JP2001178495A - 菌体の分離方法 - Google Patents

菌体の分離方法

Info

Publication number
JP2001178495A
JP2001178495A JP37441599A JP37441599A JP2001178495A JP 2001178495 A JP2001178495 A JP 2001178495A JP 37441599 A JP37441599 A JP 37441599A JP 37441599 A JP37441599 A JP 37441599A JP 2001178495 A JP2001178495 A JP 2001178495A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chitosan
cells
polymer flocculant
cationic polymer
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37441599A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuneyasu Adachi
恒康 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP37441599A priority Critical patent/JP2001178495A/ja
Publication of JP2001178495A publication Critical patent/JP2001178495A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発酵液から菌体を凝集分離して有価物を回収す
るに際して、高価な凝集剤であるキトサンの使用量を低
減して、経済的に有価物を回収することができる菌体の
分離方法を提供する。 【解決手段】発酵液に、一般式[1]で表されるアミジ
ン単位を有するカチオン性高分子凝集剤とキトサンを添
加することにより、発酵液中の菌体を凝集することを特
徴とする菌体の分離方法、及び、発酵液に、一般式
[1]で表されるアミジン単位を有するカチオン性高分
子凝集剤とキトサンを添加することにより発酵液中の菌
体を凝集し、さらにアニオン性高分子凝集剤を添加して
凝集フロックを粗大化することを特徴とする菌体の分離
方法。ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基で
あり、X-は塩形成アニオンである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、菌体の分離方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、発酵液から菌体を
凝集分離して有価物を回収するに際して、高価な凝集剤
であるキトサンの使用量を低減して、経済的に有価物を
回収することができる菌体の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物培養により有価物を生産した場
合、有価物と菌体を分離する工程が必要である。発酵液
の菌体分離において、キトサンとポリアクリル酸ナトリ
ウムを用いて菌体を凝集して分離する方法が知られてい
る。キトサンとポリアクリル酸ナトリウムが使用される
のは、目的有価物が液中に残留して、菌体のみを凝集す
るのに適したポリマーであるためである。しかし、従来
のキトサンとポリアクリル酸ナトリウムによる菌体の凝
集分離においては、凝集に多量のキトサンを必要とし
た。キトサンは、天然物であるキチンの脱アセチル化に
より得られる物質であるために、供給量が必ずしも十分
でなく、比較的高価であり、また、キトサンの溶解には
酸が必要となるので、菌体の分離コストの増大に繋がっ
ていた。このために、目的とする有価物の失活を最小限
に抑え、発酵液から経済的に菌体を分離することができ
る菌体の分離方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発酵液から
菌体を凝集分離して有価物を回収するに際して、高価な
凝集剤であるキトサンの使用量を低減して、経済的に有
価物を回収することができる菌体の分離方法を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のアミジン単
位を有するカチオン性高分子凝集剤により、キトサンの
相当部分を代替しても、全量キトサンを使用した場合と
同様に良好な分離効果が得られることを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、(1)発酵液に、一般式[1]で表されるア
ミジン単位を有するカチオン性高分子凝集剤とキトサン
を添加することにより、発酵液中の菌体を凝集すること
を特徴とする菌体の分離方法、
