JP2001191444A - ガスバリヤー性積層体 - Google Patents

ガスバリヤー性積層体

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JP2001191444A
JP2001191444A JP2000317806A JP2000317806A JP2001191444A JP 2001191444 A JP2001191444 A JP 2001191444A JP 2000317806 A JP2000317806 A JP 2000317806A JP 2000317806 A JP2000317806 A JP 2000317806A JP 2001191444 A JP2001191444 A JP 2001191444A
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Takashi Sako
隆 河向
Etsuko Ishii
悦子 石井
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種包装材料として好適なガスバリヤー
性積層体を提供する。 【解決手段】 支持体の表面に珪酸縮合物を含むバリヤ
ー層を設けた積層体であって、該支持体の少なくとも片
側の最外層がポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂お
よびポリカーボネート系樹脂から選ばれる少なくとも一
種の樹脂からなる層であり、該支持体がポリオレフィン
系樹脂層を少なくとも一層有し、該最外層と該ポリオレ
フィン系樹脂層が接着性の樹脂層を介して積層されてい
るガスバリヤー性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種包装材料とし
て好適なガスバリヤー性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】食品などの包装に用いられる包装材料に
おいては、内容物の品質を保護する観点からガスバリヤ
ー性、特に酸素、水蒸気、二酸化炭素および香気(アロ
マ、フレーバー)のバリヤー性が重要な品質である。こ
のようなバリヤー性素材を使用した包装材料は菓子袋、
カツオパック、レトルトパウチ、ハムやソーセージなど
の肉類包装、魚介類の包装、乳製品の包装、みそ類の包
装、茶・コーヒー類の包装、炭酸ガス飲料容器、化粧
品、農薬および医薬品の包装など、多くの分野で利用さ
れている。一方、ポリエチレンやポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート
(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)など
のポリエステル、ナイロン6やナイロン66などのポリ
アミド系樹脂、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重
合体などの熱可塑性樹脂は、強度、耐熱性、透明性など
が優れているため広く包装材料として用いられている。
しかし、これら熱可塑性樹脂からなるフィルムを包装素
材として用いる場合、ガスバリヤー性が不十分なため、
ガスバリヤー性の高い熱可塑性樹脂や、アルミ箔、アル
ミ蒸着フィルムなどと積層して包装材料とする方法が一
般的である。
【0003】ガスバリヤー性の高い熱可塑性樹脂にはポ
リビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコ
ール(EVOH、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン
化物)、ポリアルコール(ポリケトンの還元物)、塩化
ビニリデン(PVDC)などが挙げられるが、PVAや
EVOHのような水酸基による水素結合によってバリヤ
ー性を発揮している樹脂は高湿度(例えば20℃80%
RH以上)でのバリヤー性が急激に低下する問題があ
る。また、PVDCは、環境問題に対する意識の高まり
のため包装材料として使用するのを極力控えようとする
のが最近の情勢である。
【0004】一方、アルミ箔やアルミ蒸着フィルムを使
用した包材も環境問題の他に、金属探知器が使用できな
い、あるいは不透明であるという欠点を有しており、特
定の包装にしか用いられていない。
【0005】また、酸化ケイ素や酸化アルミニウムなど
の無機酸化物を蒸着したフィルムは、ガスバリヤー性に
