JP2001181632A - 抗酸化剤 - Google Patents

抗酸化剤

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JP2001181632A
JP2001181632A JP2000312312A JP2000312312A JP2001181632A JP 2001181632 A JP2001181632 A JP 2001181632A JP 2000312312 A JP2000312312 A JP 2000312312A JP 2000312312 A JP2000312312 A JP 2000312312A JP 2001181632 A JP2001181632 A JP 2001181632A
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antioxidant
extract
water
vivo
olive
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Noriyasu Kuno
憲康 久野
Miho Matsumoto
美保 松本
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Nisshin Oil Mills Ltd
Original Assignee
Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、強い抗酸化効果を有し、人体に対
する安全性が高く、さらには用途の広い抗酸化剤を提供
することを目的とする。 【解決手段】 オリーブ植物(葉を除く。以下同じ)か
ら得られる抽出物を有効成分とする抗酸化剤に関する。
該抽出物はオリーブ植物および/またはオリーブ油製造
工程で得られる生成物を水および/または有機溶媒で抽
出処理して得ることができ、更に抽出物を濃縮処理およ
び/または分画・精製処理することで効果を向上させる
ことができる。特に、保存安定性向上効果等の酸化防止
効果や、各種疾病予防や抗老化効果等の生体内抗酸化効
果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オリーブ(Ole
a europaea L.)植物から得られる抽出物
を含有する抗酸化剤に関し、抗酸化効果、特には製品の
保存安定性の向上効果等の優れた酸化防止効果や、各種
疾病予防効果や抗老化効果等の優れた生体内抗酸化効果
を有する抗酸化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油脂、とりわけ不飽和脂肪酸を含む油脂
は酸化されやすく、品質劣化、栄養性・機能性低下の大
きな原因となる。不飽和脂肪酸の中でもリノール酸、リ
ノレン酸およびアラキドン酸は必須脂肪酸として栄養素
として重要な役割を果たしている。また近年、EPA,
DHAなど高度不飽和脂肪酸の生理活性に注目され、こ
れらを含む多くの飲食物などが上市されている。しかし
これらの不飽和脂肪酸は極めて酸化安定性に欠けるた
め、抗酸化剤の添加が必要となるが、長期間保存に有効
な抗酸化剤は今のところ無いのが現状である。
【0003】生物は、酸素を利用することによって生存
に必要なエネルギーを効率的に得ている。しかしなが
ら、このようなエネルギー代謝のうち酸素が水に変換さ
れる過程で、中間体として活性酸素種が生じる。一般に
この活性酸素種としては、マクロファージの刺激などに
よって放出されるスーパーオキシド、放射線の被爆など
によって生成されるヒドロキシラジカルなどが知られて
いる。これらの活性酸素種は過度の放射線や紫外線の照
射、化学物質やタバコの摂取等の外的誘因と虚血再還
流、炎症、ストレス、老化等の内的要因が原因となって
生成される。このようにして生体内で過剰に生成された
活性酸素種は、一般に化学的反応性が高く、生体内で隣
接する脂質や核酸、蛋白質等の成分と容易に反応し、さ
まざまな疾病に繋がる酸化的障害をもたらす。活性酸素
種の一種であるスーパーオキシドは、さまざまな疾病と
深い関わりがあることが明らかにされており、例えば動
脈中のLDLは、スーパーオキシドによって酸化されて
泡沫細胞を形成し、動脈硬化の原因を発生する。また放
射線の照射によりもたらされるヒドロキシラジカルの産
生は、発癌などの深刻な障害を生体に与える。(Hal
liwell B. and Gutteridge
M.C.、 Biochem.J. 219、1-1
4、(1984))。
【0004】このような活性酸素種の生体に対する毒性
が明らかになるにつれ、これらを効率的に消去する活性
を有する活性酸素種消去物質等の抗酸化剤は、生体内ま
たは食品や医薬品、農薬等に含まれる成分の酸化的劣化
の防御剤として有用であり、食品産業、特に水産加工
品、健康食品、栄養食品のほか、医薬品・農薬分野や化
粧品分野において実利的な利用が期待されているもので
ある。
【0005】近年、抗酸化剤に限らず、化学合成品から
なる食品添加物の安全性の問題に対する消費者の意識も
高まっており、例えば、BHA(ブチルヒドロキシルア
ニソール)やBHT(ブチルヒドロキシトルエン)等の
化学合成抗酸化剤は、その使用が避けられる傾向にあ
る。また、他の抗酸化剤も、植物油由来のトコフェロー
ル類など油溶性(非水溶性)のものが多く、実際の使用
に際しては制約を受けることが多い。
【0006】このような中、これまでさまざまな抗酸化
剤が、主に天然物由来の原料から抽出され、その応用が
検討されている。例えばスーパーオキシド消去活性を有
するものとして酵素蛋白であるスーパーオキシドジスム
ターゼ(SOD)等が、ヒドロキシラジカル消去活性を
有するものとしてマンニトール、トリプトファン、ギ酸
等が挙げられている(例えば、大柳善彦「SODと活性
酸素種調節剤-その薬理的作用と臨床応用」、第224
〜228頁、日本医学館、1989年)。
【0007】しかしながら、SODは酵素タンパクであ
るため、熱などに対する安定性が乏しく、また経口投与
した場合、投与した酵素のほとんどは消化・***されて
しまい、その実効力は極めて低かった。また、ヒドロキ
シラジカルを効率的に消去できる実用的なヒドロキシラ
ジカル消去剤は現在のところ少ない。従って、これら抗
酸化剤を工業的に多量に、かつ安定に入手することは困
難なのが現状である。また、通常、前述のSODはスー
パーオキシドに対してのみ消去効果を有し、ヒドロキシ
ラジカルに対しては全く効果がない。同様にマンニトー
ルはスーパーオキシドを消去することができない。
【0008】消費者からの要望が強い、天然物由来で抗
酸化効果を有する原料としては、例えば、ゴマ種子中の
水溶性の抗酸化成分として、ゴマ脱脂粕等から得られる
水溶性抽出物が抗酸化活性を有することが知られている
(特公昭61−26342号公報等)。また、この脱脂
粕抽出物にはリグナン配糖体類が含まれることがよく知
られており、そのリグナン配糖体類が強力なヒドロキシ
ラジカル消去活性を有することが知られている(特開平
8−208685号公報等)。しかし、このゴマ種子等
に含まれるリグナン配糖体はスーパーオキシドに対する
消去活性は強いものとはいえない。
【0009】このような中、1種類の活性酸素種に対す
る消去活性だけでなく、スーパーオキシドとヒドロキシ
ラジカルなど、複数種類の活性酸素種に対する強力な消
去活性を有する、天然物由来の有効成分の安定供給が望
まれているにも関わらず、これまで工業的に実用化され
た例は少ない。しかも、両活性を有する有効成分の供給
はほとんど無いといってよく、これらの安定的な供給が
期待されている。
【0010】一方、古来から食経験豊かな植物の一つに
モクセイ科、オリーブ属のオリーブ植物がある。オリー
ブは古くから栽培されてきた植物で、現在では地中海沿
岸が代表的な栽培地域である。用途としては、特にオリ
ーブ油として重宝されており、欧州はもちろん、日本や
米国を初めとする世界各国で用いられている。オリーブ
油は様々な効果を有することが知られており、古来から
経験的に薬用あるいは化粧用としても用いられてきた。
また、オリーブの実はそのまま食用にも用いられ、場合
によっては、保存食として塩蔵されたりしている。この
ことから、オリーブは、安定的に入手可能で、また人体
にとって安全性の高い植物材料であるといえる。しかし
ながら、オリーブ油を搾油した際に残るオリーブ油粕
は、肥料や燃料用として用いられているに過ぎなかっ
た。
【0011】近年、オリーブ油に関しては、比較的酸化
されにくい植物油であることが知られており、その中に
含まれる微量成分のポリフェノール類が注目され、その
生理的作用等について多くの研究がなされている(例え
ば、International Olive Oil
Council、New Food Industr
y、Vol.34、No.4、28−52、199
2)。しかしながら、オリーブに関してはオリーブ油以
外についてはあまり知られていないのが現状である。特
に、オリーブ植物中の抽出成分が強い活性酸素除去機能
を有することは、これまで、全く知られていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗酸化効
果、特には製品の保存安定性の向上効果等の優れた酸化
防止効果と、各種疾病に対する予防効果や抗老化効果等
の優れた生体内抗酸化効果を有し、かつ、安定で、人体
に対する安全性が高く、用途の広い、新規の天然の抽出
物を有効成分とする抗酸化剤を提供することを目的と
し、特に酸化防止剤および生体内抗酸化剤を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【解決しようとする手段】本発明者らは、前記目的を達
成するため鋭意検討した結果、オリーブ植物から得られ
る抽出物が、抗酸化効果、特には製品の保存安定性向上
効果等の優れた酸化防止効果と、各種疾病予防効果や抗
老化効果等の優れた生体内抗酸化効果を有することを見
いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、オリーブ植物(葉を除く。以下同じ。)から得られ
る抽出物を有効成分として含有する抗酸化剤に関する。
該抽出物はオリーブ植物および/またはオリーブ油製造
工程で得られる生成物を水および/または有機溶媒で抽
出処理して得ることができ、更に該抽出物を濃縮処理お
よび/または分画・精製処理することで、該抽出物が有
する活性酸素除去機能が強化される。また、オリーブ油
製造工程中で生じる生成物としては、圧搾残査、抽出残
査、圧搾油、抽出油、脱ガム油滓、脱酸油滓、ダーク
油、廃脱色剤、脱臭スカム、搾油ジュース、排水、廃濾
過材から選ばれる1種または2種以上が挙げられ、本発
明は、これらから得られる抽出物を含有する抗酸化剤に
関する。本発明の抗酸化剤は、水に対して易溶性である
ため、上記抽出処理は水または含水有機溶媒で抽出する
ことが好ましい。また、濃縮や分画・精製処理は水溶解
成分を濃縮等していくことで該抽出物が有する活性酸素
除去機能を強化することができ、本発明の抗酸化剤の抗
酸化効果、特には製品の保存安定性の向上効果等の優れ
た酸化防止効果や、各種疾病予防効果や抗老化効果等の
優れた生体内抗酸化効果を向上させることができる。ま
た、本発明は、同様にオリーブ植物(葉を除く)から得
