JP2001181197A - オリーブ抽出物 - Google Patents

オリーブ抽出物

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JP2001181197A
JP2001181197A JP2000297931A JP2000297931A JP2001181197A JP 2001181197 A JP2001181197 A JP 2001181197A JP 2000297931 A JP2000297931 A JP 2000297931A JP 2000297931 A JP2000297931 A JP 2000297931A JP 2001181197 A JP2001181197 A JP 2001181197A
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skin
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Noriyasu Kuno
憲康 久野
Miho Matsumoto
美保 松本
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Nisshin Oil Mills Ltd
Original Assignee
Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、強い活性酸素除去機能や、優れた
メラニン生成抑制機能、強力な腫瘍細胞増殖抑制・死滅
機能を有し、かつ、安定で、人体に対する安全性が高
く、用途の広い、新規の天然の抽出物を提供することを
目的とする。 【解決手段】 オリーブ植物から得られる抽出物に関
し、好ましくはオリーブ植物の実および/または種子か
ら得られる抽出物に関する。該抽出物は様々な機能を有
するが、特に活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機
能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能の1または2以上の機
能を有する。オリーブ植物から水および/または有機溶
媒で抽出することで得ることができ、濃縮処理および/
または分画・精製処理することで前記各機能を向上させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オリーブ(Ole
a europaea L.)を原料として抽出される
抽出物に関し、特にスーパーオキシドやヒドロキシラジ
カル等の活性酸素種を消去するのに有効な強い活性酸素
除去機能の他、優れたメラニン生成抑制機能、強力な腫
瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する抽出物に関するもの
であり、また、これらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油脂、とりわけ不飽和脂肪酸を含む油脂
は酸化されやすく、品質劣化、栄養性・機能性低下の大
きな原因となる。不飽和脂肪酸の中でもリノール酸、リ
ノレン酸およびアラキドン酸は必須脂肪酸として栄養素
として重要な役割を果たしている。また近年、EPA,
DHAなど高度不飽和脂肪酸の生理活性に注目され、こ
れらを含む多くの飲食物などが上市されている。しかし
これらの不飽和脂肪酸は極めて酸化安定性に欠けるた
め、抗酸化剤の添加が必要となるが、長期間保存に有効
な抗酸化剤は今のところ無いのが現状である。
【0003】生物は、酸素を利用することによって生存
に必要なエネルギーを効率的に得ている。しかしなが
ら、このようなエネルギー代謝のうち酸素が水に変換さ
れる過程で、中間体として活性酸素種が生じる。一般に
この活性酸素種としては、マクロファージの刺激などに
よって放出されるスーパーオキシド、放射線の被爆など
によって生成されるヒドロキシラジカルなどが知られて
いる。これらの活性酸素種は過度の放射線や紫外線の照
射、化学物質やタバコの摂取等の外的誘因と虚血再還
流、炎症、ストレス、老化等の内的要因が原因となって
生成される。このようにして生体内で過剰に生成された
活性酸素種は、一般に化学的反応性が高く、生体内で隣
接する脂質や核酸、蛋白質等の成分と容易に反応し、さ
まざまな疾病に繋がる酸化的障害をもたらす。活性酸素
種の一種であるスーパーオキシドは、さまざまな疾病と
深い関わりがあることが明らかにされており、例えば動
脈中のLDLは、スーパーオキシドによって酸化されて
泡沫細胞を形成し、動脈硬化の原因を発生する。また放
射線の照射によりもたらされるヒドロキシラジカルの産
生は、発癌などの深刻な障害を生体に与える。(Hal
liwell B. and Gutteridge
M.C.、 Biochem.J. 219、1-1
4、(1984))。
【0004】このような活性酸素種の生体に対する毒性
が明らかになるにつれ、これらを効率的に消去する活性
を有する活性酸素種消去物質等の抗酸化剤は、生体内ま
たは食品や医薬品、農薬等に含まれる成分の酸化的劣化
の防御剤として有用であり、食品産業、特に水産加工
品、健康食品、栄養食品のほか、医薬品・農薬分野や化
粧品分野において実利的な利用が期待されているもので
ある。
【0005】近年、抗酸化剤に限らず、化学合成品から
なる食品添加物の安全性の問題に対する消費者の意識の
高まっており、例えば、BHA(ブチルヒドロキシルア
ニソール)やBHT(ブチルヒドロキシトルエン)等の
化学合成抗酸化剤は、その使用が避けられる傾向にあ
る。また、他の抗酸化剤も、植物油由来のトコフェロー
ル類など油溶性(非水溶性)のものが多く、実際の使用
に際しては制約を受けることが多い。
【0006】このような中、これまでさまざまな抗酸化
剤が、主に天然物由来の原料から抽出され、その応用が
検討されている。例えばスーパーオキシド消去活性を有
するものとして酵素蛋白であるスーパーオキシドジスム
ターゼ(SOD)等が、ヒドロキシラジカル消去活性を
有するものとしてマンニトール、トリプトファン、ギ酸
等が挙げられている(例えば、大柳善彦「SODと活性
酸素種調節剤-その薬理的作用と臨床応用」、第224
〜228頁、日本医学館、1989年)。
【0007】しかしながら、SODは酵素タンパクであ
るため、熱などに対する安定性が乏しく、また経口投与
した場合、投与した酵素のほとんどは消化・***されて
しまい、その実効力は極めて低かった。また、ヒドロキ
シラジカルを効率的に消去できる実用的なヒドロキシラ
ジカル消去剤は現在のところ少ない。従って、これら抗
酸化剤を工業的に多量に、かつ安定に入手することは困
難なのが現状である。また、通常、前述のSODはスー
パーオキシドに対してのみ消去効果を有し、ヒドロキシ
ラジカルに対しては全く効果がない。同様にマンニトー
ルはスーパーオキシドを消去することができない。
【0008】消費者からの要望が強い、天然物由来で抗
酸化効果を有する原料としては、例えば、ゴマ種子中の
水溶性の抗酸化成分として、ゴマ脱脂粕等から得られる
水溶性抽出物が抗酸化活性を有することが知られている
(特公昭61−26342号公報等)。また、この脱脂
粕抽出物にはリグナン配糖体類が含まれることがよく知
られており、そのリグナン配糖体類が強力なヒドロキシ
ラジカル消去活性を有することが知られている(特開平
8−208685号公報等)。しかし、このゴマ種子等
に含まれるリグナン配糖体はスーパーオキシドに対する
消去活性は強いものとはいえない。
【0009】このような中、1種類の活性酸素種に対す
る消去活性だけでなく、スーパーオキシドとヒドロキシ
ラジカルなど、複数種類の活性酸素種に対する強力な消
去活性を有する、天然物由来の有効成分の安定供給が望
まれているにも関わらず、これまで工業的に実用化され
た例は少ない。しかも、両活性を有する有効成分の供給
はほとんど無いといってよく、これらの安定的な供給が
期待されている。
【0010】一方、皮膚に対して、ハリ、ツヤを与え、
シワやたるみの発生を防止する、いわゆる皮膚の老化防
止を目的とする化粧料は種々のタイプの製品が提案され
ている。代表的なものとしては、多価アルコール類(グ
リセリン、ソルビトール等)、ヒアルロン酸、コラーゲ
ン、エラスチン、天然保湿因子(Natural Mo
isturizing Factor;例えばアミノ
酸、乳酸塩、ピロリドンカルボン酸ソーダ、尿素等)、
細胞間脂質(スフィンゴ脂質、リン脂質、コレステロー
ル等)、皮脂類似物質(オリーブ油、ホホバ油、スクワ
ラン等)等の保湿成分を配合した化粧料、またビタミン
A、ビタミンC、ビタミンEおよびその誘導体、ビタミ
ンF(リノール酸)、ビタミンH(グルタチオン)等の
ビタミン類、ホルモン類、植物抽出物(グリチルリチ
ン、β−カロチン等)、動物抽出物(プラセンタリキッ
ド、ローヤルゼリー等)等の細胞賦活成分を配合した化
粧料がある。また、皮膚のシミやシワを目立たなくする
ように、表面処理を施したチタン粉末やタルク粉末を配
合した化粧料もこれに該当する。
【0011】一般的に皮膚の老化現象の目安となる皮膚
のシワやたるみを形成する主な原因として、皮膚の真皮
組織における構成成分の質的および量的変化が大きく影
響を及ぼすといわれている。すなわち真皮組織には繊維
性蛋白成分としてコラーゲン繊維と弾性繊維(エラスチ
ン)の2種類のものが存在するが、これらが種々の外的
または内的要因によって蛋白質変性をおこし、これにと
もないそれらの弾性力が低下して結果的にシワやたるみ
が生じると考えられている。
【0012】この蛋白質変性をひきおこす要因の一つに
コラーゲン繊維間の架橋結合がある。この架橋結合は、
幼若期のうちはコラーゲン繊維としての強度を増すため
に重要であり、架橋酵素によって促進される。しかし、
それが充分に成熟した後にも生体にとって必要とされな
い架橋がコラーゲン繊維間で非酵素的に生成される。現
在、この生成段階において活性酸素が関与していること
が知られている(広瀬統ら、J.Soc.Cosme
t.Chem.Japan、第26巻(No.4)第2
89〜294頁、1993年等)。
【0013】コラーゲンは繊維芽細胞において産出さ
れ、繊維芽細胞自らが産生する酵素によって分解する。
この産出と分解のバランスによりコラーゲンの量は組織
内で適切に維持されていると考えられるが、皮膚の日光
露出部いわゆる光加齢皮膚においては、その組織中のコ
ラーゲン量が著しく減少することが知られている。これ
に関連して、岡田らは、活性酸素が繊維芽細胞に対して
作用してそのコラーゲン産生能を低減させ、さらにその
コラーゲン分解能を促進させることを知見として得てお
り、活性酸素の影響により皮膚組成中のコラーゲン含量
が減少することを示唆している(岡田 富雄、香粧会
誌、第17巻(No.4)、第202〜206頁、19
93年)。
【0014】さらに、前記繊維性成分の間は組織間基質
つまりムコ多糖類(主にヒアルロン酸)で埋められてい
るが、活性酸素が作用するとムコ多糖類の断片化(低分
子化)現象が生じることが知られている(柏村 直樹
著、「活性酸素」、第464〜468頁、共立出版、1
990年)。
【0015】なお、活性酸素にはスーパーオキシド(O
2−)、一重項酸素(1O2)、ヒドロキシラジカル
(・OH)、過酸化水素(H2O2)等があるが、この
うちヒドロキシラジカルは反応性が高く、生物障害作用
が最も大きいと考えられている。これに関連して田中ら
は、コラーゲンとグルコースとがメイラード反応を起こ
し、コラーゲンが架橋を生じる実験系を用い、これに種
々の活性酸素の消去剤を添加し、コラーゲン架橋の抑制
効果を調べている。その結果、スーパーオキシドおよび
一重項酸素の消去剤には該効果がなく、ヒドロキシラジ
カル消去剤にコラーゲン架橋抑制効果のあることを認め
ている。また同時に、種々の活性酸素を用いてヒアルロ
ン酸の断片化に及ぼす影響を調べた結果、ヒドロキシラ
ジカルが最も作用することを認めている。(田中 弘
ら、香粧会誌、第17巻(No.4)、第207〜21
3頁、1993年)
【0016】活性酸素が生体内成分の酸化や生体の老化
の要因の一つとして深く関わっていることはよく知られ
ており、皮膚においても他臓器と同様に、活性酸素の影
響を受ける。皮膚は常に外界と接しており、常に強い酸
化ストレスに曝されれている部位である。そのため、皮
膚はこの不断の酸化ストレスに対し、各種の防御機構を
具備している。例えば、角層は紫外線を反射、吸収、散
乱する物理的光防御を果しており、また表皮には、産生
された活性酸素を消去するために、スーパーオキシドジ
スムターゼ(SOD)に代表されるような、各種の生体
内抗酸化物質が存在する。例えば、アミノ酸のひとつで
あるトリプトファンは、紫外線照射によりスーパーオキ
シドを発生することが知られていが、この生体内SOD
の作用により、不活性化される。このように通常の状態
においては、各種の酸化反応の進行は未然に防がれてい
るが、例えば過度の日焼け等、異常な酸化ストレスによ
ってこの防御機構が破壊されると皮膚炎や色素増加、皮
膚ガンなどの原因になる他、継続的な酸化ストレスによ
り皮膚の老化等の現象が引き起こされる。
【0017】以上に述べたように、活性酸素の発生を防
止し、またこれを除去することが皮膚のシワやたるみの
形成といった皮膚の老化防止に有効であると考えられ
る。しかしながら、ヒドロキシラジカル消去剤として
は、マニトール、トリプトファン、チオ尿素、ギ酸、ア
ルコール等が知られているにすぎず、また微量で実用的
に効果のあるヒドロキシラジカル消去剤はほとんどな
く、これを工業的に多量かつ安定に入手することは困難
であるのが現状である。
【0018】さらに、皮膚の色黒やシミ、ソバカスは、
一般に日光の紫外線暴露による刺激、ホルモンの異常又
は遺伝的要素等によってメラノサイトが活性化され、そ
の結果メラノサイトにて合成されたメラニン色素が皮膚
内に異常沈着することにより発生する。このようなメラ
ニン色素の異常沈着を改善あるいは防止することを目的
として、L−アスコルビン酸もしくはその誘導体、ハイ
ドロキノン誘導体、グルタチオンやコロイドイオウ等の
美白剤の開発がこれまでなされてきた。しかしながら、
これらの美白剤には微弱なメラニン生成抑制機能しかな
いものや、酸化されやすく不安定なもの、さらに特有の
異臭や沈殿が生じるものがあるといった問題があり、そ
れぞれ単独で化粧料に配合した場合、皮膚に対する美白
効果が必ずしも十分とはいえなかった。従って、効果が
高く、安全かつ安定で肌の色黒、シミ、ソバカス、くす
みを改善あるいは防止できる皮膚に対する美白効果を有
する美白剤の開発が現在求められている。
【0019】近年のガン死亡率をみると、日本(199
7年)においては上昇基調が続いており、また米国(1
995年)においてはようやく下降基調に転じてきたも
のの死亡原因としては依然として第2位を占めている。
これに対して、近年の多大な研究努力により、ガンの発
生について分子機構レベルでの解明がなされてきてい
る。これらの成果から、様々な化学物質が、ガンの発生
過程の諸段階を制御しうることが示されており、抗腫瘍
作用を有する薬剤として使用されている。これらの抗腫
瘍剤はそれぞれ異なるメカニズムで効果を発揮するの
で、上手く組み合わせることでより効果的な治療が可能
になる。また、一定の薬剤の使用により薬剤耐性が惹起
されることも指摘されている。これらを鑑みると、多種
多様な抗腫瘍剤が存在することが望ましい。さらに、こ
れまでに様々な化学物質が抗腫瘍作用を有する薬剤とし
て使用されているが、これらは抗腫瘍作用が強い反面、
腫瘍細胞のみならず、正常細胞にも毒性を発揮するとい
う副作用も有している。このことから、より細胞毒性が
低く、安全性が高い抗腫瘍剤が望まれるのは明らかであ
る。
【0020】一方、古来から食経験豊かな植物の一つに
モクセイ科、オリーブ属のオリーブ植物がある。オリー
ブは古くから栽培されてきた植物で、現在では地中海沿
岸が代表的な栽培地域である。用途としては、特にオリ
ーブ油として重宝されており、欧州はもちろん、日本や
米国を初めとする世界各国で用いられている。オリーブ
油は様々な効果を有することが知られており、古来から
経験的に薬用あるいは化粧用としても用いられてきた。
また、オリーブの実はそのまま食用にも用いられ、場合
によっては、保存食として塩蔵されたりしている。この
ことから、オリーブは、安定的に入手可能で、また人体
にとって安全性の高い植物材料であるといえる。しかし
ながら、オリーブ油を搾油した際に残るオリーブ油粕
は、肥料や燃料用として用いられているに過ぎなかっ
た。
【0021】近年、オリーブ油に関しては、比較的酸化
されにくい植物油であることが知られており、その中に
含まれる微量成分のポリフェノール類が注目され、その
生理的作用等について多くの研究がなされている(例え
ば、International Olive Oil
Council、New Food Industr
y、Vol.34、No.4、28−52、199
2)。しかしながら、オリーブに関してはオリーブ油以
外についてはあまり知られておらず、特にオリーブ植物
中の抽出成分が強い活性酸素除去機能、優れたメラニン
生成抑制機能、強力な腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有
することは、これまで、全く知られていなかった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強い活性酸
