JP2001164283A - 内燃機関用潤滑油組成物 - Google Patents

内燃機関用潤滑油組成物

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JP2001164283A
JP2001164283A JP35104199A JP35104199A JP2001164283A JP 2001164283 A JP2001164283 A JP 2001164283A JP 35104199 A JP35104199 A JP 35104199A JP 35104199 A JP35104199 A JP 35104199A JP 2001164283 A JP2001164283 A JP 2001164283A
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lubricating oil
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lubricating
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JP35104199A
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Nobuchika Hikomoishi
信親 皮籠石
Toshiaki Kuribayashi
利明 栗林
Satoru Ogano
哲 小鹿野
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen General Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油中に不溶解な固形不純物を微細に油中に分
散させ、潤滑油の粘度が急増しない、長寿命である内燃
機関用潤滑油組成物を提供する。 【解決手段】 鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基
油に、組成物全量基準で、(A)重量平均分子量が25
00以上であるコハク酸イミドを窒素の量として0.0
3〜0.12重量%と、(B)金属清浄剤として、全塩
基価が200〜450mgKOH/gである塩基性アル
カリ土類金属スルホネートを、金属清浄剤由来の全塩基
価が6〜18mgKOH/gの範囲となる量と、及び
(C)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリンの量として
0.04〜0.5重量%とを配合してなることを特徴と
する内燃機関用潤滑油組成物、また、金属清浄剤とし
て、さらに、全塩基価が100〜350mgKOH/g
である塩基性アルカリ土類金属サリシレート又はフェネ
ートを、金属清浄剤全体における該サリシレート又は該
フェネートが全塩基価基準で、それぞれ多くとも40%
又は20%となる量の割合で配合することを特徴とする
上記の内燃機関用潤滑油組成物を提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用潤滑油
組成物に関し、更に詳しくは、ディーゼルエンジン駆動
時に不可避的に発生するすすなどの固形不純物を油中に
分散させて潤滑油の粘度が急増しない長寿命な内燃機
関、特にディーゼルエンジン用潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関においては、主としてピ
ストンリングとシリンダライナ、クランク軸やコネクテ
ィングロッドの軸受、カムとバルブリフタを含む動弁機
構等、各種摺動部分の潤滑のほか、エンジン内の冷却や
燃焼生成物の清浄分散、さらには錆や腐食を防止するな
どの目的で潤滑油が用いられている。このように、内燃
機関用潤滑油には、多様な性能が要求され、しかも近
年、内燃機関の高性能、高出力化、運転条件の苛酷化な
どに伴い、高度な性能が要求されてきている。したがっ
て、内燃機関用潤滑油には、このような要求性能を満た
すために、例えば、無灰分散剤、金属清浄剤、摩耗防止
剤(耐摩耗剤)、摩擦低減剤(摩擦調整剤)、酸化防止
剤等の種々の添加剤が配合されている。これまで、内燃
機関用潤滑油には、清浄分散剤として、無灰分散剤と金
属清浄剤とが併用されている。無灰分散剤としては、一
般に、ポリアルケニル又はポリアルキルコハク酸イミ
ド、ポリアルケニル又はポリアルキルコハク酸アミド、
ポリアルケニル又はポリアルキルコハク酸エステル、ポ
リアルケニル又はポリアルキルベンジルアミン及びこれ
らのホウ素処理物等が使用されている。また、金属清浄
剤としては、一般にアルカリ金属やアルカリ土類金属の
フェネート、スルホネート、サリシレート、ホスホネー
ト及びこれらの過塩基化物等が使用されている。ところ
で、ディーゼルエンジンでは、ガソリンエンジンに比べ
て燃焼機構上、燃焼残渣又はすすなどの潤滑油に不溶解
な固形不純物を多量に発生し、これらが潤滑油や潤滑系
に混入するという事態を生じている。この混入量が増加
すると、潤滑油及び潤滑部位にて粘度の急増、及び潤滑
系内での目詰まり現象が発生して、円滑な潤滑管理が阻
害され、短期間で更油する必要が生じている。したがっ
て、このような問題を解決するために、従来から燃焼残
渣又はすすなどの潤滑油に不溶解な固形不純物を排除す
るため、種々の対策や手段が取られているが、大別する
と、次の2つの方法がある。第1の方法は、固形不純物
を凝集せしめて粗大化させ、潤滑油の循環系内に設置し
たオイルフィルターで捕捉・除去するものであるが、具
