JP2001166214A - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JP2001166214A
JP2001166214A JP34478699A JP34478699A JP2001166214A JP 2001166214 A JP2001166214 A JP 2001166214A JP 34478699 A JP34478699 A JP 34478699A JP 34478699 A JP34478699 A JP 34478699A JP 2001166214 A JP2001166214 A JP 2001166214A
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optical
lens
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健司 川崎
Daisuke Nishiwaki
大介 西脇
Noriyuki Shimizu
敬之 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自家蛍光や励起光の迷光や漏光を低減して、
蛍光照明光学系の照明光を効率良く利用して明るい蛍光
観察を可能にする。 【解決手段】 対物レンズ1と、変倍光学系を含む観察
光学系ユニット2と、結像レンズ3と接眼レンズ4を含
む結像光学系ユニット9を備えた観察装置であって、別
体に設けられた蛍光照明装置Aが脱着可能であり、蛍光
照明装置Aは、光源13と、コレクタレンズ群16と、
光源からの光を対物レンズに入射させる反射部材6と
を、対物レンズ1と観察光学系ユニット2との間の対物
レンズ1の光軸から偏心した位置に配置し、また、光源
13と反射部材6との間に配置された励起部材8を備
え、試料7から発する蛍光を選択透過する光学部材5
を、対物レンズ1と結像光学系ユニット9の間に配置し
ている光学装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学装置に関し、
特に、蛍光顕微鏡及び蛍光観察可能な実体顕微鏡を含む
蛍光観察光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、蛍光顕微鏡及び実体顕微鏡下での
蛍光観察は、ミクロ領域の蛍光観察にとどまらず、低倍
率のマクロ領域においても蛍光観察が行なわれるように
なってきている。特にGFP(Green Fluorescence Pro
tein)やCFP(Cyan Fluorescence Protein )、YF
P(Yellow Fluorescence Protein )といった蛍光タン
パク質は、従来の蛍光色素に比べて細胞への毒性が少な
く、褪色が少なく、蛍光の明るさが明るいといった利点
があり、遺伝子研究の分野でもさかんに使用されるよう
になってきた。
【0003】このように、観察される対象が、ミクロ領
域の細胞レベルから、マクロ領域を対象にしたショウジ
ョウバエやマウスの個体の観察に及ぶことから、一般的
な蛍光顕微鏡観察だけでなく、蛍光観察可能な観察装置
として実体顕微鏡の蛍光観察装置が提案されている。
【0004】実体顕微鏡は、通常の顕微鏡に比べて、非
常に長い作動距離を有し、立体的な観察が可能という特
徴を有する顕微鏡である。
【0005】図43に、従来の実体顕微鏡の蛍光観察装
置を示す。まず、実体顕微鏡の観察光学系は、交換可能
な対物レンズ41、左右の眼に対応する2つの変倍光学
系42R、42L、及び、結像レンズ群43R、43
L、接眼レンズ44R、44Lで構成されており、対物
レンズ41及び変倍光学系42R、42Lで試料を拡大
し、結像レンズ43R、43Lと接眼レンズ44R、4
4Lを通して試料47の像を観察する。
【0006】対物レンズ41と変倍光学系42R、42
L間、及び、変倍光学系42R、42Lと結像レンズ4
3R、43L間は、共にアフォーカル光学系で構成され
ており、システム性に優れている。
【0007】蛍光照明光学系は、光源51、照明レンズ
52、励起フィルタ53、及び、ダイクロイックミラー
54Lを備えている。
【0008】水銀ランプである光源51から発せられた
光は、照明レンズ52によって励起フィルタ53に導か
れる。励起フィルタ53は、光源51からの光の中、試
料47を励起するために必要な波長の励起光のみ選択的
に透過する。励起フィルタ53を透過した励起光は、ダ
イクロイックミラー54Lにより変倍光学系42Lに向
けて反射され、変倍光学系42Lと対物レンズ41によ
り、試料47に照射される。
【0009】試料47では、励起光の照射により、蛍光
色素によって染色された部分から蛍光が発生する。試料
47から生じた蛍光は、対物レンズ41によって集光さ
れ、右目観察光路R及び左眼観察光路Lに導かれる。左
目観察光路Lに導かれた蛍光は、変倍光学系42L、ダ
イクロイックミラー54Lを通過し、吸収フィルタ55
Lに到達する。吸収フィルタ55Lの分光特性によって
蛍光のみが透過するように選択される。そして、特定の
波長の蛍光は結像レンズ43Lで結像され、接眼レンズ
44Lにより蛍光像として観察される。また、右目観察
光路Rに導かれた蛍光は、変倍光学系42R、ダイクロ
イックミラー54Rを通過し、吸収フィルタ55Rに到
達する。吸収フィルタ55Lと同様に、吸収フィルタ5
5Rを透過した蛍光は、結像レンズ43Rで結像され、
接眼レンズ44Rにより蛍光像として観察される。
【0010】実体顕微鏡だけでなく、通常の蛍光顕微鏡
の構成を図44に示す。蛍光照明光学系は、光源51、
照明レンズ52、励起フィルタ53、ダイクロイックミ
ラー54、及び、吸収フィルタ55を備えている。水銀
ランプである光源51から発せられた光は、照明レンズ
52によって、励起フィルタ53に導かれる。励起フィ
ルタ53は、光源51からの光の中、試料47を励起す
るために必要な波長の励起光のみ選択的に透過する。励
起フィルタ53を透過した励起光は、ダイクロイックミ
ラー54により反射され、対物レンズ41により試料4
7に照射される。試料47から生じた蛍光は、対物レン
ズ41によって集光され、ダイクロイックミラー54を
通過し、吸収フィルタ55に到達する。吸収フィルタ5
5の分光特性によって蛍光のみが透過するように選択さ
れる。そして、特定の波長の蛍光は結像レンズ43で結
像され、接眼レンズ44により蛍光像として観察され
る。
【0011】図43の蛍光照明光学系は、光源51の投
映像を変倍光学系42Lの瞳位置付近に投影し、観察時
の変倍操作や対物レンズ41の交換によらず、照明範囲
と観察範囲を一致させることができるので、操作性は良
好である。
【0012】同様に、図44の蛍光照明光学系では、光
源51の投影像を対物レンズ41の瞳位置付近に投影す
るので、対物レンズ41の交換によらず、照明範囲と観
察範囲を一致させることができる。
【0013】図45に、図43の照明方法とは別に、観
察光路を照明光路として併用しない構成を示す。光源5
1、コレクタレンズ58、ライトガイドファイバ59、
励起フィルタ53、照明範囲可変の照明レンズ57で構
成されている。光源51から発した励起光は、コレクタ
レンズ58によって集光されて、ライトガイドファイバ
59の入射端面59aに導かれる。ライトガイドファイ
バの射出端面59bから出射した光は、照明範囲可変な
照明レンズ57を通り、励起フィルタ53によって特定
の波長領域の光のみが選択されて、試料47に照射され
る。試料47から発した蛍光は、図43と同様に、対物
レンズ41、変倍光学系42R、42L、吸収フィルタ
55R、55L、結像レンズ43R、43L、接眼レン
ズ44R、44Lを経て観察される。
【0014】さらに、観察光学系の変倍光学系と照明光
学系を分離した提案としてWO99/13370号での
構成を図46に示す。
【0015】この装置は、図46(a)に示すように、
対物レンズ41、観察光学系ユニット42中の左右の眼
に対応する観察光学系42L、42R、結像レンズ43
L、43R、接眼レンズ44L、44Rで構成されてい
る。
【0016】観察光学系42L、42Rと結像レンズ4
3L、43Rの間には吸収フィルタ50が配置され、蛍
光照明光学系45は、図46(b)に示すように、光源
46からの光を集光し、励起フィルタ48を透過した励
起光は、偏向部材49を通って、観察光学系ユニット4
2中に観察光学系42L、42Rとは別に配置された励
起光が通過する蛍光照明レンズ群42Fを通り、対物レ
ンズ41を透過して試料47を照明する。試料47から
発した蛍光は、対物レンズ41を通って、観察光学系4
2L、42R、吸収フィルタ50を透過し、結像レンズ
43L、43R、接眼レンズ44L、44Rにより観察
される。
【0017】観察光学系ユニット42中の観察光学系4
2L、42Rの変倍操作によって倍率を変化させて観察
する際に、蛍光照明レンズ群42F中のレンズ群が、観
察光学系42L、42Rの変倍操作と連動して観察範囲
と照明範囲を一致させる構成となっている。なお、図4
6(c)に、観察光学系42L、42Rと蛍光照明レン
ズ群42Fの上面図を示す。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】蛍光観察に求められる
ものは、蛍光像の明るさと高いコントラストである。
【0019】蛍光は通常の反射や透過観察時の光に比べ
てその強度が非常に微弱であるため、蛍光観察が可能な
実体顕微鏡に係わらず、蛍光観察に使用される様々な顕
微鏡において、試料の蛍光像を明るく、かつ、コントラ
スト良く観察できるようにすることは非常に重要であ
る。
【0020】蛍光の明るさの要素として、対物レンズ等
の光学系には大きな開口数と紫外域から可視域にわたる
高い透過率や照明の効率等が求められている。
【0021】蛍光像のコントラストが低下する要因の一
つとして、ガラス等の光学部材が励起光によって自ら蛍
光を発生する自家蛍光がある。蛍光観察用の対物レンズ
には、この自家蛍光が小さい硝材を選択して使用する
が、特に負レンズとして使用される高分散、高屈折率の
ガラスは自家蛍光が大きく、紫外域の透過率が低いため
に硝材の選択には制限があり、蛍光用対物レンズ等の光
学系の収差を良好に補正することは光学設計上困難であ
る。
【0022】したがって、図43に示した実体顕微鏡
は、立体感のある観察と操作性に優れた長い作動距離と
いう特徴を有するものの、蛍光観察時では、通常の蛍光
顕微鏡に比べて開口数が小さいために蛍光像が暗く、し
かも、図43に示すように、励起光が通過する光路に変
倍光学系42Lと対物レンズ41が配置されているため
に、ガラスからの自家蛍光が発生して低いコントラスト
の像になってしまう。しかも、励起光が通過するガラス
の硝路長が長いために、通常の蛍光顕微鏡の対物レンズ
と比較すると、発生する自家蛍光が非常に大きく、さら
に、上述したように開口数は小さいために、蛍光像の明
るさが通常の蛍光顕微鏡に比べて暗く、紫外域の透過率
も低いので、蛍光像のコントラストは通常の蛍光顕微鏡
以上に悪くなってしまうという問題点があった。
【0023】このように、コントラスト良く観察するに
は、自家蛍光の低減が必須であり、上記問題点を解決す
るものとして従来から提案されている構成を図45及び
図46に示す。
【0024】図45の蛍光照明光学系は、観察光路中を
励起光が通過しないために、観察光学系から発生する自
家蛍光がないので、コントラストの良い蛍光像が得られ
る。
【0025】しかしながら、観察光学系の変倍操作によ
る観察範囲の変化と、蛍光照明光学系の照明範囲が連動
して変化しないために、使い勝手が非常に悪く、しか
も、照明光学系にライトガイドファイバを使用している
ために、励起光の照明効率が悪いので、蛍光の観察像が
暗い欠点がある。
【0026】さらに、励起光の波長を変えて蛍光観察す
る場合、励起フィルタと吸収フィルタをそれぞれ個々に
交換する必要があり、操作性が良くないという問題があ
る。
【0027】図46の蛍光照明光学系では、観察光学系
ユニット42中の観察光学系42L、42Rと蛍光照明
光学系専用の蛍光照明レンズ群42Fを備えているため
に、観察光学系42L、42Rを直接励起光が通らず自
家蛍光の発生がない。しかしながら、蛍光照明レンズ群
42Fを通過した励起光は、対物レンズ41に入射する
ために、対物レンズ41では自家蛍光が発生することに
なる。対物レンズ41から発生する自家蛍光を抑えるた
めに、自家蛍光の少ない硝材で、対物レンズ41を設計
した場合、上述したように、従来の対物レンズの光学性
能に比べて、色収差を含めた光学性能を維持することが
できなくなる。
【0028】対物レンズ41での自家蛍光の発生を抑え
られない場合、励起光が通過する対物レンズ41内の領
域と、試料47から発する蛍光が観察光学系42L、4
2Rへ導かれる際に対物レンズ41内を通過する領域と
は、観察範囲のある一部分の領域が重なるので、その領
域から対物レンズ41の自家蛍光が蛍光像に重なること
になる。その結果、部分的に観察像のコントラストが悪
くなる。この現象は、観察光学系42L、42Rの変倍
光学系の倍率によって重なる領域が変化する。通常で
は、変倍光学系の変倍比が低いときは、観察範囲に対し
て部分的に重なり、変倍比が高くなるにつれて観察範囲
全体に対物レンズ41の自家蛍光が重なる。
【0029】さらに、観察光学系ユニット42内での、
蛍光照明レンズ群42Fを励起光が通過する際に、蛍光
照明レンズ群42F内のレンズ面で反射された励起光が
迷光や漏光となって、観察光学系42L、42R内に入
射することも考えられる。この場合、励起光によって観
察光学系42L、42R内のレンズ及び吸収フィルタ5
0から自家蛍光が発生すると、コントラストの高い蛍光
観察はできない。
【0030】しかも、観察光学系ユニット42は、照明
範囲を観察範囲と一致させるために、観察光学系ユニッ
ト42中の観察光学系42L、42Rの変倍のためのレ
ンズ群の移動に連動して移動する構造であるために、励
起光の迷光や漏光をなくすための空間的な遮蔽は困難で
ある。
【0031】さらに、観察光学系ユニット42は、従来
使用している実体顕微鏡に蛍光観察装置を組み込むこと
ができず専用の蛍光実体顕微鏡となるので、従来から使
用している実体顕微鏡に、新たに蛍光照明装置を組み合
わせて使用することができないため、互換性及びシステ
ム性に劣る欠点があった。
【0032】また、蛍光観察可能な実体顕微鏡ではない
が、観察光学系と照明光学系を分離した手術用顕微鏡に
おいて様々な提案がなされている。図47に、特公平7
−57226号に記載された手術用顕微鏡の構成の例を
示す。
【0033】手術患部60は、対物レンズ61、観察用
変倍光学系62、ビームスプリッター63、観察プリズ
ム64及び接眼レンズ65からなる観察光学系により観
察される。ここで、ビームスプリッター63は、観察光
路から写真撮影光路を分岐するためのもので、紙面に垂
直な方向に光軸を持つ図示しない写真撮影光学系に光路
を分岐する。また、手術患部60を照明する観察用照明
光学系は、光源ランプ66、第1リレーレンズ67、照
明変倍光学系69、照明プリズム70及び対物レンズ6
1からなり、光源ランプ66を出射した光はこの観察用
照明光学系を介して手術患部60を照明する。さらに、
写真撮影用照明光学系は、Xeフラッシュランプ71、
第2リレーレンズ72、観察用照明光学系中に挿脱自在
な半反射半透過ミラー68、照明変倍光学系69、照明
プリズム70及び対物レンズ61よりなり、写真撮影時
には半反射半透過ミラー68は例えばロータリーソレノ
イド等により破線で示す位置68’にはね上げられるの
で、Xeフラッシュランプ71を出射した光はこの写真
撮影用照明光学系を介して手術患部60を照明する。
【0034】このような手術用顕微鏡は、実体顕微鏡に
比べて、手術部との距離を長くとるために、作動距離が
長く、かつ、焦点深度が深く、観察光学系の変倍比も実
体顕微鏡の10倍程度に比べて小さいという特徴があ
る。手術用顕微鏡は、蛍光観察には不向きであり、蛍光
観察可能な実体顕微鏡とは使用される目的も、観察光学
系及び照明光学系に求められる性能も異なる。
【0035】本発明は従来技術のこのような状況に鑑み
てなされたものであり、その目的は、蛍光照明光学系か
らの励起光による観察光学系内のガラスの自家蛍光や、
励起光の迷光や漏光を低減して、コントラスト良く観察
し、蛍光照明光学系の照明光を効率良く利用して明るい
蛍光観察を可能にし、かつ、操作性及びシステム性に優
れた蛍光顕微鏡及び蛍光観察可能な実体顕微鏡を含む蛍
光観察光学装置を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の光学装置は、対物レンズと、変倍光学系を含
む観察光学系ユニットと、結像レンズと接眼レンズを含
む結像光学系ユニットを備えた観察装置と、前記観察装
置に対して脱着可能な蛍光照明装置を備えた光学装置で
あって、蛍光照明装置は、光源と、対物レンズと観察光
学系ユニットとの間であって対物レンズから偏心した位
置に配置され光源からの光を前記対物レンズに入射させ
る反射部材と、光源と反射部材の間に配置され光源から
の照明光を反射部材に導く照明光学系を備えており、照
明光の中特定の波長域の光を選択透過する第1の波長選
択部材を光源と反射部材の間に配置し、試料から発する
蛍光の波長域の光を選択透過する第2の波長選択部材を
対物レンズと結像光学系ユニットの間に配置しているこ
とを特徴とする。
【0037】また、本発明の第2の光学装置は、第1の
光学装置において、第2の波長選択部材は、蛍光照明装
置に一体に構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0038】また、本発明の第3の光学装置は、第1の
光学装置において、第2の波長選択部材が第1の波長選
択部材と一体に構成されていることを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】まず、この第1から第3の光学装
置の作用を説明する。上述した蛍光像のコントラストを
改善するために、観察光学系ユニット内の光学系に蛍光
照明装置からの励起光を極力通さないことが重要とな
る。そこで、図1(a)に側面図、図1(b)に正面図
を示すように、第1の光学装置は、対物レンズ1と、変
倍光学系を含む観察光学系ユニット2と、結像レンズ3
と接眼レンズ4を含む結像光学系ユニット9を備えた観
察装置と、この観察装置に対して脱着可能な蛍光照明装
置Aを備えている。蛍光照明装置Aは、光源13と、コ
レクタレンズ群16を含む複数のレンズ群と反射部材を
有する照明光学系を備えている。観察光学系ユニット2
と対物レンズ1の間であって対物レンズ1の観察光軸か
ら偏心した位置には、励起光を反射するための反射部材
6が配置されており、照明光を反射して試料7を照明す
る。光源13と反射部材6の間には、試料7を照明する
波長を選択透過する、第1の波長選択部材である励起フ
ィルタ8が配置されている。また、対物レンズ1と結像
光学系ユニット9の間には、試料7から発する蛍光を選
択透過する、第2の波長選択部材である吸収フィルタ5
が配置されている。
【0040】対物レンズ1と変倍光学系を含む観察光学
系ユニット2は、無限遠光学系で構成され、その変倍光
学系はアフォーカル光学系で構成されている。
【0041】この第1の光学装置においては、蛍光照明
装置Aからの励起光が、変倍光学系を含む観察光学系ユ
ニット2を通らずに、観察光学系ユニット2と対物レン
ズ1の間から対物レンズ1の光軸から偏心した位置にあ
る反射部材6によって対物レンズ1に入射して試料7を
照明するので、観察光学系ユニット2で自家蛍光が発生
しない。
【0042】また、第2の光学装置においては、蛍光を
選択透過する第2の波長選択部材である吸収フィルタ5
を蛍光照明装置Aと一体化したユニットとして構成する
ことで、従来の観察装置にも容易に蛍光照明装置Aが組
み合わされ、汎用性が高くなる。また、蛍光観察可能な
観察装置として観察が可能となることから、システム性
に優れる。
【0043】第3の光学装置においては、第2の波長選
択部材である吸収フィルタ5と第1の波長選択部材であ
る励起フィルタ8を一体化したユニットとして構成する
ことにより、システムの取り扱いが容易になる。また、
システムの構成が簡素化されるため、コストを削減する
ことができる。
【0044】本発明の第4の光学装置は、第1又は第2
の光学装置において、試料を載せる架台と、架台に設置
された支柱と、支柱に保持され試料と対物レンズの間隔
を変化させる準焦部ユニットを有し、準焦部ユニットは
蛍光照明装置を保持し、蛍光照明装置は観察装置を保持
することを特徴とするものである。
【0045】この第4の光学装置の作用を説明する。図
1に示すように、蛍光観察可能な光学装置は、試料7と
対物レンズ1の間隔を変化させる準焦部ユニット19、
試料7を載せる架台10と架台10に設置された支柱1
