JP2001172916A - 波型合成床版 - Google Patents

波型合成床版

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JP2001172916A
JP2001172916A JP35846299A JP35846299A JP2001172916A JP 2001172916 A JP2001172916 A JP 2001172916A JP 35846299 A JP35846299 A JP 35846299A JP 35846299 A JP35846299 A JP 35846299A JP 2001172916 A JP2001172916 A JP 2001172916A
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JP
Japan
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corrugated
steel plate
floor slab
composite floor
concrete
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JP35846299A
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English (en)
Inventor
Takuhiro Konishi
拓洋 小西
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波型鋼板21とコンクリート12とがは
がれにくく、高い剛性を有し、耐荷性、耐久性および現
場での施工作業性にすぐれ、省力化およびコストの低減
が可能であるとともに、橋梁への検査路構造など付属構
造物を取り付けることも可能な波型合成床版を提供する
こと。 【解決手段】 断面が逆台形状の波型鋼板21をコンク
リート12と組み合わせることに着目し、その断面形状
が台形状および逆台形状を交互に連続して有する波型鋼
板21を設け、波型鋼板21により外部との間に画成さ
れる外方領域24が逆台形状を呈するとともに、波型鋼
板21によりコンクリート12が充填される内方領域2
5が台形状を呈することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は波型合成床版にかか
るもので、とくに少主桁橋、二主I桁橋などの広幅員橋
その他の橋梁、さらに擁壁や岸壁その他の壁面構造など
に用いられる波型合成床版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の橋梁として合理化橋梁構造の提案
が進み、製作コストを抑制可能であるとともにメンテナ
ンス性にすぐれた少主桁橋あるいは二主I桁橋などの広
幅員橋が普及し始めている。図7は、一般的な二主I桁
橋1(広幅員橋)の要部斜視図であって、二主I桁橋1
は、一対のI形鋼2による主桁3と、主桁3上に積層す
る床版4と、を有する。I形鋼2は、ウェブ5と、上フ
ランジ6と、下フランジ7と、を有する。
【0003】こうした構成の二主I桁橋1において、床
版4は、構造部材の一部として荷重を支持し、断面力を
分担することから、主桁3と同様に、耐荷性能および耐
久性が要求されるようになっている。
【0004】床版4としては、従来のRC(Reinf
orced Concrete)床版ではなく、橋軸直
角方向にプレストレスを導入させたPC(Prestr
essed Concrete)床版が広く採用されて
いる。しかしながら、PC床版のコストは、RC床版に
比べて倍近く高いという問題がある。また、PC床版の
施工には、その品質管理を含め高度な技術が必要とされ
るという問題がある。
【0005】このようなRC床版あるいはPC床版に対
して、鋼板およびコンクリートからなる合成床版は、コ
ンクリート打設用の型枠工の省略をはじめとする現場で
の省力化の効果が大きいとともに、高い耐荷性能を有す
