JP2001194584A - 投影レンズおよび映像投影装置 - Google Patents

投影レンズおよび映像投影装置

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JP2001194584A
JP2001194584A JP2000010000A JP2000010000A JP2001194584A JP 2001194584 A JP2001194584 A JP 2001194584A JP 2000010000 A JP2000010000 A JP 2000010000A JP 2000010000 A JP2000010000 A JP 2000010000A JP 2001194584 A JP2001194584 A JP 2001194584A
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image
projection
projection lens
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Koichi Yoshikawa
功一 吉川
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画振れによる投影像の劣化を低減し、高品位
な投影像を得ることができるようにする。 【解決手段】 像面側から順に、全体として正の屈折力
を有した第1のレンズ群G1と第2のレンズ群G2とを
配置する。第1のレンズ群G1の最も物体側には、負の
屈折力を有し像側に凸面を向けた第1のレンズ成分L1
を配置する。第2のレンズ群G2の最も像面側には、物
体側に凸面を向け、少なくとも1つの面が接合面で構成
された第2のレンズ成分L2を配置し、第2のレンズ群
G2の最も物体側には、正の屈折力を有する第3のレン
ズ成分L3を配置する。第3のレンズ成分L3は、画振
れ補正用のレンズ成分であり、光軸Oに直交するX方向
およびY方向に移動可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に提供され
た映像を、映像の振れを補正してスクリーン等に投影す
るための投影レンズおよび映像投影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、投影レンズは、例えば、映画
フィルムに記録された映像をスクリーンに投影する映写
装置の光学系に利用されている。また、投影レンズは、
例えば、映画フィルムに記録された映像をカメラで撮影
して映像信号に変換するようなテレシネ装置の光学系に
も利用されている。更に、投影レンズは、映写装置およ
びテレシネ装置のようないわゆるフィルム処理装置以外
にも、光学的に提供された映像を投影するための種々の
映像投影装置の光学系に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来より、
映像投影装置においては、投影された映像の位置が変位
する現象(以下、このような現象を「画ぶれ」とい
う。)が問題となっている。例えば、フィルム処理装置
においては、フィルムの走行位置が常に一定の位置に位
置決めされていないと画ぶれが生じる。フィルム処理装
置には、フィルム走行系の方式として、連続送り方式と
間欠送り方式とがあるが、いずれの方式においても、こ
の画ぶれが生じる。例えば、連続送り方式においては、
照明光の走査と映画フィルムの走行とを完全に同期させ
ることが困難であるという欠点があり、これにより画ぶ
れが生ずる。また、間欠送り方式においては、映画フィ
ルムの幅方向の両端部に設けられたパーフォレーション
と呼ばれる送り穴に、レジストーションピンと呼ばれる
ピンを挿入して映画フィルムの位置決めを行うようにな
っているが、フィルムの損傷を回避するため、レジスト
ーションピンとパーフォレーションに隙間を設ける必要
があり、このことがフィルム位置の変位を発生させ、画
ぶれを生じさせる。
【0004】このような画ぶれが生じると、例えば映写
装置においては、投影レンズにより映像が数百倍に拡大
してスクリーン上に投影されるため、映像の品位を著し
く低下させ、映像の安定感を劣化させることになる。ま
た、この画ぶれに起因する映像品位の低下は、視聴者に
疲労を与える原因になるという問題もある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、画振れによる投影像の劣化を低減
し、高品位な投影像を得ることができるようにした投影
レンズおよび映像投影装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による投影レンズ
は、光学的に提供された映像を投影するための投影レン
ズであって、複数のレンズ成分を有すると共に、複数の
レンズ成分の少なくとも1つが、投影対象となる映像の
振れが補正されるように、映像の振れに応じて、光軸に
直交する方向に移動可能に構成されているものである。
【0007】ここで、本発明による投影レンズは、例え
ば、像面側から順に、少なくとも、正の屈折力を有する
第1のレンズ群と正の屈折力を有する第2のレンズ群と
が配置されて構成され、第1のレンズ群は、最も物体側
に配置されると共に、負の屈折力を有し像側に凸面を向
けた第1のレンズ成分を備え、第2のレンズ群は、最も
像面側に配置されると共に、物体側に凸面を向け、少な
くとも1つの面が接合面で構成された第2のレンズ成分
と、最も物体側に配置されると共に、正の屈折力を有す
