JP2001180704A - 樹脂キャップ及び包装容器 - Google Patents

樹脂キャップ及び包装容器

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JP2001180704A
JP2001180704A JP36844199A JP36844199A JP2001180704A JP 2001180704 A JP2001180704 A JP 2001180704A JP 36844199 A JP36844199 A JP 36844199A JP 36844199 A JP36844199 A JP 36844199A JP 2001180704 A JP2001180704 A JP 2001180704A
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cap
resin
resin cap
jis
density polyethylene
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JP36844199A
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English (en)
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Tomonori Goto
友紀 後藤
Hidetoshi Hayashi
秀敏 林
Hiroaki Tsutsumi
博明 堤
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Shibazaki Seisakusho Ltd
Tosoh Corp
Original Assignee
Shibazaki Seisakusho Ltd
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップとして用いたとき、容器内容物の長
期保存性に優れる樹脂キャップを提供する。 【解決手段】 メルトフローレート(JIS K721
0−76;190℃−2.16kg荷重)が0.05〜
10g/10min、密度(JIS K6760−8
1)が0.940〜0.965g/cm3 、ゲル・パー
ミエイション・クロマトグラフィー測定における単分散
性(重量平均分子量/数平均分子量)が7以上の範囲で
ある高密度ポリエチレン系樹脂よりなることを特徴とす
る樹脂キャップを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャップとして用
いたとき、容器内容物の長期保存性に優れる樹脂キャッ
プ、及びこのキャップを有する包装容器に関するもので
ある。詳しくは、樹脂キャップは、環境応力亀裂抵抗性
(Environmental Stress Cra
cking Resistance、以下ESCRとい
う)がキャップの性能に対し、充分に高い値であるとい
う特性を有する。このような特性により、本発明の樹脂
キャップは、キャップの巻き締め応力、環境温度、内容
物の温度、容器内の圧力等の様々な環境応力に対し、長
期的にキャップに発生するクラックを防止し、食料及び
飲料の内容物の種類に関わらず、有用である。
【0002】
【従来の技術】一般的に、樹脂キャップの材料は、ポリ
プロピレン系樹脂であり、キャップ内天面に特公平6−
88608号公報で公知のようなキャップライナーを施
された構造の樹脂キャップが好適に用いられていた。樹
脂キャップ用材料に何故、ポリプロピレン系樹脂と同様
に汎用である高密度ポリエチレン系樹脂が使用されず、
ポリプロピレン系樹脂が好適に用いられたという理由
は、樹脂キャップ成形法で好適に用いられているコンプ
レッションモールド法(具体的には、樹脂キャップ用組
成物を押出機で溶融押出し、一定量(約3g)をホット
カットして、キャップ形状をした金型内に落下させる。
そして、すぐさま押型で加圧冷却させ、キャップ形状に
整え、キャップを作製する。)や射出成形法での成形性
を考慮すると、ある程度、高密度ポリエチレン系樹脂の
流動性が必要となり、そうすると高密度ポリエチレン系
樹脂のESCRが低くなってしまい、クラック発生の原
因となり、樹脂キャップとして使用できなかったためで
ある。また、あまり環境応力のかからない飲料・食料等
の製品用樹脂キャップには、一部キャップライナーが施
されていないタイプのキャップで高密度ポリエチレン系
樹脂が採用されている例はあるが、製品が限定されてし
まうという問題もある。
【0003】そこで、環境応力のかかる飲料・食品等の
製品用キャップライナーレスタイプの樹脂キャップは、
高密度ポリエチレン系樹脂が使用できず、ポリプロピレ
ン系樹脂が採用されている。しかし、ポリプロピレン系
樹脂製樹脂キャップは、ポリプロピレン系樹脂の短所で
ある表面平滑性不良のため、キャップの開栓トルクが適
正キャップ開栓トルクより高くなってしまい、それを改
良するため、脂肪酸アミドのようなスリップ剤の添加を
余儀なくされる。このため、スリップ剤の製品内容物中
への溶出が起こらず、このスリップ剤による香味阻害を
防ぐことができる樹脂キャップが要望されている。
【0004】このように、従来の樹脂キャップでは、高
密度ポリエチレン系樹脂の低ESCR、ポリプロピレン
系樹脂製樹脂キャップの香味阻害等の問題を抱えてお
り、樹脂キャップ性能に対し、充分なESCRを有する
高密度ポリエチレン系樹脂製からなる樹脂キャップが要
望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、キャ
ップ成形性が良好で、樹脂キャップ性能に対し、充分な
ESCRを有する高密度ポリエチレン系樹脂からなる樹
脂キャップを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らが鋭
意検討した結果、メルトフローレート、密度及び単分散
性(重量平均分子量/数平均分子量)が特定範囲内であ
る高密度ポリエチレン系樹脂を樹脂キャップに用いるこ
とにより、キャップ成形性が良好で、樹脂キャップ性能
に対し、充分なESCRを有することを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、メルトフロ
ーレート(JIS K7210−76;190℃−2.