素除去機能や、優れたメラニン生成抑制機能、強力な腫
瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有し、かつ、安定で、人体
に対する安全性が高く、用途の広い、新規の天然の抽出
物を提供することを目的とする。
【0023】
【解決しようとする手段】本発明者らは、前記目的を達
成するため鋭意検討した結果、オリーブ植物から得られ
る抽出物が強力な活性酸素除去機能、特にスーパーオキ
シドやヒドロキシラジカルを効果的に消去し得る活性酸
素除去機能を有すること、また、非常に優れたメラニン
生成抑制機能、強力な腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有
することを見いだし、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、オリーブ植物から得られる抽出物に関
し、また、オリーブ植物の実および/または種子から得
られる抽出物に関し、更には、脱脂されたオリーブ植物
の実および/または種子から得られる抽出物に関する。
また、オリーブ油製造工程中で生じる生成物である、圧
搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出油、脱ガム油滓、脱酸
油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭スカム、搾油ジュー
ス、排水、廃濾過材から選ばれる1種または2種以上か
ら得られる抽出物に関する。該抽出物は活性酸素除去機
能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機
能の1または2以上の機能を有する。さらにメラニン生
成抑制機能に関しては、メラニン生成抑制機能指数が
0.5以上および/または実質メラニン生成抑制機能指
数が1以上である抽出物が好ましい。本発明の抽出物は
上記の様な活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、
腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能等の1次的な機能を有する
が、これらの機能を有する抽出物を人体やその他飲食
物、医薬品、肥料、飼料や皮膚外用剤等に使用すること
で、様々な2次的な効果を得ることができる。例えば、
抗酸化効果、美肌効果、抗腫瘍効果等であり、本発明は
抗酸化効果、美肌効果、抗腫瘍効果の1または2以上の
効果を有する抽出物に関する。本発明の抽出物は、オリ
ーブ植物を水および/または有機溶媒で抽出することで
得ることができる。ここで、有機溶媒が親水性有機溶媒
である場合が好ましく、また、親水性有機溶媒がアルコ
ールである場合が好ましい。更に濃縮処理および/また
は分画・精製処理することで、各機能および効果を向上
させることができ、また、人体やその他飲食物、医薬
品、肥料、飼料や皮膚外用剤等に使用しやすいようにす
ることができる。ここで濃縮処理は、水および/または
有機溶媒に対する溶解性を利用した可溶分回収処理およ
び/または不溶分回収処理、水−疎水性有機溶媒での液
々分配処理、再結晶処理、再沈殿処理、冷却により生じ
た析出物を回収する処理から選ばれる1種または2種以
上の処理である場合が好ましく、また、分画・精製処理
は、再結晶、再沈殿、順相および/または逆相クロマト
グラフィーによる精製、脱色処理、脱臭処理から選ばれ
る1種または2種以上である場合が好ましい。活性酸素
除去機能の一つであるスーパーオキシド消去活性から見
た場合、単位原料から得られるスーパーオキシド消去活
性収量指数が100以上である抽出物の製造方法が好ま
しく、同様に、メラニン生成抑制機能から見た場合、メ
ラニン生成抑制機能収量指数および実質メラニン生成抑
制機能収量指数が5以上である製造方法が好ましい。更
には、本発明は、前記抽出物を有効成分とする各種製剤
に関し、特に、活性酸素除去剤、メラニン生成抑制剤、
腫瘍細胞増殖抑制・死滅剤に関する。
【0024】
【実施の形態】以下に、本発明について詳細に説明す
る。本発明は、オリーブ植物の、主に実または種子、さ
らに、果皮、種皮、葉、茎、芽等から、また、これらの
乾燥物、粉砕物、脱脂されたものから得られる抽出物に
関し、該抽出物は強い活性酸素除去機能、特にスーパー
オキシドやヒドロキシラジカルを同時に効果的に消去し
得る活性酸素除去機能を有すること、非常に優れたメラ
ニン生成抑制機能を有すること、さらに、強い腫瘍細胞
増殖抑制・死滅機能を有すること、等の様々な機能を有
する。本発明の抽出物は、オリーブ植物から得られる
が、特にオリーブ植物の実および/または種子から好適
に得ることができ、また、脱脂されたオリーブ植物の実
および/または種子から得られる抽出物は余計な油分等
を除去する必要がないため好ましい。また、オリーブ植
物には、オリーブ油の製造工程において生じる生成物、
例えば圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出油、脱ガム油
滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭スカム、搾油
ジュース、排水、廃濾過材を含むものとする。上記オリ
ーブ植物等から水および/または有機溶媒で抽出処理す
ることで本発明の抽出物を製造することができる。好ま
しくは有機溶媒が親水性有機溶媒であり、さらには親水
性有機溶媒がアルコールである場合、好適に抽出物を製
造することができる。該抽出物は様々な機能を有する
が、特に活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、腫
瘍細胞増殖抑制・死滅機能等を有する。活性酸素除去機
能とは、活性酸素種の生成を抑制、捕捉、消去、不均
化、分解等する機能であり、特にスーパーオキシド消去
活性やヒドロキシラジカル消去活性等に関する。メラニ
ン生成抑制機能とは、紫外線暴露、ホルモン異常、遺伝
情報等の刺激を受けたメラノサイトによるメラニン色素
の生合成を抑制する機能であり、腫瘍細胞増殖抑制・死
滅機能とは腫瘍細胞の増殖を抑制し、また、更には腫瘍
細胞を死滅させる機能である。本発明の抽出物は活性酸
素除去機能を有するが、特にスーパーオキシド消去活
性、ヒドロキシラジカル消去活性等に優れている。ま
た、本発明で得られる抽出物は、強いメラニン生成抑制
機能を有する。例えば、優れたメラニン生成抑制機能を
有する美白効果が強い美白剤として公知のアルブチンと
比較しても同等以上のメラニン生成抑制機能を有する。
アルブチンをポジティブコントロールとした時のメラニ
ン生成抑制機能指数(アルブチンのメラニン生成抑制機
能と比較した相対指数)で表わすと、本発明の抽出物の
メラニン生成抑制機能指数は粗抽出レベルでも0.5〜
5程度であり、更に濃縮処理および/または分画・精製
処理した場合には10〜50程度であり、メラニン生成
抑制機能が非常に強いものであることがわかる。さら
に、本抽出物は、アルブチンに比べ、同等のメラニン生
成抑制機能を発揮する濃度でのB−16メラノーマ細胞
に対する毒性が非常に低いことから、皮膚への毒性が低
いと考えられる。つまり、本発明の抽出物は、皮膚への
悪影響が少なく安全であるといえる。以上のように、ア
ルブチン等に比べ細胞への毒性が低いため、例えばそれ
らの既存の美白剤よりも多量に皮膚へ塗布することも可
能である。よって、実際に皮膚へ使用した場合に与える
ことが可能な美白効果はアルブチン等に比べても更に高
い。メラニン生成抑制機能と実際に皮膚に塗布できる量
を勘案した実質メラニン生成抑制機能指数も、アルブチ
ンと比較した場合、粗抽出レベルでも1〜10程度であ
り、更に濃縮処理および/または分画・精製処理した場
合には10〜50程度であり、実際に皮膚へ使用した場
合に与えられる美白効果は高い。またこれは、化粧料等
へ高濃度で配合することができるということでもあるの
で、本発明の抽出物を配合した化粧料等は、皮膚に対す
る美白効果が強い。また、本発明で得られる抽出物は、
腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する。少量で優れた腫
瘍細胞増殖抑制・死滅機能を示すことから、本発明の抽
出物を配合した医薬品等では、腫瘍細胞が発生した直後
にその腫瘍細胞の増殖を抑制し、死滅させること、つま
り腫瘍の進行を止め、腫瘍を消滅させる予防および/ま
たは治療効果が期待できる。本発明の抽出物は、さらに
濃縮処理および/または分画・精製処理されることで各
機能等が向上することから、該濃縮処理および/または
分画・精製処理がなされることが好ましい。濃縮処理と
しては、水および/または有機溶媒に対する溶解性を利
用した可溶分回収処理および/または不溶分回収処理、
水−疎水性有機溶媒での液々分配処理、再結晶処理、再
沈殿処理、冷却により生じた析出物を回収する処理等を
行うことができ、分画・精製処理としては、再結晶、再
沈殿、順相および/または逆相クロマトグラフィーによ
る精製、脱色処理、脱臭処理等を行うことができる。例
えば、水への溶解性を利用する方法で得られた比較的難
水溶性等の成分は、抽出物の数倍のメラニン生成抑制機
能を有し、例えばメラニン生成抑制機能指数をアルブチ
ンと比べると8〜20と非常に高く、皮膚に使用した場
合に優れた美白効果を有するものとなる。また、分画・
精製処理としてさらに各機能を向上させる処理をするこ
とができ、また、脱色・脱臭等の処理をして無色、無臭
にすることにより使用性を向上させることもできる。こ
の場合、色や臭いによる制限を受けることなく幅広い分
野で、幅広い用途に使用することができるので好まし
い。このように、濃縮および/または分画・精製処理を
経て得られる抽出物は、各機能とも向上し、色や臭い等
を同時に除去することができるため好ましい。抽出処理
と濃縮処理および/または精製処理の組み合わせは特に
制限はされない。本発明の抽出物は、オリーブ植物から
得られる抽出物であるが、抽出物の量としては他の天然
原料に比べて高い収率で得ることができる。例えばゴマ
を用いた場合に比べて1〜10倍の収率で得ることがで
きる。本発明によれば活性酸素除去機能の強い抽出物を
得ることができ、さらに、その単位原料あたりの収率も
高い。この双方のことから、本発明の抽出物は、活性酸
素除去機能の強さに、単位原料あたりの収率を乗じた活
性酸素除去機能収量指数について、他の天然原料を用い
た場合に比べて、大幅に高い値が得られる。スーパーオ
キシド消去活性に関していえば、単位原料から得られる
抽出物のスーパーオキシド消去活性収量指数が100以
上、およそ100〜3250程度であり、例えば、ゴマ
と比較した場合、1〜650倍という高い値である。本
発明によれば、強い活性酸素除去機能を有する抽出物を
収率良く得ることができる。また、メラニン生成抑制機
能の面からは、アルブチンを基準としたメラニン生成抑
制機能指数が0.5以上であるものが好ましく、細胞毒
性を考慮に入れた実質メラニン生成抑制機能指数が1以
上であるものが好ましい。濃縮処理や、分画・精製処理
することで、メラニン生成抑制機能指数では5以上に向
上させることができ、皮膚に対する美白効果が非常に高
い抽出物を得ることができる。本発明によれば、非常に
強いメラニン生成抑制機能を有する抽出物を得ることが
でき、さらに、その単位原料あたりの収率も高い。この
双方のことから、メラニン生成抑制機能の強さの指標と
して、本発明のメラニン生成抑制機能指数、実質メラニ
ン生成抑制機能指数に単位原料あたりの収率を乗じたメ
ラニン生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機
能収量指数について、他の天然原料を用いた場合に比べ
て大幅に高い値が得られる。メラニン生成抑制機能収量
指数および実質メラニン生成抑制機能収量指数が5以上
である抽出物の製造方法が好ましい。また、本発明は該
抽出物を有効成分とする各種製剤を得ることができる。
特に該抽出物を有効成分とする活性酸素除去剤、メラニ
ン生成抑制剤、腫瘍細胞増殖抑制・死滅剤を得ることが
できる。上記各製剤に含まれる抽出物は粗抽出物でも濃
縮処理および/または分画・精製処理されたものでも用
いることができるが、濃縮処理等された抽出物の方が各
機能が向上されているため好ましい。更には、本発明の
抽出物は上記の様な1次的な機能を有するが、これらの
機能を有する抽出物を人体や各種製品に使用すること
で、様々な2次的な効果を得ることができる。例えば、
抗酸化効果、美肌効果、抗腫瘍効果等である。具体的に
は、抗酸化効果としては製品の保存安定性向上効果等の
酸化防止効果、各種疾病予防効果や抗老化効果等の生体
内抗酸化効果等が得られ、美肌効果としては美白効果や
皮膚の抗老化効果等が得られ、抗腫瘍効果としては腫瘍
増殖・転移抑制効果等を得ることができる。本発明の抽
出物は、各種機能・効果によって、様々な分野・用途に
使用することができる。例えば、抗酸化効果を得ること
を目的とすれば、例えば飲食料、皮膚外用剤、医薬品、
飼料等に配合することができる。これによって生活習慣
病等等の各種疾病予防効果等の生体内抗酸化効果を有す
る飲食物を得ることができ、また、飲食物、皮膚外用
剤、医薬品、飼料等の保存安定性の向上効果等の酸化防
止効果が得られる。該抗酸化効果は主に活性酸素除去機
能から得ることができるため、前記活性酸素除去剤を配
合することでも効果を得ることができる。また、美肌効
果を得ることを目的とすれば皮膚外用剤に配合すること
ができる。皮膚のシワ・たるみの予防・改善等の皮膚の
抗老化効果や、皮膚の色黒やシミ、ソバカス、くすみを
改善あるいは防止する美白効果を有する、または、併せ
持つ、肌を美しくする効果を有する皮膚外用剤を得るこ
とができる。該美肌効果は、主にメラニン生成抑制機能
と活性酸素除去機能から得られることから、メラニン生
成抑制剤と活性酸素除去剤を配合することでも効果を得
ることができる。さらには、抗腫瘍効果を得ることを目
的とすれば、主に医薬品に配合することができる。腫瘍
増加・転移抑制効果を有する医薬品を得ることができ
る。該抗腫瘍効果は主に腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能か
ら得られることから、前記腫瘍細胞増殖抑制・死滅剤を
配合することでも効果を得ることができる。ここで、当
該抽出物は、オリーブという植物由来のものであるの
で、人体および皮膚への安全性に優れ、かつ、一般的な
植物であるので安定的な供給が可能である。
【0025】本発明の原料として用いるオリーブ植物
(Olea europaea L.)は、国産、欧州
産などの産地、食用あるいは搾油用を問わず使用でき
る。本発明の抽出物は、天然植物であるオリーブ植物
の、主に実または種子から得ることができ、さらに、そ
の果皮、葉、茎、芽から得ることができる。また、これ
らの乾燥物、粉砕物、脱脂物からも好適に得ることがで
きる。また、上記オリーブ植物の果実やその脱脂物等
に、添水する等により加水した場合、蒸気により蒸す等
の加湿処理を行った場合、これらオリーブ植物の果実や
その脱脂物等が適度に膨潤するので、抽出効率が良くな
り好ましい。
【0026】特に、オリーブ植物の脱脂物からは、抽出
物が非常に高い収率で得られ、かつ、得られた抽出物か
ら油分を除去する必要がないため好ましい。また、オリ
ーブ植物または当該脱脂物に含まれる脂質成分をペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、酢酸エチルエス
テル等の低級脂肪酸アルキルエステル、ジエチルエーテ
ル等の公知の非水溶性の有機溶媒の1種又は2種以上で
抽出除去し、更に必要に応じてこの洗浄処理を繰り返し
た脱脂物も利用できる。
【0027】オリーブ植物から水および/または有機溶
媒で抽出することにより、本発明の抽出物を得ることが
できる。
【0028】オリーブ植物から本発明の抽出物を得るた
めに用いる有機溶媒としては、親水性有機溶媒、疎水性
有機溶媒のいずれでもよい。具体的には、親水性有機溶
媒として、メチルアルコール、エチルアルコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール等のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、ピリジン、
ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、酢酸等の公知の有機溶媒が挙げられ、疎水性有機溶
媒として、ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、ク
ロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエ
ン等の公知の有機溶媒が挙げられる。また、これらの有
機溶媒は1種または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0029】工業的には、例えば植物組織への浸透性、
抽出効率等からは、水および/または親水性有機溶媒を
用いることが好ましく、また含水親水性有機溶媒を用い
ることが好ましい。具体的にはメチルアルコール、エチ
ルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール等のアルコール、アセト
