JP2001165426A - チャー分離方式ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減方法及び装置 - Google Patents
チャー分離方式ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減方法及び装置Info
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Abstract
て、飛灰中及び排ガス中のダイオキシン類の低減化を図
り、かつ、灰のスラグ化率を向上させる。 【解決手段】 溶融炉30と専用の冷却塔52とを溶融
炉排ガス導管36aを介して接続することにより、溶融
炉30からの排ガスを冷却塔52に導入して冷却し、つ
いで、冷却された排ガスに石灰を添加しつつ第3バグフ
ィルター56に導入して排ガス中の酸性ガス成分を除去
するとともに、第1バグフィルター21で捕捉された塩
化物濃度の低いダスト及び減温塔22で捕捉された塩化
物濃度の低いダストを溶融炉30にリサイクルして溶融
させる。
Description
棄物、ごみ固形燃料(RDF)等の固体可燃物(以下、
単にごみと総称する)をガス化炉でガス化(部分燃焼)
し、チャー(未燃炭素)及び灰を含む未燃ガス(熱分解
ガス)を固気分離器に導入して固気分離し、分離された
未燃ガスを未燃ガス燃焼ボイラに導入し、分離されたチ
ャー及び灰を溶融炉に導入するチャー分離方式ごみガス
化溶融装置における飛灰中及び排ガス中のダイオキシン
類の低減方法及び装置、詳しくは、溶融炉からの排ガス
を専用の冷却塔(減温塔)により冷却し、冷却された排
ガスを専用の集塵器に導入し、この集塵器で捕集したダ
ストを管理型廃棄物として処理するようにしたチャー分
離方式ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低
減方法及び装置に関するものである。
融装置は既に知られている(例えば、特許第28954
69号公報参照(とくに図10))。図3は、従来のチ
ャー分離方式ごみガス化溶融装置の一例を示している。
流動層ガス化炉(部分燃焼炉)10に投入されたごみ
は、低空気比(例えば、0.15〜0.4、望ましくは
0.2〜0.3)で部分燃焼し、未燃ガス(熱分解ガ
ス)と、チャー(未燃炭素)を含む未燃灰とに熱分解さ
れる。未燃灰(チャー及び灰)を含む未燃ガスは、ガス
化炉10のフリーボード12から固気分離器、例えば、
サイクロン14に導入され、未燃ガスと未燃灰とに分離
される。
16に導入され燃焼して蒸気(スチーム)を発生させた
後、ボイラ16からの排ガスは空気予熱器18に導入さ
れ空気を予熱して燃焼用空気及び流動化空気とし、空気
予熱器18からの排ガスは減温塔20に導入され冷却さ
れる。そして、減温塔20で冷却された排ガス中に活性
炭及び/又は石灰(例えば、消石灰)が添加された後、
この排ガスはバグフィルター23に導入され、排ガス中
の有害成分、例えば、活性炭及び石灰を添加した場合
は、排ガス中のダイオキシン類、塩化水素・硫黄酸化物
等の酸性ガス成分が除去される。24は過熱器、26は
過熱器又は蒸発器、28は蒸発器である。
ー及び灰)は旋回溶融炉30に導入されてチャーが燃焼
するとともに、灰が溶融してスラグとなる。32は水タ
ンクである。流動層ガス化炉10の底部から排出される
流動媒体(例えば、砂)、灰及び大塊不燃物の混合物は
振動ふるい等の分級機34に導入され、大塊不燃物及び
灰が系外に抜き出され、流動媒体は循環使用される。
化溶融装置においては、溶融炉30からの高温(例え
ば、1300〜1400℃)の排ガスの顕熱を回収する
ために、溶融炉排ガス導管36はボイラ16に接続され
ている。この場合、溶融炉排ガス中には、CaCl2、
KCl、NaCl等の塩化物を高濃度で含む飛灰、高濃
度の塩化水素が含まれるので、塩化物のコーティングや
伝熱管の腐蝕等が発生する。そこで、特に過熱器24の
高温腐食を防止するために、溶融炉排ガス導管36は過
熱器24の下流側に接続されている。
化溶融装置は、つぎのような利点を有している。 (1) 旋回溶融炉にチャーが定量供給されるので、安
定した溶融運転ができる。チャーの低位発熱量は、水分
が全て未燃ガス側に分離されるため通常2500〜30
00kcal/kg程度と比較的高く、炉の処理量がある程度
大きくなるとチャーの燃焼熱を利用して灰を溶融するこ
とができる。すなわち、自己熱溶融することができる。 (2) 溶融炉排ガス導管36を過熱器24の下流側に
接続することにより、過熱器まわりのガス中塩化水素濃
度が低くなり、過熱器出口蒸気温度を従来より高く設定
でき、発電効率が向上する。 (3) 総空気比が1.3程度と小さいので(ガス化炉
を用いずに通常の燃焼炉を用いる場合の総空気比は1.
