JP2001164007A - アルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム - Google Patents

アルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム

Info

Publication number
JP2001164007A
JP2001164007A JP35149299A JP35149299A JP2001164007A JP 2001164007 A JP2001164007 A JP 2001164007A JP 35149299 A JP35149299 A JP 35149299A JP 35149299 A JP35149299 A JP 35149299A JP 2001164007 A JP2001164007 A JP 2001164007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nylon
alcohol
copolymer
layer
shrink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35149299A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Zenigame
昌明 銭瓶
Kazuo Kondo
和夫 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okura Industrial Co Ltd filed Critical Okura Industrial Co Ltd
Priority to JP35149299A priority Critical patent/JP2001164007A/ja
Publication of JP2001164007A publication Critical patent/JP2001164007A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルコールで包装機械を消毒していたり、作業
者の手を消毒していても、或いは、包装体に除菌用のア
ルコールを噴霧しても白化を生じさせることのないアル
コール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを
得る。 【解決手段】 片方の表面層が、ナイロン−6とナイロ
ン−66との共重合体からなり、しかも、該表面層は、
含水処理された後に乾燥処理されている。好ましくは、
該表面層の含水処理後の含水率が7乃至15重量%、乾
燥処理後の含水率が5重量%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生鮮食品や加工食
品等を、袋詰めにしてシュリンク包装させる際や、トレ
ーに盛り付けてストレッチシュリンク包装する際に用い
られるガスバリヤー性シュリンクフィルムに関するもの
である。更に具体的には、包装工程で、包装機械をアル
コールで消毒したり、或いは、作業者の手をアルコール
で消毒したりする際に用いられるアルコール消毒可能な
ガスバリヤー性シュリンクフィルムに関するものであ
る。又、ショーケース等に陳列された商品の包装体にア
ルコールを噴霧して除菌させることのできる包装用のア
ルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生鮮食品や加工食品等の包装は、袋詰め
にしてシュリンクさせたり、或いは、トレイに盛り付け
て周囲をストレッチシュリンクさせたりする方法等がと
られている。そして、これらの包装体に用いられるシュ
リンクフィルムとしては、内容物の保存性に優れ、しか
も、破袋し難く、ピンホール等の発生し難いものが好ま
しい。そのためには、ガスバリヤー性を有し、機械的強
度が高く、耐ピンホール性に優れたポリアミド系樹脂を
少なくとも片方の表面層に用いることが好ましい。しか
も、包装体の内側に位置する表面層には、ヒートシール
性や自己密着性等を有する樹脂層を用いることが好まし
いので、ポリアミド系樹脂層は包装体の外側に位置する
表面層に設けられている。更に、該層に用いられるポリ
アミド系樹脂としては、シュリンク性、特に低温でのシ
ュリンク性を付与させるために、ナイロン−6とナイロ
ン66との共重合体が使用されている。
【0003】そして、これら生鮮食品や加工食品等のシ
ュリンク包装は、衛生面から、包装機械をアルコールで
消毒したり、作業者の手をアルコールで消毒したりして
行われている。又、ショーケース等に陳列されたこれら
商品の包装体は、時々、除菌のためにアルコールが噴霧
されている。尚、これら包装機械や作業者の手の消毒、
或は、包装体表面の除菌に用いられるアルコールとして
は、主成分がエタノールで、濃度が40乃至80容量%
のものが使用されている。
【0004】しかし、ナイロン−6とナイロン−66と
の共重合体は、エタノール溶液に溶解、膨潤し易いこと
が良く知られている。特に、濃度が60乃至80容量%
程度のエタノール溶液には溶解、膨潤し易いことが知ら
れている。そこで、ナイロン−6とナイロン−66との
共重合体がフィルムの表面に位置していると、包装工程
時に、該表面がアルコールの付着した包装機械に接触し
たり、或いは、アルコールの付着した手に触れたりする
