JP2001189555A - 多層基板 - Google Patents

多層基板

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JP2001189555A
JP2001189555A JP37164899A JP37164899A JP2001189555A JP 2001189555 A JP2001189555 A JP 2001189555A JP 37164899 A JP37164899 A JP 37164899A JP 37164899 A JP37164899 A JP 37164899A JP 2001189555 A JP2001189555 A JP 2001189555A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異種材料の同時焼成に際して、クラックやデラ
ミネーションを防止できるとともに、x−y方向におけ
る収縮率を容易にかつ安価に小さくでき、さらには、ビ
アホール導体の突出或いは凹み、それに伴う導通不良を
防止できる多層基板を提供する。 【解決手段】複数の絶縁層11a〜11eを積層してな
り、該複数の絶縁層11a〜11eのうち少なくとも1
層が、他の絶縁層11b〜11dと異なる異種材料絶縁
層11a、11eであり、他の絶縁層11b〜11dと
異種材料絶縁層11a、11eとにスルーホール導体1
4a、14bを設けるとともに、他の絶縁層11b〜1
1dにおけるスルーホール導体14aと、異種材料絶縁
層11a、11eにおけるスルーホール導体14bとを
異なる材料から形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多層基板に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来、強度の弱い絶縁層を強度の強い絶縁
層で補強するためや回路基板の中に容量値の高いキャパ
シタを内蔵するために、絶縁層と、この絶縁層とは異な
る材料からなる異種材料絶縁層を積層した回路基板が知
られている(例えば、特開昭59−194493号公報
参照)。このような回路基板では、磁器のクラックやデ
ラミネーションを防止するために、絶縁層と異種材料絶
縁層とは、焼成収縮率および熱膨張係数を一致させるよ
うに材料を決定していた。
【0003】しかしながら、このような回路基板におい
ては、クラックやデラミネーションを防止できるもの
の、焼成収縮率が大きいため、回路基板内に形成された
電極のx−y方向における寸法精度が低くなるという問
題があった。特に、近年においては、回路基板の小型薄
型化のため、ますます電極のx−y方向における寸法精
度が要求されている。
【0004】そこで、近年においては、回路基板の積層
成形体をAl2 3 基板等で挟持して焼成する加圧焼成
法(特開昭62−260777号公報参照)、回路基板
の積層成形体の表面に、この積層成形体の焼成温度では
焼結しないグリーンシートを積層し、焼成後にそれを削
り取る方法(特開平4−243978号公報参照)が開
示されている。
【0005】しかしながら、上記した加圧焼成法では、
Al2 3 基板等により加圧する必要があり、そのため
の設備やAl2 3 基板等が必要であった。また、未焼
結グリーンシートを除去する方法では、製造工程が増加
し、しかも、除去したグリーンシートは廃棄しなければ
ならず、原料が無駄であった。
【0006】この課題に対し、焼結開始温度或いは焼結
終了温度が異なる2種以上のグリーンシートを積層・焼
成することにより解決する方法(特開平10−3085
84号公報参照)が開示されている。本方法は、双方の
グリーンシートが互いに他方のx−y方向の焼成収縮挙
動を拘束するため、焼成中の基板の反り、クラック或い
は歪みに関しては有効であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−3085
84号公報に開示された多層基板では、他の絶縁層と異
種材料絶縁層に形成されたビアホール導体に関しては、
他の絶縁層中の導体材料と、異種材料絶縁層中の導体材
料は同一材料を用いていた。
【0008】しかしながら、x−y方向の焼成収縮挙動
を拘束するということは、z方向の焼成収縮挙動に収縮
挙動を集約すること、即ち、他の絶縁層、異種材料絶縁
層がz方向にそれぞれ大きく収縮することであり、同一
材料の導体ではそもそもグリーンシートの収縮差がある
ことに伴うビアホール導体の突出或いは凹み、更にはそ
れに伴う導通不良等が発生するという問題があった。例
えば、内部配線とビアホール導体とが接続不良となった
り、ビアホール導体が突出し、その突出量が大きい場合
には、クラックやデラミネーションが発生するという問
題があった。
【0009】そして、複数の絶縁層の積層方向に連続し
てビアホール導体が形成されている場合には、上記のよ
うなビアホール導体の突出或いは凹みが助長されるとい
う問題があった。
【0010】本発明は、このような課題を鑑み、異種材
料の同時焼成に際して、クラックやデラミネーションを
防止できるとともに、x−y方向における収縮率を容易
にかつ安価に小さくでき、さらには、ビアホール導体の
突出或いは凹み、それに伴う導通不良を抑制できる多層
