JP2001171370A - 静油圧式無段変速装置のリンク機構 - Google Patents

静油圧式無段変速装置のリンク機構

Info

Publication number
JP2001171370A
JP2001171370A JP36079999A JP36079999A JP2001171370A JP 2001171370 A JP2001171370 A JP 2001171370A JP 36079999 A JP36079999 A JP 36079999A JP 36079999 A JP36079999 A JP 36079999A JP 2001171370 A JP2001171370 A JP 2001171370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
link
traveling
gear
transmission
continuously variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36079999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Samuragi
仁 佐村木
Yoshitaka Shinpo
喜崇 新保
Yuichi Niifuku
勇一 新福
Atsuya Sakata
淳哉 坂田
Takahiro Matsui
孝広 松井
Masatake Miyoshi
正剛 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd filed Critical Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
Priority to JP36079999A priority Critical patent/JP2001171370A/ja
Publication of JP2001171370A publication Critical patent/JP2001171370A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)
  • Motor Power Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操向用及び走行用のHST装置と該HST
装置に動力を伝えるエンジンを機体後部に搭載し、ハン
ドル及び主変速レバーを機体前部の操作コラムに配置し
た農作業機において、運転席とHST装置との間のリン
ク機構を改良し、該リンク機構を簡素化してメンテナン
ス性の向上を図ることを課題とする。 【解決手段】 前記HST装置Hとハンドル17及び主
変速レバー18をリンク機構L1・L2を介して連結
し、該リンク機構L1・L2を機体側部に配設する。ま
た、前記リンク機構L1・L2を上下平行に配設し、平
面視でクローラー走行装置1の内側部の直上方に配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、HST装置を搭載
したコンバイン等の農作業機において、操縦席に配置し
たステアリングハンドル及び主変速レバーと、HST装
置の可動斜板を傾倒させるアームとの間を連結するリン
ク機構の技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバインのトランスミッション
を無段変速装置とした場合、多くがHST装置を採用し
ており、更に近年ではHST装置は、走行系の第一無段
変速ユニット及び旋回(操向)系の第二無段変速ユニッ
トを具備して、それぞれのユニットはエンジンの駆動力
を得て駆動されていた。そして、エンジンにより駆動力
を得た第一無段変速ユニットの可動斜板を傾倒すること
により、正逆の回転方向と回転数の増減の制御が行わ
れ、その駆動力が走行系伝動機構を介して差動機構に伝
達されていた。また、エンジンにより駆動力を得た第二
無段変速ユニットにより正逆の回転方向と回転数増減の
制御が行われ、その駆動力が正逆転付与機構を介して差
動機構に伝達され、左右の走行駆動系の回転数を変更す
ることにより旋回できるようにする構成であった。
【0003】前記制御の機構を簡単に説明すると、第一
・第二無段変速ユニットの各々のケース上には、走行用
HST及び旋回用のHSTの各可動斜板を傾倒する変速
アームがそれぞれ配設されており、該変速アームを回動
操作することにより、走行油圧ポンプ及び旋回油圧ポン
プの可動斜板がそれぞれ傾動されて、走行油圧モータ及
び旋回油圧モータの回転速度及び回転方向が制御される
のである。そして、操縦席に設けた主変速レバーと第一
無段変速ユニットの変速アームとをリンク機構やワイヤ
ーを介して連結し、また、操向ハンドルと第二無段変速
ユニットのトラニオンアームとを別のリンク機構やワイ
ヤーを介して連結し、このリンク機構やワイヤーは、機
体下部を迂回して配設されていた。このような構成で、
オペレータは前記主変速レバー、あるいは、ステアリン
グハンドルを操作し、リンク機構または、ワイヤーを介
してトラニオンレバーを回動操作し、前記HST装置の
変速を行ない、所望の速度及び旋回の制御を行なってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来技術では、運転席と機体後部のHST装置と
の間には脱穀部や選別部があるため、リンク機構やワイ
ヤーは機体下部を大きく迂回して連結しなければなら
ず、その結果、配設するリンク数や部品点数等が多くな
るばかりでなく、機体下部を迂回させた前記リンク機構
は、泥等にさらされてリンク間の連結部の動きが悪くな
ったり、また、畦越えや石の跳ね返り等によって、リン
ク機構が破損したり、変形したりしていた。
【0005】本発明は前記の点を鑑み、コンバイン等の
農作業機において、運転席とHST装置との間のリンク
機構を改良し、該リンク機構を簡素化してメンテナンス
性の向上を図ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決すべき課題
は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を
説明する。すなわち、操向用及び走行用のHST装置と
該HST装置に動力を伝えるエンジンを機体後部に搭載
し、ステアリングハンドル及び主変速レバーを機体前部
の操作コラムに配置した農作業機において、前記HST
装置とステアリングハンドル及び主変速レバーをリンク
を介して連結し、該リンクを機体側部に配設する。ま
た、前記リンクを上下平行に配設し、平面視でクローラ
ー内側部の直上方に配置する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を解決するための手段は以
上の如くであり、次に本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係るコンバインの全体側面図、図2は同
じく平面図、図3は従来における操縦部ステップの構成
を示す斜視図、図4は本発明に係る操縦部ステップの構
成を示す平面図、図5は図4におけるAより見たバーリ
ング孔を示す側面断面図、図6は従来における操縦部の