る第3のレンズ成分とを備え、第3のレンズ成分、また
は第2のレンズ成分および第3のレンズ成分が、光軸に
直交する方向に移動可能に構成されていることが望まし
い。
【0008】本発明による映像投影装置は、光学的に提
供された映像を投影レンズを介して投影する映像投影装
置であって、投影レンズが、複数のレンズ成分を有する
と共に、複数のレンズ成分の少なくとも1つが、投影対
象となる映像の振れが補正されるように、映像の振れに
応じて、光軸に直交する方向に移動可能に構成されてい
るものである。
【0009】本発明による投影レンズおよび映像投影装
置では、複数のレンズ成分の少なくとも1つが、投影対
象となる映像の振れに応じて光軸に直交する方向に移動
することにより、映像の振れが補正される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施の形態に係る映像
投影装置としての映写装置の要部構造を示す図である。
この映写装置1は、映画フィルム2に記録された映像を
投影するためのものであり、同図に示したように、投影
対象となる映画フィルム2が所定の位置に停止するよう
にして挟持するゲート部21と、映画フィルム2を間欠
送りするための間欠送り部22と、ゲート部21に挟持
された映画フィルム2に向けて投影用の光L1を発する
光源24Aを内蔵したランプハウス部24と、内部に、
映画フィルム2に記録された映像を光学的に拡大するた
めの投影レンズ28が配置されたレンズ部27と、投影
レンズ28によって拡大された映像が投影されるスクリ
ーン29とを備えている。なお、図示しないが、映写装
置1は、更に、映画フィルム2を供給する供給リール
と、この供給リールから供給された映画フィルム2を巻
き取る巻取リールと、映画フィルム2に記録された音声
を再生する音声再生部とを備えている。ゲート部21お
よび間欠送り部22は、供給リールと巻取リールとの間
に配置されている。
【0012】この映写装置1は、更に、映画フィルム2
の幅方向および長手方向の位置振れ量に対応した検出信
号SX0,SY0 を出力する位置検出部33と、映写装置1の
各部の制御を行う主制御部34と、映画フィルム2の位
置振れ量に応じて投影レンズ28における画振れ補正用
のレンズ成分を光軸に直交する方向に移動させる画振れ
補正機構部41と、主制御部34からの画振れ補正制御
信号SX1,SY1 に基づいて画振れ補正機構部41を駆動制
御する駆動制御部42とを備えている。
【0013】映画フィルム2は、図示しないが、幅方向
の両端部に、走行同期を取るためのパーフォレーション
と呼ばれる送り穴が、所定間隔毎に順次設けられてい
る。この映画フィルム2の幅方向の両端部に設けられた
2つのパーフォレーションの列の間には映像を光学的に
記録した映像記録領域が設けられている。また、映画フ
ィルム2の幅方向の少なくとも1つの端部には、デジタ
ル音声を光学的に記録したデジタル音声記録領域とアナ
ログ音声を光学的に記録したアナログ音声記録領域とが
設けられている。
【0014】ランプハウス部24は、光源24Aの他
に、映画フィルム2の間欠送り動作に連動して開閉する
シャッタ24Bと、このシャッタ24Bの駆動を行うモ
ータ24Cとを有している。
【0015】ゲート部21は、ピクチャゲート21Aお
よびプレッシャプレート21Bを有し、これらピクチャ
ゲート21Aおよびプレッシャプレート21B間におい
て映画フィルム2を挟み込むような構成となっている。
ピクチャゲート21Aの映画フィルム2との対向面には
スチールバンド31が設けられている。プレッシャプレ
ート21Bの映画フィルム2との対向面には対向面が湾
曲した形状のガイドシュー32が設けられている。ピク
チャゲート21Aおよびプレッシャプレート21Bに
は、映画フィルム2の映像記録領域に対応した大きさの
図示しないピクチャアパーチャが設けられている。
【0016】間欠送り部22は、間欠送りスプロケット
22Aおよびスプロケットシュー22Bを有し、これら
間欠送りスプロケット22Aおよびスプロケットシュー
22B間において映画フィルム2を挟み込むような構成
となっている。この間欠送り部22において、間欠送り
スプロケット22Aは、サーボモータ23の駆動制御に
基づいて、所定のタイミングで所定角度ずつ順次回転
し、これにより、映画フィルム2の各映像記録領域がゲ
ート部21に瞬間的に(例えば、24回/秒の割合で)
順次停止するように映画フィルム2を間欠送りするよう
になっている。
【0017】位置検出部33は、映画フィルム2がゲー
ト部に停止したときに、その停止位置における映画フィ
ルム2の幅方向および長手方向の位置振れ量を検出し、
その位置振れ量に対応した検出信号SX0,SY0 を主制御部
34に出力するようになっている。位置検出部33は、
例えば、映画フィルム2に設けられたパーフォレーショ
ンの幅方向および長手方向の位置を、ピクチャゲート2
1Aおよびプレッシャプレート21Bに設けられた図示
しないピクチャアパーチャの位置と比較することによ
り、映画フィルム2の位置振れ量の検出を行うようにな
っている。主制御部34は、位置検出部33において検
出された映画フィルム2の位置振れ量に基づいて、駆動
制御部42に対し、画振れを補正するための画振れ補正
制御信号SX1,SY1 を送出するようになっている。なお、
主制御部34は、位置検出部33において検出された位
置振れ量と画振れ補正用のレンズ成分の移動量との関係
を示す関係テーブルを記憶するためのメモリを有してい
る。
【0018】このような構成の映写装置1では、図示し
