JP2001181534A - タイヤトレッド配合用カーボンブラック - Google Patents
タイヤトレッド配合用カーボンブラックInfo
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Abstract
イヤのトレッド組成物に対して従来技術から得られる同
等表面積のカーボンブラックとほぼ同じ、またはそれ以
上の発熱特性と加工性を示すカーボンブラック。 【解決手段】 窒素吸着比表面積(N2SA)が100
m2/gを越え140m 2/g未満、DBP吸収量(D
BP)が130ml/100gを越え160ml/10
0g未満という基本的特性を有し、また下記条件を満た
すカーボンブラック。(1)N2SAとよう素吸着量
(IA)の比(N2SA/IA)の値が0.85〜0.
98であり、(2)24M4DBP吸収量(24M4)
が105ml/100gを越え125ml/100g未
満、(3)ΔDBP(DBPA−24M4)が25ml
/100gを越え50ml/100g未満、
Description
ゴム組成物に配合される準々超耐摩耗性(IISAF)
級及び準超耐摩耗性(ISAF)級に属するカーボンブ
ラックに関し、より詳しくは当該カーボンブラックを充
填した場合に高苛酷度の条件下で使用されるトラック、
バス用トレッドなどに対して、従来技術から得られるI
ISAF級およびISAF級のカーボンブラックと比較
して同等もしくはより優れた発熱特性(繰り返し変形な
どを受けても発熱する程度が低いという特性)、加工特
性を示すとともに、上位グレードの超耐摩耗性(SA
F)級カーボンブラックと同等もしくはそれ以上の補強
特性を与えることのできるカーボンブラックに関する。
件下の炉内で発生させたおよび/または外部で発生させ
て炉内に導入された高温燃焼ガス中へ原料炭化水素を噴
霧させ、この原料炭化水素の熱分解または不完全燃焼に
より生産される、産業上有用な原材料であり、ゴム配合
時の組成物に対して機械的性質、特に引張り強さ、耐摩
耗性などの特性を飛躍的に向上させることができるとい
う特異な性質を有することから、タイヤをはじめとする
各種ゴム製品の充填補強剤として広く用いられるととも
に、その色彩的特徴である黒色度を利用して各種塗料、
インキ用原材料などとしても利用されている。
化学的特性、すなわちカーボンブラックを構成する単位
粒子径、単位重量当りの表面積(比表面積)、粒子のつ
ながり度合(ストラクチャー)などにより配合ゴム組成
物の性能に大きな影響を与えるので、要求されるゴム組
成物によって各種特性の異なるカーボンブラックが選択
的に使用されている。
るゴム組成物では、高速度で回転して道路面と接触する
ことによる摩損に対する耐性(耐摩耗性)に優れている
と同時に、接触で生じる繰り返し変形によるゴム組成物
の発熱特性に大きな影響を与えるヒステリシス特性も重
要な要素である。
摩耗性の向上は、タイヤ寿命、特に走行距離の増大をも
たらすので、タイヤの耐性にとって非常に大きなメリッ
トをもたらす。
積(小粒子径)化および高ストラクチャー化の方向でカ
ーボンブラックの開発が行われてきた。しかしながら、
耐摩耗性向上の要求は増大し、これに対応するためにカ
ーボンブラック表面の活性度向上(特開平1−2756
43号、特開昭61−207452号、特公平7−64
957号など)や遠心沈降分析により評価されるアグリ
ゲート分布の半値幅を小さくする(特開平6−9313
6号、特開昭63−264647号など)などの技術が
開示されている。
ブラックを用いて耐摩耗性を向上させる手段を採用した
場合、耐摩耗性向上の反面でゴム組成物の発熱性が大き
くなり、またティアー性(伸び特性)や加工性などの性
能が低下するという欠点を招来する。すなわち、耐摩耗
性と発熱性は互いに相反する特性の背反事項であり、こ
れを解決するために種々の技術が提案されている。
ブラックを用いた発明(特公平6−868号、特開昭6
4−74242号、特開昭63−199748号)、凝
集体空隙容積を特定した発明(特公平6−37582
号、特公平6−41540号、特公平7−755号)、
示差走査熱量計(DSC)により測定される粒子間のポ
ア分布モード径を特定した発明(特開平4−32553
5号、特開平4−370126号、特開平5−2555
42号)、希薄水分散物の可視光領域での吸光度の波長
依存性を特定した発明(特開平4−363344号、特
開平5−43740号、特開平5−170973号)な