1を有する。そして、支柱11を介して準焦部ユニット
19が保持され、その準焦部ユニット19は蛍光照明装
置Aを保持し、蛍光照明装置Aは、対物レンズ1、観察
光学系ユニット2、結像光学系ユニット9を保持する構
成になっている。
【0046】この第4の光学装置においても、蛍光を選
択透過する第2の波長選択部材である吸収フィルタ5を
蛍光照明装置Aと一体化したユニットとして構成するこ
とで、従来の観察装置にも蛍光照明装置Aを容易に組み
合わせることができ、蛍光観察可能な観察装置として観
察が可能となり、システム性に優れる。また、蛍光照明
装置Aを配置するスペースである、観察光学系ユニット
2と準焦部ユニット19の間は、従来特に利用されるこ
とのない空間であった。そのため、ここに蛍光照明装置
Aを配置することで、光学装置の大型化が避けられ、周
りの空間を犠牲にすることがない。
【0047】本発明の第5の光学装置は、第1の光学装
置において、観察光学系ユニット及び結像光学系ユニッ
トは一対のレンズユニットで構成され、該一対のレンズ
ユニットは対物レンズの光軸に平行にかつ対称に配置さ
れていることを特徴とするものである。
【0048】この第5の光学装置の作用を図2(a)を
用いて説明する。図2(a)に示すように、第5の光学
装置では、対物レンズ1を単体で、左右の観察光学系を
2L、2R、左右の蛍光を選択透過する第2の波長選択
素子である吸収フィルタを25L、25R、左右の結像
レンズを3L、3R、左右の接眼レンズを4L、4Rで
構成している。よって、観察光学系ユニット及び結像光
学系ユニットは一対のレンズユニットを有することにな
る。
【0049】なお、観察光学系は観察光学系ユニット内
にある光学系のことであって、変倍光学系の他にリレー
光学系あるいは光路分割素子を備えることもある。
【0050】図2(a)において、左側のレンズユニッ
ト(2L、25L、3L、4L)と右側のレンズユニッ
ト(2R、25R、3R、4R)は、対物レンズ1の中
心軸でもある光軸を挟んで左右に配置されている。この
とき、両レンズユニットの光軸からの距離は左右ともに
等距離であって、それぞれのレンズユニットは対物レン
ズ1の光軸に平行に配置されている。よって、対物レン
ズの光軸に対称に配置されていることになる。このよう
な構成を採ることによって、第5の光学装置はガリレオ
型の実体顕微鏡となるため、試料を立体的に観察するこ
とが可能になる。
【0051】本発明の第6の光学装置は、第1の光学装
置において、対物レンズ、観察光学系ユニット及び結像
光学系ユニットは一対のレンズユニットで構成され、各
々のレンズユニットは試料面に垂直な軸に対して傾斜し
てかつ対称に配置されていることを特徴とする。
【0052】この第6の光学装置の作用を図3を用いて
説明する。図3(a)に正面図、図3(b)に側面図を
示す。第6の光学装置は、図3に示すように、左右の対
物レンズ1L、1R、左右の観察光学系2L、2R、左
右の蛍光を選択透過する光学部材5L、5R、左右の結
像レンズ3L、3R、左右の接眼レンズ4L、4Rで構
成している。
【0053】よって、対物レンズ、前記光学観察系ユニ
ット及び前記結像光学系ユニットは一対のレンズユニッ
トを有することになる。
【0054】そして、左側のレンズユニット(1L、2
L、5L、3L、4L)と右側のレンズユニット(1
R、2R、5R、3R、4R)は、試料7に垂直な軸を
挟んで左右に配置されている。このとき、試料7に垂直
な軸に対してαの同じ角度で傾いて配置されている。よ
って、試料7に垂直な軸に対称に配置されていることに
なる。
【0055】このような構成をとることによって、第6
の光学装置はグリノー型の実体顕微鏡となるため、試料
を立体的に観察することが可能になる。
【0056】本発明の第7の光学装置は、第5の光学装
置において、レンズユニットの各々の光軸を含む面が対
物レンズの光軸から偏心して位置するように、観察光学
系ユニット及び結像光学系ユニットを配置したことを特
徴とするものである。
【0057】この第7の光学装置の作用を説明する。第
7の光学装置では、図4(a)に示すように、対物レン
ズ1の光軸に対して2つの独立した観察光学系の光軸を
含む平面が反射部材6とは反対の方向へ偏心して配置さ
れている。
【0058】すなわち、図4(a)において、上側の図
は対物レンズ1の反射部材6が配置されている付近での
断面図、下側の図は側面図であり、図中、1は対物レン
ズ、21 、22 は一対のユニットで構成されている2つ
の独立した観察光学系に導かれる光束の領域、23 は反
射部材6によって偏向された励起光が通過する領域、O
は対物レンズ1の光軸位置、Eは観察光学系の瞳位置と
共役な蛍光照明装置A内の照明光学系の瞳位置を示し、
側面図は対物レンズ1内の励起光の光路を示してある。
図4(a)に示すように、2つの独立した観察光学系の
光軸を含む平面が、対物レンズ1の光軸Oに対して、反
射部材6とは反対の方向へ偏心して配置されることで、
蛍光照明装置Aからの励起光が反射部材6によって偏向
されて対物レンズ1に入射して試料7を照明する際に、
対物レンズ1内での励起光の光線L’、U’が共にケラ
レずに照明することが可能となる。
【0059】一方、図4(b)は、対物レンズ1の光軸
が、2つの独立した観察光学系の光軸を含む平面から偏
心していない様子を示している。この場合、瞳位置Eに
入射する角度の大きな励起光の光線U’は対物レンズ1
内でケラレてしまうので、観察範囲を照明することがで
きない。
【0060】本発明の第8の光学装置は、第1の光学装
置において、前記蛍光照明装置内の照明光学系は、前記
観察光学系ユニット内の観察光学系の変倍操作によって
変化する観察範囲と前記照明光学系の照明範囲が略一致
するように、照明光学系内の少なくとも1つのレンズ群
が移動する構成を備えていることを特徴とするものであ
る。
【0061】この第8の光学装置の作用を説明する。第
8の光学装置では、蛍光照明装置が移動機構を備えると
共に、照明光学系が少なくとも1つの移動レンズ群を有
している。照明光学系によって投影される光源の投影位
置は、観察光学系の瞳位置と略共役になるようにするの
が好ましい。これは、光源の投影位置と観察光学系の瞳
位置が略共役になっていないと、照明光束の中周辺部の
光束が試料に達しないからである。第8の光学装置で
は、観察光学系の変倍操作により観察光学系の瞳位置が
変動しても、照明光学系内の少なくとも1つのレンズ群
を図1に示す移動機構15’によって移動させることが
できるので、照明光学系の瞳位置と観察光学系の瞳位置
を略一致させることができる。その結果、観察範囲と照
明範囲を略同じにすることができ、従来の蛍光顕微鏡と
同様の観察像を得ることができる。
【0062】本発明の第9の光学装置は、第8の光学装
置において、照明光学系は、光源からの光を集光するコ
レクタレンズ群と、光源の1次像を作るための第1リレ
ーレンズ群と、光源の1次像をリレーするための第2リ
レーレンズ群を備え、前記第1リレーレンズ群中に、第
1の反射部材が配置され、光源の1次像近傍に開口絞り
が配置され、第2リレーレンズ群中に少なくとも1つの
移動可能なレンズ群と第2の反射部材が配置され、照明
光学系内で第1の波長選択部材を交換可能に配置したこ
とを特徴とするものである。
【0063】この第9の光学装置の作用を説明する。図
5、図6は第9の光学装置の配置を示すものである。図
5において、照明光学系は、光源13から順に、光源1
3からの光を集光するコレクタレンズ群G0、光源13
の1次像を作るための第1リレーレンズ群G1、光源1
3の1次像をリレーするための第2リレーレンズ群G
2、及び、観察光学系2L 、2 Rと対物レンズ1の間
に配置された反射部材6で構成されている。そして、第
1リレーレンズ群G1中には、第1の反射部材M1が配
置されている。光源13の1次像近傍に開口絞りASが
配置され、第2リレーレンズ群G2中には、移動可能な
レンズ群L22と第2の反射部材M2が配置されてい
る。また、照明光学系内には、第1の波長選択部材であ
る励起フィルタ8、8’が配置され、矢印で示すように
交換可能に配置構成されている。
【0064】このように、光源13より発した照明光
は、コレクタレンズ群G0によって集光され、第1リレ
ーレンズ群G1中に配置された励起フィルタ8によって
試料7を照明する波長が選択透過されていわゆる励起光
となる。第1リレーレンズ群G1は光源13の1次像を
形成し、この近傍に開口絞りが配置される。第2リレー
レンズ群G2はこの1次像を観察光学系2L、2Rの瞳
位置と略共役な位置であるその近傍に投影する。
【0065】観察光学系は変倍光学系を有しており、観
察像の大きさを変化させることができるが、変倍を行う
と、観察光学系2L、2Rの瞳位置及び瞳径の大きさが
変化する。このままだと、光源13の投影位置は観察光
学系2L、2Rの瞳位置と共役にならない。そこで、光
源13の2次像をその瞳位置と共役な位置に一致させ、
かつ、瞳径の大きさに対して光源像を最適な大きさにす
るために、第2リレーレンズ群G2内に配置されたレン
ズ群L22を移動機構15’によって図5(b)に示す
ように光軸方向に移動させることができる。このよう
に、第2リレーレンズ群G2内のレンズ群L22を観察
光学系の変倍に連動して光軸方向に移動させることによ
って、観察光学系2L、2Rの変倍操作による観察範囲
の変化に対応して、照明範囲が連動して変化し、しか
も、観察光学系2L、2Rの瞳径に対して光源13の投
影像の大きさが略一致して瞳径を満たすようになるため
に、操作性に優れ、明るい蛍光観察が可能となる。
【0066】なお、光源13の1次像近傍に配置された
開口絞りASは、励起光の照明強度を調節する機能とし
て作用する。
【0067】照明光学系を上述した構成にすることによ
り、照明光学系はケーラー照明系として機能するため、
明るくむらのない照明を行うことができる。
【0068】本発明の第10の光学装置は、第1又は第
9の光学装置において、コレクタレンズ群と光源との間
隔を変化させて、光源の投影位置と試料を略一致させる
クリティカル照明が可能となることを特徴とするもので
ある。
【0069】本発明の第11の光学装置は、第10の光
学装置において、コレクタレンズ群が光源に対して、観
察光学系ユニット内の観察光学系の変倍操作に対して独
立して移動可能であって、蛍光照明光学系における光源
に最も近い試料の共役位置と光源までの間隔をDとし、
以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0070】|D|≦3mm この第10、第11の光学装置の作用を説明する。第1
0の光学装置は、コレクタレンズ群G0と光源13の間
隔を変化させることができる移動機構15を備えてい
る。このような構成をとることで、光源の投影位置と試
料面を略一致させることができるので、いわゆるクリテ
ィカル照明を実現できる。よって、観察範囲を全て照明
できるケーラー照明と、中心部のみをより明るく照明が
可能なクリティカル照明を、必要に応じて選択すること
ができるので、操作性に優れる。特に、クリティカル照
明にした場合は、暗い蛍光像をより明るく観察できる。
【0071】さらに、第11の光学装置は、コレクタレ
ンズ群G0と光源13の間隔変化は、観察光学系の変倍
操作に対応して移動するレンズ群とは独立している他、
照明光学系における試料の光源に最も近い共役位置と光
源13の間隔Dを |D|≦3mm とすることで、光源13から射出された開口数の大きな
光をコレクタレンズ群G0で無駄なく取り込みながら、
光源13とコレクタレンズ群G0の間隔を変化させてク
リティカル照明を可能にすることができる。この結果、
観察範囲を全て照明できるケーラー照明と、中心部のみ
をより明るく照明できるクリティカル照明が選択可能に
なり、操作性が良くなる他、暗い蛍光像をより明るく観
察できる。
【0072】本発明の第12の光学装置は、第3の光学
装置において、第1の波長選択部材と第2の波長選択部
材が連動して切り換わる機構を備えていることを特徴す
るものである。
【0073】この第12の光学装置の作用を説明する。
この光学装置では、第1の波長選択部材である励起フィ
ルタ8と第2の波長選択部材である吸収フィルタ5が連
動して切り換わる機構を備えている。このように、励起
フィルタ8と吸収フィルタ5が連動して光路上に挿脱さ
れることで、蛍光色素に対応した励起フィルタ8と吸収
フィルタ5の最適な組み合わせが容易に選択でき、操作
性が大幅に向上する。
【0074】本発明の第13の光学装置は、対物レンズ
と、変倍光学系を含む観察光学系ユニットと、結像レン
ズと接眼レンズを含む結像光学系ユニットを備えた観察
装置と、前記観察装置に対して脱着可能な蛍光照明装置
を備えた光学装置であって、蛍光照明装置は、光源と、
前記対物レンズに近接して配置された先端照明部と、前
記光源と前記先端照明部の間に配置され前記光源からの
照明光を前記先端照明部に導く照明光学系と備えてお
り、前記照明光の中特定の波長域の光を選択透過する第
1の波長選択部材を前記光源と前記先端照明部の間に配
置し、試料から発する蛍光の波長域の光を選択透過する
第2の波長選択部材を前記対物レンズと前記結像光学系
ユニットの間に配置し、前記先端照明部は、前記観察光
学系ユニット内の観察光学系の中心位置と前記蛍光照明
装置による照明光の中心位置が前記試料面上で一致する
ように前記対物レンズの周囲に配置され、前記照明光学
系は少なくとも1つの移動レンズ群と移動機構を備え、
前記観察光学系の変倍に伴い前記移動レンズが移動して
観察範囲と照明範囲が略一致することを特徴とするもの
である。
【0075】本発明の第14の光学装置は、第13の光
学装置において、第2の波長選択部材は、蛍光照明装置
に一体に構成されていることを特徴とするものである。
【0076】本発明の第15の光学装置は、第14の光
学装置において、第2の波長選択部材が、第1の波長選
択部材と一体に構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0077】本発明の第16の光学装置は、第13の光
学装置において、蛍光照明装置は、光源からの光を前記
対物レンズを介さずに先端照明部を通過して試料を照明
することを特徴とするものである。
【0078】この第13、第14、第15、第16の光
学装置の作用を図6を用いて説明する。図6(a)は側
面図、図6(b)は正面図である。
【0079】第13の光学装置は、対物レンズ1と、変
倍光学系を含む観察光学系ユニット2L、2 Rと、結像
レンズ3L、3Rと接眼レンズ4L、4Rを含む結像光
学系ユニット9を備えた観察装置と、この観察装置に対
して脱着可能な蛍光照明装置Aを備えている。蛍光照明
装置Aは、光源13と、コレクタレンズ群G0を含む複
数のレンズ群と、反射部材を有する照明光学系を備えて
いる。さらに、蛍光照明装置Aは、対物レンズ1に近接
して配置された先端照明部Bを備えている。また、光源
13と先端照明部Bの間には、試料7へ照明する波長を
選択透過する第1の波長選択部材、すなわち、励起フィ
ルタ23が配置されている。蛍光照明装置Aは、試料面
で観察光学系の中心位置と照明光学系の照明中心位置が
一致するように試料7を照明する。試料7から発した蛍
光は、蛍光波長を選択透過する第2の波長選択部材であ
る吸収フィルタ25L、25Rを通る。なお、吸収フィ
ルタ25L、25Rは対物レンズ1と結像光学系ユニッ
ト9の間に配置されている。また、観察光学系の変倍操
作に伴い、蛍光照明装置Aに設けられた少なくとも1つ
のレンズ群が変倍操作に連動して移動し、観察範囲と照
明範囲が略一致するように、移動機構15’を備えてい
る。このように、観察範囲と照明範囲が略一致する機構
を備えているので、効率の良い照明が可能となる。
【0080】第14の光学装置は、第13の光学装置に
おいて、蛍光を選択透過する第2の波長選択部材である
吸収フィルタ25R、25Lを蛍光照明装置Aと一体化
して一つのユニットとして構成することにより、従来の
観察装置にも容易に蛍光照明装置Aが組み合わせられ
る。よって、従来蛍光観察ができなかった光学装置にお
いても、蛍光観察が可能となる。
【0081】第15の光学装置は、第13の光学装置に
おいて、第2の波長選択部材である吸収フィルタ25
R、25Lと第1の波長選択部材である励起フィルタを
図1と同様に一体化して一つのユニットにすることによ
り、フィルタ交換が容易になるというようにシステムの
取り扱いが容易になる。
【0082】本発明の第16の光学装置では、励起光が
対物レンズ1を通過せずに、蛍光照明光学系内の先端照
明部Bを通って試料7を照明するために、対物レンズ
1、観察光学系2L、2Rからの自家蛍光の発生がな
い。よって、コントラストの高い試料像の観察が可能と
なる。
【0083】本発明の第17の光学装置は、第13の光
学装置において、先端照明部はレンズを備え、先端照明
部内の少なくとも1つのレンズ光軸が、先端照明部の光
軸に対して偏心して配置されたことを特徴とするもので
ある。
【0084】本発明の第18の光学装置は、第13の光
学装置において、先端照明部内に、平面のみで構成され
ると共に、入射光を屈折作用のみによって射出する光学
部材が配置されていることを特徴とするものである。
【0085】この第17、第18の光学装置の作用を説
明する。第17の光学装置では、図6(a)に示すよう
に、先端照明部B内のレンズB1、B2が、先端照明部
Bの光軸に対して偏心して配置されている。また、第1
8の光学装置では、図7(a)に示すように、くさびプ
リズムP7、P8が先端照明部Bに配置されている。こ
のように光学素子を配置することによって、蛍光照明光
学系の光軸と対物レンズ1の光軸が試料面で一致させる
ことができるので、効率の良い照明が可能となる。
【0086】本発明の第19の光学装置は、第13の光
学装置において、先端照明部内に、平面のみで構成され
ると共に、入射光を屈折作用と反射作用によって射出す
る光学部材が配置されていることを特徴とするものであ
る。
【0087】この第19の光学装置の作用を説明する。
図7(b)に示すように、第19の光学装置では、先端
照明部B内に、少なくとも一つの偏向プリズムP6が配
置されている。偏向プリズムP6に入射した励起光は,
偏向プリズムP6の第1面aで屈折し、偏向プリズムP
6の第2面bで全反射され、偏向プリズムP6の第3面
cで反射して、再び偏向プリズムP6の第2面bを透過
屈折して射出して試料を照明する。
【0088】このように、第19の光学装置では、偏向
プリズムP6を使用することで、先端照明部Bを簡単な
構成にすると共に、コンパクトに構成することが可能で
ある。また、b面が全反射面として作用するために、反
射ミラーを用いた場合に比べ、励起光強度の損失が少な
くなる。
【0089】本発明の第20の光学装置は、第13の光
学装置において、蛍光照明光学系側から順に、対物レン
ズの光軸と前記先端照明部の照明光軸を含む平面に垂直
な平面内に、前記照明光軸を偏向させる第1の偏向部材
と、前記第1の偏向部材によって偏向された前記照明光
軸を、試料面に対して斜めにかつ前記対物レンズの光軸
を含む平面内に偏向するための第2の偏向部材を配置し
たことを特徴とするものである。
【0090】本発明の第21の光学装置は、第20の光
学装置において、さらに、前記第1の偏向部材よりも光
源側の先端照明部内の光軸と前記対物レンズの光軸を含
む平面に、直交する平面内に光軸を偏向するための第3
の偏向部材を少なくとも2つ備えたことを特徴とするも
のである。
【0091】この第20、第21の光学装置の作用を説
明する。第20の光学装置は、第13の光学装置におい
て、先端照明部Bに2つの偏光部材を備えている。図8
(a)に側面図、図8(b)に正面図を示すように、先
端照明部Bに入射した照明光は偏向部材であるプリズム
P4、P5によって試料7上に導かれる。プリズムP
4、P5によって対物レンズ1の光軸から離れた位置に
照明光の光軸を設定できるので、光源を観察装置から離
すことができる。また、先端照明部Bをコンパクトに構
成することができる。
【0092】第21の光学装置は、図8(c)に側面
図、図8(d)に正面図を示すように、プリズムP4よ
りも光源側に別の偏向部材である2つのプリズムP2、
P3を配置して、プリズムP2、P3、P4、P5の順
に経て偏向を繰り返すもので、光源を観察装置からさら
に離すことができる他に、照明光路のレイアウトの自由
度が増えるので、照明性能を維持しつつ先端照明部をコ
ンパクトにすることができる。
【0093】本発明の第22の光学装置は、第13の光
学装置において、前記先端照明部内に、少なくとも2つ
のトーリック面を持つ光学部材を配置したことを特徴と
するものである。
【0094】本発明の第23の光学装置は、第13の光
学装置において、前記先端照明部内に、少なくとも1つ
の光軸に対して非対称な面を持つ光学部材を配置したこ
とを特徴とするものである。
【0095】この第22、第23の光学装置の作用を説
