JP2001189767A - タイミング再生器およびこれを用いた復調装置 - Google Patents
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Abstract
るための各手段が備わっており、それらの手段が回路規
模の増大や、演算処理量の増加を招いた。 【解決手段】 ベースバンド信号の同相成分と直交成分
とを加算する加算手段と、ベースバンド信号の同相成分
と直交成分とを減算する減算手段と、加算信号と受信機
側で生成する1/2シンボル周波数成分との相関を算出
する加算相関演算手段と、減算信号と1/2シンボル周
波数成分との相関を算出する減算相関演算手段と、加算
相関信号と減算相関信号とを比較して大きい方の相関信
号を選択するベクトル選択手段と、選択相関信号の示す
ベクトル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミ
ング位相差算出手段とを備える。
Description
および復調装置に関し、特にバースト信号の先頭にプリ
アンブルを有する広帯域ディジタル無線通信システムに
適したタイミング再生器および復調装置に関する。
ジタル無線通信システム用復調装置のタイミング再生器
として、例えば文献「キャリア・クロック同時再生方式
(Carrier-Clock Simultaneous Recovery Scheme)」
(名倉,松本,久保田,加藤 著電子情報通信学会 (Th
e Institute Of Electronics, Information And Commun
ication Engineers)信学技報(Technical Report Of IE
ICE) RCS94-60,pp.7-12,1994年9月)に記載されて
いる2つの方式がある。
いるプリアンブル信号からタイミング位相を推定する方
式である。このプリアンブル信号は、複素平面上で隣り
合う2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移す
る信号(例えば“1101”パターン)である。この方
式に関する特許として「バースト信号復調回路」(特開
平7−235956,発明者:松本,加藤)が存在す
る。
ているプリアンブル信号からタイミング位相を推定する
方式である。このプリアンブル信号は、複素平面上で原
点対称となる2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互
に遷移する“0π”変調信号(例えば“1001”パタ
ーン)である。この方式に関する特許として「バースト
信号復調回路」(特開平8−46658,発明者:名
倉,松本,加藤)が存在する。
号もシンボル周波数(fs)の1/2の周波数成分を有
していることに着目し、受信機側で、これらプリアンブ
ル信号と、VCOから出力される1/2シンボル周波数
成分exp[−jπ(fs)t]との相関を求め、その
相関値の示すベクトル角からタイミング位相を推定する
ものである。
サンプリング速度は僅か2[sample/symbol]であり、例
えば文献「信号検出方式、及びバースト復調装置」(特
開平6−141048,発明者:吉田)に記載されてい
るような、非線形処理後の信号(例えばエンベロープ)
と、シンボル周波数成分exp[−j2π(fs)t]
との相関からタイミング位相を推定する従来方式におい
て必要となるサンプリング速度の最小値(=4[sample/
symbol])の1/2であるため、サンプリング速度の低
減による受信機の低消費電力化を実現することができ
る。以下に上記2つの方式(特開平7−235956,
特開平8−46658)の詳細を示す。
イキスト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブ
ル(“1101”パターン)信号を用いたタイミング再
生方式(特開平7−235956)について説明する。
図14は、上述のタイミング再生器を含んだ復調装置を
示すブロック図である。図14において、100はアン
テナ、200は周波数変換手段、301,302はAD
変換器、400はタイミング再生器、500はデータ判
定手段であり、タイミング再生器400内において、4
01は1シンボル遅延手段、402は共役複素乗算手
段、403はタイミング位相差算出手段、404はVC
Oである。
する。アンテナ100は、RF帯のプリアンブル信号を
受信し、周波数変換手段200はRF帯のプリアンブル
信号をベースバンド帯のプリアンブル信号に周波数変換
する。図15に、このベースバンド帯のプリアンブル信
号(“1101”パターン)の信号空間図を示す。図1
5において、θcは受信信号のキャリア位相であり、プ
リアンブル信号は、図中のナイキスト点“A”と、ナイ
キスト点“B”を1シンボル毎に交互に遷移する。ナイ
キスト点“A”のベクトル角は(θc−45)[deg]、
ナイキスト点“B”のベクトル角は(θc+45)[de
g]であり、ナイキスト点“A”とナイキスト点“B”の
各ベクトル角の差は90[deg]である。
リアンブル信号の同相成分を、時刻t=τ+iT/2
(但し、i=1,2,3,…、τはタイミング誤差(−T/2≦
τ<T/2)、Tはシンボル周期)においてサンプリン
グし、サンプリングされたプリアンブルデータ系列Ip
i(i=1,2,3,…)を出力する。同様に、AD変換器30
2は、ベースバンドプリアンブル信号の直交成分を、時
刻t=τ+iT/2においてサンプリングし、サンプリ
ングされたプリアンブルデータ系列Qpi(i=1,2,3,
…)を出力する。
mbol]であることが明らかである。またサンプリング
は、後段のタイミング再生器400出力である再生サン
プルクロックの立上がりエッジで行い、タイミング位相
推定動作を行っている間は、再生サンプルクロックの位
相制御は行われない。タイミング再生器400は、プリ
アンブルデータ系列Ipi(i=1,2,3,…)とプリアンブ
ルデータ系列Qpi(i=1,2,3,…)を用いてタイミング
誤差τを算出し、タイミング誤差τを打ち消す位相制御
を、再生サンプルクロックと、再生シンボルクロックに
対して行う。
ンプルクロックを2分周した、シンボル周期のクロック
である。データ判定手段500は、タイミング再生器4
00によってタイミング誤差τが打ち消された後、プリ
アンブルの後に続く有意なランダムデータ系列Idi,
Qdi(i=1,2,3,…)から、ナイキスト点におけるデー
タを、再生シンボルクロックでラッチする。そして、ラ
ッチしたナイキスト点データを用いてデータを判定し、
復調データを出力する。
いて説明する。1シンボル遅延手段401は、プリアン
ブルデータ系列Ipi(i=1,2,3,…)とプリアンブルデ
ータ系列Qpi(i=1,2,3,…)を1シンボル時間遅延さ
せ、共役複素乗算手段402はプリアンブルデータ系列
(Ipi,Qpi)と、1シンボル前のプリアンブルデー
タ系列(Ipi-2,Qpi-2 )との共役複素乗算を、下
記式で行う。
して遅延検波が行われる。このような処理を行うこと
で、図16に示すように、キャリア位相θcに関係無
く、点“C”と点“D”を1シンボル毎に遷移するプリ
アンブル信号を得ることができる。このプリアンブル信
号の示す位相θX(t)は、図17に示すように+90
[deg]から−90[deg]の位相遷移と、−90[deg]から
+90[deg]の位相遷移を、それぞれ1シンボル周期で
交互に繰り返すため、1/2シンボル周波数成分を有す
る。
は、この位相θX(t)と、VCOから出力される1/
2シンボル周波数成分exp[−jπ(fs)t]との
相関を求める。具体的には、信号(IDi,QDi)の示
す位相をθXiとすると、以下の乗算を行い、
て、相関値(ΣMI,ΣMQ)を出力する。なお、式
(2a)、(2b)の乗算は、cosπi/2=1,
0,−1,0,…、sinπi/2=0,1,0,−
1,…であるため、上記相関値(ΣMI,ΣMQ)は、
容易に求めることができる。例えば、4シンボルで平均
化する場合、相関値(ΣMI,ΣMQ)は下記式で得ら
れる。
グ位相差であり、よってシンボル周期(T)で正規化し
た場合のタイミング位相差θs[deg]は、以下の式で求ま
る。
τの関係は、以下の通りである。 θs>180[deg]の場合、 τ=(θs−360)T/360 (5a) θs≦180[deg]の場合、 τ=(θs)T/360 (5b)
17に示すタイミングでサンプリングし、データ系列
{θXi ,θXi+1 ,θXi+2 ,θXi+3 ,… }を得
た場合、図18に示すような相関値(ΣMI,ΣMQ)
と、タイミング位相差θT が得られる。タイミング位相
差算出手段403は、以上の演算によって得られたタイ
ミング誤差τより、タイミング誤差τを打ち消す制御信
号を、後段のVCO404に与える。VCO404は、
タイミング位相差算出手段からの制御信号を受けて、再
生サンプルクロックと、再生シンボルクロックの位相を
制御し、タイミング誤差τを“0”とする。
ナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアン
ブル(“0π”変調,例えば“1001”パターン)信
号を用いたタイミング再生方式(特開平8−4665
8)について説明する。図14との対応部分に同一符号
を付した図19は、上述のタイミング再生器を含んだ復
調装置を示す。図19において、400aはタイミング
再生器、403aはタイミング位相差算出手段、405
aはIch相関演算手段、405bはQch相関演算手
段、406はベクトル合成選択手段である。
6の構成図であり、407aは第一のベクトル合成手
段、407bは第二のベクトル合成手段、407cは第
三のベクトル合成手段、407dは第四のベクトル合成
手段、408は最大絶対値検出手段、409は選択手段
である。更に、図20との対応部分に同一符号を付した
図21はベクトル合成選択手段406のもう一つの構成
図であり、410a,410bは加算手段、411aは
第一の選択手段、411bは第二の選択手段、411c
は第三の選択手段、411dは第四の選択手段である。
前述した図14の従来例の構成と同様、アンテナ100
は、RF帯のプリアンブル信号を受信し、周波数変換手
段200はRF帯のプリアンブル信号をベースバンド帯
のプリアンブル信号に周波数変換する。図22に、この
ベースバンド帯のプリアンブル信号(“1001”パタ
ーン)の信号空間図を示す。図22において、θcは受
信信号のキャリア位相であり、プリアンブル信号は、図
中のナイキスト点“A”と、ナイキスト点“B”を1シ
ンボル毎に原点を通過しながら、交互に遷移する。
eg]、ナイキスト点“B”のベクトル角は(θc+18
0)[deg]であり、ナイキスト点“A”とナイキスト点
“B”の各ベクトル角の差は180[deg]である。図1
4の従来例と同様、AD変換器301は、このベースバ
ンドプリアンブル信号の同相成分を、時刻t=τ+iT
/2(但し、i=1,2,3,…、τはタイミング誤差(−T/
2≦τ<T/2),Tはシンボル周期)においてサンプ
リングし、サンプリングされたプリアンブルデータ系列
Ipi(i=1,2,3,…)を出力する。
ドプリアンブル信号の直交成分を、時刻t=τ+iT/
2においてサンプリングし、サンプリングされたプリア
ンブルデータ系列Qpi(i=1,2,3,…)を出力する。後
段のタイミング再生器400aは、タイミング位相推定
動作を行っている間は、再生サンプルクロックの位相制
御は行われない。
4の従来例と同様、プリアンブルデータ系列Ipi(i=
1,2,3,…)とプリアンブルデータ系列Qpi(i=1,2,3,
…)を用いてタイミング誤差τを算出し、タイミング誤
差τを打ち消す位相制御を、再生サンプルクロックと、
再生シンボルクロックに対して行う。再生シンボルクロ
ックは、再生サンプルクロックを2分周した、シンボル
周期のクロックである。
と同様、タイミング再生器400aによってタイミング
誤差τが打ち消された後、プリアンブルの後に続く有意
なランダムデータ系列Idi,Qdi(i=1,2,3,…)か
ら、ナイキスト点におけるデータを、再生シンボルクロ
ックでラッチする。そして、ラッチしたナイキスト点デ
ータを用いてデータを判定し、復調データを出力する。
ついて説明する。図22に示すような原点対称となる2
つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリ
アンブル信号を受信する場合、図14に示す従来例は適
用できない。図22に示すプリアンブル信号を遅延検波
すると、遅延検波後(即ち、共役複素乗算手段出力)の
位相信号θX(t)は、常に約180[deg]となり、シ
ンボル周波数の1/2の周波数成分が得られないため、
VCO404から出力されるシンボル周波数の1/2の
周波数成分exp[−jπ(fs)t]との相関が
“0”になるためである。
リアンブル信号の同相成分I(t)と、直交成分Q
(t)それぞれに対してシンボル周波数の1/2の周波
数成分exp[−jπ(fs)t]との相関演算を行
う。具体的には、Ich相関演算手段405aは、オー
バーサンプルされたプリアンブルデータ系列Ipi(i=
1,2,3,…)に対して、以下の乗算を行い、
て、相関値(CI,SI)を求め、Qch相関演算手段
405bは、オーバーサンプルされたプリアンブルデー
タ系列Qpi(i=1,2,3,…)に対して、以下の乗算を行
い、
て、相関値(CQ,SQ)を求める。なお、式(6
a)、(6b)、(7a)、(7b)の乗算は、cos
πi/2=1,0,−1,0,…、sinπi/2=
0,1,0,−1,…であるため、上記相関値(CI,
SI)、(CQ,SQ)は、容易に求めることができ
る。例えば、4シンボルで平均化する場合、相関値(C
I,SI)は下記式で得られ、
る。 CQ=(Qpi−Qpi+2+Qpi+4−Qpi+6+Qpi+8 −Qpi+10+Qpi+12−Qpi+14)/8 (9a) SQ=(Qpi+1−Qpi+3+Qpi+5−Qpi+7+Qpi+9 −Qpi+11+Qpi+13−Qpi+15)/8 (9b)
トル角と、(SI,SQ)の示すベクトル角は、図14
の従来例と同様、いずれもタイミング位相誤差を示す
が、キャリア位相θcによって、お互い同じ方向を向く
場合や、反対方向を向く場合、あるいはどちらかのベク
トルが消失する場合がある。例えば、図22に示すよう
に、θcの範囲が(90<θc<180)あるいは(2
70<θc<360)を満たすプリアンブル信号に対し
て、図23に示すタイミングでサンプリングし、データ
系列{Ipi ,Ipi+1 ,Ipi +2 ,Ipi +3 ,… }
とデータ系列{Qpi ,Qpi+1 ,Qpi +2 ,Qpi+3
,… }を得た場合、図24(a)に示すような相関値
(CI,SI)と、相関値(CQ,SQ)が得られ、各
相関ベクトルの角度は反対方向を向く。
(0<θc<90)あるいは(180<θc<270)
を満たすプリアンブル信号に対して、図26に示すタイ
ミングでサンプリングし、データ系列{Ipi ,Ip
i+1 ,Ipi +2 ,Ipi+3 ,… }とデータ系列{Qp
i ,Qpi+1 ,Qpi +2 ,Qpi+3 ,… }を得た場
合、図27に示すような相関値(CI,SI)と、相関
値(CQ,SQ)が得られ、各相関ベクトルの角度は同
じ方向を向く。また、キャリア位相θcによって各ベク
トル長が変化することも明らかであり、θc={0,1
80}では、相関値(CI,SI)のベクトルは消失
し、θc={90,−90}では、相関値(CQ,S
Q)のベクトルが消失する。
ャリア位相θcの影響を除去するため、相関値(CI,
CQ)と、相関値(SI,SQ)を後述する4つの状態
にそれぞれ合成し、もっともSN比の高い合成ベクトル
を選択し、タイミング位相差算出手段403aは、ベク
トル合成選択手段406が選択した合成ベクトルからタ
イミング位相を算出する。
いて、最大絶対値検出手段408はCI,CQ,SI,
SQの4つの絶対値を求め、各絶対値の最大値が4つの
うちのどれであるか検出する。また第一のベクトル合成
手段407aは、以下の式によって合成ベクトル(G1
C,G1S)を出力し、
の式によって合成ベクトル(G2C,G2S)を出力し、
の式によって合成ベクトル(G3C,G3S)を出力し、
の式によって合成ベクトル(G4C,G4S)を出力す
る。
味する。
08の検出信号を受け、合成相関値(ΣC,ΣS)を
(G1C,G1S)、(G2C,G2S)、(G3C,G
3S)、(G4C,G4S)から選択する。
による影響が除去され、相関値(CI,CQ),相関値
(SI,SQ)のベクトルの向きが揃えられた合成ベク
トルが、もっともタイミング位相推定に適したベクトル
として選択される。例えば、図24の場合、ベクトル長
の小さい相関値(CQ,SQ)を反転して両者のベクト
ル方向を揃え、相関値(CI,SI)に加算した合成ベク
トルが選択される。このときの相関値(ΣC,ΣS)
は、図28のようになる。また図27の場合、ベクトル
長の小さい相関値(CQ,SQ)をそのまま、相関値
(CI,SI)に加算した合成ベクトルが選択される。こ
のときの相関値(ΣC,ΣS)は、図29のようにな
る。
述した図20のように、あらかじめCI,SI,CQ,
SQから生成した4つの合成ベクトルから、一つのベク
トルを選択する処理のほかに、図21のように、最大絶
対値検出手段408の検出結果を基に、407a,40
7b,407c,407dのいずれかの合成手段を実行
するような構成でも、同様な出力結果が得られる。図2
1の構成は、図20の構成と比較して、回路規模を低減
することができる。図21に示すベクトル合成選択手段
において、最大絶対値検出手段408の検出結果を基
に、各選択手段411a,411b,411c,411
dは、以下の値を出力する。
1は、 SEL1=CI (|CI|あるいは|SI|が最大の場合) (15a) SEL1=CQ (|CQ|あるいは|SQ|が最大の場合) (15b)
2は、 SEL2=sign[CI]・|CQ| (|CI|が最大の場合) (16a) SEL2=sign[CQ]・|CI| (|CQ|が最大の場合) (16b) SEL2=sign[SI・SQ]・|CQ| (|SI|が最大の場合) (16c) SEL2=sign[SI・SQ]・|CI| (|SQ|が最大の場合) (16d)
3は、 SEL3=sign[CI・CQ]・|SQ| (|CI|が最大の場合) (17a) SEL3=sign[CI・CQ]・|SI| (|CQ|が最大の場合) (17b) SEL3=sign[SI]・|SQ| (|SI|が最大の場合) (17c) SEL3=sign[SQ]・|SI| (|SQ|が最大の場合) (17d)
4は、 SEL4=SI (|CI|あるいは|SI|が最大の場合) (18 a) SEL4=SQ (|CQ|あるいは|SQ|が最大の場合) (18 b)
算し、加算結果をΣCとして出力する。また、加算器4
10bはSEL3とSEL4を加算し、加算結果をΣS
として出力する。以上の処理により、図21で構成され
るベクトル合成選択手段は、図20で構成されるベクト
ル合成選択手段と同様の値を出力する。
は、合成相関値(ΣC,ΣS)が示すベクトル角 θ2s=tan-1(ΣS/ΣC) (15) を求める。θ2sは、前記θTと同様、2シンボル周期
(2T)で正規化した場合のタイミング位相差であり、
よってシンボル周期(T)で正規化した場合のタイミン
グ位相差θs[deg]は、式(16)で求まる。 θs=2θ2s mod360 (16)
θ2sは、180[deg]の差があるが、式(16)の処
理により、図28のθ2sから求まるθsと、図29の
θ2sから求まるθsは一致する。なお、タイミング位
相差θsとタイミング誤差τの関係は、式(5a)、
(5b)の通りである。タイミング位相差算出手段40
3aは、以上の演算によって得られたタイミング誤差τ
より、タイミング誤差τを打ち消す制御信号を、後段の
VCO404に与える。VCO404は、タイミング位
相差算出手段からの制御信号を受けて、再生サンプルク
ロックと、再生シンボルクロックの位相を制御し、タイ
ミング誤差τを“0”とする。
におけるプリアンブルを用いる2つのタイミング再生器
400,400aは、いずれもプリアンブル信号の含ま
れる1/2シンボル周波数成分と、VCOから出力され
る1/2シンボル周波数成分exp[−jπ(fs)
t]との相関を求め、その相関値の示すベクトル角から
タイミング位相を推定するものであり、サンプリング速
度も2[sample/symbol]と低速であるため、特に広帯域
TDMA無線通信システムに有効な方式であるが、いず
れもキャリア位相差θcの影響を除去するための各手段
が備わっており、それらの手段が回路規模の増大や、演
算処理量の増加を招いている。
ャリア位相差θcの影響を除去するため、1シンボル遅
延手段401と、共役複素乗算手段402を用いた遅延
検波を行っている。よって、共役複素乗算手段402で
は、乗算器4個と、加算器2個が必要であり、大きな回
路規模、演算処理が必要となる。
ャリア位相差θcの影響を除去するため、ベクトル合成
選択手段406を用いた、複雑な加減算処理と選択処理
を行っている。ベクトル合成選択手段406では、あら
かじめCI,SI,CQ,SQから生成した4つの合成
ベクトルから、一つのベクトルを選択する処理を実施す
る図20の場合は、各合成手段407a,407b,4
07c,407d内に含まれる計8個の加算器や、8つ
のデータ系列から、2つのデータ系列を選択する選択手
段409を必要とする。
21の構成で実現する場合、加算器の数を8個から2個
に低減することができるため、図20と比較して回路規
模を低減することができるが、その場合でも加算器41
0a,410bの前段に4つの選択手段411a,41
1b,411c,411dが必要となり、処理が複雑で
ある。
400bは、プリアンブル信号を受信するタイミングが
既知である場合にのみ有効であり、例えば移動端末機に
おける電源立上げ時や、シャドウイング復帰後の再接続
において生じるバースト信号の受信タイミングが未知で
ある場合には、プリアンブルを受信するタイミングが判
らないため、適用することができない。
路規模、演算処理を低減させるタイミング再生器および
これを用いた復調装置を提供することを目的とする。
つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移する信号
(例えば“1101”パターン)、複素平面上で原点対
称となる2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷
