JP2001197321A - カラー画像処理方法並びに画像処理装置 - Google Patents
カラー画像処理方法並びに画像処理装置Info
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- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
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- Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】人間の色感覚に対応した自然なエッジ強調処理
の方法を実現するとともに、ノイズによる画像データの
増加を抑えることのできる、ローコストのカラー画像処
理方法並びに装置。 【解決手段】ＲＧＢ表色系から、ＨＳＶ表色系に変換す
るＨＳＶ表色系変換回路１０と、色相Ｈデータ用平滑化
処理回路２０と、彩度Ｓデータ用エッジ強調処理回路３
０と、明度Ｖデータ用エッジ強調処理回路４０と、２０
と３０と４０から出力されたＨＳＶ表色系の画像データ
を、表示または記録に必要な表色系の画像データに変換
する第２の表色系変換回路５０で構成する。
の方法を実現するとともに、ノイズによる画像データの
増加を抑えることのできる、ローコストのカラー画像処
理方法並びに装置。 【解決手段】ＲＧＢ表色系から、ＨＳＶ表色系に変換す
るＨＳＶ表色系変換回路１０と、色相Ｈデータ用平滑化
処理回路２０と、彩度Ｓデータ用エッジ強調処理回路３
０と、明度Ｖデータ用エッジ強調処理回路４０と、２０
と３０と４０から出力されたＨＳＶ表色系の画像データ
を、表示または記録に必要な表色系の画像データに変換
する第２の表色系変換回路５０で構成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間の色感覚に対
応した自然なエッジ強調処理の方法を実現するカラー画
像処理方法並びに装置に関する。
応した自然なエッジ強調処理の方法を実現するカラー画
像処理方法並びに装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】原稿をカラースキャナ等のカラー画像読
み取り装置で読み込むと、スキャナのＭＴＦ特性（Ｍｏ
ｄｕｌａｔｉｏｎ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｆｕｎｃｔｉｏ
ｎ；正弦的な空間パターンに対する空間周波数特性）に
よって、読み込んだ画像データのシャープさは低下す
る。とくにその画像が細かく変化している部分（高空間
周波数領域）では画像のぼけを補正する必要があり、そ
の補正には通常エッジ強調処理が用いられる。ここで、
読み込んだ画像がモノクロ画像の場合には、濃淡のデー
タから２次の微分フィルタであるラプラシアンを算出
し、そのラプラシアンと画素データとを加算してエッジ
を強調する処理を行うことができるが、カラー画像の場
合には、読み取った３原色、例えばＲＧＢ表色系（Ｒ：
赤、Ｇ：緑、Ｂ：青の３軸による直交座標によって色を
表現する体系）の３つの軸（成分）上でラプラシアンに
よるエッジ強調処理を行うと、変換処理をされた値はＲ
ＧＢのそれぞれの軸に対して強調されてしまうため、そ
のカラー画像を表示または記録すると、画素ごとに色相
や彩度や明度が大きく変化し、色バランスの崩れやにじ
みやちらつきが発生し、全体としても色の再現性が劣化
してしまう。
み取り装置で読み込むと、スキャナのＭＴＦ特性（Ｍｏ
ｄｕｌａｔｉｏｎ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｆｕｎｃｔｉｏ
ｎ；正弦的な空間パターンに対する空間周波数特性）に
よって、読み込んだ画像データのシャープさは低下す
る。とくにその画像が細かく変化している部分（高空間
周波数領域）では画像のぼけを補正する必要があり、そ
の補正には通常エッジ強調処理が用いられる。ここで、
読み込んだ画像がモノクロ画像の場合には、濃淡のデー
タから２次の微分フィルタであるラプラシアンを算出
し、そのラプラシアンと画素データとを加算してエッジ
を強調する処理を行うことができるが、カラー画像の場
合には、読み取った３原色、例えばＲＧＢ表色系（Ｒ：
赤、Ｇ：緑、Ｂ：青の３軸による直交座標によって色を
表現する体系）の３つの軸（成分）上でラプラシアンに
よるエッジ強調処理を行うと、変換処理をされた値はＲ
ＧＢのそれぞれの軸に対して強調されてしまうため、そ
のカラー画像を表示または記録すると、画素ごとに色相
や彩度や明度が大きく変化し、色バランスの崩れやにじ
みやちらつきが発生し、全体としても色の再現性が劣化
してしまう。
【０００３】上記の問題点を回避する方法として開示さ
れている技術としては、例えば、特開平８−３０７７０
８号公報が挙げられる。特開平８−３０７７０８号公報
に記載されたカラー画像処理装置では、実施例として、
ＲＧＢ表色系とは異なる表色系として、明度に対応する
１次元座標（明度指数Ｌ* ）と色相と彩度の属性を総合
して考えた知覚色度と呼ばれる２次元座標（ａ* 、ｂ
* ）からなる３次元座標空間で表現される表色系の一つ