られる抽出物を含有する酸化防止剤に関し、また、生体
内抗酸化剤に関する。酸化防止剤は特に保存安定性向上
効果を得ることが期待され、生体内抗酸化剤としては特
に各種疾病予防効果や抗老化効果を得ることが期待され
る。これらの抗酸化剤、酸化防止剤または生体内抗酸化
剤は、水に易溶性であり、例えば一部または全部を水や
含水有機溶媒に溶解した液状の状態にすることでも好適
にその効果を発揮させることでき、また、好適に使用す
ることができる。該抗酸化剤、酸化防止剤または生体内
抗酸化剤は、各種製品に配合することで製品の酸化防止
効果を向上させること等ができるとともに、生体内抗酸
化効果を有する飲食物等を製造することもできる。ま
た、該抗酸化剤、酸化防止剤または生体内抗酸化剤を単
独または飲食物等に含有する状態で内服させることで、
生体内抗酸化効果を得ることができる。本発明の抗酸化
剤、酸化防止剤または生体内抗酸化剤は、その効果を得
るために内服等の直接的な使用をしても良く、また、各
種製品の原料として配合しても良い。例えば、飲食物や
皮膚外用剤等に好適に配合することができる。また、本
発明は、オリーブから得られる抽出物を抗酸化剤として
使用する方法に関し、特にオリーブから得られる抽出物
を酸化防止剤として使用する方法に関し、オリーブから
得られる抽出物を生体内抗酸化剤として使用する方法に
関する。
【0014】
【実施の形態】以下に、本発明について詳細に説明す
る。本発明は、オリーブ植物、主に実または種子、さら
に、果皮、種皮、茎、芽等から、また、これらの乾燥
物、粉砕物、脱脂されたものから得られる抽出物を有効
成分とする抗酸化剤に関する。本発明の抗酸化剤で用い
る抽出物は、スーパーオキシド消去活性、ヒドロキシラ
ジカル消去活性等の強い活性酸素除去機能等を有するこ
とから、該抽出物を有効成分とする抗酸化剤を使用する
ことで、製品の保存安定性が向上する等の酸化防止効果
が得られ、また、各種の疾病を予防する効果や抗老化効
果等の生体内抗酸化効果も得られる。本抽出物の含有量
は特に制限されず、その抗酸化剤の求める効果の強さに
応じて好適な量の抽出物を含有させることができる。本
発明の抗酸化剤に用いる抽出物は、オリーブ植物から得
られるが、特にオリーブ植物の実および/または種子か
ら好適に得ることができ、また、脱脂されたオリーブ植
物の実および/または種子から得られる抽出物は余計な
油分等を除去する必要がないため好ましい。また、オリ
ーブ植物にはオリーブ油の製造工程において生じる生成
物、例えば圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出油、脱ガ
ム油滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭スカム、
搾油ジュース、排水、廃濾過材を含むものとする。例え
ば、圧搾残査や抽出残査等の搾油粕はもちろん、油滓や
通常は廃棄しているオリーブ油の搾油工程中で生じる排
水からも該抽出物を得ることができる。オリーブの有効
活用の面からも好ましいといえる。ここで、上記オリー
ブ植物等から水および/または有機溶媒で抽出すること
で得られる抽出物を含有する抗酸化剤に関し、好ましく
は前記有機溶媒が親水性有機溶媒であり、さらには前記
親水性有機溶媒がアルコールである場合が好ましい。本
発明によれば強い活性酸素除去機能を有する抽出物を含
有することで、優れた抗酸化効果を有する抗酸化剤を得
ることができ、さらに、その抽出物の単位原料あたりの
収率も高い。例えばゴマを用いた場合に比べて1〜10
倍の収率で得ることができる。この双方のことから、本
抽出物は、活性酸素除去機能の強さに単位原料あたりの
収率を乗じた活性酸素除去機能収量指数について、他の
天然原料を用いた場合に比べて、大幅に高い値が得られ
る。スーパーオキシド消去活性に関していえば、単位原
料から得られる抽出物のスーパーオキシド消去活性収量
指数が100以上、おおよそ100〜3250程度であ
り、例えば、ゴマと比較した場合、1〜650倍という
高い値である。従って、強い活性酸素除去機能を有する
抽出物を収率良く得ることができ、すなわち、本発明の
優れた抗酸化効果を有する抗酸化剤を低い生産コストで
得ることができる。さらに、本抽出物は濃縮処理および
/または分画・精製処理されたものが好ましい。この濃
縮、分画・精製処理等により、本抽出物の活性酸素除去
機能が向上することで、本発明の抗酸化剤で2次的に得
られる抗酸化効果、特に酸化防止効果や生体内抗酸化効
果を強化することができる。濃縮処理としては、水およ
び/または有機溶媒に対する溶解性を利用した可溶分回
収処理および/または不溶分回収処理、水−疎水性有機
溶媒での液々分配処理、再結晶処理、再沈殿処理、冷却
により生じた析出物を回収する処理等を行うことがで
き、分画・精製処理としては、再結晶、再沈殿、順相お
よび/または逆相クロマトグラフィーによる精製、脱色
処理、脱臭処理等を行うことができる。例えば、水への
溶解性を利用する方法によって濃縮等することにより本
抽出物の活性酸素除去機能を向上させることができ、ま
た、脱色・脱臭等の処理をして無色、無臭にすることに
より用途、使用性を向上させることもできる。また、該
抽出物を含有する本発明の抗酸化剤においても、抗酸化
効果が強くなり、用途、使用性が向上するため好まし
い。これらの抗酸化剤、酸化防止剤または生体内抗酸化
剤は、上述の様に本抽出物は水に易溶性であるため、例
えば一部または全部を水や含水有機溶媒に溶解した液状
の状態にすることができ、かつ、好適にその効果を発揮
させることできる。液状の状態においても好適に効果を
発揮し、かつ、使用し易いというメリットが生じる。該
抗酸化剤、酸化防止剤または生体内抗酸化剤は、各種製
品に配合することで製品の保存安定性を向上させること
等ができるとともに、生体内抗酸化効果を有する飲食物
等を製造することもできる。また、該抗酸化剤、酸化防
止剤または生体内抗酸化剤を単独または飲食物等に含有
する状態で内服させることで、生体内抗酸化効果を得る
ことができる。また、本発明は、オリーブから得られる
抽出物を抗酸化剤として使用することができ、特にオリ
ーブから得られる抽出物を酸化防止剤として使用するこ
と、オリーブから得られる抽出物を生体内抗酸化剤とし
て使用することができる。本発明の抗酸化剤、酸化防止
剤または生体内抗酸化剤は、その効果を得るために内服
等の直接的な使用をしても良く、各種製品の原料として
配合しても良い。例えば、飲食物、皮膚外用剤、医薬
品、飼料等の保存安定性を向上させる抗酸化剤としても
使用でき、また、飲食物に配合した場合には、保存安定
性に優れた、天然成分を含有する生活習慣病等に有効な
飲食物を製造することができる。配合量は特に制限され
ず、その飲食物に応じて好適な量の抽出物を配合するこ
とができる。ここで、本発明の抗酸化剤等は、オリーブ
という植物由来のものであるので、人体への安全性に優
れ、かつ、一般的な植物であるので安定的な供給が可能
であるので好ましい。
【0015】本発明の原料として用いるオリーブ植物
(Olea europaea L.)は、国産、欧州
産などの産地、食用あるいは搾油用を問わず使用でき
る。本発明の抗酸化剤で用いる抽出物は、天然植物であ
るオリーブ植物の、主に実または種子から得ることがで
き、さらに、その果皮、茎、芽から得ることができる。
また、これらの乾燥物、粉砕物、脱脂物からも好適に得
ることができる。また、上記オリーブ植物の果実やその
脱脂物等に、添水する等により加水した場合、蒸気によ
り蒸す等の加湿処理を行った場合、これらオリーブ植物
の果実やその脱脂物等が適度に膨潤するので、抽出効率
が良くなり好ましい。
【0016】特に、オリーブ植物の脱脂物からは、抽出
物が非常に高い収率で得られ、かつ、得られた抽出物か
ら油分を除去する必要がないため好ましい。また、オリ
ーブ植物または当該脱脂物に含まれる脂質成分をペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、酢酸エチルエス
テル等の低級脂肪酸アルキルエステル、ジエチルエーテ
ル等の公知の非水溶性の有機溶媒の1種又は2種以上で
抽出除去し、更に必要に応じてこの洗浄処理を繰り返し
た脱脂物も利用できる。
【0017】オリーブ植物から水および/または有機溶
媒で抽出することにより、本発明の抗酸化剤で用いる抽
出物を得ることができる。
【0018】オリーブ植物から本発明の抗酸化剤で用い
る抽出物を得るために用いる有機溶媒としては、親水性
有機溶媒、疎水性有機溶媒のいずれでもよい。具体的に
は、親水性有機溶媒として、メチルアルコール、エチル
アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール等のアルコール、アセトン、テ
トラヒドロフラン、アセトニトリル、1,4−ジオキサ
ン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、酢酸等の公知の有機溶媒が挙げられ、
疎水性有機溶媒として、ヘキサン、シクロヘキサン、四
塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼ
ン、トルエン等の公知の有機溶媒が挙げられる。また、
これらの有機溶媒は1種または2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0019】工業的には、例えば植物組織への浸透性、
抽出効率等からは、水および/または親水性有機溶媒を
用いることが好ましく、また含水親水性有機溶媒を用い
ることが好ましい。具体的にはメチルアルコール、エチ
ルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール等のアルコール、アセト
ン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の有機溶媒
およびこれらの含水溶媒が挙げられる。これらの中から
選ばれる、1種または2種以上により、オリーブ植物か
ら、本発明の抗酸化剤で用いる抽出物を得ることができ
る。
【0020】抽出成分の溶解性についての特性を利用す
ると、活性酸素除去機能を有する抽出物を得るには、水
および/または親水性有機溶媒、好ましくは含水親水性
有機溶媒、さらに好ましくは含水率の高い含水親水性有
機溶媒を用いた抽出が好ましい。
【0021】抽出条件は、特に限定されないが、例え
ば、温度は5℃〜95℃、好ましくは10℃〜90℃、
さらに好ましくは15℃〜85℃で、常温でも好適に抽
出すことができる。温度が高いほうが、抽出効率が高く
なる傾向はある。圧力は、常圧でも、加圧でも、吸引等
による減圧でも好適にすることができる。また、抽出効
率を向上させるため、振とう抽出や、攪拌機等のついた
抽出機でも抽出することができる。抽出時間は、他の抽
出条件によるが、数分〜数時間であり、長時間なほど十
分な抽出がなされるが、生産設備、収率等の生産条件に
よって適宜決めれば良い。また、抽出に使用する溶媒
は、原料に対し1〜100倍量(「質量/質量」。以下
同様。)、好ましくは1〜20倍量を使用することがで
きる。
【0022】得られる抽出物の収率およびその後の回収
方法を考慮すると、水および/または親水性有機溶媒を
用いることが好ましく、また含水親水性有機溶媒を用い
ることが好ましい。また含水親水性有機溶媒での抽出処
