JP2001182276A - 鏡面性化粧板および鏡面性化粧板の製造方法 - Google Patents

鏡面性化粧板および鏡面性化粧板の製造方法

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JP2001182276A JP36743399A JP36743399A JP2001182276A JP 2001182276 A JP2001182276 A JP 2001182276A JP 36743399 A JP36743399 A JP 36743399A JP 36743399 A JP36743399 A JP 36743399A JP 2001182276 A JP2001182276 A JP 2001182276A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不燃性、耐熱性、耐洗浄性を兼ね備え、さら
に意匠性、特に鏡面性に優れた化粧板を提供すること。
また、このような化粧板を高い生産性で提供できる製造
方法を提供すること。 【解決手段】 無機質基板の少なくとも一方の面に、接
着剤層、金属箔層、化粧層、および透明または半透明樹
脂層が積層されてなる化粧板において、化粧層表面のカ
ットオフ2.5mmのときの中心線平均粗さとカットオ
フ0.8mmのときの中心線平均粗さとの差が0.15
μm以下であり、かつ前記透明または半透明樹脂層表面
のカットオフ2.5mmのときの中心線平均粗さが0.
15μm以下である鏡面性化粧板。この化粧板は、無機
質基板51の表面に接着剤層を設け、スチールベルトプ
レス法により接着剤層上に金属箔21を接着し、その上
に化粧層、および透明または半透明樹脂層を設けること
により得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鏡面性に優れ、ま
た耐火性、不燃性、加工性等に優れる鏡面性化粧板およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイルは不燃性、高硬度、耐久
性、耐熱性、耐洗浄性等に優れているという理由から、
キッチンコンロ周辺部に多く使用されてきた。しかしな
がら、タイルの目地部は、空隙質な材料であるセメント
系材料が通常使用されており、特にカビ等が繁殖しやす
く洗浄が困難である。従って、長期間使用後の清潔感の
面では非常に劣るという欠点がある。更に、意匠性にお
いてもタイル本来の美観は持ち合わせているものの、意
匠のバリエーションには欠けていた。加工面において
も、切断しにくい等の欠点があり、そのためユニット化
が困難であり、工期を長く必要とし、さらにタイルその
ももののコストも高いため、結果的にトータルコストが
高かった。
【0003】また、ステンレス等の金属箔を珪酸カルシ
ウム板や木質系材料に接着した化粧板も利用されてはい
るが、鏡面性のステンレスを用いた場合、キズが非常に
目立ちやすく、その為故意に表面を研磨処理を行う等し
て光沢を減退させ、キズ等が生じても目立ちにくくして
いた。しかしこのような処理を施すことにより、鏡面性
は当然の如く低下し、また油汚れ等を付着し易くしてい
た。
【0004】先に述べた問題の中で、工期短縮や化粧板
の加工性改善を目的に、セメント板や珪酸カルシウム板
の無機質基板に用いた化粧板が提案されている。そして
このような化粧板には、性能面からの易洗浄性と共に人
の外観感覚からも汚れが落としやすく見えるような鏡面
性、高意匠性、加工性も求められることから、現在、次
のような手段が採用されている。
【0005】基板の研磨処理 かさ比重が、1.0前後の珪酸カルシウム板やセメント
系板を主とする無機質基板は、樹脂板、木材、木質系板
材に比較して、表面平滑性がかなり劣る。このため、こ
うした材料を基板として鏡面性を求める場合等には、何
らかの方法において、基板表面の平滑性を向上させなけ
ればならない。代表的な例としては、これら無機質基板
の表面を研磨処理(研磨紙番手#120以上)すること
である。しかしながら、パーライト等の数10〜100
0μm程度の粒径をもつ軽量骨材等を基板中に使用した
場合には、研磨処理を行うことにより、こうした骨材が
抜けてしまい凹部を生じさせててしまったり、またガラ
ス繊維等の補強繊維等の抜け穴も発生したりして、研磨
を行うとかえって平滑性を悪化させてしまう場合もあ
る。そのため、セメント等を代表とする無機系および有
機系または有機−無機複合穴埋め材を施した後に、研磨
処理を行う場合もある。
【0006】基板表面シーラー処理 珪酸カルシウム板やセメント系板を主とする無機質基板
は一般的に表面強度が弱く、脆弱である。そのため、基
板表面を補強する目的から、シーラー剤が通常用いられ
る。これらシーラー剤は、エポキシ系、ウレタン系の溶
剤系または水系含浸型が一般的に使用されている。工業
塗装の場合には、通常これらシーラー剤を塗布前後に、
ジェットヒーターや赤外線乾燥機等を代表とする乾燥機
により加熱処理が施され、シーラー剤の含浸性向上、硬
化時間を短縮させている。
【0007】目止め処理およびベースコート処理 化粧板に鏡面性を付与させるためには、および処理
のみでは、珪酸カルシウム板やセメント系板を主とする
無機質基板を使用する場合、表面平滑性は未だ不十分で
ある。そのため、さらに平滑性を向上させる目的から、
処理後の表面に、目止め処理を行う。通常、炭酸カル
シウムフィラーや繊維等の固形分を含有させた反応性樹
脂を、加熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化等の方法によ
