JP2001182841A - 膨張黒鉛製編み糸 - Google Patents

膨張黒鉛製編み糸

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JP2001182841A
JP2001182841A JP36991099A JP36991099A JP2001182841A JP 2001182841 A JP2001182841 A JP 2001182841A JP 36991099 A JP36991099 A JP 36991099A JP 36991099 A JP36991099 A JP 36991099A JP 2001182841 A JP2001182841 A JP 2001182841A
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Masaru Fujiwara
優 藤原
Takahisa Ueda
隆久 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 編組時における膨張黒鉛粒子の剥落を減少ま
たは防止することができ、グランドパッキンの耐圧性を
高めることができる。 【解決手段】 所定幅の膨張黒鉛テープ２が長手方向に
谷折りに折り曲げられ、この膨張黒鉛テープ２の幅方向
の両端部２ａ，２ｂが該膨張黒鉛テープ２の幅方向内方
に向くように折り曲げられており、その外周にステンレ
ス線の編組体よりなる補強材３が被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体機器の軸封部
などに用いるグランドパッキンの膨張黒鉛製編み糸に関
する。
【０００２】
【従来の技術】従来、たとえば、流体機器の軸封部など
に用いるグランドパッキンの編み糸として、図８に示す
編み糸１が知られている。この編み糸１は、所定幅の膨
張黒鉛テープ２を長手方向に谷折りに折り畳んでおり、
その外周に金属線の編組体よりなる補強材３が被覆され
ているものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記編み糸１を複数本
集束して編組することにより、グラントパッキンが製造
される。ところが、膨張黒鉛テープ２は引張り強さが弱
く脆い性質を有している上に、幅方向両端部２ａ，２ｂ
の縁は、膨張黒鉛粒子間の耐剥落性が小さい。このた
め、編組時に、幅方向両端部２ａ，２ｂの縁に大きい引
張力、剪断力が作用した場合、幅方向両端部２ａ，２ｂ
の縁から亀裂を生じ、幅方向両端部２ａ，２ｂの縁およ
びその近くの膨張黒鉛粒子が剥落する。したがって、複
数本の編み糸を編組する時に大きな引張り力をかけられ
ず、編み糸の引張り力が小さく制限されることになっ
て、グランドパッキンの耐圧性を高めることができな
い。
【０００４】そこで、本発明は、編組時における膨張黒
鉛粒子の剥落を減少または防止して、グランドパッキン
の耐圧性を高めることができる膨張黒鉛製編み糸を提供
することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明に係る膨張黒鉛製編み糸は、
折り曲げられた膨張黒鉛テープの外周にニット編みまた
は編組体よりなる補強材が被覆され、前記膨張黒鉛テー
プの幅方向の少なくとも一端部が編み糸の幅方向内方に
向くように折り曲げられていることを特徴としている。
【０００６】また、請求項２に記載の発明に係る膨張黒
鉛製編み糸は、ひねり加工された膨張黒鉛テープの外周
にニット編みまたは編組体よりなる補強材が被覆され、
前記膨張黒鉛テープの幅方向の少なくとも一端部が編み
糸の幅方向内方に向くように折り曲げられていることを
特徴としている。
【０００７】さらに、請求項３に記載の発明に係る膨張
黒鉛製編み糸は、前記膨張黒鉛テープに補強繊維が埋設
されていることを特徴としている。
【０００８】また、請求項４に記載の発明に係る膨張黒
鉛製編み糸は、前記膨張黒鉛テープの表面側の膨張黒鉛
粒子の一部が除去されていることを特徴としている。
【０００９】請求項１，２に記載の発明によれば、編組
時の引張り力やねじり力により起こる折り曲げられたま
たひねり加工された膨張黒鉛テープのの切断が、その外
周に被覆した補強材によって有効に防止されるのは勿論
であるが、さらに、その膨張黒鉛テープの幅方向の少な
くとも一端部が幅方向内方に向くように折曲げられてい
るため、編組時において、この一端部の縁に直接大きな
引張力や剪断力が作用せず、この一端部の縁からの亀裂
の発生および亀裂の発生に伴なう膨張黒鉛粒子の剥落を
確実に減少させることができる。これにより、より大き
い引張り力での編組も可能になり、グランドパッキンの
耐圧性を高めることができる。
【００１０】請求項３に記載の発明によれば、補強繊維
が膨張黒鉛テープに埋設されていることにより、膨張黒