16kg荷重)が0.05〜10g/10min、密度
(JISK6760−81)が0.940〜0.965
g/cm3 、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ
ィー測定における単分散性(重量平均分子量/数平均分
子量)が7以上の範囲である高密度ポリエチレン系樹脂
からなることを特徴とする樹脂キャップである。
【0007】本発明に用いられる高密度ポリエチレン系
樹脂は、メルトフローレート(JIS K7210−7
6;190℃−2.16kg荷重)が0.05〜10g
/10min、密度(JIS K6760−81)が
0.940〜0.965g/cm3 、ゲル・パーミエイ
ション・クロマトグラフィー測定における単分散性(重
量平均分子量/数平均分子量)が7以上の範囲である。
【0008】高密度ポリエチレン系樹脂は、メルトフロ
ーレート(JIS K7210−76;190℃−2.
16kg荷重、以下MFRという)が0.05〜10g
/10minであり、好ましくは0.3〜5g/10m
inである。MFRが0.05g/10min未満では
コンプレッションモールド成形等のキャップ成形時に押
出負荷がかかりすぎ、成形性が不良となり、10g/1
0minを越えるとESCRが劣る。
【0009】該高密度ポリエチレン系樹脂の密度(JI
S K6760−81)は0.940〜0.965g/
cm3 であり、好ましくは0.942〜0.963g/
cm 3 である。密度が0.940g/cm3 未満では剛
性に劣り、0.965g/cm3 を越えるとESCRが
劣る。また該高密度ポリエチレン系樹脂は、重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される
単分散性(Mw/Mn)が7以上であり、好ましくは、
9〜40であるという特性を有する。単分散性が7未満
では、分子量分布が狭すぎるため、キャップ成形性が不
良で、しかもESCRが劣り、40を越えると高密度ポ
リエチレン系樹脂は、製造上困難を要し、入手し難い。
尚、MwとMnの測定方法は、ゲル・パーミエイション
・クロマトグラフィー(日本ミリポア社製、装置名「A
LC/GPC150C」(カラム:東ソー株式会社製、
商品名「GMHHR−H(S)」3本、溶媒:1,2,
4−トリクロルベンゼン、温度:140℃、流量1.0
ml/分、注入濃度1mg/1ml、注入量300μ
l)を用いて測定した。なお、東ソー株式会社製標準ポ
リスチレンを用いて、ユニバーサルキャリプレーション
法によりカラム溶出体積は校正した。
【0010】また、測定条件の異なるメルトフローレー
トの比によって表されるN値(メルトフローレート(J
IS K7210−76:190℃−21.6kg荷
重)/メルトフローレート(JIS K7210−7
6:190℃−2.16kg荷重))が50以上、好ま
しくは、70〜300の範囲であることがキャップ成形
性、ESCRを考慮するとより好ましい。さらに、成形
された樹脂キャップのヘッドスペース・ガスクロマトグ
ラフィーにおける揮発分量(チャート上での1〜35秒
間の全ピーク面積)が500mV/sec以下であるこ
とが内容物に対する香味阻害が少なく、より好ましい。
【0011】高密度ポリエチレン系樹脂は、公知な製造
方法を用い、製造できるが、一般的にチタン、ジルコニ
ウム等の還移金属化合物、マグネシウム化合物、及び有
機アルミニウム化合物からなる高活性チーグラー系触媒
やジルコニウム、ハフニウム、チタン等の還移金属に少
なくとも一つのシクロペンタジニエル基及び置換シクロ
ペンタジニエル基を有するメタロセン系触媒を重合用触
媒として用い、エチレン、もしくは、エチレンと炭素数
3〜20のα−オレフィンを所望の密度となる割合にし
て共重合することにより、好適に製造することができ
る。
【0012】高密度ポリエチレン系樹脂の中でも揮発分
の生成を抑制し、香味阻害が少ないメタロセン系触媒に
より製造した高密度ポリエチレン系樹脂やエアーレーシ
ョン(高密度ポリエチレン系樹脂を一定時間、空気等の
気体にさらす)等の処理したものを使用することがより
好ましい。重合方法としては、スラリー重合、気相重
合、溶液重合等を例示することができる。
【0013】ここで、エチレンとの共重合に用いられる
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ド
デセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペン
タデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−
オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンなどを
挙げることができ、エチレンと1種以上のα−オレフィ
ンとの共重合体で、1種又は2種以上のブレンド物を用
いることができる。
【0014】具体的な製造方法として、炭素数が6〜1
0の飽和炭化水素の重合媒体、例えば、ノルマルヘキサ
ン、ノルマルヘプタン等を用いるスラリー重合におい
て、多段重合法を採用すると良い。この多段重合法とし
て、密度が0.94〜0.98g/cm3 の低分子量成
分と、密度が0.92〜0.95g/cm3 で該低分子
量より密度の低い高分子量成分の二成分とからなり、該
二成分の重合生成量比が低分子量成分:高分子量成分=
20:80〜80:20である、二段重合法が例示でき
る。
【0015】本発明の樹脂キャップは、前記の高密度ポ
リエチレン系樹脂から構成されている。本発明の樹脂キ
ャップに用いられる樹脂キャップ用組成物は、必要に応
じて熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、耐熱安定
剤、耐侯安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、有機過酸化
物、界面活性剤、防曇剤、流滴剤、核剤、顔料、染料、
シリカ、タルク、マイカ、カーボン、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、金属ステアレート、木粉、コルク粉
末、セルロースパウダー等の無機あるいは、有機の添加
剤、充填剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加して
も良い。特に熱劣化を防止するため、フェノール系、ヒ
ンダードフェノール系、リン系及びイオウ系等の耐熱安
定剤、組成物の粘度を調整するため、ジアルキルパーオ
キサイド系及びジアシルパーオキサイド系等の有機過酸
化物、触媒の活性を失活させるため、カルシウムステア
レート、ジンクステアレート等の金属ステアレート、樹
脂キャップ着色のため、酸化チタン、フタロシアニンブ
ルー等の顔料が好適に用いられる。
【0016】本発明の樹脂キャップ成形品を得るには、
前記の高密度ポリエチレン系樹脂を単独で使用するか、
あるいは、前記した無機あるいは、有機の添加剤、充填
剤を添加する場合は、公知な種々の方法、例えば、ヘン
シェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、
タンブラーブレンダー等で混合後、一軸押出機、二軸押
出機、ニーダー及びバンバリーミキサー等で溶融混練
し、造粒あるいは粉砕する方法か、もしくは事前に溶融
混練せずにドライブレンド品又はオートフィーダーによ
るブレンド方法を用い、直接混練りする方法で樹脂キャ
ップ用組成物を得て、コンプレッションモールド法また
は、射出成形法によりキャップ成形を行い、樹脂キャッ
プを得るという方法を採用すれば良い。また、得られた
樹脂キャップに、インシェルモールド法(キャップライ
ナー材用組成物を押出機で溶融押出し、一定量(約30
0mg)をホットカットして、得られた樹脂キャップの
シェル内に落下させる。すぐさま押型で加圧冷却させ、
ライナー形状に整え、キャップを作製する。)により、
キャップライナーを施した樹脂キャップを得ても良い。
【0017】本発明の樹脂キャップの特徴は、メルトフ
ローレート、密度及び単分散性(重量平均分子量/数平
均分子量)を特定範囲に限定した高密度ポリエチレン系
樹脂を用いることで、従来の樹脂キャップにはない、キ
ャップ成形性を考慮し、キャップ性能に対し、充分なE
SCRを有し、容器内容物の長期保存性に優れた樹脂キ
ャップである。上記の特徴より本発明の樹脂キャップを
次に記載の内容物を充填した包装容器用のキャップとし
て用いることにより、清涼飲料(炭酸飲料、果汁飲料、
スポーツ飲料等)、アルコール飲料、コーヒー飲料、茶
飲料、ミネラルウォーター、ドレッシング、焼き肉等用
タレ、調味用ソース、マヨネーズ、サラダ油及びゴマ油
等の食料及び飲料の長期保存性に問題なく、有用であ
り、その中でもボトル内圧が高くなり、高ESCRが必
要となる炭酸飲料用に用いることが、特に有用である。
【0018】
【発明の実施の形態】次に実施例を挙げて本発明を更に