体的には、例えば、特定全塩基価のカルシウムフェネー
ト、特定全塩基価のマグネシウムスルホネート及びアル
ケニルコハク酸イミドを配合した固形不純物凝集性ディ
ーゼルエンジン油など(特公平3−29839号公報、
特開平5−295382号公報)、特定全塩基価の2種
のカルシウムスルホネート、特定全塩基価のカルシウム
フェネート、アルケニルコハク酸イミド及びジチオリン
酸亜鉛を添加する潤滑油組成物を用いたディーゼルエン
ジンの潤滑システム(特公平6−60317号公報)等
が提案され、これと類似の技術思想では、分散性を適度
にしてオイルフィルターで燃焼残渣を除去するためにチ
オホスホン酸ヒドロキシエチルエステルなどを配合した
ディーゼルエンジン油など(特開平4−1293号公
報、特開平5−93197号公報)、コハク酸イミドと
長鎖ジアルキルジチオリン酸亜鉛の組合せで分散性を抑
制し、固形不純物を除去した陸上ディーゼルエンジン油
(特開平5−230485号公報)等が提案されてい
る。一方、第2の方法は、第1の方法とは基本的な発想
を異にし、油中に混入したすす等の固形不純物の凝集を
阻止し、固形不純物自体を微細に油中に分散させるもの
であって、具体的には、例えば、すすの粒子径を制御す
ることができる特定塩基価のカルシウムフェネート、ア
ルケニルコハク酸イミド及び特定のジアルキルジチオリ
ン酸亜鉛を含有させたディーゼルエンジン油(特開平9
−165591号公報)や、直接すすを抑制するものと
して、遷移金属塩を含有する潤滑剤(特公表平1−50
1396号公報)等が提案されている。さらに、ディー
ゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を装着したデ
ィーゼルエンジンに適用するものとして、ジアルキルジ
チオリン酸亜鉛、特定全塩基価の炭酸カルシウム過塩基
性カルシウムサリシレート及び/又はホウ酸カルシウム
過塩基性カルシウムサリシレート、並びに特定分子量の
ホウ酸変性コハク酸イミドを特定量含有した低リン低灰
型ディーゼルエンジン油(特開平9−111275号公
報)等が提案されている。しかしながら、これらの提案
にも拘わらず、未だ十分に満足のいく長寿命なディーゼ
ルエンジン用潤滑油システムはなく、特に第2の方法に
よるすすなどの固形不純物の凝集を阻止し、固形不純物
自体を微細に油中に分散させ、潤滑油の粘度が急増しな
い、長寿命な内燃機関(特にディーゼルエンジン)用潤
滑油は少なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の状況に鑑み、油中に不溶解な固形不純物を微
細に油中に分散させ、潤滑油の粘度が急増しない、長寿
命である内燃機関用潤滑油組成物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対し鋭意研究を重ねた結果、鉱油及び/又は合成油か
らなる潤滑油基油に、特定重量平均分子量のコハク酸イ
ミドと、塩基性アルカリ土類金属スルホネート、又は塩
基性アルカリ土類金属スルホネートと塩基性アルカリ土
類金属サリシレート等とを組合せた金属清浄剤と、及び
ジアルキルジチオリン酸亜鉛とを、それぞれ特定の割合
で配合することにより、油中のすすなどの固形不純物が
微細に分散して、潤滑油の粘度が急増しないことを見い
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、鉱油及び/又は合成油から
なる潤滑油基油に、組成物全量基準で、(A)重量平均
分子量が2500以上であるコハク酸イミドを窒素の量
として0.03〜0.12重量%と、(B)金属清浄剤
として、全塩基価が200〜450mgKOH/gであ
る塩基性アルカリ土類金属スルホネートを、金属清浄剤
由来の全塩基価が6〜18mgKOH/gの範囲となる
量と、及び(C)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリンの
量として0.04〜0.5重量%とを配合してなること
を特徴とする内燃機関用潤滑油組成物が提供される。さ
らに、本発明によれば、金属清浄剤として、さらに、全
塩基価が100〜350mgKOH/gである塩基性ア
ルカリ土類金属サリシレート又はフェネートを、金属清
浄剤全体における該サリシレート又は該フェネートが全
塩基価基準で、それぞれ多くとも40%又は20%とな
る量の割合で配合することを特徴とする上記の内燃機関
用潤滑油組成物が提供される。
【0005】本発明は、上記した如く、潤滑油基油に、
特定重量平均分子量のコハク酸イミドと、塩基性アルカ
リ土類金属スルホネートなどの金属清浄剤と、及びジア
ルキルジチオリン酸亜鉛とをそれぞれ特定量配合するこ
とを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物に係るものであ
るが、その好ましい態様として、次のものが包含され
る。 内燃機関が油中すすを生成するディーゼルエンジンで
あることを特徴とする上記の内燃機関用潤滑油組成物。 アルカリ土類金属がカルシウムであることを特徴とす
る上記の内燃機関用潤滑油組成物。 金属清浄剤が、金属清浄剤由来の全塩基価基準で、1
00〜60%の塩基性アルカリ土類金属スルホネートと
0〜40%の塩基性アルカリ土類金属サリシレートとの
併用であることを特徴とする上記の内燃機関用潤滑油組
成物。 金属清浄剤が、金属清浄剤由来の全塩基価基準で、7
5〜62.5%の塩基性アルカリ土類金属スルホネート
と25〜37.5%の塩基性アルカリ土類金属サリシレ
ートとの併用であることを特徴とする上記の内燃機関