ない供給リールから映画フィルム2がゲート部21に連
続的に供給されると共に、供給された映画フィルム2が
図示しない巻取リールに連続的に巻き取られる。間欠送
り部22の間欠送りスプロケット22Aは、所定のタイ
ミングで所定角度ずつ順次回転し、これにより、供給リ
ールから連続的に供給された映画フィルム2の各画像記
録領域がゲート部21に瞬間的において順次間欠的に停
止するように映画フィルム2を間欠送りさせる。
【0019】映写装置1では、映画フィルム2の間欠送
り動作に連動してランプハウス部24のシャッタ24B
が開閉動作し、ゲート部21の所定位置において映画フ
ィルム2の映像記録領域が停止したときに、映画フィル
ム2の映像記録領域にランプハウス部24からの光が投
射される。映画フィルム2の映像記録領域を透過した投
影光は、レンズ部27の投影レンズ28によってスクリ
ーン29に拡大投影される。なお、映画フィルム2に記
録された音声は、図示しない音声再生部において再生さ
れる。
【0020】また、映写装置1では、映画フィルム2が
ゲート部に停止したときに、その停止位置における映画
フィルム2の幅方向および長手方向の位置振れ量が、位
置検出部33において検出され、その位置振れ量に対応
した検出信号SX0,SY0 が主制御部34に出力される。主
制御部34は、位置検出部33において検出された位置
振れ量に基づいて、駆動制御部42に対し、画振れを補
正するための画振れ補正制御信号SX1,SY1 を送出する。
駆動制御部42は、画振れ補正制御信号SX1,SY1 に基づ
いて、画振れ補正機構部41を駆動し、投影レンズ28
における画振れ補正用のレンズ成分を光軸に直交する方
向に移動させる。このように、映写装置1では、ゲート
部21に停止した映画フィルム2に位置振れがあったと
しても、投影レンズ28の画振れ補正用のレンズ成分
が、位置振れに応じて光軸に直交する方向に移動し、投
影光の光軸が補正される。これにより、映写装置1で
は、映画フィルム2に位置振れがあったとしても、スク
リーン29上における投影像の画振れが補正される。
【0021】次に、本実施の形態に係る投影レンズ28
の構成および作用について詳細に説明する。
【0022】図2は、投影レンズ28のレンズ構成の一
例を示すものであり、図では、光軸Oを含む平面内にお
ける投影レンズ装置28の断面構造を示している。ま
た、図中の符号S1〜S6,S8〜S12は、各レンズ
要素の面番号を示し、符号S7は、開口絞りを示してい
る。符号S13は、映画フィルム2のフィルム面(物体
面)を示している。従って、図において、レンズ面S1
方向が像面側(投影側)であり、フィルム面S13方向
が物体側である。なお、図では、投影レンズ28のレン
ズ要素と共に、投影レンズ28を通過する複数の光線群
を同時に示している。
【0023】同図に示したように、投影レンズ28は、
全体がいわゆるガウス型レンズの構成となっており、像
面側から順に、少なくとも、正の屈折力を有する第1の
レンズ群G1と正の屈折力を有する第2のレンズ群G2
とが配置されて構成されている。第2のレンズ群G2
は、開口絞りS7を介して第1のレンズ群G1よりも物
体側に配置されている。従って、投影レンズ28では、
物体側において、映画フィルム2に光を照射することに
より光学的な映像が提供されると、この映像が、第2の
レンズ群G2、第1のレンズ群G1の順に物体側から入
射され、スクリーン29(図1)に向けて拡大した投影
像が形成される。
【0024】第1のレンズ群G1は、像面側に凸面を向
けた正のメニスカスレンズE1と、像面側に凸面を向け
た正のメニスカスレンズE2と、像面側に凸面を向けた
負のメニスカスレンズE3(L1)とを備えている。第
1のレンズ群G1においては、像面側から順に、レンズ
E1,E2,E3が、この順番で配置されている。この
ように、第1のレンズ群G1の最も物体側には、像側に
凸面を向けた第1のレンズ成分L1としての負のメニス
カスレンズE3が配置されている。
【0025】第2のレンズ群G2は、物体側に凸面を向
け、少なくとも1つの面が接合面で構成された第2のレ
ンズ成分L2と、正の屈折力を有する両凸レンズE6
(L3)とを備えている。第2のレンズ成分L2は、全
体として負の屈折力を有しており、同図の例では、両凹
レンズE4および両凸レンズE5が面S9で接合された
接合レンズを有して構成されている。第2のレンズ群G
2においては、像面側から順に、レンズE4,E5,E
6が、この順番で配置されている。このように、第2の
レンズ群G2の最も像面側には、開口絞りS7に隣接し
て第2のレンズ成分L2が配置され、最も物体側には、
第3のレンズ成分L3としての両凸レンズE6が配置さ
れている。
【0026】投影レンズ28のレンズ成分の少なくとも
1つは、投影対象となる映像の振れが補正されるよう
に、映像の振れに応じて、光軸Oに直交する方向に移動
可能に構成されている。本実施の形態においては、第2
のレンズ群G2の第3のレンズ成分L3が画振れ補正用
のレンズ成分であり、光軸Oに直交するX方向およびY
方向に移動可能に構成されている。なお、画振れ補正用
のレンズ成分の移動方向は、機械的な精度の関係上、光
軸Oに対して完全に直交させることができるとは限らな
い。本実施の形態においては、画振れ補正用のレンズ成
分の移動方向は、画振れを補正することが可能な範囲
で、ほぼ直交していれば良い。
【0027】ここで、投影レンズ28において、第1の
レンズ群G1または第2のレンズ群G2の少なくとも一
方における少なくとも1つのレンズ面が非球面で構成さ