理する場合には、親水性有機溶媒含量が10質量%〜9
5質量%である含水親水性有機溶媒で抽出することが好
ましく、さらには親水性有機溶媒含量が20質量%〜9
5質量%の含水親水性有機溶媒を使用することが好まし
く、最も好ましくは親水性有機溶媒含量が30質量%〜
95質量%に調製された含水親水性有機溶媒であること
が好ましい。
【0023】また、得られる抽出物が有する活性酸素除
去機能の強さをも考慮に入れた場合、含水親水性有機溶
媒での抽出において、親水性有機溶媒含量が10質量%
以上である含水親水性有機溶媒で抽出することが好まし
く、さらには親水性有機溶媒含量が40質量%以上の含
水親水性有機溶媒を使用することが好ましく、最も好ま
しくは親水性有機溶媒含量が40質量%〜80質量%に
調製された含水親水性有機溶媒であることが好ましい。
【0024】また、飲食物等への使用、皮膚への塗布を
含む人体への使用における安全性等を考えれば、特に、
水および/またはアルコールのいずれかにより抽出する
ことが好ましい。
【0025】得られる抽出物の収率およびその後の回収
の面からは、水および/またはアルコールを用いること
が好ましく、また含水アルコールを用いることが好まし
い。また含水アルコールでの抽出処理する場合には、ア
ルコール含量が10質量%〜95質量%である含水アル
コールで抽出することが好ましく、さらにはアルコール
含量が20質量%〜95質量%の含水アルコールを使用
することが好ましく、最も好ましくはアルコール含量が
30質量%〜95質量%に調製された含水アルコールで
あることが好ましい。
【0026】また、得られる抽出物が有する活性酸素除
去機能の強さをも考慮に入れた場合、アルコール含量が
10質量%以上である含水アルコールで抽出することが
好ましい。さらにはアルコール含量が40質量%以上の
含水アルコールを使用することが好ましく、最も好まし
くはアルコール含量が40質量%〜80質量%に調節さ
れた含水アルコールが好ましい。
【0027】ここで、本発明で使用するアルコールは、
メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノー
ル、1−ブタノール等の1級アルコール、2−プロパノ
ール、2−ブタノール等の2級アルコール、2−メチル
−2−プロパノール等の3級アルコールさらにエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール等の液状多価アルコール等の公知の溶媒が挙
げられ、これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0028】工業的には、生産コストの面、および、蒸
留による溶媒除去等のハンドリングの面から見ても、特
に低級アルコールを使用することが好ましい。ここで、
低級アルコールとは、炭素数が1〜4である公知のアル
コール、例えば、前述の1、2、3級、もしくは、液状
多価のアルコール等があげられ、これらの1種または2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0029】その他、オリーブ油の製造工程において生
じる生成物、例えば圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出
油、脱ガム油滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭
スカム、搾油ジュース、排水、廃濾過材もオリーブ植物
に含まれ、これらからも活性酸素除去機能を有する本抽
出物が得られる。オリーブの有効活用の面からも好まし
い該抽出物の製造方法である。ここで、オリーブ油の搾
油工程で生じる排水からも活性酸素除去機能を有する抽
出物を得ることができる。特に、オリーブ油を搾油する
に際し、オリーブ実を圧搾すると油分と水分を含んだジ
ュースと呼ばれるものが得られ、これから水分を除去
し、オリーブ油を得るが、この水相部分を回収すること
で好適に本抽出物が得られる。
【0030】このように、水および/または有機溶媒を
用いた抽出により、活性酸素除去機能を有する抽出液を
製造できる。また、本抽出物の水可溶性等の成分は、活
性酸素除去機能が強く、これを含有する抗酸化剤もより
強力な抗酸化効果を有する。
【0031】このようにして得られた抽出液から、溶
媒、水分を除去することで、乾固状の本発明の抗酸化剤
に用いる抽出物を得ることができる。溶媒、水分の除去
は減圧蒸留、減圧・真空乾燥、凍結乾燥、スプレードラ
イ等の公知の方法で行うことができる。もちろん、溶
媒、水分を含んだままでも良く、また、溶媒のみ除去し
て水溶液状のものを得ることもできる。さらに、溶媒、
水分除去の程度を調整することで該抽出物の濃度が調整
された、つまり、活性酸素除去機能の強さが調整された
水溶液を調製することもできる。また、難水溶性成分を
含有したままでも、それらを除去した水溶液としても良
い。
【0032】また、本発明の製造方法によれば、原料単
位あたり、活性酸素除去機能を有する抽出物を他の天然
原料に比べても高い収率で、例えばゴマを用いた場合に
比べて1〜10倍の収率で得ることができる。
【0033】また、脱脂物からの抽出物は、トリグリセ
ライド、ステロール、トコフェロール等の油溶性成分は
含有していないので、これらを除去、精製する必要がな
いため、好ましい。
【0034】また、オリーブ油の製造工程において生じ
る生成物、例えば圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出
油、脱ガム油滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭
スカム、搾油ジュース、排水、廃濾過材からも活性酸素
除去機能を有する抽出物が得られるので、オリーブの極
めて優れた有効利用方法であり、生産コストの面から見
ても優れた方法といえる。
【0035】これらの抽出物はそのまま用いても良い
が、必要によりさらに濃縮処理および/または分画・精
製処理したものを用いることができる。
【0036】濃縮処理については、特に限定されない
が、例えば濃縮処理が、水および/または有機溶媒に対
する溶解性を利用した可溶分回収処理および/または不
溶分回収処理、水−疎水性有機溶媒での液々分配処理、
再結晶処理、再沈殿処理、冷却により生じた析出物を回
収する処理から選ばれる1種または2種以上の処理によ
り、好適に濃縮処理することができる。
【0037】例えば、水への溶解性を利用した濃縮方法
を用いることによって、水に容易に溶ける成分、つまり
水可溶性等の成分と、水に溶解しにくいおよび/または
水に溶解しない成分、つまり難水溶性等の成分に分離す
ることができる。ここで、水可溶性等の成分の濃縮物
は、難水溶性等の成分に比べ、活性酸素除去機能が高い
ことが見出された。
【0038】また、濃縮方法の一つとして、オリーブ植
物より得られた抽出液から、溶媒除去する過程におい
て、濃縮物を容易に得ることができる。すなわち、溶媒
のみを除去した水溶液において、水可溶分と水不溶分を
ろ過処理、遠心処理、デカンテーション処理等により分
離し、水可溶分を脱水・乾燥させることで、強い活性酸
素除去機能を有する水可溶性等の濃縮物を得ることがで
きる。このように、非常に簡単な方法で濃縮物を得られ
ることから、効率面でも非常に優れた濃縮方法であると
いえる。
【0039】また、オリーブ植物から抽出し乾固した抽
出物に水を添加・攪拌することで、水に溶解しにくい成
分および/または水に溶解しない成分、つまり難水溶性
等の成分と水に容易に溶ける成分に分けることで、大幅
に濃縮することができる。オリーブ植物からの抽出物に
含まれる水可溶性等の濃縮物は、該抽出物全体や、抽出
物中の難水溶性等の成分と比べても、活性酸素除去機能
が大幅に優れていることが確認された。
【0040】このように、濃縮物はオリーブ植物からの
抽出物を水に添加・攪拌した後、可溶分と不要分を分別
することで簡易に得ることができる。また、水の量や温
度を調整することで、得られる上記の水可溶性等の成分
の成分の量と活性酸素除去機能の強さを調整することが
できる。
【0041】また、本抽出物は、必要に応じて、一般的
な溶剤の組合せによる液−液分配により濃縮することが
できる。溶剤の組合せは一概に規定し難いが、例えば、
水−疎水性有機溶媒の組合せが挙げられ、疎水性有機溶
媒としては、ヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエー
テル、酢酸エチル、n−ブタノール、ベンゼン、トルエ
ン等の公知の有機溶媒が挙げられる。この液−液分配に
おいて、水相の水を除去することによって、活性酸素除
去機能を有する本抽出物を得ることができる。
【0042】さらに、本抽出物、該抽出物を濃縮処理し
たものは、分画・精製処理することができる。これによ
り上記濃縮以上に濃縮することができる。分画・精製処
理することの利点としては、活性酸素除去機能を非常に
向上させることができることに加え、不純物を除去する
ことができること等が挙げられる。すなわち、該分画・
精製処理した場合、本発明の抗酸化剤に余計な色をつけ
ることなく好適に配合することができる等のメリットが
あり、好ましい。
【0043】分画・精製処理の方法については特に制限
されないが、例えば、順相および/または逆相クロマト
グラフィーによる精製、再結晶、再沈殿、脱色処理、脱
臭処理から選ばれる1種または2種以上の処理により好
適に分画・精製処理することができる。特にクロマトグ
ラフィーの中でも液体クロマトグラフィーを利用する方
法は、本発明の抗酸化剤に用いる抽出物、濃縮物を分解
することなく、収率良く分画・精製出来るので、好まし
い。液体クロマトグラフィーとしては、具体的に、順相
液体クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィ
ー、薄層クロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフ
ィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等が挙
げられるが、本抽出物や濃縮物を分画・精製処理する際
には、いずれの方法でも用いることができる。とりわ
け、分離能、処理量、工程数等を考慮に入れると、順相
液体クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が好まし
い。
【0044】ここで、順相液体クロマトグラフィーと
は、例えば以下のような方法を指す。すなわち、例えば
シリカゲルを固定相、ヘキサン−酢酸エチル混液、クロ
ロホルム−メタノール混液等を移動相としたカラムを作
成し、オリーブ植物からの抽出物あるいはその濃縮物を
負荷率0.1〜5%(wt(質量)/v(体積))で供
し、単一移動相による連続的溶出法あるいは溶媒極性を
順次増加させる段階的溶出法により、所定の画分を溶出
させる方法である。逆相液体クロマトグラフィーとは、
例えば以下のような方法を指す。すなわち、例えばオク
タデシルシランを結合させたシリカ(ODS)を固定
相、水−メタノール混液、水−アセトニトリル混液、水
−アセトン混液等を移動相としたカラムを作成し、オリ
ーブ植物からの抽出物あるいはその濃縮物を負荷率0.