であるＬ* ａ* ｂ* 表色系を用い（他に類似の表色系と
してＬ* ｕ* ｖ* 表色系がある）、少なくとも１つの軸
上でエッジ強調を行い、エッジ強調前とエッジ強調後の
データを基にカラー画像データを補正する方法が記載さ
れている。しかしながら、この方法では、Ｌ* ａ* ｂ*
表色系でエッジ強調した値を、ＲＧＢ表色系やＣＭＹ表
色系（Ｃ：シアン、Ｍ：マゼンタ、Ｙ：イエロー）に逆
変換した際に、ＲＧＢやＣＭＹ色空間の外側の値をとら
ないようにする複雑な演算処理を要する。
れている技術としては、例えば、特開平８−３０７７０
８号公報が挙げられる。特開平８−３０７７０８号公報
に記載されたカラー画像処理装置では、実施例として、
ＲＧＢ表色系とは異なる表色系として、明度に対応する
１次元座標（明度指数Ｌ* ）と色相と彩度の属性を総合
して考えた知覚色度と呼ばれる２次元座標（ａ* 、ｂ
* ）からなる３次元座標空間で表現される表色系の一つ
であるＬ* ａ* ｂ* 表色系を用い（他に類似の表色系と
してＬ* ｕ* ｖ* 表色系がある）、少なくとも１つの軸
上でエッジ強調を行い、エッジ強調前とエッジ強調後の
データを基にカラー画像データを補正する方法が記載さ
れている。しかしながら、この方法では、Ｌ* ａ* ｂ*
表色系でエッジ強調した値を、ＲＧＢ表色系やＣＭＹ表
色系（Ｃ：シアン、Ｍ：マゼンタ、Ｙ：イエロー）に逆
変換した際に、ＲＧＢやＣＭＹ色空間の外側の値をとら
ないようにする複雑な演算処理を要する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するもので、本発明の目的は、人間の色感覚に対
応した自然なエッジ強調処理の方法を実現するととも
に、不要な成分のエッジ強調がないため、ノイズによる
画像データの増加を抑えることのできる、ローコストの
カラー画像処理方法並びに装置を提供することにある。
を解決するもので、本発明の目的は、人間の色感覚に対
応した自然なエッジ強調処理の方法を実現するととも
に、不要な成分のエッジ強調がないため、ノイズによる
画像データの増加を抑えることのできる、ローコストの
カラー画像処理方法並びに装置を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係わ
る発明のカラー画像処理方法は、原稿を色分解して３原
色のディジタルデータで読み取り、前記３原色のディジ
タルデータを処理し、再び前記色分解したのと同一の３
原色に、または異なる他の系列の３原色に変換して出力
するカラー画像処理方法であって、前記処理が、読み取
った３原色のディジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ
軸、明度Ｖ軸とで表現されるＨＳＶ表色系に色変換し、
明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸の少なくとも一つの軸上でエッ
ジ強調処理を行うことを特徴とする。また、本発明の請
求項２に係わる発明のカラー画像処理方法は、原稿を色
分解して３原色のディジタルデータで読み取り、前記３
原色のディジタルデータを処理し、再び前記色分解した
のと同一の３原色に、または異なる他の系列の３原色に
変換して出力するカラー画像処理方法であって、前記処
理が、読み取った３原色のディジタルデータを、色相Ｈ
軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表現されるＨＳＶ表色系に
色変換し、ＨＳＶ表色系における色相Ｈの軸上で平滑化
処理を行い、明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸の少なくとも一つ
の軸上でエッジ強調処理を行うことを特徴とする。ま
た、本発明の請求項３に係わる発明のカラー画像処理方
法は、原稿を色分解して３原色のディジタルデータで読
み取り、前記３原色のディジタルデータを処理し、再び
前記色分解したのと同一の３原色に、または異なる他の
系列の３原色に変換して出力するカラー画像処理方法で
あって、前記処理が、読み取った３原色のディジタルデ
ータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表現される
ＨＳＶ表色系に色変換し、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ
軸の全ての軸上でエッジ強調処理または平滑化処理を行
うことを特徴とする。また、本発明の請求項４に係わる
発明のカラー画像処理装置は、原稿を色分解して３原色
のディジタルデータで読み取り、前記３原色のディジタ
ルデータを処理し、再び前記色分解したのと同一の３原
色に、または異なる他の系列の３原色に変換して出力す
るカラー画像処理装置であって、前記処理が、読み取っ
た３原色のディジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、
明度Ｖ軸とで表現されるＨＳＶ表色系に色変換する手段
と、明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸の少なくとも一つの軸上で
