JP2001163932A - 材料表面を改質する方法 - Google Patents

材料表面を改質する方法

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JP2001163932A JP2000316085A JP2000316085A JP2001163932A JP 2001163932 A JP2001163932 A JP 2001163932A JP 2000316085 A JP2000316085 A JP 2000316085A JP 2000316085 A JP2000316085 A JP 2000316085A JP 2001163932 A JP2001163932 A JP 2001163932A
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Peter Chabrecek
シャブレチェク ペーター
Dieter Lohmann
ローマン ディーター
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • C08J7/12Chemical modification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08J7/12Chemical modification
    • C08J7/16Chemical modification with polymerisable compounds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物医学材料、特に長期装用コンタクトレン
ズを含むコンタクトレンズのような製品表面の新規な被
覆方法を提供すること。 【解決手段】 (a)重合開始剤基を、材料表面に共有
結合させる工程;(b)反応性基を有するビニルモノマ
ーを、開始剤−改質された材料表面上にグラフト重合さ
せ、それにより反応性基を含む1次ポリマー被覆を準備
する工程;及び(c)1次ポリマーの反応性基を、1次
ポリマー被覆の反応性基と共反応性である官能基を有す
る親水性テロマーと反応させる工程を含む、材料表面の
被覆方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、被覆が基質への付着、耐久性、
親水性、湿潤性、生物適合性及び浸透性に関する所望の
特性を有するポリマーを含む、被覆された製品を製造す
る方法に関する。更に詳細には、本発明は、例えば、生
物医学材料又は製品、特に長期装用のコンタクトレンズ
を含むコンタクトレンズのような製品(ここで、製品
は、つながれた「毛のような」の鎖からなる「ビン−ブ
ラシ」型の構造を有するポリマーで少なくとも部分的に
被覆されている)の表面の改質の方法に関する。
【0002】基質上にポリマー性の被覆を調製する種々
の異なる方法が、先行技術に開示されている。例えば、
米国特許第5,527,925号は、官能化された光開始剤及び
その表面に共有的に結合された該光開始剤を含むコンタ
クトレンズのような有機の基質を記載している。該開示
の一つの実施態様において、コンタクトレンズのそのよ
うな改質された表面は、照射により重合され、それによ
り新規な基質表面を形成する光重合性のエチレン性不飽
和モノマーで更に被覆されている。しかしながら、この
方法において、所望の被覆特性、例えば湿潤特性(それ
は、コンタクトレンズを含む生物医学装置の表面では必
要な性質である)を得ることが、常に可能ではない。多
くの生物医学装置の適用のための重要な特徴である、特
に、水性溶液の連続層、例えば涙又は粘液層のようなヒ
トの体液の連続層を引き付けかつ安定化するための、既
知の材料の能力は、まだ満足なものではない。
【0003】驚くべきことに、改善された、湿潤性、水
−保持能力及び生物適合性を有する、製品類、特にコン
タクトレンズのような生物医学装置が、先ず、共有結合
されている光開始剤分子を有する製品表面を準備し、次
いで反応性基を含む特定のエチレン性モノマー類を、材
料表面上にグラフト重合させ、最後に、材料表面上に発
生させたつながれたポリマー鎖の反応性基を、ポリマー
鎖の反応性基と共反応姓である官能基を有する親水性の
部分と反応させることにより得られることが、今、見出
された。
【0004】したがって、本発明は、一つの特徴におい
て、材料表面を被覆する方法であって、(a)重合開始
剤基を、材料表面に共有結合させる工程;(b)反応性
基を有するビニルモノマーを、開始剤−改質された材料
表面上にグラフト重合させ、それにより反応性基を含む
1次ポリマー被覆を準備する工程;及び(c)1次ポリ
マー被覆の反応性基を、1次ポリマー被覆の反応性基と
共反応性である官能基を有する親水性テロマーと反応さ
せる工程を含む方法に関する。
【0005】本発明の方法により被覆することができる
材料の例は、石英、セラミックス、ガラス類、珪酸塩鉱
物類、シリカゲル類、金属類、金属酸化物類、グラファ
イト又はガラス状炭素のような炭素材料類、天然若しく
は合成有機ポリマー類、又はラミネート類、該材料の複
合材若しくは配合物、特に数多く知られている天然若し
くは合成有機ポリマー類である。ポリマー類のそのよう
な例は、重付加及び重縮合ポリマー類(ポリウレタン
類、エポキシ樹脂類、ポリエーテル類、ポリエステル
類、ポリアミド類及びポリイミド類);ビニルポリマー
類(ポリアクリラート類、ポリメタクリラート類、ポリ
スチレン、ポリエチレン及びそれらのハロゲン化誘導体
類、ポリビニルアセタート及びポリアクリロニトリ
ル);エラストマー類(シリコーン類、ポリブタジエン
及びポリイソプレン);又は改質若しくは非改質バイオ
ポリマー類(コラーゲン、セルロース、キトサンなど)
である。
【0006】被覆されるべき材料の好適なグループは、
生物医学装置、例えばコンタクトレンズ、特に長期装用
コンタクトレンズ(それは、それ自体、親水性ではな
い)の製造に通常用いられるそれらである。そのような
材料は、当業者に既知であり、例えばポリシロキサン
類、ペルフルオロポリエーテル類、フルオロ化ポリ(メ
タ)アクリラート類又は例えば他の重合性カルボン酸類
から誘導された等価のフルオロ化ポリマー類、又はポリ
アルキル(メタ)クリラート類若しくは他の重合性カル
ボン酸類から誘導された等価のアルキルエステルポリマ
ー類、又はフルオロ化ポリオレフィン類、例えばフルオ
ロ化エチレンプロピレン若しくはテトラフルオロエチレ
ン、好適には特定のジオール類、例えばペルフルオロ−
2,2−ジメチル−1,3−ジオールと組み合わせての
ものを含むことができる。適切なバルク材料の例は、例
えばLotrafilcon A、Neofocon、Pasifocon、Telefoco
n、Silafocon、Fluorsilfocon、Paflufocon、Silafoco
n、Elastofilcon、Fluorofocon又はTeflon AF 材料、例
えば Teflon AF 1600 若しくは Teflon AF 2400(これ
らは、約63〜73モル%のペルフルオロ−2,2−ジ
メチル−1,3−ジオキソール及び約37〜27モル%
のテトラフルオロエチレン、又は約80〜90モル%の
ペルフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソー
ル及び約20〜10モル%のテトラフルオロエチレンの
コポリマーである)である。
【0007】被覆されるべき材料の好適な他のグループ
は、生物医学装置、例えばコンタクトレンズ(これは、
反応性基、例えば、カルボキシ、カルバモイル、スルフ
ァート、ホスファート、アミン、アンモニウム又はヒド
ロキシ基が、材料中、及びしたがってそれから製造され
ている生物医学装置の表面に、本来的に存在しているの
で、それ自体、親水性である)を製造するために通常使
用されるそれらである。そのような材料は、当業者に既
知であり、例えば、ポリヒドロキシエチルアクリラー
ト、ポリヒドロキシエチルメタクリラート(HEM
A)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリジメ
リルアクリルアミド(DMA)、ポリビニルアルコール
又はヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシエチル
メタクリラート、N−ビニルピロリドン、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド、ビニルアルコールなどの群からのモノマーの2種又
は3種以上からのコポリマー類を含む。典型的な例は、
例えばPolymacon、Tefilcon、Methafilcon、Deltafilco
n、Bufilcon、Phemfilcon、Ocufilcon、Focofilcon、Et
afilcon、Hefilcon、Vifilcon、Tetrafilcon、Perfilco
n、Droxifilcon、Dimefilcon、Isofilcon、Mafilcon、N
elfilcon又はAtlafilconである。
【0008】被覆されるべき材料の更に好適な他のグル
ープは、少なくとも一つの疎水性セグメント及び少なく
とも一つの親水性セグメント(それらは、結合又は橋員
を通して結合している)を含む両親和性のセグメント化
コポリマーである。例は、シリコンヒドロゲル類、例え
ばPCT出願、WO 96/31792及びWO 97/49740(これらは、
参照としてここに組み入れられている)に開示されてい
る。
【0009】被覆されるべき材料は、腎臓透析膜、血液
貯蔵袋、ペースメーカーの導線類又は血管移植片の製造
のために通常用いられる、いかなる血液接触材料である
こともある。例えば、その表面上で改質されるべき材料
は、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリビニルクロリド、Dacron(登
録商標)又はそれから調製された複合材であることがで
きる。
【0010】更に、被覆されるべき材料は、また、適切
な反応性基を有するか又は有しない、無機又は金属に基
づく材料、例えばセラミックス、石英、又は金属、例え
ばシリコン又は金、あるいは他のポリマー性又は非−ポ
リマー性基質を含むことができる。例えば移植可能な生
物医学適用、セラミックス、又は多糖類のような材料を
含む炭水化物は、非常に有用である。更に、例えばバイ
オセンサー目的のために、デキストリン被覆ベース材料
は、もし被覆の構造が十分に制御されるならば、非特異
的結合効果を減少させると期待される。バイオセンサー
は、金、石英又は他の非−ポリマー性基質の上に多糖類
を必要としてもよい。
【0011】被覆されるべき材料の形態は、広い範囲で
変えることができる。例は、粒子、顆粒、カプセル、繊
維、管、フィルム又は膜、好適には眼科用成形品、特に
コンタクトレンズのようなあらゆる種類の成形品であ
る。
【0012】初めの状態で、被覆されるべき材料は、そ
の表面に共有的に結合されているラジカル重合のための
開始剤部分を有する。本発明の好適な実施態様により、
開始剤部分は、改質すべき材料の表面に材料表面の官能
基の開始剤分子の反応性基との反応を介してその表面上
に共有的に結合されている。
【0013】適切な官能基は、その表面上で改質すべき
材料の表面に本来的(先天的に)に存在していることが
できる。基質が反応性基を過度に少なく含むか又は含ま
ないならば、材料表面は、それ自体既知の方法、例えば
プラズマ化学方法(例えば、WO 94/06485を参照)、又は
生成された−OH、−NH2、若しくは−CO2Hのよう
な基での慣用の官能化により改質することができる。適
切な官能基は、当業者に周知の広い範囲の基から選択さ
れることができる。典型的な例は、例えばヒドロキシ
基、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルデヒ
ド基、スルホン酸基、スルホニルクロリド基、イソシア
ナト基、カルボキシ無水物基、ラクトン基、アズラクト
ン基、エポキシ基であり、基は、アミノ若しくはヒドロ
キシ基、ハロ基又はそれの混合物により置換され得る。
アミノ基及びヒドロキシ基が好適である。
【0014】被覆されるべき材料の表面に結合された重
合開始剤は、典型的にはエチレン性不飽和化合物のラジ
カル重合を開始するそれらである。重合は、熱的又は好
適には照射により誘導することができる。
【0015】適切な熱重合開始剤は、当業者に既知であ
り、例えばペルオキシド類、ヒドロペルオキシド類、ア
ゾ−ビス(アルキル−若しくはシクロアルキルニトリル
類)、ペルスルファート類、ペルカーボナート類又はそ
れらの混合物を含む。例は、ベンゾイルペルオキシド、
tert.−ブチルペルオキシド、ジ−tert.−ブチル−ジペ
ルオキシフタラート、tert.−ブチルヒドロペルオキシ
ド、アゾ−ビス(イソブチロニトリル)、1,1′−ア
ゾ−ビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,
2′−アゾ−ビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、4,4′−アゾ−ビス(4−シアノバレリアン
酸)などである。熱開始剤は、それ自体既知の方法、例
えばEP-A-0378511に記載されているように、バルク材料
の表面に結合されることができる。
【0016】放射−誘導重合のための開始剤は、特に、
光開始剤部分を有する官能性光開始剤及び更に材料表面
の官能基、特に−OH、−NH2、エポキシ、カルボキ
