JP2001187815A - 環状オレフィン系共重合体およびその製造方法並びに熱可塑性重合体組成物 - Google Patents

環状オレフィン系共重合体およびその製造方法並びに熱可塑性重合体組成物

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JP2001187815A
JP2001187815A JP37474899A JP37474899A JP2001187815A JP 2001187815 A JP2001187815 A JP 2001187815A JP 37474899 A JP37474899 A JP 37474899A JP 37474899 A JP37474899 A JP 37474899A JP 2001187815 A JP2001187815 A JP 2001187815A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた光学的性質を有し、接着性・密着性が
高く、吸湿性が小さい環状オレフィン系共重合体及びそ
の製造方法並びに熱可塑性重合体組成物の提供。 【解決手段】 本発明の共重合体は、一般式(1)また
は(2)で表わされる構造単位〔R1〜R2はHまたは炭化
水素基、XおよびZはH、炭化水素基または下記官能基
で、一方は官能基。nは0〜2の整数。官能基:-OH 、
これを含む炭化水素基、-COOH 、これを含む炭化水素
基、一級若しくは二級アミノ基、これらを含む炭化水素
基、これらの第四級アンモニウム塩、アミド基、N置換
炭化水素基を有すると共にN活性水素を有するアミド
基、これらのアミド基を含む炭化水素基、またはXとZ
からなる-CO-NH-CO-で表されるイミド基。〕と、特定の
環状オレフィンに由来する構造単位とを有し、135℃
のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5.
0dl/g。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状オレフィン系
共重合体およびその製造方法に関し、更に詳しくは光学
特性、接着性、低吸湿性等の諸性能に優れ、光ディス
ク、レンズ、光学フィルムなどの光学材料や、光半導体
封止材料、その他の電子部品材料として好適な環状オレ
フィン系共重合体およびその製造方法、並びにこの環状
オレフィン系共重合体を含有してなる熱可塑性重合体組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において、透明性樹脂は、自動車部
品、照明機器、電気部品、雑貨などの通常の透明性が要
求される成形材料として使用される以外に、光学的性質
を重視する光学材料や電子部品材料として広く応用され
てきている。そして、光学材料や電子部品材料として
は、単なる透明性のみならず、これまで以上に従来の一
般的な透明性樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポリ
メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート−ス
チレン共重合体樹脂などでは満足し得ない高度の機能が
要求されている。例えば、光学材料としての光ディスク
の基盤材料としては、低複屈折性、低吸湿性、機械的強
度、記録層に対する接着性などが要求されている。
【0003】また、上記の透明性樹脂以外の樹脂材料と
しては、環状オレフィン系(共)重合体、例えば、
(1)チグラー型触媒によるエチレンとノルボルネン系
炭化水素化合物との共重合体(特開昭61−29260
1号公報参照)、(2)メタセシス触媒によるテトラシ
クロドデセン系炭化水素化合物の単独またはノルボルネ
ン系炭化水素化合物の開環(共)重合体に水素添加して
得られる重合体(特開昭60−26024号公報参
照)、(3)メタセシス触媒による極性置換基を有する
ノルボルネン誘導体の開環(共)重合体の水素化物(特
開平1−132625号公報、特開平1−132626
号公報、特開平4−202404号公報等参照)などが
提案されているが、このような透明性樹脂も、上記の特
性の全てを十分に満足するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】具体的に説明すると、
上記(1)または(2)の透明性樹脂は、極性基を有し
ないため、記録層に対する接着性および密着性が低い、
という欠点を有する。また、上記(3)の透明樹脂材料
は、上記(1)または(2)の透明性樹脂に比較して、
記録層に対する接着性および密着性が高いものである
が、その程度は十分なものではなく、また、極性置換基
を有するノルボルネン誘導体に由来する構造単位の割合
が高いため、吸湿性が大きい、という欠点を有する。以
上のように、従来、優れた光学的性質、低吸湿性および
記録層に対して高い接着性などの複数の特性の全てを十
分に満足する透明樹脂材料は知られていないのが現状で
ある。
【0005】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その第1の目的は、優れた光学的
性質を有し、他の材料に対する接着性および密着性が高
く、しかも、吸湿性が小さい環状オレフィン系共重合体
を提供することにある。本発明の第2の目的は、優れた
光学的性質を有し、他の材料に対する接着性および密着
性が高く、しかも、吸湿性が小さい環状オレフィン系共
重合体を確実に製造することができる方法を提供するこ
とにある。本発明の第3の目的は、上記の環状オレフィ
ン系共重合体と他の重合体とを含有してなり、当該他の
重合体の特性、例えば他の材料に対する接着性および密
着性や、光学特性が向上し、更に上記環状オレフィン系
共重合体に起因する種々の特性が付与された熱可塑性重
合体組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の環状オレフィン
系共重合体は、下記一般式(1)または下記一般式
(2)で表わされる構造単位(a)と、下記一般式
(3)または下記一般式(4)で表される構造単位
(b)とを有してなり、135℃のデカリン中で測定し
た極限粘度[η]が0.2〜5dl/gであることを特
徴とする。
【0007】
【化5】
【0008】〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して水素原子または炭化水素基を示し、XおよびZは、
それぞれ独立して水素原子、炭化水素基または下記の官
能基を示し、XおよびZのうち少なくともいずれか一方
は官能基である。nは0〜2の整数を示す。 官能基:ヒドロキシル基若しくはヒドロキシル基が結合
した炭化水素基、カルボキシル基若しくはカルボキシル
基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、第二級アミ
ノ基、これらのアミノ基が結合した炭化水素基若しくは
これらの第四級アンモニウム塩、アミド基、N置換炭化
水素基を有すると共にN活性水素を有するアミド基若し
くはこれらのアミド基が結合した炭化水素基、およびX
とZとから構成された−CO−NH−CO−で表される
イミド基から選ばれた官能基。〕
【0009】
【化6】
【0010】〔式中、R3 〜R10は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基を
示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていても
よい。R 11〜R14は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10の炭化水素基またはその他の1価の
有機基を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっ
ていてもよい。また、R11とR12とまたはR13とR14
は、一体化して2価の炭化水素基を形成していてもよ
く、R11またはR12とR13またはR14とは、互いに結合
して単環または多環構造を形成していてもよい。mは0
または正の整数であり、pは0または正の整数であ
る。〕
【0011】本発明の環状オレフィン系共重合体におい
ては、全構造単位中における前記構造単位(a)の割合
が0.005〜40モル%であることが好ましい。ま
た、前記構造単位(a)および前記構造単位(b)の合
計に対する前記一般式(2)で表される構造単位および
前記一般式(4)で表される構造単位の合計の割合が9
0モル%以上であることが好ましく、更に好ましくは9
5モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。
また、ガラス転移温度が20〜250℃の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0012】本発明の環状オレフィン系共重合体の製造
方法は、下記一般式(5)で表される官能基含有環状オ
レフィンと、周期表第2族、第12族および第13族か
ら選ばれた金属による有機金属化合物とを反応させ、得
られた反応生成物と、下記一般式(6)で表される環状
オレフィンとを、メタセシス触媒の存在下に開環重合さ
せる工程を有することを特徴とする。
【0013】
【化7】
【0014】〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して水素原子または炭化水素基を示し、XおよびZは、
それぞれ独立して水素原子、炭化水素基または下記の官
能基を示し、XおよびZのうち少なくともいずれか一方
は官能基である。nは0〜2の整数を示す。 官能基:ヒドロキシル基若しくはヒドロキシル基が結合
した炭化水素基、カルボキシル基若しくはカルボキシル
基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、第二級アミ
ノ基、これらのアミノ基が結合した炭化水素基若しくは
これらの第四級アンモニウム塩、アミド基、N置換炭化
水素基を有すると共にN活性水素を有するアミド基若し
くはこれらのアミド基が結合した炭化水素基、およびX
とZとから構成された−CO−NH−CO−で表される
イミド基から選ばれた官能基。〕
【0015】
【化8】
【0016】〔式中、R3 〜R14は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基を
示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていても
よい。また、R11とR12とまたはR13とR14とは、一体
化して2価の炭化水素基を形成していてもよく、R11
たはR12とR13またはR14とは、互いに結合して単環ま
たは多環構造を形成していてもよい。mは0または正の
整数であり、pは0または正の整数である。〕
【0017】本発明の環状オレフィン系共重合体の製造
方法においては、周期表第2族、第12族および第13
族から選ばれた金属による有機金属化合物は、前記一般
式(5)で表される官能基含有環状オレフィンにおける
官能基1当量に対して0.5当量以上となる割合で用い
られることが好ましい。また、開環重合させることによ
って得られる共重合体を水素添加することが好ましい。
【0018】本発明の熱可塑性重合体組成物は、上記の
環状オレフィン系共重合体と、この環状オレフィン系共
重合体以外の熱可塑性重合体とを含有してなることを特
徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 〈環状オレフィン系共重合体〉本発明の環状オレフィン
系共重合体は、上記一般式(1)または上記一般式
(2)で表される構造単位(a)(以下、単に「構造単
位(a)」ともいう。)と、上記一般式(3)または上
記一般式(4)で表される構造単位(b)(以下、単に
「構造単位(b)」ともいう。)とを含有してなるもの
である。
【0020】構造単位(a)は、上記一般式(1)また
は上記一般式(2)で表される構造単位であって、上記
一般式(5)で表される官能基含有環状オレフィン(以
下、「特定の官能基含有環状オレフィン」ともいう。)
により形成されるものである。上記一般式(1)、一般
式(2)および一般式(5)において、基R1 および基
2 は、それぞれ独立して水素原子または炭化水素基で
あり、炭化水素基としては炭素数が1〜12のものが好
ましい。基Xおよび基Zは、それぞれ独立して水素原
子、炭化水素基または特定の官能基であり、炭化水素基
としては、炭素数が1〜12のものが好ましい。また、
基Xおよび基Zのうち少なくともいずれか一方は官能基
とされる。nは0〜2の整数、好ましくは0または1で
ある。ここで、特定の官能基は、ヒドロキシル基、ヒド
ロキシル基が結合した炭化水素基、カルボキシル基、カ
ルボキシル基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、
第二級アミノ基、第一級アミノ基若しくは第二級アミノ
基が結合した炭化水素基、アミド基、N置換炭化水素基
を有すると共にN活性水素原子を有するアミド基、これ
らのアミド基が結合した炭化水素基、基Xと基Yとから
構成された−CO−NH−CO−で表されるイミド基か
ら選ばれた基であり、カルボキシル基が結合した炭化水
素基、アミノ基が結合した炭化水素基およびアミド基が
結合した炭化水素基としては、置換基を除く炭素数が1
〜6のものが好ましい。
【0021】また、基Xおよび/または基Zとして特定
の官能基が結合された炭素原子には、基R1 および/ま
たは基R2 として炭素数が1または2の脂肪族炭化水素
基が結合されていることが、成形加工する際に、当該共
重合体の熱分解が起こりにくく、優れた耐久性が得られ
る点で好ましい。特定の官能基が結合された炭素原子に
水素原子が結合されている場合には、当該水素原子は活
性な第三級水素原子(第三級炭素原子に結合した水素原
子)となるため、得られる共重合体は熱安定性が低いも
のとなりやすい。
【0022】上記特定の官能基としては、カルボキシル
基、アミド基、イミド基が、他の材料に対する接着性お
よび密着性が高く、耐熱性が高い共重合体が得られる点
で好ましい。構造単位(a)としては、一般式(1)お
よび一般式(2)において、基Xおよび基Zの一方のみ
が特定の官能基であって、当該特定の官能基が結合した
炭素原子に結合している基R1 または基R2 が、炭素数
が1または2の炭化水素基であるものが、当該共重合体
の分解が起こりにくく、優れた耐久性が得られる点で好
ましく、特に、基Xおよび基Zの他方が水素原子であっ
て、当該水素原子が結合した炭素原子に結合している基
1 または基R2 が水素原子であるもの、或いは基Xお
よび基Zの他方が炭化水素基であって、当該炭化水素基
が結合した炭素原子に結合している基R1 または基R2
が炭化水素基であるものが好ましい。
【0023】構造単位(a)を形成するための特定の官
能基含有環状オレフィンは、シクロペンタジエンと官能
基含有オレフィンとをディールス・アルダー反応によっ
て縮合させ、必要に応じて加水分解反応させることによ
り製造される。このような特定の官能基含有環状オレフ
ィンの具体例としては、5−ヒドロキシビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5−ヒドロキシメチルビシク
ロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−ヒドロキシエチ
ルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボ
キシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−アミ
ノメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−
アミノプロピルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテ
ン、5−N−メチル−アミノプロピルビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5−N−イソプロピル−アミ
ノプロピルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5
−アミノシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]−2−
ヘプテン、5−アミノフェニルビシクロ[2.2.1]
−2−ヘプテン、5−N−メチル−アミノフェニルビシ
クロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−N−メチル−
アミノベンジルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテ
ン、5−アミノカルボニルビシクロ[2.2.1]−2