エッジ強調処理を行う手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項５に係わる発明のカラー画像処理
方法は、原稿を色分解して３原色のディジタルデータで
読み取り、前記３原色のディジタルデータを処理し、再
び前記色分解したのと同一の３原色に、または異なる他
の系列の３原色に変換して出力するカラー画像処理装置
であって、前記処理が、読み取った３原色のディジタル
データを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表現され
るＨＳＶ表色系に色変換する手段と、色相Ｈの軸上で平
滑化処理を行う手段と、明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸の少な
くとも一つの軸上でエッジ強調処理を行う手段を備える
ことを特徴とする。また、本発明の請求項６に係わる発
明のカラー画像処理装置は、原稿を色分解して３原色の
ディジタルデータで読み取り、前記３原色のディジタル
データを処理し、再び前記色分解したのと同一の３原色
に、または異なる他の系列の３原色に変換して出力する
カラー画像処理装置であって、前記処理が、読み取った
３原色のディジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明
度Ｖ軸とで表現されるＨＳＶ表色系に色変換する手段
と、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸の全ての軸上でエッ
ジ強調処理または平滑化処理を行う手段を備えることを
特徴とする。また、本発明の請求項７に係わる発明のカ
ラー画像処理装置は、前記請求項４、５及び６いずれか
記載の前記色分解したのとは異なる他の系列の３原色
が、シアンＣ、マゼンタＭ、イエローＹで表現されるＣ
ＭＹ表色系であることを特徴とする。また、本発明の請
求項８に係わる発明のカラー画像処理装置は、前記請求
項４、５及び６いずれか記載の前記色分解したのとは異
なる他の系列の３原色が、明度Ｌ* 及び知覚色度と呼ば
れる２次元座標（ａ* 、ｂ* ）からなる３次元座標空間
で表現されるＬ* ａ* ｂ* 表色系であることを特徴とす
る。また、本発明の請求項９に係わる発明のカラー画像
処理装置は、前記請求項４、５及び６いずれか記載の前
記色分解したのとは異なる他の系列の３原色が、明度Ｌ
* 及び知覚色度と呼ばれる２次元座標（ｕ* 、ｖ* ）か
らなる３次元座標空間で表現されるＬ* ｕ* ｖ* 表色系
であることを特徴とする。
る発明のカラー画像処理方法は、原稿を色分解して３原
色のディジタルデータで読み取り、前記３原色のディジ
タルデータを処理し、再び前記色分解したのと同一の３
原色に、または異なる他の系列の３原色に変換して出力
するカラー画像処理方法であって、前記処理が、読み取
った３原色のディジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ
軸、明度Ｖ軸とで表現されるＨＳＶ表色系に色変換し、
明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸の少なくとも一つの軸上でエッ
ジ強調処理を行うことを特徴とする。また、本発明の請
求項２に係わる発明のカラー画像処理方法は、原稿を色
分解して３原色のディジタルデータで読み取り、前記３
原色のディジタルデータを処理し、再び前記色分解した
のと同一の３原色に、または異なる他の系列の３原色に
変換して出力するカラー画像処理方法であって、前記処
理が、読み取った３原色のディジタルデータを、色相Ｈ
軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表現されるＨＳＶ表色系に
色変換し、ＨＳＶ表色系における色相Ｈの軸上で平滑化
処理を行い、明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸の少なくとも一つ
の軸上でエッジ強調処理を行うことを特徴とする。ま
た、本発明の請求項３に係わる発明のカラー画像処理方
法は、原稿を色分解して３原色のディジタルデータで読
み取り、前記３原色のディジタルデータを処理し、再び
前記色分解したのと同一の３原色に、または異なる他の
系列の３原色に変換して出力するカラー画像処理方法で
あって、前記処理が、読み取った３原色のディジタルデ
ータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表現される
ＨＳＶ表色系に色変換し、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ
軸の全ての軸上でエッジ強調処理または平滑化処理を行
うことを特徴とする。また、本発明の請求項４に係わる
発明のカラー画像処理装置は、原稿を色分解して３原色
のディジタルデータで読み取り、前記３原色のディジタ
ルデータを処理し、再び前記色分解したのと同一の３原
色に、または異なる他の系列の３原色に変換して出力す
るカラー画像処理装置であって、前記処理が、読み取っ
た３原色のディジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、