【化3】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
り、X-は塩形成アニオンである。)、及び、(2)発
酵液に、一般式[1]で表されるアミジン単位を有する
カチオン性高分子凝集剤とキトサンを添加することによ
り発酵液中の菌体を凝集し、さらにアニオン性高分子凝
集剤を添加して凝集フロックを粗大化することを特徴と
する菌体の分離方法、
【化4】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
り、X-は塩形成アニオンである。)、を提供するもの
である。さらに、本発明の好ましい態様として、(3)
カチオン性高分子凝集剤中の一般式[1]で表されるア
ミジン単位が、20〜90モル%である第1項記載の菌
体の分離方法、(4)カチオン性高分子凝集剤の1モル
/L塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定し
た固有粘度が、1dL/g以上である第1項記載の菌体の
分離方法、(5)キトサンの脱アセチル化率が、80モ
ル%以上である第1項記載の菌体の分離方法、(6)キ
トサンの0.3モル/L酢酸と0.1モル/L酢酸ナトリ
ウムを含む水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘
度が、0.3〜30dL/gである第1項記載の菌体の分
離方法、(7)カチオン性高分子凝集剤とキトサンの添
加量の合計が、菌体乾燥重量の0.5〜5重量%である
第1項記載の菌体の分離方法、(8)カチオン性高分子
凝集剤とキトサンの合計量に占めるカチオン性高分子凝
集剤の割合が、40〜90重量%である第1項記載の菌
体の分離方法、(9)カチオン性高分子凝集剤中の一般
式[1]で表されるアミジン単位が、20〜90モル%
である第2項記載の菌体の分離方法、(10)カチオン
性高分子凝集剤の1モル/L塩化ナトリウム水溶液を溶
媒として30℃で測定した固有粘度が、1dL/g以上で
ある第2項記載の菌体の分離方法、(11)キトサンの
脱アセチル化率が、80モル%以上である第2項記載の
菌体の分離方法、(12)キトサンの0.3モル/L酢
酸と0.1モル/L酢酸ナトリウムを含む水溶液を溶媒
として30℃で測定した固有粘度が、0.3〜30dL/
gである第2項記載の菌体の分離方法、(13)カチオ
ン性高分子凝集剤とキトサンの添加量の合計が、菌体乾
燥重量の0.5〜5重量%である第2項記載の菌体の分
離方法、(14)カチオン性高分子凝集剤とキトサンの
合計量に占めるカチオン性高分子凝集剤の割合が、40
〜90重量%である第2項記載の菌体の分離方法、(1
5)アニオン性高分子凝集剤の2モル/L塩化ナトリウ
ム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が、1
dL/g以上である第2項記載の菌体の分離方法、を挙げ
ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の菌体の分離方法の第1の
態様においては、発酵液に、一般式[1]で表されるア
ミジン単位を有するカチオン性高分子凝集剤とキトサン
を添加することにより、発酵液中の菌体を凝集する。本
発明の第2の態様は、発酵液に、一般式[1]で表され
るアミジン単位を有するカチオン性高分子凝集剤とキト
サンを添加することにより、発酵液中の菌体を凝集し、
さらにアニオン性高分子凝集剤を添加して凝集フロック
を粗大化する。
【化5】 ただし、一般式[1]において、R1及びR2は水素又は
メチル基であり、X-は塩形成アニオンである。本発明
方法を適用し得る菌体に特に制限はなく、例えば、枯草
菌、真菌、酵母などの産業上利用される微生物を挙げる
ことができる。また、本発明方法を適用し得る菌体の生
産する有価物にも特に制限はなく、例えば、酵素などの
生理活性蛋白質、ペプチド、アミノ酸、ビタミン類、脂
質、有機酸などを挙げることができる。
【0006】一般式[1]で表されるアミジン単位を有
するカチオン性高分子凝集剤は、N−ビニルカルボン酸
アミド又はN−イソプロペニルカルボン酸アミド及びア
クリロニトリル又はメタクリロニトリルを共重合し、得
られた共重合体を加水分解及びアミジン化することによ
って得ることができる。N−ビニルカルボン酸アミドと
しては、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル
アセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニ
ルブチルアミド、N−ビニルバレルアミドなどを挙げる
ことができる。N−イソプロペニルカルボン酸アミドと
しては、例えば、N−イソプロペニルホルムアミド、N
−イソプロペニルアセトアミド、N−イソプロペニルプ
ロピオンアミド、N−イソプロペニルブチルアミド、N
−イソプロペニルバレルアミドなどを挙げることができ