構成を示す平面図、図7は本発明に係る扱ぎ深さ調節ス
イッチの配設位置を示す操縦部の平面図、図8は変速レ
バーのリンク機構を示す平面図、図9は同じく左側面
図、図10は本発明の別実施例における主変速レバーの
構成を示す側面図、図11はベルトテンションクラッチ
の構成を示す側面図、図12は脱穀クラッチスイッチが
「切」の状態における主変速レバーの部分正面断面図、
図13は脱穀クラッチスイッチが「入」の状態における
主変速レバーの部分正面断面図、図14は脱穀クラッチ
スイッチと刈取クラッチスイッチの連動構成を示す回路
図、図15はトランスミッション全体の模式斜視図、図
16は走行用の第一無段変速ユニットを含むトランスミ
ッションの断面展開図、図17は旋回用の第二無段変速
ユニットを含むトランスミッションの断面展開図、図1
8はトランスミッションの左側面断面図、図19はトラ
ンスミッションの左側面図、図20はHST装置を搭載
したコンバインの全体的な構成を示した正面模式図、図
21は本発明の一実施例に係るHST装置と操縦席との
間のリンク機構の構成を示す平面図、図22は本発明の
別実施例に係るHST装置と操縦席との間のリンク機構
の構成を示す平面図、図23は本発明に係る冷却ファン
の構成を示すミッションケース周辺の平面断面図、図2
4は同じく側面断面図である。
【0008】図1及び図2において、HST装置を搭載
した農作業機としてコンバインを例にとり、その全体的
な構成から説明する。本実施例におけるコンバインの扱
胴4はその回転軸心4aが左右方向に配置され、機体前
後方向の長さが短くなるように配設している。このコン
バインはクローラ式走行装置1・1上に機体を支持して
おり、該クローラ式走行装置1・1はトラックフレーム
2にアイドラや転輪を支持し、該トラックフレーム2に
機体フレームを固定している。機体フレーム上に選別
部、その上に脱穀部3が配置され、該脱穀部3は扱胴4
やフィードチェーン5よりなり、選別部は揺動選別装置
6や唐箕や流穀板等よりなる。該脱穀部3上にグレンタ
ンク19が配置される。機体前端に刈取部7が配置さ
れ、引起しケース8L・8Rや掻込装置9や刈刃10や
株元搬送装置12や穂先搬送装置13等より構成され
る。
【0009】前記刈取部7の進行方向右側に操縦部14
が配置され、該操縦部14はステップ15の後部に座席
16を配置し、前部に操作コラム11を立設し、該操作
コラム11上に丸型のハンドル17を配置して操向でき
るようにし、操作コラム11の側部より主変速レバー1
8を突出している。前記脱穀部3上にグレンタンク19
が配置され、揚穀筒20によって選別後の穀粒が投入さ
れる。そして、機体後部上にエンジン22が載置され、
ミッションケース23を介してクローラ式走行装置1・
1を駆動できるようにし、該エンジン22の側部に排藁
カッター21が配置されている。
【0010】次に具体的構成及び作用を説明する。前記
刈取部7は機体フレーム前部に設けた回動支点軸26を
中心に上下回動自在に支持され、該トラックフレーム2
と刈取フレーム29との間に油圧シリンダー27が介装
されて刈取部7を昇降可能としている。前記刈取フレー
ム29の前端には三角形状の分草板41が配置され、該
分草板41の後部に引起し装置40が配置され、その後
部にスターホィールや掻込ベルト等よりなる掻込装置9
が配置され、穀稈は引起し装置40によって引き起こさ
れた後に掻込装置9によって左右中央から後方へ掻き込
まれる。そして、株元が株元搬送装置12によって挟持
されて刈刃10によって株元が切断される。引起し装置
40の後部から進行方向左側の機体側部に沿って脱穀部
3の後側部まで株元搬送装置12及び穂先搬送装置13
が配設され、該株元搬送装置12及び穂先搬送装置13
後部とフィードチェーン5の間の側部に受け継ぎ搬送装
置24が配置されている。
【0011】前記フィードチェーン5は脱穀部3の後部
でグレンタンク19の下方に位置して左右略水平方向に
配置され、該フィードチェーン5の上部に略平行に挟扼
杆42が配置され、穀稈の株元を挟持して進行方向左か
ら右方向へ搬送するようにしている。穀稈の穂先側は穂
先搬送装置13の後部から機体左上部に開口した脱穀入
口25に案内されて投入され、脱穀部3の扱胴4の回転
によって脱粒される。本実施例では脱穀部3を上扱き式
として扱胴4の高さを低くして重心が下がるようにして
機体の重量バランスの向上を図っている。
【0012】前記扱胴4の下方はクリンプ網30にて覆
われ、該クリンプ網30の下方に選別機構31が配置さ
れている。選別機構31は、後部を支点として前後方向
に揺動させる揺動選別装置6と、該揺動選別装置6の前
端に配置して揺動させる篩線32と、揺動選別装置6の
後下方に設けて後部下方から前部上方に選別風を供給す
る唐箕33と、前記選別装置6の前下方に設けて漏下す
る穀粒を揚穀筒20に取り出す一番コンベア34や一番
樋と、前記篩線32の下方に設けて漏下する穀粒や藁屑
等が混じる二番還元物を取り出す二番コンベア36や二
番樋と、二番コンベア36からの二番還元物を前記選別
装置6上面に戻す二番還元コンベア36と、前記篩線3
2上方右側の吸引口から篩線32上面の藁屑及び粉塵等
を吸い込んで機外に排出させる吸排塵ファン37等より
構成されている。
【0013】また、前記扱胴4の後端右側を四番口とし
て、扱胴4後右側から排藁カッター21に排藁が排出さ
れ、排藁コンベアをなくして機体の軽量化とコンパクト
化を図っている。また、脱穀部3の上部にグレンタンク
19が配置され、前後方向では座席16後部から機体後
部まで、左右方向で略機体幅とすることで、穀粒を収納
する容量をできるだけ大きくしている。該グレンタンク
19の下部は正面視V字状として、その底部に排出コン
ベア39が前後方向に配置され、収納された籾を後方へ
排出できるようにしている。
【0014】このような構成において、引起し装置40
のタイン43・43・・・を回動して、倒伏穀稈を引起
し、掻込装置9によって中央側に掻き込んで株元を刈刃
10によって切断する。そして、株元搬送装置12穂先
搬送装置13に穀稈を挟持して機体左側部に沿って起立
した状態のまま後方へ搬送し、受け継ぎ搬送装置24に
よって株元をフィードチェーン5に受け継ぎ、穂先を脱
穀入口25に案内する。
【0015】該フィードチェーン5により挟持された穀
稈は右方へ搬送されながら、扱胴4の回転によって脱粒
し、排藁は右端より排藁カッター21に送られて切断後
に後方より圃場に放出される。また、クリンプ網30を
漏下した穀粒や塵埃等は揺動選別装置6上に落ち、藁屑
や塵等は風選別と揺動選別によって前方へ送られる。精
粒はチャフフィンやグレンシーブ等を通過して流穀板等
にガイドされて一番樋上に落下して、一番コンベア34
によって右側方へ送られて、揚穀筒20を介してグレン
タンク19に収納される。篩線32を通過して落下した
二番物は二番樋上に落下して二番コンベア36より二番
還元コンベアを介して再度揺動選別装置6の後部上に還
元されて、再選別される。そして、藁屑や塵等は吸排塵
ファン37より吸引されて機外に排出される。
【0016】次に本発明に係る操縦部14について説明
する。図2に示すように、前記操縦部14はステップ1
5、座席16、ハンドル17等から構成され、該ステッ
プ15の後部に座席16を配置して、前部に操作コラム