ン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の有機溶媒
およびこれらの含水溶媒が挙げられる。これらの中から
選ばれる、1種または2種以上により、オリーブ植物か
ら、本発明の抽出物を得ることができる。
【0030】各機能を有する抽出成分の溶解性について
の特性を利用すると、活性酸素除去機能を有する抽出物
を得るには、水および/または親水性有機溶媒、好まし
くは含水親水性有機溶媒、さらには含水率の高い含水親
水性有機溶媒を用いた抽出が好ましい。また、メラニン
生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する抽
出物を得るには、水および/または親水性有機溶媒、好
ましくは含水親水性有機溶媒、さらには含有機溶媒率の
高い含水親水性有機溶媒を用いた抽出が好ましい。ま
た、疎水性の有機溶媒を用いても良く、特定の溶媒の組
み合わせにより溶解性を向上させた溶媒を用いてもよ
い。
【0031】抽出条件は、特に限定されないが、例え
ば、温度は5℃〜95℃、好ましくは10℃〜90℃、
さらに好ましくは15℃〜85℃で、常温でも好適に抽
出すことができる。温度が高いほうが、抽出効率が高く
なる傾向はあり、特に50℃以上である場合が好まし
い。圧力は、常圧でも、加圧でも、吸引等による減圧で
も好適にすることができる。また、抽出効率を向上させ
るため、振とう抽出や、攪拌機等のついた抽出機でも抽
出することができる。抽出時間は、他の抽出条件による
が、数分〜数時間であり、長時間なほど十分な抽出がな
されるが、生産設備、収率等の生産条件によって適宜決
めれば良い。また、抽出に使用する溶媒は、原料に対し
1〜100倍量(「質量/質量」。以下同様。)、好ま
しくは1〜20倍量を使用することができる。
【0032】得られる抽出物の収率およびその後の回収
方法を考慮すると、水および/または親水性有機溶媒を
用いることが好ましく、また含水親水性有機溶媒を用い
ることが好ましい。また含水親水性有機溶媒での抽出処
理する場合には、親水性有機溶媒含量が10質量%〜9
5質量%である含水親水性有機溶媒で抽出することが好
ましく、さらには親水性有機溶媒含量が20質量%〜9
5質量%の含水親水性有機溶媒を使用することが好まし
く、最も好ましくは親水性有機溶媒含量が30質量%〜
95質量%に調製された含水親水性有機溶媒であること
が好ましい。
【0033】また、得られる抽出物が有する活性酸素除
去機能の強さをも考慮に入れた場合、含水親水性有機溶
媒での抽出において、親水性有機溶媒含量が10質量%
以上である含水親水性有機溶媒で抽出することが好まし
く、さらには親水性有機溶媒含量が40質量%以上の含
水親水性有機溶媒を使用することが好ましく、最も好ま
しくは親水性有機溶媒含量が40質量%〜80質量%に
調製された含水親水性有機溶媒であることが好ましい。
【0034】また、得られる抽出物が有するメラニン生
成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能の強さをも考
慮に入れた場合、含水親水性有機溶媒での抽出におい
て、親水性有機溶媒含量が10質量%以上含水親水性有
機溶媒で抽出することが好ましく、さらには親水性有機
溶媒含量が10質量%〜95質量%の含水親水性有機溶
媒を使用することが好ましく、最も好ましくは親水性有
機溶媒含量が30質量%〜95質量%に調製された含水
親水性有機溶媒であることが好ましい。
【0035】また、飲食料等への使用、皮膚への塗布を
考えた場合の人体への安全性等を考えれば、特に、水お
よび/またはアルコールのいずれかにより抽出すること
が好ましい。
【0036】得られる抽出物の収率およびその後の回収
の面からは、水および/またはアルコールを用いること
が好ましく、また含水アルコールを用いることが好まし
い。また含水アルコールでの抽出処理する場合には、ア
ルコール含量が10質量%〜95質量%である含水アル
コールで抽出することが好ましく、さらにはアルコール
含量が20質量%〜95質量%の含水アルコールを使用
することが好ましく、最も好ましくはアルコール含量が
30質量%〜95質量%に調製された含水アルコールで
あることが好ましい。
【0037】また、得られる抽出物が有する活性酸素除
去機能の強さをも考慮に入れた場合、アルコール含量が
10質量%以上である含水アルコールで抽出することが
好ましい。さらにはアルコール含量が40質量%以上の
含水アルコールを使用することが好ましく、最も好まし
くはアルコール含量が40質量%〜80質量%に調節さ
れた含水アルコールが好ましい。
【0038】また、得られる抽出物が有するメラニン生
成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能の強さをも考
慮に入れた場合、アルコール含量が10質量%以上であ
る含水アルコールで抽出することが好ましい。さらには
アルコール含量が10質量%〜95質量%の含水アルコ
ールを使用することが好ましく、最も好ましくはアルコ
ール含量が30質量%〜95質量%に調節された含水ア
ルコールが好ましい。
【0039】ここで、本発明で使用するアルコールは、
メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノー
ル、1−ブタノール等の1級アルコール、2−プロパノ
ール、2−ブタノール等の2級アルコール、2−メチル
−2−プロパノール等の3級アルコールさらにエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール等の液状多価アルコール等の公知の溶媒が挙
げられ、これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0040】工業的には、生産コストの面、および、蒸
留による溶媒除去等のハンドリングの面から見ても、特
に低級アルコールを使用することが好ましい。ここで、
低級アルコールとは、炭素数が1〜4である公知のアル
コール、例えば、前述の1、2、3級、もしくは、液状
多価のアルコール等があげられ、これらの1種または2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0041】その他、オリーブ油の製造工程において生
じる生成物、例えば圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出
油、脱ガム油滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭
スカム、搾油ジュース、排水、廃濾過材からも本発明の
活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増
殖抑制・死滅機能を有する抽出物が得られる。オリーブ
の有効活用の面からも好ましい抽出物の製造方法であ
る。ここで、オリーブ油の搾油工程で生じる排水からも
本発明の抽出物が有する活性酸素除去機能に加え、メラ
ニン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有す
る抽出物を得ることができる。特に、オリーブ油を搾油
するに際し、オリーブ実を圧搾すると油分と水分を含ん
だジュースと呼ばれるものが得られ、これから水分を除
去し、オリーブ油を得るが、この水相部分中に生じた析
出物を回収することで好適に本発明のメラニン生成抑制
機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する抽出物が得
られる。
【0042】このように、水および/または有機溶媒を
用いた抽出により、活性酸素除去機能、メラニン生成抑
制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する抽出液を
製造できる。また、本発明の抽出物の水可溶性等の成分
は、活性酸素除去機能が強く、より難水溶性および/ま
たは油溶性の抽出物では、メラニン生成抑制機能、腫瘍
細胞増殖抑制・死滅機能が強い。
【0043】このようにして得られた抽出液から、溶
媒、水分を除去することで、本発明の抽出物を乾固物と
して得ることができる。溶媒、水分の除去は減圧蒸留、
減圧・真空乾燥、凍結乾燥、スプレードライ等の公知の
方法で行うことができる。もちろん、溶媒、水分を含ん
だままでも良く、また、溶媒のみ除去して水溶液状のも
のを得ることもできる。さらに、溶媒、水分除去の程度
を調整することで抽出物の濃度が調整された、つまり、
活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増
殖抑制・死滅機能の強さが調整された、活性酸素除去機
能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機
能を有する抽出液を調製することもできる。
【0044】また、本発明の製造方法によれば、原料単
位あたり、活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、
腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能等を有する抽出物を他の天
然原料に比べても高い収率で、例えばゴマを用いた場合
に比べて1〜10倍の収率で得ることができる。
【0045】また、脱脂物からの抽出物は、トリグリセ
ライド、ステロール、トコフェロール等の油溶性成分は
含有していないので、これらを除去、精製する必要がな
いため、好ましい。
【0046】また、オリーブ油の製造工程において生じ
る生成物、例えば圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出
油、脱ガム油滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭
スカム、搾油ジュース、排水、廃濾過材からも本発明の
活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増
殖抑制・死滅機能を有する抽出物が得られるので、オリ
ーブの極めて優れた有効利用方法であり、生産コストの
面から見ても優れた方法といえる。
【0047】これらの抽出物はそのまま用いても良い
が、必要によりさらに濃縮処理および/または分画・精
製処理したものを用いることができる。
【0048】濃縮処理については、特に限定されない
が、例えば濃縮処理が、水および/または有機溶媒に対
する溶解性を利用した可溶分回収処理および/または不
溶分回収処理、水−疎水性有機溶媒での液々分配処理、
再結晶処理、再沈殿処理、冷却により生じた析出物を回
収する処理から選ばれる1種または2種以上の処理によ
り、好適に濃縮処理することができる。
【0049】例えば、水への溶解性を利用した濃縮方法
を用いることによって、水に容易に溶ける成分、つまり
水可溶性等の成分と、水に溶解しにくいおよび/または
水に溶解しない成分、つまり難水溶性等の成分に分離す
ることができる。ここで、水可溶性等の成分の濃縮物
は、難水溶性等の成分に比べ、活性酸素除去機能が高
い。一方、難水溶性等の成分の濃縮物は水可溶性等の成
分の濃縮物に比べ、大幅にメラニン生成抑制機能、腫瘍
細胞増殖抑制・死滅機能が高い。
【0050】また、濃縮方法の一つとして、オリーブ植
物より得られた抽出液から、溶媒除去する過程におい
て、濃縮物を容易に得ることができる。すなわち、溶媒
のみを除去した水溶液において、水可溶分と水不溶分を
ろ過処理、遠心処理、デカンテーション処理等により分
離し、それぞれを脱水・乾燥させることで、強い活性酸
素除去機能を有する水可溶性等の濃縮物と、強いメラニ
ン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する
難水溶性等の濃縮物を別々に得ることができる。このよ
うに、1回の濃縮工程で活性酸素除去機能と、メラニン
生成抑制機能および、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能が高
い濃縮物を得られることから、効率面でも非常に優れた
濃縮方法であるといえる。
【0052】また、オリーブ植物から抽出し乾固した抽
出物に水を添加・攪拌することで、水に溶解しにくい成
分および/または水に溶解しない成分、つまり難水溶性
等の成分と水に容易に溶ける成分に分けることで、大幅
に濃縮することができる。本発明の抽出物は活性酸素除
去機能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死
滅機能を有する。ここで、抽出物中の水に容易に溶ける
成分、つまり水可溶性等の成分と、水に溶解しにくいお
よび/または水に溶解しない成分、つまり難水溶性等の
成分に分離することができるが、水可溶性等の成分の濃
縮物は、活性酸素除去機能が高く、一方、難水溶性等の
成分の濃縮物は、大幅にメラニン生成抑制機能、腫瘍細
胞増殖抑制・死滅機能が高い。オリーブ植物からの抽出
物に含まれる水可溶性等の濃縮物は、オリーブ植物から
の抽出物全体や、抽出物中の難水溶性等の成分と比べて
も、活性酸素除去機能が大幅に優れている。また、難水
溶性等の成分は、オリーブ植物からの抽出物全体や、抽
出物中の水可溶性等の濃縮物と比べても、メラニン生成
抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能が大幅に優れて
いる。
【0054】このように、水可溶性等の濃縮物、また
は、難水溶性等の濃縮物は、オリーブ植物からの抽出物
を水に添加・攪拌した後、析出している部分をろ過等に
より採取することで簡易に得ることができる。また、水
の量や温度を調整することで、得られる上記の水可溶性
等の成分の成分の量と活性酸素除去機能の強さを調整す
ることができ、または、難水溶性等の成分の量とメラニ
ン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能の強さを
調整することができる。
【0055】また、本発明の抽出物は、必要に応じて、
一般的な溶剤の組合せによる液−液分配により濃縮する
ことができる。溶剤の組合せは一概に規定し難いが、例
えば、水−疎水性有機溶媒の組合せが挙げられ、疎水性
有機溶媒としては、ヘキサン、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチ
ルエーテル、酢酸エチル、n−ブタノール、ベンゼン、
トルエン等の公知の有機溶媒が挙げられる。この液−液
分配において、水相の水を除去することによって、活性
酸素除去機能を有する濃縮物を得ることができ、一方、
溶媒相の溶媒を除去することで、容易にメラニン生成抑
制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する濃縮物を
得ることができる。
【0056】さらに、本発明の抽出物、該抽出物を濃縮
処理したものは、さらに分画・精製処理することができ
る。これにより上記濃縮以上に濃縮することができる。
分画・精製処理することの利点としては、メラニン生成
抑制機能等の各効果を非常に向上させることができるこ
とに加え、不純物を除去することができること等が挙げ
られる。すなわち、該分画・精製処理した場合、皮膚外
用剤等に余計な色をつけることなく好適に配合すること
ができる等のメリットがあり、好ましい。
【0057】分画・精製処理の方法については特に制限
されないが、例えば、順相および/または逆相クロマト
グラフィーによる精製、再結晶、再沈殿、脱色処理、脱
臭処理から選ばれる1種または2種以上の処理により好
適に分画・精製処理することができる。特にクロマトグ
ラフィーの中でも液体クロマトグラフィーを利用する方
法は、本発明の抽出物、濃縮物を分解することなく、収
率良く分画・精製出来るので、好ましい。液体クロマト
グラフィーとしては、具体的に、順相液体クロマトグラ
フィー、逆相液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグ
ラフィー、ペーパークロマトグラフィー、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)等が挙げられるが、本発明
の抽出物や濃縮物を分画・精製処理する際には、いずれ
の方法でも用いることができる。とりわけ、分離能、処
理量、工程数等を考慮に入れると、順相液体クロマトグ
ラフィー、逆相液体クロマトグラフィー、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)が好ましい。
【0058】ここで、順相液体クロマトグラフィーと
は、例えば以下のような方法を指す。すなわち、例えば
シリカゲルを固定相、ヘキサン−酢酸エチル混液、クロ
ロホルム−メタノール混液等を移動相としたカラムを作
成し、オリーブ植物からの抽出物あるいはその濃縮物を
負荷率0.1〜5%(wt(質量)/v(体積))で供
し、単一移動相による連続的溶出法あるいは溶媒極性を
順次増加させる段階的溶出法により、所定の画分を溶出
させる方法である。逆相液体クロマトグラフィーとは、
例えば以下のような方法を指す。すなわち、例えばオク
タデシルシランを結合させたシリカ(ODS)を固定
相、水−メタノール混液、水−アセトニトリル混液、水
−アセトン混液等を移動相としたカラムを作成し、オリ
ーブ植物からの抽出物あるいはその濃縮物を負荷率0.