シ無水物、アルキルアミノ、−COOH又はイソシアナ
ト基と共反応性である官能基を有する官能性開始剤であ
る。光開始剤部分は、異なるタイプ、例えばチオキサン
トンタイプ及び好ましくはベンゾインタイプであること
ができる。バルク材料の表面と共反応性である適切な官
能基は、例えばカルボキシ、ヒドロキシ、エポキシ又は
イソシアナト基である。
【0017】本発明で用いる好適な重合開始剤は、米国
特許第 5,527,925号に開示されている式(I)及び(I
a)の光開始剤、PCT 出願 WO 96/20919に開示されてい
る式(I)のそれら、又はEP-A-0281941に開示されてい
る式(IIa)−(IIy)を含む式(II)及び(III)の
それら、特にそれらのなかの式(IIb)、(IIi)、(II
m)、(IIn)、(IIp)、(IIr)、(IIs)、(IIx)及
び(IIIg)のものである。該式の変法のために与えられ
る定義及び参照類を含む該3つの文献の関連部部分は、
参照として含まれる。
【0018】重合開始剤部分は、好適には、式(1
a)、(1b)又は(1c):
【0019】
【化16】
【0020】(式中、Zは、二価の、−O−、−NH−
又は−NR12−であり;Z1は、−O−、−O(O)C
−、−C(O)−O−又は−O−C(O)−O−であ
り;R3は、H、C1−C12−アルキル、C1−C12−ア
ルコキシ又はN−C1−C12−アルキルアミノであり;
4及びR5は、それぞれ他と独立して、H、直鎖若しく
は分岐C1−C8−アルキル、C1−C8−ヒドロキシアル
キル若しくはC6−C10−アリールであるか、又は基R4
−(O)b1−及びR4−(O)b2−は、一緒になって、−
(CH2)c−(ここで、cは、3〜5の整数である)で
あるか、又は基R4−(O)b1−、R4−(O)b2−及びR
5−(O1)b3−は、一緒になって、下記式:
【0021】
【化17】
【0022】の基であり;R2は、直接結合又は直鎖若
しくは分岐C1−C8−アルキレン(これは、非置換又は
−OHで置換され、及び/又は中断されていないか又は
−O−、−OC(O)−若しくは−O−C(O)−O−
の基の1個以上により中断されている)であり;R
1は、分岐C3−C18−アルキレン、非置換若しくはC1
−C4−アルキル−若しくはC1−C4−アルコキシ−置
換C6−C10−アリーレン、又は非置換若しくはC1−C
4−アルキル−若しくはC1−C4−アルコキシ−置換C7
−C18−アラルキレン、非置換若しくはC1−C4−アル
キル−若しくはC1−C4−アルコキシ−置換C3−C8
シクロアルキレン、非置換若しくはC1−C4−アルキル
−若しくはC1−C4−アルコキシ−置換C3−C8−シク
ロアルキレン−Cy2y−又は非置換若しくはC1−C4
−アルキル−若しくはC1−C4−アルコキシ−置換−C
y2y−(C3−C8−シクロアルキレン)−Cy2y
(ここで、yは、1〜6の整数である)であり;R
6は、独立してR1と同じ定義を有するか、又は直鎖C3
−C18−アルキレンであり;R12は、直鎖又は分岐C1
−C6−アルキルであり;Tは、二価の、−O−、−N
H−、−S−、C1−C8−アルキレン又は下記式:
【0023】
【化18】
【0024】の基であり;Z2は、直接結合又は−O−
(CH2)d−(ここで、dは、1〜6の整数であり、そ
して末端のCH2基は、式(1c)の隣接のTに結合し
ている)であり;R8は、直鎖若しくは分岐C1−C8
アルキル、C2−C8−アルケニル又はC6−C10−アリ
ール−C1−C8−アルキルであり;R9は、R8と独立し
て、R8と同じ定義を有するか、又はC6−C10−アリー
ルであるか;あるいはR8及びR9は、一緒になって、−
(CH2)e−(ここで、eは、2〜6の整数である)で
あり;R10及びR11は、それぞれ他と独立して、直鎖若
しくは分岐C1−C8アルキル(これは、C1−C4−アル
コキシにより置換されていてもよい)、又はC6−C1 0
−アリール−C1−C8−アルキル若しくはC2−C8−ア
ルケニルであるか;あるいはR10及びR11は、一緒にな
って、−(CH2)f1−Z3−(CH2)f2−(ここで、Z3
は、直接結合、−O−、−S−又は−NR7−であり、
そしてR7は、H又はC1−C8−アルキルであり、そし
てf1及びf2は、それぞれ他と独立して、2〜4の整
数である)であり;R13及びR13′は、それぞれ他と独
立して、H、C1−C8−アルキル、C3−C8−シクロア
ルキル、ベンジル又はフェニルであり;そしてa、b
1、b2及びb3は、それぞれ他と独立して、0又は1
であるが;但しR5がHのときにはb1及びb2は、そ
れぞれ0であり;(b1+b2+b3)の合計は、2を
超えず、そしてR2が直接結合であるとき、aは0であ
る)で示される官能性光開始剤から誘導される。
【0025】式(1a)又は(1b)の化合物の好適な
下位の群は、b1及びb2がそれぞれ0であり;Z及び
1が、それぞれ二価の−O−であり;b3が、0又は
1であり;R4が、C1−C4−アルキル若しくはフェニ
ルであるか、又は両方の基R4が、一緒になって、テト
ラメチレン又はペンタメチレンであり;R5が、C1−C
4−アルキル又はHであり;R3が、水素であり;a及び
a1が、それぞれ独立して、0又は1であり;R2が、
直鎖又は分岐C2−C4−アルキレンであるか、又はaが
0のとき直接結合であり;R1が、分岐C5−C10−アル
キレン、フェニレン若しくは1〜3個のメチル基で置換
されたフェニレン、ベンジレン若しくは1〜3個のメチ
ル基で置換されたベンジレン、シクロヘキシレン若しく
は1〜3個のメチル基で置換されたシクロヘキシレン、
シクロヘキシル−Cy2y−又は−Cy2y−シクロヘキ
シレン−Cy2y−若しくは1〜3個のメチル基により
置換された、シクロヘキシレン−Cy2y−若しくは−
y2y−シクロヘキシレン−Cy2y−であり、そして
yは1又は2である、それらである。
【0026】式(1a)又は(1b)の化合物の特に好
適な下位の群は、b1及びb2がそれぞれ0であり;Z
及びZ1が、それぞれ二価の−O−であり;b3が、0
又は1であり;R4が、メチル若しくはフェニルである
か、又は両方の基R4が、一緒になって、ペンタメチレ
ンであり;R5が、メチル又はHであり;R3が、水素で
あり;aが、1でありそしてR2が、エチレンである
か、又はaが0であり、そしてR2が、直接結合であ
り;a1が、0又は1であり;そしてR1が、分岐C6
10−アルキレン、フェニレン若しくは1〜3個のメチ
ル基で置換されたフェニレン、ベンジレン若しくは1〜
3個のメチル基で置換されたベンジレン、シクロヘキシ
レン若しくは1〜3個のメチル基で置換されたシクロヘ
キシレン、又はシクロヘキシレン−CH2−若しくは1
〜3個のメチル基により置換されたシクロヘキシレン−
CH2−である、それらである。
【0027】式(1c)の好適な下位群は、Tが、二価
の、−O−、−NH−、−S−又は−(CH2)y−(こ
こで、yは、1〜6の整数である)であり;Z2が、直
接結合又は−O−(CH2)y−(ここで、yは、1〜6
の整数であり、そして末端のCH2基は、式(1c)の
隣接Tに結合されている)であり;R3が、H、C1−C
1 2−アルキル又はC1−C12−アルコキシであり;R
8が、直鎖C1−C8−アルキル、C2−C8−アルケニル
又はC6−C10−アリール−C1−C8−アルキルであ
り;R9が、R8と独立して、R8と同義であるか、若し
くはC6−C10−アリールであるか、あるいはR8及びR
9は、一緒になって、−(CH2)e−(ここで、eは、
2〜6の整数である)であり;R10及びR11が、それぞ
れ他と独立して、直鎖又は分岐C1−C8−アルキル(こ
れは、C1−C4−アルコキシにより置換されていること
ができる)、又はC6−C10−アリール−C1−C8−ア
ルキル若しくはC2−C8−アルケニルであるか;あるい
はR10及びR11が、一緒になって、−(CH2)f1−Z3
−(CH2)f2−(ここで、Z3は、直接結合、−O−、
−S−又は−NR7−であり、R7は、H又はC1−C8
アルキルであり、f1及びf2は、それぞれ他と独立し
て、2〜4の整数であり;そしてR6が、分岐C6−C10
アルキレン、フェニレン若しくは1〜3個のメチル基で
置換されたフェニレン、ベンジレン若しくは1〜3個の
メチル基で置換されたベンジレン、シクロヘキシレン若
しくは1〜3個のメチル基で置換されたシクロヘキシレ
ン又はシクロヘキシレン−CH2−若しくは1〜3個の
メチル基により置換されたシクロヘキシレン−CH2
である、それらである。
【0028】式(1c)の特に好適な下位群は、Tが、
二価の−O−であり;Z2が、−O−(CH2y−(こ
こで、yは、1〜4の整数であり、そして末端のCH2
基は、式(1c)の隣接Tに結合されている)であり;
3が、Hであり;R8が、メチル、アリル、トリルメチ
ル又はベンジルであり;R9が、メチル、エチル、ベン
ジル若しくはフェニルであるか、又はR8及びR9が、一
緒になって、ペンタメチレンであり;R10及びR11が、
それぞれ他と独立して、C1−C8−アルキルであるか、
又はR10及びR11が、一緒になって、−CH2CH2OC
2CH2−であり;そしてR6が、分岐C6−C10アルキ
レン、フェニレン若しくは1〜3個のメチル基で置換さ
れたフェニレン、ベンジレン若しくは1〜3個のメチル
基で置換されたベンジレン、シクロヘキシレン若しくは
1〜3個のメチル基で置換されたシクロヘキシレン、シ
クロヘキシレン−CH2−若しくは1〜3個のメチル基
により置換されたシクロヘキシレン−CH2−である、
それらである。
【0029】特に好適な官能性光開始剤のいくつかの例
は、式(11a)、(11b)又は(11c):
【0030】
【化19】
【0031】(式中、R22は、下記式:
【0032】
【化20】
【0033】のいずれかの基である)で示される化合物
である。
【0034】本発明の好適な実施態様において、無機又
は好適には材料表面と光開始剤との間の共有結合は、基
質表面の、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、チオ
ール又はカルボキシ基、特にヒドロキシ又はアミノ基と
光開始剤のイソシアナト基の反応を介して起こり、例え
ば上記の式(1b)、(1c)、(11a)、(11
b)又は(11c)の光開始剤を用いて起こる。このた
めの適切な方法は、例えば上記の文献から知られてい
る。反応は、例えば、上昇した温度、例えば0〜100
℃、好適には室温で、場合により触媒の存在下で行なわ
れる。反応後、過剰の化合物は、例えば溶媒で除去され
る。
【0035】本発明の好適な実施態様により、被覆され
るべき材料は、イソシアナト基と共反応性である表面
に、H−活性の基、特に−OH、−NH2及び/又は−
NH−基を含む有機ポリマーであり、それらのいくつか
又は全てにおいて、H−原子が、式(1b′)又は(1
c′):
【0036】
【化21】
【0037】(式中、R1−R11、T、Z、Z1、Z2
a、b1、b2及びb3は、上記と同義であり、好適な
ものも上記と同義である)の基により置換されている。
【0038】本発明の別の好適な実施態様により、無機
又は好適には有機基質と光開始剤との間の共有結合は、
基質表面の、エポキシ、カルボキシ無水物、ラクトン、
アズラクトン又は好適にはイソシアナト基と、光開始剤
の、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、チオール又
はカルボキシ基、特にカルボキシ、ヒドロキシ又はアミ
ノ基との反応を介して、例えば上記の式(1a)の光開
始剤を用いて起こる。これは、例えば表面にH−活性
基、特に−OH、−NH2及び/又は−NHを含む上記
のバルク材料を、選択的に式OCN−R1−NCO(こ
こで、R1は、上記と同義である)のジイソシアナート
のイソシアナト基の一つと先ず反応させ、次いで改質バ
ルク材料を上記の式(1a)の光開始剤と反応させるこ
とにより行なうことができる。
【0039】工程(b)のビニルモノマーの適切な反応
性基は、例えばヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カル
ボン酸エステル、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸
無水物、エポキシ、ラクトン、アズラクトン又はイソシ
アナト基である。好適な反応性基の一つの群は、カルボ
キシ、カルボン酸無水物、アズラクトン又はイソシアン
ト、特にイソシアナトを含む。好適な反応性基の別の群
は、アミノ、特にヒドロキシを含む。
【0040】工程(b)での開始剤−改質された表面上
にグラフトされるビニルモノマーは、例えば2〜18個
のC−原子、好適には2〜10個のC−原子を有するエ
チレン性不飽和化合物(それは、反応性基(これは、上
記の意味及び好適性を適応する)で置換されている)で
ある。
【0041】反応性基を有する適切なビニルモノマー
は、例えば式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)
又は(2e):
【0042】
【化22】
【0043】(式中、R14は、水素、非置換又はヒドロ
シ置換C1−C6−アルキル又はフェニルであり、R15
びR16は、それぞれ他と独立して、水素、C1−C4−ア
ルキル、フェニル、カルボキシ又はハロゲンであり、R
17は、水素、C1−C4−アルキル又はハロゲンであり、
18及びR18′は、それぞれ、2〜6個のC−原子を有
するエチレン性不飽和基であるか、又はR18及びR18
