JP2001157598A - 遺伝子検出方法およびその方法を利用した装置 - Google Patents

遺伝子検出方法およびその方法を利用した装置

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JP2001157598A
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Hiroshi Nakayama
浩 中山
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞、ウイルスまたは細菌を簡便に、かつ高
い選択性をもって検出できる遺伝子検出方法、およびそ
の方法に好適な装置を提供すること 【解決手段】 細胞、ウイルスまたは細菌から遺伝子を
抽出する工程、任意に抽出された遺伝子を断片化する工
程、および、遺伝子またはその断片を検出する工程を包
含する、遺伝子検出方法。この方法において、抽出工
程、任意の断片化工程、および検出工程は、単一の遺伝
子検出装置上で、遺伝子またはその断片を含む液体試料
をキャピラリー作用によって移動させることにより連続
して行われ得る。細胞、ウイルスまたは細菌から遺伝子
を抽出するための領域、任意に抽出された遺伝子を断片
化するための領域、および遺伝子またはその断片を検出
するための領域を備えた、遺伝子検出装置。この装置
は、遺伝子またはその断片を含む液体試料を、該抽出領
域、任意の断片化領域、および検出領域を通じて、キャ
ピラリー作用によって移動させ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞、ウイルスま
たは細菌を遺伝子レベルで検出するための方法および装
置に関する。本発明は、特に、環境、食品および医療の
分野において有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、細胞、ウイルスまたは細菌の検出
法の例として、これらの測定対象物に結合する二種類以
上の抗体を備えた免疫クロマトグラフィー・デバイスを
用いて、測定対象物をサンドイッチ状に捕捉する方法が
ある。この方法では、標識物として色素または酵素を用
い、色素の呈色または酵素反応による可視化を利用し
て、捕捉された測定対象物について判定していた。
【0003】他の検出法の例としては、細胞、ウイルス
または細菌から有機溶剤などを利用して抽出した遺伝子
を、PCRにより増幅する方法がある。この方法では、
測定対象物由来の遺伝子に相補的に結合するプローブを
蛍光色素などで標識したものを、PCR増幅された産物
と混合し、得られた結合体からの蛍光を検出することに
より、測定対象物の存在を検出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような、従来の
免疫クロマトグラフィー・デバイスは、細胞、ウイルス
または細菌の表面にある抗原性物質(表面抗原)を検出
するものであるが、その検出の特異性に課題があった。
例えば、一種類の細菌を選択的に検出することが意図さ
れているにもかかわらず、デバイス上の抗体が交差反応
を起こして他種の細菌を補足する場合があり、誤動作の
原因となっていた。
【0005】他方、細胞、ウイルスまたは細菌から遺伝
子を抽出して、その遺伝子の塩基配列情報に基づいて測
定対象物の存在を判断する方法においては、 遺伝子抽
出およびPCR増幅を含む一連の操作、特にタンパク質
除去の段階の溶液のハンドリングが煩雑であるという課
題があった。
【0006】本発明は上記の問題点を解決するためのも
のであり、その目的とするところは、細胞、ウイルスま
たは細菌を簡便に、かつ高い選択性をもって検出できる
遺伝子検出方法、およびその方法に好適な装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、細胞、ウイル
スまたは細菌から遺伝子を抽出する工程、任意に抽出さ
れた遺伝子を断片化する工程、および、該遺伝子または
その断片を検出する工程を包含する、遺伝子検出方法で
あって、該抽出工程、任意の断片化工程、および検出工
程が、単一の遺伝子検出装置上で、該遺伝子またはその
断片を含む液体試料をキャピラリー作用によって移動さ
せることにより連続して行われる、遺伝子検出方法を提
供する。
【0008】上記遺伝子検出方法において、上記細菌
は、以下の分類のいずれかに属し得る:ロドスピリル
ム、クロマチア、クロロビウム、ミクソコッカス、アル
カンギウム、シストバクター、ポリアンギウム、サイト
ファーガ、ベギアトア、シモンシエラ、リューコトリッ
クス、アクロマチウム、ペロネーマ、スピロヘータ、ス
ピリルム、シュードモナス、アゾトバクター、リゾビウ
ム、メチロモナス、ハロバクテリウム、腸内細菌、ヴィ
ブリオ、バクテロイデス、ナイセリア、ヴェイヨネラ、
アンモニアまたは亜硝酸化細菌、硫黄代謝細菌、酸化鉄
および/または酸化マンガン沈着細菌、シデロカプサ、
メタノバクテリウム、好気性または通性嫌気性ミクロコ
ッカス、ストレプトコッカス、嫌気性ペプトコッカス、
バチルス、乳酸桿菌、コリネフォルム細菌、プロピオン
酸菌、アクチノミセス、マイコバクテリウム、フランキ
ア、アクチノプラーネス、デルマトフィルス、ノカルデ
ィア、ストレプトミセス、ミクロモノスポラ、リケッチ
ア、バルトネラ、アナプラズマ、クラミディア、マイコ
プラズマ、およびアコレプラズマ。
【0009】上記遺伝子検出方法において、上記ウイル
スは、以下の分類のいずれかに属し得る:エンテロウイ
ルス、カルディオウイルス、ライノウイルス、アフトウ
イルス、カリシウイルス、ヘパトウイルス、オルビウイ
ルス、レオウイルス、ロタウイルス、アビビルナウイル
ス、ピスチビルナウイルス、エントモビルナウイルス、
アルファウイルス、ルビウイルス、ペスティウイルス、
フラヴィウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエンザ
ウイルス、ニューモウイルス、パラミクソウイルス、モ
ルビリウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイルス、
コロナウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス、レ
ンチウイルス、オルトヘパドナウイルス、マストアデノ
ウイルス、リンホクリプトウイルス、ロゼオロウイル
ス、サイトメガロウイルス、ワリセラウイルス、および
シンプレックスウイルス。
【0010】本発明はまた、細胞、ウイルスまたは細菌
から遺伝子を抽出するための領域、任意に抽出された遺
伝子を断片化するための領域、および該遺伝子またはそ
の断片を検出するための領域を備えた、遺伝子検出装置
であって、該遺伝子またはその断片を含む液体試料を、
該抽出領域、任意の断片化領域、および検出領域を通じ
て、キャピラリー作用によって移動させ得る、遺伝子検
出装置を提供する。
【0011】上記抽出領域は、細胞、ウイルスまたは細
菌の、電気的処理または化学的処理を行うための構成を
有し得る。電気的処理は、電圧を細胞、ウイルスまたは
細菌にかけることにより遺伝子を遊離させる処理であり
得る。 化学的処理は、酵素、界面活性剤、カオトロピ
ック試薬、金属キレート剤、還元剤、および有機溶媒、
ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される
変性試薬を、細胞、ウイルスまたは細菌に接触させるこ
とにより遺伝子を遊離させる処理であり得る。
【0012】上記断片化領域は、抽出された遺伝子の、
制限酵素処理または酸もしくはアルカリでの化学的処理
を行うための構成を有し得る。