1〜5%(wt(質量)/v(体積))で供し、単一溶
媒による連続的溶出法あるいは溶媒極性を順次低下させ
る段階的溶出法により、所定の画分を溶出させる方法で
ある。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とは、
原理的には、上記順相液体クロマトグラフィーあるいは
逆相液体クロマトグラフィーと同様のものであり、より
迅速かつ高分離能での分画・精製を行うためのものであ
る。上記手法を1種または2種以上組合わせることで、
非常に濃縮でき、かつ、不純物が除去された状態で得る
ことができるため好ましい。さらに、上記手法を1種ま
たは2種以上組合わせることで、本抽出物が有する活性
酸素除去機能を得るための濃度を調整することができ、
必要に応じた機能の強さ、特性等を設計することもでき
る。
【0045】濃縮処理は繰返し濃縮処理しても良く、異
なる濃縮処理を組合わせても良い。同様に、分画・精製
処理も繰返し分画・精製処理しても良く、異なる分画・
精製処理を組合わせても良い。更に、濃縮処理を行った
後に分画・精製処理しても良く、分画・精製処理を行っ
た後に分画・精製処理しても良く、濃縮処理した後に分
画・精製処理を行い更に濃縮処理することもできる。当
然、前述の組み合わせ以外の組み合わせでも良い。
【0046】また、オリーブ植物から得られる抽出物か
ら、濃縮処理したもの、さらに分画・精製処理したもの
を、脱色および/または脱臭処理した場合、不要な成分
が除去され、かつ、無色〜淡色および/または無臭〜無
臭に近い状態になるので、色や、香りによる、使用の制
限を受けないため、幅広い用途が確保できるため好まし
い。脱色方法としては、活性炭処理や白土処理等があげ
られ、脱臭方法としては、同様に活性炭処理、白土処理
があげられ、さらに超臨界抽出、水蒸気蒸留等が挙げら
れる。
【0047】また、オリーブ油の製造工程において生じ
る生成物、例えば圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出
油、脱ガム油滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭
スカム、搾油ジュース、排水、廃濾過材からも活性酸素
除去機能を有する抽出物が得られるが、同様にして濃
縮、分画精製を行うこことができる。
【0048】濃縮および/または分画・精製の組合せは
特に制限されないが、本発明の抗酸化剤に用いる抽出物
は、水に対して易溶性であるため、上記抽出処理は水ま
たは含水有機溶媒で抽出することが好ましく、また、濃
縮や分画・精製処理は水可溶成分を濃縮等していくこと
で本抽出物が有する活性酸素除去機能を向上させること
ができる。抽出処理と濃縮処理および/または精製処理
の組み合わせは特に制限はされないが、例えば、オリー
ブ植物を水および/または親水性有機溶媒で抽出処理し
た後、得られた抽出液について、親水性有機溶媒の一部
または全部を除去し、水可溶分を回収することで濃縮す
る。ろ過や遠心分離等によって回収することができる
が、この回収効率の向上のため、必要に応じ水溶液に対
して水を添加・攪拌等の処理を行うことができる。ま
た、オリーブ植物から得られる抽出液の水および/また
は親水性有機溶媒を除去した乾固状態の抽出物について
も、上記同様に水を添加・攪拌等の処理を行い、ろ過等
によりその水可溶分を回収することで濃縮処理すること
ができる。これらの濃縮物を順相および/または逆相ク
ロマトグラフィーおよび/または再結晶にて分画・精製
処理することができる。
【0049】得られた抽出物、該抽出物を濃縮処理およ
び/または精製処理したものは単独でも、これらを2種
類以上組み合わせても使用することもできる。これによ
り、活性酸素除去機能の強さの特性等を設計することが
でき、さらに好適な活性酸素除去機能を有する抽出物と
して使用することができる。さらに、他の抗酸化剤を配
合して使用することができ、これにより、効果の強さ等
の詳細な設計が可能であり、また、他の機能物質との相
乗効果により大幅な機能強化も期待できる。
【0050】本発明の抗酸化剤に用いる抽出物の活性酸
素除去機能を有する成分は、特に水系の製品に好適に配
合することができる。本抽出物は水に容易に溶解する成
分が抗酸化効果を有するため、水系の製品に好適に使用
することができる。一般的な抗酸化剤は例えば植物油由
来のトコフェロール類等、油溶性(非水溶性)のものが
多く、実際の使用に際しては制約を受けることも多い中
で、本抽出物の活性酸素除去機能を有する成分は水溶性
である(水溶性成分を含んでいる)ので応用範囲が非常
に広く、本抽出物を使用した抗酸化剤は、汎用性の高い
抗酸化剤と言える。本発明の抗酸化剤は、水系、あるい
は、乳化系等、幅広い範囲の飲食物において好適に使用
することができ、これを均一に溶解、ないしは分散させ
て含有させることができる。
【0051】また、本発明の抗酸化剤の油系への使用
は、特に単なる抽出物段階では、油に溶解しにくい成
分、油に溶解しない成分が比較的多く含まれていること
等の理由から、油脂等への好適な利用は、不溶分を除去
する等の精製を行った抽出物を配合するか、また、水お
よび乳化剤を配合することで乳化物として利用すること
が好ましい。
【0052】上述の通り、本発明の抗酸化剤に用いる抽
出物は活性酸素除去機能を有する。活性酸素除去機能と
は、生体内または食品や医薬品、農薬等において、活性
酸素種の生成を抑制、捕捉、消去、不均化、分解等する
機能を示す。より具体的には、例えば、活性酸素種生成
の原因となる金属イオンのキレート化および不活性化に
よる活性酸素生成抑制、生成した活性酸素種の消去ある
いは分解、酵素等による不均化、ラジカルの捕捉または
安定化によるラジカル連鎖反応の抑制および遮断等が挙
げられる。ここで、活性酸素種とは、主にスーパーオキ
シド、ヒドロキシラジカル、パーヒドロキシラジカル、
過酸化水素、一重項酸素等を示し、さらには、脂質、蛋
白質、炭水化物、核酸等の過酸化物およびこれらから派
生するフリーラジカルをも含むものとする。これらの活
性酸素種は、食品や生体内における脂質、蛋白質、炭水
化物、核酸等の様々な成分を強力に酸化し、本来の成分
とは異なる成分に変換または分解してしまう。したがっ
てこの機能は、生体内または皮膚外用剤等に含まれる成
分の酸化的劣化の防御剤として有用である。本抽出物
は、これらの中でも、特に、高いスーパーオキシド消去
活性およびヒドロキシラジカル消去活性を有する。
【0053】スーパーオキシド消去活性とは、酸素分子
の1電子還元により生成するスーパーオキシドを不均
化、無効にする活性である。スーパーオキシドは、例え
ば生体内においては、白血球やミトコンドリア等で生成
され、酸素を利用した生命活動においてその生成を免れ
ることは出来ないものである。また、スーパーオキシド
は、その反応性は比較的低く、鉄や一酸化窒素などの限
られたものとしか反応しないが、過酸化水素の生成源に
なるなど他の活性酸素種の生成につながり、生体成分に
酸化傷害を引き起こす作用を有するため、生成後すぐに
消去されるべき重要な活性酸素種である。スーパーオキ
シドジスムターゼ(SOD)はスーパーオキシド消去効
果を有し、原核生物ですら保有している生体内酵素であ
るが、より積極的に生体成分を保護するためにはスーパ
ーオキシド消去活性を有する物質を生体に適用すること
が望ましい。しかし、例えばこのSODは酵素蛋白であ
り安定性が乏しく、経口投与した場合では、殆どが***
されてしまうため実効力は極めて低い。すなわち、本抽
出物は、摂取することで安定的にそのスーパーオキシド
消去活性を享受できるものであるので、より効果的に生
体成分を保護することで、健康な体を保つことあるいは
肌を美しいものにすること等に大きく寄与するものであ
る。
【0054】本抽出物は抽出物レベルでありながら、強
いスーパーオキシド活性機能を有する合成の抗酸化剤で
あるBHAを上回る強力なスーパーオキシド消去活性を
しており、スーパーオキシド消去剤、脂質過酸化防止剤
としての利用の他、生体内における酸化防止剤(生体内
抗酸化剤)としても利用することができる。
【0055】ヒドロキシラジカル消去活性とは、種々の
要因により生成したヒドロキシラジカルを捕捉、安定化
させる活性である。ヒドロキシラジカルは、例えば酸素
を利用した生命活動においては、その生成を免れること
は出来ず、種々の活性酸素種の中でも非常に反応性に富
む化学種であり、あらゆる生体成分を酸化損傷させ得る
最も毒性の高い活性酸素種である。このヒドロキシラジ
カルの生成経路の一つとしては、生体内に存在する鉄イ
オンが過酸化水素やスーパーオキシドに関与するフェン
トン反応等が挙げられるが、生体内にはヒドロキシラジ
カルに対する有効な除去機構が存在しないため、ヒドロ
キシラジカル消去活性を有する物質の摂取は必要不可欠
である。このヒドロキシラジカルの除去剤としては、マ
ンニトールやトリプトファン、ギ酸等がある。しかしな
がら、これらのものの中には、単一品でありながらかな
りの高濃度添加を要するものが多い。すなわち、該抽出
物を含有する抗酸化剤は、摂取することでそのヒドロキ
シラジカル消去活性を享受できるものであり、効果的に
生体成分を保護することで健康な体を保つことあるいは
肌を美しいものにすること等に大きく寄与するものであ
る。
【0056】本抽出物は、抽出物レベルとしては、かな
り少量でヒドロキシラジカルを消去(例えば、リノール
酸の過酸化を抑制)することが可能であり、通常のヒド
ロキシラジカルの除去剤と比べても非常に有効であると
いえる。ヒドロキシラジカル消去剤、脂質過酸化防止剤
として使用でき、生体内における酸化防止剤(生体内抗
酸化剤)、脂質等の酸化を受け易い成分を含有する飲食
物、化粧料、医薬品、飼料等のあらゆる製品の保存安定
性を向上させる抗酸化剤としても使用できる。
【0057】しかも、前述のSODはスーパーオキシド
に対してのみ消去効果を示し、ヒドロキシラジカルに対
しては全く消去活性が無く、また、同様にマンニトール
はスーパーオキシドを消去出来ない。これに対して、本
抽出物はこの両者に対して、消去効果を示す。すなわ
ち、本抽出物は、強いスーパーオキシド消去活性、およ
び、強いヒドロキシラジカル消去活性という両方の活性
酸素除去機能を有するので、極めて汎用性が高いといえ
る。また、効果の面からは、スーパーオキシド消去活
性、ヒドロキシラジカル消去活性の両方の活性酸素除去
機能を有することから、生体内抗酸化効果を有するもの
として優れており、併せて、ヒドロキシラジカル消去活
性による脂質過酸化防止効果から皮膚外用剤の他、飲食
物、化粧料、医薬品、飼料等の保存安定性向上効果を有
するものとして優れている。
【0058】他の天然抗酸化物と活性酸素除去機能を比
較すると、例えば比較的活性酸素除去機能が強いとされ
るゴマ粕由来の抽出物のスーパーオキシド消去活性は5
〜10unit/(mg/mL)であるのに対し、本抽
出物はスーパーオキシド消去活性が20〜65unit
/(mg/mL)であり、ゴマ粕由来抽出物の2〜13
倍という、非常に高い効果を有する。
【0059】ここで、本方法は、活性酸素除去機能の強
い抽出物を得ることができ、さらに、その単位原料あた
りの収率も高い。この双方のことから、活性酸素除去機
能の強さに、単位原料あたりの収率を乗じた活性酸素除
去機能収量指数<式1>について、他の天然原料を用い
た場合に比べて、大幅に高い値が得られる。つまり、単
位原料あたりに得られる活性酸素除去機能の総量が大き
いということである。よって、本抽出物を生産し、使用
することで、活性酸素除去機能が強い製品はもちろん、
他の天然の抗酸化剤等と置き換えた場合、単位原料から
得られる活性酸素除去機能の総量が大きいためより多く
の製品をつくることができる、ということであり、この
ことは、コスト面からのメリットも期待できるというこ
とである。また、この活性酸素除去機能収量指数を参考