8以上と大きい)、排ガス量が少なくなり、各機器、配
管を小型、コンパクトにすることができる。
来のチャー分離方式ごみガス化溶融装置の構成では、ボ
イラ16の低温部及び空気予熱器18内が、ダイオキシ
ン類の合成温度として知られている600〜200℃
(とくに500〜300℃)の温度域となり、かつ、溶
融炉排ガスに含まれていた飛灰中にCaCl2、KC
l、NaCl等の塩化物が高濃度で、しかも溶融して付
着性が高い状態で通過するので、ボイラ16の低温部及
び空気予熱器18内の伝熱管や壁面等に塩化物が、未燃
物やダイオキシン類生成の触媒となるといわれている
銅、鉄等の粉末とともに付着・堆積する。この付着物と
塩化水素を含む排ガスとが十分長時間にわたり接触して
ダイオキシン類が生成されていることは、この温度域に
おいて炉出口のダイオキシン類濃度が数倍から数十倍に
なることから、容易に類推され、半ば公知の事実となっ
ている。すなわち、ダイオキシン類は排ガス中で瞬間的
に合成されるのではなく、排ガスと灰とが接触して灰中
で比較的長い時間をかけて生成されているとの知見は広
く知れわたっている。
ガス量が全体のガス量の10%程度と少ないけれども塩
化水素濃度が高く、温度が低下すると、大量の塩化物が
析出する汚れたガスである。したがって、この溶融炉排
ガスを図3に示すように、ボイラ16に導入すると、上
記のようにダイオキシン類が生成するという問題が生じ
る。また、図3において、バグフィルター23で捕捉さ
れたダストや減温塔20で捕集されたダストは塩化物濃
度が高いので、廃棄処分される。この場合は灰のスラグ
化率が小さくなるという問題がある。灰のスラグ化率を
上げるために、上記のダストを溶融炉30にリサイクル
することが考えられるが、この場合は、ダスト搬送系
(リサイクル系)のトラブルや溶融炉30、溶融炉排ガ
ス導管(ダクト)36、ボイラ16、空気予熱器18、
減温塔20、ボイラ出口排ガスダクト、空気予熱器出口
排ガスダクト、減温塔出口排ガスダクト等でのコーティ
ング・腐食トラブルが発生するおそれが大きくなる。
を解決するためになされたもので、本発明の目的は、溶
融炉から排出される全体の10%程度の汚れたガスを保
守性の面から専用の冷却塔(減温塔)に導入し、全体の
90%程度のガス量を占める未燃ガス燃焼ボイラ排ガス
用の減温塔を共用することを避け、HCl濃度が高く、
かつ塩化物を高濃度で含む飛灰を含有する溶融炉排ガス
を冷却塔でダイオキシン類の合成温度以下に急冷して、
冷却塔で冷却された溶融炉排ガスは塩化物濃度の高い飛
灰を含むので、このガスを専用の集塵器(例えば、バグ
フィルター)に導入し、捕集したダストを管理型廃棄物
として処理するようにして、排ガス系統でのダイオキシ
ン類生成を抑制した飛灰中及び排ガス中のダイオキシン
類を低減することができる方法及び装置を提供すること
にある。
ラから発生する塩化物濃度の低い灰を含む排ガスを別の
集塵器に導入し、捕集したダストを、減温塔で捕捉され
たダストと一緒に、又は集塵器で捕集されたダストのみ
を溶融炉にリサイクルしてスラグ化することにより、灰
のスラグ化率を向上させるようにしたダイオキシン類の
低減方法及び装置を提供することにある。
めに、本発明のチャー分離方式ごみガス化溶融装置にお
けるダイオキシン類の低減方法は、ごみをガス化炉に供
給してガス化させ、チャー及び灰を含む未燃ガスをガス
化炉から固気分離器に導入して固気分離し、固気分離さ
れた未燃ガスを未燃ガス燃焼ボイラに導入し燃焼させて
蒸気を発生させた後、このボイラからの排ガスを空気予
熱器に導入して空気を予熱し、空気予熱器からの排ガス
を減温塔に導入して冷却し、ついで、冷却された排ガス
を第1集塵器に導入して、排ガス中のダストを捕集した
後、第1集塵器からの排ガスに石灰を添加しつつ第2集
塵器に導入して排ガス中の酸性ガス成分を除去し、つい
で、第2集塵器からの排ガスを未燃ガス燃焼ボイラ用誘
引ファンにより排出し、一方、固気分離されたチャー及
び灰を溶融炉に導入しチャーを燃焼させるとともに灰を
