JP2001173130A - 履歴減衰型せん断ダンパー - Google Patents

履歴減衰型せん断ダンパー

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JP2001173130A
JP2001173130A JP36378199A JP36378199A JP2001173130A JP 2001173130 A JP2001173130 A JP 2001173130A JP 36378199 A JP36378199 A JP 36378199A JP 36378199 A JP36378199 A JP 36378199A JP 2001173130 A JP2001173130 A JP 2001173130A
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shear
plates
damper
plate
damping type
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Motoyuki Okano
素之 岡野
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Obayashi Corp
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  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】部材間に生じる相対変形量が大きな場合につい
ても適用可能とする。 【構成】本発明に係る履歴減衰型せん断ダンパー1は、
上部構造材であるRCフレーム4の梁2と下部構造材で
ある鉄骨偏心ブレース5、5の頭部との間に計5枚のせ
ん断プレート6、7、8を鉛直姿勢でかつ同一平面上に
配置されないよう、千鳥状に平行配置してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制震や防振等のた
めに主として建築土木分野で採用される履歴減衰型せん
断ダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】履歴減衰型せん断ダンパーは、主として
地震時水平力をせん断力の形で正負方向に作用させ、そ
のときに生じる履歴減衰を利用して地震等の振動エネル
ギーを吸収しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる履歴減衰型ダン
パーは、従来、建築分野において、例えば鉄骨フレーム
の内側に配置された偏心ブレースとの間に配置される形
で利用されることがあったが、最近では、土木分野での
適用性についても詳細な検討が行われるようになってき
た。
【0004】ここで、履歴減衰型せん断ダンパーの性能
は、許容されるせん断変形角に依存し、設計上のせん断
変形角を上回る変形が生じた場合には、予定していた履
歴挙動を起こさずに破壊してしまうことが懸念される。
【0005】そのため、履歴減衰型せん断ダンパーを設
計する際には、設計上予定されたせん断変形角、いわば
許容せん断変形角を上回らないような状況で使用するこ
とが必然的に要求されることとなる。
【0006】したがって、履歴減衰型せん断ダンパーが
配置される2つの部材間に大きな相対変形δが生じる場
合には、2つの部材間距離Hを大きくとることでせん断
変形角に対する制限を補わなければならず、構造物等を
設計する上で大きな制約となっていた。
【0007】また、せん断変形角が限界点付近までくる
と、せん断塑性変形に伴って軸方向の縮みが発生し、接
合されている部材に強制変形が作用して該接合部材に引
張応力が発生する。そのため、場合によっては、履歴減
衰型せん断ダンパーを接合した部材が不測の損傷を受け
ることも懸念されていた。
【0008】一方、それとは逆に、接合されている部材
の方が塑性変形のために履歴減衰型せん断ダンパーを強
制変形させて該ダンパーが不測の損傷を受ける場合もあ
る。
【0009】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、2つの部材間に生じる相対変形量が大きな場
合についても適用可能な履歴減衰型せん断ダンパーを提
供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、限界せん断変形角近傍で
の自らの又は接合される部材の塑性変形挙動に起因する
不測の損傷を未然に防止可能な履歴減衰型せん断ダンパ
ーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る履歴減衰型せん断ダンパーは請求項1
に記載したように、履歴減衰性能を有する複数のせん断
プレートを同一平面上に配置されないようかつ所定の取
合い角度を持つように互いに接合し又は一体形成してな
るものである。
【0012】また、本発明に係る履歴減衰型せん断ダン
パーは、前記複数のせん断プレートのうち、隣接する2
つのせん断プレートをそれらの取合い角度が180度と
なるように剛部材を介して折り返し接合したものであ
る。
【0013】また、本発明に係る履歴減衰型せん断ダン
パーは、前記せん断プレートを3枚とし、それらのうち
の第1のせん断プレートの縁部と第2のせん断プレート
の縁部とをそれらの取合い角度が180度となるように
剛部材を介して折り返し接合するとともに、該第2のせ
ん断プレートの他方縁部と第3のせん断プレートの縁部
とをそれらの取合い角度が180度となるように剛部材
を介して折り返し接合し、前記第1のせん断プレートの