用潤滑油組成物。 金属清浄剤が、金属清浄剤由来の全塩基価基準で、1
00〜80%の塩基性アルカリ土類金属スルホネートと
0〜20%の塩基性アルカリ土類金属フェネートとの併
用であることを特徴とする上記の内燃機関用潤滑油組成
物。 金属清浄剤が、金属清浄剤由来の全塩基価基準で、9
9.5〜94%の塩基性アルカリ土類金属スルホネート
と0.5〜6%の塩基性アルカリ土類金属フェネートと
の併用であることを特徴とする上記の内燃機関用潤滑
油組成物。 重量平均分子量が2500以上であるコハク酸イミド
の配合量が窒素の量として少なくとも0.06重量%以
上であることを特徴とする上記の内燃機関用潤滑油組成
物。 潤滑油基油に、前記化合物を含有させてなり、更に、
摩擦低減剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下
剤、防錆剤、腐食防止剤、消泡剤、その他内燃機関用潤
滑油組成物に必要な添加剤成分の群から選択される少な
くとも1種の添加剤成分を含有させてなる上記のいずれ
かに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 (1)潤滑油基油 本発明の内燃機関用潤滑油組成物においては、潤滑油基
油として、鉱油及び/又は合成油が用いられる。潤滑油
基油は、特に限定されるものではなく、一般に潤滑油基
油として用いられているものならば何でも使用すること
ができる。すなわち、これらに該当するものとしては、
鉱油、合成油、或いはそれらの混合油がある。鉱油とし
ては、例えば、パラフィン系、中間基系又はナフテン系
原油の常圧又は減圧蒸留により誘導される潤滑油原料を
フェノール、フルフラール、N−メチルピロリドンの如
き芳香族抽出溶剤で処理して得られる溶剤精製ラフィネ
ート、潤滑油原料をシリカ−アルミナを担体とするコバ
ルト、モリブデン等の水素化処理用触媒の存在下におい
て水素化処理条件下で水素と接触させて得られる水素化
処理油、水素化分解触媒の存在下において苛酷な分解反
応条件下で水素と接触させて得られる水素化分解油、ワ
ックスを異性化用触媒の存在下において異性化条件下で
水素と接触させて得られる異性化油、あるいは溶剤精製
工程と水素化処理工程、水素化分解工程及び異性化工程
等を組み合わせて得られる潤滑油留分等を挙げることが
できる。特に、水素化分解工程や異性化工程によって得
られる高粘度指数鉱油が好適なものとして挙げることが
できる。いずれの製造法においても、脱蝋工程、水素化
仕上げ工程、白土処理工程等の工程は、常法により、任
意に採用することができる。鉱油の具体例としては、軽
質ニュートラル油、中質ニュートラル油、重質ニュート
ラル油及びブライトストック等が挙げられ、要求性状を
満たすように適宜混合することにより基油を調整するこ
とができる。
【0007】合成油としては、例えば、ポリα−オレフ
ィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキ
ルベンゼン、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、
ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレ
ングルコールエーテル、シリコーン油等を挙げることが
できる。これらの基油は、それぞれ単独で、あるいは2
種以上を組み合わせて使用することができ、鉱油と合成
油を組み合わせて使用してもよい。本発明で使用する基
油は、100℃において、通常、2〜20mm/sの
動粘度を有し、好適な動粘度は3〜15mm/sの範
囲である。潤滑油基油の動粘度が高すぎると、低温粘度
が悪化し、摩擦損失が増加する。逆に動粘度が低すぎる
と、ピストンリング、動弁機構等の摺動部において摩耗
が増加するという難点が生じる。
【0008】(2)コハク酸イミド 本発明の内燃機関用潤滑油組成物においては、必須の
(A)成分として、コハク酸イミドが用いられる。コハ
ク酸イミドとしては、例えば、一般式[I]
【0009】
【化1】
【0010】で表されるモノポリアルケニル若しくはモ
ノポリアルキルコハク酸イミド、又は一般式[II]
【0011】
【化2】
【0012】で表されるビスポリアルケニル若しくはビ
スポリアルキルコハク酸イミドなどが挙げられる。一般
式[I]及び[II]において、R、R及びR
は、それぞれ炭素数2〜8程度のα−オレフィンのオ
リゴマー残基又はその水素化物であって、R及びR
は、たがいに同一でも異なっていてもよい。また、
、R及びRは、それぞれ炭素数2〜4のアルキ
レン基であり、R及びRは、たがいに同一でも異な
っていてもよい。mは1〜10の整数、nは0〜10の
整数である。
【0013】本発明においては、(A)成分として、一
般式[I]で表されるモノ型を用いてもよいし、一般式
[II]で表されるビス型を用いてもよく、またこれら
の混合物を用いてもよい。一般式[I]及び[II]で
表されるポリアルケニル又はポリアルキルコハク酸イミ
ドは、通常ポリオレフインと無水マレイン酸との反応で
得られるポリアルケニルコハク酸無水物又はその水素化
物であるポリアルキルコハク酸無水物を、ポリアルキレ
ンポリアミンと反応させることによって製造することが
できる。前記のポリアルケニル又はポリアルキルコハク
酸イミドのモノ体及びビス体は、ポリアルケニル又はポ
リアルキルコハク酸無水物とポリアルキレンポリアミン
との反応比率を変えることにより製造することができ
る。
【0014】ポリアルケニル又はポリアルキルコハク酸
イミドの製造において、原料として用いられるポリオレ
フインとしては、炭素数2〜8程度のα−オレフインを