は、一緒になって、二価基−C(R15)=C(R17)−
(ここで、R15及びR17は、上記と同義である)であ
り、そして(Alk*)は、C1−C6−アルキレンであり、
そして(Alk**)は、C2−C12−アルキレンである)で
示される化合物である。
【0044】以下の好適性は、式(2a)〜(2e)の
含まれる変数に適用される:R14は、好適には水素又は
ヒドロキシ−C1−C4−アルキル、特に水素又はβ−ヒ
ドロキシエチルである。変数R15及びR16の一つは、好
適には水素であり、他方は水素、メチル又はカルボキシ
である。最も好適には、R15及びR16は、それぞれ水素
である。R17は、好適には水素又はメチルである。R18
及びR18′は、好適にはそれぞれビニル若しくは1−メ
チルビニルであるか、又はR18及びR18′は、一緒にな
って、基−C(R15)=C(R17)−(ここで、R15
びR17は、それぞれ独立して、水素又はメチルである)
である。(Alk*)は、好適にはメチルレン、エチルレン
又は1,1−ジメチル−メチルレン、特に基−CH2
又は−C(CH32−である。(Alk**)は、好適には
2−C4−アルキレン、特に1,2−エチレンである。
【0045】反応性基を有する特に好適なビニルモノマ
ー類は、2−イソシアナトエチルメタクリラート(IE
M)、2−ビニル−アズラクトン、2−ビニル−4,4
−ジメチル−アズラクトン、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸無水物、マレイン酸無水物、2−ヒドロ
キシエチルアクリラート(HEA)、2−ヒドロキシメ
タクリラート(HEMA)、グリシジルアクリラート又
はグリシジルメタクリラートである。
【0046】この出願において、カルボキシ、カルボン
酸、−COOH、スルホ、−SO3H、アミノ、−NH2
などの用語は、常に遊離の酸又はアミン、及びそれらの
適切な塩、例えば生物医学的、又は特に眼科的に許容し
得るそれらの塩、例えば(酸の)ナトリウム、カリウ
ム、アンモニウム塩など、又は(アミンの)ヒドロハラ
イド例えばヒドロクロリドを含む。
【0047】反応性基を含むビニルモノマーは、材料表
面上に、適切なビニルコモノマーとの混合物で、好適に
は親水性ビニルコモノマーとの混合物でグラフトされて
いることができる。
【0048】表現「親水性ビニルコモノマー」は、典型
的にはホモポリマーとして、水溶性又は少なくとも10
重量%の水を吸収することができるポリマーを与えるモ
ノマーを意味すると理解される。
【0049】ビニルコモノマー類の比率は、もし用いら
れるならば、好適には反応性基を有するビニルモノマー
あたり0.1〜10単位、特に反応性基を有するビニル
モノマーあたり0.25〜5単位、最も好適には反応性
基を有するビニルモノマーあたり0.5〜2単位であ
る。
【0050】適切な親水性ビニルコモノマー類は、以下
は網羅的なリストでないが、C1−C2−アルキルアクリ
ラート類及びメタクリラート類、アクリルアミド、メタ
クリアミド、N−モノ−又はN,N−ジ−C1−C2−ア
ルキルアクリルアミド及び−メタクリアミド、N−ビニ
ルアセトアミド、N−アクリロイルモルホリン、エトキ
シル化アクリラート類及びメタクリラート類、ナトリウ
ムエチレンスルホナート、ナトリウムスチレンスルホナ
ート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、N−ビニルピロール、N−ビニルスクシンイミ
ド、5−〜7−員N−ビニルラクタム類、2−又は4−
ビニルピリジン、アミノ−(用語「アミノ」は、また4
級アンモニウムを含む)、モノ−C1−C2−アルキルア
ミノ−又はジ−C1−C2−アルキルアミノ−C1−C2
アルキルアクリラート類及びメタクリラート類、アリル
アルコールなどを含む。好適なものは、アクリルアミ
ド、N,N−ジ−C1−C2−アルキル(メタ)アクリル
アミド類、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド又は
5−〜7−員N−ビニルラクタム類、例えばN−ビニル
ピロリドンである。
【0051】好ましくは、反応性基を有するビニルモノ
マーは、ビニルコモノマーの不在下に開始剤−改質され
た材料表面にグラフトされる。
【0052】反応性基を有するビニルモノマーは、場合
によりビニルコモノマーとの混合物が、開始剤−改質さ
れた材料表面に塗布され、それ自体既知の方法により重
合することができる。例えば、材料が、ビニルモノマー
(類)の溶液に浸漬されるか、又はビニルモノマー
(類)の層を、先ず、例えば浸漬、噴霧、展延、ナイフ
塗布、注入、回転、スピン塗布又は真空蒸着により、改
質された材料表面上に析出させる。適切な溶媒は、もし
重合工程で用いられるならば、例えば水、C1−C4−ア
ルコール類、例えばメタノール又はエタノール、グリコ
ール類、例えばエチレングリコール又は双極性非プロト
ン性溶媒類、例えばアセトニトリル、N,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NM
P)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジ
メチルアセトアミド又はアセトンである。材料表面上で
のビニルモノマー(類)の重合は、次いで、例えば熱の
作用により熱的に、又は好適には照射、特にUV照射に
より開始させることができる。照射のための適切な光源
類は、当業者に知られており、例えば水銀ランプ、高圧
水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、
又は太陽光を含む。照射の時間は、例えば得られる複合
材料の所望の特性に依存してもよいが、通常数秒〜30
分までの範囲、好適には10秒〜10分、特に好適には
0.5〜5分である。照射を不活性ガスの雰囲気中で実
施するのが好都合である。重合後、いかなる非−共有結
合モノマー類、オリゴマー類又はポリマー類は、例えば
適切な溶媒で又は蒸発により処理することにより除くこ
とができる。
【0053】材料表面上でのビニルモノマー(類)の熱
開始重合の場合に、該重合は、例えば、上昇した温度、
例えば35〜100℃、好適には40〜80℃の温度
で、例えば10分〜48時間、好適には30分〜36時
間、上記の溶媒のうちの1個の存在又は不在下に実施す
ることができる。不活性ガス雰囲気下で熱開始重合を実
施することが好都合である。
【0054】重合工程(b)の手段により、ビニルモノ
マー(類)は、いわゆるブラシ−タイプ構造を形成する
表面に結合された複数のポリマー鎖を含む1次被覆でバ
ルク材料の表面にグラフトすることができる。該ブラシ
−タイプ構造のそれぞれのポリマー鎖は、規則的な間隔
(もし、反応性基を有するビニルモノマーがビニルコモ
ノマーなしに用いられるならば)又は統計的な分布(も
し、反応性基を有するビニルモノマーがビニルコモノマ
ーと組み合わせて用いられるならば)で、反応性基を含
む。ポリマー鎖中に存在する反応性基は、反応性基を含
むビニルモノマーの記載で、前に述べたそれらである。
【0055】工程(c)の親水性テロマーは、例えば式
(3):
【0056】
【化23】
【0057】(式中、Xは、工程(b)により得られる
1次ポリマー被覆の反応性基と共反応性である官能基、
例えばヒドロキシ、エポキシ、アミノ、C1−C6−アル
キルアミノ、カルボキシ若しくはその適切なカルボキシ
誘導体、例えばカルボン酸エステル、又は酸ハロゲン化
物であり、そして(oligomer)は、(i)式(3a):
【0058】
【化24】
【0059】(式中、(alk)は、C2−C12−アルキレ
ン(これは、−O−又は−NH−により中断されてもよ
い)であり、Qは、重合鎖反応停止剤として働くに適切
である一価基であり、p及びqは、それぞれ他と独立し
て、0〜350の整数であり、ここで、(p+q)の合
計は、2〜350の整数であり、そしてB及びB′は、
それぞれ他と独立して、ビニル性二重結合を単結合によ
り置き換えることにより共重合性ビニルモノマーから誘
導される1,2−エチレン基であり、基B及びB′の少
なくとも一つは、親水性置換基で置換されている)で示
されるテロマーの基;又は(ii)式(3b):
【0060】
【化25】
【0061】(式中、R19は、水素又は非置換若しくは
ヒドロキシ−置換C1−C12−アルキルであり、uは、
2〜250の整数であり、そしてQ′は、重合開始剤の
基である)で示されるオリゴマーの基;又は(iii)式
(3b′):
【0062】
【化26】
【0063】(式中、X1は、−O−、−NH−又は−
NC1−C6−アルキル−であり、そしてR19及びuは、
上記と同義である)で示される基;又は(iv)式(3
c):
【0064】
【化27】
【0065】(式中、R20及びR20′は、それぞれ独立
に、C1−C4−アルキルであり、An-は、アニオンで
あり、vは、2〜250の整数であり、そしてQ″は、
重合鎖反応停止剤として働くに適切である一価基であ
る)で示されるオリゴマーの基;又は(V)式(3d)
若しくは(3d′):
【0066】
【化28】
【0067】(式中、R21は、水素又はC1−C4−アル
キル(これは、非置換又はヒドロキシ、カルボキシ、カ
ルバモイル、アミノ、フェニル、o−、m−若しくはp
−ヒドロキシフェニル、イミダゾリル、インドリル又は
基−NH−C(=NH)−NH2により置換されてい
る)であり、そしてtは、2〜250の整数である)で
示されるオリゴペプチドの基、若しくはプロリン若しく
はヒドロキシプロリンに基づくオリゴペプチドの基;又
は(vi)式(3e):
【0068】
【化29】
【0069】(式中、R29は、水素又はC1−C24アル
キルであり、(alk*)は、C2−C4−アルキレンであ
り、zは、0又は1であり、r及びsは、それぞれ独立
して、0〜250の整数であり、そして(r+s)の合
計は、2〜250の整数である)で示されるポリアルキ
レンオキシドの基;又は(vii)オリゴ糖類の基を意味
する)で示されるものである。
【0070】以下の意味および好適性は、式(3)の親
水性テロマーの定義に含まれる変数に適用される:
【0071】カルボキシ誘導体としてのXは、例えば基
−C(O)OC1−C4−アルキル又は−C(O)Clで
ある。Xは、好適にはヒドロキシ、アミノ又はカルボキ
シ、より好適にはアミノ又はカルボキシ、特にアミノで
ある。
【0072】(alk)は、好適にはC2−C4−アルキレ
ン、更に好適にはC2−C6−アルキレン、もっと更に好
適にはC2−C4−アルキレン、特に好適には1,2−エ
チレンである。アルキレン基(alk)は、分岐、好適に
は直鎖アルキレンであってよい。
【0073】Qは、例えば水素である。
【0074】(p+q)の合計は、好適には2〜15
0、更に好適には5〜100、もっと更に好適には5〜
75、特に好適には5〜50の整数である。本発明の好
適な実施態様において、qは0であり、pは2〜35
0、好適には2〜150、更に好適には5〜100、も
っと更に好適には5〜75、特に好適には5〜50の整
数である。
【0075】基B又はB′の適切な親水性置換基は、非
−イオン性、アニオン性、カチオン性又は双イオン性置
換基であってよい。したがって、モノマー単位B及び/
又はB′を含む式(5a)のテロマー鎖は、アニオン
性、カチオン性及び/又は双イオン性基を含む荷電した
鎖であってよいか、又は非荷電鎖であってもよい。更
に、テロマー鎖は、非荷電及び荷電単位の共重合混合物
を含むことができる。テロマー中の荷電の分布は、もし
存在すれば、ランダム又はブッロク様であることができ
る。
【0076】本発明の一つの好適な実施態様において、
式(3a)のテロマー基は、非−イオン性モノマー単位
B及び/又はB′のみから構成される。本発明の別な好
適な実施態様において、式(3a)のテロマー基は、イ
オン性モノマー単位B及び/又はB′のみ、例えばカチ
オン性モノマー単位のみ、又はアニオン性モノマー単位
のみから構成される。本発明の更に別の好適な実施態様
は、非イオン性単位B及びイオン性単位B′を含む式
(3a)のテロマー基に向けられている。
【0077】B又はB′の適切な非−イオン性置換基
は、例えば基C1−C6−アルキル(これは、−OH、C
1−C4−アルコキシ及び−NR2323′(ここで、R23
及びR 23′は、それぞれ他と独立して、水素又は非置換
若しくはヒドロキシ−置換C1−C6−アルキル又はフェ
ニルである)からなる群から選択される、1個以上の同
一又は異なる置換基により置換されている);フェニル
(これは、ヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ又は−N
2323′(ここで、R23及びR23′は、上記と同義で
ある)により置換されている);基−COOY(ここ
で、Yは、C1−C24−アルキル(これは、非置換又は
例えばヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−O−Si
(CH3)3、−NR2323′(ここで、R23及びR23
は、上記と同義である)、基−O−(CH2CH2O)
1-24−E(ここで、Eは、水素又はC1−C6−アルキル
である)、又は基−NH−C(O)−O−G(ここで、
−O−Gは、1〜8個の糖単位を有する糖の基であ
る)、又は基−O−(CH2CH2O)1-24−E(ここ
で、Eは、上記と同義である)により置換されている)
であるか、又はYは、C5−C8−シクロアルキル(これ