明する。第22の光学装置は、第13の光学装置におい
て、先端照明部Bに2つのトーリック面を持つ光学部材
備えている。図9に示すように、先端照明部に入射した
照明光は2つのトーリック面を持つトーリックレンズB
2に入射する。ここで、トーリックレンズB2の一方の
面の曲率半径と他方の面の曲率は、同じであっても異な
っていてもよい。一方の面の曲率半径と他方の面の曲率
が異なる場合、トーリックレンズB2を通過した光束は
楕円になる。よって、試料7に対して照明光(励起光)
が斜めに照射される場合(偏斜照明)であっても、試料
7上の照明領域を円形にすることができる。
【0096】第23の光学装置は、第13の光学装置に
おいて、先端照明部Bに非対称な面を持つ光学素子を備
えている。トーリックレンズと同様の作用効果が得られ
る。また、偏斜照明に対しては収差補正能力が高いの
で、照明領域をより均一に照明することができる。
【0097】本発明の第24の光学装置は、第22の光
学装置において以下の条件を満足するものである。
【0098】Fy<Fx 0.8<(Fy/Fx)/cosθ<1.2 ここで、θは先端照明部Bの照明光学系の光軸と対物レ
ンズ1の光軸とのなす角度である。また、Fxは先端照
明部Bの焦点距離であって、回転対称光学系で構成され
た照明光学系で照明したときに試料上に形成される楕円
形状の照明範囲の短軸方向における焦点距離である。ま
た、Fyは先端照明部Bの焦点距離であって、短軸方向
と直交する長軸方向における焦点距離であるまた、本発
明の第25の光学装置は、第22の光学装置において以
下の条件を満足するものである。
【0099】|My|<|Mx| 0.8<(|My|/|Mx|)/cosθ<1.2 ここで、θは先端照明部Bの照明光学系の光軸と対物レ
ンズの光軸とのなす角度である。また、Mxは先端照明
部Bの光学系における投影倍率であって、回転対称光学
系において角度θで照明したときに試料上に形成される
楕円状の照明範囲の短軸方向の投影倍率で、試料をI、
先端照明部Bによる試料像をIx’とするとき、Mx=
I/Ix’で求まる倍率である。また、Myは短軸方向
と直交する長軸方向の投影倍率であって、試料をI、先
端照明部Bによる試料像をIy’とするとき、My=I
/Iy’で求まる倍率である。
【0100】この第24、第25の光学装置の作用を説
明する。照明光学系を回転対称な円形形状の光学部材で
構成し、試料の斜め方向から照明光を照射した場合、試
料上で照明光束は楕円になる。一方、観察範囲は円形で
あるから、照明範囲(楕円)と観察範囲(円)が一致し
ない。そこで、光学装置の先端照明部を上記条件を満足
するようにすることによって、照明範囲の形状を略円形
にすることができる。その結果、先端照明部の射出側の
光軸が対物レンズの光軸に対して傾いていても、十分に
効率の良い照明が可能となる。
【0101】本発明の第26の光学装置は、第13の光
学装置において、先端照明部の光学系の焦点距離をF、
対物レンズの焦点距離をFobとするとき、以下の条件を
満足することを特徴とするものである。
【0102】0.7≦Fob/F≦1.2 本発明の第27の光学装置は、第13の光学装置におい
て、先端照明部により照明される面積をS、対物レンズ
で観察する範囲の面積をSobとするとき、以下の条件を
満足することを特徴とするものである。
【0103】0.5≦Sob/S≦1.4 この第26、第27の光学装置の作用を説明する。光学
装置の対物レンズは交換可能である。よって、別の対物
レンズが用いられた場合、観察範囲や作動距離が異なる
ため、先端照明部も使用する対物レンズに応じて交換可
能に構成することが望ましい。このとき、先端照明部が
上記条件を満足することによって、対物レンズの交換に
よって観察範囲や作動距離が変化しても、照明光の照明
範囲や照明強度が最適に調整された状態でケーラー照明
が行える。
【0104】本発明の第28の光学装置は、第13の光
学装置において、先端照明部内のレンズ群に、対物レン
ズの試料に最も近いレンズ群の一部の領域を先端照明部
のレンズ群と共有することを特徴とするものである。
【0105】この第28の光学装置の作用を説明する。
先端照明部は対物レンズの外周に近接して配置されてい
る。そのため、対物レンズの最も試料に近いレンズと先
端照明部のレンズ群の水平位置は略同じになる。そこ
で、対物レンズの最も試料に近いレンズの径を大きく
し、対物レンズの周辺部を先端照明部のレンズ群として
使用することができる。このように構成することによっ
て、試料上で先端照明部の光軸と対物レンズの光軸を一
致させることができる。
【0106】本発明の第29の光学装置は、第13の光
学装置において、試料を載せる架台と、架台に設置され
た支柱と、支柱に保持され試料と対物レンズの間隔を変
化させる準焦部ユニットを有し、準焦部ユニットは蛍光
照明装置を保持し、蛍光照明装置は観察装置を保持する
ことを特徴とするものである。
【0107】この第29の光学装置の作用は、第4の光
学装置で説明した通りである。
【0108】本発明の第30の光学装置は、第13の光
学装置において、観察光学系ユニット及び結像光学系ユ
ニットは一対のレンズユニットで構成され、該一対のレ
ンズユニットは対物レンズの光軸に平行にかつ対称に配
置されていることを特徴とするものである。
【0109】この第30の光学装置の作用は、第5の光
学装置で説明した通りである。
【0110】本発明の第31の光学装置は、第13の光
学装置において、対物レンズ、観察光学系ユニット及び
結像光学系ユニットは一対のレンズユニットで構成さ
れ、各々のレンズユニットは試料面に垂直な軸に対して
傾斜してかつ対称に配置されていることを特徴とするも
のである。
【0111】この第31の光学装置の作用は、第6の光
学装置で説明した通りである。
【0112】本発明の第32の光学装置は、第13の光
学装置において、照明光学系は、光源からの光を集光す
るコレクタレンズ群と、光源の1次像を作るための第1
リレーレンズ群と、光源の1次像をリレーするための第
2リレーレンズ群を備え、光源の1次像近傍に開口絞り
が配置され、第2リレーレンズ群中に少なくとも1つの
移動可能なレンズ群を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0113】この第32の光学装置の作用を説明する。
図6に示すように、照明光学系は、光源13、光源13
からの光を集光するコレクタレンズ群G0、光源13の
1次像を作るための第1リレーレンズ群G1、光源13
の1次像をリレーするための第2リレーレンズ群G2、
先端照明部Bを備えている。第1リレーレンズ群G1中
には、光源13からの光を選択透過する励起フィルタ2
3が配置されている。光源13の1次像近傍には開口絞
りASが配置され、第2リレーレンズ群G2中に少なく
とも1つの移動可能なレンズ群22と、このレンズ群2
2を移動させる移動機構15’を備えている。
【0114】この構成においては、観察光学系の変倍操
作により観察範囲が変化しても、照明光学系内の少なく
とも1つのレンズ群22を移動させることにより、光源
の2次像の投影位置が観察光学系の瞳位置と共役な位置
に略一致すると共に、照明光学系の投影倍率が変化し
て、観察範囲と照明範囲を略同じにすることができる。
よって、従来と変わらず、ケーラー照明とすることがで
きるので、従来の蛍光顕微鏡と同様の照明性能と操作性
を得ることができる。
【0115】本発明の第33の光学装置は、第13又は
第32の光学装置において、前記コレクタレンズ群と光
源との間隔を変化させて、光源の投影位置と試料を略一
致させるクリティカル照明が可能となることを特徴とす
るものである。
【0116】この第33の光学装置の作用は、第10の
光学装置で説明した通りである。
【0117】本発明の第34の光学装置は、第33の光
学装置において、コレクタレンズ群が、光源に対して、
観察光学系ユニット内の観察光学系の変倍操作に対して
独立して移動可能であって、照明光学系における光源に
最も近い試料の共役位置と光源までの間隔をDとし、以
下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0118】|D|≦3mm この第34の光学装置の作用は、第11の光学装置で説
明した通りである。
【0119】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光学装置の実施
例について説明する。
【0120】(実施例1)本発明の光学装置の実施例1
の構成を図10に示す。図10(a)は光学装置の正面
図であって、蛍光を観察する光学系のみを示している。
また、図10(b)光学装置全体を側面から見たときの
図である。また、図11(a)は実施例1の光学装置で
蛍光照明装置を使用しない場合の構成における側面図、
図11(b)は実施例1の光学装置に用いられる架台受
けの構成を示している。
【0121】実施例1の光学装置は、架台10、架台受
け14、支柱11、準焦部ユニット19、観察装置C、
蛍光照明装置A、で構成されている。
【0122】架台10は、試料を載せるステージとして
の役割と、架台受け14を介して支柱11を保持する役
割を持っている。架台受け14には、図11(b)示す
ように、支柱11を挿入するするための挿入孔が2つ設
けられている。挿入孔の形状は支柱11の形状と一致し
ており、円形でも多角形でも構わない。
【0123】架台受14が架台10に取り付けられた状
態において、試料7から遠い位置に設けられた挿入孔1
4aは蛍光照明装置Aを使用する場合に用いられる。一
方、試料7に近い位置に設けられた挿入孔14bは蛍光
照明装置Aを使用しない場合に用いられる。ここで、挿
入孔14aと挿入孔14bの間隔は、蛍光観察装置Aの
使用の有無に係わらず、架台10上の同じ位置に置かれ
ている試料7の真上に観察装置Cが位置するように設定
されている。よって、蛍光照明装置Aを使用している状
態の図10(a)と蛍光照明装置Aを使用していない状
態の図11(a)を比較して分かるように、何れの状態
においても、試料7の位置を移動させることなく観察装
置Cを介して試料の観察が行える。
【0124】図10に示す光学装置の中には、架台10
の内部に透過照明光学系を設けて、試料7を架台10側
から照明して透過照明観察が行えるようになっているも
のがある。このような光学装置では、透過照明光学系の
光軸によって試料7の配置位置が決ってしまうため、試
料7の位置を移動することはできない。そこで、上記の
ように、蛍光観察装置の有無に関わらず試料7の位置が
一定に保たれるように構成しておけば、透過照明光学系
を備えた観察装置でも蛍光観察と透過照明観察をの切り
換えが容易に行える。
【0125】なお、挿入孔を1つだけ設けておき、蛍光
照明装置Aを使用する場合は直線状の支柱を使用し、蛍
光照明装置Aを使用しない場合は、破線で示すようなク
ランク型の支柱11’を用いるようにしてもよい。支柱
11には準焦部ユニット19が取り付けられている。そ
して準焦部ユニット19には蛍光照明装置Aが取り付け
られ、蛍光照明装置Aに観察ユニットCが取り付けられ
ている。なお、上述したように、蛍光観察装置Aを介さ
ずに観察ユニットCを準焦部ユニット19に取り付ける
こともできる。この場合は、蛍光観察を行わない従来の
光学装置と同じ構成になる。また、準焦部ユニット19
には準焦ノブ19aが設けられており、この準焦ノブ1
9aを回転することによって、準焦部ユニット19が支
柱11に沿って架台10に近づいたり離れたりする。そ
れに伴って、試料7と観察装置Cの間隔が変化するた
め、合焦状態を調節することができる。
【0126】観察装置Cは、対物レンズ1、観察光学系
ユニット2、結像光学系ユニット9を備えている。観察
光学系ユニット2は変倍光学系を備える他、場合によっ
てはリレー光学系や光路分割プリズムを有することもあ
る。このような光学系全体で観察光学系を構成してい
る。結像光学系ユニット9は、結像レンズ3と接眼レン
ズ4を備えている。これらのレンズは一つのユニットに
なっている場合もあれば、別々のユニットになっており
結合して結像光学系ユニットを構成する場合もある。
【0127】蛍光照明装置Aは、光源13と照明光学系
を備えている。照明光学系は、コレクタレンズ群16の
他に、複数のレンズ群、絞り、反射部材で構成されてい
る。また、光源13からの照明光を試料7に照射するた
めに、対物レンズ1と観察光学系ユニット2の間に反射
部材6が配置されている。反射部材6の配置位置は対物
レンズ1の周辺部で、観察装置Cの光軸12(対物レン
ズ1の光軸)に対して偏心した位置である。また、反射
部材6の配置位置は観察光学系ユニット2及び結像光学
ユニット9で決まる視野領域の外に相当する位置でもあ
るため、試料7の観察の邪魔になることはない。なお、
この反射部材6は、図10では蛍光照明光学装置Aと一
体になっている方が取り扱いの点で好ましいが、蛍光照
明装置Aと別体に構成することもできる。
【0128】実施例1の光学装置では、光源13と反射
部材6の間に励起フィルタ8が配置されている。励起フ
ィルタ8は、光源13からの照明光の中、特定の波長域
の光のみを透過させる光学特性を備えている。励起フィ
ルタ8で選択的に透過させる特定の波長域は、試料7で
用いられている蛍光色素あるいは蛍光タンパク質に合わ
せてあり、試料7から強い蛍光が発生するように選定さ
れている。試料7から発生した蛍光は、対物レンズ1、
観察光学系ユニット2を通過し、結像光学系ユニット9
の接眼レンズ4で蛍光像として観察される。このとき、
試料7からは蛍光の他に照明光(励起光)が反射してく
るため、蛍光の波長域の光のみを透過させる吸収フィル
タ5が対物レンズ1と結像光学系ユニット9の間に配置
されている。
【0129】このように、第1の光学装置では、試料7
を照明する照明光は観察光学系ユニット2を全く通過し
ない。よって、観察光学ユニット2内の観察光学系によ
る自家蛍光は全く発生しないため、コントラストの高い
蛍光像を得ることができる。また、照明光は対物レンズ
1を通過するものの、その通過する位置はレンズの周辺
部であって、反射部材6の配置位置は観察光学系ユニッ
ト2及び結像光学ユニット9で決まる視野領域の外に相
当する位置であるため、例え自家蛍光が発生しても蛍光
像に重なることはない。
【0130】さらに、対物レンズ1や観察光学系のレン
ズを構成する際に、自家蛍光の発生を気にせずに自由に
硝材の選択ができるので、観察装置の光学系を非常に良
好に補正された光学系にすることができる。同様に、蛍
光照明装置Aにおいて自家蛍光が発生しても照明光に比
べると光強度が非常に弱いため、照明上何ら問題になら
ない。よって、照明光学系においても自家蛍光の発生を
気にせずに自由に硝材の選択ができるので、照明光学系
を非常に良好に補正された光学系にすることができる。
【0131】また、実施例1の光学装置では、図10に
示すように、吸収フィルタ5は観察光学系ユニット2と
結像光学系ユニット9の間に配置されている。そして、
吸収フィルタ5は蛍光照明装置Aとは分離された別のユ
ニットで構成されている。しかしながら、図1に示すよ
うに、吸収フィルタ5を蛍光照明装置Aと一体に構成す
るようにしてもよい。このように構成すれば、蛍光照明
装置Aの取り付けや取り外しが容易に行えるので好まし
い。
【0132】また、試料7に照射する光の波長と試料7
から発生する蛍光の波長には特定の関係がある。よっ
て、励起フィルタ8と吸収フィルタ5を1つのユニット
で構成すると、フィルタの交換が容易に行えるため操作
性が向上する。図12では、励起フィルタ8と吸収フィ
ルタ5を含むフィルタユニットとして一体化している。
そして、光源13とコレクタレンズ群16を含む光源ユ
ニット、レンズ群と反射部材で構成された先端照明ユニ
ットというように機能別にユニット化して蛍光照明装置
Aを構成している。
【0133】図12に示す構成では、励起フィルタ8と
吸収フィルタ5が1つのユニットで構成されているが、
レンズ群や反射部材、絞り等の光学部材が含まれている
ので、励起フィルタ8と吸収フィルタ5を交換しようと
すると、これらの光学部材まで一緒に交換しなければな
らなくなるので実際的ではない。そこで、図1において
破線で示すように、励起フィルタ8と吸収フィルタ5の
みでフィルタユニットを構成すれば、他の光学部材はそ
のままでフィルタの交換が容易に行えるので好ましい。
【0134】図13は、励起フィルタ8と吸収フィルタ
5を交換する場合の具体的な構成を示す例である。この
例では、複数の励起フィルタと複数の吸収フィルタを保
持した部材がフィルタユニットになっており、蛍光照明
装置A内で回転する構成になっている。図13(a)に
おいて、40はターレット本体、41は軸部材、42、
44、46は励起フィルタ、43、45、47は吸収フ
ィルタである。各フィルタはターレット本体40の円周
上に等間隔に並んでおり、励起フィルタ42と吸収フィ
ルタ43、励起フィルタ44と吸収フィルタ45、励起
フィルタ46と吸収フィルタ47は回転軸を挟んで相対
するように配置されている。軸部材41はターレット本
体40を貫通する穴に挿入されているため、ターレット
本体40は軸部材41を回転中心として回転する。
【0135】フィルタを保持するターレット本体40は
円盤状の部材であって、励起フィルタと吸収フィルタを
それぞれ複数保持できる程度の面積と厚みを有してい
る。ターレット本体40には、円周方向に沿って励起フ
ィルタ42、44、46と吸収フィルタ43、45、4
7が設けられているが、図13(b)に示すように、断
面方向で見ると、ターレット本体40にはフィルタの外
径よりもわずかに大きな径の凹部48がフィルタの数に
応じて設けられている。凹部48の深さは、それぞれの
フィルタをこの凹部48に格納したときに、フィルタ表
面がターレット本体40の表面から大きく突出しない程
度の深さになっている。この凹部48の下には、凹部4
8よりもさらに小さな径の穴49がターレット本体40
を貫通して設けられている。よって、励起フィルタ4
2、44、46と吸収フィルタ43、45、47は、凹
部48と穴49の境界部分で保持されることになる。ま
た、各フィルタ、凹部48及び穴49の径は、照明光及
び蛍光を遮らない程度の大きさを少なくとも有してい
る。なお、各フィルタの固定は、凹部48とフィルタの
隙間に接着剤を流し込むか、フィルタの上方から押さえ
環等によって固定する等、従来の方法を用いればよい。
【0136】この例では、蛍光照明装置Aに予め複数の
励起フィルタと複数の吸収フィルタを組み込んだターレ
ットを組み込んでおき、観察する蛍光像の波長に応じて
ターレットを回転して必要な励起フィルタと吸収フィル
タの組み合わせ選択することによってフィルタの交換が
行われる。よって、蛍光観察装置Aに対して励起フィル
タや吸収フィルタを挿脱する必要がなくなるので、操作
性が向上する。
【0137】図14は、励起フィルタ8と吸収フィルタ
5を交換する場合の具体的な構成を示す別の例である。
この例では、1組の励起フィルタと吸収フィルタを保持
した部材がフィルタユニットになっており、蛍光照明装
置Aに対して挿脱する構成になっている。図14
(a)、(b)において、50はスライダー本体、5
1、53は励起フィルタ、52、54は吸収フィルタで
ある。
【0138】励起フィルタ51と53は互いに異なる分
光透過率特性を有しており、例えば励起フィルタ51は
450nm付近の波長を透過する特性を有し、励起フィ
ルタ53は510nm付近の波長を透過する特性を有し
ている。一方、吸収フィルタ52と54もそれぞれ異な
る分光透過率特性を有している。そして、吸収フィルタ
52は、励起フィルタ51で励起されたときに発生する
蛍光の波長域を通過するような特性を有し、吸収フィル
タ54は、励起フィルタ53で励起されたときに発生す
る蛍光の波長域を通過するような特性を有している。
【0139】なお、上述の励起フィルタや吸収フィルタ
は1つの特定の波長域の光を透過させる特性のものであ
るが、複数の特定の波長域の光を透過させる分光透過率
を有するものであってもよい。例えば、励起フィルタに
450nm付近の波長と510nm付近の波長を同時に
透過する特性を持たせれば、2つの波長で同時に試料7
を照明することができる。よって、試料7が複数の蛍光
色素で染色されている場合、2つの波長の蛍光を発生さ
せることができる。また、吸収フィルタにもこの2つの
蛍光を同時に透過させる特性を持たせておけば、同時に
2色の蛍光像を観察することができる。
【0140】各フィルタを保持するスライダー本体50
は板状の部材で、励起フィルタと吸収フィルタをそれぞ
れ1つずつ保持できる程度の面積と厚みを有している。
図14(c)に示すように、スライダー本体50には長
辺方向に沿って励起フィルタ51、53と吸収フィルタ
52、54の外径よりもわずかに大きな径の凹部55が
2つ設けられている。凹部55の深さは、励起フィルタ
51、53と吸収フィルタ52、54を凹部55に格納