【0013】上記検出領域は、上記遺伝子またはその断
片の、抗遺伝子抗体との反応および/または相補的ポリ
ヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを行うための
構成を有し得る。抗遺伝子抗体との反応は、免疫クロマ
トグラフィー法、免疫比濁法、免疫ひろう法、ラテック
ス免疫比濁法、ラテックス免疫ひろう法または蛍光偏光
免疫測定法を用いて検出され得る。ハイブリダイゼーシ
ョンは、遺伝子クロマトグラフィー法、遺伝子比濁法、
または遺伝子比ろう法を用いて検出され得る。
【0014】本発明は、好適な実施態様において、細
胞、ウイルスまたは細菌の同定に有用な遺伝子検出装置
であって、以下の領域:細胞、ウイルスまたは細菌から
遺伝子を抽出するための領域であって、電圧を細胞、ウ
イルスまたは細菌にかけることにより遺伝子を遊離させ
る電気的処理を行うための構成を有する領域;抽出され
た遺伝子を断片化するための領域であって、該抽出遺伝
子の制限酵素処理を行うための構成を有する領域;およ
び、該遺伝子の断片を検出するための領域であって、標
識部分を結合させた相補的ポリヌクレオチドまたは抗遺
伝子抗体を有するサブ領域、および多孔質膜上に固定化
された相補的ポリヌクレオチドを有するサブ領域を含む
領域を備え、該遺伝子またはその断片を含む液体試料
を、該抽出領域、断片化領域、および検出領域を通じ
て、キャピラリー作用によって移動させ得る、遺伝子検
出装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を詳しく説明す
る。
【0016】(遺伝子検出方法の対象)本発明は、細
胞、ウイルスまたは細菌からの遺伝子の検出に関する。
本明細書において、「細胞」とは、真核細胞をいう。
「ウイルス」とは、核酸(DNAまたはRNA)がタン
パク質に包まれた、いわゆるビリオンを構成する感染性
の構造体をいう。「細菌」とは、原核細胞である単細胞
の微小生物をいう。本発明によれば、特定のタイプの細
胞、ウイルスまたは細菌(以下、総称して「測定対象
物」ともいう)を含むことが疑われる試料を分析して、
当該測定対象物を特徴づける遺伝子(以下「目的遺伝子
ともいう」)の存否を判断し、さらにその種類を同定す
ることが可能になる。
【0017】本発明において意図される試料は、医療診
断、環境測定、および食品管理を含む任意の分野におけ
る、分析が所望される測定対象物を含む材料である。医
療診断用の試料の例としては、血液、リンパ液、および
組織液を包含する体液が挙げられる。環境測定用の試料
の例としては、土壌、河川、大気などから採取した材料
が挙げられる。食品管理用の試料の例としては、ひき肉
からの抽出液、まな板表面からの抽出液が挙げられる。
試料は、後述する本発明の検出装置に適用し得る限り、
任意の液体試料であり得、代表的には、水を溶媒または
分散媒として含む任意の水性試料であり得る。
【0018】本発明において測定対象物となる細胞は特
に限定されないが、その例としては、生体から採集され
た細胞(例えば、ほ乳動物の血液、リンパ液または組織
液中の細胞、粘膜細胞など)および培養細胞(例えば、
酵母、昆虫、植物、動物などの培養細胞)が挙げられ
る。より具体的な例としては、疾病に罹患したか、もし
くは罹患が疑われる被験体、または疾病モデル動物から
採集された細胞であって、当該疾病に特有の表現型を有
する細胞などが挙げられる。
【0019】本発明において測定対象物となるウイルス
は特に限定されず、任意の細菌ウイルス、植物ウイル
ス、および動物ウイルスを含む。その例としては、以下
の分類のいずれかに属するウイルスが挙げられる:En
terovirus(エンテロウイルス)、Cardi
ovirus(カルディオウイルス)、Rhinovi
rus(ライノウイルス)、Aphthovirus
(アフトウイルス)、Calicivirus(カリシ
ウイルス)、Hepatovirus(ヘパトウイル
ス)、Orbivirus(オルビウイルス)、Reo
virus(レオウイルス)、Rotavirus(ロ
タウイルス)、Abibirnavirus(アビビル
ナウイルス)、Piscibirnavirus(ピス
チビルナウイルス)、Entomobirnaviru
s(エントモビルナウイルス)、Alphavirus
(アルファウイルス)、Rubivirus(ルビウイ
ルス)、Pestivirus(ペスティウイルス)、
Flavivirus(フラヴィウイルス)、Hepa
titis C virus(C型肝炎ウイルス)、I
nfluenzavirus(インフルエンザウイル
ス)、Pneumovirus(ニューモウイルス)、
Paramyxovirus(パラミクソウイルス)、
Morbillivirus(モルビリウイルス)、V
esiculovirus(ベシクロウイルス)、Ly
ssavirus(リッサウイルス)、Coronav
irus(コロナウイルス)、Bunyavirus
(ブンヤウイルス)、Arenavirus(アレナウ
イルス)、Lentivirus(レンチウイルス)、
Orthohepadnavirus(オルトヘパドナ
ウイルス)、Mastadenovirus(マストア
デノウイルス)、Lymphocryptovirus
(リンホクリプトウイルス)、Roseoloviru
s(ロゼオロウイルス)、Cytomegalovir
us(サイトメガロウイルス)、Varicellav
irus(ワリセラウイルス)、およびSimplex
virus(シンプレックスウイルス)。
【0020】測定対象ウイルスとして、カリシウイル
ス、ヘパトウイルス、オルトヘパドナウイルス、エンテ
ロウイルス、ロタウイルス、マストアデノウイルス、レ
ンチウイルス、およびC型肝炎ウイルスが重要であり
得、特に、カリシウイルスに属するSmall Rou
nd Structured Virus(SRSV;
小型球形ウイルス)、ヘパトウイルスに属するA型肝炎
ウイルス、オルトヘパドナウイルスに属するB型肝炎ウ
イルス、ならびに、レンチウイルスに属するヒト免疫不
全ウイルスI(エイズウイルス)、およびC型肝炎ウイ
ルスが重要であり得る。
【0021】本発明において測定対象物となる細菌の例
としては、以下の分類のいずれかに属する細菌が挙げら
れる: Rhodospirillaceae(ロドス
ピリルム)、Chromatiaceae(クロマチウ
ア)、Chlorobiaceae(クロロビウム)、
Myxococcaceae(ミクソコッカス)、Ar
changiaceae(アルカンギウム)、Cyst
obacteraceae(シストバクター)、Pol
yangiaceae(ポリアンギウム)、Cytop
hagaceae(サイトファーガ)、Beggiat
oaceae(ベギアトア)、Simonsiella
ceae(シモンシエラ)、Leucotrichac
eae(リューコトリックス)、Achromatia
ceae(アクロマチウム)、Pelonematac
eae(ペロネーマ)、Spirochaetacea
e(スピロヘータ)、Spirillaceae(スピ
リルム)、Pseudomonadaceae(シュー
ドモナス)、Azotobacteraceae(アゾ
トバクター)、Rhizobiaceae(リゾビウ
ム)、Methylomonadaceae(メチロモ
ナス)、Halobacteriaceae(ハロバク
テリウム)、Enterobacteriaceae
(腸内細菌)、Vibrionaceae(ヴィブリ
オ)、Bacteroidaceae(バクテロイデ
ス)、Neisseriaceae(ナイセリア)、V
eillonellaceae(ヴェイヨネラ)、アン
モニアまたは亜硝酸化細菌(Organisms ox