と、その部分が白化して見苦しくなっていた。又、ナイ
ロン−6とナイロン−66との共重合体の層が包装体の
外側に位置していると、該フィルムで包装された商品に
除菌用のアルコールが噴霧された際に、該包装体の表面
にアルコールの液滴が付着し、その箇所が白化して商品
価値を低下させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガスバリヤ
ー性を有するシュリンクフィルムを用いたシュリンク包
装工程、或いは、ストレッチシュリンク包装工程におい
て、アルコールにより包装機械や作業者の手を消毒して
いても、包装用フィルムが白化しないようにしようとす
るものである。又、ガスバリヤー性を有するシュリンク
フィルムを用いたこれら包装体に、除菌用のアルコール
を噴霧しても包装体の表面に白化が生じないようにしよ
うなとするものである。しかも、シュリンク包装に必要
な、シュリンク性は勿論、ガスバリヤー性や機械的強
度、更には、耐ピンホール性をも備えたアルコール消毒
可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のアルコール消毒
可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムは、シュリン
ク包装体の外側に位置する表面層のナイロン−6とナイ
ロン−66との共重合体を含水処理させることにより耐
アルコール性を向上させ、これら課題を解決した。即
ち、片方の表面層が、ナイロン−6とナイロン−66と
の共重合体からなり、しかも、該表面層は、含水処理さ
れた後に乾燥処理されている。好ましくは、ナイロン−
6とナイロン−66との共重合体からなる表面層の含水
処理後の含水率が7乃至15重量%、乾燥処理後の含水
率が5重量%以下とする。更に好ましくは、芯層がエチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層からなり、片方
の表面層が、ナイロン−6とナイロン−66との共重合
体からなり、しかも、該表面層は、含水処理された後に
乾燥処理されており、もう一方の表面層が、ポリエチレ
ン系樹脂の層からなっている。
【0007】
【発明の実施態様】本発明のアルコール消毒可能なガス
バリヤー性シュリンクフィルムは、片方の表面層が、ナ
イロン−6とナイロン−66との共重合体からなり、し
かも、該表面層は、含水処理された後に乾燥処理されて
いる。
【0008】まず、本発明に用いられるナイロン−6と
ナイロン−66の共重合体としては、特に限定されるも
のではなく、従来、シュリンクフィルムに用いられてい
る共重合樹脂を使用することが出来る。例えば、ナイロ
ン−6とナイロン−66の共重合割合が85:15乃至
75:25(重量割合)の共重合体が好適に使用され
る。尚、本発明に用いられるナイロン−6とナイロン−
66の共重合体には、適宜、滑剤やアンチブロッキング
剤、或は、酸化防止剤等の添加剤を加えることができ
る。更に、該樹脂からなる表面層は、シュリンク性を有
していることがシュリンク包装仕上がりを良好にする面
から好ましい。
【0009】含水処理としては、該表面層の含水率を7
乃至15重量%にするのが好ましい。含水率が7重量%
に満たないと、耐アルコール性の改良効果が得られ難
く、15重量%を越えると、連続して含水処理を行うこ
とが困難になったり、乾燥処理時間が長くなったりす
る。含水処理するには、該表面層を温水糟等に浸漬させ
る等の簡単な方法で行え、しかも、短時間で所望の含水
率を得ることができる。例えば、温度55乃至65℃の
温水中に2乃至10秒間浸漬させることにより所望の含
水率を得ることができる。具体的には、製膜工程中に、
流れているフィルムを温水糟中に通すことにより含水処
理させることができる。
【0010】乾燥処理としては、含水処理により含水さ
せた水分を飛ばし、含水率を5重量%以下にするのが好
ましい。含水率が5重量%を越えていると、経時により
フィルムの変形が生じ易くなり、フラットなフィルムが
得られ難くなる。乾燥処理させるには、熱風を吹き付け
たり、乾燥炉に入れる等の簡単な方法で行える。例え
ば、50乃至100℃の温風乾燥炉中に5乃至20秒間
入れることにより、所望の含水率に乾燥させることがで
きる。具体的には、製膜工程中に、流れているフィルム
を温風乾燥炉中に通すことにより乾燥処理させることが
できる。
【0011】ナイロン−6とナイロン−66との共重合
体からなる表面層の厚みとしては、3乃至20μmが好
ましい。該層の厚みが3μmよりも薄くなると、機械的
強度や耐ピンホール性が劣るようになるばかりか、ガス
バリヤー性やシュリンク性も低下するので好ましくな
い。又、該層の厚みが20μmを越えると、包装機械適
性が低下したりストレッチ性が低下したりするばかり
か、含水処理や乾燥処理が困難になり、高速生産性に劣
るようになるなるので好ましくない。
【0012】好ましくは、本発明のアルコール消毒可能
なガスバリヤー性シュリンクフィルムの構成を、芯層が
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層からなり、
片方の表面層がナイロン−6とナイロン−66との共重
合体からなり、しかも、該表面層は含水処理された後に
乾燥処理されており、もう一方の表面層がポリエチレン