移する“0π”変調信号(例えば“1001”パター
ン)のいずれのプリアンブル信号に対して有効なタイミ
ング再生器およびこれを用いた復調装置を提供すること
を目的とする。
るタイミングが判らない場合でも有効なタイミング再生
器およびこれを用いた復調装置を提供することを目的と
する。
生器は、ベースバンド信号の同相成分と、ベースバンド
信号の直交成分とを加算し、加算後の信号を加算信号と
して出力する加算手段と、ベースバンド信号の同相成分
と、ベースバンド信号の直交成分とを減算し、減算後の
信号を減算信号として出力する減算手段と、加算信号
と、受信機側で生成する1/2シンボル周波数成分との
相関を算出し、算出した相関値を加算相関信号として出
力する加算相関演算手段と、減算信号と、1/2シンボ
ル周波数成分との相関を算出し、算出した相関値を減算
相関信号として出力する減算相関演算手段と、加算相関
信号の大きさと、減算相関信号の大きさとを比較し、ど
ちらか大きい方の相関信号を選択し、選択した相関信号
を選択相関信号として出力するベクトル選択手段と、選
択相関信号の示すベクトル角を用いてタイミング位相差
を算出するタイミング位相差算出手段とを備えることを
特徴とする。
手段は、選択相関信号の示すベクトル角およびベクトル
長を算出し、ベクトル長が大きい場合にプリアンブル信
号を検出したと判定し、その時の選択相関信号の示すベ
クトル角を用いてタイミング位相差を算出することを特
徴とする。
ンプリングする再生サンプルクロックおよび再生1/2
シンボル周波数成分を出力し、タイミング位相差情報を
用いて、タイミング誤差を“0”に位相制御する再生サ
ンプルクロック発振手段を更に備えることを特徴とす
る。
算相関演算手段、ベクトル選択手段、タイミング位相差
算出手段および再生サンプルクロック発振手段の処理
は、再生サンプルクロックでサンプリングされたベース
バンド信号を用い、加算相関演算手段および減算相関演
算手段は、1/2シンボル周波数成分を再生1/2シン
ボル周波数成分とすることを特徴とする。
でサンプリングされたベースバンド信号を用いてタイミ
ング位相を検出し、その検出信号を位相検出信号として
出力する位相検出手段と、位相検出信号を平均化し、そ
の平均を位相進み遅れ信号として出力する位相検出信号
平均化手段とを更に備え、再生サンプルクロック発振手
段は、タイミング位相差情報と位相進み遅れ信号の両方
を用いて、タイミング誤差を“0”に位相制御すること
を特徴とする。
ンプリングする非同期サンプルクロックおよび非同期1
/2シンボル周波数成分を出力する非同期サンプルクロ
ック発振手段を更に備えることを特徴とする。
算相関演算手段、ベクトル選択手段、タイミング位相差
算出手段および非同期サンプルクロック発振手段の処理
は、非同期サンプルクロックでサンプリングされたベー
スバンド信号を用い、加算相関演算手段および減算相関
演算手段は、1/2シンボル周波数成分を非同期1/2
シンボル周波数成分とすることを特徴とする。
ンド信号の同相成分と、ベースバンド信号の直交成分と
を加算し、加算後の信号を加算信号として出力する加算
手段と、ベースバンド信号の同相成分と、ベースバンド
信号の直交成分とを減算し、減算後の信号を減算信号と
して出力する減算手段と、加算信号と、受信機側で生成
する1/2シンボル周波数成分との相関を算出し、算出
した相関値を加算相関信号として出力する加算相関演算
手段と、減算信号と、1/2シンボル周波数成分との相
関を算出し、算出した相関値を減算相関信号として出力
する減算相関演算手段と、加算相関信号の大きさと、減
算相関信号の大きさとを比較し、どちらか大きい方の相
関信号を選択し、選択した相関信号を選択相関信号とし
て出力するベクトル選択手段と、選択相関信号の示すベ
クトル長の大きさに応じた重み付けを、選択相関信号に
与え、重み付けされた選択相関信号を、重み付け相関信
号として出力する重み付け手段と、重み付け相関信号を
平均化し、その平均を重み付け平均相関信号として出力
する重み付け信号平均化手段と、平均相関信号の示すベ
クトル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミン
グ位相差算出手段とを備えることを特徴とする。
手段は、重み付け平均相関信号の示すベクトル角および
ベクトル長を算出し、ベクトル長が大きい場合にプリア
ンブル信号を検出したと判定し、その時の選択相関信号
の示すベクトル角を用いてタイミング位相差を算出する
ことを特徴とする。
サンプリングする再生サンプルクロックおよび再生1/
2シンボル周波数成分を出力し、タイミング位相差情報
を用いて、タイミング誤差を“0”に位相制御する再生
サンプルクロック発振手段を更に備えることを特徴とす
る。
減算相関演算手段、ベクトル選択手段、重み付け手段、
重み付け信号平均化手段、タイミング位相差算出手段お
よび再生サンプルクロック発振手段の処理は、再生サン
プルクロックでサンプリングされたベースバンド信号を
用い、加算相関演算手段および減算相関演算手段は、1
/2シンボル周波数成分を再生1/2シンボル周波数成
分とすることを特徴とする。
手段は、重み付け相関信号をそれぞれ入力とする時定数
の短い第一のローパスフィルタと、時定数の長い第二の
ローパスフィルタとを備え、位相制御時に第一のローパ
スフィルタおよび第二のローパスフィルタの各直交成分
に“0”を、同相成分に、位相制御前の(同相成分2+
直交成分2)1/2をセットし、タイミング位相差算出手段
は、第一のローパスフィルタの示す第一のベクトル角お
よび第一のベクトル長を算出し、第一のベクトル長が大
きい場合にプリアンブル信号を検出したと判定し、第一
のベクトル角を用いて初期タイミング位相差を算出し、
第二のローパスフィルタの示す第二のベクトル角および
第二のベクトル長を算出し、第一の位相制御後、第二の
ベクトル長が大きい場合に第二のベクトル角を用いて位
相追随用タイミング位相差を周期的に算出し、再生サン
プルクロック発振手段は、初期タイミング位相差および
位相追随用タイミング位相差の両方を、タイミング位相
差情報として用いて、タイミング誤差を“0”に位相制
御することを特徴とする。
サンプリングする非同期サンプルクロックおよび非同期
1/2シンボル周波数成分を出力する非同期サンプルク
ロック発信手段を更に備えることを特徴とする。
減算相関演算手段、ベクトル選択手段、重み付け手段、
重み付け信号平均化手段、タイミング位相差算出手段お
よび非同期サンプルクロック発振手段の処理は、非同期
サンプルクロックでサンプリングされたベースバンド信
号を用い、加算相関演算手段および減算相関演算手段
は、1/2シンボル周波数成分を非同期1/2シンボル
周波数成分とすることを特徴とする。
手段は、重み付け相関信号をそれぞれ入力とする時定数
の短い第一のローパスフィルタと、時定数の長い第二の
ローパスフィルタとを更に備え、タイミング位相差算出
手段は、第一のローパスフィルタの示す第一のベクトル
角および第一のベクトル長を算出し、第一のベクトル長
が大きい場合にプリアンブル信号を検出したと判定し、
第一のベクトル角を用いて初期タイミング位相差を算出
し、第二のローパスフィルタの示す第二のベクトル角お
よび第二のベクトル長を算出し、第一の位相制御後、第
二のベクトル長が大きい場合に第二のベクトル角を用い
て位相追随用タイミング位相差を周期的に算出すること
を特徴とする。
器と、無線信号を受信するアンテナと、アンテナで受信
された無線信号をベースバンド信号に周波数変換する周
波数変換手段と、周波数変換手段で変換されたベースバ
ンド信号を、再生サンプルクロックを用いてシンボルレ
ートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド
信号に変換して、タイミング再生器に与えるAD変換手
段と、タイミング再生器から出力された再生シンボルク
ロックを用いて、ディジタルベースバンド信号の中から
ナイキスト点データを抽出し、抽出したナイキスト点デ
ータを判定し、復調データとして出力するデータ判定手
段とを備えることを特徴とする。
器と、無線信号を受信するアンテナと、アンテナで受信
された無線信号をベースバンド信号に周波数変換する周
波数変換手段と、周波数変換手段で変換されたベースバ
ンド信号を、非同期サンプルクロックを用いてシンボル
レートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバン
ド信号に変換して、タイミング再生器に与えるAD変換
手段と、タイミング再生器から出力された非同期サンプ
ルクロックでサンプリングされたディジタルベースバン
ド信号を補間し、補間後のデータを、補間ベースバンド
信号として出力するデータ補間手段と、タイミング位相
差を基に、データ補間手段から出力された補間ベースバ
ンド信号のナイキスト点を抽出し、抽出したナイキスト
点データを判定し、復調データとして出力するデータ判
定手段とを備えることを特徴とする。
器と、無線信号を受信するアンテナと、アンテナで受信
された無線信号をベースバンド信号に周波数変換する周
波数変換手段と、周波数変換手段で変換されたベースバ
ンド信号を、非同期サンプルクロックを用いてシンボル
レートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバン
ド信号に変換して、タイミング再生器に与えるAD変換
手段と、タイミング再生器から出力された非同期サンプ
ルクロックでサンプリングされたディジタルベースバン
ド信号を補間し、補間後のデータを、補間ベースバンド
信号として出力するデータ補間手段と、初期タイミング
位相差および位相追随用タイミング位相差の両方を基
に、データ補間手段から出力された補間ベースバンド信
号のナイキスト点を抽出し、抽出したナイキスト点デー
タを判定し、復調データとして出力するデータ判定手段
とを備えることを特徴とする。
生器およびこれを用いた復調装置の好適な実施の形態に
ついて添付図面を参照して説明する。
る復調装置の構成を示すブロック図である。図1におい
て、10は無線信号を受信するアンテナ、20はアンテ
ナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に周波
数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変換手
段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレート
の2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド信号
に変換するAD変換器、40はAD変換器30,31で
変換されたディジタルベースバンド信号を用いて、タイ
ミング同期を行うタイミング再生器、60はタイミング
再生器40から出力された再生シンボルクロックを用い
て、ディジタルベースバンド信号の中からナイキスト点
データを抽出し、抽出したナイキスト点データを判定す
るデータ判定手段である。
41aはベースバンド信号の同相成分とベースバンド信
号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベースバ
ンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分とを
減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シンボル
周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手段、4
2bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との相関を
算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の大きさ
と減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか大きい
方の相関信号を選択するベクトル選択手段、44は選択
相関信号の示すベクトル角を用いてタイミング位相差を
算出するタイミング位相差算出手段、45は再生サンプ
ルクロックと再生シンボルクロックの位相を制御して、
タイミング誤差を“0”にするVCO(再生サンプルク
ロック発振手段)である。さらに、図2はベクトル選択
手段43の構成図であり、43aは最大絶対値検出手
段、43bは選択手段である。
について説明する。アンテナ10は、RF帯のバースト
信号を受信し、周波数変換手段20はRF帯のバースト
信号をベースバンド帯のバースト信号に周波数変換す
る。このバースト信号は、プリアンブル信号を先頭部に
有し、プリアンブル信号の後には有意なデータが存在す
る。実施の形態1で用いるプリアンブル信号は、図15
に示すような信号(例えば“1101”パターン)で
も、図22に示すような信号(例えば“1001”パタ
ーン)でも、どちらでも良い。
帯の信号の同相成分を、時刻t=τ+iT/2(但し、
i=1,2,3,…、τはタイミング誤差(−T/2≦
τ<T/2)、Tはシンボル周期)においてサンプリン
グし、サンプリングした受信データ系列Ii(i=1,
2,3,…)を出力する。同様に、AD変換器31は、
受信したベースバンド帯の信号の直交成分を、時刻t=
τ+iT/2においてサンプリングし、サンプリングし
た受信データ系列Qi(i=1,2,3,…)を出力す
る。
Ii(i=1,2,3,…)と受信データ系列Qi(i=
1,2,3,…)を用いて、バースト信号内のプリアン
ブル信号(Ipi,Qpi)の検出と、プリアンブル信号
を用いたタイミング誤差τの算出を行い、タイミング誤
差τを打ち消す位相制御を、再生サンプルクロックと、
再生シンボルクロックに対して行う。再生シンボルクロ
ックは、再生サンプルクロックを2分周した、シンボル
周期のクロックである。
同様、タイミング再生器40によってプリアンブル検出
と、タイミング誤差τが打ち消された後、バースト信号
内のプリアンブルの後に続く有意なランダムデータ系列
Idi,Qdi(i=1,2,3,…)から、ナイキスト
点におけるデータを、再生シンボルクロックでラッチす
る。そして、ラッチしたナイキスト点データを用いてデ
ータを判定し、復調データを出力する。
て説明する。まず、加算手段41aは受信信号の同相成
分I(t)と、直交成分Q(t)を加算し、加算結果を
加算信号として出力する。一方、減算手段41bはプリ
アンブル信号の同相成分I(t)と、直交成分Q(t)
を減算し、減算結果を減算信号として出力する。この減
算は(I(t)−Q(t))でも、(Q(t)−I
(t))でも、どちらでも良い。具体的には、加算手段
41aは下記式(17a)により、図3(a)に示す加
算信号を出力し、
り、図3(b)に示す減算信号を出力する。
bにより、タイミング再生器40は、プリアンブル信号
(Ii=Ipi,Qi=Qpi)を受信した場合、キャリア
位相θc[deg]がどのような値であっても、加算信号あ
るいは減算信号のどちらかに大きな1/2シンボル周波
数成分を有する信号を得ることができる。
のように(90<θc<180)あるいは(270<θ
c<360)の範囲にある場合、プリアンブル信号の同
相成分と直交成分の位相関係が図23のように逆相とな
るため、加算信号の振幅は図3(a)のようにプリアン
ブル信号の同相成分と直交成分の両方の信号が打ち消し
合って小さくなるが、減算信号の振幅は逆に図3(b)
のように、プリアンブル信号の同相成分と−(直交成
分)が合成されて大きくなる。
ように(0<θc<90)あるいは(180<θc<2
70)の範囲にある場合、プリアンブル信号の同相成分
と直交成分の位相関係が図26のように同相となるた
め、減算信号の振幅は図5(b)のようにプリアンブル
信号の同相成分と−(直交成分)の信号が打ち消し合っ
て小さくなるが、加算信号の振幅は逆に図5(a)のよ
うに、プリアンブル信号の同相成分と直交成分が合成さ
れて大きくなる。このように、図3(b)の減算信号、
図5(a)の加算信号のいずれも、大きな1/2シンボ
ル周波数(fs/2=1/(2T))成分が含まれてい
ることが明らかである。
キスト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル
信号(例えば“1101”パターン)を受信した場合で
も、タイミング再生器40は、キャリア位相θcがどの
ような値であっても、加算信号と減算信号のいずれか
に、1/2シンボル周波数(fs/2=1/(2T))成
分を得ることができる。例えば、図15に示すようなキ
ャリア位相θcを有するプリアンブル信号を受信した場
合、プリアンブル信号の同相成分と直交成分は、図4
(a)に示すような、お互い逆相の波形となり、図4
(a)に示す加算信号より、図4(b)に示す減算信号
の方が振幅は大きく、1/2シンボル周波数(fs/2
=1/(2T))成分を多く有していることが判る。
で原点対称となる2つのナイキスト点を1シンボル毎に
交互に遷移するプリアンブルを例に動作の説明を行って
いくが、実施の形態1のタイミング再生方式は、複素平
面上で隣り合う2つのナイキスト点を1シンボル毎に交
互に遷移するプリアンブル信号受信時においても、上記
の理由(加算信号、減算信号のいずれかに、1/2シン
ボル周波数(fs/2=1/(2T))成分を得ること
ができる)により、以降説明する動作を実現することが
できる。
対してシンボル周波数の1/2の周波数成分exp[−
jπ(fs)t]との相関演算を行う。具体的には、デ
ータ系列Ai(i=1,2,3,…)に対して、以下の乗算を行
い、
して、加算相関信号(CAi,SAi)を出力する。なお
式(18a)、(18b)の乗算は、cosπi/2=
1,0,−1,0,…、sinπi/2=0,1,0,
−1,…であるため、上記加算相関信号(CAi,S
Ai)は、容易に求めることができる。例えば、4シン
ボルで平均化する場合、加算相関信号(CAi,SAi)
は下記式で得られる。
算信号に対してシンボル周波数の1/2の周波数成分e
xp[−jπ(fs)t]との相関演算を行う。具体的
には、データ系列Si(i=1,2,3,…)に対し
て、以下の乗算を行い、
して、減算相関信号(CSi,SSi)を出力する。なお
式(19a)、(19b)の乗算も、cosπi/2=
1,0,−1,0,…、sinπi/2=0,1,0,
−1,…であるため、上記減算相関信号(CSi,S
Si)は、容易に求めることができる。例えば、4シン
ボルで平均化する場合、減算相関信号(CSi,SSi)
は下記式で得られる。
ャリア位相θc[deg]が図22のように(90<θc<
180)あるいは(270<θc<360)の範囲にあ
る場合、減算信号の方が加算信号より振幅が大きいた
め、図6に示すように、減算相関信号(CSi,SSi)
の示すベクトル長は、加算相関信号(CAi,SAi)の
示すベクトル長より大きくなる。ここで、図6は、図3
のタイミングでデータをサンプリングした場合の例であ
る。
図12のように(0<θc<90)あるいは(180<
θc<270)の範囲にある場合、加算信号の方が減算
信号より振幅が大きいため、図7に示すように、加算相
関信号(CAi,SAi)の示すベクトル長は、減算相関
信号(CSi,SSi)の示すベクトル長より大きくな
る。ここで、図7は、図5のタイミングでデータをサン
プリングした場合の例である。なお、無信号受信時(信
号が無く、雑音のみ受信する時)や、プリアンブルの後
に続く有意なデータ部を受信中は、加算相関信号(CA
i,SAi)、減算相関信号(CSi,SSi)のいずれ
も、1/2シンボル周波数成分が時間的に長く存在しな
いため、小さなベクトル長を示す。
信号(CAi,SAi)、減算相関信号(CSi,SSi)
の内、どちらかベクトル長の大きい方を選択し、選択相
関信号(COi,SOi)として出力する。ベクトル選択
手段43の動作を、図2を用いて説明する。最大絶対値
検出手段43aは、従来のベクトル合成選択手段406
の場合と同様の動作を行い、加算相関信号(CAi,S
Ai)、減算相関信号(CSi,SSi)の各絶対値であ
る|CAi|,|SAi|,|CSi|,|SSi|の最大
値を求める。
3aで求めた最大値が|CAi|,|SAi|のどちらか
で有る場合は、加算相関信号(CAi,SAi)を選択
し、その最大値が|CSi|,|SSi|のどちらかで有
る場合は、減算相関信号(CSi,SSi)を選択する。
選択した信号は、選択相関信号(COi,SOi)として
出力する。
選択手段43の動作は、以下のようになる。キャリア位
相θc[deg]が図22のように(90<θc<180)
あるいは(270<θc<360)の範囲にある場合、
図6のように減算相関信号(CSi,SSi)の示すベク
トル長は、加算相関信号(CAi,SAi)の示すベクト
ル長より大きいため、ベクトル選択手段43は減算相関
信号(CSi,SSi)を選択し、選択相関信号(C
Oi,SOi)=(CSi,SSi)を出力する。
ように(0<θc<90)あるいは(180<θc<2
70)の範囲にある場合、図7のように、加算相関信号
(CAi,SAi)の示すベクトル長は、減算相関信号
(CSi,SSi)の示すベクトル長より大きいため、ベ
クトル選択手段43は加算相関信号(CAi,SAi)を
選択し、選択相関信号(COi,SOi)=(CAi,S
Ai)を出力する。
み受信する時)や、プリアンブルの後に続く有意なデー
タ部を受信中は、加算相関信号(CAi,SAi)、減算
相関信号(CSi,SSi)のいずれも、小さなベクトル
長を示し、加算相関信号(CAi,SAi)、減算相関信
号(CSi,SSi)のいずれかをランダムに選択する動
作を行う。
下の2つの処理を同時に行う。一つは、選択相関信号
(COi,SOi)のベクトル長Viを求める。ベクトル
長Viは、式(20a)で求めても良いが、演算量を削
減したい場合は、式(20b)で求めてもよい。
換処理を削減したい場合は、最大絶対値検出手段43a
で求めた|CAi|,|SAi|,|CSi|,|SSi|
を、最大値検出信号に応じて選択し、使用すればよい。
もう一つの処理は、選択相関信号(COi,SOi)が示
すベクトル角
ンボル周期(2T)で正規化した場合のタイミング位相
差であるため、シンボル周期(T)で正規化した場合の
タイミング位相差θri[deg]は、式(22)で求まる。
ンブル信号を受信中は、ベクトル長Viは大きな値を示
し、かつタイミング位相差θri[deg]も確かな値とな
る。例えば、図22のようなプリアンブル信号を、図2
3のタイミングでサンプリングした場合、図6に示す減