り硬化させ、次に表面を高番手(#180以上)で研磨処
理を行い、表面の平滑性を向上させている。更に、この
層上に、基板からのアルカリ止め、耐久性、さらには下
地色の隠蔽のために、ベースコート層を形成する。ただ
し、比較的表面平滑性に優れた基板を使用できる場合に
は、塗料自身のレベリング性を利用し、フローコーター
等の塗工機により、直接シーラー処理面に1回以上の塗
装を行い、より多くの塗料を塗布、ベースコート層を厚
く形成させ、目止め処理を省略する場合もある。ベース
コート層用樹脂は、一般的にウレタン樹脂系が好適に使
用される。基板補強シーラーと同様工業塗装としては、
硬化時間を短縮させるために、塗布前後にこの板材を加
熱させる場合がある。
【0008】化粧層形成 高意匠性を化粧板に付与させるために、様々な方法が知
られている。近年においては、転写印刷、スクリーン印
刷、ダイレクト印刷等の印刷、スパッタ塗装を直接ベー
スコート上に行うことが多い。
【0009】トップコート層の形成 表面の硬さ、耐久性、耐洗浄性を初めとする化粧板自身
の性能や意匠性をさらに向上させる目的から、化粧板表
面に透明または半透明の樹脂層を形成する。一般的な形
成方法にとしては、化粧層を形成後の化粧板表面をジェ
ットヒーターや赤外線乾燥機等を代表とする乾燥機にお
いて加熱し、フローコーター等の塗工機により紫外線反
応硬化樹脂または電子線反応硬化樹脂を塗布、その後、
50℃前後に調節した乾燥機中で数分間静置することに
より塗料自身のレベリング性を利用し、塗料面を平滑に
仕上げ、紫外線または電子線を照射することによって、
樹脂を硬化させ仕上げる。紫外線反応硬化樹脂または電
子線反応硬化樹脂塗料を塗布する代わりに、既に紫外線
反応硬化樹脂または電子線反応硬化樹脂塗料をフィルム
化したものを転写し、その後紫外線または電子線を照射
することによって樹脂を硬化させ、仕上げる場合もあ
る。
【0010】その他の従来技術としては、例えば、木質
系板にアルミ箔を介して中塗り樹脂層、化粧シート、化
粧紙を接着し、その表面に紫外線塗装層を設けてなる家
具に使用する化粧板(特開平2−175240号公
報)、樹脂フィルム積層金属パネルと無機系パネルとを
接合してなることを特徴とする複合パネル(特開平5−
33190号公報)、フッ素樹脂フィルムと金属箔等の
不燃性または難燃性のシート基板とを複合してなる化粧
シートを、無機質系板の表面に貼付してなる化粧板(特
開平10−109386号公報)、繊維混入スラグセメ
ント板、金属板、更にその表面にフッ素樹脂フィルムを
接着し、フッ素樹脂フィルムの裏面または金属板の表面
に印刷模様を施したキッチンパネル(特開平9−125
562号公報)、基礎板材、金属箔、化粧剤および紫外
線硬化型硬化樹脂からなる化粧板において、その紫外線
硬化型硬化樹脂の塗膜層が7〜20μmであり、鉛筆硬
度が7H以上のウレタンーアクリレート系オリゴマー紫
外線硬化樹脂である化粧板(特開平9−216308号
公報)等が挙げられる。
【0011】しかしながら、上記従来技術によって得ら
れる化粧板には、次のような欠点がある。即ち、基板
の研磨処理に関しては、無機質基板自身非常に凹凸があ
り且つ空隙の分布が不均一のため、数10μm以上の穴
については、研磨において平滑にできないため、使用で
きる基板に制限がある。また、このような問題点を解決
するためには穴埋め材を必要とし、コスト高につながっ
た。の目止め処理およびベースコート処理に関して
は、炭酸カルシウムフィラー等の増量剤や補強繊維等の
固形分を非常に含んだ反応性樹脂を、加熱硬化、紫外線
硬化、電子線硬化等の方法により硬化させるが、いずれ
の硬化方法においても、硬化直後には、樹脂層の温度が
上昇してしまい、特に厚さが数mm程度の比較的薄い基
板を処理する場合、基板が反ってしまい、加えて樹脂層
厚みが数10〜100μm程度と非常に薄いため、後の
研磨工程中において未研磨や過研磨等のトラブルが生じ
やすい。即ち、基板表面樹脂層の温度変化による収縮や
基板の含水率変化による寸法変化が複雑に関係しあうた
め、結果的に製造工程中の「反り」の管理が非常に難し
く、結果的に未研磨や過研磨といった不良を多く生むこ
とになっていた。更に、鏡面性を高くするためには、こ
の層において非常に平滑仕上げにする必要があり、研磨
紙番手を非常に高くする必要がある。高番手研磨を行う
には、粗研磨から細研磨を順に複数回行う必要があり、
生産性が悪く、設備コストもかなり必要とする。更に、
細研磨を行う場合、細研磨用研磨紙は消耗が激しいめ、
ランニングコストも高くなる。しかしながら、こうした
非常に手間のかかる作業を行っても、最終製品におい
て、鏡面性の面では決して満足できるものではない。
【0012】また上記で説明した特開平2−17524
0号公報、特開平5−33190号公報、特開平10−
109386号公報、特開平9−125562号公報、
特開平9−216308号公報等に開示された化粧板の
鏡面性もいまだ改善の余地がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、従来技術の化粧板より、鏡面性が一層優れたもの
であるとともに、耐火性、不燃性、加工性等にも優れる
鏡面性化粧板およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、上記の従来の課題を解決することを得た。
即ち本発明は、無機質基板の少なくとも一方の面に、接
着剤層、金属箔層、化粧層、および透明または半透明樹
脂層がこの順で積層されてなる化粧板において、前記化