どが、耐摩耗性と発熱性の性能を両立させる手段、方法
として開示されている。また、高ストラクチャー化によ
る対応も提案されている(特開平6−136289
号)。
項を両立(完全に両立させることは不可能で、ある程度
の点で妥協せざるを得ない)させる目的で前述のような
種々の手段が提唱されているが、末だ十分な性能を兼備
した配合ゴム組成物を与えることのできる特性を持つカ
ーボンブラックは見いだされていないのが現状であり、
本出願人はこれらの特性の両立を目指すとともに、これ
に加えてゴム組成物のティアー性(伸び特性)および加
工性を改良することを目的として特願平9−11183
9号(特開平10−287772号)発明を出願した。
この発明は、「窒素吸着比表面積(N2SA)が140
m2/gを越え200m2/g未満、DBP吸油量(D
BP)が110ml/100gを越え160ml/10
0g未満という基本的特性を有するカーボンブラックに
おいて、(A)N2SAとよう素吸着量(IA)の比
(N2SA/IA)の値が0.85〜0.98であり、
(B)遠心沈降分析により測定したアグリゲート特性で
(i)ストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(Ds
t)が70〜90nmであり、(ii)Dstに対する分
布曲線の半値幅(ΔD50)の比(ΔD50/Dst)
が0.81を越え1.30未満であるタイヤトレッド配
合用カーボンブラックに係わるものであり、配合ゴム組
成物に対して発熱特性(繰り返し変形などを受けても発
熱する程度が低いという特性)を悪化させることなく、
タイヤトレッド配合用として有用な、耐摩耗性、ティア
ー性(伸び特性)および加工性を大幅に改良するという
優れた特性をゴム配合物に付与することのできるカーボ
ンブラックを提供した。
トリックスとの相互作用(この結果として耐摩耗性、引
張り強さなどの機械的性質、ゴムの加工性、粘弾性特性
などに影響を及ぼす)、すなわち結合状態に着目すると
いう原点に戻り、これとカーボンブラックと物理化学特
性との関連性について研究を進め、その結果としてゴム
とカーボンブラックの結合における物理的結合と化学的
結合の割合を変化させることにより従来のカーボンブラ
ックがゴムマトリックスに及ぼす性能とはまったく異な
る性能を与えることができることを見いだして完成され
たものである。
P吸収量で評価)の上限が160ml/100gに限定
されていたために、ゴムマトリックスへの分散性、特に
表面積範囲で180m2/gを上回った場合のゴムへの
分散性および高苛酷条件下での耐摩耗性において若干の
問題点を残していた。
るカーボンブラックの望ましいゴム配合特性・性能、す
なわち耐摩耗性を維持しながら、発熱性やヒステリシス
特性および加工性での低下を発生させないで改良させる
という課題に鋭意取り組み、カーボンブラックアグリゲ
ート特性におけるストークス相当径の分布曲線の最多頻
度値(Dst)に対する分布曲線の半値幅(ΔD50)
の比、ΔD50/Dstを前出願の上限を上回る1.3
0を越え2.50未満という従来よりも非常に大きい範
囲に限定することによりこの課題を解決し、特願平11
−303783号として出願した。
とは観点を変え、IISAF級カーボンブラックの低発
熱性を有しながら、SAF級カーボンブラックと同等も
しくはそれ以上の耐摩耗性を付与するためにIISAF
〜ISAF級カーボンブラックの表面積を有し、前述の
ゴムとカーボンブラックの結合度合いの最適化技術を適
用し、さらにアグリゲート分布を狭小化することにより
耐摩耗性を向上させることを目的としたものである。ま
た、表面活性を低下させることにより、耐摩耗性を向上
させながら加工性を改良することもできるという付加的
目的も有している。
クスに配合した場合に、高苛酷度条件下で使用されるト
ラック、バスなどの大型タイヤのトレッド組成物に対し
て従来技術から得られる同等表面積のカーボンブラック
とほぼ同じ、またはそれ以上の発熱特性と加工性を示す
とともに、一段階以上上のグレードカーボンブラックが
有する耐摩耗特性を発揮することのできるカーボンブラ
ックを提供することにある。
面積(N2SA)が100m2/gを越え140m2/
g未満、DBP吸収量(DBP)が130ml/100
gを越え160ml/100g未満という基本的特性を
有するカーボンブラックにおいて、(1)N2SAとよ
う素吸着量(IA)の比(N2SA/IA)の値が0.
