JP2001173094A - 木造建築物の接合構造 - Google Patents

木造建築物の接合構造

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JP2001173094A
JP2001173094A JP37674899A JP37674899A JP2001173094A JP 2001173094 A JP2001173094 A JP 2001173094A JP 37674899 A JP37674899 A JP 37674899A JP 37674899 A JP37674899 A JP 37674899A JP 2001173094 A JP2001173094 A JP 2001173094A
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JP37674899A
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Inventor
Takahiro Yamamoto
孝宏 山本
Shigeaki Kawahara
重明 川原
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Mitsui Wood Products Inc
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Mitsui Wood Products Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質部材どうしを所定角度で接着接合する
際、接合部の接合耐力を向上させることで、剛性が高
く、耐震性能にも優れ、しかも施工性に優れた接合構造
を提供する。 【解決手段】 木質部材どうしを所定角度で接着接合す
る際、木質部材どうしを仕口がフィンガージョイントに
より接合し、更に該接合面に、複数本のボルトを各々の
木質部材を貫通するようにして取付ける。また、接合部
の内面側のフィンガージョイント部に接着剤を充填し
て、補強材を配設する。これにより、接合部に引張力或
いは圧縮力が生じた際、ボルトおよび補強材がこれらの
荷重を負担するため、木質部材に割裂を生じ難くなると
共に、接合部の座屈が生じ難くなり、接合強度が増強さ
れるとともに、粘りのあるエネルギー吸収性能の高い構
造となるので、靭性に優れ、耐震性能も大幅に向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造建築物の柱、
梁等に用いられる集成材等の木質部材を接着で継ぎ合わ
せた接合部の強度を著しく向上する構造に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】学校施設、スポーツ施設、地域のシンボ
ル的施設等の木造建築物の骨格を形成する主要構造材に
は、構造用集成材や構造用製材が使用されている。これ
ら木質部材は建築物の大きさに対応するため、予め生産
しておく直材を中心としたストックビームを加工(プレ
カット)したものを継ぎ合わせたりして用いられてい
る。
【0003】従来、これら木質部材の接合は、図3
(a)に示すように、それぞれの木質部材11、11′
の端面をフィンガー加工し、その加工面に接着剤を塗布
し、両者を嵌合させることによって接合する方法が採ら
れている。この接合方法は金属製接合金具等の金物を使
用した接合に比べ、剛性が高く、また、金物を使用しな
いため、経済性、施工性、耐火性に優れ、意匠的にも優
れるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記接着接
合においては、軸方向に接合する場合は、金物を用いた
接合に比べ高い耐力を有するが、柱と梁との接合のよう
に木質部材の繊維方向11a、11′aが所定角度とな
った状態で接合する場合は金物を用いた接合に比べて同
等もしくはそれ以下の耐力しか有さないという問題点が
あった。これは、木材の異方性に起因するもので、木材
は繊維方向に対して角度を有する方向に引張力Ftや圧
縮力Fcを受けた場合、その角度が90度に近づくに従
い耐力は減少する。すなわち、図3(b)に示すように
接合部の外面側に繊維方向11aに対し90度方向の引
張力Ftが木材に生じた場合、接合部の中間部に割裂と
いう木材特有の脆弱な破壊を起こす。一方、接合部の内
面側に繊維方向11a対し90度方向の圧縮力Fcが木
材に生じた場合、接合部の内面側(Aの部分)がめり込
むという木材特有の降伏を起こす。また、この部分(A
の部分)はフィンガージョイント12が完全に嵌合され
ていないため、隙間が生じているので、圧縮力が受けた
場合、座屈し易い。
【0005】従って、柱、梁等の木質部材11、11′
どうしを所定角度で接合する場合、その接合部は互いに
繊維方向11a、11′aに対し角度を有するため、例
えば、図3(b)に示すように接合部が閉じる方向の外
力P1を受けたとき、接合部の外面側に引張力Ftを生
