JP2001155854A - 有機el素子の封止方法 - Google Patents

有機el素子の封止方法

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JP2001155854A
JP2001155854A JP33264499A JP33264499A JP2001155854A JP 2001155854 A JP2001155854 A JP 2001155854A JP 33264499 A JP33264499 A JP 33264499A JP 33264499 A JP33264499 A JP 33264499A JP 2001155854 A JP2001155854 A JP 2001155854A
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sealing
adhesive
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hole
sealing member
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Atsumasa Hara
淳雅 原
Kazuhide Ota
和秀 太田
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/842Containers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着時における封止空間内の圧力上昇を少な
くすることにより封止不良の発生を防止する有機EL素
子の封止方法を提供する。 【解決手段】 本発明の封止方法は、溝12を有する封
止部材1に接着剤2を塗布して封止ラインを形成する塗
布工程と、この封止部材1を透明基板3と重ね合わせる
配置工程と、これら両部材を圧着する圧着工程とを備え
る。接着剤2には溝12の位置に窪み21が生じ、ここ
に封止ラインの内外空間を連通させるトンネルTが形成
されるので、封止空間Kの体積減少にともなう圧力上昇
が防止される。圧着工程が進行するとトンネルTは両部
材に押しつぶされた接着剤2により塞がれる。溝12に
代えて、接着剤が塗布される位置の封止部材に穴を設
け、この穴の上にトンネルを形成してもよい。圧着工程
終了後に両部材を上下反転させると、穴内の接着剤が透
明基板側に流下してトンネルが塞がれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネセンス(EL)素子の封止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子の信頼性向上及び長寿命化
を図るためには、有機EL積層膜を構成する発光層や電
極を確実に水分や酸素(以下、「水分等」ともいう。)
から遮断することが重要である。この目的から、有機E
L積層膜の形成された透明基板と封止部材とを接着剤を
介して一体化することにより、これらの間に封止された
有機EL積層膜を水分等から保護する技術が知られてい
る。例えば、封止部材の外周部に接着剤を塗布して透明
基板を重ね合わせてこの両者と接着剤により囲まれた空
間(以下、「封止空間」ともいう。)に有機EL積層膜
を封止し、次いで封止部材と透明基板とを圧着すること
により間に挟まれた接着剤を薄く押し広げた後に接着剤
を硬化させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、封止部材に透
明基板を重ねて圧着する際、封止空間の体積は接着剤が
押し潰されるにつれて減少し、これに伴って封止空間の
圧力が上昇する。この内部圧力の影響で、図10に示す
ように接着剤2の広がり具合が不均一になって封止部材
と透明基板3とを接合する封止ラインの形状に乱れが生
じたり、封止空間内の気体が接着剤に孔(気道)を作っ
て抜け出し、この気道が接着剤の硬化後まで残ってしま
ったりして、素子の封止不良が発生するという問題があ
った。
【0004】この封止不良を防止するため、特開平11
−176571号公報には、封止部材と透明基板との加
圧接着を減圧下で行う有機EL素子の製造方法が開示さ
れている。しかし、この製造方法によっても封止ライン
形状の乱れを十分に防止することは困難であり、また雰
囲気圧力の調節が面倒である。
【0005】本発明の目的は、接着時における封止空間