−ヘプテン、5−N−メチルアミノカルボニルビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジヒドロキシ
ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジヒ
ドロキシメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテ
ン、5,6−ジヒドロキシエチルビシクロ[2.2.
1]−2−ヘプテン、5,6−ジカルボキシビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.
1]−2−ヘプテン−5,6−ジカルボン酸イミド、
5,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]
−2−ヘプテン、5,6−ビス(アミノプロピル)ビシ
クロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ビス(N
−メチル−アミノプロピル)ビシクロ[2.2.1]−
2−ヘプテン、5,6−ビス(N−イソプロピル−アミ
ノプロピル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、
5,6−ビス(アミノシクロヘキシル)ビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5,6−ビス(アミノフェニ
ル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−
ビス(N−メチル−アミノフェニル)ビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5,6−ビス(N−メチル−
アミノベンジル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテ
ン、5,6−ビス(アミノカルボニル)ビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5,6−ビス(N−メチルア
ミノカルボニル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテ
ン、5−メチル−5−ヒドロキシ−ビシクロ〔2.2.
1〕−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−ビ
シクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−エチル−5
−カルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテ
ン、5−プロピル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.
2.1]−2−ヘプテン、5−ブチル−5−カルボキシ
−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−フェニ
ル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘ
プテン、5−メチル−5−ヒドロキシメチル−ビシクロ
〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−エチル−5−ヒド
ロキシメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテ
ン、5−メチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ
〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−エチル−5−カル
ボキシメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテ
ン、5−メチル−5−カルボキシエチル−ビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−アミ
ノメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5
−エチル−5−アミノメチル−ビシクロ〔2.2.1〕
−2−ヘプテン、5−メチル−5−アミノプロピル−ビ
シクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−メチル−5
−アミノカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘ
プテン、5−メチル−5−N−メチル−アミノカルボニ
ル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−メチ
ル−5−N−プロピル−アミノカルボニル−ビシクロ
〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−エチル−5−アミ
ノカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテ
ン、5−エチル−5−N−エチル−アミノカルボニル−
ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジメ
チル−5,6−ジヒドロキシ−ビシクロ〔2.2.1〕
−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−ジカルボ
キシ−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6
−ジエチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.
2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−ビシクロ
〔2.2.1〕−2−ヘプテン−5,6−ジカルボン酸
イミド、5,6−ジメチル−5,6−ビス(カルボキシ
メチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジエチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)
−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジ
メチル−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−ビシクロ
〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−
5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.
2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−
ビス(アミノメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−
ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ビス(アミノメ
チル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,
6−ジメチル−5,6−ビス(アミノプロピル)−ビシ
クロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジメチル
−5,6−ビス(アミノカルボニル)−ビシクロ〔2.
2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−
ビス(N−メチル−アミノカルボニル)−ビシクロ
〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−
5,6−ビス(N−プロピル−アミノカルボニル)−ビ
シクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジエチ
ル−5,6−ビス(アミノカルボニル)−ビシクロ
〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−
5,6−ビス(N−エチル−アミノカルボニル)−ビシ
クロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、8−カルボキシテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10.]−3−ド
デセン、8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10.]−3−ドデセン、テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10.]−3−ドデセン
−8,9−ジカルボン酸イミド、8−メチル−8−カル
ボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8−エチル−8−カルボキシル−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−ヒドロキシルメチル−テトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−エチル−8−ヒドロキシルメチル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−アミノメチル−テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エチル−8
−アミノメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−アミノカル
ボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1 7,10
−3−ドデセン、8−メチル−8−N−メチル−アミノ
カルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−エチル−8−アミノカルボ
ニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1 7,10]−
3−ドデセン、8−エチル−8−N−エチル−アミノカ
ルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチル−8,9−
ジカルボキシル−テトラシクロ[4.4.0.1 2,5
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジエチル−8,9−
ジカルボキシル−テトラシクロ[4.4.0.1 2,5
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチル−8,9−
ビス(ヒドロキシルメチル)−テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジエチ
ル−8,9−ビス(ヒドロキシルメチル)−テトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジメチル−8,9−ビス(アミノメチル)−テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8,9−ジエチル−8,9−ビス(アミノメチ
ル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、8,9−ジメチル−8,9−ビス(アミ
ノカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチル−8,9−
ビス(N−メチル−アミノカルボニル)−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,
9−ジエチル−8,9−ビス(アミノカルボニル)−テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8,9−ジエチル−8,9−ビス(N−エチル−
アミノカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセンなどが挙げられる。
【0024】構造単位(a)は、全構造単位中0.00
5〜40モル%の範囲で含有されていることが好まし
く、更に好ましくは0.01〜10モル%、特に好まし
くは0.02〜2モル%である。構造単位(a)の含有
割合が0.005モル%以上である場合には、得られる
共重合体は、金属やポリオレフィン系以外の重合体に対
する接着性および密着性が高いものとなりやすい、とい
う利点がある。一方、構造単位(a)の割合が40モル
%以下である場合には、得られる共重合体は、耐熱性が
高いものとなりやすく、また、吸湿性が低いものとなり
やすい、という利点がある。
【0025】構造単位(b)は、上記一般式(3)また
は上記一般式(4)で表される構造単位であって、上記
一般式(6)で表される環状オレフィン(以下、「特定
の環状オレフィン」ともいう。)により形成されるもの
である。上記一般式(3)、上記一般式(4)および上
記一般式(6)において、R3 〜R10は、それぞれ水素
原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基
を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていて
もよい。R11〜R14は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10の炭化水素基またはその他の1価の
有機基を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっ
ていてもよい。その他の1価の有機基としては、一般
式:−(CH2 q COOR15(但し、R15は炭素数が
1〜12の炭化水素基を示し、qは0〜5の整数であ
る。)で表される基が好ましい。また、R11とR12とま
たはR13とR14とは、一体化して2価の炭化水素基を形
成していてもよく、R11またはR12とR13またはR14
は、互いに結合して単環または多環構造を形成していて
もよい。mは0または正の整数であり、pは0または正
の整数である。
【0026】このような特定の環状オレフィンの具体例
としては、ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5
−メチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−
エチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−ブ
チルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−ヘキ
シルビシクロ〔2,2,1〕−2−ヘプテン、5−シク
ロヘキシル〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−フェニ
ルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,6−ジ
メチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5,5
−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5
−メチル−6−エチルビシクロ〔2.2.1.〕−2−
ヘプテン、5,6−ジエチルビシクロ〔2.2.1〕−
2−ヘプテン、5−メチル−6−プロピルビシクロ
〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−メチル−6−シク
ロヘキシル〔2.2.1〕−2−ヘプテン、1−メチル
ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、トリシクロ
〔4.3.0.12,5 〕−3−デセン、2−メチル−ト
リシクロ〔4.3.0.12,5 〕−3−デセン、トリシ
クロ〔4.4.0.12,5 〕−3−デセン、テトラシク
ロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8
−メチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、5,10−
ジメチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、ペンタシクロ〔6.6.13,6 .0
2,7 .09,14〕−4−ヘキサデセン、ヘキサシクロ
〔6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14〕−
4−ヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロ〔6.