1〜5%(wt(質量)/v(体積))で供し、単一溶
媒による連続的溶出法あるいは溶媒極性を順次低下させ
る段階的溶出法により、所定の画分を溶出させる方法で
ある。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とは、
原理的には、上記順相液体クロマトグラフィーあるいは
逆相液体クロマトグラフィーと同様のものであり、より
迅速かつ高分離能での分画・精製を行うためのものであ
る。上記手法を1種または2種以上組合わせることで、
非常に濃縮でき、かつ、不純物が除去された状態で得る
ことができるため好ましい。さらに、上記手法を1種ま
たは2種以上組合わせることで、各機能を得るための濃
度を調整することができ、必要に応じた各機能の強さ、
特性等を設計することもできる。
【0059】濃縮処理は繰返し濃縮処理しても良く、異
なる濃縮処理を組合わせても良い。同様に、分画・精製
処理も繰返し分画・精製処理しても良く、異なる分画・
精製処理を組合わせても良い。更に、濃縮処理を行った
後に分画・精製処理しても良く、分画・精製処理を行っ
た後に分画・精製処理しても良く、濃縮処理した後に分
画・精製処理を行い更に濃縮処理することもできる。当
然、前述の組み合わせ以外の組み合わせでも良い。
【0060】また、オリーブ植物から得られる抽出物か
ら、濃縮処理および/または分画・精製処理したもの
を、脱色および/または脱臭処理した場合、不要な成分
が除去され、かつ、無色〜淡色および/または無臭〜無
臭に近い状態になるので、色や、香りによる、使用の制
限を受けないため、幅広い用途が確保できるため好まし
い。脱色方法としては、活性炭処理や白土処理等があげ
られ、脱臭方法としては、同様に活性炭処理、白土処理
があげられ、さらに超臨界抽出、水蒸気蒸留等が挙げら
れる。
【0061】また、オリーブ油の製造工程において生じ
る生成物、例えば圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出
油、脱ガム油滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭
スカム、搾油ジュース、排水、廃濾過材からも本発明の
活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増
殖抑制・死滅機能を有する抽出物が得られるが、同様に
して濃縮、分画精製を行うこことができる。
【0062】得られた抽出物、該抽出物を濃縮処理およ
び/または精製処理したものは単独でも、これらを2種
類以上組み合わせても使用することもできる。これによ
り、活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細
胞増殖抑制・死滅機能の強さの特性等を設計することが
でき、さらに好適な活性酸素除去機能、メラニン生成抑
制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する抽出物と
して使用することができる。さらに、他の抗酸化剤、美
白剤、抗癌剤を配合して使用することができ、これによ
り、各効果の強さ等の詳細な設計が可能であり、また、
他の機能物質との相乗効果により大幅な機能強化も期待
できる。また、各機能を組み合わせて用いることもでき
る。さらに、複数機能を有することから、様々に選択で
きる機能により、機能の設計をすることができる。
【0063】また、水に対する溶解特性を利用し、抽出
物をその溶解特性ごとに分け、それぞれの特性を有効に
利用することができる製品に配合することもできる。本
発明の抽出物の活性酸素除去機能を有する成分は特に水
系の製品に好適に配合することができる。本発明の抽出
物は水に容易に溶解する成分、水に溶解しにくい成分、
水に溶解しない成分を含んでなるが、特に活性酸素除去
機能を有する成分は水溶性成分であるので、水系の製品
に好適に使用することができる。一般的な抗酸化剤は例
えば植物油由来のトコフェロール類等、油溶性(非水溶
性)のものが多く、実際の使用に際しては制約を受ける
ことも多い中で、本発明の抽出物の活性酸素除去機能を
有する成分は水溶性である(水溶性成分を含んでいる)
ので応用範囲が非常に広く、本抽出物を使用した抗酸化
剤は、汎用性の高い抗酸化剤と言える。本発明の抽出物
は水系、あるいは、乳化系等、幅広い範囲の飲食料にお
いて好適に使用することができ、これを均一に溶解、な
いしは分散させて含有させることができる。また、特に
化粧料への使用に関しては、水系の化粧料へも使用でき
るため、広い用途・種類の化粧料へ使用することができ
るというメリットがある。
【0064】本発明の抽出物の難水溶性成分は、特にメ
ラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能に優
れていることが見出されている。難水溶性等の部分に関
しては、経皮吸収性が良いため、皮膚へその効果を好適
に与えることができるため好ましい。また、油系への使
用は、特に単なる抽出物段階では、油に溶解しにくい成
分、油に溶解しない成分が比較的多く含まれていること
等の理由から、油脂等への好適な利用は、不溶分を除去
する等の精製を行った抽出物を配合するか、また、水お
よび乳化剤を配合することで乳化物として利用すること
が好ましい。特に、活性酸素除去機能を付加したい場合
には、上記のような処理を行うことが好ましい。
【0065】本発明の抽出物は、活性酸素除去機能、メ
ラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能等を
有する。活性酸素除去機能とは、生体内または食品や医
薬品、農薬等において、活性酸素種の生成を抑制、捕
捉、消去、不均化、分解等する機能を示す。より具体的
には、例えば、活性酸素種生成の原因となる金属イオン
のキレート化および不活性化による活性酸素生成抑制、
生成した活性酸素種の消去あるいは分解、酵素等による
不均化、ラジカルの捕捉または安定化によるラジカル連
鎖反応の抑制および遮断等が挙げられる。ここで、活性
酸素種とは、主にスーパーオキシド、ヒドロキシラジカ
ル、パーヒドロキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素
等を示し、さらには、脂質、蛋白質、炭水化物、核酸等
の過酸化物およびこれらから派生するフリーラジカルを
も含むものとする。これらの活性酸素種は、食品や生体
内における脂質、蛋白質、炭水化物、核酸等の様々な成
分を強力に酸化し、本来の成分とは異なる成分に変換ま
たは分解してしまう。したがってこの機能は、生体内ま
たは食品や医薬品、農薬等に含まれる成分の酸化的劣化
の防御剤として有用であり、食品産業、特に水産加工
品、健康食品、栄養食品のほか、医薬品・農薬分野や化
粧品分野において実利的な利用が期待されるものであ
る。本発明の抽出物は、これらの中でも、特に、高いス
ーパーオキシド消去活性およびヒドロキシラジカル消去
活性を有する。また、このスーパーオキシド、ヒドロキ
シラジカルは生体内での酸化障害の他、様々に起こる酸
化劣化の原因として、活性酸素種の中でも特に大きな影
響を与えるものである。従って、本発明の抽出物はこれ
ら2種の活性酸素を除去できることによって、優れた活
性酸素除去機能を有し、さらに本抽出物を上記の様々な
分野において実際に利用した場合、非常に高い効果を得
ることができる。すなわち、各種疾病の予防効果や抗老
化効果等の優れた生体内抗酸化効果や、様々な用途にお
ける製品の保存安定性向上等の優れた酸化防止効果が得
られる。
【0066】スーパーオキシド消去活性とは、酸素分子
の1電子還元により生成するスーパーオキシドを不均
化、無効にする活性である。スーパーオキシドは、例え
ば生体内においては、白血球やミトコンドリア等で生成
され、酸素を利用した生命活動においてその生成を免れ
ることは出来ないものである。また、スーパーオキシド
は、その反応性は比較的低く、鉄や一酸化窒素などの限
られたものとしか反応しないが、過酸化水素の生成源に
なるなど他の活性酸素種の生成につながり、生体成分に
酸化傷害を引き起こす作用を有するため、生成後すぐに
消去されるべき重要な活性酸素種である。スーパーオキ
シドジスムターゼ(SOD)はスーパーオキシド消去効
果を有し、原核生物ですら保有している生体内酵素であ
るが、より積極的に生体成分を保護するためにはスーパ
ーオキシド消去活性を有する物質を生体に適用すること
が望ましい。しかし、例えばこのSODは酵素蛋白であ
り安定性が乏しく、経口投与した場合では、殆どが***
されてしまうため実効力は極めて低い。すなわち、本発
明の抽出物は、摂取あるいは皮膚等に塗布することで安
定的にそのスーパーオキシド消去活性を享受できるもの
であるので、より効果的に生体成分を保護することで、
健康な体を保つことあるいは肌を美しいものにすること
等に大きく寄与するものである。
【0067】本発明の抽出物は抽出物レベルでありなが
ら、代表的な抗酸化剤であるBHAを上回る強力なスー
パーオキシド消去活性をしており、スーパーオキシド消
去剤、脂質過酸化防止剤等の活性酸素除去剤として利用
することができる。
【0068】ヒドロキシラジカル消去活性とは、種々の
要因により生成したヒドロキシラジカルを捕捉、安定化
させる活性である。ヒドロキシラジカルは、例えば酸素
を利用した生命活動においては、その生成を免れること
は出来ず、種々の活性酸素種の中でも非常に反応性に富
む化学種であり、あらゆる生体成分を酸化損傷させ得る
最も毒性の高い活性酸素種である。このヒドロキシラジ
カルの生成経路の一つとしては、生体内に存在する鉄イ
オンが過酸化水素やスーパーオキシドに関与するフェン
トン反応等が挙げられるが、生体内にはヒドロキシラジ
カルに対する有効な除去機構が存在しないため、ヒドロ
キシラジカル消去活性を有する物質の摂取は必要不可欠
である。このヒドロキシラジカルの除去剤としては、マ
ンニトールやトリプトファン、ギ酸等がある。しかしな
がら、これらのものの中には、単一品でありながらかな
りの高濃度添加を要するものが多い。すなわち、本発明
の抽出物は、摂取あるいは皮膚等に塗布することでその
ヒドロキシラジカル消去活性を享受できるものであり、
効果的に生体成分を保護することで健康な体を保つこと
あるいは肌を美しいものにすること等に大きく寄与する
ものである。
【0069】本発明の抽出物は、抽出物レベルとして
は、かなり少量でヒドロキシラジカルを消去(例えば、
リノール酸の過酸化を抑制)することが可能であり、通
常のヒドロキシラジカルの除去剤と比べても非常に有効
であるといえる。ヒドロキシラジカル消去剤、脂質過酸
化防止剤等の活性酸素除去剤として使用できる。
【0070】しかも、前述のSODはスーパーオキシド
に対してのみ消去活性を示し、ヒドロキシラジカルに対
しては全く消去活性が無く、また、同様にマンニトール
はスーパーオキシドを消去出来ない。これに対して、本
抽出物はこの両者に対して、消去活性を示す。すなわ
ち、本発明の抽出物は、強いスーパーオキシド消去活
性、および、強いヒドロキシラジカル消去活性という両
方の活性酸素除去機能を有するので、極めて汎用性が高
いといえる。また、効果の面からは、スーパーオキシド
消去活性、ヒドロキシラジカル消去活性の両方の活性酸
素除去機能を有することから、生体内抗酸化効果を有す
るものとして優れており、併せて、ヒドロキシラジカル
消去活性による酸化防止効果を有することから飲食料、
化粧料、医薬品、飼料等の保存安定性向上効果を有する
ものとして優れている。
【0080】皮膚の老化現象であるシワやたるみを引き
起こす要因として、コラーゲン繊維の架橋重合の他、コ
ラーゲン産生能の低下やコラーゲン分解能の促進等によ
るコラーゲン量の減少、組織間基質つまりムコ多糖類
(主にヒアルロン酸)の断片化(低分子化)があるが、
これら全てに活性酸素が関与していることがよく知られ
ている。このような要因を引き起こす活性酸素種の中で
も、最も反応性の高いのがヒドロキシラジカルであり、
これがシワ、たるみに及ぼす影響も大きい。また、スー
パーオキシドは、それ自身の反応性は比較的低いが、過
酸化水素の生成源になり、ヒドロキシラジカル等、他の
様々な活性酸素種の発生要因である。従って、それ自体
の反応性は低いが、生体成分等、非常に多くの酸化傷害
に関与する重要な活性酸素種である。このことから、ヒ
ドロキシルラジカル消去活性を有するということは、皮
膚の老化現象を引き起こす要因であるヒドロキシルラジ
カルという最強の活性酸素種を不活性化できることにな
る。さらに、スーパーオキシド消去活性をもつというこ
とは、ヒドロキシルラジカルをはじめとする種々の活性
酸素種の生成源であるスーパーオキシドを不活性化でき
ることから、皮膚の老化の要因物質の発生を抑制し、老
化現象を防ぐことにつながる。従って、本抽出物を利用
した際の効果の面では、抽出物がスーパーオキシド消去
活性、ヒドロキシラジカル消去活性の両活性を併せ持つ
ことで、皮膚の老化の要因物質の発生を防ぎ、かつ、発
生した老化の要因物質を不活性化することができるの
で、より一層皮膚への抗老化に寄与する。
【0081】他の天然抗酸化物と活性酸素除去機能を比
較すると、例えば比較的活性酸素除去機能が強いとされ
るゴマ粕由来の抽出物のスーパーオキシド消去活性は5
〜10unit/(mg/mL)であるのに対し、本発
明の抽出物はスーパーオキシド消去活性が20〜65u
nit/(mg/mL)であり、ゴマ粕由来抽出物の2
〜13倍という、非常に高い活性を有する。
【0082】ここで、本発明によれば、活性酸素除去機
能の強い抽出物を得ることができ、さらに、その単位原
料あたりの収率も高い。この双方のことから、活性酸素
除去機能の強さに、単位原料あたりの収率を乗じた活性
酸素除去機能収量指数<式1>について、他の天然原料
を用いた場合に比べて、大幅に高い値が得られる。つま
り、単位原料あたりに得られる活性酸素除去機能の総量
が大きいということである。よって、本抽出物を生産
し、使用することで、活性酸素除去機能が強い製品はも
ちろん、他の天然の抗酸化剤等と置き換えた場合、単位
原料から得られる活性酸素除去機能の総量が大きいため
より多くの製品をつくることができる、ということであ
り、このことは、コスト面からのメリットも期待できる
ということである。また、この活性酸素除去機能収量指
数を参考とすることで、好適な生産条件を決めることも
できる。
【0083】
【数1】<式1> 活性酸素除去機能収量指数=活性酸
素除去機能の強度×単位原料あたりの収率(%)
【0084】スーパーオキシド消去活性に関していえ
ば、単位原料から得られる抽出物のスーパーオキシド消
去活性収量指数<式2>がおよそ100〜3250であ
る。例えば、ゴマと比較した場合、スーパーオキシド消
去活性収量指数が5〜100であるので、ゴマの場合の
1〜650倍という高い値である。つまり、同じ単位原
料あたりで1〜650倍の活性酸素除去機能が得られる
ということである。
【0085】
【数2】<式2> スーパーオキシド消去活性収量指数
=スーパーオキシド消去活性(unit/(mg/m
L))×単位原料あたりの収率(%)
【0086】本発明の抽出物は、強いメラニン生成抑制
機能を有する。メラニン生成抑制機能とは、紫外線暴
露、ホルモン異常、遺伝情報等の刺激を受けたメラノサ
イトによるメラニン色素の生合成を抑制する機能であ
る。一般に、皮膚の色黒やシミ、ソバカス、くすみは、