重合して得られたものの中から、適宜選ばれ使用され
る。また、ポリオレフィンを形成するα−オレフィンは
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。ポリオレフィンとしては、特にポリブテンが好適
である。一方、ポリアルキレンポリアミンとしては、例
えば、ポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリア
ミン、ポリブチレンポリアミン等が挙げられるが、これ
らの中でポリエチレンポリアミンが好適である。
【0015】本発明の内燃機関用潤滑油組成物におい
て、(A)成分として用いるコハク酸イミドは、重量平
均分子量が2500以上である必要がある。重量平均分
子量を2500以上にすることにより、油中のすすなど
の固形不純物を油中に分散させることができ、潤滑油の
粘度が急増しなくなる。重量平均分子量が2500未満
であると、油中のすすなどの固形不純物が凝集、粗大化
し、その結果、潤滑油の粘度が急増し、所期の効果が十
分に発揮されない。特に、重量平均分子量が2000以
下であると、固形不純物が凝集し、粗大化する。なお、
重量平均分子量の値は、GPC(ゲル浸透クロマトグラ
フィ)法によるポリブテン換算値である。
【0016】本発明の内燃機関用潤滑油組成物において
は、(A)成分として用いるコハク酸イミドは、組成物
全量基準で、コハク酸イミドに由来する窒素(N)の量
として0.03〜0.12重量%の範囲で配合される必
要があるが、窒素の量として0.05〜0.12重量%
の範囲が好適に用いられ、特に好ましいのは、窒素の量
として0.06〜0.12重量%の範囲である。配合量
が、窒素の量として0.03重量%未満であると、所期
の効果が十分に発揮されず、一方(A)成分の配合量
が、窒素の量として0.12重量%を超えても、配合量
の増加による分散性の改良は得られない。
【0017】(3)金属清浄剤 本発明の内燃機関用潤滑油組成物においては、必須の
(B)成分として、金属清浄剤が用いられる。金属清浄
剤として、塩基性アルカリ土類金属スルホネート、又は
該塩基性アルカリ土類金属スルホネートと塩基性アルカ
リ土類金属サリシレート若しくはフェネートのいずれか
が配合される。
【0018】塩基性アルカリ土類金属スルホネートは、
石油スルホン酸又は長鎖アルキルベンゼンやアルキルナ
フタレンのスルホン酸などの炭化水素基含有スルホン酸
のアルカリ土類金属塩であり、塩基性塩である。アルカ
リ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、及び
バリウムが用いられ、中でもカルシウムが好ましい。ア
ルカリ土類金属スルホネートの全塩基価は、200〜4
50mgKOH/gであり、好ましくは200〜400
mgKOH/gである。全塩基価が200mgKOH/
g未満であると、劣化により生成した酸性物質への中和
能力が小さくなり、十分な酸中和性能が得られなく、長
寿命化が図れない。また、すす分散性能が悪化し、すす
による粘度増加が増す。一方、450mgKOH/gを
超えると、金属清浄剤中の炭酸カルシウムが沈殿しやす
くなり、また、その全塩基価の割には、酸中和能力の向
上が認められない。なお、全塩基価は、JIS K 2
501過塩素酸法により測定した値である。
【0019】塩基性アルカリ土類金属サリシレートは、
サリチル酸のアルカリ土類金属塩を炭酸カルシウムで塩
基性塩にしたものである。アルカリ土類金属としては、
カルシウム、マグネシウム、及びバリウムが用いられ、
中でもカルシウムが好ましい。アルカリ土類金属サリシ
レートの全塩基価は、100〜350mgKOH/gで
あり、好ましくは200〜300mgKOH/gであ
る。全塩基価が100mgKOH/g未満であると、劣
化により生成した酸性物質への中和能力が小さくなり、
十分な酸中和性能が得られなく、長寿命化が図れない。
一方、350mgKOH/gを超えると、金属清浄剤中
の炭酸カルシウムが沈殿しやすくなり、また、その全塩
基価の割には、酸中和能力の向上が認められない。塩基
性アルカリ土類金属サリシレートの製造法は、任意であ
り、公知の方法で製造することができる。また、市販品
を本発明の(B)成分に使用することもできる。この種
の市販品としては、全塩基価が280mgKOH/gの
SAP005(インフィニアムジャパン(株)製)、全
塩基価が168mgKOH/gのSAP001(インフ
ィニアムジャパン(株)製)等を例示することができ
る。
【0020】塩基性アルカリ土類金属フェネートは、ア
ルキルフェノール又は硫化アルキルフェノールのアルカ
リ土類金属塩であり、塩基性塩である。アルカリ土類金
属としては、カルシウム、マグネシウム、及びバリウム
が用いられ、中でもカルシウムが好ましい。アルカリ土
類金属フェネートの全塩基価は、100〜350mgK
OH/gであり、好ましくは200〜300mgKOH
/gである。全塩基価が100mgKOH/g未満であ
ると、劣化により生成した酸性物質への中和能力が小さ
くなり、十分な酸中和性能が得られなく、長寿命化が図
れない。一方、350mgKOH/gを超えると、金属
清浄剤中の炭酸カルシウムが沈殿しやすくなり、また、
その全塩基価の割には、酸中和能力の向上が認められな
い。
【0021】本発明の潤滑油組成物において、必須の
(B)成分である金属清浄剤、すなわち塩基性アルカリ
土類金属スルホネート、又は該塩基性アルカリ土類金属
スルホネートと塩基性アルカリ土類金属サリシレート若
しくはフェネートのいずれかの配合量は、組成物全量に