ることから、少主桁合理化橋梁の床版として期待されて
いる。しかしながら、従来の方式による合成床版では、
薄型鋼板の加工および溶接作業をともなうため、PC床
版と比較しても床版4のコストを安くすることができ
ず、トータルの工事費ではPC床版と同程度であるとい
う評価が一般的であるという問題がある。
【0006】たとえば図8は、合成床版における鋼板部
分の諸例を列挙した概略側面図であり、I形鋼2の上フ
ランジ6の上に積層した鋼板8に、I形鋼9、H形鋼1
0、あるいはL形鋼11などを橋軸直角方向に配置し、
鋼板8に溶接するものである。この鋼板8部分の上層に
コンクリート12を積層するように打設する。
【0007】こうした構成の鋼板8部分においては、I
形鋼2の間の支間方向の曲げモーメントに対して剛性を
確保する。橋軸方向には鉄筋(図示せず)を配置し、I
形鋼9、H形鋼10、L形鋼11などの形鋼を鉄筋配置
の際のガイドとして利用している。コンクリート12と
鋼部材との結合には、I形鋼9、H形鋼10あるいはL
形鋼11に貫通孔をあけたり、鋼板8上にスタッドジベ
ル(図示せず)を取り付け、合成させている。しかしな
がら、鋼板8とコンクリート12とをスタッドジベルの
みで確保するにはかなりの数のスタッドジベルを必要と
する。さらに、I形鋼9、H形鋼10あるいはL形鋼1
1の適宜な長さへの切断、および鋼板8へのI形鋼9、
H形鋼10あるいはL形鋼11の溶接などが必要で、工
場での製作コストが上昇する。
【0008】図9は、鋼板8として波型鋼板を採用する
ように提案された合成床版13の要部断面図であって、
合成床版13は、波型鋼板14と、コンクリート12
と、を有する。波型鋼板14は、従来から土留めなどに
用いられている断面台形状の鋼矢板15(台形状単位鋼
板)を複数枚横方向に組み合わせたもので、鋼矢板15
をI形鋼2の上フランジ6上に組み合わせて載置し、橋
軸方向鉄筋16および橋軸直角方向鉄筋17を配置した
上でコンクリート12を打設して合成床版13を構成す
る。
【0009】こうした構成の合成床版13も、後述する
ように、床版としては、その耐荷性および耐久性が十分
ではなく、とくにコンクリート12部分のひび割れ、さ
らに波型鋼板14とコンクリート12との分離ないしは
がれ(剥離)の問題が生じる。すなわち従来の鋼矢板1
5を利用した床版は、耐荷性さらには、ひびおよびはが
れの問題があり、そのままでは合成床版の底板としては
採用が困難であるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、高い剛性を有し、耐
荷性および耐久性にすぐれているとともに、コストの低
減が可能な波型合成床版を提供することを課題とする。
【0011】また本発明は、波型鋼板とコンクリートと
がはがれにくい波型合成床版を提供することを課題とす
る。
【0012】また本発明は、現場での施工作業性にすぐ
れ、省力化が可能な波型合成床版を提供することを課題
とする。
【0013】また本発明は、橋梁への検査路構造など付
属構造物を取り付けることも可能な波型合成床版を提供
することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、断面
が逆台形状の波型鋼板をコンクリートと組み合わせるこ
とに着目したもので、鋼板と、この鋼板に打設するコン
クリートと、を有する波型合成床版であって、上記鋼板
はこれを、その断面形状が台形状および逆台形状を交互
に連続して有する波型鋼板とし、この波型鋼板により外
部との間に画成される外方領域が逆台形状を呈するとと
もに、この波型鋼板により上記コンクリートが充填され
る内方領域が台形状を呈することを特徴とする波型合成
床版である。
【0015】上記コンクリートの側から上記波型鋼板の
側に向かって荷重がかかるようにすることができる。
【0016】上記波型鋼板は、断面形状が逆台形状であ
るとともにその両端部にそれぞれ接続部を有する逆台形
状単位鋼板を連続的に接続することによりこれを構成す
ることができる。