優れるが、蒸着によるコストが高いといった欠点があ
る。また、屈曲や捻りなどにより蒸着層にクラックを生
じガスバリヤー性が低下する問題がある。
【0006】また、珪酸アルカリ溶液とカップリング剤
からなる水性液を重合体成形品の表面に塗布して薄膜を
形成させてガスバリヤー性積層体を得る方法がある(特
開平8−238711号公報)。この方法で得られるガ
スバリヤー性積層体は、ガスバリヤー性が十分であるが
塗膜強度が弱いという問題点がある。
【0007】さらに、オレフィン系の樹脂を基材として
使用すると、珪酸アルカリ金属塩を含む塗料との塗工適
性が悪いといった問題や、基材自身の剛度が低いといっ
た問題がある。また、ポリエステル系樹脂を基材として
使用すると、ポリオレフィン系樹脂と比較すると防湿性
(水蒸気バリヤー性)に劣ってしまうといった問題やコ
ストが高くなるといった問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はガスバリヤー
性および塗膜強度に優れたバリヤー性フィルムを提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、支持体の
表面に珪酸縮合物を含むバリヤー層を設けた積層体であ
って、該支持体の少なくとも片側の最外層がポリエステ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリカーボネート系
樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂からなる層であ
り、該支持体がポリオレフィン系樹脂層を少なくとも一
層有し、該最外層と該ポリオレフィン系樹脂層が接着性
の樹脂層を介して積層されているガスバリヤー性積層体
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明における珪酸縮合物を含むバリヤー層とは、珪酸
アルカリ金属塩を含む水溶液を支持体に塗布、乾燥した
ものや、アルコキシシラン加水分解・部分縮合物を含む
溶液を塗布、乾燥して得られるものである。
【0011】本発明で使用する珪酸アルカリ金属塩はM
2O・nSiO2(ただし、Mはアルカリ金属塩、n>
0)で表される化合物である。M2OとSiO2のモル比
SiO2/M2O=nはケイソウ比とも呼ばれ、モル比n
は0.4〜10が好適で、より好ましくは1〜8、さら
に好ましくは2〜6である。モル比nが0.4未満にな
るとケイ酸の縮合による膜形成能が低下しバリヤー性が
低下したり、アルカリ金属塩の含有量が多すぎるため耐
湿耐水性が低下する。モル比が10を超えて大きくなる
と、塗工適性が悪くなるため好ましくない。
【0012】本発明で用いられる珪酸アルカリ金属塩の
アルカリ金属Mはリチウム、ナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属である。珪酸アルカリ金属塩は通常濃厚
水溶液として取り扱われる。アルカリ金属がナトリウム
である珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ)は一般に水ガラス
と呼ばれ、珪酸ナトリウムは無水水ガラスとも呼ばれ
る。また、無水水ガラスと水ガラスの中間の状態(少量
の水を含んだ珪酸アルカリ金属塩)にあるものが和水水
ガラスである。珪酸ナトリウムはモル比の違いによりモ
ル比0.5のオルト珪酸ナトリウム(Na2O・1/2
SiO2あるいはNa4SiO4)、モル比0.67のセ
スキ珪酸ナトリウム(3Na2O・2SiO2あるいはN
6Si27)、モル比1のメタ珪酸ナトリウム(Na2
O・SiO2あるいはNa2SiO3)、モル比2の二珪
酸ナトリウム(Na2O・2SiO2あるいはNa2Si2
5)、モル比4の四珪酸ナトリウム(Na2O・4Si
2あるいはNa2Si49、別名:珪酸ソーダ4号)な
どがあるが、ケイ酸ナトリウムの多くの場合、その組成
は一定していない。あるいは日本工業規格JIS−K−
1408で定められた珪酸ソーダ1号(モル比2)、2
号(モル比2.5)、3号(モル比3)、メタ珪酸ナト
リウム1種、メタ珪酸ナトリウム2種がある。珪酸ソー
ダの水溶液は二酸化けい素含有量、酸化ナトリウム含有
量、モル比、15℃におけるボーメ度(ボーメ度は比重
の指標)、粘度などの違いによって種々のものがある。
【0013】本発明においてこれらの物性値に特に制限
はない。一般に市販されている珪酸ソーダの15℃にお