したときに、励起フィルタ51、53と吸収フィルタ5
2、54の表面がスライダー本体50の表面から大きく
突出しない程度になっている。この凹部55の下には、
さらに小さな穴56がスライダー本体50を貫通して設
けられている。よって、励起フィルタ51、53と吸収
フィルタ52、54は、穴55と穴56の境界部分で保
持されることになる。また、各フィルタ、凹部55及び
穴56の径は、照明光及び蛍光を遮らない程度の大きさ
を少なくとも有する。なお、各フィルタの固定は、穴5
6との隙間に接着剤を流し込むか、フィルタの上方から
押さえ環等によって固定する等、従来の方法を用いれば
よい。
【0141】この例では、観察する蛍光像の波長に応じ
たフィルタユニットを複数用意し、この中から必要なフ
ィルタユニットを1つ選択し、スライダー機構等を介し
て蛍光照明装置Aに対して挿脱することによってフィル
タの交換をが行われる。よって、例えば新たな励起フィ
ルタと吸収フィルタの組み合わせが必要になった場合、
図13の構成だと、一組のフィルタを取り出して新たな
一組のフィルタを入れるというように、フィルタの交換
作業が必要になるが、図14の構成であれば、新たなフ
ィルタユニットを用意するだけでよく、フィルタ交換の
必要がない。なお、図14(a)と(b)を一体化し、
これをフィルタユニットとして蛍光照明装置A内でスラ
イドさせるようにしてもよい。
【0142】上記のような構成によって、必要な波長の
励起光を容易に試料7に照明することができる。なお、
本実施例では、試料7を励起光で照明した際に試料7で
反射した励起光が観察者の方向に向かってきても、励起
光が観察者に届かないように保護フィルタFを観察装置
Cに設けている。
【0143】図15は、蛍光照明装置Aで用いられてい
る光学系の詳細な構成を示すものである。13は光源、
G0はコレクタレンズ群で、光源ユニットを構成してい
る。光源13の光軸上から発した照明光は、コレクタレ
ンズ群G0で略平行な光束に変換される。なお、光源ユ
ニットに駆動機構15が備えており、コレクタレンズ群
G0を光軸方向に移動することによって、光源13とコ
レクタレンズ群G0の間隔を変化させることができる。
G1は第1のリレーレンズ群で、コレクタレンズ群G0
を射出した光束を集光し、光源13の1次像を形成す
る。本実施例では、第1のリレーレンズ群G1は、正の
屈折力のレンズL11、負の屈折力のレンズL12、第
1の反射部材(反射ミラー)M1、正の屈折力のレンズ
L13で構成されている。また、励起フィルタ8がこの
第1のリレーレンズ群中、すなわち、第1の反射部材M
1と正の屈折力のレンズL13との間に配置されてい
る。よって、光源13からの照明光は励起フィルタ8を
通過する際に、励起フィルタ8の分光透過率特性で決ま
る特定の波長域の光のみが通過し、いわゆる励起光とな
る。なお、励起フィルタ8は別の分光透過率特性を有す
る励起フィルタ8’と交換できるようになっている。
【0144】第1のリレーレンズ群G1において、正の
屈折力のレンズL11と負の屈折力のレンズL12とで
アフォーカル光学系を構成している。よって、コレクタ
レンズ群G0を射出した略平行な光束は、レンズL11
とL12を通過した後も略平行光束のままであるが、こ
の光学系は縮小光学系であるため、光束径が小さくなっ
て射出される。このような構成によって、励起フィルタ
8に入射する光束径が小さくなるので、励起フィルタを
小型化できる。
【0145】また、励起フィルタ8に多層膜干渉フィル
タを用いた場合、入射角が大きくなる程透過する波長が
変化したり、透過率が変化するという多層膜干渉フィル
タに特有の性質が問題になる。しかしながら、本実施例
のように縮小アフォーカル光学系にすると、光源13か
ら発した照明光の中、軸上光束は励起フィルタ8に対し
て垂直(光軸に平行)に入射し、軸外光束についても励
起フィルタ8に対する入射が小さくなる(光軸に対する
入射角度が小さい)ため、励起フィルタ8に多層膜干渉
フィルタを用いても、多層膜干渉フィルタに特有の入射
角に関する上記の諸問題の影響を小さくすることができ
る。
【0146】G2は第2のリレーレンズ群で、第1のリ
レーレンズ群G1で形成された光源13の1次像をさら
にリレーして2次像を形成する。第2のリレーレンズ群
G2は、開口絞りAS、正の屈折力のレンズL21、正
の屈折力のレンズL22、第2の反射部材M2、正の屈
折力のレンズL23で構成されている。また、正の屈折
力のレンズL22を光軸方向に沿って移動できるよう
に、移動機構15’を備えている。第2のリレーレンズ
群G2に設けられている開口絞りASは、光源13の1
次像の位置あるいはその近傍に配置されており、励起光
の光強度を調節する機能を果たす。なお、本実施例では
開口絞りASは、第2のリレーレンズ群G2に含まれて
いるが、第1リレーレンズ群G1に含まれるようにして
もよい。
【0147】光源13から射出され第1のリレーレンズ
群G1の反射部材M1で試料7方向に偏向された照明光
は、開口絞りASの位置に光源13の1次像を形成す
る。光源13の1次像からの照明光は、正の屈折力のレ
ンズL21、L22を通り、正の屈折力のレンズL22
とL23の間に配置された反射部材M2によって対物レ
ンズ1の方向に向けて偏向される。反射部材M2で偏向
された照明光は、正の屈折力のレンズL23を通過した
後集光し、光源13の2次像を形成する。この光源13
の2次像の位置は、観察光学ユニット2の観察光学系の
瞳位置と略共役な位置である。
【0148】光源13の2次像からの照明光を試料7に
向けて照射するため、反射部材6が対物レンズ1と観察
光学系ユニット2の間に配置されている。反射部材6の
配置位置は前述のように対物レンズ1の周辺部であっ
て、対物レンズ1の光軸から偏心して配置されている。
この反射部材6の位置は、試料7の観察を行っても見え
ないように、観察視野の外に相当する位置である。
【0149】本実施例のように、蛍光観察のための照明
を対物レンズの光軸から偏心した位置から行おうとする
と、照明光束の中心部は試料7に到達するが、光束の周
辺部は対物レンズ1の内部でケラレて試料7に到達しな
い場合が生じることもある。そのため、本実施例では、
対物レンズ1の瞳径を大きく構成する(瞳径の大きな対
物レンズを使用する)ことで、対物レンズ1の光軸に対
して照明光の光軸が偏心して入射しても、対物レンズ1
の内部でケラレることがないようにしている。
【0150】また、観察光学系ユニット2は変倍光学系
を含んでいる。この変倍光学系はユニット化されている
ので、観察したい倍率に応じて変倍光学系を各々用意し
て交換するか、あるいは、変倍できる範囲内で予め設定
された複数の倍率の中から倍率を選択する変倍光学系、
あるいは、変倍できる範囲内で連続して倍率が選択でき
る変倍光学系を用意して交換して使用することも可能で
ある。
【0151】このように、本実施例の光学装置は、観察
光学系ユニット2に設けられた変倍光学系によって観察
像の大きさを変化させることができる。変倍光学系によ
って変倍が行われると、観察光学系の瞳位置と瞳径が変
化する。ここで、観察光学系の倍率が変化したにも係わ
らず、照明光学装置Aの照明光学系の方は何ら変化しな
いとすると、変倍後の観察光学系の瞳位置と光源13の
2次像の位置との共役な関係が崩れてしまう。このよう
に、変倍後の観察光学系の瞳位置と共役な位置に光源1
3の2次像が一致しなくなると、必要な照明範囲を照明
できなかったり、逆に、不必要に広い範囲を照明して照
明効率の悪い照明を行うことになる。そこで、本実施例
では、移動機構15’によって第2のリレーレンズ群G
2中の正の屈折力のレンズL22を光軸方向に移動させ
るようにしている。
【0152】図15において、破線で囲まれた第2のリ
レーレンズ群G2は、変倍光学系の倍率が最低倍率のと
きに対応しており、正の屈折力のレンズL22は反射部
材M2の近くに位置している。一方、破線で囲まれた第
2のリレーレンズ群G2の右隣には、変倍光学系の倍率
が最高倍率のときに対応する第2のリレーレンズ群G2
の様子が示されている。正の屈折力のレンズL22は変
倍光学系の変倍に伴って光軸に沿って移動し、正の屈折
力のレンズL21の近傍まで移動している。このよう
に、本実施例では、正の屈折力のレンズL22が移動す
るため、光源13の2次像の位置を光軸方向に移動させ
ることができる。よって、変倍光学系によって変倍が行
われても、変倍後の観察光学系の瞳位置と共役な位置に
光源13の2次像の位置を略一致させることができ、常
にケーラー照明が行える。また、正の屈折力のレンズL
22の移動によって第2のリレーレンズ群G2のリレー
倍率変化する。よって、変倍後の観察光学系の瞳径に光
源13の2次像の大きさを略一致させることができる。
このようにな構成によって、変倍光学系で変倍が行われ
て観察範囲が変化しても、それに合わせて照明範囲を変
化させることができるため、明るい蛍光観察が可能とな
る。なお、変倍光学系の倍率の変化は電気的あるいは機
械的に検出することができるため、その検出情報を駆動
装置15’に伝えることによって、変倍光学系の変倍と
正の屈折力のレンズL22の移動を連動させることもで
きる。この場合、操作性も向上する。また、移動させる
レンズは正の屈折力レンズL22に限らず、他のレンズ
(屈折力の正負を問わない)を移動させてもよい。
【0153】光学系のレンズデータとして、後記の表1
−1に対物レンズと蛍光照明光学系のレンズデータ、表
1−2に蛍光照明光学系の各近軸量の値を示す。表1−
1に記した対物レンズの焦点距離Fobは75mmであ
る。なお、表1−1の非球面の形状は、zを光の進行方
向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向の光軸
からの距離とすると、下記の式にて表される(以下、同
じ)。
【0154】z=(y2 /r)/[1+{1−(K+
1)(y/r)2 1/2 ]+A22 +A44 +A66
A88 +A10 10 ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A2、A4
A6、A8、A10 はそれぞれ2次、4次、6次、8次、10
次の非球面係数である。
【0155】表1−1において、第1面から第10面が
図15の対物レンズ1に対応し、第11面から第13面
が反射部材6に対応し、ここでは反射プリズムである。
よって、その第11面が入射面、第12面が反射面、第
13面が射出面である。第11面以降は対物レンズ1の
光軸に対して15mm偏心しており、第14面が対物レ
ンズ1の入射瞳に対応している。第16面から第26面
が第2リレーレンズ群G2に対応し、その中、第16面
から第17面がレンズL23に対応し、第18面が第2
反射部材M2に対応し、第19面から第22面がレンズ
L22に対応し、第23面から第24面が励起フィルタ
8に対応し(この数値例では、第2リレーレンズ群G2
中に励起フィルタ8が配置されている。)、第25面か
ら第26面がレンズL21に対応している。また、第2
7面から第30面が第1リレーレンズ群G1に対応し、
その中、第27面から第28面がレンズL13に対応
し、第29面から第30面がレンズL11に対応してい
る。さらに、第31面から第43面がコレクタレンズ群
G0に対応し、その中、第31面から第34面が赤外カ
ットフィルタに対応する。
【0156】図16に、表1−1のレンズデータの光学
系の最低倍、中間倍、最高倍における光路図を示してあ
る。また、図17に、その光学系の対物レンズの光軸と
照明光学系の光軸の偏心状態を示してある。
【0157】表1−1及び図16に示された照明光学系
は、以下の点で図15に示された照明光学系と異なる。
第1点は、図16ではコレクタレンズ群G0中に赤外線
カットフィルタが配置されている点である。赤外線が試
料7に照射されると、試料7上で熱が発生して試料7に
影響が出てしまう。そのため、赤外線カットフィルタを
光源に近い位置に配置している。
【0158】第2点は、図16では第1のリレーレンズ
群G1中に負の屈折力のレンズL12が配置されていな
い点である。本来は、負の屈折力のレンズL12を配置
してアフォーカル系を構成することが望ましいが、光束
径を小さくすることができることや、光軸に対する軸外
光束の角度を小さくすることができれば、平行光束でな
くとも励起フィルタ8をここに配置することができる。
この場合、第1のリレーレンズ群G1の構成を簡素にで
きるので、蛍光照明装置Aの小型化ができるという利点
がある。
【0159】第3点は、図16では第2のリレーレンズ
群G2中に励起フィルタ8が配置されている点である。
図15では第1のリレーレンズ群G1中に配置されてい
るが、図16では第2のリレーレンズ群G2中に配置さ
れている。上記のように、励起フィルタ8は光束径が小
さくて軸外光束の入射角が小さければ、基本的に照明光
学系中のどこにでも配置できる。図16はこの様子を示
したものである。
【0160】第4点は、反射部材6が反射プリズムにな
っている点である。図15では反射部材6は反射ミラー
であるが、図16に示すように、反射プリズムで構成す
ることもできる。反射プリズムの反射面(第12面)で
は全反射によって照明光が反射されるため、反射ミラー
に比べて照明光の光量ロスを少なくすることができるの
で好ましい。
【0161】また、対物レンズ1の射出瞳径をd1、観
察光学系の入射瞳径をd2とし、それぞれの瞳径の比が
以下の条件(1)を満足するようにする。
【0162】 d1>50mm d1/d2>1.5 ・・・(1) 上記条件は、対物レンズ1の入射瞳径を実体顕微鏡の対
物レンズの瞳径と略同じ程度の大きさにすると共に、約
10倍程度の低い倍率において式(1)を満足するよう
に観察光学系を構成することによって、立体的な観察は
難しいものの、従来の実体顕微鏡や通常の蛍光顕微鏡と
比べて、非常に大きな開口数での蛍光観察が可能にな
る。
【0163】本実施例では、第2のリレーレンズ群G2
中のレンズを移動させる構成を採用しているが、これは
前に説明したように、変倍光学系による変倍が行われて
もケーラー照明が行えるようにするためである。これと
は別に、本実施例では、クリティカル照明が行えるよう
にもしている。そのため、移動機構15を設け、この移
動機構15によってコレクタレンズ群G0を移動させ、
光源13とコレクタレンズ群G0との間隔を変化できる
ようにしている。コレクタレンズ群G0を光軸方向に移
動させると光源13の投影像の位置も光軸方向に移動
し、最終的には光源13の投影位置と試料7面が一致し
てクリティカル照明となる。このように、本実施例で
は、観察範囲の全てを均一に照明することができるケー
ラー照明と、中心部をより明るく照明することができる
クリティカル照明のどちらの照明も可能であるため、観
察状況に応じて最適の照明が行える。特に、クリティカ
ル照明にした場合は、暗い蛍光像をより明るく観察する
ことができる。また、コレクタレンズ群G0を移動させ
るだけで照明状態を切り替えることができるので、操作
性の良い光学装置を実現できる。
【0164】ここで、光源13とコレクタレンズ群G0
の間隔変化は、変倍光学系の変倍操作に対応して移動す
る正の屈折力のレンズL22の移動とは独立している。
よって、変倍光学系の変倍に応じて正の屈折力のレンズ
L22が移動すると、変倍前に光源13の投影位置と試
料7面の位置が一致していても、変倍後では一致しなく
なる。したがって、変倍を行った後もクリティカル照明
を行うには、再度コレクタレンズ群G0を移動させなけ
ればならない。なお、移動機構15と移動機構15’を
連動させて動かせば、変倍を行いながらクリティカル照
明を行うことができる。
【0165】クリティカル照明光を行う場合、対物レン
ズ1と照明光学系とで構成される光学系が以下の条件
(2)を満足するように構成されているのが望ましい。
【0166】 |D|≦3mm ・・・(2) ここで、Dは照明光学系における試料7の光源13に最
も近い共役位置と光源13と間隔である。より詳しく
は、対物レンズ1と照明光学系とで構成される光学系に
よって照明光学系内に投影された試料7の像位置であっ
て、最も光源13側に形成された試料7の共役位置を、
光源13を基準にして測定した距離である。図15では
試料7の共役位置は光源13とコレクタレンズ群G0の
間になっているが、光源13を挟んでコレクタレンズ群
G0と反対側に形成される場合もある。なお、この条件
は、変倍光学系の変倍範囲内における全ての倍率で満足
していることが望ましい対物レンズ1と照明光学系とで
構成される光学系が条件(2)を満足するように構成す
ることによって、光源13の位置をわずかに移動させる
だけで光源13の位置と試料7の共役な位置を一致させ
ることができる。その結果、光源13の近傍に射出され
た開口数の大きな光をコレクタレンズ群G0で無駄なく
取り込みながら、試料7に対してクリティカル照明が行
える。条件(2)を満足しない場合、光源13がコレク
タレンズ群G0に近づきすぎて光源13とコレクタレン
ズ群G0が接触するという問題がある。また、逆に光源
13がコレクタレンズ群G0から離れすぎてしまい、光
源13から射出する光束の一部をコレクタレンズ群G0
が取り込めなくなり照明光の光量損失を招く。
【0167】光源13の位置と試料7の共役な位置を一
致させるためには、光源13を各変倍時における試料7
の光源13に最も近い共役位置に光軸方向に移動させる
ことになるが、光源13を移動させることは実際には難
しい。よって、コレクタレンズG0を移動させて、光源
13の位置に試料7の共役な位置を一致させるようにす
ることが好ましい。なお、表1−1に示した光学系は、
表1−2に示すように、D(表1−2では射出瞳位置と
している)の値が、変倍光学系の最低倍率、中間倍率、
最高倍率の何れにおいても条件(2)を満足しているた
め、どの倍率においてもクリティカル照明が行える。
【0168】(実施例2)本発明の光学装置の実施例2
を図18に示す。図18に示す光学装置は、実施例1の
光学装置の観察光学系ユニット及び結像光学系ユニット
を一対のレンズユニットで構成し、この一対のレンズユ
ニットを対物レンズの光軸に平行にかつ対称に配置した
もので、いわゆるガリレオ型の実体顕微鏡である。な
お、蛍光照明装置A、架台10、架台受け14、支柱1
1、準焦ユニット19は実施例1と同様の構成が用いら
れる。また、照明光学装置Aにおいて、コレクタレンズ
群G0の移動、第2のリレーレンズ群G2中のレンズの
移動は実施例1と同様に行える。また、実施例1で示し
たフィルタユニットを一部改造することによって、励起
フィルタ23と吸収フィルタ25L、25Rの交換も可
能である。
【0169】実施例2の光学装置はガリレオ型の実体顕
微鏡であるから、左側のレンズユニット(2L、25
L、3L、4L)と右側のレンズユニット(2R、25
R、3R、4R)は、対物レンズ1の中心軸でもある光
軸を挟んで左右に配置されている。このとき、両レンズ
ユニットの光軸からの距離は左右共に等距離であって、
それぞれのレンズユニットは対物レンズ1の光軸に平行
に配置されている。よって、対物レンズ1の光軸に対称
に配置されていることになる。このような構成をとるこ
とによって、試料7を立体的に観察することが可能にな
る。
【0170】実施例2では、対物レンズ1は実施例1と
同様に単体で構成されているが、観察光学系ユニット2
は左右一対の観察光学系2L、2Rで構成されている。
また、結像光学系ユニット9も左右一対の結像レンズ3
L、3R、及び、左右一対の接眼レンズ4L、4Rで構
成されている。
【0171】このように、実施例2の光学装置は、観察
光学系ユニット及び結像光学系ユニットが一対のレンズ
ユニットで構成されているため、蛍光を選択透過する第
2の波長選択素子である吸収フィルタも、25L、25
Rというように左右一対設けられている。したがって、
試料7から発した蛍光は、対物レンズ1を通過した後、
左側のレンズユニットと右側のレンズユニットをそれぞ
れ通り、観察者の左右の眼に到達する。実施例1と同様
に、試料7を照明する照明光は観察光学系ユニット2を
全く通過しない。よって、観察光学ユニット2内の観察
光学系2L、2Rによる自家蛍光は全く発生しないた
め、コントラストの高い蛍光像を得ることができる。ま
た、照明光は対物レンズ1を通過するものの、その通過
する位置はレンズの周辺部であって、反射部材6の配置
位置は観察光学系ユニット2及び結像光学ユニット9で
決まる視野領域の外に相当する位置であるため、例え自
家蛍光が発生しても蛍光像に重なることはない。さら
に、対物レンズ1や観察光学系のレンズを構成する際
に、自家蛍光の発生を気にせずに自由に硝材の選択がで
きるので、観察装置の光学系を非常に良好に補正された
光学系にすることができる。同様に、蛍光照明装置Aに
おいて自家蛍光が発生しても照明光に比べると光強度が
非常に弱いため、照明上何ら問題にならない。よって、
照明光学系においても自家蛍光の発生を気にせずに自由