系樹脂の層からなるようにする。芯層にエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物の層を設けると、ガスバリヤー
性が更に向上するので、生鮮食品や加工食品等をシュリ
ンク包装した際により保存性が増す。芯層に用いるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物としては、エチレン
含有量が28乃至50モル%でケン化度が95%以上の
ものが好ましい。そして、該層の厚みとしては、1.0
乃至10μmが好ましい。該層の厚みが1.0μmより
も薄くなると、ガスバリヤー性の向上が見られず、内容
物の保存性が改良されない。又、10μmよりも厚くな
ると、シュリンク性を付与させるための延伸性が低下
し、良好なるシュリンク性を得ることが困難になる。
【0013】又、もう一方の表面層にポリエチレン系樹
脂を用いると、ヒートシール性を付与させることがで
き、包装が容易に行えるようになる。更には、ストレッ
チ性やフィルム同士の自己密着性等も付与させることも
できるので、ストレッチシュリンク包装にも好適であ
る。該層に用いるポリエチレン系樹脂としては、エチレ
ンホモポリマーは勿論、エチレンと他のモノマーとの共
重合体等を使用することができる。例えば、良好なるヒ
ートシール性を付与させるためであれば、エチレン−α
オレフィン共重合体(通称:直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂)等を使用するのが好ましい。又、フィルム同士の
自己密着性やトレーとの密着性を付与させるためであれ
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を使用するのが好
ましい。尚、該層に用いられるポリエチレン系樹脂に
は、本発明の主旨を変えない範囲で他の樹脂を混合させ
たり、防曇剤や酸化防止剤、或いは、滑剤やアンチブロ
ッキング剤等の添加剤を加えることができる。
【0014】該層の厚みとしては、4.0乃至50μm
が好ましい。該層の厚みが4.0μmよりも薄くなる
と、強固なヒートシールが得られ難くなったり、良好な
フィルム同士の自己密着性等が得られ難くなったりす
る。又、該層の厚みが50μmよりも厚くなると、製造
コストが高くなるばかりか、シュリンク性やストレッチ
性等の包装適性が低下し、包装仕上がりが悪くなる。
【0015】本発明のアルコール消毒可能なガスバリヤ
ー性シュリンクフィルムの好ましい具体的なフィルム構
成としては、片方の表面層から順に、ナイロン−6とナ
イロン−66との共重合体/エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物/直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げら
れ、厚み構成としては上記構成順に3.0〜20μm/
1.0〜10μm/4.0〜50μmが好適である。そ
して、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層と直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂の層との間に、層間接着性
を向上させるために接着性樹脂の層、例えば、無水マレ
イン酸変成ポリエチレン系樹脂等から成る層を挿入させ
ることが好ましく、該層の厚みとしては、1.0乃至
5.0μmが好適である。又、含水処理時にエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物層が含水するのを押さえる
ために、或いは、包装体の外部からの透湿によるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のガスバリヤー性の低
下を押さえるために、表面層のナイロン−6とナイロン
−66との共重合体の層とエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物の層との間に、上記のようなポリオレフィン
系接着樹脂の層を挿入させることが好ましい。
【0016】本発明のアルコール消毒可能なガスバリヤ
ー性シュリンクフィルムを製造する方法としては、ポリ
エチレン系樹脂等からなるシュリンクフィルムの片面
に、ナイロン−6とナイロン−66との共重合体からな
り、含水処理と乾燥処理が施されたフィルム、好ましく
は、含水処理と乾燥処理が施されたシュリンクフィルム
を貼り合わせること等によって得ることができる。尚、
貼り合わせるナイロン−6とナイロン−66との共重合
体からなるフィルム、或いは、シュリンクフィルムが含
水処理と乾燥処理が施されていない場合には、貼り合わ
せてから含水処理と乾燥処理を行うこともできる。
【0017】好ましくは、ナイロン−6とナイロン66
との共重合体の層が表面層となるように、別の樹脂から
なる層と積層させた積層未延伸シートを共押出し、得ら
れた積層未延伸シートを延伸処理してシュリンク性を付
与させる。ナイロン−6とナイロン−66との共重合体
の表面層に積層させる別の樹脂からなる層としては、前
記した如く、ポリオレフィン系樹脂からなる単層は勿
論、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層、接着性
樹脂層、更に、ポリオレフィン樹脂層等からなる多層が
挙げられる。更に、ポリオレフィン系樹脂としては、前