85〜0.98であり、(2)24M4DBP吸収量
(24M4)が105ml/100gを越え125ml
/100g未満、(3)ΔDBP(DBPA−24M
4)が25ml/100gを越え50ml/100g未
満、(4)比着色力が110%を越え125%未満、
(5)遠心沈降分析により測定したアグリゲート特性
で、(i)ストークス相当径の分布曲線の最多頻度値
(Dst)が60〜90nmであり、(ii)ストークス
相当径の分布曲線の最多頻度値(Dst)に対する分布
曲線の半値幅(ΔD50)の比(ΔD50/Dst)が
0.62を越え1.00未満の条件を満たすタイヤトレ
ッド配合用カーボンブラックに関する。
BPの2基本要件が前述の特定範囲にあることは配合ゴ
ム組成物に対して高水準の耐摩耗性を保持するための基
本的特性である。
が互いに融合して形成されるブドウの房状の凝集体(ア
グリゲートとも呼ばれ、ゴムマトリックス中への最小分
散単位)の形態およびその分布が配合ゴム組成物の性能
に大きな影響を及ぼすことは既に公知であり、ゴム組成
物の特性を制御するために凝集体の形態特性を特定範囲
にすることによりゴム組成物の特性を制御するという前
述したような発明が提唱されている。
グリゲート分布の最多頻度値(Dst)の値を60〜9
0nmの範囲とし、さらにDstと分布曲線の半値幅
(ΔD50)の比、ΔD50/Dstの値を0.62を
越え1.00未満の特定範囲とする。これに加え、N2
SAとよう素吸着量(IA)の比(N2SA/IA)の
値を0.85〜0.98とすることが本発明カーボンブ
ラックの特徴となっている。
には配合ゴム組成物に十分な耐摩耗性を確保することが
困難となるので好ましくなく、逆に140m2/gを越
えた場合にはたとえアグリゲート特性が本発明の範囲を
満たして大きくなったとしても従来のISAF級カーボ
ンブラック配合時と比較してゴムマトリックスへの分散
性が低下し、加えて配合ゴムの加工性で低下する傾向が
あるので、100m2/gを越え140m2/gの範囲
とする。より望ましいN2SAの範囲は105〜135
m2/gの範囲である。
う素吸着量(IA)〔よう素吸着量はN2SA値と同様
にカーボンブラックの表面積を評価する他の手段であ
る〕との比、N2SA/IAの値を通常のカーボンブラ
ックの場合よりも低位とすることが必要であり、この値
を0.85〜0.98の範囲とすることが本発明では必
須条件となる。
る0.85を下回った場合には機械的特性が従来のIS
AF級カーボンブラック配合時と比較して低下し、特に
タイヤにおいて最重要特性の1つである耐摩耗性の特性
で低下傾向が出現し、逆に0.98を上回った場合では
従来品配合時よりも加工性や伸び特性において低下が見
られ、さらに高くなった場合には耐摩耗特性も低下する
ので好ましくない。より好適なN2SA/IAの範囲は
0.88〜0.95である。
す基準であるDBP吸収量(DBP)は130ml/1
00gを越え、160ml/100g未満とすることは
本発明のもうlつの必須要件であり、130ml/10
0gを下回った場合には従来のISAF級カーボンブラ
ックと比較して高苛酷度下で十分な耐摩耗性が維持でき
ず、また160m1/100gを上回った場合には従来
品SAF級のカーボンブラック配合時よりもゴム組成物
の粘度が上昇し、加工性と伸び特性での低下が見られる
ので好ましくない。DBPのより望ましい範囲は135
〜155m1/100gである。
である24M4DBP吸収量(24M4)は、規定され
た圧力で4回圧縮処理した試料のDBP吸収量を測定す
るものであり、この特性は混合装置内で混練した後での
DBP吸収量に近似していることから定められたもので
ある。本発明においては、この24M4値が105ml
/100gを越え125ml/100g未満であり、ま
た(DBPA−24M4)で定義されるΔDBP値では
25ml/100gを越え50ml/100g未満であ
ることが要件となっている。
DBP吸収量(24M4)の特性において、本発明の下
限値を下回った場合は耐摩耗性で目標とするSAF級カ
ーボンブラックの基準に到達することができず、逆に上