算相関信号(CSi,SSi)がベクトル選択手段43で
選択され、そのベクトル長がVi、ベクトル角がθoiと
なる。一方、図25のようなプリアンブル信号を、同様
のタイミングでサンプリングした場合(即ち、図26の
場合)、図7に示す加算相関信号(CAi,SAi)がベ
クトル選択手段43で選択され、そのベクトル長が
Vi、そのベクトル角がθoiとなる。
80[deg]の差があるが、式(22)の処理により、図
6のθoiから求まるθriと、図7のθoiから求まるθ
riは一致する。一方、タイミング再生器40が、無信号
受信時(信号が無く、雑音のみ受信する時)や、プリア
ンブルの後に続く有意なデータ部を受信中は、ベクトル
長Viは小さな値を示し、かつタイミング位相差θri[de
g]も不確かな値となる。受信状態に応じたViとθriの
確からしさの関係を、図8に示す。
グが不明で、プリアンブルが到来する時刻が判らない場
合でも、以下の処理によって、タイミング誤差τを求め
ることができる。即ち、ベクトル長Viをモニタし、Vi
が大きい場合(例えばベクトル長Viが、ある閾値εp
を超えた場合)は“プリアンブル受信中”と判定して、
タイミング位相差θri[deg]を、図8に示すタイミング
でラッチする。ラッチされたタイミング位相差θs[de
g]は、図8から明らかなように、Viが大きい時のタイ
ミング位相差θriであるため、確かな値である。タイミ
ング位相差算出手段44は、このようにして得られたタ
イミング位相差θsを用いて、タイミング誤差τを式
(5a)、(5b)で求め、タイミング誤差τを打ち消
す制御信号を、後段のVCO45に与える。
が既知で、プリアンブルが到来する時刻が特定できる場
合は、上記プリアンブル検出動作は不要であるため、タ
イミング位相差算出手段44の代わりに、従来例のタイ
ミング位相差算出手段403aを用いることができる。
この場合、ベクトル長Viを求め、その大きさを検出す
る機能が不用になるため、回路規模は低減する。
44からの制御信号を受けて、再生サンプルクロック
と、再生シンボルクロックの位相を制御し、タイミング
誤差τを“0”とする。以上のことから、本実施の形態
1に示したタイミング再生器40は、以下の効果を奏す
る。
交成分を加算した信号と、減算した信号の計2つの信号
に対する相関演算を行い、得られた2つの相関値のう
ち、ベクトル長の大きい方をタイミング位相推定に用い
る簡単な構成により、従来のタイミング再生器400,
400aと比較して、回路規模、演算処理を低減するこ
とができる。例えば、タイミング再生器400aと比較
した場合、タイミング再生器400aと同様、短いプリ
アンブル信号で高精度なタイミング位相推定を、複雑な
回路で構成されるベクトル合成選択手段406(図2
0,図21)の代わりに、簡単な加算手段41a,減算
手段41b,ベクトル選択手段43(図2)で実施する
ことができる。
キスト点を1シンボル毎に交互に遷移する信号(例えば
“1101”パターン)、複素平面上で原点対称となる
2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移する
“0π”変調信号(例えば“1001”パターン)のい
ずれのプリアンブル信号に対して、有効である。
より、プリアンブルを用いた高精度なタイミング位相推
定と、プリアンブル検出を同時に実現できるため、プリ
アンブルを受信するタイミングが判らない場合でも、タ
イミング位相制御を正常に行うことができる。
l]の低いサンプリング速度で上記1〜3を実現すること
ができる。さらに、本発明のタイミング再生器を用いる
復調装置は、仮に電源立上げ時や、シャドウイング復帰
後の再接続において生じるバースト信号の受信タイミン
グが未知である場合においても、小さな回路規模で、短
いプリアンブルで高速同期、高速再同期を実現し、プリ
アンブルに続く有意なデータ部において良好なBER
(ビット誤り率)特性を実現することができる。
5bは、以下の2つのプリアンブル信号((1)複素平面
上で原点対称となる2つのナイキスト点を1シンボル毎
に交互に遷移するプリアンブル信号、(2)複素平面上で
隣り合う2つのナイキスト点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号)に限らず、複素平面上のあ
る2点を、1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル
信号を用いる無線通信システムであれば、どのような変
調方式(BPSK,QPSK,π/4QPSK,OQP
SK、FSKなど)を用いるシステムにも適用すること
ができる。
る復調装置の構成を示すブロック図である。図9におい
て、10は無線信号を受信するアンテナ、20はアンテ
ナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に周波
数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変換手
段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレート
の2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド信号
に変換するAD変換器、40aはAD変換器30,31
で変換されたディジタルベースバンド信号を用いて、タ
イミング同期を行うタイミング再生器、60はタイミン
グ再生器40aから出力された再生シンボルクロックを
用いて、ディジタルベースバンド信号の中からナイキス
ト点データを抽出し、抽出したナイキスト点データを判
定するデータ判定手段である。
て、41aはベースバンド信号の同相成分とベースバン
ド信号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベー
スバンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分
とを減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シン
ボル周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手
段、42bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との
相関を算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の
大きさと減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか
大きい方の相関信号を選択するベクトル選択手段であ
る。
ル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミング位
相差算出手段、45aは再生サンプルクロックと再生シ
ンボルクロックの位相を制御して、タイミング誤差を
“0”にするVCO(再生サンプルクロック発振手
段)、46は再生サンプルクロックでサンプリングされ
たベースバンド信号を用いてタイミング位相を検出する
位相検出手段、47は位相検出信号を平均化して、その
平均を位相進み遅れ信号として出力する位相検出信号平
均化手段である。
る。実施の形態2では、例えば、文献「受信信号位相情
報を用いたQPSK用タイミング再生方式の検討」(藤
村著 電子情報通信学会 論文誌 VOL.J81-B-・ no.6,p
p.665-668,1998年6月)に記載されているような、従
来のPLLタイミング再生器を併用し、本実施の形態1
によってプリアンブル検出や、タイミング誤差τ算出中
も、位相検出手段46、位相検出信号平均化手段47、
VCO45aで構成されるPLLタイミング再生器を動
作させる。
からタイミング位相差算出手段44までの演算処理は、
実施の形態1と同様であり、プリアンブル信号を検出し
たら、その時に同時に求めたタイミング誤差τを打ち消
すクロック位相制御を、第一の位相制御信号として、V
CO45aに与える。一方で、位相検出手段46は、受
信データ(Ii,Qi)からタイミング位相が進んでいる
か、遅れているかを、例えば上記文献の方式に基づいて
検出し、検出信号としてタイミング位相が進んでいれば
“+1”を、遅れていれば“−1”を出力する。
/遅れ信号を例えばランダムウォークフィルタで平均化
し、その平均を第二の位相制御信号として出力する。V
CO45aは、第二の位相制御信号によって、再生サン
プルクロックと再生シンボルクロックの位相を制御し、
第二の位相制御信号が“正”であればタイミング位相を
進ませ、“負”であればタイミング位相を遅らせる。V
CO45aは、通常は第二の位相制御信号によって制御
されているが、プリアンブルが検出され、第一の位相制
御信号が入力されたら、第二の位相制御信号を用いず
に、第一の位相制御信号を用いて、各クロック位相制御
を実施する。
所は、第二の位相制御信号を用いるタイミング位相の進
み/遅れの制御が、例えば1/16シンボルステップ幅
で行われるため、タイミング位相の引込みに時間を要す
ることである。逆にその長所は、プリアンブル信号の後
に続く有意なランダムデータ部受信時において、タイミ
ング位相追随が可能な点である。
合の短所は、プリアンブル信号の後に続く有意なランダ
ムデータ部受信時において、タイミング位相差θri[de
g]が不確かとなり、使用できない点である。逆にその長
所は、実施の形態1で述べた通りであり、短いプリアン
ブル信号で、高精度にタイミング位相差を検出できる点
である。
第二の位相制御信号の両方を用いるので、上記2つの長
所が上記2つの短所を補うため、実施の形態1の効果に
加えて、以下の効果を奏する。即ち、短いプリアンブル
信号で高精度なタイミング位相推定と制御を実施しなが
ら、有意なランダムデータ部受信中もタイミング位相追
随を実現することができる。
5cは、実施の形態1と同様、以下の2つのプリアンブ
ル信号((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキ
スト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信
号、(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、
1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に限
らず、複素平面上のある2点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号を用いる無線通信システムで
あれば、どのような変調方式(BPSK,QPSK,π
/4QPSK,OQPSK、FSKなど)を用いるシス
テムにも適用することができる。
係る復調装置の構成を示すブロック図である。図10に
おいて、10は無線信号を受信するアンテナ、20はア
ンテナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に
周波数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変
換手段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレ
ートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド
信号に変換するAD変換器、40bはAD変換器30,
31で変換されたディジタルベースバンド信号を用い
て、タイミング同期を行うタイミング再生器、70はタ
イミング再生器40bから出力された非同期サンプルク
ロックでサンプリングされたディジタルベースバンド信
号を補間するデータ補間手段、60aはデータ補間手段
70から出力された補間ベースバンド信号のナイキスト
点を抽出し、抽出したナイキスト点データを判定するデ
ータ判定手段である。
て、41aはベースバンド信号の同相成分とベースバン
ド信号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベー
スバンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分
とを減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シン
ボル周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手
段、42bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との
相関を算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の
大きさと減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか
大きい方の相関信号を選択するベクトル選択手段、44
は選択相関信号の示すベクトル角を用いてタイミング位
相差を算出するタイミング位相差算出手段、48は非同
期サンプルクロックおよび非同期1/2シンボル周波数
成分を出力する発振器(非同期サンプルクロック発振手
段)である。
る。実施の形態1では、タイミング誤差τを、VCO4
5による再生サンプルクロックと、再生シンボルクロッ
クの位相制御により、タイミング誤差τを“0”とする
フィードバック型のタイミング再生器40について説明
したが、実施の形態1を実施の形態3のタイミング再生
器40bに示すように、フィードフォワード型のタイミ
ング再生器に変形することができる。即ち、VCO45
を、発振器48に切替え、データ補間手段70を付加
し、データ判定手段60の処理を、後述するデータ判定
手段60aの処理に切替える。
する非同期サンプルクロックを出力する。A/D変換器
30,31は、この非同期サンプルクロックでデータを
2[sample/symbol]で非同期サンプリングする。加算手
段41a、減算手段41bは、実施の形態1と同様に、
非同期サンプリングされた受信データ(Ii,Qi)の加
減算を行う。加算値相関演算手段42aは、加算手段4
1a出力の加算信号と、発振器から出力されるシンボル
周波数の1/2の周波数成分exp[−jπ(fs)
t]との相関を、実施の形態1と同様に求める。
1b出力の減算信号と、発振器から出力されるシンボル
周波数の1/2の周波数成分exp[−jπ(fs)
t]との相関を、実施の形態1と同様に求める。以降の
ベクトル選択手段43や、タイミング位相差算出手段4
4は、実施の形態1と同様の処理であり、タイミング誤
差τを求める。
/symbol]によって得られた受信データ(Ii,Qi)を補
間して、例えばシンボル周期に対して1/16の時間分
解能を有する受信データを生成し、補間された受信デー
タを出力する。データ判定手段60aは、タイミング位
相差算出手段44からのタイミング誤差τの情報を用い
て、補間された受信データのナイキスト点を抽出し、抽
出したナイキスト点のデータを復調データとして出力す
る。
ードフォワード型の構成とすることで、実施の形態1の
効果に加えて、以下の効果を奏する。即ち、安価で小型
な発振器48を用いることにより、タイミング再生器4
0bは、より一層の低価格化、小型化を実現することが
できる。
5dは、実施の形態1と同様、以下の2つのプリアンブ
ル信号((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキ
スト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信
号、(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、
1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に限
らず、複素平面上のある2点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号を用いる無線通信システムで
あれば、どのような変調方式(BPSK,QPSK,π
/4QPSK,OQPSK、FSKなど)を用いるシス
テムにも適用することができる。
係る復調装置の構成を示すブロック図である。図11に
おいて、10は無線信号を受信するアンテナ、20はア
ンテナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に
周波数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変
換手段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレ
ートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド
信号に変換するAD変換器、40cはAD変換器30,
31で変換されたディジタルベースバンド信号を用い
て、タイミング同期を行うタイミング再生器、60はタ
イミング再生器40cから出力された再生シンボルクロ
ックを用いて、ディジタルベースバンド信号の中からナ
イキスト点データを抽出し、抽出したナイキスト点デー
タを判定するデータ判定手段である。
て、41aはベースバンド信号の同相成分とベースバン
ド信号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベー
スバンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分
とを減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シン
ボル周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手
段、42bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との
相関を算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の
大きさと減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか
大きい方の相関信号を選択するベクトル選択手段であ
る。
トル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミング
位相差算出手段、45は再生サンプルクロックと再生シ
ンボルクロックの位相を制御して、タイミング誤差を
“0”にするVCO(再生サンプルクロック発振手
段)、49は選択相関信号の示すベクトル長の大きさに
応じた重み付けを選択相関信号に与える重み付け手段、
50は重み付け相関信号を平均化する重み付け信号平均
化手段、50aは重み付け相関信号を入力とする時定数
の短い第一のローパスフィルタ、50bは重み付け相関
信号を入力とする時定数の長い第二のローパスフィルタ
である。
る。実施の形態4は、プリアンブル信号だけでなく、プ
リアンブルの後に続くランダムパターン信号も用いてタ
イミング再生を行い、実施の形態2とは別の方法によっ
て、ランダムパターン信号受信中もタイミング同期を実
現するものである。基本的な概念として、プリアンブル
信号だけでなく、プリアンブルの後に続くランダムパタ
ーン信号において数シンボルの時間単位でバースト的に
存在する1/2シンボル周波数成分も抽出し、これらを
平均化して、タイミング位相推定に用いるものである。
の各タイミング再生器は、以下のプリアンブル信号
((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキスト点
を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号、
(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、1シ
ンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に対して
有効であるが、このような1/2シンボル周波数成分を
有する信号遷移は、数シンボルと短い時間ではあるが、
ランダムパターン受信中も存在する。
以下の計12パターンの8ビットデータ系列に1/2シ
ンボル周波数成分が存在することになる。これらのいず
れかが発生する確率は、12/256=4.6%であり
少ないが、これらのパターンに含まれる1/2シンボル
周波数成分を検出し、長い時間かけて平均化すれば、ラ
ンダムパターン受信時においても、高精度なタイミング
位相推定を実現することができる。
10からベクトル選択手段までの動作は、一つの点を除
いて、実施の形態1と同様である。この異なる一つの点
とは、加算値相関手段42aと減算値相関手段42bが
それぞれ行う、乗算後のデータ系列の平均化を、{4,
8,12}程度の少ないデータ数を用いることである。
例えば、上記パターンA〜パターンLまでの8ビットの
何れかのパターンに対する相関を求める場合は、平均化
に用いるデータ数は連続する8個のデータとなる。
力である選択相関信号(COi,SOi)のベクトル長V
Oiを求め、VOiの大きさに応じた重み付け値αを(C
Oi,SOi)に乗算し、その結果を重み付け相関信号
(CWi,SWi)として出力する。
ンA〜Dを受信した場合には、非常に大きな値を示す。
また、上記パターンE〜Lを受信した場合には、大きな
値を示す。さらに、それ以外のパターンを受信した場合
には、小さな値を示す。
長VOiに応じた重み付けを、式(23a)、(23
b)のように実施することで、上記パターンA〜L受信
時の相関情報のみ抽出することができる。例えば、VO
iを2つの閾値によって3値検出し、VOiが非常に大き
な値の場合には、α=1を設定する。また、VOiが大
きな値の場合には、α=1/2を設定する。さらに、V
Oiが小さな値の場合には、α=0を設定する。
L以外の不確かなタイミング位相情報を有する選択相関
信号(COi,SOi)は、後段に出力されない。また上
記パターンA〜L中、上記パターンA〜Dは、上記パタ
ーンE〜Lと比較して、より確かなタイミング位相情報
を有するような、1/2シンボル周波数成分を多く含ん
でいるが、これらを受信中は、大きな重み付けが行われ
るため、タイミング位相推定に有効な1/2シンボル周
波数成分の抽出が効率的に行われる。
相関信号(CWi,SWi)を平均化し、その平均値を、
平均化重み付け相関信号(ΣCWi,ΣSWi)として出
力する。重み付け信号平均化手段50では、プリアンブ
