸化剤
によって酸化されて最終的に水と二酸化炭素に分解さ
れ、あるいは加水分解により低分子化する。
【0013】本発明では窒素化合物を含む被反応物につ
いて水熱反応を行うと、窒素化合物は分解してアンモニ
アが生成する。生成するアンモニアの大部分は水熱反応
により酸化されて窒素ガスに転換されるが、アンモニア
の酸化反応の副産物としてN 2Oが生成する。こうして
反応物中にアンモニアおよび/またはN2Oが残留する
場合がある。
【0014】水熱反応器には被反応物供給路、酸化剤供
給路、反応物取出路が設けられる。超臨界または亜臨界
状態で水熱反応を行う水熱反応器に被反応物および酸化
剤を供給するためには、被反応物供給路および酸化剤供
給路はそれぞれ高圧の供給ポンプを有するように構成す
る。被反応物と酸化剤が混合されている場合には、共用
の供給路を用いることができる。
【0015】本発明では反応物中に残留するアンモニア
および/またはN2Oを触媒反応器において酸化し分解
するが、その触媒反応工程は反応物を積極的に冷却する
ことなく(ただし後続工程における自然冷却は許容され
る)、水熱反応の熱を利用して反応を行う。ところが反
応器から出る反応物をそのまま触媒層に導入して触媒反
応を行うと、次第に触媒活性が低下する。その原因を調
べたところ、反応物に含まれる触媒の阻害物質が触媒の
表面に吸着され、または析出して活性を低下させること
がわかった。
【0016】このような阻害物質としては食塩、硫酸ナ
トリウム、リン酸ナトリウム等の塩、アルミナ、シリカ
等の固形物、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のア
ルカリ、塩化水素、フッ化水素等の酸などがあげられ
る。これらは触媒毒として作用するもののほか、触媒表
面を被覆することにより活性を低下させるものなどがあ
る。このような阻害物質は被反応物中に元々含まれてい
たもの、ならびに水熱反応により生成するものも含まれ
る。これらは反応物中に不溶化物として分散しているも
ののほか、反応物中に溶解しているものでも触媒層と接
触することによりそのまま吸着され、あるいは不溶化物
として析出するものなどがある。
【0017】臨界温度以上の水の中では、大部分の塩等
の固形物は溶解せず、不溶化した状態で存在する。この
ため本発明ではこのような阻害物質を臨界温度以上すな
わち374℃以上において不溶化した状態で阻害物質分
離器により分離した後、反応物を触媒反応器に導入して
アンモニアを酸化分解する。この阻害物質分離工程に先
立って、反応物中の阻害物質を不溶化させる不溶化工程
を行うのが好ましい。
【0018】不溶化工程は、反応物中に存在している阻
害物質を不溶化して分離を容易にするためのものであ
り、アルカリや酸の場合は中和により不溶化することが
できる。塩の場合は臨界温度以上では固体または溶融塩
として不溶化状態で存在し、流体状の反応物から分離可
能な状態にある。不溶化装置としては中和剤等の不溶化
剤の添加手段、および必要により攪拌混合手段を有する
反応槽が使用できる。
【0019】阻害物質分離器は、上記により不溶化した
阻害物質、あるいは元々不溶化状態で存在する阻害物質
を臨界温度以上で反応物から分離するように構成され
る。分離手段としては濾過、重力分離、遠心分離等の通
常の固液分離または固気分離で採用される分離手段がそ
のまま採用できる。不溶化と同時に分離を行ってもよ
く、凝集、結晶成長等の分離促進手段を併用してもよ
い。また阻害物質分離器はゼオライト等の吸着剤を用
い、気体または液体状の阻害物質を吸着により分離する
ようにしてもよい。
【0020】触媒反応器は阻害物質を除去した反応物を
導入して触媒層と接触させ、アンモニアおよび/または
2Oを酸化分解するように構成される。アンモニアを
酸化するための酸化触媒としては、例えばCuO/Al
23、Rh/ZnO、Rh/TiO2、MnO2/CeO
2等があげられる。N2O分解触媒としてはCuO/Al
23等があげられる。これらの触媒は1種単独で、また
は複数種を組合せて使用することができる。またこれら
の触媒成分を必要により担持材に担持させて、粒状に成
形し、触媒層を形成することができる。粒状物の形状は
球形、円筒形、不定形など任意である。
【0021】触媒反応は、水熱反応の反応物を実質的に