非接合側縁部に上部構造材に取り付けるための上部取付
部を設けるとともに、前記第3のせん断プレートの非接
合側縁部に下部構造材に取り付けるための下部取付部を
設け、前記上部構造材と前記下部構造材との間に前記各
せん断プレートを鉛直姿勢にて取り付けることができる
ように構成したものである。
【0014】また、本発明に係る履歴減衰型せん断ダン
パーは、前記複数のせん断プレートを3枚のせん断プレ
ートで構成し、それらのせん断プレートを取り合い角度
が90度となるように互いに接合して全体断面がコの字
状となるようにし、前記せん断プレートの一方の非接合
側縁部に上部構造材に取り付けるための上部取付部を設
けるとともに、前記せん断プレートの他方の非接合側縁
部に下部構造材に取り付けるための下部取付部を設けた
ものである。
【0015】また、本発明に係る履歴減衰型せん断ダン
パーは、前記せん断プレートを2枚とし、それらのうち
の一方のせん断プレートの非接合側縁部に上部構造材に
取り付けるための上部取付部を設けるとともに、他方の
せん断プレートの非接合側縁部に下部構造材に取り付け
るための下部取付部を設け、前記上部構造材と前記下部
構造材との間に前記各せん断プレートを水平姿勢にて配
置することができるように構成したものである。
【0016】また、本発明に係る履歴減衰型せん断ダン
パーは、鉛直面に対して対称配置構造としたものであ
る。
【0017】また、本発明に係る履歴減衰型せん断ダン
パーは、前記複数のせん断プレートを2枚のせん断プレ
ートで構成して互いにピン接合するとともに、該せん断
プレートのうち、一方のせん断プレートの非接合側縁部
に上部構造材に対してピン接合となるように構成された
ピン接合部を設けるとともに、他方のせん断プレートの
非接合側縁部に下部構造材に対してピン接合となるよう
に構成されたピン接合部を設けたものである。
【0018】また、本発明に係る履歴減衰型せん断ダン
パーは請求項8に記載したように、履歴減衰性能を有す
るせん断プレートと、該せん断プレートの一方の縁部に
設けられた上部構造材に取り付けるための上部取付部
と、他方の縁部に設けられた下部構造部材に取り付ける
ための下部取付部とから構成し、前記上部取付部及び前
記下部取付部を前記せん断プレートが水平姿勢にて保持
されるように構成したものである。
【0019】本発明に係る履歴減衰型せん断ダンパーに
おいては、履歴減衰性能を有する複数のせん断プレート
を同一平面上に配置されないようかつ所定の取合い角度
を持つように互いに接合し又は一体形成してあるため、
ダンパー自体の長さを長くせずとも、せん断プレートの
総延長長さを十分に確保することができる。
【0020】例えば、N枚のせん断プレートを折曲げ状
又は千鳥状に順次接合していくようにすれば、ダンパー
自体の長さ(高さ)をせん断プレートの個々の長さ(高
さ)L程度に設定しつつ、せん断プレートの総延長長さ
(高さ)をN・Lにすることが可能となる。
【0021】したがって、許容せん断変形角(許容せん
断ひずみ)γが小さくても、ダンパー全体の変形量は、
個々のせん断プレートの変形量δ(δ=γ・L)のN倍
になり、かくして、履歴減衰型せん断ダンパーが配置さ
れる2つの部材間に大きな相対変形が生じる場合であっ
ても、これに適用することが可能となる。
【0022】せん断プレートは、隣接するせん断プレー
ト同士が同一平面上に配置されないようかつ所定の取合
い角度を持つように互いに接合される限り、枚数や取合
い角度は任意であるが、前記複数のせん断プレートのう
ち、隣接する2つのせん断プレートをそれらの取合い角
度が180度となるように剛部材を介して折り返し接合
したならば、各せん断プレートは千鳥状に配置されるこ
ととなり、せん断プレートの総延長長さをできるだけ長
くするという点では、占有スペースの面でもっとも効率
のよい構成となる。この場合、せん断プレートを何枚接
合するかは任意であり、本発明の履歴減衰型せん断ダン
パーが介在される部材間で生じる相対変形の大きさに応
じて適宜設定すればよい。
【0023】かかる構成において、前記せん断プレート
を3枚とし、それらのうちの第1のせん断プレートの縁
部と第2のせん断プレートの縁部とをそれらの取合い角
度が180度となるように剛部材を介して折り返し接合
するとともに、該第2のせん断プレートの他方縁部と第
3のせん断プレートの縁部とをそれらの取合い角度が1
80度となるように剛部材を介して折り返し接合し、前
記第1のせん断プレートの非接合側縁部に上部構造材に
取り付けるための上部取付部を設けるとともに、前記第
3のせん断プレートの非接合側縁部に下部構造材に取り
付けるための下部取付部を設け、前記上部構造材と前記
下部構造材との間に前記各せん断プレートを鉛直姿勢に
て取り付けることができるように構成したならば、請求
項2の作用効果に加えて、例えば柱梁で構成されたRC
フレームとその構面内に配置された鉄骨偏心ブレースと
の間に介在させるダンパーに適した構成となる。
【0024】同様に、前記複数のせん断プレートを3枚
のせん断プレートで構成し、それらのせん断プレートを
取り合い角度が90度となるように互いに接合して全体
断面がコの字状となるようにし、前記せん断プレートの
一方の非接合側縁部に上部構造材に取り付けるための上
部取付部を設けるとともに、前記せん断プレートの他方
の非接合側縁部に下部構造材に取り付けるための下部取
付部を設けたならば、請求項2の作用効果に加えて、例
えば柱梁で構成されたRCフレームとその構面内に配置
された鉄骨偏心ブレースとの間に介在させるダンパーに
適した構成となる。
【0025】また、請求項2記載の発明において、前記
せん断プレートを2枚とし、それらのうちの一方のせん