とすることで、好適な生産条件を決めることもできる。
【0060】
【数1】<式1> 活性酸素除去機能収量指数=活性酸
素除去機能の強度×単位原料あたりの収率(%)
【0061】スーパーオキシド消去活性に関していえ
ば、単位原料から得られる抽出物のスーパーオキシド消
去活性収量指数<式2>がおおよそ100〜3250で
ある。例えば、ゴマと比較した場合、スーパーオキシド
消去活性収量指数が5〜100であるので、ゴマの場合
の1〜650倍という高い値である。つまり、同じ単位
原料あたりで1〜650倍の活性酸素除去機能が得られ
るということである。
【0062】
【数2】<式2> スーパーオキシド消去活性収量指数
=スーパーオキシド消去活性(unit/(mg/m
L))×単位原料あたりの収率(%)
【0063】本発明の抗酸化剤に用いる抽出物は、スー
パーオキシド消去活性、ヒドロキシラジカル消去活性等
の活性酸素除去機能を有するが、該抗酸化剤を人体やそ
の他飲食物、医薬品、肥料、飼料や皮膚外用剤に使用す
ることで、様々な2次的な効果を得ることができる。今
までにも述べているが、例えば、抗酸化効果、特には製
品の保存安定性の向上効果等の優れた酸化防止効果や、
各種疾病予防効果や抗老化効果等の優れた生体内抗酸化
効果がを得ることができる。
【0064】抗酸化効果とは、食品や生体内における脂
質、蛋白質、炭水化物、核酸等の様々な成分が酸化さ
れ、本来の成分とは異なる成分に変換または分解されて
しまうことを抑制あるいは防止する効果である。したが
ってこの効果は、生体内または食品や医薬品、農薬等に
含まれる成分の酸化的劣化の防御の点で有用であり、食
品産業、特に水産加工品、健康食品、栄養食品のほか、
医薬品・農薬分野や化粧品分野において実利的な利用が
期待されるものである。具体的には飲食物、医薬品、肥
料、飼料や皮膚外用剤等の製品の保存性向上効果等の酸
化防止効果、各種疾病防止効果や抗老化効果等の生体内
抗酸化効果等を得ることができる。
【0065】酸化防止効果とは、飲食物、皮膚外用剤、
医薬品、飼料等に含有される酸化され易い成分、特に不
飽和脂肪酸を含む脂質等の酸化劣化を防止する効果を示
す。飲食物、皮膚外用剤、医薬品、飼料等に含有される
成分の酸化劣化は、その品質劣化、栄養性・機能性低下
等の保存安定性上の問題の大きな原因となる。したがっ
て、各種成分の酸化を抑えることができれば、飲食物、
皮膚外用剤、医薬品、飼料等の品質を安定化および保持
することが可能である。この点において、本抽出物は、
活性酸素除去機能を有するため、各種成分の酸化を最小
限に抑えることが期待でき、非常に好ましい。すなわ
ち、該抽出物を含有する抗酸化剤は、飲食物、皮膚外用
剤、医薬品、飼料等に含有される成分の酸化を防止する
ことで、その保存安定性向上、品質向上、栄養性・機能
性保持等に大きく寄与するものである。
【0066】本発明の抗酸化剤は、実際に該抗酸化剤を
含有する飲食物や化粧品を作成した場合、該抗酸化剤を
含有していない同等品と比べて、明らかな酸化防止効果
を有している。このため本発明の抗酸化剤は酸化防止剤
として使用することができる。すなわち、例えば、クッ
キーを作製し、60℃、暗所で18日間保存した後、常
法に則って保存後のクッキーから油分を抽出し、そのP
OVを測定比較すると、本発明の抗酸化剤は、明らかに
クッキーの主に油脂の酸化を防止しており、高い酸化防
止効果を有することが分かる。また同時に、本発明の抗
酸化剤の酸化防止効果は、実際に該抗酸化剤を含有する
飲食物や化粧品を作成した場合、該抗酸化剤を含有して
いない同等品と比べて、明らかに保存安定性が向上して
いることからも明らかである。すなわち、例えば、クッ
キーを作製し、60℃、暗所で18日間保存した後に試
食した結果では、該抗酸化剤を含有していないクッキー
はかなりの酸化劣化臭を有していたのに対し、本発明の
抗酸化剤を配合したクッキーは明らかに良好な風味を保
持することから、該抗酸化剤の酸化防止効果により保存
安定性が向上していることが分かる。本発明の抗酸化剤
を酸化防止剤として各種製品に使用することで、該製品
について保存安定性向上効果等を得ることができる。
【0067】また、生体内抗酸化効果とは、生体内にお
いてその生成を免れることができない活性酸素種を除去
することで、生命活動において重要な生体成分を保護す
る効果を示す。一般に、生体内で発生した活性酸素種
は、脂質、蛋白質、糖質、核酸等の生命活動において重
要な生体成分、特には不飽和脂肪酸を含有する脂質類を
強力に酸化し、本来の成分とは異なる成分に変換または
分解してしまう。さらに、この様な現象が体内に蓄積す
ることが様々な疾病や老化現象の原因となることが知ら
れているが、これに対して生体内抗酸化効果を有するも
のの適用が、これら疾病や老化の予防や改善につながる
ことも明らかになってきている。したがって、本発明の
抗酸化剤は、本抽出物が有する活性酸素除去機能により
得られる生体内抗酸化効果により、生体成分を保護する
ものであり、ひいては、活性酸素種等が引き起こす様々
な疾病や老化現象を予防および改善できるような、各種
疾病予防効果および/または抗老化効果を有するもので
ある。
【0068】本発明の抗酸化剤の生体内抗酸化効果は、
例えば、動物試験によって検討することができる。その
試験とはすなわち、ラットを用いて、該抗酸化剤を含有
する飼料を与えた場合と、通常の餌組成である飼料を与
えた場合とで、生体内抗酸化力に如何なる差が生じるか
を検討するものである。この結果は人間に対しても同様
の傾向を示す。生体内抗酸化力とは、具体的には例え
ば、ラットの肝臓そのものの抗酸化力を測定すればよ
い。この試験において、該抗酸化剤を含有する飼料を与
えた場合は、通常の餌組成である飼料を与えた場合に比
べて、有意に生体内抗酸化力が向上している。すなわ
ち、本発明の抗酸化剤は、明らかに生体内抗酸化効果を
有することが分かる。また同様にして、該抗酸化剤の投
与量を増減した場合には、投与量依存的に生体内抗酸化
力が変動する。すなわちこれは、該抗酸化剤の投与量と
生体内抗酸化効果がほぼ比例関係にあることを示してお
り、該抗酸化剤の生体内抗酸化効果はその投与量に依存
的であるといえる。このことは、本発明の抗酸化剤を各
種用途に展開した場合に、その使用量に応じた生体内抗
酸化効果を得られるということなので、その使用の目
的、手段等に応じて適宜使用量を決められるというメリ
ットがあり、大変好ましい。
【0069】また、本発明の抗酸化剤の生体内抗酸化効
果は、人に摂取させた試験によって評価することができ
る。例えば、本抽出物をそのまま、または、該抽出物が
配合された錠剤、散剤、カプセル等、その他様々な剤形
に調製された本発明の抗酸化剤を人が経口摂取した場合
と、本抽出物が無配合のものを経口摂取した場合との比
較において、いかなる差が生じるかを評価するものであ
る。この場合の生体内抗酸化力とは、具体的には例え
ば、試験期間中、一定期間毎(例えば10日毎)に被験
者の血液を採取し、遠心分離等により血清を調製し、そ
の血清中の過酸化脂質(PCOOH)量を測定すればよ
い。この試験において、本発明の抗酸化剤を人が経口摂
取した場合は、試験開始から経日的に過酸化脂質量が減
少し、30日後には過酸化脂質生成量を大幅に抑制す
る。一方、本抽出物が無配合のものを経口摂取した場合
には、このような過酸化脂質生成を抑制する効果は全く
見られないことから、本発明の抗酸化剤を摂取した場合
には、有意に生体内抗酸化力が向上していることが分か
る。すなわち、本発明の抗酸化剤は、人体に対しても明
らかに生体内抗酸化効果を有することが分かる。更に
は、本発明の抗酸化剤、特に生体内抗酸化剤として使用
される場合において、各種疾病防止効果および/または
抗老化効果を発揮する。
【0070】本抽出物の原料であるオリーブは、安定的
に入手することができる植物原料である。天然由来であ
り、食品・食用として広く用いられているオリーブを原
料として得られる抽出物であることから、人体にとって
安全性の高い抽出物であるといえる。
【0071】本発明によれば、活性酸素除去機能を有す
るオリーブ抽出物を含有する抗酸化剤を得ることができ
る。さらに、該抽出物を濃縮、分画・精製処理すること
で活性酸素除去機能を向上させた該抽出物を得ることが
できるため、濃縮条件等を調整することにより、求める
強さの機能を有する該抽出物を得ることができ、該抽出
物を含有することで求める強さの抗酸化効果を有する抗
酸化剤を得ることができる。また、該抗酸化剤は、飲食
物、皮膚外用剤等の様々な用途に利用することができ
る。さらに、オリーブ植物から容易に得ることができ、
また、オリーブ油の製造工程中に発生する通常は廃棄さ
れている生成物からも好適に得ることができることか
ら、コスト面からみても、資源の有効活用という面から
みても好ましい。
【0072】本発明の抗酸化剤は一般的な方法により製
剤化できる。有効成分として含有されるオリーブ植物か
ら得られる抽出物は、粗抽出物でも濃縮および/または
分画・精製されたものでも良いが、特に水溶性成分を濃
縮および/または分画・精製した抽出物を用いることが
好ましい。オリーブ植物から得られる抽出物に関し、水
溶性成分の画分等が活性酸素除去機能が強いため、該水
溶性成分を濃縮等した抽出物を用いることが好ましい。
【0073】また、本発明の抗酸化剤の形態としては、
散剤、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤な
ど)、顆粒剤(コーティングした物、丸剤、トローチ
剤、液剤、またはこれらの製剤学的に許容され得る徐放
化製剤など)などが挙げられる。
【0074】これらの製剤は公知の製剤学的製法に準
じ、製剤として薬理学的に許容され得る基剤、担体、賦
形剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等と共に用いてもよい
【0075】これらの製剤に用いる担体や賦形剤として
は、例えば乳糖、ブドウ糖、白糖、マンニトール、馬鈴
薯デンプン、トウモロコシデンプン、炭酸カルシウム、
リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、
カンゾウ末、ゲンチアナ末などが挙げられる。
【0076】これらの製剤に用いる結合剤としては、例
えばデンプン、トラガントゴム、ゼラチン、シロップ、
ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニ
ルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースなどが挙げられる。
【0077】これらの製剤に用いる崩壊剤としては例え
ばデンプン、寒天、ゼラチン末、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナト
リウム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0078】これらの製剤に用いる滑沢剤としては例え
ばステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物
油、マクロゴールなどが挙げられる。
【0079】これらの製剤に用いる着色剤としては医薬
品に添加することが許容されているものを、それぞれ用
いることができる。
【0080】また、注射剤を調製する場合は、必要に応
じて、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添
加して、常法により各注射剤とする。
【0081】錠剤、顆粒剤を調製する場合は、必要に応
じて、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、精製セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトー
ル、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタク
リレート、メタアクリル酸重合体などで被膜しても良い
し、2つ以上の層で被膜しても良い。さらにエチルセル
ロースやゼラチンのような物質のカプセルでも良い。
【0082】外用剤の形態としては、経皮投与用または
口腔内あるいは経鼻などの経粘膜投与用の固体、半固
体、半固体状、または液状の製剤が挙げられる。液状製
剤としては、例えば製剤学的に許容される乳剤あるいは
ローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与
用液剤などが挙げられる。この製剤は通常用いられる希
釈剤としては、例えばエタノール、油分、乳化剤などを
含む。半固体製剤としては、例えば油性軟膏、親水性軟
膏などの軟膏剤が挙げられる。この製剤は通常用いられ
る基剤あるいは担体として、例えば、水、ワセリン、ポ
リエチレングリコール、油分、界面活性剤などを含む。
半固体あるいは固体製剤としては、例えば硬膏(ゴム
膏、プラスターなど)、フィルム剤、テープ剤、あるい
はパップ剤などの経皮投与用または経粘膜(口腔内、経
鼻)投与用の貼付剤などが挙げられる。この製剤は通常
用いられる基剤あるいは担体として、例えば天然ゴム、
ブタジエンゴム、SBR、SISなどの合成ゴムなどの
ゴム系高分子、ゼラチン、カオリン、酸化亜鉛などの泥
状化剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ
アクリル酸ナトリウムなどの親水性高分子、アクリル樹
脂、流動パラフィンなどの粘着付与剤、水、その他の油
分、界面活性剤を含む。これらの製剤は、さらに安定化
剤、溶解補助剤、経皮吸収促進剤のような補助剤、ある
いは芳香剤、防腐剤などの添加剤などを用いても良い。
【0083】本発明の抗酸化剤は本抽出物を有効成分と
して含有する。有効成分とは目的とする機能が発揮され
れる程度に該抽出物を含むことを示す。その含量は、特
に制限されないが、目的とする機能の度合い、使用態
様、使用量、該抽出物の濃縮や分画・精製度合い等によ
り適宜調整することができ、例えば0.01〜100質
量%、好ましくは0.1〜99.9質量%、更に好まし
くは0.5〜99.5質量%である。本抽出物はオリー
ブ植物および/またはオリーブ油製造工程で得られる生
成物を水および/または有機溶媒で抽出処理して得るこ
とができ、更に該抽出物を濃縮処理および/または分画
・精製処理することで、効果が強化された活性酸素除去
剤を得ることができる。該活性酸素除去剤は、人体やそ
の他飲食物、医薬品、肥料、飼料や皮膚外用剤に使用す
ることができる。また、経口等により内服することも、
皮膚等に塗布することもできる。
【0084】本発明の抗酸化剤は、常法にしたがって経
口、非経口の製品に配合することができ、飲食物、皮膚
外用剤、医薬品、医薬部外品、飼料、餌料、農薬等の様
々な分野で利用することができる。例えば、飲食物に配
合した場合には、生体内抗酸化効果および酸化防止効果
を有する飲食物を提供することができる。この飲食物は
例えば、風味劣化・変色抑制等の酸化防止効果が期待で
き、かつ、生活習慣病予防等の効果が期待できる。生活
習慣病予防等の効果からは、健康食品、栄養食品等とし
て用いられることも期待できる。さらには、該抽出物の
濃縮等の条件を調整することで、これを含有する飲食物
を継続的に摂取することにより、更なる効果を発揮する
機能的な飲食物を提供することができる。その他、家
畜、魚類の飼料、餌料に利用することができ、特に魚類
の餌料は水分を必須とするものが多く放置すると酸化劣
化し易いものがあり、また、水中投下するので水と接し
いたみ易いが、これらを改善した餌料等を提供すること
ができる。また、併せて、一部には飼育の困難な鑑賞用
や養殖等の魚類も存在するが、本発明の抗酸化剤を用い
た餌料等は生体内抗酸化効果等の効果を有することか
ら、これらの育成・生存率の向上に寄与する餌料等を提
供することができる。
【0085】本発明の抗酸化剤を人体やその他飲食物、
医薬品、肥料、飼料や皮膚外用剤に使用することによ
り、抗酸化効果、特には製品の保存安定性の向上効果等
の優れた酸化防止効果や、各種疾病予防効果や抗老化効
果等の優れた生体内抗酸化効果がを得ることができる。
さらに、オリーブ植物から容易に得ることができ、ま
た、オリーブ油の製造工程中に発生する通常は廃棄され
ている生成物からも好適に得ることができることから、
コスト面からみても、資源の有効活用という面からみて
も好ましい。
【0086】
【実施例】次に、実施例を挙げ、本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0087】実施例1〜17、比較例1において各種抽
出物を製造した。また、収率については下記の<式3>
で求めた。
【0088】
【数3】<式3> 抽出物の収率=本抽出物の質量(注
1)÷抽出前の原料の質量(注2) 注1:凍結乾燥により乾燥させた後、質量(g)を測定 注2:本抽出物を、溶剤等で抽出する直前の果実、粕、
種子の質量(g)を測定
【0089】実施例1 国産のオリーブ(Olea europaea L.)
の乾燥果実(種子を含む)1kgを破砕し、3Lのヘキ
サンを加え3時間抽出した。これを4度繰り返した脱脂
果実について、種子を除去した後、粉砕し、再度5倍量
のヘキサンで3時間抽出することで、完全に油分を除去
した脱脂粕229gを得た。この脱脂粕に10倍量のエ
タノール含量が60質量%の含水エタノール水溶液を加
え、室温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量を
ろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物112.7gを得
た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性
およびヒドロキシラジカル消去活性の評価を行った。そ
の結果を表1および表2に示す。
【0090】実施例2 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が80質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物79.7
gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消
去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0091】実施例3 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が70質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物97.8
gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消
去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0092】実施例4 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が50質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物111.
1gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド
消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0093】実施例5 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が40質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物112.
9gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド
消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0094】実施例6 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が20質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物110.
6gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド
消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0095】実施例7 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
無水エタノールを加え、同様に室温で激しく攪拌しなが
ら3時間抽出した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して
抽出物13.5gを得た。得られた抽出物に関し、スー
パーオキシド消去活性の評価を行った結果を表1に示
す。
【0096】実施例8 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
水を加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出
した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物11
8.2gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキ
シド消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0097】実施例9 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
アセトン含量が60質量%の含水アセトンを加え、同様
に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ
過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物51.5gを得た。得
られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性の評価
を行った結果を表1に示す。
【0098】実施例10 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
THF含量が60質量%の含水THFを加え、同様に室
温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ過
後、ろ液を濃縮乾固して抽出物54.3gを得た。得ら
れた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性の評価を
行った結果を表1に示す。
【0099】実施例11 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
AN含量が60質量%の含水ANを加え、同様に室温で
激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ過後、ろ
液を濃縮乾固して抽出物49.6gを得た。得られた抽
出物に関し、スーパーオキシド消去活性の評価を行った
結果を表1に示す。
【0100】実施例12 種子を除去したオリーブの乾燥果実1kgを破砕し、そ
の破砕した果実に、20倍量のエタノール含量が60質
量%の含水エタノール水溶液を加え、同様に室温で激し
く攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ過後、ろ液を
濃縮乾固して抽出物238.5g抽出物にヘキサン1.
