JP2001185986A - 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法 - Google Patents

圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法

Info

Publication number
JP2001185986A
JP2001185986A JP36495999A JP36495999A JP2001185986A JP 2001185986 A JP2001185986 A JP 2001185986A JP 36495999 A JP36495999 A JP 36495999A JP 36495999 A JP36495999 A JP 36495999A JP 2001185986 A JP2001185986 A JP 2001185986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
base
piezoelectric
sealing
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36495999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Endo
秀男 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP36495999A priority Critical patent/JP2001185986A/ja
Publication of JP2001185986A publication Critical patent/JP2001185986A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/4805Shape
    • H01L2224/4809Loop shape
    • H01L2224/48091Arched
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/161Cap
    • H01L2924/1615Shape
    • H01L2924/16195Flat cap [not enclosing an internal cavity]

Landscapes

  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビームによる封止時の蓋体の変形を防止
して、高品質な圧電振動子及び圧電発振器を得ることが
できる封止方法と、この封止方法により製造される圧電
振動子及び圧電発振器を提供すること。 【解決手段】 圧電振動素子31と、前記圧電振動素子
を収納するためのベース32と、前記圧電振動素子がベ
ースに収納された状態で前記ベースを密封するための金
属製の蓋体33とを備え、前記蓋体33の厚みdを0.
02mm乃至0.05mm程度に設定するようにした、
圧電振動子の封止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動素子を収
納するためのベース部と、このベース部を密封するため
の蓋体とを接合して、圧電振動素子を封止した圧電振動
子または圧電発振器とその封止方法の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図10は、一般的な圧電振動子の一例を
示す一部切断斜視図である。
【0003】この圧電振動子10は、板状の圧電振動素
子11を収納する空間部12aが形成された箱状のベー
ス12と、空間部12aを密封するようにベース12に
接合された板状の蓋体13を備えている。圧電振動素子
11は、一端部11aが空間部12a内に一体に設けた
段部に配設されている電極14上に図示しない接着剤を
介して接続固定され、他端部11bが自由端とされてい
る。ベース12と蓋体13は、封止材(ロウ材)15を
介して接合されている。
【0004】ここで、圧電振動素子11の材料として
は、例えば水晶が用いられ、ベース12の材料として
は、アルミナ等のセラミックが用いられ、蓋体13の材