idizing ammonia ornitrit
e)、硫黄代謝細菌(Organisms metab
olizing sulfer and sulfer
compounds)、酸化鉄および/または酸化マ
ンガン沈着細菌(Organisms deposit
ing iron and/or manganese
oxides)、Siderocapsaceae
(シデロカプサ)、Methanobacteriac
eae(メタノバクテリウム)、好気性または通性嫌気
性(Aerobicor facultatively
anaerobic)、Micrococcacea
e(ミクロコッカス)、Streptococcace
ae(ストレプトコッカス)、嫌気性(Anaerob
ic)、Peptococcaceae(ペプトコッカ
ス)、Bacillaceae(バチルス)、Lact
obacillaceae(乳酸桿菌)、コリネフォル
ム細菌(Coryneformgroup of ba
cteria)、Propionibacteriac
eae(プロピオン酸菌)、Actinomyceta
ceae(アクチノミセス)、Mycobacteri
aceae(マイコバクテリウム)、Frankiac
eae(フランキア)、Actinoplanacea
e(アクチノプラーネス)、Dermatophila
ceae(デルマトフィルス)、Nocardiace
ae(ノカルディア)、Streptomycetac
eae(ストレプトミセス)、Micromonosp
oraceae(ミクロモノスポラ)、Rickett
siaceae(リケッチア)、Bartonella
ceae(バルトネラ)、Anaplasmatace
ae(アナプラズマ)、Chlamydiaceae
(クラミディア)、Mycoplasmataceae
(マイコプラズマ)、およびAcholeplasma
taceae(アコレプラズマ)。
【0022】測定対象細菌として、腸内細菌およびヴィ
ブリオが重要であり得、特に、腸内細菌に属するサルモ
ネラおよび腸管出血性大腸菌、ならびにヴィブリオに属
する腸炎ビブリオ菌が重要であり得る。
【0023】(遺伝子検出方法の実施)本発明による遺
伝子の検出方法は、遺伝子を抽出する工程と、必要に応
じて抽出された遺伝子を断片化する工程と、遺伝子また
はその断片を検出する工程とを含む。本発明において、
代表的には、これらの工程の全てが、単一の遺伝子検出
装置上で、該遺伝子またはその断片を含む液体試料をキ
ャピラリー作用によって移動させることにより連続して
行われることにより、迅速かつ簡便な遺伝子の検出が可
能となる。
【0024】ここで、試料を「キャピラリー作用によっ
て移動」させるとは、装置中の、細胞、ウイルスまたは
細菌を含む液体試料が導入される固体部分(以下「試料
泳動体」ともいう)であって、遺伝子を抽出するための
領域、任意に抽出された遺伝子を断片化するための領
域、および該遺伝子またはその断片を検出するための領
域を含む部分において、液体試料を、固液界面でのキャ
ピラリー作用によって、装置外部からの作用を要するこ
となく、連続的に移動させることをいう。
【0025】以下、各工程ごとに説明する。
【0026】(抽出工程)本発明において、遺伝子の
「抽出」とは、細胞、ウイルスまたは細菌の内部に存在
する遺伝子を、その構成体の細胞膜または被包タンパク
質の構造を破壊または変性させることによって、外部に
遊離させることをいう。抽出の工程は、具体的には、細
胞、ウイルスまたは細菌を電気的処理または化学的処理
に付すことで達成され得る。
【0027】上記抽出のための「電気的処理」とは、細
胞膜または被包タンパク質の構造の破壊または変性を生
じさせるに十分で、かつ内部の遺伝子は著しく損傷する
ことのない範囲の電圧(電位差)を、導電媒体中に存在
する測定対象物に与えることをいう。電気的処理は、代
表的には、測定対象物を水溶液中に分散した状態で行わ
れる。適切な処理電圧は、処理領域の形状など装置の構
成に応じて変動し得ることが理解される。代表的な処理
電圧は、荷電電極間において、1V/cm以上であり
得、好ましくは5V/cm 以上、より好ましくは10
V/cm 以上に設定され得る。処理電圧の上限は、通
常数千V程度までである。電気的処理の時間は、目的と
する遺伝子の抽出が達成される限り、特に限定されない
が、代表的には1分間〜60分間、好ましくは3分間〜
30分間、より好ましくは5分間〜20分間程度の範囲
で設定され得る。
【0028】上記抽出のための「化学的処理」とは、細
胞膜または被包タンパク質の構造の破壊または変性を生
じさせるに十分で、かつ内部の遺伝子は著しく損傷する
ことのない化学物質(本明細書において「変性物質」と
もいう。)を、測定対象物に接触させることをいう。変
性物質の例として、酵素、界面活性剤、カオトロピック
試薬、金属キレート剤、還元剤、および有機溶媒、なら
びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】好ましい酵素の例として、リゾチームに代
表される細胞壁分解酵素、および種々のタンパク質また
はペプチド分解酵素などが挙げられる。好ましい界面活
性剤の例として、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、
およびN−ラウリルサルコシン酸ナトリウム(サルコシ
ル)などのカチオン性界面活性剤、ならびに、ポリオキ
シエチレンアルコール、およびオクリルフェノール−エ
チレンオキシド縮合物などのノニオン性界面活性剤が挙
げられる。好ましいカオトロピック試薬(タンパク質ま
たは核酸の高次構造を形成する非共有結合を切断し得る
試薬)の例として、チオシアン酸グアニジウム、および
尿素などが挙げられる。好ましい金属キレート剤の例と
して、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、およびエ
チレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸(EGT
A)などが挙げられる。好ましい還元剤の例として、β
−メルカプトエタノール、およびジチオスレイトール
(DTT)などが挙げられる。好ましい有機溶媒の例と
して、フェノール、およびエタノールなどが挙げられ
る。
【0030】変性物質の組み合わせは、代表的には、酵
素を含有する組成と酵素を含有しない組成とに大別され
る。酵素を含有する組成の例として、リゾチームと、界
面活性剤またはカオトロピック試薬との組み合わせが挙
げられる(例えば、欧州特許公開第0061250号を
参照)。酵素を含有しない組成の例として、界面活性剤
と、カオトロピック試薬と、金属キレート剤と、還元剤
との組み合わせが挙げられる(例えば、米国特許第5,
212,059号を参照)。
【0031】上記の化学的処理の温度は、代表的には0
℃〜80℃、好ましくは5℃〜40℃程度の範囲で設定
される。化学的処理の時間は、目的とする遺伝子の抽出
が達成される限り、特に限定されないが、代表的には3
分間〜30分間、好ましくは5分間〜20分間程度の範
囲で設定される。
【0032】当業者に明らかなように、測定対象物の種
類によって、電気的処理または化学的処理の条件を最適
化することが望ましい。例えば、グラム陰性細菌を処理
する場合、通常、グラム陽性細菌よりも厳しい処理条件
が必要とされることが多い。ウイルスを処理する場合、
通常、細菌全般よりも厳しい処理条件が必要とされるこ
とが多い。細胞壁を有する植物および菌類などの細胞の
場合、通常、それ以外の細胞および細菌の場合よりも厳
しい処理条件が必要とされることが多い。このような処
理条件の最適化は、当業者には容易である。