ル受信中は、大きな重み付けが与えられた(例えば、
“1”を乗算された)相関信号(CWi,SWi)が入力
されるため、少ないデータ数で、正確なタイミング位相
差情報が得られる。また、プリアンブル受信中は、前バ
ースト信号受信時のタイミング情報を迅速に打ち消し、
現在受信中のバースト信号のタイミング情報を迅速に得
る必要がある。よって、プリアンブル信号受信中は、少
ないデータ数で平均化を行う必要がある。
さな重み付けが与えられた(例えば、“0”を乗算され
た)相関信号(CWi,SWi)が多く入力されるため、
正確なタイミング位相差情報を得るためには、数十シン
ボル〜数百シンボル分の多くのデータ数を用いて平均化
を行う必要がある。
プリアンブル信号用に小さな時定数を有する第一のロー
パスフィルタ50aと、有意なランダムデータ用に大き
な時定数を有する第二のローパスフィルタ50bを備
え、両方のフィルタの出力情報(Σ1CWi,Σ1S
Wi)、(Σ2CWi,Σ2SWi)を出力する。例えば
β<γ(0<β<1,0<γ<1)の関係を有する2つ
のIIR(Infinite ImpulseResponse)フィルタで構成す
る場合、第一のIIR(Infinite Impulse Response)フ
ィルタは以下の処理を実施する。、
sponse)フィルタは、以下の処理を実施する。
の処理を行って、プリアンブル検出と、プリアンブルを
用いたタイミング位相推定を同時に行い、かつ有意なラ
ンダムデータ受信時におけるタイミング位相推定も行
う。
段50の出力(Σ1CWi,Σ1SWi)が示す正規化ベ
クトル長V1i V1i=β(Σ1CWi 2+Σ1SWi 2)1/2 (26a) と、重み付け信号平均化手段50の出力(Σ2CWi,
Σ2SWi)が示す正規化ベクトル長V2i V2i=γ(Σ2CWi 2+Σ2SWi 2)1/2 (26b) を求める。
したら(例えば、V1iがある閾値εp1より大きくな
ったら)、以下の式で求まるタイミング位相差θr1iを
ラッチする。但しθ1iは、(Σ1CWi,Σ1SWi)が
示すベクトル角である。 θr1i=2θ1i mod360 (27)
イミング位相差θ1s=θr1iを用いて、タイミング誤差
τ1を式(28a)、(28b)で求め、タイミング誤
差τ1を打ち消す第一の制御信号を、後段のVCO45
に与える。 θ1s>180[deg]の場合、 τ1=(θ1s−360)T/360 (28a) θ1s≦180[deg]の場合、 τ1=(θ1s)T/360 (28b)
位相制御(以降、第一の位相制御と称する)後、クロッ
ク位相差は0[deg]となり、重み付け信号平均化手段5
0に入力されるタイミング位相差情報は、第一の位相制
御前と制御後で異なるため、第一の位相制御後、以下の
制御を重み付け信号平均化手段50に対して行い、各ベ
クトル(Σ1CWi,Σ1SWi)、(Σ2CWi,Σ2
SWi)の示すベクトル角を、0[deg]の方向にセットす
る。
と並行して、以下の式で求まるタイミング位相差θr2i
を求める。但しθ2iは、(Σ2CWi,Σ2SWi)が示
すベクトル角である。 θr2i=2θ2i mod360 (31)
下の2つの条件(条件A、条件B)を両方とも満たす
時、有意なランダムデータ部受信信号から求まるタイミ
ング位相差情報として、θr2iをラッチし、ラッチした
タイミング位相差θ2s=θr2iを用いて、タイミング誤
差τ2を式(32a)、(32b)で求め、タイミング
誤差τ2を打ち消す第二の制御信号を、後段のVCO4
5に与える。
イミング位相差が小さい(例えば、|θr1i−θr2i|≦
45[deg])。」である。また、条件Bは、「V2iが大
きな値を示す(例えば、V2iがある閾値εp2より大
きい)。」である。
位相制御(以降、第二の位相制御と称する)後も、第一
の位相制御時と同様、重み付け信号平均化手段50に入
力されるタイミング位相差情報は、第二の位相制御前と
制御後で異なる可能性があるため、第二の位相制御後
も、式(29a)、(29b)、(30a)、(30
b)の制御を重み付け信号平均化手段50に対して行
い、各ベクトル(Σ1CWi,Σ1SWi)、(Σ2CW
i,Σ2SWi)の示すベクトル角を0[deg]にセットす
る。
ムデータ受信中に、第三以降の位相制御を行う場合は、
第二の位相制御後、数十シンボル周期で、上記条件Bが
成立しているか否かをモニタし、成立している場合は、
その時の(Σ2CWi,Σ2SWi)が示すベクトル角θ
r2iをラッチし、ラッチしたタイミング位相差θ2s=θ
r2iを用いて、タイミング誤差τ2を式(32a)、
(32b)で求め、タイミング誤差τ2を打ち消す第二
の制御信号を、後段のVCO45に与える。同時に式
(29a)、(29b)、(30a)、(30b)の制
御を重み付け信号平均化手段50に対して行い、各ベク
トル(Σ1CWi,Σ1SWi)、(Σ2CWi,Σ2S
Wi)の示すベクトル角を0[deg]にセットする。
が大きな値を示したら(例えば、V1iがある閾値εp
1より大きくなったら)、次のバースト信号を受信した
と判定し、上記第2の処理に戻る。
作例を示す。V1iは、重み付け信号平均化手段50に
おいて、平均化に用いるデータ数が少ないため、プリア
ンブル信号受信時にのみ大きな値を示し、ランダムデー
タ部受信時は、小さな値を示す。一方、V2iは、重み
付け信号平均化手段50において、平均化に用いるデー
タ数が多いため、プリアンブル信号受信時においては前
バースト信号の情報が残っている場合もあり、小さい値
を示す場合が多いが、ランダムデータ部受信時は、十分
大きな値を示す。よって、図12に示す通り、第一の位
相制御は、上記第1〜第4の処理により、プリアンブル
受信中に行われ、第二の位相制御以降の制御は、データ
部受信中に行われる。
出手段44aからの制御信号を受けて、再生サンプルク
ロックと、再生シンボルクロックの位相を制御し、タイ
ミング誤差τを“0”とする。よって、実施の形態4
は、実施の形態1と同様、これらのプリアンブル信号受
信中は短い時間で、高精度なタイミング位相推定を実現
しながら、実施の形態2とは別の方法によって、ランダ
ムパターン信号受信中もタイミング同期を実現すること
ができる。
が既知で、プリアンブルが到来する時刻が特定できる場
合は、上記処理を大幅に削減することができる。この場
合の変更点は、以下の通りである。第1に、重み付け信
号平均化手段50は、第一のローパスフィルタ50aだ
けで構成され、第一のローパスフィルタ50aの時定数
(例えば、式24(a)、式24(b)の忘却係数β)
を、プリアンブル信号受信中は小さく、有意なランダム
データ受信中は大きく切替える。
るため、タイミング位相差算出手段44aの代わりに、
従来例のタイミング位相差算出手段403aを用いて、
第一のローパスフィルタ50aの出力(Σ1CWi,Σ
1SWi)が示すベクトル角から、タイミング誤差τを
求める。上記の2つの変更点により、回路規模は大幅に
低減する。
タイミング再生器40cは、実施の形態1の効果に加え
て、以下の効果を奏する。即ち、短いプリアンブル信号
で高精度なタイミング位相推定と、制御を実施しなが
ら、有意なランダムデータ部受信中もタイミング位相追
随を実現することができる。
5eは、実施の形態1と同様、以下の2つのプリアンブ
ル信号((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキ
スト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信
号、(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、
1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に限
らず、複素平面上のある2点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号を用いる無線通信システムで
あれば、どのような変調方式(BPSK,QPSK,π
/4QPSK,OQPSK、FSKなど)を用いるシス
テムにも適用することができる。
係る復調装置の構成を示すブロック図である。図13に
おいて、10は無線信号を受信するアンテナ、20はア
ンテナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に
周波数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変
換手段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレ
ートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド
信号に変換するAD変換器、40dはAD変換器30,
31で変換されたディジタルベースバンド信号を用い
て、タイミング同期を行うタイミング再生器、70はタ
イミング再生器40bから出力された非同期サンプルク
ロックでサンプリングされたディジタルベースバンド信
号を補間するデータ補間手段、60aはデータ補間手段
70から出力された補間ベースバンド信号のナイキスト
点を抽出し、抽出したナイキスト点データを判定するデ
ータ判定手段である。
て、41aはベースバンド信号の同相成分とベースバン
ド信号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベー
スバンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分
とを減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シン
ボル周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手
段、42bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との
相関を算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の
大きさと減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか
大きい方の相関信号を選択するベクトル選択手段であ
る。
トル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミング
位相差算出手段、48は非同期サンプルクロックおよび
非同期1/2シンボル周波数成分を出力する発振器(非
同期サンプルクロック発振手段)、49は選択相関信号
の示すベクトル長の大きさに応じた重み付けを選択相関
信号に与える重み付け手段、50は重み付け相関信号を
平均化する重み付け信号平均化手段、50aは重み付け
相関信号を入力とする時定数の短い第一のローパスフィ
ルタ、50bは重み付け相関信号を入力とする時定数の
長い第二のローパスフィルタである。
る。実施の形態4では、タイミング誤差τを、VCO4
5による再生サンプルクロックと、再生シンボルクロッ
クの位相制御により、タイミング誤差τを“0”とする
フィードバック型のタイミング再生器40cについて説
明したが、実施の形態5のタイミング再生器40dに示
すように、フィードフォワード型のタイミング再生器に
変形することができる。即ち、VCO45を、発振器4
8に切替え、データ補間手段70を付加し、データ判定
手段60の処理を、後述するデータ判定手段60aの処
理に切替える。
する非同期サンプルクロックを出力する。A/D変換器
30,31は、この非同期サンプルクロックでデータを
2[sample/symbol]で非同期サンプリングする。加算手
段41a、減算手段41bは、実施の形態1と同様に、
非同期サンプリングされた受信データ(Ii,Qi)の加
減算を行う。加算値相関演算手段42aは、加算手段4
1aから出力される加算信号と、発振器から出力される
シンボル周波数の1/2の周波数成分exp[−jπ
(fs)t]との相関を、実施の形態2と同様に求め
る。
1b出力の減算信号と、発振器から出力されるシンボル
周波数の1/2の周波数成分exp[−jπ(fs)
t]との相関を、実施の形態2と同様に求める。以降の
ベクトル選択手段43、重み付け手段50は、実施の形
態4と同様の処理であり、タイミング誤差τを求める。
の点を除いて、タイミング位相差算出手段44aと同様
の動作を行う。以下、タイミング位相差算出手段44b
とタイミング位相差算出手段44aの相違点を示す。即
ち、タイミング位相差算出手段44bは、フィードフォ
ワード型であるため、サンプルクロックの位相が制御さ
れることがない。これに対して、タイミング位相差算出
手段44aは、フィードバック型であるため、式(29
a)、(29b)、(30a)、(30b)の制御を重
み付け信号平均化手段50に対して行い、各ベクトル
(Σ1CWi,Σ1SWi)、(Σ2CWi,Σ2SWi)
の示すベクトル角を0[deg]にセットする必要がない。
e/symbol]によって得られた受信データ(Ii,Qi)を
補間して、例えばシンボル周期に対して1/16の時間
分解能を有する受信データを生成し、補間された受信デ
ータを出力する。データ判定手段60aは、タイミング
位相差算出手段44aからのタイミング誤差τの情報を
用いて、補間された受信データのナイキスト点を抽出
し、抽出したナイキスト点のデータを復調データとして
出力する。
ードフォワード型の構成とすることで、実施の形態4の
効果に加えて、以下の効果を奏する。即ち、安価で小型
な発振器48を用いるため、タイミング再生器40d
は、より一層、低価格化、小型化を実現することができ
る。
5dは、実施の形態1と同様、以下の2つのプリアンブ
ル信号((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキ
スト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信
号、(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、
1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に限
らず、複素平面上のある2点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号を用いる無線通信システムで
あれば、どのような変調方式(BPSK,QPSK,π
/4QPSK,OQPSK、FSKなど)を用いるシス
テムにも適用することができる。
調装置は、以上のように構成されているため、次のよう
な効果を得ることができる。即ち、プリアンブル信号の
同相成分と直交成分を加算した信号と、減算した信号の
計2つの信号に対する相関演算を行い、得られた2つの
相関値のうち、ベクトル長の大きい方をタイミング位相
推定に用いる簡単な構成により、従来のタイミング再生
器と比較して、回路規模、演算処理を低減することがで
きる。
スト点を1シンボル毎に交互に遷移する信号(例えば
“1101”パターン)、複素平面上で原点対称となる
2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移する
“0π”変調信号(例えば“1001”パターン)のい
ずれのプリアンブル信号に対して、有効である。
り、プリアンブルを用いた高精度なタイミング位相推定
と、プリアンブル検出を同時に実現できるため、プリア
ンブルを受信するタイミングが判らない場合でも、タイ
ミング位相制御を正常に行うことができる。
立上げ時や、シャドウイング復帰後の再接続において生
じるバースト信号の受信タイミングが未知である場合に
おいても、小さな回路規模で、短いプリアンブルで高速
同期、高速再同期を実現し、プリアンブルに続く有意な
データ部において良好なBER(ビット誤
ック図である。
る。
図である。(b)は、プリアンブルの減算信号を示す波
形図である。
図である。(b)は、プリアンブルの減算信号を示す波
形図である。
図である。(b)は、プリアンブルの減算信号を示す波
形図である。
減算相関信号を示す信号空間図である。
減算相関信号を示す信号空間図である。
作を示す波形図である。
ック図である。
ロック図である。
ロック図である。
動作を示す波形図である。
ロック図である。
る。
る。
る。
る。
る。
図である。
図である。
る。
す波形図である。(b)は、プリアンブル信号の直交成
分を示す波形図である。
る。
す波形図である。(b)は、プリアンブル信号の直交成
分を示す波形図である。
AD変換器、40,40a,40b,40c,40d…
タイミング再生器、41a…加算手段、41b…減算手
段、42a…加算値相関演算手段、42b…減算値相関
手段、43…ベクトル選択手段、43a…最大絶対値検
出手段、43b…選択手段、44…タイミング位相差算
出手段、45,45a…VCO(再生サンプルクロック
発振手段)、46…位相検出手段、47…位相検出信号
平均化手段、48…発振器(非同期サンプルクロック発
振手段)、49…重み付け手段、50…重み付け信号平
均化手段、50a…第一のローパスフィルタ、50b…
第二のローパスフィルタ、60,60a…データ判定手
段、70…データ補間手段。
9)
復調装置
および復調装置に関し、特にバースト信号の先頭にプリ
アンブルを有する広帯域ディジタル無線通信システムに
適したタイミング再生器および復調装置に関する。
ジタル無線通信システム用復調装置のタイミング再生器
として、例えば文献「キャリア・クロック同時再生方式
(Carrier-Clock Simultaneous Recovery Scheme)」
(名倉,松本,久保田,加藤 著電子情報通信学会 (Th
e Institute Of Electronics, Information And Commun
ication Engineers)信学技報(Technical Report Of IE
ICE) RCS94-60,pp.7-12,1994年9月)に記載されて
いる2つの方式がある。
いるプリアンブル信号からタイミング位相を推定する方
式である。このプリアンブル信号は、複素平面上で隣り
合う2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移す
る信号(例えば“1101”パターン)である。この方
式に関する特許として「バースト信号復調回路」(特開
平7−235956,発明者:松本,加藤)が存在す
る。
ているプリアンブル信号からタイミング位相を推定する
方式である。このプリアンブル信号は、複素平面上で原
点対称となる2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互
に遷移する“0π”変調信号(例えば“1001”パタ
ーン)である。この方式に関する特許として「バースト
信号復調回路」(特開平8−46658,発明者:名
倉,松本,加藤)が存在する。
号もシンボル周波数(fs)の1/2の周波数成分を有
していることに着目し、受信機側で、これらプリアンブ
ル信号と、VCOから出力される1/2シンボル周波数
成分exp[−jπ(fs)t]との相関を求め、その
相関値の示すベクトル角からタイミング位相を推定する
ものである。
サンプリング速度は僅か2[sample/symbol]であり、例
えば文献「信号検出方式、及びバースト復調装置」(特
開平6−141048,発明者:吉田)に記載されてい
るような、非線形処理後の信号(例えばエンベロープ)
と、シンボル周波数成分exp[−j2π(fs)t]
との相関からタイミング位相を推定する従来方式におい
て必要となるサンプリング速度の最小値(=4[sample/
symbol])の1/2であるため、サンプリング速度の低
減による受信機の低消費電力化を実現することができ
る。以下に上記2つの方式(特開平7−235956,
特開平8−46658)の詳細を示す。
イキスト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブ
ル(“1101”パターン)信号を用いたタイミング再
生方式(特開平7−235956)について説明する。
図14は、上述のタイミング再生器を含んだ復調装置を
示すブロック図である。図14において、100はアン
テナ、200は周波数変換手段、301,302はAD
変換器、400はタイミング再生器、500はデータ判
定手段であり、タイミング再生器400内において、4
01は1シンボル遅延手段、402は共役複素乗算手
段、403はタイミング位相差算出手段、404はVC
Oである。
する。アンテナ100は、RF帯のプリアンブル信号を
受信し、周波数変換手段200はRF帯のプリアンブル
信号をベースバンド帯のプリアンブル信号に周波数変換
する。図15に、このベースバンド帯のプリアンブル信
号(“1101”パターン)の信号空間図を示す。図1
5において、θcは受信信号のキャリア位相であり、プ
リアンブル信号は、図中のナイキスト点“A”と、ナイ
キスト点“B”を1シンボル毎に交互に遷移する。ナイ
キスト点“A”のベクトル角は(θc−45)[deg]、
ナイキスト点“B”のベクトル角は(θc+45)[de
g]であり、ナイキスト点“A”とナイキスト点“B”の
各ベクトル角の差は90[deg]である。
リアンブル信号の同相成分を、時刻t=τ+iT/2
(但し、i=1,2,3,…、τはタイミング誤差(−T/2≦
τ<T/2)、Tはシンボル周期)においてサンプリン
グし、サンプリングされたプリアンブルデータ系列Ip
i(i=1,2,3,…)を出力する。同様に、AD変換器30
2は、ベースバンドプリアンブル信号の直交成分を、時
刻t=τ+iT/2においてサンプリングし、サンプリ
ングされたプリアンブルデータ系列Qpi(i=1,2,3,
…)を出力する。
mbol]であることが明らかである。またサンプリング
は、後段のタイミング再生器400出力である再生サン
プルクロックの立上がりエッジで行い、タイミング位相
推定動作を行っている間は、再生サンプルクロックの位
相制御は行われない。タイミング再生器400は、プリ
アンブルデータ系列Ipi(i=1,2,3,…)とプリアンブ
ルデータ系列Qpi(i=1,2,3,…)を用いてタイミング
誤差τを算出し、タイミング誤差τを打ち消す位相制御
を、再生サンプルクロックと、再生シンボルクロックに
対して行う。
ンプルクロックを2分周した、シンボル周期のクロック
である。データ判定手段500は、タイミング再生器4
00によってタイミング誤差τが打ち消された後、プリ