けるボーメ度は5〜70、水を除く二酸化けい素含有量
は20〜40重量%、酸化ナトリウム含有量は5〜30
重量%、粘度(20℃)0.5〜2000ポイズであ
る。また、脱水した粉末状の珪酸ソーダを水に溶解させ
た珪酸アルカリ水溶液を使用してもかまわない。
【0014】アルカリ金属塩がカリウムである珪酸カリ
ウムにおいてもその組成は種々なものがあるが一例とし
てメタ珪酸カリウム(K2O・SiO2)、四珪酸カリウ
ム(K2O・4SiO2・H2O、別名二珪酸水素カリウ
ム)が挙げられる。アルカリ金属塩がリチウムである珪
酸リチウムにおいてもその組成は一定していない場合が
多く、オルト珪酸リチウム(Li2O・1/2Si
2)、メタ珪酸リチウム(Li2O・SiO2)、メタ
珪酸リチウム水化物、オルト二珪酸六リチウム(Li 2
O・2/3SiO2)などがある。
【0015】このような珪酸アルカリ金属塩の水溶液や
粉末は、さらに水を加えて任意の濃度で使用することが
できる。好ましい濃度の範囲は、0.1〜50重量%、
より好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜
20重量%である。濃度が0.1重量%未満になると、
塗工後乾燥時に蒸発させる水分量が非常に多くなるため
に生産性が大幅に低下し、濃度が50重量%をこえると
水溶液の粘度が非常に大きくなるため塗工適性が低下す
る。
【0016】本発明の珪酸アルカリ金属塩を含む塗料
は、前記珪酸アルカリ金属塩水溶液からなるものでもか
まわないし、2種類以上の珪酸アルカリ金属塩を混合し
たものでもよい。また、該溶液中に合成樹脂エマルジョ
ンや水溶性樹脂エマルジョンや樹脂の分散物などの樹
脂、色合い調整剤、粘度調整剤、無機顔料、有機顔料
(プラスチックピグメント)、珪酸アルカリ金属の各種
硬化剤、炭酸塩、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、
珪酸塩などの無機塩や硝酸、リン酸、塩酸、硫酸などの
鉱酸や乳酸、フミン酸、シュウ酸などの有機酸や、ポリ
塩化アルミニウムやポリリン酸二水素アルミニウム、ヘ
キサメタリン酸ナトリウムなどのリン酸化合物や、酸化
亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物や、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、シラン
カップリング剤、アルミニウムカップリング剤などのカ
ップリング剤などが含まれてもかまわない。
【0017】また、アルコキシシランとしてはテトラエ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、トリアルコキシ
シラン、エチルシリケートなどが挙げられる。アルコキ
シシランから珪酸縮合物を作る方法は、一般にゾル・ゲ
ル法と呼ばれるものであり、アルコキシシランをエタノ
ールなどのアルコール溶媒中で水の存在下加水分解させ
た溶液を塗布、乾燥するものである。この溶液中に、ア
ミン化合物などの縮合促進触媒やポリビニルアルコール
などの樹脂やカップリング剤が含まれてもかまわない。
【0018】また、本発明における支持体は、3種3
層、3種5層、4種6層あるいは4種7層などの多層積
層体である。これらの層数、層構成は、本発明の請求範
囲を満たすものであれば特に制限はない。
【0019】たとえば、3種3層の積層体を具体的に例
示すると、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、お
よびポリカーボネート系樹脂から選ばれたいずれかの樹
脂からなる層と、ポリオレフィン系樹脂層を接着性の樹
脂層で接着したものである。また、3種5層の積層体を
具体的に例示すると、ポリオレフィン系樹脂層からなる
内層の両面に、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、およびポリカーボネート系樹脂から選ばれたいずれ
かの樹脂からなる最外層を、接着性の樹脂層により接着
したものである。また、4種6層、4種7層の積層体を
具体的に例示すると、ポリオレフィン系樹脂層からなる
内層に隣接した層の片面(4種6層の場合)、若しくは
両面(4種7層の場合)にリサイクル樹脂層を隣接さ
せ、さらにその両面に、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、およびポリカーボネート系樹脂から選ばれた