【0017】上記波型鋼板は、断面形状が台形状である
とともにその両端部にそれぞれ接続部を有する台形状単
位鋼板を連続的に接続することによりこれを構成するこ
とができる。
【0018】上記波型鋼板の外方領域に付属構造物を取
り付け可能とすることができる。
【0019】上記波型鋼板に、スタッドを取り付けるこ
とができる。
【0020】なお本発明において、「台形」とは、互い
に平行な上辺および下辺について下辺の方が上辺より長
いものをいい、「逆台形」とは、互いに平行な上辺およ
び下辺について上辺の方が下辺より長いものをいうもの
とする。
【0021】本発明による当該波型合成床版は、少主桁
橋、二主I桁橋などの広幅員橋その他の橋梁用以外に
も、これを高耐力を有するパネル材として用い、ケーソ
ンその他の海洋構造物、土留め、擁壁あるいは岸壁など
の壁面構造その他の土木構造物などへの利用が考えら
れ、波型合成床版の波型形状を利用して、設備の固定、
パネル材どうしの結合も可能である。さらに、波型形状
を積極的に利用することにより、波面を上向きにして実
験施設、倉庫などの床として利用すれば、設置構造の固
定を容易にすることができる。
【0022】本発明による波型合成床版においては、断
面が逆台形状(あるいは台形状)の波型鋼板をコンクリ
ートと組み合わせたので、橋梁への載荷により鉛直方向
下方への荷重(すなわち「正荷重」)が作用しても、コ
ンクリートの圧縮作用が有効に働き、コンクリートと波
型鋼板とのはがれを的確に回避するとともに、耐荷重性
能を向上させることができる。鉛直方向上方への「負荷
重」に対しても有効な耐荷重性を有する。さらに、図8
に示したような鋼板8とI形鋼9などとの溶接作業およ
びI形鋼9などの切断作業が不要であり、作業性が良好
で、省力化が可能である。すなわち本発明による波型合
成床版を橋梁の主桁に取り付けるには、たとえばI形鋼
の上フランジに波型鋼板を載置して固定するとともに、
好ましくは波型鋼板にスタッドを取り付け、橋軸方向鉄
筋および橋軸直角方向鉄筋を配筋した上でコンクリート
を打設するだけであるので、作業性を向上させ、コスト
の大幅低減が可能である。しかも、この波型鋼板自体を
作業の足場とすることができるとともに、コンクリート
打設の際の下方部分の型枠とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施の形態による
波型合成床版20を図1ないし図5にもとづき説明す
る。ただし、図7ないし図8と同様の部分には同一符号
を付し、その詳述はこれを省略する。図1は、波型合成
床版20の橋軸方向でみた(橋軸直角方向の)縦断面図
であって、波型合成床版20は、波型鋼板21と、スタ
ッド22と、前記橋軸方向鉄筋16および橋軸直角方向
鉄筋17と、コンクリート12と、を有する。
【0024】波型鋼板21は、その断面形状が逆台形状
の逆台形状単位鋼板23を複数枚組み合わせたものであ
る。逆台形状単位鋼板23は、主桁3の橋軸直角方向に
おける支間距離に渡すだけの長さを有し、その断面形状
として、鉛直方向でみて逆台形の上辺面23Aと、互い
に接近する方向に同じ傾斜角度で傾斜している左右一対
の傾斜面23Bと、傾斜面23Bから水平方向に左右両
端に延びる左右一対の接続面23Cと、を有し、接続面
23Cのいずれか一方(図中左側)に係合用突条部23
Dを、その他方(図中右側)に係合用溝部23Eをそれ
ぞれ形成してある。係合用突条部23Dに係合用溝部2
3Eを上から重ね合わせるように係合して係合部23F
を形成することにより、複数枚の逆台形状単位鋼板23
を水平面内において橋軸方向に接合し、所定の面積を覆
うことができるようにする。
【0025】上辺面23Aおよび左右一対の傾斜面23
Bにより断面形状が逆台形状の外方領域24を形成して
いる。この外方領域24は、波型合成床版20ないし波
型鋼板21がその鉛直方向下方側の外部との間に画成さ
れるもので、逆台形状を呈している。ある逆台形状単位
鋼板23の一方側(たとえば右側)の傾斜面23Bおよ
び接続面23Cと、この逆台形状単位鋼板23に隣り合