は、非置換又はC1−C4−アルキル若しくはC1−C4
アルコキシで置換されている)、あるいは非置換若しく
はC1−C4−アルキル若しくはC1−C4−アルコキシ置
換フェニル又はC7−C1 2−アラルキルである);基−C
ONY12(ここで、Y1及びY2は、それぞれ独立し
て、水素、C1−C12−アルキル(これは非置換である
か、又はヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ若しくは基
−O−(CH2CH2O)1-24−E(ここで、Eは、上記
と同義である)で置換されている)であるか、又はY1
及びY2は、隣接のN−原子と一緒になって、更なる複
素原子を有しないか又は一つの更なる酸素原子若しくは
窒素原子を有する、5−〜6−員複素環を形成する);
基−OY 3(ここで、Y3は、水素、又はC1−C12−ア
ルキル(これは、非置換又は−NR2323′により置換
されている)、又は基−C(O)−C1−C4−アルキル
(ここで、R23及びR23′は、上記と同義であるか;又
は少なくとも1個のN−原子を有する、5−〜7−員複
素環基であり、それぞれの場合に該窒素原子を介して結
合している)である)を含む。
【0078】B又はB′の適切なアニオン性置換基は、
例えば基C1−C6−アルキル(これは、−SO3H、−
OSO3H、−OPO32、及び−COOHにより置換
されている);フェニル(これは、−SO3H、−CO
OH、−OH及び−CH2−SO 3Hからなる群から選択
される同一又は異なる1個以上の置換基により置換され
ている);−COOH;基−COOY4(ここで、Y
4は、C1−C24−アルキル(これは、例えば−COO
H、−SO3H、−OSO3H、−OPO32、又は基−
NH−C(O)−O−G′(ここで、G′は、アニオン
性炭水化物の基である)により置換されている)であ
る);基−CONY56(ここで、Y5は、C1−C24
アルキル(これは、−COOH、−SO3H、−OSO3
H又は−OPO32により置換されている)であり、そ
してY6は、独立してY5の意味を有するか、又は水素若
しくはC1−C12−アルキルである);又は−SO3H;
若しくはその塩、例えばナトリウム、カリウム、アンモ
ニウムなどの塩を含む。
【0079】B又はB′の適切なカチオン性置換基は、
例えばC1−C12−アルキル(これは、−NR2323
23+An-(ここで、R23、R23′及びR23″は、そ
れぞれ他と独立して、水素、又は非置換若しくはヒドロ
キシ−置換C1−C6−アルキル若しくはフェニルであ
り、そしてAn-は、アニオンである);又は基−C
(O)Y7(ここで、Y7は、C1−C24−アルキル(こ
れは、−NR2323′R23+An-(ここで、R23、R
23′、R23″及びAn-は、上記と同義である)により
置換されており、そして更に非置換であるか、又は例え
ばヒドロキシにより置換されている)である)を含む。
【0080】B又はB′の適切な双イオン性置換基は、
基−R24−Zw(ここで、R24は、直接結合、又は官能
基、例えばカルボニル、カーボナート、アミド、エステ
ル、ジカルボン酸無水物、ジカルボジイミド、ウレア又
はウレタン基であり、そしてZwは、それぞれ1個のア
ニオン性及び1個のカチオン性基を含む脂肪族部分であ
る)を含む。
【0081】以下の好適性は、B又はB′の親水性置換
基に適用される: (i)非−イオン性置換基類:B又はB′の好適なアル
キル置換基類は、C1−C4−アルキル、特にC1−C2
アルキル(これは、−OH及び−NR2323′(ここ
で、R23及びR23′は、それぞれ他と独立して、水素又
はC1−C4−アルキル、好適には水素、メチル又はエチ
ル、特に好適には水素又はメチルである)からなる群か
ら選択される1個以上の置換基により置換されてい
る)、例えば−CH2−NH2、−CH2−N(CH32
である。B又はB′の好適なフェニル置換基類は、フェ
ニル(これは、−NH2、又は−N(C1−C2−アルキ
ル)2により置換されている)、例えばo−、m−又は
p−アミノフェニルである。B又はB′の親水性基が基
−COOYである場合には、場合により置換されたアル
キルとしてのYは、好適には、C1−C12−アルキル、
更に好適にはC1−C 6−アルキル、もっと更に好適には
1−C4−アルキル、特に好適にはC1−C2−アルキル
であり、そのそれぞれは、非置換であるか、又は上記の
ように置換されている。アルキル基Yが−NR2323
により置換されている場合には、上記の意味と好適性が
23及びR23′のために適用される。−NH−C(O)
−O−Gにより置換されているアルキル基Yの適切な糖
置換基類−O−Gの例は、単−又は二糖の基、例えばグ
ルコース、アセチルグルコース、メチルグルコース、グ
ルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グルコノラク
トン、マンノース、ガラクトース、ガラクトサミン、N
−アセチルガラクトサミン、フラクトース、マルトー
ス、ラクトース、フコース、サッカロース又はトレハロ
ースであり、糖無水物の基、例えばレボグルコサン、グ
ルコシドの基、例えばオクチルグルコシド、糖アルコー
ルの基、例えばソルビトール、糖酸の誘導体の基、例え
ばラクトビオン酸アミド、又は最大8個の糖単位を有す
るオリゴ糖の基、例えばシクロデキストリン、デンプ
ン、キトサン、マルトトリオース若しくはマルトヘキサ
オースの断片類である。基−O−Gは、好適には、単−
若しくは二糖の基又は最大8個の糖単位を有するシクロ
デキストリン断片の基を意味する。特に好適な糖基−O
−Gは、トレハロースの基、又はシクロデキストリン断
片の基である。アルキル基Yが基−O−(CH2CH
2O)1-24−E又は−NH−C(O)−O−G(ここで、
−O−Gは、−O−(CH2CH2O)1-24−Eである)
により置換されている場合には、(CH2CH2O)単位
の数は、それぞれの場合に好適には1〜12、更に好適
には2〜8である。Eは、好適には水素又はC1−C2
アルキルである。C5−C8−シクロアルキルとしてのY
は、例えばシクロペンチル又は好適にはシクロヘキシル
であり、そのそれぞれは、非置換であるか、又は例えば
1〜3個のC1−C2アルキル基で置換されている。C7
−C12アラルキルとしてのYは、例えばベンジルであ
る。
【0082】好適な非イオン性基類−COOYは、Y
が、C1−C6アルキル;又はC2−C6アルキル(これ
は、ヒドロキシ、C1−C2−アルコキシ、−O−Si
(CH33及び−NR2323′(ここで、R23及び
23′は、それぞれ他と独立して、水素又はC1−C4
アルキルである)からなる群から選択される、1個又は
2個の置換基により置換されている)であるか;又はY
が、基−CH2CH2−O−(CH 2CH2−O)1-12−E
(ここで、Eは、水素又はC1−C4−アルキルである)
であるか;又は基−C2−C4−アルキレン−NH−C
(O)−O−G(ここで、−O−Gは、糖基である)で
あるそれらである。
【0083】更に好適な非−イオン性基類−COOY
は、Yが、C1−C4アルキル;又はC 2−C4アルキル
(これは、−OH及び−NR2323′(ここで、R23
びR23′は、それぞれ他と独立して、水素又はC1−C2
−アルキルである)からなる群から選択される、1個又
は2個の置換基により置換されている)であるか;又は
基−CH2CH2−O−(CH2CH2−O)1-12−E(こ
こで、Eは、水素又はC1−C2−アルキルである)であ
るか;又は基−C2−C4−アルキレン−NH−C(O)
−O−G(ここで、−O−Gは、糖基である)であるそ
れらである。
【0084】特に好適な非−イオン性基類COOYは、
Yが、C1−C2アルキル、特にメチル;又はC2−C3
ルキル(これは、非置換であるか、又はヒドロキシ若し
くはN,N−ジ−C1−C2−アルキルアミノにより置換
されている);又は基−C2−C3−アルキレン−NH−
C(O)−O−G(ここで、−O−Gは、トレハロース
の基又は最大8個の糖単位を有するシクロデキストリン
断片の基である)であるそれらを含む。
【0085】B又はB′の好適な非−イオン性置換基類
−C(O)−NY12は、Y1及びY2が、それぞれ他と
独立して、水素又はC1−C6−アルキル(これは、非置
換であるか、又はヒドロキシにより置換されている)で
あるか;又はY1及びY2が、隣接N−原子と一緒になっ
て、更なる複素原子を有しないか、又は1個の他のN−
若しくはO−原子を有する6員複素環を形成するそれら
である。Y1及びY2のもっと更に好適な意味は、それぞ
れ他と独立して、水素又はC1−C4−アルキル(これ
は、非置換であるか、又はヒドロキシにより置換されて
いる)であるか;又はY1及びY2が、隣接N−原子と一
緒になって、N−C1−C2−アルキルピペラジノ又はモ
ルホリノ環を形成する。特に好適な非−イオン性置換基
類−C(O)−NY12は、Y1及びY2が、それぞれ他
と独立して、水素又はC1−C2−アルキルであるか;又
はY1及びY2が、隣接N−原子と一緒になって、モルホ
リノ環を形成するそれらである。
【0086】B又はB′の好適な非−イオン性置換基類
−OY3は、Y3が、水素、C1−C4−アルキル(これ
は、非置換であるか、又は−NH2若しくは−N(C1
2−アルキル)2により置換されている)であるか;又
は基−C(O)C1−C2−アルキルであるそれらであ
る。Y3は、特に好適には水素又はアセチルである。
【0087】B又はB′の好適な非−イオン性複素環置
換基類は、1個のN−原子を有し、更なる複素原子を有
しないか、又は更なるN−又はO−複素原子を有する、
5−若しくは6−員の複素芳香族又は複素脂肪族基であ
るか、あるいは5〜7−員ラクタムである。そのような
複素環基の例は、N−ピロリドニル、2−若しくは4−
ピリジニル、2−メチルピリジン−5−イル、2−、3
−若しくは4−ヒドロキシピリジニル、N−ε−カプロ
ラクタミル、N−イミダゾリル、2−メチルイミダゾリ
ル−1−イル、N−モルホリニル又は4−N−メチルピ
ペラジン−1−イル、特にN−モルホリニル又はN−ピ
ロリドニルである。
【0088】B又はB′の好適な非−イオン性置換基類
は、C1−C2−アルキル(これは、非置換であるか、又
は−OH若しくは−NR2323′(ここで、R23及びR
23′は、それぞれ他と独立して、水素又はC1−C2−ア
ルキルである)により置換されている);基−COOY
(ここで、Yは、C1−C4−アルキルである);C2
4−アルキル(これは、−OH、−NR2323′(こ
こで、R23及びR23′は、それぞれ他と独立して、水素
又はC1−C2−アルキルである)により置換されてい
る)であるか;又はYは、基−C2−C4−アルキレン−
NH−C(O)−O−G(ここで、−O−Gは、糖の基
である)である);基−C(O)−NY12(ここで、
1及びY2は、それぞれ他と独立して、水素又はC1
6−アルキル(これは、非置換であるか、又はヒドロ
キシにより置換されている)であるか、又はY1及びY2
は、隣接N−原子と一緒になって、更なる複素原子を有
しないか、又は更なる1個のN−又はO−原子を有す
る、6員の複素環を形成する);基−OY3(ここで、
3は、水素又はC1−C4−アルキル(これは、非置換
であるか、又は−NH2若しくは−N(C1−C2−アル
キル)2 により置換されている)又は基−C(O)C1
2−アルキルである);又は1個のN−原子を有し、
更なる複素原子を有しないか、又は更なるN−、O−若
しくはS−複素原子を有する、5−若しくは6−員の複
素芳香族又は複素脂肪族基であるか、あるいは5〜7−
員ラクタムを含む。
【0089】B又はB′の更に好適な非−イオン性置換
基類は、基−COOY(ここで、Yは、C1−C2−アル
キル、C2−C3−アルキル(これは、ヒドロキシ、アミ
ノ又はN,N−ジ−C1−C2−アルキルアミノにより置
換されている)、又は基−C 2−C4−アルキレン−NH
−C(O)−O−G(ここで、−O−Gは、トレハロー
ス又は最大8個の糖単位を有するシクロデキストリン断
片の基である)、基−CO−NY12(ここで、Y1
びY2は、それぞれ他と独立して、水素又はC1−C4
アルキル(これは、非置換であるか、又はヒドロキシに
より置換されている)であるか、又はY1及びY2は、隣
接N−原子と一緒になって、N−C1−C2−アルキルピ
ペラジノ又はモルホリノ環を形成する)、又はN−ピロ
リドニル、2−若しくは4−ピリジニル、2−メチルピ
リジン−5−イル、2−、3−若しくは4−ヒドロキシ
ピリジニル、N−ε−カプロラクタミル、N−イミダゾ
リル、2−メチルイミダゾール−1−イル、N−モルホ
リニル及び4−N−メチルピペラジン−1−イルよりな
る群から選択される複素環基を含む。
【0090】B又はB′の特に好適な非−イオン性置換
基類は、下記式:
【0091】
【化30】
【0092】(式中、O−Gは、トレハロースの基であ
る)で示される基を含む。
【0093】(ii)アニオン性置換基類:B又はB′の
好適なアニオン性置換基類は、C1−C4−アルキル、特
にC1−C2−アルキル(これは、−SO3H及び−OP
3Hからなる群から選択される1個以上の置換基によ
り置換されている)、例えば−CH2−SO3H;フェニ
ル(これは、−SO3H又はスルファモイルにより置換
されている)、例えばo−、m−若しくはp−スルホフ
ェニル又はo−、m−若しくはp−スルホメチルフェニ
ル;−COOH;基−COOY4(ここで、Y4は、C2
−C6−アルキル(これは、例えば−COOH、−SO3
H、−OSO3H、−OPO32、又は基−NH−C