いずれかの樹脂からなる層である最外層を、接着性の樹
脂層により接着したものである。なお、リサイクル樹脂
層とは、フィルム積層体の製造過程で発生した耳部分や
損フィルムを再生原料として回収し、さらにポリオレフ
ィン樹脂を加えた原料から構成された層を指す。
【0020】本発明で使用するポリエステル系樹脂は、
主鎖にエステル結合を繰り返し含むものであり、エステ
ル結合はジカルボン酸とジオールの脱水縮合、環状エス
テルの開環脱水縮合、分子内に水酸基とカルボン酸を有
するものの脱水縮合反応によって得られるが、工業的に
は通常エステル化またはエステル交換の工程後重縮合の
工程を経て製造される。モノマーの選択により、飽和あ
るいは不飽和の脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステ
ル、脂肪族と芳香族からなるポリエステルなどがある。
より具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)
やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)、ポリこはく酸エステル、ポ
リ乳酸などが挙げられる。また、これらの樹脂を混合し
て使用してもかまわないし、一部他のモノマーで変性さ
れたポリエステルを使用してもかまわない。
【0021】本発明で使用するポリアミド系樹脂は主鎖
にアミド結合を繰り返し有する高分子であり、アミンと
カルボン酸の縮合反応によって得られる。このようなポ
リアミドにはナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、
ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン
610、ナイロン612などが挙げられる。また、これ
らの樹脂を混合して使用してもかまわないし、一部他の
モノマーで変性されたポリアミドを使用してもかまわな
い。
【0022】本発明で使用するポリカーボネート系樹脂
は主鎖にウレア結合を繰り返し有する高分子であり、そ
の製造方法の一例としてビスフェノールAのアルカリ水
溶液と塩化メチレンとの間の2相間で反応を進行させる
方法が挙げられる。
【0023】これらポリエステル系樹脂やポリアミド系
樹脂やポリカーボネート系樹脂は珪酸アルカリ金属塩を
含む水性塗料に対する塗工適性や塗膜の密着性が優れて
いる。これは、樹脂中のエステル結合、アミド結合、ウ
レア結合などの親水部分あるいは水酸基、カルボン酸
基、アミノ基、アミド基などの親水基が珪酸アルカリと
親和性が高いためと考えられる。また、このような樹脂
は剛直な分子構造を有しているため、フィルムの剛度が
ポリオレフィン系に比較して大きいのが特徴である。し
たがって、これらの樹脂を支持体の最外層とし、その上
に珪酸縮合物を含むバリヤー層を設けることによって、
密着性の高いバリヤー層を有するガスバリヤー性積層体
を得ることが可能となる。
【0024】ポリオレフィン系樹脂は直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDO
E)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエ
チレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレ
ン−αオレフィン共重合体などが挙げられる。ポリオレ
フィン系樹脂はヒートシール性、強度、安価といった面
で優れているため、包装材料として多量に消費されてい
るものである。
【0025】また、本発明における接着性の樹脂はポリ
オレフィン系樹脂を酸変性されたものが一般的である
が、ポリオレフィンフィルムとポリエステル、ポリアミ
ドおよびポリカーボネートからなるフイルムを接着でき
るような熱可塑性樹脂であれば特に制限されない。この
ような接着性樹脂としては三井化学社製の接着性樹脂
(商標:アドマー)が挙げられる。接着性樹脂の選択は
接着される樹脂の種類やフィルムの成形条件によって適
宜選択される。
【0026】上記樹脂を積層することによって本発明の
支持体が得られる。積層方法としては、ポリオレフィン
フィルムとポリエステル、ポリアミドまたはポリカーボ
ネートのフィルムを接着性の樹脂によって接着する方法
(ドライラミネーション)、ポリオレフィンフィルムに
接着性樹脂を塗布あるいは溶融押出ラミネートした後に
ポリエステル、ポリアミドまたはポリカーボネートを溶
