JP2001194409A - ガス絶縁機器の耐電圧試験装置および方法 - Google Patents
ガス絶縁機器の耐電圧試験装置および方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来の装置は耐電圧試験においてSF6ガスを
使用するため大気に放出することができない。 【解決手段】本発明は、SF6ガスと同程度の絶縁耐力
を得るため空気を加圧、乾燥させて絶縁部品の耐電圧試
験を行う。試験終了後、空気なので回収する必要がなく
大気に放出することができる。
使用するため大気に放出することができない。 【解決手段】本発明は、SF6ガスと同程度の絶縁耐力
を得るため空気を加圧、乾燥させて絶縁部品の耐電圧試
験を行う。試験終了後、空気なので回収する必要がなく
大気に放出することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス絶縁機器の絶縁
部品の絶縁特性を検証するガス絶縁機器の耐電圧試験装
置及び方法に関する。
部品の絶縁特性を検証するガス絶縁機器の耐電圧試験装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス絶縁機器には、例えば、SF6ガス
を略大気圧で封入したガス絶縁スイッチギヤ(C−GI
S)などがあり、高い信頼性と大幅な縮小化が計られ数
多くの変電所で使用されている。これは、SF6ガスの
高い絶縁耐力と、無毒、無臭の不活性ガスにより達成さ
れるものである。このガス絶縁機器の主絶縁には、例え
ばエポキシ樹脂からなる絶縁物が用いられているが、機
器内に組み込む前には部分放電特性や破壊電圧特性など
の絶縁特性を調べることがある。これは、初期不良の選
別を目的として行われるものである。一般的な試験装置
を図9に示す。1は試験用のタンク、4は試験電圧を印
加するブッシング、5は圧力計、6はタンク内が規定以
上に加圧された場合の放圧弁、7は開閉用バルブ、19
は真空ポンプ、20はSF6ガスボンベである。タンク
1に図示しない供試の絶縁部品をセットして真空ポンプ
19で真空引き後、 SF6ガスをSF6ガスボンベ20
より供給して部分放電試験や破壊電圧試験などを行う。
試験終了後には、真空ポンプ19から図示していない水
分除去装置などを介して、不純物が除去されたSF6ガ
スを回収して再利用がされている。
を略大気圧で封入したガス絶縁スイッチギヤ(C−GI
S)などがあり、高い信頼性と大幅な縮小化が計られ数
多くの変電所で使用されている。これは、SF6ガスの
高い絶縁耐力と、無毒、無臭の不活性ガスにより達成さ
れるものである。このガス絶縁機器の主絶縁には、例え
ばエポキシ樹脂からなる絶縁物が用いられているが、機
器内に組み込む前には部分放電特性や破壊電圧特性など
の絶縁特性を調べることがある。これは、初期不良の選
別を目的として行われるものである。一般的な試験装置
を図9に示す。1は試験用のタンク、4は試験電圧を印
加するブッシング、5は圧力計、6はタンク内が規定以
上に加圧された場合の放圧弁、7は開閉用バルブ、19
は真空ポンプ、20はSF6ガスボンベである。タンク
1に図示しない供試の絶縁部品をセットして真空ポンプ
19で真空引き後、 SF6ガスをSF6ガスボンベ20
より供給して部分放電試験や破壊電圧試験などを行う。
試験終了後には、真空ポンプ19から図示していない水
分除去装置などを介して、不純物が除去されたSF6ガ
スを回収して再利用がされている。
【0003】これにより、ガス絶縁機器の定格ガス圧力
に合わせてタンク1内にSF6ガスを加圧封入して絶縁
物の絶縁特性が求められていた。例えば、C−GISで
は、0.13MPa(絶対値、以下同様に表示)まで封
入していた。
に合わせてタンク1内にSF6ガスを加圧封入して絶縁