る。また、必要に応じて、N−ビニルカルボン酸アミド
又はN−イソプロペニルカルボン酸アミド及びアクリロ
ニトリル又はメタクリロニトリルと共重合可能な他の単
量体を共重合することができる。共重合可能な他の単量
体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタク
リルアミドなどを挙げることができる。N−ビニルカル
ボン酸アミド又はN−イソプロペニルカルボン酸アミド
とアクリロニトリル又はメタクリロニトリルとの共重合
方法に特に制限はなく、溶液重合、懸濁重合、乳化重合
などを選ぶことができる。例えば、使用する単量体も生
成する共重合体も水溶性であれば、水溶液重合が可能で
ある。水溶液重合により得られた共重合体は、そのまま
又は単離したのち、加水分解及びアミジン化反応に供す
ることができる。使用する重合開始剤に特に制限はな
く、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、
2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩など
を挙げることができる。
【0007】N−ビニルカルボン酸アミド又はN−イソ
プロペニルカルボン酸アミドとアクリロニトリル又はメ
タクリロニトリルの共重合体の水溶液又は水分散液を、
酸又はアルカリの存在下に加熱することにより、共重合
体中の酸アミド単位を加水分解してアミン単位とし、さ
らにアミン単位と隣接するニトリル単位との反応により
一般式[1]で示されるアミジン単位を生成するアミジ
ン化反応を行うことができる。共重合体の構造と目的と
する加水分解率及びアミジン化率に応じて、反応条件を
適宜選択することができる。通常は上記の共重合体を5
〜80重量%の水溶液又は水分散液とし、酸を加えて4
0〜100℃に加熱することにより加水分解及びアミジ
ン化反応を行うことができる。酸による加水分解及びア
ミジン化反応を行うことにより、得られるカチオン性高
分子凝集剤のアミノ基はアンモニウム塩を形成する。加
水分解に使用する酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫
酸、酢酸などを挙げることができ、一般式[1]におけ
るX-は、Cl-、NO3 -、HSO4 -、CH3COO-など
となる。本発明の菌体の分離方法において、カチオン性
高分子凝集剤中の一般式[1]で示されるアミジン単位
は、共重合体中の全構造単位の20〜90モル%である
ことが好ましく、35〜80モル%であることがより好
ましい。本発明方法に用いるアミジン単位を有するカチ
オン性高分子凝集剤は、高分子量であることが好まし
く、分子量の指標となる1モル/L塩化ナトリウム水溶
液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が1dL/g以
上であることが好ましく、3dL/g以上であることがよ
り好ましい。
【0008】本発明方法に用いるキトサンは、かに、え
びなどの甲殻類のキチン質を濃アルカリ溶液と加熱し、
脱アセチル化することにより得ることができる。使用す
るキトサンに特に制限はないが、脱アセチル化率が80
モル%以上であることが好ましく、85モル%以上であ
ることがより好ましい。キトサンの脱アセチル化率は、
キトサンのアミノ基を定量することにより求めることが
できる。キトサンのアミノ基の定量は、キトサンを希酸
溶液とし、指示薬としてメチレンブルーを用いてポリビ
ニル硫酸カリウムでコロイド滴定して行うことができ
る。脱アセチル化率80モル%以上は、キトサンのpH
4.0におけるコロイド当量値で4.7meq/g以上に相
当する。キトサンの脱アセチル化率が80モル%未満で
あると、カチオン量が少ないので必要とする添加量が多
くなるおそれがある。本発明方法に使用するキトサンの
物性に特に制限はないが、分子量が1万〜100万であ
り、0.3モル/L酢酸と0.1モル/L酢酸ナトリウム
を含む水溶液を溶媒として30℃において測定した固有
粘度が0.3〜30dL/gであることが好ましい。分子量
が高いキトサンほど菌体の凝集性は優れるが、目的とす
る有価物の回収率が低下する場合があるので、発酵液の
凝集性と目的物の回収率から最適な分子量のキトサンを
選択することが好ましい。
【0009】本発明方法において、一般式[1]で表さ
れるアミジン単位を有するカチオン性高分子凝集剤とキ
トサンの添加量の合計は、通常、菌体乾燥重量の0.5
〜5重量%であることが好ましい。また、一般式[1]
で表されるアミジン単位を有するカチオン性高分子凝集
剤とキトサンの合計量に占める該カチオン性高分子凝集
剤の割合は、40〜90重量%であることが好ましい。
一般式[1]で表されるアミジン単位を有するカチオン
性高分子凝集剤の割合が多いほど、キトサンの必要量が
少なくなり、処理コストの低減に繋がる。一般式[1]
で表されるアミジン単位を有するカチオン性高分子凝集