冷却することなく処理することにより水熱反応の温度に
近い温度で反応を行うことができる。
【0022】本発明の水熱反応方法および装置では、水
熱反応器において、窒素化合物を含有する被反応物を水
の超臨界また亜臨界状態で水熱反応を行い、阻害物質分
離において反応物から触媒の阻害物質を臨界温度以上に
おいて不溶化した状態で分離し、阻害物質を分離した反
応物を触媒反応において、触媒と接触させてアンモニア
および/またはN2Oを分解することにより、反応物に
含まれるアンモニアおよび/またはN2Oを分解する。
【0023】臨界温度以上では塩は不溶化物として存在
するので、反応物からの分離は容易であり、分離後も水
熱反応の温度を維持することができる。不溶化工程を含
む場合は、不溶化装置において反応物から阻害物質を不
溶化することにより阻害物質の分離を容易にすることが
できる。
【0024】このようにして阻害物質を除去した反応物
を触媒と接触させることにより、水熱反応の熱を利用し
て残留するアンモニアおよび/またはN2Oを効率よく
酸化分解することができる。反応物を一旦冷却すると、
アンモニアおよび/またはN 2Oの分解は困難であり、
また反応物をそのまま、触媒層と接触させると触媒活性
が低下するが、阻害物質を除去して酸化を行うことによ
り、触媒の性能低下なしに反応を行うことができる。こ
のほか反応物を気液分離することなくそのまま酸化を行
うため、水熱反応のために添加された酸化剤をそのまま
アンモニアの酸化に利用することができる。
【0025】アンモニアを分解した処理物は冷却、減圧
して気液分離により、ガス分と液分に分離される。上記
の反応によりN2Oその他の不純物が生成または残留す
る場合には、これらの処理をさらに行うことができる。
このほか通常の水熱反応に採用される後処理は同様に行
うことができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、小型の装置を使用し、
比較的低温かつ短時間に窒素化合物を含有する被反応物
を水熱反応により分解し、生成するアンモニアおよび/
またはN2Oを効率よく除去することができる。この場
合触媒の阻害物質を臨界温度以上において不溶化した状
態で分離するため、簡単な装置で効率よく分離し、触媒
の活性低下を防止することができる。そして阻害物質を
分離した後反応物を触媒酸化することにより、触媒活性
を低下させることなく、水熱反応の熱および酸化剤を利
用して効率よくアンモニアおよび/またはN2Oを分解
して、アンモニアおよび/またはN2Oを含まない処理
物を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。図1は実施形態の水熱反応装置を示すフ
ロー図である。
【0028】図1において、1は水熱反応器であって、
耐熱、耐圧性材料により中空状に形成され、被反応物槽
2からポンプP1を有する被反応物供給路3が、また酸
化剤供給源4からポンプP2を有する酸化剤供給路5が
上部に連絡している。水熱反応器1の下部から反応物取
出路6が不溶化装置7に連絡している。不溶化装置7は
空の容器からなり、不溶化剤槽8から不溶化剤供給路9
が連絡している。不溶化装置7から移送路10が分離器
11に連絡している。
【0029】分離器11は内部にフィルタ12を有し、
上部の出口側から移送路13が触媒反応器14の下部に
連絡している。フィルタ12としてはステンレス鋼、ハ
ステロイ、インコネ、ルチタン等の焼結金属やポーラス
セラミックスなどの孔径0.1〜10μm程度の多孔質
材が使用できる。分離器11の下部には不溶化物排出路
15が連絡し、上部には洗浄流体供給路16が連絡して
いる。触媒反応器14には支持床17,18間に酸化触
媒を充填した触媒層19が形成され、上部から調圧弁2
0を有する処理物取出路21が系外へ連絡している。
【0030】上記の装置による水熱反応方法は、水熱反
応器1に被反応物槽2から被反応物供給路3を通してポ
ンプP1により被反応物を供給し、同時に酸化剤供給源
4から酸化剤供給路5を通してポンプP2により空気等
の酸化剤を供給し、超臨界または亜臨界状態で水熱反応
を行い、被反応物に含まれる有機物その他の被酸化性物
質を酸化分解する。このとき被反応物中に含まれるアン
モニア性窒素または有機性窒素成分が分解してアンモニ