(O)−O−G′(ここで、G′は、ラクトビオン酸、
ヒアルロン酸又はシアル酸の基である)により置換され
ている)、特にC2−C4−アルキル(これは、−SO3
H又は−OSO3Hにより置換されている);基−CO
NY56(ここで、Y5は、スルホで置換されたC1−C
6−アルキル、特にスルホで置換されたC2−C4−アル
キルであり、そしてY6は、水素である)、例えば基−
C(O)−NH−C(CH32−CH2−SO3H;又は
−SO3H;又はその適切な塩である。B又はB′の特
に好適なアニオン性置換基類は、−COOH、−SO3
H、o−、m−若しくはp−スルホフェニル又はo−、
m−若しくはp−スルホメチルフェニル又は基−CON
56(ここで、Y5は、スルホで置換されたC2−C4
−アルキルであり、そしてY6は、水素である)であ
る。
【0094】(iii)カチオン性置換基類:B又はB′
の好適なカチオン性置換基は、C1−C4−アルキル、特
にC1−C2−アルキル(これは、それぞれの場合に、−
NR2323′R23+An-で置換されている);又は基
−C(O)OY7(ここで、Y7は、C2−C6−アルキ
ル、特にC2−C4−アルキル(これは、それぞれの場合
に、−NR2323′R23+An-で置換されており、そ
して更に非置換であるか、又はヒドロキシにより置換さ
れている)である)である。R23、R23′及びR23
は、それぞれ他と独立して、好適には水素、又はC1
4−アルキル、更に好適にはメチル又はエチル、特に
好適にはメチルである。適切なアニオン類An-の例
は、Hal-(ここで、Halは、ハロゲンである)、
例えばBr-、F-、I-又は特にCl-、更にHCO3 -
CO3 2-、H2PO3 -、HPO3 2-、PO3 3-、HSO4 -
SO4 2-又は有機酸の基、例えばOCOCH3 -などであ
る。B又はB′の特に好適なカチオン性置換基は、基−
C(O)OY7(ここで、Y7は、C2−C4−アルキル
(これは、−N(C1−C2−アルキル)3 +An-により
置換され、更にヒドロキシにより置換されており、そし
てAn-は、アニオンである)、例えば基−C(O)O
−CH2−CH(OH)−CH2−N(CH3)3 +An-
ある。
【0095】(iv)双イオン性置換基−R24−Zw:R
24は、好適にはカルボニル、エステル又はアミド官能
基、更に好適にはエステル基−C(O)O−である。部
分Zwの適切なアニオン基は、例えば−COO-、−S
3 -、−OSO3 -、−OPO3 -H又は二価の、−O−P
2 -−若しくは−O−PO2 -−O−、好適には基−CO
-若しくは−SO3 -、又は二価基の−O−PO2 -−、
特に好適には基−SO3 -である。
【0096】部分Zwの適切なカチオン基は、例えば基
−NR2323′R23+又は二価基−NR2323+−で
あり、ここで、R23、R23′及びR23″は、上記と同義
であり、そしてそれぞれ他と独立して、好適には水素又
はC1−C6−アルキル、好適には水素又はC1−C4−ア
ルキル、最も好適にはそれぞれメチル又はエチルであ
る。
【0097】部分Zwは、例えばC2−C30アルキル、
好適にはC2−C12−アルキル、更に好適にはC3−C8
−アルキル(これは、それぞれの場合に、中断されてい
ないか、又は−O−により中断されており、又は上記の
アニオン性及びカチオン性置換基でそれぞれ置換若しく
は中断されており、更に置換されていないか、又は基−
OY8(ここで、Y8は、水素又はカルボン酸のアシル基
である)で置換されている)である。
【0098】Y8は、好適には水素又は高級脂肪酸のア
シル基である。
【0099】Zwは、好適にはC2−C12−アルキル、
もっと更に好適にはC3−C8−アルキル(これは、上記
のアニオン性及びカチオン性置換基によりそれぞれ置換
又は中断されており、更に基−OY8により置換されて
いる)である。
【0100】双イオン置換基−R24−Zwの好適な群
は、下記式:
【0101】
【化31】
【0102】(式中、R23は、水素又はC1−C6−アル
キルであり;An-は、アニオン性基−COO-、−SO
3 -、−OSO3 -又は−OPO3-、好適には−COO-
又は−SO3 -、最も好適には−SO3 -であり、(al
k′)は、C1−C12−アルキレンであり、(alk″)
は、C2−C24−アルキレン(これは、非置換である
か、又は基−OY8で置換されており、Y8は、水素又は
カルボン酸のアシル基である)であり、そして(al
k″′)は、C2−C8−アルキレンである)に一致す
る。
【0103】(alk′)は、好適にはC2−C8−アルキ
レン、更に好適にはC2−C6−アルキレン、最も好適に
はC2−C4−アルキレンである。(alk″)は、好適に
はC2−C12−アルキレン、更に好適にはC2−C6−ア
ルキレン、特に好適にはC2−C3−アルキレン(これ
は、それぞれの場合に、非置換であるか、ヒドロキシ又
は基−OY8により置換されている)である。(al
k″′)は、好適にはC2−C4−アルキレン、更に好適
にはC2−C3−アルキレンである。R9は、水素又はC1
−C4−アルキル、更に好適にはメチル又はエチル、特
に好適にはメチルである。B又はB′の好適な双イオン
性置換基は、下記式:
【0104】
【化32】
【0105】(式中、Y8は、水素又は高級脂肪酸のア
シル基である)で示される。
【0106】Bは、式(4a)又は(4b):
【0107】
【化33】
【0108】(式中、R25は、水素又はC1−C4−アル
キル、好適には水素又はメチルであり;R26は、親水性
置換基(これは上記の意味と好適性を有する)であり;
27は、C1−C4−アルキル、フェニル、又は基−C
(O)OY9(ここで、Y9は、水素又は非置換若しくは
ヒドロキシ置換C1−C4−アルキルである)であり;そ
してR28は、基−C(O)Y9′又は−CH2−C(O)
OY9′(ここで、Y9′は、独立して、Y9と同義であ
る)である)の基を意味する。
【0109】R27は、好適にはC1−C2−アルキル、フ
ェニル又は基−C(O)OY9である。R28は、好適に
は基−C(O)OY9′又は−CH2−C(O)OY9
であり、ここで、Y9及びY9′は、他と独立して、水
素、C1−C2−アルキル又はヒドロキシ−C1−C2−ア
ルキルである。本発明の特に好適な−CHR27−CHR
28−単位は、R27がメチル又は基−C(O)OY9であ
り、そしてR28が基−C(O)OY9′又は−CH2−C
(O)OY9′(ここで、Y9及びY9′は、それぞれ水
素、C1−C2−アルキル又はヒドロキシ−C1−C2−ア
ルキルである)であるそれらである。
【0110】B′は独立して、Bの意味の一つを有して
もよい。
【0111】もし、(oligomer)が式(3a)の基であ
るならば、基−(alk)−S−〔B〕p−〔B′〕q−Q
は、好適には 式(3a′):
【0112】
【化34】
【0113】の基を意味し、もっと更に好適には、式
(3a″):
【0114】
【化35】
【0115】(式中、R25、R26、Q、p及びqのため
に、上記の意味と好適性が適用され、R25′のために、
独立して前記のR25の意味と好適性が適用され、そして
26′のために、独立して前記のR26の意味と好適性が
適用される)の基を意味する。
【0116】本発明の適切な親水性テロマーの好適な基
は、上記の式(3)(式中、Xには、上記の意味と好適
性が適用される)の化合物を含み、(oligomer)は、上
記の式(3a′)(式中、(alk)は、C2−C6−アル
キレンであり、Qは、重合鎖反応停止剤として働くのに
好適な一価基であり、p及びqは、それぞれ0〜100
の整数であり、(p+q)の合計は、5〜100であ
り、R25及びR25′は、それぞれ他と独立して水素又は
メチルであり、そしてR26及びR26′のために、それぞ
れ独立して前記の意味と好適性が適用される)の基であ
る。
【0117】本発明の適切な親水性テロマーの特に好適
な基は、上記の式(3)(式中、Xは、アミノ又はカル
ボキシである)の化合物を含み、(oligomer)は、上記
の式(3a′)(式中、(alk)は、C2−C6−アルキ
レンであり、Qは、重合鎖反応停止剤として働くのに好
適な一価基であり、pは、5〜100の整数であり、R
25は、水素又はメチルであり、そしてR26のために、独
立して前記の意味と好適性が適用され、特にこの実施態
様のR26は、下記式:
【0118】
【化36】
【0119】)で示される基である。
【0120】もし(oligomer)が式(3b)の基(ii)
であるならば、式(3b)のQ′は、例えばC1−C12
−アルキル、フェニル又はベンジル、好適にはC1−C2
−アルキル又はベンジル、特にメチルである。R19は、
好適には非置換又はヒドロキシ置換C1−C4−アルキ
ル、特にメチルである。uは、好適には2〜150、更
に好適には5〜100、もっと更に好適には5〜75、
特に好適には5〜50の整数である。
【0121】もし(oligomer)が式(3b′)の基であ
るならば、ここに含まれている変数R19及びuのため
に、上記の意味と好適性が適用される。X1は、好適に
はヒドロキシ又はアミノである。
【0122】もし(oligomer)が式(3c)の基(iv)
を意味するならば、R20及びR20′は、それぞれ好適に
はエチル又は特にメチルであり;vは、好適には2〜1
50、更に好適には5〜100、もっと更に好適には5
〜75、特に好適には5〜50の整数であり;Q″は、
例えば水素であり;そしてAn-は、上記と同義であ
る。
【0123】もし(oligomer)が、式(3d)又は(3
d′)のオリゴペプチド基(V)を意味するならば、R
21は、例えば水素、メチル、ヒドロキシメチル、カルボ
キシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエ
チル、イソプロピル、n−、sec.若しくはiso−ブチ
ル、4−アミノ−n−ブチル、ベンジル、p−ヒドロキ
シベンジル、イミダゾリルメチル、インドリルメチル又
は基−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2である。
tは、好適には2〜150、更に好適には5〜100、
もっと更に好適には5〜75、特に好適には5〜50の
整数である。
【0124】もし(oligomer)が式(3e)のポリオキ
シアルキレン基(vi)を意味するならば、R29は、好適
には水素又はC1−C18−アルキル、更に好適には水素
又はC1−C12−アルキル、もっと更に好適には水素、
メチル又はエチルであり、そして特に好適には水素又は
メチルである。(alk*)は、好適にはC2−C3−アルキ
レン基である。zは、好適には0である。r及びsは、
それぞれ独立して、好適には0〜100の整数であり、
ここで、(r+s)の合計は、5〜100である。r及
びsは、それぞれ独立して、更に好適には0〜50の整
数であり、ここで、(r+s)の合計は、8〜50であ
る。ポリオキシエチレン基(オリゴマー)の特に好適な
実施態様において、rは、8〜50、特に9〜25の整
数であり、そしてsは0である。
【0125】オリゴ糖(vii)の基としての(oligome
r)は、例えばバイオポリマーからの断片を含む炭水化
物を含む二−若しくは多糖であってよい。例は、シクロ
デキストリン、トレハロース、セロビオース、マルトト
リオース、マルトヘキサオース、キトヘキサオース若し
くはデンプン、ヒアルロン酸、脱アセチル化ヒアルロン
酸、キトサン、アガロース、キチン50、アミロース、
グルカン、ヘパリン、キシラン、ペクチン、ガラクタ
ン、グリコサミノグリカン、ムシン、デキストリン、ア
ミノ化デキストリン、セルロース、ヒドロキシアルキル
セルロース又はカルボキシアルキルセルロースオリゴマ
ーの基であり、それらのそれぞれは、例えば25000
まで、好適には10000までの重量平均分子量を有し
ている。 好適には(vii)のオリゴ糖は、最大8糖単位
を有するシクロデキストリンである。
【0126】式(3a)、(3a′)又は(3e)は、
それぞれのオリゴマー基の統計的分布、すなわちモノマ
ーの配向及びモノマーの配列(コポリマーの場合に)が
該式によりいかなる方法においても固定されないとして
理解されるべきである。式(3a)のB及びB′の、又
は式(3e)のエチレンオキシド及びプロピレンオキシ
ド単位の配置が、従っていずれの場合にもランダム又は
ブッロク様であってよい。
【0127】工程(c)による親水性テロマーの重量平
均分子量は、主として、所望の特性に依存し、例えば3
00〜25000、好適には300〜12000、更に
好適には300〜8000、もっと更に好適には300
〜5000、特に500〜4000である。
【0128】式(3)の化合物は、市販されているか、
既知の方法により調製される既知の化合物である。例え
ば、式(3)(式中、(oligomer)は、式(3a)の基
である)の化合物は、官能連鎖移動剤、例えばシスタミ
ンヒドロクロリド、チオグリコール酸等の存在下に、親
水性のエチレン化性不飽和モノマーの1個以上を共重合
させる、PCT出願、WO 92/09639に従って調製される。
【0129】工程(b)で得られるポリマー被覆(1次
被膜)の反応性基と、工程(c)の共反応性基を有する
親水性テロマーの反応は、業界に周知であり、有機化学
の教科書に記載のように実施することができる。例え
ば、1次被覆が式(2e)等のビニルモノマーから誘導
される場合には、そのイソシアナト基と式(3)の化合
物の反応は、不活性有機溶媒、例えば、アセトニトリ
ル、場合によりハロゲン化された炭化水素、例えば石油