料としては、コバール等の金属あるいはアルミナ等のセ
ラミックが用いられる。また、封止材15の材料として
は、低融点ガラスまたは銀ロウや半田、AuSnあるい
はニッケル等が用いられる。 すなわち、圧電振動子1
0は、具体的には、図11のフローチャートに示されて
いる工程により、製造される。
【0005】図において、先ず、アルミナ等のセラミッ
ク材料により、ベース12が形成され、圧電振動子10
に対応するように、電極部が例えばメッキ等により形成
される(ST1)。
【0006】このベース12の電極部に、励振電極や接
続電極がベース蒸着により形成された圧電振動素子11
が、図10に示すように導電性接着剤を介してマウント
される(ST2)。次に、圧電振動素子11の表面に電
子ビーム等を当てて、重さ調整することにより、周波数
調整を行う(ST3)。
【0007】次いで、上記ベース12上に図10に示す
ように蓋体13を載せて、例えば蓋体13の表面に対し
て、上方から後述するようにして電子ビームを照射する
ことにより、封止を行う(ST4)。
【0008】封止完了後には、蓋体13の表面等に印刷
等の手段により必要な文字等を記入するマーキングを行
い(ST5)、検査工程へ送られる(ST6)。そし
て、必要な検査により合格判定されることで、圧電振動
子または圧電発振器が完成する。
【0009】ところで、ST4の封止工程は蓋体13の
表面に電子ビームを照射することにより、行われてい
る。そして、このような電子ビームによる封止は、図1
2に示すような電子ビームの照射装置16が用いられ
る。
【0010】図において、電子ビーム照射装置16は、
電子ビームEを照射するための電子銃17と、電子銃1
7から発射された電子ビームEを収束させる収束レンズ
19aと、収束させた電子ビームEに所定の磁界を加え
てその照射方向を制御する偏向器19bとを備えてい
る。
【0011】これにより、電子ビーム照射装置16は、
偏向器19bの機能に基づいて、試料に対して適切に電
子ビームEを照射することができるようになっている。
【0012】このような電子ビーム照射装置16を用い
て、上記封止工程は、図13に示すように行われてい
る。
【0013】先ず、所定の形状に形成した蓋体13の接
合面側に封止材15を配置する。この封止材15は例え
ば銀ロウである。そして、ベース12上に、封止材15
が配置された蓋体13の接合面を向けて載置する。
【0014】ここで、ベース12の上記蓋体13に対す
る接合面には、複数の種類の金属を積層することにより
形成した金属被覆層12eが設けられている。この金属
被覆層12eは、上から金(Au)による被覆層12
d、ニッケル(Ni)による被覆層12b、タングステ
ン(W)によるタングステン被覆層12cとでなってい
る。
【0015】この状態で、蓋体13の表面に対して、上
方より電子ビームEが照射されて封止材15と金(A
u)による被覆層12d及びニッケル(Ni)による被
覆層12bとが加熱溶融されて、ベース12と蓋体13
が接合される。
【0016】具体的には、電子ビームEを蓋体13の上
面に対して照射し、加熱された熱がビーム照射位置の直
下の封止材15と金(Au)による被覆層12d及びニ
ッケル(Ni)による被覆層12bとに伝えられ、この
電子ビームEが照射された領域Pを中心として蓋体13
の下面とベース12の上端面との間で溶融されて固定さ
れる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな電子ビームを用いた封止方法によると、図14に示
すような不都合が生じることがある。
【0018】すなわち、蓋体13の表面に上方から電子
ビームEを照射すると、蓋体13が図示するように変形
することがある。つまり、図14の下部に拡大して示す
ように、電子ビームEが照射された蓋体13表面に端部
13aが上方に折れ曲がるように変形して蓋体13とベ
ース12との間に間隔SUが生じてしまう。
【0019】また、これにより、後述する理由で錆が発
生し、製品の品質を損なうという問題があった。
【0020】そこで、このような蓋体13の変形を極力
防止するために、次のような方法も考えられる。
【0021】図15は、圧電振動子10の上記封止工程
において使用される封止治具の一例を示す概略分解斜視