じるが、その角度が90度に近付くに従って割裂が生じ
易くなる。また、接合部の内面側には、圧縮力Fcが生
じるが、その角度が90度に近づくに従って、めり込み
が生じ易くなると共にフィンガージョイント12が完全
に嵌合されていないため、隙間が生じているので、その
部分が座屈し易い。一方、図3(c)に示すように接合
部が開く方向の外力P2を受けたとき、接合部の内面側
に引張力Ftが生じるが、その角度が90度に近づくに
従って、接合部に割裂が生じ易くなる。このように、い
ずれの外力を受けた場合にも接合部に割裂が生じ易いた
め、地震等によって接合部が脆性破壊を起こし倒壊し易
いという欠点があった。
【0006】本発明は、前記の欠点を鑑みてなされたも
ので、木質部材を所定角度で接着で継ぎ合わせても金物
による接合以上の高耐力を有すると共に、靭性の高い耐
震性能を有する接合構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、請求項1記載の木造建築物の接合構造
は、木質部材(1、1′)どうしを所定角度で接着で継
ぎ合わせる際の接合部において、仕口がフィンガージョ
イント(2)により接合され、該接合面に対し少なくと
も1本以上のボルト(3)が各々の木質部材(1、
1′)を貫設して構成される。これによって、接合部に
曲げモーメントが作用し木質部材(1、1′)に引張力
が生じても、木質部材(1、1′)を貫通して取付けた
ボルトがその引張力を負担することになるので、木質部
材の割裂を防止できるように作用する。
【0008】また、請求項2記載の木造建築物の接合構
造は、前記接合部の各木質部材(1)の内面側のフィン
ガージョイント(2)の空隙に接着剤を充填した上、補
強材(6)を配設して構成される。これによって、接合
部の内面側(Aの部分)のめり込みおよび接合部の座屈
を防止するように作用する。
【0009】なお、括弧内の符号は図面において対応す
る要素を表す便宜的なものであり、従って、本発明は図
面上の記載に限定拘束されるものではない。このことは
「特許請求の範囲」の欄についても同様である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0011】図1は本発明の木造建造物の接合構造の一
実施形態を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)
はその縦断面図である。また、図2は本発明の木造建造
物の接合構造の別の実施形態を示す図であり、(a)は
その斜視図、(b)はその縦断面図である。
【0012】本発明は図1(a)に示すように、製材挽
板を接着剤で積層接着して柱状に形成した木質部材1、
1′を接着接合し、その接合部に各々の木質部材1、
1′を貫通して2本のボルトが挿入、螺合されている。
【0013】すなわち、柱、梁等の木質部材1、1′の
木口端面には、V形波形状のフィンガーが一例として1
2mmピッチで刻み込んであり、これらを互いに噛み合
うようにして接着剤で接合されている。そして、この接
合部において、一方の木質部材1から別の木質部材1′
に貫通する2個のボルト孔4が均等な圧縮圧が得られる
位置(接合面のほぼ4等分の位置)で、接合面に対しほ
ぼ直角方向に向けて連穿されている。尚、このボルト孔
4の位置は、接合面のほぼ4等分の位置としたが、接合
部に対し接合を開こうとする外力に対してより大きく抵
抗したい場合には、接合部の内面側に位置するボルト孔
4(図1(b)において左側に位置するボルト孔)をフ
ィンガージョイント部2より外に(図1(b)の左手方
向)してもよい。例えば、木質部材1、1′および補強
材6を貫通するようにして設けてもよい。また、各々の
ボルト孔4の先端口には、ボルトの頭部およびナットの
径より大きい径で、ボルトの頭部およびナットの高さと
同程度乃至はやや深めの座掘り5が穿設されている。そ
して、前記ボルト孔4にはボルト3が貫入されて、接合
面で木質部材1、1′を挟持するようにナットで螺合し
て配設されている。これによって、接合部に対し接合を
開く或いは閉じる方向の外力を受けて、接合部に引張力
が生じても、木質部材1、1′を貫通して取付けたボル
ト3がその引張力を負担することになるので、木質部材
の割裂が防止されることになる。しかも、このボルト3
が接合部の破壊に対し終局まで抵抗するので、粘りのあ
るエネルギー吸収性能の高い構造となり、靭性に優れる
ことになる。更に、木質部材1、1′をフィンガージョ
イントで接着接合する際、接着剤が硬化するまで、フィ
ンガージョイント仕口を引き寄せて合体させ圧締した状
態を保持できる。ここで、座掘り5はボルトの頭部およ
びナットが木質部材1、1′の表面に表れないようにし
て、意匠性を良くするためのものであり、必要に応じて
穿設すればよい。
【0014】一方、接合部の内面側のフィンガージョイ
ント部2はフィンガージョイントが完全に嵌合されない
ので、隙間を有するが、この隙間を接着剤で充填した上
で、ブロック状の補強材6が接着剤で固着して貼設され
ている。この補強材6は、接合部の内面側に生じる圧縮