れていることが望ましい。本実施の形態においては、例
えば図3に示したように、第1のレンズ群G1における
メニスカスレンズE2の像側の面S3と、第2のレンズ
群G2における第2のレンズ成分L2の最も物体側の面
S10とが非球面で構成されている。このように投影レ
ンズ28の少なくとも1つの面を非球面で構成すると、
主として球面収差およびコマ収差を効果的に除去するこ
とができる。特に、開口絞りS7に近い面を非球面で構
成すると、球面収差の除去に有効である他、非球面を形
成するレンズ面が小径となるため、精度の高い非球面加
工を行うことが可能となる。
【0028】また、投影レンズ28においては、第2の
レンズ群G2の焦点距離をf2とし、レンズ系全体の焦
点距離をfとしたときに、以下の条件式(1)を満足す
ることが望ましい。
【0029】0.5<f2/f<1.5 …(1)
【0030】この条件式(1)は、第2のレンズ群G2
の焦点距離f2とレンズ系全体の焦点距離fとの比につ
いて、適切な範囲を定めたものである。条件式(1)の
下限値を下回ると、球面収差が負側に過大となる傾向で
あり性能の点で不都合となる。一方、条件式(1)の上
限値を上回ると、球面収差が負側に過大となる傾向にな
り性能の点で不都合となる。また、条件式(1)の上限
値を上回ると、ペッツバール和が正側に大きく変移し易
くなり、フィルム面S13でピントの合う位置が負方向
に曲がり易くなり好ましくない。
【0031】また、投影レンズ28においては、第3の
レンズ成分L3の焦点距離をf4とし、画ぶれ補正時に
おける第3のレンズ成分L3の光軸Oに直交する方向の
最大変位量の大きさをΔSとしたときに、以下の条件式
(2)を満足することが望ましい。
【0032】ΔS/f4<0.01 …(2)
【0033】この条件式(2)は、画振れ補正用のレン
ズ成分における光軸Oに直交する方向の最大変位量の大
きさΔSと焦点距離f4との比について、適切な範囲を
規定したものである。条件式(2)を満足しない場合、
画振れ補正用のレンズ成分の画ぶれ補正時における最大
変位量の大きさΔSの値が大きくなりすぎ、画ぶれ補正
時における収差変動量が大きくなるため性能の点で不都
合となる。
【0034】更に、投影レンズ28においては、レンズ
系全体の焦点距離をfとし、最大物体高(映画フィルム
2の大きさ)をYmax とし、画振れ補正用のレンズ成分
である第3のレンズ成分L3のアッベ数の値をνaとし
たときに、以下の条件式(3),(4)を満足すること
が望ましい。
【0035】0.18<Ymax /f<0.4 …(3) 45<νa …(4)
【0036】ここで、条件式(3)は、最大物体高Y
max に対するレンズ系全体の焦点距離fの比について適
切な範囲を規定している。条件式(3)の上限値を上回
ると、ペッツバール和が正側に過度に大きくなり易くな
り、性能の点で不都合である。逆に、条件式(3)の下
限値を下回ると、画角が大きくなりすぎて、軸外収差、
特に像面湾曲およびコマ収差が補正しきれなくなり性能
の点で不都合となる。また、条件式(3)の下限値を下
回ると、バックフォーカスが不足しがちになり、不都合
である。条件式(4)は、画ぶれ補正時、すなわち画振
れ補正用のレンズ成分を移動させた場合においても良好
な色収差補正を得るために重要な条件である。条件式
(4)を満足しない場合には、画ぶれ補正時に短波長の
軸上色収差が負側に過大となり、良好な結像性能を得る
ことが困難となる。
【0037】図3は、図2に示したレンズ構成における
投影レンズ28の諸元値を示すものである。同図におい
て、fは焦点距離を、Bfはバックフォーカスを表して
いる。Fnoは、無限遠方からの投影状態におけるFナン
バーを表す。面番号は、光線の進行する方向(投影方
向)とは逆の像面側からのレンズ面の順序を示し、図2
の符号S1〜S13に対応している。屈折率およびアッ
ベ数は、それぞれd線(波長λ=587.6nm)に対
する値を示している。曲率半径、面間隔、焦点距離fお
よびバックフォーカスBfの値の単位はミリメートル
(mm)である。
【0038】また、同図(B)に示されている非球面係
数A,B,C,D,Eの値は、非球面形状を表す所定の
非球面多項式における係数である。ここで、非球面多項
式は、光軸方向にZ軸、光軸Oの直交方向にH軸を取
り、光の進行方向を負とし、Rを近軸曲率半径としたと
き、次の式(A)によって表されるものである。
【0039】 Z=((1/R)H2 )/[1+{1−(H/R)2 1/2 ] +AH2 +BH4 +CH6 +DH8 +EH10 …(A)
【0040】この式(A)において、Hは、光軸Oから
の距離を表し、Zは、光軸Oからの距離Hにおけるレン
ズのサグ(sag)量を表している。非球面係数A,
B,C,D,Eは、式(A)において、それぞれ2次,
4次,6次,8次,10次の係数である。式(A)の非
球面多項式において、2次の非球面係数Aがゼロのとき
には、近軸におけるレンズの面形状が球面であることを
示している。
【0041】同図(C)は、上述の条件式(1)〜
(4)に対応する値を示している。同図に示したよう
に、本実施の形態に係る投影レンズ28においては、レ
ンズ系全体の焦点距離fの値が100mmであり、第2
のレンズ群G2の焦点距離f2の値が82.5mmであ
るから、f2/f=0.825となり、上述の条件式
(1)を満足している。
【0042】また、投影レンズ28においては、画ぶれ
補正時における第3のレンズ成分L3の光軸Oに直交す
る方向の最大変位量の大きさΔSの値が0.2mmであ
り、第3のレンズ成分L3の焦点距離f4の値が99.