うの他の逆台形状単位鋼板23の他方側(たとえば左
側)の傾斜面23Bおよび接続面23Cとにより内方領
域25を形成している。この内方領域25に、コンクリ
ート12が打設され充填することになる。内方領域25
は、隣り合う上辺面23Aの間のくびれ部25A、およ
び係合部23Fにより接合された隣り合う接続面23C
による膨大部25Bを有することになる。かくして波型
鋼板21は、その断面形状が逆台形状の外方領域24お
よび台形状の内方領域を交互に連続して有し、一般的に
はコンクリート12の側から波型鋼板21の側に向かっ
て荷重がかかることになる。
【0026】逆台形状単位鋼板23は、打設したコンク
リート12の重さに抵抗するため、その板厚が1〜8m
m程度、好ましくは6mmである。さらに、支間距離が
2〜12m程度までの広範囲に対応するために波の高さ
が50〜200mm程度、好ましくは160mmであ
る。また、波の間隔(逆台形状単位鋼板23の水平方向
長さ)は、波の高さにもよるが、200〜600mm程
度が実用範囲である。なお、長支間床版の場合、逆台形
状単位鋼板23ないし波型鋼板21の諸元は、打設時の
コンクリート12の重量により決定されることから、軽
量コンクリートなどを使用すれば、逆台形状単位鋼板2
3の断面を小型化することが可能であり、同一の鋼板で
あれば、より長い支間距離に対応することができる。
【0027】スタッド22は、逆台形状単位鋼板23の
上辺面23Aに溶接など任意の手段により固定してこれ
を取り付けるもので、波型鋼板21とコンクリート12
との接合を強化し、波型合成床版20としての一体性を
補助的に確保する。
【0028】コンクリート12の厚さについては、通過
交通荷重の大きさにより変化するが、波型合成床版20
の中立軸ないし中立面が波型鋼板21の上側に来るよう
にすると、荷重による引っ張りに対して波型鋼板21が
有効に作用し、かつ圧縮に対してコンクリート12が有
効に作用することができる。
【0029】こうした構成の波型合成床版20をたとえ
ばI形鋼2の上フランジ6に固定することにより、任意
の橋梁を構築することができる。図2は、図9に示した
ような提案された合成床版13のタイプ、および本発明
による波型合成床版20のタイプの耐荷重性実験例を示
す橋軸直角方向の断面図である。図2(1)は、本発明
による波型合成床版20であってスタッド22を設けな
いタイプの波型合成床版20(1)を示す。図2(2)
は、同、スタッド22を設けた図1に示すタイプの波型
合成床版20(2)を示す。図2(3)は、同、スタッ
ド22の代わりにアングル材26を上辺面23A部分に
溶接したタイプの波型合成床版20(3)を示す。図2
(4)は、図8に示した合成床版13と同様であって、
接続面23C部分にボルト27を鋼矢板15の長さ方向
(すなわち橋軸直角方向)に所定の密度(50cmピッ
チ)で溶接したタイプの合成床版13(1)を示す。図
2(5)は、同、合成床版13(1)と同様であってボ
ルト27を鋼矢板15の長さ方向(すなわち橋軸直角方
向)に倍の密度(25cmピッチ)で溶接したタイプの
合成床版13(2)を示す。図2(6)は、同、鋼矢板
15の上面に鉄筋28を橋軸方向に溶接したタイプの合
成床版13(3)を示す。
【0030】これらの波型合成床版20(1)、20
(2)および合成床版13(1)、(2)、(3)につ
いて(すなわち波型合成床版20(3)を除くすべてに
ついて)、それぞれの中央部に正曲げ荷重(鉛直方向下
向き荷重)をかけ、たわみを計測した。すなわち図3
は、たわみと荷重との関係を示す正曲げ荷重変位曲線の
グラフであって、合成床版13(3)がその耐荷重性が
最も小さく、合成床版13(1)、合成床版13(2)
に比較して波型合成床版20(1)および波型合成床版
20(2)の耐荷重性が大きく、波型合成床版20
(2)の耐荷重性が最大であることがわかる。
【0031】また、波型鋼板21とコンクリート12と
のはがれ(剥離)は、波型合成床版20(2)以外の波
型合成床版20(1)、波型合成床版13(1)、波型