記した如く、ポリエチレン系樹脂が好適である。
【0018】積層未延伸シートの延伸方法としては、特
に限定されるものではないが、高い熱収縮率と、縦方向
と横方向のシュリンク特性が均一なフィルムを得るため
には、インフレーション二軸延伸方法によって延伸加工
させるのが好ましい。インフレーション二軸延伸させる
ためには、積層未延伸シートはチューブ状であることが
必要であり、そのためには、積層未延伸チューブは複数
の押出機と多層サーキュラーダイを用いて成形すること
が必要である。
【0019】更に、表面層のナイロン−6とナイロン−
66との共重合体に耐アルコール性を付与させるため
に、延伸加工されたフィルムを温水槽中に通して含水処
理させた後に温風乾燥炉中を通過して乾燥処理させて、
アルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィル
ムを得る。
【0020】
【作用】本発明のアルコール消毒可能なガスバリヤー性
シュリンクフィルムは、表面層の耐アルコール性に劣る
ナイロン−6とナイロン−66との共重合体に含水処理
と乾燥処理を施すことにより耐アルコール性を向上さ
せ、包装機械や作業者の手に消毒用のアルコールが付着
しても、又、除菌のために包装体の表面にアルコールが
噴霧されても、フィルム表面を溶解させたり膨潤させた
りしないようにしているので、白化現象を起こすことが
ない。尚、ナイロン−6とナイロン66との共重合体、
更に具体的には、ナイロン−6とナイロン66との共重
合体からなる延伸フィルムは、含水処理と乾燥処理を施
すことにより、耐アルコール性が付与されると云う特異
な効果を生じさせているが、その理由は明らかでない。
【0021】又、本発明のアルコール消毒可能なガスバ
リヤー性シュリンクフィルムは、表面層のナイロン−6
とナイロン−66との共重合体がシュリンク性に優れて
いるので、良好なるシュリンク性を付与させることがで
きる。更に、表面層にナイロン−6とナイロン−66と
の共重合体層を設けているので、ガスバリヤー性は勿
論、機械的強度や耐ピンホール性等も付与させることが
できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例、及び、比較例を示し、本発明
の内容をより具体的に説明する。尚、本発明は実施例に
記載された内容によってのみ限定されるものでないこと
は明らかである。 〔実施例1〕チューブの外面から、ナイロン−6とナイ
ロン−66との共重合体/ポリエチレン系接着樹脂/エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物/ポリエチレン系
接着樹脂/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる積層
未延伸チューブを、4台の押出機と4種5層のサーキュ
ラーダイを用いて共押出した。尚、ナイロン−6とナイ
ロン66との共重合体としては、宇部興産製“UBEナ
イロン5034B”を、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物としては、日本合成製“ソアノールAT440
3”を、ポリエチレン系接着樹脂としては、三井化学製
“アドマーNF550”を、更に、直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂としては、住友化学製“スミカセンFV20
3”を用いた。
【0023】得られた積層未延伸チューブをインフレー
ション二軸延伸方法により縦方向、横方向共に、3.5
倍延伸し、その後、60℃の温水槽中を5秒間で通過さ
せて含水処理した後、80℃の熱風乾燥炉中を10秒間
で通過させて乾燥処理を行い、更に、チューブ状フィル
ムをフラット化させるスリッター加工を施して、アルコ
ール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを得
た。尚、ナイロン−6とナイロン66との共重合体から
なる表面層の含水率は、温水槽中を通過させた直後が1
0重量%で、熱風乾燥炉中を通過させた直後が3重量%
であった。
【0024】得られたアルコール消毒可能なガスバリヤ
ー性シュリンクフィルムの厚みは、ナイロン−6とナイ
ロン−66との共重合体層が8μm、ポリエチレン系接
着樹脂層が2μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物層が2μm、ポリエチレン系接着樹脂層が2μm、
そして、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層が10μmで
あり、熱収縮率は、100℃の温水中で縦方向30%、
横方向30%であった。
【0025】このアルコール消毒可能なガスバリヤー性
シュリンクフィルムを用い、ナイロン−6とナイロン−
66との共重合体の層が包装体の外側に位置するよう
に、トレーに盛り付けられたスライスハムのストレッチ
シュリンク包装を行った。その結果、該フィルムは、シ
ュリンク性とストレッチ性に優れ、良好なるストレッチ
シュリンク包装体を得ることができた。しかも、消毒の
ために包装機械に塗布されたアルコールや、作業者の手
についていた消毒用のアルコールが、該フィルム表面の
ナイロン−6とナイロン−66との共重合体層に付着し