具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り、これらの実施例に制約されるものではない。
【0019】
【実施例】実施例及び比較例では市販品、又は以下に示
した製造方法により得られた高密度ポリエチレンを用い
た。 〈高密度ポリエチレン系樹脂の製造例〉比較例の一部で
用いた上市グレード品以外は、二段スラリー重合法にて
製造を行った。一段目の重合で、十分窒素置換し、n−
ヘキサンを仕込んだ内容量370Lの攪拌機を備えた重
合器を内温を85℃、内圧を30kg/cm2 Gに調整
し、n−ヘキサンを100kg/h、エチレンを15〜
25kg/h、水素を対エチレン濃度比0.6〜0.8
モル/モル、チーグラー系触媒を0.5g/h、助触媒
として、トリーi−ブチルアルミニウムを75ミリモル
/hになるようにそれぞれ連続的に供給し、密度0.9
6〜0.98g/cm3 の低分子量エチレン・ブチン−
1共重合体を得た。一段目の重合体を含むヘキサンスラ
リーは、フラッシュタンクにて未反応の水素、エチレン
を除去した後、n−ヘキサンを仕込んだ内容量545L
の攪拌機を備えた重合器に連続的に投入し、内温を80
℃、内圧を20kg/cm2 Gに調整し、n−ヘキサン
を95kg/h、エチレンを15〜25kg/h、水素
を対エチレン濃度比0.05〜0.08モル/モル、ブ
チン−1を0.5〜3kg/hになるようそれぞれ連続
的に供給し、高分子量エチレン・ブテン−1共重合体の
重合生成重量比が低分子量エチレン・ブテン−1共重合
体成分:高分子量エチレン・ブテン−1共重合体成分=
35:65〜65:35となるように高分子量エチレン
・ブテン−1共重合体を二段目で重合し、高密度ポリエ
チレン系樹脂を得た。実施例及び比較例における各種成
形方法、評価方法を以下に示す。
【0020】〈Mw/Mn(単分散性)の測定〉ゲル・
パーミエイション・クロマトグラフィー(日本ミリポア
社製、装置名「ALC/GPC150C」(カラム:東
ソー株式会社製、商品名「GMHHR−H(S)」3
本、溶媒:1,2,4−トリクロルベンゼン、温度:1
40℃、流量1.0ml/分、注入濃度1mg/1m
l、注入量300μl)を用いて測定した。なお、東ソ
ー株式会社製標準ポリスチレンを用いて、ユニバーサル
キャリブレーション法によりカラム溶出体積は校正し
た。
【0021】〈樹脂キャップ成形方法〉樹脂キャップの
成形は、一般的にキャップ成形に用いられるコンプレッ
ションモールド法により行った。具体的には、L/D=
25mm、65mmφの田辺プラスチックス機械株式会
社製単軸押出機を用い、樹脂キャップ用材料を樹脂温度
210℃、スクリュ回転数100rpm、吐出量50k
g/hで溶融混練させ、ダイヘッド部に開けられた15
mmφの穴から1本のストランドを出す。ダイヘッド部
より出てきたストランドをそのまま3gとなるようにカ
ッターを用い、ホットカットする。ホットカットした溶
融ペレットを28mmφ樹脂キャップ用の成形金型の中
心に落下させ、すぐさま圧力3kg/cm2 で加圧冷却
し、樹脂キャップ形状に整え、樹脂キャップを作製す
る。
【0022】〈ESCR〉JIS K6760に記載の
定ひずみ環境応力き裂試験の方法に準じ、試験を行っ
た。試験液として、界面活性剤であるノニオンNS21
0の10重量%水溶液を用いた。ESCR値は、10個
の試験片のき裂発生時間を対数確率紙に記入し、グラフ
から50%き裂発生時間を求めた。
【0023】〈キャップライナー成形方法〉キャップラ
イナーの成形は、一般的にキャップライナー成形に用い
られるインシェルモールド法により行った。具体的に
は、L/D=25mm、40mmφの田辺プラスチック
ス機械株式会社製単軸押出機を用い、ポリプロピレン3
0重量%(チッソ株式会社製チッソポリプロK180
0)、熱可塑性エラストマー40重量%(シェルジャパ
ン株式会社製クレイトンG1651)、流動パラフィン
29.5重量%(エッソ石油株式会社製クリストールJ
262)及びスリップ剤0.5重量%(日本精化株式会
社製ニュートロンS)よりなるキャップライナー用組成
物を樹脂温度200℃、スクリュ回転数30rpm、吐
出量8kg/hで溶融混練させ、ダイヘッド部に開けら
れた8mmφの穴から1本のストランドを出す。ダイヘ
ッド部より出てきたストランドをそのまま300mgと
なるようにカッターを用い、ホットカットする。ホット
カットした溶融ペレットを先に得られた28mmφ樹脂
キャップの内天面中心に落下させ、すぐさま圧力2kg
/cm 2で加圧冷却し、キャップライナー形状に整え、