5L、水1.5Lを加えてよく攪拌した後、分液された
水相を濃縮乾固して、分配抽出物126.4gを得た。
得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性の評
価を行った結果を表1に示す。
【0101】実施例13 オリーブの種子500gを破砕し、その破砕した種子に
10倍量のエタノール含量が60質量%の含水エタノー
ル水溶液を加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時
間抽出した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物
42.0gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオ
キシド消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0102】実施例14 イタリア産のオリーブ(Olea europaea
L.)を搾油し、得られた圧搾残査1kgに、3Lのヘ
キサンを加え3時間抽出した。これを4度繰り返した脱
脂残査(884g)について、種子および夾雑物をフル
イで適当に除去して、脱脂粕196gを得た。この脱脂
粕に10倍量のエタノール含量が60質量%の含水エタ
ノール水溶液を加え、室温で激しく攪拌しながら3時間
抽出した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物1
9.2gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキ
シド消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0103】実施例15 実施例14と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量
のエタノール含量が70質量%の含水エタノール水溶液
を加え、室温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全
量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物17.4gを得
た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性
の評価を行った結果を表1に示す。
【0104】実施例16 イタリア産のオリーブ(Olea europaea
L.)を搾油し、得られた圧搾残査1kgに、3Lのヘ
キサンを加え3時間抽出した。これを4度繰り返した脱
脂残査884gについて、種子等を除去すること無く、
これを粉砕し、粉砕脱脂残査873gを得た。この粉砕
脱脂残査に10倍量のエタノール含量が60質量%の含
水エタノール水溶液を加え、室温で激しく攪拌しながら
3時間抽出した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽
出物39.5gを得た。得られた抽出物に関し、スーパ
ーオキシド消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0105】実施例17 実施例16と同様にして得た粉砕脱脂残査に、10倍量
のエタノール含量が60質量%の含水エタノール水溶液
を加え、室温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全
量をろ過後、得られたろ液を完全に脱エタノールして得
られた抽出物の水層部分に、水不溶分回収の効率を上げ
ることを目的として、総量が830gになるように水を
加え、室温で1時間、激しく攪拌した。全量を遠心分離
で処理して沈殿分を除去した後、デカンテーションによ
り回収した上澄みを乾燥して濃縮物22.9gを得た。
濃縮して得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去
活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0106】比較例1 乾燥ゴマ種子1kgを破砕し、3Lのヘキサンを加え3
時間抽出した。これを4度繰り返したゴマ脱脂粕52
6.4gを得た。このゴマ脱脂粕に10倍量のエタノー
ル含量が60質量%の含水エタノール水溶液を加え、室
温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ過
後、ろ液を濃縮乾固して抽出物58.2gを得た。この
ゴマ種子から得られた抽出物に関し、スーパーオキシド
消去活性およびヒドロキシラジカル消去活性の評価を行
った。その結果を表1および表2に示す。
【0107】比較例2として、合成のスーパーオキシド
消去活性を有する合成の抗酸化剤であるBHAに関し、
スーパーオキシド消去活性の評価を行った。結果を表1
に示す。
【0108】以下に、活性酸素除去機能に関して、スー
パーオキシド消去活性、ヒドロキシラジカル消去活性に
ついての評価方法および評価結果を示す。
【0109】<スーパーオキシド消去活性の評価方法>
スーパーオキシド消去活性の評価は、金田尚志、上田伸
夫編集、「過酸化脂質実験法」、第136−154頁、
医歯薬出版(株)1993年発刊に記載されている方法
に従い、以下のように測定した。炭酸水素ナトリウム緩
衝液(pH10.2)1.2mLに1mg/mLのED
TA溶液50μL、1.5mg/mLウシ血清アルブミ
ン(BSA)溶液50μL、0.6mg/mLニトロブ
ルーテトラゾリウム(NBT)溶液50μL、0.5m
g/mLキサンチン溶液50μL、および、オリーブ抽
出物を所定の濃度で溶解させた「試料溶液」0.1mL
を加え混和した後、25℃にて10分放置する。これに
0.1unit/mLキサンチンオキシダーゼ(XO
D)溶液50μLを加え撹拌し、25℃にて20分間放
置した。1mg/mL塩化銅溶液50μLを加え酵素反
応を停止させた後、560nmの吸光度値(A)を測定
し、「試料溶液」の代わりに同量の「緩衝液」を加えた
物を対照溶液として同様に吸光度値(B)を測定した。
また、塩化銅溶液と、「試料溶液」または「緩衝液」の
添加順を逆にしたものを、それぞれ試薬ブランクとして
同様に吸光度を測定し、それぞれの値をa、bとした。
一方、比較用の抗酸化剤としては、市販の抗酸化剤であ
るブチルヒドロキシアニソール(BHA)を用いた。B
HAについては上記の測定方法を、以下の点を変更して
吸光度値(A)測定した。すなわち、炭酸ナトリウム緩
衝液(pH10.2)は1.25mLの添加量、メタノ
ールを用いて所定の濃度で溶解した「BHA溶液」は5
0μLの添加量とし、また、XOD溶液は0.2uni
t/mLの濃度で調製したものを用いた。「BHA溶
液」の代わりに同量の「メタノール」を添加したものを
対照溶液として、吸光度値(B)を測定した。また、塩
化銅溶液と「BHA溶液」または「メタノール」の添加
順を逆にしたものを、それぞれ試薬ブランクとして同様
に吸光度値を測定し、それぞれの値をa、bとした。そ
して、以下の<式4>からスーパーオキシドの消去活性
を算出した。ここで、式中の(C)は測定溶液系中の試
料濃度を示しており、スーパーオキシドが消去されるこ
とにより吸光度値が0.1減少する活性を1単位(1u
nit)と定義した。この活性値が高いほどスーパーオ
キシド消去作用が強いことを示している。
【0110】
【数4】<式4> スーパーオキシド消去活性(uni
t/(mg/mL))={(B−b)−(A−a)}/
(C×0.1)
【0111】また、スーパーオキシド消去活性収量指数
を前記の<式2>により算出した。
【0112】
【表1】
【0113】表1から、本抽出物は、非常に強いスーパ
ーオキシド消去活性を有することがわかる。特に、水、
無水アルコール、含水アルコールを用いて抽出した場
合、本抽出物は天然の抽出物であるにもかかわらず、代
表的な合成抗酸化物質であるBHAと比較しても、同等
〜2倍程度の消去活性を示している。単なる抽出物の段
階でも、非常に強いスーパーオキシド消去活性を有する
ことがわかる。さらに、本抽出物は収率が高いことか
ら、スーパーオキシド消去活性収量指数は更に高いもの
となっている。この指数から見ても分かる通り、同じ条
件の天然原料から、より多くの、強い活性酸素除去機能
を有する抽出物を得ることができることがわかる。
【0114】<ヒドロキシラジカル消去活性の評価方法
>ヒドロキシラジカル消去活性は以下のように測定し
た。本実施例で用いた反応系はフェントン反応にてヒド
ロキシラジカルを発生させ、そのヒドロキシラジカルと
脂肪酸との反応により生じるマロンジアルデヒド(MD
A)をチオバルビツール酸と反応させたときに生成する
チオバルビツール酸−MDAアダクトを測定する方法に
基づいている。すなわち所定の濃度で溶解させた測定対
象物を、リノール酸溶液(2mg/mL)およびドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS,2mg/mL)を含む30
mMのTris塩酸緩衝液(pH7.4)0.46mL
で溶解し、2.5mM過酸化水素溶液0.02mLおよ
び2.5mM塩化鉄(II)溶液0.02mLを加え、5
h、37℃で加温した。本抽出物、濃縮物および精製物
を含まず同様に反応したものを対照とした。加温後、1
0mg/mLブチルヒドロキシルトルエン(BHT)エ
タノール溶液0.01mLを加えた。TBA12mgお
よびSDS16.2mgを蒸留水2.3mLに溶解し、
これに20%(v/v)酢酸緩衝液(pH4.0)1.