図であり、図16は、この封止治具20により、ベース
12と蓋体13とを保持した状態を示す概略断面図であ
る。
【0022】これらの図において、この封止治具20
は、圧電振動子10のベース12を収容する位置決め穴
23を有する位置決め治具22と、ベース12に載置さ
れる蓋体13を、図において上から押さえて支持するた
めの押さえ手段としての押さえ板21を備えている。
【0023】位置決め治具22は、封止治具20の本体
であり、上面に位置決め穴23が開口している。この位
置決め穴23は、ベース12の外形に沿って、僅かに大
きく形成されており、ベース12を収容した状態で動か
ないように保持できるようになっている。蓋体13も位
置決め穴23によりガイドされる。
【0024】押さえ手段としての押さえ板21は、例え
ば平板なプレートでなり、貫通穴24を備えている。こ
の貫通穴24は、後述するように、ベース12の外形よ
りも僅かに小さく形成されており、ベース12との間に
蓋体13を挟んだ状態にて、上方から押さえることで、
ベース12と蓋体13とが互いに位置ずれしないように
保持する。
【0025】これにより、押さえ板21が、蓋体13に
対して、上から加重をかけて押さえることによって、蓋
体13の端部の変形を防止するようにしたものである。
【0026】しかしながら、このような方法は、上述し
た複数部材でなる治具を特別に用意する必要がある。し
かも、このような封止治具20を用いて、封止を試みて
も、蓋体13の変形を、確実には抑制することができな
かった。
【0027】本発明の目的は、上記課題を解消して、電
子ビームによる封止時の蓋体の変形を防止して、高品質
な圧電振動子及び圧電発振器を得ることができる封止方
法と、この封止方法により製造される圧電振動子及び圧
電発振器を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明によれば、圧電振動素子と、前記圧電振動素子を収
納するためのベースと、前記圧電振動素子がベースに収
納された状態で前記ベースを密封するための金属製の蓋
体とを備え、蓋体表面に電子ビームを照射することによ
り封止する圧電振動子の封止方法において、前記蓋体の
厚みに関して、蓋体が大気圧によりたわむ限界厚みより
も厚く、かつ蓋体表面に照射される電子ビームの熱を蓋
体を構成する金属材料の融点以下に設定した状態にて、
蓋体の裏面のロウ材に、このロウ材を溶融することがで
きる温度が伝達することを妨げることがない程度の厚み
に設定するようにした、圧電振動子の封止方法により、
達成される。
【0029】請求項1の構成によれば、本発明の封止方
法では、先ず、圧電振動子の蓋体の厚みに関して、蓋体
が大気圧によりたわむ限界厚みよりも厚く、かつ蓋体表
面に照射される電子ビームの熱を蓋体を構成する金属材
料の融点以下に設定している。これは、上述したよう
に、電子ビームによる封止工程にて、蓋体の変形が生じ
る原因について、本発明者等が種々検討したところ、蓋
体の変形は、電子ビームが照射されることにより、蓋体
の表面が溶融することに起因して、反りを生じることが
判明した。すなわち、蓋体を構成する金属材料の融点以
上に加熱すると、このような反りを生じるものと考えら
れる。また、電子ビームの熱量が適切であっても、蓋体
の厚みが薄過ぎると、封止後に大気圧中で蓋体の変形を
生じてしまうことも確認できたからである。
【0030】そして、このような変形が、蓋体とベース
との間に隙間をつくってしまう。また、蓋体表面の電子
ビームが照射された箇所に、蓋体を構成する金属材料の
融点よりも高い熱が作用することで、この表面が溶けた
跡が残り、このような隙間や表面の溶けた跡の凹凸部
に、雰囲気中の湿度に基づく水分が凝固すると、蒸発し
にくく、錆が発生する原因となることが判明した。そし
て、蓋体の上記表面が溶融するために、蓋体のメッキが
はげて、素材の金属が露出することも、錆を生じる原因
となる。
【0031】また、請求項1の構成では、蓋体の裏面の
ロウ材に、このロウ材を溶融することができる温度が伝
達することを妨げることがない程度の厚みに設定してい
る。これは、電子ビームによる封止工程では、蓋体の表
面に照射された電子ビームの熱により、蓋体の接合面で
ある裏面側のロウ材が溶融することで、接合が行われる