紫外線による刺激やホルモン異常等によってメラノサイ
トが刺激され、そこで生合成されたメラニン色素が皮膚
に沈着して発生することが分かっている。したがって、
メラニンの生成を抑えることが出来れば、皮膚の色黒や
シミ、ソバカス、くすみを予防・改善することが可能で
ある。すなわち、本発明の抽出物は、そのメラニン生成
抑制機能を享受できるものであり、摂取することで体の
内面から、皮膚等に塗布することで外面からその効果を
発現させ、白く美しい肌を保つこと等に大きく寄与する
ことができる。
【0087】本発明の抽出物について、次のようなメラ
ニン生成抑制機能を指標として評価する。その方法とし
ては、B−16メラノーマ細胞を用いた培養実験系に
て、その細胞白色化度(メラニン生成抑制機能)と細胞
毒性を比較評価する。
【0088】B−16メラノーマ細胞はメラニン産生能
を有する細胞であり、培養により自然に増殖した細胞は
黒色化する。この増殖中に系内にメラニン生成を抑制す
る物質が存在すると、細胞の黒色化が抑えられ相対的に
白色化する。そこで、検体無添加時の黒色化度に対する
検体添加時の細胞白色化度を比較評価する。また、物質
によってはB−16メラノーマ細胞に対する毒性を有す
るものがある。この細胞毒性を評価するために、細胞生
存率を検体無添加時と検体添加時で比較する。この細胞
白色化度と細胞生存率を併せて、メラニン生成抑制機能
を評価する。
【0089】B−16メラノーマ細胞を用いた細胞培養
系でのメラニン生成抑制機能の評価方法の実例として
は、6穴プレートに培地を2ml/well取り、B−
16メラノーマ細胞を所定量播種し、37℃、二酸化炭
素濃度5%にて静置、培養する。翌日、所定濃度になる
ように検体試料(オリーブ各種抽出物)調製液を添加混
和し、培養を継続する。培養5日目に培地を交換し、再
度検体試料調製液を添加する。翌日、培地を除き、細胞
を回収しPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄後、細
胞の白色化度により評価した。なお、メラニン生成抑制
機能の評価は、検体試料調製液の代わりにアルブチン
(ポジティブコントロール)300μg/mlを用いて
同様の操作を行った細胞の白色化度、および、検体試料
無添加(コントロール)で同様にして得られた白色化度
と比較して評価する。
【0090】本発明の抽出物は抽出物レベルでありなが
ら、優れたメラニン生成抑制機能を有する美白効果の強
い美白剤のアルブチンやコウジ酸と比較して、同等以上
のメラニン生成抑制機能を有し、さらに、ビタミンCリ
ン酸マグネシウムを大幅に上回る、非常に強いメラニン
生成抑制機能を有する。アルブチンをポジティブコント
ロールとした時の、下記<式3>により求められるメラ
ニン生成抑制機能指数で表わすと、本発明の粗抽出物は
メラニン生成抑制機能指数が0.5〜5程度であり、抽
出物レベルであるにもかかわらず非常にメラニン生成抑
制機能が高い。更に濃縮や分画・精製を行えば、さらに
向上し、メラニン生成抑制機能指数も高いものとなり、
例えば水への溶解性を利用して濃縮された抽出物はメラ
ニン生成抑制機能指数が8〜20程度まで向上してい
る。
【0091】
【数3】<式3> メラニン生成抑制機能指数=A÷B A:ポジティブコントロールの濃度(アルブチン300
ppm) B:ポジティブコントロール(アルブチン300pp
m)添加時と同じ白色化度を発現する検体試料の濃度
(ppm)
【0092】本発明の抽出物は、B−16メラノーマ細
胞に対する優れたメラニン生成抑制機能を有するのみな
らず、B−16メラノーマ細胞に対する細胞毒性も非常
に低いことから、皮膚への毒性が低いと考えられる。
【0093】例えば、B−16メラノーマ細胞に対する
細胞毒性を、美白剤として広く用いられているアルブチ
ンをポジティブコントロールとした時の、下記<式4>
により求められる細胞への毒性指数で表わすと、本発明
の抽出物は細胞への毒性指数が低く、アルブチンと比較
して皮膚に対する毒性が低い。
【0094】
【数4】<式4> 細胞への毒性指数=C÷D C:B−16メラノーマ細胞の生存率が10%以下にな
るポジティブコントロールの濃度(アルブチン500p
pm) D:B−16メラノーマ細胞の生存率が10%以下にな
る検体試料の濃度
【0095】ここで細胞生存率は、下記<式5>より求
める。
【0096】
【数5】<式5> 細胞生存率(%)=(E÷F)×1
00 E:各検体添加時の生存細胞数 F:検体無添加時の細胞数
【0097】これらのことから、本発明の抽出物は、優
れたメラニン生成抑制機能を有する美白剤として公知の
アルブチンやコウジ酸等に比べ皮膚への毒性が低いた
め、多量に皮膚へ塗布することが可能である。つまり、
実際に皮膚へ使用した場合に与えることが可能な美白効
果は非常に大きく、前述の通りアルブチンに比べても効
果が大きいものとなる。また、これは、化粧料等へ比較
的高濃度で配合することができるということでもあるの
で、本発明の抽出物を配合した化粧料等は皮膚に対する
美白効果が高いものになる。アルブチンのメラニン生成
抑制機能および皮膚への毒性を基準にして、実際に皮膚
に塗布できる量とその美白効果の総量、つまり、実質的
に皮膚に塗布し与えられる美白効果の指標としては、実
質メラニン生成抑制機能指数が下記<式6>により求め
られる。この実質メラニン生成抑制機能指数で表わす
と、本発明の抽出物の実質メラニン生成抑制機能指数
は、アルブチンをポジティブコントロールとした場合、
1〜10程度であり、非常に高いことから、アルブチン
に比べても実際に皮膚に与えることができる美白効果は
高い。更に濃縮・精製を行えば、実質メラニン生成抑制
機能指数も高いものとすることができ、例えば水への溶
解性を利用して濃縮された抽出物は実質メラニン生成抑
制機能指数が8〜20程度まで向上している。
【0098】
【数6】<式6> 実質メラニン生成抑制機能指数=メ
ラニン生成抑制機能指数÷皮膚への毒性指数
【0099】ここで、本発明の製造方法によると、メラ
ニン生成抑制機能の強い抽出物を得ることができ、さら
に、その単位原料あたりの収率も高い。この双方のこと
から、メラニン生成抑制機能の強さに、単位原料あたり
の収率を乗じた、下記<式7>および<式8>によって
求められるメラニン生成抑制機能収量指数および実質メ
ラニン生成抑制機能収量指数について、他の天然原料を
用いた場合に比べて、大幅に高い値が得られる。つま
り、単位原料あたりに得られるメラニン生成抑制機能の
総量が大きいということである。よって、本抽出物を生
産し、使用することで、皮膚に対する美白効果が強い製
品はもちろん、他の天然の美白剤等と置き換えた場合、
単位原料から得られるメラニン生成抑制機能および実質
メラニン生成抑制機能の総量が大きいため、より多くの
製品をつくることができる、ということであり、これ
は、コスト面からのメリットも期待できるということで
ある。
【0100】
【数7】<式7> メラニン生成抑制機能収量指数=メ
ラニン生成抑制機能の指数×単位原料あたりの収率
(%)
【0101】
【数8】<式8> 実質メラニン生成抑制機能収量指数
=実質メラニン生成抑制機能指数×単位原料あたりの収
量(%)
【0102】本発明の抽出物と他の天然抽出物のそれぞ
れのメラニン生成抑制機能収量指数および実質メラニン
生成抑制機能指数等を比較すると、本発明の抽出物は、
例えば比較的皮膚に対する美白効果が強いゴマ粕由来の
水溶性抽出物に対し、メラニン生成抑制機能指数は粗抽
出物で2〜15倍程度と高く、更に濃縮や分画・精製を
行えば10〜50倍程度と非常に高いものになる。ま
た、実質メラニン生成抑制機能指数は2〜15倍程度で
あり、収率は1〜10倍程度であり、メラニン生成抑制
機能収量指数は2〜30倍程度、実質メラニン生成抑制
機能収量指数は2〜40倍程度になる。
【0103】本発明の抽出物は、他の天然の美白成分と
比較しても、メラニン生成抑制機能、収率等が上回り、
メラニン生成抑制機能指数、実質メラニン生成抑制機能
指数が大幅に上回ることから、単位原料あたりに得られ
るメラニン生成抑制機能の総量(メラニン生成抑制機能
収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量指数)が大き
いということである。よって、本抽出物を生産し、使用
することで、皮膚に対する美白効果が強い製品はもちろ
ん、他の天然の美白剤等と置き換えた場合、単位原料か
ら得られる美白効果の総量が大きいためより多くの製品
をつくることができる、ということであり、これは、コ
スト面からのメリットも期待できるということである。
また、このメラニン生成抑制機能収量指数、実質メラニ
ン生成抑制機能収量指数を参考とすることで、好適な生
産条件を決めることもできる。
【0104】本発明の抽出物は腫瘍細胞増殖抑制・死滅
機能を有する。腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能とは、既に
体内に発生してしまった腫瘍細胞、特には癌細胞が、そ
れ以上増殖し生体に悪影響を及ぼすことが出来ないよう
にすること、および細胞活動をしていくことが出来ない
ようにすることを示す。これは、臨床的には癌の進行を
食い止めることに、さらには癌患者を正常な体に戻すこ
とに大きく寄与するものであり、また日常的な摂取では
予防的に、すなわち目に見えないレベルでの癌の進行を
抑えること、あるいは目に見えないレベルで発生した癌
細胞を死滅させることに大きく寄与することができる。
【0105】腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能については、
以下に示すようなB−16メラノーマ細胞を用いた方法
で評価する。すなわち、6穴プレートにB−16メラノ
ーマ細胞を所定量播種し、37℃、二酸化炭素濃度5%
にて静置、培養したものに、翌日および培養5日目に検
体(オリーブ各種抽出物)調製液を所定濃度になるよう
に添加し、培養6日目に生存細胞数をカウントし、これ
から細胞増殖率を求め、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を
評価する。検体試料無添加での細胞増殖率(コントロー
ル)と比較する。
【0106】本発明の抽出物では、非常に低濃度の添加
でも、濃度依存的にB−16メラノーマ細胞の増殖を抑
制、あるいはB−16メラノーマ細胞を死滅させる。す
なわち、本発明の抽出物は、非常に強力な腫瘍細胞増殖
抑制・死滅機能を有する。また、低濃度でも効果を発揮
することから、期待する腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を
発揮するための添加量が比較的少なくて済み、より副作
用の無い範囲での効果が期待できる。また、濃度依存的
に有効であるため、添加量の増減により、使用の目的や
必要とする効果に応ずることができる。
【0107】本発明の抽出物は、常法にしたがって経
口、非経口の製品に配合することができ、飲食物、皮膚
外用剤、医薬品、医薬部外品、飼料、餌料、農薬等の様
々な分野で利用することができる。例えば、飲食料に配
合した場合には、生体内抗酸化効果および酸化防止効果
が好適な飲食物を提供することができる。この飲食料は
例えば、風味劣化・変色抑制等の効果が期待でき、か
つ、生活習慣病予防等の効果が期待できる。生活習慣病
予防等の効果からは、健康食品、栄養食品等として用い
られることも期待できる。さらには、抽出物の濃縮等の
条件を調整することで、これを含有する飲食料を継続的
に摂取することで抗腫瘍効果や皮膚の美白効果や皮膚へ
の抗老化効果等の美肌効果を発揮する機能的な飲食物を
提供することができる。また、本発明の抽出物を配合し
た皮膚外用剤は優れた美肌効果を有し、特に優れた美白
効果と皮膚に対する抗老化効果を有する皮膚外用剤、特
に化粧料を提供することができる。ここで、皮膚外用剤
とは、皮膚に対して使用するものであり、医薬品、医薬
部外品、化粧料を含むものであり、その形態としては特
に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パッ
ク、洗浄料等のスキンケア化粧料、口紅、ファンデーシ
ョン等のメーキャップ化粧料、頭皮用化粧料や、軟膏
剤、分散液、クリーム剤、外用液剤などの医薬品等をい
う。イメージが良いオリーブ由来であることは、使用者
に対して、精神的な爽快感、安心感を与えるため好まし
いといえる。医薬品や医薬部外品としては、上記の他、
特に腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を高めた抽出物を用い
ることによって抗腫瘍効果を有する医薬品等を提供する
ことができる。また、活性酸素除去機能やメラニン生成
抑制機能を高めた抽出物を用いることによって、各種疾
病予防効果や抗老化効果等の生体内抗酸化効果や、皮膚
抗老化効果や美白効果等の美肌効果を有する医薬品等を
提供することができる。その他、家畜、魚類の飼料、餌
料に利用することができ、特に魚類の餌料は水分を必須
とするものが多く放置すると酸化劣化し易いものがあ
り、また、水中投下するので水と接しいたみ易いが、こ
れらを改善した餌料等を提供することができる。また、
併せて、一部には飼育の困難な鑑賞用や養殖等の魚類も
存在するが、本発明の抽出物を用いた餌料等は生体内抗
酸化効果等の効果を有することから、これらの育成・生
存率の向上に寄与する餌料等を提供することができる。
【0108】さらに、油分を含む実から抽出する場合、
油分を含有する含油抽出物を得ることができる。油分を
を含んだ実から抽出される含油抽出物は、対象とする製
品が油分を必要とするものである場合、好適に使用でき
る利点があり、また、この含油抽出物に乳化剤を添加す
ることで、オリーブ100%の乳化組成物が得られ、該
組成物も上記同様に広い用途に好適に使用できる。
【0109】各機能を有効に得られるように好ましくは
濃縮、分画・精製した抽出物を有効成分とした各種の製
剤を得ることができる。本発明は該抽出物を有効成分と
する各種製剤に関するものであり、特に本発明の抽出物
を有効成分とする活性酸素除去剤、メラニン生成抑制
剤、腫瘍細胞増殖抑制・死滅剤に関する。
【0110】本発明の抽出物を有効成分とする活性酸素
除去剤に関する。有効成分とは目的とする機能が発揮さ
れれる程度に該抽出物を含むことを示す。その含量は、
特に制限されないが、目的とする機能の度合い、使用態
様、使用量、抽出物の濃縮や分画・精製度合い等により
適宜調整することができ、例えば0.01〜100質量
%、好ましくは0.1〜99.9質量%、更に好ましく
は0.5〜99.5質量%である。抽出物はオリーブ植
物および/またはオリーブ油製造工程で得られる生成物
を水および/または有機溶媒で抽出処理して得ることが
でき、更に抽出物を濃縮処理および/または分画・精製
処理することで、効果が強化された活性酸素除去剤を得
ることができる。該活性酸素除去剤は、人体やその他飲
食物、医薬品、肥料、飼料や皮膚外用剤に使用すること
ができる。また、経口等により内服することも、皮膚等
に塗布することもできる。
【0111】本発明の抽出物を有効成分とするメラニン
生成抑制剤に関する。上記同様に有効成分とは目的とす
る機能が発揮されれる程度に該抽出物を含むことを示
す。その含量は、特に制限されないが、目的とする機能
の度合い、使用態様、使用量、抽出物の濃縮や分画・精
製度合い等により適宜調整することができ、例えば0.