鉛テープの引張り強度とひねり強度を向上させることが
できる。
【００１１】請求項４に記載の発明によれば、膨張黒鉛
テープの表面側における亀裂の起こし易い高密度で高配
向された膨張黒鉛粒子の一部がブラスト加工によって除
去されることにより、編組時において膨張黒鉛テープに
大きい引張力が作用しても、一層確実に亀裂の発生およ
び亀裂の発生に伴なう膨張黒鉛粒子の剥落を減少させる
ことができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。図１は、請求項１に記載の
発明に係る膨張黒鉛製編み糸の一実施の形態を示す斜視
図であり、この図において、膨張黒鉛製編み糸１は、所
定幅の膨張黒鉛テープ２が長手方向に谷折りに折り曲げ
られているとともに、膨張黒鉛テープ２の幅方向の両端
部２ａ，２ｂが該膨張黒鉛テープ２の幅方向内方に向く
ように折り曲げられ、その外周にステンレス線の編組体
よりなる補強材３が被覆されているものである。
【００１３】図２は、請求項１に記載の発明に係る膨張
黒鉛製編み糸の他の実施の形態を示す斜視図であり、こ
の図において、膨張黒鉛製編み糸１は、所定幅の膨張黒
鉛テープ２が長手方向に谷折りに折り曲げられていると
ともに、膨張黒鉛テープ２の幅方向の一端部２ａのみが
該膨張黒鉛テープ２の幅方向内方に向くように折り曲げ
られ、その外周にステンレス線の編組体よりなる補強材
３が被覆されているものである。
【００１４】なお、膨張黒鉛テープ２の長手方向の折り
曲げおよび膨張黒鉛テープ２の幅方向内方への少なくと
も一端部２ａの折り曲げは、少なくとも編組時になされ
ていればよいものである。したがって、例えば編組前に
予め前記膨張黒鉛テープ２をＶ字状に曲げるとともに、
その一端部２ａを膨張黒鉛テープ２の幅方向内方に軽く
曲げておいて、編組時に、前記膨張黒鉛テープ２および
その一端部２ａを完全に折り曲げてもよい。また、折り
曲げる前記一端部の形状としては、カール状、渦巻き
状、Ｕ字状、その他の形状であってもよい。
【００１５】また、膨張黒鉛テープ２の外周にステンレ
ス線の編組体よりなる補強材３を被覆する態様として
は、前記図示例の他に、図３（ａ），（ｂ）に示すよう
に、補強材３の一部が膨張黒鉛テープ２の幅方向の両端
部２ａ，２ｂの間に介在している構造でもよい。
【００１６】さらに、膨張黒鉛テープ２は１枚の場合に
限らず、複数枚の膨張黒鉛テープ２を重ねて、それらの
膨張黒鉛テープ２の幅方向の少なくとも一端部２ａが該
膨張黒鉛テープ２の幅方向内方に向くように折り曲げて
もよい。
【００１７】図４は、請求項２に記載の発明に係る膨張
黒鉛製編み糸の一実施の形態を示す斜視図であり、この
図において、膨張黒鉛製編み糸１は、所定幅の膨張黒鉛
テープ２の幅方向の両端部２ａ，２ｂが該膨張黒鉛テー
プ２の幅方向内方に向くように折り曲げられてひねり加
工され、その外周にステンレス線の編組体よりなる補強
材３が被覆されているものである。
【００１８】図５は、請求項２に記載の発明に係る膨張
黒鉛製編み糸の他の実施の形態を示す斜視図であり、こ
の図において、膨張黒鉛製編み糸１は、所定幅の膨張黒
鉛テープ２の幅方向の一端部２ａのみが該膨張黒鉛テー
プ２の幅方向内方に向くように折り曲げられかつひねり
加工され、その外周にステンレス線の編組体よりなる補
強材３が被覆されているものである。
【００１９】なお、膨張黒鉛テープ２の幅方向内方への
少なくとも一端部２ａの折り曲げは、少なくとも編組時
になされていればよいものである。したがって、例えば
ひねり加工前またはひねり加工時に予め前記一端部２ａ
を膨張黒鉛テープ２の幅方向内方に軽く曲げておいて、
編組時に、前記一端部２ａを完全に折り曲げるようにし
てもよい。また、折り曲げる前記一端部２ａの形状とし
ては、カール状、渦巻き状、Ｕ字状、その他の形状であ
ってもよい。
【００２０】さらに、膨張黒鉛テープ２は１枚の場合に
限らず、複数枚の膨張黒鉛テープ２を重ねて、それらの
膨張黒鉛テープ２の幅方向の少なくとも一端部２ａが該
膨張黒鉛テープ２の幅方向内方に向くようにひねり加工
してもよい。
【００２１】前記補強材３の材料として、前記各実施の
形態で使用しているステンレス線の他に、インコネル，
モネルなどの金属線、木綿，レーヨン，フエノール，ア
ラミド，ＰＢＯ，ＰＢＩ，ＰＴＦＥ，ＰＰＳ，ＰＥＥＫ
などの有機繊維、炭素繊維，セラミック繊維などの無機
繊維などを使用することができる。また、補強材３の編
み方として、ニット編みであってもよい。
【００２２】図６（ａ）〜（ｄ）は、請求項３に記載の
発明に係る膨張黒鉛製編み糸の一実施の形態を示す斜視
図であり、この図において、前記請求項１および２の発
明における実施の形態と異なる点は、膨張黒鉛テープ２
に、幅方向の間隔を隔てて複数本の補強繊維４が長手方
向に埋設されている点である。