内の圧力上昇を少なくすることにより封止不良の発生を
防止する有機EL素子の封止方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、封止部材お
よび透明基板の一方に溝または穴を設けることにより上
記課題が解決されることを見出して本発明を完成したの
である。
【0007】第1発明の有機EL素子の封止方法は、有
機EL積層膜が形成された透明基板と封止部材とが接着
剤により一体化された有機EL素子の封止方法であっ
て、上記透明基板および上記封止部材のいずれか一方の
部材に接着剤を塗布して封止ラインを形成する塗布工程
と、該接着剤が塗布された上記一方の部材を他方の部材
と重ね合わせる配置工程と、上記一方の部材と上記他方
の部材とを圧着する圧着工程とを備え、上記一方の部材
および上記他方の部材のうち少なくとも一方には上記配
置工程において上記封止ラインの内外空間を連通させる
トンネルを形成するための溝が設けられており、上記圧
着工程において上記内外空間の連通が上記接着剤により
遮断されることを特徴とする。
【0008】また、第3発明の有機EL素子の封止方法
は、上記透明基板および上記封止部材のいずれか一方の
部材に接着剤を塗布して封止ラインを形成する塗布工程
と、該接着剤が塗布された上記一方の部材を他方の部材
とを重ね合わせる配置工程と、上記一方の部材と上記他
方の部材とを圧着する圧着工程と、圧着された上記一方
の部材と上記他方の部材とを上下反転させる反転工程を
備え、上記封止ラインを構成する上記接着剤の一部は上
記一方の部材に設けられた穴内に塗布されており、上記
配置工程において該穴の上に上記封止ラインの内外空間
を連通させる空隙が形成され、上記穴内に塗布された上
記接着剤が上記反転工程において流下することにより上
記内外空間の連通が遮断されることを特徴とする。
【0009】上記「透明基板」としては、ガラス、樹
脂、石英等の透明材料からなる板状物、シート状物、或
いはフィルム状物等を用いることができる。このうち、
水分などの遮断性に優れるガラス板を用いることが特に
好ましい。この透明基板上に、陽極、有機EL膜及び陰
極を積層して「有機EL積層膜」が構成される。有機E
L膜は、発光層のみからなってもよく、発光層に加えて
正孔輸送層及び/又は電子輸送層を有してもよく、更に
正孔注入層及び/又は電子注入層を有してもよい。陽
極、陰極及び有機EL膜を構成する材料としては、それ
ぞれ種々の公知材料を用いることができる。これらの各
層を形成する方法は、真空蒸着法、スピンコート法、キ
ャスト法、スパッタリング法、LB法等の方法から適宜
選択すればよい。
【0010】上記「封止部材」としては、ステンレス、
アルミニウム又はその合金等の金属類、ソーダ石灰ガラ
ス、珪酸塩ガラス等のガラス類、アクリル系樹脂、スチ
レン系樹脂等の樹脂類等の一種又は二種以上からなるも
のを使用することができる。このうち、金属類またはガ
ラス類からなるものが好ましい。封止部材の形状は特に
限定されず、例えば板状、キャップ状等とすることがで
きる。
【0011】本発明の封止方法において用いる「接着
剤」としては、エポキシ樹脂系接着剤、アクリレート系
接着剤、または熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等からなる
ものを使用することができる。このうち、水分等の透過
性の低い硬化物を形成するものが好ましい。また、素子
への熱ストレスを低減できかつ速硬化性に優れることか
ら、光硬化性樹脂からなる接着剤が好ましく用いられ
る。特に、カチオン重合性の紫外線硬化型エポキシ樹脂
系接着剤を用いることが好ましい。
【0012】この接着剤の硬化前における粘度は、常温
において通常50〜20,000Pa・s程度である。
本発明の封止方法のうち、第1発明の方法は、比較的高
粘度の(例えば3,000〜20,000Pa・s、よ
り好ましくは5,000〜10,000Pa・s)接着
剤を用いる場合に好ましく適用される。また、第3発明
の方法は、比較的低粘度の(例えば50〜3,000P
a・s、より好ましくは100〜500Pa・s)接着
剤を用いる場合に好ましく適用される。接着剤の塗布長
さに対する塗布量は、通常0.2〜200mg/cm
(好ましくは1.5〜120mg/cm)であり、圧着
前における接着剤の塗布幅は通常0.2〜5mm(好ま
しくは0.5〜3mm)、高さ(塗布厚さ)は通常0.