基板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の多層基板は、複
数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少な
くとも1層が、他の絶縁層と異なる異種材料絶縁層であ
り、前記他の絶縁層と前記異種材料絶縁層とにそれぞれ
ビアホール導体を設けるとともに、前記他の絶縁層にお
けるビアホール導体と、前記異種材料絶縁層におけるビ
アホール導体とを異なる材料から形成したものである。
【0012】本発明の多層基板では、複数の絶縁層を積
層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、
他の絶縁層と異なる異種材料絶縁層であるため、焼成収
縮開始温度が他の絶縁層と異種材料絶縁層とでは異な
り、例えば、異種材料絶縁層が収縮を開始する際には、
他の絶縁層によりx−y方向における収縮が妨げられ、
異種材料絶縁層が収縮を完了すると、この異種材料絶縁
層により他の絶縁層のx−y方向における収縮が妨げら
れ、結果的に、焼成中におけるx−y方向の焼成収縮を
抑制できる。
【0013】また、他の絶縁層におけるビアホール導体
と異種材料絶縁層におけるビアホール導体とを異なる材
料で形成すること、例えば、異種材料絶縁層におけるビ
アホール導体のガラスの軟化点を、異種材料絶縁層の焼
成収縮開始温度よりも低温とし、他の絶縁層におけるビ
アホール導体のガラスの軟化点を、他の絶縁層の焼成収
縮開始温度よりも低温とする等により、収縮挙動の不適
合から起こるビアホール導体の突出等の不具合を解消で
きる。
【0014】また、異種材料絶縁層、他の絶縁層のそれ
ぞれの熱膨張係数と、異種材料絶縁層、他の絶縁層にそ
れぞれ形成されたビアホール導体の熱膨張係数差を11
×10-6/℃以下、特に5×10-6/℃以下とすること
により、焼成温度からの冷却時におけるビアホール導体
の突出等の不具合や、ビアホール導体近傍の異種材料絶
縁層、他の絶縁層におけるクラックや、ビアホール導体
と異種材料絶縁層、他の絶縁層との界面剥離を防止でき
る。
【0015】即ち、先述の通り、x−y方向の焼成収縮
挙動を拘束するということは、z方向の焼成収縮挙動に
収縮挙動を集約することである。理想的には、異種材料
絶縁層、他の絶縁層におけるz方向の収縮率を合わせら
れたらよいが、絶縁層は、その誘電特性、例えば誘電
率、Q等に特徴を持たせる必要があり、且つ他の絶縁層
と異種材料絶縁層とは熱膨張率が合致することが望まし
い。そのような課題がある中で、焼成収縮挙動まで合致
させることは困難である。その結果、基板焼成後にビア
ホール導体の突出或いは凹み、更にはそれに伴う導通不
良等の問題が発生することになる。
【0016】これを回避するために、他の絶縁層或いは
異種材料絶縁層の各々と収縮挙動を合わせた別々の導体
材料を適用する。ここでいう導体材料は、例えば、銅、
銀或いはそれらを主成分とする合金(例えばAg−P
t)を金属成分とし、焼成収縮挙動及び熱膨張率を各々
の絶縁体と合わせるために無機酸化物を添加したもので
ある。
【0017】各々の導体材料の収縮率を合わせる一般的
方法として、(1)固形分比率を調整する、(2)金属
粉末を調整する、(3)添加する無機酸化物の組成及び
/又は配合量を調整する、の3通りが考えられるが、
(1)は過度に溶剤量を増やすとグリーンシートに溶剤
が浸透し、グリーンシートが破れる、(2)は粒径等を
変更すれば充填性等、他の特性が劣化する、組成を変更
(例えばAg−PtのPt比率を上げる)すれば導電率
が低下する、といった問題があり、(3)の添加する無
機酸化物の組成及び/又は配合量を調整することが最も
好ましい方法である。
【0018】一般に、銀や銅の熱膨張率はセラミック多
層基板のそれに比べ大きいため、添加される無機酸化物
として、熱膨張率の小さい金属酸化物が選択される。そ
の際、焼成収縮挙動を合わせるためには、高温で流動性
をもつガラスが好ましい。更に好ましくは、導体が接し
ている他の絶縁層又は異種材料絶縁層の焼成収縮開始温
度よりもガラスの軟化点は低温であることが好ましい。
もし、本軟化点が低温で無ければ、基板が焼成収縮を開
始した際に、まだ本ガラスは焼結抑制材としての機能し
か果たせず、収縮挙動が合わないために前述の突起を発
生させやすくなる。
【0019】また、ガラスの酸塩基度は0.504以上
が好ましい。酸塩基度の定義に関しては、特開平6−1
2911号公報に詳細が述べられているが、この発明で
示されている導電性組成物は、配線パターン等に利用さ
れるものであり、ビアホール導体に関しては特に説明さ
れていない。ところが、本発明の様に複数の絶縁層を複
合化する際には、ビアホール導体中に含有されるガラス
も酸塩基度を配慮しなければ、変色等の問題をかかえて
しまう。
【0020】本発明の多層基板は、複数の絶縁層を積層
してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他
の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なる異種材料絶縁層で
あり、他の絶縁層が、MgTiO3 またはMgTiO3
−CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、S
i、アルカリ土類金属を含有するものが好ましい。
【0021】ここで、異種材料絶縁層は、他の絶縁層と
比誘電率が異なる材料からなり、かつ、アルミナ、シリ
カ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選
ばれる1種と、結晶性ガラスとを含有することが望まし
い。
【0022】また、本発明の多層基板は、複数の絶縁層
を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層
が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なり、かつ比誘
電率が略同一の異種材料絶縁層であり、該異種材料絶縁
層と前記他の絶縁層が、アルミナ、シリカ、MgTiO
3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種と、
結晶性ガラスとを含有することによっても、上記したよ
うに、焼成中におけるx−y方向の焼成収縮を抑制でき
る。異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度と、他の絶縁層
の焼成収縮開始温度との差は20〜90℃であることが
望ましい。
【0023】また、他の絶縁層は、金属元素として少な
くともMgおよびTiを含有し、これらのモル比による
組成式を、 (1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 と表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分
と、該主成分100重量部に対して、BをB2 3 換算
で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩
換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.01
〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化
物換算で0.1〜5重量部含有することが望ましい。
【0024】他の絶縁層が、上記のように、MgTiO
3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、
B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する
場合、特に、モル比による組成式を、(1−x)MgT
iO3 ・xCaTiO3 と表した時、xが0≦x≦0.
2を満足する主成分と、該主成分100重量部に対し
て、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を所定
量含有する場合には、他の絶縁層のQf値をそれほど低
下させることなく、920℃以下の焼成温度で焼成でき
るとともに、焼成収縮開始温度を830℃以下にでき、
Ag、Cu等の内部導体と同時焼成しても変形すること
がなく、さらに、Q値とその測定周波数との積で表され
る磁器のQf値を20000GHz以上、比誘電率を1
8以上とでき、このような他の絶縁層に共振回路等の高
周波回路を形成することにより、優れた特性の回路を得
ることができる。
【0025】さらに、他の絶縁層と異種材料絶縁層の熱
膨張係数差を小さくすることにより、特に2×10-6
℃以下とすることにより、ピーク焼成温度からの冷却時
における材料の熱収縮挙動を一致させ、収縮のミスマッ
チをなくすことができ、クラックあるいはデラミネーシ
ョンの発生を防止できる。
【0026】さらに、複数の絶縁層からなる積層体の上
下面に、該積層体を構成する他の絶縁層よりも比誘電率
が低い材料から構成される異種材料絶縁層を形成するこ
とにより、異種材料絶縁層を挟む電極間に形成される容
量が、他の絶縁層を挟む電極間に形成される容量よりも
小さいため、異種材料絶縁層成形体に形成されたビアホ
ール導体および配線導体と、接地導体等の導体の間にお
ける浮遊容量を抑制できる。
【0027】異種材料絶縁層は、例えば、結晶性ガラス
70〜100重量%と、アルミナ、シリカ、MgTiO
3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種0〜
30重量%からなり、前記結晶性ガラスが、SiO2
0〜70重量%、CaO20〜35重量%、MgO11
〜30重量%、Al2 3 0.5〜10重量%、SrO
0〜10重量%、ZnO0〜10重量%、TiO2 0〜
10重量%、Na2 O0〜3重量%であることが望まし
い。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は本発明における多層基板の
例を示すもので、この多層基板は、基板11と、この基
板11の上下両表面に形成された表面導体12と、基板
11の内部に形成された接地導体13と、内部導体15
と、表面導体12と内部導体15を接続するビアホール
導体14とから構成されている。
【0029】基板11は、5層の絶縁層11a〜11e
からなり、他の絶縁層11b、11c、11dを形成す
る材料の焼成収縮開始温度が、異種材料絶縁層11a、