断プレートの非接合側縁部に上部構造材に取り付けるた
めの上部取付部を設けるとともに、他方のせん断プレー
トの非接合側縁部に下部構造材に取り付けるための下部
取付部を設け、前記上部構造材と前記下部構造材との間
に前記各せん断プレートを水平姿勢にて配置することが
できるように構成したならば、上述の作用効果に加え
て、せん断塑性変形に伴ってせん断プレートに生じる軸
方向縮みが上部構造材や下部構造材に何らの影響も与え
ないようにすることができるとともに、地震時塑性挙動
に起因する上部構造材と下部構造材との近接又は離間に
よる強制変形がせん断プレートのせん断変形挙動に悪影
響を及ぼす懸念もなくなる。
【0026】以上説明した請求項3乃至請求項5の発明
において、鉛直面に対して対称配置構造としたならば、
地震時においてエネルギー吸収性能が高く、しかもねじ
れ等が生じない安定した構造を構築することができる。
【0027】一方、請求項1の発明において、前記複数
のせん断プレートを2枚のせん断プレートで構成して互
いにピン接合するとともに、該せん断プレートのうち、
一方のせん断プレートの非接合側縁部に上部構造材に対
してピン接合となるように構成されたピン接合部を設け
るとともに、他方のせん断プレートの非接合側縁部に下
部構造材に対してピン接合となるように構成されたピン
接合部を設けたならば、せん断塑性変形に伴ってせん断
プレートに生じる軸方向縮みが上部構造材や下部構造材
に何らの影響も与えないようにすることができるととも
に、地震時塑性挙動に起因する上部構造材と下部構造材
との近接又は離間による強制変形がせん断プレートのせ
ん断変形挙動に悪影響を及ぼす懸念もなくなる。
【0028】請求項8に係る履歴減衰型せん断ダンパー
においては、履歴減衰性能を有するせん断プレートと、
該せん断プレートの一方の縁部に設けられた上部構造材
に取り付けるための上部取付部と、他方の縁部に設けら
れた下部構造部材に取り付けるための下部取付部とから
構成し、前記上部取付部及び前記下部取付部を前記せん
断プレートが水平姿勢にて保持されるように構成したの
で、地震時塑性挙動に起因する上部構造材と下部構造材
との近接又は離間による強制変形がせん断プレートのせ
ん断変形挙動に悪影響を及ぼす懸念がなくなる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る履歴減衰型せ
ん断ダンパーの実施の形態について、添付図面を参照し
て説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等に
ついては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】(第1実施形態)
【0031】図1は、本実施形態に係る履歴減衰型せん
断ダンパーをその配置状況とともに示した配置図、図2
(a)は正面図、図2(b)はA―A線方向から見た矢視図で
ある。
【0032】これらの図でわかるように、本実施形態に
係る履歴減衰型せん断ダンパー1は、梁2及び柱3、3
からなるRCフレーム4とその構面内に配置された鉄骨
偏心ブレース5、5とともに使用され、RCフレーム4
の梁2の下面と鉄骨偏心ブレース5、5の頂部との間に
介在させてある。
【0033】RCフレーム4とその構面内に配置された
鉄骨偏心ブレース5、5は、例えば既存建築物の外壁に
嵌め込んで又は外付けして耐震補強を行う耐震要素と考
えてもよいし、高架橋の下部構造である橋脚と考えても
よい。なお、前者の場合には、RCフレーム4は、通
常、図1に示したような門形ではなく矩形枠状に構成さ
れることが多い。また、後者の場合には、柱3、3は、
図示しない杭の頭部に設けられたフーチング上に立設さ
れることが多い。
【0034】履歴減衰型せん断ダンパー1は、上部構造
材であるRCフレーム4の梁2と下部構造材である鉄骨
偏心ブレース5、5の頭部との間に計5枚のせん断プレ
ート6、7、8を鉛直姿勢でかつ同一平面上に配置され
ないよう、千鳥状に平行配置してある。
【0035】すなわち、履歴減衰型せん断ダンパー1は
図2(b)でよくわかるように、第1のせん断プレートと
して中央配置されたせん断プレート6の下端縁部と第2
のせん断プレートとして該せん断プレートの両側方に配
置されたせん断プレート7、7の下端縁部とをそれらの
取合い角度が180度となるように、言い換えれば平行
配置となるように剛部材9を介してそれぞれ折り返し接
合するとともに、せん断プレート7、7の他方縁部、同
図では上端縁部と第3のせん断プレートとしてせん断プ
レート7、7のさらに外側に配置されたせん断プレート
8、8の上端縁部とをそれらの取合い角度が180度と
なるように剛部材10を介してそれぞれ折り返し接合
し、せん断プレート6の非接合側縁部(同図では上端縁
部)には、RCフレーム4の梁2に取り付けるための上
部取付部11を設けるとともに、せん断プレート8の非
接合側縁部(同図では下端縁部)には、鉄骨偏心ブレー
ス5、5の頭部に取り付けるための下部取付部12をそ
れぞれ設けてなり、3枚のせん断プレート6、7、8が
せん断プレート6を共有する形で該せん断プレートの中
心を通る鉛直面の両側に対称配置された構造となってい
る。
【0036】5枚のせん断プレート6、7、8は、図1
の矢印に沿った水平方向外力、特に地震時水平力が作用
したとき、せん断変形に伴う履歴減衰によって地震時の
振動エネルギーを吸収することが可能な履歴減衰性能を
有するものであればどのような構成でもよく、例えば、
通常の薄鋼板にスリットを多数入れて構成したものや、
極軟鋼で形成されたものを用いることができる。