キャップライナーを施した樹脂キャップを作製する。ま
た、本発明で用いた試験測定方法は次の通りである。
【0024】〈キャップ成形性評価〉樹脂キャップ成形
方法に基づき作製された樹脂キャップ1000個が正確
な形状のキャップになる成功率を測定する。
【0025】〈長期保存試験〉500ml用PET製ボ
トルに炭酸ガス濃度が500mlに対し、5.0vol
umeとなる炭酸ガス水を5℃の条件下で500ml充
填し、作製したサンプル樹脂キャップを用い、キャップ
巻き締めを18kg−cmのトルクで行い、長期保存試
験用ボトルを作製した。5℃、24時間ボトルを正立
し、その後、55℃の温水槽に沈め、長期保存試験を行
う。樹脂キャップのクラック発生や内溶液の漏れの状況
を目視にて確認する。長期保存試験の最大時間は、50
0時間とする。
【0026】〈キャップ開栓トルク測定〉長期保存試験
用ボトルを5℃で1週間保管した後、すぐさま、キャッ
プ開栓トルク測定器(シンポ工業株式会社製TNK−6
0B)により、テストPET製ボトルに巻き締められた
キャップの開栓トルクの測定を行った。尚、キャップの
開栓トルクの測定値は、10本のテストPET製ボトル
を用い、その平均値である。また、キャップ開栓トルク
の適正値は、8〜15kg−cmである。
【0027】〈揮発分量の測定〉ヘッドスペース・ガス
クロマトグラフィー(島津製作所製、装置名「GC9
A」)に樹脂キャップを細かく粉砕した試料を適正量セ
ットし、150℃で30分間加熱し、その揮発分の測定
を行った。測定チャート上での1〜35秒間の全ピーク
面積を求め、それを揮発分量とした。
【0028】〈香味試験〉500ml用PET製ボトル
に80℃の蒸留水を500ml充填し、作製したサンプ
ル樹脂キャップを用い、キャップ巻き締めを18kg−
cmのトルクで行った。その後、キャップの天面から9
0℃の熱水を5分間シャワーし、十分に常温に冷却して
香味試験用ボトルを得た。香味試験用ボトルを横に寝か
せ、50℃で2週間保管した後の蒸留水を人間の嗅覚、
味覚の官能試験により、充填前の蒸留水との香味の変化
を観た。香味変化が感じられなかったものには、○、若
干の変化が感じられたものには、△、明らかな変化が感
じられたものには、×と表示し、試験を行った。尚、5
人による官能試験で行った。そして、その総合評価とし
て、香味阻害が認められなかったものに対しては、◎
(全員が○の場合)、○(×がなく、△が2人以下で他
が○の場合)、若干の香味阻害が認められたものに対し
ては、△(×がなく、△が3人以上で他が○の場合)及
び×(1人でも×がある場合)と表示した。
【0029】実施例1 高密度ポリエチレン系樹脂(メルトフローレート(JI
S K7210−76;190℃−2.16kg荷
重)、以下MFRという)0.8g/10min、密度
(JIS K6760−81)0.956g/cm3
単分散性15、N値98、以下HDPE−1という)を
99重量%及び酸化チタン(石原産業株式会社製タイペ
ークCR−60)が1重量%を、タンブラーブレンダー
で15分混合後、L/D=36mm、57mmφの東芝
機械株式会社製二軸押出機で樹脂温度210℃で溶融混
練、造粒し、樹脂キャップ用材料を得た。その材料を用
い、キャップ成形性評価、長期保存試験及びキャップ開
栓トルク測定を行い、試験結果を表1に示す。
【0030】実施例2 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂(MFR2g/10min、密度(JIS K6
760−81)0.950g/cm3 、単分散性25、
N値185、以下HDPE−2という)に変更し、実施
例1の要領で樹脂キャップ用材料を得た。試験結果を表
1に示す。
【0031】実施例3 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂(MFR2g/10min、密度(JIS K6
760−81)0.943g/cm3 、単分散性25、
N値212、以下HDPE−3という)に変更し、実施
例1の要領で樹脂キャップ用材料を得た。試験結果を表
1に示す。
【0032】比較例1 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂(東ソー株式会社製ニポロンハード5700、M
FR1g/10min、密度(JIS K6760−8
1)0.953g/cm3 、単分散性6、N値35、以
下HDPE−4という)に変更し、実施例1の要領で樹
脂キャップ用材料を得た。試験結果を表1に示す。