明度Ｖ軸とで表現されるＨＳＶ表色系に色変換する手段
と、明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸の少なくとも一つの軸上で
エッジ強調処理を行う手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項５に係わる発明のカラー画像処理
方法は、原稿を色分解して３原色のディジタルデータで
読み取り、前記３原色のディジタルデータを処理し、再
び前記色分解したのと同一の３原色に、または異なる他
の系列の３原色に変換して出力するカラー画像処理装置
であって、前記処理が、読み取った３原色のディジタル
データを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表現され
るＨＳＶ表色系に色変換する手段と、色相Ｈの軸上で平
滑化処理を行う手段と、明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸の少な
くとも一つの軸上でエッジ強調処理を行う手段を備える
ことを特徴とする。また、本発明の請求項６に係わる発
明のカラー画像処理装置は、原稿を色分解して３原色の
ディジタルデータで読み取り、前記３原色のディジタル
データを処理し、再び前記色分解したのと同一の３原色
に、または異なる他の系列の３原色に変換して出力する
カラー画像処理装置であって、前記処理が、読み取った
３原色のディジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明
度Ｖ軸とで表現されるＨＳＶ表色系に色変換する手段
と、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸の全ての軸上でエッ
ジ強調処理または平滑化処理を行う手段を備えることを
特徴とする。また、本発明の請求項７に係わる発明のカ
ラー画像処理装置は、前記請求項４、５及び６いずれか
記載の前記色分解したのとは異なる他の系列の３原色
が、シアンＣ、マゼンタＭ、イエローＹで表現されるＣ
ＭＹ表色系であることを特徴とする。また、本発明の請
求項８に係わる発明のカラー画像処理装置は、前記請求
項４、５及び６いずれか記載の前記色分解したのとは異
なる他の系列の３原色が、明度Ｌ* 及び知覚色度と呼ば
れる２次元座標（ａ* 、ｂ* ）からなる３次元座標空間
で表現されるＬ* ａ* ｂ* 表色系であることを特徴とす
る。また、本発明の請求項９に係わる発明のカラー画像
処理装置は、前記請求項４、５及び６いずれか記載の前
記色分解したのとは異なる他の系列の３原色が、明度Ｌ
* 及び知覚色度と呼ばれる２次元座標（ｕ* 、ｖ* ）か
らなる３次元座標空間で表現されるＬ* ｕ* ｖ* 表色系
であることを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して具体的に説明する。図１は、本発明の一実施
例を示す図である。図１において、１０はＲＧＢ表色系
から、ＨＳＶ表色系（Ｈ：Ｈｕｅ色相、Ｓ：Ｓａｔｕｒ
ａｔｉｏｎ彩度、Ｖ：Ｖａｌｕｅ明度）に変換するＨＳ
Ｖ表色系変換回路であり（変換の詳細は後述する）、原
稿を色分解して読み取ったＲＧＢ３原色の画像データを
入力することで、別なる表色系のＨＳＶ表色系の画像デ
ータに変換する。２０は色相Ｈデータ用平滑化処理回路
であり、色相Ｈのデータについて平滑化処理を行う。３
０は彩度Ｓデータ用エッジ強調処理回路であり、４０は
明度Ｖデータ用エッジ強調処理回路であり、それぞれ彩
度Ｓと明度Ｖのエッジ強調処理を行う。５０は第２の表
色系変換回路であり、２０と３０と４０から出力された
ＨＳＶ表色系の画像データを、表示または記録に必要な
表色系の画像データに変換する。
を参照して具体的に説明する。図１は、本発明の一実施
例を示す図である。図１において、１０はＲＧＢ表色系
から、ＨＳＶ表色系（Ｈ：Ｈｕｅ色相、Ｓ：Ｓａｔｕｒ
ａｔｉｏｎ彩度、Ｖ：Ｖａｌｕｅ明度）に変換するＨＳ
Ｖ表色系変換回路であり（変換の詳細は後述する）、原
稿を色分解して読み取ったＲＧＢ３原色の画像データを
入力することで、別なる表色系のＨＳＶ表色系の画像デ
ータに変換する。２０は色相Ｈデータ用平滑化処理回路
であり、色相Ｈのデータについて平滑化処理を行う。３
０は彩度Ｓデータ用エッジ強調処理回路であり、４０は
明度Ｖデータ用エッジ強調処理回路であり、それぞれ彩
度Ｓと明度Ｖのエッジ強調処理を行う。５０は第２の表
色系変換回路であり、２０と３０と４０から出力された
ＨＳＶ表色系の画像データを、表示または記録に必要な
表色系の画像データに変換する。
【０００７】次に、本発明の実施例の動作を説明する。
まず、原稿を色分解して読み取る３原色をＲＧＢとし、
その画像データを本発明の入力部であるＨＳＶ表色系変
換回路１０に入力する。ＨＳＶ表色系変換回路１０で
は、ＲＧＢ表色系のディジタルデータをＨＳＶ表色系の
ディジタルデータに変換する。
まず、原稿を色分解して読み取る３原色をＲＧＢとし、
その画像データを本発明の入力部であるＨＳＶ表色系変
換回路１０に入力する。ＨＳＶ表色系変換回路１０で