1〜3mm(好ましくは0.2〜2mm)である。溝の
幅方向の中央部における接着剤の上端は溝の上端よりも
低いことが好ましいが、接着剤の上端が溝の上端より高
い場合にも、封止ラインの他の箇所と比較して溝上の接
着剤が窪んでおれば、圧着工程の初期においてトンネル
を形成することは可能であり、本発明の効果を得ること
ができる。
【0013】この接着剤は、封止部材および透明基板の
少なくとも一方にディスペンサ等を用いて塗布される。
通常は、有機EL積層膜の形成された透明基板に比べて
取り扱いが容易な封止部材側に接着剤を塗布することが
好ましい。第1発明の封止方法においては、この溝を有
する部材と接着剤を塗布する部材とは必ずしも同じでな
くてもよいが、同じ部材であることが好ましい。また、
第3発明の封止方法では、穴を有する部材と接着剤を塗
布する部材とは同じとする。この接着剤を塗布する部材
(一方の部材)は、第2発明および第4発明のように、
封止部材であることが好ましい。
【0014】上記透明基板および上記封止部材のいずれ
か一方には、溝または穴が形成されている。ここで、
「溝」とは上端以外の箇所にも開口部を有する凹部をい
い、「穴」とは上端以外に開口部をもたない凹部をい
う。通常は封止部材側に溝または穴を形成することが好
ましく、この封止部材が金属類からなる場合には、通常
はガラス等からなる透明基板に比べて溝または穴の形成
が容易であるためより好ましい。溝または穴の形成方法
としては金属プレス等を用いることができる。なお、ガ
ラス類等からなる封止部材や透明基板に溝または穴を形
成する場合には切削等の方法によればよい。以下、溝ま
たは穴が封止部材側に形成されている場合を例として説
明する。
【0015】上記「溝」は、通常は上記配置工程におい
て封止ラインと交叉(好ましくは直交)するように形成
されている。図2(a)のように封止部材1が平板状で
ある場合には、封止部材の所定位置からこの封止部材の
外周端に至るまで、片末端開放型の溝12を設けること
が好ましい。また、図2(b)のように封止部材1の外
周部に側壁14が形成されている場合、あるいは図2
(c)のように封止部材1の外周に鍔部11が形成され
ている場合には、この側壁14または鍔部11を幅方向
に貫通するように、両末端開放型の溝12を設けること
が好ましい。なお、図2(a)および図2(b)は封止
部材がガラス類からなる場合に、図2(c)は封止部材
が金属類からなる場合に適した形状の例である。
【0016】封止部材の外周部に接着剤を塗布して封止
ラインを形成するとき、封止ラインの各部における接着
剤の塗布量は通常ほぼ一定であることから、封止ライン
が溝を横断する箇所では接着剤に窪みが生じる。この封
止部材に透明基板を重ね合わせると、この接着剤の窪み
と透明基板との間に、封止ラインの内外空間に連通する
トンネルが形成される。圧着工程の初期には、封止空間
の体積減少につれて封止空間内の気体がこのトンネルを
通じて抜け出すことにより、封止空間内の圧力上昇が防
止される。圧着が進むと、封止部材と透明基板との間で
押しつぶされた接着剤によりトンネルが次第に縮小し、
ついには消滅する(トンネルが塞がれる)。これにより
封止空間内外の連通が遮断される。
【0017】溝の断面形状は、コの字状、U字状、V字
状等のいずれでもよいが、圧着工程において接着剤を隅
々まで充填しやすいことからU字状が好ましい。溝の大
きさは、使用する接着剤の粘度や塗布量、接着剤硬化後
における封止ラインの幅等に応じて適宜設定される。通
常は、上端における幅3〜10mm、長さ2〜10m
m、深さ0.5〜3mm(より好ましくは幅3〜5m
m、長さ3〜5mm、深さ0.5〜2mm)とすること
が好ましい。溝が小さすぎる場合には、封止空間の体積
が十分に小さくなる前にトンネルが塞がれてしまう。一
方、溝が大きすぎる場合には、得られた有機EL素子が
水分等の遮断性の低いものとなりやすい。
【0018】また、上記「穴」は、図3(a)および図
3(b)に示すように、封止部材1のうち接着剤2が塗
布される位置の一部に、好ましくはこの塗布方向を長辺