溶融してスラグとし、溶融炉からの排ガスを冷却塔に導
入して冷却し、ついで、冷却された排ガスに石灰を添加
しつつ第3集塵器に導入して排ガス中の酸性ガス成分を
除去し、第1集塵器の上流側(手前)又は/及び第1集
塵器と第2集塵器との間の排ガス導管に活性炭を添加し
てダイオキシン類を減少させるように構成されている
(図1、図2参照)。
た塩化物濃度の低いダスト、又は第1集塵器及び減温塔
で捕捉された塩化物濃度の低いダストを溶融炉に供給
(リサイクル)して溶融させることが好ましい(図1、
図2参照)。このように、ダストをリサイクルすること
により、灰のスラグ化率を上げることができる。また、
第3集塵器からの排ガスを第2集塵器からの排ガスに合
流させて未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファンにより排出し
たり(図1参照)、第3集塵器からの排ガスを溶融炉用
誘引ファンにより、第2集塵器からの排ガスとは別の独
立した排ガス系統で排出するように構成することができ
る(図2参照)。後者の場合においては、溶融炉の炉内
圧が変動せず、安定した運転が可能になるという利点が
ある。また、第3集塵器の上流側(手前)に活性炭を添
加する場合もある。
置におけるダイオキシン類の低減装置は、ごみを還元雰
囲気でガス化処理するガス化炉と、このガス化炉のガス
出口に接続された固気分離器と、この固気分離器の後流
に未燃ガス導管を介して接続された未燃ガス燃焼ボイラ
と、このボイラに排ガス導管を介して接続された空気予
熱器と、この空気予熱器に排ガス導管を介して接続され
た減温塔と、この減温塔に減温排ガス導管を介して接続
された第1集塵器と、この第1集塵器に排ガス導管を介
して接続された第2集塵器と、第1集塵器からの排ガス
導管に接続された石灰を添加する石灰供給手段と、第2
集塵器の後流に設けられた未燃ガス燃焼ボイラ用誘引フ
ァンと、第1集塵器の上流側(手前)又は/及び第1集
塵器と第2集塵器との間の排ガス導管に設けられた活性
炭供給手段と、前記固気分離器の下部にチャー・灰搬送
手段を介して接続された溶融炉とを備えたチャー分離方
式ごみガス化溶融装置であって、溶融炉に溶融炉排ガス
導管を介して冷却塔を接続して設け、この冷却塔に冷却
排ガス導管を介して第3集塵器を接続して設け、この冷
却排ガス導管に石灰供給手段を接続したことを特徴とし
ている(図1、図2参照)。
は第1集塵器の底部及び減温塔の底部と溶融炉とがダス
トリサイクル管を介して接続された構成とすることが好
ましい(図1、図2参照)。また、第3集塵器からの排
ガス導管を第2集塵器からの排ガス導管に、未燃ガス燃
焼ボイラ用誘引ファンの上流で合流させた構成としたり
(図1参照)、第3集塵器からの排ガス導管に溶融炉用
誘引ファンを設けて、第3集塵器からの排ガスを第2集
塵器からの排ガスとは別の独立した排ガス系統で排出す
るようにした構成とすることができる(図2参照)。ま
た、第3集塵器の上流側(手前)に活性炭供給手段を設
ける場合もある。上記の構成において、ガス化炉を流動
層ガス化炉とし、溶融炉を旋回溶融炉とし、第1集塵
器、第2集塵器及び第3集塵器をバグフィルターとする
ことが好ましい。
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することができる
ものである。図1は、本発明の実施の第1形態によるチ
ャー分離方式ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン
類の低減装置を示している。本実施形態では、ガス化炉
として流動層ガス化炉、溶融炉として旋回溶融炉、第1
集塵器、第2集塵器及び第3集塵器としてバグフィルタ
ーを用いる場合を示しているが、他の形式のガス化炉、
溶融炉、集塵器を用いることも可能である。
0のフリーボード12に固気分離器、例えば、サイクロ
ン14が接続されている。流動層ガス化炉10は、図1
では散気管タイプのものを示しているが、空気分散板タ