対して、金属清浄剤由来の全塩基価が6〜18mgKO
H/gの範囲となる量である。金属清浄剤の配合量、す
なわち金属清浄剤由来の全塩基価が6mgKOH/g未
満となる量であると、油中のすすなどの固形不純物を油
中に分散させることができず、固形不純物が凝集、粗大
化し、その結果、潤滑油の粘度が急増し、所期の効果が
十分に発揮されない。一方、金属清浄剤由来の全塩基価
が18mgKOH/gを超える量であると、その配合量
の増加による油中のすすなどの固形不純物を油中に分散
する能力の向上が認められず、むしろ金属清浄剤自身の
劣化物によりデポジットが増加する恐れがある。
【0022】塩基性アルカリ土類金属スルホネートと、
塩基性アルカリ土類金属サリシレート又は塩基性アルカ
リ土類金属フェネートとの混合使用の場合も、それらの
配合量は、組成物全量に対して、金属清浄剤由来の全塩
基価が6〜18mgKOH/gの範囲となる量である
が、金属清浄剤全体に対して塩基性アルカリ土類金属サ
リシレート又は塩基性アルカリ土類金属フェネートの配
合割合は、全塩基価基準で、該サリシレートとの場合、
多くとも40%となる量であり、好ましくは25〜3
7.5%となる量であり、また該フェネートとの場合、
多くとも20%となる量、好ましくは0.5〜6%とな
る量である。金属清浄剤全体に対して塩基性アルカリ土
類金属サリシレート、又は塩基性アルカリ土類金属フェ
ネートの配合割合が、全塩基価基準で、それぞれ40%
を超える量、又は20%を超える量となると、油中のす
すなどの固形不純物を、油中に十分に分散させることが
できず、固形不純物が凝集、粗大化し、その結果、潤滑
油の粘度が急増し、所期の効果が十分に発揮されない。
【0023】(4)ジアルキルジチオリン酸亜鉛 本発明の内燃機関用潤滑油組成物においては、必須の
(C)成分、耐摩耗剤又は酸化防止剤として、ジアルキ
ルジチオリン酸亜鉛が用いられる。ジアルキルジチオリ
ン酸亜鉛は、例えば、下記一般式[III]で表され
る。
【0024】
【化3】
【0025】上記一般式[III]において、Rは、
炭素数1〜26の第1級(プライマリー)又は第2級
(セカンダリー)アルキル基であり、各々、互いに同一
であっても異なってもよい。Rは、好ましくは炭素数
3〜12のアルキル基であり、特に好ましくは、第2級
(セカンダリー)アルキル基である。
【0026】本発明の内燃機関用潤滑油組成物におい
て、必須の(C)成分であるジアルキルジチオリン酸亜
鉛の配合量は、組成物全量に対して、ジアルキルジチオ
リン酸亜鉛由来のリン量が0.04〜0.50重量%で
ある。組成物全体の中でジチオリン酸亜鉛由来のリン量
が0.04重量%未満であると、高温かつ低速回転の運
転条件で満足できる摩耗防止性が得られ難くなる恐れが
ある。一方、組成物全体の中でジチオリン酸亜鉛由来の
リン量が0.50重量%を超えると、その配合量の増加
による摩耗防止効果の向上が認められない。
【0027】(5)その他の添加剤成分 本発明の内燃機関用潤滑油組成物には、鉱油及び/又は
合成油からなる潤滑油基油に、必須成分として上記
(A)、(B)及び(C)の化合物を配合するものであ
るが、更に必要に応じて、従来内燃機関用潤滑油に慣用
されている他の添加剤成分、例えば、粘度指数向上剤、
流動点降下剤、酸化防止剤、摩擦低減剤、耐摩耗剤、極
圧剤、金属不活性化剤、防錆剤、消泡剤、腐食防止剤、
着色剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜添加
することができる。
【0028】粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメ
タクリレート系、オレフィンコポリマー系(ポリイソブ
チレン系、エチレン−プロピレン共重合体系)、ポリア
ルキルスチレン系、スチレン−ブタジエン水添共重合体
系、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系等が
挙げられ、これらは、通常1〜30重量%の割合で使用
される。
【0029】流動点降下剤としては、例えば、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレン
との縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合
物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙
げられ、中でも、ポリメタクリレートが好ましく用いら
れる。これらは、通常0.01〜5重量%の割合で使用
される。
【0030】酸化防止剤としては、上記必須の(C)成
分のジアルキルジチオリン酸亜鉛以外に、例えば、アル
キル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミ
ン、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のアミ
ン系酸化防止剤、2,6−ジターシャリ−ブチルフェノ
ール、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジターシャ
リ−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネイト等の硫黄
系酸化防止剤、ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が
挙げられ、中でも、アミン系酸化防止剤、フェノール系
酸化防止剤が好ましく用いられる。これらは、通常0.