粧層表面のカットオフ2.5mmのときの中心線平均粗
さとカットオフ0.8mmのときの中心線平均粗さとの
差が0.15μm以下であり、かつ前記透明または半透
明樹脂層表面のカットオフ2.5mmのときの中心線平
均粗さが0.15μm以下であることを特徴とする鏡面
性化粧板を提供するものである。また本発明は、金属箔
層が、アルミニウム箔層またはステンレス箔層であるこ
とを特徴とする前記の鏡面性化粧板を提供するものであ
る。また本発明は、透明または半透明樹脂層が、紫外線
硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂であることを特徴と
する前記の鏡面性化粧板を提供するものである。また本
発明は、無機質基板の表面に所望の方法により接着剤層
を設ける工程と、前記接着剤層上に金属箔を接着して金
属箔層を設ける工程と、前記金属箔層上に所望の方法に
より印刷層を設け、前記印刷層表面のカットオフ2.5
mmのときの中心線平均粗さとカットオフ0.8mmの
ときの中心線平均粗さとの差が0.15μm以下になる
ようにする工程と、前記印刷層上に透明または半透明樹
脂層用樹脂を積層して透明または半透明樹脂層を設け、
前記透明または半透明樹脂層表面のカットオフ2.5m
mのときの中心線平均粗さが0.15μm以下になるよ
うにする工程と、を有することを特徴とする鏡面性化粧
板の製造方法を提供するものである。また本発明は、金
属箔層が、スチールベルトプレス法または多段プレス法
により無機質基板表面に設けられる前記の鏡面性化粧板
の製造方法を提供するものである。
【0015】鏡面性とは、例えば蛍光灯等の像を化粧板
等の表面に映した場合、コントラスが低下せず、その像
が鮮明に映っていることを示す。即ち、平滑性と光沢の
両者を総称したものといえる。森田等(塗装による平面
の平滑化と外観/表面技術vol.40,No.1,1989)は、人の
外観感覚表現とその表面形状(表面粗さ)について、表
面形状を形成する凹凸(波)の粗さ成分を波長別に分類
した場合、数10μm以下の短波長成分が主に光沢感
を、また数10μmから数100μmの中波長成分はウ
ジ感、ムジ感を、更に数100μmから数mmの長波長
成分が映った像の歪み感をそれぞれ人の感覚に与えると
した。
【0016】さらに、本発明者らは、波長が2.5mm
以下の波長成分を示す特性値の一つであるカットオフ
2.5mmのときの中心線平均粗さ(以下Ra(2.
5)という)が、鏡面性を示す表面平滑度と密接に関係
しており、その値が0.15μm以下、好ましくは0.
10μm以下、より好ましくは0.06μm以下のとき
に優れた鏡面性を発揮できることを見出した。
【0017】そこで本発明者らは、不燃性、加工性を兼
ね備え、しかも化粧面のRa(2.5)が0.15μm
以下、好ましくは0.10μm以下、より好ましくは
0.06μm以下の化粧板を開発すべく鋭意研究を行っ
た結果、珪酸カルシウム板やセメント系板を主とする無
機質基板の表面に、好ましくは特定の粗さ曲線をもつ金
属箔層を積層し、さらに該金属箔層表面に特定の粗さ曲
線をもつ印刷層、さらにその上に特定の粗さ曲線をもっ
た透明または半透明樹脂層が順次形成されてなる化粧板
については、意匠性、耐洗浄性、加工性、生産性に優れ
ており、特に鏡面性において優れることを見出し、本発
明をなすにいたった。
【0018】具体的には、本発明の特徴は、印刷層表面
の特定の波長成分に着目し、この成分を限定、即ち、こ
れら層表面のカットオフ2.5mmとカットオフ0.8
mm時の中心線平均粗さ(Ra)の差(以下△Ra
(2.5-0.8)という)を0.15μm以下にする
ことにより(金属箔層および必要に応じて設けられる化
粧層についても△Ra(2.5-0.8)を考慮するの
が望ましい)、透明または半透明樹脂層表面のRa
(2.5)を0.15μm以下にすることができること
にある。本発明によれば、森田等が指摘した数100μ
mから数mmの長波長成分、とくに鏡面性に大きく影響
する500μm〜2000μmの波長の形状を基板表面
で少なくすることができ、しかも従来の化粧板と同等の
加工性、作業を保持しながら、高い生産性により鏡面性
化粧板を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明でいう中心線平均粗さ(R
a)およびカットオフ値の定義は、JISB0601で
規定されている。例えば、カットオフ値は次のように説
明される。 ・カットオフ値 電気的に表面粗さのパラメーターを直読する計器では、
表面の凹凸の高波長成分を除くために、基準長さを用い
ないで断面曲線をフーリエ解析した波長成分のうち、長
波長成分を除去したものを考える。この長波長成分を除
去する限界の波長がカットオフ値である。なお、基準長
さとは、断面曲線(被測定面に直角な平面で被測定物を
切断した時に、その切り口に現れる輪郭)の一定長さを
取った部分の長さを意味する。
【0020】波長別の粗さ成分分布が、選択したカット
オフ値の波長から極端にはなれて存在し、カットオフ値
付近の波長においてその成分量が少なければ、どのカッ
トオフ値を選択してもRaに差は生じない。しかしなが
ら、波長別の粗さ成分分布が、いくつかの選択したカッ
トオフ値の波長域に不均一に存在する場合、選択するカ
ットオフ値によってRa等の表面粗さは当然の如く変わ
ってしまう。例えば、ステンレス板のように、数10μ
m程度の波長成分がほとんどを支配するときは、Ra
(0.8)もRa(2.5)も大きな差はない。逆に、
溶融亜鉛メッキ鋼板箔のように、鋼板の表面に比較的大
きな亜鉛結晶が析出しているようなものは、Ra(0.