11eを形成する材料の焼成収縮開始温度と異なってい
る。
【0030】図1の多層基板において、他の絶縁層11
b〜11dは、MgTiO3 またはMgTiO3 −Ca
TiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アル
カリ土類金属を含有するものであり、異種材料絶縁層1
1a、11eは、他の絶縁層11b〜11dよりも比誘
電率が小さい材料からなるもので、アルミナ、シリカ、
MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれ
る1種と、結晶性ガラスとから形成されている。
【0031】このように、他の絶縁層11b〜11d
を、MgTiO3 またはMgTiO3−CaTiO3
主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金
属を所定量含有する磁器とすることにより、Qf値が2
0000GHz以上で、920℃以下の焼成温度で焼成
できるとともに、焼成収縮開始温度を830℃以下にで
き、Ag、Cu等の内部導体と同時焼成しても変形する
ことがなく、またビアホール導体の突出等の外観上の不
具合もなく、比誘電率を18以上とできる。
【0032】異種材料絶縁層11a、11eの焼成収縮
開始温度と、他の絶縁層11b〜11dの焼成収縮開始
温度との差は20〜90℃であることが望ましい。これ
は、焼成収縮開始温度差が20℃より小さくなると焼成
における収縮挙動が一致するため、基板のx−y方向に
おける収縮率が大きくなり、配線導体の寸法精度が悪く
なるからであり、逆に90℃を超えると焼成収縮時にお
いて、他の絶縁層11b〜11dと異種材料絶縁層11
a、11eの界面に応力歪みを生じ、基板が反る、歪
む、あるいは界面で剥離する等の問題が生じ易くなるか
らである。とりわけ、収縮率低減と基板の反り、歪みの
観点から、焼成収縮開始温度差は30〜60℃であるこ
とが望ましい。
【0033】また、他の絶縁層11b〜11dと異種材
料絶縁層11a、11eの熱膨張係数の差は2×10-6
/℃以下であることが望ましい。これは、2×10-6
℃よりも大きくなると、焼成ピーク温度からの冷却時に
おいて熱収縮率の差が生じ、他の絶縁層11b〜11d
と異種材料絶縁層11a、11eの界面に、クラックや
デラミネーションを生じ易いからである。とりわけ、ク
ラックやデラミネーションの観点から、熱膨張係数の差
は1×10-6/℃以下が望ましい。
【0034】そして、本発明の多層基板では、図1に示
したように、ビアホール導体14は他の絶縁層11bに
おけるビアホール導体14aと、異種材料絶縁層11a
におけるビアホール導体14bとから構成されている。
【0035】また、ビアホール導体14a、14bは銀
を主成分とし、収縮及び熱膨張率を基板と合わせるため
にガラスを添加しているが、そのガラスの組成は異な
る。
【0036】ビアホール導体組成は、上記他の絶縁層1
1b〜11dと異種材料絶縁層11a、11eの焼成収
縮開始温度及び熱膨張率と焼成時の収縮量を考慮して決
定される。熱膨張率に関しては、使用される金属とガラ
スの体積分率で計算すればよい。ビアホール導体とその
ビアホール導体が主に接している絶縁層との熱膨張係数
差は11×10-6/℃以下であることが望ましい。即
ち、ビアホール導体14bの熱膨張係数は、異種材料絶
縁層11aの熱膨張係数よりも高いが、その差を11×
10-6/℃以下とし、ビアホール導体14aの熱膨張係
数は、他の絶縁層11bの熱膨張係数よりも高いが、そ
の差を11×10-6/℃以下とすることが望ましい。こ
の熱膨張係数は、5×10-6/℃以下であることが望ま
しい。
【0037】これは、熱膨張係数差が11×10-6/℃
よりも大きくなると焼成ピーク温度からの冷却時におい
て熱収縮率の差が生じ、ビアホール導体近傍の絶縁層に
クラックを生じ易いからである。また、ビアホール導体
と絶縁層の界面剥離も生じ易いが、これは、界面接合に
効果のある、例えばV2 5 を添加することにより改善
することができる。さらに、ビアホール導体14が凹
み、内部導体15または表面導体12との接着不良とな
り易いからである。
【0038】異種材料絶縁層11a、11eにおけるビ
アホール導体14b中のガラスの軟化点は、異種材料絶
縁層11a、11eの焼成収縮開始温度よりも低温であ
り、他の絶縁層11b〜11dにおけるビアホール導体
14a中のガラスの軟化点は、他の絶縁層11b〜11
dの焼成収縮開始温度よりも低温とされている。
【0039】収縮挙動の整合に関しては、添加するガラ
スの軟化点で制御する。上述の如く、異種材料絶縁層1
1a、11eの焼成収縮開始温度と、他の絶縁層11b
〜11dの焼成収縮開始温度との差は20〜90℃であ
るため、その温度差程度の差をもつガラスをもちいれば
よい。
【0040】即ち、異種材料絶縁層11a、11eの焼
成収縮開始温度と、他の絶縁層11b〜11dの焼成収
縮開始温度との差に、ビアホール導体14aとビアホー
ル導体14b中のガラスの軟化点の差を近づけるよう
に、例えば、ガラスの組成を設定する。
【0041】ビアホール導体14は、例えば、Agおよ
び/またはCuを主成分とし、ガラスは、基板材料との