【0033】比較例2 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂(MFR20g/10min、密度(JIS K
6760−81)0.951g/cm3 、単分散性1
5、N値61、以下HDPE−5という)に変更し、実
施例1の要領で樹脂キャップ用材料を得た。試験結果を
表1に示す。
【0034】比較例3 実施例1において、HDPE−1を高密度ポリエチレン
系樹脂(東ソー株式会社製ニポロンハード5400、M
FR0.85g/10min、密度(JISK6760
−81)0.958g/cm3 、単分散性5、N値3
7、以下HDPE−6という)に変更し、実施例1の要
領で樹脂キャップ用材料を得た。試験結果を表1に示す
が、キャップ成形時に押出負荷が大きく、キャップ成形
が行えず、キャップ成形品が得られなかった。
【0035】比較例4 実施例1において、HDPE−1をポリプロピレン系樹
脂(チッソ株式会社製チッソポリプロK7014、メル
トフローレート(JIS K7210−76;230℃
−2.16kg)3g/10min、以下PP−1とい
う)に変更し、実施例1の要領で樹脂キャップ用材料を
得た。試験結果を表1に示す。
【0036】実施例4 実施例2において使用したHDPE−2をエアレーショ
ン処理(50℃の温度で、48時間、空気にさらした)
した高密度ポリエチレン系樹脂(以下、HDPE−7と
いう)に変更し、実施例1の要領で樹脂キャップ用材料
を得た。試験結果を表1に示す。
【0037】実施例5 実施例2で成形した樹脂キャップにキャップライナー成
形方法に基づきキャップライナーを施した樹脂キャップ
を用い、長期保存試験及びキャップ開栓トルク測定を行
い、試験結果を表1に示す。
【0038】比較例5 実施例5において、樹脂キャップを比較例1で成形した
ものに変更し、実施例5の要領で試験を行った。試験結
果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の樹脂キャップは、従来公知の樹
脂キャップには無い、キャップ成形性が良好で、なおか
つ、容器内容物の長期保存性に優れるという特長を持
ち、有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 博明 栃木県下都賀郡野木町大字野木148番地 株式会社柴崎製作所内 Fターム(参考) 3E084 CC04 DC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレート(JIS K721
    0−76;190℃−2.16kg荷重)が0.05〜
    10g/10min、密度(JIS K6760−8
    1)が0.940〜0.965g/cm3 、ゲル・パー
    ミエイション・クロマトグラフィー測定における単分散
    性(重量平均分子量/数平均分子量)が7以上の範囲で
    ある高密度ポリエチレン系樹脂よりなることを特徴とす
    る樹脂キャップ。
  2. 【請求項2】 測定条件の異なるメルトフローレートの
    比によって表されるN値(メルトフローレート(JIS
    K7210−76;190℃−21.6kg荷重)/
    メルトフローレート(JIS K7210−76;19
    0℃−2.16kg荷重))が50以上である高密度ポ
    リエチレン系樹脂からなる請求項1に記載の樹脂キャッ
    プ。
  3. 【請求項3】 ヘッドスペース・ガスクロマトグラフィ
    ーにおける揮発分量(チャート上での1〜35秒間の全
    ピーク面積)が500mV/sec以下であることを特
    徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の樹脂キャッ
    プ。
  4. 【請求項4】 炭酸飲料用キャップに用いることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂キャップ。
  5. 【請求項5】 コンプレッションモールド法によりキャ
    ップ成形されることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の樹脂キャップ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂キ
    ャップを使用することを特徴とする包装容器。
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