8)とRa(2.5)には大きな差がある。表1に代表
的なステンレス箔と亜鉛メッキ鋼板箔のカットオフ別の
Raについて示す。
【0021】
【表1】
【0022】Ra(0.8)は、0.8mm以下の波長
成分を示して、さらにRa(2.5)は2.5mm以下
の波長成分を示すこととなる。そのようなことから、本
発明で規定した△Ra(2.5-0.8)は、Ra
(2.5)とRa(0.8)の差を示しており、波長
0.8mm付近〜2.5μm付近の粗さ成分を間接的に
示す。すなわち、逆に、波長が0.8mm付近以下の粗
さ成分や2.5mm以上のうねり成分は含まれていない
ことになる。即ち、Ra(2.5)とRa(0.8)の
差を示す△Ra(2.5-0.8)は、波長が0.8m
m付近〜2.5μm付近の粗さ成分を間接的に示す。逆
に、波長が0.8mm未満の粗さ成分や2.5mm超の
うねり成分はほとんど含まれていないことになる。
【0023】本発明に使用される無機質基板は、耐熱
性、不燃性でありまた容易に入手できる等の観点から、
繊維補強珪酸カルシウム成形体、繊維補強セメント成形
体、繊維補強セラミックス成形体、軽量気泡コンクリー
ト(ALC)、ガラス、タイル、石材また、それらの複合
材が例示できる。
【0024】必要に応じて、これら無機質基板の表層に
は、基板補強樹脂塗料が用いられる。基板補強樹脂塗料
は、基板への含浸性が良好で、十分な基板強度を発揮で
き、しかも多くの無機質基板が有するアルカリ成分によ
っても侵されないものであればよく、とくに限定するも
のではない。該塗料は、溶剤系または水系であることが
でき、含まれる樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂等が好ましい。基板補強樹脂塗料の
塗布量は、使用する基板、使用する樹脂、粘度等により
異なり、特に制限されないが、例えばかさ比重が1.0
前後の珪酸カルシウム板に湿気硬化型ウレタン系の基板
補強樹脂塗料を塗布する場合は、50g/m2〜200
g/m2程度の塗布量が好ましい。50g/m2より少な
ければ、基板補強が不十分であり、また200g/m2
より多く塗布した場合は、珪酸カルシウム板表面に樹脂
膜を形成してしまい、後に示す金属箔との接着の際、接
着剤が一部基板に浸透して接着強度を増大させるアンカ
ー効果が期待できず、接着強度が低下してしまう。基板
補強樹脂塗料の塗布方法は、公知の方法を採用すること
ができる。例えば、ロールコーター、フローコーター、
エアースプレー、エアレススプレー等の塗工機が用いら
れる。さらに、無機質基板への含浸および生産性を上げ
るために、予め無機質基板表面を加熱してもよい。同様
に、塗布後において、硬化時間を短縮する目的から加熱
してもよい。
【0025】本発明における接着剤層の形成のために使
用される接着剤は、従来から公知のものを用いることが
できる。例えば、熱硬化性樹脂系接着剤では、ユリア
系、メラミン系、レゾルシノール系、フェノール系、エ
ポキシ系、ポリウレタン系、ポリアロマチック系、ポリ
エステル系等が挙げられ、また、熱可塑性樹脂系接着剤
では、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリビ
ニルアセタール系、アクリル系、ポリエチレン系、セル
ロース系等が挙げられる。また、エストラマー系では、
クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、SBR系、SBS-SIS
系、ポリサルファド系、ブチルゴム系、シリコーンゴム
系等が挙げられる。また、極力、耐熱性や難燃性にすぐ
れた接着剤を使用することが好ましいことから無機系接
着剤の使用も好ましい。また、固化および硬化方法では
室温硬化形、熱硬化形、ホットメルト形、感圧形、再湿
形等が好まれて使用できる。さらに接着剤の形態では、
水溶液形、溶剤形、エマルジョン形、固形(特にフィル
ム状)、テープ形等が好まれて使用できる。
【0026】接着剤の塗布量は、接着剤層が20μm〜
200μm、より好ましくは50μm〜150μmとな
るような量がよい。接着剤層の厚さが20μm未満の場
合、接着剤を均一に塗布することが困難であり、しか
も、無機質基板の凹凸が、後に示す金属箔を所定の方法
で接着しても、金属箔上に凹凸が生じてしまい好ましく
ない。また、200μmを超えると経済的に好ましくな
い。
【0027】接着剤の塗布方法については、金属箔接着
後の表面の粗さ曲線を小さくできるような、接着剤およ
び接着剤の塗布方法および接着方法が用いられる。最も
好ましい塗工方法としては、フローコーター、ナイフコ
ーター、ドクターナイフコーター、ダイコーターを用い
たものが、接着剤が均一に塗布でき好ましい。ロールコ
ーター、エアースプレー、エアレススプレー等の塗工機
を用いた塗工は、塗着面が平滑に仕上げることが困難で
はあるが、後に示す接着方法を用いれば採用可能であ
る。
【0028】本発明で使用される金属箔は、目的に応じ
て適宜選択すればよいが、極力硬質なものが好ましい。
例えば、厚さ0.05mm〜0.5mm、好ましくは
0.1mm〜0.5mmのアルミニウム箔またはステン
レス箔がよい。この範囲であると、無機質基板や接着剤
層に起因する凹凸が残存し難くなり、最終製品において
良好な鏡面性が得られる。また、経済性、耐久性、加工
性等の観点からも好ましい。なお銅箔も使用可能であ
る。また、金属箔の△Ra(2.5-0.8)は、0.