収縮挙動を合わせ、見かけ上の熱膨張係数を合わせ、か
つ導電率が低下しないようにするという理由から5〜2
5重量%を含有するものである。
【0042】ガラスとしては、B2 3 、Al2 3
SiO2 、ZnO、MgOを含むガラスや、BaO、C
aO、B2 3 、SiO2 を含む硼珪酸アルカリ土類金
属塩ガラス等がある。
【0043】また、他の絶縁層11b〜11dは、モル
比による組成式を、(1−x)MgTiO3 ・xCaT
iO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足する主成
分と、該主成分100重量部に対して、BをB2 3
算で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸
塩換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.0
1〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸
化物換算で0.1〜5重量部含有するものが望ましい。
【0044】ここで、xを0≦x≦0.2としたのは、
xが0.2モルを越える場合には共振周波数の温度係数
τfがプラス側に大きくなりすぎてしまうからである。
とりわけ誘電体磁器の共振周波数の温度係数τfの観点
からはxは0.03≦x≦0.13が好ましい。
【0045】また、主成分100重量部に対して、Bを
2 3 換算で3〜20重量部含有したのは、Bが3重
量部未満の場合には1100℃でも焼結せず、Agまた
はCuを主成分とする導体と同時焼成ができなくなり、
逆に20重量部を越える場合には焼結体中のガラス相の
割合が増加してQ値が低下するからである。よって、焼
結性を維持し、高いQ値を得るという観点からB2 3
換算で5〜15重量部含有することが望ましい。B含有
化合物としては、金属硼素、B2 3 、コレマイト、C
aB2 4 、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸アルカリガ
ラス、ホウケイ酸アルカリ土類ガラス等がある。
【0046】また、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩
換算で1〜10重量部含有したのは、1重量部未満の場
合には1100℃でも焼結せず、AgまたはCuを主成
分とする導体と同時焼成ができなくなり、逆に10重量
部を越える場合には結晶相が変化してQ値が低下するか
らである。誘電体磁器のQ値の観点から4〜9重量部が
望ましい。アルカリ金属としてはLi、Na、Kを例示
することができ、この中でもLiが特に望ましい。アル
カリ金属含有化合物としては、上記アルカリ金属の炭酸
塩、酸化物等を例示することができる。
【0047】さらに、SiをSiO2 換算で0.01〜
5重量部含有したのは、含有量が0.01重量部未満の
場合には、誘電体磁器の焼結過程における焼成収縮開始
温度が約840℃と高く、添加効果が得られないからで
ある。一方、5重量部を越えると比誘電率εrあるいは
Q値が低下するからである。誘電体磁器の比誘電率εr
あるいはQ値の観点から0.5〜3重量部が望ましい。
Si含有化合物としてはSiO2 、MgSiO3 等があ
る。
【0048】また、アルカリ土類金属をアルカリ土類金
属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものである。
これらが0.1重量部未満の場合には誘電体磁器の焼結
過程における焼成収縮開始温度が830℃よりも高く、
添加効果が得られない。一方、5重量部を越えると誘電
体磁器の共振周波数の温度係数τfがプラス側に大きく
なりすぎてしまう。とりわけ誘電体磁器の焼結性と共振
周波数の温度係数τfの観点からは0.5〜3.5重量
部が好ましい。アルカリ土類金属としては、Mg、C
a、Sr、Baがあり、このなかでもBaが望ましい。
アルカリ土類金属含有化合物としては、上記アルカリ金
属の炭酸塩、酸化物等を例示することができる。
【0049】さらに、焼結性を改善する点から、主成分
100重量部に対して、MnをMnO2 換算で0.1〜
3重量部含有することが望ましい。MnをMnO2 換算
で0.1〜3重量部含有せしめたのは、0.1重量部よ
りも少ない場合にはその添加効果がなく、さらに3重量
部よりも多い場合には誘電特性が悪化するからである。
MnはMnO2 換算で1.2〜1.8重量部含有するこ
とが望ましい。
【0050】異種材料絶縁層は、結晶性ガラス70〜1
00重量%と、セラミック粒子0〜30重量%とからな
り、結晶性ガラスがSiO2 40〜70重量%、CaO
20〜35重量%、MgO11〜30重量%、Al2
3 0.5〜10重量%、SrO0〜10重量%、ZnO
0〜10重量%、TiO2 0〜10重量%、Na2 O0
〜3重量%を含有し、セラミック粒子がアルミナ、シリ
カ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選
ばれる1種以上からなることが望ましい。この異種材料
絶縁層の比誘電率は6〜8である。
【0051】異種材料絶縁層を上記のような組成とする
ことにより、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaT
iO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカ
リ土類金属を含有する他の絶縁層との間の焼成収縮開始
温度差を20〜90℃の範囲内とすることができる。
【0052】以上のように構成された多層基板は、例え
ば、先ず、複数の絶縁層成形体を積層した積層成形体を
作製する。この積層成形体を構成する複数の絶縁層成形
体のうち少なくとも1層については、他の絶縁層成形体
との焼成収縮開始温度の差が20〜90℃異なる異種材
料絶縁層成形体とする。
【0053】積層成形体は、ドクターブレード法等によ
り作製されたグリーンシートを積層することにより作製
したり、また、セラミックペーストを順次塗布すること
により作製したり、さらに、セラミックペーストを塗
布、光硬化、現像等を繰り返すいわゆるフォトリソグラ
フィー技術を用いて作製したりすることができる。
【0054】具体的には、先ず、例えば、他の絶縁層と
異種材料絶縁層となるグリーンシートを作製する。例え
ばグリーンシートは、所定のセラミック粉末(ガラス−
セラミック粉末)と有機バインダーと有機溶剤及び必要
に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化する。このスラ
リーを用いてドクターブレード法などによりテープ成形
を行い、所定寸法に切断しグリーンシートを作製する。
【0055】次に、内部導体と表面導体間、あるいは内
部導体間を接続するビアホール導体となる貫通孔をグリ
ーンシートの所定の位置にパンチング等により作製す
る。
【0056】ビアホール用導電性ペーストは金属粉末、
ガラス、有機ビヒクル及び有機溶剤を混合し、ペースト
化する。この際、ビアホール用導電性ペーストは他の絶
縁層と異種材料絶縁層それぞれに対して準備する。
【0057】本導電性ペーストを内部側の他の絶縁層と
なるグリーンシートの貫通孔に充填するとともに、その
グリーンシート上に所定形状の内部導体となる導体膜を
印刷形成する。
【0058】次に異なる導電性ペーストを用いて、表層
の異種材料絶縁層となるグリーンシートの貫通孔に充填
するとともに、そのグリーンシート上に所定形状の表面
導体となる導体膜を印刷形成する。
【0059】このようにして得られたグリーンシートを
積層順序に応じて積層し、積層成形体を形成して、一体
的に焼成する。以上の製造工程によって多層基板は製造
される。
【0060】以上のように構成された多層基板では、焼
成収縮開始温度が異なる他の絶縁層11b〜11dと異
種材料絶縁層11a、11eを同時焼成するため、焼成
収縮開始温度が低い異種材料絶縁層11a、11eが収
縮を開始する際には、他の絶縁層11b〜11dにより
x−y方向における収縮が妨げられ、異種材料絶縁層1
1a、11eが収縮を完了すると、この異種材料絶縁層
11a、11eにより他の絶縁層11b〜11dのx−
y方向における収縮が妨げられ、結果的に、焼成中にお
けるx−y方向の焼成収縮を抑制でき、内部導体15の
寸法精度を向上できる。
【0061】さらに、図1の多層基板では、他の絶縁層
11b〜11dの比誘電率を、上下の異種材料絶縁層1
1a、11eの比誘電率よりも高くできるため、容量値
の大きなキャパシタを形成することができ、低誘電率の
異種材料絶縁層11a、11eを形成することにより、
表面導体12やビアホール導体14と接地導体13の間
に生じる浮遊容量を軽減することができる。
【0062】また、他の絶縁層11b〜11dにおける
ビアホール導体14aと異種材料絶縁層11a、11e
におけるビアホール導体14bとを異なる材料で形成す
ることにより、収縮挙動の不適合から起こるビアホール
導体14の突出等の不具合を解消できる。
【0063】また、異種材料絶縁層11a、11e、他
の絶縁層11b〜11dのそれぞれの熱膨張係数と、こ
れらの異種材料絶縁層11a、11eおよび他の絶縁層
11b〜11dにそれぞれ形成されたビアホール導体1
4a、14bの熱膨張係数差を11×10-6/℃以下と
することにより、焼成温度からの冷却時におけるビアホ
ール導体14の突出等の不具合や、ビアホール導体14
近傍の異種材料絶縁層11a、11e、他の絶縁層11
b〜11dにおけるクラックや、ビアホール導体14
a、14bと異種材料絶縁層11a、11e、他の絶縁
層11b〜11dとの界面剥離を防止できる。
【0064】また、本発明の多層基板では、複数の絶縁
層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1
層が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なり、かつ比
誘電率が略同一の異種材料絶縁層であり、該異種材料絶
縁層と他の絶縁層が、アルミナ、シリカ、MgTi
3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種以
上と、結晶性ガラスとを含有して構成されていても良
い。
【0065】
【実施例】先ず、MgTiO3 またはMgTiO3 −C
aTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、ア
ルカリ土類金属を含有する磁器について検討した。