ことに基づく。したがって、蓋体の厚みが必要以上に厚
いと、ロウ材が十分に溶融できないために、適切に接合
が行われない。
【0032】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記蓋体がコバールの板材でなり、この蓋体の厚み
を0.02mm乃至0.05mm程度の厚みに設定し、
この蓋体表面に電子ビームを照射することにより、蓋体
とベースとを封止するようにしたことを特徴とする。
【0033】請求項2の構成によれば、通常の封止用の
電子ビームを照射した場合に、コバール製の蓋体の厚み
が0.02mm乃至0.05mm程度に設定されること
で、適切な封止を行うことができる。すなわち、蓋体の
厚みを0.02mm未満とすると、大気圧によりつぶれ
て変形してしまう。また、蓋体の厚みを0.05mmよ
り厚くすると、電子ビームの熱がロウ材の融点以上の熱
としてロウ材に伝わることが妨げられる。
【0034】請求項3の発明は、請求項2の構成におい
て、前記ベース上に前記蓋体を載置した状態で、その大
きさが縦2.0mm乃至3.5mm程度、横2.2mm
乃至5.0mm程度に設定したことを特徴とする。
【0035】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成において、前記蓋体のベースとの接合面に
は、銀(Ag)ロウをクラッドして配置したことを特徴
とする。
【0036】また、上記目的は、請求項5の発明によれ
ば、圧電振動素子と、前記圧電振動素子を収納するため
のベースと、前記圧電振動素子がベースに収納された状
態で前記ベースを密封するための金属製の蓋体とを備
え、蓋体表面に電子ビームを照射することにより封止し
た圧電振動子において、前記蓋体の厚みに関して、蓋体
が大気圧によりたわむ限界厚みよりも厚く、かつ蓋体表
面に照射される電子ビームの熱を蓋体を構成する金属材
料の融点以下に設定した状態にて、蓋体の裏面のロウ材
に、このロウ材を溶融することができる温度が伝達する
ことを妨げることがない程度の厚みに設定した、圧電振
動子により、達成される。
【0037】請求項5の構成によれば、圧電振動子の蓋
体の厚みをこのように構成することにより、請求項1の
場合と同様に適切に封止された高精度な圧電振動子を得
ることができる。
【0038】請求項6の発明は、請求項5の構成におい
て、前記蓋体がコバールの板材でなり、この蓋体の厚み
を0.02mm乃至0.05mm程度の厚みに設定し、
この蓋体表面に電子ビームを照射することにより、蓋体
とベースとを封止したことを特徴とする。
【0039】請求項7の発明は、請求項6の構成におい
て、前記ベース上に前記蓋体を載置した状態で、その大
きさが縦2.0mm乃至3.5mm、横2.2mm乃至
5.0mm程度に設定したことを特徴とする。
【0040】請求項8の発明は、請求項5ないし7のい
ずれかの構成において、前記蓋体のベースとの接合面に
は、銀(Ag)ロウをクラッドして配置したことを特徴
とする。
【0041】また、上記目的は、請求項9の発明によれ
ば、圧電振動素子と、表面に形成した導電パターンに集
積回路を実装するとともに前記圧電振動素子を収納する
ためのベースと、前記圧電振動素子がベースに収納され
た状態で前記ベースを密封するための金属製の蓋体とを
備え、前記蓋体表面に電子ビームを照射することにより
封止する圧電発振器の封止方法において、前記蓋体の厚
みに関して、蓋体が大気圧によりたわむ限界厚みよりも
厚く、かつ蓋体表面に照射される電子ビームの熱を蓋体
を構成する金属材料の融点以下に設定した状態にて、蓋
体の裏面のロウ材に、このロウ材を溶融することができ
る温度が伝達することを妨げることがない程度の厚みに
設定するようにした、圧電発振器の封止方法により、達
成される。
【0042】請求項9の構成によれば、圧電発振器にお
いても、請求項1と共通する構成を採用することによ
り、封止の際の蓋体の変形を防止することができる。
【0043】さらに、上記目的は、請求項10の発明に
よれば、圧電振動素子と、表面に形成した導電パターン
に集積回路を実装するとともに前記圧電振動素子を収納
するためのベースと、前記圧電振動素子がベースに収納
された状態で前記ベースを密封するための金属製の蓋体