アンブルの後に続く有意なランダムデータ系列Idi,
Qdi(i=1,2,3,…)から、ナイキスト点におけるデー
タを、再生シンボルクロックでラッチする。そして、ラ
ッチしたナイキスト点データを用いてデータを判定し、
復調データを出力する。
いて説明する。1シンボル遅延手段401は、プリアン
ブルデータ系列Ipi(i=1,2,3,…)とプリアンブルデ
ータ系列Qpi(i=1,2,3,…)を1シンボル時間遅延さ
せ、共役複素乗算手段402はプリアンブルデータ系列
(Ipi,Qpi)と、1シンボル前のプリアンブルデー
タ系列(Ipi-2,Qpi-2 )との共役複素乗算を、下
記式で行う。
して遅延検波が行われる。このような処理を行うこと
で、図16に示すように、キャリア位相θcに関係無
く、点“C”と点“D”を1シンボル毎に遷移するプリ
アンブル信号を得ることができる。このプリアンブル信
号の示す位相θX(t)は、図17に示すように+90
[deg]から−90[deg]の位相遷移と、−90[deg]から
+90[deg]の位相遷移を、それぞれ1シンボル周期で
交互に繰り返すため、1/2シンボル周波数成分を有す
る。
は、この位相θX(t)と、VCOから出力される1/
2シンボル周波数成分exp[−jπ(fs)t]との
相関を求める。具体的には、信号(IDi,QDi)の示
す位相をθXiとすると、以下の乗算を行い、
て、相関値(ΣMI,ΣMQ)を出力する。なお、式
(2a)、(2b)の乗算は、cosπi/2=1,
0,−1,0,…、sinπi/2=0,1,0,−
1,…であるため、上記相関値(ΣMI,ΣMQ)は、
容易に求めることができる。例えば、4シンボルで平均
化する場合、相関値(ΣMI,ΣMQ)は下記式で得ら
れる。
グ位相差であり、よってシンボル周期(T)で正規化し
た場合のタイミング位相差θs[deg]は、以下の式で求ま
る。
τの関係は、以下の通りである。 θs>180[deg]の場合、 τ=(θs−360)T/360 (5a) θs≦180[deg]の場合、 τ=(θs)T/360 (5b)
17に示すタイミングでサンプリングし、データ系列
{θXi ,θXi+1 ,θXi+2 ,θXi+3 ,… }を得
た場合、図18に示すような相関値(ΣMI,ΣMQ)
と、タイミング位相差θT が得られる。タイミング位相
差算出手段403は、以上の演算によって得られたタイ
ミング誤差τより、タイミング誤差τを打ち消す制御信
号を、後段のVCO404に与える。VCO404は、
タイミング位相差算出手段からの制御信号を受けて、再
生サンプルクロックと、再生シンボルクロックの位相を
制御し、タイミング誤差τを“0”とする。
ナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアン
ブル(“0π”変調,例えば“1001”パターン)信
号を用いたタイミング再生方式(特開平8−4665
8)について説明する。図14との対応部分に同一符号
を付した図19は、上述のタイミング再生器を含んだ復
調装置を示す。図19において、400aはタイミング
再生器、403aはタイミング位相差算出手段、405
aはIch相関演算手段、405bはQch相関演算手
段、406はベクトル合成選択手段である。
6の構成図であり、407aは第一のベクトル合成手
段、407bは第二のベクトル合成手段、407cは第
三のベクトル合成手段、407dは第四のベクトル合成
手段、408は最大絶対値検出手段、409は選択手段
である。更に、図20との対応部分に同一符号を付した
図21はベクトル合成選択手段406のもう一つの構成
図であり、410a,410bは加算手段、411aは
第一の選択手段、411bは第二の選択手段、411c
は第三の選択手段、411dは第四の選択手段である。
前述した図14の従来例の構成と同様、アンテナ100
は、RF帯のプリアンブル信号を受信し、周波数変換手
段200はRF帯のプリアンブル信号をベースバンド帯
のプリアンブル信号に周波数変換する。図22に、この
ベースバンド帯のプリアンブル信号(“1001”パタ
ーン)の信号空間図を示す。図22において、θcは受
信信号のキャリア位相であり、プリアンブル信号は、図
中のナイキスト点“A”と、ナイキスト点“B”を1シ
ンボル毎に原点を通過しながら、交互に遷移する。
eg]、ナイキスト点“B”のベクトル角は(θc+18
0)[deg]であり、ナイキスト点“A”とナイキスト点
“B”の各ベクトル角の差は180[deg]である。図1
4の従来例と同様、AD変換器301は、このベースバ
ンドプリアンブル信号の同相成分を、時刻t=τ+iT
/2(但し、i=1,2,3,…、τはタイミング誤差(−T/
2≦τ<T/2),Tはシンボル周期)においてサンプ
リングし、サンプリングされたプリアンブルデータ系列
Ipi(i=1,2,3,…)を出力する。
ドプリアンブル信号の直交成分を、時刻t=τ+iT/
2においてサンプリングし、サンプリングされたプリア
ンブルデータ系列Qpi(i=1,2,3,…)を出力する。後
段のタイミング再生器400aは、タイミング位相推定
動作を行っている間は、再生サンプルクロックの位相制
御は行われない。
4の従来例と同様、プリアンブルデータ系列Ipi(i=
1,2,3,…)とプリアンブルデータ系列Qpi(i=1,2,3,
…)を用いてタイミング誤差τを算出し、タイミング誤
差τを打ち消す位相制御を、再生サンプルクロックと、
再生シンボルクロックに対して行う。再生シンボルクロ
ックは、再生サンプルクロックを2分周した、シンボル
周期のクロックである。
と同様、タイミング再生器400aによってタイミング
誤差τが打ち消された後、プリアンブルの後に続く有意
なランダムデータ系列Idi,Qdi(i=1,2,3,…)か
ら、ナイキスト点におけるデータを、再生シンボルクロ
ックでラッチする。そして、ラッチしたナイキスト点デ
ータを用いてデータを判定し、復調データを出力する。
ついて説明する。図22に示すような原点対称となる2
つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリ
アンブル信号を受信する場合、図14に示す従来例は適
用できない。図22に示すプリアンブル信号を遅延検波
すると、遅延検波後(即ち、共役複素乗算手段出力)の
位相信号θX(t)は、常に約180[deg]となり、シ
ンボル周波数の1/2の周波数成分が得られないため、
VCO404から出力されるシンボル周波数の1/2の
周波数成分exp[−jπ(fs)t]との相関が
“0”になるためである。
リアンブル信号の同相成分I(t)と、直交成分Q
(t)それぞれに対してシンボル周波数の1/2の周波
数成分exp[−jπ(fs)t]との相関演算を行
う。具体的には、Ich相関演算手段405aは、オー
バーサンプルされたプリアンブルデータ系列Ipi(i=
1,2,3,…)に対して、以下の乗算を行い、
て、相関値(CI,SI)を求め、Qch相関演算手段
405bは、オーバーサンプルされたプリアンブルデー
タ系列Qpi(i=1,2,3,…)に対して、以下の乗算を行
い、
て、相関値(CQ,SQ)を求める。なお、式(6
a)、(6b)、(7a)、(7b)の乗算は、cos
πi/2=1,0,−1,0,…、sinπi/2=
0,1,0,−1,…であるため、上記相関値(CI,
SI)、(CQ,SQ)は、容易に求めることができ
る。例えば、4シンボルで平均化する場合、相関値(C
I,SI)は下記式で得られ、
る。 CQ=(Qpi−Qpi+2+Qpi+4−Qpi+6+Qpi+8 −Qpi+10+Qpi+12−Qpi+14)/8 (9a) SQ=(Qpi+1−Qpi+3+Qpi+5−Qpi+7+Qpi+9 −Qpi+11+Qpi+13−Qpi+15)/8 (9b)
トル角と、(SI,SQ)の示すベクトル角は、図14
の従来例と同様、いずれもタイミング位相誤差を示す
が、キャリア位相θcによって、お互い同じ方向を向く
場合や、反対方向を向く場合、あるいはどちらかのベク
トルが消失する場合がある。例えば、図22に示すよう
に、θcの範囲が(90<θc<180)あるいは(2
70<θc<360)を満たすプリアンブル信号に対し
て、図23に示すタイミングでサンプリングし、データ
系列{Ipi ,Ipi+1 ,Ipi +2 ,Ipi +3 ,… }
とデータ系列{Qpi ,Qpi+1 ,Qpi +2 ,Qpi+3
,… }を得た場合、図24(a)に示すような相関値
(CI,SI)と、相関値(CQ,SQ)が得られ、各
相関ベクトルの角度は反対方向を向く。
(0<θc<90)あるいは(180<θc<270)
を満たすプリアンブル信号に対して、図26に示すタイ
ミングでサンプリングし、データ系列{Ipi ,Ip
i+1 ,Ipi +2 ,Ipi+3 ,… }とデータ系列{Qp
i ,Qpi+1 ,Qpi +2 ,Qpi+3 ,… }を得た場
合、図27に示すような相関値(CI,SI)と、相関
値(CQ,SQ)が得られ、各相関ベクトルの角度は同
じ方向を向く。また、キャリア位相θcによって各ベク
トル長が変化することも明らかであり、θc={0,1
80}では、相関値(CI,SI)のベクトルは消失
し、θc={90,−90}では、相関値(CQ,S
Q)のベクトルが消失する。
ャリア位相θcの影響を除去するため、相関値(CI,
CQ)と、相関値(SI,SQ)を後述する4つの状態
にそれぞれ合成し、もっともSN比の高い合成ベクトル
を選択し、タイミング位相差算出手段403aは、ベク
トル合成選択手段406が選択した合成ベクトルからタ
イミング位相を算出する。
いて、最大絶対値検出手段408はCI,CQ,SI,
SQの4つの絶対値を求め、各絶対値の最大値が4つの
うちのどれであるか検出する。また第一のベクトル合成
手段407aは、以下の式によって合成ベクトル(G1
C,G1S)を出力し、
の式によって合成ベクトル(G2C,G2S)を出力し、
の式によって合成ベクトル(G3C,G3S)を出力し、
の式によって合成ベクトル(G4C,G4S)を出力す
る。
味する。
08の検出信号を受け、合成相関値(ΣC,ΣS)を
(G1C,G1S)、(G2C,G2S)、(G3C,G
3S)、(G4C,G4S)から選択する。
による影響が除去され、相関値(CI,CQ),相関値
(SI,SQ)のベクトルの向きが揃えられた合成ベク
トルが、もっともタイミング位相推定に適したベクトル
として選択される。例えば、図24の場合、ベクトル長
の小さい相関値(CQ,SQ)を反転して両者のベクト
ル方向を揃え、相関値(CI,SI)に加算した合成ベク
トルが選択される。このときの相関値(ΣC,ΣS)
は、図28のようになる。また図27の場合、ベクトル
長の小さい相関値(CQ,SQ)をそのまま、相関値
(CI,SI)に加算した合成ベクトルが選択される。こ
のときの相関値(ΣC,ΣS)は、図29のようにな
る。
述した図20のように、あらかじめCI,SI,CQ,
SQから生成した4つの合成ベクトルから、一つのベク
トルを選択する処理のほかに、図21のように、最大絶
対値検出手段408の検出結果を基に、407a,40
7b,407c,407dのいずれかの合成手段を実行
するような構成でも、同様な出力結果が得られる。図2
1の構成は、図20の構成と比較して、回路規模を低減
することができる。図21に示すベクトル合成選択手段
において、最大絶対値検出手段408の検出結果を基
に、各選択手段411a,411b,411c,411
dは、以下の値を出力する。
1は、 SEL1=CI (|CI|あるいは|SI|が最大の場合) (15a) SEL1=CQ (|CQ|あるいは|SQ|が最大の場合) (15b)
2は、 SEL2=sign[CI]・|CQ| (|CI|が最大の場合) (16a) SEL2=sign[CQ]・|CI| (|CQ|が最大の場合) (16b) SEL2=sign[SI・SQ]・|CQ| (|SI|が最大の場合) (16c) SEL2=sign[SI・SQ]・|CI| (|SQ|が最大の場合) (16d)
3は、 SEL3=sign[CI・CQ]・|SQ| (|CI|が最大の場合) (17a) SEL3=sign[CI・CQ]・|SI| (|CQ|が最大の場合) (17b) SEL3=sign[SI]・|SQ| (|SI|が最大の場合) (17c) SEL3=sign[SQ]・|SI| (|SQ|が最大の場合) (17d)
4は、 SEL4=SI (|CI|あるいは|SI|が最大の場合) (18 a) SEL4=SQ (|CQ|あるいは|SQ|が最大の場合) (18 b)
算し、加算結果をΣCとして出力する。また、加算器4
10bはSEL3とSEL4を加算し、加算結果をΣS
として出力する。以上の処理により、図21で構成され
るベクトル合成選択手段は、図20で構成されるベクト
ル合成選択手段と同様の値を出力する。
は、合成相関値(ΣC,ΣS)が示すベクトル角 θ2s=tan-1(ΣS/ΣC) (19) を求める。θ2sは、前記θTと同様、2シンボル周期
(2T)で正規化した場合のタイミング位相差であり、
よってシンボル周期(T)で正規化した場合のタイミン
グ位相差θs[deg]は、式(20)で求まる。 θs=2θ2s mod360 (20)
θ2sは、180[deg]の差があるが、式(20)の処
理により、図28のθ2sから求まるθsと、図29の
θ2sから求まるθsは一致する。なお、タイミング位
相差θsとタイミング誤差τの関係は、式(5a)、
(5b)の通りである。タイミング位相差算出手段40
3aは、以上の演算によって得られたタイミング誤差τ
より、タイミング誤差τを打ち消す制御信号を、後段の
VCO404に与える。VCO404は、タイミング位
相差算出手段からの制御信号を受けて、再生サンプルク
ロックと、再生シンボルクロックの位相を制御し、タイ
ミング誤差τを“0”とする。
におけるプリアンブルを用いる2つのタイミング再生器
400,400aは、いずれもプリアンブル信号の含ま
れる1/2シンボル周波数成分と、VCOから出力され
る1/2シンボル周波数成分exp[−jπ(fs)
t]との相関を求め、その相関値の示すベクトル角から
タイミング位相を推定するものであり、サンプリング速
度も2[sample/symbol]と低速であるため、特に広帯域
TDMA無線通信システムに有効な方式であるが、いず
れもキャリア位相差θcの影響を除去するための各手段
が備わっており、それらの手段が回路規模の増大や、演
算処理量の増加を招いている。
ャリア位相差θcの影響を除去するため、1シンボル遅
延手段401と、共役複素乗算手段402を用いた遅延
検波を行っている。よって、共役複素乗算手段402で
は、乗算器4個と、加算器2個が必要であり、大きな回
路規模、演算処理が必要となる。
ャリア位相差θcの影響を除去するため、ベクトル合成
選択手段406を用いた、複雑な加減算処理と選択処理
を行っている。ベクトル合成選択手段406では、あら
かじめCI,SI,CQ,SQから生成した4つの合成
ベクトルから、一つのベクトルを選択する処理を実施す
る図20の場合は、各合成手段407a,407b,4
07c,407d内に含まれる計8個の加算器や、8つ
のデータ系列から、2つのデータ系列を選択する選択手
段409を必要とする。
21の構成で実現する場合、加算器の数を8個から2個
に低減することができるため、図20と比較して回路規
模を低減することができるが、その場合でも加算器41
0a,410bの前段に4つの選択手段411a,41
1b,411c,411dが必要となり、処理が複雑で
ある。
400bは、プリアンブル信号を受信するタイミングが
既知である場合にのみ有効であり、例えば移動端末機に
おける電源立上げ時や、シャドウイング復帰後の再接続
において生じるバースト信号の受信タイミングが未知で
ある場合には、プリアンブルを受信するタイミングが判
らないため、適用することができない。
路規模、演算処理を低減させるタイミング再生器および
これを用いた復調装置を提供することを目的とする。
つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移する信号
(例えば“1101”パターン)、複素平面上で原点対
称となる2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷
移する“0π”変調信号(例えば“1001”パター
ン)のいずれのプリアンブル信号に対して有効なタイミ
ング再生器およびこれを用いた復調装置を提供すること
を目的とする。
るタイミングが判らない場合でも有効なタイミング再生
器およびこれを用いた復調装置を提供することを目的と
する。
生器は、ベースバンド信号の同相成分と、ベースバンド
信号の直交成分とを加算し、加算後の信号を加算信号と
して出力する加算手段と、ベースバンド信号の同相成分
と、ベースバンド信号の直交成分とを減算し、減算後の
信号を減算信号として出力する減算手段と、加算信号
と、受信機側で生成する1/2シンボル周波数成分との
相関を算出し、算出した相関値を加算相関信号として出
力する加算相関演算手段と、減算信号と、1/2シンボ
ル周波数成分との相関を算出し、算出した相関値を減算
相関信号として出力する減算相関演算手段と、加算相関
信号の大きさと、減算相関信号の大きさとを比較し、ど
ちらか大きい方の相関信号を選択し、選択した相関信号
を選択相関信号として出力するベクトル選択手段と、選
択相関信号の示すベクトル角を用いてタイミング位相差
を算出するタイミング位相差算出手段とを備えることを
特徴とする。
手段は、選択相関信号の示すベクトル角およびベクトル
長を算出し、ベクトル長が大きい場合にプリアンブル信
号を検出したと判定し、その時の選択相関信号の示すベ
クトル角を用いてタイミング位相差を算出することを特
徴とする。
ンプリングする再生サンプルクロックおよび再生1/2
シンボル周波数成分を出力し、タイミング位相差情報を
用いて、タイミング誤差を“0”に位相制御する再生サ
ンプルクロック発振手段を更に備えることを特徴とす
る。
算相関演算手段、ベクトル選択手段、タイミング位相差
算出手段および再生サンプルクロック発振手段の処理
は、再生サンプルクロックでサンプリングされたベース
バンド信号を用い、加算相関演算手段および減算相関演
算手段は、1/2シンボル周波数成分を再生1/2シン
ボル周波数成分とすることを特徴とする。
でサンプリングされたベースバンド信号を用いてタイミ
ング位相を検出し、その検出信号を位相検出信号として
出力する位相検出手段と、位相検出信号を平均化し、そ
の平均を位相進み遅れ信号として出力する位相検出信号
平均化手段とを更に備え、再生サンプルクロック発振手
段は、タイミング位相差情報と位相進み遅れ信号の両方
を用いて、タイミング誤差を“0”に位相制御すること
を特徴とする。
ンプリングする非同期サンプルクロックおよび非同期1
/2シンボル周波数成分を出力する非同期サンプルクロ
ック発振手段を更に備えることを特徴とする。
算相関演算手段、ベクトル選択手段、タイミング位相差
算出手段および非同期サンプルクロック発振手段の処理
は、非同期サンプルクロックでサンプリングされたベー
スバンド信号を用い、加算相関演算手段および減算相関
演算手段は、1/2シンボル周波数成分を非同期1/2
シンボル周波数成分とすることを特徴とする。
ンド信号の同相成分と、ベースバンド信号の直交成分と
を加算し、加算後の信号を加算信号として出力する加算
手段と、ベースバンド信号の同相成分と、ベースバンド
信号の直交成分とを減算し、減算後の信号を減算信号と
して出力する減算手段と、加算信号と、受信機側で生成
する1/2シンボル周波数成分との相関を算出し、算出
した相関値を加算相関信号として出力する加算相関演算
手段と、減算信号と、1/2シンボル周波数成分との相
関を算出し、算出した相関値を減算相関信号として出力
する減算相関演算手段と、加算相関信号の大きさと、減
算相関信号の大きさとを比較し、どちらか大きい方の相
関信号を選択し、選択した相関信号を選択相関信号とし
て出力するベクトル選択手段と、選択相関信号の示すベ
クトル長の大きさに応じた重み付けを、選択相関信号に
与え、重み付けされた選択相関信号を、重み付け相関信
号として出力する重み付け手段と、重み付け相関信号を
平均化し、その平均を重み付け平均相関信号として出力
する重み付け信号平均化手段と、平均相関信号の示すベ
クトル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミン
グ位相差算出手段とを備えることを特徴とする。
手段は、重み付け平均相関信号の示すベクトル角および
ベクトル長を算出し、ベクトル長が大きい場合にプリア
ンブル信号を検出したと判定し、その時の選択相関信号
の示すベクトル角を用いてタイミング位相差を算出する
ことを特徴とする。
サンプリングする再生サンプルクロックおよび再生1/
2シンボル周波数成分を出力し、タイミング位相差情報
を用いて、タイミング誤差を“0”に位相制御する再生
サンプルクロック発振手段を更に備えることを特徴とす
る。
減算相関演算手段、ベクトル選択手段、重み付け手段、
重み付け信号平均化手段、タイミング位相差算出手段お
よび再生サンプルクロック発振手段の処理は、再生サン
プルクロックでサンプリングされたベースバンド信号を
用い、加算相関演算手段および減算相関演算手段は、1
/2シンボル周波数成分を再生1/2シンボル周波数成
分とすることを特徴とする。
手段は、重み付け相関信号をそれぞれ入力とする時定数
の短い第一のローパスフィルタと、時定数の長い第二の
ローパスフィルタとを備え、位相制御時に第一のローパ
スフィルタおよび第二のローパスフィルタの各直交成分
に“0”を、同相成分に、位相制御前の(同相成分2+
直交成分2)1/2をセットし、タイミング位相差算出手段
は、第一のローパスフィルタの示す第一のベクトル角お
よび第一のベクトル長を算出し、第一のベクトル長が大
きい場合にプリアンブル信号を検出したと判定し、第一
のベクトル角を用いて初期タイミング位相差を算出し、
第二のローパスフィルタの示す第二のベクトル角および
第二のベクトル長を算出し、第一の位相制御後、第二の
ベクトル長が大きい場合に第二のベクトル角を用いて位
相追随用タイミング位相差を周期的に算出し、再生サン
プルクロック発振手段は、初期タイミング位相差および
位相追随用タイミング位相差の両方を、タイミング位相
差情報として用いて、タイミング誤差を“0”に位相制
御することを特徴とする。
サンプリングする非同期サンプルクロックおよび非同期
1/2シンボル周波数成分を出力する非同期サンプルク
ロック発信手段を更に備えることを特徴とする。