物の絶縁特性が求められていた。例えば、C−GISで
は、0.13MPa(絶対値、以下同様に表示)まで封
入していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成におい
て、絶縁的に信頼性の高いガス絶縁機器が達成されてき
た。ガス絶縁機器本体では、約30年のメンテナンスフ
リーから内部を点検するためのSF6ガス開放に伴う回
収はごく希であり万全の対応をしている。しかしなが
ら、絶縁部品の耐電圧試験では、数種類の絶縁部品を連
続で検証するため、一日で数回という多頻度でSF6ガ
スの回収が必要となる。ここで、 SF6ガスは、地球
温暖化防止京都会議(1997年12月)で温暖化に寄
与するガスとされ、温暖化の効果が炭酸ガスの2300
0倍であり、大気に漏らしたり放出させることが規制さ
れた。このため、回収に伴う作業では、設備のなどの取
り扱いに細心の注意を払い、管理された工程の手順が決
められている。この回収作業を一日で数回という多頻度
で行うことは高度な作業が必要で困難性があった。これ
らのことから、 SF6ガスを使用しなければ前述の対
応は不要となるが、SF6ガスに優る絶縁媒体がないの
が現状であった。本発明は大気に放出することのできる
乾燥空気を用いてSF6ガスと同程度の絶縁耐力を得
て、絶縁部品の耐電圧試験を行う耐電圧試験装置を提供
することを目的とする。
て、絶縁的に信頼性の高いガス絶縁機器が達成されてき
た。ガス絶縁機器本体では、約30年のメンテナンスフ
リーから内部を点検するためのSF6ガス開放に伴う回
収はごく希であり万全の対応をしている。しかしなが
ら、絶縁部品の耐電圧試験では、数種類の絶縁部品を連
続で検証するため、一日で数回という多頻度でSF6ガ
スの回収が必要となる。ここで、 SF6ガスは、地球
温暖化防止京都会議(1997年12月)で温暖化に寄
与するガスとされ、温暖化の効果が炭酸ガスの2300
0倍であり、大気に漏らしたり放出させることが規制さ
れた。このため、回収に伴う作業では、設備のなどの取
り扱いに細心の注意を払い、管理された工程の手順が決
められている。この回収作業を一日で数回という多頻度
で行うことは高度な作業が必要で困難性があった。これ
らのことから、 SF6ガスを使用しなければ前述の対
応は不要となるが、SF6ガスに優る絶縁媒体がないの
が現状であった。本発明は大気に放出することのできる
乾燥空気を用いてSF6ガスと同程度の絶縁耐力を得
て、絶縁部品の耐電圧試験を行う耐電圧試験装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、SF6ガスと同程度の絶縁耐力を
得るために空気を少なくとも0.35MPaに加圧し、
かつ空気の相対湿度を90%RH以下とし、供試の絶縁
部品に電圧を印加して耐電圧試験をするガス絶縁機器の
耐電圧試験装置を提供する。SF6ガスの代わりに空気
を用いてSF6ガスと同程度の絶縁耐力を得られるので
ガス回収の必要がなく装置を簡単にできる。そのうえ空
気なので調達コストがかからない。
に本発明においては、SF6ガスと同程度の絶縁耐力を
得るために空気を少なくとも0.35MPaに加圧し、
かつ空気の相対湿度を90%RH以下とし、供試の絶縁
部品に電圧を印加して耐電圧試験をするガス絶縁機器の
耐電圧試験装置を提供する。SF6ガスの代わりに空気
を用いてSF6ガスと同程度の絶縁耐力を得られるので
ガス回収の必要がなく装置を簡単にできる。そのうえ空
気なので調達コストがかからない。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明によるガス絶縁機器の
絶縁部品における試験装置および方法の実施形態を図面
を参照して説明する。なお、従来方法と同一の構成にお