【００２３】補強繊維４として、木綿，レーヨン，フエ
ノール，アラミド，ＰＢＯ，ＰＢＩ，ＰＴＦＥ，ＰＰ
Ｓ，ＰＥＥＫなどの有機繊維の中から選択された１つも
しくはガラス繊維，炭素繊維，セラミック繊維などの無
機繊維の中から選択された１つ、またはステンレス，イ
ンコネル，モネルなどの金属線の中から選択された１つ
が使用される。勿論、前記有機繊維、無機繊維および金
属線を適宜選択して複合使用してもよい。
【００２４】図７（ａ）〜（ｄ）は、請求項４に記載の
発明に係る膨張黒鉛製編み糸の一実施の形態を示す斜視
図であり、この図において、前記請求項１および２の発
明における実施の形態と異なる点は、膨張黒鉛テープ２
の表面側における高密度で高配向された膨張黒鉛粒子の
一部がブラスト加工により除去されている点である。
【００２５】膨張黒鉛テープ２の表面側における高密度
で高配向された膨張黒鉛粒子は、該粒子よりも小径の粒
子によるマイクロブラスト加工によって除去される。す
なわち、具体的には、たとえば、膨張黒鉛テープ２の外
面から１５０ｍｍ離れた位置から、２Ｋｇ／Ｃｍ２の空
気圧によって、ＳｉＣ等の微粒子（例えば粒子径１５μ
ｍ）でブラストされる。このように、マイクロブラスト
加工を施すことで、膨張黒鉛テープ２の表面５は、亀裂
の発生と成長を起こし易い膨張黒鉛粒子が除去され、３
０〜４０ｇの範囲であったブラスト加工前の膨張黒鉛粒
子の耐剥離強度が１４０〜１５０ｇの範囲に増大させる
ことができる。
【００２６】なお、図７（ａ）〜（ｄ）は、前記請求項
１および２に記載の発明における実施の形態にブラスト
加工を適用した例であるが、勿論、請求項３の実施の形
態にブラスト加工を適用してもよいものである。
【００２７】
【発明の効果】以上説明したように、請求項１または請
求項２に記載の発明によれば、編組時において、膨張黒
鉛テープの一端部の縁から膨張黒鉛粒子が剥落するのを
減少または防止することができる。このため、より大き
な引張り力で編み糸を編組することができて、グランド
パッキンの耐圧性を高めることができる。
【００２８】請求項３に記載の発明によれば、膨張黒鉛
テープの引張り強度とひねり強度が向上して、より大き
な引張り力で編み糸を編組することができる。
【００２９】請求項４に記載の発明によれば、一層確実
に膨張黒鉛粒子の剥落を減少または防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１に記載の発明の一実施の形態を示す斜
視図である。
【図２】請求項１に記載の発明の他の実施の形態を示す
斜視図である。
【図３】請求項１に記載の発明のさらに異なる実施の形
態を示す拡大断面図である。
【図４】請求項２に記載の発明の一実施の形態を示す斜
視図である。
【図５】請求項２に記載の発明の他の実施の形態を示す
斜視図である。
【図６】請求項３に記載の発明の実施の形態を示す斜視
図である。
【図７】請求項４に記載の発明の実施の形態を示す斜視
図である。
【図８】従来の膨張黒鉛製編み糸の一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
１ 編み糸 ２ 膨張黒鉛テープ ２ａ 膨張黒鉛テープの一端部 ２ｂ 膨張黒鉛テープの他端部 ３ 補強材 ４ 補強繊維 ５ ブラスト加工により除去された膨張黒鉛テープの表
面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3J043 AA16 CA14 CB02 CB07 CB18 DA11 4L002 AA00 FA06 4L036 MA39 RA24 UA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 折り曲げられた膨張黒鉛テープの外周に
    ニット編みまたは編組体よりなる補強材が被覆され、前
    記膨張黒鉛テープの幅方向の少なくとも一端部が編み糸
    の幅方向内方に向くように折り曲げられていることを特
    徴とする膨張黒鉛製編み糸。
  2. 【請求項２】 ひねり加工された膨張黒鉛テープの外周
    にニット編みまたは編組体よりなる補強材が被覆され、
    前記膨張黒鉛テープの幅方向の少なくとも一端部が編み
    糸の幅方向内方に向くように折り曲げられていることを
    特徴とする膨張黒鉛製編み糸。
  3. 【請求項３】 前記膨張黒鉛テープに補強繊維が埋設さ
    れていることを特徴とする請求項１、請求項２のいずれ
    かに記載の膨張黒鉛製編み糸。
  4. 【請求項４】 前記膨張黒鉛テープの表面側の膨張黒鉛
    粒子の一部が除去されていることを特徴とする請求項
    １、請求項２、請求項３のいずれかに記載の膨張黒鉛製
    編み糸。
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