は、ＲＧＢ表色系のディジタルデータをＨＳＶ表色系の
ディジタルデータに変換する。
【０００８】ここで、ＨＳＶ変換の方法を、参照文献の
高木，下田共著“画像解析ハンドブック”，東京大学出
版会刊（１９９１）から引用して説明する。ＨＳＶカラ
ーモデルには、後述の如く複数の種類のモデルがある
が、ここでは、ＳｍｉｔｈのＨＳＶ六角錘モデルに基づ
くＨＳＶ変換方法の場合を示す。Ｒ、Ｇ、Ｂ、Ｈ、Ｓ、
Ｖの値域は［０，１］であり、Ｈは［０，π］の値を持
つものとする。ＲＧＢ直交座標系のＲＧＢ立方体の主対
角軸を明度軸Ｖとし、Ｖ＝ｍａｘ｛Ｒ，Ｇ，Ｂ｝と定義
する。 １）Ｖ＝０のとき、Ｓ＝０、Ｈ＝不定と定める。 ２）Ｖ≠０のとき、まず、Ｓを次式で定義する。 Ｓ＝（Ｖ−ｖ）／Ｖ、ただし、ｖ＝ｍｉｎ｛Ｒ，Ｇ，
Ｂ｝、 次に、ｒ、ｇ、ｂを以下のように定める。 ｒ＝（Ｖ−Ｒ）／（Ｖ−ｖ）、 ｇ＝（Ｖ−Ｇ）／（Ｖ−ｖ）、 ｂ＝（Ｖ−Ｂ）／（Ｖ−ｖ）、 最後に、Ｈを以下のように定める。 Ｒ＝Ｖのとき Ｈ＝π（ｂ−ｇ）／３、 Ｇ＝Ｖのとき Ｈ＝π（２＋ｒ−ｂ）／３、 Ｂ＝Ｖのとき Ｈ＝π（４＋ｇ−ｒ）／３、 ただし、Ｈ＜０のときはＨの値に２πを加えるものとす
る。ＨＳＶ表色系変換回路１０では、上記の比較的簡明
なアルゴリズムの演算によるＲＧＢ表色系からＨＳＶ表
色系へのデータの変換が行われる。
高木，下田共著“画像解析ハンドブック”，東京大学出
版会刊（１９９１）から引用して説明する。ＨＳＶカラ
ーモデルには、後述の如く複数の種類のモデルがある
が、ここでは、ＳｍｉｔｈのＨＳＶ六角錘モデルに基づ
くＨＳＶ変換方法の場合を示す。Ｒ、Ｇ、Ｂ、Ｈ、Ｓ、
Ｖの値域は［０，１］であり、Ｈは［０，π］の値を持
つものとする。ＲＧＢ直交座標系のＲＧＢ立方体の主対
角軸を明度軸Ｖとし、Ｖ＝ｍａｘ｛Ｒ，Ｇ，Ｂ｝と定義
する。 １）Ｖ＝０のとき、Ｓ＝０、Ｈ＝不定と定める。 ２）Ｖ≠０のとき、まず、Ｓを次式で定義する。 Ｓ＝（Ｖ−ｖ）／Ｖ、ただし、ｖ＝ｍｉｎ｛Ｒ，Ｇ，
Ｂ｝、 次に、ｒ、ｇ、ｂを以下のように定める。 ｒ＝（Ｖ−Ｒ）／（Ｖ−ｖ）、 ｇ＝（Ｖ−Ｇ）／（Ｖ−ｖ）、 ｂ＝（Ｖ−Ｂ）／（Ｖ−ｖ）、 最後に、Ｈを以下のように定める。 Ｒ＝Ｖのとき Ｈ＝π（ｂ−ｇ）／３、 Ｇ＝Ｖのとき Ｈ＝π（２＋ｒ−ｂ）／３、 Ｂ＝Ｖのとき Ｈ＝π（４＋ｇ−ｒ）／３、 ただし、Ｈ＜０のときはＨの値に２πを加えるものとす
る。ＨＳＶ表色系変換回路１０では、上記の比較的簡明
なアルゴリズムの演算によるＲＧＢ表色系からＨＳＶ表
色系へのデータの変換が行われる。
【０００９】ＨＳＶ表色系変換回路１０で変換された色
相Ｈのデータは、色相Ｈデータ用平滑化処理回路２０
で、例えば局所平均フィルタやメディアンフィルタに
て、エッジや線などの画像の重要な情報を損なうことな
くノイズを除去する平滑化処理を行う。また、彩度Ｓデ
ータ用エッジ強調処理回路３０ならびに明度Ｖデータ用
エッジ強調処理回路４０にて、それぞれ彩度Ｓと明度Ｖ
について、例えばラプラシアンフィルタによってエッジ
強調処理を行う。これらの処理されたＨＳＶのデータ
は、第２の表色系変換回路５０にて表示または記録に必
要なＲＧＢまたはＣＭＹの表色系、もしくは、符号化に
適したＬ* ａ* ｂ* 表色系やＬ* ｕ* ｖ* 表色系の画像
データに変換される。図１の実施例では記録に適したＣ
ＭＹ表色系のデータに変換する。この逆変換のアルゴリ
ズムも上記の参考文献に詳述されているが、再掲は避け
る。
相Ｈのデータは、色相Ｈデータ用平滑化処理回路２０
で、例えば局所平均フィルタやメディアンフィルタに
て、エッジや線などの画像の重要な情報を損なうことな
くノイズを除去する平滑化処理を行う。また、彩度Ｓデ
ータ用エッジ強調処理回路３０ならびに明度Ｖデータ用
エッジ強調処理回路４０にて、それぞれ彩度Ｓと明度Ｖ
について、例えばラプラシアンフィルタによってエッジ
強調処理を行う。これらの処理されたＨＳＶのデータ
は、第２の表色系変換回路５０にて表示または記録に必
要なＲＧＢまたはＣＭＹの表色系、もしくは、符号化に
適したＬ* ａ* ｂ* 表色系やＬ* ｕ* ｖ* 表色系の画像
データに変換される。図１の実施例では記録に適したＣ
ＭＹ表色系のデータに変換する。この逆変換のアルゴリ
ズムも上記の参考文献に詳述されているが、再掲は避け
る。
【００１０】本発明は、エッジ強調や平滑化などの画像
処理を行う色空間（表色系）として、ＨＳＶ表色系を使
用したことに特徴がある。これに対して、従来技術で述
べたように、均等色空間としてのＬ* ａ* ｂ* 表色系や
Ｌ* ｕ* ｖ* 表色系を使用する方法があるが、明度Ｌ*
を中心軸とする直交座標であり、Ｌ* を除くａ* 、ｂ *
やｕ* 、ｖ* は２次元データであるため、どちらかのデ
ータ（軸）をエッジ強調等で変化させると、色相と彩度
の両方が変化する。これに対して、ＨＳＶ表色系は、色
相Ｈ，彩度Ｓ，明度Ｖの軸で構成された円筒座標である
ため、色相Ｈに影響させずに彩度Ｓと明度Ｖに対してエ
ッジ強調や平滑化の処理を行うことができる。
処理を行う色空間（表色系）として、ＨＳＶ表色系を使
用したことに特徴がある。これに対して、従来技術で述
べたように、均等色空間としてのＬ* ａ* ｂ* 表色系や
Ｌ* ｕ* ｖ* 表色系を使用する方法があるが、明度Ｌ*