に硝材の選択ができるので、照明光学系を非常に良好に
補正された光学系にすることができる。
【0172】本実施例においても、実施例1と同様に、
対物レンズ1の光軸から偏心した位置に反射部材を配置
して照明を行っているが、上記左右のレンズユニットの
各々の光軸を含む面が対物レンズ1の光軸から偏心して
位置するように、対物レンズ1に対して観察光学系ユニ
ット2及び結像光学系ユニット9を配置することが望ま
しい。この点について、図19を用いて説明する。
【0173】図19(a)は、左右のレンズユニットの
各々の光軸を含む面が対物レンズ1の光軸から偏心して
位置する場合を示す図で、上側の図は観察光学系ユニッ
トの方向から対物レンズ1を見たときの図で、下側は側
面から見た図である。19(b)は、左右のレンズユニ
ットの各々の光軸を含む面が対物レンズ1の光軸と一致
している場合を示す図で、上下の図は図19(a)と同
様である。図19において、1は対物レンズ、2L’と
2R’は左右のユニットである観察光学系よって導かれ
る光束の領域、Oは対物レンズ1の光軸、30’は反射
部材30によって導かれる励起光束の領域、U’、L’
は励起光の光束周辺部の光線、Eは観察光学系2L、2
Rの瞳位置と共役な位置、Xは遮光部材である。
【0174】蛍光照明装置Aからの励起光を対物レンズ
1に入射させて試料7を照明する場合、観察範囲と同じ
範囲を照明するためには、観察光学系2L、2Rの瞳を
通過する光線と同じ角度で励起光の光線を対物レンズ1
に入射させる必要がある。対物レンズ1の光軸に対して
最も大きな角度で入射するのは、光束周辺部の光線であ
るから、これらの光線が対物レンズ1内でケラレること
がないようにすることが望ましい。そこで、本実施例で
は、図19(a)に示すように、反射部材30によって
導かれる光束の領域30’ができるだけ対物レンズ1の
中心部を通過するように、観察光学系よって導かれる光
束の領域2L’、2R’を対物レンズ1の光軸Oからや
や離れた周辺部を通過するようにしている。この状態で
は、観察光学系2L、2Rの光軸を結ぶ線は対物レンズ
1の光軸Oから偏心しているため、観察光学系2L、2
Rの光軸を含む面は対物レンズ1の光軸から偏心して位
置することになる。このような構成では、励起光の光束
周辺部の中、光線L’は対物レンズ1に入射して、すぐ
に対物レンズ1の光軸Oを横切って照明範囲の一端に達
する。一方、光線U’の入射位置は対物レンズの光軸O
と外周部の中間付近になるため、対物レンズ1内のレン
ズで屈折されながら対物レンズ1の外周部近傍を通過し
照明範囲の他端に達する。したがって、対物レンズ1の
内部で励起光がケラレることはない。
【0175】一方、図19(b)に示すように、観察光
学系2L、2Rの光軸を結ぶ線が対物レンズ1の光軸O
と一致するように観察光学系ユニット2と結像光学系ユ
ニット9が配置された場合、励起光の光束周辺部の中、
光線L’は対物レンズ1に入射して対物レンズ1の光軸
Oを横切って照明範囲の一端に達するが、光線U’の入
射位置は対物レンズ1の外周部付近になるため、対物レ
ンズ1内のレンズで屈折されても途中で対物レンズ1の
外周部からはみ出してしまい、照明範囲の他端に達しな
くなる。したがって、対物レンズ1の内部で励起光がケ
ラレてしまうことになる。
【0176】以上説明したように、ガリレオ型の実体顕
微鏡のように一対のレンズユニットを有する光学装置で
は、各々レンズユニットの光軸を含む面が対物レンズ1
の光軸から偏心して位置するように、対物レンズ1に対
して観察光学系ユニット2及び結像光学系ユニット9を
配置することによって、観察範囲全体を照明することが
できる。特に、入射角度の大きな低倍率での観察時にお
いて、上記構成は有効である。また、対物レンズ1の光
軸に近い位置からの照明となるため、励起光の照明が試
料7に対して垂直に近い角度で行われることになる。よ
って、影付きの少ない照明を行えるという効果もある。
【0177】なお、反射部材を複数の面積の小さな部材
に分けて対物レンズ1の周辺部に複数配置することによ
って、試料7を複数の方向から照明してさらに影付きの
少ない照明をすることも可能である。また、反射部材3
0によって導かれる励起光束の領域30’を対物レンズ
1の光軸Oに近づければ近づける程、観察光学系よって
導かれる光束の領域2L’と2R’は対物レンズ1の周
辺部へ移動することになり、観察光学系2Lと2Rの光
軸の間隔が広がってしまう。そうなると、今度は観察光
学系2Lと2Rに入射する蛍光が対物レンズ1内でケラ
レることになるので、対物レンズ1の有効径を大きくと
るか、異なる瞳位置の対物レンズを使用する等して、照
明範囲及び観察範囲がケラレることのないようにするこ
とが望ましい。
【0178】また、図19(b)に示すように、遮光部
材Xを反射部材30を囲むように配置すれば、対物レン
ズ1の表面で反射した励起光や励起光によって発生した
自家蛍光が、観察光学系よって導かれる光束の領域2
L’と2R’に入射することを防ぐことができる。
【0179】前述のように、蛍光照明装置Aに使用する
照明光学系は、実施例1に示した表1−1、表1−2の
ものを本実施例においても使用することができる。この
照明光学系と組み合わせて使用する本実施例の対物レン
ズの近軸量の値を表1−3に示す。また、表1−4は、
対物レンズ1、観察光学系ユニット2、結像光学系ユニ
ット9からなる観察側の光学系の近軸量を示す。
【0180】本実施例においても、実施例1と同様に、
変倍光学系の変倍に応じて蛍光照明装置A内のレンズを
移動機構15’によって移動させて、変倍光学系で変倍
が行われて観察範囲が変化しても、それに合わせて照明
範囲を変化させることができる。図20はこの様子を示
しており、観察光学系ユニット2には、変倍光学系を含
む観察光学系2L、2Rのレンズを移動させて変倍を行
う変倍ノブ2’が設けられている。この変倍ノブ2’
は、斜線ハッチを付した回転軸を有しており矢印方向に
回転する。この回転に応じて観察光学系2L、2Rのレ
ンズが光軸方向に移動し変倍が行われる。一方、蛍光照
明装置Aにも、レンズを移動させるための移動機構1
5’が設けられており、変倍ノブ2’と同じように斜線
ハッチを付した回転軸を有すると共に、矢印方向に回転
する。本実施例では、変倍ノブ2’回転を移動機構1
5’の間にベルトYを設け、変倍ノブ2’の回転を移動
機構15’に伝達するように構成している。このような
構成によって、観察者が観察範囲を変化させるために変
倍ノブ2’回転を回転すると、観察光学系2L、2Rの
レンズが光軸方向に移動すると共に、変倍ノブ2’の回
転がベルトYによって移動機構15’に伝達され、蛍光
照明装置A内のレンズを移動する。よって、変倍光学系
で変倍による観察範囲が変化しても、連動して照明範囲
を変化させることができる。
【0181】(実施例3)本発明の光学装置の実施例3
を図21に示す。図21に示す光学装置は、実施例1の
光学装置の対物レンズ、観察光学系ユニット及び結像光
学系ユニットを一対のレンズユニットで構成し、この一
対のレンズユニットを試料面に垂直な軸に対して傾斜し
てかつ対称に配置したもので、いわゆるグリノー型の実
体顕微鏡である。なお、蛍光照明装置A、架台10、架
台受け14、支柱11、準焦ユニット19は実施例1と
同様の構成が用いられる。また、照明光学装置Aにおい
て、コレクタレンズ群G0の移動、第2のリレーレンズ
群G2中のレンズの移動は実施例1と同様に行える。ま
た、実施例1で示したフィルタユニットを一部改造する
ことによって、励起フィルタ8と吸収フィルタ5L、5
Rの交換も可能である。実施例3の光学装置はグリノー
型の実体顕微鏡であるから、左側のレンズユニット(1
L、2L、5L、3L、4L)と右側のレンズユニット
(1R、2R、5R、3R、4R)は、試料7に垂直な
軸を挟んで左右に配置されている。このとき、両レンズ
ユニットで決る左右の光軸が試料7上で交差するよう
に、試料7に垂直な軸に対して角度αで傾けて配置され
ている。このような構成をとることによって、試料7を
立体的に観察することが可能になる。
【0182】実施例3の光学装置においても、観察光学
系ユニット及び結像光学系ユニットが一対のレンズユニ
ットで構成されているため、蛍光を選択透過する第2の
波長選択素子である吸収フィルタも、5L、5Rという
ように左右一対設けられている。したがって、試料7か
ら発した蛍光は、対物レンズ1L、1Rを通過した後、
左側のレンズユニットと右側のレンズユニットをそれぞ
れ通り、観察者の左右の眼に到達する。
【0183】本実施例においても、試料7を照明する照
明光は観察光学系ユニット2を全く通過しないが、実施
例1及び実施例2と異なり、試料7を照明する照明光は
対物レンズ1L、1Rも全く通過しない。よって、観察
光学ユニット2内の観察光学系2L、2Rによる自家蛍
光は全く発生しないため、コントラストの高い蛍光像を
得ることができる他、さらに、照明光は対物レンズ1
L、1Rを通過しないため対物レンズ1L、1Rで自家
蛍光が発生することがない。
【0184】また、対物レンズ1L、1Rや観察光学系
のレンズを構成する際に、自家蛍光の発生を気にせずに
自由に硝材の選択ができるので、観察装置の光学系を非
常に良好に補正された光学系にすることができる。同様
に、蛍光照明装置Aにおいて自家蛍光が発生しても照明
光に比べると光強度が非常に弱いため、照明上何ら問題
にならない。よって、照明光学系においても自家蛍光の
発生を気にせずに自由に硝材の選択ができるので、照明
光学系を非常に良好に補正された光学系にすることがで
きる。
【0185】なお、本実施例と実施例1及び2は観察装
置の光学系が多少異なるだけであるから、実施例1及び
2で示した様々な機構は全て本実施例においても適用す
ることができる。
【0186】(実施例4)本発明の光学装置の実施例4
を図22に示す。図22に示す光学装置は、観察装置が
実施例2と同様にガリレオ型になっている。また、蛍光
照明装置Aの構成も、コレクタレンズ群G0、第1のリ
レーレンズ群G1は実施例2と同様である。また、第2
のリレーレンズ群G2については、実施例2と異なり、
反射部材を備えていないために、正の屈折力のレンズが
直列に配置されている点で異なっている。したがって、
第2のリレーレンズ群G2を射出した照明光は、実施例
2では対物レンズ1の光軸に垂直に(あるいは、非平行
に)入射するが、本実施例では、対物レンズ1の光軸に
略平行に射出される。
【0187】本実施例では、第2のリレーレンズ群G2
から射出した照明光を試料7に導くために、対物レンズ
1の外周部に先端照明部Bを対物レンズ1に近接して配
置している。先端照明部Bは、プリズムP2、P3、レ
ンズB1、B2で構成されている。プリズムP2、P3
はそれぞれ三角プリズムであって、プリズムP2は、第
2のリレーレンズ群G2から射出した照明光を対物レン
ズ1に向かって偏向するように配置されている。プリズ
ムP3は、プリズムP2で偏向された照明光を試料7側
に向けて偏向するように配置されている。なお、31は
先端照明部Bの瞳位置で、ここではプリズムP2とP3
の間に形成されている。レンズB1、B2は、それぞれ
円形レンズの一部を切り取った半円形状のレンズであ
る。これは、プリズムP3から射出される照明光の光軸
に対して円形レンズを偏心させて配置し、円形レンズの
周辺部を照明光の光軸が通過するという構成になってい
るのと同じである。光軸を挟んで照明光が通過する部分
と反対側の部分は照明には全く使用されないので、その
部分を切り取ったのが図22に示すようなレンズB1、
B2の形状である。
【0188】表2−1に、蛍光照明装置Aの光学系のレ
ンズデータ、表2−2に先端照明部Bのレンズデータを
示す。対物レンズ1は、実施例2で述べた対物レンズと
同じであるので、省略する。表2−1は、図22の先端
照明部Bの瞳位置31から光源13までの間のレンズデ
ータである。
【0189】表2−1において、第1面から第3面が図
22のプリズムP2に対応する。第4面から第12面が
第2リレーレンズ群G2に対応する。第6面から第10
面までがレンズ群L22に相当し、両凸レンズと接合レ
ンズで構成されている。第13面は開口絞りASであ。
第14面から第22面が第1リレーレンズ群G1に対応
し、第17面がプリズムP1の反射面である。第23面
から第34面がコレクタレンズ群G0に対応し、その
中、第23面から第26面が赤外カットフィルタに対応
する。なお、励起フィルタ23はこのデータでは省略さ
れている。
【0190】図23に、表2−1のレンズデータの光学
系の最低倍、中間倍、最高倍における光路図を示してあ
る。また、図24に、表2−2の先端照明部Bのレイア
ウトとその光学系の最低倍、中間倍、最高倍における光
路図を示してある。図24では、便宜上、レンズB1、
B2を円形レンズで示してある。試料面(第10面)側
のレンズ(第9面)が図22のレンズB1で、プリズム
側(第3面、第4面)のレンズ(第6面)がレンズB2
である。
【0191】このような構成において、光源13より発
した光は、コレクタレンズ群G0によって集光され、第
1リレーレンズ群G1の系中の励起フィルタ23によっ
て試料7を照明する波長が選択透過されて、光源13の
1次像をつくり、第2リレーレンズ群G2によって光源
13の1次像を先端照明部Bの瞳位置31に2次光源像
を投影する。
【0192】先端照明部Bは、瞳位置31近傍に投影さ
れた光源13の2次像を先端照明部Bのレンズ群及び偏
向部材によって照明中心位置と観察中心位置が一致して
照明が可能となるように構成及び配置されている。ま
た、蛍光照明装置A内の第2リレーレンズ群G2内のレ
ンズ群L22が観察光学系の変倍操作に連動して移動
し、先端照明部Bの瞳位置31に、観察範囲と照明範囲
が略一致するのに必要な入射角度と最適な投影倍率で2
次光源像を投影させることにより、常に観察範囲と照明
範囲が一致するように構成されているのは、実施例2と
同じである。
【0193】したがって、本実施例でも、励起光が対物
レンズ1、観察光学系を通過せずに試料7を照明するた
めに、観察光学系内で発生する自家蛍光や励起光の漏光
や反射光がないので、非常にコントラストの高い蛍光観
察が可能となる。
【0194】なお、表2−1から分かるように、蛍光照
明光学系の射出瞳位置Dの値から、、条件(2)を満足
しており、本実施例においても、光源13とコレクタレ
ンズ群G0の間隔を変化させることでクリティカル照明
が可能であることが分かる。
【0195】ところで、先端照明部Bは使用する対物レ
ンズ1に応じて交換可能に構成することもできる。これ
は、対物レンズ1を別の対物レンズに交換すると観察範
囲や作動距離が異なるため、先端照明部Bを交換可能に
構成しておけば、別の対物レンズが使用されても、その
対物レンズに合わせて照明範囲と照明強度とすることが
できる。この場合、先端照明部Bは先端照明部Bの光学
系の焦点距離をF、対物レンズの焦点距離をFobとする
とき、以下の条件(3)を満足することが望ましい。
【0196】 0.7≦Fob/F≦1.2 ・・・(3) あるいは、先端照明部Bにより照明される面積をS、対
物レンズ1で観察する範囲の面積をSobとするとき、以
下条件(4)を満足するのが望ましい。
【0197】 0.5≦Sob/S≦1.4 ・・・(4) 上記条件を満足することによって、対物レンズ1の交換
によって観察範囲や作動距離が変化しても、照明光の照
明範囲や照明強度が最適に調整された状態でケーラー照
明が行える。上記条件(3)、(4)の上限の1.2あ
るいは1.4を越える場合には、先端照明部Bの焦点距
離が小さくなって、先端照明部Bと試料7までの間隔が
短くなる。そのため、対物レンズ1や試料7の交換を容
易に行えなくなり、操作性が悪化する。また、下限の
0.7あるいは0.5を越えると、先端照明部Bの焦点
距離が大きくなり、先端照明部Bから試料7へ照射され
る照明光の開口数が小さくなる。そのため、蛍光像の明
るさが暗くなってしまう。
【0198】本実施例では、先端照明部の焦点距離F=
95mm、対物レンズ1の焦点距離Fob=75mmであ
るから、条件(3)を満足する。また、最低倍、中間、
最高倍での照明範囲(直径)は、それぞれ26.19m
m、8.0mm、2.0mmであるのに対し、観察範囲
(直径)は表1−4から視野数/全系の倍率で求まり、
最低倍で26.19mm、中間で7.97mm、最高倍
で2.03mmであるので、条件(4)を満足する。
【0199】なお、対物レンズ1を交換して作動距離が
変化すると、それに合わせて準焦ノブ19aを回転させ
て試料7と対物レンズ1との間隔を変化させなければな
らない。このとき、蛍光照明装置Aも準焦部19に取り
付けられているため、対物レンズ1(観察装置C)と一
緒に移動する。その結果、先端照明部Bの射出側の照明
光学系の光軸が、試料7上で対物レンズ1の光軸と一致
しなくなってしまう。そこで、先端照明部Bのレンズを
移動させたり、プリズムやミラーを回転させたりするた
めの駆動機構を設けておけば、先端照明部Bの射出側の
照明光学系の光軸の傾きを変えることができるので、観
察範囲と照明範囲の中心位置と範囲を一致させることが
できる。
【0200】上記のような構成以外としては、蛍光照明
装置Aを準焦部19には取り付けないで支柱11に直接
取り付けておき、準焦部19には観察装置Cのみを取り
付けるように構成しておけば、準焦ノブ19aを回転さ
せて対物レンズ1を移動させても蛍光照明装置Aは移動
しないので、先端照明部Bの射出側の照明光学系の光軸
と対物レンズ1の光軸を試料7上で一致させておくこと
ができる。
【0201】本実施例では、先端照明部B内のレンズB
1、B2として半円状のレンズであって、レンズB1の
断面形状は両凸レンズを半分にした形状、レンズB2の
形状は試料側に凹面を向けた正の屈折力のメニスカスレ
ンズを半分にした形状になっている。ただし、これに限
られることはなく、通常のレンズ(円形レンズ)を使用
して先端照明部Bを構成することも当然可能で、その構
成を図25に示す。
【0202】図25(a)は、レンズB1の一部のレン
ズを照明光学系の光軸に対して傾けて配置することによ
って、試料7上で照明光学系の光軸を対物レンズ1の光
軸に一致させた例である。先端照明部Bは、2つのプリ
ズムP2及びP3、4つの正の屈折力のレンズで構成さ
れたレンズB1、負の屈折力の単レンズのレンズB2で
構成されている。プリズムP2及びP3は直角三角プリ
ズムである。対物レンズ1の光軸と略平行な照明光学系
の光軸はプリズムP2で対物レンズ1の方向に偏向され
た後、プリズムP3によって再び対物レンズ1の光軸と
略平行となる。レンズB2とレンズB1のプリズム側の
2つのレンズは、中心軸が照明光学系の光軸と一致する
ようにそれぞれが配置されている。なお、先端照明部B
の瞳位置は、プリズムP3とレンズB2の間である。
【0203】レンズB1の3番目のレンズは照明光学系
の光軸に対して傾けて配置されている(レンズの中心は
照明光学系の光軸上にあるが、中心軸が照明光学系の光
軸に対して傾いて配置されている。)。そのため、照明
光学系の光軸はこの3番目のレンズによって、対物レン
ズ1側に曲げられてしまう。この3番目のレンズの傾き
を適当に選択することで、試料7上で照明光学系の光軸
を対物レンズ1の光軸と一致させることができる。な
お、図25(a)では、一つのレンズを照明光学系の光
軸に対して傾けて配置したが、複数のレンズを傾けて配
置することもできる。
【0204】図25(b)は、反射ミラーを傾けて配置
することによって、試料7上で照明光学系の光軸を対物
レンズ1の光軸に一致させた例である。先端照明部B
は、プリズムP2、反射ミラーM1、2つの正の屈折力
のレンズで構成されたレンズB1、負の屈折力の単レン
ズのレンズB2で構成されている。この例では、対物レ
ンズ1の光軸と略平行な照明光学系の光軸はプリズムP
2で対物レンズ1の方向に偏向された後、反射ミラーM
1に入射するが、照明光学系の光軸が試料7上で対物レ
ンズ1の光軸と一致するように配置されている。よっ
て、レンズB1とレンズB2は、何れも中心軸が照明光
学系の光軸と一致するように配置されている。なお、先
端照明部Bの瞳位置は、反射ミラーM1とレンズB2の
間である。
【0205】図25(c)は、対物レンズ1の最も試料
7に近いレンズの径を大きくし、対物レンズ1の周辺部
を照明光学系の光軸を通すことによって、試料7上で照
明光学系の光軸を対物レンズ1の光軸に一致させた例で
ある。先端照明部Bは、プリズムP2、プリズムP3、
対物レンズ1を構成するレンズでもあるレンズB1、正
の屈折力の単レンズB2で構成されている。なお、先端
照明部Bの瞳位置は、プリズムP2とプリズムP3の間
である。
【0206】照明光学系の光軸を試料7上で対物レンズ
1の光軸と一致させる構成として、図22で示されてい
る先端照明部Bがあるが、これは図24に示すように、
照明光をレンズの周辺部を通過させることによって照明
光学系の光軸を曲げるものである。図22において、先