減算相関演算手段、ベクトル選択手段、重み付け手段、
重み付け信号平均化手段、タイミング位相差算出手段お
よび非同期サンプルクロック発振手段の処理は、非同期
サンプルクロックでサンプリングされたベースバンド信
号を用い、加算相関演算手段および減算相関演算手段
は、1/2シンボル周波数成分を非同期1/2シンボル
周波数成分とすることを特徴とする。
手段は、重み付け相関信号をそれぞれ入力とする時定数
の短い第一のローパスフィルタと、時定数の長い第二の
ローパスフィルタとを更に備え、タイミング位相差算出
手段は、第一のローパスフィルタの示す第一のベクトル
角および第一のベクトル長を算出し、第一のベクトル長
が大きい場合にプリアンブル信号を検出したと判定し、
第一のベクトル角を用いて初期タイミング位相差を算出
し、第二のローパスフィルタの示す第二のベクトル角お
よび第二のベクトル長を算出し、第一の位相制御後、第
二のベクトル長が大きい場合に第二のベクトル角を用い
て位相追随用タイミング位相差を周期的に算出すること
を特徴とする。
器と、無線信号を受信するアンテナと、アンテナで受信
された無線信号をベースバンド信号に周波数変換する周
波数変換手段と、周波数変換手段で変換されたベースバ
ンド信号を、再生サンプルクロックを用いてシンボルレ
ートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド
信号に変換して、タイミング再生器に与えるAD変換手
段と、タイミング再生器から出力された再生シンボルク
ロックを用いて、ディジタルベースバンド信号の中から
ナイキスト点データを抽出し、抽出したナイキスト点デ
ータを判定し、復調データとして出力するデータ判定手
段とを備えることを特徴とする。
器と、無線信号を受信するアンテナと、アンテナで受信
された無線信号をベースバンド信号に周波数変換する周
波数変換手段と、周波数変換手段で変換されたベースバ
ンド信号を、非同期サンプルクロックを用いてシンボル
レートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバン
ド信号に変換して、タイミング再生器に与えるAD変換
手段と、タイミング再生器から出力された非同期サンプ
ルクロックでサンプリングされたディジタルベースバン
ド信号を補間し、補間後のデータを、補間ベースバンド
信号として出力するデータ補間手段と、タイミング位相
差を基に、データ補間手段から出力された補間ベースバ
ンド信号のナイキスト点を抽出し、抽出したナイキスト
点データを判定し、復調データとして出力するデータ判
定手段とを備えることを特徴とする。
器と、無線信号を受信するアンテナと、アンテナで受信
された無線信号をベースバンド信号に周波数変換する周
波数変換手段と、周波数変換手段で変換されたベースバ
ンド信号を、非同期サンプルクロックを用いてシンボル
レートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバン
ド信号に変換して、タイミング再生器に与えるAD変換
手段と、タイミング再生器から出力された非同期サンプ
ルクロックでサンプリングされたディジタルベースバン
ド信号を補間し、補間後のデータを、補間ベースバンド
信号として出力するデータ補間手段と、初期タイミング
位相差および位相追随用タイミング位相差の両方を基
に、データ補間手段から出力された補間ベースバンド信
号のナイキスト点を抽出し、抽出したナイキスト点デー
タを判定し、復調データとして出力するデータ判定手段
とを備えることを特徴とする。
生器およびこれを用いた復調装置の好適な実施の形態に
ついて添付図面を参照して説明する。
る復調装置の構成を示すブロック図である。図1におい
て、10は無線信号を受信するアンテナ、20はアンテ
ナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に周波
数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変換手
段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレート
の2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド信号
に変換するAD変換器、40はAD変換器30,31で
変換されたディジタルベースバンド信号を用いて、タイ
ミング同期を行うタイミング再生器、60はタイミング
再生器40から出力された再生シンボルクロックを用い
て、ディジタルベースバンド信号の中からナイキスト点
データを抽出し、抽出したナイキスト点データを判定す
るデータ判定手段である。
41aはベースバンド信号の同相成分とベースバンド信
号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベースバ
ンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分とを
減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シンボル
周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手段、4
2bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との相関を
算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の大きさ
と減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか大きい
方の相関信号を選択するベクトル選択手段、44は選択
相関信号の示すベクトル角を用いてタイミング位相差を
算出するタイミング位相差算出手段、45は再生サンプ
ルクロックと再生シンボルクロックの位相を制御して、
タイミング誤差を“0”にするVCO(再生サンプルク
ロック発振手段)である。さらに、図2はベクトル選択
手段43の構成図であり、43aは最大絶対値検出手
段、43bは選択手段である。
について説明する。アンテナ10は、RF帯のバースト
信号を受信し、周波数変換手段20はRF帯のバースト
信号をベースバンド帯のバースト信号に周波数変換す
る。このバースト信号は、プリアンブル信号を先頭部に
有し、プリアンブル信号の後には有意なデータが存在す
る。実施の形態1で用いるプリアンブル信号は、図15
に示すような信号(例えば“1101”パターン)で
も、図22に示すような信号(例えば“1001”パタ
ーン)でも、どちらでも良い。
帯の信号の同相成分を、時刻t=τ+iT/2(但し、
i=1,2,3,…、τはタイミング誤差(−T/2≦
τ<T/2)、Tはシンボル周期)においてサンプリン
グし、サンプリングした受信データ系列Ii(i=1,
2,3,…)を出力する。同様に、AD変換器31は、
受信したベースバンド帯の信号の直交成分を、時刻t=
τ+iT/2においてサンプリングし、サンプリングし
た受信データ系列Qi(i=1,2,3,…)を出力す
る。
Ii(i=1,2,3,…)と受信データ系列Qi(i=
1,2,3,…)を用いて、バースト信号内のプリアン
ブル信号(Ipi,Qpi)の検出と、プリアンブル信号
を用いたタイミング誤差τの算出を行い、タイミング誤
差τを打ち消す位相制御を、再生サンプルクロックと、
再生シンボルクロックに対して行う。再生シンボルクロ
ックは、再生サンプルクロックを2分周した、シンボル
周期のクロックである。
同様、タイミング再生器40によってプリアンブル検出
と、タイミング誤差τが打ち消された後、バースト信号
内のプリアンブルの後に続く有意なランダムデータ系列
Idi,Qdi(i=1,2,3,…)から、ナイキスト
点におけるデータを、再生シンボルクロックでラッチす
る。そして、ラッチしたナイキスト点データを用いてデ
ータを判定し、復調データを出力する。
て説明する。まず、加算手段41aは受信信号の同相成
分I(t)と、直交成分Q(t)を加算し、加算結果を
加算信号として出力する。一方、減算手段41bはプリ
アンブル信号の同相成分I(t)と、直交成分Q(t)
を減算し、減算結果を減算信号として出力する。この減
算は(I(t)−Q(t))でも、(Q(t)−I
(t))でも、どちらでも良い。具体的には、加算手段
41aは下記式(21a)により、図3(a)に示す加
算信号を出力し、
り、図3(b)に示す減算信号を出力する。
bにより、タイミング再生器40は、プリアンブル信号
(Ii=Ipi,Qi=Qpi)を受信した場合、キャリア
位相θc[deg]がどのような値であっても、加算信号あ
るいは減算信号のどちらかに大きな1/2シンボル周波
数成分を有する信号を得ることができる。
のように(90<θc<180)あるいは(270<θ
c<360)の範囲にある場合、プリアンブル信号の同
相成分と直交成分の位相関係が図23のように逆相とな
るため、加算信号の振幅は図3(a)のようにプリアン
ブル信号の同相成分と直交成分の両方の信号が打ち消し
合って小さくなるが、減算信号の振幅は逆に図3(b)
のように、プリアンブル信号の同相成分と−(直交成
分)が合成されて大きくなる。
ように(0<θc<90)あるいは(180<θc<2
70)の範囲にある場合、プリアンブル信号の同相成分
と直交成分の位相関係が図26のように同相となるた
め、減算信号の振幅は図5(b)のようにプリアンブル
信号の同相成分と−(直交成分)の信号が打ち消し合っ
て小さくなるが、加算信号の振幅は逆に図5(a)のよ
うに、プリアンブル信号の同相成分と直交成分が合成さ
れて大きくなる。このように、図3(b)の減算信号、
図5(a)の加算信号のいずれも、大きな1/2シンボ
ル周波数(fs/2=1/(2T))成分が含まれてい
ることが明らかである。
キスト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル
信号(例えば“1101”パターン)を受信した場合で
も、タイミング再生器40は、キャリア位相θcがどの
ような値であっても、加算信号と減算信号のいずれか
に、1/2シンボル周波数(fs/2=1/(2T))成
分を得ることができる。例えば、図15に示すようなキ
ャリア位相θcを有するプリアンブル信号を受信した場
合、プリアンブル信号の同相成分と直交成分は、図4
(a)に示すような、お互い逆相の波形となり、図4
(a)に示す加算信号より、図4(b)に示す減算信号
の方が振幅は大きく、1/2シンボル周波数(fs/2
=1/(2T))成分を多く有していることが判る。
で原点対称となる2つのナイキスト点を1シンボル毎に
交互に遷移するプリアンブルを例に動作の説明を行って
いくが、実施の形態1のタイミング再生方式は、複素平
面上で隣り合う2つのナイキスト点を1シンボル毎に交
互に遷移するプリアンブル信号受信時においても、上記
の理由(加算信号、減算信号のいずれかに、1/2シン
ボル周波数(fs/2=1/(2T))成分を得ること
ができる)により、以降説明する動作を実現することが
できる。
対してシンボル周波数の1/2の周波数成分exp[−
jπ(fs)t]との相関演算を行う。具体的には、デ
ータ系列Ai(i=1,2,3,…)に対して、以下の乗算を行
い、
して、加算相関信号(CAi,SAi)を出力する。なお
式(22a)、(22b)の乗算は、cosπi/2=
1,0,−1,0,…、sinπi/2=0,1,0,
−1,…であるため、上記加算相関信号(CAi,S
Ai)は、容易に求めることができる。例えば、4シン
ボルで平均化する場合、加算相関信号(CAi,SAi)
は下記式で得られる。
算信号に対してシンボル周波数の1/2の周波数成分e
xp[−jπ(fs)t]との相関演算を行う。具体的
には、データ系列Si(i=1,2,3,…)に対し
て、以下の乗算を行い、
して、減算相関信号(CSi,SSi)を出力する。なお
式(23a)、(23b)の乗算も、cosπi/2=
1,0,−1,0,…、sinπi/2=0,1,0,
−1,…であるため、上記減算相関信号(CSi,S
Si)は、容易に求めることができる。例えば、4シン
ボルで平均化する場合、減算相関信号(CSi,SSi)
は下記式で得られる。
ャリア位相θc[deg]が図22のように(90<θc<
180)あるいは(270<θc<360)の範囲にあ
る場合、減算信号の方が加算信号より振幅が大きいた
め、図6に示すように、減算相関信号(CSi,SSi)
の示すベクトル長は、加算相関信号(CAi,SAi)の
示すベクトル長より大きくなる。ここで、図6は、図3
のタイミングでデータをサンプリングした場合の例であ
る。
図12のように(0<θc<90)あるいは(180<
θc<270)の範囲にある場合、加算信号の方が減算
信号より振幅が大きいため、図7に示すように、加算相
関信号(CAi,SAi)の示すベクトル長は、減算相関
信号(CSi,SSi)の示すベクトル長より大きくな
る。ここで、図7は、図5のタイミングでデータをサン
プリングした場合の例である。なお、無信号受信時(信
号が無く、雑音のみ受信する時)や、プリアンブルの後
に続く有意なデータ部を受信中は、加算相関信号(CA
i,SAi)、減算相関信号(CSi,SSi)のいずれ
も、1/2シンボル周波数成分が時間的に長く存在しな
いため、小さなベクトル長を示す。
信号(CAi,SAi)、減算相関信号(CSi,SSi)
の内、どちらかベクトル長の大きい方を選択し、選択相
関信号(COi,SOi)として出力する。ベクトル選択
手段43の動作を、図2を用いて説明する。最大絶対値
検出手段43aは、従来のベクトル合成選択手段406
の場合と同様の動作を行い、加算相関信号(CAi,S
Ai)、減算相関信号(CSi,SSi)の各絶対値であ
る|CAi|,|SAi|,|CSi|,|SSi|の最大
値を求める。
3aで求めた最大値が|CAi|,|SAi|のどちらか
で有る場合は、加算相関信号(CAi,SAi)を選択
し、その最大値が|CSi|,|SSi|のどちらかで有
る場合は、減算相関信号(CSi,SSi)を選択する。
選択した信号は、選択相関信号(COi,SOi)として
出力する。
選択手段43の動作は、以下のようになる。キャリア位
相θc[deg]が図22のように(90<θc<180)
あるいは(270<θc<360)の範囲にある場合、
図6のように減算相関信号(CSi,SSi)の示すベク
トル長は、加算相関信号(CAi,SAi)の示すベクト
ル長より大きいため、ベクトル選択手段43は減算相関
信号(CSi,SSi)を選択し、選択相関信号(C
Oi,SOi)=(CSi,SSi)を出力する。
ように(0<θc<90)あるいは(180<θc<2
70)の範囲にある場合、図7のように、加算相関信号
(CAi,SAi)の示すベクトル長は、減算相関信号
(CSi,SSi)の示すベクトル長より大きいため、ベ
クトル選択手段43は加算相関信号(CAi,SAi)を
選択し、選択相関信号(COi,SOi)=(CAi,S
Ai)を出力する。
み受信する時)や、プリアンブルの後に続く有意なデー
タ部を受信中は、加算相関信号(CAi,SAi)、減算
相関信号(CSi,SSi)のいずれも、小さなベクトル
長を示し、加算相関信号(CAi,SAi)、減算相関信
号(CSi,SSi)のいずれかをランダムに選択する動
作を行う。
下の2つの処理を同時に行う。一つは、選択相関信号
(COi,SOi)のベクトル長Viを求める。ベクトル
長Viは、式(24a)で求めても良いが、演算量を削
減したい場合は、式(24b)で求めてもよい。
換処理を削減したい場合は、最大絶対値検出手段43a
で求めた|CAi|,|SAi|,|CSi|,|SSi|
を、最大値検出信号に応じて選択し、使用すればよい。
もう一つの処理は、選択相関信号(COi,SOi)が示
すベクトル角
ンボル周期(2T)で正規化した場合のタイミング位相
差であるため、シンボル周期(T)で正規化した場合の
タイミング位相差θri[deg]は、式(26)で求まる。
ンブル信号を受信中は、ベクトル長Viは大きな値を示
し、かつタイミング位相差θri[deg]も確かな値とな
る。例えば、図22のようなプリアンブル信号を、図2
3のタイミングでサンプリングした場合、図6に示す減
算相関信号(CSi,SSi)がベクトル選択手段43で
選択され、そのベクトル長がVi、ベクトル角がθoiと
なる。一方、図25のようなプリアンブル信号を、同様
のタイミングでサンプリングした場合(即ち、図26の
場合)、図7に示す加算相関信号(CAi,SAi)がベ
クトル選択手段43で選択され、そのベクトル長が
Vi、そのベクトル角がθoiとなる。
80[deg]の差があるが、式(26)の処理により、図
6のθoiから求まるθriと、図7のθoiから求まるθ
riは一致する。一方、タイミング再生器40が、無信号
受信時(信号が無く、雑音のみ受信する時)や、プリア
ンブルの後に続く有意なデータ部を受信中は、ベクトル
長Viは小さな値を示し、かつタイミング位相差θri[de
g]も不確かな値となる。受信状態に応じたViとθriの
確からしさの関係を、図8に示す。
グが不明で、プリアンブルが到来する時刻が判らない場
合でも、以下の処理によって、タイミング誤差τを求め
ることができる。即ち、ベクトル長Viをモニタし、Vi
が大きい場合(例えばベクトル長Viが、ある閾値εp
を超えた場合)は“プリアンブル受信中”と判定して、
タイミング位相差θri[deg]を、図8に示すタイミング
でラッチする。ラッチされたタイミング位相差θs[de
g]は、図8から明らかなように、Viが大きい時のタイ
ミング位相差θriであるため、確かな値である。タイミ
ング位相差算出手段44は、このようにして得られたタ
イミング位相差θsを用いて、タイミング誤差τを式
(5a)、(5b)で求め、タイミング誤差τを打ち消
す制御信号を、後段のVCO45に与える。
が既知で、プリアンブルが到来する時刻が特定できる場
合は、上記プリアンブル検出動作は不要であるため、タ
イミング位相差算出手段44の代わりに、従来例のタイ
ミング位相差算出手段403aを用いることができる。
この場合、ベクトル長Viを求め、その大きさを検出す
る機能が不用になるため、回路規模は低減する。
44からの制御信号を受けて、再生サンプルクロック
と、再生シンボルクロックの位相を制御し、タイミング
誤差τを“0”とする。以上のことから、本実施の形態
1に示したタイミング再生器40は、以下の効果を奏す
る。
交成分を加算した信号と、減算した信号の計2つの信号
に対する相関演算を行い、得られた2つの相関値のう
ち、ベクトル長の大きい方をタイミング位相推定に用い
る簡単な構成により、従来のタイミング再生器400,
400aと比較して、回路規模、演算処理を低減するこ
とができる。例えば、タイミング再生器400aと比較
した場合、タイミング再生器400aと同様、短いプリ
アンブル信号で高精度なタイミング位相推定を、複雑な
回路で構成されるベクトル合成選択手段406(図2
0,図21)の代わりに、簡単な加算手段41a,減算
手段41b,ベクトル選択手段43(図2)で実施する
ことができる。
キスト点を1シンボル毎に交互に遷移する信号(例えば
“1101”パターン)、複素平面上で原点対称となる
2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移する
“0π”変調信号(例えば“1001”パターン)のい
ずれのプリアンブル信号に対して、有効である。
より、プリアンブルを用いた高精度なタイミング位相推
定と、プリアンブル検出を同時に実現できるため、プリ
アンブルを受信するタイミングが判らない場合でも、タ
イミング位相制御を正常に行うことができる。
l]の低いサンプリング速度で上記1〜3を実現すること
ができる。さらに、本発明のタイミング再生器を用いる
復調装置は、仮に電源立上げ時や、シャドウイング復帰
後の再接続において生じるバースト信号の受信タイミン
グが未知である場合においても、小さな回路規模で、短
いプリアンブルで高速同期、高速再同期を実現し、プリ
アンブルに続く有意なデータ部において良好なBER
(ビット誤り率)特性を実現することができる。
5bは、以下の2つのプリアンブル信号((1)複素平面
上で原点対称となる2つのナイキスト点を1シンボル毎
に交互に遷移するプリアンブル信号、(2)複素平面上で
隣り合う2つのナイキスト点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号)に限らず、複素平面上のあ
る2点を、1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル
信号を用いる無線通信システムであれば、どのような変
調方式(BPSK,QPSK,π/4QPSK,OQP
SK、FSKなど)を用いるシステムにも適用すること
ができる。
る復調装置の構成を示すブロック図である。図9におい
て、10は無線信号を受信するアンテナ、20はアンテ
ナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に周波
数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変換手
段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレート
の2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド信号
に変換するAD変換器、40aはAD変換器30,31
で変換されたディジタルベースバンド信号を用いて、タ
イミング同期を行うタイミング再生器、60はタイミン
グ再生器40aから出力された再生シンボルクロックを
用いて、ディジタルベースバンド信号の中からナイキス
ト点データを抽出し、抽出したナイキスト点データを判
定するデータ判定手段である。
て、41aはベースバンド信号の同相成分とベースバン
ド信号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベー
スバンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分
とを減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シン
ボル周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手
段、42bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との