001〜100質量%、好ましくは0.01〜99.9
質量%、更に好ましくは0.05〜99.5質量%であ
る。抽出物はオリーブ植物および/またはオリーブ油製
造工程で得られる生成物を水および/または有機溶媒で
抽出処理して得ることができ、更に抽出物を濃縮処理お
よび/または分画・精製処理することで、効果が強化さ
れたメラニン生成抑制剤を得ることができる。該メラニ
ン生成抑制剤は、人体やその他飲食物、医薬品、肥料、
飼料や皮膚外用剤に使用することができる。また、経口
等により内服することも、皮膚等に塗布することもでき
る。
【0112】本発明の抽出物を有効成分とする腫瘍細胞
増殖抑制・死滅剤に関する。上記同様に有効成分とは目
的とする機能が発揮されれる程度に該抽出物を含むこと
を示す。その含量は、特に制限されないが、目的とする
機能の度合い、使用態様、使用量、抽出物の濃縮や分画
・精製度合い等により適宜調整することができ、例えば
0.001〜100質量%、好ましくは0.01〜9
9.9質量%、更に好ましくは0.05〜99.5質量
%である。抽出物はオリーブ植物および/またはオリー
ブ油製造工程で得られる生成物を水および/または有機
溶媒で抽出処理して得ることができ、更に抽出物を濃縮
処理および/または分画・精製処理することで、効果が
強化された腫瘍細胞増殖抑制・死滅剤を得ることができ
る。該腫瘍細胞増殖抑制・死滅剤は、人体やその他飲食
物、医薬品、肥料、飼料や皮膚外用剤に使用することが
できる。また、経口により投与することも注射により投
与することも、患部に塗布することもできる。
【0113】本発明の抽出物は上述の様な活性酸素除去
機能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅
機能等の1次的な機能を有するが、これらの機能を有す
る抽出物を人体やその他飲食物、医薬品、肥料、飼料や
皮膚外用剤に使用することで、様々な2次的な効果を得
ることができる。今までにも述べているが、例えば、抗
酸化効果、美肌効果、抗腫瘍効果等を得ることができ
る。
【0114】抗酸化効果とは、食品や生体内における脂
質、蛋白質、炭水化物、核酸等の様々な成分が酸化さ
れ、本来の成分とは異なる成分に変換または分解されて
しまうことを抑制あるいは防止する効果である。したが
ってこの効果は、生体内または食品や医薬品、農薬等に
含まれる成分の酸化的劣化の防御の点で有用であり、食
品産業、特に水産加工品、健康食品、栄養食品のほか、
医薬品・農薬分野や化粧品分野において実利的な利用が
期待されるものである。具体的には飲食物、医薬品、肥
料、飼料や皮膚外用剤等の製品の保存性向上効果等の酸
化防止効果、各種疾病防止効果や抗老化効果等の生体内
抗酸化効果等を得ることができる。
【0115】酸化防止効果とは、飲食料、皮膚外用剤、
医薬品、飼料等に含有される酸化され易い成分、特に不
飽和脂肪酸を含む脂質等の酸化劣化を防止する効果を示
す。飲食料、皮膚外用剤、医薬品、飼料等に含有される
成分の酸化劣化は、その品質劣化、栄養性・機能性低下
等の保存安定性上の問題の大きな原因となる。したがっ
て、各種成分の酸化を抑えることができれば、飲食料、
皮膚外用剤、医薬品、飼料等の品質を安定化および保持
することが可能である。この点において、本発明の抽出
物は、活性酸素除去機能を有するため、各種成分の酸化
を最小限に抑えることが期待でき、非常に好ましい。す
なわち、本発明の抽出物は、飲食料、皮膚外用剤、医薬
品、飼料等に含有される成分の酸化を防止することで、
その保存安定性向上、品質向上、栄養性・機能性保持等
に大きく寄与するものである。
【0116】本発明の抽出物は、実際に該抽出物を含有
する飲食物や化粧品を作成した場合、該抽出物を含有し
ていない同等品と比べて、明らかな酸化防止効果を有し
ている。すなわち、例えば、クッキーを作製し、60
℃、暗所で18日間保存した後、常法に則って保存後の
クッキーから油分を抽出し、そのPOVを測定比較する
と、本発明の抽出物は、明らかにクッキーの主に油脂の
酸化を防止しており、高い酸化防止効果を有することが
分かる。また同時に、本発明の抽出物の酸化防止効果
は、実際に該抽出物を含有する飲食物や化粧品を作成し
た場合、該抽出物を含有していない同等品と比べて、明
らかに保存安定性が向上していることからも明らかであ
る。すなわち、例えば、クッキーを作製し、60℃、暗
所で18日間保存した後に試食した結果では、該抽出物
を含有していないクッキーはかなりの酸化劣化臭を有し
ていたのに対し、本発明の抽出物を配合したクッキーは
明らかに良好な風味を保持することから、抽出物の酸化
防止効果により保存安定性が向上していることが分か
る。
【0117】また、生体内抗酸化効果とは、生体内にお
いてその生成を免れることができない活性酸素種を除去
することで、生命活動において重要な生体成分を保護す
る効果を示す。一般に、生体内で発生した活性酸素種
は、脂質、蛋白質、糖質、核酸等の生命活動において重
要な生体成分、特には不飽和脂肪酸を含有する脂質類を
強力に酸化し、本来の成分とは異なる成分に変換または
分解してしまう。さらに、この様な現象が体内に蓄積す
ることが様々な疾病や老化現象の原因となることが知ら
れているが、これに対して生体内抗酸化効果を有するも
のの適用が、これら疾病や老化の予防や改善につながる
ことも明らかになってきている。したがって、本発明の
抽出物は、その活性酸素除去機能により得られる生体内
抗酸化効果により、生体成分を保護するものであり、ひ
いては、活性酸素種等が引き起こす様々な疾病や老化現
象を予防および改善するものである。
【0118】本発明の抽出物の生体内抗酸化効果は、例
えば、動物試験によって検討することができる。その試
験とはすなわち、ラットを用いて、該抽出物を含有する
飼料を与えた場合と、通常の餌組成である飼料を与えた
場合とで、生体内抗酸化力に如何なる差が生じるかを検
討するものである。この結果は人間に対しても同様の傾
向を示す。生体内抗酸化力とは、具体的には例えば、ラ
ットの肝臓そのものの抗酸化力を測定すればよい。この
試験において、該抽出物を含有する飼料を与えた場合
は、通常の餌組成である飼料を与えた場合に比べて、有
意に生体内抗酸化力が向上している。すなわち、本発明
の抽出物は、明らかに生体内抗酸化効果を有することが
分かる。また同様にして、該抽出物の投与量を増減した
場合には、投与量依存的に生体内抗酸化力が変動する。
すなわちこれは、該抽出物の投与量と生体内抗酸化効果
がほぼ比例関係にあることを示しており、該抽出物の生
体内抗酸化効果はその投与量に依存的であるといえる。
このことは、本発明の抽出物を各種用途に展開した場合
に、その使用量に応じた生体内抗酸化効果を得られると
いうことなので、その使用の目的、手段等に応じて適宜
使用量を決められるというメリットがあり、大変好まし
い。
【0119】美肌効果とは、紫外線暴露、ホルモンバラ
ンスの変化、遺伝的プログラム等の様々な要因により発
生する皮膚の色黒やシミ、ソバカスを改善あるいは防止
する効果、肌のくすみを軽減する効果、肌を透明感のあ
る美しいものにする、あるいは透明感のある美しい肌を
保つ効果、肌のツヤ・張りを増す効果、肌をみずみずし
いものにする、あるいはみずみずしい肌を保つ効果、肌
の老化現象進行を抑制・防止する効果等を示す。また、
直接見た目の効果ではないが、皮脂成分の酸化劣化等に
よる体臭等の匂いの発生を抑制する効果も得ることがで
き、これも広い意味での美肌効果といえる。本発明の抽
出物を配合した皮膚外用剤等では、本抽出物が有する活
性酸素除去機能およびメラニン生成抑制機能により、上
記いずれの美肌効果をも有するが、特に皮膚の色黒やシ
ミ、ソバカス、くすみを改善あるいは防止する美白効果
および、肌の老化現象進行を抑制・防止する皮膚の抗老
化効果の点において優れている。
【0120】美白効果とは、紫外線暴露、ホルモンバラ
ンスの変化、遺伝的プログラム等の様々な要因により発
生する皮膚の色黒やシミ、ソバカス、くすみを改善ある
いは防止する効果を示す。一般に、皮膚の色黒やシミ、
ソバカス、くすみは、紫外線による刺激やホルモンバラ
ンスの変化等によってメラノサイトが刺激され、そこで
生合成されたメラニン色素が皮膚に沈着して発生するこ
とが知られている。したがって、メラニンの生成を抑え
ることができれば、皮膚の色黒やシミ、ソバカス、くす
みを予防・改善することが可能である。この点におい
て、本発明の抽出物を配合した皮膚外用剤等では、本抽
出物がメラニン生成抑制機能を有するため、メラニン色
素の生成を最小限に抑えることができることから、該皮
膚外用剤等は、皮膚の色黒やシミ、ソバカス、くすみを
改善あるいは防止することができ、優れた美白効果を有
する。
【0121】美白効果については、実際に本発明の抽出
物を配合したクリーム、化粧水、乳液等の様々な皮膚外
用剤等を処方し、該皮膚外用剤等を用いて女性パネルに
よる官能評価試験を行うことによって評価できる。すな
わち、処方した被験皮膚外用剤等に対して、20代〜5
0代の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、複
数週間にわたって皮膚に塗布する。塗布による美白効果
は、肌のシミ、ソバカス、くすみを目立たなくする効果
について有効、やや有効、無効の3段階の官能試験結果
を得ることで評価できる。この評価においては、本発明
の抽出物を配合した皮膚外用剤等は、比較品としてアル
ブチン等を配合した場合に比べても同等以上の美白効果
を有する。すなわち、該皮膚外用剤は、優れた美白効果
を有する。
【0122】皮膚の抗老化効果とは、紫外線暴露等によ
り発生する皮膚の光老化や、ホルモンバランスの変化、
活性酸素傷害等の加齢に伴う皮膚の老化を予防・改善す
る効果を示す。一般に、シワやたるみを引き起こす要因
として、紫外線暴露や生命活動に伴って生じる活性酸素
種が、皮膚の構成成分である脂質、糖質、蛋白質等に障
害を起こすことが知られている。したがって、これら活
性酸素種を消去することができれば、これらのシワやた
るみ、すなわち、皮膚の老化を予防・改善することが可
能である。この点において、本発明の抽出物を配合した
皮膚外用剤等では、本抽出物がスーパーオキシド消去活
性およびヒドロキシラジカル消去活性等の活性酸素除去
機能を有するため、活性酸素種の影響を最小限に抑える
ことができることから、該皮膚外用剤は、皮膚のシワや
たるみ等の皮膚の老化を改善あるいは防止することがで
き、優れた皮膚の抗老化効果を有する。
【0123】皮膚の抗老化効果についても、美白効果の
評価の場合と同様に、実際に本発明の抽出物を配合した
クリーム、化粧水、乳液等の様々な皮膚外用剤等を処方
し、該皮膚外用剤等を用いて女性パネルによる官能評価
試験を行うことによって評価できる。すなわち、処方し
た被験皮膚外用剤等に対して、20代〜50代の女性1
5名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、複数週間にわた
って皮膚に塗布する。塗布による皮膚抗老化効果は、肌
のはり、つやが付与され、また、シワ、たるみが改善さ
れる効果について有効、やや有効、無効の3段階の官能
試験結果を得ることで評価できる。この評価において
は、本発明の抽出物を配合した皮膚外用剤等は、比較品
としてゴマ脱脂粕抽出物を配合した場合に比べても同等
以上の皮膚の抗老化効果を有する。すなわち、該皮膚外
用剤は、優れた皮膚の抗老化効果を有する。
【0124】本発明の抽出物は、その腫瘍細胞増殖抑制
・死滅機能により得られる抗腫瘍効果を有するが、特に
腫瘍増殖・転移抑制効果に優れている。
【0125】腫瘍増殖・転移抑制効果とは、既に体内に
発生してしまった腫瘍、特には癌が、それ以上増殖し生
体に悪影響を及ぼすことが出来ないようにすること、お
よび他部位に転移し増殖する過程において、血流等に乗
っている間にこれを死滅させたり、他部位に辿り着いて
すぐに増殖することを抑制する効果を示す。これは、臨
床的には癌の進行を食い止めること、あるいは癌が体中
に蔓延しないようにすることに大きく寄与するものであ
り、また日常的な摂取では予防的に、すなわち目に見え
ないレベルでの癌の進行を抑えること、あるいは目に見
えないレベルでの転移を防止することに大きく寄与する
ことができる。特には腫瘍増殖・転移抑制効果等を得る
ことができる。
【0126】腫瘍増殖・転移抑制効果の評価は悪性黒色
腫増殖・転移抑制試験等により行うことができる。すな
わち、ラットに、あらかじめ調製したB16メラノーマ
細胞の懸濁液を静脈注射し、注射後2日目から1日おき
に、所定濃度の検体を溶解させた綿実油を、注射により
腹空内投与あるいはゾンデを用いて経口投与する。な
お、コントロール群には綿実油のみを投与する。B16
メラノーマ細胞注射後15日目に肺に転移した癌病巣を
摘出しその総体積から増殖抑制率を、肺に転移した癌病
巣数から転移抑制率をそれぞれ算出する。この増殖抑制
率、転移抑制率から腫瘍増殖・転移抑制効果の評価を行
う。この結果は人間に対しても同様の傾向を示す。この
評価においては、発癌プロモーター阻害剤として公知で
あるオレアノール酸の投与では、コントロール(無投
与)群との有意差が無く、腫瘍増殖・転移抑制効果が見
られないが、本発明の抽出物の投与では、コントロール
(無投与)群に対して有意に差があり、明らかに悪性黒
色腫の増殖・転移を抑制する。すなわち、本発明の抽出
物は、非常に強力な腫瘍増殖・転移抑制効果を有する。
比較的少ない投与量でも効果を発揮することから、期待
する腫瘍増殖・転移抑制効果を発揮するための添加量が
少なくて済み、より副作用の無い範囲での効果が期待で
きる。また、濃度依存的に有効であるため、添加量の増
減により、使用の目的や必要とする効果に応ずることが
できる。
【0127】本発明の抽出物の原料であるオリーブは、
安定に入手することができる植物原料である。天然由来
であり、食品・食用として広く用いられているオリーブ
を原料として得られる抽出物であることから、人体にと
って安全性の高い抽出物であるといえる。本発明によれ
ば、様々な機能を有するオリーブ抽出物を得ることがで
き、特に活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、腫
瘍細胞増殖抑制・死滅機能を有する抽出物を得ることが
できる。さらに、該抽出物を濃縮、分画・精製処理する
ことで各機能を向上させることや、各機能の強さ等を調
節し機能全体の組合せを設計することができるため、濃
縮条件等を調整することにより、求める機能を有するオ
リーブ抽出物を得ることができる。また、本発明の抽出
物は、飲食料、皮膚外用剤等の様々な用途に利用するこ
とができる。また、得られる2次的な効果として、抗酸
化効果、美肌効果、抗腫瘍効果等が挙げられ、さらに、
オリーブ植物から容易に得ることができ、また、オリー
ブ油の製造工程中に発生する通常は廃棄されている生成
物からも好適に得ることができることから、コスト面、
安定的な供給という面、資源の有効活用という面からみ
ても好ましい。
【0128】
【実施例】次に、実施例を挙げ、本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0129】実施例1〜20、比較例1において各種抽
出物を製造した。また、収率については下記の<式9>
で求めた。
【0130】
【数9】<式9> 抽出物の収率=本発明の抽出物の質
量(注1)÷抽出前の原料の質量 (注2) 注1:凍結乾燥により乾燥させた後、質量(g)を測定 注2:本発明の抽出物を、溶剤等で抽出する直前の果
実、粕、種子の質量(g)を測定
【0131】実施例1 国産のオリーブ(Olea europaea L.)
の乾燥果実(種子を含む)1kgを破砕し、3Lのヘキ
サンを加え3時間抽出した。これを4度繰り返した脱脂
果実について、種子を除去した後、粉砕し、再度5倍量
のヘキサンで3時間抽出することで、完全に油分を除去
した脱脂粕229gを得た。この脱脂粕に10倍量のエ
タノール含量が60質量%の含水エタノール水溶液を加
え、室温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量を
ろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物112.7gを得
た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性
およびヒドロキシラジカル消去活性の評価を行った。そ
の結果を表1および表2に示す。また、得られた抽出物
のメラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白色化度と細
胞生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑制機能指
数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン生成抑制
機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量指数を表
5に示す。
【0132】実施例2 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が80質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物79.7
gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消
去活性の評価を行った結果を表1に示す。また、得られ
た抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白色
化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑制
機能指数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン生
成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量指
数を表5に示す。
【0133】実施例3 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が70質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物97.8
gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消
去活性の評価を行った結果を表1に示す。また、得られ
た抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白色
化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑制
機能指数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン生
成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量指
数を表5に示す。
【0134】実施例4 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が50質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物111.
1gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド
消去活性の評価を行った結果を表1に示す。また、得ら
れた抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白
色化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑
制機能指数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン
生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量
指数を表5に示す。
【0135】実施例5 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が40質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物112.
9gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド
消去活性の評価を行った結果を表1に示す。また、得ら
れた抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白
色化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑
制機能指数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン
生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量
指数を表5に示す。
【0136】実施例6 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
エタノール含量が20質量%の含水エタノール水溶液を
加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出し
た。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物110.
6gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド
消去活性の評価を行った結果を表1に示す。また、得ら
れた抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白
色化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑
制機能指数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン
生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量
指数を表5に示す。
【0137】実施例7 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
無水エタノールを加え、同様に室温で激しく攪拌しなが
ら3時間抽出した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して
抽出物13.5gを得た。得られた抽出物に関し、スー
パーオキシド消去活性の評価を行った結果を表1に示
す。また、得られた抽出物のメラニン生成抑制機能の評
価結果(細胞白色化度と細胞生存率)を表4に、収率、
メラニン生成抑制機能指数、実質メラニン生成抑制機能
指数、メラニン生成抑制機能収量指数、実質メラニン生
成抑制機能収量指数を表5に示す。
【0138】実施例8 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
水を加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出
した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物11
8.2gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキ
シド消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0139】実施例9 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
アセトン含量が60質量%の含水アセトンを加え、同様
に室温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ
過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物51.5gを得た。得
られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性の評価
を行った結果を表1に示す。
【0140】実施例10 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
THF含量が60質量%の含水THFを加え、同様に室
温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ過
後、ろ液を濃縮乾固して抽出物54.3gを得た。得ら
れた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性の評価を
行った結果を表1に示す。
【0141】実施例11 実施例1と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量の
AN含量が60質量%の含水ANを加え、同様に室温で
激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ過後、ろ
液を濃縮乾固して抽出物49.6gを得た。得られた抽
出物に関し、スーパーオキシド消去活性の評価を行った
結果を表1に示す。
【0142】実施例12 種子を除去したオリーブの乾燥果実1kgを破砕し、そ
の破砕した果実に、20倍量のエタノール含量が60質
量%の含水エタノール水溶液を加え、同様に室温で激し
く攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ過後、ろ液を
濃縮乾固して抽出物238.5g抽出物にヘキサン1.