とを備え、前記蓋体表面に電子ビームを照射することに
より封止した圧電発振器において、前記蓋体の厚みに関
して、蓋体が大気圧によりたわむ限界厚みよりも厚く、
かつ蓋体表面に照射される電子ビームの熱を蓋体を構成
する金属材料の融点以下に設定した状態にて、蓋体の裏
面のロウ材に、このロウ材を溶融することができる温度
が伝達することを妨げることがない程度の厚みに設定し
た圧電発振器により、達成される。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0045】図1は、本発明の圧電振動子の実施形態を
示す斜視図である。
【0046】この圧電振動子30は、板状の圧電振動素
子31を収納する空間部32aが形成された箱状のベー
ス32と、空間部32aを密封するようにベース32に
接合された板状の蓋体33を備えている。
【0047】ベース32には、図2に示すように電極3
4が設けられており、圧電振動素子31は、一端部31
aが空間部32a内に配設されている電極34上に導電
性接着剤42を介して接続固定されていて、他端部31
bは自由端となっている。これにより、電極34から印
加される駆動電圧によって、所定の振動数で振動できる
ようになっている。
【0048】ベース32と蓋体33は、封止材35を介
して接合されている。ここで、圧電振動素子31の材料
としては、例えば水晶が用いられ、ベース32の材料と
しては、例えばアルミナ等のセラミックが用いられる。
【0049】上記蓋体33は、金属材料で形成されてお
り、好ましくは、例えばアルミナ等のセラミックの線膨
張係数に近いコバールや42アロイ等により形成され
る。この実施形態では、特にコバールを用いると好まし
い。
【0050】ベース32の上端面である接合面上には、
金属被覆層41が設けられている。この金属被覆層41
は複数種類の金属を層状に積層して形成されており、例
えば、図1の一部に拡大して示すように、順次下からタ
ングステン層32b、ニッケルメッキ32c、金メッキ
32dでなっている。
【0051】ここで、例えば、タングステン層32bの
厚みは、10ないし30μm、ニッケルメッキ32cの
厚みは、6ないし8μm、金メッキ32dの厚みは、
0.5ないし2μmである。
【0052】図3は、圧電振動子30に関して、ベース
32上に蓋体33を被せて封止する前の状態を示してい
る。図において、ベース32内には圧電振動素子31等
の図示が省略されているが、これらの構成は図1及び図
2と同様である。
【0053】つまり、図3は、蓋体33をベース32上
に載置して封止する直前の状態であり、この蓋体33の
構成について、さらに詳しく説明する。
【0054】蓋体33は、上述したように、コバールに
より形成されており、その下面であるベース32との接
合面に封止材35が配置されている。封止材35は、例
えば銀(Ag)ロウであり、その厚みは、15μm程度
である。
【0055】また、蓋体33は、ベース32の上端外周
とほぼ一致した外周を備えている(図1参照)。このた
め、圧電振動子30は上面から見た場合には、蓋体33
も、この蓋体33を被せたベース32も例えば、ほぼ長
方形を呈している。そして、この長方形状において、特
に、その大きさが縦2.0mm乃至3.5mm程度、横
2.2mm乃至5.0mm程度に設定されている。この
大きさについてはさらに後述する。
【0056】また、図3の下部に示すように、本実施形
態の圧電振動子30では、蓋体33の厚みdは、蓋体を
コバールで形成した場合、蓋体33が大気圧によりたわ
む限界厚みよりも厚く、かつ蓋体33表面に照射される
電子ビームの熱を蓋体33を構成する金属材料,すなわ
ちコバールの融点以下、例えば、摂氏1450度以下程
度に設定した状態にて、蓋体33の裏面の銀ロウ35
に、この銀ロウ35を溶融することができる温度が伝達
することを妨げることがない程度の厚みに設定される。
具体的には、蓋体33の厚みdを0.02mm乃至0.
05mm程度に設定している。
【0057】図4は、本発明の圧電発振器の実施形態の
構造を示す概略断面図である。
【0058】図4において、図2と同一の符号を付した
箇所は同じ構成である。
【0059】図において、圧電発振器50のベース32