剤とキトサンの添加方法に特に制限はなく、例えば、そ
れぞれを水溶液として別々に添加することができ、ある
いは、混合溶液として一度に添加することもできる。両
者を別々に添加する場合は、いずれを最初に添加しても
よく、また、両者を同時に添加することもできる。本発
明方法において、一般式[1]で表されるアミジン単位
を有するカチオン性高分子凝集剤とキトサンを添加して
凝集した菌体の分離方法に特に制限はなく、例えば、遠
心分離、膜分離などにより分離することができる。
【0010】本発明方法に用いるアニオン性高分子凝集
剤に特に制限はなく、例えば、ポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、ポリアクリルアミドの部分加水分解物、ア
クリル酸とアクリルアミドの共重合体、アクリル酸と2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の共
重合体、アクリル酸とアクリルアミドとビニルスルホン
酸の三元共重合体、さらに、これらの重合体のナトリウ
ム塩、カリウム塩などを挙げることができる。アニオン
性高分子凝集剤は、高分子量であることが好ましく、分
子量の指標となる2モル/L塩化ナトリウム水溶液を溶
媒として30℃で測定した固有粘度が1dL/g以上であ
ることが好ましく、5dL/g以上であることがより好ま
しい。本発明方法において、一般式[1]で表されるア
ミジン単位を有するカチオン性高分子凝集剤とキトサン
を添加して菌体を凝集した発酵液に、アニオン性高分子
凝集剤を添加して凝集フロックを粗大化することによ
り、ベルトプレスなどのろ布を用いる脱水機や遠心脱水
機などにより、菌体を脱水分離することが可能となる。
本発明方法によれば、発酵液中の菌体の分離に際して、
キトサンを添加した場合の凝集性を維持したまま、高価
なキトサンの添加量を大幅に減少し、分離コストを低減
して経済的に有価物を回収することができる。菌体分離
におけるキトサンの相当部分を一般式[1]で表される
アミジン単位を有するカチオン性高分子凝集剤で置き換
えても、その後のアニオン性高分子凝集剤によるフロッ
クの粗大化に支障はなく、回収される酵素などの有価物
が失活することもない。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、一般式[1]で表される
アミジン単位を有するカチオン性高分子凝集剤として、
N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルのモル比5
0/50の共重合体を、加水分解、アミジン化すること
により得られた、R1とR2がともに水素であり、一般式
[1]で表されるアミジン単位67モル%、ビニルアミ
ン単位11モル%、N−ビニルホルムアミド単位5モル
%、アクリロニトリル単位17モル%からなり、1モル
/L塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃において
測定した固有粘度が4.5dL/gであるカチオン性高分
子凝集剤を用いた。このカチオン性高分子凝集剤を、カ
チオン性高分子凝集剤Aとする。また、キトサンは、脱
アセチル化率が90モル%であり、0.3モル/L酢酸
と0.1モル/L酢酸ナトリウムを含む水溶液を溶媒と
して30℃において測定した固有粘度が15dL/gであ
るキトサンを、等重量の氷酢酸を加えて水に溶解して用
いた。用いたポリアクリル酸ナトリウムは、2モル/L
塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃において測定
した固有粘度が6.7dL/gである。 実施例1 乾燥菌体濃度2重量%、目的有価物が分子量3万の酵素
である発酵液200mLに、カチオン性高分子凝集剤Aの
0.5重量%水溶液20mLとキトサンの0.5重量%水溶
液5mLを加え、1分間撹拌した。この処理液を、4,0
00rpmの遠心分離に10分かけて、凝集物を分離し
た。上清液の濁度を、波長660nmの吸光度(1cmセ
ル使用)から求めたところ、0.11であった。 比較例1 実施例1と同じ発酵液200mLに対して、実施例1と同
じキトサンの0.5重量%水溶液5mLを添加し、実施例
1と同様に処理した。上清液の濁度は、1.2であっ
た。さらに、キトサンの0.5重量%水溶液の添加量を
16mL及び25mLとして、同じ処理を行った。上清液の
濁度は、0.55及び0.10であった。 比較例2 実施例1と同じ発酵液200mLに対して、実施例1と同
じカチオン性高分子凝集剤Aの0.5重量%水溶液5mL
を添加し、実施例1と同様に処理した。上清液の濁度
は、1.8であった。さらに、カチオン性高分子凝集剤
Aの0.5重量%水溶液の添加量を16mL及び25mLと
して、同じ処理を行った。上清液の濁度は、0.85及
び0.53であった。実施例1及び比較例1〜2の結果