ても、その部分が白化して見苦しい包装体になるような
ことはなかった。又、得られたストレッチシュリンク包
装体の表面に、除菌用のアルコールを噴霧したが、該液
滴が付着した箇所が白化するようなこともなく、商品価
値を低下させるものではなかった。
【0026】尚、上記包装機械や作業者の手の消毒用、
更には、包装体表面の除菌用のアルコールには、濃度が
80容量%のエタノールを使用した。又、得られたスト
レッチシュリンク包装体は、ガスバリヤー性が良好で、
内容物であるスライスハムの保存性に優れ、しかも、シ
ュリンク性とストレッチ性が良好で、ストレッチシュリ
ンク包装仕上がりに優れていた。更に、該包装体は、落
下させても破袋するようなこともなく、しかも、包装体
同士が擦れ合ってもピンホール等を発生させるようなこ
ともなかった。
【0027】〔比較例1〕実施例1におけるアルコール
消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムの製膜に
おいて、含水処理と乾燥処理を行わない以外は、実施例
1と同様な方法によって、アルコール消毒可能なガスバ
リヤー性シュリンクフィルムを得た。得られたアルコー
ル殺菌可能なガスバリヤー性シュリンフィルムの厚み
は、実施例1と同様、ナイロン−6とナイロン−66と
の共重合体層が8μm、ポリエチレン系接着樹脂層が2
μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層が2μ
m、ポリエチレン系接着樹脂層が2μm、そして、直鎖
状低密度ポリエチレン樹脂層が10μmであり、熱収縮
率は、100℃の温水中で縦方向35%、横方向35%
であった。尚、ナイロン−6とナイロン66との共重合
体からなる表面層の含水率は3重量%であった。
【0028】このアルコール消毒可能なガスバリヤー性
シュリンクフィルムを用い、実施例1と同様、ナイロン
−6とナイロン−66との共重合体の層が包装体の外側
に位置するように、トレーに盛り付けられたスライスハ
ムのストレッチシュリンク包装を行った。その結果、該
フィルムは、シュリンク性とストレッチ性に優れ、良好
なるストレッチシュリンク包装体を得ることができた。
しかし、消毒のために包装機械に塗布されたアルコール
や、作業者の手についていた消毒用のアルコールが、該
フィルム表面のナイロン−6とナイロン−66との共重
合体層に付着し、その部分が白化して見苦しい包装体に
なった。又、得られたストレッチシュリンク包装体の表
面に、除菌用のアルコールを噴霧しても、該液滴が付着
した箇所が白化し、商品価値を大幅に低下させるもので
あった。
【0029】上記包装機械や作業者の手の消毒用、更に
は、包装体表面の除菌用のアルコールには、実施例1と
同様、濃度が80容量%のエタノールを使用した。尚、
得られたストレッチシュリンク包装体は、アルコールに
よる白化を除くと、シュリンク性とストレッチ性が良好
で、ストレッチシュリンク包装仕上がりに優れ、しか
も、ガスバリヤー性も良好で、内容物であるスライスハ
ムの保存性にも優れていた。又、該包装体は、落下させ
ても破袋するようなこともなく、しかも、包装体同士が
擦れ合ってもピンホール等を発生させるようなこともな
かった。
【0030】
【効果】本発明のアルコール消毒可能なガスバリヤー性
シュリンクフィルムは、消毒用のアルコールが付着して
も白化を生じさせることがないので、アルコールによっ
て包装機械を消毒したり、作業者の手を消毒したりする
ことができ、生鮮食品や加工食品を衛生的にシュリンク
包装、或は、ストレッチシュリンク包装することができ
る。しかも、得られた包装体の表面に除菌用のアルコー
ルを噴霧しても白化を生じさせることがないので、ショ
ウケース等に陳列した商品を衛生的に、しかも、商品価
値を低下させることなく維持保管することができる。更
に、本発明のアルコール消毒可能なガスバリヤー性シュ
リンクフィルムは、シュリンク性やガスバリヤー性は勿
論、機械的強度や耐ピンホール性にも優れ、シュリンク
包装やストレッチシュリンク包装に要求される特性を備
えているので、包装仕上がりが良好で、しかも、強度に
優れた包装体を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 B65D 65/40 D 71/08 71/08 A Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 BA12A BA17A BB14A BB25A BC04A CA01 CA04 CA16 CA24 FB01 FC01 GD07 3E086 AA01 AC07 AC22 AC40 AD01 BA02 BB51 BB67 BB74 CA01 CA15 4F073 AA16 BA29 BB01 EA11 GA01 HA15 4F100 AK04C AK04G AK48A AK63 AK69B AL01A AL07G BA03 BA07 BA10A BA10C EH20 EH202 EJ38 EJ382 EJ86A GB15 JD02 JD02A YY00A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片方の表面層が、ナイロン−6とナイロ
    ン−66との共重合体からなり、しかも、該表面層は、
    含水処理された後に乾燥処理されていることを特徴とす
    るアルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 ナイロン−6とナイロン−66との共重
    合体からなる表面層の含水処理後の含水率が7乃至15
    重量%、乾燥処理後の含水率が5重量%以下であること
    を特徴とする請求項1に記載されたアルコール消毒可能
    なガスバリヤー性シュリンクフィルム。
  3. 【請求項3】 芯層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
    ン化物の層からなり、片方の表面層が、ナイロン−6と
    ナイロン−66との共重合体からなり、しかも、該表面
    層は、含水処理された後に乾燥処理されており、もう一
    方の表面層が、ポリエチレン系樹脂の層からなることを
    特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載されたアル
    コール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム。
JP35149299A 1999-12-10 1999-12-10 アルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム Pending JP2001164007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35149299A JP2001164007A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 アルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35149299A JP2001164007A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 アルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001164007A true JP2001164007A (ja) 2001-06-19

Family

ID=18417672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35149299A Pending JP2001164007A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 アルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001164007A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4931319B2 (ja) 低温耐衝撃性ポリアミド系延伸配向多層フィルムおよびその製造方法
JP4864177B2 (ja) 延伸多層フィルムケーシング
RU2658045C2 (ru) Многослойные термоусадочные пленки с барьерным слоем из пвдх
CA2642503C (en) Heat shrinkable multilayer film and packaging material using the same
JP5340263B2 (ja) 食品包装用ポリアミド系多層チューブ
EP2691233B1 (en) Multilayer heat-shrinkable asymmetrical film
JP4889075B2 (ja) 深絞り包装用多層フィルムおよびそれからなる深絞り包装用容器
JP4769602B2 (ja) 蓋材
AU2018210069A1 (en) Heat-shrinkable multilayer film
JP4397461B2 (ja) 二軸延伸多層フィルム
AU2019278185B2 (en) Heat shrinkable multilayer film
JP2001164007A (ja) アルコール消毒可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム
JP4268293B2 (ja) アルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム
JP4868659B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP3710965B2 (ja) 積層体の製造方法
EP3609957B1 (en) High-shrink, high-strength multilayer film containing three-component blend
JP4768006B2 (ja) 延伸多層フィルムケーシングの製造方法
JPH1143572A (ja) 樹脂組成物およびその積層体
NZ616037B2 (en) Multilayer heat-shrinkable asymmetrical film
JP2000007794A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の成形物
JP2016049707A (ja) 食品包装深絞り用共押出フィルム
JP2001277371A (ja) 積層体の製造方法