力を負担するので、接合部での木質部材の座屈を防止す
ることができる。ここで、補強材6としては、LVL等
の木質材料、鉄板等の金属製材料他を適宜使用すればよ
いが、意匠性の面から木質材料のものがより好ましい。
【0015】以上は、木質部材1、1′に直接ボルト3
を取付けた場合について説明したが、図2(a)、
(b)に示すように、木質部材1、1′の外表面側に金
属板7を配設して、ボルト3を取付けてもよい。これに
よって、ボルトにナットを螺合して締め付ける際にボル
ト3の頭部やナットが木質部材1、1′にめり込むのを
防止できる。また、この金属板7をL字状の形状にする
ことにより、木質部材1、1′を接着接合する際の位置
決めの役目をなすので、接着作業の能率を向上できる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、木
質部材1、1′どうしを所定角度で接着接合する際の接
合部において、仕口がフィンガージョイントにより接合
され、該接合面に対し少なくとも1本以上のボルト3が
各々の木質部材1、1′を貫通して取付けたので、接合
部に対し接合を開く或いは閉じる方向の外力が作用した
とき、木質部材1、1′の接合部に引張力が生じても、
木質部材1、1′を貫通して取付けたボルトがその引張
力を負担することになるので、木質部材の割裂が防止さ
れことになる。
【0017】従って、柱、梁等の木質部材1をその繊維
方向が所定角度となる状態で接合した場合でも、接合耐
力が増強される。その結果、金物を用いた接合に比べよ
り強い耐力を有することになり、しかも経済性、施工性
に優れる。更に、このボルト3が接合部の破壊に対し終
局まで抵抗するので、粘りのあるエネルギー吸収性能の
高い構造となり、靭性に優れ、耐震性能も大幅に向上す
る。
【0018】また、木質部材1、1′をフィンガージョ
イントで接着接合する際、接着剤が硬化するまで、フィ
ンガージョイント仕口を引き寄せて合体させ圧締した状
態に保持できるので、別途圧締用冶具を使用した圧締が
不要となり、接着作業の省力化が可能である。
【0019】更に、前記接合部の各木質部材1、1′の
外面側に金属板6を配設することで、ボルトの頭部、ナ
ットが木質部材1、1′にめり込むのを防止することが
できるので、より接合耐力を増強することになる。
【0020】また、請求項2記載の木造建築物の接合構
造では、接合部の内面側のフィンガージョイント部2に
接着剤を充填して、補強材6を配設したことにより、接
合部の内面側に生じる圧縮力が該補強材によって負担さ
れるので、この部分での木質部材の座屈が防止でき、接
合耐力がより向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る木造建造物の接合構造の一実施形
態を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその
縦断面図である。
【図2】本発明に係る木造建造物の接合構造の別の実施
形態を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はそ
の縦断面図である。
【図3】従来より行われていた木造建造物の接合構造を
示す図であり、(a)はその斜視図、(b)は接合部に
閉じる方向の外力を受けた際の接合部に生ずる力を示す
模式図、(c)は接合部に開く方向の外力を受けた際の
接合部に生ずる力を示す模式図である。
【符号の説明】 1、1′……木質部材 1a……繊維方向 2……
フィンガージョイント部 3……ボルト 4……ボルト孔 5……座堀り
6……補強材 7……金属板 8……傾斜座金

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質部材(1,1′)どうしを所定角度
    で接着接合する際の接合部において、仕口がフィンガー
    ジョイントにより接合され、該接合面に対し少なくとも
    1本以上のボルト(3)が木質部材を貫通して取付けら
    れたことを特徴とする木造建築物の接合構造。
  2. 【請求項2】 前記接合部の内面側のフィンガージョイ
    ント部(2)に接着剤を充填して、補強材(6)を配設
    したことを特徴とする請求項1記載の木造建築物の接合
    構造。
JP37674899A 1999-12-20 1999-12-20 木造建築物の接合構造 Pending JP2001173094A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017172297A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 帝人株式会社 木質部材の接合方法
JP2018159251A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 積水ハウス株式会社 木質ラーメンモーメント抵抗部構造体

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