融押出ラミネートする方法(押出ラミネーション)、多
層共押出機によって溶融押出する方法がある。これらの
中でも、生産性の面で優れている多層押出方法により積
層体を得ることが好ましい。また、多層押出で得たフィ
ルムにさらにドライラミネーションなどの方法で樹脂を
積層してもかまわない。
【0027】積層体の各層の厚さに特定の制限はない
が、ポリエステル系樹脂層、ポリアミド系樹脂層、ポリ
カーボネート系樹脂層および接着性樹脂層は0.1〜1
0μmの極力薄い層で本発明の目的を達することができ
る。そのため、強度や剛度が必要な場合にはポリオレフ
ィン層を厚くするだけで目標の物性値が得られるばかり
でなく、コスト的にも有利になる。ポリオレフィン層の
厚さは10〜1000μmの厚さの範囲が一般的であ
る。また、得られた多層共押出フィルムを延伸したもの
を支持体としても差し支えない。延伸は一軸延伸、同時
二軸延伸、逐次二軸延伸などがあるが、これらの延伸に
制限されるものではない。延伸方法にはテンター法、チ
ューブラー法などがあるが特に制限はない。
【0028】本発明で使用される多層共押出機にはさま
ざまなものがあり、その種類、方式によって本発明が制
限されるものではない。具体的にはフィードブロック
法、マルチマニホールド法などが挙げられる。
【0029】また、多層フィルムを製造する場合、フィ
ルムの耳部分や損フィルムのリサイクル性が問題となる
が、このような製造ロス樹脂は再生原料として回収し、
必要に応じてポリオレフィン系樹脂と混合してリサイク
ル樹脂層として使用することができる。
【0030】このようにして得られた本発明支持体に、
珪酸アルカリ金属塩を含む水性塗料やアルコキシシラン
の加水分解・部分縮合物を支持体の最外層表面に塗布す
る場合、あらかじめ支持体表面を、コロナ放電、プラズ
マ放電、火炎処理、発煙硫酸処理などで改質してもかま
わない。
【0031】また、本発明の支持体の各層には酸化防止
剤、耐候安定剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、
可塑剤、難燃剤、無機充填材、例えばシリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、ゼオ
ライト、マイカ、カーボンブラック、ガラス繊維などが
含まれていてもよい。支持体最外層表面に、さらに塗膜
の密着性を向上させるためにポリエチレンイミン系、イ
ソシアネート系、ウレタン系およびアクリル系などのア
ンカーコート剤を塗布、乾燥した支持体を使用してもか
まわない。
【0032】本発明のガスバリヤー性積層体は、前記支
持体の最外層表面に珪酸アルカリ金属塩を含む塗料やア
ルコキシシランの加水分解・部分縮合物を塗布、乾燥し
て得られるものである。塗布方法にはキス塗工、ロール
塗工、リバース塗工、リップ塗工、ダイ塗工、バー塗
工、サイズプレス塗工、ブレード塗工、エアナイフ塗
工、浸漬、刷毛塗りなどが挙げられるが、これらの方法
に限定されるものではない。珪酸縮合物の乾燥皮膜の厚
さは好ましくは0.01μm〜30μm、より好ましく
は0.1μm〜10μm、より好ましくは0.3μm〜
7μmである。乾燥皮膜の厚さが0.01μm未満だと
バリヤー性が不十分になり、厚さが30μmを超えて大
きくなるとバリヤー性が頭打ちとなるばかりか、皮膜に
クラックが入りやすくなって好ましくない。
【0033】また、乾燥方法は熱風による乾燥、乾燥空
気による乾燥、赤外線による乾燥、マイクロ波による乾
燥、ガスバーナーによる乾燥、これらの2種以上の組み
合わせによる乾燥などが挙げられるが、これらの方法に
限定されるものではない。また、塗料を2回以上重ね塗
りしてもかまわない。乾燥温度に特に制限はないが、好
ましくは50℃〜300℃、より好ましくは70℃〜2
00℃、さらに好ましくは90℃〜150℃である。乾
燥温度が50℃未満だと珪酸イオンの縮合が不十分とな
り耐水性やバリヤー性が不十分となる。300℃を超え
ると支持体の強度的劣化や色調の変化が発生し好ましく
ない。このようにして得られた珪酸縮合物皮膜の上にさ
らに樹脂などを積層させてもかまわない。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】<実施例1>水70重量部にカップリング
剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(KBM−403、信越化学工業社製)30重量部を加
えた。得られたカップリング剤水溶液5重量部を、珪酸