合成床版13(2)および波型合成床版13(3)につ
いて、波型鋼板21、14の上側の面(逆台形状単位鋼
板23の上辺面23Aに相当する面)に発生し、剥離発
生後には、波型鋼板21、14とコンクリート12との
一体性が低下して、合成効果が減少ないし消滅し、重ね
梁と同様の挙動を示すようになった。波型合成床版20
(2)にも剥離は発生したが、終局状態まで波型鋼板2
1とコンクリート12との合成効果を維持した。この維
持作用は、逆台形状単位鋼板23の上辺面23Aにスタ
ッド22を介在させたことによるものと思われる。
【0032】また、コンクリート12部分における終局
時のひび割れ状態は、波型合成床版13(1)、波型合
成床版13(2)および波型合成床版13(3)につい
て局所的に発生したが、波型合成床版20(1)および
波型合成床版20(2)については微細かつ分散的であ
った。
【0033】図4は、波型合成床版20(2)および波
型合成床版20(3)についての負曲げ荷重変位曲線の
グラフであって、図3に示した正曲げ荷重変位曲線の場
合と同等の耐荷重性を示している。波型合成床版20
(2)および波型合成床版20(3)ともに、正曲げ荷
重変位実験における波型合成床版20(2)の場合と同
様以上の耐荷重性を有していることがわかる。
【0034】上述の実験から判明するように、本実施の
形態による波型合成床版20においては、波型鋼板21
を逆台形状とすることにより高い耐荷重性を確保すると
ともに、波型鋼板21とスタッド22との組み合わせに
より耐荷重性および合成床版としての合成効果を最大限
に向上させることができる。すなわち、波型鋼板21
(外方領域24)の断面形状を、既存の鋼矢板15(図
9)とは異なる逆台形状としたので、大きな荷重を受け
た際に合成結合部分(くびれ部25Aおよび膨大部25
Bを有する内方領域25)において、従来の合成床版1
3などとは異なり、波型鋼板21がコンクリート12を
締め付ける作用が働き、波型鋼板21とコンクリート1
2とが機械的に接合する作用がある。さらに、この接合
作用にスタッド22による止め効果が相俟って、より大
きな耐荷重性能を発揮することができる。また、コンク
リート12と波型鋼板21とが剥離した場合であっても
両者の摩擦力が増大し、スタッド22のズレ止め作用と
相俟って耐荷力の低下を防ぐことができるので、コンク
リート12および波型鋼板21がすぐれた合成挙動を示
すものである。
【0035】さらに波型鋼板21は、RC床版などにお
ける引っ張り鉄筋の代わりに底板として働くことから、
正曲げ部については、主鉄筋(橋軸直角方向鉄筋17)
を省略可能で、鉄筋工期を半減することができる。さら
に、少主桁橋床版に適用する場合でも、RC床版と同じ
方法で施工することができるため、現場管理が容易であ
り、特殊技術が不要である。
【0036】すなわち、本発明による波型合成床版20
を現場において施工するには、その波型が橋軸方向に並
ぶように、係合用突条部23Dに係合用溝部23Eを上
から重ね合わせるように係合して係合部23Fを形成
し、波型鋼板21を主桁3上に順次並べるように配置す
るだけでよく、施工作業性は良好である。主桁3の上フ
ランジ6側にはスタッドジベルおよび鉄筋配置用の金具
(図示せず)を配置し、これらを利用して、ひび割れ防
止用の多少の鉄筋(図示せず)を配筋する。波型鋼板2
1の側面にコンクリート打設用の型枠(図示せず)を配
置したのち、コンクリート12を打設し、波型合成床版
20とする。なお、主桁3との接合には、主桁3(上フ
ランジ6)上のスタッドジベルあるいはボルトなどを波
型鋼板21底部の開口を通して貫通し、コンクリート1
2を打設して固定する方法、あるいは主桁3と波型鋼板
21との間に空間を設け、そこにコンクリート12を充
填する方法などが考えられる。
【0037】本発明による波型合成床版20は、上述の
ような良好な耐荷重性および作業性を示すとともに、外
方領域24の部分を利用して各種の付属構造物を取り付
けることができる。たとえば図5は、検査用路29(付
属構造物)を吊り下げた状態を示す断面図であって、波