とする長方形状の穴13として形成されることが好まし
い。なお、図3(a)は封止部材がガラス類からなる場
合に、図3(b)は封止部材が金属類からなる場合に適
した形状の例である。
【0019】上記塗布工程において、封止ラインを構成
する接着剤の一部はこの穴内に入り込んで塗布される。
このため、封止部材の上から透明基板を重ねると、穴が
形成された位置の封止部材と透明基板との間に、封止ラ
インの内外空間に連通するトンネルが形成される。圧着
工程において、封止空間の体積減少につれて封止空間内
の気体がこのトンネルを通じて抜け出すことにより、封
止空間内の圧力上昇が防止される。圧着工程の終了後、
封止部材と透明基板とを上下反転させると、穴内に塗布
された接着剤が透明基板側へと流下して上記空隙を塞
ぐ。これにより封止空間内外の連通が遮断される。
【0020】穴の形状は特に限定されないが、封止ライ
ンに垂直な断面における好ましい形状としてはコの字状
またはU字状、封止ラインに平行かつ封止部材に垂直な
断面における好ましい形状としてはコの字状、円弧状ま
たはU字状等が挙げられる。穴の大きさは、使用する接
着剤の粘度や塗布量、接着剤硬化後における封止ライン
の幅等に応じて適宜設定される。通常は、封止部材の表
面への開口部の幅は1〜6mm、長さは3〜10mmで
あり、深さは0.5〜3mm、(より好ましくは幅2〜
4mm、長さ4〜8mm、深さ0.5〜2mm)とする
ことが好ましい。穴の幅が小さすぎると、封止ラインの
幅方向において接着剤が穴からはみ出して、圧着工程に
おいてトンネルを形成できなくなる恐れがある。穴の長
さまたは深さが小さすぎると、封止空間の体積が十分に
小さくなる前にトンネルが塞がれてしまう場合がある。
一方、穴が大きすぎる場合には、反転工程において接着
剤を流下させて連通を遮断する際に長時間を要すること
となり、また得られた有機EL素子が水分等の遮断性の
低いものとなりやすい。
【0021】圧着工程または反転工程終了後における接
着剤層の幅および厚さは、接着剤の硬化後における封止
ラインの幅および厚さとほぼ同等であり、幅1〜5mm
(より好ましくは2〜4mm)、厚さ1〜200μm
(より好ましくは5〜100μm)とすることが好まし
い。その後、紫外線照射等の手段により接着剤を硬化さ
せて、封止部材と透明基板とを一体に接着すればよい。
なお、上記溝および穴は、封止ラインの一箇所に設けて
もよく、二箇所以上に設けてもよい。通常は、成形が容
易でありかつ水分等の遮断性の高い有機EL素子を得や
すいことから、一箇所に設けることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
具体的に説明する。 (実施例1)図4に示すように、封止部材1は金属プレ
スにより成形され、厚さ0.5mmのステンレス板から
なり、縦30mm×横50mm×高さ10mmの角形キ
ャップ状であって外周部に幅3mmの鍔部11を有す
る。この封止部材1の一方の短辺に位置する鍔部11に
は、長さ方向のほぼ中央に、鍔部11を幅方向に貫通す
る両末端開放型の溝12が形成されている。溝12の断
面形状はU字状であり、その上端における幅は3mm、
深さは0.8mmである。この鍔部11の外周端から
1.5mm内側に、カチオン重合性の紫外線硬化型エポ
キシ樹脂系接着剤(チバガイギー社製、商品名「XNR
5493T」)2をディスペンサにより塗布して、環状
の封止ラインを形成した。この接着剤の粘度は5,50
0Pa・s/25℃、ディスペンサ移動量に対する接着
剤の塗布量は20mg/cm、塗布された接着剤2の断
面形状は幅0.8mm、高さ0.5mmの略半円状であ
った。このとき、溝12の形成された位置では接着剤2
に窪み21が形成された。
【0023】次いで、図1(a)に示すように、有機E
L積層膜を形成した透明基板3を封止部材1の上から重
ね、この封止部材1、透明基板3および接着剤2(封止
ライン)により、有機EL積層膜を封止する封止空間K
を区画した。このとき、窪み21と透明基板3との間
に、封止空間Kおよび外部空間に連通するトンネルTが