を、第1表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】第1表に見られるように、カチオン性高分
子凝集剤Aは、単独で用いると、キトサンに比べて凝集
効果は劣るが、キトサンと併用した場合は、キトサンの
80重量%をカチオン性高分子凝集剤Aで置き換えて
も、全量キトサンを用いた場合とほぼ同等の凝集効果が
得られ、カチオン性高分子凝集剤Aによりキトサンの相
当部分を代替し得ることが分かる。 実施例2 乾燥菌体濃度2重量%、目的有価物が分子量3万の酵素
である発酵液200mLに、カチオン性高分子凝集剤Aの
0.5重量%水溶液20mLとキトサンの0.5重量%水溶
液5mLを加えて1分間撹拌し、さらにポリアクリル酸ナ
トリウムの0.2重量%水溶液10mLを添加してフロッ
クを粗大化した。大きいフロックが形成された。このフ
ロックを含む液を、100メッシュナイロンろ布を敷い
たブフナーロートに注ぎ、15秒後のろ液量を測定した
ところ170mLであり、重力ろ過速度は680mL/分で
あった。ろ過後の凝集物を、ポリエステル製、杉綾織の
ベルトプレス型脱水機用ろ布とスポンジで挟み、50kP
aの圧力で60秒間圧搾し、脱水ケーキの含水率を測定
したところ78重量%であった。 比較例3 カチオン性高分子凝集剤Aの0.5重量%水溶液20mL
とキトサンの0.5重量%水溶液5mLの代わりに、カチ
オン性高分子凝集剤Aの0.5重量%水溶液25mLを添
加した以外は、実施例2と同じ操作を行った。形成され
たフロックの径は小さく、重力ろ過速度は250mL/
分、脱水ケーキの含水率は85重量%であった。 比較例4 カチオン性高分子凝集剤Aの0.5重量%水溶液20mL
とキトサンの0.5重量%水溶液5mLの代わりに、キト
サンの0.5重量%水溶液25mLを添加した以外は、実
施例2と同じ操作を行った。形成されたフロックの径は
大きく、重力ろ過速度は690mL/分、脱水ケーキの含
水率は77重量%であった。実施例2及び比較例3〜4
の結果を、第2表に示す。
【0014】
【表2】
【0015】第2表に見られるように、カチオン性高分
子凝集剤Aは、比較例3のように単独で用いると、キト
サンに比べて凝集効果は劣るが、実施例2のようにキト
サンと併用した場合は、キトサンの80重量%をカチオ
ン性高分子凝集剤Aで置き換えても、全量キトサンを用
いた比較例4とほぼ同等の凝集効果が得られ、カチオン
性高分子凝集剤Aによりキトサンの相当部分を代替し得
ることが分かる。
【0016】
【発明の効果】本発明の菌体の分離方法によれば、発酵
液中の菌体の分離に際して、キトサンを添加した場合の
凝集性を維持したまま、高価なキトサンの添加量を大幅
に減少し、分離コストを低減して経済的に有価物を回収
することができる。菌体分離におけるキトサンの相当部
分を一般式[1]で表されるアミジン単位を有するカチ
オン性高分子凝集剤で置き換えても、その後のアニオン
性高分子凝集剤によるフロックの粗大化に支障はなく、
回収される酵素などの有価物が失活することもない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発酵液に、一般式[1]で表されるアミジ
    ン単位を有するカチオン性高分子凝集剤とキトサンを添
    加することにより、発酵液中の菌体を凝集することを特
    徴とする菌体の分離方法。 【化1】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
    り、X-は塩形成アニオンである。)
  2. 【請求項2】発酵液に、一般式[1]で表されるアミジ
    ン単位を有するカチオン性高分子凝集剤とキトサンを添
    加することにより発酵液中の菌体を凝集し、さらにアニ
    オン性高分子凝集剤を添加して凝集フロックを粗大化す
    ることを特徴とする菌体の分離方法。 【化2】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
    り、X-は塩形成アニオンである。)
JP37441599A 1999-12-28 1999-12-28 菌体の分離方法 Pending JP2001178495A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37441599A JP2001178495A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 菌体の分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37441599A JP2001178495A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 菌体の分離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001178495A true JP2001178495A (ja) 2001-07-03