相関を算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の
大きさと減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか
大きい方の相関信号を選択するベクトル選択手段であ
る。
ル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミング位
相差算出手段、45aは再生サンプルクロックと再生シ
ンボルクロックの位相を制御して、タイミング誤差を
“0”にするVCO(再生サンプルクロック発振手
段)、46は再生サンプルクロックでサンプリングされ
たベースバンド信号を用いてタイミング位相を検出する
位相検出手段、47は位相検出信号を平均化して、その
平均を位相進み遅れ信号として出力する位相検出信号平
均化手段である。
る。実施の形態2では、例えば、文献「受信信号位相情
報を用いたQPSK用タイミング再生方式の検討」(藤
村著 電子情報通信学会 論文誌 VOL.J81-B-・ no.6,p
p.665-668,1998年6月)に記載されているような、従
来のPLLタイミング再生器を併用し、本実施の形態1
によってプリアンブル検出や、タイミング誤差τ算出中
も、位相検出手段46、位相検出信号平均化手段47、
VCO45aで構成されるPLLタイミング再生器を動
作させる。
からタイミング位相差算出手段44までの演算処理は、
実施の形態1と同様であり、プリアンブル信号を検出し
たら、その時に同時に求めたタイミング誤差τを打ち消
すクロック位相制御を、第一の位相制御信号として、V
CO45aに与える。一方で、位相検出手段46は、受
信データ(Ii,Qi)からタイミング位相が進んでいる
か、遅れているかを、例えば上記文献の方式に基づいて
検出し、検出信号としてタイミング位相が進んでいれば
“+1”を、遅れていれば“−1”を出力する。
/遅れ信号を例えばランダムウォークフィルタで平均化
し、その平均を第二の位相制御信号として出力する。V
CO45aは、第二の位相制御信号によって、再生サン
プルクロックと再生シンボルクロックの位相を制御し、
第二の位相制御信号が“正”であればタイミング位相を
進ませ、“負”であればタイミング位相を遅らせる。V
CO45aは、通常は第二の位相制御信号によって制御
されているが、プリアンブルが検出され、第一の位相制
御信号が入力されたら、第二の位相制御信号を用いず
に、第一の位相制御信号を用いて、各クロック位相制御
を実施する。
所は、第二の位相制御信号を用いるタイミング位相の進
み/遅れの制御が、例えば1/16シンボルステップ幅
で行われるため、タイミング位相の引込みに時間を要す
ることである。逆にその長所は、プリアンブル信号の後
に続く有意なランダムデータ部受信時において、タイミ
ング位相追随が可能な点である。
合の短所は、プリアンブル信号の後に続く有意なランダ
ムデータ部受信時において、タイミング位相差θri[de
g]が不確かとなり、使用できない点である。逆にその長
所は、実施の形態1で述べた通りであり、短いプリアン
ブル信号で、高精度にタイミング位相差を検出できる点
である。
第二の位相制御信号の両方を用いるので、上記2つの長
所が上記2つの短所を補うため、実施の形態1の効果に
加えて、以下の効果を奏する。即ち、短いプリアンブル
信号で高精度なタイミング位相推定と制御を実施しなが
ら、有意なランダムデータ部受信中もタイミング位相追
随を実現することができる。
5cは、実施の形態1と同様、以下の2つのプリアンブ
ル信号((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキ
スト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信
号、(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、
1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に限
らず、複素平面上のある2点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号を用いる無線通信システムで
あれば、どのような変調方式(BPSK,QPSK,π
/4QPSK,OQPSK、FSKなど)を用いるシス
テムにも適用することができる。
係る復調装置の構成を示すブロック図である。図10に
おいて、10は無線信号を受信するアンテナ、20はア
ンテナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に
周波数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変
換手段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレ
ートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド
信号に変換するAD変換器、40bはAD変換器30,
31で変換されたディジタルベースバンド信号を用い
て、タイミング同期を行うタイミング再生器、70はタ
イミング再生器40bから出力された非同期サンプルク
ロックでサンプリングされたディジタルベースバンド信
号を補間するデータ補間手段、60aはデータ補間手段
70から出力された補間ベースバンド信号のナイキスト
点を抽出し、抽出したナイキスト点データを判定するデ
ータ判定手段である。
て、41aはベースバンド信号の同相成分とベースバン
ド信号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベー
スバンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分
とを減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シン
ボル周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手
段、42bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との
相関を算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の
大きさと減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか
大きい方の相関信号を選択するベクトル選択手段、44
は選択相関信号の示すベクトル角を用いてタイミング位
相差を算出するタイミング位相差算出手段、48は非同
期サンプルクロックおよび非同期1/2シンボル周波数
成分を出力する発振器(非同期サンプルクロック発振手
段)である。
る。実施の形態1では、タイミング誤差τを、VCO4
5による再生サンプルクロックと、再生シンボルクロッ
クの位相制御により、タイミング誤差τを“0”とする
フィードバック型のタイミング再生器40について説明
したが、実施の形態1を実施の形態3のタイミング再生
器40bに示すように、フィードフォワード型のタイミ
ング再生器に変形することができる。即ち、VCO45
を、発振器48に切替え、データ補間手段70を付加
し、データ判定手段60の処理を、後述するデータ判定
手段60aの処理に切替える。
する非同期サンプルクロックを出力する。A/D変換器
30,31は、この非同期サンプルクロックでデータを
2[sample/symbol]で非同期サンプリングする。加算手
段41a、減算手段41bは、実施の形態1と同様に、
非同期サンプリングされた受信データ(Ii,Qi)の加
減算を行う。加算値相関演算手段42aは、加算手段4
1a出力の加算信号と、発振器から出力されるシンボル
周波数の1/2の周波数成分exp[−jπ(fs)
t]との相関を、実施の形態1と同様に求める。
1b出力の減算信号と、発振器から出力されるシンボル
周波数の1/2の周波数成分exp[−jπ(fs)
t]との相関を、実施の形態1と同様に求める。以降の
ベクトル選択手段43や、タイミング位相差算出手段4
4は、実施の形態1と同様の処理であり、タイミング誤
差τを求める。
/symbol]によって得られた受信データ(Ii,Qi)を補
間して、例えばシンボル周期に対して1/16の時間分
解能を有する受信データを生成し、補間された受信デー
タを出力する。データ判定手段60aは、タイミング位
相差算出手段44からのタイミング誤差τの情報を用い
て、補間された受信データのナイキスト点を抽出し、抽
出したナイキスト点のデータを復調データとして出力す
る。
ードフォワード型の構成とすることで、実施の形態1の
効果に加えて、以下の効果を奏する。即ち、安価で小型
な発振器48を用いることにより、タイミング再生器4
0bは、より一層の低価格化、小型化を実現することが
できる。
5dは、実施の形態1と同様、以下の2つのプリアンブ
ル信号((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキ
スト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信
号、(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、
1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に限
らず、複素平面上のある2点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号を用いる無線通信システムで
あれば、どのような変調方式(BPSK,QPSK,π
/4QPSK,OQPSK、FSKなど)を用いるシス
テムにも適用することができる。
係る復調装置の構成を示すブロック図である。図11に
おいて、10は無線信号を受信するアンテナ、20はア
ンテナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に
周波数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変
換手段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレ
ートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド
信号に変換するAD変換器、40cはAD変換器30,
31で変換されたディジタルベースバンド信号を用い
て、タイミング同期を行うタイミング再生器、60はタ
イミング再生器40cから出力された再生シンボルクロ
ックを用いて、ディジタルベースバンド信号の中からナ
イキスト点データを抽出し、抽出したナイキスト点デー
タを判定するデータ判定手段である。
て、41aはベースバンド信号の同相成分とベースバン
ド信号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベー
スバンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分
とを減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シン
ボル周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手
段、42bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との
相関を算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の
大きさと減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか
大きい方の相関信号を選択するベクトル選択手段であ
る。
トル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミング
位相差算出手段、45は再生サンプルクロックと再生シ
ンボルクロックの位相を制御して、タイミング誤差を
“0”にするVCO(再生サンプルクロック発振手
段)、49は選択相関信号の示すベクトル長の大きさに
応じた重み付けを選択相関信号に与える重み付け手段、
50は重み付け相関信号を平均化する重み付け信号平均
化手段、50aは重み付け相関信号を入力とする時定数
の短い第一のローパスフィルタ、50bは重み付け相関
信号を入力とする時定数の長い第二のローパスフィルタ
である。
る。実施の形態4は、プリアンブル信号だけでなく、プ
リアンブルの後に続くランダムパターン信号も用いてタ
イミング再生を行い、実施の形態2とは別の方法によっ
て、ランダムパターン信号受信中もタイミング同期を実
現するものである。基本的な概念として、プリアンブル
信号だけでなく、プリアンブルの後に続くランダムパタ
ーン信号において数シンボルの時間単位でバースト的に
存在する1/2シンボル周波数成分も抽出し、これらを
平均化して、タイミング位相推定に用いるものである。
の各タイミング再生器は、以下のプリアンブル信号
((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキスト点
を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号、
(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、1シ
ンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に対して
有効であるが、このような1/2シンボル周波数成分を
有する信号遷移は、数シンボルと短い時間ではあるが、
ランダムパターン受信中も存在する。
以下の計12パターンの8ビットデータ系列に1/2シ
ンボル周波数成分が存在することになる。これらのいず
れかが発生する確率は、12/256=4.6%であり
少ないが、これらのパターンに含まれる1/2シンボル
周波数成分を検出し、長い時間かけて平均化すれば、ラ
ンダムパターン受信時においても、高精度なタイミング
位相推定を実現することができる。
10からベクトル選択手段までの動作は、一つの点を除
いて、実施の形態1と同様である。この異なる一つの点
とは、加算値相関手段42aと減算値相関手段42bが
それぞれ行う、乗算後のデータ系列の平均化を、{4,
8,12}程度の少ないデータ数を用いることである。
例えば、上記パターンA〜パターンLまでの8ビットの
何れかのパターンに対する相関を求める場合は、平均化
に用いるデータ数は連続する8個のデータとなる。
力である選択相関信号(COi,SOi)のベクトル長V
Oiを求め、VOiの大きさに応じた重み付け値αを(C
Oi,SOi)に乗算し、その結果を重み付け相関信号
(CWi,SWi)として出力する。
ンA〜Dを受信した場合には、非常に大きな値を示す。
また、上記パターンE〜Lを受信した場合には、大きな
値を示す。さらに、それ以外のパターンを受信した場合
には、小さな値を示す。
長VOiに応じた重み付けを、式(27a)、(27
b)のように実施することで、上記パターンA〜L受信
時の相関情報のみ抽出することができる。例えば、VO
iを2つの閾値によって3値検出し、VOiが非常に大き
な値の場合には、α=1を設定する。また、VOiが大
きな値の場合には、α=1/2を設定する。さらに、V
Oiが小さな値の場合には、α=0を設定する。
L以外の不確かなタイミング位相情報を有する選択相関
信号(COi,SOi)は、後段に出力されない。また上
記パターンA〜L中、上記パターンA〜Dは、上記パタ
ーンE〜Lと比較して、より確かなタイミング位相情報
を有するような、1/2シンボル周波数成分を多く含ん
でいるが、これらを受信中は、大きな重み付けが行われ
るため、タイミング位相推定に有効な1/2シンボル周
波数成分の抽出が効率的に行われる。
相関信号(CWi,SWi)を平均化し、その平均値を、
平均化重み付け相関信号(ΣCWi,ΣSWi)として出
力する。重み付け信号平均化手段50では、プリアンブ
ル受信中は、大きな重み付けが与えられた(例えば、
“1”を乗算された)相関信号(CWi,SWi)が入力
されるため、少ないデータ数で、正確なタイミング位相
差情報が得られる。また、プリアンブル受信中は、前バ
ースト信号受信時のタイミング情報を迅速に打ち消し、
現在受信中のバースト信号のタイミング情報を迅速に得
る必要がある。よって、プリアンブル信号受信中は、少
ないデータ数で平均化を行う必要がある。
さな重み付けが与えられた(例えば、“0”を乗算され
た)相関信号(CWi,SWi)が多く入力されるため、
正確なタイミング位相差情報を得るためには、数十シン
ボル〜数百シンボル分の多くのデータ数を用いて平均化
を行う必要がある。
プリアンブル信号用に小さな時定数を有する第一のロー
パスフィルタ50aと、有意なランダムデータ用に大き
な時定数を有する第二のローパスフィルタ50bを備
え、両方のフィルタの出力情報(Σ1CWi,Σ1S
Wi)、(Σ2CWi,Σ2SWi)を出力する。例えば
β<γ(0<β<1,0<γ<1)の関係を有する2つ
のIIR(Infinite ImpulseResponse)フィルタで構成す
る場合、第一のIIR(Infinite Impulse Response)フ
ィルタは以下の処理を実施する。、
sponse)フィルタは、以下の処理を実施する。
の処理を行って、プリアンブル検出と、プリアンブルを
用いたタイミング位相推定を同時に行い、かつ有意なラ
ンダムデータ受信時におけるタイミング位相推定も行
う。
段50の出力(Σ1CWi,Σ1SWi)が示す正規化ベ
クトル長V1i V1i=β(Σ1CWi 2+Σ1SWi 2)1/2 (30a) と、重み付け信号平均化手段50の出力(Σ2CWi,
Σ2SWi)が示す正規化ベクトル長V2i V2i=γ(Σ2CWi 2+Σ2SWi 2)1/2 (30b) を求める。
したら(例えば、V1iがある閾値εp1より大きくな
ったら)、以下の式で求まるタイミング位相差θr1iを
ラッチする。但しθ1iは、(Σ1CWi,Σ1SWi)が
示すベクトル角である。 θr1i=2θ1i mod360 (31)
イミング位相差θ1s=θr1iを用いて、タイミング誤差
τ1を式(32a)、(32b)で求め、タイミング誤
差τ1を打ち消す第一の制御信号を、後段のVCO45
に与える。 θ1s>180[deg]の場合、 τ1=(θ1s−360)T/360 (32a) θ1s≦180[deg]の場合、 τ1=(θ1s)T/360 (32b)
位相制御(以降、第一の位相制御と称する)後、クロッ
ク位相差は0[deg]となり、重み付け信号平均化手段5
0に入力されるタイミング位相差情報は、第一の位相制
御前と制御後で異なるため、第一の位相制御後、以下の
制御を重み付け信号平均化手段50に対して行い、各ベ
クトル(Σ1CWi,Σ1SWi)、(Σ2CWi,Σ2
SWi)の示すベクトル角を、0[deg]の方向にセットす
る。
と並行して、以下の式で求まるタイミング位相差θr2i
を求める。但しθ2iは、(Σ2CWi,Σ2SWi)が示
すベクトル角である。 θr2i=2θ2i mod360 (35)
下の2つの条件(条件A、条件B)を両方とも満たす
時、有意なランダムデータ部受信信号から求まるタイミ
ング位相差情報として、θr2iをラッチし、ラッチした
タイミング位相差θ2s=θr2iを用いて、タイミング誤
差τ2を式(36a)、(36b)で求め、タイミング
誤差τ2を打ち消す第二の制御信号を、後段のVCO4
5に与える。
イミング位相差が小さい(例えば、|θr1i−θr2i|≦
45[deg])。」である。また、条件Bは、「V2iが大
きな値を示す(例えば、V2iがある閾値εp2より大
きい)。」である。
位相制御(以降、第二の位相制御と称する)後も、第一
の位相制御時と同様、重み付け信号平均化手段50に入
力されるタイミング位相差情報は、第二の位相制御前と
制御後で異なる可能性があるため、第二の位相制御後
も、式(33a)、(33b)、(34a)、(34
b)の制御を重み付け信号平均化手段50に対して行
い、各ベクトル(Σ1CWi,Σ1SWi)、(Σ2CW
i,Σ2SWi)の示すベクトル角を0[deg]にセットす
る。
ムデータ受信中に、第三以降の位相制御を行う場合は、
第二の位相制御後、数十シンボル周期で、上記条件Bが
成立しているか否かをモニタし、成立している場合は、
その時の(Σ2CWi,Σ2SWi)が示すベクトル角θ
r2iをラッチし、ラッチしたタイミング位相差θ2s=θ
r2iを用いて、タイミング誤差τ2を式(36a)、
(36b)で求め、タイミング誤差τ2を打ち消す第二
の制御信号を、後段のVCO45に与える。同時に式
(33a)、(33b)、(34a)、(34b)の制
御を重み付け信号平均化手段50に対して行い、各ベク
トル(Σ1CWi,Σ1SWi)、(Σ2CWi,Σ2S
Wi)の示すベクトル角を0[deg]にセットする。
が大きな値を示したら(例えば、V1iがある閾値εp
1より大きくなったら)、次のバースト信号を受信した
と判定し、上記第2の処理に戻る。
作例を示す。V1iは、重み付け信号平均化手段50に
おいて、平均化に用いるデータ数が少ないため、プリア
ンブル信号受信時にのみ大きな値を示し、ランダムデー
タ部受信時は、小さな値を示す。一方、V2iは、重み
付け信号平均化手段50において、平均化に用いるデー
タ数が多いため、プリアンブル信号受信時においては前
バースト信号の情報が残っている場合もあり、小さい値
を示す場合が多いが、ランダムデータ部受信時は、十分
大きな値を示す。よって、図12に示す通り、第一の位
相制御は、上記第1〜第4の処理により、プリアンブル
受信中に行われ、第二の位相制御以降の制御は、データ
部受信中に行われる。
出手段44aからの制御信号を受けて、再生サンプルク
ロックと、再生シンボルクロックの位相を制御し、タイ
ミング誤差τを“0”とする。よって、実施の形態4
は、実施の形態1と同様、これらのプリアンブル信号受
信中は短い時間で、高精度なタイミング位相推定を実現
しながら、実施の形態2とは別の方法によって、ランダ
ムパターン信号受信中もタイミング同期を実現すること
ができる。
が既知で、プリアンブルが到来する時刻が特定できる場
合は、上記処理を大幅に削減することができる。この場
合の変更点は、以下の通りである。第1に、重み付け信