【0033】遺伝子の抽出工程はまた、上記電気的処理
または化学的処理と併せて、またはこれらの処理の代わ
りに、測定対象物を物理的処理(例えば、超音波処理ま
たは加熱など)に付すことによっても達成され得る。
【0034】(断片化工程)本発明において、抽出され
た遺伝子は、必要に応じてさらに「断片化」される。断
片化とは、遺伝子の分子サイズを小さくすることをい
う。遺伝子を断片化することにより、後の検出工程での
感度および特異性を向上させることが可能である。断片
化の度合いは特に限定されないが、処理後の断片が、代
表的には20〜2000塩基対、好ましくは50〜10
00塩基対、より好ましくは100〜500塩基対程度
の範囲の平均サイズとなるように処理条件が設定される
ことが望ましい。断片化の工程には、核酸のリン酸エス
テル結合を切断し得る任意の条件を用い得、代表的に
は、抽出された遺伝子を制限酵素処理、または酸もしく
はアルカリでの化学的処理に付すことで達成され得る。
切断部位の選択性が高い点で、制限酵素処理が好まし
い。多種類の制限酵素が入手可能であり、目的遺伝子の
塩基配列に基づいて、検出工程において認識される当該
遺伝子中の特定の領域(例えば、相補的ポリヌクレオチ
ドがハイブリダイズする領域)を挟んで所望のサイズの
断片が生じるように、適切な制限酵素の組み合わせを選
択することができる。
【0035】もっとも、目的遺伝子の種類、または意図
される検出の性質などによっては、遺伝子を断片化する
ことなく、直ちに検出工程に付し、遺伝子の存在につい
て判別できる場合がある。このような場合、簡便さの観
点から、断片化工程を省略すること選択され得る。ま
た、上記抽出工程において、例えば電気的処理の結果、
目的遺伝子の少なくとも一部が、ある程度まで断片化さ
れることも可能であり、そのような態様もまた、本発明
に含まれる。
【0036】(検出工程)本発明において、抽出された
遺伝子またはその断片が有する塩基配列中の特定の領域
を特異的に認識する結合リガンドを利用することによ
り、目的遺伝子またはその断片(以下、単に「検出対象
遺伝子」ともいう)が検出される。結合リガンドとし
て、代表的には、検出対象遺伝子を抗原として認識して
結合する抗遺伝子抗体(すなわち、抗DNA抗体)、な
らびに、検出対象遺伝子の一部の塩基配列と相補的な塩
基配列を有する相補的ポリヌクレオチドを用い得る。
【0037】本明細書において、「検出」とは、目的遺
伝子の存在する可能性の有無を判別することをいう。こ
の検出は、好ましくは目的遺伝子について選択的である
が、必ずしも常に選択的である必要はなく、例えば、目
的遺伝子が存在しない試料グループと、存在する可能性
がある試料グループとの区別を可能にする検出方法も、
本発明の態様に含まれ得る。この場合、第2の試料グル
ープについて、より選択性の高いさらなる検出方法を適
用することにより、より高い信頼性で、目的遺伝子の存
在について判断することが可能になる。
【0038】抗遺伝子抗体による、検出対象遺伝子への
結合反応は、具体的には、免疫クロマトグラフィー法、
免疫比濁法、免疫ひろう法、ラテックス免疫比濁法、ラ
テックス免疫ひろう法または蛍光偏光免疫測定法を用い
て検出され得る。特に、免疫クロマトグラフィー法が好
ましい。
【0039】ここで、免疫クロマトグラフィー法とは、
固相(すなわち、本発明の装置中の試料泳動体)上に固
定化された抗遺伝子抗体によって検出対象遺伝子を捕捉
し、捕捉された検出対象遺伝子の存在を発色、蛍光など
によって可視化する検出方法をいう。結合リガンドとし
ての抗遺伝子抗体は、下記の相補的ポリヌクレオチドと
比べて、検出対象遺伝子に対する親和性が一般に高く、
より迅速な検出を可能にする点で好ましい。検出対象遺
伝子の可視化は、代表的には、検出対象遺伝子に結合し
得、かつ標識部分を有する別の結合リガンド(以下「標
識リガンド」ともいう)を結合させることによって行わ
れる。標識リガンドは、代表的には、抗遺伝子抗体また
は相補的ポリヌクレオチドである。標識された相補的ポ
リヌクレオチドを用いることは、同じ検出対象遺伝子に
対する抗遺伝子抗体との結合に干渉する可能性が少ない
点で有利であり得る。標識部分は、金属粒子、酵素、蛍
光性錯体など、その存在が可視化され得る任意の構造を
含む。
【0040】上記のように、免疫クロマトグラフィー法
では、1つの検出対象遺伝子と結合し得る2つの抗遺伝
子抗体が利用される場合、一方は固定化され、他方は遊
離の状態で提供され得る。このとき、2つの抗遺伝子抗
体は同一の抗体であっても良く、異なる抗体であっても
良い。2つの異なる抗遺伝子抗体を用いる場合、通常、
少なくとも一方は検出対象遺伝子と特異的に結合し得、
好ましくは、両方が検出対象遺伝子とそれぞれ特異的に
結合し得る。下記の免疫比濁法などにおいても、複合体
を効率よく析出させるために、例えば、単一の粒子状担
体に2つの異なる抗遺伝子抗体を共有結合させることが
できる。
【0041】免疫クロマトグラフィー法ではまた、1つ
の検出対象遺伝子と結合し得る、固定化された1つの抗
遺伝子抗体と、遊離の状態の1つの相補的ポリヌクレオ
チドとが利用され得る。このとき、通常、少なくとも一
方は検出対象遺伝子と特異的に結合し得る、好ましく
は、両方が検出対象遺伝子とそれぞれ特異的に結合し得
る。下記の免疫比濁法などにおいても、複合体を効率よ
く析出させるために、例えば、単一の粒子状担体に1つ
の抗遺伝子抗体と1つの相補的ポリヌクレオチドとを共
有結合させることができる。
【0042】免疫クロマトグラフィー法の場合とは異な
り、抗遺伝子抗体を他の検出方法に用いる場合、通常、
抗遺伝子抗体を試料泳動体上に固定することは必要でな
い。試料泳動体上の、目的遺伝子またはその断片(すな
わち「検出対象遺伝子」)を検出するための領域に、抗
遺伝子抗体と検出対象遺伝子との複合体が、検出のため
に十分な時間存在(滞留)し得ればよい。
【0043】免疫比濁法とは、抗遺伝子抗体と検出対象
遺伝子とが結合することによって試料液に溶解しない複
合体を析出させ、試料泳動体上の、析出した複合体が存
在する領域に光を入射させ、透過する光の強さを測定す
ることで当該複合体の存在を検出する方法をいう。免疫
比ろう法とは、免疫比濁法と同様に抗遺伝子抗体と検出
対象遺伝子との複合体を析出させ、試料泳動体上の、析
出した複合体が存在する領域に光を入射させ、析出物に
よる散乱光の強さを入射光と異なる一定角度の横行から
測定することで当該複合体の存在を検出する方法をい
う。
【0044】免疫比濁法および免疫比ろう法のために、
検出対象遺伝子を不溶性の複合体とするための構成の例
として、抗遺伝子抗体の架橋、抗遺伝子抗体の粒子状担
体への共有結合などが挙げられる。特に粒子状担体とし
てラテックス粒子を用いる場合の免疫比濁法および免疫
比ろう法を、それぞれ、ラテックス免疫比濁法およびラ
テックス免疫比ろう法という。上記のように、免疫比濁
法および免疫比ろう法においては、検出領域に抗遺伝子
抗体が固定化される必要はない。ただし、検出対象遺伝
子を含む複合体が検出領域から容易に流出しないことが
望まれるので、検出対象遺伝子に比べて複合体の分子量
が著しく大きくなるように、結合リガンドを設計するこ
とが好ましい。
【0045】蛍光偏光免疫測定法とは、蛍光性化合物を
直線偏光によって励起した場合に化合物から放出される
蛍光がその分子量に比例した大きさの偏光度を有する原
理に基づいて、蛍光標識した抗遺伝子抗体と検出対象遺
伝子との結合を、蛍光性分子の分子量変化として検出す
る方法をいう。この原理から明らかなように、蛍光偏光
免疫測定法においても、検出対象遺伝子に比べて複合体
の分子量が著しく大きくなるように、結合リガンドを設
計することが好ましい。