いては同一符号を記した。図1に耐電圧試験装置を示
す。1はタンク、2はコンプレッサ、3は湿度制御装
置、4はブッシング、5は圧力計、6は放圧弁、7はバ
ルブである。タンク1内には、図示していない絶縁部品
をセットし、コンプレッサ2から湿度制御装置3を介し
て乾燥空気が封入される。湿度制御装置3は、フィルタ
やシリカゲルなどでコンプレッサ2から送られてくる空
気の水分や塵埃などの不純物を除去する。出口には湿度
センサーがあり、水分除去が不十分な時にはフィードバ
ックがかかりコンプレッサ2からの風量を少なくするな
どして湿度を制御する。ブッシング4は電圧印加用のも
のである。圧力計5で圧力を測り、タンク1内が規定以
上に加圧された場合には放圧弁6で放圧する。バルブ7
を開閉させて空気の封入、放出を行う。このような構成
において、66/77kVクラスのガス絶縁スイッチギ
ヤに一般的に用いられる支持がいしを供試して、圧力と
破壊電圧との特性を図2に示す。特性曲線(a)は乾燥
空気で、特性曲線(b)はSF6ガスである。図2から
SF6ガスの0.1MPaと同程度の破壊電圧を得るた
めの乾燥空気の圧力は0.35MPaとなる。このこと
から、66/77kVクラスの耐電圧が160kVであ
ることから、乾燥空気を0.35MPaまで加圧すれば
耐電圧試験が行えることになる。
絶縁部品における試験装置および方法の実施形態を図面
を参照して説明する。なお、従来方法と同一の構成にお
いては同一符号を記した。図1に耐電圧試験装置を示
す。1はタンク、2はコンプレッサ、3は湿度制御装
置、4はブッシング、5は圧力計、6は放圧弁、7はバ
ルブである。タンク1内には、図示していない絶縁部品
をセットし、コンプレッサ2から湿度制御装置3を介し
て乾燥空気が封入される。湿度制御装置3は、フィルタ
やシリカゲルなどでコンプレッサ2から送られてくる空
気の水分や塵埃などの不純物を除去する。出口には湿度
センサーがあり、水分除去が不十分な時にはフィードバ
ックがかかりコンプレッサ2からの風量を少なくするな
どして湿度を制御する。ブッシング4は電圧印加用のも
のである。圧力計5で圧力を測り、タンク1内が規定以
上に加圧された場合には放圧弁6で放圧する。バルブ7
を開閉させて空気の封入、放出を行う。このような構成
において、66/77kVクラスのガス絶縁スイッチギ
ヤに一般的に用いられる支持がいしを供試して、圧力と
破壊電圧との特性を図2に示す。特性曲線(a)は乾燥
空気で、特性曲線(b)はSF6ガスである。図2から
SF6ガスの0.1MPaと同程度の破壊電圧を得るた
めの乾燥空気の圧力は0.35MPaとなる。このこと
から、66/77kVクラスの耐電圧が160kVであ
ることから、乾燥空気を0.35MPaまで加圧すれば
耐電圧試験が行えることになる。
【0007】つまり、耐電圧試験にSF6ガスにかわっ
て加圧した空気を使用すれば、試験終了後には大気に放
出することができる。このため、SF6ガスの取り扱い
が皆無となり、耐電圧試験が容易となり、環境に適した
試験方法となる。ここで、SF6ガスを0.2MPa以
下で封入したガス絶縁スイッチギヤ(C−GIS)で
は、大気で耐電圧を保証している場合が多いので、乾燥
空気の圧力は0.35MPaでよい。なお、保証ガス圧
力が大気圧より加圧されたものについては、比例させて
乾燥空気の圧力を増せばいい。また、上述の電圧表記は
AC電圧であるが、インパルス電圧においても同様であ
る。次に、加圧した空気はコンプレッサなどで容易に作
ることができるが、不純物が混入しやすい。不純物の影
響を調べたものがないため、実験的に加圧した空気の耐
電圧特性を調べた。図3に実験に用いた電極形状を示
す。電極は球電極8と平板電極9からなり準平等電界を
形成し、C−GISに用いられる代表的な電極構成とし