エーテル、メチルシクロヘキサン、トルエン、クロロホ
ルム、メチレンクロリドなど、又はエーテル、例えばジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、又
はより極性の溶媒、例えばDMSO、DMF、N−メチ
ルピロリドン中で、0〜100℃、好適には0〜50℃
の温度、特に好適には室温で、場合により触媒、例えば
第三級アミン、例えばトリエチルアミン若しくはトリ−
n−ブチルアミン、1,4−ジアザビシクロオクタン、
又はスズ化合物例えばジブチルスズジラウラート若しく
はスズジオクタノアートの存在下に実施することができ
る。更に、1次被覆のイソシアナト基と式(3)(式
中、Xは、アミノ基である)の化合物の反応は、また、
触媒の不在下に水性溶液中で実施することができる。上
記反応を不活性雰囲気、例えば窒素又はアルゴン雰囲気
下で実施することが好都合である。
【0130】1次被覆が式(2d)等のビニルモノマー
から誘導される場合には、アズラクトン基と式(3)
(式中、Xは、アミノ又はヒドロキシ基である)の化合
物の反応は、室温又は上昇した温度、例えば約20〜7
5℃の温度で、水、適切な有機溶媒又はその混合物中、
例えばDMF、DMSO、ジオキサン、アセトニトリル
等の水性媒体又は非プロトン性の極性溶媒中で実施する
ことができる。
【0131】1次被覆が式(2c)等のビニルモノマー
から誘導される場合には、エポキシ基と式(3)(式
中、Xは、アミノ基である)の化合物の反応は、例えば
室温又は上昇した温度、例えば20〜100℃の温度
で、水、適切な有機溶媒又はその混合物中において実施
することができる。
【0132】1次被覆が式(2c)等のビニルモノマー
から誘導される場合には、エポキシ基と式(3)(式
中、Xは、ヒドロキシ基である)の化合物の反応は、例
えば室温又は上昇した温度、例えば20〜100℃の温
度で、非プロトン性媒体中に、塩基触媒、例えばAl
(O−C1−C6−アルキル)3 又はTi(O−C1−C6
−アルキル)3を使用して実施することができる。式
(2a)のヒドロキシアルキル置換ビニルモノマーと式
(3)(式中、Xは、エポキシ基である)の化合物の反
応にも、同じことが適用される。
【0133】1次被覆が式(2b)等のビニルモノマー
から誘導される場合には、カルボン酸無水物と式(3)
(式中、Xは、アミノ又はヒドロキシ基である)の化合
物の反応は、有機化学の教科書に記載されているよう
に、例えば非プロトン性溶媒、例えば上記の非プロトン
性溶媒のうちの1種の中に、室温〜約100℃の温度で
実施することができる。
【0134】1次被覆が式(2a)等のビニルモノマー
から誘導される場合には、カルボキシ基と式(3)の化
合物のヒドロキシ、アミノ若しくはエポキシ基の反応、
又はそのアミノ若しくはヒドロキシ基と、式(3)(式
中、Xは、カルボキシである)の化合物の反応は、エス
テル又はアミド形成において慣用の条件下、例えば非プ
ロトン性媒体中に、約室温〜約100℃の温度で実施す
ることができる。式(2a)のカルボキシ含有化合物の
場合には、エステル化又はアミド化反応は、活性剤、例
えばN−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド(EDC)、N−ヒドロキシスクシ
ンイミド(NHS)又はN,N′−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)の存在下で実施することが好ま
しい。
【0135】本発明により得られた被覆された材料は、
その後、それ自体既知の方法、例えば水のような適切な
溶媒による洗浄又は抽出により精製することができる。
【0136】本発明の方法の工程(c)により、工程
(b)により得ることができた1次被覆のブラシ類は、
ブラシ類の反応性基と、共反応性親水性テロマーとを反
応させることにより側鎖に準備される。最終の被覆は、
典型的に、つながれた「毛のような」の鎖からなる、い
わゆるビン−ブラシタイプ構造(BBT)を有する。本
発明の被覆のBBT構造は、例えばビニルモノマー
(類)及び工程(b)での連鎖長の適切な選択による
か、又は工程(c)での親水性テロマーの適切な選択に
より、広い範囲で変えることができる。好適な実施態様
でのそのようなBBT構造は、比較的密に詰められた短
い親水性の側鎖(1次ボトルブラシと呼ばれる)を有す
る親水性又は疎水性の長い主鎖を含む。別の実施態様
は、親水性の側鎖それ自体が密に詰められた親水性の
「2次」側鎖を有することで特徴づけられる2次ボトル
ブラシに関する。該1次及び2次BBT構造のポリマー
被覆は、ある程度、人体構造での高い保水構造、例えば
軟骨又は粘膜組織を模倣している。
【0137】本発明の方法により得られる被覆される材
料表面の被覆厚さは、主として、所望の特性に依存す
る。それは、例えば、0.001〜1000μm、好適
には0.005〜100μm、更に好適には0.01〜
50μm、もっと更に好適には0.01〜5μm、特に好
適には0.01〜1μm、特別に好適には0.01〜
0.5μmである。
【0138】本発明の別の実施態様は、本発明の方法に
より被覆された材料に関する。
【0139】本発明の方法により被覆される材料は、例
えば有機バルク材料、好適には生物医学装置、例えば眼
科用装置、好適にはコンタクトレンズ、例えばハード及
び特にソフトコンタクトレンズの両方、眼内レンズ又は
人工角膜である。更なる例は、例えば傷治療の包帯、眼
帯、活性物質の持続放出のための材料、例えば薬剤送達
パッチ、外科手術で用いることができる成形品、例えば
心臓バルブ、移植用血管、カテーテル、人工器官、カプ
セル化された生物学的移植物、例えばランゲルハルス
島、人工器官の材料、例えば骨置換物、あるいは診断の
ための成形品、膜又は生物医学器具若しくは装置であ
る。
【0140】生物医学装置、例えば本発明により得られ
た眼科用器具は、実用目的、例えば長期装用のためのコ
ンタクトレンズ又は眼内レンズとして非常に適切である
器具にする先行技術のそれらを超える種々の予想しない
利点を有する。例えば、それらは、それらの接触角、そ
れら水保持及びそれらの水−フィルム破壊時間又はレン
ズの前面若しくは眼の上の涙−フィルム破壊時間(TB
UT)により示すことができるそれらの高い表面湿潤性
を有する。
【0141】このTBUTは、眼科用器具、例えばコン
タクトレンズの分野で特に重要な役割を果たす。したが
って、コンタクトレンズ上でのまぶたのなめらかな動き
が、装用者の快適性のために重要であることを示してい
る;このすべりの動きは、コンタクトレンズ上に涙流体
の連続層、すなわち組織/レンズの接触を滑らかにする
層の存在により容易にされる。しかしながら、臨床テス
トは、現在利用できるコンタクトレンズがまばたきの間
に部分的に乾き、その結果まぶたとレンズの摩擦を増大
させることを示した。この増大した摩擦は、眼の痛みを
もたらし、コンタクトレンズの動きを減少させる。現
在、本発明による表面被覆を適用するこにより、市販コ
ンタクトレンズ、例えばFocus Dailies(登録商標)、F
ocus New Vues(登録商標)又はLotrafilcon A レンズ
のTBUTを顕著に増大させることが容易になってい
る。コンタクトレンズのベースカーブ上において、被覆
の顕著な滑らかさは、コンタクトレンズの長期装用のた
めの基本である眼の上のレンズの動きを容易にする。更
に、本発明の方法により得られる材料は、長期装用のた
めに基本である更なる効果、例えば実質的に微生物の付
着を減少させ、堆積形成を妨害するレンズの前面の涙フ
ィルムの増大した厚さを提供する。新規な表面被覆の非
常に柔軟かつ滑らかな特性のために、本発明の方法によ
り被覆された生物医学製品、特にコンタクトレンズは、
日中後期の乾燥及び長期装用(夜を超えて)に関しての
改善を含む優れた装着快適性を示す。更に、この新規な
表面被覆は、改善された装用快適性に貢献する眼の粘膜
と可逆的に相互作用する。
【0142】更に、本発明の方法で被覆された生物医学
装置、例えば、眼科用装置、例えばコンタクトレンズ又
は角膜の人工器官、例えば角膜のインレー若しくはアン
レーは、良好な機械的特性と合わせて、非常に顕著な生
物学的適合性を有している。例えば、この装置は、血液
適合性であり、良好な組織統合性を有している。更に、
一般的に、観察される眼への悪影響はなく、一方、タン
パク質又は脂質の吸収は低く、また塩の堆積形成は、慣
用のコンタクトレンズよりも低い。一般に、低い汚染、
低い微生物付着及び低い生物腐食性であり、一方、良好
な機械的特性が低い摩擦係数及び低い摩滅特性に見出さ
れている。更に、本発明により得られた材料の寸法安定
性は、優れている。更に、本発明で得られたバルク材料
での親水性表面被覆の付着は、その視覚透明性に影響を
与えない。
【0143】要約すれば、本発明の方法により得られる
眼科用装置、例えばコンタクトレンズは、細胞破片、化
粧品、塵又はよごれ、溶媒蒸気又は化学品での低い汚染
と合わせて、例えば眼の上での眼科用装置の非常に良好
な動きをもたらすソフトヒドロゲル表面の点からの患者
の装着のため高い快適性を提供する。
【0144】本発明の方法により被覆された、腎臓の透
析膜、血液貯蔵袋、ペースメーカーの導線又は血管移植
片のような生物医学装置は、結合された水の連続層の手
段によりタンパク質による汚染に抵抗し、血栓の割合い
及び範囲を減少させる。本発明により得られた血液−接
触装置は、したがって、血液適合性であり、生物適合性
である。
【0145】例えば、特に断らない限り、量は重量であ
り、温度は摂氏度で与えられる。涙−分解時間は、一般
的にレンズ前面の涙フィルムの非侵入分解時間(PLT
F−NIBUT)(これは、M. Guillon et al., Ophth
al. Physiol. Opt. 9, 355-359 (1989)又は M. Guillon
et al., Optometry and Vision Science 74, 273-279
(1997)により公開された方法に従い決定された)に関す
る。被覆及び非被覆レンズの平均前進及び後退接触角
は、Kruess K-12 装置(Kruess GmbH, Hamburg,German
y)を用いる、動的なウィルヘルミイ方法(Wilhelmy me
thod)により決定された。固体上の湿潤力は、固体が既
知の表面張力の液体に浸され、又は引き上げられるとき
に測定される。
【0146】
【実施例】表面官能基化 実施例A−1:1,2−ジアミノシクロヘキサンプラズ
マ被覆(DACH) 二個の乾燥された Lotrafilcon A レンズ(ポリシロキ
サン/ペルフルオロアルキルポリエーテルコポリマー)
を、イソプロパノール、トルエン、そして再びイソプロ
パノール中で抽出の後、誘導結合した冷グロー放電プラ
ズマ発生のための、外部の環状電極及び27.13MH
zラジオ周波数(RF)発生器を備えたプラズマ反応器
中のガラスホルダー上に配置した。基質とプラズマ領域
の下部端の距離は、12cmである。反応器は、0.00
8mbarまで排気し、この条件で1時間保持した。次い
で、反応器のプラズマ領域中のアルゴンプラズマガスの
流速を20sccm(標準立方センチメーター)にし、反応
器中の圧力を0.12mbarに調節し、RF発生器を作動
させた。電力250ワットのプラズマ放電を(レンズ表
面を清浄にし、活性にするために)全部で1分間維持し
た。その後、DACH貯蔵容器(24℃に維持されてい
る)から1,2−DACHの蒸気を反応チャンバーの中
に0.15mbarで1分間導入した。この後、DACHの
プラズマ重合のために以下のパラメーターを選択した:
プラズマ励起のためのアルゴン流速=5sccm、DACH
移送のためのアルゴン担体ガスの流速=5sccm、DAC
H蒸発ユニットの温度=24℃、基質とプラズマ領域の
下部端の距離=5cm、圧力=0.2mbar及びプラズマ電
力=100W。レンズをパルス化グロー放電プラズマ
(1μ秒オン、3μ秒オフ)で約5分間処理した。5分
間の析出後、プラズマ放電を中断し、DACH蒸気を更
に5分間導入した。次いで、残留モノマー及び活性化さ
れた少量モノマーをのぞくために、排気し、0.008
mbarの圧力に30分維持した。乾燥窒素を用いて、内部
圧力を周囲圧にした。次いで、基質の別の側面を被覆す
るために、基質を引っくり返して、全体の処理を繰り返
した。次いで、試料を反応器から取り外し、引き続く光
開始剤結合のために用いた。
【0147】実施例A−2:反応性光開始剤分子の表面
結合 実施例A−1からのアミノ官能基化コンタクトレンズ
を、1,2−DACHプラズマでのプラズマ処理後直ち
に、EP O 632 329に記載のように、イソホロンジイソシ
アナートと4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル
2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン(Darocure 295
9)からの付加反応により調製された反応性光開始剤
(I)の1%アセトニトリル溶液中に浸した。レンズ表
面のアミノ基を、光開始剤分子のイソシアナト基と12
時間反応させた。この時間の後、レンズを反応溶液から
とり出し、洗浄し、アセトニトリルで8時間抽出し、減
圧下に2時間乾燥した。続いて、乾燥したレンズを光グ
ラフト化に用いた。
【0148】実施例A−3:反応性光開始剤分子の表面
結合 実施例A−1からのアミノ官能基化コンタクトレンズ
を、1,2−DACHプラズマでのプラズマ処理後直ち