05〜5重量%の割合で使用される。
【0031】摩擦低減剤としては、例えば、有機モリブ
デン化合物、脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステ
ル、油脂類、アミン、アミド、硫化エステル、リン酸エ
ステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩な
どが挙げられる。これらは、通常0.05〜3重量%の
割合で使用される。
【0032】耐摩耗剤としては、上記必須の(C)成分
のジアルキルジチオリン酸亜鉛以外に、例えば、ジチオ
リン酸金属塩(Pb、Sb、Moなど)、ジチオカルバ
ミン酸金属塩(Zn、Pb、Sb、Moなど)、ナフテ
ン酸金属塩(Pbなど)、脂肪酸金属塩(Pbなど)、
ホウ素化合物、リン酸エステル、亜リン酸エステル、リ
ン酸エステルアミン塩等が挙げられる。これらは、通常
0.1〜5重量%の割合で使用される。
【0033】極圧剤としては、例えば、無灰系サルファ
イド化合物、硫化油脂、リン酸エステル、亜リン酸エス
テル、リン酸エステルアミン塩等が挙げられ、これら
は、通常0.05〜3重量%の割合で使用される。
【0034】金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、トリアゾール誘導体、ベンゾトリアゾー
ル誘導体、チアジアゾール誘導体等が挙げられ、これら
は、通常0.001〜3重量%の割合で使用される。
【0035】防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アルケ
ニルコハク酸ハーフエステル、脂肪酸セッケン、アルキ
ルスルホン酸塩、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪
酸アミン、酸化パラフィン、アルキルポリオキシエチレ
ンエーテル等が挙げられ、これらは、通常0.01〜3
重量%の割合で使用される。
【0036】消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシ
ロキサン、ポリアクリレート等が挙げられ、通常、ごく
少量、例えば0.002重量%程度添加される。更に、
本発明の内燃機関用潤滑油組成物には、腐蝕防止剤、着
色剤等その他の添加剤も所望に応じて使用することがで
きる。
【0037】
【実施例】以下に、本発明について実施例及び比較例を
挙げて更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施
例に特に限定されるものではない。なお、実施例及び比
較例におけるすす混入時の潤滑油粘度増加率と油中すす
平均粒径の測定と評価方法は、以下に示す方法で実施し
た。
【0038】(1)すす混入時の潤滑油粘度増加率と油
中すす平均粒径の測定・評価方法 予め実機ディーゼルエンジンを潤滑油基油のみで運転し
て、濃縮採取したすすを潤滑油に所定量配合して潤滑油
組成物を調製し、すす配合前とすす配合1日経過後の潤
滑油の動粘度をJIS K2283に準拠して測定し、
すす混入前後の動粘度からすす混入時の潤滑油粘度増加
率を算出する。また、すす配合1日経過後の潤滑油中の
すす平均粒径を光散乱法により測定する。潤滑油粘度増
加率が増加すれば、油中のすすが凝集して粗大化されて
いると判断されるが、ここでは、油中のすすなどの固形
不純物を、油中に十分に分散させていると判断される1
00℃における潤滑油粘度増加率50%未満を開発目標
とした。
【0039】(2)潤滑油組成物の調製と評価(実施例
及び比較例) [実施例1]潤滑油基油として、溶剤精製パラフィン系
鉱油(100℃における粘度5.6mm/s)を使用
し、これに組成物全量基準で、(A)成分として、重量
平均分子量が2550であるコハク酸イミドを窒素
(N)の量として0.06重量%と、(B)成分とし
て、全塩基価(TBN)が250mgKOH/gである
塩基性カルシウムスルホネートをTBN量として11.
1mgKOH/gに相当する量と、全塩基価(TBN)
が250mgKOH/gである塩基性カルシウムサリシ
レートをTBN量として4.9mgKOH/gに相当す
る量と、すなわち、(B)成分の金属清浄剤由来の潤滑
油中TBNが16.0mgKOH/gであり、金属清浄
剤全体に対する塩基性カルシウムサリシレート由来のT
BNの割合が30.6%に相当する量と、(C)成分と
して、ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン(P)の量と
して0.14重量%と、及びその他の添加剤成分として
粘度指数向上剤、流動点降下剤、泡消剤を合計3.92
重量%配合した潤滑油組成物に、さらにすすを4.0重
量%配合する潤滑油組成物を調製し、すす混入時の潤滑
油粘度増加率と油中すす平均粒径を測定した。結果を表
1に示す。潤滑油粘度増加率は、それ程増加せず(10
0℃で34.7%)、また油中すす平均粒径は、122
nmであって粗大化していなく、油中のすすなどの固形
不純物を、潤滑油中に十分に分散させている。
【0040】[実施例2]潤滑油基油として、実施例1
と同様に、溶剤精製パラフィン系鉱油(100℃におけ
る粘度5.6mm/s)を使用し、これに組成物全量
基準で、(A)成分として、実施例1と同様に、重量平
均分子量が2550であるコハク酸イミドを窒素(N)
の量として0.06重量%と、(B)成分として、全塩
基価(TBN)が250mgKOH/gである塩基性カ
ルシウムスルホネートをTBN量として14.8mgK
OH/gに相当する量と、全塩基価(TBN)が250
mgKOH/gである塩基性カルシウムサリシレートを