を中心軸とする直交座標であり、Ｌ* を除くａ* 、ｂ *
やｕ* 、ｖ* は２次元データであるため、どちらかのデ
ータ（軸）をエッジ強調等で変化させると、色相と彩度
の両方が変化する。これに対して、ＨＳＶ表色系は、色
相Ｈ，彩度Ｓ，明度Ｖの軸で構成された円筒座標である
ため、色相Ｈに影響させずに彩度Ｓと明度Ｖに対してエ
ッジ強調や平滑化の処理を行うことができる。
【００１１】次に、本発明の別なる実施例について説明
する。図２は第二の実施例の構成を示す図であり、色相
Ｈ、彩度Ｓと明度Ｖにおいて、エッジ強調や平滑化のフ
ィルタ係数をそれぞれについて異なる値を設定して処理
を行うことで、読み取りにおけるセンサのＭＴＦ特性や
γ特性のばらつきを補正することが可能となる。
する。図２は第二の実施例の構成を示す図であり、色相
Ｈ、彩度Ｓと明度Ｖにおいて、エッジ強調や平滑化のフ
ィルタ係数をそれぞれについて異なる値を設定して処理
を行うことで、読み取りにおけるセンサのＭＴＦ特性や
γ特性のばらつきを補正することが可能となる。
【００１２】なお、ＨＳＶ表色系は、ＨＳＩ表色系やＨ
ＳＬ表色系とも言われ、ＨＳＶカラーモデルには、第一
の実施例の説明にて触れたように、ＳｍｉｔｈのＨＳＶ
六角錘モデル（高木，下田：“画像解析ハンドブッ
ク”，東京大学出版会，１９９１）やＪｏｂｌｏｖｅら
のＨＳＬ双六角錘モデル（高木，下田：“画像解析ハン
ドブック”，東京大学出版会，１９９１）や大田らのＨ
ＳＶモデル（Ｙ． Ｏｈｔａ， Ｔ． Ｋａｎａｄｅ
ａｎｄ Ｔ． Ｓａｓａｋｉ：：“Ｃｏｌｏｒ Ｉｎｆ
ｏｒｍａｔｉｏｎ ｆｏｒ Ｒｅｇｉｏｎ Ｓｅｇｍｅ
ｎｔａｔｉｏｎ”，Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｇｒａｐｈｉｃ
ｓ ａｎｄ Ｉｍａｇｅ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ， ｖ
ｏｌ．１３，ｐｐ．２２２−２４１，１９８０）等のカ
ラーモデルが発表されている。これらの中のどのカラー
モデルを使用した場合も、本発明は有効である。
ＳＬ表色系とも言われ、ＨＳＶカラーモデルには、第一
の実施例の説明にて触れたように、ＳｍｉｔｈのＨＳＶ
六角錘モデル（高木，下田：“画像解析ハンドブッ
ク”，東京大学出版会，１９９１）やＪｏｂｌｏｖｅら
のＨＳＬ双六角錘モデル（高木，下田：“画像解析ハン
ドブック”，東京大学出版会，１９９１）や大田らのＨ
ＳＶモデル（Ｙ． Ｏｈｔａ， Ｔ． Ｋａｎａｄｅ
ａｎｄ Ｔ． Ｓａｓａｋｉ：：“Ｃｏｌｏｒ Ｉｎｆ
ｏｒｍａｔｉｏｎ ｆｏｒ Ｒｅｇｉｏｎ Ｓｅｇｍｅ
ｎｔａｔｉｏｎ”，Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｇｒａｐｈｉｃ
ｓ ａｎｄ Ｉｍａｇｅ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ， ｖ
ｏｌ．１３，ｐｐ．２２２−２４１，１９８０）等のカ
ラーモデルが発表されている。これらの中のどのカラー
モデルを使用した場合も、本発明は有効である。
【００１３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、彩度Ｓ
と明度Ｖの２軸におけるエッジ強調処理と色相Ｈ軸での
平滑化処理を行い、または、色相Ｈ、彩度Ｓと明度Ｖに
おいて、エッジ強調や平滑化のフィルタ係数を、それぞ
れについて異なる値を設定して処理を行い、再びＲＧＢ
やＣＭＹへ変換を施すことで、カラー画像において、人
間の色感覚に対応した不自然でないエッジ強調処理の方
法が実現される。更に、不要なノイズ成分の強調が少な
い為、エッジ強調処理によるノイズの増加を原因とする
画像データ量の増加を抑える効果がある。
と明度Ｖの２軸におけるエッジ強調処理と色相Ｈ軸での
平滑化処理を行い、または、色相Ｈ、彩度Ｓと明度Ｖに
おいて、エッジ強調や平滑化のフィルタ係数を、それぞ
れについて異なる値を設定して処理を行い、再びＲＧＢ
やＣＭＹへ変換を施すことで、カラー画像において、人
間の色感覚に対応した不自然でないエッジ強調処理の方
法が実現される。更に、不要なノイズ成分の強調が少な
い為、エッジ強調処理によるノイズの増加を原因とする
画像データ量の増加を抑える効果がある。
【図１】本発明の第一の実施例の構成を示す図である。
【図２】本発明の別なる実施例の構成を示す図である。
１０ ＨＳＶ表色系変換回路 ２０ 色相Ｈデータ用平滑化処理回路 ３０ 彩度Ｓデータ用エッジ強調処理回路 ４０ 明度Ｖデータ用エッジ強調処理回路 ５０ 第２の表色系変換回路
Claims (9)
- 【請求項１】 原稿を色分解して３原色のディジタルデ
ータで読み取り、前記３原色のディジタルデータを処理
し、再び前記色分解したのと同一の３原色に、または異
なる他の系列の３原色に変換して出力するカラー画像処
理方法であって、前記処理が、読み取った３原色のディ
ジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表
現されるＨＳＶ表色系に色変換し、明度Ｖ軸または彩度
Ｓ軸の少なくとも一つの軸上でエッジ強調処理を行うこ