端照明部Bが対物レンズ1に近接して配置されているこ
とと、レンズの周辺部を通過させることを利用して照明
光学系の光軸を曲げることから、図25(c)に示すよ
うに、先端照明部BのレンズB1を対物レンズ1と一体
化しても同様の作用効果が得られる。このように、対物
レンズ1の最も試料面に近いレンズの径を大きくして、
レンズ周辺部を先端照明部Bとして使用することで、試
料7上で照明光学系の光軸を対物レンズ1の光軸に一致
させることができる。
【0207】(実施例5)先端照明部Bの別の構成を図
26に示す。先端照明部Bは、4つのプリズムP2、P
3、P7、P8と、2つの正の屈折力のレンズで構成さ
れたレンズB1、負の屈折力の単レンズのレンズB2で
構成されている。プリズムP2、P3は直角三角プリズ
ムで、プリズムP7、P8はくさびプリズムである。対
物レンズ1の光軸と略平行な照明光学系の光軸はプリズ
ムP2で対物レンズ1の方向に偏向された後、プリズム
P3によって再び対物レンズ1の光軸と略平行となる。
レンズB1とレンズB2は、中心軸が照明光学系の光軸
と一致するようにそれぞれが配置されている。なお、先
端照明部Bの瞳位置は、プリズムP3とレンズB2の間
である。
【0208】プリズムP7はレンズB1の試料7側に配
置されており、プリズムP7によって照明光学系の光軸
が対物レンズ1側に曲げられる。そして、プリズムP7
に続いて配置されたプリズムP8によってさらに対物レ
ンズ1側に曲げられる。よって、くさびプリズムP7、
P8の頂角、配置位置や、互いの間隔を適宜選択するこ
とによって試料7上で照明光学系の光軸を対物レンズ1
の光軸に一致させることができる。このように、本実施
例では、くさびプリズムP7、P8の屈折作用のみで照
明光学系の光軸を曲げている。なお、この実施例ではく
さびプリズムの数は2つであるが、これに限られず1つ
あるいは3つ以上で構成することも可能である。
【0209】表3は本実施例の先端照明部Bのレンズデ
ータで、第2面から第4面が直角三角プリズムP3、第
6面から第7面がレンズB2、第8面から第11面がレ
ンズB1である。第14面から第15面がくさびプリズ
ムP7、第16面から第17面がくさびプリズムP8で
ある。図27は、表3のレンズデータに基づく先端照明
部Bのレイアウトと、最低倍、中間倍、最高倍における
光路図である。先端照明部の焦点距離F=95mm、対物
レンズ1の焦点距離Fob=75mmであるから、条件
(3)を満足する。また、観察範囲は実施例4と同様な
ので、条件(4)も満足する。
【0210】(実施例6)先端照明部Bのさらに別の構
成を図28に示す。先端照明部Bは、3つのプリズムP
2、P3、P6と、2つの正の屈折力のレンズで構成さ
れたレンズB1、負の屈折力の単レンズのレンズB2で
構成されている。プリズムP2、P3は直角三角プリズ
ムで、プリズムP6はくさび形状の偏向プリズムであ
る。対物レンズ1の光軸と略平行な照明光学系の光軸
は、プリズムP2で対物レンズ1の方向に偏向された
後、プリズムP3によって再び対物レンズ1の光軸と略
平行となる。レンズB1とレンズB2は、中心軸が照明
光学系の光軸と一致するようにそれぞれが配置されてい
る。なお、レンズB2はプリズムP2とプリズムP3の
間に配置されており、プリズムP2とレンズB2の間に
先端照明部Bの瞳位置31がある。
【0211】偏向プリズムP6はレンズB1の試料7側
に配置されている。プリズムP3で偏向された照明光学
系の光軸は、プリズムP6の第1面aに入射した後、第
2面bで対物レンズ1の光軸方から離れる方向に偏向さ
れる。偏向された照明光学系の光軸は第3面cで対物レ
ンズ1の光軸方向に偏向され、第2面bを通過して偏向
プリズムP6を射出する。ここで、第2面bと第3面c
の傾きは、第3面cで偏向されて第2面bを通過して射
出する照明光学系の光軸が第2面bを通過する際に屈折
することなく射出し、試料7上で対物レンズ1の光軸と
一致するように設定されている。
【0212】表4は本実施例の先端照明部Bのレンズデ
ータで、第3面から第4面がレンズB2、第5面から第
7面が直角三角プリズムP3、第8面から第10面がレ
ンズB1である。第12面から第14面が偏向プリズム
P6である。図29は、表4のレンズデータに基づく先
端照明部Bのレイアウトと、最低倍、中間倍、最高倍に
おける光路図である。光路図から分かるように、プリズ
ムP6は全ての面が平面で構成されており、入射した照
明光は第1面aに入射して屈折し、第2面bで全反射さ
れ、第3面cで反射して、第2面bを通過して射出して
いる。このように、偏向プリズムP6は入射光を屈折作
用と反射作用によって射出する光学部材であることが分
かる。なお、先端照明部の焦点距離F=95mm、対物
レンズ1の焦点距離Fob=75mmであるから、条件
(3)を満足する。また、観察範囲は実施例4と同様な
ので、条件(4)も満足する。また、プリズムP6の面
を全て平面で構成しなくとも、球面、非球面、回転非対
称面、回折面で構成することも可能である。
【0213】(実施例7)先端照明部Bの別の構成を図
30に示す。図30(a)は照明先端部B、対物レンズ
1及び観察光学系2L、2Rを側面から見たときの構成
図、(b)は正面から見たときの構成図、(c)上面か
ら見たときの構成図である。
【0214】先端照明部Bは、4つのプリズムP2、P
3、P4、P5と、負の屈折力の単レンズで構成された
レンズB1、正の屈折力の単レンズのレンズB2、正の
屈折力の単レンズで構成されたレンズB3で構成されて
いる。プリズムP2、P3、P4、P5は何れも直角三
角プリズムである。プリズムP2は、対物レンズ1の光
軸と略平行な照明光学系の光軸を対物レンズ1の方向に
偏向するように配置されている。プリズムP3は、プリ
ズムP2で偏向された光軸を再び対物レンズ1の光軸と
略平行となるように配置されている。プリズムP4は、
プリズムP2とP3の間の光軸と直交する方向に照明光
学系の光軸を偏向するように配置されている。プリズム
P5は、プリズムP4で偏向された照明光学系の光軸が
試料7上で対物レンズの光軸と一致(交差)するように
配置されている。
【0215】レンズB1、レンズB2、レンズB3は、
中心軸が照明光学系の光軸と一致するようにそれぞれが
配置されている。レンズB1はプリズムP2とプリズム
P3の間に配置されている。なお、先端照明部Bの瞳位
置は、レンズB1とプリズムP3の間となっている。プ
リズムP3とプリズムP4の間にはレンズB2が配置さ
れている。レンズB3はプリズムP4とプリズムP5の
間に配置されている。
【0216】表5は本実施例の先端照明部Bのレンズデ
ータで、第3面から第4面がレンズB1、第5面から第
7面が直角三角プリズムP3、第8面から第9面がレン
ズB2である。第10面から第12面が直角三角プリズ
ムP4、第13面から第14面がレンズB3、第15面
から第17面が直角三角プリズムP5である。図31
は、表5のレンズデータに基づく先端照明部Bの最低
倍、中間倍、最高倍における光路図である。なお、先端
照明部の焦点距離F=90mm、対物レンズ1の焦点距
離Fob=75mmであるから、条件(3)を満足する。
また、最低倍、中間、最高倍での照明範囲(直径)は、
それぞれ31.4mm、9.6mm、2.4mmである
ので、条件(4)も満足する。
【0217】本実施例では、実施例4と比べて2つのプ
リズムP4、P5を余分に有している。よって、光源1
3から先端照明部B直前までの光学系で決る照明光学系
の光軸を、プリズムP4、P5によって様々な方向に偏
向できるので、容易に試料7上で対物レンズ1の光軸と
一致させることができる他、照明方向を自由に選択でき
る。また、対物レンズ1と支柱11の間の空間はデッド
スペースであるため、この空間にプリズムP4とプリズ
ムP5を配置するようにすれば、蛍光照明装置Aを取り
付けても光学装置の大型化を招くことはない。
【0218】なお、図30において、対物レンズ1とプ
リズムP2、P3、P4、P5のみを取り出して斜め方
向から見た構成(斜視図)を図32と図33に示す。こ
の中、図32は対物レンズ1とプリズムP4、P5の構
成を示し、図33は対物レンズ1とプリズムP2、P
3、P4、P5の構成を示している。
【0219】図32に示すように、101は照明光学系
の光軸であって対物レンズ1の光軸と略平行である。面
A1は光軸101と対物レンズ1の光軸を含む面であ
る。光偏向部材であるプリズムP4とプリズムP5はこ
の平面に垂直な面A2内に配置されており、プリズムP
4は偏向後の光軸が、光軸101を対物レンズ1に近づ
けるように配置されている。102は光軸101がプリ
ズムP4で偏向された後の光軸である。プリズムP5
は、光軸102を試料7面に対して斜め方向から試料7
と交わるように偏向すると共に、プリズムP5で偏向さ
れた光軸103が試料7上で対物レンズ1の光軸と角度
θで交わるように配置されている。なお、A3は光軸1
02と対物レンズ1の光軸を含む面である。
【0220】図32において、光軸101は対物レンズ
1の光軸と略平行になっている。一方、実施例4(図2
2)における光源12から第2のリレーレンズ群G2ま
での光学系で決まる光軸も、対物レンズ1の光軸と略平
行になっている。したがって、図22の先端照明部Bの
代わりに図32に示す構成を用いて、第2のリレーレン
ズ群G2から射出した照明光を試料7に導くこともでき
る。すなわち、図32の構成は、照明光を試料7に導く
ためにプリズムを使った場合の基本的構成であると言え
る。ただし、光軸101、102、103の間にレンズ
系を配置する必要があるのは言うまでもない。このと
き、レンズが光軸101、102、103に共軸に配置
することによって、光学系の組み立てが容易になる。
【0221】図33は、図32に示す構成に加えて、さ
らにプリズムP4よりも光源側に2つの光偏向部材であ
るプリズムP2とP3を配置したものである。プリズム
P2とプリズムP3は平面A1に直交する平面A4内に
配置されている。105は照明光学系の光軸であって、
対物レンズ1の光軸と略平行である。A5は光軸105
と対物レンズ1の光軸を含む面である。プリズムP2
は、光軸105を対物レンズ1から離れる方向(プリズ
ムP4の配置されている方向)に配置されたプリズムP
3に向けて偏向するように配置されている。104は偏
向された後の光軸である。プリズムP3は光軸104を
プリズムP4に向けて偏向するように配置されている。
【0222】図33に示す構成は、4つのプリズムを用
いて照明光を試料に導くため、光学系の配置に自由度が
ある。よって、様々な方向からの照明が可能になるの
で、効率的な照明が行える。また、前述のように、これ
らのプリズムを、また対物レンズ1と支柱11の間の空
間に配置すれば、蛍光照明装置Aを取り付けることによ
る光学装置の大型化を招くことはない。また、プリズム
での反射は全反射を利用しているので、照明光の損失が
少ない。
【0223】なお、図32、図33に示すように、光軸
103は試料7に対して角度θで交わる。そのため、照
明光束(ここでは、照明光学系のレンズは回転対称な形
状)は光軸103に垂直な面に対しては円形になるが、
試料7面では楕円になる。一方、観察範囲は円形である
から、照明範囲と観察範囲は一致しない。しかしなが
ら、ずれの範囲はわずかであるため大きな問題とはなら
ない。なお、できるだけ一致させるためには、次の実施
例8で示すように、ずれを補正する光学系が必要とな
る。
【0224】(実施例8)実施例7で述べたように、照
明光学系を回転対称な円形形状の光学部材で構成し、試
料の斜め方向から照明光を照射した場合、試料上で照明
光束は楕円になる。図34はこの様子示した図で、90
は試料面、91は対物レンズの光軸、92は照明光束、
93は照明範囲、94は観察範囲、95は照明光学系の
光軸である。図34において、照明光学系の光軸95は
対物レンズの光軸91に対して角度θで傾いているの
で、試料面90を照明する照明光束92の照明範囲93
は楕円形状になる。一方、対物レンズの光軸91は試料
面90に垂直であるため観察範囲94は円形となる。こ
のように、観察範囲94が円形であるにも係わらず、照
明範囲が楕円であるということは、光源13から発した
照明光の全てが観察範囲94内に集まらないことであ
る。よって、このような状態では効率の良い照明が行わ
れず、明るい蛍光像を観察することが難しくなる。
【0225】なお、図34において、照明光束は円形に
なっているはずであるが、上面図における照明光束92
は円形となっていない。これは、照明光学系の光軸95
に垂直な面に投影された照明光束(円形)を上方から見
たときの様子を描いているためで、cosθの値が掛か
っているためである。
【0226】上記の観察範囲と照明範囲が一致しない問
題を解決するために、本実施例では、先端照明部Bを、
図35に示すように、実施例7の先端照明部Bにおける
正の屈折力のレンズB2、B3を、トーリックレンズに
置き換えて構成している。図35(a)は、照明先端部
B、対物レンズ1及び観察光学系2L、2Rを側面から
見たときの構成図、(b)は正面から見たときの構成
図、(c)上面から見たときの構成図、(d)はトーリ
ックレンズの外形形状を示す図である。
【0227】トーリックレンズB2及びB3は、図35
(d)に示すように、屈折面が回転対称ではなく、2つ
の直交する軸方向XとYとで異なる曲率半径RDX、R
DYを有するレンズである。したがって、このようなト
ーリックレンズを備える本実施例の先端照明部Bは、直
交するX及びY方向に対して異なる2つの焦点距離Fx
及びFyを有することになる。
【0228】本実施例では、先端照明部Bから射出する
光束は斜めから試料7に照射される。ここで、θは先端
照明部Bの射出側における照明光学系の光軸と対物レン
ズ1とのなす角度である。図36、図37に示すよう
に、トーリックレンズB2はプリズムP4から射出する
照明光学系の光軸b’c’に対して角度θ回転して配置
されている。また、トーリックレンズB3はプリズムP
4に入射する照明光学系の光軸a’b’に対して角度θ
回転して配置されている。X2、Y2はトーリックレン
ズB2の各屈折面における曲率半径を持つ方向、X3、
Y3はトーリックレンズB3の各屈折面における曲率半
径を持つ方向である。トーリックレンズB2は、X3と
照明光学系の光軸b’c’とのなす角度がθとなるよう
に配置されている。また、トーリックレンズB3は、X
3と照明光学系の光軸a’b’とのなす角度がθとなる
ように配置されている。
【0229】図38に、先端照明部Bの斜視図を示す。
図38において、RDXは図36及び図37のX2、X
3に対応し、RDYは図36及び図37のY2、Y3に
対応する。トーリックレンズB2のプリズムP3側の屈
折面は、RDY方向に曲率を有するが、RDX方向には
曲率を持っていない。反対側の面、すなわち、プリズム
P4側の屈折面は、RDX方向に曲率を有するが、RD
Y方向には曲率を持っていない。また、トーリックレン
ズB3のプリズムP4側の屈折面は、RDX方向に曲率
を有するが、RDY方向には曲率を持っておらず、反対
側の面、すなわち、プリズムP5側の屈折面は、RDY
方向に曲率を有するが、RDX方向には曲率を持ってい
ない。
【0230】さて、図38における照明方向は、試料7
面におけるRDYで示された軸(矢印)方向、すなわ
ち、対物レンズの光軸Oと照明光学系の光軸を含む面と
試料面が交わってできる直線の方向であって、この方向
から照明が行われる。レンズB2及びB3がレンズB1
と同じような回転対称なレンズである場合、試料7上に
おける照明範囲は楕円となる。この場合、この対物レン
ズの光軸Oと照明光学系の光軸を含む面と試料面が交わ
ってできる直線の方向が楕円の長軸(長径)方向にな
り、直交する方向(図38のRDX方向)が短軸(短
軸)方向になる。
【0231】そこで、レンズB2及びB3をトーリック
レンズにすると、先端照明部Bの焦点距離をRDX方向
とRDY方向で異ならせることができる。よって、RD
X方向とRDY方向の投影倍率を異ならせることによ
り、図39の上面図に示すように、照明光束92の矢印
方向(RDY方向に相当する)の径を図34の場合に比
べて小さくすることができる。その結果、試料7上に投
影されても照明範囲93は楕円とならず円形となる。こ
のとき、照明光学系の光軸95に垂直な面に投影された
照明光束は、図39の場合は楕円で、図34の場合は円
である。
【0232】このように、本実施例では、先端照明部B
に直交する2つの方向の焦点距離が異なるトーリックレ
ンズを用いることによって、斜めから照明を行った場合
に試料上における照明範囲を観察範囲と同じ形状にする
ことができる。よって、効率の良い照明が行え、明るい
蛍光像を観察することができる。
【0233】ところで、先端照明部Bは以下の条件
(5)、(6)を満足することが望ましい。
【0234】 Fy<Fx ・・・(5) 0.8<(Fy/Fx)/cosθ<1.2 ・・・(6) ここで、θは、先端照明部Bの照明光学系の光軸と対物
レンズ1の光軸とのなす角度である。また、Fxは、先
端照明部Bの焦点距離であって、回転対称光学系で構成
された照明光学系で照明したときに試料上に形成される
楕円形状の照明範囲の短軸方向における焦点距離であ
る。また、Fyは、先端照明部Bの焦点距離であって、
短軸方向と直交する長軸方向における焦点距離である。
【0235】あるいは、先端照明部Bは以下の条件
(7)、(8)を満足することが望ましい。
【0236】 |My|<|Mx| ・・・(7) 0.8<(|My|/|Mx|)/cosθ<1.2 ・・・(8) ここで、θは、先端照明部Bの照明光学系の光軸と対物
レンズの光軸とのなす角度である。また、Mxは、先端
照明部Bの光学系における投影倍率であって、回転対称
光学系において角度θで照明したときに試料上に形成さ
れる楕円状の照明範囲の短軸方向の投影倍率で、試料を
I、先端照明部Bによる試料像をIx’とするとき、M
x=I/Ix’で求まる倍率である。また、Myは、短
軸方向と直交する長軸方向の投影倍率であって、試料を
I、先端照明部Bによる試料像をIy’とするとき、M
y=I/Iy’で求まる倍率である。
【0237】上記の条件(5)、(6)あるいは
(7)、(8)を満足する場合、先端照明部Bから射出
された照明光の光束は、照明光学系の光軸に垂直な断面
形状が楕円となるため、試料7上に照射されたときに略
円形となる。特に、(Fy/Fx)/cosθ=1、あ
るいは、(|My|/|Mx|)/cosθ=1のとき
に円形となる。このため、観察範囲と照明光の照明範囲
を略一致させることができる。
【0238】このように、先端照明部Bを上記条件を満
足するように構成することによって、先端照明部Bの射
出側の光軸が対物レンズ1の光軸に対して傾いていて
も、十分に効率の良い照明が可能となる。なお、上記条
件(6)、(8)の上限及び下限を越える場合は、観察
範囲に対して照明光の照明範囲が一致しなくなるので、
照明光率が悪くなる。その結果、蛍光像を明るく観察す
ることが困難になる。
【0239】なお、上記条件式では、試料上の照明範囲
(RDX、RDY)を基準にして短軸方向と長軸方向を
定めている。ただし、照明光束を基準にすると、トーリ
ックレンズを用いた光学系では、照明光がRDX方向に
比べてRDY方向が短い楕円になっているので、RDX
が長軸方向、RDYが短軸方向になる。
【0240】表6は、本実施例の先端照明部Bのレンズ
データで、RDX方向とRDY方向とに分けて表示して
いる。第3面から第4面が負の屈折力のレンズB1で、
試料側に凹面を向けた負レンズである。第5面から第7
面が直角三角プリズムP3である。第8面から第9面が
トーリックレンズB2で、材質はシリコンである。第8
面は、RDY方向に曲率を有するがRDX方向には曲率
を持っておらず、第9面は、RDX方向に曲率を有する
非球面で、RDY方向には曲率を持っていない。第10
面から第12面が直角三角プリズムP4である。第13
面から第14面がトーリックレンズB2で、材質はシリ
コンである。第13面はRDX方向に曲率を有するが、
RDY方向には曲率を持っておらず、第14面はRDY
方向に曲率を有する非球面で、RDX方向には曲率を持
っていない。第15面から第17面が直角三角プリズム
P4である。
【0241】図40は、表6のレンズデータに基づく最
低倍、中間倍、最高倍における光路図であって、RDX
方向とRDY方向の光路図である。先端照明部の焦点距
離Fx=90mm、Fy=68.9mm、対物レンズ1
の焦点距離Fob=75mmであるから、条件(3)及び
条件(6)を満足する。また、条件(4)も満足する。
【0242】トーリックレンズの材質はシリコンである
が、これはモールドレンズとして製作することで製造コ
ストを低く抑えられるので好ましいが、ガラス材料でト
ーリックレンズを製作することも可能である。このと
き、シリコン、ガラス材料の何れにおいても、紫外線の
透過率が高いものを選択するのが、蛍光照明を行う上で
好ましい。