【0037】各せん断プレート6、7、8の厚みや幅に
ついては、履歴減衰型せん断ダンパー1に作用する地震
時せん断力の大きさ等を考慮して適宜設定すればよい
が、せん断プレート6、7、8の高さL1、L2、L3に
ついては、該せん断プレートの許容せん断変形角(許容
せん断ひずみ)γと地震時における鉄骨偏心ブレース
5、5の頭部と梁2の下面との間の相対水平変形の大き
さとを考慮して定める。すなわち、γ・(L1+L2+L
3)が地震時の相対水平変形を上回るように、せん断プ
レート6、7、8の高さL1、L2、L3を設定する。
【0038】剛部材9、10は、通常の鋼板で構成する
ことが可能であり、せん断プレート6、7、8間でせん
断力(図2(a)では左右方向、同図(b)では紙面直交方向
に作用するせん断力)の伝達が確実に行われるよう、そ
の厚みについては適宜設定しておく。なお、かかる剛部
材9、10は、直接又は必要に応じて同図に示すように
アングルを添着した状態でせん断プレート6、7、8に
溶接することで接合することができる。
【0039】上部取付部11は、RCフレーム4の梁2
に埋設されたアンカーボルト15を挿通する孔(図示せ
ず)が穿孔された基板13をせん断プレート6の非接合
側縁部に溶接等で固着するとともに、該挿通孔に通され
たアンカーボルト15にナット14をねじ込んで梁2の
下面に取り付けることができるようになっている。
【0040】同様に、下部取付部12は、鉄骨偏心ブレ
ース5、5の頭部に取り付けられたボルト18を挿通す
る孔(図示せず)が穿孔された基板16をせん断プレー
ト8の非接合側縁部に溶接等で固着するとともに、該挿
通孔に通されたボルト18にナット17をねじ込んで鉄
骨偏心ブレースの頭部に取り付けることができるように
なっている。
【0041】本実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパ
ー1においては、履歴減衰性能を有する3枚のせん断プ
レート6、7、8を千鳥状になるように順次接合してあ
るため、ダンパー自体の高さを高くせずとも、せん断プ
レート6、7、8の総延長長さを十分に確保することが
できる。
【0042】すなわち、3枚のせん断プレート6、7、
8を千鳥状に順次接合していくようにすれば、ダンパー
自体の高さを梁2の下面と鉄骨偏心ブレース5、5の頭
部との距離H以下に抑えつつ、せん断プレート6、7、
8の高さを総和した総延長長さについては、図3の展開
図でわかるように(L1+L2+L3)にすることが可能
となる。
【0043】したがって、許容せん断変形角(許容せん
断ひずみ)γが小さくても、ダンパー全体の変形量δ
は、個々のせん断プレートの変形量δ1、δ2、δ3を総
和した量、すなわち、δ=(δ1+δ2+δ3)=γ・
(L1+L2+L3)となる。
【0044】以上説明したように、本実施形態に係る履
歴減衰型せん断ダンパー1によれば、履歴減衰性能を有
する3枚のせん断プレート6、7、8を千鳥状になるよ
うに順次接合してあるため、許容せん断変形角(許容せ
ん断ひずみ)γが小さくても、ダンパー自体の高さを抑
えつつ、ダンパー全体の変形量δを十分に確保すること
が可能となる。
【0045】したがって、履歴減衰型せん断ダンパー1
が介在配置される2つの部材間、すなわちRCフレーム
4の梁2と鉄骨偏心ブレース5、5との間に大きな地震
時相対変形が生じる場合であっても、各せん断プレート
6、7、8に生じるせん断変形角が許容せん断変形角γ
を上回るおそれはなくなり、かくして、履歴減衰型せん
断ダンパー1は、各せん断プレート6、7、8が許容せ
ん断変形角γの範囲内でそれぞれ履歴ループを描く塑性
変形挙動を呈して十分なエネルギー吸収能を発揮する。
【0046】そして、従来であれば、せん断プレートや
せん断パネルの高さをエネルギー吸収能に見合ったもの
にする必要があったため、例えば、梁2と鉄骨偏心ブレ
ース5、5との間に一定以上の間隔を確保する必要があ
ったが、本実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパー1
によれば、両部材間の間隔が狭くても十分なエネルギー
吸収能を持たせることが可能となり、RCフレーム4及
び鉄骨偏心ブレース5、5の設計上の制約が緩和され、
より自由な設計が可能となる。
【0047】また、本実施形態に係る履歴減衰型せん断
ダンパー1によれば、隣接する3枚のせん断プレート
6、7、8をそれらの取合い角度が180度となるよう
に剛部材9、10を介して折り返し接合したので、各せ
ん断プレート6、7、8は千鳥状に配置されることとな
り、せん断プレートの総延長長さをできるだけ長くする
という点では、占有スペースの面でもっとも効率のよい
構成となる。
【0048】また、本実施形態に係る履歴減衰型せん断
ダンパー1によれば、せん断プレート6の下端縁部と該
せん断プレートの両側方に配置されたせん断プレート
7、7の下端縁部とをそれらの取合い角度が180度と
なるように剛部材9を介してそれぞれ折り返し接合する
とともに、せん断プレート7、7の他方縁部とそれらの
外側に配置されたせん断プレート8、8の上端縁部とを
それらの取合い角度が180度となるように剛部材10
を介してそれぞれ折り返し接合し、せん断プレート6の
非接合側縁部にRCフレーム4の梁2に取り付けるため
の上部取付部11を、せん断プレート8の非接合側縁部
に鉄骨偏心ブレース5、5の頭部に取り付けるための下
部取付部12をそれぞれ設けるようにしたので、柱梁で
構成されたRCフレーム4とその構面内に配置された鉄
骨偏心ブレース5、5との間に介在させるダンパーに適
した構成となる。
【0049】また、本実施形態に係る履歴減衰型せん断