15μm以下、好ましくは0.10μm以下、より好ま
しくは0.06μm以下がよい。この条件を満たす金属
箔は、例えば、JIS G4305「冷間圧延ステンレ
ス鋼板および鋼帯.6表面仕上げ」に規定する表面仕上
げ(仕上げ記号、No.2D、No.2B、No.3、No.4、#24
0、#320、#400、BA、HL)において表面処理を行った
ものが挙げられる。なお、前記表面仕上げを超える艶消
し処理や凹凸模様を加えたものについては、使用が好ま
しくない場合がある。さらに、亜鉛メッキ鋼板のよう
に、表面に亜鉛の結晶が通常の凝固過程において生成
し、スパングルをもつものに対しては、その表面形状の
△Ra(2.5-0.8)が0.5μm程度あるため、
使用が好ましくない。
【0029】次に無機質基板と金属箔とを接着するが、
接着後の金属箔も、△Ra(2.5-0.8)が0.1
5μm以下、好ましくは0.10μm以下、より好まし
くは0.06μm以下であるのがよい。0.15μmを
超えると、最終製品の表面形状において十分な平滑面が
得られず、結果的に鏡面性が得られ難く好ましくない。
【0030】このような接着ができる方法としては、無
機質基板および金属箔層に施される圧力が面圧で行える
スチールベルトプレス法や多段プレス法が好適に用いら
れる。図1は、スチールベルトプレス法を説明するため
の図である。スチールベルトプレス機1は、1対のスチ
ールベルト11および12がローラー13および14に
よりそれぞれ巻回されている構造を主要部として有して
いる。ロール状に巻かれた金属箔21は、ガイドローラ
ー31、32を経てダイコーター等の塗工機41により
その表面に接着剤がコーティングされ、さらにガイドロ
ーラー33、34、35、36を経てスチールベルト1
1および12間に送り込まれ、同時に、進んできた無機
質基板51と接着される。両者の接着は、加圧ローラー
61、61’により加圧されながら行われ、ローラー1
3、14によるものではない。即ち、ローラー13、1
4部のスチールベルト間隔は、基板および金属箔より大
きくする必要がある。無機質基板51と金属箔21は、
スチールベルト11の回転に応じて加圧されながら移動
し、接着が完了した後は、カッター71により所望の大
きさに切断される。スチールベルトプレス法は、基板送
り速度を調整するか、或いはスチールベルトの長さを調
整する等して、加圧時間の調整を行うことができ、更に
スチールベルトを加熱することにより、接着剤の硬化を
促進させることも可能である。なお、スチールベルトプ
レス法による生産性を良好にするためには、加圧時間を
短くするのが望ましく、そのため接着剤としては例え
ば、二液硬化ウレタン系やホットメルト系、エストラマ
ー系の接着剤を採用するのが好ましい。ホットメルト系
接着剤を用いた場合には、加熱温度が100℃〜150
℃、加圧時間は、1分〜2分程度が好ましい。
【0031】図2は、多段プレス法を説明するための図
である。多段プレス機2は、図2(a)で示すようにプ
レス用金型81、82、および複数枚のプレス用中間板
83から構成されている。プレス用金型81、82とプ
レス用中間板83との間、またはプレス用中間板の間
に、無機質基板51と金属箔21とを接着剤を介して積
層して設置し、続いて図2(b)で示すようにプレス用
金型81および82間に圧力を施すものである。なお、
多段プレス法の場合も、スチールベルトプレス法と同様
な接着剤が好適に用いられる。多段プレス法における加
圧時間は、装置の大小にかかわらず調整が可能である。
しかしながら、多段プレス法はバッチ式であるため生産
効率はスチールベルトプレス法に比べて劣る。
【0032】スチールベルトプレス法および多段プレス
法による接着圧力としては、十分な接着強度発現と接着
後の平滑性が確保させるため、50kPa〜1000k
Pa程度が好ましい。50kPaより小さい場合は十分
な接着強度を得られない場合があり、1000kPaよ
り大きい場合は、金属箔上の△Ra(2.5-0.8)
の差が0.15μmより大きくなりやすく好ましくな
い。
【0033】一方、圧力が線圧であるロールプレス方式
または無機質基板と金属箔との間の空気を吸引して接着
する真空プレス方式を使用した場合、金属箔表面に無機
質基板および接着剤層に起因する凹凸が生じ易く結果的
に△Ra(2.5-0.8)が0.15μmより大きく
なりやすく好ましくない。
【0034】次に、金属箔上に化粧層が形成される。化
粧層は、塗膜層または印刷層の単層、または、塗膜層お
よび印刷層の複層からなり、塗膜層は、次工程において
行われる印刷に関連して、金属箔の色の隠蔽、印刷柄の
意匠性の向上、印刷層の密着性の向上等を目的として設
けられる。
【0035】塗膜層の表面形状は、△Ra(2.5-
0.8)が0.15μm以下、好ましくは0.10μm
以下、より好ましくは0.06μm以下がよい。そのた
め、塗膜層は、透明または顔料を加えた塗料を、フロー
コーターにより塗布して形成するのが好ましい。スプレ
ーコーターを使用した場合には、ゆず肌に代表されるよ
うな比較的大きな形状を生成しやすく、最終製品におい
て、鏡面性が低下してしまう。また、ロールコーターを
使用した場合には、塗膜面に「ロール目」に代表される
ような凹凸が生成しやすく、同様に好ましくない。顔料
を使用する場合には、その粒径が、その塗膜表面形状の
△Ra(2.5-0.8)が0.15μm以下、好まし
くは0.10μm以下、より好ましくは0.06μm以
下を満足できるような大きさであれば特に制限はされな
い。使用できる樹脂、硬化方法についても、先の条件を
満たすものであれば特に制限はない。塗膜層は、それに
求められる性能を満足できるものであれば、とくに制限
されない。ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が例示でき、ま
た、塗膜層の柄に対応した着色を施すための、顔料や染
料が加えられたものが、好適に使用できる。硬化方法に
ついては、常温硬化、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化
等の方法が例示できるが、とくに、紫外線硬化や電子線
硬化を使用した場合、塗膜層表面に凹凸が生じにくく、
とくに好ましい。また、塗膜層の厚みについては、先の
塗膜層の性能を満足すれば、何ら制限はない。しかしな
がら、実質上、10μmより薄いと、金属箔色を隠蔽す
ることが難しく、また200μmより厚い場合は、経済
上好ましくない。
【0036】金属箔上または塗膜層上に印刷層を設ける
方法としては、公知の方法が利用できる。即ち、例えば
転写印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット
印刷また、インクジェットプリンターを用いて化粧柄を
形成することが好ましい。
【0037】しかしながら、印刷層については、その表
面形状が△Ra(2.5-0.8)が0.15μm以
下、好ましくは0.10μm以下、より好ましくは0.