イプのものを用いることも、勿論可能である。サイクロ
ン14の上部(後流)には未燃ガス導管38を介して未
燃ガス燃焼ボイラ16が接続され、このボイラ16に排
ガス導管40を介して空気予熱器18が接続され、この
空気予熱器18に排ガス導管42を介して減温塔22が
接続されている。減温塔22としては、例えば、水をス
プレーするタイプのもの等が用いられる。減温塔22に
は、減温排ガス導管43を介して第1バグフィルター2
1が接続され、この減温排ガス導管43に活性炭(活性
コークスでもよい)を添加する活性炭供給手段78が接
続されている。さらに、第1バグフィルター21には排
ガス導管80を介して第2バグフィルター23が接続さ
れており、この排ガス導管80に活性炭供給手段82及
び石灰供給手段84が接続されている。また、第2バグ
フィルター23の後流の排ガス導管47には未燃ガス燃
焼ボイラ用誘引ファン49が設けられている。
手段44、例えば、ロータリフィーダ等の排出機を備え
た配管を介して旋回溶融炉30が接続されている。この
旋回溶融炉30は、チャー及び灰、燃焼用空気、必要に
応じて補助燃料を供給して予燃焼させる略鉛直方向の予
燃焼部46と、この予燃焼部46が接線方向に連結され
略水平方向に設置された略円筒形の旋回溶融部48と、
この旋回溶融部48に連結された略鉛直方向の再燃焼部
50と、旋回溶融部48の下面にスラグ流下口を介して
連結されたスラグ冷却用の水タンク32とからなってい
る。
炉排ガス導管36aを介して冷却塔52が接続して設け
られ、この冷却塔52に冷却排ガス導管54を介して第
3バグフィルター56が接続され、この冷却排ガス導管
54に石灰(例えば、消石灰)を排ガスに添加するため
の石灰供給手段58が接続されている。なお、活性炭供
給手段86を設けて活性炭(活性コークスでもよい)を
添加する場合もある。また、冷却塔52としては、前記
の減温塔22の場合と同様に、例えば、水をスプレーす
るタイプのもの等が用いられる。
及び第1バグフィルター21の底部からのダスト抜出管
88は合流してダストリサイクル管64に接続され、こ
のダストリサイクル管64は旋回溶融炉30の予燃焼部
46に接続されている。第2バグフィルター23の底部
からのダスト抜出管62は、ダストを系外へ抜き出すた
めのものである。また、第3バグフィルター56からの
排ガス導管66は、第2バグフィルター23からの排ガ
ス導管47に合流し、この合流排ガス導管68は未燃ガ
ス燃焼ボイラ用誘引ファン49に接続されている。ま
た、冷却塔52の底部からのダスト抜出管70及び第3
バグフィルター56の底部からのダスト抜出管72はダ
スト系外抜出管74に接続されている。
明する。流動層ガス化炉(部分燃焼炉)10に投入され
たごみは、低空気比(例えば、0.15〜0.4、望ま
しくは0.2〜0.3)で部分燃焼し、未燃ガス(熱分
解ガス)と、チャー(未燃炭素)を含む未燃灰とに熱分
解される。未燃灰(チャー及び灰)を含む未燃ガスは、
ガス化炉10のフリーボード12からサイクロン14に
導入され、未燃ガスと未燃灰とに分離される。この時、
ごみ中の塩素分の大部分(例えば、70〜80wt%)は
CaCl2、KCl、NaCl等の塩化物となって灰中
に含まれサイクロン14下部から分離される。サイクロ
ン14上部から分離される未燃ガス中には、ごみ中の塩
素分の残部(例えば、20〜30wt%)が、飛灰中の塩
化物、及びHClガスとして含まれる。
を通って未燃ガス燃焼ボイラ16に導入され燃焼して蒸
気(スチーム)を発生させた後、ボイラ16からの排ガ
スは、排ガス導管40を通って空気予熱器18に導入さ
れ空気を予熱して燃焼用空気及び流動化空気とし、空気
予熱器18からの排ガスは、排ガス導管42を通って減
温塔22に導入され冷却される。そして、減温塔22で
冷却された排ガス中に活性炭が添加された後、この排ガ
スは第1バグフィルター21に導入され、活性炭により
排ガス中のダイオキシン類が除去される。第1バグフィ
ルター21からの排ガスに活性炭及び石灰(例えば、消