11を立設し、該操作コラム11上に丸型のハンドル1
7を配置して、その側部に主変速レバー18を配置して
いる。
【0017】従来、前記ステップ15’は、図3に示す
ように、ステップ板15’aとステップマット15’b
とから構成され、該ステップ板15’aでオペレータの
体重を支持し、樹脂製の該ステップマット15’bで圃
場で付いた泥等をぬぐい、また、オペレータの足元の滑
り止めの役割を果たしていた。
【0018】しかしながら、このように配設すると、ス
テップ15’の部品点数が増えるとともに、ステップ1
5’の重量が増し、機体全体を重たくしていた。そこ
で、図4及び図5に示すように、ステップ板15aにパ
ンチング等により多数のバーリング孔15c・15c・
・・を開口して配列し、該バーリング孔15c・15c
・・・の突縁となった縁部15d・15d・・・にはゴ
ム等の弾性体91・91・・・等を焼き付けて接着する
構成としている。
【0019】このように構成することにより、該バーリ
ング孔15c・15c・・・及びその縁部15d・15
d・・・に周設した弾性体91・91・・・により滑り
止め及び泥ぬぐい機能を果たし、また、該バーリング孔
15c・15c・・・を開口することにより、ステップ
板15aの重量を軽減している。さらには、ステップ板
15aはバーリング孔15c・15c・・・の縁部15
d・15d・・・を立設して構成することにより、バー
リング孔15c・15c・・・開口部での応力集中によ
る強度の低下を補強し、オペレータの体重を充分に支え
るだけの強度を保っている。
【0020】また、従来、図6に示すように、前記座席
側方のサイドコラム28に主変速レバー18’や穀稈の
扱ぎ深さを調整する部材となる扱ぎ深さ調節スイッチ4
5等が配設され、該扱ぎ深さ調節スイッチ45は扱ぎ深
さ調節のための自動・手動の切り替え、または、手動で
扱き深さを設定するスイッチである。そして、本発明に
おいては、主変速レバー18、扱ぎ深さ調節スイッチ4
5は操作性を考慮し、次のような位置に配置する。
【0021】すなわち、図7に示すように、扱ぎ深さ調
節スイッチ45は、ハンドル17のハンドルリング17
aの周部に設け、オペレータはハンドル17を握りなが
ら指先だけで該扱ぎ深さ調節スイッチ45を操作でき
る。すなわち、入・切及び扱ぎ深さの調整を行なうこと
ができるのである。
【0022】前記扱ぎ深さの調整は、刈取部7により刈
り取った穀稈を株元搬送装置12と穂先搬送装置13に
より搬送するときに、該株元搬送装置12をモータ等で
回動して上下させることにより穀稈の脱穀部3へ供給さ
れる位置を変えることができ、このとき扱ぎ深さが深す
ぎると、稲藁等が脱穀部3の扱胴4に巻き付いて、所要
馬力が大きくなり能率が上がらなくなるうえ、藁屑の発
生が多くなり、馬力を取り、しかも、選別が悪くなるの
である。さらに、扱胴4の回転が低下するので詰まり易
く、また、詰まることにより部分的に大きな力がかかり
破損し易くなるのである。一方、扱ぎ深さが浅すぎる
と、扱ぎ残しが発生し、短稈稲や高刈り時に脱穀が不十
分になるのである。
【0023】このように、脱穀作業における扱ぎ深さの
調節は重要であり、本発明の如くハンドルリング17a
に扱ぎ深さ調節スイッチ45を配設することにより、オ
ペレータにとっては作業姿勢をそのままにしたまま、指
先だけで容易に操作ができ、また、前方を視認しながら
の手動操作ができるので、適切な扱ぎ深さに調節でき、
作業性が向上するのである。
【0024】次に本発明に係る主変速レバー18の配置
構成について説明する。図8及び図9に示すように、主
変速レバー18の基部は軸18aに固設されて、該軸1
8a下端の回動支点49からアーム51、リンク52、
アーム53と連結して該アーム53の他端を後述するリ
ンク機構と連結してHST装置の可動斜板を傾倒するた
めの連結部材50と連結されている。尚、本発明に係る
コンバインは操向用及び走行用の静油圧式無段変速装置
(HST装置)と該HST装置に動力を伝えるエンジン
22を機体後部に搭載し、主変速レバー18とHST装
置との間のリンク機構については後述する。
【0025】そして、本発明は変速レバー18の基部お
よびリンクをハンドル17の軸17bの支持部から水平
方向側方に突出して配設しており、オペレータにとって
は作業姿勢をそのままにして容易に操作ができ、操作性
が向上するのである。さらに、前記主変速操作レバー1
8は軸17bから左右どちらの方向にも突出可能であ
り、オペレータの利き手に合せた配設とすることもで
き、作業性、操作性を向上することができ、更に、着脱
可能に構成することで、組立性を向上することができ
る。
【0026】次に主変速レバー18に配設した脱穀クラ
ッチスイッチ54及び刈取クラッチスイッチ55につい
て説明する。従来、脱穀クラッチレバー及び刈取クラッ
チレバーは、操作コラム11より立設し、それぞれのク
ラッチレバーを前後方向に回動操作してそれぞれの動力
の伝達を断接していたのであるが、本発明においては、
図10に示すように、主変速レバー18先端のグリップ
18bに脱穀部への動力を断・接する脱穀クラッチスイ
ッチ54及び刈取部への動力を断・接する刈取クラッチ
スイッチ55を配設し、また、該グリップ18bの先端
面に刈取昇降レバー56を配設している。
【0027】脱穀部3及び刈取部7への動力の断・接
は、図11に示すように、それぞれベルトテンションク
ラッチ60を使用し、前記脱穀クラッチスイッチ54、
または、刈取クラッチスイッチ55のスイッチ操作によ
りベルトテンションクラッチ60を作動させ、それぞれ
エンジン22からの動力を断・接するのである。尚、ク
ラッチはベルトテンション式に限定するものではなく、
電磁クラッチや歯車噛合式等で構成することも可能であ
る。
【0028】前記ベルトテンションクラッチ60は、モ
ータ59、テンションアーム61、テンションプーリー
62等から構成され、プーリ65・66間を巻回するベ
ルト67上方にモータ59を配設し、該プーリ66の回
転軸66aを支点としてテンションアーム61を回動自
在に枢支し、該テンションアーム61の他端にはテンシ
ョンプーリー62を回転自在に配設し、該テンションア
ーム61の中途部をバネ69及びワイヤー68を介して
モータ59と連結する。
【0029】ここで、ベルトテンションクラッチ60の
作動について説明する。ベルトテンションクラッチ60
の作動は、それぞれ脱穀クラッチスイッチ54または、
刈取クラッチスイッチ55のON・OFFにより電気信
号を送信してモータ59を発停し、動力の断・接を行な
うのである。例えば、前記脱穀クラッチスイッチ54
(刈取クラッチスイッチ55)を押し込んでONにする
と、前記モータ59が駆動されてワイヤー68を巻上げ
テンションアーム61を引き上げてテンションプーリー
62を回転軸66aを中心に回動させ、ベルト67の張
りを強めて一方のプーリから他方のプーリーに動力が伝
達される。また、脱穀クラッチスイッチ54(刈取クラ
ッチスイッチ55)を再び押してOFF(スイッチボタ
ンが元位置)にすると、前記モータ59の停止信号が送
られて、ワイヤー68は巻き戻され、また、テンション
プーリーは回転軸66aを中心に斜下方へ回動し、ベル
ト67の緊張が解かれてプーリ65・66間の動力伝達
が絶たれるのである。