ている。この電極を用いて、空気の圧力を0.4MPa
と一定にして、湿度と破壊電圧との絶縁特性を図4に示
す。図4からこの実験に用いた電極形状では、破壊電圧
は湿度の変化に影響されないことがわかった。
て加圧した空気を使用すれば、試験終了後には大気に放
出することができる。このため、SF6ガスの取り扱い
が皆無となり、耐電圧試験が容易となり、環境に適した
試験方法となる。ここで、SF6ガスを0.2MPa以
下で封入したガス絶縁スイッチギヤ(C−GIS)で
は、大気で耐電圧を保証している場合が多いので、乾燥
空気の圧力は0.35MPaでよい。なお、保証ガス圧
力が大気圧より加圧されたものについては、比例させて
乾燥空気の圧力を増せばいい。また、上述の電圧表記は
AC電圧であるが、インパルス電圧においても同様であ
る。次に、加圧した空気はコンプレッサなどで容易に作
ることができるが、不純物が混入しやすい。不純物の影
響を調べたものがないため、実験的に加圧した空気の耐
電圧特性を調べた。図3に実験に用いた電極形状を示
す。電極は球電極8と平板電極9からなり準平等電界を
形成し、C−GISに用いられる代表的な電極構成とし
ている。この電極を用いて、空気の圧力を0.4MPa
と一定にして、湿度と破壊電圧との絶縁特性を図4に示
す。図4からこの実験に用いた電極形状では、破壊電圧
は湿度の変化に影響されないことがわかった。
【0008】また、図5も実験に用いた電極形状を示
す。上下の電極10―1、10―2に絶縁物11を挟ん
だ構成である。絶縁物11には、上下に埋め込み電極1
2―1、12―2を設けている。このような電極構成に
より絶縁物11の沿面が準平等電界に制御でき、沿面の
絶縁特性の実験を行うことができる。このような電界分
布はC−GISの代表的な構成である。この電極構成を
用いて、空気の圧力を0.4MPaと一定にして、湿度
と破壊電圧との絶縁特性を図6に示す。図6から破壊電
圧は、相対湿度90%RH以上(絶対湿度10g/m3
以上)から急激に低下することが分かる。これは、沿面
付近に湿度が多くなると、電界分布が乱されて破壊電圧
が低下すると考えられる。これよりこの実験に用いた電
極形状においては、タンク1に封入する空気を相対湿度
90%RH以下の乾燥空気にしなければならない。なお
この実験は、周囲の温度12℃で行なっており、気温が
低下すれば飽和水蒸気圧が下がるので、その気温に合わ
せて相対湿度が90%RH以下になるようにしなければ
ならない。なお、SF6ガス0.1MPaと同程度の破
壊電圧を得るため圧力0.35MPa、相対湿度90%
RH以下とした乾燥空気をSF6ガスにかわって使用す
ることは、ガス絶縁部品の耐電圧試験の時だけでなく、
ガス絶縁スイッチギヤ(C−GIS)の絶縁そのものに
も適用できる。
す。上下の電極10―1、10―2に絶縁物11を挟ん
だ構成である。絶縁物11には、上下に埋め込み電極1
2―1、12―2を設けている。このような電極構成に
より絶縁物11の沿面が準平等電界に制御でき、沿面の
絶縁特性の実験を行うことができる。このような電界分
布はC−GISの代表的な構成である。この電極構成を
用いて、空気の圧力を0.4MPaと一定にして、湿度
と破壊電圧との絶縁特性を図6に示す。図6から破壊電
圧は、相対湿度90%RH以上(絶対湿度10g/m3
以上)から急激に低下することが分かる。これは、沿面
付近に湿度が多くなると、電界分布が乱されて破壊電圧
が低下すると考えられる。これよりこの実験に用いた電
極形状においては、タンク1に封入する空気を相対湿度
90%RH以下の乾燥空気にしなければならない。なお
この実験は、周囲の温度12℃で行なっており、気温が
低下すれば飽和水蒸気圧が下がるので、その気温に合わ
せて相対湿度が90%RH以下になるようにしなければ