石灰)が添加された後、この排ガスは第2バグフィルタ
ー23に導入され、活性炭により排ガス中のダイオキシ
ン類が、石灰により排ガス中の塩化水素・硫黄酸化物等
の酸性ガス成分が除去される。第2バグフィルター23
からの浄化排ガスは未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファン4
9により煙突へ導かれる。24は過熱器、26は過熱器
又は蒸発器、28は蒸発器である。なお、空気予熱器1
8で予熱された空気の一部は、流動化空気として流動層
ガス化炉10の散気管へ供給され、予熱された空気の残
部は、燃焼用空気として旋回溶融炉30の予燃焼部4
6、再燃焼部50及びボイラ16へ供給される。また、
流動層ガス化炉10の底部から排出される流動媒体(例
えば、砂)、灰及び大塊不燃物の混合物は振動ふるい等
の分級機34に導入され、大塊不燃物及び灰が系外に抜
き出され、流動媒体(例えば、砂)は循環使用される。
減温塔22及び第1バグフィルター21で捕捉されたダ
ストは塩化物濃度が低く、ダストリサイクル管64によ
り旋回溶融炉30にリサイクルされ、溶融処理される。
溶融炉30ではダスト中の未燃分が燃焼して、ダイオキ
シン類は高温分解する。第2バグフィルター23で捕捉
されたダストは、高濃度の塩化物や未反応石灰を含んで
いるので系外に排出される。
ー及び灰)、減温塔22からのダスト及び第1バグフィ
ルター21からのダストは、旋回溶融炉30の予燃焼部
46に、燃焼用空気、必要に応じて補助燃料とともに供
給され、ここでチャーの大部分は燃焼する。予燃焼部4
6からの予燃焼ガスは略円筒形の旋回溶融部48に接線
方向に導入され、残りのチャーの一部が周壁に付着して
捕捉され、燃焼する。また、灰の大部分(例えば、80
〜90wt%)は溶融してスラグとなり旋回溶融部48か
ら水タンク32内に落下し冷却されて水冷スラグとなっ
て、コンベア等の排出機により取り出される。旋回溶融
部48からの排ガスは再燃焼部50に導入され、ここで
燃焼に必要な空気が追加供給されて完全燃焼が図られ
る。
(例えば、1300〜1400℃)であるので、灰中に
含まれているCaCl2、KCl、NaCl等の塩化物
は分解して、塩素分はHClガスとなって排ガス中に移
行する。したがって、スラグ中には塩素分は含まれない
か、又は微量の塩素分が含まれることになる。上記のよ
うに、溶融炉排ガス中には高濃度のHClが含まれてお
り、さらに、スラグ化しなかった灰(旋回溶融部48に
導入された灰の、例えば、10〜20wt%)が飛灰とな
って含まれている。ガス温度が低下するとHClと飛灰
中のCa、K、Na等が反応し、CaCl2、KCl、
NaCl等の塩化物が生成する。
む飛灰を含有する溶融炉排ガスを、溶融炉排ガス導管3
6aを通して冷却塔52へ導入し、散水等の手段によ
り、溶融炉排ガスを急冷して塩化物が溶融して付着性が
高く、かつ、ダイオキシン類の生成温度となる600〜
200℃(とくに500〜300℃)の温度域を急速に
通過させる。
(例えば、消石灰)が添加された後、この排ガスは第3
バグフィルター56に導入され、排ガス中の塩化水素・
硫黄酸化物等の酸性ガス成分が除去される。なお、微量
のダイオキシン類が発生するおそれがあるので、この対
策のために、活性炭(活性コークスでもよい)を石灰と
同時に供給する場合もある。このようにすることによ
り、HCl濃度が高く、かつ塩化物を高濃度で含む飛灰
を含有する溶融炉排ガス処理系統でのダイオキシン類生
成を効果的に抑制することができる。このため、冷却塔
52で捕捉されたダスト(飛灰)、第3バグフィルター
56で捕捉されたダスト(飛灰を含む)中のダイオキシ
ン類を低減させることができ、かつ、第3バグフィルタ
ー56からの排ガス中のダイオキシン類を低減させるこ
とができる。
は、第2バグフィルター23からの浄化排ガスとともに
未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファン49により煙突へ送ら