【0030】また、脱穀クラッチスイッチ54がOFF
のときに、刈取クラッチスイッチ55をONにすること
ができないように安全機構が施され、すなわち、図12
及び図13に示すように、脱穀クラッチスイッチ54の
内端部にストッパー71を接合し、すなわち、脱穀クラ
ッチスイッチ54とストッパー71は一体的に構成さ
れ、また、該ストッパー71の長手方向中央部には絶縁
体72を挿設して両端間には電気信号が流れないように
している。そして、該ストッパー71の刈取クラッチス
イッチ55側の外側面71aは、該刈取クラッチスイッ
チ55の内端部55aと近接あるいは当接する構成とし
ている。
【0031】このようにして、図12に示すように、脱
穀クラッチスイッチ54がOFFのときには、該ストッ
パー71に刈取クラッチスイッチ55の内端部55aが
当接して、該刈取クラッチスイッチ55の内部方向への
摺動が規制されスイッチをON状態にすることができ
ず、また、図13に示すように、脱穀クラッチスイッチ
54がONのときには、ストッパー71は該脱穀クラッ
チスイッチ54ととも一体的に摺動し、該ストッパー7
1の内側面71bが両クラッチスイッチ54・55の電
気接点73・74に当接し、この状態で刈取クラッチス
イッチ55を押してONにすれば、該刈取クラッチスイ
ッチ55の内端部55aがストッパー71の外側面71
aに当接して導通し、動力を伝達することができるので
ある。
【0032】また、前記安全機構は前述のようにストッ
パー付スイッチとした機械的機構のほか、半導体を使用
したり、あるいは、閉回路を組み合わせた電気的機構と
してもよい。一例として、図14に示すように、回路C
1は、主電源Bの出力側と脱穀クラッチスイッチS1と
を接続し、該脱穀クラッチスイッチS1→分岐点j1→
脱穀部3ベルトテンションクラッチを作動させるモータ
M1→分岐点j2→主電源Bと閉回路を構成する。ま
た、回路C2は、主電源B→脱穀クラッチスイッチS1
→分岐点j1→刈取クラッチスイッチS2→刈取部ベル
トテンションクラッチを作動させるモータM2→分岐点
j2→主電源Bと閉回路を構成する。
【0033】このような構成において、脱穀クラッチス
イッチS1がONのときには、刈取クラッチスイッチS
2はON/OFF自在に操作して刈取作業をすることが
でき、脱穀クラッチスイッチS1をOFFにすると回路
が開らいて刈取クラッチスイッチS2をONとしても刈
取作業をすることができないのである。
【0034】次にトランスミッションMの構成について
15乃至図19より説明する。図15乃至図17に示す
ように、本実施例においては無段変速ユニットとして静
油圧式無段変速装置(以下HST装置)Hを採用してお
り、前記クローラ式走行装置1・1を駆動するトランス
ミッションMは前記ミッションケース23内の走行系伝
動機構R、正逆転付与機構S及び遊星ギア機構135L
・135R、及び該ミッションケース23に載置された
HST装置Hより構成される。HST装置Hは、一組の
走行油圧ポンプ123及び走行油圧モータ124からな
る主変速機構である走行用の第一無段変速ユニット12
5と、一組の旋回油圧ポンプ126及び旋回油圧モータ
127からなる旋回機構である旋回用の第二無段変速ユ
ニット128とからなる。また、ミッションケース23
は左側(図16及び図17において左側)のケース部2
3L及び右側のケース部23Rより構成され、ケース部
23L・23Rがミッションケース23の左右方向で中
央付近において接合されている。
【0035】そして、図16及び図17に示すように、
両ケース部23L・23Rの内部においては、主区画た
る走行駆動用歯車収容部200が形成され、該収容部2
00内に潤滑油及びHST作動油としての油を溜めるこ
とができるようにしている。該走行駆動用歯車収容部2
00内には、遊星ギア機構135L・135R、走行系
伝動機構Rの大部分及び差動機構133等、駐車ブレー
キ機構等が配置されている。
【0036】また、図18及び図19に示すように前記
走行用の第一無段変速ユニット125は、機体の前後方
向における後方(図18における右側)に横置きしたケ
ース内に走行油圧ポンプ123及び走行油圧モータ12
4が並設されており、該走行油圧ポンプ123の入力軸
123a及び、該走行油圧モータ124の出力軸124
aの各々が機体左右方向に軸支され、互いに前後方向に
並列されている。
【0037】また、前記旋回用の第二無段変速ユニット
128においては、機体の前後方向における前方(図1
8における左側)から旋回油圧ポンプ126及び、旋回
油圧モータ127が並設され横置きのケースに内装され
ており、該旋回油圧ポンプ126の入力軸126a及
び、該旋回油圧モータ127の出力軸127aの各々が
機体左右方向に軸支され、互いに前後方向に並列されて
いる。
【0038】一方、図15に示すように、前記ミッショ
ンケース23の右側のケース部23Rの右上部には、ミ
ッションケース23の上面よりも上方に延出する入力ケ
ース部22aが突出形成されている。入力ケース部23
aは右側ケース部23Rの右端部に一体形成され、該入
力ケース部23aの右端開口を閉じるべく蓋体23bが
固定されている。そして、該ミッションケース23の上
面に臨む入力ケース部23aの左側面において、機体後
方から順に走行用の第一無段変速ユニット125及び旋
回用の第二無段変速ユニット128を並設させるよう
に、両無段変速ユニット125・128のケースを取り
付けている。
【0039】また、ミッションケース23内には走行系
伝動機構R及び正逆転付与機構Sが配設されており、図
16に示すように、前記第一無段変速ユニット125の
走行油圧モータ124の出力軸124aの一端が入力ケ
ース部23a内に挿入されてギア142を固設し、図1
7に示すように、前記第二無段変速ユニット128の旋
回油圧モータ127の出力軸127aの一端が入力ケー
ス部23a内に挿入されてギア197を固設している。
【0040】また、図16で示すように、走行用の第一
無段変速ユニット125のケースから入力ケース部23
aとは反対側へ、前記走行油圧ポンプ123の入力軸1
23aが突出しており、その端部には二連の入力プーリ
ー123bが入力軸123aに一体的に装着されてお
り、また、図17で示すように、旋回用の第二無段変速
ユニット128のケースから入力ケース部23aとは反
対側へ、前記旋回油圧ポンプ126の入力軸126aが
突出しており、その端部には一連の入力プーリー126
bが入力軸126aに一体的に装着されている。
【0041】そして、図15で示すように、前記入力プ
ーリー123bは2連のプーリーを有し、該プーリーの
一(内側のプーリー)と入力プーリー126bとを伝動
ベルト130により巻回し、旋回油圧ポンプ126の入
力軸126a(入力プーリー126b)と走行油圧ポン
プ123の入力軸123a(入力プーリー123b)と
は、該伝動ベルト130を介して連動連結させている。
131は伝動ベルト130を適当な張り具合に調整する
テンションプーリーである。また、前記エンジン22の
出力軸22aには出力プーリー22bが一体的に装着さ
れており、該出力プーリー21bと前記走行油圧ポンプ
23の入力プーリー123bの他(外側プーリー)との
間には伝動ベルト129が巻回されている。このように