【0046】相補的ポリヌクレオチドによる、目的遺伝
子またはその断片とのハイブリダイゼーションは、具体
的には、遺伝子クロマトグラフィー法、または遺伝子比
濁法を用いて検出され得る。特に、遺伝子クロマトグラ
フィー法が好ましい。
【0047】ここで、遺伝子クロマトグラフィー法と
は、固相(すなわち、本発明の装置中の試料泳動体)上
に固定化された相補的ポリヌクレオチドによって検出対
象遺伝子を捕捉し、捕捉された検出対象遺伝子の存在を
発色、蛍光などによって可視化する検出方法をいう。結
合リガンドとしての相補的ポリヌクレオチドは、抗遺伝
子抗体と比べて、検出対象遺伝子に対する結合の特異性
が一般に高く、より選択的な検出を可能にする点で好ま
しい。検出対象遺伝子の可視化は、代表的には、検出対
象遺伝子に結合し得、かつ標識部分を有する標識リガン
ドを結合させることによって行われる。標識リガンド
は、好ましくは、相補的ポリヌクレオチドである。標識
部分は、免疫クロマトグラフィー法の場合と同様に、任
意の可視化され得る構造を含む。
【0048】上記のように、免疫クロマトグラフィー法
では、1つの検出対象遺伝子と結合し得る2つの相補的
ポリヌクレオチドが利用され得、一方は固定化され、他
方は遊離の状態で提供され得る。このとき、2つの相補
的ポリヌクレオチドは同一の配列を有しても良く、異な
る配列を有しても良い。2つの異なる配列を利用する場
合、通常、少なくとも一方は検出対象遺伝子と特異的に
ハイブリダイズし得る配列であり、好ましくは、両方が
検出対象遺伝子とそれぞれ特異的にハイブリダイズし得
る配列である。下記の遺伝子比濁法などにおいても、複
合体を効率よく析出させるために、例えば、単一の粒子
状担体に2つの異なる相補的ポリヌクレオチドを共有結
合させることができる。
【0049】遺伝子クロマトグラフィー法の場合とは異
なり、相補的ポリヌクレオチドを他の検出方法に用いる
場合、通常、相補的ポリヌクレオチドを試料泳動体上に
固定することは必要でない。試料泳動体上の、目的遺伝
子またはその断片を検出するための領域に、相補的ポリ
ヌクレオチドと検出対象遺伝子との複合体が存在(滞
留)していれば十分である。
【0050】遺伝子比濁法は、相補的ポリヌクレオチド
と検出対象遺伝子とが結合することによって試料液に溶
解しない複合体を析出させる以外は、免疫比濁法と同様
に行われる検出方法である。遺伝子比ろう法は、遺伝子
比濁法と同様に相補的ポリヌクレオチドと検出対象遺伝
子との複合体を析出さる以外は、免疫比ろう法と同様に
行われる検出方法である。上記のように、これらの方法
において、複合体を効率よく析出させるために、例え
ば、単一の粒子状担体に1つの相補的ポリヌクレオチド
と1つの抗遺伝子抗体とを共有結合させることができ
る。この場合、遺伝子比濁法と免疫比濁法、および遺伝
子ひろう法と免疫ひろう法とは、それぞれ重複した概念
を意味し得る。
【0051】(遺伝子検出方法のための装置)本発明に
よる遺伝子検出装置の構成の例を、以下に、図1を参照
して説明する。本検出装置は、支持体(3)上にそれぞ
れ配置された、泳動判定部(1)、ならびに、吸水部
(4)、遺伝子抽出部(5)、遺伝子切断部(6)およ
び標識リガンド含有部(7)から構成され得る。泳動判
定部上の一部に、遺伝子を検出するための結合リガンド
が固定化または保持された領域(2)が形成される(こ
の領域は、必要に応じて「検出領域」とも呼ばれる)。
泳動判定部、吸水部、遺伝子抽出部、遺伝子切断部およ
び標識リガンド含有部の一体化された組み合わせが「試
料泳動体」に該当する。
【0052】本発明において、吸水部(4)および遺伝
子切断部(6)は、それぞれ省略可能な任意の構成部分
である。以下の検出装置の記述は、あくまで例示であ
り、本発明の作用効果が達成され得る限り、その形状、
材質、配置などの変更を含めて、当業者に容易な任意の
改変がなされ得ることが理解される。
【0053】支持体(3)は、試料泳動体を物理的に支
持する機能を果たす任意の形状および材料で構成され
る。例えば、ポリビニル板などが利用され得るが、これ
らに限定されない。当業者に明らかなように、遺伝子の
検出が比濁分析に基づいて行われる場合、支持体の少な
くとも検出領域を支持する部分は、光を透過し得る透明
または半透明の材料であることが求められる。
【0054】遺伝子抽出部(5)は、細胞、ウイルスま
たは細菌を含む液体試料が導入される部分であり、本発
明における抽出領域を規定する。この部分は、導入され
た試料を吸収し、保持し、徐々に、隣接する遺伝子切断
部(6)へと通過させる性質の多孔質担体(例えば、ガ
ラス繊維ろ紙など)で構成される。遺伝子抽出部は、所
望の抽出処理、代表的には電気的処理または化学的処理
を行うための構成を有する。電気的処理のためには、通
常、遺伝子抽出部を挟んで一対の電極の面を接触させ得
る形状であればよい。化学的処理のためには、通常、必
要な変性試薬を遺伝子の抽出のために十分な量で、あら
かじめ遺伝子抽出部に保持させておく。
【0055】遺伝子切断部(6)は、本発明における任
意の断片化領域を規定する。この部分は、遺伝子抽出部
から移動した試料を吸収し、保持し、徐々に、隣接する
標識リガンド含有部(7)へと通過させる性質の多孔質
担体(例えば、ガラス繊維ろ紙など)で構成される。遺
伝子切断部は、所望の断片化処理、代表的には制限酵素
処理または化学的処理を行うための構成を有する。すな
わち、通常、必要な制限酵素または酸もしくはアルカリ
を遺伝子の断片化のために十分な量で、あらかじめ遺伝
子切断部に保持させておく。
【0056】標識リガンド含有部(7)は、本発明にお
ける検出領域中のサブ領域の1つを規定する。この部分
は、遺伝子切断部から移動した試料を吸収し、保持し、
徐々に、隣接する泳動判定部(1)へと通過させる性質
の多孔質担体(例えば、ガラス繊維ろ紙など)で構成さ
れる。標識リガンド含有部には、所望の標識リガンド、
代表的には、標識部分を有する抗遺伝子抗体または相補
的ポリヌクレオチドを、あらかじめ保持させておく。検
出対象遺伝子に結合し得、かつその結合が同じ遺伝子と
下記の捕捉リガンドとの結合を妨げない限り、任意の標
識リガンドを用い得る。例えば、標識抗体または標識ポ
リヌクレオチドを含む水溶液を多孔質担体に含浸させた
後、凍結乾燥させることにより、これらの抗体またはポ
リヌクレオチドを均一に担持させ得る。
【0057】吸水部(4)は、過剰の試料を吸収し得る
ように、十分な吸水力および給水容量を有する多孔質担
体(例えば、ガラス繊維ろ紙)から構成される。下記の
理由から、遺伝子の検出が、免疫クロマトグラフィー法
または遺伝子クロマトグラフィー法によって行われる場
合、吸水部が設けられることが好ましい。吸水部、なら
びに、上記の遺伝子抽出部(5)、遺伝子切断部(6)
および標識リガンド含有部(7)としては、同一の多孔
質担体を用いてもよく、あるいは、それぞれの部分が所
望の速度で試料を移動させ得るように、異なる多孔質担
体、例えば、同じ材料で多孔度の異なる材料を用いても
よい。多孔質担体の材料としては、ガラス繊維ろ紙の他
に、セルロース、ニトロセルロースなどを用い得る。
【0058】泳動判定部(1)は、本発明における検出
領域中のサブ領域の別の1つを規定する。この部分は、
液体試料を通過させる性質の多孔質担体で構成される。
検出対象遺伝子に対する非特異的な吸着を実質的に示す
ことがなく、かつ液体試料の適切な速度での移動を可能
にする限り、任意の多孔質担体を用い得る。多孔質担体
の例としては、ニトロセルロース、セルロース、ガラス
繊維ろ紙、スチロール樹脂、ビニル系樹脂などが挙げら
れる。多孔質担体の水に対する親和性が低い場合は界面
活性剤を用いてもよい。泳動判定部の形状は特に限定さ