6.13,6 .110,13 .02,7 .09,14〕−4−ヘプタ
デセン、トリシクロ〔4.4.0.12,5 〕−3−ウン
デセン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6 .02,7
9,13〕−3−ペンタデセン、ペンタシクロ〔4.7.
0.12,5 .08,13.19,12〕−3−ペンタデセン、5
−メチル−5−フェニルビシクロ〔2.2.1.〕−2
−ヘプテン、8−フェニルテトラシクロ〔4.4.0.
2,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−メチル−8−フ
ェニルビシクロ〔2.2.1.〕−2−ヘプテン、8−
エチリデンビシクロ〔2.2.1.〕−2−ヘプテン、
1,4−メタノ−1,1a,4,4a−テトラヒドロフ
ルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,
10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−メチル−8−
メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.
2,5 .1 7,10〕−3−ドデセン、8−メチル−8−エ
トキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロポ
キシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12, 5 .1
7,10〕−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキ
シカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12, 5 .1
7,10〕−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブトキシ
カルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−3−ドデセン、5−メトキシカルボニルビシ
クロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、5−メチル−5−
メトキシカルボニルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプ
テンなどが挙げられる。これらの化合物は、単独でまた
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】構造単位(b)は、全構造単位中60〜9
9.995モル%の範囲で含有されていることが好まし
く、更に好ましくは70〜99.99モル%、特に好ま
しくは80〜99.98モル%である。このような条件
を満足することにより、吸湿性が低く、かつ、他の材料
に対する接着性および密着性が高い共重合体が得られや
すい。また、構造単位(a)および構造単位(b)の合
計の割合は、全構造単位中の65モル%以上であること
が好ましい。このような環状オレフィン系共重合体は、
後述する熱可塑性樹脂組成物を構成するための環状オレ
フィン系共重合体として好適である。
【0028】本発明の環状オレフィン系共重合体におい
ては、構造単位(a)および構造単位(b)の合計に対
する前記一般式(2)で表される構造単位および前記一
般式(4)で表される構造単位の合計の割合、すなわち
不飽和結合の水素化率が、90モル%以上であることが
好ましく、更に好ましくは95モル%以上、特に好まし
くは98モル%以上である。この割合(水素化率)が9
0モル%以上である場合には、当該共重合体は、耐熱性
が高いものとなりやすく、その結果、成形加工時や製品
としての使用時の加熱によってその特性が劣化すること
を防止または抑制される、という利点がある。
【0029】本発明の環状オレフィン系共重合体には、
上記の構造単位(a)および構造単位(b)以外の構造
単位(以下、「他の構造単位」という。)、例えばメタ
セシス触媒によって開環重合し得る単量体に由来する構
造単位が含有されていてもよい。このような他の構造単
位を導入するための単量体としては、シクロブテン、シ
クロペンテン、3−フェニルシクロペンテン、シクロヘ
プテン、シクロオクテンなどのシクロオレフィン類を用
いることができる。
【0030】本発明の環状オレフィン系共重合体は、1
35℃のデカリン中で測定される極限粘度[η〕が0.
2〜5の範囲にあるものであり、好ましくは0.3〜
2.5、特に好ましくは0.5〜1.5である。この極
限粘度[η〕が0.2以上である場合には、高い破壊強
度を有する環状オレフィン系重合体が得られる、という
利点がある。一方、この極限粘度[η〕が5以下である
場合には、当該環状オレフィン系重合体は、成形加工性
が良好であるため、成形時に熱劣化を起こすことなく、
また、複屈折の小さい成形体が得られる、という利点が
ある。また、本発明のオレフィン系共重合体は、ゲル透
過クロマトグラフィー法によって135℃のo−ジクロ
ロベンゼン溶媒で測定されるポリスチレン換算重量平均
分子量Mwが30,000〜500,000であること
が好ましく、更に好ましくは40,000〜400,0
00、特に好ましくは50,000〜200,000で
あり、ポリスチレン換算数平均分子量Mnが10,00
0〜300,000であることが好ましく、更に好まし
くは20,000〜200,000、特に好ましくは2
5,000〜100,000である。また、本発明の環
状オレフィン系共重合体のガラス転移温度は、20〜2
50℃であることが好ましく、更に好ましくは50〜2
00℃、特に好ましくは70〜170℃である。ここ
で、環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度は、示
差熱分析計(DSC)により測定することができる。
【0031】本発明の環状オレフィン系共重合体には、
例えば2,6−ジ−t−ブチル,4−メチルフェノー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチ
ルフェノール)、1,1’−−ビス−(4−ヒドロキシ
フェニル)−シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス
−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5
−ジ−t−ブチルヒドロキノン等の酸化防止剤や、例え
ば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等の紫外
線吸収剤を添加することができ、これにより、当該環状
オレフィン系共重合体の安定性をさらに向上させること
ができる。また、加工性を向上させるために、滑剤など
の従来から樹脂加工において用いられている添加剤を添
加することができる。本発明の環状オレフィン系共重合
体は、射出成形法、圧縮成形法、押出し成形法などの公
知の成形法を利用して、目的とする光学製品とすること
ができる。
【0032】本発明の環状オレフィン系共重合体は、特
定の官能基(基Xおよび/または基Z)を有する構造単
位(a)が、特定の割合で含有されているため、他の材
料例えば金属に対して高い接着性および密着性を有し、
しかも、吸湿性の低いものである。また、構造単位
(a)において、特定の官能基(基Xおよび/または基
Z)が結合した炭素原子に水素原子が結合されていない
場合には、結合した炭素原子から離脱してラジカルが発
生しやすい第三級水素原子が存在しないため、成形加工
時に、特定の官能基が分解することが抑制され、その結
果、他の材料に対する高い接着性および密着性が維持さ
れて好ましい。本発明の環状オレフィン系共重合体は、
以上のような性質を有するため、光ディスク、レンズ、
光ファイバー、液晶パネルに用いられる導光板やフィル
ムなどの光学材料、光半導体封止材料やその他の電子部
品材料として好適であり、その他には、自動車部品、電
気部品、医療容器などにも広く用いることができる。ま
た、本発明の環状オレフィン系共重合体は、それ自体単
独で使用することもできるが、後述する熱可塑性重合体
組成物のように、他の重合体の改質材として利用するこ
とができ、これにより、他の重合体に対して、例えば他
の材料に対する接着性および密着性、光学特性、その他
の特性を付与することができる。
【0033】〈環状オレフィン系共重合体の製造方法〉
以上のような環状オレフィン系共重合体は、以下のよう
にして製造することができる。先ず、周期表第2族、第
12族および第13族から選ばれた金属による有機金属
化合物(以下、「特定の有機金属化合物」という。)
と、特定の官能基含有環状オレフィンとを反応させるこ
とにより、特定の官能基含有環状オレフィンの官能基
(基Xおよび/または基Z)をマスキング処理する。
【0034】マスキング処理に用いられる特定の有機金
属化合物の具体例としては、ジエチル亜鉛などの有機亜
鉛化合物、ジブチルマグネシウム、エチルマグネシウム
クロライド、ブチルマグネシウムクロライドなどの有機
マグネシウム化合物、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、
メチルアルモキサン、ブチルアルモキサン等のトリアル
キルアルミニウムと水との反応物、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、イソブチルアルミニウムジハイドライド、エチルア
ルミニウムジハイドライド等の水素化有機アルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニ
ウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジエチルア
ルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロ
マイド等のハロゲン化有機アルミニウムなどの有機アル
ミニウム化合物が挙げられる。これらの中で有機アルミ
ニウム化合物が好ましく、特に好ましい有機アルミニウ
ム化合物としては、ハロゲン原子を含まないもの、具体
的にはトリアルキルアルミニウム、水素化有機アルミニ
ウムなどが挙げられる。
【0035】マスキング処理すなわち特定の官能基含有
環状オレフィンと特定の有機金属化合物との反応は、不
活性溶媒または希釈剤の存在下で、かつ、窒素ガス、ア
ルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス雰囲気下で
行うことが好ましい。ここで、不活性溶媒または希釈剤
としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチル
シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼンなどのハロゲン化炭化水素類を用いることができ
る。
【0036】また、特定の有機金属化合物は、特定の官
能基含有環状オレフィンにおける官能基1当量に対して
0.5当量以上となる割合で用いることが好ましく、よ
り好ましくは0.5〜3当量、さらに好ましくは0.7
〜2当量である。この割合が過小である場合には、マス
キングされない官能基が多量に残存するため、後述する
重合処理において触媒活性が低下して重合反応が十分に
進行しないことがある。特定の官能基含有環状オレフィ
ンと特定の有機金属化合物との反応条件は、用いられる
特定の有機金属化合物および特定の官能基含有環状オレ
フィンの種類によって異なるが、反応時間が、通常、5
分間以上、好ましくは15〜120分間であり、反応温
度が、通常、0〜160℃、好ましくは10〜50℃で
ある。
【0037】このようにしてマスキング処理された特定
の官能基含有環状オレフィンは、重合処理に供されるま
でに使用されるまで30℃以下の温度に貯蔵されること
が好ましく、これにより、副反応の発生を防止すること
ができる。また、マスキング処理された特定の官能基含
有環状オレフィンには、さらに、マスキングされた化合
物中に未反応の金属−炭素結合が存在する場合には、貯
蔵中の安定性を増すために、イソプロパノール、sec
−ブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキ
サノール、メタノール、エタノール、アミルアルコー
ル、ノニルアルコール、ドデカノールなどのアルコール
類、4−メチルフェノール、2,4,6−トリメチルフ
ェノール、ノニルフェノール、2,6−ジメチルフェノ
ール、2,6−ジtert−ブチルクレゾールなどのフ
ェノール類を添加することもできる。また、ハロゲン化
有機アルミニウムを用いる場合には、貯蔵中に特定の官
能基含有環状オレフィンにおける二重結合のカチオン反
応による消失を防止するために、弱いルイス塩基である
ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソールな
どのエーテル化合物や、酢酸エチル、プロピオン酸エチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸メチ
ル、テレフタル酸メチルなどの有機カルボン酸エステル
化合物、トリブチルリン酸エステル、トリオクチルリン
酸エステル、トリノニルリン酸エステルなどのリン酸エ
ステル類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリ
オクチルアミンなどのアミン類、トリフェニルホスフィ
ン、トリトリルホスフィン、トリキシリルホスフィン、
トリブチルホスフィンなどのホスフィン類を、ハロゲン
化有機アルミニウム1モルに対して0.01〜0.2モ
ルとなる割合で添加することができる。
【0038】そして、本発明の製造方法においては、マ
スキング処理された特定の官能基含有環状オレフィン
と、特定の環状オレフィンとを、メタセシス触媒の存在
下に開環重合させる。メタセシス触媒としては、種々の
ものを用いることができ、具体的には、以下のようなも
のが挙げられる。
【0039】(1)遷移金属の塩化物または臭化物を主
成分とするもの。 ここで、遷移金属としては、Ti、Zr、V、Nb、T
a、Cr、Mo、W、Re、Ru、Os、Irなどを用
いることができ、その塩化物および臭化物の具体例とし
ては、TiCl4 、TiBr4 、ZrCl4 、VC
4 、VOCl4 、NbCl5 、TaCl5 、MoCl
5 、WCl6 、WOCl4 、ReCl5 、RuCl3
OsCl3 、IrCl3 などを挙げることができる。こ
のような遷移金属の塩化物または臭化物は、単独でメタ
セシス触媒として用いることができるが、一般的には、
(C2 5 3 Al、(C4 9 3 Al、(C
2 5 2 AlCl、(C2 5 3 Al2 Cl3
(C2 5 )AlCl 2 、メチルアルモキサン、(C2
5 2 Al(OC2 5 )、(C4 9 )Li、Li
AlH4 、(CH3 4 Sn、(C4 9 4 Sn、
(C6 5 4 Snなどの有機金属化合物またはその水
素化物と併用してメタセシス触媒として用いられる。こ
のような有機金属化合物またはその水素化物は、通常、
遷移金属1グラム原子当たり1〜50モル、好ましくは
2〜20モルの範囲で用いられる。以上において、WC
6 、MoCl5 、ReCl5 を用いる場合には、エタ
ノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール
類,アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、エピクロル
ヒドリン、2,6−ジ−tブチルフェノール、2,6−
ジ−tブチルクレゾール、酸素、ベンゾイルパーオキシ
ド、水などを少量添加することにより、重合活性を向上
させることができる。また、TiCl4 を用いる場合に
は、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン類、ホス
フィン類など少量添加することにより、重合活性を向上
させることができる。
【0040】(2)金属カルベンまたは金属カルビンか
らなるもの。 ここで、金属カルベンまたは金属カルビンの具体例とし
ては、C6 5 (CH3 O)=W(CO)5 、C6 5
(C2 5 O)=W(CO) 5 、(C6 5 2 C=W
(CO)5 、H(C4 9 )C=W(OR162
17(但し、R16は、ブチル基,2,6−ジフェニルフェ
ニル基を示し、R17は塩素原子または臭素原子を示
す。)、Mo(=CH−t−C4 9 )(=N−2,6
−C6 3 −(i−C3 7 2 )(O−t−C
4 9 2 、W(=CH−t−C4 9 )(=N−2,
6−C 6 3 −(i−C3 7 2 )(Ot−C
4 9 2 、チタノセンジクロリドとトリメチルアルミ
ニウムとから得られるTebbe試薬(CP2 Ti=C
2 ・Al(CH3 2 Cl)と、エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、t−ブチルエチレン、スチレン、
1,1−ジシクロヘキシルエチレン、シクロペンテン、
ノルボルネン、アレン、メチルアレンなどのオレフィン
化合物との反応によって得られるチタナシクロブタン系
触媒などを挙げることができる。以上において、C6
5 (CH3 O)=W(CO)5 、C6 5 (C2
5 O)=W(CO)5 、(C6 5 2 C=W(CO)
5 、H(C4 9 )C=W(OR162 17をメタセシ
ス触媒として用いる場合には、AlBr3 ,GaBr 3
などのルイス酸を添加することにより、重合活性を向上
させることができる。
【0041】上記の触媒の使用割合は、目的とする共重
合体の分子量によって異なるが、通常、用いられる単量
体:触媒中の遷移金属原子が、モル比で1000:1〜
100000:1の範囲である。また、開環重合反応に
おいては、必要に応じて分子量調節剤を用いることがで
きる。かかる分子量調節剤の具体例としては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテンなどのα−オレフィンを挙げること
ができる。
【0042】開環重合反応は、適宜の溶媒の存在下で行
われることが好ましい。このような溶媒としては、例え
ば脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水
素類およびこれらのハロゲン化物、カルボン酸エステル
類、エーテル類を用いることができる。脂肪族炭化水素
類の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、
ヘプタンなどを挙げることができる。脂環式炭化水素類
としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロペンタン、メチルシクロヘキサンなどを挙げること
ができる。芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなど
を用いることができる。ハロゲン化炭化水素類の具体例
としては、ジクロルメタン、エチレンジクロライド、ク
ロルベンゼンなどを挙げることができる。カルボン酸エ
ステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、
プロピオン酸メチルなどを挙げることができる。エーテ
ル類の具体例としては、ジブチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタンなどを挙げることができ
る。上記の溶媒の使用割合は、用いられる単量体1重量
部に対して0.5〜10重量部であることが好ましい。
【0043】開環重合反応は、0〜150℃、特に10
〜100℃の温度で行われることが好ましい。また、開
環重合反応を行うための反応器は、バッチ式および連続
式のいずれであってもよい。連続式の反応器としては、
チューブ型反応器、塔型反応器、槽型反応器などを用い
ることができる。
【0044】開環重合反応は、反応系にアルコール、有
機酸、水、アルカリ金属塩などを添加することにより停
止することができる。開環重合反応が終了した後、後述
する水素添加を行う前に、水、アルコールを用いて、得
られた重合体溶液中の触媒の除去処理を行うことができ
るが、例えば高活性のメタセシス重合触媒を選択した場
合には、当該触媒の除去処理を行わなくてもよい。
【0045】本発明においては、上記の開環重合反応に
よって得られる共重合体に対して、適宜の触媒の存在下
に水素添加を行うことにより、一般式(1)で表される
構造単位および一般式(3)で表される構造単位(以
下、これらを「不飽和結合含有構造単位」ともいう。)
中の不飽和結合の水素化を行う。具体的には、開環重合
反応によって得られた重合体溶液に触媒を添加して水素
添加を行う。ここで、水素化反応を行うための触媒とし
ては、通常のオレフィン性化合物の水素化反応に用いら
れるものを使用することができ、具体的には、以下のも
のを挙げることができる。