して走行油圧ポンプ123の入力軸123aを伝動ベル
ト129、プーリー等を介しエンジン22に連動連結さ
せている。
【0042】また、図15に示すように、第一・第二無
段変速ユニット125・128の各々のケース上面に
は、走行油圧ポンプ23及び旋回油圧ポンプ126に対
するトラニオンアーム123c、126cが配設されて
おり、該トラニオンアーム123c、126cの回動操
作により、走行油圧ポンプ123及び旋回油圧ポンプ1
26の可動斜板171、172がそれぞれ傾動され、走
行油圧モータ124及び旋回油圧モータ127の回転速
度及び回転方向が制御される。
【0043】次に差動機構133の構成について説明す
る。図16に示すように、ミッションケース23内の差
動機構133は左右の一対の遊星ギア機構135L・1
35Rを有し、各遊星ギア機構135L・135Rはサ
ンギア136L・136Rと、該サンギア136L・1
36Rの外周で噛合う複数のプラネタリギア137L・
137Rと、リングギア138L・138Rに一体構成
されプラネタリギア137L・137Rに噛合うインタ
ーナルギア138a・138aと、サンギア軸139と
同軸線上の車軸140L・140Rに固設されプラネタ
リギア137L・137Rを枢支するキャリア141L
・141R等から構成されている。該プラネタリギア1
37L・137Rは車軸140L・140Rから放射状
に均等配置されてキャリア141L・141Rにそれぞ
れ回転自在に軸支され、左右のサンギア136L・13
6Rを挟んで左右のキャリア141L・141Rを配置
させると共に、前記インターナルギア138a・138
aは各プラネタリギア137L・137Rに噛み合い、
サンギア軸139とは同一軸心上に配置させ、車軸14
0L・140Rに回転自在に軸支させている。
【0044】そして、左右の前記サンギア136L・1
36Rは共通のサンギア軸139の外周面上に刻設さ
れ、両サンギア136L・136Rの中間部に係止した
センタギア146を介して、副変速機構132等からな
る走行系伝動機構Rに連動連結され、さらに走行系伝動
機構Rの入力部には、前記第一無段変速ユニット125
の出力軸124aに係合されるギア142が連動連結さ
れている。
【0045】副変速機構132は、ミッションケース2
3に横架した副変速駆動軸153の一端に入力用ギア1
44を固設し、該副変速駆動軸153上には低速用ギア
150、中速用ギア151を固設し、高速用ギア152
を遊嵌し、高速ギア152と噛合可能なクラッチスライ
ダ181を摺動可能にスプライン嵌合している。また、
前記副変速駆動軸153と平行に回転自在に横架した副
変速従動軸145上には、ギア147・148を遊嵌
し、その間にクラッチスライダ180を両者に嵌合可能
にスプライン嵌合し、出力ギア149を固設している。
そして、ギア147と低速用ギア150、ギア148と
中速用ギア151、ギア149と高速用ギア152とを
それぞれ常時嵌合させている。
【0046】これら二つのクラッチスライダ180・1
81は運転席近傍に配備した一本の副変速レバーに連係
され、該副変速レバーが操作されることで各々の軸15
3、145上を同時に摺動して、クラッチスライダ18
0・181のいずれかがギア147・148・152の
いずれかと係合するように構成され、これにより、副変
速従動軸145に三段の変速回転が得られ、出力ギア1
49から出力されるようになっている。
【0047】このような構成において走行油圧モータ1
24の回転出力が、図16に示すように、出力軸124
aから入力ケース部23a内のギア142を介して、カ
ウンター軸143上のギア143a、入力用ギア144
を介して副変速機構132に伝達され、副変速機構13
2において変速したのち出力ギア149からカウンター
ギア154、センタギア146を経由して左右のサンギ
ア136L・136Rを回転駆動させるのである。そし
て、左右の遊星歯車機構135L・135Rを介し車軸
140に伝達させることにより、左右の駆動スプロケッ
ト134L・134Rを回転駆動させ、クローラ式走行
装置1・1を駆動させるのである。
【0048】一方、図17及び図18に示すように、左
右の前記リングギア138L・138Rは、支軸163
上に遊嵌したギア163c・163d、アイドル軸16
2上のアイドルギア162a等からなる正逆転付与機構
Sに連動連結され、さらに正逆転付与機構Sの入力部に
は第二無段変速ユニット128の出力軸127aに係合
されるギア197が連動連結されている。
【0049】そして、旋回用の第二無段変速ユニット1
28の旋回油圧モータ127の回転出力が、出力軸12
7aから順に伝達ギア197、カウンター軸196上の
駆動ギア196aに伝達され、さらに入力用の伝動ギア
191を介して旋回入力軸190、クラッチ装置Cを介
してクラッチ軸161へと伝達される。
【0050】前記旋回入力軸190には同歯数の駆動ギ
ア190a・190bが刻設され、またクラッチ軸16
1上には、該駆動ギア190a・190bと常時噛み合
うクラッチギア161b・161cが遊嵌配置されてい
る。そして、両クラッチギア161b・161cの間
に、該クラッチギア161b・161cの各々に対して
係脱自在なクラッチスライダ161dを、クラッチ軸1
61と相対回転不能で、かつ、軸方向摺動自在に設置す
ることにより、前記クラッチ装置Cを構成している。こ
のクラッチスライダ161dは前述の副変速機構132
のクラッチスライダ180・181と連動連係され、副
変速機構132が中立位置にあるときにはクラッチギア
161b・161cのいずれとも係合せず、副変速機構
132が1速から3速までの伝動状態にあるときのみ係
合して旋回入力軸190からの動力をクラッチ軸161
に伝達し、クラッチ軸161と一体の出力ギア161a
より出力するように構成されている。
【0051】そして、クラッチ軸161上の出力ギア1
61aの回転は支軸163上に遊嵌した旋回入力ギア1
63bに直接的に伝達され、ギア163dを介してリン
グギア138Rに伝達される。また、左側のリングギア
138Lに対しては、クラッチ軸161上の出力ギア1
61aの回転はアイドル軸162上のアイドルギア16
2aにて逆転されたのち、支軸163上の旋回入力ギア
163aに伝達され、ギア163cを介してリングギア
138Lに伝達される。このようにして旋回油圧モータ
127の回転出力が、左右のリングギア138L・13
8Rを互いに逆回転方向へ、かつ左右同一回転数で伝達
される。
【0052】このような構成で、走行油圧ポンプ123
の可動斜板171に対するトラニオンアーム123c
が、運転席近傍に配備した主変速レバー18に後述する
リンク機構を介して連動連係されており、第一無段変速
ユニット125は該主変速レバー18の回動操作により
可動斜板171の傾斜角度が変更されて走行油圧モータ
124の正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制
御を行うことが可能となっている。また、旋回油圧ポン
プ126の可動斜板172に対するトラニオンアーム1
26cが操向ハンドル17に後述する別リンク機構を介
して連動連係されており、第二無段変速ユニット128
は該操向ハンドル17の回動により可動斜板172の傾
斜角度が変更されて旋回油圧モータ127の正逆の回転