06μm以下である必要がある。△Ra(2.5-0.
8)が0.15μmを超えると、透明または半透明紫外
線硬化樹脂層を形成した後の鏡面性が著しく低下する。
なお、転写箔を利用し印刷する場合、転写箔自身のイン
キ層表面の△Ra(2.5-0.8)が0.15μm以
下、好ましくは0.10μm以下、より好ましくは0.
06μm以下がよい。これ以上の△Ra(2.5-0.
8)を持つ転写箔を印刷した場合、当然の如く印刷層の
△Ra(2.5-0.8)も0.15μmより大きくな
り、好ましくない。
【0038】なお、予め金属箔層と印刷層とからなる積
層体、または予め金属箔層、塗膜層および印刷層が順次
積層されてなる積層体を、先に示したスチールベルトプ
レス法や多段プレス法で無機質基板上に貼り合わせても
よい。この場合も、積層体上の表面形状は、△Ra
(2.5-0.8)が0.15μm以下、好ましくは
0.10μm以下、より好ましくは0.06μm以下が
よい。
【0039】本発明で使用される透明または半透明樹脂
層は、従来公知の樹脂であることができ、またその硬化
方法もとくに制限されない。しかしながら、塗料中の溶
剤を物理的に蒸発することによって塗膜が形成されるよ
うなラッカータイプ、例えばニトロセルロース誘導体、
塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ビニルアセタール樹
脂、塩素化ゴム等は、いずれも塗料中の揮発分が蒸発し
て塗膜を形成するものであり、溶剤の蒸発速度が短いほ
ど早く乾燥塗膜になるが、塗膜面に凹凸を生じる場合が
あり、その選定や乾燥条件には注意を要する。
【0040】そこで、溶剤を全く含まない若しくは含有
量が極端に少ない、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹
脂が本発明に好適である。透明または半透明樹脂を紫外
線または電子線によって硬化させた場合は、樹脂が縮合
または付加反応により硬化するときに大きなエネルギー
を受けており、一般的に架橋密度が高く、そのため硬度
が増し、耐洗浄性に優れるため、また非常に硬化時間が
短いため生産性に優れる等の利点があり、使用が好まし
い。
【0041】本発明に使用できる紫外線硬化型塗料は、
塗膜特性の優れた透明塗膜或いは半透明塗膜を形成して
得られる塗料であれば好ましく用いれる。紫外線硬化型
塗料は、反応性共重合体、光重合性化合物、光重合性開
始剤を必須成分として含有し、必要に応じて、着色剤塗
料用添加剤を添加し得られる。例えば、反応性共重合体
には、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が主に挙げられ
る。また、光重合性化合物(重合性モノマー)は、不飽
和ポリエステルやスチレン等が挙げられる。また、光重
合性開始剤としては、カルボニル化合物、有機過酸化
物、アゾ化合物、ハロゲン化物、硫黄化合物等が主に使
用できる。
【0042】電子線硬化樹脂により形成される透明塗膜
或いは半透明塗膜は、電子線の照射によって架橋、重合
しうる樹脂からなる。この方法で硬化された樹脂は紫外
線硬化型樹脂と異なり、紫外線による変色、劣化が少な
く、屋外にも使用できるという利点を持つ。同樹脂は、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アミ
ノ樹脂(メラミン樹脂など)、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂等の飽和結合を骨格とする官能基含有基体、それ
ら官能基と付加或いは重合しうる基を有するビニル系単
量体よりなり、必要により、反応性希釈剤或いは架橋性
オリゴマーを加えることができる。該ビニル系単量体と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、アリルアルコー
ル、無水マレイン酸、メチロールアクリルアミド、メタ
クリルアミド、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタク
リル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸グリシジル、ア
ミノアルキル、メタクリル酸アミノアルキル等がある。
また、反応性希釈剤としては、アクリル酸エステル類、
メタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、スチレン、α-メチルスチレン等がある。
また、架橋性オリゴマーとしては、2〜4個の重合性ビ
ニル基を有する分子量1000以下の化合物が挙げら
れ、ジアリルフタレート、エチレングリコールメタアク
リレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ビス-(エチレングリコールフタレート)ジ
(メタ)アクリレート、ビス-(ジエチレングリコール
フタレート)ジ(メタ)アクリレーと、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)メタアクリレート等がある。
【0043】透明または半透明樹脂層表面のRa(2.