では、図1と比べると、内部に段部を設けて、一段低い
内部空間52が設けられている。そして、ベース32の
上面に形成した導電パターン上に集積回路51を実装し
て、上記内部空間52に収容し、電極部53と接続して
いる。これにより、圧電振動素子31に所定の駆動電圧
を与えて、振動させ、その出力を上記集積回路51に入
力することにより、所定の周波数の信号を取り出すよう
になっている。
【0060】この圧電発振器50においても、ベース3
2の上端面には、図1と同じ金属被覆層が形成されてお
り、蓋体33の下面には、図示しない封止材として銀ロ
ウ等のロウ材が設けられており、後述するように圧電振
動子30と共通の封止方法が適用されるようになってい
る。
【0061】次にこの封止方法について説明する。本発
明では、圧電振動子30は、図11で説明した製造工程
を経て製造され、図1及び図2の圧電振動子30も図4
の圧電発振器50も同じ封止方法により封止される。
【0062】図5は、圧電振動子30の蓋体33の表面
に対して、上方より電子ビームEを照射して封止する様
子を示している。
【0063】この場合、電子ビームを蓋体33の表面に
照射する電子ビーム照射装置は、図12にて、説明した
構成のものをそのまま利用することができ、図13で説
明したのと同様に蓋体33の表面に対して、その上方か
ら照射される。しかしながら、図15で説明したよう
な、蓋体を上方から押さえる特別の治具等を利用するこ
となく封止することが可能である。
【0064】図6は、このような封止方法において、圧
電振動子30のベース32の接合面である上端部から、
蓋体33の厚みdの距離に基づいて、蓋体33の表面ま
での距離を横軸にとり、コバールで形成されたこの蓋体
33の温度を測定した図である。
【0065】この図に示されているように、銀ロウであ
るロウ材35の融点温度、摂氏700度を越える温度を
グラフの距離0の位置(蓋体33の接合面の箇所)で確
保するように電子ビームEの出力を設定した場合、蓋体
33の厚みdがほぼ0.05mmを越えると、蓋体33
の表面では、コバールの融点摂氏1450度を越えるこ
とがわかる。このため、蓋体33の厚みdがほぼ0.0
5mmを越えると、蓋体33の変形の原因になる程度に
温度が上昇する。
【0066】また、図7、図8、図9は、縦横の長さが
それぞれ所定の大きさの圧電振動子30(蓋体33)に
関して、電子ビームを照射して封止した時の蓋体33の
厚みと蓋体33の変形量もしくは撓み量(図14のTで
示す)の関係をグラフにまとめたものである。
【0067】ここで、図7は、圧電振動子30の縦横比
が3.2mm×5.0mm、図8は、圧電振動子30の
縦横比が2.5mm×3.2mm、図9は、圧電振動子
30の縦横比が2.0mm×2.5mmで、いずれも、
圧電振動子30の大きさについて上述した縦2.0mm
乃至3.5mm程度、横2.2mm乃至5.0mm程度
の範囲内のものである。
【0068】これらの図を参照して判明するように、蓋
体33の大きさがいずれの場合であっても、厚みdがほ
ぼ0.02mm以上であれば、蓋体33が大気圧の影響
を受けて変形する変形量を20μm以下とすることがで
きる。この変形量は、製品の性能を阻害しない基準とな
る量である。
【0069】したがって、蓋体33の厚みdが0.02
乃至0.05mmの範囲であれば、電子ビームを用いた
封止を行った場合に、特別な治具を必要とすることな
く、高品質な圧電振動子30を得ることができる。
【0070】しかも、従来の蓋体の厚みdが0.15m
m程度であった場合と比較すると、0.05mmの場合
は、必要とされる熱量は、半分程度となり、製品の製造
コストをその分低く抑えることができる。
【0071】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
子ビームによる封止時の蓋体の変形を防止して、高品質
な圧電振動子及び圧電発振器を得ることができる封止方
法と、この封止方法により製造される圧電振動子及び圧
電発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電振動子の実施形態を示す斜視図。
【図2】図1の圧電振動子の概略断面図。
【図3】図1及び図2の圧電振動子の封止直前の状態を