Family

ID=18503811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37441599A Pending JP2001178495A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 菌体の分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001178495A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007082487A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 発酵液からの有価物回収方法
JP2009261320A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Daiyanitorikkusu Kk 菌体触媒を用いた目的化合物の製造方法
WO2015033650A1 (ja) * 2013-09-05 2015-03-12 Necソリューションイノベータ株式会社 サンプルの製造方法およびターゲットの分析方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007082487A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 発酵液からの有価物回収方法
JP2009261320A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Daiyanitorikkusu Kk 菌体触媒を用いた目的化合物の製造方法
WO2015033650A1 (ja) * 2013-09-05 2015-03-12 Necソリューションイノベータ株式会社 サンプルの製造方法およびターゲットの分析方法
JP6074047B2 (ja) * 2013-09-05 2017-02-01 Necソリューションイノベータ株式会社 サンプルの製造方法およびターゲットの分析方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU768242B2 (en) Flocculation of cell material
CA2494644A1 (en) Production of a fermentation product
JPH04298300A (ja) 汚泥脱水剤及びそれを用いた汚泥の脱水方法
US20200255307A1 (en) Method of processing thin stillage
US7820416B2 (en) Process for producing amide compound and acrylamide polymer
CN101970395B (zh) 丙烯酰胺水溶液的稳定化方法
JP2001178495A (ja) 菌体の分離方法
CN105217765B (zh) 一种复合高分子絮凝剂及其制备方法
WO2002077253A1 (fr) Procede de production d'acrylamide a l'aide d'un catalyseur microbien ayant ete lave avec une solution aqueuse d'acide acrylique
JP3982046B2 (ja) 高分子凝集剤
JP3719531B2 (ja) 汚泥の脱水方法
WO2003033716A1 (fr) Procede de production d'acrylamide et/ou de methacrylamide au moyen d'un catalyseur de micro-organismes
WO2004090148A1 (ja) 酵素を用いた高品質アクリルアミド系ポリマーの製造方法
JP2003277416A (ja) 糖類を含むアクリルアミド水溶液
JP3043445B2 (ja) 酵素ブイヨン水溶液の凝集方法
JPH08269111A (ja) ポリマー粒子分散液の製造方法、ポリマー粒子の精製方法およびポリマーの変性方法
JP3740423B2 (ja) 乳化重合系ポリマーを含有する廃液の処理方法
JPH11700A (ja) 汚泥の脱水方法
JP2558185B2 (ja) 微生物培養液の固液分離法
JPH03189000A (ja) 汚泥脱水剤
JP2001224906A (ja) 排煙処理排水のスラッジを減量化する方法
WO2004113405A1 (ja) 高品質なカチオン性アクリルアミドポリマーの製造方法
JPH06238300A (ja) 汚泥脱水方法
JPH1085800A (ja) 汚泥の脱水方法
JPS59177190A (ja) 有機性廃水の凝集処理方法