れないが、図1に示すように、シート状に形成されてい
ることが好ましい。
【0059】遺伝子の検出が、免疫クロマトグラフィー
法または遺伝子クロマトグラフィー法によって行われる
場合、遺伝子を検出するための結合リガンド(代表的に
は、抗遺伝子抗体または相補的ポリヌクレオチド)は泳
動判定部上の検出領域(2)の領域に固定されている
(検出領域上にある結合リガンドは「捕捉リガンド」と
も呼ばれる)。固定化の強度は、液体試料の移動に伴う
位置の変化が実質的に起きない強度であればよい。この
場合、ニトロセルロースは、抗体およびDNAを固定し
やすい点で有利に用いられる多孔質担体である。抗遺伝
子抗体または相補的ポリヌクレオチドは、検出領域を形
成する任意の領域に水溶液として滴下した後、乾燥およ
び洗浄することにより固定化することができる。遺伝子
の検出を行う際には、液体試料は検出領域を完全に通過
させることで、細胞、ウイルスまたは細菌に由来する、
検出対象遺伝子以外の易移動性の成分を検出領域から洗
い流すことができる。従って、液体試料が検出領域を完
全に通過した後で、検出操作を行うことが好ましい。ま
た、検出装置は、吸水部を有することが好ましい。
【0060】遺伝子の検出が、免疫クロマトグラフィー
法および遺伝子クロマトグラフィー法以外の、比濁法ま
たはひろう法などに基づいて行われる場合、抗遺伝子抗
体または相補的ポリヌクレオチドは多孔質担体上に固定
されている必要はなく、検出領域(2)の領域内から容
易には脱落しないように保持されていればよい。この場
合、多孔質担体として、例えば、ガラス繊維ろ紙、不織
布などを用い得る。遺伝子の検出を行う際には、液体試
料が検出領域を完全に通過してしまうと、結合リガンド
と検出対象遺伝子との複合体が検出領域から流出してし
まう。従って、十分な量の液体試料が検出領域に到達し
た時点で、検出操作を行うことが好ましい。また、検出
装置には、吸水部は必ずしも必要ではない。
【0061】標識リガンドおよび/または捕捉リガンド
として用いられる抗遺伝子抗体は、検出対象遺伝子を認
識して抗原−抗体反応し得る限り、ポリクローナル抗体
であっても、モノクローナル抗体であってもよく、キメ
ラ抗体、Fab抗体、(Fab)2抗体などの形態でも
あり得る。抗体のクラスは特に限定されないが、好まし
くは、IgGである。当業者は、検出対象遺伝子に対応
して適切な抗体を選択し得る。一定の遺伝子に結合する
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体などは、
当該分野で公知であり、容易に入手し得る。抗遺伝子抗
体はまた、当該分野で公知の免疫学的方法などに従って
作製し得る。
【0062】標識リガンドおよび/または捕捉リガンド
として用いられる相補的ポリヌクレオチドは、通常一本
鎖DNAであるが、検出対象遺伝子を認識してハイブリ
ダイゼーションし得る限り、他の任意の形態のポリヌク
レオチド分子であり得る。例えば、DNAのリン酸結合
をより安定なイミデート結合に変更した改変DNAなど
を用い得る。当業者は、検出対象遺伝子に対応して適切
なポリヌクレオチドを選択し得る。一定の遺伝子に結合
するDNAプローブなどは、当該分野で公知であり、容
易に入手し得る。相補的ポリヌクレオチドはまた、当該
分野で公知のヌクレオチド合成法などに従って作製し得
る。
【0063】遺伝子抽出部(5)、遺伝子切断部(6)
および標識リガンド含有部(7)は、代表的には、別々
に用意されて、泳動判定部(1)と組み合わせて、支持
体(3)上で互いに接触するように配置され得る。図1
に示すような、遺伝子抽出部、遺伝子切断部および標識
リガンド含有部を支持体上に直接配置した構成の他に、
例えば、これら遺伝子抽出部、遺伝子切断部および標識
リガンド含有部の一部または全部が、泳動判定部上に置
かれた構成も可能である。このような構成の変更は、例
えば遺伝子切断部における制限酵素の保持量(含浸量)
など、種々の要因を考慮して、適宜設定し得る。さら
に、一つの多孔質担体を、遺伝子抽出部、遺伝子切断部
および標識リガンド含有部のうち、いずれか2つ、また
は3つ全てとして利用することも可能である。この場
合、一つの多孔質担体の異なる部位が、遺伝子抽出部、
遺伝子切断部および標識リガンド含有部のうちの所望の
機能を果たすように、処置される。
【0064】以上の各部分(5、6および7)を、吸水
部(4)、および泳動判定部(1)とともに、支持体
(3)上に配置して、一体となった検出装置を構成す
る。各部分は、例えば、両面テープを用いて、支持体
(3)に貼り付けられ得る。代わりに、一つの多孔質担
体を、遺伝子抽出部、遺伝子切断部、標識リガンド含有
部、および吸水部、ならびに泳動判定部の全ての機能を
果たす、一体化された試料泳動体として利用することも
可能である。図1に示すように、吸水部が試料泳動体の
下流側を、遺伝子抽出部が試料泳動体の上流側を規定す
る。
【0065】測定対象物を含む液体試料は、以上のよう
に構成された検出装置の遺伝子抽出部に添加されると、
固液界面でのキャピラリー作用によって、下流側に向か
って装置の各部分を通過する。その間に、上記の抽出、
断片化、および検出の各工程が達成される。各工程を効
率良く行うためには、液体試料の移動速度を最適化する
ことが所望される。
【0066】移動速度は、試料泳動体の各部分の多孔質
担体の選択によって制御され得る。例えば、周知のよう
に、ガラス繊維ろ紙はニトロセルロースに比べて一般に
移動速度が大きい。移動速度はまた、液体試料の媒体の
組成の選択によって制御され得る。例えば、液体試料の
粘度を高くすることによって、一般に移動速度は低下す
る。液体試料の粘度を調節するために、上記の抽出、断
片化、および検出の各工程での作用を妨げない限り、任
意の粘度調節剤、例えば、スクロースなどの糖類などを
使用し得る。移動速度はまた、検出装置の各部分の境界
面に移動障壁を設けることによっても制御され得る。例
えば、遺伝子抽出部と遺伝子切断部との境界面に、ポリ
ビニルアルコールのようなポリマーを含浸させることに
よって、遺伝子抽出部における液体試料の滞留時間を延
長させることができる。移動速度を適切に制御するため
に、上記のまたは他の公知の技術を利用し得る。
【0067】本発明によれば、細胞、ウイルスまたは細
菌を含む試料から、抽出され、かつ任意に断片化された
検出対象遺伝子が検出される。抽出、断片化、および検
出の各工程が単一の検出装置上で行われるため、操作上
の制約の少ない、簡便な検出が可能になる。検出対象遺
伝子は、代表的には、標識リガンドおよび捕捉リガンド
と複合体を形成した状態で検出される。特に、捕捉リガ
ンドとして抗遺伝子抗体または相補的ポリヌクレオチド
を用いることにより、選択性の高い検出が可能になる。
【0068】
【実施例】以下、本発明を、実施例によって具体的に説
明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0069】(実施例1:相補的ポリヌクレオチド捕捉
型の装置によるサルモネラ菌の検出) 1.1 クロマトグラフィー装置の作製 約5cm×約0.9cmのニトロセルロース膜(ミリポ
ア社製)の、短辺の端から1cmの上に、サルモネラ菌
invA遺伝子(サイズ:275bp)に対する第1プ
ローブ(配列:TTGTCACCG)0.1mg/ml
を含有するPBS溶液約10ulを、ニトロセルロース
膜の長辺に対して垂直方向に端から端まで幅約1mmの
ライン状に滴下し、その後、40℃で20分間遮光状態
で乾燥することにより、サルモネラ遺伝子プローブを固
定化した。得られた固定化ニトロセルロース膜を、1%
スキムミルクを含有する0.1Mトリス溶液(pH8.