ダンパー1によれば、3枚のせん断プレート6、7、8
がせん断プレート6を共有する形で該せん断プレートの
中心を通る鉛直面の両側に対称配置された構造としたの
で、地震時においてエネルギー吸収性能が高く、しかも
ねじれ等が生じない安定した構造を構築することができ
る。
【0050】本実施形態では、鉛直面に対して対称配置
構造とした履歴減衰型せん断ダンパー1を例として挙げ
たが、ねじれや安定性等に問題がなければ必ずしも対称
配置構造とする必要はなく、図4に示すように、せん断
プレート6の下端縁部とせん断プレート7の下端縁部と
をそれらの取合い角度が180度となるように剛部材9
を介して折り返し接合するとともに、せん断プレート7
の他方縁部とせん断プレート8の上端縁部とをそれらの
取合い角度が180度となるように剛部材10を介して
折り返し接合し、せん断プレート6の非接合側縁部に上
部取付部11を設けるとともに、せん断プレート8の非
接合側縁部に下部取付部12を設けてなる履歴減衰型せ
ん断ダンパー21として構成してもよい。
【0051】また、本実施形態では、せん断プレート
6、7、8を剛部材9、10を介して接合するようにし
たが、必ずしも剛部材を介在させる必要はなく、それぞ
れの縁部を溶接等で直接接合するようにしてもよい。ま
た、複数のせん断プレートを別部材の接合として構成す
ることに代えて、図5に示すように1枚の鋼板33を折
り畳むように折曲げ加工することで、複数のせん断プレ
ート32を一体形成するとともに、せん断プレート32
の一端に上部取付部11を設けるとともに、他端に下部
取付部12を設けてなる履歴減衰型せん断ダンパー31
として構成してもよい。
【0052】また、本実施形態では、せん断プレート
6、7、8を180度で折り返し接合するようにした
が、本発明に係る複数のせん断プレートは、それぞれが
履歴減衰性能を有し、かつそれらが同一平面上に配置さ
れないようかつ所定の取合い角度を持つように互いに接
合し又は一体形成されていれば足りるものであり、特
に、取合い角度については、180度に限らず任意の角
度に設定可能であって、図6に示すようなさまざまな変
形例が考えられる。
【0053】ここで、同図(a)は、長さL1のせん断プレ
ート、長さL2のせん断プレート及び長さL3のせん断プ
レートを取合い角度が90度となるように互いに接合し
てなる履歴減衰型せん断ダンパー、同図(b)は、長さL1
のせん断プレート及び長さL2のせん断プレートを取合
い角度が任意の角度α(例えば60度)となるように互
いに接合するとともに、これを鉛直面に対して対称配置
構造としてなる履歴減衰型せん断ダンパー、同図(c)
は、長さL1のせん断プレート、長さL2のせん断プレー
ト及び長さL3のせん断プレートを取合い角度が任意の
角度α、βとなるように互いに接合するとともに、これ
を鉛直面に対して対称配置構造としてなる履歴減衰型せ
ん断ダンパーをそれぞれ示したものである。
【0054】図7は、別の変形例に係る履歴減衰型せん
断ダンパー51を示したものであり、該履歴減衰型せん
断ダンパーは、長さL1のせん断プレート52、長さL2
のせん断プレート53及び長さL3のせん断プレート5
4を取合い角度が90度となるように互いに接合して全
体断面がコの字状となるようにし、これを鉛直面に対し
て対称配置構造とするとともに、せん断プレート52、
53、54の一方の非接合側縁部、すなわち、せん断プ
レート52、52の非接合側縁部に上部取付部57を設
けるとともに、他方の非接合側縁部、すなわち、せん断
プレート54、54に下部取付部58を設けてなる。
【0055】せん断プレート52、53、54の材質等
については、せん断プレート6、7、8とほぼ同様であ
り、その説明については省略するが、それらの長さL
1、L2、L3については、該せん断プレートの許容せん
断変形角(許容せん断ひずみ)γと地震時における鉄骨
偏心ブレース5、5の頭部と梁2の下面との間の相対水
平変形の大きさとを考慮して定める。すなわち、γ・
(L1+L2+L3)が地震時の相対水平変形を上回るよ
うに、せん断プレート52、53、54の長さL1、L
2、L3を設定する。
【0056】上部取付部57は、RCフレーム4の梁2
に埋設されたアンカーボルト15を挿通する孔(図示せ
ず)が穿孔された基板55をせん断プレート52、52
の非接合側縁部に溶接等で固着するとともに、該挿通孔
に通されたアンカーボルト15にナット14をねじ込ん
で梁2の下面に取り付けることができるようになってい
る。
【0057】同様に、下部取付部58は、鉄骨偏心ブレ
ース5、5の頭部に取り付けられたボルト18を挿通す
る孔(図示せず)が穿孔された基板56をせん断プレー
ト54、54の非接合側縁部に溶接等で固着するととも
に、該挿通孔に通されたボルト18にナット17をねじ
込んで鉄骨偏心ブレースの頭部に取り付けることができ
るようになっている。
【0058】なお、上述した実施形態や変形例と実質的
に同一の部品等については同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0059】本実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパ
ー51の作用効果については、上述の実施形態とほぼ同
様であって、3枚のせん断プレート52、53、54を
コの字状に順次接合していくことにより、ダンパー自体
の高さを梁2の下面と鉄骨偏心ブレース5、5の頭部と
の距離H以下に抑えつつ、せん断プレート52、53、
54の長さを総和した総延長長さについては、図7(b)
の展開図でわかるように(L1+L2+L3)にすること