形成される。この状態から封止部材1と透明基板3とを
圧着すると、接着剤2が次第に押しつぶされて封止空間
Kの体積が減少するとともに、封止空間K内の気体がト
ンネルTを通じて外部空間に押し出される。これにより
封止空間Kの圧力上昇が防止される。圧着が進むと、押
しつぶされた接着剤2によりトンネルTが次第に圧縮さ
れ、最終的には図1(b)に示すようにトンネルTが消
滅して封止空間Kと外部空間とが遮断される。その後、
紫外線を照射して接着剤2を硬化させた。硬化後の接着
剤2の幅は2.5mm、厚さは100μmであった。
【0024】なお、この実施例1では溝を設けた部材と
接着剤が塗布される部材とは同一であるが、例えば図5
に示すように、透明基板側3に溝31を設け、封止部材
側1に接着剤2を塗布してもよい。この場合には、接着
剤2と溝31との間にトンネルTが形成され、圧着が進
行すると押しつぶされた接着剤2が溝31内に充填され
てトンネルTが塞がれる。
【0025】(実施例2)図6に示すように、縦30m
m×横50mm×厚さ1.1mmのガラス板からなる封
止部材1を用い、その一方の短辺から2mm内側に入っ
た箇所に、この短辺と平行に長さ5mm、幅2mm、深
さ0.8mmの穴13を切削法により形成した。この穴
13の断面形状は、封止ラインに垂直な断面および封止
ラインに平行かつ封止部材に垂直な断面のいずれにおい
てもコの字状である。封止部材1の外周端から2mm内
側に、実施例1で使用したものと同じ接着剤を同じ条件
で塗布して、環状の封止ラインを作成した。この封止ラ
インは穴13を縦断しており、この箇所の接着剤2は穴
13内に塗布される。
【0026】接着剤2の塗布幅は穴13の幅よりも狭
く、また図7(a)に示すように、穴13内に塗布され
た穴内接着剤22の上端は穴13の上端よりも低くなっ
ている。したがって、この封止部材1の上から透明基板
3を重ねると、穴13の上に位置する封止部材1と透明
基板3との間に封止空間Kおよび外部空間に連通するト
ンネルTが形成される。この状態から封止部材1と透明
基板3とを圧着すると、接着剤2が次第に押しつぶされ
て封止空間Kの体積が減少するとともに、封止空間K内
の気体がトンネルTを通じて外部空間に押し出される。
これにより封止空間Kの圧力上昇が防止される。図7
(b)に示すように、実施例1とは異なりこのトンネル
Tは圧着終了まで維持される。次いで、封止部材1と透
明基板2とを上下反転させると、穴内接着剤22が流下
し、図7(c)に示すように透明基板3に密着するとと
もに、図8に示すように一部は毛管現象により穴13の
両側へと広がる。これによりトンネルTが塞がれて封止
空間Kと外部空間とが遮断される。その後、紫外線を照
射して接着剤2を硬化させた。硬化後の接着剤2の幅は
2.5mm、厚さは100μmであった。
【0027】上記実施例1および実施例2により得られ
た有機EL素子を目視により評価したところ、図9に示
すように、いずれも封止ラインを形成する接着剤2の形
状に乱れは見られず、接着剤内外の空間を連通させるよ
うな気道は全く存在しなかった。また、封止ラインの幅
は、有機EL素子の周方向のどの位置でもほぼ同一であ
った。なお、図9は得られた有機EL素子を透明基板側
から見た状態を示す模式的平面図であって、符号3は透
明基板、符号4は有機EL積層膜を示す。
【0028】
【発明の効果】本発明の封止方法では、封止部材または
透明基板に溝または穴を設け、この溝または穴を利用し
て、封止部材と透明基板との圧着時に封止空間内の気体
を外へ逃がすための連通孔(トンネル)を形成する。こ
のトンネルにより、圧着時の封止空間の減少に伴う圧力
上昇が防止される。圧着が進行すると、あるいは圧着後
の反転工程において、この連通孔は接着剤により塞が
れ、封止ラインの内外空間が遮断される。
【0029】なお、溝または穴を設ける本発明とは異な
り、例えば接着剤を塗布する際に途中でディスペンサか
らの接着剤の供給を一時的に停止することにより封止ラ
インの一部に接着剤の途切れ部を設けた場合にも、透明
基板と封止部材とを重ねた時点ではこの途切れ部により