TBN量として1.2mgKOH/gに相当する量と、
すなわち、(B)成分の金属清浄剤由来の潤滑油中TB
Nが16.0mgKOH/gであり、金属清浄剤全体に
対する塩基性カルシウムサリシレート由来のTBNの割
合が7.5%に相当する量と、(C)成分として、実施
例1と同様に、ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン
(P)の量として0.14重量%と、及び、実施例1と
同様に、その他の添加剤成分として粘度指数向上剤、流
動点降下剤、泡消剤を合計3.92重量%配合した潤滑
油組成物に、さらにすすを4.0重量%配合する潤滑油
組成物を調製し、すす混入時の潤滑油粘度増加率と油中
すす平均粒径を測定した。結果を表1に示す。潤滑油粘
度増加率は、それ程増加せず(100℃で36.6
%)、また油中すす平均粒径は、120nmであり、実
施例1と同様に、粗大化していなく、油中のすすなどの
固形不純物を、潤滑油中に十分に分散させている。
【0041】[実施例3、4]潤滑油基油として、実施
例1、2と同様に、溶剤精製パラフィン系鉱油(100
℃における粘度5.6mm/s)を使用し、これに組
成物全量基準で、(A)成分として、実施例1、2と同
様に、重量平均分子量が2550であるコハク酸イミド
を窒素(N)の量として0.06重量%と、(B)成分
として、全塩基価(TBN)が250mgKOH/gで
ある塩基性カルシウムスルホネートをTBN量として、
実施例3では15.2mgKOH/g、実施例4では1
2.9mgKOH/gに相当する量と、全塩基価(TB
N)が250mgKOH/gである塩基性カルシウムフ
ェネートをTBN量として、実施例3では0.8mgK
OH/g、実施例4では3.1mgKOH/gに相当す
る量と、すなわち、(B)成分の金属清浄剤由来の潤滑
油中TBNが16.0mgKOH/gであり、金属清浄
剤全体に対する塩基性カルシウムフェネート由来のTB
Nの割合が、実施例3では5.0%、実施例4では1
9.4%に相当する量と、(C)成分として、実施例
1、2と同様に、ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン
(P)の量として0.14重量%と、及び、実施例1、
2と同様に、その他の添加剤成分として粘度指数向上
剤、流動点降下剤、泡消剤を合計3.92重量%配合し
た潤滑油組成物に、さらにすすを4.0重量%配合する
潤滑油組成物を調製し、すす混入時の潤滑油粘度増加率
と油中すす平均粒径を測定した。結果を表1に示す。潤
滑油粘度増加率は、それ程増加せず(100℃で実施例
3では35.6%、実施例4では39.0)、また油中
すす平均粒径は、実施例3では148nm、実施例4で
は132nmであり、実施例1、2と同様に、粗大化し
ていなく、油中のすすなどの固形不純物を、潤滑油中に
十分に分散させている。
【0042】[実施例5、6]潤滑油基油として、実施
例1〜4と同様に、溶剤精製パラフィン系鉱油(100
℃における粘度5.6mm/s)を使用し、これに組
成物全量基準で、(A)成分として、実施例1〜4と同
様に、重量平均分子量が2550であるコハク酸イミド
を窒素(N)の量として0.06重量%と、(B)成分
として、全塩基価(TBN)が実施例5では250mg
KOH/g、実施例6では220mgKOH/gである
塩基性カルシウムスルホネートをTBN量として16.
0mgKOH/gに相当する量と、(C)成分として、
実施例1〜4と同様に、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を
リン(P)の量として0.14重量%と、及び、実施例
1〜4と同様に、その他の添加剤成分として粘度指数向
上剤、流動点降下剤、泡消剤を合計3.92重量%配合
した潤滑油組成物に、さらにすすを4.0重量%配合す
る潤滑油組成物を調製し、すす混入時の潤滑油粘度増加
率と油中すす平均粒径を測定した。この結果も表1に示
す。潤滑油粘度増加率は、それ程増加せず(100℃で
実施例5では45.4%、実施例6では48.5%)、
また油中すす平均粒径は、実施例5では164nm、実
施例6では166nmであり、実施例1〜4と同様に、
それ程粗大化していなく、油中のすすなどの固形不純物
を、潤滑油中に十分に分散させている。
【0043】
【表1】
【0044】[比較例1〜9]実施例1〜6と同様にし
て、表2に示す潤滑油基油成分と各種添加剤成分を同表
に示す割合で配合し、さらにすすを4.0重量%配合す
る潤滑油組成物を調製し、すす混入時の潤滑油粘度増加
率と油中すす平均粒径を測定した。これらの結果を表2
に示す。潤滑油粘度増加率は増加しており、また油中す
す平均粒径も実施例1〜6に比べて大きく、すす粒径は
粗大化している。
【0045】
【表2】
【0046】上記実施例及び比較例から、潤滑油基油
に、本発明において必須成分である(A)重量平均分子
量が特定量以上であるコハク酸イミド、(B)全塩基価
が特定範囲の塩基性アルカリ土類金属スルホネート、又
は塩基性アルカリ土類金属スルホネートと塩基性アルカ
リ土類金属サリシレート若しくはフェネートとを組合せ
た金属清浄剤、及び(C)ジアルキルジチオリン酸亜鉛
を、各特定量配合することにより、いずれの実施例にお
いても、油中に不溶解な固形不純物(すす)を微細に分
散させて、粗大化せず、潤滑油の粘度が急増しないとい
う優れた効果を発揮することが明らかになった。すなわ
ち、実施例1の結果を例にとれば、すす平均粒径は、1
22nmであり、潤滑油の粘度増加率は、100℃にお
いて、34.7%であり、それ程増加していなく、長寿
命化を図れることが明らかである。同様に、実施例2〜