【0243】本実施例では2つのトーリックレンズB
2、B3は両面共トーリック面になっているので、4つ
のトーリック面を使用していることになる。しかしなが
ら、先端照明部Bの焦点距離を直交する方向で異ならせ
るには、少なくとも1つトーリック面を備えていればよ
い。ただし、先端照明部Bの瞳位置31を直交する方向
で一致させるためには、少なくとも2つのトーリック面
が必要になる。このとき、一つのトーリック面は直交す
る方向のそれぞれに曲率を有していることが望ましい。
【0244】また、トーリック面の代わりに、光軸に対
して非対称な面でレンズを構成することもできる。上述
のトーリック面の中、少なくとも一つの面を照明光学系
の光軸対して非対称な面にする。図41(a)は非対称
な面を用いていない場合の照明光の様子を示しており、
図41(b)は非対称な面を用いている場合の照明光の
様子を示している。
【0245】先端照明部Bの光学系中に非対称な面を用
いていない場合、均一に照明される面96は試料面90
に傾いて一致していない。そのため、試料面90に達す
る照明光の中、光軸95上に集光する光束は試料面90
と一致するが、その他の光束は試料面90上では広がっ
てしまう。そのため、観察範囲の中心に比べて周辺部が
暗くなってしまう。これに対して、先端照明部Bの光学
系中に非対称な面を用いると、全ての照明光を試料面9
0上に集光できるので、均一に照明される面96と試料
面90を一致させることができる。よって、観察範囲の
中心も周辺部も同じ明るさで照明することができる。
【0246】また、図42に示すように、先端照明部B
を実施例1の光学装置に組み合わせることが可能であ
る。この場合、対物レンズ1を通過させて行う照明と、
先端照明部Bによる照明の2つの照明が行える。図42
に示す構成において、光学部材M3として全反射ミラ
ー、ハーフミラー、ダイクロイックミラーが使用でき
る。光学部材M3として全反射ミラーを使用する場合
は、対物レンズ1を通過させて行う照明光路と先端照明
部Bの光路の何れか一方しか使えない。そのため、矢印
に示す方向に光学部材M3を移動させて光路の切り換え
が行えるようにすればよい。
【0247】光学部材M3としてハーフミラーを使用す
る場合は、対物レンズ1を通過させて行う照明光路と先
端照明部Bの光路の両方を同時に使用することができ
る。この場合、対物レンズ1を通過させて行う照明光路
によって試料7に対して垂直に近い方向から照明が行わ
れ、先端照明部Bによって試料7に対して斜め方向から
照明が行われるので、2方向からの照明となる。よっ
て、試料7に対して影のでき難い照明が行える。また、
対物レンズ1を通過する照明光の光量が減少するので、
自家蛍光の発生を少なくすることができる。
【0248】光学部材M3としてダイクロイックミラー
を使用する場合は、異なる波長の照明光(励起光)で試
料7を照明することができる。したがって、多重染色さ
れた試料7を複数の波長の蛍光像を同時に観察すること
ができる。このとき、自家蛍光が発生しやすい短波長の
照明光を先端照明部Bに入射させ、長波長の照明光を対
物レンズ1側の照明光路に入射させれば、対物レンズ1
での自家蛍光の発生を少なくさせることができる。
【0249】以下に、表1−1から表6を掲載する。
【0250】 表1−1:対物レンズと蛍光照明光学系のレンズデータ 面番号 曲率半径 間隔 屈折率(480nm) アッベ数 試料面 INF 58.1909 1 -356.6844 10.0 1.49267 70.23 2 -73.9885 2.0 1 3 401.3396 7.0 1.68884 32.1 4 84.827 16.0 1.50157 81.61 5 -131.2216 3.0 1 6 53.5032 24.709 1.50158 81.54 7 -53.5032 6.7 1.52236 64.14 8 46.6622 6.0 1 9 151.0921 9.0 1.49268 70.21 10 -151.0921 1.5 1 11 INF 10.0 1.52236 64.14 (偏心位置(15mm偏心)) 12 INF 10.0 1.52236 64.14 13 INF d1(可変) 1 14 INF d2(可変) 1 (対物レンズの入射瞳位置) 15 INF 41.4 1 16 86.644 4.0 1.49267 70.23 17 INF 24.7 1 18 INF d3(可変) 1 19 INF 5.0 1.49267 70.23 20 -53.984 2.0 1 21 53.984 5.0 1.49267 70.23 22 INF d4(可変) 1 23 INF 6.0 1.52955 59.89 24 INF 8.0 1 25 INF 3.5 1.49267 70.23 26 -17.93 28.0 1 27 37.291 3.5 1.49267 70.23 28 -51.881 68.688 1 29 -28.981 6.0 1.52236 64.14 30 -20.981 8.7 1 31 INF 4.0 1.52967 69 32 INF 0.6 1 33 INF 4.0 1.52967 69 34 INF 8.0 1 35 -30.1125 3.0 1.61799 39.29 36 57.8565 3.5 1 37 112.8286 15.9968 1.52802 64.14 38 -29.8272 0.3 1 39 33.6183 9.6778 1.49752 70.23 40 76.0179 0.2 1 41(非球面) 17.5066 12.9515 1.80953 50 42 47.0729 14.2 1 43 INF 0 1 光源位置 非球面係数 第41面 K =-0.3326 A4 =-4.08080×10-6 A6 = 2.54210×10-8 A8 =-5.41490×10-11 ズームデータ 最低倍 中間倍 最高倍 0.7x 2.3x 9x d1 38.38336 100.52992 142.40434 d2 -38.38336 -100.52992 -142.40434 d3 43.12143 124.52958 154.62861 d4 120.32981 38.92167 8.82263 偏心データ 第11面偏心量 15mm 。
【0251】 表1−2:蛍光照明光学系の近軸量 最低倍 中間倍 最高倍 開口数 NA 0.176 0.053 0.014 光源からの投影倍率 β 4.4 14.9 27.0 射出瞳位置 D 1.2 2.7 3.0 焦点距離 FL 5.14 40.76 77.81 。
【0252】 表1−3:対物レンズの近軸量 最低倍 中間倍 最高倍 開口数 NA 0.0276 0.0744 0.139 焦点距離 Fob 75 75 75 。
【0253】 表1−4:観察側の近軸量 最低倍 中間倍 最高倍 対物レンズ開口数 NA 0.0276 0.0744 0.139 全系の倍率 倍率 0.84 2.76 10.8 視野数 FN 22 22 22 。
【0254】 表2−1 面番号 曲率半径 間隔 屈折率(480nm) アッベ数 物点位置 INF 14.5 (先端照明部瞳位置) 1 INF 11.0 1.52236 64.14 2(反射面) INF 11.0 1.52236 64.14 3 INF 0.7 1 4 26.279 5.0 1.49267 70.23 5 50.943 d1(可変) 1 6 59.166 3.5 1.49267 70.23 7 -86.083 0.5 1 8 74.151 6.3 1.49267 70.23 9 -19.074 3.0 1.60711 39.21 10 -91.845 d2(可変) 1 11 -13.205 4.0 1.52236 64.14 12 -10.234 23.3 1 13 INF 18.412 1 14 -31.135 3.5 1.52236 64.14 15 -15.113 32.015 1 16 INF 10.0 1.52236 64.14 17 INF 10.0 1.52236 64.14 18 INF 15.0 1 19 57.900 3.0 1.60711 39.21 20 34.040 46.359 1 21 -24.498 6.0 1.52236 64.14 22 -20.741 17.715 1 23 INF 4.0 1.52967 69 24 INF 0.6 1 25 INF 4.0 1.52967 69 26 INF 8.0 1 27 -30.1125 3.0 1.61799 39.29 28 57.8565 3.5 1 29 112.8286 15.9968 1.52802 64.14 30 -29.8272 0.3 1 31 33.6183 9.6778 1.49752 70.23 32 76.0179 0.2 1 33(非球面) 17.5066 12.9515 1.80953 50 34 47.0729 14.2 1 光源位置 INF 非球面係数 第33面 K =-0.3326 A4 =-4.08080×10-6 A6 = 2.54210×10-8 A8 =-5.41490×10-11 ズームデータ 最低倍 中間倍 最高倍 d1 34.590 78.559 114.231 d2 84.183 40.214 4.542 投影倍率(光源から)β 4.8 11.5 25.1 開口数 NA 0.175 0.054 0.013 焦点距離 FL 5.73 29.94 39.50 射出瞳位置 D 1.2 2.6 1.7 。
【0255】 表2−2 面番号 曲率半径 間隔 屈折率(480nm) アッベ数 0 INF INF 1 INF 0 1 2(反射面) INF 11.0 1.52236 64.14 3 INF 11.0 1.52236 64.14 4 INF 1.0 1 (入射瞳位置) 5 INF 5.5 1 6 143.595 24.19 1.52236 64.14 7 -502.795 1.1 1 8 62.528 25.19 1.59637 61.14 9 142.471 65.0 1 10(試料面) INF 最低倍 中間倍 最高倍 試料側開口数 NA 0.021 0.057 0.106 焦点距離 F 95.0 95.0 95.0 照明範囲 ΦH 26.19 8.0 2.0 。
【0256】 表3 面番号 曲率半径 間隔 屈折率(480nm) アッベ数 0 INF INF 1 INF 0 1 2 INF 11.0 1.52236 64.14 3(反射面) INF 11.0 1.52236 64.14 4 INF 1.0 1 5 INF 5.0 1 (入射瞳位置) 6 -267.205 6.5 1.60711 39.21 7 30.132 9.6 1 8 -185.589 3.5 1.52236 64.14 9 -37.565 6.2 1 10 -530.378 5.5 1.52236 64.14 11 -31.387 0.0 1 12 INF 0.0 1 13 INF 8.0 1 14 INF 10.0 1.52236 64.14 (くさびプリズム) 15 INF 10.0 1 16 INF 15.0 1.52236 64.14 (くさびプリズム) 17 INF 50.0 1 試料面 INF 最低倍 中間倍 最高倍 試料側開口数 NA 0.027 0.072 0.133 焦点距離 F 75.0 75.0 75.0 照明範囲 ΦH 26.19 8.0 2.0 。
【0257】 表4 面番号 曲率半径 間隔 屈折率(480nm) アッベ数 0 INF INF 1 INF -10 1 2 INF -0.3 1 (入射瞳位置) 3 -45.934 -3.03 1.60711 39.21 4 -22.890 -9.9669 1 5 INF -15.0 1.52236 64.14 6(反射面) INF 15.0 1.52236 64.14 7 INF 10.1469 1 8 81.341 3.97 1.60711 39.21 9 52.686 8.13 1.49267 70.23 10 -46.635 1.0 1 11 INF 20.0 1.52236 64.14 (くさびプリズム) 12 INF -25.0 1.52236 64.14 13 INF 17.37 1.52236 64.14 14 INF 0 1 15 INF 0 1 16 INF 65.18 1 17 INF -0.0002 1 試料面 INF 最低倍 中間倍 最高倍 試料側開口数 NA 0.022 0.06 0.111 焦点距離 F 90.0 90.0 90.0 照明範囲 ΦH 26.19 8.0 2.0 。
【0258】 表5 面番号 曲率半径 間隔 屈折率(480nm) アッベ数 0 INF INF 1 INF 10.0 1 2 INF -10.0 1 (入射瞳位置) 3 55.145 2.5 1.60711 39.21 4 27.637 11.0 1 5(P3) INF 15.0 1.52236 64.14 6 INF 15.0 1.52236 64.14 7 INF 5.0 1 8 INF 8.5 1.49267 70.23 9 -41.831 8.0 1 10(P4) INF 16.0 1.52236 64.14 11 INF 16.0 1.52236 64.14 12 INF 6.5 1 13 119.500 8.5 1.49267 70.23 14 INF 3.5 1 15(P5) INF 16.0 1.52236 64.14 16 INF 16.0 1.52236 64.14 17 INF 78.0 1 試料面 INF 最低倍 中間倍 最高倍 試料側開口数 NA 0.022 0.06 0.111 焦点距離 F 90.0 90.0 90.0 照明範囲 ΦH 31.4 9.6 2.4 。
【0259】 表6 (RDY方向) 面番号 曲率半径 間隔 屈折率(480nm) アッベ数 試料面 INF INF 0 INF INF 1 INF 10.0 1 2 INF -10.0 1 (入射瞳位置) 3 55.175 2.5 1.60711 39.21 4 27.629 11.0 1 5(P3) INF 15.0 1.52236 64.14 6 INF 15.0 1.52236 64.14 7 INF 5.0 1 8 71.316 8.5 1.41623 50.49 (トーリック面) 9 INF 8.0 1 (トーリック面(平面)) 10(P4) INF 16.0 1.52236 64.14 11 INF 16.0 1.52236 64.14 12 INF 6.5 1 13 INF 8.5 1.41623 50.49 (トーリック面(平面)) 14 -64.667 3.5 1 (トーリック面(非球面)) 15(P5) INF 16.0 1.52236 64.14 16 INF 16.0 1.52236 64.14 17 INF 78.0 1 試料面 INF 非球面係数 第14面 K = 0 A2 =-6.12570×10-3 A4 = 1.34900×10-6 A6 =-6.61130×10-9 A8 = 3.54630×10-11 A10=-5.82480×10-14 (RDX方向) 面番号 曲率半径 間隔 屈折率(480nm) アッベ数 試料面 INF INF 0 INF INF 1 INF 10.0 1 2 INF -10.0 1 (入射瞳位置) 3 55.175 2.5 1.60711 39.21 4 27.629 11.0 1 5(P3) INF 15.0 1.52236 64.14 6 INF 15.0 1.52236 64.14 7 INF 5.0 1 8 INF 8.5 1.41623 50.49 (トーリック面(平面)) 9 -36.752 8.0 1 (トーリック面(非球面)) 10(P4) INF 16.0 1.52236 64.14 11 INF 16.0 1.52236 64.14 12 INF 6.5 1 13 101.454 8.5 1.41623 50.49 (トーリック面) 14 INF 3.5 1 (トーリック面(平面)) 15(P5) INF 16.0 1.52236 64.14 16 INF 16.0 1.52236 64.14 17 INF 78.0 1 試料面 INF 非球面係数 第9面 K = 0 A2 =-5.24710×10-4 A4 = 4.19900×10-7 A6 =-5.77870×10-9 A8 = 3.61320×10-11 A10=-7.43900×10-14 照明光軸と対物レンズ光軸とのなす角θ=40° (RDY方向) 最低倍 中間倍 最高倍 試料側開口数 NA 0.029 0.078 0.145 焦点距離 Fy 68.9 68.9 68.9 照明範囲 ΦH 26.2 8.0 2.0 (RDX方向) 最低倍 中間倍 最高倍 試料側開口数 NA 0.022 0.06 0.111 焦点距離 Fx 90.0 90.0 90.0 照明範囲 ΦH 26.2 8.0 2.0 。
【0260】なお、非球面の表示において、A2 及びA
10の値が記載されていないものがあるが、この場合、A
2 及びA10の値は0である。
【0261】以上の本発明の光学装置は例えば次のよう
に構成することができる。
【0262】〔1〕 対物レンズと、変倍光学系を含む
観察光学系ユニットと、結像レンズと接眼レンズを含む
結像光学系ユニットを備えた観察装置と、前記観察装置
に対して脱着可能な蛍光照明装置を備えた光学装置であ
って、前記蛍光照明装置は、光源と、前記対物レンズと
前記観察光学系ユニットとの間であって前記対物レンズ
から偏心した位置に配置され前記光源からの光を前記対
物レンズに入射させる反射部材と、前記光源と前記反射
部材の間に配置され前記光源からの照明光を前記反射部
材に導く照明光学系を備えており、前記照明光の中特定
の波長域の光を選択透過する第1の波長選択部材を前記
光源と前記反射部材の間に配置し、試料から発する蛍光
の波長域の光を選択透過する第2の波長選択部材を前記
対物レンズと前記結像光学系ユニットの間に配置してい
ることを特徴とする光学装置。
【0263】〔2〕 前記第2の波長選択部材は、前記
蛍光照明装置に一体に構成されていることを特徴とする
上記1記載の光学装置。
【0264】〔3〕 前記第2の波長選択部材が前記第
1の波長選択部材と一体に構成されていることを特徴と
する上記1記載の光学装置。
【0265】〔4〕 前記光学装置は、前記試料を載せ
る架台と、該架台に設置された支柱と、該支柱に保持さ
れ前記試料と前記対物レンズの間隔を変化させる準焦部
ユニットを有し、前記準焦部ユニットは前記蛍光照明装
置を保持し、前記蛍光照明装置は前記観察装置を保持す
ることを特徴とする上記1記載の光学装置。
【0266】〔5〕 前記観察光学系ユニット及び前記
結像光学系ユニットは一対のレンズユニットで構成さ
れ、該一対のレンズユニットは前記対物レンズの光軸に
平行にかつ対称に配置されていることを特徴とする上記
1記載の光学装置。
【0267】〔6〕 前記対物レンズ、前記観察光学系
ユニット及び前記結像光学系ユニットは一対のレンズユ
ニットで構成され、各々のレンズユニットは前記試料面
に垂直な軸に対して傾斜してかつ対称に配置されている
ことを特徴とする上記1記載の光学装置。
【0268】〔7〕 前記レンズユニットの各々の光軸
を含む面が前記対物レンズの光軸から偏心して位置する
ように、前記観察光学系ユニット及び前記結像光学系ユ
ニットを配置したことを特徴とする上記5記載の光学装
置 〔8〕 前記蛍光照明装置内の照明光学系は、前記観察
光学系ユニット内の観察光学系の変倍操作によって変化
する観察範囲と前記照明光学系の照明範囲が略一致する
ように、照明光学系内の少なくとも1つのレンズ群が移
動する構成を備えていることを特徴とする上記1記載の
光学装置。
【0269】
〔9〕 前記照明光学系は、光源からの光
を集光するコレクタレンズ群と、光源の1次像を作るた
めの第1リレーレンズ群と、光源の1次像をリレーする
ための第2リレーレンズ群を備え、前記第1リレーレン
ズ群の中に、第1の反射部材が配置され、前記光源の1
次像近傍に開口絞りが配置され、前記第2リレーレンズ
群中に少なくとも1つの移動可能なレンズ群と第2の反
射部材が配置され、前記照明光学系内で前記第1の波長
選択部材を交換可能に配置したことを特徴とする上記8
記載の光学装置。
【0270】〔10〕 前記コレクタレンズ群と前記光
源との間隔を変化させて、前記光源の投影位置と試料を
略一致させるクリティカル照明が可能となることを特徴
とする上記1又は9記載の光学装置。
【0271】〔11〕 前記コレクタレンズ群と前記光
源との間隔変化は、前記観察光学系ユニット内の観察光
学系の変倍操作に対して独立しており、前記照明光学系
における前記光源に最も近い試料の共役位置と前記光源
までの間隔をDとし、以下の条件を満足することを特徴
とする上記10記載の光学装置。
【0272】|D|≦3mm 〔12〕 前記第1の波長選択部材と、前記第2の波長
選択部材が連動して切り換わる機構を備えていることを
特徴する上記2記載の光学装置。
【0273】〔13〕 対物レンズと、変倍光学系を含