ならない。なお、SF6ガス0.1MPaと同程度の破
壊電圧を得るため圧力0.35MPa、相対湿度90%
RH以下とした乾燥空気をSF6ガスにかわって使用す
ることは、ガス絶縁部品の耐電圧試験の時だけでなく、
ガス絶縁スイッチギヤ(C−GIS)の絶縁そのものに
も適用できる。
【0009】次に、絶縁部品の耐電圧試験の場合は電界
緩和リングを取り付けて行うので、このリングに相当す
る半球棒電極と平板電極との絶縁特性を図7に示す。直
径10mmの半球棒電極と平板電極を用い、ギャップ長
を50mmとしたときの部分放電開始電圧特性を
(a)、破壊電圧特性を(b)、直径5mmの半球棒電
極と平板電極を用い、ギャップ長を50mmとしたとき
の部分放電開始電圧特性を(c)、破壊電圧特性を
(d)に示す。図7から、前者の電極構成では(a)と
(b)の曲線がほぼ同じであり、後者の電極構成では
(c)が(d)よりも高くなり、特に圧力0.3MPa
付近で上に凸型の特性になることがわかる。これは後者
の電極構成においては、この圧力付近でコロナ安定化作
用が大きく働くと考えられる。つまり、 SF6ガスに
存在していた特性が、乾燥空気においても、圧力と破壊
電圧特性の間に特異点が生じることが見出された。な
お、SF6ガスの場合は、針電極などもっと不平等な電
界の時に特異点が生じるとされている。ここで、乾燥空
気の場合の特異点が生じる不平等な電界の目安を不平等
係数fで表示する。fは下記の簡易式から容易に算出で
きる。
緩和リングを取り付けて行うので、このリングに相当す
る半球棒電極と平板電極との絶縁特性を図7に示す。直
径10mmの半球棒電極と平板電極を用い、ギャップ長
を50mmとしたときの部分放電開始電圧特性を
(a)、破壊電圧特性を(b)、直径5mmの半球棒電
極と平板電極を用い、ギャップ長を50mmとしたとき
の部分放電開始電圧特性を(c)、破壊電圧特性を
(d)に示す。図7から、前者の電極構成では(a)と
(b)の曲線がほぼ同じであり、後者の電極構成では
(c)が(d)よりも高くなり、特に圧力0.3MPa
付近で上に凸型の特性になることがわかる。これは後者
の電極構成においては、この圧力付近でコロナ安定化作
用が大きく働くと考えられる。つまり、 SF6ガスに
存在していた特性が、乾燥空気においても、圧力と破壊
電圧特性の間に特異点が生じることが見出された。な
お、SF6ガスの場合は、針電極などもっと不平等な電
界の時に特異点が生じるとされている。ここで、乾燥空
気の場合の特異点が生じる不平等な電界の目安を不平等
係数fで表示する。fは下記の簡易式から容易に算出で
きる。
【0010】
【数1】 rは棒電極先端の曲率半径、gはギャップ長である。図
7の(a)、(b)はf=9.9、(c)、(d)はf
=18.9となる。なお、fが更に大きい電極形状で
は、部分放電開始電圧と破壊電圧に差が出るものの、圧
力0.6MPa以下の領域では特異点が見られなかっ
た。このため、特異点が生じるのはf=20近傍と考え
てよい。このような電極形状の部分放電開始電圧特性と
破壊電圧特性の結果から、電界緩和リングを用いた絶縁
ブッシングの耐電圧試験装置を図8に示す。逆T字型の
接地の架台13には絶縁ブッシング14が取り付けら
れ、ブッシングの両端の中心導体には電界緩和リング1
5が取り付けられている。そして、これらをタンク1内
にセットして、一方の電界緩和リング15―1にリード
線16を接続して電圧を印加して絶縁特性の評価を行
う。他方の電界緩和リング15―2には、固定用のボル
ト17を貫通させた開口穴を覆う電極栓18を設けてい
る。これにより、電界緩和リング15―2は、見かけ上
の球電極となり電界緩和を図ることができる。この球電
極の曲率半径と架台13までのギャップ長を適切に設定
すれば、目的に応じた耐電圧試験が可能となる。つま