【0046】本発明の官能基含有環状オレフィン系共重
合体の水素化触媒として (1)Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Irなどの金属
を、カーボン、アルミナ、シリカ、ケイソウ土などの坦
体に坦持した坦持型金属触媒。 (2)Co、Ru、Rh、Pt、Pdなどの貴金属錯体
触媒。具体的には、HCo[P(OC6 5 3 4
RuHCl(CO)(P(C 6 5 3 3 、RuHC
l(CO)(P(C6 5 3 2 (P(C6 5 CH
3 3 )、RuHCl(PC6 123 3 、RuH(N
O)(P(C6 5 3 3 、RuCl2 (P(C6
5 3 3 、RhCl(P(C6 5 3 3、RhH
(CO)(P(C6 5 3 3 などを挙げることがで
きる。 (3)Ti、Zr、Co、Niなどの有機金属錯体、ハ
ロゲン化物、有機酸塩と、Li、Alの有機金属化合物
とからなる触媒。具体的には、ビス(シクロペンタジエ
ニル)チタンジクロライドと、ブチルリチウムおよび/
またはトリエチルアルミニウムとからなる触媒、ビス
(シクロペンタジエニル)ジトリルチタンとブチルリチ
ウムとからなる触媒、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ベンジルチタンとブチルリチウムとジフェニルケトンと
ジエチルアルミニウムクロライドとからなる触媒、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコンジクロライドとメチ
ルアルモキサンとからなる触媒、オクタン酸コバルトと
ブチルリチウムとからなる触媒、オクタン酸コバルトと
トリエチルアルミニウムとからなる触媒、オクタン酸ニ
ッケルとブチルリチウムとからなる触媒、ナフテン酸ニ
ッケルとトリエチルアルミニウムとからなる触媒、オク
タン酸ニッケルとトリエチルアルミニウムとからなる触
媒、ビス(シクロオクタジエン)ニッケルとトリエチル
アルミニウムとからなる触媒などを挙げることができ
る。
【0047】水素化反応は、10〜200℃、好ましく
は50〜170℃で、10〜150kg/cm2 の水素
ガス雰囲気下において行うことができる。また、全不飽
和結合含有構造単位中の不飽和結合に対する水素化率
は、90%以上であることが好ましく、更に好ましくは
95モル%以上、特に好ましくは98%以上である。こ
のようにして水素化反応を行うことにより、一般式
(2)で表される構造単位および一般式(4)で表され
る構造単位を高い割合で含有する共重合体が得られ、こ
のような共重合体は優れた耐熱性を有するものとなり、
その結果、成形加工時や製品としての使用時の加熱によ
ってその特性が劣化することを防止または抑制すること
ができる。
【0048】本発明においては、以上のようにして水素
化が行われた共重合体に対して、脱マスキング処理を行
う。特定の官能基含有環状オレフィンとして、ヒドロキ
シル基またはカルボキシル基を有するものを用いた場合
には、脱マスキング剤として、シュウ酸、フマル酸、ジ
オクチル一リン酸、トリフロロ酢酸、ドデシルベンゼン
スルフォン酸、ノニルフェノキシポリエチレングリコー
ルのモノリン酸エステル、ノニルフェノキシポリエチレ
ングリコールのジリン酸エステル、ラウロキシポリエチ
レングリコールのモノリン酸エステル、ラウロキシポリ
エチレングリコールのジリン酸エステル等の比較的酸性
度の大きい酸が用いられる。一方、特定の官能基含有環
状オレフィンとして、アミノ基またはアミド基を有する
ものを用いた場合には、脱マスキング剤として、t−ブ
タノールと、リチウム、ナトリウムまたはカリウムとの
アルコラート、アミルアルコールと、リチウム、ナトリ
ウムまたはカリウムとのアルコラート、オクタン酸のリ
チウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩、ノニルフェ
ノールのリチウム塩またはカリウム塩などの塩基性の強
いアルコラートやフェノールまたは有機カルボン酸のア
ルカリ金属塩が用いられる。また、第4級アンモニウム
塩によって形成された官能基を有する環状オレフィン系
共重合体を製造する場合には、上記の脱マスキング処理
によって得られるアミノ基を有する共重合体に、有機カ
ルボン酸、有機リン酸、有機スルフォン酸、第三級炭素
原子、アリル位の炭素原子またはベンジル位の炭素原子
に、ハロゲン原子が結合した活性な有機ハロゲン化物な
どを作用させる。
【0049】本発明の製造方法においては、このように
して得られる環状オレフィン系共重合体を含有する重合
体溶液を、シリカ、アルミナ、ケイソウ土などが充填さ
れた吸着カラムを通過させることによって、或いは重合
体溶液に、水、アルコールなどを多量に添加して洗浄す
ることによって、残留する脱マスキング剤、重合触媒な
どの除去処理を行うことが好ましい。
【0050】そして、重合体溶液に水蒸気を吹き込むこ
とにより、溶媒の除去処理を行った後、得られるスラリ
ーから固形物を分離し、さらに押し出し機または熱風に
より脱水・乾燥することにより、固体状の環状オレフィ
ン系共重合体が得られる。或いは、重合体溶液を加熱す
ることによって濃縮し、その後、ベント付き押し出し機
を用いて乾燥処理することにより、固体状のオレフィン
系共重合体が得られる。
【0051】以上のような方法によれば、特定の官能基
含有環状オレフィンにおける官能基を、特定の有機金属
化合物によってマスキング処理するため、当該官能基が
確実にマスキングされる結果、重合反応において触媒の
活性が低下することがなく、しかも、重合反応において
立体障害が生ずることがなく、従って、所期の環状オレ
フィン系共重合体を確実に製造することができる。
【0052】〈熱可塑性重合体組成物〉本発明において
は、上記の構造単位(a)および構造単位(b)を有す
る環状オレフィン系共重合体(以下、「特定の環状オレ
フィン系共重合体」ともいう。)と、当該特定の環状オ
レフィン系共重合体以外の熱可塑性重合体(以下、「他
の重合体」ともいう。)とを混合することにより、熱可
塑性重合体組成物を調製することができる。
【0053】熱可塑性重合体組成物を構成するための他
の重合体としては、特定の環状オレフィン系共重合体と
十分な相溶性を有するものであれば、非晶性ポリマー、
結晶性ポリマー、液晶ポリマーなどの種々のものを用い
ることができる。かかる他の重合体の具体例としては、
特定の環状オレフィン系共重合体以外の環状オレフィン
系重合体、ノルボルネン系重合体、水素化石油樹脂、ス
チレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレーンスルフィド
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン
樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができる。
【0054】特定の環状オレフィン系重合体以外の環状
オレフィン系重合体およびノルボルネン系重合体(以
下、これらを「他の環状オレフィン系重合体」ともい
う。)としては、特開昭61−292601号公報およ
び特開昭60−168708号公報に記載された、チグ
ラー型触媒によるエチレンとノルボルネン系炭化水素化
合物との共重合体、特開昭60−26024号公報に記
載された、メタセシス触媒によるテトラシクロドデセン
系炭化水素化合物の単独またはノルボルネン系炭化水素
化合物の開環(共)重合体に水素添加して得られる重合
体、特開平2−51511号公報に記載された、エチレ
ンと、環状オレフィンと、極性基を有する環状オレフィ
ンとによる共重合体、特開平1−132625号公報、
特開平1−132626号公報、特開平4−20240
4号公報に記載された、メタセシス触媒による極性置換
基を有するノルボルネン誘導体の開環(共)重合体の水
素化物などを用いることができる。
【0055】本発明に有用なスチレン系樹脂としては、
ポリスチレン、ポリクロルスチレン、ポリα−メチルス
チレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合
体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリロ
ニトリル−メタクリル酸メチル共重合体などを挙げるこ
とができ、これらは、その1種のみでなく、2種以上を
用いることもできる。
【0056】本発明において有用な塩化ビニル系樹脂と
しては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと、50重量%以
下、好ましくは45重量%以下の塩化ビニルと共重合可
能な二重結合を少なくとも1個有する化合物との共重合
体を挙げることができる。この共重合可能な二重結合を
少なくとも1個有する化合物の具体例としては、塩化ビ
ニリデン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、(メ
タ)アクリル酸およびそれらのエステル、マレイン酸お
よびそれらのエステル、アクリロニトリルなどを挙げる
ことができる。塩化ビニル系樹脂の重合度は通常400
〜4500であり、特に400〜1500が好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを単独でまたは塩化ビ
ニルと前記共重合可能な化合物とをフリーラジカル触媒
の存在下で(共)重合することによって得られるもので
あり、その製造方法は広く知られている。
【0057】本発明において有用なポリアリーレンスル
フィド樹脂は、式−(Ar−S)−で表わされる構成単
位を70モル%以上含有してなるものである。ここで、
Arは、p−フェニレン、m−フェニレン、2,6−ナ
フタレン、4,4’−ビフェニレン、p,p’−ビベン
ジル、およびこれらの核置換体などの炭素原子数6以上
の芳香族基を表わす。これらのうち、核無置換のp−フ
ェニレン核からなる構造単位を有するポリ−p−フェニ
レンスルフィドが成形加工性の点から好ましい。式−
(Ar−S)−で表わされる構成単位が70モル%未満
である樹脂を用いると、得られるポリマーの結晶性の低
下、転移温度の低下および成形品の物性の低下などの好
ましくない結果を生じる。30モル%未満であれば、
1,2,4−結合フェニレン核などの3価以上の結合手
を有する芳香族基、脂肪族基、ヘテロ原子含有基などが
含有されていてもよい。上記ポリアリーレンスルフィド
樹脂を製造する方法としては、ジハロゲン化芳香族化合
物とジチオール芳香族化合物またはモノハロゲン化芳香
族チオールとの縮合反応、あるいはジハロゲン化芳香族