に、WO 96/20796に記載のように、イソホロンジイソシ
アナートと2−エチル−2−(ジメチルアミノ)−1−
〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−4−ペ
ンテン−1−オンの付加反応により調製された反応性光
開始剤(II)の1%アセトニトリル溶液中に浸した。レ
ンズ表面のアミノ基を、光開始剤分子のイソシアナト基
と16時間反応させた。この時間の後、レンズを反応溶
液からとり出し、洗浄し、アセトニトリルで12時間抽
出し、減圧下に2時間乾燥した。続いて、乾燥したレン
ズを光グラフト化に用いた。
【0149】反応性モノマーの光グラフト化 実施例B−1:コンタクトレンズ表面への2−イソシア
ナトエチルメタクリラート(IEM)の光グラフト化 IEMの1.0gを、アセトニトリル9mlに溶解し、そ
の溶液をアルゴン流れ下、5分間攪拌した。次いで、ア
ルゴンを溶液を通して約10分間起泡させた。次いで、
溶液を0.45μmテフロン(登録商標)フィルターを
通して濾過し、更に10分間アルゴンで脱ガスした。次
いで、濾過した溶液を液体窒素によりフラスコ中で凍結
し、フラスコを高真空下で脱気し、グローブボックス中
へ移し、光グラフト化のために用いた。IEM溶液1ml
を、グローブボックス中で、約3ml容量の小さなペトリ
皿へ移した。その表面に共有結合した光開始剤分子を有
する、実施例A−2からの乾燥したレンズを、この溶液
中に置き、このレンズ全体を溶液で覆うためにこのレン
ズに脱ガスした溶液1mlを更に加えた。5分後、溶液中
にレンズを有するペトリ皿を15mW紫外光に約3分間、
暴露した。次いで、レンズを引っくり返して更に3分
間、15mW紫外光の適用を繰り返した。次いで、改質さ
れたレンズを溶液からとり出し、乾燥アセトニトリルで
2回洗浄し、続いて乾燥アセトニトリル中で2時間連続
して抽出した。
【0150】実施例B−2:コンタクトレンズ表面への
2−ビニル−4,4−ジメチルアズラクトン(VAL)
の光グラフト化 VALの1.5gをアセトニトリル13.5mlに溶解
し、溶液をアルゴン流れ下で、5分間攪拌した。次い
で、アルゴンを溶液を通して約10分間起泡させた。次
いで、溶液を0.45μmテフロンフィルターを通して
濾過し、更に10分間アルゴンで脱ガスした。次いで、
濾過した溶液を液体窒素によりフラスコ中で凍結し、フ
ラスコを高真空下で脱気し、グローブボックス中へ移
し、光グラフト化のために用いた。VAL溶液1mlを、
グローブボックス中で、約3ml容量の小さなペトリ皿へ
移した。その表面に共有結合した光開始剤分子を有す
る、実施例A−3からの乾燥したレンズを、この溶液中
に置き、このレンズ全体を溶液で覆うためにこのレンズ
に脱ガスした溶液1mlを更に加えた。5分後、溶液中に
レンズを有するペトリ皿を15mW紫外光に約3分間、暴
露した。次いで、レンズを引っくり返して更に3分間、
15mW紫外光の適用を繰り返した。次いで、改質された
レンズを溶液からとり出し、乾燥アセトニトリルで2回
洗浄し、続いて乾燥アセトニトリル中で2時間連続して
抽出した。
【0151】実施例B−3〜B−5:コンタクトレンズ
表面への反応性分子の光グラフト化 以下の反応性モノマーを、実施例A−2により得たレン
ズ表面へ、実施例B−1及びB−2に記載の方法を用い
て、光グラフトした。
【0152】
【表1】
【0153】テロマーの合成 実施例C−1:アクリロアミドテロマー 1000mlの3頚丸底フラスコに、脱イオン水150ml
中のシステアミン塩酸塩17.5g(154mmol)を導
入した。α,α′−アゾジイソブチルアミジン二塩酸塩
1.1g(4mmol)及び脱イオン水450ml中のアクリ
ルアミド142g(2mol)を加えた。1モル当量の塩酸
を加えることにより溶液のpHを3に調整した。強力なク
ーラー及び内部温度計をフラスコに接続した。装置を1
00mbarまで脱気し、アルゴンを満たした。これを5回
繰り返した。混合物を60℃で3時間加熱し、室温まで
冷却した。分析サンプルを凍結乾燥し、モノマー転換
は、1H−NMRスペクトロスコピーで決定した。C=
C二重結合に相当する共鳴吸収は、観測できず、>98
%のモノマー転換を示した。残りの混合物のpHを、1モ
ル当量の水酸化ナトリウム溶液の添加により10.5に
調整し、全容量を1200mlに希釈した。塩及び低分子
量残量物、例えば未反応鎖移動剤を、Millipore Helico
n R0−4 Nanomax 50膜操作を備えたMillipore Proscale
システムを用いて、15barでの逆浸透により除いた。
凍結乾燥により、得られた保持物から生成物を単離し
た。収量:白色粉末102gアミノ基の濃度は、官能基
滴定により決定し、4500g/molのテロマーの平均
分子量に相当する0.22mmol/gNH2を得た。GPC
−分析は、単一形式の分子量分布を示し、高分子量ポリ
マーが存在しないことを示した。
【0154】実施例C−2:アクロイルモルホリンテロ
マー 100mlの3頚丸底フラスコに、1モル当量の水性酢酸
45ml中のシステアミン塩酸塩1.6g(14.3mmol)
を導入した。α,α′−アゾジイソブチルアミジン二塩
酸塩55mg(0.2mmol)及びアクリロイルモルホリン
14.1g(100mmol)を加えた。強力なクーラー及
び内部温度計をフラスコに接続した。装置を100mbar
まで脱気し、アルゴンを満たした。これを5回繰り返し
た。混合物を60℃で4時間加熱し、室温まで冷却し
た。分析サンプルを凍結乾燥し、モノマー転換は、1
−NMRスペクトロスコピーで決定した。C=C二重結
合に相当する共鳴吸収は、観測できず、>98%のモノ
マー転換を示した。残りの混合物を凍結乾燥し、メタノ
ールに溶解し、2リットルのジエチルエーテル中にテロ
マーを沈殿させた、集めて乾燥した。
【0155】テロマーを水50ml中に再溶解し、0.1
モル当量の水酸化ナトリウム溶液143mlを加えて、pH
を10.5に調整し、次いで全量500mlまで水で希釈
した。塩及び残留低分子量成分を、A/G Technology Cor
poration, Needham, MA からのUFP−1−E−4Aカート
リッジを用いる限外濾過により除いた。アミノ基の濃度
は、官能基滴定により決定し、1850g/molのテロ
マーの平均分子量に相当する0.54mmol/gNH2を得
た。
【0156】実施例C−3:α,α′−モノ−イソシア
ナトエチルメタアクリラトトレハロースからのテロマー 100mlの3頚丸底フラスコに、1モル当量の水性酢酸
45ml中のシステアミン塩酸塩3.8g(33.4mmol)
を導入した。55mg(0.2mmol)のα,α′−アゾジ
イソブチルアミジン二塩酸塩及びモノイソシアナトエチ
ルメタクリラトトレハロース53g(106mmol)を加
えた。強力なクーラー及び内部温度計をフラスコに接続
した。装置を100mbarまで脱気し、アルゴンを満たし
た。これを5回繰り返した。混合物を60℃で一夜加熱
し、室温まで冷却した。生成物をアセトン2リットル中
で沈殿させ、濾過により単離し、淡黄色粉末を得た。C
=C二重結合に相当する共鳴吸収は、1H−NMRスペ
クトロスコピーで観測できず、>98%のモノマー転換
を示した。生成物を水200mlに溶解し、0.1モル当
量の水酸化ナトリウム溶液107mlを加えて、pHを1
0.5に調整し、次いで全量500mlまで水で希釈し
た。塩及び残留低分子量成分を、A/G Technology Corpo
ration, Needham, MA からのUFP−1−E−4Aカートリッ
ジを用いる限外濾過により除いた。アミノ基の濃度は、
官能基滴定により決定し、8300g/molのテロマー
の平均分子量及び重合度16に相当する0.12mmol/g
NH2を得た。
【0157】実施例C−4:ヒドロキシエチルアクリル
アミドとN−アクリロイルモルホリンのコ−テロマー 1000mlの3頚丸底フラスコに、脱イオン水400ml
中のシステアミン塩酸塩28.4g(250mmol)を導
入した。α,α′−アゾジイソブチルアミジン二塩酸塩
407mg(1.5mmol)、アクリロイルモルホリン7
0.6g(500mmol)及びN−ヒドロキシエチルアク
リルアミド28.8g(250mmol)を加えた。強力な
クーラー及び内部温度計をフラスコに接続した。装置を
100mbarまで脱気し、アルゴンを満たした。これを5
回繰り返した。混合物を60℃で4時間加熱し、室温ま
で冷却した。分析サンプルを凍結乾燥し、モノマー転換
は、 1H−NMRスペクトロスコピーで決定した。C=
C二重結合に相当する共鳴吸収は、観測できず、>98
%のモノマー転換を示した。残りの混合物を、30%K
OH溶液の添加によりpH=10に調整した。塩及び低分
子量残量物、例えば未反応鎖移動剤は、Millipore Heli
con R0−4 Nanomax50膜を備えた Millipore Proscaleシ
ステムを用いて、15barでの逆浸透により除いた。凍
結乾燥により、得られた保持物から生成物を単離した。
アミノ基の濃度は、官能基滴定により決定し、1050
g/molのテロマーの平均分子量に相当する0.95mmo
l/gNH2を得た。GPC−分析は、単一形式の分子量分
布を示し、高分子量ポリマーが存在しないことを示し
た。
【0158】実施例C−5:アクリルアミドテロマー 1000mlの丸底フラスコに、脱イオン水400ml中の
アクリルアミド71.1g(1mol)、α,α′−アゾ
ジイソブチルアミジン二塩酸塩4.93g(18.2mm
ol)及びシステアミン塩酸塩4.93g(36.4mmo
l)を導入した。この透明な、やや黄色溶液を塩酸数滴
でpH3へ酸性化した。攪拌した酸性溶液を50mbarまで
脱気し、アルゴンで満たした。これを3回繰り返した。
アルゴンの定状流れ下で、この溶液を、還流コンデンサ
ー、温度計、磁気回転子及び30cmリービッヒコンデン
サー(これは、グラスウールが詰められている)を備え
た1000mlの3頚丸底フラスコからなる「流れ反応容
器(flow-through-reactor)」上に配置された500ml
滴下ロート中に注ぎ込んだ。装置全体を常にアルゴンで
パージした。滴下ロートを、65℃に加熱されたリービ
ッヒコンデンサー上に配置した。フラスコを60℃に加
熱した。ゆっくりと、溶液をリービッヒコンデンサーを
通して攪拌されたフラスコへ滴下した。この滴下は、
2.5時間かかり、フラスコ中の温度は、58〜65℃
の間に維持した。添加終了後、溶液を60℃で2時間攪
拌した。NaOHを、pH10に達するまで透明なやや黄
色溶液に加えた。生成物を、1000Daでカットする
ミリポアカートリッジを用いて、逆浸透により精製し、
凍結乾燥した。輝白色固体生成物を得た。アミノ基の濃
度は、元素分析(0.33mEq/g)の硫黄−値によく一
致する官能基滴定(0.34mEq/g)により決定した。
Mn2000g/mol。
【0159】ビン−ブラシタイプ被覆の調製 実施例D−1:イソシアナト官能基化1次被覆とアミノ
末端テロマーの結合 その表面上のイソシアナト基と共有結合したポリ−IE
M鎖を有する実施例B−1からの乾燥したレンズを、実
施例C−5のアミノ官能基化テロマー0.6g及び脱イ
オン水3mlから調製された水溶液中に置いた。レンズ表
面上のイソシアナト基と、テロマーのアミノ基を25℃
で12時間反応させた。次に、改質されたレンズを溶液
から引き上げ、蒸留水で2回洗浄し、超純水で16時間
連続して抽出し、ATR−FTIR及び接触角測定によ
り分析した。改質されたレンズの水/空気接触角は、2
7°前進、19°後退、8°ヒステリシスであった。比
較において、非改質レンズは、101°前進、64°後
退、37°ヒステリシスであった。ATR−FTIR
は、被覆のビン−ブラシタイプ構造を示した。
【0160】実施例D−2:イソシアナト官能基化1次
被覆とアミノ末端コ−テロマーの結合反応 その表面上のイソシアナト基と共有結合したポリ−IE
M鎖を有する実施例B−1からの乾燥したレンズを、実
施例C−4のアミノ末端コ−テロマーを使用して、実施
例D−1に相当する方法により改質した。改質されたレ
ンズの水/空気接触角は、55°前進、41°後退、1
4°ヒステリシスであった。比較において、非改質レン
ズは、101°前進、64°後退、37°ヒステリシス
であった。
【0161】実施例D−3:ラクトン官能基化1次被覆
とアミノ末端テロマーの結合反応 その表面上の反応性ラクトン基と共有結合したポリ−V
AL鎖を有する実施例B−2からの乾燥したレンズを、
実施例C−5のアミノ官能基化テロマー0.6g及び脱
イオン水3mlから調製された水溶液中に置いた。レンズ
表面上のラクトン基と、テロマーのアミノ基を25℃で
12時間反応させた。次に、改質されたレンズを溶液か
ら引き上げ、蒸留水で2回洗浄し、超純水で16時間連
続して抽出し、ATR−FTIR及び接触角測定により
分析した。改質されたレンズの水/空気接触角は、21
°前進、13°後退、8°ヒステリシスであった。比較
において、非改質レンズは、101°前進、64°後
退、37°ヒステリシスであった。ATR−FTIR
は、被覆のビン−ブラシタイプ構造を示した。
【0162】実施例D−4〜D−9:他の官能基化1次
被覆とアミノ末端テロマーの結合反応 更なる結合反応を、下記の官能基化されたレンズ及びコ
/テロマーを使用して、実施例D−1に記載の方法によ
り実施した:
【0163】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 83:12 C08L 83:12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料表面を被覆する方法であって、