5L、水1.5Lを加えてよく攪拌した後、分液された
水相を濃縮乾固して、分配抽出物126.4gを得た。
得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性の評
価を行った結果を表1に示す。また、得られた抽出物の
メラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白色化度と細胞
生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑制機能指数、
実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン生成抑制機能
収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量指数を表5に
示す。
【0143】実施例13 オリーブの種子500gを破砕し、その破砕した種子に
10倍量のエタノール含量が60質量%の含水エタノー
ル水溶液を加え、同様に室温で激しく攪拌しながら3時
間抽出した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物
42.0gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオ
キシド消去活性の評価を行った結果を表1に示す。ま
た、得られた抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結果
(細胞白色化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラニ
ン生成抑制機能指数、実質メラニン生成抑制機能指数、
メラニン生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制
機能収量指数を表5に示す。
【0144】実施例14 イタリア産のオリーブ(Olea europaea
L.)を搾油し、得られた圧搾残査1kgに、3Lのヘ
キサンを加え3時間抽出した。これを4度繰り返した脱
脂残査(884g)について、種子および夾雑物をフル
イで適当に除去して、脱脂粕196gを得た。この脱脂
粕に10倍量のエタノール含量が60質量%の含水エタ
ノール水溶液を加え、室温で激しく攪拌しながら3時間
抽出した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物1
9.2gを得た。得られた抽出物に関し、スーパーオキ
シド消去活性の評価を行った結果を表1に示す。また、
得られた抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結果(細
胞白色化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラニン生
成抑制機能指数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラ
ニン生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能
収量指数を表5に示す。
【0145】実施例15 実施例14と同様の方法により得た脱脂粕に、10倍量
のエタノール含量が70質量%の含水エタノール水溶液
を加え、室温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全
量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽出物17.4gを得
た。得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去活性
の評価を行った結果を表1に示す。また、得られた抽出
物のメラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白色化度と
細胞生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑制機能指
数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン生成抑制
機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量指数を表
5に示す。
【0147】実施例16 イタリア産のオリーブ(Olea europaea
L.)を搾油し、得られた圧搾残査1kgに、3Lのヘ
キサンを加え3時間抽出した。これを4度繰り返した脱
脂残査884gについて、種子等を除去すること無く、
これを粉砕し、粉砕脱脂残査873gを得た。この粉砕
脱脂残査に10倍量のエタノール含量が60質量%の含
水エタノール水溶液を加え、室温で激しく攪拌しながら
3時間抽出した。全量をろ過後、ろ液を濃縮乾固して抽
出物39.5gを得た。得られた抽出物に関し、スーパ
ーオキシド消去活性の評価を行った結果を表1に示す。
また、得られた抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結
果(細胞白色化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラ
ニン生成抑制機能指数、実質メラニン生成抑制機能指
数、メラニン生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成
抑制機能収量指数を表5に示す。
【0148】実施例17 実施例16と同様にして得た粉砕脱脂残査に、10倍量
のエタノール含量が60質量%の含水エタノール水溶液
を加え、室温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全
量をろ過後、得られたろ液を完全に脱エタノールして得
られた抽出物の水層部分に、水不溶分回収の効率を上げ
ることを目的として、総量が830gになるように水を
加え、室温で1時間、激しく攪拌した。全量を遠心分離
で処理して沈殿分を除去した後、デカンテーションによ
り回収した上澄みを乾燥して濃縮物22.9gを得た。
濃縮して得られた抽出物に関し、スーパーオキシド消去
活性の評価を行った結果を表1に示す。
【0149】実施例18 実施例1で得られた抽出物100gに、水2Lを加え、
室温で1時間、激しく攪拌した。全量を遠心分離で処理
した後、上澄みはデカンテーションにより除去し、残っ
た沈殿を乾燥して抽出濃縮物10.0gを得た。濃縮し
て得られた抽出物に関し、メラニン生成抑制機能の評価
結果(細胞白色化度と細胞生存率)を表4に、収率、メ
ラニン生成抑制機能指数、実質メラニン生成抑制機能指
数、メラニン生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成
抑制機能収量指数を表5に示す。
【0150】実施例19 実施例14で得られた抽出物100gに、水2Lを加
え、室温で1時間、激しく攪拌した。全量を遠心分離で
処理した後、上澄みはデカンテーションにより除去し、
残った沈殿を乾燥して抽出濃縮物42.0gを得た。濃
縮して得られた抽出物に関し、メラニン生成抑制機能の
評価結果(細胞白色化度と細胞生存率)を表4に、収
率、メラニン生成抑制機能指数、実質メラニン生成抑制
機能指数、メラニン生成抑制機能収量指数、実質メラニ
ン生成抑制機能収量指数を表5に示す。
【0151】実施例20 オリーブ油製造工程で得られるイタリア産の抽出残査1
kgに、10倍量の、エタノール含量が65質量%であ
る含水エタノールを加え、激しく攪拌しながら3時間抽
出した。全量をろ過後、得られたろ液を完全に脱エタノ
ールして得られた抽出物の水層部分に、水不溶分回収の
効率を上げることを目的として、総量が820gになる
ように水を加え、室温で1時間、激しく攪拌した。全量
を遠心分離で処理した後、上澄みはデカンテーションに
より除去し、残った沈殿を乾燥して濃縮物21.9gを
得た。次にこの濃縮物を、約40倍量(880g)のシ
リカゲルを充填したカラムを用いたシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに供した。まず、充填したシリカゲル
の約5倍量(4.4L)のヘキサン:酢酸エチル=3:
1の溶離液で、画分1を溶出させ、さらに、充填したシ
リカゲルの5倍量(4.4L)のヘキサン:酢酸エチル
=3:1の溶離液で、画分2を溶出させた。続けて、充
填したシリカゲルの2.5倍量(2.2L)のヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1の溶離液で、画分3を溶出さ
せ、さらに、充填したシリカゲルの10倍量(8.8
L)のヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶離液で、目的
とする画分4を溶出させた。各画分の中で、特に画分4
において腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能が確認されたこと
から、 画分4についてヘキサンおよび酢酸エチルを除
去後、真空乾燥して、目的とする分画精製物5.8gを
得た。この分画精製物に関して、分画精製物の濃度が表
7の記載の各濃度になるように調整し、細胞増殖率を算
出して、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能を評価した。結果
を表7に示す。
【0152】比較例1 乾燥ゴマ種子1kgを破砕し、3Lのヘキサンを加え3
時間抽出した。これを4度繰り返したゴマ脱脂粕52
6.4gを得た。このゴマ脱脂粕に10倍量のエタノー
ル含量が60質量%の含水エタノール水溶液を加え、室
温で激しく攪拌しながら3時間抽出した。全量をろ過
後、ろ液を濃縮乾固して抽出物58.2gを得た。この
ゴマ種子から得られた抽出物に関し、スーパーオキシド
消去活性およびヒドロキシラジカル消去活性の評価を行
った。その結果を表1および表2に示す。また、得られ
た抽出物のメラニン生成抑制機能の評価結果(細胞白色
化度と細胞生存率)を表4に、収率、メラニン生成抑制
機能指数、実質メラニン生成抑制機能指数、メラニン生
成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量指
数を表5に示す。
【0153】比較例2として、合成のスーパーオキシド
消去活性を有する合成の抗酸化剤であるBHAに関し、
スーパーオキシド消去活性の評価を行った。結果を表1
に示す。
【0154】比較例3としてビタミンCリン酸マグネシ
ウム、比較例4としてコウジ酸に関しメラニン生成抑制
機能の評価を行い、その結果(細胞白色化度と細胞生存
率)を表4に、メラニン生成抑制機能指数、実質メラニ
ン生成抑制機能指数を表5に示す。
【0155】以下に、活性酸素除去機能、メラニン生成
抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能について、その
評価方法および評価結果を示す。活性酸素除去機能に関
しては、スーパーオキシド消去活性、ヒドロキシラジカ
ル消去活性についての評価方法および評価結果を示す。
【0156】<スーパーオキシド消去活性の評価方法>
スーパーオキシド消去活性の評価は、金田尚志、上田伸
夫編集、「過酸化脂質実験法」、第136−154頁、
医歯薬出版(株)1993年発刊に記載されている方法
に従い、以下のように測定した。炭酸水素ナトリウム緩
衝液(pH10.2)1.2mLに1mg/mLのED
TA溶液50μL、1.5mg/mLウシ血清アルブミ
ン(BSA)溶液50μL、0.6mg/mLニトロブ
ルーテトラゾリウム(NBT)溶液50μL、0.5m
g/mLキサンチン溶液50μL、および、オリーブ抽
出物を所定の濃度で溶解させた「試料溶液」0.1mL
を加え混和した後、25℃にて10分放置する。これに
0.1unit/mLキサンチンオキシダーゼ(XO
D)溶液50μLを加え撹拌し、25℃にて20分間放
置した。1mg/mL塩化銅溶液50μLを加え酵素反
応を停止させた後、560nmの吸光度値(G)を測定
し、「試料溶液」の代わりに同量の「緩衝液」を加えた
物を対照溶液として同様に吸光度値(H)を測定した。
また、塩化銅溶液と、「試料溶液」または「緩衝液」の
添加順を逆にしたものを、それぞれ試薬ブランクとして
同様に吸光度を測定し、それぞれの値をg、hとした。
一方、比較用の抗酸化剤としては、市販の抗酸化剤であ
るブチルヒドロキシアニソール(BHA)を用いた。B
HAについては上記の測定方法を、以下の点を変更して
吸光度値(G)測定した。すなわち、炭酸ナトリウム緩
衝液(pH10.2)は1.25mLの添加量、メタノ
ールを用いて所定の濃度で溶解した「BHA溶液」は5
0μLの添加量とし、また、XOD溶液は0.2uni
t/mLの濃度で調製したものを用いた。「BHA溶
液」の代わりに同量の「メタノール」を添加したものを
対照溶液として、吸光度値(H)を測定した。また、塩
化銅溶液と「BHA溶液」または「メタノール」の添加
順を逆にしたものを、それぞれ試薬ブランクとして同様
に吸光度値を測定し、それぞれの値をg、hとした。そ
して、以下の<式10>からスーパーオキシドの消去活
性を算出した。ここで、式中の(I)は測定溶液系中の
試料濃度を示しており、スーパーオキシドが消去される
ことにより吸光度値が0.1減少する活性を1単位(1
unit)と定義した。この活性値が高いほどスーパー
オキシド消去作用が強いことを示している。
【0157】
【数10】<式10> スーパーオキシド消去活性(u
nit/(mg/mL))={(H−h)−(G−
g)}/(I×0.1)
【0158】また、スーパーオキシド消去活性収量指数
を前記の<式2>により算出した。
【0159】
【表1】
【0160】表1から、本発明の抽出物は、非常に強い
スーパーオキシド消去活性を有することがわかる。特
に、水、無水アルコール、含水アルコールを用いて抽出
した場合、本発明の抽出物は天然の抽出物であるにもか
かわらず、代表的な合成抗酸化物質であるBHAと比較
しても、同等〜2倍程度の消去活性を示している。単な
る抽出物の段階でも、非常に強いスーパーオキシド消去
活性を有することがわかる。さらに、本発明の抽出物は
収率が高いことから、スーパーオキシド消去活性収量指
数は更に高いものとなっている。この指数から見ても分
かる通り、同じ条件の天然原料から、より多くの、強い
活性酸素除去機能を有する抽出物を得ることができるこ
とがわかる。
【0161】<ヒドロキシラジカル消去活性の評価方法
>ヒドロキシラジカル消去活性は以下のように測定し
た。本実施例で用いた反応系はフェントン反応にてヒド
ロキシラジカルを発生させ、そのヒドロキシラジカルと
脂肪酸との反応により生じるマロンジアルデヒド(MD
A)をチオバルビツール酸と反応させたときに生成する
チオバルビツール酸−MDAアダクトを測定する方法に
基づいている。すなわち所定の濃度で溶解させた測定対
象物を、リノール酸溶液(2mg/mL)およびドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS,2mg/mL)を含む30
mMのTris塩酸緩衝液(pH7.4)0.46mL
で溶解し、2.5mM過酸化水素溶液0.02mLおよ
び2.5mM塩化鉄(II)溶液0.02mLを加え、5
h、37℃で加温した。本発明の抽出物、濃縮物および
精製物を含まず同様に反応したものを対照とした。加温
後、10mg/mLブチルヒドロキシルトルエン(BH
T)エタノール溶液0.01mLを加えた。TBA12
mgおよびSDS16.2mgを蒸留水2.3mLに溶
解し、これに20%(v/v)酢酸緩衝液(pH4.