方向と回転数増減及び回転停止の制御を行うよう構成さ
れている。
【0053】そして、操向ハンドル17を直進走行位置
におくと、旋回油圧ポンプ126が中立位置となり、旋
回油圧モータ127の駆動が停止して左右リングギア1
38が静止固定された状態となり、主変速レバー18に
て走行油圧ポンプ123より圧油を吐出させて走行油圧
モータ124を駆動すると、その回転はセンタギア14
6から左右のサンギア136L・136Rに同一回転数
で伝達され、左右遊星ギア機構135L・135Rのプ
ラネタリギア137L・137R、キャリア141L・
141Rを介し、図20に示す左右の駆動スプロケット
134L・134Rが左右同回転方向の同一回転数で駆
動されて、機体の前進直進走行が行われる。また、主変
速レバー18にて走行油圧ポンプ123からの圧油吐出
方向を反転させると、機体は後進状態で直進走行する。
【0054】ここで、操向ハンドル17を右に切ると、
旋回油圧ポンプ126は作動状態となって圧油を吐出
し、該圧油を受けて旋回油圧モータ127が駆動され
る。該旋回油圧モータ127から出力された動力は旋回
入力軸190からクラッチ装置Cを経て正逆転付与機構
Sに至り、ここで同一回転数のまま二手に分けられ、そ
の一方は前記遊星ギア機構135のリングギア138L
を正転させ、他方はリングギア138Rを逆転させる。
正転するリングギア138Lの回転数はサンギア136
Lによって正転している左キャリア141Lの回転数に
加算される一方、逆転するリングギア138Rの回転数
はサンギア136Rによって正転している右キャリア1
41Rの回転数に減算される。これによって図20に示
す両駆動スプロケット134L・134Rの駆動状態を
維持しつつ、駆動スプロケット134Lの回転数が駆動
スプロケット134Rのそれよりも高くなって右方へ進
路が変更されるのである。
【0055】旋回油圧ポンプ126からの吐出油量は操
向ハンドル17の切れ角度が大きくなるに従って増加
し、これに応じて旋回油圧モータ127の回転数も無段
に増加するので、左右の駆動スプロケット134・13
4に生じる相対回転差は次第に大きくなり、より小さな
旋回半径で機体が旋回することとなる。また、操向ハン
ドル17を左に切ると、旋回油圧ポンプ126の圧油吐
出方向が反転して旋回油圧モータ127の回転方向が逆
になり、これによって最終的に、左キャリア141Lの
回転数が減算される一方、右キャリア141Rの回転数
が加算されて、駆動スプロケット134Rの回転数が駆
動スプロケット134Lのそれよりも高くなって左方へ
進路が変更されるのである。
【0056】次に、本発明に係るHST装置のリンク機
構について説明する。図21に示すように、操縦部の操
作コラム11に配置した主変速レバー18と第一無段変
速ユニット125のトラニオンアーム123cとをリン
ク機構L1を介して連結し、また、ハンドル17と第二
無段変速ユニット128のトラニオンアーム126cと
を別のリンク機構L2を介して連結して構成する。
【0057】また、前記リンク機構L1とリンク機構L
2とは、前後方向で上下略平行に配設して互いに交わら
ないように構成している。すなわち、該リンク機構L2
はリンク機構L1のやや上方に配設し、平面視でクロー
ラ式走行装置1・1の内側部の直上方に配置して、両リ
ンク機構L1・L2は機体(右)側部を迂回させる構成
としている。すなわち、第一・第二無段変速ユニット1
25・128は両方を並列駆動できるように機体前後方
向に並べて配設され、後側に配置された第一無段変速ユ
ニット125は、前記リンク機構L1に連結され、第一
無段変速ユニット125のトラニオンアーム123cの
先端123dはリンクロッド111の一端と連結し、ま
た、該リンクロッド111の他端は機体前方に向けて延
出してその前端111aはリンクアーム112と連結し
ている。該リンクアーム112の中央部は枢支軸100
によって枢支され、該リンクアーム112の他端112
aは脱穀部3等を被装する機体側方カバー47Rの外に
突出させ、リンクロッド110の一(後)端と連結す
る。そして、該リンクロッド110の他(前)端を機体
側方カバー47Rと略平行に、かつ、前方に向けて延出
し、該リンクロッド110の前端110aを主変速レバ
ー18と連結した連結部材50と連結している。
【0058】また、第二無段変速ユニット128のトラ
ニオンアーム126cはリンク機構L2と連結される。
該トラニオンアーム126cの先端126dはリンクロ
ッド121と連結され、該リンクロッド121は前方に
向けて延出してその前端121aはリンクアーム122
と連結する。該リンクアーム122の中間部は前記枢支
軸100によって枢支され、そして、該リンクアーム1
22の他端122aは機体側方カバー47Rの外に突出
させ、リンクロッド120と連結する。該リンクロッド
120は機体側方カバー47Rと略平行に、かつ、前方
に向けて延出され、該リンクロッド120の前端120
aとハンドル17の回転軸17aに軸支されたリンクア
ーム119と連結する。
【0059】このようにしてリンク機構を構成し、例え
ば、オペレータが主変速レバー18を前進方向に回動す
れば(前方に押し込めば)、図9に示す軸18a、アー
ム51、リンク52、アーム53、連結部材50とその
回動操作が伝達し、該連結部材50によりリンクロッド
110を後方へ押し下げ、さらに、該リンクロッド11
0の後方摺動に連動して、リンクアーム112は支点軸
100を中心に時計回りに回転してリンクロッド111
を前方に引っ張り、その結果、トラニオンアーム123
cは反時計回りに回動して、前記走行油圧ポンプ123
の可動斜板171が傾動し、走行油圧モータ124の回
転速度が制御されるのである。
【0060】また、旋回操作については、オペレータが
左(時計回り)にハンドル17を切れば、ハンドル回転
軸17aを中心にリンクアーム119も時計回りに回動
してリンクロッド120を後方へ押し下げ、さらに、該
リンクロッド120の後方摺動に連動して、リンクアー
ム122は支点軸100を中心に時計回りに回転してリ
ンクロッド121を前方に引っ張り、その結果、トラニ
オンアーム126cは反時計回りに回動して、前記走行
油圧ポンプ128の可動斜板172が傾動し、走行油圧
モータ127の回転方向が制御されるのである。
【0061】このように前記リンク機構L1・L2は、
機体側方カバー47Rの直側方を迂回して配設するた
め、この位置(機体外側部位置)ではクローラ走行装置
1の内側部の直上方になって、該クローラ走行装置1か
ら直接泥等の飛散が防がれ、また、路面の石、岩等に当
たることもなく、安全性が向上するのである。また、リ
ンクロッド110・120が機体側方で配設されている
ため、オペレータは、機体側方カバー47Rを開けた
り、機体下方に潜り込まなくとも、前記リンク機構L1
・L2の微調整等の保守を機体側方より簡単に行なえ、
メンテナンス性の向上が図れるのである。
【0062】次にリンク機構の構成の別実施例として、
第一・第二無段変速ユニット125・128を機体左右
方向に並べて配設した構成について説明する。図22に
示すように、第一無段変速ユニット125を左方に配設
するものとし、また、リンク機構L’2はリンク機構
L’1のやや上方に配設する構成とする。このような構