トンネルが形成される。しかしこの方法によると、また
圧着時における接着剤の広がりを制御することが困難で
あるため、圧着時または圧着後にトンネルを確実に塞ぐ
ことができず封止不良が多発する。本発明の方法による
と、封止部材または透明基板に溝または穴を設けるとい
う簡単な方法により、内外空間を連通させるトンネルの
形成およびその遮断の時期を容易に制御し、さらにこの
遮断を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4のI−I線断面からみた実施例1の封止方
法を示すもので、(a)は配置工程、(b)は圧着工程
終了時を示す。
【図2】(a)〜(c)は、本発明において封止部材に
設けられる溝の形状を例示する斜視図である。
【図3】(a)および(b)は、本発明において封止部
材に設けられる穴の形状を例示する斜視図である。
【図4】実施例1の封止方法に用いる封止部材を示す斜
視図である。
【図5】実施例1の封止方法の他の例における配置工程
を示す断面図である。
【図6】実施例2の封止方法に用いる封止部材を示す斜
視図である。
【図7】図6の VII−VII 線断面からみた実施例2の封
止方法を示すもので、(a)は配置工程、(b)は圧着
工程終了時、(c)は反転工程終了時を示す。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】実施例により得られた有機EL素子の封止ライ
ンを示す模式的平面図である。
【図10】比較例により得られた有機EL素子の封止ラ
インを示す模式的平面図である。
【符号の説明】
1;封止部材、11;鍔部、12;溝、13;穴、2;
接着剤、21;窪み、22;穴内接着剤、3;透明基
板、4;有機EL積層膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機EL積層膜が形成された透明基板と
    封止部材とが接着剤により一体化された有機EL素子の
    封止方法であって、上記透明基板および上記封止部材の
    いずれか一方の部材に接着剤を塗布して封止ラインを形
    成する塗布工程と、該接着剤が塗布された上記一方の部
    材を他方の部材と重ね合わせる配置工程と、上記一方の
    部材と上記他方の部材とを圧着する圧着工程とを備え、 上記一方の部材および上記他方の部材のうち少なくとも
    一方には上記配置工程において上記封止ラインの内外空
    間を連通させるトンネルを形成するための溝が設けられ
    ており、上記圧着工程において上記内外空間の連通が上
    記接着剤により遮断されることを特徴とする有機EL素
    子の封止方法。
  2. 【請求項2】 上記一方の部材は上記封止部材であり、
    上記溝は該封止部材に設けられている請求項1記載の有
    機EL素子の封止方法。
  3. 【請求項3】 有機EL積層膜が形成された透明基板と
    封止部材とが接着剤により一体化された有機EL素子の
    封止方法であって、上記透明基板および上記封止部材の
    いずれか一方の部材に接着剤を塗布して封止ラインを形
    成する塗布工程と、該接着剤が塗布された上記一方の部
    材を他方の部材とを重ね合わせる配置工程と、上記一方
    の部材と上記他方の部材とを圧着する圧着工程と、圧着
    された上記一方の部材と上記他方の部材とを上下反転さ
    せる反転工程を備え、 上記封止ラインを構成する上記接着剤の一部は上記一方
    の部材に設けられた穴内に塗布されており、上記配置工
    程において該穴の上に上記封止ラインの内外空間を連通
    させる空隙が形成され、上記穴内に塗布された上記接着
    剤が上記反転工程において流下することにより上記内外
    空間の連通が遮断されることを特徴とする有機EL素子
    の封止方法。
  4. 【請求項4】 上記一方の部材は上記封止部材である請
    求項3記載の有機EL素子の封止方法。
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