アルカリ金属塩として珪酸カリウム塩溶液(K20/S
iO2/H2O=8/19/73重量比、関東化学社製)
100重量部に攪拌しながら滴下した。得られたカップ
リング剤と珪酸アルカリ金属塩の水溶液に水435重量
部加え攪拌して塗料Bとした。また、ポリエステル/接
着層/ポリオレフィン/接着層/ポリエステルの層構成
である多層共押出フィルムを支持体Aとした。支持体の
各層の樹脂の種類および厚さは次の通りである。ポリエ
ステル層は三菱レイヨン社製のポリエチレンテレフター
ル樹脂(商標:ダイヤナイト FX−001)を使用し
厚さは約3μmであった。接着層は三井化学社製の酸変
性のポリオレフィン系樹脂(商標:アドマーSF70
0)を使用し厚さは約3μmであった。ポリオレフィン
層は日本ポリケム社製のポリプロピレン樹脂(商標:ノ
バテックPP FY6)を使用し厚さは30μmであっ
た。多層共押出成形装置は池貝社製のフィードブロック
式成形装置を使用した。Tダイはコートハンガータイプ
のものを使用した。このようにして得られた支持体Aの
片面に塗料Bをメイヤーバーで乾燥厚さが5μmになる
ように塗布し、熱風乾燥機を用いて110℃で1分乾燥
した後、130℃で2分乾燥してガスバリヤー性積層体
を作製した。
【0036】<実施例2>支持体としてポリエステル樹
脂の代わりにポリアミド樹脂(宇部興産社製、商標:U
BEナイロン6)を使用したこと以外は実施例1と同様
にしてガスバリヤー性積層体を製造した。
【0037】<実施例3>支持体としてポリエステル樹
脂の代わりにポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリ
ングプラスチックス社製、商標:ユープロンH12)を
使用したこと以外は実施例1同様にしてガスバリヤー性
積層体を製造した。
【0038】<比較例1>支持体として単体のポリプロ
ピレンフィルム(厚さ30μm)を使用したこと以外は
実施例1と同様にしてガスバリヤー性積層体を製造した
が、塗膜がフィルムから脱落してしまった。
【0039】<比較例2>実施例1の支持体Aに塗料B
を塗布しないものを比較例2とした。
【0040】<試験方法> 1)酸素透過度 JIS−K−7126 B法(等圧法)で塗工面を酸素
検出器側にして20℃・80%RH条件で測定した(酸
素透過度測定装置:OX−TRAN100型、MOCO
N社製)。 2)塗膜密着性 ガスバリヤー性フィルムの塗工面にセロテープ(登録商
標)を貼り手で剥がした時に、塗膜が剥がれないものを
○、剥がれたものを×とした。
【0041】
【表1】 PET:ポリエステル AD:接着性樹脂 PP:ポリプロピレン PA:ポリアミド PC:ポリカーボネート
【0042】
【発明の効果】本発明に係るガスバリヤー性積層体は、
ガスバリヤー性に優れ、各種包装用素材として有用であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の表面に珪酸縮合物を含むバリヤー
    層を設けた積層体であって、該支持体の少なくとも片側
    の最外層がポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂およ
    びポリカーボネート系樹脂から選ばれる少なくとも一種
    の樹脂からなる層であり、該支持体がポリオレフィン系
    樹脂層を少なくとも一層有し、該最外層と該ポリオレフ
    ィン系樹脂層が接着性の樹脂層を介して積層されている
    ことを特徴とするガスバリヤー性積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008004510A1 (fr) * 2006-07-03 2008-01-10 Mitsubishi Plastics, Inc. film d'emballage
JP2013018911A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 合成樹脂部材の難燃化コーティング剤及びこれを用いた合成樹脂部材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008004510A1 (fr) * 2006-07-03 2008-01-10 Mitsubishi Plastics, Inc. film d'emballage
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