成において、該リンク機構L1’では、第一無段変速ユ
ニット125のトラニオンアーム123cの先端123
dとリンクロッド111’とを連結し、また、該リンク
ロッド111’を右方に向けて配設し、その右端11
1’aでリンクアーム112’と連結する。該リンクア
ーム112’は平面視、「L」字状に形成され、略中央
に枢支軸101を設けて枢支し、該リンクアーム11
2’の右端112’aとリンクロッド110とを機体側
方カバー47Rの外側方位置で連結する。また、該リン
クロッド110を機体側方カバー47Rと略平行に、前
方に向けて延出し、該リンクロッド110の前端110
aと主変速レバー18の連結部材50とを連結する。
【0063】また、リンク機構L2’は、第二無段変速
ユニット128のトラニオンアーム126cの先端12
6dとリンクロッド121’とを連結し、また、該リン
クロッド121’を右方に向けて延出してその右端12
1’aでリンクアーム122’とを連結する。該リンク
アーム122’は平面視、「L」字状に形成されその中
央部を前記枢支軸101により枢支し、該リンクアーム
122’の右端122’aとリンクロッド120とを機
体側方カバー47Rの外側方位置で連結する。また、該
リンクロッド123を機体側方カバー47Rと略平行
に、前方に向けて延出し、該リンクロッド120の前端
120aとハンドル17のリンクアーム124を連結
し、該リンクアーム119の左右中央位置とハンドル1
7の回転軸17aとを連結する。
【0064】このようにしてリンク機構を構成し、例え
ば、オペレータが主変速レバー18を前方に押し込め
ば、図9に示す軸18a、アーム51、リンク52、ア
ーム53、連結部材50とその回動操作が伝達し、リン
クロッド110を後方へ押し下げ、さらに、該リンクロ
ッド110の後方摺動に連動して、リンクアーム11
2’は支点軸101を中心に時計回りに回転してリンク
ロッド111を右方に押し、その結果、トラニオンアー
ム123cは平面視、右方に回動して、前記走行油圧ポ
ンプ123の可動斜板171が傾動し、走行油圧モータ
124の回転速度が制御されるのである。
【0065】また、旋回操作については、オペレータが
左(時計回り)にハンドル17を切れば、ハンドル回転
軸17aを中心にリンクアーム119も時計回りに回動
してリンクロッド120を後方へ押し下げ、さらに、該
リンクロッド120の後方摺動に連動して、リンクアー
ム122’は支点軸101を中心に時計回りに回転して
リンクロッド121を右方に押し、その結果、トラニオ
ンアーム126cは右方に回動して、前記走行油圧ポン
プ128の可動斜板172が傾動し、走行油圧モータ1
27の回転方向が制御されるのである。
【0066】このようにリンク機構L’1・L’2は、
機体側方カバー47Rの直側方を迂回して配設するた
め、この位置(機体外側部位置)ではクローラ走行装置
1の内側部の直上方になって、該クローラ走行装置1に
遮られて泥等の飛散が防がれ、また、路面の石、岩等に
当たることもなく、安全性が向上するのである。また、
リンクロッド110・120が機体側方で配設されてい
るため、オペレータは、機体側方カバー47Rを開けた
り、機体下方に潜り込まなくとも、前記リンク機構L
1’・L2’の微調整等の保守を機体側方より簡単に行
なえ、メンテナンス性の向上が図れるのである。
【0067】尚、本発明では、主変速レバーの配置構成
は特に限定するものではなく、例えば、運転席側方のサ
イドコラムに主変速レバーを配置した構成であってもよ
く、、この場合もリンク機構を機体側方を迂回させて配
設することができる。また、前記リンク機構の変わりに
ワイヤー、あるいは、ワイヤーとリンクとの複合で機体
側方を迂回してHST装置と操縦席とを連結してもよ
い。以上、コンバインを参照しながら、本発明に係るH
ST装置のリンク機構を説明したが、このようなリンク
機構は、機体後部にHST装置を搭載した農作業機にも
広く採用することができる。
【0068】次に本発明に係る冷却ファンの構成を説明
する。コンバインの機体後部に載置されたエンジン22
や、該エンジン22下方に配置されたミッションケース
23等の高温部には冷却機構を設けて、各部材が熱膨張
で変形したり、燃焼室内での異常燃焼がおこるのを防い
でいる。
【0069】図23及び図24に示すように、ミッショ
ンケース23上方に冷却ファン81を設け、該冷却ファ
ン81の回転面の円周方向にフレーム82を配設し、該
フレーム82は、風の流れを作るシュラウドの役割を果
たすとともに、機体の一部としての補強部材の役割をも
果たすように構成している。前記フレーム82の上面に
沿ってシュラウドカバー83を配設し、該シュラウドカ
バー83の両端をボルト85・85で機体フレームに締
結する。
【0070】このように構成することにより、従来使用
していた複雑な形状のシュラウドを配設することなく、
コスト面においても冷却機構を安価に仕上げることがで
き、また、本発明に係るシュラウドはフレーム82とシ
ュラウドカバー83に分割可能な構成としているため、
シュラウドカバー83を取り外し、冷却ファン81の清
掃等メンテナンスが容易となる。
【0071】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したもので、
次のような効果を奏するものである。すなわち、請求項
1のように、操向用及び走行用のHST装置と該HST
装置に動力を伝えるエンジンを機体後部に搭載し、ステ
アリングハンドル及び主変速レバーを機体前部の操作コ
ラムに配置した農作業機において、前記HST装置とス
テアリングハンドル及び主変速レバーをリンクを介して
連結し、該リンクを機体側部に配設することにより、従
来のような機体下部を迂回する構成のように、リンクロ
ッドを敢えて機体下部へ上げ下ろししなくてもよいた
め、従来に比べて配設距離が短くなり、リンク数を減ら
して部品点数を削減でき、その結果、リンク機構の配設
に要するコスト削減に繋がるのである。また、リンクが
機体側方で配設されているため、作業者は機体側方カバ
ーを開けたり、機体下方に潜り込まなくとも、機体側方
より、該リンクの微調整等の保守が簡単にでき、メンテ
ナンス性の向上が図れるのである。
【0072】また、請求項2のように、前記リンクを上
下平行に配設し、平面視でクローラー内側部の直上方に
配置することにより、該クローラに遮られて泥等の飛散
が防がれ、また、路面の石、岩等に当たることもなく、
安全性が向上するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンバインの全体側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】従来における操縦部ステップの構成を示す斜視
図。
【図4】本発明に係る操縦部ステップの構成を示す平面
図。
【図5】図4におけるAより見たバーリング孔を示す側
面断面図。
【図6】従来における操縦部の構成を示す平面図。
【図7】本発明に係る扱ぎ深さ調節スイッチの配設位置
を示す操縦部の平面図。
【図8】変速レバーのリンク機構を示す平面図。
【図9】同じく左側面図。
【図10】本発明の別実施例における主変速レバーの構
成を示す側面図。
【図11】ベルトテンションクラッチの構成を示す側面