り、部分放電特性と破壊電圧特性の両方を試験しようと
するならば、f=10以下になる曲率半径とギャップ長
を選んだ電界緩和リングを用いればよい。また、耐電圧
試験をしようとするならば、f=20程度になるような
電界緩和リングを選べばよい。なお、fが大きいほど、
曲率半径が小さくなり軽量化となるので、タンク1へセ
ットする作業が容易になる。
7の(a)、(b)はf=9.9、(c)、(d)はf
=18.9となる。なお、fが更に大きい電極形状で
は、部分放電開始電圧と破壊電圧に差が出るものの、圧
力0.6MPa以下の領域では特異点が見られなかっ
た。このため、特異点が生じるのはf=20近傍と考え
てよい。このような電極形状の部分放電開始電圧特性と
破壊電圧特性の結果から、電界緩和リングを用いた絶縁
ブッシングの耐電圧試験装置を図8に示す。逆T字型の
接地の架台13には絶縁ブッシング14が取り付けら
れ、ブッシングの両端の中心導体には電界緩和リング1
5が取り付けられている。そして、これらをタンク1内
にセットして、一方の電界緩和リング15―1にリード
線16を接続して電圧を印加して絶縁特性の評価を行
う。他方の電界緩和リング15―2には、固定用のボル
ト17を貫通させた開口穴を覆う電極栓18を設けてい
る。これにより、電界緩和リング15―2は、見かけ上
の球電極となり電界緩和を図ることができる。この球電
極の曲率半径と架台13までのギャップ長を適切に設定
すれば、目的に応じた耐電圧試験が可能となる。つま
り、部分放電特性と破壊電圧特性の両方を試験しようと
するならば、f=10以下になる曲率半径とギャップ長
を選んだ電界緩和リングを用いればよい。また、耐電圧
試験をしようとするならば、f=20程度になるような
電界緩和リングを選べばよい。なお、fが大きいほど、
曲率半径が小さくなり軽量化となるので、タンク1へセ
ットする作業が容易になる。
【0011】電極栓18がない場合、電界緩和リング1
7―2の開口穴の端部が鋭角なエッジとなり、極端な不
平等電界となる。このため、電界緩和リングの曲率半径
に見合った絶縁特性が得られず、部分放電開始電圧が低
下し、破壊電圧も同様に低いレベルであった。つまり、
加圧した乾燥空気では極端な不平等電界での耐電圧試験
はできないので、電界緩和を図ることが必要である。ち
なみにSF6ガスでは、一般的に極端な不平等電界とな
る木綿針の実験において、コロナ安定化作用が働いて破
壊電圧が上昇するとされている。加圧した乾燥空気では
極端な不平等電界での耐電圧試験はできないので、電界
緩和を図ることが必要である。電界緩和リングは、部分
放電特性と破壊電圧特性の両方を試験するときはf=1
0以下に、破壊電圧試験だけをするときはf=20程度
になるように選べば、目的に応じた耐電圧試験が可能と
なる。
7―2の開口穴の端部が鋭角なエッジとなり、極端な不
平等電界となる。このため、電界緩和リングの曲率半径
に見合った絶縁特性が得られず、部分放電開始電圧が低
下し、破壊電圧も同様に低いレベルであった。つまり、
加圧した乾燥空気では極端な不平等電界での耐電圧試験
はできないので、電界緩和を図ることが必要である。ち
なみにSF6ガスでは、一般的に極端な不平等電界とな
る木綿針の実験において、コロナ安定化作用が働いて破
壊電圧が上昇するとされている。加圧した乾燥空気では
極端な不平等電界での耐電圧試験はできないので、電界
緩和を図ることが必要である。電界緩和リングは、部分
放電特性と破壊電圧特性の両方を試験するときはf=1
0以下に、破壊電圧試験だけをするときはf=20程度
になるように選べば、目的に応じた耐電圧試験が可能と
なる。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、 SF6ガスの代わり
に乾燥空気を用いて絶縁部品の耐電圧試験を行うことが