れる。冷却塔52及び第3バグフィルター56で捕捉さ
れたダストの塩化物濃度は高いので、これらのダストは
管理型廃棄物として処理される。減温塔22から排出さ
れてくる排ガス中のダイオキシン類は、第1バグフィル
ター21前に投入された活性炭に吸着されるとともに、
ダストにも吸着又は/及び付着し、第1バグフィルター
21にて捕集される。ダイオキシン類が吸着された活性
炭、及びダイオキシン類が吸着又は/及び付着したダス
トは溶融炉30へ投入され、高温燃焼により吸着又は/
及び付着されたダイオキシン類が完全に分解する。した
がって、システム全体としてみれば、確実にダイオキシ
ン類を低減除去可能となる。活性炭の投入は、第1バグ
フィルター21の手前もしくは第2バグフィルター23
の手前のいずれであっても良く、又は両方であっても良
い。
ャー分離方式ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン
類の低減装置を示している。図1に示す実施の第1形態
では、専用の冷却塔52を出た溶融炉排ガスは、専用の
第3バグフィルター56を通過して、未燃ガス燃焼ボイ
ラ16からの排ガスと共用の誘引ファン49を経由して
煙突に導かれる。この未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファン
49については、ごみを投入するガス化炉(部分燃焼
炉)10の炉内圧が、ごみ投入量の変動に伴って変動す
ることから、未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファン49を制
御して、ガス化炉10の炉内圧の変動を抑えるようにし
ている。ガス化炉10用及び未燃ガス燃焼ボイラ16用
の誘引ファン49を溶融炉30用のファンとして兼用す
ると、ごみの供給量が変動した時、誘引ファン49の回
転数が変動して、溶融炉30内の圧力が変動し、運転の
安定性に乱れを生じさせる。これを防止するために、本
実施形態は、図2に示すように、溶融炉30の排ガスを
専用の第3バグフィルター56を通過させた後、溶融炉
用誘引ファン76を設け、ガス化炉10及び未燃ガス燃
焼ボイラ16の排ガスと独立の排ガス系統で煙突に導く
ように構成したものである。他の構成及び作用は、実施
の第1形態の場合と同様である。
で、つぎのような効果を奏する。 (1) HCl濃度が高く、かつ、CaCl2、KC
l、NaCl等の塩化物を高濃度で含む飛灰を含有する
溶融炉排ガスを、ボイラ、空気予熱器、減温塔、第1集
塵器及び第2集塵器に導入することなく、専用の冷却塔
に導入し冷却した後、石灰を添加して専用の第3集塵器
で処理するように構成されているので、灰中の塩化物濃
度が大きく、かつ付着性の高い溶融飛灰が、ボイラ及び
空気予熱器内の伝熱管や壁面等に付着・堆積してダイオ
キシン類が合成され易い環境(雰囲気)をつくることが
抑制され、このため、飛灰中及び排ガス中のダイオキシ
ン類の低減化を図ることができる。 (2) 上記(1)のように、ボイラ及び空気予熱器内
の塩化物のコーティングが抑制されるので、装置の閉塞
や熱回収量の低下のトラブルが軽減され、安定な運転を
継続することができる。 (3) 上記(1)のように、溶融炉排ガスを、ボイ
ラ、空気予熱器、減温塔、第1集塵器及び第2集塵器に
導入することなく、専用の冷却塔に導入した後、専用の
第3集塵器で処理しているので、ボイラ及び空気予熱器
等の塩化水素による腐蝕の低減を図ることができる。 (4) 減温塔及び第1集塵器で捕捉されたダストを溶
融炉にリサイクルすることにより、灰のスラグ化率を上
げることができる。この場合、リサイクルするダストの
塩化物濃度は低いものとなるので、ダスト搬送系のトラ
ブルや溶融炉、ダクト、冷却塔でのコーティング・腐食
トラブルが軽微なものとなり、また、灰の付着が少ない
ので、ダイオキシン類の生成が抑制され、保守性の向上
にもつながる。 (5) 第1集塵器で捕捉されたダイオキシン類を吸着
又は/及び付着したダストが溶融炉へ供給されるので、