2mmであるから、ΔS/f4=0.0020となり、
上述の条件式(2)を満足している。
【0043】更に、投影レンズ28においては、レンズ
系全体の焦点距離fの値が100mmであり、最大物体
高(映画フィルム2の大きさ)Ymax の値が27.2m
mであるから、Ymax /f=0.272となり、上述の
条件式(3)を満足している。また更に、投影レンズ2
8においては、第3のレンズ成分L3のアッベ数νaの
値が、47.5であるから、上述の条件式(4)を満足
している。
【0044】図4は、投影レンズ28における第3のレ
ンズ成分L3のレンズ移動量と映画フィルム2のフィル
ム移動量(位置振れ量)との関係を示すテーブルの一例
を示したものである。また、図5は、図4に示したレン
ズ移動量とフィルム移動量との関係をグラフ化したもの
である。本実施の形態においては、映画フィルム2に位
置振れがあった場合には、映画フィルム2の移動方向と
同方向に、画振れ補正用のレンズ成分である第3のレン
ズ成分L3を移動させるようになっている。主制御部3
4(図1)は、図4に示したような関係テーブルを図示
しないメモリにあらかじめ記憶している。主制御部34
は、位置検出部33において検出された位置振れ量を取
得すると、あらかじめ記憶している関係テーブルから適
切なレンズ移動量の値を求め、映画フィルム2の移動方
向と同方向に画振れ補正用のレンズ成分を移動させるよ
う、駆動制御部42に対し、画振れ補正制御信号SX1,SY
1を送出する。
【0045】図6〜図8は、図3に示した諸元値を有す
る投影レンズ28に対し、無限遠方から光を逆投影した
状態(逆投影状態)におけるフィルム面S13上の諸収
差を示す図である。なお、図6は、第3のレンズ成分L
3のレンズ移動量がゼロのときの球面収差(同図
(A))、非点収差(同図(B))および歪曲収差(同
図(C))を示している。図7は、第3のレンズ成分L
3のレンズ移動量をゼロとしたときの横収差を示し、図
8は、画振れ補正をしたときの横収差の一例として、第
3のレンズ成分L3のレンズ移動量を0.2mmとした
ときの横収差を示している。また、これらの各収差図に
おいて、符号Yは像高を、符号Eはe線(波長λ=54
6.1nm)を、符号FはF線(波長λ=486.1n
m)を、符号CはC線(波長λ=656.3nm)をそ
れぞれ示している。また、非点収差を示す図6(B)の
収差図において、符号Sはサジタル像面を、符号Tはメ
リジオナル(タンジェンシャル)像面を示している。図
7および図8に示した横収差は、各像高について、フィ
ルム面内における互いに直交する2つの方向X,Y(図
2参照)の収差を示している。
【0046】各収差図から明らかなように、投影レンズ
28は、第3のレンズ成分L3の移動量がゼロの場合は
もちろん、画振れ補正のために第3のレンズ成分L3を
移動させた場合においても、中心部から周辺部に渡って
諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0047】図9は、投影レンズ28の逆投影状態にお
けるフィルム面S13上の口径食を示す図である。同図
において、横軸はフィルム面S13上の高さを示し、縦
軸は口径食を示している。なお、同図の縦軸では、口径
食がゼロの状態を1としている。同図に示したように、
投影レンズ28では、周辺部に渡って口径食が全くない
ことがわかる。従って、本実施の形態に係る投影レンズ
28では、開口効率が高く、中心部から周辺部に渡って
明るいレンズ性能を有している。
【0048】なお、一般に、投影光学系の場合、投影像
が投影されるスクリーン上の照度分布は、反射鏡などの
照明光学系と他のレンズ系との関係で決まるものであ
り、投影レンズ単独で決定されるわけではない。しかし
ながら、投影レンズの口径食はスクリーン上の照度分布
に少なからず影響を与えるので、ここでは参考として口
径食の値を図示した。
【0049】以上説明したように、本実施の形態に係る
投影レンズ28および映写装置1によれば、投影対象と
なる映像の振れ、すなわち映画フィルム2の位置振れが
補正されるように、映画フィルム2の位置振れに応じ
て、画振れ補正用のレンズ成分を光軸に直交する方向に
移動させるようにしたので、画振れの影響による投影像
の劣化を低減し、高品位な投影像を得ることができる。
このように、本実施の形態に係る投影レンズ28および
映写装置1によれば、画振れの影響を低減することがで
きるので、画振れによる視聴者の疲労を低減することが
できる。
【0050】また、本実施の形態に係る投影レンズ28
によれば、投影レンズ28を、像面側から順に、少なく
とも、正の屈折力を有する第1のレンズ群G1と正の屈
折力を有する第2のレンズ群G2とを配置して構成し、
第1のレンズ群G1が、最も物体側に配置されると共
に、負の屈折力を有し像側に凸面を向けた第1のレンズ
成分L1を備え、第2のレンズ群G2が、最も像面側に
配置されると共に、物体側に凸面を向け、少なくとも1
つの面が接合面で構成された第2のレンズ成分L2と、
最も物体側に配置されると共に、正の屈折力を有する第
3のレンズ成分L3とを備えるようにしたので、周辺部
における像質および開口効率を向上させ、全体に渡って
高品位な投影像を得ることができる。従って、本実施の
形態に係る映写装置1において、スクリーン全体に渡っ
て高品位な映像を投影することができる。また、本実施
の形態に係る投影レンズ28によれば、少なくとも1つ
の面を非球面で構成するようにしたので、球面収差およ
びコマ収差を効果的に除去することができる。
【0051】[変形例]次に、本発明の変形例について
説明する。なお、以下の説明では、上記実施の形態にお
ける構成要素と同一の部分には同一の符号を付し、適宜