が可能となる。
【0060】したがって、許容せん断変形角(許容せん
断ひずみ)γが小さくても、ダンパー全体の変形量δ
は、個々のせん断プレートの変形量δ1、δ2、δ3を総
和した量、すなわち、δ=(δ1+δ2+δ3)=γ・
(L1+L2+L3)となる。
【0061】なお、その他の作用効果については、上述
の実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略
する。
【0062】図8は、別の変形例に係る履歴減衰型せん
断ダンパー61を示したものであり、該履歴減衰型せん
断ダンパーは、2枚のせん断プレート62、63をそれ
らの取合い角度が180度になるように剛部材64を介
して水平姿勢で折り返し接合し、これらを鉛直面に対し
て対称配置構造とするとともに、一方のせん断プレート
62の非接合側縁部に上部取付部57を設けるととも
に、他方のせん断プレート63の非接合側縁部に下部取
付部58を設けてなる。
【0063】せん断プレート62、63の材質等につい
ては、せん断プレート6、7、8とほぼ同様であり、そ
の説明については省略するが、それらの長さLについて
は、該せん断プレートの許容せん断変形角(許容せん断
ひずみ)γと地震時における鉄骨偏心ブレース5、5の
頭部と梁2の下面との間の相対水平変形の大きさとを考
慮して定める。すなわち、2γLが地震時の相対水平変
形を上回るように、せん断プレート62、63の長さL
を設定する。
【0064】なお、上述した実施形態や変形例と実質的
に同一の部品等については同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0065】本変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパー
61の作用効果については、上述の実施形態とほぼ同様
であって、2枚のせん断プレート62、63を取合い角
度が180度となるように水平姿勢にて接合することに
より、ダンパー自体の高さをきわめて低く抑えつつ、せ
ん断プレート62、63の長さを総和した総延長長さに
ついては2Lにすることが可能となる。
【0066】したがって、許容せん断変形角(許容せん
断ひずみ)γが小さくても、ダンパー全体の変形量δ
は、個々のせん断プレートの変形量δ1、δ2を総和した
量、すなわち、δ=(δ1+δ2)=2γLとなる。
【0067】なお、その他の作用効果については、上述
の実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略
するが、本変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパー61
によれば、上述の作用効果に加えて、せん断塑性変形に
伴ってせん断プレート62、63に生じる軸方向縮みが
上部構造材である梁2や下部構造材である鉄骨偏心ブレ
ース5、5に何らの影響も与えないとともに、地震時塑
性挙動に起因する梁2と鉄骨偏心ブレース5、5との近
接又は離間による強制変形がせん断プレート62、63
のせん断変形挙動に悪影響を及ぼす懸念もなくなるとい
う顕著な作用効果も奏する。
【0068】なお、かかる履歴減衰型せん断ダンパー6
1を改良し、図9に示す側面取付け用の履歴減衰型せん
断ダンパー71とすることが可能である。
【0069】同図に示した履歴減衰型せん断ダンパー7
1は、梁2、鉄骨偏心ブレース5の側面に取り付けるこ
とができるように、上部取付部57、下部取付部58に
代えて、側面取付け可能な上部取付部72、下部取付部
73をそれぞれ採用した点以外は、履歴減衰型せん断ダ
ンパー61と同様であるので、詳細な説明については省
略する。
【0070】図10は、さらに別の変形例に係る履歴減
衰型せん断ダンパー81を示したものであり、該履歴減
衰型せん断ダンパーは、2枚のせん断プレート82、8
3を取合い角度が任意の角度αとなるように互いにピン
接合するとともに、該せん断プレートのうち、一方のせ
ん断プレート82の非接合側縁部に上部構造材である梁
2に対してピン接合となるようにピン接合部84を設け
るとともに、他方のせん断プレート83の非接合側縁部
に下部構造材である鉄骨偏心ブレース5、5に対してピ
ン接合となるようにピン接合部85を設けてなる。
【0071】せん断プレート82、83の材質等につい
ては、せん断プレート6、7、8とほぼ同様であり、そ
の説明については省略するが、それらの長さL1、L2に
ついては、該せん断プレートの許容せん断変形角(許容
せん断ひずみ)γと地震時における鉄骨偏心ブレース
5、5の頭部と梁2の下面との間の相対水平変形の大き
さとを考慮して上述の実施形態と同様に定める。
【0072】なお、上述した実施形態や変形例と実質的
に同一の部品等については同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0073】本変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパー
81の作用効果のうち、上述の実施形態と同様の作用効
果についてはこれを省略するが、本変形例によれば、か
かる作用効果に加えて、地震時塑性挙動に起因する梁2
と鉄骨偏心ブレース5、5との近接又は離間による強制
変形が図10(b)のように作用したとしても、せん断プ
レート82、83同士がピンの廻りに回転することによ
って強制変形に伴う軸方向力が発生しないので、せん断
プレート82、83のせん断変形挙動には悪影響が及ば
ないという顕著な作用効果や、せん断塑性変形に伴って
せん断プレート82、83に生じる軸方向縮みが発生し