型鋼板21の外方領域24に係合可能なアタッチメント
としての断面逆台形状の吊下げ用係合部材30を外方領
域24に係合し、吊下げ用係合部材30に取り付けた懸
架材31に検査用路29を吊り下げて、波型鋼板21の
下面に容易に固定することができる。このほかにも、吊
下げ用係合部材30および懸架材31を利用して任意の
付属構造物を波型合成床版20の下に接合し、吊り下げ
ることができる。
【0038】なお本発明においては、波型鋼板21を構
成するための単位鋼板としては、逆台形状単位鋼板23
に限らず、互いの接合により波型鋼板21を構成可能で
あれば任意のものを採用可能である。たとえば図6は、
逆台形状単位鋼板23とは逆の台形状単位鋼板32の断
面図であって、台形状単位鋼板32は、鉛直方向でみて
台形状の下辺面32Aと、互いに接近する方向に傾斜し
ている左右一対の傾斜面32Bと、傾斜面32Bから水
平方向に左右両端に延びる左右一対の接続面32Cと、
を有し、接続面32Cのいずれか一方(図中左側)に係
合用突条部32Dを、その他方(図中右側)に係合用溝
部32Eをそれぞれ形成してある。係合用突条部32D
に係合用溝部32Eを上から重ね合わせるように係合し
て係合部32Fを形成することにより、複数枚の台形状
単位鋼板32を水平面内において橋軸方向に接合し、所
定の面積を覆うことができるようにする。
【0039】下辺面32Aおよび左右一対の傾斜面32
Bにより断面が台形状の前記内方領域25を形成可能と
している。内方領域25に打設されたコンクリート12
が充填されることになる。ある台形状単位鋼板32の一
方側(たとえば右側)の傾斜面32Bおよび接続面32
Cと、隣り合うの他の台形状単位鋼板32の他方側(た
とえば左側)の傾斜面32Bおよび接続面32Cと、に
より逆台形状の前記外方領域24を形成している。内方
領域25は、係合部32Fにより接合された隣り合う接
続面32Cの間のくびれ部25A、および下辺面32A
による膨大部25Bを有することになり、前述した波型
鋼板21としての機能を発揮することができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、合成床版
における既製の鋼板に曲げ加工を施した断面逆台形状な
どの鋼板を利用し、波型鋼版とコンクリートとを合成一
体化した構成としたので、波型鋼板の加工以外の切断工
程および溶接工程を省略可能で大幅なコストダウンを可
能とするとともに、従来のRC床版やPC床版に比較し
て、現場での型枠施工およびその撤去が不要になり、現
場打ち床版に比べて工期を1/3〜1/4に短縮可能
で、現場への設置も容易とし、現場省力化を可能とし
て、耐載荷性および耐久性のすぐれた合成床版とするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による波型合成床版20の
橋軸方向でみた(橋軸直角方向の)縦断面図である。
【図2】同、図9に示したような提案された合成床版1
3のタイプ、および本発明による波型合成床版20のタ
イプの耐荷重性実験例を示す橋軸直角方向の断面図であ
り、図2(1)は、本発明による波型合成床版20であ
ってスタッド22を設けないタイプの波型合成床版20
(1)を、図2(2)は、同、スタッド22を設けた図
1に示すタイプの波型合成床版20(2)を、図2
(3)は、同、スタッド22の代わりにアングル材26
を上辺面23A部分に溶接したタイプの波型合成床版2
0(3)を、図2(4)は、図8に示した合成床版13
と同様であって、接続面23C部分にボルト27を鋼矢
板15の長さ方向(すなわち橋軸直角方向)に所定の密
度(50cmピッチ)で溶接したタイプの合成床版13
(1)を、図2(5)は、同、合成床版13(1)と同
様であってボルト27を鋼矢板15の長さ方向(すなわ
ち橋軸直角方向)に倍の密度(25cmピッチ)で溶接
したタイプの合成床版13(2)を、図2(6)は、
同、鋼矢板15の上面に鉄筋28を橋軸方向に溶接した
タイプの合成床版13(3)をそれぞれ示す。