【0066】原料として純度99%以上の、MgTiO
3 粉末、CaTiO3 粉末とを、モル比による(1−
x)MgTiO3 ・xCaTiO3 においてxが表1の
値を満足するように秤量し、また、B2 3 粉末、アル
カリ金属炭酸塩粉末(Li2 CO3 、Na2 CO3 、K
2 CO3 )、SiO2 粉末、MnO2 粉末、さらにアル
カリ土類酸化物粉末(MgO、CaO、SrO、Ba
O)を、表1に示す割合となるように秤量し、純水を媒
体とし、ZrO2 ボールを用いたボールミルにて20時
間湿式混合した。次にこの混合物を乾燥(脱水)し、8
00℃で1時間仮焼した。
【0067】この仮焼物を、粉砕粒径が1.0μm以下
になるように粉砕し、誘電特性評価用の試料として直径
10mm、高さ8mmの円柱状に1ton/cm2 の圧
力でプレス成形し、これを表2に示す温度で3時間焼成
し、直径8mm、高さ6mmの円柱状の試料を得た。
【0068】誘電特性の評価は、前記試料を用いて誘電
体円柱共振器法にて周波数8GHzにおける比誘電率と
Q値を測定した。Q値と測定周波数fとの積で表される
Qf値を表2に記載した。さらに、−40〜+85℃の
温度範囲における共振周波数の温度係数τf〔ppm/
℃〕を測定した。その結果を表2に記載した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】これらの表1、2から、比誘電率が18〜
20、Qf値が20000GHz以上、かつ、共振周波
数の温度係数τfが±40ppm/℃以内の優れた誘電
特性を有するとともに、760〜830℃で焼結収縮が
開始し、920℃以下で焼成が可能な優れた焼結性を有
していることが判る。
【0072】尚、表1のアルカリの欄において、Li、
Na、Kと記載したが、これはLi2 CO3 、Na2
3 、K2 CO3 の意味であり、また、アルカリ土類の
欄において、Mg、Ca、Sr、Baと記載したが、こ
れは、MgO、CaO、SrO、BaOの意味である。
さらに、表1の試料No.4、5については、Mg/T
i、Ca/Ti比がそれぞれ1.1、0.9の原料粉末
を用いた。
【0073】次に、本発明者等は、他の絶縁層として、
上記表1の試料を用い、また、異種材料絶縁層として、
SiO2 52重量%、CaO25重量%、MgO18重
量%、Al2 3 5重量%からなる結晶性ガラスと、S
iO2 からなるセラミック粒子の重量比を変えることに
より、焼成収縮開始温度の異なる材料を得た。
【0074】他の絶縁層原料粉末、異種材料絶縁層原料
粉末に、それぞれに有機バインダー、有機溶剤を添加し
たスラリーをドクターブレード法により薄層化し、グリ
ーンシートを作製し、他の絶縁層成形体、異種材料絶縁
層成形体を作製した。
【0075】この後、ビアホール導体を作製するための
貫通孔を他の絶縁層成形体、異種材料絶縁層成形体の所
定の位置にパンチング等により0.2mm径の孔を穿孔
し、これらの貫通孔にAgとガラスからなる導電性ペー
ストを貫通孔に充填した。Agとガラスの重量比は、A
g80重量%、ガラス20重量%とし、ガラスをB2
3 、Al2 3 、SiO2 、ZnO、MgOから構成
し、表3に示すようにガラスの組成を変化させ、ガラス
の軟化点、熱膨張係数を変化させた。次に、絶縁層成形
体、異種材料絶縁層成形体に、所定形状の内部導体とな
る導体膜を印刷形成した。
【0076】一方、最上層、最下層となる異種材料絶縁
層成形体に、表面導体となるAgからなる導電性ペース
トを用いて所定形状の導体膜を印刷形成し、乾燥させ
た。
【0077】導電性ペーストが充填され、所定形状の導
体膜が形成された絶縁層成形体を複数積層するととも
に、最上層および最下層に表面導体となる導体膜を形成
した異種材料絶縁層成形体を積層した積層成形体を作製
した。
【0078】この後、大気中400℃で脱バインダー処
理し、さらに表2に示す温度で焼成し、図1に示すよう
な多層基板を作製した。尚、絶縁層11a〜11eの厚
みは0.15mmであり、回路基板の大きさは、縦10
mm、横10mm、厚み0.75mmであった。
【0079】尚、積層成形体と焼成後の多層基板に対し
て、所定のポイント間の長さを測定することにより、基
板の収縮率を測定した。また、基板におけるクラック、
デラミネーションの有無を基板を研磨して、金属顕微鏡
で観察することにより評価した。さらに、基板を断面を
金属顕微鏡で観察し、測微計で計測することにより、表
面電極12の突出量を測定し、ビアホール導体14の突
出量とした。
【0080】また、他の絶縁層と異種材料絶縁層を形成
する材料にワックスを添加し、10ton/cm2 プレ
スすることにより圧粉体を形成し、熱機械分析(TM
A)により材料の焼成収縮開始温度、熱膨張係数を評価
した。その結果を表4、5に記載した。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】表3〜5から、本発明の多層基板は収縮率
が0.3〜7.0と小さく、焼成におけるクラックやデ
ラミネーションの発生しないことがわかる。また、ビア
ホール導体の突出量も0.025mm以下であり、問題
ないことが判る。一方、他の絶縁層と異種材料絶縁層に
おけるビアホール導体を同一材料から形成した試料No.