できるので、試験終了後にガス回収などの作業が不要と
なりタンク内の乾燥空気を大気に放出することができ
る。
に乾燥空気を用いて絶縁部品の耐電圧試験を行うことが
できるので、試験終了後にガス回収などの作業が不要と
なりタンク内の乾燥空気を大気に放出することができ
る。
【図1】本発明の実施形態におけるガス絶縁機器の耐電
圧試験装置の構成を示す図。
圧試験装置の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態におけるSF6ガスと乾燥空
気における圧力と破壊電圧との絶縁特性を示す図。
気における圧力と破壊電圧との絶縁特性を示す図。
【図3】本発明の実施形態における実験に用いた電極形
状を示す図。
状を示す図。
【図4】本発明の実施形態における湿度と破壊電圧との
絶縁特性を示す図。
絶縁特性を示す図。
【図5】本発明の実施形態における実験に用いた電極形
状を示す図。
状を示す図。
【図6】本発明の実施形態における湿度と破壊電圧との
絶縁特性を示す図。
絶縁特性を示す図。
【図7】本発明の実施形態における半球棒電極と平板電
極との絶縁特性を示す図。
極との絶縁特性を示す図。
【図8】本発明の実施形態における電界緩和リングを用
いた絶縁ブッシングの耐電圧試験装置を示す図。
いた絶縁ブッシングの耐電圧試験装置を示す図。
【図9】従来の絶縁機器の耐電圧試験装置の構成を示す
図。
図。
1…タンク 2…コンプレッサ 3…湿度制御装置 4…ブッシング 5…圧力計 6…放圧弁 7…バルブ 8…球電極 9…平板電極 10…電極 11…絶縁物 12…埋め込み電極 13…架台 14…絶縁ブッシング 15…電界緩和リング 16…リード線 17…ボルト 18…電極栓 19…真空ポンプ 20…SF6ガスボンベ
Claims (6)
- 【請求項1】空気を少なくとも0.35MPaに加圧す
る加圧手段と、空気の相対湿度を90%RH以下にする
湿度制御手段と、供試の絶縁部品に電圧を印加する電圧
印加手段とを具備したことを特徴とするガス絶縁機器の
耐電圧試験装置。 - 【請求項2】前記電圧印加手段における電界を調整する
電界調整手段を具備したことを特徴とする請求項1記載
のガス絶縁機器の耐電圧試験装置。 - 【請求項3】加圧手段により空気を少なくとも0.35
MPaに加圧する第1の工程と、加圧した空気を湿度制
御手段を介して相対湿度を90%RH以下に乾燥させる
第2の工程と、乾燥させ加圧した空気を絶縁部品が収納
された密閉箱体内に封入する第3の工程と、電圧印加手
段により絶縁部品に電圧を印加して耐電圧試験を行う第
4の工程と、試験終了後加圧した空気を大気に放出する
第5の工程とからなるガス絶縁機器の耐電圧試験方法。 - 【請求項4】前記密封箱体内に収納された絶縁部品の定
格ガス圧力を0.20MPa以下とすることを特徴とす
る請求項3記載のガス絶縁機器の耐電圧試験方法。 - 【請求項5】前記第4の工程において、前記絶縁部品の
電極に取り付けられた電界調整手段で電界を調整して耐
電圧試験を行うことを特徴とする請求項3または請求項
4記載のガス絶縁機器の耐電圧試験方法。 - 【請求項6】前記電界調整手段により特異点が生じるよ
うに調整して、少なくとも破壊電圧試験を行うことを特
徴とする請求項5記載のガス絶縁機器の耐電圧試験方
法。
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JP2000006307A JP2001194409A (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | ガス絶縁機器の耐電圧試験装置および方法 |
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