溶融炉での高温燃焼によりダイオキシン類が完全に熱分
解し、系全体として、確実にダイオキシン類の低減化を
図ることができる。とくに、第1集塵器の上流側(手
前)に活性炭を添加する場合は、ダイオキシン類を吸着
した活性炭、及びダイオキシン類を吸着又は/及び付着
したダストが捕捉されて溶融炉へ供給され、高温燃焼
し、ダイオキシン類は完全に熱分解するので、系全体と
してみれば、より確実にダイオキシン類の低減化を図る
ことができる。 (6) 高濃度のHCl、及び高濃度の塩化物を含む飛
灰を含有する溶融炉排ガスを、冷却塔へ導入し冷却する
ので、ダイオキシン類の生成が抑制される。 (7) 溶融炉用誘引ファンを設け、ガス化炉及び未燃
ガス燃焼ボイラの排ガスと独立の排ガス系統にする場合
は、相互の干渉がなくなり、溶融炉の炉内圧が変動する
ことなく、安定した運転が可能になる。
ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減装置
の系統的概略構成図である。
ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減装置
の系統的概略構成図である。
例を示す系統的概略構成図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 ごみをガス化炉に供給してガス化させ、
チャー及び灰を含む未燃ガスをガス化炉から固気分離器
に導入して固気分離し、固気分離された未燃ガスを未燃
ガス燃焼ボイラに導入し燃焼させて蒸気を発生させた
後、このボイラからの排ガスを空気予熱器に導入して空
気を予熱し、空気予熱器からの排ガスを減温塔に導入し
て冷却し、ついで、冷却された排ガスを第1集塵器に導
入して、排ガス中のダストを捕集した後、第1集塵器か
らの排ガスに石灰を添加しつつ第2集塵器に導入して排
ガス中の酸性ガス成分を除去し、ついで、第2集塵器か
らの排ガスを未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファンにより排
出し、一方、固気分離されたチャー及び灰を溶融炉に導
入しチャーを燃焼させるとともに灰を溶融してスラグと
し、溶融炉からの排ガスを冷却塔に導入して冷却し、つ
いで、冷却された排ガスに石灰を添加しつつ第3集塵器
に導入して排ガス中の酸性ガス成分を除去し、第1集塵
器の上流側又は/及び第1集塵器と第2集塵器との間の
排ガス導管に活性炭を添加してダイオキシン類を減少さ
せることを特徴とするチャー分離方式ごみガス化溶融装
置におけるダイオキシン類の低減方法。 - 【請求項2】 第1集塵器で捕捉されたダスト、又は第
1集塵器及び減温塔で捕捉されたダストを溶融炉に供給
して溶融させる請求項1記載のチャー分離方式ごみガス
化溶融装置におけるダイオキシン類の低減方法。 - 【請求項3】 第3集塵器からの排ガスを第2集塵器か
らの排ガスに合流させて未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファ
ンにより排出する請求項1又は2記載のチャー分離方式
ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減方
法。 - 【請求項4】 第3集塵器からの排ガスを溶融炉用誘引
ファンにより、第2集塵器からの排ガスとは別の独立し
た排ガス系統で排出する請求項1又は2記載のチャー分
離方式ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低
減方法。 - 【請求項5】 第3集塵器の上流側に活性炭を添加する
請求項1〜4のいずれかに記載のチャー分離方式ごみガ
ス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減方法。 - 【請求項6】 ごみを還元雰囲気でガス化処理するガス
化炉と、このガス化炉のガス出口に接続された固気分離
器と、この固気分離器の後流に未燃ガス導管を介して接