説明を省略する。本変形例に係る映像投影装置としての
映写装置の全体構成は図1に示した映写装置1と同様で
あるが、レンズ部27に適用される投影レンズ28の構
成が異なっている。
【0052】図10は、本変形例に係る投影レンズ2
8′のレンズ構成を示すものであり、図では、光軸Oを
含む平面内における投影レンズ装置28′の断面構造を
示している。また、図中の符号S1〜S6,S8〜S1
4は、各レンズ要素の面番号を示し、符号S7は、開口
絞りを示している。符号S15は、映画フィルム2のフ
ィルム面(物体面)を示している。従って、図におい
て、レンズ面S1方向が像面側(投影側)であり、フィ
ルム面S15方向が物体側である。なお、図では、投影
レンズ28′のレンズ要素と共に、投影レンズ28′を
通過する複数の光線群を同時に示している。
【0053】同図に示したように、投影レンズ28′
は、図2に示した投影レンズ28と同様に、像面側から
順に、少なくとも、正の屈折力を有する第1のレンズ群
G1′と正の屈折力を有する第2のレンズ群G2′とが
配置されて構成されている。第2のレンズ群G2′は、
開口絞りS7を介して第1のレンズ群G1′よりも物体
側に配置されている。従って、投影レンズ28′では、
物体側において、映画フィルム2に光を照射することに
より光学的な映像が提供されると、この映像が、第2の
レンズ群G2′、第1のレンズ群G1′の順に物体側か
ら入射され、スクリーン29(図1)に向けて拡大した
投影像が形成される。
【0054】第1のレンズ群G1′は、像面側に凸面を
向けた正のメニスカスレンズE1′と、像面側に凸面を
向けた正のメニスカスレンズE2′と、像面側に凸面を
向けた負のメニスカスレンズE3′(L1′)とを備え
ている。第1のレンズ群G1′においては、像面側から
順に、レンズE1′,E2′,E3′が、この順番で配
置されている。このように、第1のレンズ群G1′の最
も物体側には、図2に示した投影レンズ28における第
1のレンズ群G1と同様に、負のメニスカスレンズE
3′が第1のレンズ成分L1′として配置されている。
【0055】第2のレンズ群G2′は、物体側に凸面を
向け、少なくとも1つの面が接合面で構成された第2の
レンズ成分L2′と、正の屈折力を有する両凸レンズE
7′(L3′)とを備えている。第2のレンズ成分L
2′は、両凹レンズE4′、両凸レンズE5′およびメ
ニスカスレンズE6′を有して構成され、全体の屈折力
は負となっている。この第2のレンズ成分L2′の両凹
レンズE4′および両凸レンズE5′は、面S9で接合
された接合レンズの構成となっている。また、第2のレ
ンズ成分L2′のメニスカスレンズE6′は、フィルム
面S15側に凸面を向けた負のメニスカスの構成となっ
ている。第2のレンズ群G2′においては、像面側から
順に、レンズE4′,E5′,E6′,E7′が、この
順番で配置されている。このように、第2のレンズ群G
2′の最も像面側には、開口絞りS7に隣接して第2の
レンズ成分L2′が配置され、最も物体側には、第3の
レンズ成分L3′としての両凸レンズE7′が配置され
ている。
【0056】投影レンズ28′においては、第2のレン
ズ群G2′の第2のレンズ成分L2′および第3のレン
ズ成分L3′が画振れ補正用のレンズ成分となってお
り、これらのレンズ成分が、図2に示した投影レンズ2
8と同様に、光軸Oに直交するX方向およびY方向に移
動可能に構成されている。なお、画振れ補正用のレンズ
成分の移動方向は、機械的な精度の関係上、光軸Oに対
して完全に直交させることができるとは限らない。本変
形例においては、画振れ補正用のレンズ成分の移動方向
は、画振れを補正することが可能な範囲で、ほぼ直交し
ていれば良い。
【0057】ここで、投影レンズ28′において、第1
のレンズ群G1′または第2のレンズ群G2′の少なく
とも一方における少なくとも1つのレンズ面が非球面で
構成されていることが望ましい。本変形例においては、
例えば図11に示したように、第1のレンズ群G1′に
おけるメニスカスレンズE2′の像側の面S3が非球面
で構成されている。投影レンズ28′の少なくとも1つ
の面を非球面で構成することによる作用および効果は、
上述の図2に示した投影レンズ28と同様である。
【0058】また、投影レンズ28′においては、図2
に示した投影レンズ28と同様に、第2のレンズ群G
2′の焦点距離をf2とし、レンズ系全体の焦点距離を
fとしたときに、以下の条件式(1)を満足することが
望ましい。条件式(1)を満足することによる作用およ
び効果は、図2に示した投影レンズ28と同様である。
【0059】0.5<f2/f<1.5 …(1)
【0060】また、投影レンズ28′においては、図2
に示した投影レンズ28と同様に、第3のレンズ成分L
3′の焦点距離をf4とし、画ぶれ補正時における第3
のレンズ成分L3′の光軸Oに直交する方向の最大変位
量の大きさをΔSとしたときに、以下の条件式(2)を
満足することが望ましい。条件式(2)を満足すること
による作用および効果は、図2に示した投影レンズ28
と同様である。
【0061】ΔS/f4<0.01 …(2)
【0062】更に、投影レンズ28′においては、レン
ズ系全体の焦点距離をfとし、最大物体高(映画フィル
ム2の大きさ)をYmax とし、画振れ補正用のレンズ成
分の一つである第3のレンズ成分L3′のアッベ数の値
をνaとしたときに、以下の条件式(3),(4)を満
足することが望ましい。条件式(3),(4)を満足す
ることによる作用および効果は、図2に示した投影レン
ズ28と同様である。
【0063】0.18<Ymax /f<0.4 …(3) 45<νa …(4)