化合物と硫化アルカリあるいは水硫化アルカリとアルカ
リまたは硫化水素とアルカリ化合物からの脱塩縮合反応
を利用する方法などを例示することができるが、これら
に限定されるものではない。
【0058】本発明に有用なポリカーボネート樹脂の例
としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカ
ーボネート樹脂、脂肪族−芳香族ポリカーボネート樹脂
などを挙げることができる。一般には、2,2−ビス
(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシ
フェニル)エーテル系、ビス(4−オキシフェニル)ス
ルホンスルフィドまたはスルホキサイド系などのビスフ
ェノール類を重合して得られる重合体若しくは共重合体
であって、必要に応じてハロゲンにより置換されたビス
フェノール類を用いた重合体である。ポリカーボネート
樹脂の種類および製造方法については、例えば日刊工業
新聞社発刊(昭和44年9月30日発行)の「ポリカーボネ
ート樹脂」の記載を参照することができる。
【0059】本発明に有用なポリエステル樹脂の代表例
としては、ポリ(エチレンテレフタレート)(PE
T)、ポリ(プロピレンテレフタレート)、ポリ(ブチ
レンテレフタレート)(PBT)、ポリ(ペンタメチレ
ンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタレ
ート)などの芳香族ジカルボン酸と二価アルコールとか
ら得られるポリエステル樹脂および芳香族ジカルボン酸
と芳香族ジフェノールとから得られる芳香族ポリエステ
ル樹脂である、いわゆるポリアリレート樹脂を挙げるこ
とができる。ポリアリレート樹脂の具体例としては、ビ
スフェノールAとテレフタール酸またはイソフタール酸
とによるポリエステル樹脂およびコポリエステル樹脂を
例示することができる。これらのうち特に好ましいもの
は、PETおよびPBTである。
【0060】本発明に有用なポリアミド樹脂は、通常、
式:H2 N−(CH2 x −NH2(式中、xは3〜1
2の整数である。)で表わされる線状ジアミンと、式:
HOOC−(CH2 y −COOH(式中、yは2〜1
2の整数である。)で表わされる線状ジカルボン酸との
縮合によって製造されたもの、若しくはラクタムの開環
重合によって製造されたものを挙げることができる。こ
れらのポリアミド樹脂の好ましい例としては、ナイロン
6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12 、ナイ
ロン4,6、ナイロン3,4、ナイロン6,9、ナイロ
ン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン4などが
挙げられる。また、ナイロン6/6,10、ナイロン6
/6,12、ナイロン6/4,6、ナイロン6/12、
ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,6/6,10、
ナイロン6/4,6/6,6、ナイロン6/6,6/
6,12、ナイロン6/4,6/10、ナイロン6/
4,6/12などの共重合体ポリアミド類を挙げること
ができる。さらにナイロン6/6,T(T:テレフタル
酸成分)、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジ
カルボン酸とメタキシリレンジアミンまたは脂環族ジア
ミンとにより得られる半芳香族ポリアミド樹脂、メタキ
シリレンジアミンと上記線状ジカルボン酸とにより得ら
れるポリアミド樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエ
ーテルアミド樹脂およびポリエステルエーテルアミド樹
脂などを挙げることができる。
【0061】以上において、本発明の効果が十分に発揮
される好ましい熱可塑性重合体組成物としては、以下の
ものが挙げられる。 (イ)特定の環状オレフィン系共重合体と、極性基を有
しない他の環状オレフィン系重合体とを含有してなる熱
可塑性重合体組成物。このような熱可塑性重合体組成物
によれば、極性基を有しない他の環状オレフィン系重合
体の欠点であった他の材料に対する低い接着性および密
着性が改善される。 (ロ)特定の環状オレフィン系共重合体と、極性基を有
する他の環状オレフィン系重合体とを含有してなる熱可
塑性重合体組成物。このような熱可塑性重合体組成物に
よれば、極性基を有する他の環状オレフィン系重合体に
おける接着性および密着性が更に向上し、また、光学特
性も向上し、光学材料や電子部品材料として一層好適な
ものとなる。 (ハ)特定の環状オレフィン系共重合体と、ポリメチル
メタクリレート、ポリアリレートまたはポリカーボネー
トなどとを含有してなる熱可塑性重合体組成物。このよ
うな熱可塑性重合体組成物によれば、ポリメチルメタク
リレート、ポリアリレートまたはポリカーボネートなど
における光学特性が向上する。 (ニ)特定の環状オレフィン系共重合体と、水素化石油
樹脂とを含有してなる熱可塑性重合体組成物。このよう
な熱可塑性重合体組成物によれば、特定の環状オレフィ
ン系共重合体の透明性が確保された状態で、当該特定の
環状オレフィン系共重合体の流動性が向上し、更に光学
特性が向上する。 (ホ)特定の環状オレフィン系共重合体と、他の環状オ
レフィン系重合体と、水素化石油樹脂とを含有してなる
熱可塑性重合体組成物。このような熱可塑性重合体組成
物によれば、特定の環状オレフィン系共重合体および他
の環状オレフィン系重合体の透明性が確保された状態
で、当該特定の環状オレフィン系共重合体および他の環
状オレフィン系重合体の流動性が向上し、更に光学特性
が向上する。なお、上記(イ)〜(ホ)以外の熱可塑性
重合体組成物においても、特定の環状オレフィン系共重
合体と他の重合体との相溶性が良好で、他の材料に対す
る低い接着性および密着性が改善される。
【0062】本発明の熱可塑性重合体組成物において、
特定の環状オレフィン系共重合体と他の重合体との割合
は、特定の環状オレフィン系共重合体および他の重合体
の種類、両者の相溶性、組成物の使用目的に応じて適宜
選択されるが、金属に対する高い接着性および密着性を
有すると共に、優れた耐熱性を有する重合体組成物が得
られる点で、組成物全体における特定の環状オレフィン
系共重合体の割合が5〜95重量%であることが好まし
く、更に好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは
20〜80重量%である。
【0063】本発明の熱可塑性重合体組成物には、ゴム
質重合体およびゴム強化熱可塑性樹脂が、それぞれ単独
であるいはこれらの両方が含有されていてもよい。この
ようにゴム質重合体および/またはゴム強化熱可塑性樹
脂を更に含有することにより、熱可塑性重合体組成物の
耐衝撃性を向上させることができる。ここで、ゴム質重
合体とは、ガラス転移温度が0℃以下の重合体であっ
て、通常のゴム状重合体および熱可塑性エラストマーが
含まれる。
【0064】ゴム状重合体の具体例としては、例えばエ
チレン−α−オレフィン系ゴム質重合体;エチレン−α
−オレフィン−ポリエン共重合ゴム;エチレン−メチル
メタクリレート、エチレン−ブチルアクリレートなどの
エチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エ
チレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの
共重合体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重
合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブ
タジエンまたはスチレン−イソプレンのランダム共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエ
ン−イソプレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)
アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル
−アクリロニトリル−スチレン共重合体などのジエン系
ゴム;ブチレン−イソプレン共重合体などが挙げられ
る。また、ゴム質重合体は、上記のゴム状重合体をジビ
ニルベンゼンなどの公知の架橋剤を使用して架橋させた
ものであってもよい。これらは、単独でまたは2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0065】上記エチレン−α−オレフィン系ゴム質重
合体において、エチレンとα−オレフィンの割合は、重
量比で95:5〜5:95、好ましくは95:5〜2
0:80、更に好ましくは92:8〜60:40、特に
好ましくは85:15〜70:30とされる。ここで使
用されるα−オレフィンは、炭素数が3〜20の不飽和
炭化水素化合物であり、その具体例としては、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテ
ン−1、4−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−
1などを挙げることができる。特に好ましいものはプロ
ピレンである。上記エチレン−α−オレフィン系ゴム質
重合体におけるシクロヘキサン不溶分は、最終的に得ら
れる熱可塑性重合体組成物の成形加工性と耐衝撃性に影
響を与える成分であり、このことを考慮して、その割合
は50重量%以下、好ましくは5重量%以下とされる。
上記エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体のた
めのポリエン化合物としては、1,4−ペンタジエン、
1,5−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジ
エン、3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,
7−オクタジエン、1,9−デカジエン、6−メチル−
1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、7−メ
チル−1,6−オクタジエン、9−メチル−1,9−ウ
ンデカジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、
1,4,9−デカトリエン、4−ビニル−1−シクロヘ