    (a)重合開始剤基を、材料表面に共有結合させる工
    程;(b)反応性基を有するビニルモノマーを、開始剤
    −改質された材料表面上にグラフト重合させ、それによ
    り反応性基を含む1次ポリマー被覆を準備する工程;及
    び(c)1次ポリマー被覆の反応性基を、1次ポリマー
    被覆の反応性基と共反応性である官能基を有する親水性
    テロマーと反応させる工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 材料表面が、有機バルク材料を含む生物
    医学装置の表面である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)において、表面にイソシアナ
    ト基と共反応性であるH−活性基を既に含むか又は準備
    し、そして該H−活性基を、式(1b)又は(1c): 【化1】 (式中、 R1は、分岐C3−C18−アルキレン、非置換若しくはC
    1−C4−アルキル−若しくはC1−C4−アルコキシ−置
    換C6−C10−アリーレン、又は非置換若しくはC1−C
    4−アルキル−若しくはC1−C4−アルコキシ−置換C7
    −C18−アラルキレン、非置換若しくはC1−C4−アル
    キル−若しくはC1−C4−アルコキシ−置換C3−C8
    シクロアルキレン、非置換若しくはC1−C4−アルキル
    −若しくはC1−C4−アルコキシ−置換C3−C8−シク
    ロアルキレン−Cy2y−又は非置換若しくはC1−C4
    −アルキル−若しくはC1−C4−アルコキシ−置換−C
    y2y−(C3−C8−シクロアルキレン)−Cy2y
    (ここで、yは、1〜6の整数である)であり;R
    2は、直接結合又は直鎖若しくは分岐C1−C8−アルキ
    レン(これは、非置換又は−OHで置換され、及び/又
    は中断されていないか又は−O−、−OC(O)−若し
    くは−O−C(O)−O−の基の1個以上により中断さ
    れている)であり;R3は、H、C1−C12−アルキル、
    1−C12−アルコキシ、N−C1−C12−アルキルアミ
    ノ又はN,N−ジ−C1−C12−アルキルアミノであ
    り;R4及びR5は、それぞれ他と独立して、H、直鎖若
    しくは分岐C1−C8−アルキル、C1−C8−ヒドロキシ
    アルキル又はC6−C10−アリールであるか、又は基R4
    −(O)b1−及びR4−(O)b2−は、一緒になって、
    −(CH2c−(ここで、cは、3〜5の整数である)
    であるか、あるいは基R4−(O)b1−、R4−(O)b2
    −及びR5−(O1b3−は、一緒になって、下記式: 【化2】 (ここで、R13及びR13′は、それぞれ他と独立して、
    H、C1−C8−アルキル、C3−C8−シクロアルキル、
    ベンジル又はフェニルである)の基であり;Zは、二価
    の、−O−、−NH−又は−NR12−(ここで、R
    12は、直鎖又は分岐C1−C6−アルキルである)であ
    り;Z1は、−O−、−O(O)C−、−C(O)−O
    −若しくは−O−C(O)−O−であり;a、b1、b
    2及びb3は、それぞれ他と独立して、0又は1であ
    り;R6は、独立してR1と同じ定義を有するか、又は直
    鎖C3−C18−アルキレンであり;Z2は、直接結合又は
    −O−(CH2d−(ここで、dは、1〜6の整数であ
    る)であり、そして末端のCH2基は、式(1c)の隣
    接のTに結合しており;Tは、二価の、−O−、−NH
    −、−S−、C1−C8−アルキレン又は下記式: 【化3】 の基であり;R8は、直鎖若しくは分岐C1−C8−アル
    キル、C2−C8−アルケニル又はC6−C10−アリール
    −C1−C8−アルキルであり;R9は、R8と独立して、
    8と同じ定義を有するか、又はC6−C10−アリールで
    あるか;あるいはR8及びR9は、一緒になって、−(C
    2e−(ここで、eは、2〜6の整数である)であ
    り;R10及びR11は、それぞれ他と独立して、直鎖若し
    くは分岐C1−C8アルキル(これは、C1−C4−アルコ
    キシにより置換されていてもよい)、又はC6−C1 0
    アリール−C1−C8−アルキル若しくはC2−C8−アル
    ケニルであるか;あるいはR10及びR11は、一緒になっ
    て、−(CH2f1−Z3−(CH2f2−(ここで、Z3
    は、直接結合、−O−、−S−又は−NR7−であり、
    そしてR7は、H又はC1−C8−アルキルであり、そし
    てf1及びf2は、それぞれ他と独立して、2〜4の整
    数であるが、 但しR5がHのときにはb1及びb2は、それぞれ0で
    あり;(b1+b2+b3)の合計は、2を超えず、そ
    してR2が直接結合であるとき、aは0である)で示さ
    れる重合開始剤と反応させる、請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 表面が、H−活性の、−OH、−NH2
    及び/又は−NH−基で準備され、それらのいくつか又
    は全てにおいて、H−原子が式(1b′)又は(1
    c′): 【化4】 (式中、 R1−R11、T、Z、Z1、Z2、a、b1、b2及びb
    3は、請求項3と同義である)の基により置換されてい
    る、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 工程(b)のビニルモノマーが、2〜1
    8個のC−原子を有するエチレン性不飽和化合物(これ
    は、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルボン酸ハラ
    イド、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、エポキ
    シ、ラクトン、アザラクトン及びイソシアナト基からな
    る群から選択される反応性基により置換されている)で
    ある、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 ビニルモノマーが、式(2a)、(2
    b)、(2c)、(2d)又は(2e): 【化5】 (式中、 R14は、水素、非置換又はヒドロキシ−置換C1−C6
    アルキル又はフェニルであり、 R15及びR16は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C4
    −アルキル、フェニル、カルボキシ又はハロゲンであ
    り、 R17は、水素、C1−C4−アルキル又はハロゲンであ
    り、 R18及びR18′は、それぞれ2〜6個のC−原子を有す
    るエチレン性不飽和基であるか、又はR18及びR18
    は、一緒になって、二価の−C(R15)=C(R 17)−
    (ここで、R15及びR17は、上記と同義である)であ
    り、そして(Alk*)は、C1−C6−アルキレンであり、
    そして(Alk**)は、C2−C12−アルキレンである)で
    示される、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 工程(c)の親水性テロマーが、式
    (3): 【化6】 (式中、 Xは、ヒドロキシ、アミノ、C1−C6−アルキルアミ
    ノ、カルボキシ又はカルボキシ誘導体であり、そして
    (oligomer)は、(i)式(3a): 【化7】 (式中、 (alk)は、C2−C12−アルキレンであり、 Qは、重合鎖反応停止剤として働くに適切である一価基
    であり、 p及びqは、それぞれ他と独立して、0〜350の整数
    であり、ここで、(p+q)の合計は、2〜350の整
    数であり、そしてB及びB′は、それぞれ他と独立し
    て、ビニル性二重結合を単結合により置き換えることに
    より共重合性ビニルモノマーから誘導される1,2−エ
    チレン基であり、基B及びB′の少なくとも一つは、親
    水性置換基で置換されている)で示されるテロマーの
    基;又は(ii)式(3b): 【化8】 (式中、 R19は、水素又は非置換若しくはヒドロキシ−置換C1
    −C12−アルキルであり、 uは、2〜250の整数であり、そしてQ′は、重合開
    始剤の基である)で示されるオリゴマーの基;又は(ii
    i)式(3b′): 【化9】 (式中、X1は、−O−、−NH−又は−NC1−C6
    アルキル−であり、そしてR19、X及びuは、上記と同
    義である)で示される基;又は(iv)式(3c): 【化10】 (式中、 R20及びR20′は、それぞれ独立に、C1−C4−アルキ
    ルであり、 An-は、アニオンであり、 vは、2〜250の整数であり、そしてQ″は、重合鎖
    反応停止剤として働くに適切である一価基である)で示
    されるオリゴマーの基;又は(V)式(3d)若しくは
    (3d′): 【化11】 (式中、 R21は、水素又はC1−C4−アルキル(これは、非置換
    又はヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、アミノ、
    フェニル、o−、m−若しくはp−ヒドロキシフェニ
    ル、イミダゾリル、インドリル又は基−NH−C(=N
    H)−NH2により置換されている)であり、そしてt
    は、2〜250の整数である)で示されるオリゴペプチ
    ドの基、若しくはプロリン若しくはヒドロキシプロリン
    に基づくオリゴペプチドの基;又は(vi)式(3e): 【化12】 (式中、 R29は、水素又はC1−C24アルキルであり、 (alk*)は、C2−C4−アルキレンであり、 zは、0又は1であり、 r及びsは、それぞれ独立して、0〜250の整数であ
    り、そして(r+s)の合計は、2〜250の整数であ
    る)で示されるポリアルキレンオキシドの基;又は(vi
    i)オリゴ糖類の基を意味する)で示される、請求項1
    〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 (oligomer)が、式(3a′): 【化13】 (式中、 (alk)は、C2−C6−アルキレンであり、 Qは、重合鎖反応停止剤として働くに適切である一価基
    であり、 p及びqは、それぞれ、0〜100の整数であり、そし
    て(p+q)の合計は、5〜100の整数であり、 R25及びR25′は、それぞれ他と独立して、水素又はメ
    チルであり、そしてR26及びR26′は、それぞれ他と独
    立して、基−COOY(ここで、Yは、C 1−C2−アル
    キル、C2−C3−アルキル(これは、ヒドロキシ、アミ
    ノ又はN,N−ジ−C1−C2−アルキルアミノにより置
    換されている)であるか、又は基−C2−C4−アルキレ
    ン−NH−C(O)−O−G(ここで−O−Gは、トレ
    ハロース又は最大8個の糖単位を有するシクロデキスト
    リン断片の基である)、又は基−CO−NY12(ここ
    で、Y1及びY2は、それぞれ他と独立して、水素又はC
    1−C4−アルキル(これは、非置換又はヒドロキシで置
    換されている)であるか、又はY1及びY2は、隣接N−
    原子と一緒になって、N−C1−C2アルキルピペラジノ
    又はモルホリノ環を形成するか;又はN−ピロリドニ
    ル、2−若しくは4−ピリジニル、2−メチルピリジン
    −5−イル、2−、3−若しくは4−ヒドロキシピリジ
    ニル、N−ε−カプロラクタミル、N−イミダゾリル、
    2−メチルイミダゾール−1−イル、N−モルホリニル
    及び4−N−メチルピペラジン−1−イルからなる群よ
    り選択される複素環基である)で示されるテロマー基で
    ある、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 (oligomer)が、式(3a″): 【化14】 (式中、 (alk)は、C2−C4−アルキレンであり、 Qは、重合鎖反応停止剤として働くに適切である一価基
    であり、 pは、5〜100の整数であり、そしてR25は、水素又
    はメチルであり、 R26は、基−CONH2、−CON(CH32、−CO
    NH−(CH22−OH、−COO−(CH22−N
    (CH32、下記式: 【化15】 のいずれかの基、又は−COO−(CH22-4−NHC
    (O)−O−G(ここで、−O−Gは、トレハロースの
    基である)で示されるテロマー基である、請求項7記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項記載の方
    法により得ることができる被覆された材料。
  11. 【請求項11】 生物医学装置、好適には眼科用装置、
    特にコンタクトレンズ、眼内レンズ又は人工角膜であ
    る、請求項10記載の被覆された材料。
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