5mLおよび前記反応液0.2mLを加え、95℃で1
時間加温した。放冷後、(532nm)における吸光度
を測定した。各試料を含む反応液の吸光度をD、対照の
吸光度をEとし、そのヒドロキシラジカル消去率を以下
の<式5>から算出した。ヒドロキシラジカル消去率が
高い方がヒドロキシラジカル消去作用が強いことを示し
ている。
【0115】
【数5】<式5> ヒドロキシラジカル消去率(%)=
{1−(E−D)/E}×100
【0116】上記ヒドロキシラジカル消去率(%)が5
0%となる測定対象物の濃度を比較し、ヒドロキシラジ
カル消去活性の強さを比較する。
【0117】
【表2】
【0118】表2から、本抽出物はヒドロキシラジカル
消去活性に関しても、ヒドロキシラジカル消去活性が強
いとされているゴマ種子からの抽出物と比較して、同程
度の消去活性を示している。また、このゴマ種子からの
抽出物のスーパーオキシド消去活性と本抽出物のスーパ
ーオキシド消去活性を比較すると、約8倍〜9倍であ
る。このように本抽出物は、強いスーパーオキシド消去
活性とヒドロキシラジカル消去活性の両方を併せ持つ優
れた活性酸素除去機能を有する抽出物であることがわか
る。
【0119】次に、本抽出物を、実際に製品や動物、ヒ
トに適用した場合の効果について、得られる抗酸化効果
の評価方法および評価結果を示す。
【0120】まず、抗酸化効果については、実際の食品
に配合した時の酸化防止効果と、実際に動物に摂取させ
た時の生体内抗酸化効果について評価方法および評価結
果を示す。
【0121】実施例18 クッキーを用いた酸化防止効
果の評価 下記配合にて原料を混合し、1個あたり10gになるよ
うに分割し、180℃で15分焼き、クッキーを製造し
た。なお、対照には、本抽出物を配合せずにせずに製造
した。
【0122】作製直後のクッキーの一定質量について、
常法に則って、ヘキサンにて脂質を抽出しヘキサンを溜
去した後、その脂質のPOVを測定したところ、対照の
クッキーのPOVは2.1、本抽出物を配合したクッキ
ーのPOVは2.3であった。これらのクッキーを60
℃、暗所で18日間保存後、同様にしてPOVの測定を
行なったところ、対照のクッキーのPOVは31.7に
まで上昇していたのに対し、本抽出物を配合したクッキ
ーのPOVは7.5であった。また、同様にして得られ
たクッキーを、60℃、暗所で18日間保存後、試食し
た。その結果、対照のクッキーはかなりの酸化劣化臭を
有していたのに対し、本抽出物を配合したクッキーは、
保存後も良好な風味を有していた。
【0123】この結果から、本抽出物は酸化防止効果を
有し、製品等の保存安定性を向上させる効果を有するこ
とがわかった。
【0124】各実施例で得られたオリーブ抽出物を、実
際に動物に摂取させた時の生体内抗酸化効果について、
その評価方法および評価結果を示す。
【0125】実施例19 ラットを用いた生体内抗酸化
効果の評価 6週齢のウィスター系雄ラット(日本エスエルシー)7
匹を1試験区とし、各試験区用の粉末精製飼料を、4週
間水とともに自由摂取させた。各試験区用飼料は、下表
3の飼料組成の通りに作製した。飼料成分の酸化劣化を
防ぐために、飼料は2日に1回交換した。試験食投与4
週間目の午前9時より絶食させ、午後2時より各ラット
の肝臓を採取した。肝臓中の抗酸化能を下記AOA法を
用いて測定し、検体の各オリーブ抽出物の生体内抗酸化
作用を評価した。
【0126】
【表3】 ※;トコフェロールを除いたもの。
【0127】<AOA法(脂質過酸化抑制率の測定法)
>基質として、牛の脳のリン酸緩衝液の摩砕物を用意す
る。これに、後述する方法で採取した肝臓の摩砕物を添
加し、37℃で1時間保持して、脂質の酸化を進行させ
る。この反応液の除タンパク上清にTBA(チオバルビ
ツール酸)溶液を添加して攪拌し、95℃で、15分間
保持する。この反応液の吸光度を分光光度計により測定
する。吸光度の値の大小と、過酸化脂質濃度の大小は相
関している。検体(各オリーブ抽出物)添加群での吸光
度と、対照群の吸光度とを比較し、検体(各オリーブ抽
出物)の脂質過酸化抑制率(%)を求める。
【0128】上記方法にて、生体内抗酸化効果を評価し
た。この結果を表4に示す。
【0129】
【表4】 肝臓脂質過酸化抑制率
【0130】表4から、本抽出物は、経口摂取により、
生体内においてその抗酸化効果を発揮し、生体内酸化の
結果生じる過酸化脂質の生成を抑制することが確認され
た。また、この効果は含量依存的であることから、求め
る効果に応じて、含量を増減すればよいことも分かっ
た。
【0131】 実施例20 錠剤(抗酸化剤の製造例−1) (1)実施例17の抽出物 10.0mg (2)乳糖 94.0mg (3)トウモロコシデンプン 34.0mg (4)結晶セルロース 20.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 1.0mg 上記配合比率にて、まず、(1)〜(4)までをよく混
合した後、(5)を加えてさらに混合した。この混合物
を打錠して錠剤を得た。
【0132】 実施例21 散剤(抗酸化剤の製造例−2) (1)実施例17の抽出物 10.0mg (2)乳糖 981.0mg (3)ヒドロキシプロピルセルロース 4.0mg (4)軟質無水ケイ酸 5.0mg 上記配合比率にて、まず、(1)(2)をよく混合した
後、(3)を加えて造粒する。これを乾燥後に製粒し、
(4)を加えてさらによく混合して、散剤を得た。
【0133】 実施例22 カプセル剤(抗酸化剤の製造例−3) (1)実施例17の抽出物 10.0mg (2)乳糖 70.0mg (3)トウモロコシデンプン 38.0mg (4)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg (5)カプセル 260.0mg 上記配合比率にて、まず、(1)〜(4)をよく混合し
て得た混合末を、(5)に充填してカプセル剤を得た。
【0134】実施例20で得られた錠剤を、実際に人が
摂取した際の生体内抗酸化効果について、過酸化脂質生
成抑制効果の評価方法と評価基準を以下に示す。
【0135】実施例23 人体に対する生体内抗酸化効
果の評価 実施例20で得られた錠剤を人に用いた際の生体内抗酸
化効果の評価を、健康な30代男性30人を対象にブラ
インドで行った。すなわち、30代男性30人を、試験
前の血中過酸化脂質濃度の平均が均等になるように15
人ずつの2区に分け、それぞれを試験食区および対照食
区とし、試験食区の人には実施例17のオリーブ抽出物
を配合した錠剤を、また、対照区の人には実施例17の
錠剤でオリーブ抽出物を配合していない錠剤を、毎食
(朝、昼、晩)と同時に摂取させた。試験は30日間行
い、10日毎に血液を採取した。血液からは遠心分離に
よって血清を調製し、測定まで−80℃で保管した。下
記方法にて、血清中過酸化脂質(PCOOH)量を測定
し、得られた結果から、実施例20で得られた錠剤の生
体内抗酸化効果について評価した。
【0136】<過酸化脂質(PCOOH)の測定法>血
清中のPCOOH量の測定は、大島らの方法に準じて行
った(Lipids,31,1091,1996)。す
なわち、血清に、20ppmBHTを含むクロロホルム
−メタノール(2/1(v/v))溶液およびNBD−
PCクロロホルム溶液を添加し、これをよく振とうした
後、遠心分離してクロロホルム層を回収した。溶媒を溜
去した後、HPLCに用いる移動相(クロロホルム:メ
タノール:水=9:50:1)に再溶解したものを、ジ
フェニルピレニルホスフィン(DPPP)を反応試薬と
したポストカラムHPLCに供した。
【0137】上記の評価試験にて、人における生体内抗
酸化効果を評価した。各区における血清中過酸化脂質
(PCOOH)量の経時変化の結果について、表5に示
す。
【0138】
【表5】 血清中過酸化脂質(PCOOH)量の経時変
【0139】表5から、本発明のオリーブ抽出物を含有
する抗酸化剤は、人が摂取した場合、生体内においてそ
の抗酸化効果を発揮し、生体内抗酸化剤として作用し、
生体内酸化の結果生じる過酸化脂質の生成を大幅に抑制
することが確認された。
【0140】
【発明の効果】本発明によれば、オリーブ植物等から活
性酸素除去機能を有する抽出物を含有する、優れた抗酸
化効果を有する抗酸化剤を得ることができる。本発明に
よれば、強力なスーパーオキシド消去またはヒドロキシ
ラジカル消去等の活性酸素除去機能を有する天然の抽出
物を含有する抗酸化剤を、安定的に提供することができ
る。本発明の抗酸化剤は微量で強い抗酸化効果を有して
おり、該抗酸化剤を人体やその他飲食物、医薬品、肥
料、飼料や皮膚外用剤等に使用することにより、抗酸化
効果、特には製品の保存安定性の向上効果等の優れた酸
化防止効果や、各種疾病予防効果や抗老化効果等の優れ
た生体内抗酸化効果を得ることができる。また、本発明
によれば、本発明の抗酸化剤に用いる該抽出物を、収率
よく得ることができるため、単位原料あたりに得ること
ができる効果の総量(総指数)が非常に多い。さらに、
オリーブ植物から容易に得ることができ、また、オリー
ブ油の製造工程中に発生する通常は廃棄されている生成
物からも好適に得ることができることから、安定的な供
給面やコスト面からみても、資源の有効活用という面か
らみても好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 39/06 A61P 39/06

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オリーブ植物(葉を除く。以下同じ。)
    から得られる抽出物を有効成分とする抗酸化剤。
  2. 【請求項2】 抽出物がオリーブ植物および/またはオ
    リーブ油製造工程で得られる生成物を、水および/また
    は有機溶媒で抽出処理して得られたものである請求項1
    に記載の抗酸化剤。
  3. 【請求項3】 抽出物が、更に濃縮処理および/または
    分画・精製処理されたものである請求項2に記載の抗酸
    化剤。
  4. 【請求項4】 オリーブ植物から得られる抽出物を有効
    成分とする酸化防止剤。
  5. 【請求項5】 保存安定性向上効果を有する請求項4に
    記載の酸化防止剤。
  6. 【請求項6】 抽出物がオリーブ植物および/またはオ
    リーブ油製造工程で得られる生成物を、水および/また
    は有機溶媒で抽出処理して得られたものである請求項4
    または5に記載の酸化防止剤。
  7. 【請求項7】 抽出物が、更に濃縮処理および/または
    分画・精製処理されたものである請求項6に記載の酸化
    防止剤。
  8. 【請求項8】 オリーブ植物から得られる抽出物を有効
    成分とする生体内抗酸化剤。
  9. 【請求項9】 各種疾病予防効果および/または抗老化
    効果を有する請求項8に記載の生体内抗酸化剤。
  10. 【請求項10】 抽出物がオリーブ植物および/または
    オリーブ油製造工程で得られる生成物を、水および/ま
    たは有機溶媒で抽出処理して得られたものである請求項
    8または9に記載の生体内抗酸化剤。
  11. 【請求項11】 抽出物が、更に濃縮処理および/また
    は分画・精製処理されたものである請求項10に記載の
    生体内抗酸化剤。
  12. 【請求項12】 水に対して易溶性である請求項1〜1
    1のいずれか1項に記載の抗酸化剤、酸化防止剤または
    生体内抗酸化剤。
  13. 【請求項13】 水または含水親水性有機溶媒に、一部
    または全部が溶解した状態にあることを特徴とする請求
    項1〜11のいずれか1項に記載の抗酸化剤、酸化防止
    剤または生体内抗酸化剤。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の抗酸化剤、酸化防止剤または生体内抗酸化剤を各種製
    品に配合することを特徴とする、該抗酸化剤、酸化防止
    剤または生体内抗酸化剤の使用方法。
  15. 【請求項15】 前記製品が飲食物である請求項14に
    記載の使用方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の抗酸化剤、酸化防止剤または生体内抗酸化剤を内服さ
    せることを特徴とする、該抗酸化剤、酸化防止剤または
    生体内抗酸化剤の使用方法。
  17. 【請求項17】 オリーブから得られる抽出物を抗酸化
    剤として使用する方法。
  18. 【請求項18】 オリーブから得られる抽出物を酸化防
    止剤として使用する方法。
  19. 【請求項19】 オリーブから得られる抽出物を生体内
    抗酸化剤として使用する方法。
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