【0064】図11は、図10に示したレンズ構成にお
ける投影レンズ28′の諸元値を示すものである。同図
における各符号の意味は、図3と同様である。
【0065】同図(C)は、図3(C)と同様に、上述
の条件式(1)〜(4)に対応する値を示している。同
図に示したように、本変形例に係る投影レンズ28′に
おいては、レンズ系全体の焦点距離fの値が100mm
であり、第2のレンズ群G2′の焦点距離f2の値が7
9.3mmであるから、f2/f=0.793となり、
上述の条件式(1)を満足している。
【0066】また、投影レンズ28′においては、画ぶ
れ補正時における第3のレンズ成分L3′の光軸Oに直
交する方向の最大変位量の大きさΔSの値が0.2mm
であり、第3のレンズ成分L3′の焦点距離f4の値が
73.7mmであるから、ΔS/f4=0.0027と
なり、上述の条件式(2)を満足している。
【0067】更に、投影レンズ28′においては、レン
ズ系全体の焦点距離fの値が100mmであり、最大物
体高(映画フィルム2の大きさ)Ymax の値が27.2
mmであるから、Ymax /f=0.272となり、上述
の条件式(3)を満足している。また更に、投影レンズ
28′においては、第3のレンズ成分L3′のアッベ数
νaの値が、47.5であるから、上述の条件式(4)
を満足している。
【0068】図12は、投影レンズ28′における画振
れ補正用のレンズ成分(第2のレンズ成分L2′および
第3のレンズ成分L3′)のレンズ移動量と映画フィル
ム2のフィルム移動量(位置振れ量)との関係を示すテ
ーブルの一例を示したものである。また、図13は、図
12に示したレンズ移動量とフィルム移動量との関係を
グラフ化したものである。本実施の形態においては、映
画フィルム2に位置振れがあった場合には、映画フィル
ム2の移動方向と同方向に、画振れ補正用のレンズ成分
である第2のレンズ成分L2′および第3のレンズ成分
L3′を移動させるようになっている。主制御部34
(図1)は、図12に示したような関係テーブルを図示
しないメモリにあらかじめ記憶している。主制御部34
は、位置検出部33において検出された位置振れ量を取
得すると、あらかじめ記憶している関係テーブルから適
切なレンズ移動量の値を求め、映画フィルム2の移動方
向と同方向に画振れ補正用のレンズ成分を移動させるよ
う、駆動制御部42に対し、画振れ補正制御信号SX1,SY
1 を送出する。
【0069】図14〜図16は、図11に示した諸元値
を有する投影レンズ28′に対し、無限遠方から光を逆
投影した状態(逆投影状態)におけるフィルム面S15
上の諸収差を示す図である。なお、図14は、第2のレ
ンズ成分L2′および第3のレンズ成分L3′のレンズ
移動量がゼロのときの球面収差(同図(A))、非点収
差(同図(B))および歪曲収差(同図(C))を示し
ている。図15は、第2のレンズ成分L2′および第3
のレンズ成分L3′のレンズ移動量をゼロとしたときの
横収差を示し、図16は、画振れ補正をしたときの横収
差の一例として、第2のレンズ成分L2′および第3の
レンズ成分L3′のレンズ移動量を0.2mmとしたと
きの横収差を示している。これらの各収差図において、
各符号の意味は、上述の図6〜図8と同様である。
【0070】これらの収差図から明らかなように、投影
レンズ28′は、図2に示した投影レンズ28と同様
に、画振れ補正用のレンズ成分の移動量がゼロの場合は
もちろん、画振れ補正用のレンズ成分を移動させた場合
においても、中心部から周辺部に渡って諸収差が良好に
補正されていることがわかる。
【0071】図17は、投影レンズ28′の逆投影状態
におけるフィルム面S15上の口径食を示す図である。
同図において、横軸はフィルム面S15上の高さを示
し、縦軸は口径食を示している。なお、同図の縦軸で
は、口径食がゼロの状態を1としている。同図に示した
ように、投影レンズ28′では、周辺部に渡って口径食
が全くないことがわかる。従って、本変形例に係る投影
レンズ28′では、図2に示した投影レンズ28と同様
に、開口効率が高く、中心部から周辺部に渡って明るい
レンズ性能を有している。
【0072】以上説明したように、本変形例に係る投影
レンズ28′によれば、図2に示した投影レンズ28と
同様に、画振れの影響による投影像の劣化を低減し、高
品位な投影像を得ることができる。
【0073】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず種々の変形実施が可能である。例えば、本発明の投
影レンズは、映写装置のみならず、映画フィルムに記録
された映像をカメラで撮影して映像信号に変換するよう
なテレシネ装置等の他のフィルム処理装置にも利用する
ことが可能である。更に、本発明の投影レンズは、映画
フィルムに記録された映像を投影するような装置に限定
されず、映画フィルム以外から光学的に提供された映像
を投影するその他の投影装置に広く適用することが可能
である。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし6
のいずれか1項に記載の投影レンズおよび請求項7記載
の映像投影装置によれば、複数のレンズ成分の少なくと
も1つを、投影対象となる映像の振れが補正されるよう
に、映像の振れに応じて、光軸に直交する方向に移動可
能に構成したので、画振れによる投影像の劣化を低減
し、画振れの影響を受けることなく高品位な投影像を得
ることができるという効果を奏する。
【0075】特に、請求項6記載の投影レンズによれ
ば、請求項2記載の投影レンズにおいて、第1のレンズ
群または第2のレンズ群の少なくとも一方における少な
くとも1つのレンズ面を、非球面で構成するようにした