限値を上回った場合には加工性および伸び特性が低下す
るので好ましくない。また、ΔDBP値が下限値の25
ml/100gを下回った場合にはカーボンブラックの
ゴムマトリックスへの分散性が減少して耐摩耗特性の低
下を招来し、これに対して50ml/100gを越えた
場合は苛酷度が高い場合での耐摩耗性が低下するので好
ましくない。このように、ΔDBP値が大きい、すなわ
ち24M4DBP値に対してDBP値が高い場合では混
練時での初期トルクが上昇し、その結果としてゴム中へ
のカーボンブラックの混入が容易となり、分散性が改良
されるものと予想される。本発明に記載のカーボンブラ
ックの各特性は、下記の方法により測定される。
方法により測定され、単位重量当りの比表面積m2/g
で表示される。
により測定され、単位重量当りのよう素吸着量mg/g
で表示される。
方法で測定され、カーボンブラック100g当りに吸収
されるジブチルフタレート(DBP)のmlで表示され
る。
法で測定され、カーボンブラック100g当りに吸収さ
れるジブチルフタレート(DBP)のmlで表示され
る。
法で測定され、比着色力検定用標準カーボンブラックの
光反射率(R)に対する試料の光反射率(S)との相対
比率(Tint値=100R/S)(%)で表示され
る。
クアグリゲートサイズの分析法 測定装置:高速ディスク遠心法超微粒子粒度分析計(測
定装置名:BI−DCP、BROOKHAVEN IN
STRUMENTS CORPORATION社製) 測定方法:JIS K 6218に基づいて乾燥したカ
ーボンブラック試料を少量の界面活性剤(ノニデットP
−40)を加えよく練ってペースト状にしたのち20容
量%エタノール水溶液と混合しカーボンブラック濃度2
00mg/lの分散液を作成し、超音波ホモジナイザー
で十分に分散させ試料とする。装置の回転数を8,00
0rpmに設定し、スピン液(純水、24℃)を10.
0ml加えたのち、1.0mlのバッファー液(20容
量%エタノール水溶液、24℃)を注入する。次いで2
4℃のカーボンブラック分散液0.5mlを注入し測定
を開始する。カーボンブラック分散液を加えてからの経
過時間と吸光度の分布曲線より各時間tに対応するスト
ークス相当径を式(1)により算出する。
はディスク回転数(rpm)、Δρはカーボンブラック
粒子と溶媒の密度差(g/cm3)、Riはカーボンブ
ラック分散液注入点の半径(cm)、Rdは吸光度測定
点までの半径(cm)、tは時間(分)である。なお、
前記分散液注入点の半径と吸光度測定点までの半径とい
う言葉について以下に説明する。この測定装置は高速で
回転しているので、注入液体は装置容器の外側から満た
される。そこで分散液を注入したときの液の広がり面の
半径が、分散液注入点の半径Riとなる。また、遠心力
によりスピン液中でアグリゲートが沈降してゆくが、所
定時間経過後の沈殿物濃度を測定する点と回転中心点と
の間の距離を吸光度測定点までの半径Rdとするもので
あり、具体的には特開平8−169983号公報記載の
ものと同様である。
幅(ΔD50)の定義 分布曲線における最多頻度値でのストークス相当径をD
stモード径(nm)とし、最多頻度値の50%頻度に
相当する大小2点のストークス相当径の差(半値幅)を
ΔD50(nm)とする。
ら詳しく説明するが、これにより本発明の範囲が限定さ
れるものではないことはいうまでもない。
No.1〜8のカーボンブラックを製造した。
さ400mm)2の内部に炉頭部外周から導入された酸
素含有ガスを整流するための整流板5を有する酸素含有
ガス導入用円筒(内径250mmφ、長さ300mm)
4とその中心軸に燃料導入装置を備え、前記円筒の下流
側は次第に収れんする収れん室(上流端内径370mm
φ、下流端内径80mmφ、収れん角度5.3°)8と
なり、かつ収れん室8の下流側には図2に10B平面で
例示したような4つの原料油噴霧口(10B−1、10
B−2、10B−3、10B−4)を同一平面上に設置
した4つの別個の平面を形成する原料油噴霧口(10A
〜l0D)を含む原料油導入室11を有し、この下流側
は反応室12および反応停止用急冷水圧入噴霧装置(a
〜h)を備えた反応継続兼冷却室(内径140mmφ、