示す概略断面図。
【図4】本発明の圧電発振器の実施形態を示す概略断面
図。
【図5】図1及び図2の圧電振動子の封止後の状態を示
す概略断面図。
【図6】図1及び図2の圧電振動子の蓋体の厚みと蓋体
の表面温度との関係を示すグラフ。
【図7】図1及び図2の圧電振動子の蓋体の厚みと蓋体
の変形量との関係を示すグラフ。
【図8】図1及び図2の圧電振動子の蓋体の厚みと蓋体
の変形量との関係を示すグラフ。
【図9】図1及び図2の圧電振動子の蓋体の厚みと蓋体
の変形量との関係を示すグラフ。
【図10】一般的な圧電振動子の一例を示す一部切断斜
視図。
【図11】図10の圧電振動子の製造工程の概略を示す
フローチャート。
【図12】図10の圧電振動子の封止工程で利用する電
子ビーム装置の構成を示す概略図。
【図13】図10の圧電振動子の封止工程の要部を示す
拡大図。
【図14】図10の圧電振動子を電子ビームにより封止
した状態を示す概略側断面図。
【図15】図10の圧電振動子を電子ビームにより封止
する場合に使用される位置決め治具を示す概略分解斜視
図。
【図16】図15の位置決め治具を使用して圧電振動子
を封止する様子を示す概略断面図。
【符号の説明】
30 圧電振動子 31 圧電振動素子 32 ベース(収納部) 32a 内部空間 32b タングステン被覆部(タングステンメタライ
ズ) 32c ニッケル被覆部(ニッケルメッキ) 32d 金被覆部(金メッキ) 33 蓋体 34 電極 35 封止材 41 金属被覆部 42 導電性接着剤

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動素子と、 前記圧電振動素子を収納するためのベースと、 前記圧電振動素子がベースに収納された状態で前記ベー
    スを密封するための金属製の蓋体とを備え、蓋体表面に
    電子ビームを照射することにより封止する圧電振動子の
    封止方法において、 前記蓋体の厚みに関して、蓋体が大気圧によりたわむ限
    界厚みよりも厚く、かつ蓋体表面に照射される電子ビー
    ムの熱を蓋体を構成する金属材料の融点以下に設定した
    状態にて、蓋体の裏面のロウ材に、このロウ材を溶融す
    ることができる温度が伝達することを妨げることがない
    程度の厚みに設定するようにしたことを特徴とする、圧
    電振動子の封止方法。
  2. 【請求項2】 前記蓋体がコバールの板材でなり、 この蓋体の厚みを0.02mm乃至0.05mm程度の
    厚みに設定し、 この蓋体表面に電子ビームを照射することにより、蓋体
    とベースとを封止するようにした、請求項1に記載の圧
    電振動子の封止方法。
  3. 【請求項3】 前記ベース上に前記蓋体を載置した状態
    で、その大きさが縦2.0mm乃至3.5mm程度、横
    2.2mm乃至5.0mm程度に設定した、請求項2に
    記載の圧電振動子の封止方法。
  4. 【請求項4】 前記蓋体のベースとの接合面には、銀
    (Ag)ロウをクラッドして配置した、請求項1ないし
    3のいずれかに記載の圧電振動子の封止方法。
  5. 【請求項5】 圧電振動素子と、 前記圧電振動素子を収納するためのベースと、 前記圧電振動素子がベースに収納された状態で前記ベー
    スを密封するための金属製の蓋体とを備え、蓋体表面に
    電子ビームを照射することにより封止した圧電振動子に
    おいて、 前記蓋体の厚みに関して、蓋体が大気圧によりたわむ限
    界厚みよりも厚く、かつ蓋体表面に照射される電子ビー
    ムの熱を蓋体を構成する金属材料の融点以下に設定した
    状態にて、蓋体の裏面のロウ材に、このロウ材を溶融す
    ることができる温度が伝達することを妨げることがない
    程度の厚みに設定したことを特徴とする、圧電振動子。
  6. 【請求項6】 前記蓋体がコバールの板材でなり、 この蓋体の厚みを0.02mm乃至0.05mm程度の
    厚みに設定し、 この蓋体表面に電子ビームを照射することにより、蓋体
    とベースとを封止した、請求項5に記載の圧電振動子。
  7. 【請求項7】 前記ベース上に前記蓋体を載置した状態
    で、その大きさが縦2.0mm乃至3.5mm、横2.