5)は、0.15μm以下であり、好ましくは0.10
μm以下、より好ましくは0.06μm以下がよい。
0.15μmより大きい場合、光沢、鮮映性等の低下に
よる鏡面性が劣ってしまう。このような、表面形状を形
成させる方法として、フローコーターが好適に用いられ
る。スプレーコーターを使用した場合には、ゆず肌に代
表されるような比較的大きな形状を生成しやすく、塗膜
面に入射する光の正反射方向が変化してしまい、結果的
に鏡面性が低下してしまう。また、ロールコーターを使
用した場合には、塗膜面に「ロール目」に代表されるよ
うな凹凸が生成しやすく、同様に好ましくない。更に近
年、UV透明または半透明フィルムをロールプレスによ
り接着後、UV照射により硬化させる方法もあるが、この
方法についても、ロールコーターと同様に塗膜面に凹凸
は生じやすく、好ましくない。
【0044】また塗布量は、透明または半透明樹脂層の
厚みが、20μmより大きく200μm以下になるよう
な塗布量がよく、例えば20g/m2〜250g/m2
度が好ましい。塗料塗布後のレベリングを利用し、平滑
面を得るためには、塗布量は多ければ多い程よい。その
ため塗膜厚みは、20μmより大きいことが望まれる。
しかしながら、こうした紫外線を利用した硬化方法は、
紫外線が進入するまでの塗膜厚みでなければなく、その
ため、塗膜厚みは200μm以下が好ましい。なお本発
明でいう「透明または半透明」とは、全光線透過率70
〜100%を意味する。
【0045】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例により説明
するが、本発明は下記例によりなんら制限を受けるもの
ではない。各層の表面粗さ(Ra)は、JIS B06
01付属書に従って測定した。なお、金属箔層、塗膜
層、印刷層については作成途中で測定した。測定条件を
表2に示す。
【0046】
【表2】 Ra カットオフ(mm) 評価長さ(mm) Ra(0.8) 0.8 8Ra(2.5) 2.5 8
【0047】実施例1 まず、予め研磨紙番手120で研磨をした珪酸カルシウム
板((株)アスク製、商品名セルストン、厚み6mm)
に、ロールコーターにより、湿気硬化型ウレタンシーラ
ー((株)トウペ製、商品名トアASシーラー)を100g
/m2塗布し、24時間室内に放置後、積み重ねをし、2
週間さらに室内に放置養生した。次に0.1mm厚のス
テンレス箔(川崎製鉄(株)製、SUS304 BA仕上げ)裏面
に、ダイコーターにより、ホットメルト系接着剤を10
0g/m2(武田薬品工業(株)製)を塗布し、塗布後3
0秒間放置後、プレス圧力が300kPaのスチールベ
ルトプレス法により珪酸カルシウム板と接着を行った。
この金属箔層を有する基板を、100℃に調節した乾燥
機中に5分放置させ、金属箔表面を50℃程度にした
後、フローコーターにより塗膜層用塗料(日本ペイント
(株)製、商品名ルリール310/溶剤ウレタン系)を塗布
し、100℃に調節した乾燥機中で5分間焼き付けを行
い、厚さ30μmの塗膜層を形成した。次に、転写箔
(大日本印刷(株)自然石柄)をゴム硬度70、ロール温
度200℃、送り速度3m/分の条件で、熱ロール転写
を行い、印刷層を形成した。次いで、印刷層上にフロー
コーターを用いて、紫外線硬化型塗料(日本ペイント
(株)製、商品名AF1クリア)80g/m2を塗布し
た。2分間室内で静置させた後、紫外線を照射し硬化さ
せ、トップコート層(透明または半透明樹脂層)を形成
させた。
【0048】実施例2 実施例1と同様に、珪酸カルシウム板にシーラーを塗
布、養生を行った。次に、0.1mm厚のステンレス箔
(川崎製鉄(株)製、SUS304 No.4仕上げ)裏面および珪
酸カルシウム板表面に、合成ゴム系接着剤(コニシ(株)
製、商品名ボンドGシリーズ)を各100g/m2ずつ
エアースプレーにて塗布した。塗布後1分間放置後、ス
テンレス箔と珪酸カルシウム板を貼り合わせ、ハンドロ
ールで軽くプレスを行った後、プレス圧力300kP
a、加圧時間60分の条件で多段プレスを行い、ステン
レス箔と珪酸カルシウム板を接着した。次いで、化粧
層、印刷層、トップコート層を実施例1と同様の方法で
形成させた。
【0049】実施例3 実施例1と同様に、珪酸カルシウム板にシーラーを塗
布、養生、更に金属箔と珪酸カルシウム板を接着した。
塗膜層は、形成しなかった。次に、転写箔(凸版印刷
(株)製の自然石柄)をゴム硬度70、ロール温度200
℃、送り速度3m/分の条件で、熱ロール転写を行い、
印刷層を形成した。ついで、トップコート層を実施例1
と同様の方法で形成させた。
【0050】実施例4 実施例2と同様に、珪酸カルシウム板にシーラーを塗
布、養生、更に金属箔と珪酸カルシウム板を接着した。
なお金属箔には0.1mm厚のアルミニウム箔(東海ア
ルミ箔(株)製)を使用した。塗膜層、印刷層、トップコ
ート層については、実施例1と同様に行った。
【0051】比較例1 実施例1と同様に、珪酸カルシウム板にシーラーを塗
布、養生を行った。次に、実施例4と同様のアルミ箔裏
面に、アクリルウレタン系エマルジョン型接着剤(コニ
シ(株)製、商品名CVCシリーズ)80g/m2をロー
ルコータにて塗布した。さらに、プレス圧力300kP
a、温度110℃、圧締時間3分の条件において真空プレス
方式により、アルミ箔と珪酸カルシウム板を接着した。
塗膜層、印刷層、トップコート層については、実施例1
と同様に行った。
【0052】比較例2 実施例1と同様に、塗膜層形成まで行った。次に、ロー
ル転写により転写箔(和信化学工業(株)製の大理石柄)
をゴム硬度70、ロール温度200℃、材料送り速度3
m/分の条件で、転写柄を印刷し、印刷層を形成した。
次いで、実施例1と同様のトップコート層を形成した。
【0053】比較例3 実施例1と同様に印刷層形成まで行った。次いで、UV
透明または半透明フィルム(日本ペイント(株)製)をゴ
ム硬度70、ロール温度200℃、材料送り速度3m/
分の条件で、ロールプレスにより接着後、UV照射によ
り硬化させ、トップコート層を形成させた。
【0054】比較例4 実施例2と同様に、珪酸カルシウム板にシーラーを塗
布、養生、更に金属箔と珪酸カルシウム板を接着した。