とを特徴とするカラー画像処理方法。 - 【請求項２】 原稿を色分解して３原色のディジタルデ
ータで読み取り、前記３原色のディジタルデータを処理
し、再び前記色分解したのと同一の３原色に、または異
なる他の系列の３原色に変換して出力するカラー画像処
理方法であって、前記処理が、読み取った３原色のディ
ジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表
現されるＨＳＶ表色系に色変換し、ＨＳＶ表色系におけ
る色相Ｈの軸上で平滑化処理を行い、明度Ｖ軸または彩
度Ｓ軸の少なくとも一つの軸上でエッジ強調処理を行う
ことを特徴とするカラー画像処理方法。 - 【請求項３】 原稿を色分解して３原色のディジタルデ
ータで読み取り、前記３原色のディジタルデータを処理
し、再び前記色分解したのと同一の３原色に、または異
なる他の系列の３原色に変換して出力するカラー画像処
理方法であって、前記処理が、読み取った３原色のディ
ジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表
現されるＨＳＶ表色系に色変換し、色相Ｈ軸、彩度Ｓ
軸、明度Ｖ軸の全ての軸上でエッジ強調処理または平滑
化処理を行うことを特徴とするカラー画像処理方法。 - 【請求項４】 原稿を色分解して３原色のディジタルデ
ータで読み取り、前記３原色のディジタルデータを処理
し、再び前記色分解したのと同一の３原色に、または異
なる他の系列の３原色に変換して出力するカラー画像処
理装置であって、前記処理が、読み取った３原色のディ
ジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表
現されるＨＳＶ表色系に色変換する手段と、明度Ｖ軸ま
たは彩度Ｓ軸の少なくとも一つの軸上でエッジ強調処理
を行う手段を備えることを特徴とするカラー画像処理装
置。 - 【請求項５】 原稿を色分解して３原色のディジタルデ
ータで読み取り、前記３原色のディジタルデータを処理
し、再び前記色分解したのと同一の３原色に、または異
なる他の系列の３原色に変換して出力するカラー画像処
理装置であって、前記処理が、読み取った３原色のディ
ジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表
現されるＨＳＶ表色系に色変換する手段と、色相Ｈの軸
上で平滑化処理を行う手段と、明度Ｖ軸または彩度Ｓ軸
の少なくとも一つの軸上でエッジ強調処理を行う手段を
備えることを特徴とするカラー画像処理装置。 - 【請求項６】 原稿を色分解して３原色のディジタルデ
ータで読み取り、前記３原色のディジタルデータを処理
し、再び前記色分解したのと同一の３原色に、または異
なる他の系列の３原色に変換して出力するカラー画像処
理装置であって、前記処理が、読み取った３原色のディ
ジタルデータを、色相Ｈ軸、彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸とで表
現されるＨＳＶ表色系に色変換する手段と、色相Ｈ軸、
彩度Ｓ軸、明度Ｖ軸の全ての軸上でエッジ強調処理また
は平滑化処理を行う手段を備えることを特徴とするカラ
ー画像処理装置。 - 【請求項７】 前記色分解したのとは異なる他の系列の
３原色が、シアンＣ、マゼンタＭ、イエローＹで表現さ
れるＣＭＹ表色系であることを特徴とする前記請求項
４、５及び６いずれか記載のカラー画像処理装置。 - 【請求項８】 前記色分解したのとは異なる他の系列の
３原色が、明度Ｌ*及び知覚色度と呼ばれる２次元座標
（ａ* 、ｂ* ）からなる３次元座標空間で表現されるＬ
* ａ* ｂ* 表色系であることを特徴とする前記請求項
４、５及び６いずれか記載のカラー画像処理装置。 - 【請求項９】 前記色分解したのとは異なる他の系列の
３原色が、明度Ｌ*及び知覚色度と呼ばれる２次元座標
（ｕ* 、ｖ* ）からなる３次元座標空間で表現されるＬ
* ｕ* ｖ* 表色系であることを特徴とする前記請求項
４、５及び６いずれか記載のカラー画像処理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000003423A JP2001197321A (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | カラー画像処理方法並びに画像処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000003423A JP2001197321A (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | カラー画像処理方法並びに画像処理装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001197321A true JP2001197321A (ja) | 2001-07-19 |
Family
ID=18532371