アを生成するが、このアンモニアの大部分は酸化分解さ
れて窒素に転換する。アンモニアの酸化反応の副産物と
してN2Oが生成し、反応物中にはアンモニアおよび/
またはN2Oが残留する場合がある。
【0031】水熱反応器1の反応物はそのまま反応物取
出路6を通して不溶化装置7に導入する。水熱反応の反
応物中に含まれる触媒の阻害物質が不溶化して分離可能
になっている場合には不溶化装置7を省略することがで
きるが、不溶化していない場合にはここで不溶化する。
不溶化装置7は反応物と不溶化剤とが混合できるように
空の容器が用いられているが、攪拌機を設けてもよい。
【0032】不溶化処理は、不溶化剤槽8から不溶化剤
供給路9を通して不溶化剤を供給し、反応物と混合して
阻害性物質を不溶化する。例えば阻害物質が酸、アルカ
リの場合には、不溶化剤としてアルカリまたは酸を注入
して中和することにより不溶化することができる。アル
カリ、酸のような不溶化剤は0.1〜10重量%程度の
水溶液として添加するのが好ましい。
【0033】こうして阻害物質を不溶化した反応物は移
送路10から分離器11に導入してフィルタ12により
不溶化物を臨界温度以上において濾過分離し、分離した
不溶化物は不溶化物排出路15から排出する。ここで分
離を促進するための凝集等の操作を行ってもよい。不溶
化物を分離した反応物は移送路13から触媒反応器14
に送る。フィルタ12が目詰まりしたときは洗浄流体供
給路16から洗浄流体を導入してフィルタ12の逆洗を
行い、目詰まりの原因物質を剥離させ、不溶化物排出路
15から排出する。
【0034】触媒反応器14では反応物を触媒層19に
通過させることにより、アンモニアおよび/またはN2
Oを分解する。このときアンモニアの酸化に必要な酸素
は反応物中に残留する空気等の酸化剤をそのまま利用す
ることができる。触媒反応器14に導入される反応物は
水熱反応器1の反応物を積極的に冷却することなく、水
熱反応の熱を利用して触媒反応を行うため、分解が困難
なアンモニアおよび/またはN2Oを効率的に分解する
ことができる。
【0035】反応物中にアンモニアとN2Oとが含まれ
る場合も、同一の触媒反応器で分解することができる
が、別の触媒を別の反応器に充填してそれぞれを分解し
てもよい。触媒反応によりアンモニアおよび/またはN
2Oを分解した処理物は処理物取出路21から取り出
し、調圧弁20を通して減圧し、冷却後気液分離により
ガス分と液分に分離される。
【0036】上記の説明において、不溶化装置7は必ず
しもなくてもよく、また設ける場合でも阻害物質と不溶
化剤との反応形態により、構造等は変更することができ
る。例えば反応速度が速い場合には、水熱反応器1、反
応物取出路6、移送路10または分離器11に直接不溶
化剤を注入して不溶化反応を行うようにしてもよく、場
合によっては被反応物槽2に注入してもよい。また分離
器11は濾過分離形式のものを示したが、重力分離、遠
心分離など他の形式でもよく、またこれらを複合したも
のでもよい。いずれの場合も一般に使用されている分離
装置がそのまま使用できる。触媒反応器14も触媒の種
類によって構造を変化させることができ、下向流式、横
流式でもよい。
【0037】図2は他の実施形態の分離器を示す断面図
である。この実施形態では中空状の容器からなる分離器
11の上部に複数のフィルタ12a、12bが設けられ
ていて、それぞれの内側上部に弁22a、22bを有す
る洗浄流体供給路16a、16bが連絡している。移送
路13はフィルタ12a、12bの両方の上部に連絡し
ている。23は不溶化物排出路15に設けられたシャッ
タである。
【0038】上記の分離器では図1のようにフィルタ1
2が1個の場合と同様にフィルタ12a、12bの両方
を使用し不溶化物の濾過分離が行われるが、フィルタ1
2a、12bが目詰まりしたときは弁22a、22bの
どちらか一方を開いて一方の洗浄流体供給路16a、1
6bから洗浄流体を送って一方のフィルタ12a、12
bを洗浄する。これにより反応物の流れを止めることな
く洗浄を行うことができる。剥離した不溶化物はシャッ
タ23を開いて不溶化物排出路15から排出する。
【0039】図3は別の実施形態の分離器を示す断面図
である。この実施形態では分離器11は中空の容器から
なり、中間部に移送路10が連絡し、上部に移送路13