6も、油中に不溶解な固形不純物(すす)を微細に分散
させて、粗大化せず、潤滑油の粘度が急増しないという
優れた効果を発揮するものが得られている。
【0047】一方、比較例1では、本発明の必須成分の
一つである(B)全塩基価が特定範囲の塩基性カルシウ
ムスルホネートの替わりに、全塩基価が特定範囲外の塩
基性カルシウムスルホネートを配合した内燃機関用潤滑
油組成物を調製し、評価しているが、油中すす平均粒径
が粗大化し、潤滑油の粘度が急増しており、開発目標を
満足していない。また、比較例2では、本発明の必須成
分の一つである(A)重量平均分子量が特定量以上であ
るコハク酸イミドの替わりに、重量平均分子量が特定量
未満のコハク酸イミドを配合した内燃機関用潤滑油組成
物を調製し、評価しているが、油中すす平均粒径が粗大
化し、潤滑油の粘度が急増しており、開発目標を満足し
ていない。同様に、比較例3、4では、本発明の必須成
分である(B)塩基性カルシウムスルホネートの替わり
に、塩基性カルシウムフェネート又は塩基性カルシウム
サリシレートを配合しているが、いずれの場合も、油中
すす平均粒径が粗大化し、潤滑油の粘度が急増してお
り、開発目標を満足していない。また、比較例5〜9で
は、本発明の必須成分である(B)塩基性アルカリ土類
金属スルホネートと塩基性アルカリ土類金属サリシレー
ト又はフェネートのいずれかを配合しているが、該スル
ホネートと該サリシレート又はフェネートとの配合割合
が特定範囲でないため、いずれの場合も、比較例1〜4
と同様に、油中すす平均粒径が粗大化し、潤滑油の粘度
が急増しており、開発目標を満足していない。
【0048】これらから、潤滑油基油に、本発明の必須
成分である(A)重量平均分子量が特定量以上であるコ
ハク酸イミド、(B)全塩基価が特定範囲である塩基性
アルカリ土類金属スルホネート、又は該塩基性アルカリ
土類金属スルホネートと全塩基価が特定範囲である塩基
性アルカリ土類金属サリシレート若しくはフェネートの
いずれかとからなる金属清浄剤、及び(C)ジアルキル
ジチオリン酸亜鉛を、各々特定量配合しないと、油中に
不溶解な固形不純物(すす)が微細に分散せず、凝集
し、粗大化する。その結果、潤滑油の粘度が急増し、内
燃機関用潤滑油として高品質のものが得られないことが
明らかである。すなわち、潤滑油基油に、(A)重量平
均分子量が特定量以上であるコハク酸イミドと、(B)
全塩基価が特定範囲である塩基性アルカリ土類金属スル
ホネート、又は該塩基性アルカリ土類金属スルホネート
と全塩基価が特定範囲である塩基性アルカリ土類金属サ
リシレート若しくはフェネートのいずれかとからなる金
属清浄剤と、及び(C)ジアルキルジチオリン酸亜鉛
を、各々特定量配合することにより、油中に不溶解な固
形不純物(すす)を微細に分散させて、粗大化させず、
潤滑油の粘度が急増しないという優れた効果を発揮し、
長寿命である内燃機関用潤滑油組成物が得られることが
明らかになった。
【0049】
【発明の効果】本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、潤
滑油基油に、(A)重量平均分子量が特定量以上である
コハク酸イミドと、(B)全塩基価が特定範囲である塩
基性アルカリ土類金属スルホネート、又は該塩基性アル
カリ土類金属スルホネートと全塩基価が特定範囲である
塩基性アルカリ土類金属サリシレート若しくはフェネー
トのいずれかとからなる金属清浄剤と、及び(C)ジア
ルキルジチオリン酸亜鉛とを、各々特定量配合すること
により、油中に不溶解な固形不純物(すす)を微細に分
散させて、粗大化させず、潤滑油の粘度が急増しないと
いう優れた効果を発揮し、長寿命であるという優れた性
能を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 137/10 C10M 137/10 // C10N 10:04 C10N 10:04 30:02 30:02 40:25 40:25 (72)発明者 小鹿野 哲 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H104 BF03C BH07C DA02A DB06C DB07C EA03C EA22C EB02 FA02 LA02 PA41

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基
    油に、組成物全量基準で、(A)重量平均分子量が25
    00以上であるコハク酸イミドを窒素の量として0.0
    3〜0.12重量%と、(B)金属清浄剤として、全塩
    基価が200〜450mgKOH/gである塩基性アル
    カリ土類金属スルホネートを、金属清浄剤由来の全塩基
    価が6〜18mgKOH/gの範囲となる量と、及び
    (C)ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリンの量として
    0.04〜0.5重量%とを配合してなることを特徴と
    する内燃機関用潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 金属清浄剤として、さらに、全塩基価が
    100〜350mgKOH/gである塩基性アルカリ土
    類金属サリシレート又はフェネートを、金属清浄剤全体
    における該サリシレート又は該フェネートが全塩基価基
    準で、それぞれ多くとも40%又は20%となる量の割
    合で配合することを特徴とする請求項1記載の内燃機関
    用潤滑油組成物。
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