む観察光学系ユニットと、結像レンズと接眼レンズを含
む結像光学系ユニットを備えた観察装置と、前記観察装
置に対して脱着可能な蛍光照明装置を備えた光学装置で
あって、前記蛍光照明装置は、光源と、前記対物レンズ
に近接して配置された先端照明部と、前記光源と前記先
端照明部の間に配置され前記光源からの照明光を前記先
端照明部に導く照明光学系と備えており、前記照明光の
中特定の波長域の光を選択透過する第1の波長選択部材
を前記光源と前記先端照明部の間に配置し、試料から発
する蛍光の波長域の光を選択透過する第2の波長選択部
材を前記対物レンズと前記結像光学系ユニットの間に配
置し、前記先端照明部は、前記観察光学系ユニット内の
観察光学系の中心位置と前記蛍光照明装置による照明光
の中心位置が前記試料面上で一致するように前記対物レ
ンズの周囲に配置され、前記照明光学系は少なくとも1
つの移動レンズ群と移動機構を備え、前記観察光学系の
変倍に伴い前記移動レンズが移動して観察範囲と照明範
囲が略一致することを特徴とする光学装置。
【0274】〔14〕 前記第2の波長選択部材は、前
記蛍光照明装置に一体に構成されていることを特徴とす
る上記13記載の光学装置。
【0275】〔15〕 前記第2の波長選択部材が、前
記第1の波長選択部材と一体化されていることを特徴と
する上記14記載の光学装置。
【0276】〔16〕 前記蛍光照明装置は、前記光源
からの光を前記対物レンズを介さずに前記先端照明部を
通過して試料を照明することを特徴とする上記13記載
の光学装置。
【0277】〔17〕 前記先端照明部はレンズを備
え、前記先端照明部内の少なくとも1つのレンズ光軸
が、前記先端照明部の光軸に対して偏心して配置された
ことを特徴とする上記13記載の光学装置。
【0278】〔18〕 前記先端照明部内に、平面のみ
で構成されると共に入射光を屈折作用のにみによって射
出する光学部材が配置されていることを特徴とする上記
13記載の光学装置。
【0279】〔19〕前記先端照明部内に、平面のみで
構成されると共に入射光を屈折作用と反射作用によって
射出する光学部材が配置されていることを特徴とする上
記13記載の光学装置。
【0280】〔20〕 照明光学系側から順に、対物レ
ンズの光軸と前記先端照明部の照明光軸を含む平面に垂
直な平面内に、前記照明光軸を偏向させる第1の偏向部
材と、前記第1の偏向部材によって偏向された前記照明
光軸を、試料面に対して斜めにかつ前記対物レンズの光
軸を含む平面内に偏向するための第2の偏向部材を配置
したことを特徴とする上記13記載の光学装置。
【0281】〔21〕 さらに、前記第1の偏向部材よ
りも光源側の先端照明部内の光軸と前記対物レンズの光
軸を含む平面に、直交する平面内に光軸を偏向するため
の第3の偏向部材を少なくとも2つ備えたことを特徴と
する上記20記載の光学装置。
【0282】〔22〕 前記先端照明部内に、少なくと
も2つのトーリック面を持つ光学部材を配置したことを
特徴とする上記13記載の光学装置。
【0283】〔23〕 前記先端照明部内に、少なくと
も1つの光軸に対して非対称な面を持つ光学部材を配置
したことを特徴とする上記13記載の光学装置。
【0284】〔24〕 以下の条件を満足することを特
徴とする上記〔22〕の光学装置。
【0285】Fy<Fx 0.8<(Fy/Fx)/cosθ<1.2 ここで、θは先端照明部の照明光学系の光軸と対物レン
ズの光軸とのなす角度である。また、Fxは先端照明部
の焦点距離であって、回転対称光学系で構成された照明
光学系で照明したときに試料上に形成される楕円形状の
照明範囲の短軸方向における焦点距離である。また、F
yは先端照明部Bの焦点距離であって、短軸方向と直交
する長軸方向における焦点距離である 〔25〕 以下の条件を満足することを特徴とする上記
〔22〕の光学装置。
【0286】|My|<|Mx| 0.8<(|My|/|Mx|)/cosθ<1.2 ここで、θは先端照明部の照明光学系の光軸と対物レン
ズの光軸とのなす角度である。また、Mxは先端照明部
の光学系における投影倍率であって、回転対称光学系に
おいて角度θで照明したときに試料上に形成される楕円
状の照明範囲の短軸方向の投影倍率で、試料をI、先端
照明部Bによる試料像をIx’とするとき、Mx=I/
Ix’で求まる倍率である。また、Myは短軸方向と直
交する長軸方向の投影倍率であって、試料をI、先端照
明部による試料像をIy’とするとき、My=I/I
y’で求まる倍率である。
【0287】〔26〕 先端照明部の光学系の焦点距離
をF、対物レンズの焦点距離をFobとするとき、以下の
条件を満足することを特徴とする上記〔13〕の光学装
置。
【0288】0.7≦Fob/F≦1.2 〔27〕 先端照明部により照明される面積をS、対物
レンズで観察する範囲の面積をSobとするとき、以下の
条件を満足することを特徴とする上記〔13〕の光学装
置。
【0289】0.5≦Sob/S≦1.4 〔28〕 先端照明部内のレンズ群に、対物レンズの試
料に最も近いレンズ群の一部の領域を先端照明部のレン
ズ群と共有することを特徴とする上記〔13〕の光学装
置。
【0290】〔29〕 前記光学装置は、前記試料を載
せる架台と、該架台に設置された支柱と、該支柱に保持
され前記試料と前記対物レンズの間隔を変化させる準焦
部ユニットを有し、前記準焦部ユニットは前記蛍光照明
装置を保持し、前記蛍光照明装置は前記観察装置を保持
することを特徴とする上記13記載の光学装置。
【0291】〔30〕 前記観察光学系ユニット及び前
記結像光学系ユニットは一対のレンズユニットで構成さ
れ、該一対のレンズユニットは前記対物レンズの光軸に
平行にかつ対称に配置されていることを特徴とする上記
13記載の光学装置。
【0292】〔31〕 前記対物レンズ、前記観察光学
系ユニット及び前記結像光学系ユニットは一対のレンズ
ユニットで構成され、各々のレンズユニットは前記試料
面に垂直な軸に対して傾斜してかつ対称に配置されてい
ることを特徴とする上記13記載の光学装置。
【0293】〔32〕 前記照明光学系は、光源からの
光を集光するコレクタレンズ群と、光源の1次像を作る
ための第1リレーレンズ群と、光源の1次像をリレーす
るための第2リレーレンズ群を備え、前記光源の1次像
近傍に開口絞りが配置され、前記第2リレーレンズ群中
に少なくとも1つの移動可能なレンズ群を備えたことを
特徴とする上記13記載の光学装置。
【0294】〔33〕 前記コレクタレンズ群と光源と
の間隔を変化させて、光源の投影位置と試料を略一致さ
せるクリティカル照明が可能となることを特徴とする上
記13又は32記載の光学装置。
【0295】〔34〕 前記コレクタレンズ群と、前記
光源との間隔変化は、前記観察光学系ユニット内の観察
光学系の変倍操作に対して独立しており、前記照明光学
系における前記光源に最も近い試料の共役位置と前記光
源までの間隔をDとし、以下の条件を満足することを特
徴とする上記33記載の光学装置。
【0296】|D|≦3mm
【0297】
【発明の効果】以上説明したように、観察光学系から発
する励起光による自家蛍光をなくし、また、先端照明部
の構成によって対物レンズと観察光学系からの自家蛍光
をなくして、蛍光観察をコントラスト良く観察すること
ができ、しかも、蛍光照明光学系と吸収フィルタ、ある
いは、蛍光照明光学系と吸収フィルタと先端照明部を一
体化したユニットにすることで、従来の顕微鏡システム
を改造することなく蛍光観察装置にすることが可能であ
る。
【0298】さらに、蛍光照明装置を観察者に対して後
方に配置することで、試料面付近の空間を空けることが
でき、操作性の向上につながる。
【0299】また、実体顕微鏡だけでなく、約10倍以
下の倍率で変倍光学系を含んだ顕微鏡システムに、上記
の蛍光照明装置を組み合わせることによって、従来の蛍
光顕微鏡の操作性より優れ、かつ、大きな開口数での蛍
光観察が可能となり、しかも、自家蛍光による影響が少
なくなるので、明るくコントラストの良い蛍光観察が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の光学装置の構成を示す図であっ
て、対物レンズを介して照明を行う蛍光照明装置を取り
付けたときの側面図(a)と正面図(b)である。
【図2】本発明の第5の光学装置の構成を示す図であっ
て、ガリレオ型実体顕微鏡に蛍光照明装置を取り付けた
ときの側面図(a)と正面図(b)である。
【図3】本発明の第6の光学装置の構成を示す図であっ
て、グリノー型実体顕微鏡に蛍光照明装置を取り付けた
ときの側面図(a)と正面図(b)である。
【図4】本発明の第7の光学装置において、対物レンズ
に対する観察光学系及び反射部材の配置位置と対物レン
ズ内を通過する照明光の関係示す図であって、2つの観
察光学系の中心を結ぶ線が対物レンズの光軸から偏心し
ている場合(a)、2つの観察光学系の中心を結ぶ線上
に対物レンズの光軸位置している場合(b)である。
【図5】本発明の第9の光学装置における蛍光照明装置
の詳細な構成を示す図である。
【図6】本発明の第13の光学装置の構成を示す図であ
って、対物レンズを介さずに照明を行う先端照明部を取
り付けたときの側面図(a)と正面図(b)である。
【図7】本発明の第18、19の光学装置において先端
照明部にプリズムを用いた場合を示す図で、くさびプリ
ズムを使用した場合(a)、偏向プリズムを使用した場
合(b)である。
【図8】本発明の第20、21の光学装置において先端
照明部にプリズムを用いた場合を示す図で、プリズムを
2つ使用した光学系を側面から見た図(a)、プリズム
を2つ使用した光学系を後方から見た図(b)、プリズ
ムを4つ使用した光学系を側面から見た図(c)、プリ
ズムを4つ使用した光学系を後方から見た図(d)であ
る。
【図9】本発明の第22の光学装置において、先端照明
部にトーリックレンズを用いた場合を示す図である。
【図10】本発明の実施例1の構成を示す図であって、
対物レンズを介して照明を行う蛍光照明装置を取り付け
たときの正面図であって蛍光を観察する光学系のみを示
す図(a)、光学装置全体を側面から見たときの図
(b)である。
【図11】実施例1の光学装置で蛍光照明装置を使用し
ない場合の構成を示す図で、側面図(a)、実施例1の
光学装置用いられる架台受けの図(b)である。
【図12】実施例1の光学装置で励起フィルタと吸収フ
ィルタを一体化た場合の構成を示す図である。
【図13】励起フィルタと吸収フィルタを交換する場合
のフィルタユニットの構成を示す図で、上面図(a)、
断面図(b)ある。
【図14】励起フィルタと吸収フィルタを交換する場合
の別のフィルタユニットの構成を示す図で、上面図
(a)、(b)、断面図(c)ある。
【図15】実施例1で用いられる蛍光照明装置の光学系
の詳細な構成を示す図である。
【図16】実施例1で用いられる蛍光照明装置の光学系
を示す図で、最低倍、中間倍、最高倍におけるレンズの
配置を示す図である。
【図17】対物レンズの光軸と照明光学系の光軸の偏心
状態を示す図である。
【図18】本発明の実施例2の構成を示す図であって、
ガリレオ型実体顕微鏡における正面図であって蛍光を観
察する光学系のみを示す図(a)、光学装置全体を側面
から見たときの図(b)である。
【図19】対物レンズに対する観察光学系及び反射部材
の配置位置と対物レンズ内を通過する照明光の関係示す
図であって、2つの観察光学系の中心を結ぶ線が対物レ
ンズの光軸から偏心している場合(a)、2つの観察光
学系の中心を結ぶ線上に対物レンズの光軸位置している
場合(b)である。
【図20】変倍光学系で変倍が行われたときに、連動し
て照明範囲を変化させる機構を示す図である。
【図21】本発明の実施例3の構成を示す図であって、
グリノー型実体顕微鏡における正面図であって蛍光を観
察する光学系のみを示す図(a)、光学装置全体を側面
から見たときの図(b)である。
【図22】本発明の実施例4の構成を示す図であって、
対物レンズを介さずに照明を行う先端照明部を取り付け
たときの図であって、正面図であって蛍光を観察する光
学系のみを示す図(a)、光学装置全体を側面から見た
ときの図(b)である。
【図23】実施例4で用いられる蛍光照明装置の光学系
を示す図で、最低倍、最低倍、最高倍におけるレンズの
配置を示す図である。
【図24】先端照明部を示す図であって、レイアウトを
示す図、最低倍、中間倍、最高倍における照明光の様子
を示す図である。
【図25】先端照明部の光学系の別の構成であって、レ
ンズを照明光学系の光軸に対して傾けて配置した場合
(a)、反射ミラーを傾けて配置した場合(b)、対物
レンズの最も試料に近いレンズの径を大きくした場合
(c)の図である。
【図26】先端照明部の別の構成を示す第5実施例であ
って、くさびプリズムを使用した場合の図である。
【図27】実施例5の先端照明部を示す図であって、レ
イアウトを示す図、最低倍、中間倍、最高倍における照
明光の様子を示す図である。
【図28】先端照明部の別の構成を示す第6実施例であ
って、偏向プリズムを使用した場合の図である。
【図29】実施例6の先端照明部を示す図であって、レ
イアウトを示す図、最低倍、中間倍、最高倍における照
明光の様子を示す図である。
【図30】先端照明部の別の構成を示す第7実施例であ
って、照明先端部、対物レンズ及び観察光学系を側面か
ら見たときの構成図(a)、正面から見たときの構成図
(b)、上面から見たときの構成図(c)である。
【図31】実施例7の先端照明部を示す図であって、最
低倍、中間倍、最高倍における照明光の様子を示す図で
ある。
【図32】先端照明部を2つのプリズムで構成したとき
の図である。
【図33】先端照明部を4つのプリズムで構成したとき
の図である。
【図34】照明光学系を回転対称な円形形状の光学部材
で構成し、試料の斜め方向から照明光を照射した場合の
試料上における照明光束の様子を示す図である。
【図35】第8実施例の先端照明部を示す図であって、
先端照明部にトーリックレンズを用いた場合で、照明先
端部、対物レンズ及び観察光学系2を側面から見たとき
の図(a)、正面から見たときの図(b)、上面から見
たときの図(c)、トーリックレンズの外形形状を示す
図(d)である。
【図36】トーリックレンズとプリズムの位置関係を示
す図である。
【図37】別のトーリックレンズとプリズムの位置関係
を示す図である。
【図38】先端照明部の斜視図である。
【図39】照明光学系にトーリックレンズを用いた場合
の、試料の斜め方向から照明光を照射した場合の試料上
における照明光束の様子を示す図である。
【図40】実施例8の先端照明部を示す図であって、最
低倍、中間倍、最高倍における照明光の様子を示す図で
ある。
【図41】試料上の照明光の様子を示す図であって、非
対称な面を用いていない場合の照明光の様子を示す図
(a)、非対称な面を用いている場合の照明光の様子を
示す図(b)である。
【図42】実施例1の光学装置に、実施例4の先端照明
部を組み合わせた光学装置を示す図で、正面図であって
蛍光を観察する光学系のみを示す図(a)、光学装置全
体を側面から見たときの図(b)である。
【図43】従来の蛍光観察時の実体顕微鏡の構成を示す
図である。
【図44】従来の落射蛍光顕微鏡の構成を示す図であ
る。
【図45】観察光学系に励起光を介さない従来の蛍光観
察時の実体顕微鏡の構成を示す図である。
【図46】従来のWO99/13370号の構成を示す
図である。
【図47】従来の特公平7−57226号の手術用顕微
鏡の構成を示す図である。
【符号の説明】
0…対物レンズの光軸 1…対物レンズ 1L、1R…左右の対物レンズ 2…観察光学系ユニット 2’…変倍ノブ 2L、2R…左右の観察光学系(観察光学系ユニット、
変倍光学系) 21 、22 …観察光学系に導かれる光束の領域 23 …励起光の通過する領域 2L’、2R’…観察光学系に導かれる光束の領域 3…結像レンズ 3L、3R…左右の結像レンズ 4…接眼レンズ 4L、4R…左右の接眼レンズ 5…蛍光を選択透過する光学部材(吸収フィルタ) 5L、5R…左右の蛍光を選択透過する光学部材(吸収
フィルタ) 6…反射部材 7…試料 8、8’…励起フィルタ 9…結像光学系ユニット(結像光学系) 10…架台 11…支柱 11’…クランク型の支柱 12…観察光軸 12L、12R…観察光軸 13…光源 14…支柱受け 14a、14b…挿入孔 15…移動機構 15’…移動機構 16…コレクタレンズ群 18…反射部材 19…準焦部ユニット(準焦部) 19a…準焦ノブ 23…励起フィルタ 25L、25R…吸収フィルタ 30…反射部材 30’…反射部材によって導かれた光束の通過する領域 31…先端照明部の瞳位置 40…ターレット本体 41…軸部材 42、44、46…励起フィルタ 43、45、47…吸収フィルタ 48…凹部 49…穴 50…スライダー本体 51、53…励起フィルタ 52、54…吸収フィルタ 55…凹部 56…穴 90…試料面 91…対物レンズの光軸 92…照明光束 93…照明範囲 94…観察範囲 95…照明光の光軸 96…均一に照明される面 101、102、103、104、105…光軸 A…蛍光照明装置(蛍光照明用ユニット、蛍光照明光学
系) B…先端照明部 C…観察装置 F…保護フィルタ X…遮光部材 Y…ベルト O…対物レンズの光軸位置 E…蛍光照明光学系の瞳位置 U’、L’…励起光の光線 G0…コレクタレンズ群 G1…第1リレーレンズ群 G2…第2リレーレンズ群 M1…第1反射部材(ミラー) M2…第2反射部材 M3…光学部材 AS…開口絞り L22…移動可能なレンズ群 B1、B2、B3…レンズ P2…第4反射部材 P3…第3反射部材 P4…第1反射部材 P5…第2反射部材 P6…偏向プリズム P7、P8…くさびプリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 敬之 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H052 AA09 AA13 AC02 AC03 AC04 AC09 AC19 AC21 AD01 AD31 AD34

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズと、変倍光学系を含む観察光
    学系ユニットと、結像レンズと接眼レンズを含む結像光
    学系ユニットを備えた観察装置と、前記観察装置に対し
    て脱着可能な蛍光照明装置を備えた光学装置であって、 前記蛍光照明装置は、光源と、前記対物レンズと前記観
    察光学系ユニットとの間であって前記対物レンズから偏
    心した位置に配置され前記光源からの光を前記対物レン
    ズに入射させる反射部材と、前記光源と前記反射部材の
    間に配置され前記光源からの照明光を前記反射部材に導
    く照明光学系を備えており、 前記照明光の中特定の波長域の光を選択透過する第1の
    波長選択部材を前記光源と前記反射部材の間に配置し、
    試料から発する蛍光の波長域の光を選択透過する第2の
    波長選択部材を前記対物レンズと前記結像光学系ユニッ
    トの間に配置していることを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 前記光学装置は、前記試料を載せる架台
    と、該架台に設置された支柱と、該支柱に保持され前記
    試料と前記対物レンズの間隔を変化させる準焦部ユニッ
    トを有し、 前記準焦部ユニットは前記蛍光照明装置を保持し、前記
    蛍光照明装置は前記観察装置を保持することを特徴とす
    る請求項1記載の光学装置。
  3. 【請求項3】 対物レンズと、変倍光学系を含む観察光
    学系ユニットと、結像レンズと接眼レンズを含む結像光
    学系ユニットを備えた観察装置と、前記観察装置に対し
    て脱着可能な蛍光照明装置を備えた光学装置であって、 前記蛍光照明装置は、光源と、前記対物レンズに近接し
    て配置された先端照明部と、前記光源と前記先端照明部
    の間に配置され前記光源からの照明光を前記先端照明部
    に導く照明光学系と、移動機構を備えており、 前記照明光の中特定の波長域の光を選択透過する第1の
    波長選択部材を前記光源と前記先端照明部の間に配置
    し、試料から発する蛍光の波長域の光を選択透過する第
    2の波長選択部材を前記対物レンズと前記結像光学系ユ
    ニットの間に配置し、 前記先端照明部は、前記観察光学系ユニット内の観察光
    学系の中心位置と前記蛍光照明装置による照明光の中心
    位置が前記試料面上で一致するように前記対物レンズの
    周囲に配置され、 前記照明光学系は少なくとも1つの移動レンズ群を備
    え、前記観察光学系の変倍に伴い前記移動レンズが移動
    して観察範囲と照明範囲が略一致することを特徴とする
    光学装置。
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