尚、金属箔には0.1mm厚の溶融亜鉛メッキ鋼板(川
崎製鉄(株)製、レギラースパングル)を使用した。塗膜
層、印刷層、トップコート層については、実施例1と同
様に行った。
【0055】比較例5 予め研磨紙番手120で研磨を行った珪酸カルシウム板
((株)アスク製、商品名セルストン6mm)を使用し
た。この基板を100℃雰囲気中に5分程度放置した
後、ロールコーターにより、湿気硬化型ウレタンシーラ
ー(日本ペイント(株)製、商品名U−60)を60g/
2塗布した。その後、紫外線硬化型塗料(日本ペイン
ト(株)製、商品名ユービコート60サンディングシーラ
ー)60g/m2を、ロールコータおよびナチュラルリ
バースコーターにより塗布し、次いで紫外線を照射し、
硬化させた。その直後に、研磨紙番手180により研磨
を行った。次いで、焼き付け型ウレタン塗料(日本ペイ
ント(株)製、商品名ルリール310)110g/m2
フローコーターにより塗布し、100℃雰囲気中で5分
間焼き付けを行った。ロール転写以降の処理について
は、実施例1と同様に行った。
【0056】実施例および比較例で作製した試験体につ
いて、各層のRa(2.5)、Ra(0.8)および△
Ra(2.5-0.8)を表3に示す。表3から、実施
例の化粧板は、トップコート層下の表面形状の△Ra
(2.5-0.8)が比較例に比べて小さく、トップコ
ート層上のRa(2.5)も小さくなり、結果的に鏡面
性に優れることが分かる。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、不燃性、耐熱性、耐洗
浄性を兼ね備え、さらに意匠性、特に鏡面性に優れた化
粧板を提供することができる。また本発明の製造方法
は、このような化粧板を高い生産性で提供できるもので
ある。本発明の化粧板は、とくに台所のガスコンロ周辺
部に配置されるキッチンパネルに好適に使用可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スチールベルトプレス法を説明するための図で
ある。
【図2】多段プレス法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 スチールベルトプレス機 11,12 スチールベルト 13,14 ローラー 21 金属箔 31,32,33,34,35,36 ガイドローラ
ー 51 無機質基板 61,61’ 加圧ローラー 71 カッター 81,82 プレス用金型 83 プレス用中間板
フロントページの続き (72)発明者 中村 光邦 茨城県石岡市柏原6番1号 株式会社建材 テクノ研究所内 (72)発明者 太見 健志 茨城県石岡市柏原6番1号 株式会社建材 テクノ研究所内 (72)発明者 本間 秀樹 東京都千代田区西神田三丁目8番1号 株 式会社建材テクノ研究所内 Fターム(参考) 2E110 AA02 AA57 AB43 BA04 BA12 BB02 BB04 EA09 GA05W GA07W GA23X GA24X GA32Z GA33X GA42X GB03Z GB06Z GB07Z GB17X GB23X GB26X GB28X GB32X GB44W GB46W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質基板の少なくとも一方の面に、接
    着剤層、金属箔層、化粧層、および透明または半透明樹
    脂層がこの順で積層されてなる化粧板において、前記化
    粧層表面のカットオフ2.5mmのときの中心線平均粗
    さとカットオフ0.8mmのときの中心線平均粗さとの
    差が0.15μm以下であり、かつ前記透明または半透
    明樹脂層表面のカットオフ2.5mmのときの中心線平
    均粗さが0.15μm以下であることを特徴とする鏡面
    性化粧板。
  2. 【請求項2】 金属箔層が、アルミニウム箔層またはス
    テンレス箔層であることを特徴とする請求項1に記載の
    鏡面性化粧板。
  3. 【請求項3】 透明または半透明樹脂層が、紫外線硬化
    型樹脂または電子線硬化型樹脂であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の鏡面性化粧板。
  4. 【請求項4】 無機質基板の表面に所望の方法により接
    着剤層を設ける工程と、前記接着剤層上に金属箔を接着
    して金属箔層を設ける工程と、前記金属箔層上に所望の
    方法により印刷層を設け、前記印刷層表面のカットオフ
    2.5mmのときの中心線平均粗さとカットオフ0.8
    mmのときの中心線平均粗さとの差が0.15μm以下
    になるようにする工程と、前記印刷層上に透明または半
    透明樹脂層用樹脂を積層して透明または半透明樹脂層を
    設け、前記透明または半透明樹脂層表面のカットオフ
    2.5mmのときの中心線平均粗さが0.15μm以下
    になるようにする工程と、を有することを特徴とする鏡
    面性化粧板の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属箔層が、スチールベルトプレス法ま
    たは多段プレス法により無機質基板表面に設けられる請
    求項4に記載の鏡面性化粧板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009028942A (ja) * 2007-07-25 2009-02-12 Oota:Kk 意匠材
JPWO2009069464A1 (ja) * 2007-11-29 2011-04-14 東洋鋼鈑株式会社 キッチンパネル用材料、キッチンパネル用材料の製造方法及びキッチンパネル
JP2015044407A (ja) * 2013-07-31 2015-03-12 住友ベークライト株式会社 メラミン化粧板およびメラミン化粧板の製造方法
JP2016061046A (ja) * 2014-09-17 2016-04-25 大日本印刷株式会社 化粧シート及び化粧材

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