2)に、30℃で30分間浸すことにより、ブロッキン
グした。ブロッキング後、ニトロセルロース膜を、0.
1Mトリス溶液(pH8.2)で2回洗浄し、40℃で
4時間乾燥させた。乾燥後の固定化ニトロセルロース膜
を用いて、以下のようにクロマトグラフィー装置を作製
した。
【0070】約10cm×約0.9cmのポリビニル板
の支持体を、裏打ち材として用意した。この支持体の上
面に、上記のサルモネラ遺伝子プローブ固定化ニトロセ
ルロース膜を、両面テープを用いて接着した。このニト
ロセルロース膜の一方の端(下流側)に、吸水部とし
て、約2cm×約0.9cmのガラス繊維片を接着し
た。ニトロセルロース膜の他端(上流側)に、下流側に
向かって、遺伝子抽出部、遺伝子切断部および標識リガ
ンド含有部として、それぞれ、約1cm×約0.9c
m、約1cm×約0.9cmおよび約1cm×約0.9
cmのガラス繊維片(厚さ約0.1cm)を、順次接着
した(図1)。ガラス繊維片の接着にも、両面テープを
用いた。
【0071】以上のようにクロマトグラフィー装置を組
み立てた後、遺伝子切断部であるガラス繊維片に、サル
モネラ菌invA遺伝子を切り出す制限酵素であるHi
ndIIIおよびEcoRIを、サルモネラ菌含有試料
に対して大過剰となるように、PBS溶液として含浸さ
せた。
【0072】また、標識リガンド含有部であるガラス繊
維片には、金コロイド標識したサルモネラ菌invA遺
伝子に対する第2プローブ(配列:TGGTCCAGT
T)5mg/mlを含有するPBS溶液約10ulを含
浸させた。
【0073】1.2 サルモネラ菌含有試料からの遺伝
子検出 サルモネラ菌(S.typhimurium)105
109細胞/mlの範囲の各種濃度でPBS中に含む溶
液を用意し、サルモネラ菌含有試料として用いた。各1
mlの試料を、上記クロマトグラフィー装置の遺伝子抽
出部に添加した。添加後、遺伝子抽出部の上面と、対向
する裏打ち材の裏面とに、それぞれ約0.2cm×約
0.9cmの電極の面を接触させ、20Vの直流電圧を
10分間かけた。細菌が破壊され、遊離した遺伝子が電
極表面付近に付着した。
【0074】遊離した遺伝子を含む試料は、遺伝子抽出
部から、隣接する遺伝子切断部に移動することが観察さ
れた。遺伝子切断部では、あらかじめ添加された制限酵
素(HindIIIおよびEcoRI)の作用により、
遺伝子が断片化された。試料が遺伝子切断部から、隣接
する標識リガンド含有部に移動するのに、約10分間を
要した。
【0075】試料がさらに、標識リガンド含有部の下流
側の端から、ニトロセルロース膜上の、サルモネラ遺伝
子プローブを固定化したラインまで移動するのに、約5
分間を要した。ライン上に、金コロイドに由来する赤色
が現れ、サルモネラ菌を検出できた。結果を、図2に示
す。図2の吸光度(O.D.)は、試料を最初にクロマ
トグラフィー装置に添加してから25分後に、反射吸光
度測定器(島津製作所製CS9300)により、入射光に対す
るニトロセルロース膜表面の反射光の強度を、遺伝子プ
ローブが固定化されたライン部の面積当たりの積算強度
として、測定したものである。ブランクは、未使用のニ
トロセルロース膜表面とした。
【0076】(実施例2:抗遺伝子抗体捕捉型の装置に
よるサルモネラ菌の検出) 2.1 クロマトグラフィー装置の作製 本実施例では、実施例1におけるサルモネラ菌invA
遺伝子プローブ(配列:TTGTCACCG)の代わり
に、同じサルモネラ菌invA遺伝子に対するモノクロ
ーナル抗体を用いた。具体的には、モノクローナル抗体
1.0mg/mlを含有するPBS溶液約100ul
を、遺伝子プローブの場合と同様にしてニトロセルロー
ス膜上にライン状に滴下し、乾燥、固定化、ブロッキン
グ、洗浄および乾燥を行った。この固定化ニトロセルロ
ース膜を用いて、実施例1と同様にして、クロマトグラ
フィー装置を作製した。
【0077】遺伝子切断部および標識リガンド含有部で
あるガラス繊維片には、実施例1と同様に、それぞれ、
大過剰のHindIIIおよびEcoRIと、金コロイ
ド標識したサルモネラ菌invA遺伝子プローブ(配
列:TGGTCCAGTT)とを含浸させた。従って、
本実施例によれば、サルモネラ菌invA遺伝子の制限
酵素断片が、移動相の標識遺伝子プローブと、固定相の
モノクローナル抗体とにサンドイッチされて検出可能な
複合体を形成する。
【0078】2.2 サルモネラ菌含有試料からの遺伝
子検出 実施例1と同様のサルモネラ菌含有試料各1mlを、上
記クロマトグラフィー装置の遺伝子抽出部に添加した。
添加後、実施例1と同様に、遺伝子抽出部に20Vの直
流電圧を荷電した(10分間)。遊離した遺伝子を含む
試料は、遺伝子抽出部から、遺伝子切断部に移動し、そ
の後、約10分間を要して、遺伝子切断部から、隣接す
る標識リガンド含有部に移動した。試料がさらに、標識
リガンド含有部の下流側の端から、ニトロセルロース膜
上の、モノクローナル抗体を固定化したラインまで移動
するのに、約5分間を要した。ライン上に、金コロイド
に由来する赤色が現れ、サルモネラ菌を検出できた。結
果を、図3に示す。吸光度(O.D.)の測定条件も、
実施例1と同様である。
【0079】
【発明の効果】本発明は、細胞、ウイルスまたは細菌か
らの遺伝子の抽出、必要に応じた抽出遺伝子の断片化、
および遺伝子またはその断片の検出が、一体化された検
出装置上での液体試料の移動によって、連続的に行い得
る遺伝子検出装置を提供する。本発明によれば、細胞、
ウイルスまたは細菌を簡便に、かつ高い選択性をもって
検出し得るので、環境、食品および医療などの分野にお
ける分析に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による遺伝子検出装置の構成例の概略
を示す図である。
【図2】 本発明の検出装置を用い、相補的ポリヌクレ
オチドを備えた免疫クロマトグラフィー法を利用して、
サルモネラ菌を検出した結果を示すグラフである。
【図3】 本発明の検出装置を用い、抗遺伝子抗体およ
び相補的ポリヌクレオチドを備えた遺伝子クロマトグラ
フィー法を利用して、サルモネラ菌を検出した結果を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 泳動判定部 2 検出領域 3 支持体 4 吸水部 5 遺伝子抽出部 6 遺伝子切断部 7 標識リガンド含有部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 15/00 A Fターム(参考) 4B024 AA01 AA05 AA11 AA14 AA17 CA01 CA09 DA03 DA05 HA09 HA11 HA14 4B029 AA07 BB02 BB11 BB13 FA03 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ03 QQ06 QQ08 QQ10 QQ15 QQ16 QQ18 QQ19 QQ42 QR14 QR16 QR32 QR41 QR48 QR51 QR54 QR55 QR64 QR84 QS14 QS17 QS34 QS39 QX01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞、ウイルスまたは細菌から遺伝子を