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000003423A Pending JP2001197321A (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | カラー画像処理方法並びに画像処理装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001197321A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007190358A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-08-02 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | Ｘ線減衰補正方法、画像生成装置、ｘ線ｃｔ装置、及び画像生成方法 |
| JP2011077774A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Seiko Epson Corp | 画像処理装置、画像出力装置、及び画像処理方法 |
| US8135213B2 (en) | 2006-01-16 | 2012-03-13 | Sony Corporation | Physical quantity interpolating method, and color signal processing circuit and camera system using the same |
| JP2012096111A (ja) * | 2005-12-21 | 2012-05-24 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | 散乱線補正方法およびｘ線ｃｔ装置 |
| GB2502681A (en) * | 2012-03-28 | 2013-12-04 | Logined Bv | Color model transform and edge detection for seismic data |
| CN105654437A (zh) * | 2015-12-24 | 2016-06-08 | 广东迅通科技股份有限公司 | 一种对低照度图像的增强方法 |
| WO2020124808A1 (zh) * | 2018-12-20 | 2020-06-25 | 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 | 图像增强装置及图像增强方法 |
-
2000
- 2000-01-12 JP JP2000003423A patent/JP2001197321A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2007190358A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-08-02 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | Ｘ線減衰補正方法、画像生成装置、ｘ線ｃｔ装置、及び画像生成方法 |
| JP2012096111A (ja) * | 2005-12-21 | 2012-05-24 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | 散乱線補正方法およびｘ線ｃｔ装置 |
| US8135213B2 (en) | 2006-01-16 | 2012-03-13 | Sony Corporation | Physical quantity interpolating method, and color signal processing circuit and camera system using the same |
| JP2011077774A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Seiko Epson Corp | 画像処理装置、画像出力装置、及び画像処理方法 |
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| US9964654B2 (en) | 2012-03-28 | 2018-05-08 | Schlumberger Technology Corporation | Seismic attribute color model transform |
| GB2502681B (en) * | 2012-03-28 | 2018-10-03 | Logined Bv | Seismic attribute colour model transform |
| CN105654437A (zh) * | 2015-12-24 | 2016-06-08 | 广东迅通科技股份有限公司 | 一种对低照度图像的增强方法 |
| WO2020124808A1 (zh) * | 2018-12-20 | 2020-06-25 | 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 | 图像增强装置及图像增强方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20021217 |