図。
【図12】脱穀クラッチスイッチが「切」の状態におけ
る主変速レバーの部分正面断面図。
【図13】脱穀クラッチスイッチが「入」の状態におけ
る主変速レバーの部分正面断面図。
【図14】脱穀クラッチスイッチと刈取クラッチスイッ
チの連動構成を示す回路図。
【図15】トランスミッション全体の模式斜視図。
【図16】走行用の第一無段変速ユニットを含むトラン
スミッションの断面展開図。
【図17】旋回用の第二無段変速ユニットを含むトラン
スミッションの断面展開図。
【図18】トランスミッションの左側面断面図。
【図19】トランスミッションの左側面図。
【図20】HST装置を搭載したコンバインの全体的な
構成を示した正面模式図。
【図21】本発明の一実施例に係るHST装置と操縦席
との間のリンク機構の構成を示す平面図。
【図22】本発明の別実施例に係るHST装置と操縦席
との間のリンク機構の構成を示す平面図。
【図23】本発明に係る冷却ファンの構成を示すミッシ
ョンケース周辺の平面断面図。
【図24】同じく側面断面図。
【符号の説明】
1 クローラ式走行装置 17 ハンドル 18 主変速レバー 23 ミッションケース 123c トラニオンアーム 125 第一無段変速ユニット 126c トラニオンアーム 128 第二無段変速ユニット H HST装置 L1 リンク機構 L2 リンク機構 L’1 リンク機構 L’2 リンク機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新福 勇一 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 坂田 淳哉 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 松井 孝広 岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会 社内 (72)発明者 三好 正剛 岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会 社内 Fターム(参考) 2B076 AA03 BA03 BA05 DA15 DB10 DC01 DC03 3D042 AA05 AB11 BA02 BA04 BA07 BA08 BA10 BA13 BA20 BB01 BD04 BD08 BD09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向用及び走行用の油圧式無段変速装置
    (以下「HST装置」)と該HST装置に動力を伝える
    エンジンを機体後部に搭載し、ステアリングハンドル及
    び主変速レバーを機体前部の操作コラムに配置した農作
    業機において、前記HST装置とステアリングハンドル
    及び主変速レバーをリンクを介して連結し、該リンクを
    機体側部に配設することを特徴とする静油圧式変速装置
    のリンク機構。
  2. 【請求項2】 前記リンクを上下平行に配設し、平面視
    でクローラー内側部の直上方に配置したことを特徴とす
    る請求項1記載の静油圧式変速装置のリンク機構。
JP36079999A 1999-12-20 1999-12-20 静油圧式無段変速装置のリンク機構 Pending JP2001171370A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36079999A JP2001171370A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 静油圧式無段変速装置のリンク機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36079999A JP2001171370A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 静油圧式無段変速装置のリンク機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001171370A true JP2001171370A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18470973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36079999A Pending JP2001171370A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 静油圧式無段変速装置のリンク機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001171370A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090416A (ja) * 2001-09-14 2003-03-28 Iseki & Co Ltd コンバイン

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090416A (ja) * 2001-09-14 2003-03-28 Iseki & Co Ltd コンバイン
JP4715068B2 (ja) * 2001-09-14 2011-07-06 井関農機株式会社 コンバイン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6666086B2 (ja) コンバイン
JP3730510B2 (ja) コンバイン
JP5460298B2 (ja) コンバイン
JP2009208625A (ja) 走行車両
JP4025479B2 (ja) コンバインの操縦部
JP2001171370A (ja) 静油圧式無段変速装置のリンク機構
JP2004097038A (ja) コンバイン
JP5257245B2 (ja) コンバイン
JP4111665B2 (ja) コンバイン
JP5448504B2 (ja) コンバイン
JP5355241B2 (ja) 走行車両
JP2001103828A (ja) コンバイン
JP5448869B2 (ja) コンバイン
WO2015178100A1 (ja) コンバイン
JP2002247909A (ja) コンバイン
JP2020072768A (ja) コンバイン
JPH088586Y2 (ja) コンバインの刈取装置
JP5244086B2 (ja) 作業車両
JP6192589B2 (ja) コンバイン
JP2003180134A (ja) コンバイン
JP3696851B2 (ja) コンバインの刈取部
JP3831520B2 (ja) コンバイン
JPH0618420Y2 (ja) コンバインの刈取装置
WO2017065115A1 (ja) コンバイン
JP3541171B2 (ja) コンバインの刈取搬送部昇降操作構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080715

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081111