が連絡して重力分離により不溶化物を分離するように構
成されている。移送路10は接線方向に連絡してもよ
く、また半径方向に連絡してもよい。後者の場合その先
端部にサイクロン24を設けることができる。25は不
溶化物排出路15に設けられたシャッタ23を閉じるク
ランプである。
【0040】上記の分離器11による不溶化物の分離
は、移送路10から反応物を分離器11に導入して重力
分離により行う。反応物を接線方向に導入するときは全
体がサイクロンとして機能し、重力分離に加えて遠心分
離による分離も行われる。移送路10の先端部にサイク
ロン24を設ける場合も同様である。重力により沈降し
た不溶化物はクランプ25を外してシャッタ23を開く
ことにより不溶化物排出路15から取り出される。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例について
説明する。各例中、%は重量%である。
【0042】実施例1 被反応物としてCH3COONH4 5000ppm水溶
液を酸化剤としての等量の30%H22水溶液と混合し
て水熱反応器に導入し、600℃、25MPaで60分
間水熱反応を行った。反応物を触媒反応器に導入し、4
00℃、25MPaの条件下で触媒層Rh/TiO2
通過させ、反応物中のアンモニアの酸化分解を行った。
20分後、触媒反応器の出口液を評価した結果、NH3
の残存濃度は50ppmであった。
【0043】実施例2 実施例1において被反応物として、実施例1で用いた被
反応物にNaClを5000ppm添加した水溶液を用
い、更に、水熱反応器と、触媒反応器の間にハステロイ
焼結金属フィルタを有する分離器を設置した以外は実施
例1と同様に行った。NH3の残存濃度は70ppmで
あった。
【0044】比較例1 実施例1において、反応物を触媒反応器で触媒層に通過
させなかった以外は、実施例1と同様に行った。NH3
の残存濃度は900ppmであった。
【0045】比較例2 被反応物として、実施例1で用いた被反応物にNaCl
5000ppm添加した水溶液を用いた以外は実施例
1と同様に行った。NH3の残存濃度は600ppmで
あった。
【0046】実施例3 実施例2において、NaClの代わりにHClを100
0ppm添加した水溶液を被反応物とし、反応物に50
00ppm水酸化ナトリウム水溶液を反応当量注入して
中和して不溶化したのち分離器で分離する以外は、実施
例2と同様に行った。NH3の残存濃度は70ppmで
あった。
【0047】比較例3 比較例2において、NaClの代わりにHClを100
0ppm添加した水溶液を被反応物とし、反応物に50
00ppm水酸化ナトリウム水溶液を反応当量注入して
中和して不溶化したのち分離器で分離する以外は、比較
例2と同様に行った。NH3の残存濃度は600ppm
であった。
【0048】実施例4 CH3COONH4 5000ppmと、等量の30%H
22水溶液を含む被反応物を空気と混合して650℃、
25MPaで2分間水熱反応を行ったところ、得られた
反応物のガス中から2000〜2500ppmのN2
が検出された。この反応物を触媒反応器に導入し、40
0℃、25MPaの条件下で触媒層Rh/ZnOに通過
させ、反応物中のN2Oの酸化分解を行った。20分
後、触媒反応器から排出されたガス分を評価した結果、
2O残存濃度は50ppmであった。
【0049】実施例5 実施例4において被反応物として、実施例4で用いた被
反応物にNaClを5000ppm添加した水溶液を用
い、更に、水熱反応器と、触媒反応器の間にハステロイ
焼結金属製フィルタを有する分離器を設置した以外は実
施例1と同様に行った。N2Oの残存濃度は70ppm
であった。
【0050】比較例4 実施例4において、反応物を触媒反応器で触媒層に通過
させなかった以外は、実施例4と同様に行った。N2
の残存濃度は2000〜2500ppmであった。
【0051】比較例5 被反応物として、実施例4で用いた被反応物にNaCl
5000ppm添加した水溶液を用いた以外は実施例
4と同様に行った。N2Oの残存濃度は1000ppm
であった。
【0052】実施例6 実施例5において、NaClの代わりにHClを100
0ppm添加した水溶液を被反応物とし、反応物に50
00ppm水酸化ナトリウム水溶液を反応当量注入して
中和して不溶化したのち分離器で分離する以外は、実施