0)1.5mLおよび前記反応液0.2mLを加え、9
5℃で1時間加温した。放冷後、(532nm)におけ
る吸光度を測定した。各試料を含む反応液の吸光度を
J、対照の吸光度をKとし、そのヒドロキシラジカル消
去率を以下の<式11>から算出した。ヒドロキシラジ
カル消去率が高い方がヒドロキシラジカル消去作用が強
いことを示している。
【0162】
【数11】<式11> ヒドロキシラジカル消去率
(%)={1−(K−J)/K}×100
【0162】上記ヒドロキシラジカル消去率(%)が5
0%となる測定対象物の濃度を比較し、ヒドロキシラジ
カル消去活性の強さを比較する。
【0163】
【表2】
【0163】表2から、本発明の抽出物はヒドロキシラ
ジカル消去活性に関しても、ヒドロキシラジカル消去活
性が強いとされているゴマ種子からの抽出物と比較し
て、同程度の消去活性を示している。また、このゴマ種
子からの抽出物のスーパーオキシド消去活性と本発明の
抽出物のスーパーオキシド消去活性を比較すると、約8
倍〜9倍である。このように本発明の抽出物は、強いス
ーパーオキシド消去活性とヒドロキシラジカル消去活性
の両方を併せ持つ優れた活性酸素除去機能を有する抽出
物であることがわかる。
【0164】<メラニン生成抑制機能の評価方法>6穴
プレートに培地を2ml/well取り、B−16メラ
ノーマ細胞を所定量播種し、37℃、二酸化炭素濃度5
%にて静置、培養する。翌日、所定濃度になるように検
体試料(オリーブ各種抽出物)調製液を添加混和し、培
養を継続する。培養5日目に培地を交換し、再度検体試
料調製液を添加する。翌日、培地を除き、細胞を回収し
PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄後、細胞の白色
化度により評価した。なお、メラニン生成抑制機能の評
価は、検体試料調製液の代わりにアルブチン(ポジティ
ブコントロール)300μg/mlを用いて同様の操作
を行った細胞の白色化度、および、検体試料無添加(コ
ントロール)で同様にして得られた白色化度と比較し
て、以下の基準で評価した。細胞の白色化度の評価基準
は、以下に示す通りである。 ++:ポジティブコントロールより白くなった +:ポジティブコントロールと同程度に白くなった ±:ポジティブコントロールより白くならないが、コン
トロールより白くなった−:コントロールと同程度
【0165】細胞生存率は、各添加濃度において、前述
した<式5>により求められる。
【0170】上記方法によってメラニン生成抑制機能を
評価した。また、メラニン生成抑制機能指数を前記<式
3>により算出し、同様に、実質メラニン生成抑制機能
指数を前記<式6>、メラニン生成抑制機能収量指数を
前記<式7>、実質メラニン生成抑制機能収量指数を前
記<式8>により算出した。
【0171】
【表3】
【0172】
【表4】
【0173】表3、4の各実施例から、本発明の抽出物
は、天然原料からの単なる抽出物の状態で、優れたメラ
ニン生成抑制機能を有する美白効果の強い美白剤として
公知であるアルブチンやコウジ酸と同等以上のメラニン
生成抑制機能を有し、さらに、ビタミンCリン酸マグネ
シウムを大幅に上回る、非常に強いメラニン生成抑制機
能を有する。加えて毒性が低いことから、実質メラニン
生成抑制機能指数もアルブチン以上の値を示すことが分
かった。従って、実際に皮膚に使用した場合には非常に
優れた美白効果を有することが分かった。また、実施例
1、実施例14、比較例1とを比較すると分かる通り、
本発明の抽出物は、強いメラニン生成抑制機能を有する
のと同時に、原料から収率良く得られるため、メラニン
生成抑制機能収量指数、実質メラニン生成抑制機能収量
指数が、他の天然原料に比べて非常に高い値が得られ
る。さらに、実施例18、19から、本発明の抽出物は
濃縮するとこで、メラニン生成抑制機能が大幅に向上す
ることが分かった。実施例からは、水への溶解特性を利
用し、水に容易に溶解する部分を除去する方法で濃縮さ
れた本発明の抽出物は、アルブチンの10倍という、非
常に強い皮膚に対するメラニン生成抑制機能が得られて
いる。
【0174】<腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能の評価方法
>腫瘍細胞増殖抑制・死滅試験は以下の方法で行った。
6穴プレートに培地を2ml/well取り、B−16
メラノーマ細胞を所定量播種し、37℃、二酸化炭素濃
度5%にて静置、培養した。翌日、所定濃度になる様に
検体試料調製液を添加混和し、培養を継続した。培養5
日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌
日、培地を除き、細胞を回収しPBS(リン酸緩衝生理
食塩水)で洗浄後、生存細胞数をカウントし、細胞増殖
率を下記<式12>から算出した。この細胞増殖率から
腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能の評価を行った。検体試料
無添加での細胞増殖率(コントロール)と比較した。
【0175】
【数12】 <式12> 細胞増殖率(%)=(L÷M)×100 L:各検体添加時の生存細胞数 M:検体無添加時の細胞数
【0176】本発明の抽出物を濃縮精製した実施例20
の抽出物を、表7の記載の各濃度になるように添加し、
細胞増殖率を算出して評価を行った。また、比較として
オレアノール酸を添加した場合の細胞増殖率を同様に算
出し評価を行った。結果を下表5に示す。
【0177】
【表5】
【0178】表5から、本発明の抽出物を濃縮精製した
実施例20の分画精製物では腫瘍細胞増殖抑制機能が非
常に強いことが分かった。また、発癌プロモーター抑制
活性を有するオレアノール酸と比較しても極めて優れた
腫瘍細胞増殖抑制機能を有することが分かった。また、
腫瘍細胞増殖抑制機能を発揮する濃度の2倍程度では、
非常に強い腫瘍細胞死滅機能を発揮した。これは、オレ
アノール酸には見られない機能であった。これにより、
本発明の抽出物は非常に優れた腫瘍細胞増殖抑制・死滅
機能を有することが明らかになった。
【0179】次に、本発明の抽出物を、実際に製品や動
物、ヒトに適用した場合の効果について、その効果を評
価した例を挙げる。すなわち、抗酸化効果、美肌効果、
腫瘍増殖・転移抑制効果について、それぞれの評価方法
および評価結果を示す。
【0180】まず、抗酸化効果については、実際の食品
に配合した時の酸化防止効果と、実際に動物に摂取させ
た時の生体内抗酸化効果について評価方法および評価結
果を示す。
【0181】実施例21 クッキーを用いた酸化防止効
果の評価 下記配合にて原料を混合し、1個あたり10gになるよ
うに分割し、180℃で15分焼き、クッキーを製造し
た。なお、対照には、本抽出物を配合せずにせずに製造
した。
【0182】作製直後のクッキーの一定重量について、
常法に則って、ヘキサンにて脂質を抽出しヘキサンを溜
去した後、その脂質のPOVを測定したところ、対照の
クッキーのPOVは2.1、本発明の抽出物を配合した
クッキーのPOVは2.3であった。これらのクッキー
を60℃、暗所で18日間保存後、同様にしてPOVの
測定を行なったところ、対照のクッキーのPOVは3
1.7にまで上昇していたのに対し、本発明の抽出物を
配合したクッキーのPOVは7.5であった。また、同
様にして得られたクッキーを、60℃、暗所で18日間
保存後、試食した。その結果、対照のクッキーはかなり
の酸化劣化臭を有していたのに対し、本発明の抽出物を
配合したクッキーは、保存後も良好な風味を有してい
た。
【0183】この結果から、本発明の抽出物は酸化防止
効果を有し、製品等の保存安定性を向上させる効果を有
することがわかった。
【0184】各実施例で得られたオリーブ抽出物を、実
際に動物に摂取させた時の生体内抗酸化効果について、
その評価方法および評価結果を示す。
【0185】実施例22 ラットを用いた生体内抗酸化
効果の評価 6週齢のウィスター系雄ラット(日本エスエルシー)7
匹を1試験区とし、各試験区用の粉末精製飼料を、4週
間水とともに自由摂取させた。各試験区用飼料は、下表
6の飼料組成の通りに作製した。飼料成分の酸化劣化を
防ぐために、飼料は2日に1回交換した。試験食投与4
週間目の午前9時より絶食させ、午後2時より各ラット
の肝臓を採取した。肝臓中の抗酸化能を下記AOA法を
用いて測定し、検体の各オリーブ抽出物の生体内抗酸化
作用を評価した。
【0186】
【表6】 飼料組成 (%) ※;トコフェロールを除いたもの。
【0187】<AOA法(脂質過酸化抑制率の測定法)
>基質として、牛の脳のリン酸緩衝液の摩砕物を用意す
る。これに、後述する方法で採取した肝臓の摩砕物を添
加し、37℃で1時間保持して、脂質の酸化を進行させ
る。この反応液の除タンパク上清にTBA(チオバルビ
ツール酸)溶液を添加して攪拌し、95℃で、15分間
保持する。この反応液の吸光度を分光光度計により測定
する。吸光度の値の大小と、過酸化脂質濃度の大小は相
関している。検体(各オリーブ抽出物)添加群での吸光
度と、対照群の吸光度とを比較し、検体(各オリーブ抽
出物)の脂質過酸化抑制率(%)を求める。
【0188】上記方法にて、生体内抗酸化効果を評価し
た。この結果を表7に示す。
【0189】
【表7】 肝臓脂質過酸化抑制率
【0190】表7から、本抽出物は、経口摂取により、
生体内においてその抗酸化効果を発揮し、生体内酸化の
結果生じる過酸化脂質の生成を抑制することが確認され
た。また、この効果は含量依存的であることから、求め
る効果に応じて、含量を増減すればよいことも分かっ
た。
【0191】次に、美肌効果については、実際に本発明
の抽出物を配合したクリーム、化粧水、乳液等の様々な
皮膚外用剤等を処方し、これを女性パネルに適用した時
の評価を行った。特に、皮膚に対する抗老化効果および
美白効果について評価を行った。これらの評価方法およ
び評価結果を下記に示す。
【0192】実施例23 クリーム:各実施例で得た抽
出物を用いて、表8に示す組成及び下記製法でクリーム
を調製し、その皮膚に対する抗老化効果を調べた。この
結果も併せて表8に示す。
【0193】
【表8】
【0194】(製法) A.成分(1)〜(6)及び(15)を混合し、加熱し
て70℃に保つ。 B.成分(7)〜(14)及び(17)を混合し、加熱
して70℃に保つ。 C.AにBを加え、混合する。 D.冷却しながら(16)を加えてクリームを得た。
【0195】(試験方法)被験クリーム1品につき20
〜54才の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2
回、8週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔
面に塗布した。塗布による皮膚の抗老化効果を以下の基
準によって評価した。
【0196】 (評価基準) <評価> <内 容> 有 効 肌にはり、つやが付与された、シワ・たるみが改善された やや有効 肌にはり、つやがやや付与された、シワ・たるみがやや改善さ れた 無 効 使用前と変化なし
【0197】表8の結果に示される如く、本発明の抽出
物を配合した1〜6のクリームは、これらを皮膚に適用
することにより、肌にはり、つやが付与され、シワ・た
るみを改善することができ、美しい肌とすることが明ら
かとなった。これにより、本発明の抽出物を配合した1
〜6のクリームは優れた抗老化効果を有することが明ら
かになった。
【0198】実施例24 クリーム:各実施例で得た抽
出物を用いて、表9に示す組成及び下記製法でクリーム
を調製し、その美白効果を調べた。この結果も併せて表
9に示す。
【0199】
【表9】
【0200】(製法) A.成分(1)〜(6)及び(17)を混合し、加熱し
て70℃に保つ。 B.成分(7)〜(16)及び(19)を混合し、加熱
して70℃に保つ。 C.AにBを加え、混合する。 D.冷却しながら(16)を加えてクリームを得た。
【0201】(試験方法)被験クリーム1品につき27
〜54才の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2
回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を
顔面に塗布した。塗布による美白効果を以下の基準によ
って評価した。
【0202】 (評価基準) <評価> <内 容> 有 効 肌の色黒、シミ、ソバカス、くすみが目立たなくなった。 やや有効 肌の色黒、シミ、ソバカス、くすみがあまり目立たなくなった 。 無 効 使用前と変化なし。
【0203】表9の結果に示される如く、本発明の抽出
物を配合した1〜5のクリームは、これらを皮膚に適用
することにより、肌の「くすみ」等の発生の防止、改善
することができ、美しい肌とすることが明らかとなっ
た。これにより、本発明の抽出物を配合した1〜5のク
リームは、アルブチン、コウジ酸、ビタミンCリン酸マ
グネシウム等を配合した場合と比較しても、優れた美白
効果を有することが明らかになった。
【0204】次に、抗腫瘍効果については、実際に動物
に投与した場合の腫瘍増殖・転移抑制効果の評価方法お
よび評価結果を下記に示す。
【0205】<悪性黒色腫増殖・転移抑制試験>悪性黒
色腫増殖・転移抑制試験は以下の方法で行った。ウィス
ター系雌ラット(6週齢、平均体重160g)をAIN
−93組成の粉末調製飼料で1週間予備飼育した後、平
均体重が均等になるように5群(1群8匹)に分け、あ
らかじめ調製してあったB16メラノーマ細胞の懸濁液
を、各ラットに静脈注射した。引き続きAIN−93組
成の粉末調製飼料で飼育を行い、B16メラノーマ細胞
注射後2日目から1日おきに、所定濃度のオリーブ抽出
物(分画精製した抽出物)またはオレアノール酸を溶解
させた綿実油を、注射により腹空内投与あるいはゾンデ
を用いて経口投与した。なお、コントロール群には綿実
油のみを投与した。B16メラノーマ細胞注射後15日
目に、肺に転移した癌病巣を摘出しその総体積から増殖
抑制率を、肺に転移した癌病巣数から転移抑制率を、そ
れぞれ下記<式13>および<式14>から算出した。
この増殖抑制率および転移抑制率から腫瘍増殖・転移抑
制効果の評価を行った。
【0206】
【数13】<式13> 増殖抑制率(%)=(O−N)
÷O×100 N:各群における一個体あたり総癌体積の平均 O:コントロール群における一個体あたり総癌体積の平
【0207】
【数14】<式14> 転移抑制率(%)=(Q−P)
÷Q×100 P:各群における一個体あたり転移癌病巣数平均 Q:コントロール群における一個体あたり転移癌病巣数
平均
【0208】実施例25 綿実油をコントロールとして、本発明の抽出物を濃縮精
製した実施例20の抽出物について、表10に記載の投
与量、投与方法により増殖抑制率、転移抑制率の評価を
行った。また、比較としてオレアノール酸を添加した場
合の増殖抑制率、転移抑制率の評価を同様に行った。評
価結果を下表10に示す。
【0209】
【表10】 腫瘍増殖・転移抑制率
【0210】表10から明らかなように、本発明の抽出
物を濃縮精製した実施例20の抽出物は、腹空内投与及
び経口投与のいずれにおいても、コントロール群と比較
して、有意に(P<0.05)肺への癌の増殖および転
移を抑制した。オレアノール酸の投与では顕著な効果が
見られなかった。この結果から、本発明の抽出物が非常
に有効な腫瘍増殖・転移抑制効果を有することが明らか
となった。
【0211】
【発明の効果】本発明によれば、オリーブ植物等から強
力なスーパーオキシド消去活性またはヒドロキシラジカ
ル消去活性等の活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機
能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能等を有する抽出物を得
ることができる。また、前記の1次的機能を有する本発
明の抽出物を人体、その他飲食物、化粧料、医薬品、農
薬、飼料等の分野の製品に使用することで、酸化防止効
果や生体内抗酸化効果等の抗酸化効果、皮膚の抗老化効
果や美白効果等の美肌効果、腫瘍細胞増殖・転移抑制効
果等の抗腫瘍効果を発揮する。つまり、生体内抗酸化効
果を有する健康食品や、美肌効果に優れた皮膚外用剤
や、抗腫瘍効果を有する医薬品等を得ることがえき、更
にはそれぞれの製品の保存性を向上させることができ
る。また、本発明によれば、活性酸素除去機能、メラニ
ン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能等を有す
る抽出物を、収率よく得ることができるため、単位原料
あたりに得ることができる各機能の総量(総指数)が非
常に多く、また、オリーブの粕等を原料として得ること
ができるため、安定的、かつ、低いコストで、優れた活
性酸素除去機能、メラニン生成抑制機能、腫瘍細胞増殖
抑制・死滅機能等を有する成分を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 39/06 A61P 39/06

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オリーブ植物から得られる抽出物。
  2. 【請求項2】 オリーブ植物の実および/または種子か
    ら得られる抽出物。
  3. 【請求項3】 脱脂されたオリーブ植物の実および/ま
    たは種子から得られる抽出物。
  4. 【請求項4】 オリーブ油製造工程中で生じる生成物で
    ある、圧搾残査、抽出残査、圧搾油、抽出油、脱ガム油
    滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭スカム、搾油
    ジュース、排水、廃濾過材から選ばれる1種または2種
    以上から得られる抽出物。
  5. 【請求項5】 活性酸素除去機能、メラニン生成抑制機
    能、腫瘍細胞増殖抑制・死滅機能の1または2以上の機
    能を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の抽出
    物。
  6. 【請求項6】 メラニン生成抑制機能指数が0.5以上
    および/または実質メラニン生成抑制機能指数が1以上
    である請求項1〜5のいずれか1項に記載の抽出物。
  7. 【請求項7】 抗酸化効果、美肌効果、抗腫瘍効果の1
    または2以上の効果を有する請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の抽出物。
  8. 【請求項8】 水および/または有機溶媒で抽出するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の抽
    出物の製造方法。
  9. 【請求項9】 有機溶媒が親水性有機溶媒である請求項
    8に記載の抽出物の製造方法。
  10. 【請求項10】 親水性有機溶媒がアルコールである請
    求項9に記載の抽出物の製造方法。
  11. 【請求項11】 更に濃縮処理および/または分画・精
    製処理することを特徴とする請求項8〜10のいずれか
    1項に記載の抽出物の製造方法。
  12. 【請求項12】 濃縮処理が、水および/または有機溶
    媒に対する溶解性を利用した可溶分回収処理および/ま
    たは不溶分回収処理、水−疎水性有機溶媒での液々分配
    処理、再結晶処理、再沈殿処理、冷却により生じた析出
    物を回収する処理から選ばれる1種または2種以上の処
    理である請求項11に記載の抽出物の製造方法。
  13. 【請求項13】 分画・精製処理が、再結晶、再沈殿、
    順相および/または逆相クロマトグラフィーによる精
    製、脱色処理、脱臭処理から選ばれる1種または2種以
    上である請求項11に記載の抽出物の製造方法。
  14. 【請求項14】 単位原料から得られるスーパーオキシ
    ド消去活性収量指数が100以上である請求項8〜13
    のいずれか1項に記載の抽出物の製造方法。
  15. 【請求項15】 メラニン生成抑制機能収量指数および
    実質メラニン生成抑制機能収量指数が5以上である請求
    項8〜13のいずれか1項に記載の抽出物の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抽出物を有効成分とする活性酸素除去剤。
  17. 【請求項17】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抽出物を有効成分とするメラニン生成抑制剤。
  18. 【請求項18】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抽出物を有効成分とする腫瘍細胞増殖抑制・死滅剤。
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