長さ2000mm)13からなる、全体が耐火物で覆わ
れた製造炉を用いた。
℃)のA重油を用い、原料油としては表1に示した性状
の重質油を使用した。
2〜表3に示した操作条件によりIISAF級からSA
F級のカーボンブラックを製造した。
ーボンブラックの製造条件>表2〜表3に記載のカーボ
ンブラック製造条件は、前述の製造装置を用いて実施例
カーボンブラックおよび比較例カーボンブラックを原料
油導入位置、導入総空気量、原料油導入量、原料油導入
圧力および温度、反応停止用冷却水導入位置、燃料導入
量などの条件を調整して製造した条件を示したものであ
る。
(N2SA)の調整は原料油導入量と総空気導入量との
比率を変化させることにより行うことができ、導入空気
量の割合を増加させることにより表面積は増大する。2
つの表面積指標の比であるN 2SA/IAの制御は、カ
ーボンブラック生成反応後の反応停止位置、すなわち原
料油が炉内に導入されてから冷却されるまでの時間によ
り行うことができ、より下流側(反応停止までの時間が
長い)で行うことによりこの値は小さくなる。また、ア
グリゲート特性、すなわち遠心沈降分析によるストーク
ス相当径の最多頻度値(Dst)に対する分布曲線の半
値幅(ΔD50)の比であるΔD50/Dstの制御は
主に原料油の導入位置を変更することにより行った。
よび比較例カーボンブラックの製造条件を表2〜表3
に、製造された各カーボンブラックおよび対照カーボン
ブラックの物理化学的特性を表4〜表5に示した。
カーボンブラックの性能を評価するために、表6に示し
た配合比率でゴム組成物を調製し、これらカーボンブラ
ックの特性試験を行った。その結果を表7および表8に
示した。
の試験条件により測定した。 ゴム特性試験条件 (1)配合ゴム組成物の加硫条件:145℃、30分 (2)耐摩耗性試験:ランボーン摩耗試験機を用い、苛
酷度の高いスリップ率60%で摩耗試験を行い、下式で
算出した対照サンプル旭#80に対する耐摩耗指数(ラ
ンボーン摩耗指数)で表示した。 耐摩耗指数=(S/T)×100 S:対照例(旭#80)配合試験片の摩耗減量 T:供試試験片における摩耗減量 (3)損失正接:(株)岩本製作所製粘弾性スペクトロ
メーター(型式VES−F−III)を用い、下記の測定
条件で損失正接(tanδ)を測定し、対照カーボンブ
ラック(旭#80)に対する指数で表示した。 測定条件 周波数 : 50Hz 動的歪み率 :±1% 測定温度 :25℃ 初期荷重 :160g重 (4)その他のゴム特性 JIS K 6300−1974およびK 6301−
1975に記載の方法に準じて測定した。
有する実施例および比較例のカーボンブラックをゴムに
配合した組成物の測定結果(表7〜8)の結果から、本
発明カーボンブラックの効果を説明する。Run N
o.1〜4のカーボンブラックは本発明にかかるもので
あり、Run No.5〜8のカーボンブラックは本発
明の特定要件のlつまたはそれ以上の要件を外れた比較
例、Run No.9およびNo.10は対照カーボン
ブラック〔ISAF級およびSAF級カーボンブラッ
ク、商品名 旭#80および旭#90、旭カーボン
(株)製〕である。
つであるN2SAが特許請求の範囲の上限を上回った比
較例であり、Run No.6および8はN2SA/I
Aの特性において本発明の上限値を上回った例である。
また、比較例のRun No.6はアグリゲート特性の
ΔD50/Dst値およびDst値において本発明範囲
の上限を上回った例であり、Run No.8は24M
4DBP値、ΔDBP値およびTint値が本発明の範
囲を外れた例である。Run No.7は基本特性の1
つDBPが下限を下回った例である。これらの実施例お
よび比較例カーボンブラックの各特性項目ごとの評価は
次の通りである。
と上昇する傾向がある。本発明品は全てN2SA/IA
の数値が低く、対照例に対してDBP、N2SAを上げ
てもムーニーの上昇は低くおさえられており、本発明の
有意性は明確である。Run No.6、8はN2SA
/IAの値が本発明の上限を越えて高いためにムーニー
は高くなっている。