キサジエン、シクロペンタジエン、2−メチル−2,5
−ノルボルナジエン、5−メチル−2−ノルボルナジエ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロ
ピリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2
−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペ
ンタジエンなどを挙げることができる。上記のゴム状重
合体よりなるゴム質重合体は、そのムーニー粘度 (ML
1+4、100℃)が5〜200であることが好ましい。
【0066】ゴム質重合体として用いられる熱可塑性エ
ラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素
化スチレン−イソプレンブロック共重合体などの芳香族
ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体、低結晶性ポリ
ブタジエン樹脂、エチレン−プロピレンエラストマー、
スチレングラフトエチレン−プロピレンエラストマー、
熱可塑性ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオ
ノマー樹脂などを挙げることができる。芳香族ビニル−
共役ジエン系ブロック共重合体としては、α−β、α−
β−α、α−β−γ、α−β1 −β2 、α/β、α−α
/β、α−α/β−γ、α−α/β−α、β2 −β1
β2 、γ−β、γ−β−γ、γ−α/β−γ、γ−α−
β〔式中、αは芳香族ビニル化合物重合体、βは共役ジ
エン化合物重合体、β1はビニル結合含有量が20重量
%以上の共役ジエン化合物重合体、β2 はビニル結合含
有量が20重量%未満の共役ジエン化合物重合体、α/
βは芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物のランダム
共重合体、γは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物
の共重合体であり、かつ芳香族ビニル化合物が漸増する
テーパー重合体を表わす。〕やこれらの水素添加物を挙
げることができる。特に透明性の優れた熱可塑性重合体
組成物を得るために好ましいゴム質重合体としては、水
素化スチレン−ブタジエンランダム共重合体、ブロック
共重合体またはブロック−ランダム共重合体であってス
チレン含有量が20〜45重量%のもの、並びにブタジ
エンとアクリル酸エステルの共重合体であってしかもブ
タジエンとアクリル酸エステルの重量比が10〜90:
90〜10であるもの、並びにこれらの100重量部に
スチレンおよび/またはアクリロニトリルが0〜30重
量部の割合で共重合されたものおよびその水素添加物を
挙げることができる。
【0067】ゴム質重合体は、特定の環状オレフィン系
重合体との相溶性を向上させる目的で、エポキシ基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物
基、オキサゾリン基などの官能基によって変性されたも
のであってもよい。このゴム質重合体の変性のために使
用される官能基を有する不飽和化合物の量は、熱可塑性
重合体組成物全体の0.01〜30重量%の範囲内であ
ることが好ましい。
【0068】本発明の熱可塑性重合体組成物に用いるこ
とのできるゴム強化熱可塑性樹脂は、ゴム質重合体の存
在下において、これと共重合可能な単量体あるいは単量
体混合物、例えば芳香族ビニル化合物、マレイミド系化
合物、ビニルシアン化合物およびこれらと共重合可能な
他のビニル単量体などを共重合してなる熱可塑性の共重
合体である。ここに、ゴム強化熱可塑性樹脂を得るため
のゴム質重合体の例としては、前記ゴム質重合体と同様
のものを挙げることができる。これらのゴム質重合体は
単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。これらのうち、物性上好ましいゴム質重合体はジエ
ン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエンターポリマーである。
【0069】ゴム質重合体の存在下に共重合される芳香
族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モ
ノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチ
レン、ジブロムスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、ジメチルスチ
レンなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2
種以上を組み合わせて用いることができる。これらのう
ち好ましく用いられる芳香族ビニル化合物はスチレンで
ある。マレイミド系化合物の具体例としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどを挙げること
ができ、好ましくはN−フェニルマレイミド、N−o−
クロルフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミドなどであり、これらは単独でまたは2種以上を組み
合わせて用いることができる。ビニルシアン化合物の具
体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などを挙げることができ、これらのちで好ましいものは
アクリロニトリルである。他の共重合可能なビニル化合
物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、プロピルアクリレートなどのアクリル酸のア
ルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレートなどのメタクリル酸
のアルキルエステル;無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物を挙げるこ
とができ、これらは、単独でまたは2種以上を用いるこ
とができる。
【0070】以上のようなゴム強化熱可塑性樹脂の具体
例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プ
ロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)、メチルメタク
リレート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、
アクリロニトリル−ブタジエン−メチルメタクリレート
−スチレン樹脂(ABMS樹脂)、アクリロニトリル−
n−ブチルアクリレート−スチレン樹脂(AAS樹
脂)、ゴム変性ポリスチレン(ハイインパクトスチレ
ン)などを挙げることができ、これらは、単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0071】ゴム質重合体および/またはゴム強化熱可
塑性樹脂を含有させる場合において、その含有割合は、
最終的に得られる熱可塑性重合体組成物全体の2〜98
重量%の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは
5〜95重量%、特に好ましくは10〜90重量%の範
囲である。
【0072】本発明の熱可塑性重合体組成物は、単軸押
出機または二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ミキシングロールなどを用いる通常の方法により、
特定の環状オレフィン系共重合体、他の重合体およびそ
の他の成分を混合することによって得ることができる。
一例を示せばミキサーで各成分を混合した後、押出機で
220〜350℃で溶融混練して造粒物を得る方法、更
に簡単な方法としてこれらの成分を直接成形機内で溶融
混練して成形物を得る方法などを挙げることができる。
【0073】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】〈実施例1〉 (1)特定の官能基含有環状オレフィンのマスキング処
理:反応容器内に溶媒としてトルエンを入れた後、さら
に5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]
−2ヘプテン1.0ミリモル(15.2g)と、トリイ
ソブチルアルミニウム1.0ミリモルとを添加し、窒素
雰囲気下に25℃で30分間反応させることにより、5
−カルボキシ−5メチルビシクロ[2.2.1]−2−
ヘプテンにおけるカルボキシル基のマスキング処理を行
った。
【0075】(2)開環重合反応:窒素雰囲気下におい
て、反応容器内にテトラシクロ[4.4.0.12,5
7, 10]−3−ドデセン31.25ミリモル(50g)
と、マスキング処理された5−カルボキシ−5−メチル
ビシクロ[2.2.1]−2ヘプテン0.50ミリモル
と、溶媒としてトルエン500mLと、分子量調節剤と
して1−ヘキセン10.2gとを仕込み、この系を50
℃に加温した後、メタセシス触媒として六塩化タングス
テン0.0637ミリモルおよびトリエチルアルミニウ
ム0.637ミリモルを添加し、50℃、2時間の条件
で、テトラシクロ[4.4.0.12,57,10]−3−
ドデセンおよびマスキング処理された5−カルボキシ−
5−メチルビシクロ[2.2.1]−2ヘプテンの開環
重合反応を行った。この開環重合反応における転化率は
97%であった。また、得られた共重合体の一部を採取
し、シュウ酸を含有するメタノール溶液に添加して脱マ
スキング処理を行った後、135℃のデカリン中で極限
粘度[η]を測定したところ、0.65であり、赤外線
吸収スペクトルを測定し、カルボニル部分の吸収強度と
オレフィン部分の吸収強度とから、5−カルボキシ−5
−メチルビシクロ[2.2.1]−2ヘプテンに由来す
る構造単位を求めたところ、1.6モル%であった。
【0076】(3)水素化反応:窒素雰囲気下に、得ら
れた重合体溶液をステンレス製のオートクレーブ内に移
し、この重合体溶液に、触媒としてRuHCl(CO)
(P(C6 5 3 30.0490ミリモルを添加し
て攪拌した。次いで、オートクレーブ内を100Kg/
cm2 の水素ガス雰囲気とし、その後、オートクレーブ
内の温度を徐々に上昇させて165℃とし、この状態で
系を4時間攪拌することにより、共重合体の水素化反応
を行った。 (4)脱マスキング処理:得られた重合体溶液に、5.