続された未燃ガス燃焼ボイラと、このボイラに排ガス導
管を介して接続された空気予熱器と、この空気予熱器に
排ガス導管を介して接続された減温塔と、この減温塔に
減温排ガス導管を介して接続された第1集塵器と、この
第1集塵器に排ガス導管を介して接続された第2集塵器
と、第1集塵器からの排ガス導管に接続された石灰を添
加する石灰供給手段と、第2集塵器の後流に設けられた
未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファンと、第1集塵器の上流
側又は/及び第1集塵器と第2集塵器との間の排ガス導
管に設けられた活性炭供給手段と、前記固気分離器の下
部にチャー・灰搬送手段を介して接続された溶融炉とを
備えたチャー分離方式ごみガス化溶融装置であって、 溶融炉に溶融炉排ガス導管を介して冷却塔を接続して設
け、この冷却塔に冷却排ガス導管を介して第3集塵器を
接続して設け、この冷却排ガス導管に石灰供給手段を接
続したことを特徴とするチャー分離方式ごみガス化溶融
装置におけるダイオキシン類の低減装置。 - 【請求項7】 第1集塵器の底部、又は第1集塵器の底
部及び減温塔の底部と溶融炉とがダストリサイクル管を
介して接続された請求項6記載のチャー分離方式ごみガ
ス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減装置。 - 【請求項8】 第3集塵器からの排ガス導管を第2集塵
器からの排ガス導管に、未燃ガス燃焼ボイラ用誘引ファ
ンの上流で合流させた請求項6又は7記載のチャー分離
方式ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減
装置。 - 【請求項9】 第3集塵器からの排ガス導管に溶融炉用
誘引ファンを設けて、第3集塵器からの排ガスを第2集
塵器からの排ガスとは別の独立した排ガス系統で排出す
るようにした請求項6又は7記載のチャー分離方式ごみ
ガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低減装置。 - 【請求項10】 第3集塵器の上流側に活性炭供給手段
が設けられた請求項6〜9のいずれかに記載のチャー分
離方式ごみガス化溶融装置におけるダイオキシン類の低
減装置。 - 【請求項11】 ガス化炉が流動層ガス化炉であり、溶
融炉が旋回溶融炉であり、第1集塵器、第2集塵器及び
第3集塵器がバグフィルターである請求項6〜10のい
ずれかに記載のチャー分離方式ごみガス化溶融装置にお
けるダイオキシン類の低減装置。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005068909A1 (ja) * | 2004-01-20 | 2005-07-28 | Ebara Corporation | 熱回収方法、可燃物の処理方法、熱回収装置及び可燃物の処理装置 |
JP2010127597A (ja) * | 2008-12-01 | 2010-06-10 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 処理対象物燃焼処理システム及び排ガス中の水銀除去方法 |
CN101897363A (zh) * | 2010-06-24 | 2010-12-01 | 浙江绿峰机械有限公司 | 排管除尘除烟回风减压式高温热风炉 |
CN105605587A (zh) * | 2015-11-29 | 2016-05-25 | 集美大学 | 垃圾焚烧处理*** |
CN110036240A (zh) * | 2016-12-02 | 2019-07-19 | 日立造船株式会社 | 废气处理装置和焚烧设备 |
-
1999
- 1999-12-03 JP JP34397399A patent/JP3091197B1/ja not_active Expired - Fee Related
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