例5と同様に行った。N2Oの残存濃度は70ppmで
あった。
【0053】比較例6 比較例5において、NaClの代わりにHClを100
0ppm添加した水溶液を被反応物とし、反応物に50
00ppm水酸化ナトリウム水溶液を反応当量注入して
中和して不溶化したのち分離器で分離する以外は、比較
例5と同様に行った。N2Oの残存濃度は800ppm
であった。
【0054】以上の結果より、触媒反応によりアンモニ
アおよびN2Oの分解が促進されること、塩類、酸のよ
うな阻害物質が存在すると触媒の分解能が低下するこ
と、ならびに阻害物質を不溶化して不溶化物を分離する
ことにより、アンモニアおよびN2Oの分解率が阻害物
質が存在しない場合と同程度まで回復することがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の水熱反応装置のフロー図である。
【図2】他の実施形態の分離器の断面図である。
【図3】別の実施形態の分離器の断面図である。
【符号の説明】
1 水熱反応器 2 被反応物槽 3 被反応物供給路 4 酸化剤供給源 5 酸化剤供給路 6 反応物取出路 7 不溶化装置 8 不溶化剤槽 9 不溶化剤供給路 10、13 移送路 11 分離器 12、12a、12b フィルタ 14 触媒反応器 15 不溶化物排出路 16、16a、16b 洗浄流体供給路 17、18 支持床 19 触媒層 20 調圧弁 21 処理物取出路 22a、22b 弁 23 シャッタ 24 サイクロン 25 クランプ
フロントページの続き (71)出願人 598124412 ジェネラル アトミックス インコーポレ イテッド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン ディエゴ ジェネラル アトミックス コ ート 3550 (72)発明者 ダビッド エー ハズルベック アメリカ合衆国 92020 カリフォルニア 州 エルカジョン リブ オーク ドライ ブ 486 (72)発明者 ダビッド ダブリュー オードウェイ アメリカ合衆国 92020 カリフォルニア 州 パウウェイ フランシン テラス 12883 (72)発明者 畠 康彦 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 堀 謙三 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 中山 哲 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D050 AA13 AB17 AB34 AB35 BB01 BB09 BC01 BC02 BC04 BC06 CA15 CA16 4D059 AA05 BC01 BC02 BC05 BC10 DA44 DA47 4G069 AA03 BA04B BB04B BC35B BC71B CA04 CA10 CA11 DA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素化合物を含有する被反応物を水の超
    臨界また亜臨界状態で水熱反応を行う水熱反応工程と、 反応物から触媒の阻害物質を臨界温度以上において不溶
    化した状態で分離する阻害物質分離工程と、 阻害物質を分離した反応物を触媒と接触させてアンモニ
    アおよび/またはN2Oを分解する触媒反応工程とを含
    む水熱反応方法。
  2. 【請求項2】 反応物中の阻害物質を不溶化させる不溶
    化工程を阻害物質分離工程以前に含む請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 窒素化合物を含有する被反応物を水の超
    臨界また亜臨界状態で水熱反応を行う水熱反応器と、 反応物から触媒の阻害物質を臨界温度以上において不溶
    化した状態で分離する阻害物質分離器と、 阻害物質を分離した反応物を触媒と接触させてアンモニ
    アおよび/またはN2Oを分解する触媒反応器とを含む
    水熱反応装置。
  4. 【請求項4】 反応物から阻害物質を不溶化させる不溶
    化装置を含む請求項3の装置。
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