0mmolのシュウ酸を含有するメタノール溶液を添加
して30分間攪拌することにより、脱マスキング処理を
行った。
【0077】以上のようにして得られた環状オレフィン
系共重合体について分析したところ、135℃のデカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が0.63、ゲル透過ク
ロマトグラフィー法によって測定したポリスチレン換算
重量平均分子量Mwが75,000、ポリスチレン換算
数平均分子量Mnが39,000であった。また、示差
熱分析計(DSC)によって、10℃/minの昇温速
度で−20℃〜200℃の範囲で測定したガラス転移温
度は165℃であった。また、 1H−NMRによって水
素化率を測定したところ99.5%であった。
【0078】〈比較例1〉5−カルボキシ−5−メチル
ビシクロ[2.2.1]−2ヘプテンを用いず、脱マス
キング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様
にして環状オレフィン系重合体を得た。この環状オレフ
ィン系重合体について分析したところ、135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度[η]が0.62、ゲル透過
クロマトグラフィー法によって測定したポリスチレン換
算重量平均分子量Mwが73,000、ポリスチレン換
算数平均分子量Mnが38,000であった。また、示
差熱分析計(DSC)によって、10℃/minの昇温
速度で−20℃〜200℃の範囲で測定したガラス転移
温度は165℃であった。また、 1H−NMRによって
水素化率を測定したところ99.5%であった。
【0079】〈比較例2〉テトラシクロ[4.4.0.
2,5 7,10]−3−ドデセンの代わりに、8−メチル
−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 7,10]−3−ドデセンを用いたこと以外は、比
較例1と同様にして環状オレフィン系重合体を得た。こ
の環状オレフィン系重合体について分析したところ、1
35℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.6
4、ゲル透過クロマトグラフィー法によって測定したポ
リスチレン換算重量平均分子量Mwが74,000、ポ
リスチレン換算数平均分子量Mnが39,000であっ
た。また、示差熱分析計(DSC)によって、10℃/
minの昇温速度で−20℃〜200℃の範囲で測定し
たガラス転移温度は171℃であった。また、 1H−N
MRによって水素化率を測定したところ99.6%であ
った。
【0080】上記の実施例1および比較例1で得られた
環状オレフィン系共重合体について、以下の項目の評価
を行った。以上、結果を表1に示す。 (1)屈折率:ASTM D542に準拠し、25℃に
おけるD線(589nm)の屈折率n 25 D を測定した。 (2)全光線透過率:ASTM D1003に準拠し、
厚みが3.2mmの試験片により全光線透過率を測定し
た。 (3)光弾性係数:エリプソメータにより、波長630
nmの光弾性係数を測定した。 (4)吸水率:23℃の水中に24時間浸漬させた後、
吸水率を測定した。 (5)密着性:10cm×10cmの試験片にアルミニ
ウムを蒸着し、この蒸着膜に対して、カッターにより、
1mm×1mmの碁盤目が10個×10個形成されるよ
う切り込みを入れ、セロハンテープによる剥離試験を行
い、25ブロック中における剥離したブロックの数を測
定した。
【0081】
【表1】
【0082】表1の結果から明らかなように、実施例1
に係る環状オレフィン系共重合体は、優れた光学特性を
有するものであり、金属に対する接着性および密着性が
高く、また、吸湿性が小さいものであることが確認され
た。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の環状オレ
フィン系共重合体は、優れた光学特性を有するものであ
り、また、特定の官能基(基Xおよび/または基Z)を
有する構造単位(a)が、特定の割合で含有されている
ため、他の材料例えば金属に対して高い接着性および密
着性を有し、しかも、吸湿性の低いものである。また、
構造単位(a)において、特定の官能基(基Xおよび/
または基Z)が結合した炭素原子に水素原子が結合され
ていない場合には、結合した炭素原子から離脱してラジ
カルが発生しやすい第三級水素原子が存在しないため、
成形加工時に、特定の官能基が分解することが抑制さ
れ、その結果、他の材料に対する高い接着性および密着
性が維持される。本発明の環状オレフィン系共重合体
は、以上のような性質を有するため、光ディスク、レン
ズ、光ファイバー、液晶パネルに用いられる導光板やフ
ィルムなどの光学材料、光半導体封止材料やその他の電
子部品材料として好適であり、その他には、自動車部
品、電気部品、医療容器などにも広く用いることができ
る。
【0084】本発明の環状オレフィン系共重合体の製造
方法によれば、優れた光学的性質を有し、他の材料に対
する接着性および密着性が高く、しかも、吸湿性が小さ
い環状オレフィン系共重合体を確実に製造することがで
きる。
【0085】本発明の熱可塑性重合体組成物は、上記の
環状オレフィン系共重合体が含有されているため、他の
材料に対する接着性および密着性が向上し、また、光学
特性が向上し、更に上記の環状オレフィン系共重合体に
起因する種々の特性が付与されたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮木 伸行 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 海津 充孝 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BA01X BB10X BC03X BC09X BC11X BD03X BG04X CE00W CE00X CF05X CF16X CG00X CH07X CL01X CL03X CL05X CL07X CL08X CM04X CN01X CN03X FD050 FD070 GJ02 GP00 GP01 GQ01 GS02 4J032 CA23 CA24 CA27 CA28 CA35 CA36 CA43 CA45 CA68 CB04 CB05 CB11 CB12 CB13 CC02 CC03 CD02 CD03 CD04 CD05 CD09 CE03 CE22 CF03 CF06 CG02 CG07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)または下記一般式
    (2)で表わされる構造単位(a)と、 下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される構
    造単位(b)とを有してなり、 135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.
    2〜5dl/gであることを特徴とする環状オレフィン
    系共重合体。 【化1】 〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して水素原子
    または炭化水素基を示し、XおよびZは、それぞれ独立
    して水素原子、炭化水素基または下記の官能基を示し、
    XおよびZのうち少なくともいずれか一方は官能基であ
    る。nは0〜2の整数を示す。 官能基:ヒドロキシル基若しくはヒドロキシル基が結合
    した炭化水素基、カルボキシル基若しくはカルボキシル
    基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、第二級アミ
    ノ基、これらのアミノ基が結合した炭化水素基若しくは
    これらの第四級アンモニウム塩、アミド基、N置換炭化
    水素基を有すると共にN活性水素を有するアミド基若し
    くはこれらのアミド基が結合した炭化水素基、およびX
    とZとから構成された−CO−NH−CO−で表される
    イミド基から選ばれた官能基。〕 【化2】 〔式中、R3 〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
    子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、これらは
    それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R 11〜R
    14は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
    0の炭化水素基またはその他の1価の有機基を示し、こ
    れらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ま
    た、R11とR12とまたはR13とR14とは、一体化して2
    価の炭化水素基を形成していてもよく、R11またはR12
    とR13またはR14とは、互いに結合して単環または多環
    構造を形成していてもよい。mは0または正の整数であ
    り、pは0または正の整数である。〕
  2. 【請求項2】 全構造単位中における構造単位(a)の
    割合が0.005〜40モル%であることを特徴とする
    請求項1に記載の環状オレフィン系共重合体。
  3. 【請求項3】 構造単位(a)および構造単位(b)の
    合計に対する一般式(2)で表される構造単位および一
    般式(4)で表される構造単位の合計の割合が90モル
    %以上であることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の環状オレフィン系共重合体。
  4. 【請求項4】 ガラス転移温度が20〜250℃の範囲
    にあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の環状オレフィン系共重合体。
  5. 【請求項5】 下記一般式(5)で表される官能基含有
    環状オレフィンと、周期表第2族、第12族および第1
    3族から選ばれた金属による有機金属化合物とを反応さ
    せ、 得られた反応生成物と、下記一般式(6)で表される環
    状オレフィンとを、メタセシス触媒の存在下に開環重合
    させる工程を有することを特徴とする環状オレフィン系
    共重合体の製造方法。 【化3】 〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して水素原子
    または炭化水素基を示し、XおよびZは、それぞれ独立
    して水素原子、炭化水素基または下記の官能基を示し、
    XおよびZのうち少なくともいずれか一方は官能基であ
    る。nは0〜2の整数を示す。 官能基:ヒドロキシル基若しくはヒドロキシル基が結合
    した炭化水素基、カルボキシル基若しくはカルボキシル
    基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、第二級アミ
    ノ基、これらのアミノ基が結合した炭化水素基若しくは
    これらの第四級アンモニウム塩、アミド基、N置換炭化
    水素基を有すると共にN活性水素を有するアミド基若し
    くはこれらのアミド基が結合した炭化水素基、およびX
    とZとから構成された−CO−NH−CO−で表される
    イミド基から選ばれた官能基。〕 【化4】 〔式中、R3 〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
    子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、これらは
    それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R 11〜R
    14は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
    0の炭化水素基またはその他の1価の有機基を示し、こ
    れらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ま
    た、R11とR12とまたはR13とR14とは、一体化して2
    価の炭化水素基を形成していてもよく、R11またはR12
    とR13またはR14とは、互いに結合して単環または多環
    構造を形成していてもよい。mは0または正の整数であ
    り、pは0または正の整数である。〕
  6. 【請求項6】 周期表第2族、第12族および第13族
    から選ばれた金属による有機金属化合物は、一般式
    (5)で表される官能基含有環状オレフィンにおける官
    能基1当量に対して0.5当量以上となる割合で用いら
    れることを特徴とする請求項5に記載の環状オレフィン
    系共重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 開環重合させることによって得られる共
    重合体を水素添加することを特徴とする請求項5または
    請求項6に記載の環状オレフィン系共重合体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の環状オレフィン系共重合体と、この環状オレフィン系
    共重合体以外の熱可塑性重合体とを含有してなることを
    特徴とする熱可塑性重合体組成物。
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