    抽出する工程、任意に抽出された遺伝子を断片化する工
    程、および、該遺伝子またはその断片を検出する工程を
    包含する、遺伝子検出方法であって、 該抽出工程、任意の断片化工程、および検出工程が、単
    一の遺伝子検出装置上で、該遺伝子またはその断片を含
    む液体試料をキャピラリー作用によって移動させること
    により連続して行われる、遺伝子検出方法。
  2. 【請求項2】 前記細菌が、以下の分類のいずれかに属
    する、請求項1に記載の遺伝子検出方法:ロドスピリル
    ム、クロマチア、クロロビウム、ミクソコッカス、アル
    カンギウム、シストバクター、ポリアンギウム、サイト
    ファーガ、ベギアトア、シモンシエラ、リューコトリッ
    クス、アクロマチウム、ペロネーマ、スピロヘータ、ス
    ピリルム、シュードモナス、アゾトバクター、リゾビウ
    ム、メチロモナス、ハロバクテリウム、腸内細菌、ヴィ
    ブリオ、バクテロイデス、ナイセリア、ヴェイヨネラ、
    アンモニアまたは亜硝酸化細菌、硫黄代謝細菌、酸化鉄
    および/または酸化マンガン沈着細菌、シデロカプサ、
    メタノバクテリウム、好気性または通性嫌気性ミクロコ
    ッカス、ストレプトコッカス、嫌気性ペプトコッカス、
    バチルス、乳酸桿菌、コリネフォルム細菌、プロピオン
    酸菌、アクチノミセス、マイコバクテリウム、フランキ
    ア、アクチノプラーネス、デルマトフィルス、ノカルデ
    ィア、ストレプトミセス、ミクロモノスポラ、リケッチ
    ア、バルトネラ、アナプラズマ、クラミディア、マイコ
    プラズマ、およびアコレプラズマ。
  3. 【請求項3】 前記ウイルスが、以下の分類のいずれか
    に属する、請求項1に記載の遺伝子検出方法:エンテロ
    ウイルス、カルディオウイルス、ライノウイルス、アフ
    トウイルス、カリシウイルス、ヘパトウイルス、オルビ
    ウイルス、レオウイルス、ロタウイルス、アビビルナウ
    イルス、ピスチビルナウイルス、エントモビルナウイル
    ス、アルファウイルス、ルビウイルス、ペスティウイル
    ス、フラヴィウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエ
    ンザウイルス、ニューモウイルス、パラミクソウイル
    ス、モルビリウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイ
    ルス、コロナウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイル
    ス、レンチウイルス、オルトヘパドナウイルス、マスト
    アデノウイルス、リンホクリプトウイルス、ロゼオロウ
    イルス、サイトメガロウイルス、ワリセラウイルス、お
    よびシンプレックスウイルス。
  4. 【請求項4】 細胞、ウイルスまたは細菌から遺伝子を
    抽出するための領域、任意に抽出された遺伝子を断片化
    するための領域、および該遺伝子またはその断片を検出
    するための領域を備えた、遺伝子検出装置であって、 該遺伝子またはその断片を含む液体試料を、該抽出領
    域、任意の断片化領域、および検出領域を通じて、キャ
    ピラリー作用によって移動させ得る、遺伝子検出装置。
  5. 【請求項5】 前記抽出領域が、細胞、ウイルスまたは
    細菌の、電気的処理または化学的処理を行うための構成
    を有する、請求項4に記載の遺伝子検出装置。
  6. 【請求項6】 前記電気的処理が、電圧を細胞、ウイル
    スまたは細菌にかけることにより遺伝子を遊離させる処
    理である、請求項5に記載の遺伝子検出装置。
  7. 【請求項7】 前記化学的処理が、酵素、界面活性剤、
    カオトロピック試薬、金属キレート剤、還元剤、および
    有機溶媒、ならびにそれらの組み合わせからなる群から
    選択される変性試薬を、細胞、ウイルスまたは細菌に接
    触させることにより遺伝子を遊離させる処理である、請
    求項5に記載の遺伝子検出装置。
  8. 【請求項8】 前記断片化領域が、抽出された遺伝子
    の、制限酵素処理または酸もしくはアルカリでの化学的
    処理を行うための構成を有する、請求項4に記載の遺伝
    子検出装置。
  9. 【請求項9】 前記検出領域が、前記遺伝子またはその
    断片の、抗遺伝子抗体との反応および/または相補的ポ
    リヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを行うため
    の構成を有する、請求項4に記載の遺伝子検出装置。
  10. 【請求項10】 前記抗遺伝子抗体との反応を、免疫ク
    ロマトグラフィー法、免疫比濁法、免疫ひろう法、ラテ
    ックス免疫比濁法、ラテックス免疫ひろう法または蛍光
    偏光免疫測定法を用いて検出するための構成を有する、
    請求項9に記載の遺伝子検出装置。
  11. 【請求項11】 前記ハイブリダイゼーションを、遺伝
    子クロマトグラフィー法、遺伝子比濁法、または遺伝子
    比ろう法を用いて検出するための構成を有する、請求項
    9に記載の遺伝子検出装置。
  12. 【請求項12】 細胞、ウイルスまたは細菌の同定に有
    用な遺伝子検出装置であって、以下の領域:細胞、ウイ
    ルスまたは細菌から遺伝子を抽出するための領域であっ
    て、電圧を細胞、ウイルスまたは細菌にかけることによ
    り遺伝子を遊離させる電気的処理を行うための構成を有
    する領域;抽出された遺伝子を断片化するための領域で
    あって、該抽出遺伝子の制限酵素処理を行うための構成
    を有する領域;および該遺伝子の断片を検出するための
    領域であって、標識部分を結合させた相補的ポリヌクレ
    オチドまたは抗遺伝子抗体を有するサブ領域、および多
    孔質膜上に固定化された相補的ポリヌクレオチドを有す
    るサブ領域を含む、領域を備え、 該遺伝子またはその断片を含む液体試料を、該抽出領
    域、断片化領域、および検出領域を通じて、キャピラリ
    ー作用によって移動させ得る、遺伝子検出装置。
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