    2mm乃至5.0mm程度に設定した、請求項6に記載
    の圧電振動子。
  8. 【請求項8】 前記蓋体のベースとの接合面には、銀
    (Ag)ロウをクラッドして配置した、請求項5ないし
    7のいずれかに記載の圧電振動子。
  9. 【請求項9】 圧電振動素子と、 表面に形成した導電パターンに集積回路を実装するとと
    もに前記圧電振動素子を収納するためのベースと、 前記圧電振動素子がベースに収納された状態で前記ベー
    スを密封するための金属製の蓋体とを備え、 前記蓋体表面に電子ビームを照射することにより封止す
    る圧電発振器の封止方法において、 前記蓋体の厚みに関して、蓋体が大気圧によりたわむ限
    界厚みよりも厚く、かつ蓋体表面に照射される電子ビー
    ムの熱を蓋体を構成する金属材料の融点以下に設定した
    状態にて、蓋体の裏面のロウ材に、このロウ材を溶融す
    ることができる温度が伝達することを妨げることがない
    程度の厚みに設定するようにしたことを特徴とする、圧
    電発振器の封止方法。
  10. 【請求項10】 圧電振動素子と、 表面に形成した導電パターンに集積回路を実装するとと
    もに前記圧電振動素子を収納するためのベースと、 前記圧電振動素子がベースに収納された状態で前記ベー
    スを密封するための金属製の蓋体とを備え、 前記蓋体表面に電子ビームを照射することにより封止し
    た圧電発振器において、 前記蓋体の厚みに関して、蓋体が大気圧によりたわむ限
    界厚みよりも厚く、かつ蓋体表面に照射される電子ビー
    ムの熱を蓋体を構成する金属材料の融点以下に設定した
    状態にて、蓋体の裏面のロウ材に、このロウ材を溶融す
    ることができる温度が伝達することを妨げることがない
    程度の厚みに設定したことを特徴とする、圧電発振器。
JP36495999A 1999-12-22 1999-12-22 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法 Pending JP2001185986A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36495999A JP2001185986A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36495999A JP2001185986A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001185986A true JP2001185986A (ja) 2001-07-06

Family

ID=18483091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36495999A Pending JP2001185986A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001185986A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006196799A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Fujitsu Media Device Kk 電子部品及びその製造方法
JPWO2008018222A1 (ja) * 2006-08-10 2009-12-24 株式会社大真空 圧電振動デバイス
US9660176B2 (en) 2012-09-26 2017-05-23 Seiko Epson Corporation Method of manufacturing electronic device, electronic apparatus, and mobile apparatus

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006196799A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Fujitsu Media Device Kk 電子部品及びその製造方法
JP4542437B2 (ja) * 2005-01-17 2010-09-15 富士通メディアデバイス株式会社 電子部品及びその製造方法
JPWO2008018222A1 (ja) * 2006-08-10 2009-12-24 株式会社大真空 圧電振動デバイス
JP5024290B2 (ja) * 2006-08-10 2012-09-12 株式会社大真空 圧電振動デバイス
US9660176B2 (en) 2012-09-26 2017-05-23 Seiko Epson Corporation Method of manufacturing electronic device, electronic apparatus, and mobile apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4259842B2 (ja) 圧電共振子およびケースに密封された圧電共振子を備える組立品
JP3826875B2 (ja) 圧電デバイスおよびその製造方法
JP2009044123A (ja) 電子部品の製造方法および電子部品。
US7579762B2 (en) Piezoelectric vibrating piece and piezoelectric vibrating device
JP2010103950A (ja) 振動子及びその製造方法
KR100414464B1 (ko) 압전 장치 및 그 제조 방법
JPH11103230A (ja) 圧電振動子とその製造方法
JP2001292048A (ja) 圧電振動片のマウント構造とマウント方法及び圧電デバイス
JP2001185986A (ja) 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法
JP2000307368A (ja) 圧電振動子の製造方法
JP2006196932A (ja) 音叉型圧電デバイスの製造方法および音叉型圧電デバイス
JP2006229283A (ja) 圧電デバイス
JP3937722B2 (ja) 圧電デバイス
JP4893578B2 (ja) 電子部品の封止方法
JP3401781B2 (ja) 電子部品用パッケージおよび電子部品用パッケージの製造方法
JP2002084159A (ja) 表面実装型圧電振動子
JP2001320256A (ja) 圧電振動デバイスの気密封止方法
JP3661441B2 (ja) 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法
JP2009239475A (ja) 表面実装型圧電発振器
JPH10284972A (ja) 圧電振動子のパッケージ内支持構造
JP2005051408A (ja) 圧電デバイスとその製造方法ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器
JP2007318209A (ja) 表面実装型圧電振動デバイス、およびその製造方法
JP2006074567A (ja) 圧電デバイス
JP2006041296A (ja) 薄型金属パッケージおよびその製造方法
JP2001308213A (ja) セラミックパッケージの封止方法と封止構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060822