号平均化手段50は、第一のローパスフィルタ50aだ
けで構成され、第一のローパスフィルタ50aの時定数
(例えば、式24(a)、式24(b)の忘却係数β)
を、プリアンブル信号受信中は小さく、有意なランダム
データ受信中は大きく切替える。
るため、タイミング位相差算出手段44aの代わりに、
従来例のタイミング位相差算出手段403aを用いて、
第一のローパスフィルタ50aの出力(Σ1CWi,Σ
1SWi)が示すベクトル角から、タイミング誤差τを
求める。上記の2つの変更点により、回路規模は大幅に
低減する。
タイミング再生器40cは、実施の形態1の効果に加え
て、以下の効果を奏する。即ち、短いプリアンブル信号
で高精度なタイミング位相推定と、制御を実施しなが
ら、有意なランダムデータ部受信中もタイミング位相追
随を実現することができる。
5eは、実施の形態1と同様、以下の2つのプリアンブ
ル信号((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキ
スト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信
号、(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、
1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に限
らず、複素平面上のある2点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号を用いる無線通信システムで
あれば、どのような変調方式(BPSK,QPSK,π
/4QPSK,OQPSK、FSKなど)を用いるシス
テムにも適用することができる。
係る復調装置の構成を示すブロック図である。図13に
おいて、10は無線信号を受信するアンテナ、20はア
ンテナ10で受信された無線信号をベースバンド信号に
周波数変換する周波数変換手段、30,31は周波数変
換手段20で変換されたベースバンド信号をシンボルレ
ートの2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド
信号に変換するAD変換器、40dはAD変換器30,
31で変換されたディジタルベースバンド信号を用い
て、タイミング同期を行うタイミング再生器、70はタ
イミング再生器40bから出力された非同期サンプルク
ロックでサンプリングされたディジタルベースバンド信
号を補間するデータ補間手段、60aはデータ補間手段
70から出力された補間ベースバンド信号のナイキスト
点を抽出し、抽出したナイキスト点データを判定するデ
ータ判定手段である。
て、41aはベースバンド信号の同相成分とベースバン
ド信号の直交成分とを加算する加算手段、41bはベー
スバンド信号の同相成分とベースバンド信号の直交成分
とを減算する減算手段、42aは加算信号と1/2シン
ボル周波数成分との相関を算出する加算値相関演算手
段、42bは減算信号と1/2シンボル周波数成分との
相関を算出する減算値相関手段、43は加算相関信号の
大きさと減算相関信号の大きさとを比較して、どちらか
大きい方の相関信号を選択するベクトル選択手段であ
る。
トル角を用いてタイミング位相差を算出するタイミング
位相差算出手段、48は非同期サンプルクロックおよび
非同期1/2シンボル周波数成分を出力する発振器(非
同期サンプルクロック発振手段)、49は選択相関信号
の示すベクトル長の大きさに応じた重み付けを選択相関
信号に与える重み付け手段、50は重み付け相関信号を
平均化する重み付け信号平均化手段、50aは重み付け
相関信号を入力とする時定数の短い第一のローパスフィ
ルタ、50bは重み付け相関信号を入力とする時定数の
長い第二のローパスフィルタである。
る。実施の形態4では、タイミング誤差τを、VCO4
5による再生サンプルクロックと、再生シンボルクロッ
クの位相制御により、タイミング誤差τを“0”とする
フィードバック型のタイミング再生器40cについて説
明したが、実施の形態5のタイミング再生器40dに示
すように、フィードフォワード型のタイミング再生器に
変形することができる。即ち、VCO45を、発振器4
8に切替え、データ補間手段70を付加し、データ判定
手段60の処理を、後述するデータ判定手段60aの処
理に切替える。
する非同期サンプルクロックを出力する。A/D変換器
30,31は、この非同期サンプルクロックでデータを
2[sample/symbol]で非同期サンプリングする。加算手
段41a、減算手段41bは、実施の形態1と同様に、
非同期サンプリングされた受信データ(Ii,Qi)の加
減算を行う。加算値相関演算手段42aは、加算手段4
1aから出力される加算信号と、発振器から出力される
シンボル周波数の1/2の周波数成分exp[−jπ
(fs)t]との相関を、実施の形態2と同様に求め
る。
1b出力の減算信号と、発振器から出力されるシンボル
周波数の1/2の周波数成分exp[−jπ(fs)
t]との相関を、実施の形態2と同様に求める。以降の
ベクトル選択手段43、重み付け手段50は、実施の形
態4と同様の処理であり、タイミング誤差τを求める。
の点を除いて、タイミング位相差算出手段44aと同様
の動作を行う。以下、タイミング位相差算出手段44b
とタイミング位相差算出手段44aの相違点を示す。即
ち、タイミング位相差算出手段44bは、フィードフォ
ワード型であるため、サンプルクロックの位相が制御さ
れることがない。これに対して、タイミング位相差算出
手段44aは、フィードバック型であるため、式(33
a)、(33b)、(34a)、(34b)の制御を重
み付け信号平均化手段50に対して行い、各ベクトル
(Σ1CWi,Σ1SWi)、(Σ2CWi,Σ2SWi)
の示すベクトル角を0[deg]にセットする必要がない。
e/symbol]によって得られた受信データ(Ii,Qi)を
補間して、例えばシンボル周期に対して1/16の時間
分解能を有する受信データを生成し、補間された受信デ
ータを出力する。データ判定手段60aは、タイミング
位相差算出手段44aからのタイミング誤差τの情報を
用いて、補間された受信データのナイキスト点を抽出
し、抽出したナイキスト点のデータを復調データとして
出力する。
ードフォワード型の構成とすることで、実施の形態4の
効果に加えて、以下の効果を奏する。即ち、安価で小型
な発振器48を用いるため、タイミング再生器40d
は、より一層、低価格化、小型化を実現することができ
る。
5dは、実施の形態1と同様、以下の2つのプリアンブ
ル信号((1)複素平面上で原点対称となる2つのナイキ
スト点を1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信
号、(2)複素平面上で隣り合う2つのナイキスト点を、
1シンボル毎に交互に遷移するプリアンブル信号)に限
らず、複素平面上のある2点を、1シンボル毎に交互に
遷移するプリアンブル信号を用いる無線通信システムで
あれば、どのような変調方式(BPSK,QPSK,π
/4QPSK,OQPSK、FSKなど)を用いるシス
テムにも適用することができる。
調装置は、以上のように構成されているため、次のよう
な効果を得ることができる。即ち、プリアンブル信号の
同相成分と直交成分を加算した信号と、減算した信号の
計2つの信号に対する相関演算を行い、得られた2つの
相関値のうち、ベクトル長の大きい方をタイミング位相
推定に用いる簡単な構成により、従来のタイミング再生
器と比較して、回路規模、演算処理を低減することがで
きる。
スト点を1シンボル毎に交互に遷移する信号(例えば
“1101”パターン)、複素平面上で原点対称となる
2つのナイキスト点を1シンボル毎に交互に遷移する
“0π”変調信号(例えば“1001”パターン)のい
ずれのプリアンブル信号に対して、有効である。
り、プリアンブルを用いた高精度なタイミング位相推定
と、プリアンブル検出を同時に実現できるため、プリア
ンブルを受信するタイミングが判らない場合でも、タイ
ミング位相制御を正常に行うことができる。
立上げ時や、シャドウイング復帰後の再接続において生
じるバースト信号の受信タイミングが未知である場合に
おいても、小さな回路規模で、短いプリアンブルで高速
同期、高速再同期を実現し、プリアンブルに続く有意な
データ部において良好なBER(ビット誤り率)特性を
実現することができる。
ック図である。
る。
図である。(b)は、プリアンブルの減算信号を示す波
形図である。
図である。(b)は、プリアンブルの減算信号を示す波
形図である。
図である。(b)は、プリアンブルの減算信号を示す波
形図である。
減算相関信号を示す信号空間図である。
減算相関信号を示す信号空間図である。
作を示す波形図である。
ック図である。
ロック図である。
ロック図である。
動作を示す波形図である。
ロック図である。
る。
る。
る。
る。
る。
図である。
図である。
る。
す波形図である。(b)は、プリアンブル信号の直交成
分を示す波形図である。
る。
す波形図である。(b)は、プリアンブル信号の直交成
分を示す波形図である。
AD変換器、40,40a,40b,40c,40d…
タイミング再生器、41a…加算手段、41b…減算手
段、42a…加算値相関演算手段、42b…減算値相関
手段、43…ベクトル選択手段、43a…最大絶対値検
出手段、43b…選択手段、44…タイミング位相差算
出手段、45,45a…VCO(再生サンプルクロック
発振手段)、46…位相検出手段、47…位相検出信号
平均化手段、48…発振器(非同期サンプルクロック発
振手段)、49…重み付け手段、50…重み付け信号平
均化手段、50a…第一のローパスフィルタ、50b…
第二のローパスフィルタ、60,60a…データ判定手
段、70…データ補間手段。
Claims (18)
- 【請求項1】 ベースバンド信号の同相成分と、ベース
バンド信号の直交成分とを加算し、加算後の信号を加算
信号として出力する加算手段と、 ベースバンド信号の同相成分と、ベースバンド信号の直
交成分とを減算し、減算後の信号を減算信号として出力
する減算手段と、 前記加算信号と、受信機側で生成する1/2シンボル周
波数成分との相関を算出し、算出した相関値を加算相関
信号として出力する加算相関演算手段と、 前記減算信号と、前記1/2シンボル周波数成分との相
関を算出し、算出した相関値を減算相関信号として出力
する減算相関演算手段と、 前記加算相関信号の大きさと、前記減算相関信号の大き
さとを比較し、どちらか大きい方の相関信号を選択し、
選択した相関信号を選択相関信号として出力するベクト
ル選択手段と、 前記選択相関信号の示すベクトル角を用いてタイミング
位相差を算出するタイミング位相差算出手段とを備える
ことを特徴とするタイミング再生器。 - 【請求項2】 前記タイミング位相差算出手段は、前記
選択相関信号の示すベクトル角およびベクトル長を算出
し、前記ベクトル長が大きい場合に前記プリアンブル信
号を検出したと判定し、その時の前記選択相関信号の示
すベクトル角を用いてタイミング位相差を算出すること
を特徴とする請求項1記載のタイミング再生器。 - 【請求項3】 前記ベースバンド信号をサンプリングす
る再生サンプルクロックおよび再生1/2シンボル周波
数成分を出力し、前記タイミング位相差情報を用いて、
タイミング誤差を“0”に位相制御する再生サンプルク
ロック発振手段を更に備えることを特徴とする請求項1
又は請求項2記載のタイミング再生器。 - 【請求項4】 前記加算相関演算手段、前記減算相関演
算手段、前記ベクトル選択手段、前記タイミング位相差
算出手段および前記再生サンプルクロック発振手段の処
理は、前記再生サンプルクロックでサンプリングされた
ベースバンド信号を用い、 前記加算相関演算手段および前記減算相関演算手段は、
前記1/2シンボル周波数成分を前記再生1/2シンボ
ル周波数成分とすることを特徴とする請求項3記載のタ
イミング再生器。 - 【請求項5】 前記再生サンプルクロックでサンプリン
グされた前記ベースバンド信号を用いてタイミング位相
を検出し、その検出信号を位相検出信号として出力する
位相検出手段と、 前記位相検出信号を平均化し、その平均を位相進み遅れ
信号として出力する位相検出信号平均化手段とを更に備
え、 前記再生サンプルクロック発振手段は、前記タイミング
位相差情報と前記位相進み遅れ信号の両方を用いて、タ
イミング誤差を“0”に位相制御することを特徴とする
請求項3又は請求項4記載のタイミング再生器。 - 【請求項6】 前記ベースバンド信号をサンプリングす
る非同期サンプルクロックおよび非同期1/2シンボル
周波数成分を出力する非同期サンプルクロック発振手段
を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記
載のタイミング再生器。 - 【請求項7】 前記加算相関演算手段、前記減算相関演
算手段、前記ベクトル選択手段、前記タイミング位相差
算出手段および前記非同期サンプルクロック発振手段の
処理は、前記非同期サンプルクロックでサンプリングさ
れたベースバンド信号を用い、 前記加算相関演算手段および前記減算相関演算手段は、
前記1/2シンボル周波数成分を前記非同期1/2シン
ボル周波数成分とすることを特徴とする請求項6記載の
タイミング再生器。 - 【請求項8】 ベースバンド信号の同相成分と、ベース
バンド信号の直交成分とを加算し、加算後の信号を加算
信号として出力する加算手段と、 ベースバンド信号の同相成分と、ベースバンド信号の直
交成分とを減算し、減算後の信号を減算信号として出力
する減算手段と、 前記加算信号と、受信機側で生成する1/2シンボル周
波数成分との相関を算出し、算出した相関値を加算相関
信号として出力する加算相関演算手段と、 前記減算信号と、前記1/2シンボル周波数成分との相
関を算出し、算出した相関値を減算相関信号として出力
する減算相関演算手段と、 前記加算相関信号の大きさと、前記減算相関信号の大き
さとを比較し、どちらか大きい方の相関信号を選択し、
選択した相関信号を選択相関信号として出力するベクト
ル選択手段と、 前記選択相関信号の示すベクトル長の大きさに応じた重
み付けを、前記選択相関信号に与え、重み付けされた前
記選択相関信号を、重み付け相関信号として出力する重
み付け手段と、 前記重み付け相関信号を平均化し、その平均を重み付け
平均相関信号として出力する重み付け信号平均化手段
と、 前記平均相関信号の示すベクトル角を用いてタイミング
位相差を算出するタイミング位相差算出手段とを備える
ことを特徴とするタイミング再生器。 - 【請求項9】 前記タイミング位相差算出手段は、前記
重み付け平均相関信号の示すベクトル角およびベクトル
長を算出し、前記ベクトル長が大きい場合に前記プリア
ンブル信号を検出したと判定し、その時の前記選択相関
信号の示すベクトル角を用いてタイミング位相差を算出
することを特徴とする請求項8記載のタイミング再生
器。 - 【請求項10】 前記ベースバンド信号をサンプリング
する再生サンプルクロックおよび再生1/2シンボル周
波数成分を出力し、前記タイミング位相差情報を用い
て、タイミング誤差を“0”に位相制御する再生サンプ
ルクロック発振手段を更に備えることを特徴とする請求
項8又は請求項9記載のタイミング再生器。 - 【請求項11】 前記加算相関演算手段、前記減算相関
演算手段、前記ベクトル選択手段、前記重み付け手段、
前記重み付け信号平均化手段、前記タイミング位相差算
出手段および前記再生サンプルクロック発振手段の処理
は、前記再生サンプルクロックでサンプリングされたベ
ースバンド信号を用い、 前記加算相関演算手段および前記減算相関演算手段は、
前記1/2シンボル周波数成分を前記再生1/2シンボ
ル周波数成分とすることを特徴とする請求項10記載の
タイミング再生器。 - 【請求項12】 前記重み付け信号平均化手段は、前記
重み付け相関信号をそれぞれ入力とする時定数の短い第
一のローパスフィルタと、時定数の長い第二のローパス
フィルタとを備え、位相制御時に前記第一のローパスフ
ィルタおよび前記第二のローパスフィルタの各直交成分
に“0”を、同相成分に、位相制御前の(同相成分2+
直交成分2)1/2をセットし、 前記タイミング位相差算出手段は、前記第一のローパス
フィルタの示す第一のベクトル角および第一のベクトル
長を算出し、前記第一のベクトル長が大きい場合に前記
プリアンブル信号を検出したと判定し、前記第一のベク
トル角を用いて初期タイミング位相差を算出し、 前記第二のローパスフィルタの示す第二のベクトル角お
よび第二のベクトル長を算出し、前記第一の位相制御
後、前記第二のベクトル長が大きい場合に前記第二のベ
クトル角を用いて位相追随用タイミング位相差を周期的
に算出し、 前記再生サンプルクロック発振手段は、前記初期タイミ
ング位相差および前記位相追随用タイミング位相差の両
方を、前記タイミング位相差情報として用いて、タイミ
ング誤差を“0”に位相制御することを特徴とする請求
項10又は請求項11記載のタイミング再生器。 - 【請求項13】 前記ベースバンド信号をサンプリング
する非同期サンプルクロックおよび非同期1/2シンボ
ル周波数成分を出力する非同期サンプルクロック発信手
段を更に備えることを特徴とする請求項8又は請求項9
記載のタイミング再生器。 - 【請求項14】 前記加算相関演算手段、前記減算相関
演算手段、前記ベクトル選択手段、前記重み付け手段、
前記重み付け信号平均化手段、前記タイミング位相差算
出手段および前記非同期サンプルクロック発振手段の処
理は、前記非同期サンプルクロックでサンプリングされ
たベースバンド信号を用い、 前記加算相関演算手段および前記減算相関演算手段は、
前記1/2シンボル周波数成分を前記非同期1/2シン
ボル周波数成分とすることを特徴とする請求項13記載
のタイミング再生器。 - 【請求項15】 前記重み付け信号平均化手段は、前記
重み付け相関信号をそれぞれ入力とする時定数の短い第
一のローパスフィルタと、時定数の長い第二のローパス
フィルタとを更に備え、 前記タイミング位相差算出手段は、前記第一のローパス
フィルタの示す第一のベクトル角および第一のベクトル
長を算出し、前記第一のベクトル長が大きい場合に前記
プリアンブル信号を検出したと判定し、前記第一のベク
トル角を用いて初期タイミング位相差を算出し、 前記第二のローパスフィルタの示す第二のベクトル角お
よび第二のベクトル長を算出し、前記第一の位相制御
後、前記第二のベクトル長が大きい場合に前記第二のベ
クトル角を用いて位相追随用タイミング位相差を周期的
に算出することを特徴とする請求項13又は請求項14
記載のタイミング再生器。 - 【請求項16】 請求項3、請求項4、請求項5、請求
項10、請求項11、請求項12のいずれか一項に記載
のタイミング再生器と、 無線信号を受信するアンテナと、 前記アンテナで受信された無線信号をベースバンド信号
に周波数変換する周波数変換手段と、 前記周波数変換手段で変換されたベースバンド信号を、
前記再生サンプルクロックを用いてシンボルレートの2
倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド信号に変
換して、前記タイミング再生器に与えるAD変換手段
と、 前記タイミング再生器から出力された再生シンボルクロ
ックを用いて、前記ディジタルベースバンド信号の中か
らナイキスト点データを抽出し、抽出した前記ナイキス
ト点データを判定し、復調データとして出力するデータ
判定手段とを備えることを特徴とする復調装置。 - 【請求項17】 請求項6又は請求項7記載のタイミン
グ再生器と、 無線信号を受信するアンテナと、 前記アンテナで受信された無線信号をベースバンド信号
に周波数変換する周波数変換手段と、 前記周波数変換手段で変換されたベースバンド信号を、
前記非同期サンプルクロックを用いてシンボルレートの
2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド信号に
変換して、前記タイミング再生器に与えるAD変換手段
と、 前記タイミング再生器から出力された非同期サンプルク
ロックでサンプリングされた前記ディジタルベースバン
ド信号を補間し、補間後のデータを、補間ベースバンド
信号として出力するデータ補間手段と、 前記タイミング位相差を基に、前記データ補間手段から
出力された補間ベースバンド信号のナイキスト点を抽出
し、抽出した前記ナイキスト点データを判定し、復調デ
ータとして出力するデータ判定手段とを備えることを特
徴とする復調装置。 - 【請求項18】 請求項15記載のタイミング再生器
と、 無線信号を受信するアンテナと、 前記アンテナで受信された無線信号をベースバンド信号
に周波数変換する周波数変換手段と、 前記周波数変換手段で変換されたベースバンド信号を、
前記非同期サンプルクロックを用いてシンボルレートの
2倍でサンプリングし、ディジタルベースバンド信号に
変換して、前記タイミング再生器に与えるAD変換手段
と、 前記タイミング再生器から出力された非同期サンプルク
ロックでサンプリングされた前記ディジタルベースバン
ド信号を補間し、補間後のデータを、補間ベースバンド
信号として出力するデータ補間手段と、 前記初期タイミング位相差および前記位相追随用タイミ
ング位相差の両方を基に、前記データ補間手段から出力
された補間ベースバンド信号のナイキスト点を抽出し、
抽出した前記ナイキスト点データを判定し、復調データ
として出力するデータ判定手段とを備えることを特徴と
する復調装置。
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EP00902927A EP1158739B1 (en) | 1999-12-28 | 2000-02-14 | Timing reproducer and demodulator comprising the same |
PCT/JP2000/000769 WO2001048999A1 (fr) | 1999-12-28 | 2000-02-14 | Reproducteur de temporisation et demodulateur comprenant ce dernier |
DE60034437T DE60034437T2 (de) | 1999-12-28 | 2000-02-14 | Taktgewinner und diesen enthaltender demodulator |
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