たとしても、同図(c)に示すように、せん断プレート8
2、83同士がピンの廻りに回転してその軸方向縮みを
吸収するので、上部構造材である梁2や下部構造材であ
る鉄骨偏心ブレース5、5に何らの影響も与えないとい
う顕著な作用効果を奏する。
【0074】(第2実施形態)
【0075】次に、第2実施形態に係る履歴減衰型せん
断ダンパー91について説明する。なお、第1実施形態
又はその変形例と実質的に同一の部品等については同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0076】図11は、本実施形態に係る履歴減衰型せ
ん断ダンパー91を示したものである。同図でわかるよ
うに、本実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパー91
は、RCフレーム4とその構面内に配置された鉄骨偏心
ブレース5、5とともに使用され、RCフレーム4の梁
2の下面と鉄骨偏心ブレース5、5の頂部との間に介在
させてある。
【0077】履歴減衰型せん断ダンパー91は、履歴減
衰性能を有するせん断プレート92と、該せん断プレー
トの一方の縁部に設けられた上部構造材である梁2に取
り付けるための上部取付部93と、他方の縁部に設けら
れた下部構造部材である鉄骨偏心ブレース5、5に取り
付けるための下部取付部94とから構成するとともに、
上部取付部93及び下部取付部94をせん断プレート9
2が水平姿勢にて保持されるように構成してあり、水平
方向外力、特に地震時水平力が作用したとき、せん断変
形に伴う履歴減衰によって地震時の振動エネルギーを吸
収することができるようになっている。
【0078】せん断プレート92は、履歴減衰性能を有
するものであればどのような構成でもよく、例えば、通
常の薄鋼板にスリットを多数入れて構成したものや、極
軟鋼で形成されたものを用いることができる。せん断プ
レート92の厚みや幅については、履歴減衰型せん断ダ
ンパー91に作用する地震時せん断力の大きさ等を考慮
して適宜設定すればよい。
【0079】上部取付部93は、RCフレーム4の梁2
に埋設されたアンカーボルト15をせん断プレート92
に挿通した上で該アンカーボルトにナット14をねじ込
んで梁2の下面に取り付けることができるようになって
いる。
【0080】同様に、下部取付部94は、鉄骨偏心ブレ
ース5、5の頭部に取り付けられたボルト18をせん断
プレート92に挿通した上で該ボルトにナット17をね
じ込んで鉄骨偏心ブレースの頭部に取り付けることがで
きるようになっている。
【0081】本実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパ
ー91においては、地震時塑性挙動に起因して梁2と鉄
骨偏心ブレース5、5とが近接又は離間したとしても、
その近接又は離間に伴う強制変形は、せん断プレート9
2の面外方向に作用する。そのため、せん断プレート9
2のせん断変形挙動にはほとんど悪影響を及ぼさない。
【0082】以上説明したように、本実施形態に係る履
歴減衰型せん断ダンパー91によれば、地震時塑性挙動
に起因する梁2と鉄骨偏心ブレース5、5との近接又は
離間による強制変形が作用したとしても、該強制変形に
よってせん断プレート92のせん断変形挙動に悪影響を
及ぼすのを未然に防止することが可能となる。
【0083】本実施形態では特に言及しなかったが、履
歴減衰型せん断ダンパー91を鉛直面に対して対称配置
構造とすることにより、ねじれが発生しないようにして
おくのが望ましいことは言うまでもない。
【0084】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1乃至請求項
7の発明に係る履歴減衰型せん断ダンパーによれば、履
歴減衰型せん断ダンパーが介在配置される2つの部材間
に大きな相対変形が生じたとしても、各せん断プレート
に生じるせん断変形角が許容せん断変形角γを上回るお
それはなくなり、各せん断プレートが許容せん断変形角
γの範囲内でそれぞれ履歴ループを描く塑性変形挙動を
呈して十分なエネルギー吸収能を発揮させることが可能
となる。
【0085】また、請求項8に係る本発明の履歴減衰型
せん断ダンパーによれば、地震時塑性挙動に起因する梁
2と鉄骨偏心ブレース5、5との近接又は離間による強
制変形が作用したとしても、該強制変形によってせん断
プレート92のせん断変形挙動に悪影響を及ぼすのを未
然に防止することが可能となる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパーの
配置図。
【図2】本実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパーの
図であり、(a)は正面図、(b)はA―A線方向から見た矢
視図。
【図3】本実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパーの
作用を示した図。
【図4】変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパーの側面
図。
【図5】変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパーの側面
図。
【図6】変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパーの側面
図。
【図7】変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパーの側面
図。