【図3】同、たわみと荷重との関係を示す正曲げ荷重変
位曲線のグラフである。
【図4】同、波型合成床版20(2)および波型合成床
版20(3)についての負曲げ荷重変位曲線のグラフで
ある。
【図5】同、検査用路29(付属構造物)を吊り下げた
状態を示す断面図である。
【図6】本発明における波型鋼板21を構成するための
単位鋼板として採用可能な、逆台形状単位鋼板23とは
逆の台形状単位鋼板32の断面図である。
【図7】従来の二主I桁橋1(広幅員橋)の要部斜視図
である。
【図8】同、合成床版における鋼板部分の諸例を列挙し
た概略側面図である。
【図9】同、鋼板8として波型鋼板を採用するように提
案された合成床版13の要部断面図である。
【符号の説明】
1 二主I桁橋(広幅員橋、図7) 2 I形鋼 3 主桁 4 床版 5 I形鋼2のウェブ 6 I形鋼2の上フランジ 7 I形鋼2の下フランジ 8 鋼板 9 I形鋼 10 H形鋼 11 L形鋼 12 コンクリート 13 合成床版 13(1) 合成床版(図2の(4)) 13(2) 合成床版(図2の(5)) 13(3) 合成床版(図2の(6)) 14 波型鋼板 15 鋼矢板(台形状単位鋼板) 16 橋軸方向鉄筋 17 橋軸直角方向鉄筋 20 波型合成床版(実施の形態、図1) 20(1) 波型合成床版(図2の(1)) 20(2) 波型合成床版(図2の(2)) 20(3) 波型合成床版(図2の(3)) 21 波型鋼板 22 スタッド 23 逆台形状単位鋼板 23A 逆台形状単位鋼板23の上辺面 23B 逆台形状単位鋼板23の左右一対の傾斜面 23C 逆台形状単位鋼板23の左右一対の接続面 23D 逆台形状単位鋼板23の係合用突条部 23E 逆台形状単位鋼板23の係合用溝部 23F 逆台形状単位鋼板23の係合部 24 外方領域 25 内方領域 25A 内方領域25のくびれ部 25B 内方領域25の膨大部 26 アングル材 27 ボルト 28 鉄筋 29 検査用路(付属構造物)(図5) 30 吊下げ用係合部材 31 懸架材 32 台形状単位鋼板(図6) 32A 台形状単位鋼板32の下辺面 32B 台形状単位鋼板32の左右一対の傾斜面 32C 台形状単位鋼板32の左右一対の接続面 32D 台形状単位鋼板32の係合用突条部 32E 台形状単位鋼板32の係合用溝部 32F 台形状単位鋼板32の係合部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板と、この鋼板に打設するコンクリ
    ートと、を有する波型合成床版であって、 前記鋼板はこれを、その断面形状が台形状および逆台形
    状を交互に連続して有する波型鋼板とし、 この波型鋼板により外部との間に画成される外方領域が
    逆台形状を呈するとともに、 この波型鋼板により前記コンクリートが充填される内方
    領域が台形状を呈することを特徴とする波型合成床版。
  2. 【請求項2】 前記コンクリートの側から前記波型鋼
    板の側に向かって荷重がかかることを特徴とする請求項
    1記載の波型合成床版。
  3. 【請求項3】 前記波型鋼板は、断面形状が逆台形状
    であるとともにその両端部にそれぞれ接続部を有する逆
    台形状単位鋼板を連続的に接続することによりこれを構
    成したことを特徴とする請求項1記載の波型合成床版。
  4. 【請求項4】 前記波型鋼板は、断面形状が台形状で
    あるとともにその両端部にそれぞれ接続部を有する台形
    状単位鋼板を連続的に接続することによりこれを構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の波型合成床版。
  5. 【請求項5】 前記波型鋼板の外方領域に付属構造物
    を取り付け可能としたことを特徴とする請求項1記載の
    波型合成床版。
  6. 【請求項6】 前記波型鋼板に、スタッドを取り付け
    たことを特徴とする請求項1記載の波型合成床版。
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