ので、球面収差やコマ収差の除去をより効果的に行うこ
とが可能となり、より高品位な投影像を得ることができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る映像投影装置とし
ての映写装置の要部構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る投影レンズの構成
を示す断面図である。
【図3】図2に示した投影レンズの光学的な諸元値を示
す説明図である。
【図4】図2に示した投影レンズにおけるレンズの移動
量とフィルムの移動量との関係を示すテーブルの一例を
示す説明図である。
【図5】図4に示したレンズの移動量とフィルムの移動
量との関係をグラフ化して示す説明図である。
【図6】図2に示した投影レンズの逆投影状態における
球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図であ
る。
【図7】図2に示した投影レンズの逆投影状態における
横収差を示す収差図である。
【図8】図2に示した投影レンズにおいて画振れ補正時
の横収差を示す収差図である。
【図9】図2に示した投影レンズの逆投影状態における
口径食を示す説明図である。
【図10】本発明の変形例に係る投影レンズの構成を示
す断面図である。
【図11】図10に示した投影レンズの光学的な諸元値
を示す説明図である。
【図12】図10に示した投影レンズにおけるレンズの
移動量とフィルムの移動量との関係を示すテーブルの一
例を示す説明図である。
【図13】図12に示したレンズの移動量とフィルムの
移動量との関係をグラフ化して示す説明図である。
【図14】図10に示した投影レンズの逆投影状態にお
ける球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図で
ある。
【図15】図10に示した投影レンズの逆投影状態にお
ける横収差を示す収差図である。
【図16】図10に示した投影レンズにおいて画振れ補
正時の横収差を示す収差図である。
【図17】図10に示した投影レンズの逆投影状態にお
ける口径食を示す説明図である。
【符号の説明】
G1,G1′…第1のレンズ群、G2,G2′…第2の
レンズ群、L1,L1′…第1のレンズ成分、L2,L
2′…第2のレンズ成分、L3,L3′…第3のレンズ
成分、1…映写装置、2…映画フィルム、27…レンズ
部、28…投影レンズ、29…スクリーン、33…位置
検出部、34…主制御部、41…画振れ補正機構部、4
2…駆動制御部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に提供された映像を投影するため
    の投影レンズであって、 複数のレンズ成分を有すると共に、 前記複数のレンズ成分の少なくとも1つが、投影対象と
    なる映像の振れが補正されるように、映像の振れに応じ
    て、光軸に直交する方向に移動可能に構成されているこ
    とを特徴とする投影レンズ。
  2. 【請求項2】 前記投影レンズは、像面側から順に、少
    なくとも、正の屈折力を有する第1のレンズ群と正の屈
    折力を有する第2のレンズ群とが配置されて構成され、 前記第1のレンズ群は、 最も物体側に配置されると共に、負の屈折力を有し像側
    に凸面を向けた第1のレンズ成分を備え、 前記第2のレンズ群は、 最も像面側に配置されると共に、物体側に凸面を向け、
    少なくとも1つの面が接合面で構成された第2のレンズ
    成分と、最も物体側に配置されると共に、正の屈折力を
    有する第3のレンズ成分とを備え、 前記第3のレンズ成分、または前記第2のレンズ成分お
    よび前記第3のレンズ成分が、光軸に直交する方向に移
    動可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の投影レンズ。
  3. 【請求項3】 前記第2のレンズ群の焦点距離をf2と
    し、レンズ系全体の焦点距離をfとしたときに、 0.5<f2/f<1.5 …(1) で表される条件式(1)を満足することを特徴とする請
    求項2記載の投影レンズ。
  4. 【請求項4】 前記第3のレンズ成分の焦点距離をf4
    とし、画ぶれ補正時における前記第3のレンズ成分の光
    軸に直交する方向の最大変位量の大きさをΔSとしたと
    き、 ΔS/f4<0.01 …(2) で表される条件式(2)を満足することを特徴とする請
    求項2記載の投影レンズ。
  5. 【請求項5】 レンズ系全体の焦点距離をfとし、前記
    光学的に提供された映像の最大物体高をYmax とし、前
    記第3のレンズ成分のアッベ数の値をνaとしたとき、 0.18<Ymax /f<0.4 …(3) 45<νa …(4) で表される条件式(3),(4)を満足することを特徴
    とする請求項2記載の投影レンズ。
  6. 【請求項6】 前記第1のレンズ群または前記第2のレ
    ンズ群の少なくとも一方は、少なくとも1つのレンズ面
    が非球面で構成されていることを特徴とする請求項2記
    載の投影レンズ。
  7. 【請求項7】 光学的に提供された映像を投影レンズを
    介して投影する映像投影装置であって、 前記投影レンズは、 複数のレンズ成分を有すると共に、 前記複数のレンズ成分の少なくとも1つが、投影対象と
    なる映像の振れが補正されるように、映像の振れに応じ
    て、光軸に直交する方向に移動可能に構成されているこ
    とを特徴とする映像投影装置。
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