【図8】変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパーの側面
図。
【図9】変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパーの側面
図。
【図10】変形例に係る履歴減衰型せん断ダンパーの側
面図。
【図11】第2実施形態に係る履歴減衰型せん断ダンパ
ーの側面図。
【符号の説明】
1、21、31、51、61、71、81履歴減衰型せ
ん断ダンパー 2 梁(上部構造材) 5 鉄骨偏心ブレース(下部
構造材) 6 せん断プレート(第1の
せん断プレート) 7 せん断プレート(第2の
せん断プレート) 8 せん断プレート(第3の
せん断プレート) 9、10、64 剛部材 11 上部取付部 12 下部取付部 32 せん断プレート 41〜48 せん断プレート 52〜54 せん断プレート 57、72、93 上部取付部 58、73、94 下部取付部 62、63 せん断プレート 82、83 せん断プレート 84、85 ピン接合部 92 せん断プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 7/12 F16F 7/12 15/02 15/02 K Fターム(参考) 2E002 FA04 FB08 FB11 FB15 JA01 JB02 JB14 JB16 MA11 MA12 MA13 2E125 AA13 AA33 AC01 AC14 AG03 AG04 AG16 AG25 BA22 BB01 BB09 BB13 BB22 BC01 BC02 BC09 BD01 BE08 BF01 CA04 CA14 CA15 EA25 3J048 AA06 AB01 BE10 EA38 3J066 AA26 BA03 BB04 BF01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 履歴減衰性能を有する複数のせん断プレ
    ートを同一平面上に配置されないようかつ所定の取合い
    角度を持つように互いに接合し又は一体形成してなるこ
    とを特徴とする履歴減衰型せん断ダンパー。
  2. 【請求項2】 前記複数のせん断プレートのうち、隣接
    する2つのせん断プレートをそれらの取合い角度が18
    0度となるように剛部材を介して折り返し接合した請求
    項1記載の履歴減衰型せん断ダンパー。
  3. 【請求項3】 前記せん断プレートを3枚とし、それら
    のうちの第1のせん断プレートの縁部と第2のせん断プ
    レートの縁部とをそれらの取合い角度が180度となる
    ように剛部材を介して折り返し接合するとともに、該第
    2のせん断プレートの他方縁部と第3のせん断プレート
    の縁部とをそれらの取合い角度が180度となるように
    剛部材を介して折り返し接合し、前記第1のせん断プレ
    ートの非接合側縁部に上部構造材に取り付けるための上
    部取付部を設けるとともに、前記第3のせん断プレート
    の非接合側縁部に下部構造材に取り付けるための下部取
    付部を設け、前記上部構造材と前記下部構造材との間に
    前記各せん断プレートを鉛直姿勢にて取り付けることが
    できるように構成した請求項2記載の履歴減衰型せん断
    ダンパー。
  4. 【請求項4】 前記複数のせん断プレートを3枚のせん
    断プレートで構成し、それらのせん断プレートを取り合
    い角度が90度となるように互いに接合して全体断面が
    コの字状となるようにし、前記せん断プレートの一方の
    非接合側縁部に上部構造材に取り付けるための上部取付
    部を設けるとともに、前記せん断プレートの他方の非接
    合側縁部に下部構造材に取り付けるための下部取付部を
    設けた請求項2記載の履歴減衰型せん断ダンパー。
  5. 【請求項5】 前記せん断プレートを2枚とし、それら
    のうちの一方のせん断プレートの非接合側縁部に上部構
    造材に取り付けるための上部取付部を設けるとともに、
    他方のせん断プレートの非接合側縁部に下部構造材に取
    り付けるための下部取付部を設け、前記上部構造材と前
    記下部構造材との間に前記各せん断プレートを水平姿勢
    にて配置することができるように構成した請求項2記載
    の履歴減衰型せん断ダンパー。
  6. 【請求項6】 鉛直面に対して対称配置構造とした請求
    項3乃至請求項5のいずれか一記載の履歴減衰型せん断
    ダンパー。
  7. 【請求項7】 前記複数のせん断プレートを2枚のせん
    断プレートで構成して互いにピン接合するとともに、該
    せん断プレートのうち、一方のせん断プレートの非接合
    側縁部に上部構造材に対してピン接合となるように構成
    されたピン接合部を設けるとともに、他方のせん断プレ
    ートの非接合側縁部に下部構造材に対してピン接合とな
    るように構成されたピン接合部を設けた請求項1記載の
    履歴減衰型せん断ダンパー。
  8. 【請求項8】 履歴減衰性能を有するせん断プレート
    と、該せん断プレートの一方の縁部に設けられた上部構
    造材に取り付けるための上部取付部と、他方の縁部に設
    けられた下部構造部材に取り付けるための下部取付部と
    から構成し、前記上部取付部及び前記下部取付部を前記
    せん断プレートが水平姿勢にて保持されるように構成し
    たことを特徴とする履歴減衰型せん断ダンパー。
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