11では、デラミネーションが発生することが判る。
【0085】
【発明の効果】本発明の多層基板では、複数の絶縁層と
焼成収縮開始温度の異なる異種材料絶縁層を一体焼成す
ることにより、基板の収縮率を低減できる。また、前記
絶縁層と異種材料絶縁層の間の熱膨張係数差を小さくす
ることにより、クラックやデラミネーションの生じない
基板を得ることができる。さらに、絶縁層の比誘電率を
異種材料絶縁層の比誘電率よりも高くすることにより、
基板に内蔵する回路の小型化ができ、かつ、電極間に生
じる浮遊容量が小さい多層基板を得ることができる。
【0086】そして、本発明の多層基板では、他の絶縁
層におけるビアホール導体と異種材料絶縁層におけるビ
アホール導体とを異なる材料形成することにより、収縮
挙動の不適合から起こるビアホール導体の突出等の不具
合を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層基板の断面図を示す。
【符号の説明】
11b〜11d・・・他の絶縁層 11a、11e・・・異種材料絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 630 H05K 1/03 630D 3/40 3/40 K (72)発明者 中澤 秀司 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB04 BB12 BB14 CC25 GG20 5E346 AA02 AA12 AA25 AA38 AA43 CC17 CC18 CC21 CC32 CC39 EE29 FF18 GG05 HH11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶
    縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と異なる異種
    材料絶縁層であり、前記他の絶縁層と前記異種材料絶縁
    層とにそれぞれビアホール導体を設けるとともに、前記
    他の絶縁層におけるビアホール導体と、前記異種材料絶
    縁層におけるビアホール導体とを異なる材料から形成し
    たことを特徴とする多層基板。
  2. 【請求項2】ビアホール導体は複数の絶縁層の積層方向
    に連続して形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の多層基板。
  3. 【請求項3】ビアホール導体は金属とガラスからなり、
    他の絶縁層におけるビアホール導体と、異種材料絶縁層
    におけるビアホール導体とはガラスが異なることを特徴
    とする請求項1または2記載の多層基板。
  4. 【請求項4】異種材料絶縁層におけるビアホール導体中
    のガラスの軟化点は、前記異種材料絶縁層の焼成収縮開
    始温度よりも低温であり、他の絶縁層におけるビアホー
    ル導体中のガラスの軟化点は、前記他の絶縁層の焼成収
    縮開始温度よりも低温であることを特徴とする請求項1
    乃至3のうちいずれかに記載の多層基板。
  5. 【請求項5】異種材料絶縁層、他の絶縁層のそれぞれの
    熱膨張係数と、前記異種材料絶縁層、前記他の絶縁層に
    それぞれ形成されたビアホール導体の熱膨張係数差が1
    1×10-6/℃以下であることを特徴とする請求項1乃
    至4のうちいずれかに記載の多層基板。
  6. 【請求項6】他の絶縁層が、MgTiO3 またはMgT
    iO3 −CaTiO3を主成分とし、B、アルカリ金
    属、Si、アルカリ土類金属を含有することを特徴とす
    る請求項1乃至5のうちいずれかに記載の多層基板。
  7. 【請求項7】異種材料絶縁層は、他の絶縁層と比誘電率
    が異なる材料からなり、かつ、アルミナ、シリカ、Mg
    TiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1
    種以上と、結晶性ガラスとを含有することを特徴とする
    請求項1乃至6のうちいずれかに記載の多層基板。
  8. 【請求項8】他の絶縁層が、金属元素として少なくとも
    MgおよびTiを含有し、これらのモル比による組成式
    を、 (1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 と表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分
    と、該主成分100重量部に対して、BをB2 3 換算
    で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩
    換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.01
    〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化
    物換算で0.1〜5重量部含有することを特徴とする請
    求項1乃至7のうちいずれかに記載の多層基板。
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