nδ)特性について 耐摩耗性(ランボーン摩耗指数)と損失正接(tan
δ)の両特性を軸とし、実施例1〜4、比較例5〜8お
よび対照例9〜10をプロットしたものが図5である。
図5より実施例のグループ(Run No.1〜4)と
比較例、対照例のグループは明らかに異なるグループと
して区別することができ、実施例のカーボンブラックは
ISAFクラスの発熱とSAFクラスの耐摩耗性を両立
していることが分かる。比較例5はN2SAが本発明範
囲の下限を下回っているために発熱特性(tanδ)は
良好であるが耐摩耗性が対照例を下回る結果となってし
まっておりメリットがない。一方、比較例6はN2SA
/IAの値が高く、またΔD50/Dstの値も大きい
ために発熱性は対照例とほぼ同等であるが、N2SA、
DBPの2基本特性がほぼ同じ実施例4と比べて耐摩耗
性が大きく低下している。比較例7はDBPが本発明の
下限値を下回っているために耐摩耗性が対照例10と比
較して大きな低下が認められる。比較例8は本発明カー
ボンブラックとほぼ同等の耐摩耗性と発熱特性を示して
いるが、N2SA/IAおよび24M4の特性で本発明
の範囲を外れているために伸びが大きく低下してしま
い、ティアー性で特性の低下が認められる。
される準々超耐摩耗性(IISAF)級及び準超耐摩耗
性(ISAF)級に属するカーボンブラックに関し、よ
り詳しくは当該カーボンブラックを充填した場合に高苛
酷度の条件下で使用されるトラック、バス用トレッドな
どに対して、従来技術から得られるIISAF級および
ISAF級のカーボンブラックと比較して同等もしくは
より優れた発熱特性、加工特性を示すとともに、上位グ
レードの超耐摩耗性(SAF)級カーボンブラックと同
等もしくはそれ以上の補強特性を与えることのできるカ
ーボンブラックを提供することができる。加えて、タイ
ヤトレッド配合用ゴム組成物の特性として重要な伸びお
よび加工性を低下させることなく発熱特性と耐摩耗性を
両立させることができ、産業上有用なカーボンブラック
を提供するものである。
装置を示す部分拡大図であり、(b)は前記(a)にお
ける燃料油噴霧装置7の先端部分拡大図であり、(c)
は(b)のA−A断面図である。
図である。
ラックにおけるランボーン耐摩耗指数と損失正接(ta
nδ)の関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が100
m2/gを越え140m2/g未満、DBP吸収量(D
BP)が130ml/100gを越え160ml/10
0g未満という基本的特性を有するカーボンブラックに
おいて、(1)N2SAとよう素吸着量(IA)の比
(N2SA/IA)の値が0.85〜0.98であり、
(2)24M4DBP吸収量(24M4)が105ml
/100gを越え125ml/100g未満、(3)Δ
DBP(DBPA−24M4)が25ml/100gを
越え50ml/100g未満、(4)比着色力が110
%を越え125%未満、(5)遠心沈降分析により測定
したアグリゲート特性で、 (i)ストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(Ds
t)が60〜90nmであり、 (ii)ストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(Ds
t)に対する分布曲線の半値幅(ΔD50)の比(ΔD
50/Dst)が0.62を越え1.00未満の条件を
満たすタイヤトレッド配合用カーボンブラック。 - 【請求項2】 N2SAとよう素吸着量(IA)の比
(N2SA/IA)が0.88〜0.95である請求項
1記載のタイヤトレッド配合用カーボンブラック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37371799A JP2001181534A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | タイヤトレッド配合用カーボンブラック |
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